JP2003194713A - 実時間イメージング分光方法及び実時間イメージング分光装置 - Google Patents

実時間イメージング分光方法及び実時間イメージング分光装置

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JP2003194713A
JP2003194713A JP2001391087A JP2001391087A JP2003194713A JP 2003194713 A JP2003194713 A JP 2003194713A JP 2001391087 A JP2001391087 A JP 2001391087A JP 2001391087 A JP2001391087 A JP 2001391087A JP 2003194713 A JP2003194713 A JP 2003194713A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分光測定において、時間分解とスペクトル測
定を同時に行う。 【解決手段】 励起光と複数波長を含むプローブ光を形
成し、プローブ光と励起光を、プローブ光が少なくとも
試料面上で光遅延時間を有し重ねて試料に照射し、励起
光による反応生成物の情報をプローブ光の照射によって
光情報の形態で読み出し、この光を光遅延時間の時間軸
及び波長軸の二次元に分光し、光遅延時間の時間幅の実
時間で分光することによって、時間分解とスペクトル測
定を同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分光方法及び分光
装置に関し、特に、微小時間における実時間変化のスペ
クトルを得る実時間イメージング分光方法及び実時間イ
メージング分光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの有機化学物質や生体系で行われる
光重合,光分解,光合成等の光化学反応や、半導体中の
光励起では光誘起現象が生じている。このような光化学
反応の初期過程や、半導体中に光励起されたキャリアの
緩和現象は、数十フェムト秒から数十ピコ秒の時間内で
起きる超高速現象であり、これらの光誘起現象を実時間
で捉えることは、各反応状態や物質の光誘起現象を明ら
かにする上で極めて重要である。
【0003】物質の光誘起現象を解明するには、スペク
トル(波長特性)と時間変化とを求める必要がある。こ
の解析を行う手法として、従来ポンプ―プローブ過渡吸
収分光法、4光波混合法、発光を時間解析する方法とし
て和周波発生分光法などの種々のレーザー分光法が用い
られている。
【0004】これらの従来のレーザー分光法において、
スペクトル(波長特性)測定では、光学遅延回路を構成
するステージを固定することで時間を固定し、分光器に
よってスペクトルを測定し、時間変化測定では、測定波
長を固定し、光学遅延回路を構成するステージを移動さ
せることで時間を変化させて時間応答を測定しており、
それぞれ個別に行っている。このように、従来のレーザ
ー分光法は、時間あるいは測定波長の何れか一方を固定
して測定を行うため、スペクトル(波長特性)測定と時
間変化測定との両測定を同時に行うことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザー分光法
は、スペクトル(波長特性)測定と時間変化測定との両
測定を同時に行うことができないため、測定試料におけ
る時間分解した全吸収(あるいは反射)スペクトルを得
るためには、各光遅延時間毎のスペクトル測定と測定波
長毎の時間応答測定とを、それぞれ光遅延時間又は測定
波長を変更しながら繰り返す必要がある。
【0006】そのため、スペクトル測定と時間変化測定
の一連の測定を行うには通常数時間から数日の長時間を
要するという問題がある。また、このように長時間を要
する測定では、長期間にわたってレーザーを安定して動
作させる点や、長時間のレーザー照射によって試料が劣
化する点においても問題がある。
【0007】また、従来のように過渡現象を時間あるい
は波長を変えながら繰り返しデータを蓄積する分光法に
よって測定するには、過去の反応状態の影響を排除する
ために反応生成物を常に取り去る必要があり、測定対象
物は溶液のようにフローさせることが必要である。
【0008】しかしながら、固体中の現象にはフォトク
ロミズムや光重合のように熱的に不可逆な現象が多くあ
る。このような固体中の熱的に不可逆な現象では、励起
光(ポンプ光)によって反応生成物が試料中に蓄積し、
溶液のようにフローによって反応生成物を取り去ること
ができないため、固体中の現象の解析に従来の分光法を
適用することができないという問題がある。
【0009】例えば、固体状態のフォトクロミック化合
物は光メモリー材料として期待されており、光メモリー
・光スイッチングなどの光機能性材料の物性を評価した
り、これら材料を設計する際の指針を確立することが求
められている他、強励起に弱い生体系試料の動的過程の
研究も求められているが、このような化合物の光構造変
化の動的過程を解析することは現在困難である。そのた
め、このような要求に対して、瞬時に時間分解したスペ
クトルを測定することができる分光方法や分光装置が求
められている。そこで、本発明は前記した従来の問題点
を解決し、分光測定において、時間分解とスペクトル測
定を同時に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料に励起光
を照射して反応生成物を生成させ、この反応生成物にプ
ローブ光を照射し、試料から得られる透過光又は反射光
を分光してスペクトル測定を行うものであり、波長軸と
共に時間軸に展開して分光することで時間分解とスペク
トル測定を同時に行う。
