JP2003188847A - マルチキャリア復調方法及びマルチキャリア復調装置 - Google Patents

マルチキャリア復調方法及びマルチキャリア復調装置

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JP2003188847A JP2002281868A JP2002281868A JP2003188847A JP 2003188847 A JP2003188847 A JP 2003188847A JP 2002281868 A JP2002281868 A JP 2002281868A JP 2002281868 A JP2002281868 A JP 2002281868A JP 2003188847 A JP2003188847 A JP 2003188847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガードインターバルを越える遅延波が到来して
も誤り率が大きく劣化しないマルチキャリア復調方法及
びマルチキャリア復調装置。 【解決手段】使用シンボル抽出部31では、N+(NT
GI/T)個の複素ディジタル信号I及びQから、有効シ
ンボルの末尾からM'点(L≦M'<N+(NTGI
T))を抽出する。ここでT+TGI−(M'T/N)
は、最も遅い遅延波との時間差よりも大きい。行列演算
及び線形演算部32では、L本のサブキャリアの番号の
集合{kp}と、M'点のサンプリング番号の集合{nq
から、q行p列がexp(2πjkpnq/N)のM'行L列の行列
Y(L≦M')の一般逆行列(L行M'列)を計算する。
当該逆行列をM'個の複素数x(nq)のつくる列ベクトル
に乗じて、L本のサブキャリアの複素信号X(kp)から成
る列ベクトルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチキャリア復調
方法及びマルチキャリア復調装置に関する。本発明は遅
延波の影響の大きい場所でのOFDM受信に特に有効で
ある。
【0002】
【従来の技術】例えばOFDM変調方式において、遅延
波の重畳による直交性の崩れを防止する為、有効シンボ
ルの前に、ガードインターバルとよばれる波形を付加し
ている。このガードインターバルは、例えば有効シンボ
ルの末尾1/4を付加し、1シンボルを5/4倍とし
て、ガードインターバル長以下の遅延波に対しては復調
時に影響を受けないようにするものである。この際、有
効シンボル長の「ウインドウ」をかけることより、有効
シンボル長分の波形が復調に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしマルチパスの影
響によりガードインターバルを越える遅延時間差を持つ
遅延波が到来すると、誤り率が大きく劣化するという問
題がある。このような場合、ガードインターバル長を大
きくとる必要が有るが、これは通信の冗長さを増すこと
となり、通信効率を落とす結果となる。
【0004】ところでOFDMにおいては、例えばN本
のキャリアの帯域を使用する場合でもガードバンド等の
ヌルキャリアを多数有することが多い。そこで本発明
は、ヌルキャリアを有するマルチキャリア通信におい
て、より短いシンボル長から有効キャリアを全て復調で
きることに着目し、遅延波による波形歪みの生じている
信号部分を用いずに、有効キャリアを分離復調すること
で、ガードインターバルを越える遅延時間差を持つ遅延
波が到来するマルチバスの影響下でも誤り率が大きく劣
化しない復調方法及び復調装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する
為、請求項1に記載の手段によれば、有効シンボル長が
T、N本のサブキャリアの隣り合う周波数間隔が1/T
で、N−L本(L<N)のサブキャリアがヌルキャリア
であるマルチキャリア変調信号を受信し、各サブキャリ
アに分離復調するマルチキャリア復調方法において、遅
延波の遅延時間差を推定し、推定された遅延時間差を基
に、遅延波による波形歪みの生じている部分を含まない
ように有効シンボル長Tから長さTM/N(L≦M<
N)の使用シンボルとなる部分を決定し、サンプリング
間隔T/Nで直交復調された複素ディジタル信号から、
前記使用シンボル部分M点を用いてL本のサブキャリア
を分離復調することを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、有効シンボル長の前に付加されたガ
ードインターバル長がTGI、N本のサブキャリアの隣り
合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブ
キャリアがヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号
を受信し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリ
ア復調方法において、遅延波の遅延時間差を推定し、推
定された遅延時間差を基に、遅延波による波形歪みの生
じている部分を含まないように有効シンボル長とガード
インターバル長の和T+TGIから長さTM'/N(L≦
M'<N+(NT GI/T))の使用シンボル部分を決定
