JP2003200170A - 電気分解による水処理方法及び同装置、及び無段階変圧による電気分解用電源装置 - Google Patents

電気分解による水処理方法及び同装置、及び無段階変圧による電気分解用電源装置

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JP2003200170A
JP2003200170A JP2001402076A JP2001402076A JP2003200170A JP 2003200170 A JP2003200170 A JP 2003200170A JP 2001402076 A JP2001402076 A JP 2001402076A JP 2001402076 A JP2001402076 A JP 2001402076A JP 2003200170 A JP2003200170 A JP 2003200170A
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treated
electrolysis
treatment
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Kenichi Karasawa
健一 柄澤
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MIYABI SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気分解による被処理水が濃縮等によりその電
気伝導率が変化した場合でも広範囲に対処でき、複数の
被処理水についても、単一の電源により電気分解処理を
行うことを可能とした電気分解による水処理方法及び同
装置、及び電気分解用電源装置を提供する。 【解決手段】被処理水を電気分解によって改質する
際、複数の被処理水に対して、同一電源で前記電気分解
による処理を行い、定電流制御手段1を用いて各被処理
水51〜54に対して同等の電流を流して電気分解によ
る処理を行う。被処理水を電気分解によって不純物捕
捉する際、定電流制御手段1を用いて被処理水に電流を
流して電気分解による処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電気分解による水
処理方法及び同装置、及びこれに用いることができる電
気分解用電源装置に関する。本発明は、工業的目的等に
使われる各種用水・排水等について、その浄化が要せら
れる場合の電気分解による水処理方法及び水処理装置と
して利用することができ、またその場合の電気分解用電
源装置として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気分解を利用して被処理水
中のイオンを捕捉して被処理水中の浄化を行うこと技術
が知られている。たとえば、熱交換循環水中の不純物を
捕捉して、浄化する場合に用いられている。不純物特に
Ca分やSi分は、熱交換循環水の配管に悪影響を及ぼ
し、たとえば鉄や銅等の金属からなる配管を腐食させた
り、硬いスケールとなって配管に固着して熱交換効率を
低下させるなどの不都合をもたらす。
【0003】図7に示すのはクーリングタワー(冷却
塔)と称されている熱交換循環水の冷却装置である。い
ま、このクーリングタワーでの被冷却循環水の浄化を例
にとって、説明する。
【0004】クーリングタワーは、一般に、外気温度と
同等程度か、それより高い温度の水を、外気温度ないし
それより低温に冷却するために用いられる。たとえば、
熱交換して昇温した冷却水を冷却して、再び熱交換(冷
却)に供するために用いられる。
【0005】図7に示すのは代表的なクーリングタワー
の一構成例である。クーリングタワーは、一般的排熱効
果として、外気温度近くまで温度を下げられるという機
能、さらに、水を蒸発させてその潜熱効果によって、水
温をたとえば約5℃〜6℃低下させる機能を有する。
【0006】図7を参照する。熱交換後の冷却水(クー
リングタワーでの被冷却水に該当)は、矢印101でタ
ワーT上部を横断するパイプ102に入り、該パイプ1
02から符号103で示すように下方へシャワー状に流
下する。タワーT内には充填材104と称される通常波
型の部材(プラスチック製であることが多い)が多数配
置され、冷却水(被冷却水)はこの波型充填材104を
伝って流下し、さらに符号105´で示すようにタワー
T下部の冷却室105に滴下する。この冷却室105に
は、矢印106で示すように、大気が導入されている。
これにより、外気温度による冷却がなされる。かつ、上
記充填材104における流下、及び冷却室105での滴
下104により、蒸発による潜熱効果によって、水温の
低下が助長される。たとえば冷却水(被冷却水)のタワ
ーTへの入口温度tw1が37.5℃であり、外気の入
口空気温度が湿球温度t1´で27℃であったとする
と、冷却水(被冷却水)のタワーTからの流出側107
における出口温度tw2は、32℃と冷却される。な
お、タワーTは接地されており、たとえば下部流出管の
途中において、符号108で示すようにアースがとられ
る。
【0007】たとえば、熱交換して排熱を集めて来て昇
温している冷却水を再冷却する場合であれば、排熱を集
めて来た冷却水は、タワー頂部にポンプで揚水されて、
上述したようにタワー内を滴下して行く。このとき、被
冷却水は、大気流入口とタワー頂部のファンの強制排気
の空気に接触して、蒸発潜熱効果で冷却される。こうし
て冷却水を循環使用に供する。
【0008】すなわち、冷却の機構としては、まず外気
との接触により外気温度近くまで温度が下げられ、さら
に、さらに滴下によりたとえば1%程度の蒸発が起こる
のでその潜熱効果によって、水温を約5℃〜6℃低下で
きるわけである。
【0009】このようなクーリングタワーは、各種用水
の冷却に汎用できるが、典型的には、冷凍機の凝縮機
や、化学プロセスなどに用いる圧縮機で発生する熱を冷
却水で集め、すなわち熱交換で冷却し、その結果温度が
高くなった冷却水を冷却するのに用いられる。各種プロ
