JP2003206255A - 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法 - Google Patents

光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法

Info

Publication number
JP2003206255A
JP2003206255A JP2002004795A JP2002004795A JP2003206255A JP 2003206255 A JP2003206255 A JP 2003206255A JP 2002004795 A JP2002004795 A JP 2002004795A JP 2002004795 A JP2002004795 A JP 2002004795A JP 2003206255 A JP2003206255 A JP 2003206255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optically active
hydrocarbon
side chain
hydroxycarboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002004795A
Other languages
English (en)
Inventor
Norimasa Okuda
典正 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2002004795A priority Critical patent/JP2003206255A/ja
Publication of JP2003206255A publication Critical patent/JP2003206255A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的生産性に優れた簡便な方法で光学活性
α-ヒドロキシカルボン酸類を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 光学活性シアノヒドリンの加水分解反応
後の水溶液に含まれる光学活性α-ヒドロキシカルボン
酸を、水に対して非混和性の溶媒で抽出し、次いで、抽
出液に炭化水素溶媒を添加して、その炭化水素溶媒含有
抽出液から光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を晶析さ
せることを特徴とする光学活性α-ヒドロキシカルボン
酸の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬中間体等とし
て有用な光学活性α-ヒドロキシカルボン酸の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光学活性α-ヒドロキシカルボ
ン酸類は対応する光学活性マンデロニトリル類の加水分
解等により得られる。そして、そのようにして合成され
た光学活性α-ヒドロキシカルボン酸類は、反応溶液か
ら抽出、濾過、洗浄等の精製工程を経て単離され、次い
で結晶化してマンデル酸類の結晶が得られる。しかしな
がら、従来の方法では工程が煩雑であり、また得られる
マンデル酸結晶の収率及び光学純度は必ずしも満足でき
るものではなかった。
【0003】また、一般に、光学活性α-ヒドロキシカ
ルボン酸の結晶を得る際には、加水分解反応後の反応溶
液を一旦乾固させた後に、次いで再結晶等により光学活
性α-ヒドロキシカルボン酸を精製することが行なわれ
ている。しかしながら、この乾固工程では爆発等の危険
性や、乾固物の取り扱い性において問題があり、工業的
規模での生産方法には向いていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的生産
性に優れた簡便な方法で光学活性α-ヒドロキシカルボ
ン酸類を製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、光学活性シアノヒドリン
の加水分解反応後の水溶液に含まれる光学活性α-ヒド
ロキシカルボン酸を、水に対して非混和性の溶媒で抽出
し、次いで、その抽出液に炭化水素溶媒を添加して光学
活性α-ヒドロキシカルボン酸を晶析させることにより
上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)光学活性シアノヒドリンの加水分解反応後の水溶
液に含まれる光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を、水
に対して非混和性の溶媒で抽出し、次いで、抽出液に炭
化水素溶媒を添加して、その炭化水素溶媒含有抽出液か
ら光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を晶析させること
を特徴とする光学活性α-ヒドロキシカルボン酸の製造
方法。 (2)炭化水素溶媒含有抽出液を濃縮して晶析を行なう
ことを特徴とする前記(1)記載の方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の方法について詳
細に説明する。本発明で用いられる光学活性シアノヒド
リンとしては、例えば次式(I):
【0008】
【化1】 (式中、C*は不斉炭素原子を表し、R1及びR2は、互
いに異なって、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アミ
ノ基、炭素数14以下の1価の炭化水素基で一置換もし
くは二置換されたアミノ基、メルカプト基又は炭素数2
2以下の1価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中、
−CH2−並びに−CH3のCH2はカルボニル基、スル