したのち、サンプリング間隔T/Nで直交復調された複
素ディジタル信号から、前記使用シンボル部分M'点を
用いてL本のサブキャリアを分離復調することを特徴と
する。
【0007】また、請求項3に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、N本のサブキャリアの隣り合う周波
数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブキャリア
がヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号を受信
し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリア復調
方法において、遅延波の遅延時間差を推定し、推定され
た遅延時間差を基に、遅延波による波形歪みの生じてい
る部分を含まないように有効シンボル長Tから長さTM
/N(M<N)の使用シンボル部分を決定する工程と、
サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素ディジタ
ル信号から、前記使用シンボル部分M点を用いてL本の
サブキャリアを整合フィルタにより分離する工程と、L
本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
し、仮判定したL個のシンボルから前記整合フィルタに
より分離されたL本のサブキャリアの各信号に含まれる
他のサブキャリアとの間の干渉成分を求め、前記整合フ
ィルタにより分離したL本のサブキャリアからL本のサ
ブキャリア間の前記干渉成分を減じて、より信頼度の高
いL本のサブキャリアの信号を求める1乃至複数の干渉
成分除去工程を有することを特徴とする。
【0008】また、請求項4に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、有効シンボル長の前に付加されたガ
ードインターバル長がTGI、N本のサブキャリアの隣り
合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブ
キャリアがヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号
を受信し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリ
ア復調方法において、遅延波の遅延時間差を推定し、推
定された遅延時間差を基に、遅延波による波形歪みの生
じている部分を含まないように有効シンボル長とガード
インターバル長の和T+TGIから長さTM'/N(M'<
N+(NTGI/T))の使用シンボル部分を決定する工
程と、サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素デ
ィジタル信号から、前記使用シンボル部分M'点を用い
てL本のサブキャリアを整合フィルタにより分離する工
程と、L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを
仮判定し、仮判定したL個のシンボルから前記整合フィ
ルタにより分離されたL本のサブキャリアの各信号に含
まれる他のサブキャリアとの間の干渉成分を求め、前記
整合フィルタにより分離したL本のサブキャリアからL
本のサブキャリア間の前記干渉成分を減じて、より信頼
度の高いL本のサブキャリアの信号を求める1乃至複数
の干渉成分除去工程を有することを特徴とする。
【0009】また、請求項5に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、N本のサブキャリアの隣り合う周波
数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブキャリア
がヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号を受信
し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリア復調
装置において、サンプリング間隔T/Nで直交復調され
たN個の複素ディジタル信号を得る直交復調及びサンプ
リング部と、遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差
推定部と、当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅
延波による波形歪みの生じている部分を含まないように
前記N個の複素ディジタル信号のうち使用シンボルとし
てM個(L≦M<N)の複素ディジタル信号を抽出する
使用シンボル抽出部と、当該使用シンボル抽出部の出力
する前記M個の複素ディジタル信号を用いてL本のサブ
キャリアを分離復調するための線形演算式であるL行M
列の複素行列を計算する行列演算部と、行列演算部の求
めたL行M列の複素行列と前記M個の複素ディジタル信
号による長さMの列ベクトルとを乗じてL本のサブキャ
リアを分離復調する線形演算部とを有することを特徴と
する。
【0010】また、請求項6に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、有効シンボル長の前に付加されたガ
