JP2003204187A - 電磁波遮蔽板 - Google Patents

電磁波遮蔽板

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JP2003204187A
JP2003204187A JP2002118587A JP2002118587A JP2003204187A JP 2003204187 A JP2003204187 A JP 2003204187A JP 2002118587 A JP2002118587 A JP 2002118587A JP 2002118587 A JP2002118587 A JP 2002118587A JP 2003204187 A JP2003204187 A JP 2003204187A
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wave shielding
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Kazuo Ohara
▲かず▼夫 尾原
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】蔽性能のより高い電磁波遮蔽板を提供するこ
とである。 【解決手段】強磁性体の板に多数の平行な切れ目を入れ
て櫛状とした電磁波遮蔽板の遮蔽性能は元の板にくらべ
て格段に高い。また強磁性体の細い針金を多数互いに平
行に並べて簾状とした電磁波遮蔽板もそれと同等あるい
はそれ以上の遮蔽性能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路に吸収され
て誤動作を引き起こす原因となる電磁波を遮蔽する上で
より高い性能をもつ電磁波遮蔽板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の筐体には一般に鋼鉄の板が用
いられているが,外部から入射する電磁波は鋼鉄板によ
って完全に遮断されることはなく,貫通した電磁波は微
弱であってもICや回路部品に吸収されてノイズの電流
となり誤動作を招くことが多い。たとえばCDプレーヤ
ーにおいて,鋼鉄製の筐体の外側から携帯電話の電磁波
を当てた場合,明確に識別できる程度に音質が悪化する
ことが確認されるが,これは当たった電磁波の一部が鋼
鉄板を貫通し,デジタル信号をアナログ信号に変換する
D/A変換のICなどに吸収された結果と判断される。
オーディオ機器のデモンストレーション会場内では携帯
電話のスイッチを切っておくべきことは今や常識となっ
ているが,これは離れた位置から到達する微弱な電磁波
であっても鋼鉄製のケースで完全に遮断されるものでは
ないことを意味する。またそのことが一般にも認識され
ているということである。近くに電磁波を発生する機器
がなくても室内には電磁波が充満しているはずであり,
CDプレーヤーは常にその障害を受けているものと考え
られるが,その対策は全く講じられていない。要するに
鋼鉄製の板で電磁波を完全に遮断することが不可能であ
り,そのことに多くの人が気づいているにもかかわら
ず,それに優る有効な手だては無いというのが電子工業
界の現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鋼鉄製の筐体では電磁
波の完全な遮蔽は不可能であり,ICが組み込まれてい
るプリント基板などを覆うことによって電磁波の障害が
完全に除去されるような優れた電磁波遮蔽板が求められ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題解決の手段を見出す
ための実験結果とその理論的な裏付けとなる説明,なら
びに課題解決の手段に関する結論について記載する。
【0005】課題解決の手段を探るための実験とその結
果 CDプレーヤーを用いてオーケストラの曲が録音されて
いるCDの再生音を聞きながら,焼き鈍されて磁気的に
軟らかい状態すなわち変化する磁界に応じて敏速に磁化
される状態となっている軟鉄板を用いてD/A変換のI
Cが組み込まれているプリント基板を覆ってみると,そ
のCDプレーヤーに接続されたステレオ装置から出るス
テレオ音の音質が向上し,それに伴ってステレオ音の広
がりの幅が少し広くなることが確認される。また図1に
示すように,鉄板にその幅一杯に多数の平行な切れ目を
入れて櫛のような形状としたもので試してみると,音質