セスで発生した熱を冷却水で集めて、最終的にタワーか
ら大気に放出するわけであり、大気は排熱の最終的な捨
て場を提供することになる。
【0010】クーリングタワーで冷却された水は、その
不純物浄化のために、図7の下部に示す電解部109で
電気分解により脱イオンして、改質(浄化)を行う。
【0011】かかるクーリングタワーは、たとえば、冷
却大型冷蔵設備の熱媒体を冷却するための熱交換循環水
の冷却に用いられる。冷却用熱媒体は、被冷却部を冷却
すると、それ自体はかなり高温になる。よってこの冷却
用熱媒体をいったんある程度冷やすために、熱交換循環
水が用いられる。この熱交換循環水を冷却するために、
クーリングタワーが用いられる。
【0012】上記のようにクーリングタワーは、被冷却
水のある程度の蒸発による潜熱効果を利用するので、不
可避的に該冷却水は濃縮される。すなわち、蒸発した水
は、水の含有物質、特にイオン化物であるカルシウム、
シリカ、塩分、鉄分等を、タワー内や、被冷却水である
循環水等の中に残して行くので、イオン化濃度が上昇し
ていき、不都合をもたらすことがある。代表的には循環
水の径路(被冷却部や、配管)に腐食をもたらし、ある
いは熱交換部(凝縮機や化学プロセスの圧縮機の熱交換
部など)の境界や、配管内に缶石(スケール)を発生さ
せていわゆるスケール障害を生ぜしめる。
【0013】蒸発した水量は補給されるが、補給水(上
水道等の市水)とタワー内で濃縮された水とでは、濃縮
度が異なる。両者ではイオン化物濃度が相当に異なり、
しかもその差はばらつきが大きく、たとえば3倍から1
0倍の範囲でまちまちである。通常、不可避的に濃縮は
進行し、その電気伝導率は大きくなる。濃縮が進行して
電気伝導率が大きくなると、場合によっては大電流、た
とえば2Aもの大電流がかかり、これにより腐食が生じ
ることがあり、特に、接地108までの間は、大電流に
よる腐食の危険にさらされることになる。
【0014】しかも上記の濃縮率は、クーリングタワー
の施設条件とか、環境条件によって、大きく異なってく
る。たとえば、日光条件(日当たり)、風通し、地域条
件(海岸近くであるか、山間であるか、市街地である
か、など)等によって、濃縮率は大きく変化する。図7
に示すように、クーリングタワー上部はファンによる強
制通風のために大気に開放されている。よって大気条件
がそのまま影響し、たとえば海岸付近であれば、強風の
潮風が入り込むことになり、塩分は濃くなる。かつタワ
ーの上に屋根等が設置されることは少なく、雨水等も侵
入する。よって、環境条件等、地域条件等に、まともに
影響を受けると言うことができる。
【0015】すなわち、電解部で電気分解して脱イオン
する被電解水の濃度はきわめて広範囲にばらつき、つま
り電気分解すべき対象の電気伝導度は、きわめて広範囲
にばらついてしまうということである。しかも上述した
ように設置条件で濃縮率が異なるので、複数のクーリン
グタワーが配置されている場合、同一設備に配されたも
のであっても、屋上にあるもの、日当たりの良い場所に
あるもの、日陰にあるもの等で、濃縮率が異なって来
る。同一設備に配されたクーリングタワーでも、各タワ
ー毎に、被電解水の電気伝導度は異なってしまうという
ことである。
【0016】図8に示すのは、複数のクーリングタワー
a〜dが設置されている場合である。 各クーリングタ
ワーa〜dの条件としては、図8に模式的に日光を示
し、日当たりの説明に供するように、クーリングタワー
a,bは、日光照射が良く、風通しが多い設置条件の例
である。クーリングタワーcは、タワーa,bに比べ
て、日当たり、風通しなどがそれより少ない場合を示
す。クーリングタワーdは、建物裏手にあるので建物に
遮られて、日当たり、風通しともにタワーa,b,cよ
りさらに少なくなっている場合である。
【0017】前述したように、クーリングタワーの被浄
化水(ここでは熱交換用循環水)は、設置されている場
所や、自然環境によって、その濃縮度合いに差が生じ
る。その結果、電気伝導率(マイクロジーメンス)の格
差が生じる。
【0018】すなわち海岸に近いところでは、強風や、
潮風(塩分に富む)の影響が強い。都会と地方とでは、
たとえば地方には山や畑が近くにあるという条件など
で、差が生じる。日光がよく当たるところとそうでない
ところ、また、設置場所の風通しの度合いによっても異
なる。補給水として、上水道水を用いるか、地下水を用
いるかでも、異なる。さらに、殺藻剤や、硬化防止剤特
にカルシウムの硬化防止剤を用いるか否かでも異なる。
【0019】例として、屋上配置のクーリングタワー
a,bについて、従来より行われているカルシウムの硬
化防止剤を用いた薬剤混入処理を行った場合の、データ
を表1に示す。表1は、除去困難なカルシウムスケール
をもたらすカルシウムの硬化を防止する薬剤を混入し、
かつ強制ブロー循環を行う場合、すなわち薬剤混入を継
続して循環させ、一定条件になったら、真水を入れて薄
めて用水を河川に排水する手法をとる場合のデータであ
る。これは薬剤を滴下し、真水で希釈する方法で、一定
条件たとえば電気伝導率が800〜900μS/C位で
自動的に流入するようになっており、真水と薬剤が入る
ので一般に常にオーバーフロー状態で、河川に排水、と
なっている。これに対して、表2に、屋上配置のクーリ
ングタワーa,bについて、薬剤混入処理を行わない場
合のデータを示す。なお表2には、補給水(上水)の平
均的な数値も、カッコ内に示した。また表3には、クー
リングタワーcについてのデータを示し、表4には、ク
ーリングタワーdについてのデータを示す。いずれも表
2と対応するデータであり、すなわち薬剤処理を一切行
わない場合のデータである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】表1および表2の対比から、次のことがわ
かる。表1のデータは、薬剤管理をして常に電気伝導率
を800〜900μS/Cで強制的ブローする実体数値
であり、全硬度、カルシウム硬度も高いが、硬質スケー
ルはできない。しかしながら薬剤費用、水道料(上下)