ードインターバル長がTGI、N本のサブキャリアの隣り
合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブ
キャリアがヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号
を受信し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリ
ア復調装置において、サンプリング間隔T/Nで直交復
調されたN+(NTGI/T)個の複素ディジタル信号を
得る直交復調及びサンプリング部と、遅延波の遅延時間
差を推定する遅延時間差推定部と、当該遅延時間差推定
部の遅延時間差から、遅延波による波形歪みの生じてい
る部分を含まないように前記N+(NT GI/T)個の複
素ディジタル信号のうち使用シンボルとしてM'個(L
≦M'<N+(NTGI/T))の複素ディジタル信号を
抽出する使用シンボル抽出部と、当該使用シンボル抽出
部の出力する前記M'個の複素ディジタル信号を用いて
L本のサブキャリアを分離復調するための線形演算式で
あるL行M'列の複素行列を計算する行列演算部と、行
列演算部の求めたL行M'列の複素行列と前記M'個の複
素ディジタル信号による長さM'の列ベクトルとを乗じ
てL本のサブキャリアを分離復調する線形演算部とを有
することを特徴とする。
【0011】また、請求項7に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、N本のサブキャリアの隣り合う周波
数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブキャリア
がヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号を受信
し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリア復調
装置において、サンプリング間隔T/Nで直交復調され
たN個の複素ディジタル信号を得る直交復調及びサンプ
リング部と、遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差
推定部と、当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅
延波による波形歪みの生じている部分を含まないように
前記N個の複素ディジタル信号のうち使用シンボルとし
てM個(M<N)の複素ディジタル信号を抽出する使用
シンボル抽出部と、当該使用シンボル抽出部の出力する
前記M個の複素ディジタル信号を用いて整合フィルタに
よりL本のサブキャリアを分離する整合フィルタ部と、
L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
する仮判定器と、仮判定したL個のシンボルから前記整
合フィルタ部で分離されたL本のサブキャリアの各信号
に含まれる他のサブキャリアとの間の干渉成分を求める
干渉成分推定器と、前記整合フィルタ部の出力するL本
のサブキャリアの信号からL本のサブキャリア間の前記
干渉成分を減じる干渉成分減算器とから成る1乃至複数
の干渉成分除去部とを有することを特徴とする。
【0012】また、請求項8に記載の手段によれば、有
効シンボル長がT、有効シンボル長の前に付加されたガ
ードインターバル長がTGI、N本のサブキャリアの隣り
合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<N)のサブ
キャリアがヌルキャリアであるマルチキャリア変調信号
を受信し、各サブキャリアに分離復調するマルチキャリ
ア復調装置において、サンプリング間隔T/Nで直交復
調されたN+(NTGI/T)個の複素ディジタル信号を
得る直交復調及びサンプリング部と、遅延波の遅延時間
差を推定する遅延時間差推定部と、当該遅延時間差推定
部の遅延時間差から、遅延波による波形歪みの生じてい
る部分を含まないように前記N+(NT GI/T)個の複
素ディジタル信号のうち使用シンボルとしてM'個(M'
<N+(NTGI/T))の複素ディジタル信号を抽出す
る使用シンボル抽出部と、当該使用シンボル抽出部の出
力する前記M'個の複素ディジタル信号を用いて整合フ
ィルタによりL本のサブキャリアを分離する整合フィル
タ部と、L本のサブキャリアの信号からL個のシンボル
を仮判定する仮判定器と、仮判定したL個のシンボルか
ら前記整合フィルタ部で分離されたL本のサブキャリア
の各信号に含まれる他のサブキャリアとの間の干渉成分
を求める干渉成分推定器と、前記整合フィルタ部の出力
するL本のサブキャリアの信号からL本のサブキャリア
間の前記干渉成分を減じる干渉成分減算器とから成る1
乃至複数の干渉成分除去部とを有することを特徴とす
る。
【0013】また、請求項9に記載の手段によれば、請
求項3又は請求項4に記載のマルチキャリア復調方法に
おいて、1乃至複数の干渉成分除去工程の各々において
は、L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮
判定することに替えて、L本のサブキャリアの信号から
L個のシンボルを軟判定することを特徴とする。また、