がさらに向上し,音場の幅が一層広くなることが確認さ
れる。そして切れ目の数を増やして,切れ目と切れ目の
間隔を狭くするほどステレオ音の広がりの幅が広くなる
ことが確認される。
【0006】実験結果が意味するもの 市販のノイズフィルターを用いて電源コードを伝ってC
Dプレーヤー内に侵入するノイズを減少させる対策を講
じた場合,ノイズが少なくなるほど音質が良くなり,そ
れに伴ってステレオ音の幅が広くなることが確認され
る。したがって筐体を貫通して侵入する電磁波について
も同様と判断される。つまり,近くに発生源がなくても
室内には電磁波が充満していて,それがICや回路部品
に吸収されてノイズの働きをするものであり,電磁波の
遮蔽対策を講じた場合にステレオ音の広がりの幅が広く
なるほど遮蔽性能が高いとみなせる。したがって,焼き
鈍して磁気的に軟らかい状態になった軟鉄板はCDプレ
ーヤーの筐体に使用されている磁気的に硬い状態の鋼鉄
板よりも電磁波の遮蔽性能が高く,それに多数の切れ目
を入れると遮蔽性能が一段と高まるものと考えてよい。
ここに「磁気的に軟らかい状態」とは,電磁気学で使用
される用語であり,保磁力が小さくて永久磁石にはなり
難く,外部の磁界の変化に応じた金属内部の磁化の強さ
と方向の変化が可能な状態を意味する。「磁気的に硬い
状態」はその逆の意味もつ概念である。(電磁波などに
よるノイズとステレオ音の音場の広がりとの関係につい
ての理論的な説明は
【発明の効果】の項で詳述する)
【0007】実験結果についての理論的な説明 軟鉄板が他の金属板よりも高い遮蔽性能をもつのは,電
磁波の磁界によって軟鉄板が磁化されて内部の磁束密度
が格段に大きなものとなり,それが電磁波の振動に応じ
て変化するので大きな誘導電流が流れてジュール熱とな
って電気的なエネルギーが失われ,その分だけ電磁波の
エネルギーが消滅することによるものと推定される。ま
た焼き鈍したもの良いのは,電磁波の磁界の変化に即応
して敏速かつ大幅な磁化の変化が可能となるからであ
る。さらに連続した一枚の軟鉄板よりも多数の切れ目を
入れた軟鉄板の遮蔽性能が高くなる理由を図4を用いて
説明すると次のようになる。つまり,電磁波の磁界は切
れ目と切れ目の間の細長い鉄片(櫛の歯の形状の部分)
の長さの方向に沿って密度の高い磁束を生じさせ,その
変化に基づく誘導電流は鉄片の長さの方向とは直交する
方向であり,図4に示したように表面に沿って流れるの
で,鉄片の幅が狭いほど電流が流れ易くなり,全体のジ
ュール熱がより大きくなることによるものと説明され
る。ここに流れ易くなるというのは,電磁気の理論に基
づく計算から,幅が狭く経路が短いほど高周波の電流に
対するインピーダンスが小さくなるという結果が導かれ
るからである。
【0008】その他の形状についての遮蔽性能の確認実
験とその結果 軟鉄の細い針金を絶縁体の板の上に並べて張り付けて簾
のような形としたものは,鉄板に多数の切れ目を入れた
ものと同じ作用をするものと考えることでき,確かめて
みた結果,同等あるはそれ以上の効果があることが確認
された。
【0009】課題を解決するための手段についての結論 電磁波遮蔽の性能を高めるための材料と形状についての
結論は次のようになる。 材料としては鉄に代表される強磁性体の金属を用い
る。ただし,それを焼き鈍して保磁力を小さくして磁気
的に軟らかい状態とすることが望ましい。 形状として第1にあげられるのは,板に多数の平行な
切れ目を入れて櫛のような形状としたものである。 形状として第2にあげられるのは,細い針金を互いに
平行に並べ簾のような形状としたものある。 の形状の遮蔽板は,切れ目や針金の方向と電磁波
の磁界の振動方向が一致する場合に最大の効果を発揮
し,直交するような場合は無力と考えられる。そこであ
らゆる振動方向の電磁波に対応させるためには,切れ目
や針金の方向が互いに直交するように2枚の遮蔽板を重
ねたものが有効と考えられる。
【0010】
【実施例】軟鉄の板ならびに軟鉄の針金を用いて試作し
た電磁波遮蔽板の例を示す。ただし,以下では電磁波遮
蔽板という名称を略して遮蔽板と記す。
【0011】第1例:軟鉄の板に多数の切れ目を入れて
櫛状とした遮蔽板の例(図1) 厚さ0.5mmの軟鉄の板(強磁性体の板)(1)を1
2×12cmの大きさに裁断し,焼き鈍しておく。次に
その板に0.25cm間隔で長さ11cmの互いに平行
な切れ目(2)を40本入れ櫛状に仕上げる。それを一
回り大きい寸法のプラスチックの板(4)に接着剤で張