が多額になるし、環境的に問題が大きい。
【0025】すなわち、カルシウムの硬化防止剤や、殺
藻剤などの薬剤は、なるべく使用しないことが望まし
い。環境保全の面や、薬剤が機器に与える影響を避けた
いからである。さらに強制ブロー循環はコストがかかっ
て、不利である。かつ、河川への排水は環境面からも避
けたく、閉システムにすることが望まれる。
【0026】表2〜表4は、薬剤を用いない場合であ
り、これらのデータから、次のことが理解される。すな
わち、クーリングタワーはその設置条件によって、被処
理水の電気伝導率が広範囲にばらつくことがわかる。よ
って、電気分解により浄化を行おうとする場合には、電
解条件をおのおので変える必要がある。
【0027】後記説明する本発明の実施の形態例におい
て参照する図3を用いて、被処理水の広範囲の電気伝導
率のばらつきについて説明すると、次のとおりである。
図3中の(1)の範囲は、一般市水の電気伝導率であ
る。200〜300μS/C程度である。クーリングタ
ワーや、チラーなどの補給水はこの範囲のものを用いる
のが一般的ということになる。飲料水も、この範囲の電
気伝導率である。図3中の(2)の範囲、及び(1)の
範囲は、屋内循環水機器の水の電気伝導率である。20
0〜500μS/C程度である。屋内設備の冷水、低位
中温水(60℃位以下)は、おおむねこの範囲である。
図3中の(3)の範囲は、屋外設備の一次冷却塔(クー
リングタワー)で、日光、風じんの影響があまりないと
ころに設置されている場合の循環水の電気伝導率範囲で
ある。500〜1000μS/C程度である。図3中の
(4)の範囲、及び(5)の範囲は、クーリングタワー
での多くの循環水の電気伝導率範囲である。1000〜
4000μS/C、さらには、1500〜4000μS
/Cに至る。一般には最大汚れで3500μS/C強程
度で、それ以上にはならないとされるが、被処理水対象
としては、4000μS/Cに至るものも、射程に入れ
ておいた方がよい。循環水の濃縮倍率は3倍以上、さら
には、6倍以上となっている。このように、クーリング
タワーの循環水、その他被処理水の電気伝導率は広範囲
にばらつくのであり、電気分解により浄化を行う場合に
は、電解条件をおのおので変えなければならない。
【0028】このため、従来は、各クーリングタワーa
〜dの各々に、各別個の電源を用いて電圧を付与し、電
気分解浄化を行うようにしている。クーリングタワーa
〜dのすべてを同一の電源で電気分解処理しようとして
も、上述のとおり各クーリングタワーa〜dの被処理水
はその電気伝導率がそれぞれ異なるので、同一電源では
最も抵抗の小さい被処理水に電気が流れてしまい、当該
最も抵抗の小さい被処理水には大電流が流れることにな
る。他方、他の被処理水にはほとんど電流が流れず、電
気分解処理はできない。よって、従来の手法で複数の被
処理水を単一の電源で電気分解処理しようとすると、最
も抵抗の小さい被処理水にのみ電流が流れて、場合によ
っては過大な電流が流れ、変圧器を破損させてしまうこ
ともあり得たという問題と、他方、当該最も抵抗の小さ
い被処理水以外の被処理水には事実上電流が流れず、電
気分解処理はできなかったという問題があったわけであ
る。
【0029】複数の被処理水でなく、単一のクーリング
タワーについて電気分解処理を行う場合でも、上記のよ
うに電気伝導率がばらつくので、たとえば濃縮の進行に
より抵抗が小さくなると既述したように大電流が流れて
トランスが過熱したりする場合がある。このときは、電
気分解の電極の電極間隔を変える等での対処を要し、き
わめて厄介である。
【0030】上記した問題点を、従来、トランス(変圧
器)を使用した電源で電気分解による不純物捕捉を行う
場合に即して述べると、次のとおりである。電極間隔は
一定とする。
【0031】トランスは2A容量で、電圧切り替えタッ
プは、出口端子が、48V,44V,40V,36V,
32V,28V,24V,0Vの切換えができるとす
る。図3中の(1)の通常の補給水(市水、地下水)に
ついては、600〜700mAの電流値である。被電解
対象水の電気伝導率が大になると、電流値が大きくなる
ので、電圧切換えタップで降圧して、電流容量制御をし
ている。しかし、対象水の電気伝導率が1000μS/
C(比抵抗1000Ω/C)を超えるころから、トラン
ス容量2Aの電流値となる。このため、発熱を伴い、ト
ランス障害(焼け)が起こる。過電流(短絡)防止回路
でストップした場合は、電解がとまり、改質がストップ
する。
【0032】この結果、被処理水のさまざまな電気伝導
率には対応できないことになる。対処できる範囲は、ト
ランスの出力タップで制御できる範囲であり、図3の
A,B,Cの範囲程度である。
【0033】よって、電気伝導率の変化によって対応が
困難であったり、事実上対処できない場合が多いという
問題があるものである。
【0034】上記の問題は、電気分解により脱イオンし
て水の浄化を行おうとする場合に、常に問題になること
である。すなわち被浄化用水が接触部分や設置環境条件
や仕様条件等でその電気伝導率がばらつく場合、また、
複数の被浄化用水に広範囲にばらつきがあるような場合
に常に問題である。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みてなされたものである。本発明の課題とすると
ころは、電気分解による被処理水が濃縮等によりその電
気伝導率が変化した場合でも広範囲に対処でき、複数の
被処理水についても、単一の電源により電気分解処理を
行うことを可能とした電気分解による水処理方法及び同
装置、及び電気分解用電源装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記した目的の実現のた
め、本発明においては、次の技術的手段をとる。請求項
1に係る発明は、被処理水を電気分解によって不純物捕
捉する水処理方法であって、複数の被処理水に対して、
同一電源で前記電気分解による処理を行うとともに、定
電流制御手段を用いて各被処理水に対して同等の電流を
流して前記電気分解による処理を行うことを特徴とする