請求項10に記載の手段によれば、請求項3、請求項4
又は請求項9に記載のマルチキャリア復調方法におい
て、1乃至複数の干渉成分除去工程の各々においては、
仮判定又は軟判定されたL個のシンボルの、誤り訂正を
した後に前記整合フィルタにより分離されたL本のサブ
キャリアの各信号に含まれる他のサブキャリアとの間の
干渉成分を求めることを特徴とする。また、請求項11
に記載の手段によれば、請求項10に記載のマルチキャ
リア復調方法において、L個のシンボルの誤り訂正をす
ることに替えて、前記L個のシンボルの軟出力誤り訂正
をすることを特徴とする。また、請求項12に記載の手
段によれば、請求項3、請求項4、請求項9乃至請求項
11のいずれか1項に記載のマルチキャリア復調方法に
おいて、1乃至複数の干渉成分除去工程において、L個
のシンボルを仮判定又は軟判定、更には誤り訂正又は軟
出力誤り訂正したのち、L個のシンボルを更新する工程
を有し、当該各干渉成分除去工程のL個のシンボルを更
新する工程は、前段の干渉成分除去工程のL個のシンボ
ルを更新する工程の出力、ただし第1段の干渉成分除去
工程においては前段に替えてL個の初期値、を用いてL
個のシンボルを更新するものであることを特徴とする。
【0014】また、請求項13に記載の手段によれば、
請求項7又は請求項8に記載のマルチキャリア復調装置
において、1乃至複数の干渉成分除去部の各々において
は、L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮
判定する仮判定器に替えて、L本のサブキャリアの信号
からL個のシンボルを軟判定する軟判定器を有すること
を特徴とする。また、請求項14に記載の手段によれ
ば、請求項7、請求項8又は請求項13に記載のマルチ
キャリア復調装置において、1乃至複数の干渉成分除去
部の各々においては、仮判定器又は軟判定器の出力であ
るL個のシンボルに対し、誤り訂正をする誤り訂正器を
有し、当該誤り訂正器の出力を前記干渉成分推定器に入
力することを特徴とする。尚、ここで誤り訂正器とは、
前段の出力するシンボル点又は軟判定出力を、2値デー
タを演算したのち、誤り訂正符号化とシンボル点マッピ
ングを行ってシンボル点を出力するものを言うものとす
る。また、請求項15に記載の手段によれば、請求項1
4に記載のマルチキャリア復調装置において、誤り訂正
器に替えて、前記L個のシンボルの軟出力誤り訂正をす
る軟出力誤り訂正器を有することを特徴とする。尚、こ
こで軟出力誤り訂正器とは、前段の出力するシンボル点
又は又は軟判定出力を、軟出力復号を行って信頼度デー
タを演算すると共に誤り訂正符号化と信頼度に応じたシ
ンボル点マッピッングを行ってシンボル点を出力するも
のを言うものとする。また、請求項16に記載の手段に
よれば、請求項7、請求項8、請求項13乃至請求項1
5のいずれか1項に記載のマルチキャリア復調装置にお
いて、1乃至複数の干渉成分除去部において、仮判定器
又は軟判定器、更には誤り訂正器又は軟出力誤り訂正器
の出力からL個のシンボルを更新するシンボル更新器を
有し、各干渉成分除去部のシンボル更新器は、前段の干
渉成分除去部の更新器の出力、ただし第1段の干渉成分
除去部においては前段に替えてL個の初期値、を用いて
L個のシンボルを更新するものであることを特徴とす
る。
【0015】
【作用及び発明の効果】OFDM変調されたN本のサブ
キャリアのうち、L本の有効キャリア(L<N)を復調
するには、後述する一般逆行列が存在すれば良く、少な
くともL点以上のサンプリング点を必要としている。し
かし、必ずしもN点を用いる必要はない。すると、ガー
ドインターバルよりも大きい遅延波が到来した場合は、
その遅延時間による波形の歪みが生じることによる影響
が、例えば有効シンボル中末尾からM点(L≦M<N)
のサンプリング点に及ばなければ当該M点のサンプリン
グ点を用いてL本の有効キャリア(L<N)を復調する
ことが可能と言える。即ち、有効キャリアを分離復調す
る以前に、遅延波による波形歪みの影響を取り除くこと
も可能である。これはノイズの影響も受けるので、あく
までも理想である。こうして、ガードインターバルを越
える遅延波が到来した場合でも、誤り率が大きく劣化し
ない復調方法及び復調装置とすることができる(請求項
1、2、5、6)。また、ガードインターバルよりも小
さい遅延波しか到来しない場合は、有効シンボルのN点
のサンプリング点よりも多くのサンプリング点を用いる
ことで、ノイズの影響を抑えることも可能である(請求
項2、6)。
【0016】また、次のような1乃至複数の干渉成分除
去工程を設けることで、より遅延による干渉波の影響を
抑えることも可能である。上記と同様に事前に遅延波に
よる波形歪みの影響を取り除いたのち、有効キャリアを
分離する為のM点のサンプリング点を取り出す。次に整
合フィルタによりノイズの影響を最小限にするようにL
本のサブキャリアを分離する。次に整合フィルタにより
分離したL本のサブキャリアの信号について、つぎのよ
うにしてキャリア間干渉成分を減じていく。まず、整合
フィルタで分離したL本のサブキャリアの信号につい
て、L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮
判定する。この際、伝搬路特性が考慮されるようにす