り付け,軟鉄の板の端にアース用のリード線を取り付け
る。このリード線は,CDプレーヤーにこの遮蔽板を載
せた場合に筐体と同電位を保たせることによってノイズ
による障害の軽減を図ることを目的とするものである。
なお12×12cmという寸法は,比較測定をするため
に使用したCDプレーヤー(ソニー製のSCD−XB
9)のD/A変換部のICが組み込まれたプリント基板
全体を覆うための大きさを考慮して決めたものであり,
使用目的に応じて任意の寸法とすることができる。
【0012】第2例:第1例の遮蔽板を2枚重ね合わせ
た遮蔽板(図2) 第1例と同じ形状,同じ寸法の2枚の遮蔽板を準備し,
それぞれの櫛の歯の形状の部分(3)に絶縁塗料を塗布
した上で,櫛の歯の方向が互いに直交するように2枚の
遮蔽板を重ねて張り合わせる。その上でアース用のリー
ド線を互いに接続し,共通のアース線とする。
【0013】第3例:軟鉄の細い針金を簾状に並べた遮
蔽板の例(図3) 軟鉄の20番の針金(強磁性体の針金)(5)を12c
mの長さに切断したものを30本程度準備し,焼き鈍し
ておく。これを13×13cmのプラスチック板(4)
の上に接着剤で張り付け,簾のような形状に仕上げる。
その上で各針金の端どうしを銅線で結んで,結び目はす
べてハンダ付けしておく。ハンダ付けした端の部分には
アース用のリード線を取り付ける。
【0014】第4例:第3例の遮蔽板を2枚重ねた遮蔽
板の例 第3例と同じ形状,同じ寸法の2枚の遮蔽板を準備し,
針金の方向が互いに直交するように重ねて張り合わせ
る。ただし双方の針金が互いに電気的な接触をすること
のないよう,遮蔽板を構成するプラスチック板の部分が
間に挟まれるような張り合わせ方をする。その上でアー
ス用のリード線を互いに接続し,共通のアース線とす
る。
【0015】
【発明の効果】遮蔽板の効果の確認は,まず電磁波がど
れほど減衰するかを確認することと考えられるので,公
認の測定器によって減衰特性(減衰率/周波数の特性)
の測定を行った。次に実用という観点から,遮蔽板を電
子機器に使用してどのような効果があるかを確認した。
電子機器としてはCDプレーヤーが最も身近なものであ
り,しかも電磁波の障害を受けやすいことが広く認めら
れているので,CDプレーヤーのD/A変換部のプリン
ト基板の上に遮蔽板を載せることによってステレオ音の
広がりの幅が増す状況を測定して効果の判定とした。
【0016】遮蔽板の減衰率の測定データとその評価 富山県の工業技術センターにおいてヒューレット・パッ
カード社のHP7000systemを用いて実施例第
2例の遮蔽板,実施例第4例の遮蔽板ならびに軟鉄板の
減衰率の測定を行った。図5はそこで得られた個々のデ
ータを一つにまとめて相互の比較ができるようにしたも
のである。その結果本発明の遮蔽板について次のように
評価できる。 (1)本発明の遮蔽板はいずれも隙間の大きい構造とな
っているが,電磁波は広い周波数範囲にわたって十分に
減衰している。 (2)軟鉄板では減衰率が高くても変動幅が大きいのに
対して,本発明の遮蔽板の特性は直線に近いものであ
り,変動幅がきわめて小さい点に特徴が認められる。こ
こに示されている変動幅は表面的には周波数ごとに減衰
率が異なるということであるが,この変動幅は時間に対
する変動幅でもある点に注目しておかねばならない。そ
れは,たとえば軟鉄板の場合,何度もデータを取って比
較してみるとピークやディップの位置がデータごとに異
なっていて,それは周波数が一定であってもピークにな
るかディップになるかは確定せず,一瞬一瞬の電磁波の
強度にかなりの変動があることを意味するからである。
【0017】CDプレーヤーとステレオ装置による効果
の判定 図6のようなリスニングルームの中に2mの間隔でスピ
カーを設置してステレオ音を聴いて広がりの幅を判定し
記録した。遮蔽板を載せて試すCDプレーヤーとしては
ソニー社製のSCD−XB9を,CDは大編成の管弦楽
による交響曲が録音されているEXTON−OVGL0
004(Mahler Symphony NO.7)
を使用した。図7は遮蔽板を用いなかった場合のステレ
オ音の広がりを表したものである。それに対して図8に
は本発明の遮蔽板と軟鉄板を使用した場合のそれぞれの
ステレオ音の広がりの幅が示してある。これは図7の表
し方とは異なり,ステレオ音の広がりの左端の位置を判
定し,各サンプルについての左端の位置だけを線で表し