ホニル基、−O−又は−S−で置き換えられていてもよ
く、=CH 2は=O又は=Sで置き換えられていてもよ
く、また−CH2−のC−H、−CH 3のC−H、>CH
−のC−H、=CH−のC−H並びに=CH2のC−H
は、N又はC−ハロゲンで置き換えられていてもよく、
また、R1及びR2は、共同して非対称の2価の基を表し
てもよい。)で示される化合物が挙げられる。
【0009】前記式(I)において、炭素数22以下の
1価の炭化水素基とは、直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水
素基、側鎖のない又は側鎖のある単環式炭化水素基、側
鎖のない又は側鎖のある多環式炭化水素基、側鎖のない
又は側鎖のあるスピロ炭化水素基、側鎖のない又は側鎖
のある環集合構造の炭化水素基、あるいは、前記の環式
炭化水素基が置換した鎖式炭化水素基のいずれをも含
む。また、飽和な炭化水素基並びに不飽和な炭化水素基
のいずれをも含むが、不飽和な炭化水素基において、C
=C=Cのアレン構造を含む基は除く。直鎖状又は分岐
状の鎖式炭化水素基としては、例えば、飽和な鎖式炭化
水素基である、炭素数1以上の直鎖状アルキル基、炭素
数3以上の分岐状アルキル基、不飽和な鎖式炭化水素基
である、炭素数2以上の直鎖状アルケニル基、炭素数3
以上の分岐状アルケニル基、炭素数3以上の直鎖状アル
キニル基、炭素数4以上の分岐状アルキニル基、炭素数
4以上の直鎖状アルカジエニル基、炭素数5以上の分岐
状アルカジエニル基などを例示することができる。単環
式炭化水素基としては、例えば、飽和な単環式炭化水素
基である、炭素数3以上の側鎖のないシクロアルキル
基、総炭素数4以上の側鎖のあるシクロアルキル基、不
飽和な単環式炭化水素基である、炭素数4以上の側鎖の
ないシクロアルケニル基、総炭素数5以上の側鎖のある
シクロアルキニル基、炭素数5以上の側鎖のないシクロ
アルカジエニル基、総炭素数6以上の側鎖のあるシクロ
アルカジエニル基などを例示することができる。不飽和
な単環式又は多環式炭化水素基としては、芳香族炭化水
素基、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフ
チル基、9−アントリル基など総炭素数6〜22の側鎖
のない芳香族基、総炭素数7以上の側鎖のある芳香族
基、更には、環集合構造の炭化水素基でもある、炭素数
12のフェニルフェニル基、総炭素数13以上の側鎖の
あるフェニルフェニル基を例示することができる。ま
た、多環式炭化水素基としては、炭素数6以上の側鎖の
ない縮合環式炭化水素基、総炭素数7以上の側鎖のある
縮合環式炭化水素基、炭素数7以上の側鎖のない架橋環
式炭化水素基、総炭素数8以上の側鎖のある架橋環式炭
化水素基、総炭素数9以上の側鎖のないスピロ炭化水素
基、総炭素数10以上の側鎖のあるスピロ炭化水素基な
どを例示することができる。なお、前記の側鎖のない縮
合環式炭化水素基において、縮合する環の一つがベンゼ
ン環である場合、その総炭素数が9以上となるものを挙
げることができ、前記の側鎖のある縮合環式炭化水素基
において、縮合する環の一つがベンゼン環である場合、
その総炭素数が10以上となるものを挙げることができ
る。環集合構造の炭化水素基としては、総炭素数6以上
の側鎖のないシクロアルキルシクロアルキル基、総炭素
数7以上の側鎖のあるシクロアルキルシクロアルキル
基、総炭素数6以上の側鎖のないシクロアルキリデンシ
クロアルキル基、総炭素数7以上の側鎖のあるシクロア
ルキリデンシクロアルキル基などを例示することができ
る。なお、これらの環式炭化水素において、側鎖のある
とは、環上に鎖式炭化水素基が置換していることを意味
する。前述する環式炭化水素基が置換した鎖式炭化水素
基としては、総炭素数7以上の側鎖のない芳香族基で置
換された直鎖状アルキル基、総炭素数8以上の側鎖のあ
る芳香族基で置換された直鎖状アルキル基、総炭素数9
以上の側鎖のない芳香族基で置換された分岐状アルキル
基、総炭素数10以上の側鎖のある芳香族基で置換され
た分岐状アルキル基、総炭素数8以上の側鎖のない芳香
族基で置換された直鎖状アルケニル基、総炭素数9以上
の側鎖のある芳香族基で置換された直鎖状アルケニル
基、総炭素数9以上の側鎖のない芳香族基で置換された
分岐状アルケニル基、総炭素数10以上の側鎖のある芳
香族基で置換された分岐状アルケニル基、総炭素数8以
上の側鎖のない芳香族基で置換された直鎖状アルキニル
基、総炭素数9以上の側鎖のある芳香族基で置換された
直鎖状アルキニル基、総炭素数10以上の側鎖のない芳
香族基で置換された分岐状アルキニル基、総炭素数11
以上の側鎖のある芳香族基で置換された分岐状アルキニ
ル基、総炭素数10以上の側鎖のない芳香族基で置換さ
れた直鎖状アルカジエニル基、総炭素数11以上の側鎖
のある芳香族基で置換された直鎖状アルカジエニル基、
総炭素数11以上の側鎖のない芳香族基で置換された分
岐状アルカジエニル基、総炭素数12以上の側鎖のある
芳香族基で置換された分岐状アルカジエニル基、総炭素
数4以上の側鎖のないシクロアルキル基で置換された直
鎖状アルキル基、総炭素数5以上の側鎖のあるシクロア
ルキル基で置換された直鎖状アルキル基、総炭素数6以
上の側鎖のないシクロアルキル基で置換された分岐状ア
ルキル基、総炭素数7以上の側鎖のあるシクロアルキル
基で置換された分岐状アルキル基、総炭素数5以上の側
鎖のないシクロアルキル基で置換された直鎖状アルケニ
ル基、総炭素数6以上の側鎖のあるシクロアルキル基で
置換された直鎖状アルケニル基、総炭素数6以上の側鎖
のないシクロアルキル基で置換された分岐状アルケニル
基、総炭素数7以上の側鎖のあるシクロアルキル基で置
換された分岐状アルケニル基、総炭素数5以上の側鎖の
ないシクロアルキル基で置換された直鎖状アルキニル
基、総炭素数6以上の側鎖のあるシクロアルキル基で置
換された直鎖状アルキニル基、総炭素数7以上の側鎖の