る。次に、仮判定されたL個のシンボルから伝搬路特性
及び使用するM点のシンボル部分を考慮して、整合フィ
ルタで分離したL本のサブキャリア信号に含まれるキャ
リア間干渉成分を演算する。このキャリア間干渉成分を
先の整合フィルタで分離したL本のサブキャリアの信号
から減じればより確度の高いL本のサブキャリアの信号
が得られる。
【0017】複数段の干渉成分除去工程としては、前段
の干渉成分除去工程で求められた確度の高いL本のサブ
キャリアの信号から伝搬路特性を考慮してL個のシンボ
ル仮判定する。次に、仮判定されたL個のシンボルから
伝搬路特性及び使用するM点のシンボル部分を考慮し
て、整合フィルタで分離したL本のサブキャリア信号に
含まれるキャリア間干渉成分を演算する。このキャリア
間干渉成分を整合フィルタで分離したL本のサブキャリ
アの信号から減じればより確度の高いL本のサブキャリ
アの信号が得られる(請求項3、4、7、8)。
【0018】仮判定を軟判定に替えることで、仮判定の
誤りにより却ってL個のシンボルがL本のサブキャリア
の信号から遠ざかることを避けることも可能である(請
求項9、13)。誤り訂正、軟出力誤り訂正を加えるこ
とで、誤り訂正をすることにより確度の高いL本のサブ
キャリアの信号が得られる(請求項10、11、14、
15)。シンボル更新工程又は更新器を設け、前段の干
渉成分除去工程又は干渉成分除去部のシンボル更新工程
又は更新器との出力をも取り入れてシンボル更新をすれ
ば、多段数の干渉成分除去により、更に確度の高いL本
のサブキャリアの信号が得られる(請求項12、1
6)。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、請求項1、5における一般
逆行列について説明する。OFDM系のキャリアにおい
ては、第n点(nは0からN−1までの整数)での波形
x(n)が、次の式(1)を満たすものを考える。なお、
X(k)は第k(kは0からN−1までの整数)のサブキ
ャリアが有するシンボルである。また、x(n)、X(k)と
もに複素数である。
【数1】
【0020】数1は、言わばN個の複素数x(n)から成
る列ベクトルが、n+1行k+1列がWN -knのN行N列
の行列とN個の複素数X(k)から成る列ベクトルの積で
あることを示す。数1の左辺をベクトル、右辺を行列と
ベクトルの積と考えて、n+1行k+1列がWN -knのN
行N列の行列の逆行列、即ちk+1行n+1列がWN k n
のN行N列の行列を数1の両辺に左から乗ずれば、当該
行列とN個の複素数x(n)から成る列ベクトルの積によ
りN個の複素数X(k)から成る列ベクトルが得られる。
これがOFDMで通常用いられている変調側のN点逆離
散フーリエ変換(IDFT)と復調側のN点離散フーリ
エ変換(DFT)の関係である。
【0021】今、N個のサブキャリアのうちヌルシンボ
ル(X(k)=0となるもの)がN−L個(L<N)ある
とすると、数1の右辺はN行L列の行列と、X(k)が0
でないL個の複素数X(kp)から成る列ベクトルの積とな
る。そこで更に、波形を示すn個の複素数x(n)のう
ち、M個(L≦M<N、例えばN−MからN−1までの
整数nq)についてのみ着目すると、M個の複素数x(nq)
から成る列ベクトルが、q行p列がWN -kpnqのM行L列
の行列とL個の複素数X(kp)から成る列ベクトルの積で
あることになる。即ち、次のとおりである。
【数2】
【0022】当該q行p列がWN -kpnqのM行L列の行列
Aの階数(rank)がLであればいわゆる一般逆行列が存在
する。それは、(A*A)-1*として得られるL行M列
の行列である。ただしA*はAの共役転置行列であって
L行M列であり、A*AはL行L列の行列である。数2
の左辺をベクトル、右辺を行列とベクトルの積と考え
て、一般逆行列(A*A)-1*を数2の両辺に左から乗
ずれば、当該行列とM個の複素数x(nq)から成る列ベク
トルの積によりL個の複素数X(kp)から成る列ベクトル
が得られる。これが本願発明で用いる復調側の線形演算
である。また、一般逆行列(A*A)-1*を求めること
が本願発明の行列演算である。即ち、本願の請求項5に
おける行列演算部で(A*A)-1*を求め、線形演算部
でM個の複素数x(nq)から成る列ベクトルに(A*A)
-1*を左から乗ずる。
【0023】また、当該q行p列がWN -kpnqのM行L列
の行列Aの階数(rank)がLより小さい場合でも、次のよ
うにして画一的にL行M列の行列を求め、当該行列とM
個の複素数x(nq)から成る列ベクトルの積によりL個の
複素数から成る列ベクトルが得られる。M行L列の行列
Aの階数(rank)をr(r≦L)とすると、行列Aは適当
なユニタリ行列U(ただしM行M列)とV(ただしL行
L列)を用いて次のような「対角化」を行うことができ
る(特異値分解定理、又はAutonne-Eckart-Young定
理)。
【数3】
【0024】ここでσ1、σ2、…、σrは正であってM
行L列の行列Aの0でない特異値であり、L行L列の行
列A*Aの0でない固有値はσ1 2、σ2 2、…、σr 2とな
る。そこで、一般逆行列A+を次のように求める。A+
L行M列の行列である。
【数4】
【0025】このように、数4の一般逆行列A+を用い
れば、M行L列の行列Aの階数(rank)rがLに等しくな