てある。図8で表し方を変えたのは,広がりの幅は左右
ほぼ対象であり,複数のサンプルによる違いを明確にか
つ端的に示すためである。また線長さがそれぞれ異なる
のは奥行き方向の広がりにも大きな違いがあるためで,
線の長さでその違いを表そうとしたわけである。ただし
図中に記した番号の0は遮蔽板の無い場合であり,1,
2,3はそれぞれ実施例の第2例の遮蔽板,第4例の遮
蔽板,そして軟鉄板を用いた場合の広がりの左端の位置
を表している。図8に示された結果によれば,第4例の
遮蔽板の効果は最も顕著であり,それに次いで第2例の
遮蔽板ということになる。それに対して軟鉄板の効果は
わずかであり,本発明の遮蔽板に比べて遮蔽性能は劣る
ものといえる。したがって本発明の遮蔽板は実用面にお
いてきわめて優れた遮蔽性能を有するものといえる。た
だし遮蔽性能とは効果が著しいほど高いと評価される相
対的な値であり,主として電磁波を減衰させる性能の高
さに依存するものと仮定する。
【0018】図5のデータと図8のデータとの関係につ
いての考察 ステレオ装置による判定(図8)で遮蔽性能が最も高い
とされた実施第4例の遮蔽板,つまり針金を簾状に並べ
た遮蔽板を2枚重ねたものは,減衰特性が直線に近く,
遮蔽性能が最も低いと判定された軟鉄板は変動幅が最も
大きい。また実施第2例の遮蔽板については,遮蔽性能
も変動幅も両者の中間ということになるので,遮蔽性能
の高さの順と変動幅の小さい順とは完全に一致している
といえる。そこでで注目しなければならないのは,減衰
率が高いほど遮蔽性能が高いというものではなく,変動
幅が小さいものほど遮蔽性能が高いという点である。
【0019】変動幅が小さいほど遮蔽性能が高くなる理
由 CDの再生においては,左右の信号が約0.00002
2秒の間隔で検出されるので,電磁波の強度が一瞬一瞬
異なれば左右の信号の乱され方に違いが生じて,左右の
信号のもつ相関関係(一定の位相差)が乱され,ステレ
オ効果が損なわれるはずである。軟鉄板で遮蔽した場合
は電磁波が大きく減衰しても,±10dbという比較的
大きな変動のために電子回路にもたらされる障害の度合
いが一瞬一瞬異なり,ステレオ効果が損なわれ遮蔽効果
はわずかというレベルに止まるものと説明できる。それ
に対して針金を簾状に並べた遮蔽板では電磁波がある程
度減衰し,変動幅がゼロに近いので左右の信号の相関関
係が乱されることはなく本来のステレオ効果が実現され
るものといえる。なお,電磁波が回路部品に照射されて
生ずるノイズの量が少なくなるほどステレオ音の広がり
の幅が広くなるという因果関係には多少複雑なメカニズ
ムが介在するので,そのことについては補足説明1と補
足説明2として記載する。
【0020】(補足説明1)ステレオ音の広がりついて ステレオ録音の際に,一対のマイクに捉えられた左右の
信号は,本来は互いに密接な相関関係(音源から左右の
マイクまでの距離の差によってきまる位相差)を有する
ものであり,それをそのまま増幅して左右のスピーカー
に入力すれば,そこには元の音源の広がりがわかるよう
な立体的な音場が再現される。たとえば,オーケストラ
の録音であれば,左右のスピカーの間の空間全体に音が
広がり,広いステージ全体から音が出ているような感じ
になる。さらに個々の楽器の位置がわかるように聞こえ
る。これが理想的なステレオ音である。録音の際にモニ
ターのスピーカーから聞こえる音は理想的なステレオ音
であり,普通のステレオ装置で聴くCDの音はモニター
の音に比べて広がりの幅が狭く,個々の楽器の音像もぼ
やけていて不完全なステレオ音であることは広く認めら
れている。
【0021】(補足説明2)電磁波の影響でステレオ音
の広がりの幅が狭くなる理由 音響工学の理論では,ステレオの再生音の音像の位置の
認識は,位相差と音の強さの差という2つの要素によっ
てなされるものとされている。そのことを実際に確かめ
てみると,2つの要素が位置の認識に同等に関与すると
いうものではなく,位相差の方が優先することがわか
る。そのような結果に従うと,電磁波がIC等に吸収さ
れて広がりの幅が狭くなるという現象は次のように説明
できる。つまり,電磁波の吸収によって回路内に生ずる
ノイズの電流は時間的にみてランダムなものであり,ま
たCDでは左右の信号が交互に読み取られるので,左右
の信号の乱され方が異なってくる。そのために,左右の
信号のもつ本来の相関関係が損なわれ,位相差による音
像の位置の認識がし難い状況となる。その結果位相差の