水処理方法である。
【0037】請求項2に係る発明は、被処理水を電気分
解によって不純物捕捉する水処理装置であって、複数の
被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による処理
を行う水処理装置において、定電流制御手段を備え、該
定電流制御手段を用いて各被処理水に対して同等の電流
を流して前記電気分解による処理を行うことを特徴とす
る水処理装置である。
【0038】請求項3に係る発明は、被処理水を電気分
解によって不純物捕捉する水処理方法であって、複数の
被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による処理
を行うとともに、前記複数の被処理水すべてに対して適
正な電流範囲を定め、定電流制御手段を用いて各被処理
水に対して該適正な電流範囲の電流を流して前記電気分
解による処理を行うことを特徴とする水処理方法であ
る。
【0039】請求項4に係る発明は、被処理水を電気分
解によって不純物捕捉する水処理装置であって、複数の
被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による処理
を行う水処理装置において、定電流制御手段を備え、か
つ、前記複数の被処理水すべてに対して適正な電流範囲
を定めておき、前記定電流制御手段を用いて各被処理水
に対して該適正な電流範囲の電流を流して前記電気分解
による処理を行うことを特徴とする水処理装置である。
【0040】請求項5に係る発明は、被処理水を電気分
解によって不純物捕捉する水処理方法であって、定電流
制御手段を用いて被処理水に電流を流して前記電気分解
による処理を行うことを特徴とする水処理方法である。
【0041】請求項6に係る発明は、被処理水を電気分
解によって不純物捕捉する水処理装置であって、定電流
制御手段を備え、該定電流制御手段を用いて被処理水に
対して電流を流して前記電気分解による処理を行うこと
を特徴とする水処理装置である。
【0042】請求項7に係る発明は、熱交換用の循環水
を電気分解によって改質する水処理方法であって、複数
の被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による処
理を行うとともに、定電流制御手段(スイッチング回路
等)を用いて各被処理水に対して同等の電流を流して前
記電気分解による処理を行うことを特徴とする水処理方
法である。
【0043】請求項8に係る発明は、熱交換用の循環水
を電気分解によって改質する水処理装置であって、複数
の被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による処
理を行う水処理装置において、定電流制御手段を備え、
該定電流制御手段を用いて各被処理水に対して同等の電
流を流して前記電気分解による処理を行うことを特徴と
する水処理装置である。
【0044】請求項9に係る発明は、熱交換用の循環水
を電気分解によって改質する(不純物捕捉する)水処理
に用いる電源装置であって、複数の被処理水に対して前
記電気分解による処理を行う単一の電源と、各被処理水
に対して同等の電流を流す定電流制御手段(スイッチン
グ回路)とを備えることを特徴とする水処理用電源装置
である。
【0045】請求項10に係る発明は、熱交換用の循環
水を電気分解によって改質する(不純物捕捉する)水処
理方法であって、複数の被処理水に対して、同一電源で
前記電気分解による処理を行うとともに、各被処理水に
対して700〜800mAの範囲内のいずれかの一定の
値の電流を流して前記電気分解による処理を行うことを
特徴とする水処理方法である。
【0046】請求項11に係る発明は、熱交換用の循環
水を電気分解によって改質する水処理装置であって、複
数の被処理水に対して、同一電源で前記電気分解による
処理を行う水処理装置において、定電流制御手段を備
え、該定電流制御手段を用いて各被処理水に対して70
0〜800mAの範囲内のいずれかの一定の値の電流を
流して前記電気分解による処理を行うことを特徴とする
水改質装置である。
【0047】請求項12に係る発明は、熱交換用の循環
水を電気分解によって改質する(不純物捕捉する)水処
理に用いる電源装置であって、複数の被処理水に対して
前記電気分解による処理を行う単一の電源と、各被処理
水に対して700〜800mAの範囲内のいずれかの一
定の値の電流を流す定電流制御手段(スイッチング回
路)とを備えることを特徴とする水改質用電源装置であ
る。
【0048】各発明によれば、被処理水、あるいは複数
の被処理水(被浄化水ないしは被浄化水である循環水
等)に対して電気分解による処理を行うに際し、単一の
電源を用いるとともに、被処理水に対して特定の電流を
流す定電流制御手段(スイッチング回路等)を用いるの
で、広範囲にばらつく電気伝導率をもつ複数の被処理水
に対しても広範囲に対処できる。よって、電気伝導率の
変化の大きい被処理水に対しても、また複数の被処理水
に対しても対応が可能であるとともに、各被処理水に対
してそれぞれに適正な処理を行うことができる。
【0049】なお、定電流により電気分解を行おうとす
る技術は、たとえば電解メッキの分野などで知られては
いる。しかし電解メッキについて言えば、電解メッキに
で一定電流とするのは、メッキ金属の析出の必要性によ
るものであり、かつ、メッキ液はその成分は任意に設定
でき、電気伝導度も所望の値にして実施できるのである
が、本明細書で対象とする被処理水はもともと被電解処
理水の条件は一定せずまちまちなのであって、そのよう
に条件の一定しない被処理水を対象とするという点で、
全く異質である。
【0050】
【実施の形態例】以下に、本発明の実施の形態例につい
て具体的に説明する。なお当然のことではあるが、本発
明は以下述べる具体例により限定を受けるものではな
い。
【0051】実施の形態例1 この実施の形態例は、本発明を、クーリングタワーの被
冷却水である熱交換循環水の電気分解浄化に適用したも
のである。特に、クーリングタワーが複数設置され、各
