JP2003199850A

JP2003199850A - アイアン型ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2003199850A
Application number: JP2002001540A
Authority: JP
Inventors: Hideo Shimazaki; 秀夫島崎
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2002-01-08
Filing date: 2002-01-08
Publication date: 2003-07-15
Also published as: US20030181259A1

Abstract

(57)【要約】【課題】重心が低く、ビギナーが使用してもボールが
上がり易くまたボールが右に出たりスライスしたりしに
くいゴルフクラブヘッドを提供する。【解決手段】アイアン型ゴルフクラブヘッド１は、平
面状のフェース面２ｆを有したフェース部２と、該フェ
ース部２のヒール側に連なるホゼル部３とを有し、該ホ
ゼル部３にはシャフト挿入穴４が貫通して設けられてい
る。重心距離が２８〜３３ｍｍ、重心高さが１２〜２１
ｍｍ、重心深さが５〜１５ｍｍ、グース距離が４〜１５
ｍｍである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はアイアン型ゴルフク
ラブヘッドに係り、特にロフト角が小さいロングアイア
ンに適用されるアイアン型ゴルフクラブヘッドに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】アイアン型ゴルフクラブヘッドは、周知
の通り、平面状のフェース面を有したフェース部と、該
フェース部のヒール側に連なるホゼル部とを有し、該ホ
ゼル部にはシャフト挿入穴が設けられている。このシャ
フト挿入穴にシャフトが挿入され、接着剤によって固着
される。このゴルフクラブヘッドの重心とシャフト軸心
線の延長線との間の距離（ただし、正面図における距
離）は重心距離と称されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ロフト角が小さいロン
グアイアンは、ショートアイアンに比べてシャフトが長
いことも相俟って初心者（ビギナー）にはナイスショッ
トの出にくいクラブであり、敬遠されがちである。ロン
グアイアンを打ち易いものとするためにゴルフクラブヘ
ッドを大型化してスイートエリアを大きくすることが行
われているが、ゴルフクラブヘッドを大型化すると重心
距離が長くなると共に重心高さも高くなり、その結果、
ビギナーや非力なゴルファーにとって打球が上がりにく
くなったり、打球が右方向（右利きゴルファーにとって
の右方向。以下同様。）に出たりスライスがひどくなっ
たりしがちである。

【０００４】本発明は、ロフト角が小さいアイアン型ゴ
ルフクラブヘッドを有したゴルフクラブをビギナーや非
力なゴルファーが使用しても打球が上がり易くなるよう
にすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のアイアン型ゴル
フクラブヘッドは、ロフト角が１５〜２５°であるアイ
アン型ゴルフクラブヘッドにおいて、重心距離が２８〜
３３ｍｍであり、重心高さが１２〜２１ｍｍであること
を特徴とするものである。

【０００６】かかるアイアン型ゴルフクラブヘッドは、
重心距離及び重心高さがいずれも従来のロングアイアン
よりも小さく、このゴルフクラブヘッドを有したロング
アイアンをビギナーが使用しても打球が上がり易くな
る。

【０００７】本発明では、好ましくは、フェース面から
の重心深さが５〜１５ｍｍであり、グース距離が４〜１
５ｍｍである。また、フェース面の周縁部とそれよりも
内側領域とが比重の異なる材料にて構成されており、該
内側領域の材料の比重が該周縁部の材料の比重よりも小
さいことが望ましい。

【０００８】本発明におけるロフト角、重心距離、重心
高さ、グース距離等の定義について図６，７を参照して
説明する。

【０００９】まず、ゴルフクラブヘッドにシャフトを装
着し、このシャフトをライ角測定器に取り付ける。この
ライ角測定器は、シャフトの軸心線が常に鉛直面内に存
在するように該シャフトをチャックする。そして、フェ
ース面を目標（ターゲット）にスクウェアとなるように
調整する。また、ゴルフクラブヘッドのソール面を基準
平面（水平定盤面）に対し、トウ側及びヒール側の隙間
α_１，α_２が均等になるように調整する。なお、コルゲ
ーション（フェース面の横長溝のこと。）の左端と右端
との中間のソール面が該基準平面に接するものとする。
コルゲーションの長さは普通の場合５４〜５８ｍｍ程度
である。この後、基準平面とシャフト軸心線（これはホ
ゼル部の軸心線と合致する）との交叉角度を測定し、こ
れをライ角とする。