乱れの程度に応じて音の強さの差で位置が認識されると
いう面が強まり,たとえば左の端の方に位置する楽器の
音像であっても左右のスピカーから出る音の強さはほぼ
等しいので中間の位置に寄ってくるわけである。これが
すなわちステレオ音の広がりの幅が狭くなるという現象
である。ここに左右のスピーカーから出る音の強さが等
しいと記したのは,ステレオ録音の際の一対のマイクの
間隔は音源(個々の楽器)までの距離に比べて無視でき
る程度に小さく,したがってどのような位置にある音源
の音であっても左右のマイクに当たる音圧はほとんど同
じ強さになるからである。
【0022】発明の効果の総合的な評価 今日のオーディオ産業界においては,ステレオ音の広が
りの幅を広げ飛躍的に音質を向上させるという遮蔽材や
遮蔽板は存在しない。そのような状況の中にあって本発
明による遮蔽板を数枚用いることによって従来の常識を
超えるほどの音質改善が実現されることが明らかになっ
た。しかも減衰率の測定データによってその必然性も明
らかにされたといえる。要するに遮蔽板で電磁波が完全
に阻止されなくても,ある程度に減衰し,その強度が一
定しているということが遮蔽性能を決定づけるというこ
とである。なお,遮蔽に利用される金属板では内部での
多重反射のために変動が生ずるものと推定されるが,本
発明の遮蔽板は隙間の空間で電磁波が吸収されるという
構造を有するために必然的に変動幅が小さくなるものと
説明される。
【図面の簡単な説明】
【図1】強磁性体の板に多数の切れ目が入れられた電磁
波遮蔽板の斜視図
【図2】図1電磁波遮蔽板が2枚重ね合わされた電磁波
遮蔽板の斜視図
【図3】強磁性体の多数の針金が平行に並べられた電磁
波遮蔽板の斜視図
【図4】多数の切れ目が入れられた強磁性体の板の遮蔽
効果に関する説明図
【図5】本発明の電磁波遮蔽板ならびに軟鉄板の電磁波
減衰特性を表す図
【図6】ステレオ音の広がりを判定するためのスピーカ
ーの配置を表す図
【図7】電磁波遮蔽板を用いなかった場合のステレオ音
の広がりを表す図
【図8】本発明の電磁波遮蔽板によるステレオ音の広が
りを表す図
【符号の説明】
1 強磁性体の板 2 強磁性体の板の切れ目 3 櫛の歯の形状の部分 4 プラスチックの板 5 強磁性体の針金

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体の板に多数の平行な切れ目が入れ
    られていて,櫛のような形状となっていることを特長と
    する電磁波遮蔽板。
  2. 【請求項2】請求項1の2枚の電磁波遮蔽板がその切れ
    目の方向が互いに直交するように重ね合わせてあって,
    かつ櫛の歯の形状の部分が絶縁されていて,その部分を
    通して相互の電気的な接続がなされることのない構造と
    なっていることを特長とする電磁波遮蔽板。
  3. 【請求項3】強磁性体の多数の針金が互いに平行に,か
    つ互いに接触しないように並べられていて簾のような形
    状となっていることを特長とする電磁波遮蔽板。
  4. 【請求項4】請求項3の2枚の電磁波遮蔽板が,その針
    金の長さの方向が互いに直交するように重ね合わせてあ
    って,かつ針金が絶縁されていて針金を通して相互の電
    気的な接続がなされることのない構造となっていること
    を特長とする電磁波遮蔽板。
JP2002118587A 2001-10-29 2002-03-15 電磁波遮蔽板 Pending JP2003204187A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019534669A (ja) * 2016-10-28 2019-11-28 インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー・インコーポレーテッド ワイヤレス電力送信システム用の干渉フィルタ

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JP2019534669A (ja) * 2016-10-28 2019-11-28 インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー・インコーポレーテッド ワイヤレス電力送信システム用の干渉フィルタ

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