クーリングタワーの被冷却水を浄化する場合に適用した
ものである。なお、以下記載と同様にして、クーリング
タワーの被冷却水である熱交換循環水以外の、冷却を要
する各種用水、たとえば印刷機のチラー、金型冷却のチ
ラー、ワイヤー放電加工の脱イオン水を被処理水とし、
これらを被電気分解浄化処理水とした場合も実施した
が、同等の効果を得ることができた。本構成は、冷却を
要するすべての産業用水等に汎用でき、電気伝導率が1
5〜4000μS/Cという広範囲の被処理水を処理対
象とすることができる。
【0052】図1および図2を参照する。図1は本実施
の形態例を示すブロック回路図である。図2は、本発明
の実施の形態のクーリングタワー配置図であり、図示で
は4基のクーリングタワーa〜dが設置されている場合
を示す。
【0053】図2に示すように、クーリングタワーa〜
dの内、クーリングタワーa,bは屋上に設置されてい
る。クーリングタワーcは、途中階(図示では2階)の
室外に設置されている。クーリングタワーdは、地上の
建物裏手に設置されている。これは前記図8を参照して
説明した配置例と同様である。
【0054】各クーリングタワーa〜dの条件は、前記
説明したのと同様、クーリングタワーa,bは、日光照
射が良く、風通しが多い設置条件の例であり、クーリン
グタワーcは、タワーa,bに比べて、日当たり、風通
しなどがそれより少ない場合であり、クーリングタワー
dは、建物裏手にあるので建物に遮られて、日当たり、
風通しともにタワーa,b,cよりさらに少なくなって
いる例である。
【0055】カルシウムの硬化防止剤や、殺藻剤などの
薬剤は、使用しないことが望ましいので、本例では電気
分解による改質のみを行う。
【0056】従来は、被処理水の電気伝導率が広範囲に
ばらつくために、電気分解による改質のためには、電解
条件をおのおので変える必要があった。すなわち従来
は、各クーリングタワーa〜dの各々に、各別個の電源
を用いて電圧を付与し、電気分解浄化を行うほかなかっ
たわけである。
【0057】本実施の形態例では、図1の構成をとるこ
とにより、従来技術の問題点を解決する。
【0058】図1及び図2を参照して、説明する。図2
において、a〜dはクーリングタワーである。符号eは
定電流制御手段である。具体的には、定電流で無段階の
スイッチング電源部である。
【0059】前記説明したとおり、クーリングタワーa
〜dに使用されている循環一次冷却水の電気伝導率(比
抵抗)は、それぞれ異なる。濃縮倍率がそれぞれ異なる
ことに基づく。かかるクーリングタワーa〜dごとの電
気伝導率のばらつきは、ほとんど不可避的に発生すると
ともに、どの程度のばらつきが生じるか(各タワーにつ
きどの程度の電気伝導率になるか)も、不明である。
【0060】電源部である定電流制御手段eは、上記の
ようクーリングタワーa〜dの被処理循環水に対して、
ここでは700〜800mAの範囲の分解電流を与え
る。この範囲の電流で、各クーリングタワーa〜dの被
処理循環水に適正な処理を行うことができるので、この
範囲を設定したのである。具体的には、クーリングタワ
ーa〜dの各被処理水槽(図7の符号109参照)中に
投入されている電極に対して、この範囲の電流を供給す
る。
【0061】電源部である定電流制御手段eは、スイッ
チング回路をなしており、各クーリングタワーa〜dの
被処理循環水の電気伝導率、比抵抗に応じて、ここでは
最大で60V、最小で5Vの電圧を印加できるように、
スイッチング変圧されている。
【0062】すなわち、それぞれのクーリングタワーa
〜dの被処理循環水の電気伝導率により、適正な特定範
囲の電流が流れるように、電源部であるこの定電流制御
手段eによりスイッチング変圧して、定電流を維持する
ようにしているのである。
【0063】電源部である定電流制御手段eの出力口
は、図2に示すように上から、符号c,a,b,dで示
す各出力口によって、対応するクーリングタワーc,
a,b,dの各被処理水槽の電極に対して個別に無段階
で、個別スイッチング変圧により、電圧を変化させ、定
電流を維持する。
【0064】電源部であるこの定電流制御手段eは、単
一で複数の被処理水を改質できる。つまり1設備工事で
複数の水循環機の水を浄化することができる。よって、
従来より大幅にコストダウンが図れる。従来は、前記し
たように、電気伝導率が異なると、電気伝導率が大の方
に電流が取られ、他には浄化電流が行き渡らなかったた
め、個別電源部とせざるを得ず、経費、工事が本実施の
形態例採用の場合の数倍となってしまう。また、従来
は、複数の被処理水を処理する場合で無くても、水の電
気伝導率が高いと、トランス容量の限界まで電源電流が
流れてしまう事故が数多く見られ、故障となっていた
が、本実施の形態例採用の場合はその懸念がない。実
際、本実施の形態例を単一の水循環機の水を浄化する場
合に適用しても(たとえば、クーリングタワーa〜dの
うち1基のみを稼動させる場合)、濃縮率が大きくなっ
て、電気伝導率が大になる場合も、事故・故障は生じな
かった。
【0065】すなわち図3に示す(1)の通常の補給水
(市水、地下水)についての、600〜700mAの電
流値についても、図3中の(2)の範囲、及び(1)の
範囲である屋内循環水機器の水の電気伝導率である20
0〜500μS/Cの電流値についても、図3中の
(3)の範囲の屋外設備の一次冷却塔(クーリングタワ
ー)で、日光、風じんの影響があまりないところに設置
されている場合の循環水の電気伝導率範囲である500
〜1000μS/Cの電流値についても、図3中の
(4)の範囲、及び(5)の範囲の、クーリングタワー
での多くの循環水の電気伝導率範囲である1000〜4
000μS/C、さらには、1500〜4000μS/
Cに至る範囲の電流値についても、本実施の形態例の構
成により、すべて適正に対応できる。かかる効果が得ら
れる設備は、従来全く見られなかったものである。
【0066】図3を参照して、定電流制御による作用効
果を説明する。図3の折れ線グラフに示すように、定電
流にて、無段階電圧(スイッチング回路)で、想定され