ないシクロアルキル基で置換された分岐状アルキニル
基、総炭素数8以上の側鎖のあるシクロアルキル基で置
換された分岐状アルキニル基、総炭素数8以上の側鎖の
ないシクロアルキル基で置換された分岐状アルカジエニ
ル基、総炭素数9以上の側鎖のあるシクロアルキル基で
置換された分岐状アルカジエニル基などを例示すること
ができる。
【0010】なお、以下においては、側鎖のない芳香族
基、側鎖のある芳香族基、並びに、フェニルフェニル基
又は側鎖のあるフェニルフェニル基などを併せて、アリ
ール基といい、このアリール基で置換された直鎖状又は
分岐状のアルキル基をアラルキル基という。他の環式炭
化水素基に関しても、特に明記しない場合、環上に側鎖
のないものとあるものを併せて指す場合には、単にシク
ロアルキル基等の名称を用いる。鎖式炭化水素基につい
ても、直鎖状のものと分岐状のものを併せて指す場合に
は、単にアルキル基等の名称を用いる。
【0011】前記炭化水素基中、−CH2−がカルボニ
ル基、スルホニル基、−O−又は−S−で置き換えられ
ると、それぞれケトン、スルホン、エーテル又はチオエ
ーテルの構造が導入され、−CH3の−CH2−がカルボ
ニル基、−O−又は−S−で置き換わると、それぞれホ
ルミル基(アルデヒド)、水酸基又はメルカプト基に変
わり、あるいは、末端の=CH2が=O又は=Sに置き
換わると、ケトン、チオケトンの構造が導入されること
を意味し、また、−CH2−のC−HがNに変わると、
−NH−となり、>CH−のC−HがNに変わると、>
N−となり、=CH−のC−HがNに変わると、=N−
となり、末端の−CH3のC−HがNに変わると、−N
2が導入され、=CH2のC−HがNに変わると、=N
Hとなる。また、−CH3、−CH2−、=CH−、≡C
H又は>CH−のC−HがC−ハロゲンで置き換えられ
ると、当該炭素上へハロゲン原子を置換することにな
る。なお、炭素鎖中における−O−、−S−、Nへの置
き換えは、当該炭化水素基に対する、それぞれオキサ置
換、チア置換、アザ置換に当たり、例えば、炭化水素環
の環の骨格炭素で起こると、炭化水素環のそれぞれ含酸
素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素環への変換とな
る。該炭化水素基中、CH2並びにC−Hにおける置き
換えは、それぞれ独立に行われてよく、加えて、前記の
置き換えを行った後、なお当該炭素上にCH2又はC−
Hが残存する際には、更に置き換えがなされてもよい。
更には、前記の置き換えにより、−CH2−CH3の−C
O−O−H;カルボン酸構造への変換などもなされる。
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子を指すが、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0012】従って、前記炭化水素基としては、鎖式炭
化水素基並びに環式炭化水素基など環構造を有する炭化
水素基のいずれをも選択でき、例えば、飽和鎖式炭化水
素基である直鎖状又は分岐状のアルキル基、不飽和鎖式
炭化水素基である直鎖状又は分岐状のアルケニル基、直
鎖状又は分岐状のアルキニル基、直鎖状又は分岐状のア
ルカジエニル基など、飽和な環式炭化水素基であるシク
ロアルキル基、不飽和な環式炭化水素基であるシクロア
ルケニル基、シクロアルキニル基、シクロアルカジエニ
ル基など、芳香族炭化水素基であるアリール基、アラル
キル基、アリールアルケニル基などが挙げられる。
【0013】更に詳しくいえば、直鎖状又は分岐状のア
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル
基、ペンチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、1
−メチルペンチル基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル
基、1−エチルペンチル基、オクチル基、ノニル基、デ
シル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチ
ル基、3−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3
−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、メチルヘ
キシル基、メチルヘプチル基、メチルオクチル基、メチ
ルノニル基、1,1−ジメチルエチル基、1,1−ジメ
チルプロピル基、2,6−ジメチルヘプチル基、3,7
−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基など、シ
クロアルキルアルキル基としては、シクロペンチルメチ
ル基、シクロヘキシルメチル基など、シクロアルキル基
としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル
基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基など、ビシクロアルキル基としては、ノル
ボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダ
マンチル基などが挙げられる。直鎖状又は分岐状のアル
ケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、クロチ
ル基(2−ブテニル基)、イソプロペニル基(1−メチ
ルビニル基)など、シクロアルケニル基又はシクロアル
カジエニル基としては、シクロペンテニル基、シクロペ
ンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサン
ジエニル基などが挙げられる。直鎖状又は分岐状のアル
キニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、
ブチニル基などが挙げられる。アリール基としては、例
えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2
−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−
フェニルフェニル基、9−アントリル基、メチルフェニ
ル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エ
チルフェニル基、メチルエチルフェニル基、ジエチルフ
ェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基など
が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル
基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フ
ェネチル基(2−フェニルエチル基)、1−フェニルエ
チル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェ
ニルペンチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル
基、メチルフェネチル基、ジメチルベンジル基、ジメチ
ルフェネチル基、トリメチルベンジル基、エチルベンジ
ル基、ジエチルベンジル基などが挙げられる。アリール
アルケニル基としては、例えばスチリル基、メチルスチ
リル基、エチルスチリル基、ジメチルスチリル基、3−
フェニル−2−プロペニル基などが挙げられる。
【0014】前記炭化水素基中のCH2がカルボニル
基、スルホニル基、O又はSで、又はC−HがN又はC
−ハロゲンで置き換えられた基としては、ケトン、アル
デヒド、カルボン酸、スルホン、エーテル、チオエーテ
ル、アミン、アルコール、チオール、ハロゲン、複素環
(例えば、含酸素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素
環)などの構造を一つ以上含む基が挙げられる。なお、
含酸素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素環とは、環式
炭化水素基の環骨格の炭素がそれぞれ酸素、硫黄、窒素
で置き換わるものを意味し、更には、これらヘテロ原子
置換が二種以上ある複素環であってもよい。前記の置換
を有する炭化水素基としては、例えば、ケトン構造のア
セチルメチル基、アセチルフェニル基;スルホン構造の
メタンスルホニルメチル基;エーテル構造のメトキシメ
チル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキ
シプロピル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエ
チル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、
フェノキシメチル基;チオエーテル構造のメチルチオメ
チル基、メチルチオフェニル基;アミン構造のアミノメ
チル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、
3−アミノプロピル基、2,3−ジアミノプロピル基、
2−アミノブチル基、3−アミノブチル基、4−アミノ
ブチル基、2,3−ジアミノブチル基、2,4−ジアミ
ノブチル基、3,4−ジアミノブチル基、2,3,4−
トリアミノブチル基、メチルアミノメチル基、ジメチル
アミノメチル基、メチルアミノエチル基、プロピルアミ
ノメチル基、シクロペンチルアミノメチル基、アミノフ
ェニル基、ジアミノフェニル基、アミノメチルフェニル
基;含酸素複素環のテトラヒドロフラニル基、テトラヒ
ドロピラニル基、モルホリルエチル基;含酸素複素芳香
環のフリル基、フルフリル基、ベンゾフリル基、ベンゾ
フルフリル基;含硫黄複素芳香環のチエニル基;含窒素
複素芳香環のピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリ
ル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル
基、ピリダジニル基、ピラジニル基、テトラジニル基、
キノリル基、イソキノリル基、ピリジルメチル基;アル
コール構造の2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ
プロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒ
ドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒ
ドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−
ジヒドロキシブチル基、2,4−ジヒドロキシブチル
基、3,4−ジヒドロキシブチル基、2,3,4−トリ
ヒドロキシブチル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロ
キシフェニル基、ヒドロキシメチルフェニル基、ヒドロ
キシエチルフェニル基;チオール構造の2−メルカプト
エチル基、2−メルカプトプロピル基、3−メルカプト
プロピル基、2,3−ジメルカプトプロピル基、2−メ
ルカプトブチル基、3−メルカプトブチル基、4−メル
カプトブチル基、メルカプトフェニル基;ハロゲン化炭
化水素基である2−クロロエチル基、2−クロロプロピ
ル基、3−クロロプロピル基、2−クロロブチル基、3
−クロロブチル基、4−クロロブチル基、フルオロフェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジフル
オロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジブロモフェニ
ル基、クロロフルオロフェニル基、トリフルオロフェニ
ル基、トリクロロフェニル基、フルオロメチルフェニル
基、トリフルオロメチルフェニル基;アミン構造とアル
コール構造を有する2−アミノ−3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ア
ミノ−3−ヒドロキシブチル基、3−アミノ−2−ヒド
ロキシブチル基、2−アミノ−4−ヒドロキシブチル
基、4−アミノ−2−ヒドロキシブチル基、3−アミノ
−4−ヒドロキシブチル基、4−アミノ−3−ヒドロキ
シブチル基、2,4−ジアミノ−3−ヒドロキシブチル
基、3−アミノ−2,4−ジヒドロキシブチル基、2,
3−ジアミノ−4−ヒドロキシブチル基、4−アミノ−
2,3−ジヒドロキシブチル基、3,4−ジアミノ−2
−ヒドロキシブチル基、2−アミノ−3,4−ジヒドロ
キシブチル基、アミノヒドロキシフェニル基;ハロゲン
と水酸基で置換された炭化水素基であるフルオロヒドロ
キシフェニル基、クロロヒドロキシフェニル基;カルボ
ン構造のカルボキシフェニル基などが挙げられる。
【0015】前記式(I)で示されるシアノヒドリンと
しては、例えば、マンデロニトリル(2−ヒドロキシ−
2−フェニルアセトニトリル)、3−フェノキシマンデ
ロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(3−フェノキシフ
ェニル)アセトニトリル)、4−メチルマンデロニトリ
ル(2−ヒドロキシ−2−(p−トリル)アセトニトリ
ル)、2−クロロマンデロニトリル(2−(2−クロロ
フェニル)−2−ヒドロキシアセトニトリル)、3−ク
ロロマンデロニトリル(2−(3−クロロフェニル)−
2−ヒドロキシアセトニトリル)、4−クロロマンデロ
ニトリル(2−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキ
シアセトニトリル)、3−ニトロマンデロニトリル(2
−ヒドロキシ−2−(3−ニトロフェニル)アセトニト
リル)、3,4−メチレンジオキシマンデロニトリル
(2−ヒドロキシ−2−(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)アセトニトリル)、2,3−メチレンジオキシ
マンデロニトリル(2−ヒドロキシ−2−(2,3−メ
チレンジオキシフェニル)アセトニトリル)、2−ベン
ジル−2−ヒドロキシアセトニトリル、2−(2−フリ
ル)−2−ヒドロキシアセトニトリル等の2−アリール
−2−ヒドロキシアセトニトリル;2−ヒドロキシ−2
−メチルアセトニトリル、2−ヒドロキシ−2−プロピ
ルアセトニトリル、2−ヒドロキシ−2−イソプロピル
アセトニトリル、2−ブチル−2−ヒドロキシアセトニ
トリル、2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシアセトニ
トリル等の2−アルキル−2−ヒドロキシアセトニトリ
ル;2−エチル−2−ヒドロキシ−2−メチルアセトニ
トリル、2−ブチル−2−ヒドロキシ−2−メチルアセ
トニトリル、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−プロピ
ルアセトニトリル、2−ヒドロキシ−2−イソプロピル
−2−メチルアセトニトリル、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−2−ペンチルアセトニトリル、2−ヒドロキシ−
2−メチル−2−(2−メチルプロピル)アセトニトリ
ル、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−(3−メチルブ
チル)アセトニトリル等の2,2−ジアルキル−2−ヒ
ドロキシアセトニトリル;2−ヒドロキシ−2−メチル
−2−(2−プロペニル)アセトニトリル、2−(3−
ブテニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルアセトニトリ
ル等の2−アルキル−2−アルケニル−2−ヒドロキシ
アセトニトリル;2−(3−クロロプロピル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルアセトニトリル等の2−アルキル
−2−(ハロアルキル)−2−ヒドロキシアセトニトリ
ル;2−(1−(アルコキシカルボニルアミノ)−2−
シクロヘキシルエチル)−2−ヒドロキシアセトニトリ
ル等の2−(1−(保護アミノ)アルキル)−2−ヒド
ロキシアセトニトリル;2−ヒドロキシ−2−(2−メ
チルチオエチル)アセトニトリル等の2−アルキルチオ
アルキル−2−ヒドロキシアセトニトリル;2−ヒドロ
キシ−2−ピバロイルアセトニトリル等の2−アシル−
2−ヒドロキシアセトニトリルが挙げられる。R1及び
2で表される2価の基としては特に制限はなく、例え
ば、非対称の炭素数2〜22のアルキレン基等が挙げら
れる。
【0016】本発明に用いる光学活性シアノヒドリン
は、公知の方法、例えば、対応するカルボニル化合物又
はその亜硫酸水素ナトリウム付加物にシアン化アルカリ
を作用して得られる。また、(S)−体、(R)−体の
いずれでも用いることができ、これらは、例えば、対応
するカルボニル化合物又はその亜硫酸水素ナトリウム付
加物にシアン化アルカリを作用して得られるシアノヒド
リンを光学分割する方法、対応するカルボニル化合物
に、植物から抽出される(S)−ヒドロキシニトリルリ
アーゼ、(R)−ヒドロキシニトリルリアーゼ等の酵素
の存在下にシアン化水素を不斉付加する方法(例えば、
Synthesis, July 1990, 575-578;Tetrahedron Letter
s, 32, 2605-2608 (1991);特開昭63−219388
号;特開平5‐317065号;特開平9−22748