い場合でも、一般逆行列A+とM個の複素数x(nq)から
成る列ベクトルの積によりL個の複素数から成る列ベク
トルが得られる。これは最小2乗法によりL個の複素数
X(kp)の近似解を求めることと考えて良い。また、以上
の説明と全く同様にして、N個を越えるM'個の波形か
らL個の複素数X(kp)を求める場合も、一般逆行列を求
めることができるのは同様である(請求項2、6)。
【0026】また、請求項3、4、7、8における整合
フィルタは、遅延時間差の情報が必要である。使用シン
ボル部の各サブキャリアについて時間反転した波形を乗
ずることで整合フィルタを形成する。即ち、整合フィル
タにおける演算は次のとおりであり、M個の複素数x(n
q)から成る列ベクトル(太字のx)に、上述のL行M列
の行列A*を左から乗じたものである。出力であるL個
の複素数から成る列ベクトルの各成分が、分離された各
サブキャリアの信号である。
【数5】
【0027】〔第1実施例〕図1は本願の具体的な第1
の実施例に係るマルチキャリア復調装置100の構成を
示すブロック図である。マルチキャリア復調装置100
は、直交復調及びサンプリング部10、プリアンブル抽
出部21、同期確立部22、遅延時間差推定部23、サ
ブキャリア位相・振幅推定部24、使用シンボル抽出部
31、行列演算及び線形演算部32、伝搬路特性等化部
25、シンボル判定部26から成る。以下、本実施例で
はプリアンブル(パイロットシンボル)を有し、ガード
インターバルを有するOFDM変調波からデータを復調
する復調装置を示す。キャリア数はN本、うち有効キャ
リアをL本(L<N)とする。本実施例は請求項1、
2、5、6の具体的な実施例に当たる。
【0028】直交復調及びサンプリング部10にて、い
わゆる同相成分I及び直交成分Qのディジタル信号列が
形成される。即ち、有効シンボル長がT、有効シンボル
長の前に付加されたガードインターバル長がTGIとし
て、サンプリング間隔T/Nで直交復調されたN+(N
GI/T)個の複素ディジタル信号の実部と虚部であ
る。この出力のうち、プリアンブル(パイロット信号)
をプリアンブル抽出部21で検出する。こうして、プリ
アンブル(パイロット信号)を有するシンボル区間の情
報から、同期確立部22で復調装置全体の同期が計られ
る。また、遅延時間差推定部22で最も遅い遅延波との
時間差が検出される。また、サブキャリア位相・振幅推
定部24により各サブキャリアの位相・振幅情報が検出
され、等化のための情報が出力される。
【0029】同期確立部22の同期信号と、遅延時間差
推定部23の最も遅い遅延波との時間差の情報により、
使用シンボル抽出部31では、同相成分I及び直交成分
Qのディジタル信号列から、例えばつぎのように使用シ
ンボルを抽出する。即ち、N+(NTGI/T)個の複素
ディジタル信号の実部と虚部から、有効シンボルの末尾
からM'点(L≦M'<N+(NTGI/T))を抽出す
る。ここでT+TGI−(M'T/N)は、最も遅い遅延
波との時間差よりも大きい。
【0030】次に、使用シンボル抽出部31のM'個の
複素数x(nq)と、遅延時間推定部23の最も遅い遅延波
との時間差の情報が行列演算及び線形演算部32に出力
される。行列演算及び線形演算部32では、L本のサブ
キャリアの番号の集合{kp}と、M'点のサンプリング
番号の集合{nq}から、q行p列がexp(2πjkpnq/N)の
M'行L列の行列A(L≦M')の一般逆行列(L行M'
列)を計算する。L=M'の場合は通常の逆行列A-1
ある。L<Mの場合はA*をAの共役転置行列として、
(A*A)-1*として得られる。このように当該逆行列
をM'個の複素数x(nq)に乗じて、L本のサブキャリア
の複素信号X(kp)が得られる。こうして、最も遅い遅延
波の影響をも受けない区間から、L本の有効キャリアを
復調することが可能となる。このL本のサブキャリアの
複素信号X(kp)は、伝搬路特性等化部25に出力され、
サブキャリア位相・振幅推定部24の出力する各サブキ
ャリアの位相・振幅情報によって等化処理が行われたの
ち、シンボル判定器26で復調データ信号列として出力
される。
【0031】図2に、マルチキャリア復調装置100の
作用を示す。(a)のように、先行波に対し、ガードイ
ンターバルを越える遅延波が到来した場合は、有効シン
ボル長より短い使用シンボルによりL本のサブキャリア
の復調が可能である。また、(b)のように、先行波に
対し、ガードインターバルを越えない遅延波が到来した
場合は、有効シンボル長より長い使用シンボルにより、
よりS/N比を改善することが可能となる。
【0032】図3に、マルチキャリア復調装置100の
シミュレーションによる効果を示す。DCキャリアをヌ
ルとしたL=52のサブキャリアを用い、TGI=T/
4、サブキャリア変調をQPSKとして、遅延波と所望
波を等電力とし、ビット当り電力/雑音電力密度を30d
B、移動によるドップラー周波数とシンボル長の積を0.0
00032とした。図3から、本願発明によれば、ガードイ
ンターバルをT/16程度越える遅延波が(合計5T/
16)到来しても、誤り率が大きく劣化しない復調装置
とすることができることがわかる。
【0033】〔第2実施例〕図4は本願の具体的な第2
の実施例に係るマルチキャリア復調装置200の構成を