【0011】本発明の実時間分光は、複数波長を含むプ
ローブ光と励起光とを、プローブ光又は励起光あるいは
両方が、少なくとも試料面上で光遅延時間を有するよう
に重ねて試料に照射し、励起光によって反応し生成する
反応生成物の情報をプローブ光の照射によって光情報の
形態で読み出し、この光を光遅延時間の時間軸及び波長
軸の二次元に分光し、光遅延時間の時間幅の実時間で分
光することによって、時間分解とスペクトル測定を同時
に行う。
【0012】励起光とプローブ光の元となる光はフェム
ト秒レーザーパルスであり、このパルス光のパルス幅は
フェムト秒の単位であり、この光を遅延することによっ
てピコ秒単位の実時間の時間分解を行うことができる。
励起光とプローブ光は一つのフェムト秒レーザーパルス
光源から発せられたフェムト秒レーザーパルスを二分す
ることで形成することができる。
【0013】本発明の分光方法は、以下の態様によって
スペクトル測定と共に時間分解を行うことができる。第
1の態様では、プローブ光及び励起光を試料面上に線状
又は帯状に集光して照射する。プローブ光と励起光は、
この線状又は帯状の集光面において互いに光路差が生じ
るように入射する。この入射において、プローブ光又は
励起光の一方は集光面上に斜入射して、集光面上でその
長さ方向に光路差があるよう入射し、他方は集光面上に
垂直に入射して、集光面上でその長さ方向に光路差がな
いように入射する他、プローブ光及び励起光を共に集光
面上に斜入射して、集光面上でその長さ方向に光路差が
あるよう入射することによって、集光面上で互いに長さ
方向に光路差を生じさせることができる。
【0014】この入射は、試料面上に光遅延時間に対応
する時間差を形成する。プローブ光及び/又は励起光
は、集光面の法線方向に対して所定角度を有して入射す
ることによって光路差を形成することができる。これに
よって、線状又は帯状の集光面には、長さ方向に沿って
照射後の光遅延時間に対する情報が含まれることにな
り、この線状光又は帯状光を分光して波長成分を測定す
ることによって、時間分解とスペクトル測定を同時に行
うことができる。
【0015】第2の態様では、プローブ光と励起光とを
試料面上に点状に集光して照射する。プローブ光は、照
射前に、時間遅れを形成する時間遅れ形成手段に通す。
これによって、点状の集光面には、励起光照射後の光遅
延時間に対する情報が含まれることになる。この点状光
を光遅延時間の時間軸に展開し、展開した光を波長軸に
分光して波長成分を測定することによって、時間分解と
スペクトル測定を同時に行うことができる。第2の態様
によれば、試料上の一点において測定することができる
ため、試料の不均一性によって照射光の照射位置が異な
ることによって生じる測定データの不均一性を防ぐこと
ができる。
【0016】第3の態様では、プローブ光と励起光とを
試料面上に線状又は帯状に集光して照射すると共に、こ
の線状又は帯状の集光面において集光面上に垂直に入射
して、その長さ方向に光路差がないように入射する。プ
ローブ光及び/又は励起光は、照射前に、時間遅れを形
成する時間遅れ形成手段に通す。これによって、線状又
は帯状の集光面には、線又は帯の長さ方向に沿って照射
後の光遅延時間に対する情報が含まれることになる。こ
の線状光又は帯状光を分光して波長成分を測定すること
によって、時間分解とスペクトル測定を同時に行うこと
ができる。
【0017】本発明の実時間分光装置は、励起光と複数
波長を含むプローブ光とを試料に重ねて照射する照射手
段と、照射によって試料から得られる透過光又は反射光
を時間軸及び波長軸の二次元に分光する分光手段と、分
光手段による分光を二次元的に検出する検出手段とを備
える構成とする。
【0018】ここで、プローブ光及び/又は励起光は少
なくとも試料面上において光遅延時間を有するよう構成
し、分光手段はこの光遅延時間の情報を時間軸で分光
し、光遅延時間の時間幅の実時間で分光することで、時
間分解とスペクトル測定を同時に行う。
【0019】本発明が備える照射手段は、フェムト秒の
単位のパルス幅を有するフェムト秒レーザーパルスを発
生する光源と、フェムト秒レーザーパルスから励起光を
形成する波長変換素子と、フェムト秒レーザーパルスか
ら複数波長を含む白色光のプローブ光を形成する自己位
相変調素子と、励起光及びプローブ光を線状又は帯状に
形成する光学系とを備える。
【0020】本発明の実時間分光装置は、プローブ光及
び/又は励起光に光遅延時間を持たせることによって、
試料面上に光遅延時間の情報を形成し、時間分解とスペ
クトル測定を同時に行う。この光遅延時間の形成は照射
手段によって行うことができ、本発明は複数の態様の照
射手段とすることができる。
【0021】照射手段の第1の態様は、プローブ光及び
励起光を試料面上に線状又は帯状に集光する。プローブ
光又は励起光の一方は、線状又は帯状の集光面において
集光面上に斜入射し、集光面上でその長さ方向に光路差
があるように入射し、他方は線状又は帯状の集光面にお
いて集光面上に垂直に入射し、集光面上でその長さ方向
に光路差がないように入射する。あるいは、プローブ光
と励起光の両方を、線状又は帯状の集光面において集光
面上に斜入射し、集光面上でその長さ方向に光路差があ
るように入射する。この光の入射角度によって、試料面
上に光遅延時間が形成される。
【0022】照射手段の第2の態様は、プローブ光に時
間遅れを形成する時間遅れ形成手段と、時間遅れ形成手
段を通過したプローブ光を試料面上に点状に集光する光
学系と、励起光を試料面上に点状に集光する光学系とを
備える。これによって、試料面上に照射される点状のプ
ローブ光は光遅延時間を有することになる。分光手段は
試料からの点状の光を光遅延時間の時間軸に線状又は帯
状に展開する光学系を備え、光遅延時間の情報を含む光