る被処理循環水の電気伝導率変化に対して、すべてをカ
バーするようにして、電気分解反応を試みることができ
る。
【0067】この定電流無段階電圧(スイッチング回
路)の回路を電源部に数個組み込み設置することによ
り、1電源部から、数種類の被処理水を浄化することが
できた。これによって、各被処理水の電気伝導率がそれ
ぞれ異なることを克服したのである。
【0068】浄化すべき被処理水の改質が、経時的に進
行したとき(このとき、Ca,Si,Fe,Na等は減
少する)でも、電流値が一定であり、電圧変化は自動的
に可変するので、有機物分解は進行する。
【0069】浄化すべき被処理水に電極反応(電極への
析出物付着)が現れた当初は、配管、熱交換部の付着物
が溶解し、電気伝導率が最高で3500μS/Cにまで
上昇することがあるが、自動可変圧機能が働き、分解反
応が持続できる。
【0070】これにより、電極面積、電極間隔等を調整
する必要なく、広範囲の電気伝導率の被処理水をも改質
浄化する持続分解が可能となった。
【0071】近接する冷却塔(たとえば30m以内)で
も、諸条件によって、循環水のイオン化雰囲気は違って
くるが、電源部は1つで済むので、電源部費用が1台分
で済み、増設電極のみで改質が達成でき、経済的であ
る。
【0072】図4に、出力電流と出力電圧の関係を示
し、本実施の形態例の制御の様子を示す。図示のよう
に、0〜60Vの範囲で電圧を可変することで、電流値
をほぼ750mAの定電流に維持でき、範囲的にも、7
00〜800mAの範囲に収め電流値で、電解改質を行
うことができる。
【0073】図3を参照して、定電流制御による作用効
果を説明する。図3の折れ線グラフに示すように、定電
流にて、無段階電圧(スイッチング回路)で、想定され
る被処理循環水の電気伝導率変化に対して、すべてをカ
バーするようにして、電気分解反応を試みることができ
る。
【0074】各クーリングタワーa〜dの循環使用水
の、各クーリングタワーa〜dの設置条件による水の濃
縮度を説明する。表5に、各クーリングタワーa〜dの
循環使用水の、電気伝導率、比抵抗、全硬度、及びシリ
カ、塩化物イオン、硫酸イオンの濃度を示す。
【0075】各クーリングタワーa〜dの条件は、前記
説明したのと同様、クーリングタワーaは薬剤混入強制
ブローの、屋上設置のもの、クーリングタワーbは、薬
剤不使用の屋上設置のもの、クーリングタワーcは、建
物の中間に設置のもの、クーリングタワーdは、建物裏
手にある日陰設置のものである。表5中、C/Tはクー
リングタワーを示す。
【0076】
【表5】
【0077】次に、図1のブロック回路図を参照して、
電源部である定電流制御手段について説明する。また、
図5を用いて、矢羽式の電極による電解槽について説明
する。
【0078】図1のブロック回路図を参照する。符号1
は、電源部を示す。電源部1は、スイッチング定電流制
御部10を有する。この定電流制御部10は、スイッチ
ング回路をなしており、出力電流を一定に保つ役割を果
たす。たとえば、本実施の形態例のようなクーリングタ
ワーの一次冷却水の改質について言えば、750mAの
停電流に維持し、ばらつきがあったとしても、700〜
800mAの範囲の適正電流値に出力電流を制御する。
定電流制御部10は、絶縁トランス11や、整流器12
等を蔵している。
【0079】本実施の形態例では、2出力13a,13
bをさらに各2つに分岐して、4出力31〜34として
いるが、これら分配の構成は、被処理部の数に応じて適
宜設定すればよい。各出力で、出力電流が定電流に保て
る構成であればよい。
【0080】さらに、適宜の配電手段4を介して、出力
31〜34は、4つの出力口41から、各被処理水があ
る第1〜第4の水槽51〜54の、各電解用電極に付与
される。
【0081】この結果、電源部1からの定電流出力が各
被処理水槽51〜54の各電解用電極に与えられて、定
電流での電解改質がなされる。この場合、各被処理水槽
51〜54の各被処理水は、さきに図3を用いて説明し
たように、500〜3500、さらには200〜400
0μS/Cという広範囲で電気伝導率がばらつく可能性
のあるものである。これに対して、電源部1の定電流ス
イッチング回路は図3により説明したように、広範囲の
電気伝導率に対して、一定の電流を維持する。このた
め、適正な電解により適正な改質が各被処理水槽51〜
54においてなされ、1つの低抵抗の被処理水槽にのみ
電流が流れてしまうことや、大電流による加熱などによ
る事故・故障のおそれもなども、防止される。
【0082】次に、図5を用いて、矢羽式の電極による
電解槽について説明する。定電流スイッチング電源部1
の定電流制御スイッチング回路から与えられる定電流出
力は、極性転換回路6を介して、電解用の電極に付与さ
れる。ここで改質用電気分解に用いる電極は、矢羽式と
称している構造のものであり、次のような構成をとる。
【0083】この電極は、断面コ字状のケース状をなす
カソードフィルター23に囲まれて電極本体22が配置
され、該電極本体22とカソードフィルター23とは取
り外し自在に組になっているので、この組を電極組立体
と称して符号20で表す。
【0084】本実施の形態例で用いる電極組立体20に
ついて、以下述べる。図5に示すように、電解槽内で被
処理水中に配置される電極組立体20は、電極本体をな
す極性駆動用極22と、常時接地用極23であるカソー
ドフィルターとからなる。極性駆動用極22は、3相の
電極22A,22B,22Cとからなる。常時接地用極
23は、この極性駆動用極22を上にすっぽりとかぶせ
るようにしたカバーをなしている。すなわち、ここでは
常時接地用極23は、極性駆動用の3相の電極22A,
22B,22Cの全部(または一部でもよい)を非接触
で覆う電極カバーをなすのである。また常時接地用極2
3は多数の穴が開口されたフィルター状になっており、
すなわちカソードフィルターをなしている。
【0085】本実施の形態例における極性駆動用極22
の要部構成を、図6に斜視図で示す。図6に示すよう
に、この極性駆動用極22は、第1の電極22A、第2