示すブロック図である。マルチキャリア復調装置200
は、直交復調及びサンプリング部10、プリアンブル抽
出部21、同期確立部22、遅延時間差推定部23、サ
ブキャリア位相・振幅推定部24、使用シンボル抽出部
31、整合フィルタ部33、キャリア間干渉除去部4
0、伝搬路特性等化部25、シンボル判定部26から成
る。キャリア間干渉除去部40は、キャリア間干渉推定
部41と減算器42から成り、キャリア間干渉推定部4
1は、図5に示すとおり、伝搬路特性等化部411、サ
ブキャリアシンボル判定部412、伝搬路特性再現部4
13、キャリア間干渉成分演算部414から成る。以
下、本実施例ではプリアンブル(パイロットシンボル)
を有し、ガードインターバルを有するOFDM変調波か
らデータを復調する復調装置を示す。キャリア数はN
本、うち有効キャリアをL本(L<N)とする。本実施
例は請求項3、4、7、8の具体的な実施例に当り、伝
搬路特性等化部411及びサブキャリアシンボル判定部
412が仮判定器に、伝搬路特性再現部413及びキャ
リア間干渉成分演算部414が干渉成分推定器に、減算
器42が干渉成分減算器に、キャリア間干渉除去部40
が干渉成分除去部に当たる。
【0034】マルチキャリア復調装置200において、
直交復調及びサンプリング部10にて、いわゆる同相成
分I及び直交成分Qのディジタル信号列が形成されたの
ち、整合フィルタ部33からL個の複素信号が算出され
る。ここで、マルチキャリア復調装置200の整合フィ
ルタ部33の出力であるL個の複素信号は各サブキャリ
アに整合したフィルタにより分離することで、ノイズの
影響を最小限に抑えるが、他のサブキャリアからの干渉
成分を含んでいるため、キャリア間干渉除去部40にて
処理される。
【0035】整合フィルタ部33で分離された各サブキ
ャリアの信号は、伝搬路特性等化部411にて、サブキ
ャリア位相・振幅推定部24の出力する各サブキャリア
の位相・振幅情報によって等化処理が行われる。次に,
サブキャリアシンボル判定部412に出力され、仮判定
が行われる。次に、伝搬路特性再現部413に出力さ
れ、サブキャリア位相・振幅推定部24の出力する各サ
ブキャリアの位相・振幅情報によって伝搬路特性の影響
が再現される。次にキャリア間干渉成分演算部414に
出力され、遅延時間差推定部23の出力する遅延波との
時間差から求められる使用シンボル長に基づきキャリア
間干渉が演算される。これを減算器42にて整合フィル
タ部33で分離された各サブキャリアの信号から減じれ
ば、より確度の高い各サブキャリアの信号が得られる。
【0036】確度の高くなった各サブキャリアの信号
は、伝搬路特性等化部25、シンボル判定部26にて順
に処理されても良いが、キャリア間干渉除去部40を多
段に組んでより確度を高めることも可能である。図6は
キャリア間干渉除去部40−1乃至40−nの、n段の
構成を示す。第1段のキャリア間干渉除去部40−1の
作用は上述の通りである。第2段以降のキャリア間干渉
除去部40−i(2≦i≦n)においては前段のキャリ
ア間干渉除去部40−(i−1)の出力である確度の高
い各サブキャリアの信号を基に各シンボルを仮判定し、
キャリア間干渉を演算し、整合フィルタ部33の出力で
ある整合フィルタで分離された各サブキャリアの信号か
ら減じて後段のキャリア間干渉除去部40−(i+1)
又は伝搬路特性等化部25に出力する。こうして各段の
キャリア間干渉除去部40−iを通過する毎に、キャリ
ア間干渉がより正確に除去された確度の高い各サブキャ
リアの信号となっていく。
【0037】この間の状況を式を用いて説明する。以
下、M'個の複素数x(nq)から成る列ベクトルとL個の
複素数X(kp)から成る列ベクトルを単にx、Xと記す。
行列A、A*の内容は今までの説明と同様である。整合
フィルタ部33に入力される波形はx=AXであり、L
個の複素数X(kp)を各々有する各サブキャリアの波形は
exp(2πjkpnq/N)である。整合フィルタ部33の作用は
当該各サブキャリアの波形を時間反転して乗ずるもので
あるから、結局A*x=A*AXで示されるL個の複素数
が出力される。即ち、L行M'列の行列A*のp行q列の
成分はexp(-2πjk pnq/N)だからである。出力される列
ベクトルをX0と置く。ここで、L行L列の行列A*
は、対角成分が全てM'であることに注意する。
【0038】整合フィルタ部33の出力する列ベクトル
0に対し、第1段の伝搬路特性等化部411−1及び
サブキャリアシンボル判定部412−1にて、等化処理
と仮判定が行われる。伝搬路特性等化部では、各サブキ
ャリア毎の信号を各サブキャリアに対応する伝搬路特性
係数で割り算を行う。次に、サブキャリアシンボル判定
部にて、仮判定が行われる。その後、伝搬路特性再現部
にて、各サブキャリアの仮判定結果に、各サブキャリア
対応する伝搬路特性係数が乗算される。その乗算結果を
列ベクトルX1とする。次に、伝搬路特性再現部413
−1にて、伝搬路特性の影響が再現される。次にキャリ
ア間干渉成分演算部414−1にて、キャリア間干渉が
演算される。これはA*AX1−M'X1=(A*A−M'
E)X1を求めることである。ただし、EはL行L列の
単位行列であり、Lは今までと同じ整数である。減算器
42にて整合フィルタ部33で分離された各サブキャリ