を光遅延時間の時間軸に線状又は帯状に展開して分光す
る。
【0023】照射手段の第3の態様は、プローブ光及び
/又は励起光に時間遅れを形成する時間遅れ形成手段
と、時間遅れ形成手段を通過した光を線状又は帯状に形
成し照射面の長さ方向に垂直に照射する光学系と、他方
の光を線状又は帯状に形成し照射面の長さ方向に垂直に
照射する光学系とを備える。これによって、試料面上に
照射される線状又は帯状のプローブ光及び/又は励起光
は照射面の長さ方向に光遅延時間を有することになる。
分光手段は試料から得られる透過光又は反射光を光遅延
時間の時間軸に線状又は帯状に展開する光学系を備え、
光遅延時間の情報を含む光を光遅延時間の時間軸に線状
に展開して分光する。
【0024】また、本発明は、線又は帯方向に光遅延時
間に対する情報を含んだ光を分光し、この分光を二次元
検出器で検出する。二次元検出器の一方の軸方向のデー
タから時間応答に関する測定を行い、他方の軸方向のデ
ータから波長に関するスペクトル測定を行う。時間応答
とスペクトルの両データを、二次元検出器の二次元配列
で同時に得ることによって、スペクトルと時間を同時分
解した吸収(あるいは反射)スペクトルをイメージ情報
として得ることができる。また、励起光を光学遅延させ
てプローブ光との間に時間差を形成することによって、
測定時間の調整を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1〜図5を用いて本発
明の第1の態様を説明し、図6,図7を用いて本発明の
第2の態様を説明し、図8,図9を用いて本発明の第3
の態様を説明する。
【0026】はじめに、第1の態様について説明する。
図1〜図5は、第1の態様において、構成を説明するた
めの概略図、透過光の分光を説明するための概略図、反
射光の分光を説明するための概略図、時間応答及びスペ
クトルの測定データの概略例、及びプローブ光と測定光
の関係を説明するための概略信号図である。
【0027】なお、第1の態様では、光遅延時間を形成
する構成として、励起光とプローブ光の何れか一方を試
料に対して所定の入射角度を有して入射する構成、ある
いは励起光とプローブ光の両方を試料に対して所定の入
射角度を有して入射する構成とすることができる。
【0028】以下では、プローブ光を試料に対して所定
の入射角度を有して入射する構成について説明するが、
励起光を試料に対して所定の入射角度を有して入射する
構成、あるいはプローブ光と励起光を試料に対して所定
の入射角度を有して入射する構成についても同様とする
ことができる。
【0029】図1において、本発明の実時間分光装置1
は、試料Sに励起光とプローブ光とを照射する照射手段
2と、照射光によって試料Sから得られる透過光あるい
は反射光を時間軸及び波長軸に分光する分光手段3と、
分光された時間軸及び波長軸の信号を二次元で検出する
検出手段4を備える。第1の態様では、試料Sに対して
励起光とプローブ光とを線状に集光し、プローブ光の試
料Sに対する入射角度によって、試料S上に同時に照射
されるプローブ光に光遅延時間を形成し、この光遅延時
間によって時間分解を行う。
【0030】照射手段2は、パルス幅がフェムト秒単位
のフェムト秒レーザーパルスを発生するレーザー光源2
aを備える。このフェムト秒レーザーパルスはビームス
プリッタ2bによって2分され、一方のフェムト秒レー
ザーパルスは励起光として試料Sに照射され、他方のフ
ェムト秒レーザーパルスは複数波長を備えるフェムト秒
白色光のプローブ光として試料Sに照射される。
【0031】励起光は、レーザー光源2aから発せられ
たフェムト秒レーザーパルスを波長変換素子2fに通す
ことによって特定波長のパルス光とし、光学遅延ステー
ジ2gによってプローブ光との間の時間差を調整した
後、適当な大きさのビーム径(例えば、5mm径程度)
にコリメートし、円筒形レンズ2h2によって線状に形
成して試料S上に集光する。なお、光学遅延ステージ2
gは、プローブ光側に設ける構成とし、これによって、
プローブ光と励起光との間の時間差を調整してもよい。
【0032】一方、プローブ光は、レーザー光源2aか
ら発せられたフェムト秒レーザーパルスを自己位相変調
素子2dに通すことによって複数波長を備えるフェムト
秒白色光とし、ミラー2c2等の光学系によって適当な
大きさのビーム径(例えば、5mm径程度)にコリメー
トし、円筒形レンズ2h1によって線状に形成して試料
S上に集光する。なお、プローブ光の光路上には、試料
Sを挟んで偏光素子2e1及び2e2を配置する。なお、
偏光素子2e1及び2e2は、チャープをカー効果で補正
する際に使用し、この際には互いに偏光方向を90度ず
らして配置する。一方、実際の測定時には、偏光方向は
0度として平行の状態で使用する。
【0033】また、図1において、2c1〜2c7は励起
光及びプローブ光の光路を形成するためのミラーであ
る。なお、自己位相変調素子2dとして、例えばサファ
イアや石英基板や水を用いることができる。
【0034】円筒型レンズ2h1及び2h2は、ビーム状
の光を線状に形成する光学系である。図10はこの円筒
型レンズ2hの一例を示している。図示する円筒型レン
ズ2hは、断面が半円形の柱状レンズであり、光円筒型
レンズ2hの長さ方向が出射される光の線方向となる。
【0035】円筒型レンズ2h1及び2h2によって線状
に形成されたプローブ光及び励起光は、試料S上に線状
に集光される。この励起光で励起されプローブ光によっ
て試料Sから取り出された測定光は、その後レンズ系に
より適当な大きさに整形された後、円筒形レンズにより
スリット3a上に絞り、分光素子3bで分光され、検出
器4で検出される。
【0036】図2,図3は、試料S上の励起光とプロー
ブ光の入射状態、及び、試料Sから得られる測定光の時