【００１０】この図６の正面図（フェース面をスクウェ
ア方向から見た図であって、且つ基準平面と垂直な面に
投影した図）における重心Ｇとシャフト軸心線との距離
が重心距離である。また、基準平面から重心Ｇまでの距
離が重心高さである。この基準平面と垂直でフェースス
クウェア方向と平行方向の面が接する最もトウ側の面Ｆ
_１から最もヒール側の面Ｆ_２までの距離がフェース部長
さである。

【００１１】図７の通り、フェース面から重心Ｇまでの
距離が重心深さである。図７の側面図におけるフェース
面とシャフト軸心線との交叉角度がロフト角である。フ
ェース面の最先端と、ホゼル部最前縁を含む面Ｆ_３（こ
の面Ｆ_３はフェースのスクウェア方向と垂直である。）
との距離がグース距離である。フェース面と、ゴルフク
ラブヘッド最後端（フェース面と垂直方向における最後
端）を含む面Ｆ_４との距離がゴルフクラブヘッドの最大
厚みである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。図１は実施の形態に係るアイアン型
ゴルフクラブヘッドの正面図、図２は実施の形態に係る
アイアン型ゴルフクラブヘッドの側面図、図３は、図１
のIII−III線に沿う断面図、図４は実施の形態に係るゴ
ルフクラブヘッドの前方からの斜視図、図５は実施の形
態に係るゴルフクラブヘッドの後方からの斜視図であ
る。

【００１３】このアイアン型ゴルフクラブヘッド１は、
平面状のフェース面２ｆを有したフェース部２と、該フ
ェース部２のヒール側に連なるホゼル部３とを有し、該
ホゼル部３にはシャフト挿入穴４が貫通して設けられて
いる。このホゼル部３は、図２に示される通り、その全
体が前記フェース面２ｆを含む平面よりも前方に配置さ
れており、所謂グースネックとなっている。

【００１４】本発明は、ロングアイアンに適用するのに
好適であるので、ロフト角は１５〜２５°と設定する。
なお、このロングアイアンのシャフト長さは３８〜４２
インチ（９６５〜１０６７ｍｍ）特に３８．５〜４１イ
ンチ（９７５〜１０４２ｍｍ）が好ましい。

【００１５】重心距離は２８〜３３ｍｍ、好ましくは２
９〜３２ｍｍとする。重心距離がこの範囲よりも大きい
と、特にビギナーにはヘッドが返しにくいものとなり、
打球が右方向に出たりスライスし易くなる。逆に、重心
距離が上記範囲よりも小さいと、ヘッドが過度に返って
引掛けと称されるミスショットや過度なフックボールが
出易くなる。

【００１６】重心高さは１２〜２１ｍｍとする。下限は
好ましくは１３ｍｍ以上である。上限は２１ｍｍ以下、
特に１９ｍｍ以下とりわけ１８ｍｍ以下が好ましい。こ
のようにゴルフクラブヘッドの重心高さを従来よりも低
くすることにより、打球が上がり易くなる。なお、ゴル
フボールの直径が約４３ｍｍであるため、重心高さは該
直径の半分（２１．５ｍｍ）よりも低いことが望まし
く、上限を２１ｍｍに設定してある。重心高さを１２ｍ
ｍよりも低くすることは、フェース部２の高さを小さく
することにより技術的には可能であるが、そのようにす
るとスイートエリアの上下幅が小さくなったり、あるい
はビギナーにとって見た目の不安感（フェースがボール
に当りにくくなるのではないかとの不安感）が生じた
り、ラフにおいてはゴルフクラブヘッドがボールの下側
をくぐり抜ける所謂ダルマ落し調のミスショットが出易
くなるので、重心高さの下限は１２ｍｍと設定した。

【００１７】なお、重心高さを低くするにはソール部に
高比重材６を埋め込むようにしてもよい。この高比重材
としては比重が８以上のものが好適であり、具体的には
タングステンやタングステン合金、銅合金などが好適で
ある。後述の通り、この高比重材をソール部の後寄り
（背面側）に配置すると、重心がヒール寄りになると共
に、併せて重心深さを大きくすることが可能である。

【００１８】重心深さは好ましくは５〜１５ｍｍ特に好
ましくは６〜１２ｍｍである。重心深さをこのように従
来よりも大きくすることにより、打球が上がり易くな
る。ただし、重心深さを１５ｍｍよりも大きくすると、
それにつれてソール厚みも大きくなり、ラフに沈んだボ
ールやディボット内のボールを正しくヒットしにくくな
るところから、重心深さの上限を１５ｍｍとした。