の電極22B、及び第3の電極22Cを有する。各電極
22A,22B,22Cは、互いに電気絶縁的に組み立
てられる。符号27は組み立て用ボルト兼スペーサー止
めナットであるが、これは絶縁性のプラスチックスから
なっている。絶縁性の支持部(ハウジング)に組み付け
て組み立てるのが実用的である。スペーサー止めナット
27は、各電極同士が等間隔を守るためのスペーサーの
役割を果たす。
【0086】本実施の形態例における各電極22A,2
2B,22Cは、図6に示すように、120°の角度を
なして相隣る1対の平板状部22A1,22A2により
1電極が形成されている。図6では図が煩雑になるのを
避けるため電極22Aについてのみ平板状部を符号で示
したが、電極22B,22Cも同様である。これら各電
極22A,22B,22Cは、互いに各電極をなす1対
の平板状部の各々が他の電極をなす1対の平板状部の一
方と対向する構造で組み合っている。すなわち、120
°の角度部分を3つ組み合わせて、360°にして全体
を構成するのである。前述のとおり各電極同士はスペー
サー止めナット27により、等間隔が維持されるので、
各平板状部の対向面間距離は一定に保たれる。符号28
は電源からの通電用のネジ切(雄ネジ)棒であり、各電
極22A,22B,22Cの折り曲げ部(角度120°
をなす折り曲げ辺)に固定される。ここではネジ切棒2
8は各電極22A,22B,22Cと同一素材で形成
し、溶接固定した。ネジ切棒28の先端部は支持部(ハ
ウジング)内に入り、通電接続される。かつ、防水処理
を施す。ネジ切棒28は図示例では折り曲げ部に設けた
が、中心付近のため場所的自由度が制限される場合は、
各極の外側辺に設けてもよい。
【0087】本実施の形態例においては極性駆動用の電
極22A,22B,22Cは、チタン製とした。対向面
には、白金メッキを施した。また常時接地用極23であ
るカソードフィルターは、ステンレス製とした。常時接
地用極23は図示ではコ字状の覆い体をなすが、同様な
カバー機能を果たし得るのであれば、半円形その他の蓋
型であってもよい。コ字状をなす本例の形状は脱着、清
掃の容易性の点で、すぐれている。常時接地用極23
は、感電防止のガードの役割をも果たす。また、後記す
るように、極性駆動用極22A,22B,22Cは、各
々極性を順次変化させる(たとえば印加電源部内でリレ
ー回路を使用して極性を回転駆動させる)ようにするの
でここには電解付着物の付着は無く、水中の陽イオン
(カルシウム分等)は常時接地用極23の内面(極性駆
動用極側)に付着するが、この常時接地用極23は取り
外しが容易で、清掃も容易なので有利である。
【0088】上記極性駆動用極22A,22B,22C
の構造及び形成について述べる。本例の各電極22A,
22B,22Cの材質としては、チタン(Ti)を選定
し、上記のとおり互いに対極をなすことになる対向面に
は、白金メッキを施した。厚さは任意ではあるが、加工
適性を考えると1mm厚程度が好ましい。長さ、幅は、
任意であり、通電印加電流によって決定すればよい。板
状にしても、網状にしてもよいが、これは被処理水の量
や電気伝導率によって定めることができる。
【0089】次に、図5を参照して、極性駆動用極22
A,22B,22Cの各々の極性の順次変化について説
明する。常時接地用極23(カソードフィルター)は、
固定GRD(ゼロV)とする。電極22A,22B,2
2Cは、そのいずれか1つが陽極、他の2つが陰極(ゼ
ロV)となるようにし、これを順次交代させる。すなわ
ち、電極22Aが陽極のとき、電極22B,22Cは陰
極(G)とする。本実施の形態例では、これを3分間継
続し、次いで電極22Bを陽極とし、電極22A,22
Cは陰極とする。これを3分間継続し、次いで電極22
Cを陽極とし、電極22A,22Bは陰極とし、これを
3分間継続する。これを順次繰り返す。この電極の極性
の交代は、ここでは3分間ごととし、9分間周期とした
が、この間隔は任意である。10分以内の間隔で交代さ
せるようにする(たとえば1分〜5分の間隔)のが、一
般的であり好ましい。
【0090】この結果、電極22A,22B,22C
は、これらが陽極に対し陰極となり、水質改良に必要な
陰極特性の還元電位が優位となる。よって陽極電気劣化
を防止できる。また各電極22A,22B,22C個々
についてみれば、陽極である状態と陰極である状態とが
交互になるので、ここには金属析出物の付着は生じな
い。陰極である状態で析出した陽イオンは、陽極である
状態のときに除去されるからである。このため析出物
は、常時接地用極23(カソードカバー)に集中して付
着することになる。このように極性駆動用極22A,2
2B,22Cには陽極劣化が防止されて、グランド付着
物(Ca,Si,Mg等)は付着せず、全く清掃不要で
使用し続けることができ、よって極性駆動用極はノーメ
ンテナンスでの永久作動が可能となる。メンテナンスは
常時接地用極23(カソードカバー)のみでよいことに
なり、この脱着、清掃等が容易であることは前述のとお
りである。
【0091】
【発明の効果】上記詳述したように、本発明によれば、
電気分解による被処理水が濃縮等によりその電気伝導率
が変化した場合でも広範囲に対処でき、複数の被処理水
についても、単一の電源により電気分解処理を行うこと
を可能とした電気分解による水処理方法及び同装置、及
び電気分解用電源装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態例における電源部とそ
の被電解処理水系への接続を示すブロック回路図であ
る。
【図2】 本発明の一実施の形態例における被電解処理
水系である複数のクーリングタワーの設置構成を示す図
である。
【図3】 本発明の一実施の形態例を説明する図であっ
て、被処理水の電気伝導率と電圧との関係を示すグラフ
であり、合わせて各種被処理水の電気伝導率を説明する
ための図である。
【図4】 本発明の一実施の形態例を説明する図であっ
て、スイッチング回路の作用を説明するための図であ
り、出力電流と出力電圧との関係を示すとともに、電流
が定電流範囲に維持されることを示す図である。