間軸及び波長軸での検出状態を示し、図2は透過光を検
出する構成例であり、図3は反射光を検出する構成例で
ある。図2と図3は、透過光と反射光の点で相違しその
他の構成は共通するため、以下では主に図2の透過光に
ついて説明する。
【0037】図2において、励起光は、試料S上に光路
差がつかないような角度で入射させ、他方、プローブ光
は、試料S上で光路差がつくような角度で励起光と重な
るように入射させる。図2中のプローブ光中に示す破線
は、同じ光遅延時間の波面を表している。なお、図示す
る波面間の間隔は説明上から任意に定めたものであっ
て、間隔自体に格別な意味を含むものではない。
【0038】プローブ光は、図示するように試料Sの面
に対して角度θを有して入射することによって、試料面
上への到達時間は線状又は帯状に延びる集光位置によっ
て順次ずれ、光路差が形成されることになる。例えば、
図中の斜線部分を施した線状又は帯状の集光面Pにおい
て、プローブ光はまず端部Aに到達し、遅れて他方の端
部Bに到達し、両端の間に光路差が形成される。この光
路差はΔtの光遅延時間の時間差に対応する。例えば、
プローブ光の試料S上に線状の集光の長さを5〜6mm
(例えば、5.2mm)とし、入射角度を30度とする
と、端部Aと端部Bの両端部間の光路差は3mmとな
り、時間差として約10ps(ピコ秒)の光遅延時間が
形成される。なお、前記した入射角度θは30度に限ら
れるものではなく、所定の集光面Pを形成するよう任意
に設定することができ、プローブ光のビーム径と光遅延
時間から通常20度〜30度が適当である。
【0039】試料Sが比較的均一であり位置によって特
性に相違が無い場合、あるいは無視できる程度である場
合には、この励起光及びプローブ光の入射によって得ら
れる線状の集光面Pの線方向の各位置の状態は、各応答
時間に対応する状態を表している。したがって、線状の
集光面Pの線方向の各位置から発せられる測定光には、
各応答時間に対応する状態の情報が含まれ、この測定光
を分光することによって各応答時間における波長成分を
求めることができる。
【0040】集光面Pから試料Sを透過した透過光を、
レンズ系で適当な大きさに整形し、円筒形レンズでスリ
ット3a上に絞って、光遅延時間の時間軸に沿った線状
又は帯状とする。分光手段3bは、この光遅延時間の時
間軸に沿って線状又は帯状に延びる測定光を所定の波長
範囲で分光する。なお、図2では分光を示す矢印は一部
のみを模式的に表示している。検出器4は二次元検出器
4aを備え、この二次元検出器4aの一方の軸方向(図
中のx軸方向)を分光手段3bの光遅延時間の時間軸に
対応させ、他方の軸方向(図中のy軸方向)を分光手段
3bの波長軸に対応させ、分光した光を時間軸と波長軸
の二次元で検出する。これによって、二次元検出器4a
は、光遅延時間と波長の二つの測定要素について同時に
測定することができ、検出された検出信号は、光遅延時
間を実時間としてスペクトルを二次元でイメージングす
ることができる。
【0041】図3は反射光を検出する構成例であり、図
2の透過光と同様にして、光遅延時間と波長の二つの測
定要素について同時に測定し、光遅延時間を実時間とし
てスペクトルを二次元でイメージングすることができ
る。図4は光遅延時間とスペクトルの二次元イメージン
グの一例であり、x軸方向に時間軸をとり、y軸方向に
波長軸をとり、z軸方向に強度をとっている。図4
(a)中において、実線で示す曲線は各時間(t1〜t
6)におけるスペクトルを示し、図4(b)中におい
て、実線及び破線で示す曲線は各波長(λ1〜λ7)に
おける時間変化を示している。なお、図示する各時間
(t1〜t6)及び各波長(λ1〜λ7)は一例であっ
て、測定範囲内で任意に選択することができる。また、
図4は曲線で表示しているが、曲線による表示に限ら
ず、曲面によって表示することもできる。
【0042】また、分光手段と二次元検出器は、CCD
検出器分光器(例えば、1024ピクセル×1024ピ
クセル)によって一つの装置で構成することができ、例
えば、CCDのx軸方向に励起光照射後の光遅延時間に
対する情報を、CCDのy軸方向に分光器によって分光
された波長の情報を一度に書き込む。なお、CCDにお
いてデータの蓄積は、CCDの露光時間によって定ま
る。
【0043】また、測定するスペクトル範囲は、例えば
一例として400nm〜800nmとすることができ、
このスペクトル範囲は分光器のグレーティングを交換す
ることによって調整することができる。
【0044】図5はプローブ光と測定光の関係を説明す
るための概略信号図である。図5(a)は、レーザー光
源から発生するパルス幅がフェムト秒単位のフェムト秒
レーザーパルスを示し、パルス幅は例えば約100fs
(フェムト秒)で、パルスの繰り返しは約1msであ
る。図5(b)は、励起光及びプローブ光の照射によっ
て試料から得られる測定光の時間変化を示している。光
化学反応の初期過程や、半導体中に光励起されたキャリ
アの緩和現象等の光誘起現象は、数十フェムト秒から数
十ピコ秒の時間内で起きる超高速現象である。本発明に
よる実時間分光では、前記した光遅延時間を用いること
によって、この約10ps(ピコ秒)の超高速の時間変
化を測定することができる。
【0045】また、本発明は、約10ps(ピコ秒)程
度の超高速の時間変化だけでなく、これよりの長い時間
変化についても対応することができる。図5(c)〜
(e)はこの比較的に長い時間変化の測定例を示してい
る。
【0046】図5(c)は、励起光及びプローブ光の照
射によって試料から得られる測定光の時間変化が比較的
に長い例を示している。本発明による実時間分光では、
励起光及びプローブ光との間の光遅延時間を調整するこ
とによってプローブ光の照射タイミングを変え、比較的