【００１９】なお、重心深さを大きくするために、前記
の高比重材をソール底面の背面側に設けたり、フェース
部背面の下部に設けてもよい。

【００２０】ソール最大厚みは１５〜３５ｍｍ特に１８
〜３０ｍｍが好ましい。ソール最大厚みが１５ｍｍより
も小さいと、ダフリ気味（ゴルフクラブヘッドがボール
よりも手前の地面に当るショット）のときにゴルフクラ
ブヘッドが地面い食い込み易くなる。また、ソール厚み
が３５ｍｍよりも大きいと、ラフに沈んだボールやディ
ボット内のボールを正しくヒットしにくくなる。

【００２１】グース距離は４〜１５ｍｍが好ましい。グ
ース距離の下限値は、特に６ｍｍ以上とりわけ８ｍｍ以
上であることが好ましく、上限値は特に１２ｍｍ以下で
あることが好ましい。

【００２２】このグース距離を４ｍｍ以上と大きくする
ことにより、ゴルフクラブヘッドが返り易くなり、右へ
打ち出すミスの確率が低くなる。ただし、グース距離が
１５ｍｍよりも大きくなると、従来のゴルフクラブヘッ
ドのグース距離との差異が際立つことになり、ミスショ
ットが出易くなったり慣れるまでに徒に長時間がかかる
ことになる。

【００２３】本発明では、重心軸回りの慣性モーメント
を大きくしてスイートエリアを拡大したり、あるいは重
心深さを大きくするために、フェース部の周縁部をステ
ンレス鋼やマルエージング鋼などの鋼材で構成し、それ
よりも内側領域をそれよりも低比重の材料を配材しても
よい。なお、ステンレス鋼やマルエージング鋼の比重は
７〜８程度である。低比重材料としては、チタニウム、
チタニウム合金、アルミニウム合金、マグネシウム合
金、繊維強化樹脂（例えばカーボン繊維強化樹脂）など
比重１．３〜５程度の材料が例示される。

【００２４】なお、この実施の形態にあっては、図１に
明示の通り、シャフト挿入穴４の軸心線とホゼル部３の
下端面との交点Ｐは、フェース部２の上縁２ｔよりも下
位かつフェース部の下縁２ｂよりも上位に位置してい
る。

【００２５】また、この実施の形態にあっては、シャフ
ト挿入穴４の軸心線に沿う長さが好ましくは２５〜３５
ｍｍ特に好ましくは２７〜３２ｍｍである。さらに、こ
の実施の形態にあっては、ホゼル部３の下端面は、シャ
フト挿入穴４の軸心線方向の下端側ほどフェース面２ｆ
に近接するように該軸心線に斜交する斜面となってい
る。

【００２６】上記の点Ｐは、より正確には、シャフト挿
入穴４の軸心線とホゼル部３の下端面を含む面との交点
として定義される。このホゼル部３の下端面を含む面
（以下、ホゼル部下端面ということがある。）は、前記
の通り、シャフト挿入穴４の軸心線方向の下端側ほどフ
ェース面２ｆに近接する斜面となっている。このホゼル
部下端面は、フェース部２の前方の下方を向いている。
この実施の形態では、このホゼル部下端面は、該ホゼル
部下端面と垂直であって且つシャフト挿入穴軸心線を含
む平面に沿う断面において、わずかに凹に湾曲してい
る。

【００２７】このホゼル部３の下端面を含む面とシャフ
ト挿入穴４の軸心線とが交叉する点Ｐにおいて該ホゼル
部下端面と接する平面がフェース面２ｆと交叉する角度
は１２０〜１５５°とくに１２５〜１５０°であること
が好ましい。

【００２８】このゴルフクラブヘッド１のシャフト挿入
穴４にシャフトの先端が挿入され、接着剤によって固着
される。シャフトの先端は、ホゼル部３の下端面と面一
状となるように研削される、シャフトが中空の場合、シ
ャフト先端は詰物により封鎖される。この詰物もホゼル
部３の下端面と面一状に研削される。

【００２９】このようにシャフト挿入穴４がホゼル部３
を貫通しているので、ホゼル部３の全体の長さを小さく
してもシャフト挿入穴４の軸心線方向長さ（点Ｐからホ
ゼル部３の上端面までの距離）を２５ｍｍ以上確保する
ことができ、ホゼル部３とシャフトとを十分に強固に固
着することができる。そして、このようにホゼル部３の
長さを小さくしたことにより、ホゼル部３の上方への突
出長さが小さくなっており、ゴルフクラブヘッド１の重
心が低いものとなっている。このように、重心が低いゴ
ルフクラブヘッド１を備えたゴルフクラブは、ハイハン
ディキャッププレーヤーや低ヘッドスピードのプレーヤ
ーによって使用された場合でも打球が上がり易い。