【図5】 本発明の一実施の形態例における被処理水槽
での電気分解の様子を示す図であり、合わせて当該実施
の形態例で用いる矢羽型電極を説明する図である。
【図6】 矢羽型電極の構成を示す斜視図である。
【図7】 被電解処理水系の例であるクーリングタワー
の構成を示す図である。
【図8】 被電解処理水系の例であるクーリングタワー
の設置構成例を示すとともに、と設置条件を説明する図
である。
【符号の説明】
1・・・電源部、20・・・矢羽根型電極(電極組立
体)、51〜54・・・被処理水(水槽)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/00 F28F 19/00 511Z F28F 19/00 511 C02F 1/46 101A 19/01 101B F28F 19/00 501Z Fターム(参考) 4D061 DA05 DB05 DB18 DC18 DC19 DC20 EA02 EA05 EB01 EB04 EB14 EB20 EB37 EB39 GA06 GA07 GA30 GC12 GC14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理方法であって、複数の被処理水に対して、同一
    電源で前記電気分解による処理を行うとともに、 定電流制御手段を用いて各被処理水に対して同等の電流
    を流して前記電気分解による処理を行うことを特徴とす
    る水処理方法。
  2. 【請求項2】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理装置であって、複数の被処理水に対して、同一
    電源で前記電気分解による処理を行う水処理装置におい
    て、定電流制御手段を備え、該定電流制御手段を用いて
    各被処理水に対して同等の電流を流して前記電気分解に
    よる処理を行うことを特徴とする水処理装置。
  3. 【請求項3】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理方法であって、複数の被処理水に対して、同一
    電源で前記電気分解による処理を行うとともに、 前記複数の被処理水すべてに対して適正な電流範囲を定
    め、定電流制御手段を用いて各被処理水に対して該適正
    な電流範囲の電流を流して前記電気分解による処理を行
    うことを特徴とする水処理方法。
  4. 【請求項4】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理装置であって、複数の被処理水に対して、同一
    電源で前記電気分解による処理を行う水処理装置におい
    て、 定電流制御手段を備え、かつ、前記複数の被処理水すべ
    てに対して適正な電流範囲を定めておき、前記定電流制
    御手段を用いて各被処理水に対して該適正な電流範囲の
    電流を流して前記電気分解による処理を行うことを特徴
    とする水処理装置。
  5. 【請求項5】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理方法であって、 定電流制御手段を用いて被処理水に電流を流して前記電
    気分解による処理を行うことを特徴とする水処理方法。
  6. 【請求項6】被処理水を電気分解によって不純物捕捉す
    る水処理装置であって、 定電流制御手段を備え、該定電流制御手段を用いて被処
    理水に対して電流を流して前記電気分解による処理を行
    うことを特徴とする水処理装置。
  7. 【請求項7】熱交換用の循環水を電気分解によって改質
    する水処理方法であって、複数の被処理水に対して、同
    一電源で前記電気分解による処理を行うとともに、 定電流制御手段を用いて各被処理水に対して同等の電流
    を流して前記電気分解による処理を行うことを特徴とす
    る水処理方法。
  8. 【請求項8】熱交換用の循環水を電気分解によって改質
    する水処理装置であって、複数の被処理水に対して、同
    一電源で前記電気分解による処理を行う水処理装置にお
    いて、 定電流制御手段を備え、該定電流制御手段を用いて各被
    処理水に対して同等の電流を流して前記電気分解による
    処理を行うことを特徴とする水処理装置。
  9. 【請求項9】熱交換用の循環水を電気分解によって改質
    する水処理に用いる電源装置であって、 複数の被処理水に対して前記電気分解による処理を行う
    単一の電源と、 各被処理水に対して同等の電流を流す定電流制御手段と
    を備えることを特徴とする水処理用電源装置。
  10. 【請求項10】熱交換用の循環水を電気分解によって改
    質する水処理方法であって、複数の被処理水に対して、
    同一電源で前記電気分解による処理を行うとともに、 各被処理水に対して700〜800mAの範囲内のいず
    れかの一定の値の電流を流して前記電気分解による処理
    を行うことを特徴とする水処理方法。
  11. 【請求項11】熱交換用の循環水を電気分解によって改
    質する水処理装置であって、複数の被処理水に対して、
    同一電源で前記電気分解による処理を行う水処理装置に
    おいて、 定電流制御手段を備え、該定電流制御手段を用いて各被
    処理水に対して700〜800mAの範囲内のいずれか
    の一定の値の電流を流して前記電気分解による処理を行
    うことを特徴とする水改質装置。
  12. 【請求項12】熱交換用の循環水を電気分解によって改
    質する水処理に用いる電源装置であって、 複数の被処理水に対して前記電気分解による処理を行う
    単一の電源と、 各被処理水に対して700〜800mAの範囲内のいず
    れかの一定の値の電流を流す定電流制御手段とを備える
    ことを特徴とする水改質用電源装置。
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