に長い時間変化中の約10ps(ピコ秒)の時間変化を
測定することができる。図5(d),(e)は、時刻t
1及びt2から約10ps(ピコ秒)の時間変化を示
し、本発明による実時間分光において、プローブ光に光
遅延時間を含ませることによってこの時間変化を一測定
で得ることができる。
【0047】なお、図5(c)の測定光の時間変化は、
図5(d)(図5(e))に示すパルス光を所定の時間
間隔(例えば、約10psの単位)で繰り返すことによ
って求めることができる。
【0048】なお、この時間調整は、プローブ光あるい
は励起光の何れか一方の光路上に光学遅延ステージを配
置する構成、あるいは、プローブ光と励起光の両方の光
路上に光学遅延ステージを配置する構成とすることもで
きる。
【0049】なお、時間変化を測定する時刻を変更する
場合には、光学遅延ステージによってプローブ光と励起
光との間で時間調整を行う。例えば、時刻t1からの測
定変化に代えて、時刻t2から約10ps(ピコ秒)の
時間変化を測定するには(図5(e))、光学遅延ステ
ージ2gの光路長を時刻t1と時刻t2の時間間隔に対
応する長さだけ延ばすことによって、プローブ光と励起
光との間で時間調整を行う。
【0050】なお、サファイアや石英基板上や水等の自
己位相変調によって得られたフェムト秒白色光は、試料
上において正のチャープが生じ、波長による群速度の相
違が生じる。この正のチャープは、光が分散媒質を通る
際に、分散媒質の屈折率が短波長ほど大きいため、サフ
ァイア基板上では同時に発生した白色光が試料到達の際
に短波長ほど遅れて到達する現象である。そこで、試料
Sを挟んで偏光板2e1及び偏光板2e2を配置し、この
偏光を互いに直角にしてカー効果を用いてこのチャープ
量を測定し、測定したチャープ量に基づいて測定結果を
データ補正することによってフェムト秒領域での測定誤
差を補正することができる。
【0051】次に、本発明の第2の態様について説明す
る。図6,図7は、第2の態様において、それぞれ構成
を説明するための概略図、分光を説明するための概略図
である。なお、第1の態様と共通する部分については説
明を省略する。
【0052】図6において、本発明の第2の態様の実時
間分光装置1は、第1の態様と同様に、試料Sに励起光
とプローブ光とを照射する照射手段2と、照射光によっ
て試料Sから得られる光を時間軸及び波長軸に分光する
分光手段3と、分光された時間軸及び波長軸の信号を二
次元で検出する検出手段4を備える。
【0053】前記した第1の態様は、試料Sに対して励
起光とプローブ光とを線状に集光し、試料Sに対する入
射角度によって、試料S上に同時に照射される光に光遅
延時間を形成し、この光遅延時間によって時間分解を行
う態様であるのに対して、この第2の態様は、試料Sに
対して励起光とプローブ光とを点状に集光するものであ
り、この際、プローブ光は照射前に時間遅れを形成する
時間遅れ形成手段を通し、この時間遅れの形成によって
点状の集光面に形成されるプローブ光に光遅延時間を持
たせ、これによって時間分解を行う。
【0054】第2の態様は、集光面の点状光を光遅延時
間の方向に展開し、展開した光を分光して波長成分を測
定することによって、時間分解とスペクトル測定を同時
に行う態様であり、この第2の態様によれば、試料上の
一点において測定することができるため、試料に位置に
よって特性の相違がある不均一な試料の場合には特に有
効に機能し、第1の態様のように、照射光の集光位置が
異なることによって生じる測定データに含まれる不均一
性を防ぐことができる。
【0055】なお、第2の態様の照射手段2は、試料S
に対して励起光とプローブ光とを点状に集光する構成と
して、励起光を試料S上に集光する集光レンズ2j2、
及びプローブ光を試料S上に集光する集光レンズ2j1
を備え、光遅延時間を形成する構成として試料Sに照射
する前のプローブ光の光路上に時間遅れを形成する時間
遅れ形成手段2iを備え、集光面の点状光を光遅延時間
の方向に展開する構成として、試料Sと分光手段3との
間に集光レンズ2j3を備える。
【0056】この構成によって、コリメートされた励起
光は集光レンズ2j2によって試料S上に集光され、湾
曲ミラー2c2等の光学系でコリメートされたフェムト
白色光は、時間遅れ形成手段2iによって光遅延時間が
形成された後、集光レンズ2j1によって試料S上に点
状に集光される。この時間遅れ形成手段2iは、形成す
る時間遅れの幅を異ならせることによって、試料S上の
集光点でのプローブ光に光遅延時間を持たせることがで
きる。
【0057】この励起光で励起され、光遅延時間を有す
るプローブ光によって取り出された測定光は、分光手段
3のスリット3a上に線状に絞られた後、分光素子3b
で分光され、検出器4で検出される。
【0058】図7は、時間遅れ形成手段による時間遅れ
の形成及び光遅延時間の形成状態、及び試料Sから得ら
れる測定光の時間軸及び波長軸での検出状態を示してい
る。図7において、励起光は図示しない集光レンズによ
って試料S上の集光点に集光させ、他方、プローブ光
は、時間遅れ形成手段2iによって時間遅れを形成させ
ると共に、形成する時間遅れの幅を異ならせ、集光レン
ズ2j1によって試料S上に集光させる。
【0059】時間遅れ形成手段2iは、例えばエシェロ
ンと呼ばれる光学素子を用いることができる。エシェロ
ンは複数の光路長を備え、エシェロンに入射したパルス
光は、パルス幅が拡張されると共に、光路長によって出
射時に時間差が形成され、試料Sに集光するプローブ光
に光遅延時間を与える。例えば、長さ約30mm,幅約
25mmの光学材に、各段の長さが約30μmで幅が約
25μmのピクセルを約1000個形成して成るエシェ
ロンに、パルス幅が約150fs(フェムト秒)のプロ
ーブ白色光を入射すると、約5ps(ピコ秒)にパルス