8号公報)、ラセミ体のシアノヒドリンエステルを化学
的に合成した後、これを原料として酵素により不斉加水
分解する方法(例えば、特開昭62−65688号公
報)、対応するカルボニル化合物に、(S)−ヒドロキ
シニトリルリアーゼ、(R)−ヒドロキシニトリルリア
ーゼ等の酵素の遺伝子を組み込んだ遺伝子組換え微生物
によって生産された酵素の存在下にシアン化水素を不斉
付加する方法(例えば、WO98/30711、特開平
9−227488号公報)により製造することができ
る。
【0017】次に、上記の光学活性シアノヒドリンの加
水分解について説明する。上記の光学活性シアノヒドリ
ンの加水分解は公知の方法により実施することができ
る。即ち、反応容器に加水分解触媒を含む水、及び原料
の光学活性シアノヒドリンを加えて反応させる。本発明
で加水分解反応に用いる触媒としては特に制限されない
が、鉱酸を用いるのが好ましい。そのような鉱酸として
は、例えば塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、過塩素
酸、好ましくは塩酸が挙げられる。
【0018】加水分解触媒の使用量がシアノヒドリンに
対して多過ぎると、経済的に不利で、かつ回収率が低下
し、一方、使用量が少なすぎると、反応が遅く十分に進
行しなくなったり、得られる光学活性α−ヒドロキシカ
ルボン酸の光学純度が低下することがあるので、加水分
解触媒の使用量は、シアノヒドリンに対して、通常1.
5〜10当量であり、1.5〜8当量であることが好ま
しく、2〜7当量であることが更に好ましい。
【0019】加水分解反応の反応条件としては特に制限
されないが、加水分解反応時の最高温度が90℃を超え
ると、副生成物や着色が増加したり光学活性α−ヒドロ
キシカルボン酸の純度が低下することがあり、また、反
応時の温度が40℃以下の場合には反応が十分に進行せ
ず収率の低下を招くので、加水分解時の反応溶液の温度
は40〜90℃であることが好ましく、50〜80℃で
あることが更に好ましい。また反応時間は、1〜24時
間とすることが好ましく、2〜12時間とすることが更
に好ましい。
【0020】次いで、加水分解反応後の反応溶液から生
成した光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を抽出する。
抽出は、加水分解後の反応溶液(水溶液)に、水に対し
て非混和性の溶媒を添加して行なう。本明細書でいう
「水に対して非混和性」の溶媒とは、水相と相分離しう
る溶媒のことをいい、水に対する溶解度が20℃で10重量
%以下であり、かつ該溶媒に対する光学活性α-ヒドロ
キシカルボン酸の溶解度が20℃で10重量%以上であるこ
とが好ましい。このような溶媒としては、例えば、酢酸
エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル
溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチ
ルエーテル等のエーテル溶媒、メチルイソブチルケトン
等のケトン溶媒、又はアルデヒド溶媒等が挙げられ、酢
酸エチル又はt-ブチルメチルエーテルが好ましい。
【0021】光学活性シアノヒドリンの加水分解反応後
の水溶液に、前記の抽出溶媒を添加して光学活性α-ヒ
ドロキシカルボン酸の通常の抽出操作を行なう。抽出操
作は1回だけでもよいが、複数回に分けて行なってもよ
い。
【0022】次いで、抽出液を分離し、その抽出液に炭
化水素溶媒を添加する。ここで、炭化水素溶媒を添加す
る前に抽出液を濃縮してもよい。炭化水素溶媒として
は、直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素、側鎖のない又は
側鎖のある環式炭化水素、あるいは、前記の環式炭化水
素基が置換した鎖式炭化水素等が挙げられる。また、こ
れらの炭化水素は分子内に不飽和結合を有していてもよ
い。以下に、前記炭化水素溶媒の代表的なものについて
例示する。直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素溶媒として
は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等、及びそれらの構造異性体、例えば2-メチルペンタ
ン、3-メチルペンタン等の炭素数5〜16の鎖式炭化水
素が挙げられる。
【0023】側鎖のない又は側鎖のある環式炭化水素と
しては、シクロペンタン、シクロヘキサン等、及びそれ
らの構造異性体、例えばメチルシクロペンタン、メチル
シクロヘキサン等の炭素数6〜16の飽和単環式炭化水
素、並びにベンゼン、トルエン、トリメチルベンゼン、
o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、若しくはキシレ
ンの異性体混合物等の芳香族炭化水素が挙げられる。ま
た、これらの炭化水素溶媒の二種以上を組合わせた混合
溶媒を用いてもよい。
【0024】上記炭化水素溶媒の添加量は特に限定され
ないが、抽出液に炭化水素溶媒を添加したときの炭化水
素溶媒含有抽出液中の炭化水素溶媒の含量が90wt%以
上、好ましくは95wt%以上となる量を添加することが好
ましい。または、抽出液の濃縮して抽出溶媒を蒸発させ
ることにより、全抽出液中の炭化水素溶媒の含量が好ま
しくは90wt%以上、さらに好ましくは95wt%以上となる
ようにしてもよい。濃縮は炭化水素溶媒を加える前に行
なっても、炭化水素溶媒を加えた後に行なってもよく、
また、例えば炭化水素溶媒を加える前と後で2回行なっ
てもよい。炭化水素溶媒を加えた後に濃縮を行なう場合
には、炭化水素溶媒は抽出溶媒よりも高い沸点を有して
いることが好ましい。このように抽出液中の炭化水素溶
媒の比率を高めることにより、光学活性α-ヒドロキシ
カルボン酸の溶解度が低下し、この後のα-ヒドロキシ
カルボン酸の晶析が容易となる。