【００３０】なお、ホゼル高さは４０〜５７ｍｍ特に４
０〜５３ｍｍであることが好ましい。このホゼル部はほ
ぼ円筒形状であるため、ホゼル部の上端面の中心点から
基準平面までの距離をホゼル高さとする。

【００３１】また、シャフト挿入穴４がホゼル部３を貫
通することにより、従来シャフト挿入穴の下部を蓋いで
いた部分の金属材料が存在しないことになり、その重量
分だけゴルフクラブヘッドが軽量化される。この軽くな
った分の重量を例えばゴルフクラブヘッドのソールに付
加することにより、ゴルフクラブヘッドの全体重量は従
来と同等であるが重心位置が従来よりも低いゴルフクラ
ブヘッドとすることもできる。

【００３２】このゴルフクラブヘッド１は、ホゼル部３
の下端部のフェース面側が斜めにカットされた形状であ
るため、シャンク（ソケット）が出にくい。

【００３３】なお、本発明では、図５のようにバック面
の中央部に凹部５を設けたキャビティバック構造である
ことが好ましいと共に、ヒール側とトウ側の肉厚を大き
くした構造であることが好ましい。この様な形状はゴル
フクラブヘッドのスイートエリアを広くするためであ
る。

【００３４】図１〜５に示す形状のゴルフクラブヘッド
１を金属材として比重約５のチタニウム合金で製造し、
ソール部には比重約１２のタングステン合金を埋め込ん
だ。このゴルフクラブヘッドの特性を表１に示す。な
お、表１には同一ロフト角の市販品の特性の測定結果を
併せて示す。

【００３５】なお、ホゼル部３の外径は１３ｍｍ、シャ
フト挿入穴４の内径（直径）は９．４ｍｍ、シャフト挿
入穴４の軸心線方向の長さは３０ｍｍ、ライ角６０°と
した。

【００３６】

【表１】

【００３７】上記の各ゴルフクラブヘッドにカーボンシ
ャフトを装着してクラブ長３８．５インチ（９７８ｍ
ｍ）のゴルフクラブ（ロングアイアン）を製作し、試打
評価を行った。その結果、比較例のアイアン型ゴルフク
ラブヘッドを付けたゴルフクラブでは、右方向にゴロし
か打てなかったハイハンディキャップのゴルファーが本
発明のアイアン型ゴルフクラブヘッドを付けたゴルフク
ラブを使用することによって、繰り返し、ほぼ、真直ぐ
に１７０ヤードほど飛ばすことができた。

【００３８】

【発明の効果】以上の通り、本発明によると、重心が低
く、ビギナーが使用してもボールが上がり易くまたボー
ルが右に出たりスライスしたりすることが少ないゴルフ
クラブヘッドが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係るアイアン型ゴルフクラブヘッ
ドの正面図である。

【図２】実施の形態に係るアイアン型ゴルフクラブヘッ
ドの側面図である。

【図３】図１のIII−III線に沿う断面図である。

【図４】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの前方か
らの斜視図である。

【図５】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの後方か
らの斜視図である。

【図６】ゴルフクラブヘッドの特性値の測定方法説明図
である。

【図７】ゴルフクラブヘッドの特性値の測定方法説明図
である。

【符号の説明】

１ゴルフクラブヘッド２フェース部２ｆフェース面３ホゼル部４シャフト挿入穴５凹部６高比重材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ロフト角が１５〜２５°であるアイアン
型ゴルフクラブヘッドにおいて、重心距離が２８〜３３ｍｍであり、重心高さが１２〜２
１ｍｍであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項２】請求項１において、フェース面からの重
心深さが５〜１５ｍｍであることを特徴とするゴルフク
ラブヘッド。
【請求項３】請求項１又は２において、グース距離が
４〜１５ｍｍであることを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。
【請求項４】請求項１ないし３のいずれか１項におい
て、フェース面の周縁部とそれよりも内側領域とが比重
の異なる材料にて構成されており、該内側領域の材料の
比重が該周縁部の材料の比重よりも小さいことを特徴と
するゴルフクラブヘッド。
【請求項５】請求項１ないし４のいずれか１項におい
て、ソール部に高比重材を設けてなり、該高比重材はソ
ール部の前後方向の中間付近又はそれよりも後方に配置
されていることを特徴とするアイアン型ゴルフクラブヘ
ッド。