幅が拡張されたプローブ白色光が出射される。
【0060】この光遅延時間の形成は、プローブ光にエ
シェロンの横方向に沿って光遅延時間を与えることがで
きる。図7において、エシェロンの右端から出射される
光は遅延されたパルス幅の初期の光に対応し、エシェロ
ンの左端から出射される光は遅延されたパルス幅の後期
の光に対応する。
【0061】エシェロンの幅方向に遅延されたパルス光
は、集光レンズ2j1によって、励起光が集光されてい
る試料S上の点に集光される。試料S上の点に集光した
プローブ光は再び光遅延時間に沿って広がる。集光レン
ズ2j3は、光遅延時間に沿って広がる光を、集光した
後コリメートし、分光器及び検出器に導く。ここで、分
光器が備えるスリット(図示していない)は、光遅延時
間に沿って入射光を絞り、時間軸に線状に延びる光を分
光する。検出器4は、第1の態様と同様に、二次元検出
器4aを用い、この二次元検出器の一方の軸方向(図中
のx軸方向)を分光器の光遅延時間の時間軸に対応さ
せ、他方の軸方向(図中のy軸方向)を分光器の波長軸
に対応させ、分光した光を時間軸と波長軸の二次元で検
出する。これによって、二次元検出器は、光遅延時間と
波長の二つの測定要素について同時に測定することがで
き、検出された検出信号は、光遅延時間を実時間として
スペクトルを二次元でイメージングすることができる。
【0062】次に、本発明の第3の態様について説明す
る。図8,図9は、第3の態様において、それぞれ構成
を説明するための概略図、分光を説明するための概略図
である。なお、第1の態様と共通する部分については説
明を省略する。
【0063】図8において、本発明の第3の態様の実時
間分光装置1は、第1の態様と同様に、試料Sに励起光
とプローブ光とを照射する照射手段2と、照射光によっ
て試料Sから得られる光を時間軸及び波長軸に分光する
分光手段3と、分光された時間軸及び波長軸の信号を二
次元で検出する検出手段4を備える。
【0064】前記した第1の態様は、試料Sに対して励
起光とプローブ光とを線状に集光し、プローブ光の試料
Sに対する入射角度によって、試料S上に同時に照射さ
れるプローブ光に光遅延時間を形成し、この光遅延時間
によって時間分解を行う態様であるのに対して、この第
3の態様は、試料Sに対して励起光とプローブ光とを同
じく線状に集光するものであり、この際、プローブ光及
び/又は励起光は照射前に時間遅れを形成する時間遅れ
形成手段を通し、この時間遅れの形成によって線状の集
光面に形成されるプローブ光及び/又は励起光に光遅延
時間を持たせ、これによって時間分解を行う態様であ
る。
【0065】なお、第3の態様では、時間遅れ形成手段
を通して時間遅れを形成する光として、励起光とプロー
ブ光の何れか一方、あるいは励起光とプローブ光の両方
とすることができる。
【0066】以下では、励起光を時間遅れ形成手段に通
すことによって励起光に時間遅れを形成する構成につい
て説明するが、プローブ光を時間遅れ形成手段に通すこ
とによってプローブ光に時間遅れを形成する構成、ある
いは励起光とプローブ光の両方を時間遅れ形成手段に通
すことによって励起光及びプローブ光に時間遅れを形成
する構成についても同様とすることができる。
【0067】第3の態様の照射手段2は、光遅延時間を
形成する構成として試料Sに照射する前の励起光の光路
上に時間遅れを形成する時間遅れ形成手段2iを備え、
時間遅れ形成手段2iを通した励起光を円筒形レンズ2
h2によって線状に形成し、試料S上に照射されるプロ
ーブ光に重ねて集光する。
【0068】この構成によって、励起光は時間遅れ形成
手段2iによって時間遅れが形成された後、円筒形レン
ズ2h2によって線状に形成され、試料S上に集光され
る。一方、湾曲ミラー2c2等の光学系でコリメートさ
れたフェムト白色光は、円筒形レンズ2h1によって試
料S上に集光される。この時間遅れ形成手段2iは、形
成する時間遅れの幅を異ならせることによって、試料S
上の集光点での励起光に光遅延時間を持たせることがで
きる。
【0069】光遅延時間を有する励起光で励起され、プ
ローブ光によって試料Sから取り出された測定光は、分
光手段3のスリット3a上に線状に絞られた後、分光素
子3bで分光され、検出器4で検出される。
【0070】図9は、時間遅れ形成手段による時間遅れ
の形成及び光遅延時間の形成状態、及び試料Sから得ら
れる測定光の時間軸及び波長軸での検出状態を示してい
る。図9において、プローブ光は、試料S上に集光さ
せ、他方、励起光は、時間遅れ形成手段2iによって時
間遅れを形成させると共に、形成する時間遅れの幅を異
ならせた後、試料S上に線状に集光させる。
【0071】時間遅れ形成手段2iは、第2の態様と同
様のエシェロン等の光学素子を用いることができ、形成
された時間遅れは、励起光にエシェロンの横方向に沿っ
て光遅延時間を与える。図9において、エシェロンの左
端から出射される光は遅延されたパルス幅の初期の光に
対応し、エシェロンの右端から出射される光は遅延され
たパルス幅の後期の光に対応する。
【0072】エシェロンの幅方向に遅延されたパルス光
は、円筒形レンズ2h2によって、プローブ光が集光さ
れている試料S上の点に線状に集光される。分光器が備
えるスリットは、光遅延時間に沿って入射光を絞り、時
間軸に線状に延びる光を分光する。検出器4は、第1の
態様と同様に、二次元検出器4aを用い、この二次元検
出器の一方の軸方向(図中のx軸方向)を分光器の時間
軸に対応させ、他方の軸方向(図中のy軸方向)を分光
器の波長軸に対応させ、分光した光を時間軸と波長軸の
二次元で検出する。これによって、二次元検出器は、光
遅延時間と波長の二つの測定要素について同時に測定す
ることができ、検出された検出信号は、光遅延時間を実