【0025】次いで、上記の炭化水素溶媒を含む抽出液
から光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を晶析させる。
光学活性α-ヒドロキシカルボン酸の抽出液に対する溶
解度を低下させるために、上記の抽出液を冷却してもよ
い。この場合、冷却温度は、抽出液に対して光学活性α
-ヒドロキシカルボン酸が飽和溶液となる温度以下であ
れば特に限定されないが、30℃以下が好ましく、25℃以
下が更に好ましい。冷却は速すぎるとよくなく、0.5℃
/min以下の冷却速度で冷却することが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)還流冷却器を付けた500mlフラスコ中に光
学純度96%eeの(R)-2-クロロマンデロニトリル102.6g
((R)-2-クロロマンデロニトリルとして0.60mol)及び3
5%塩酸187.6g(HCl 1.8mol)を仕込み、60℃で7時間撹
拌して加水分解反応を行なった。反応終了後、水180gを
加え、室温まで冷却した後、tert-ブチルメチルエーテ
ル120gを加えて分液漏斗中で振り混ぜた後に有機層を水
層から分離した。水層を再びtert-ブチルメチルエーテ
ル120gで抽出し、得られた有機層を前に得られた有機層
と併せた後に、水50gで洗浄した。
【0027】こうして得られた有機層をエバポレーター
を用いて全量が147gになるまで濃縮した。得られた溶液
にトルエン350gを加え、60℃に加熱して均一な溶液とし
た。得られた溶液をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、トルエン、tert-ブチルメチルエーテル及び水
の含有量の比はそれぞれ90.3%、8.6%及び1.1%であっ
た。この溶液を一定速度で2.5時間で10℃まで冷却し、1
0℃で3時間保持した。
【0028】析出した結晶を濾過し、トルエン50gで洗
浄した。得られた結晶を減圧乾燥して、(R)-2-クロロマ
ンデル酸結晶101.1gを得た。得られた結晶の純度は2-ク
ロロマンデル酸(R体又はS体)としてはHPLCで99.4%
であり、光学純度は99.9%eeであった。回収された(R)-
2-クロロマンデル酸の収率は86.8%であった。
【0029】(実施例2)(R)-2-クロロマンデロニトリ
ルの加水分解反応、抽出操作、及び水洗浄は実施例1と
同様にして行なった。次いで、得られた有機層にトルエ
ン370gを加え、エバポレーターを用いて60℃、250〜300
mmHgで全量が493gになるまで濃縮した。得られた溶液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエン、
tert-ブチルメチルエーテル及び水の含有量の比はそれ
ぞれ96.1%、3.1%及び0.8%であった。この溶液を一定
速度で2.5時間で10℃まで冷却し、10℃で3時間保持し
た。析出した結晶を濾過し、トルエン50gで洗浄した。
得られた結晶を減圧乾燥して、(R)-2-クロロマンデル酸
結晶101.1gを得た。得られた結晶の純度は2-クロロマン
デル酸(R体又はS体)としてはHPLCで99.2%であり、
光学純度は99.9%eeであった。回収された(R)-2-クロロ
マンデル酸の収率は89.5%であった。
【0030】(実施例3)(R)-2-クロロマンデロニトリ
ルの加水分解反応、抽出操作、及び水洗浄は実施例1と
同様にして行なった。次いで、得られた有機層をエバポ
レーターを用いて全量が150gになるまで濃縮した。得ら
れた有機層にp-キシレン370gを加え、エバポレーターを
用いて60℃、220〜300mmHgで全量が495gになるまで濃縮
した。得られた溶液をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、p-キシレン、tert-ブチルメチルエーテル及
び水の含有量の比はそれぞれ97.4%、2.0%及び0.6%で
あった。この溶液を一定速度で2.5時間で10℃まで冷却
し、10℃で3時間保持した。
【0031】析出した結晶を濾過し、p-キシレン50gで
洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥して、(R)-2-クロロ
マンデル酸結晶101.7gを得た。得られた結晶の純度は2-
クロロマンデル酸(R体又はS体)としてはHPLCで99.2
%であり、光学純度は99.8%eeであった。回収された
(R)-2-クロロマンデル酸の収率は90.0%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性シアノヒドリ
ンの加水分解により光学活性α-ヒドロキシカルボン酸
を製造する方法において、製造工程中に乾固工程を含ま
ず、安全で、工業的生産性に優れた製造方法を提供でき
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性シアノヒドリンの加水分解反応
    後の水溶液に含まれる光学活性α-ヒドロキシカルボン
    酸を、水に対して非混和性の溶媒で抽出し、次いで、抽
    出液に炭化水素溶媒を添加して、その炭化水素溶媒含有
    抽出液から光学活性α-ヒドロキシカルボン酸を晶析さ
    せることを特徴とする光学活性α-ヒドロキシカルボン
    酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素溶媒含有抽出液を濃縮して晶析
    を行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。