時間としてスペクトルを二次元でイメージングすること
ができる。
【0073】なお、エシェロンをプローブ光の光路上に
設けて、プローブ光に光遅延時間を形成する態様とする
こともできるが、プローブ光は通常波長範囲が広いた
め、エシェロンをプローブ光の光路上に設ける構成では
エシェロンを通過する際に正にチャープが生じ易く、こ
のチャープを補正する必要が生じる。これに対して、励
起光の光路上にエシェロンを設ける構成によれば、励起
光は単色光であるため、エシェロンを通過する際のチャ
ープの発生を抑えることができるという利点がある。
【0074】第1の態様によれば、プローブ光及び/又
は励起光の入射角度を調整することによって、測定する
時間幅を調整することができる。第2の態様によれば、
試料上に一点に励起光及びプローブ光を集光することに
よって、試料上の一点の測定データを得ることができ、
試料の位置による不均一性を除くことができ、位置によ
って特性や状態が異なる試料や、微小な試料や分析領域
に適用することができる。
【0075】また、本発明によれば、分光測定におい
て、時間分解とスペクトル測定を同時に行うことによっ
て、測定時間を短縮することができる。また、長時間測
定によるレーザーの不安定性や、長時間のレーザー照射
による試料の劣化の問題を解決し、安定したレーザー状
態で測定することができ、また、レーザー照射による試
料の劣化を最小限に抑えることができる。
【0076】また、測定対象が固体であっても、フォト
クロミズムや光重合のように熱的に不可逆な現象の過渡
現象を測定することができる。本発明の実時間分光を化
合物の光構造変化の動的過程を解析に適用することによ
って、光メモリー・光スイッチングなどの光機能性材料
の物性の評価や、これら材料の設計指針の確立や、ある
いは、強励起に弱い生体系試料の動的な過程の研究に応
用し、短時間で時間分解したスペクトルを測定すること
ができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の実時間分
光によれば、分光測定において、時間分解とスペクトル
測定を同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の構成を説明するための概
略図である。
【図2】本発明の第1の態様の透過光による分光を説明
するための概略図である。
【図3】本発明の第1の態様の反射光による分光を説明
するための概略図である。
【図4】本発明の第1の態様の時間分解及びスペクトル
の測定データの概略例である。
【図5】本発明の第1の態様のプローブ光と測定光の関
係を説明するための概略信号図である。
【図6】本発明の第2の態様の構成を説明するための概
略図である。
【図7】本発明の第2の態様の分光を説明するための概
略図である。
【図8】本発明の第3の態様の構成を説明するための概
略図である。
【図9】本発明の第3の態様の分光を説明するための概
略図である。
【図10】円筒型レンズの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 実時間分光装置 2 照射手段 2a レーザー光源 2b ビームスプリッタ、 2c ミラー 2d 自己位相変調手段 2e 偏光板 2f 波長変換素子 2g 光学遅延ステージ 2h 円筒形レンズ 2i 時間遅れ形成手段 2j 集光レンズ 3 分光手段 3a スリット 3b 分光素子 4 検出手段 4a 二次元検出器 S 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 CA02 CB04 CB23 CB54 CD24 2G059 AA01 BB12 CC12 CC16 EE01 EE02 EE06 EE12 FF04 GG01 GG08 GG10 HH02 JJ01 JJ05 JJ11 JJ13 JJ14 JJ19 KK04 LL01 PP04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長を含むプローブ光と励起光と
    を試料に重ねて照射し、前記照射によって試料から得ら
    れる透過光又は反射光を時間軸及び波長軸の二次元に分
    光することを特徴とする、実時間分光方法。
  2. 【請求項2】 複数波長を含むプローブ光及び/又は励
    起光が少なくとも試料面上において光遅延時間を有する
    ように、前記励起光及びプローブ光を重ねて試料に照射
    し、前記照射によって試料から得られる透過光又は反射
    光を、前記光遅延時間の時間軸及び波長軸の二次元に分
    光し、前記光遅延時間の時間幅の実時間で分光すること
    を特徴とする、実時間分光方法。
  3. 【請求項3】 前記プローブ光及び励起光は一つの光源
    から形成し、前記光源はフェムト秒の単位のパルス幅を
    有するフェムト秒レーザーパルス光源であることを特徴
    とする、請求項1又は2に記載の実時間分光方法。
  4. 【請求項4】 前記プローブ光及び励起光を試料面上に
    線状又は帯状に集光すると共に、前記プローブ光及び/
    又は前記励起光を、当該線状又は帯状の集光面において
    その長さ方向に光路差を有して入射し、前記入射によっ
    て集光面上に光遅延時間の時間差を形成することを特徴
    とする、請求項2又は3に記載の実時間分光方法。
  5. 【請求項5】 前記プローブ光又は前記励起光の何れか
    一方は、前記線状又は帯状の集光面においてその長さ方
    向に光路差を有して入射し、他方は、前記線状又は帯状
    の集光面においてその長さ方向に光路差がないように入
    射することを特徴とする、請求項4に記載の実時間分光
    方法。
  6. 【請求項6】 前記光路差を有して入射する光は、前記
    集光面の法線方向に対して所定角度を有して入射するこ
    とによって前記集光面の長さ方向に前記光路差を形成す
    ることを特徴とする、請求項4又は5に記載の実時間分
    光方法。
  7. 【請求項7】 前記プローブ光及び励起光を試料面上に
    点状に集光して照射し、前記プローブ光は、前記照射前
    に、時間遅れを形成する時間遅れ形成手段を通すことに
    よって前記光遅延時間を形成することを特徴とする、請
    求項2又は3に記載の実時間分光方法。
  8. 【請求項8】 前記プローブ光及び/又は励起光を試料
    面上に線状又は帯状に集光すると共に、当該線状又は帯
    状の集光面において集光面の法線方向に入射し、前記プ
    ローブ光及び/又は励起光は、前記照射前に、時間遅れ
    を形成する時間遅れ形成手段を通すことによって前記光
    遅延時間を形成することを特徴とする、請求項2又は3
    に記載の実時間分光方法。
  9. 【請求項9】 試料から得られる線状又は帯状の光を分
    光し、当該分光を二次元検出器で検出することによっ
    て、時間軸及び波長軸の二次元に分光した光を検出する
    ことを特徴とする、請求項1乃至8の何れか一つに記載
    の実時間分光方法。
  10. 【請求項10】 前記励起光及び/又は前記プローブ光
    を光学遅延させ、励起光とプローブ光との間に時間差を
    形成することにより、測定時間の調整を行うことを特徴
    とする、請求項1乃至9の何れか一つに記載の実時間分
    光方法。
  11. 【請求項11】 複数の波長を含むプローブ光と励起光
    とを試料に重ねて照射する照射手段と、前記照射によっ
    て試料から得られる透過光又は反射光を時間軸及び波長
    軸の二次元に分光する分光手段と、前記二次元の分光を
    二次元的に検出する検出手段を備えることを特徴とす
    る、実時間分光装置。
  12. 【請求項12】 複数波長を含むプローブ光と励起光と
    を試料に重ねて照射する照射手段と、前記照射によって
    試料から得られる透過光又は反射光を時間軸及び波長軸
    の二次元に分光する分光手段と、前記二次元の分光を二
    次元的に検出する検出手段とを備え、前記プローブ光及
    び/又は励起光は、試料面上において光遅延時間を有
    し、前記分光手段は当該光遅延時間を前記時間軸として
    分光し、当該光遅延時間の時間幅の実時間で分光するこ
    とを特徴とする、実時間分光装置。
  13. 【請求項13】 前記照射手段は、フェムト秒の単位の
    パルス幅を有するフェムト秒レーザーパルスを発生する
    光源と、前記フェムト秒レーザーパルスから励起光を形
    成する波長変換素子と、前記フェムト秒レーザーパルス
    から複数波長を含む白色光のプローブ光を形成する自己
    位相変調素子とを備えることを特徴とする、請求項11
    又は12に記載の実時間分光装置。
  14. 【請求項14】 前記照射手段は、前記プローブ光及び
    励起光を試料面上に線状又は帯状に集光すると共に、前
    記プローブ光又は前記励起光の何れか一方を当該線状又
    は帯状の集光面においてその長さ方向に光路差を有して
    入射し、他方を当該線状又は帯状の集光面においてその
    長さ方向に光路差がないように入射し、前記入射によっ
    て集光面上に光遅延時間の時間差を形成することを特徴
    とする、請求項11乃至13の何れか一つに記載の実時
    間分光装置。
  15. 【請求項15】 前記照射手段は、前記プローブ光又は
    前記励起光を前記集光面の法線方向に対して所定角度を
    有して入射することによって、前記集光面の長さ方向に
    前記光路差を形成することを特徴とする、請求項14記
    載の実時間分光装置。
  16. 【請求項16】 前記照射手段は、前記プローブ光に時
    間遅れを形成する時間遅れ形成手段と、前記時間遅れ形
    成手段を通過したプローブ光を試料面上に点状に集光す
    る光学系と、前記励起光を試料面上に点状に集光する光
    学系とを備え、前記分光手段は、試料から得られる光を
    前記光遅延時間の時間軸に線状又は帯状に分光する光学
    系とを備えることを特徴とする、請求項11乃至13の
    何れか一つに記載の実時間分光装置。
  17. 【請求項17】 前記照射手段は、前記プローブ光及び
    /又は前記励起光に時間遅れを形成する時間遅れ形成手
    段と、前記時間遅れ形成手段を通過したプローブ光及び
    /又は前記励起光を線状又は帯状に形成し、照射面の長
    さ方向に垂直に照射する光学系とを備え、前記分光手段
    は、試料から得られる透過光又は反射光を前記光遅延時
    間の時間軸に線状又は帯状に分光する光学系とを備える
    ことを特徴とする、請求項11乃至13の何れか一つに
    記載の実時間分光装置。
  18. 【請求項18】 前記検出手段は二次元検出器を備え、
    一軸方向の配列によって時間軸の分光を検出し、他軸方
    向の配列によって波長軸の分光を検出することを特徴と
    する、請求項11乃至17の何れか一つに記載の実時間
    分光装置。
  19. 【請求項19】 前記照射手段は、プローブ光及び/又
    は励起光を光学遅延させ、励起光とプローブ光との間に
    時間差を形成して測定時間の調整する光学遅延手段を備
    えることを特徴とする、請求項11乃至18の何れか一
    つに記載の実時間分光装置。
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