JP2002004795A 2002-01-11 2002-01-11 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法 Pending JP2003206255A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004795A JP2003206255A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004795A JP2003206255A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003206255A true JP2003206255A (ja) 2003-07-22

Family

ID=27644022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002004795A Pending JP2003206255A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003206255A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213635A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd マンデル酸類の製造方法およびマンデル酸類結晶
JP2010083811A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Shokubai Co Ltd 光学活性マンデル酸類の製造方法
JP2010106011A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Nippon Shokubai Co Ltd 光学活性マンデル酸類の製造方法
JP2012162582A (ja) * 2012-06-06 2012-08-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd マンデル酸類の製造方法およびマンデル酸類結晶

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213635A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd マンデル酸類の製造方法およびマンデル酸類結晶
JP2010083811A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Shokubai Co Ltd 光学活性マンデル酸類の製造方法
JP2010106011A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Nippon Shokubai Co Ltd 光学活性マンデル酸類の製造方法
JP2012162582A (ja) * 2012-06-06 2012-08-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd マンデル酸類の製造方法およびマンデル酸類結晶

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007514681A (ja) ビタミンaアセテートの製造方法
JP2003206255A (ja) 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造法
CN104045596B (zh) 制备依托考昔中间体1‑(6‑甲基吡啶‑3‑基)‑2‑[4‑(甲磺酰基)苯基]乙酮的方法
JP5211876B2 (ja) 高純度2’−トリフルオロメチルプロピオフェノンの製造方法
JP3561230B2 (ja) α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法
JPH0995462A (ja) α−ヒドロキシフェニル酢酸誘導体の製法
JP4498649B2 (ja) シアノヒドリンの工業的製造方法
JP2001342165A (ja) 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP3892644B2 (ja) 光学活性シアノヒドリンの製造方法
EP1160235B1 (en) A method for producing alpha-hydroxycarboxylic acid
JPWO2011118625A1 (ja) 光学活性なn−モノアルキル−3−ヒドロキシ−3−アリールプロピルアミン化合物の製造方法
JP4012779B2 (ja) 光学活性シアノヒドリンの工業的製造方法
JP4296783B2 (ja) ニトロ化合物の製造方法とその触媒
CN101287692A (zh) 光学活性的含氟苄醇的制备方法
JP5856903B2 (ja) トリフルオロメチル基含有光学活性β−アミノ酸誘導体及びその製造方法
JP2003267944A (ja) α−ヒドロキシニトリルの安定化方法
JPH03167155A (ja) 不飽和カルボン酸エステルの製造法
KR101478597B1 (ko) 질소 치환 아미노-5,6,7,8-테트라하이드로나프톨의 공업화 제조방법
TWI555739B (zh) 掌性多取代之四氫吡喃衍生物之製備方法
JP4873207B2 (ja) 光学活性カルボン酸クロリドの精製方法
JP5561564B2 (ja) マンデル酸類の製造方法およびマンデル酸類結晶
JP2001348356A (ja) 光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の製法
JP2003183267A (ja) 光学的に純粋な(r)−体または(s)−体のテトラヒドロフラニルケトンの製造方法
JPH07278047A (ja) アリールオキシプロピオン酸の製造法
JP2002017382A (ja) アルデヒド化合物を基質とする酵素反応方法