アの信号X0から減じて得られる(A*A−M'E)(X−
1)+M'Xは、X0より確度の高い各サブキャリアの信
号である。多段に組んだ場合は以下のとおりである。第
2段のキャリア間干渉除去部40−2においては、第1
段のキャリア間干渉除去部40−1の出力(A*A−M'
E)(X−X1)+M'Xから等化処理と仮判定して列ベク
トルX2を求め、(A*A−M'E)(X−X2)+M'Xを
出力する。以下同様に第n段のキャリア間干渉除去部4
0−nでは(A*A−M'E)(X−Xn)+M'Xを出力す
る。列ベクトルX0から、X1、X2、…、Xnと行くに従
って、L個の複素数X(kp)から成る列ベクトルに近づ
く。こうして、最終段のキャリア間干渉除去部40−n
の出力(A*A−M'E)(X−Xn)+M'Xから、伝搬路
特性等化部25とシンボル判定部26からより確度の高
いL個の複素数が得られる。
【0039】図7にn=1乃至3におけるマルチキャリ
ア復調装置200のシミュレーションを示す。シミュレ
ーション条件は図3のマルチキャリア復調装置100の
それと同様である。本願発明によれば、ガードインター
バルをT/4程度近く越える遅延波が(合計T/2)到
来しても、誤り率が大きくは劣化しない復調装置とする
ことができることがわかる。
【0040】〔第3実施例〕本実施例は第1実施例と第
2実施例を組み合わせたものである。図8に示すマルチ
キャリア復調装置300は、第2実施例のマルチキャリ
ア復調装置200に第1実施例の行列演算及び線形演算
部32を組み入れ、その出力と整合フィルタ部33の出
力からキャリア間干渉を除去するキャリア間干渉除去部
50としたものである。マルチキャリア復調装置300
の行列演算及び線形演算部32の作用は第1実施例のそ
れと同様である。マルチキャリア復調装置300のキャ
リア間干渉除去部50は、第2実施例のマルチキャリア
復調装置200のキャリア間干渉除去部40を構成する
キャリア間干渉推定部41に替えて、入力を行列演算及
び線形演算部32の出力であるX(kp)としたキャリア間
干渉推定部51とした他は、第2実施例のマルチキャリ
ア復調装置200のキャリア間干渉除去部40と全く同
様の作用を示す。
【0041】〔第4実施例〕本実施例は第2実施例のマ
ルチキャリア復調装置200のキャリア間干渉除去部4
0の構成のうち、サブキャリアシンボル判定部412を
キャリアシンボル軟判定部444に置き換えたものであ
る。キャリアシンボル軟判定部444の内容を図9に基
づいて説明する。
【0042】例えばQPSK変調により、1のサブキャ
リアにおいてシンボル00(I/Q共に正で等しい)、
01(Iが負、Qが正で絶対値が等しい)、11(I/
Q共に負で等しい)、10(Iが正、Qが負で絶対値が
等しい)のいずれかが送信されたはずだが、図9の
(a)のように、そのいずれとも一致しない×点(I/
Q共に正)に入力信号が有ったとする。通常の判定にお
いてはシンボル00、01、11、10のうち最も近い
シンボルが選択され、出力される(図9の(a)ではシ
ンボル00)。
【0043】これに対し、軟判定では例えば次のように
演算を行い、シンボル00、01、11、10の中間の
シンボルを出力する。まずIQ平面上でシンボル00、
01、11、10を複素数1+j, -1+j, -1-j, 1-jで、×
点をa+bjと表す(図9の(a)但し、jは虚数単位で、
a, bは実数)。次に、dx0、dx1、d0x、d1xを各々、
x0=1-a、dx1=-1-a、d0x=1-b、d1x=-1-bとおく
(図9の(b))。こうして、出力すべき点の座標とし
て、(dx1 2−dx0 2)/(dx1 2+dx0 2)+j(d1x 2
0x 2)/(d1x 2+d0x 2)を出力する(図9の(c))。
【0044】図10は、第4実施例のマルチキャリア復
調装置のキャリア間干渉除去部440の構成を示したも
のである。図5の第2実施例のマルチキャリア復調装置
200のキャリア間干渉除去部40との差はサブキャリ
アシンボル判定部412をキャリアシンボル軟判定部4
44に置き換えたことである。図10のキャリア間干渉
除去部440を多段に組んだ本実施例のマルチキャリア
復調装置の主要部を図11に示す。
【0045】多段構成を3段とした第4実施例のシミュ
レーションを、図7に示したシミュレーションと重ねて
図12に示す。第4実施例の軟判定を用いた場合、同じ
段数のキャリア間干渉除去部で、より誤り率が向上する
ことがわかる。第4実施例の軟判定を用いた場合、ガー
ドインターバルを3T/8程度近く越える遅延波が(合
計5T/8)到来しても、誤り率が大きくは劣化しない
復調装置とすることができることがわかる。
【0046】〔第5実施例〕本実施例は第2実施例のマ
ルチキャリア復調装置200の各キャリア間干渉除去部
40−iの構成のうち、サブキャリアシンボル判定部4
12−iと伝搬路特性再現部413−iの間にシンボル
更新器82−iを設けたものである。これにより各キャ
リア間干渉除去部80−i、キャリア間干渉推定部81
−iと符号を付した。各i段のシンボル更新器82−i
の作用はサブキャリアシンボル判定部412−iの出力
である列ベクトルXiと前段のi−1段のシンボル更新
器82−(i−1)の出力である列ベクトルXi-1'とか
ら、Xi'=(1−δ)Xi-1'+δXi、但しδは0<δ
<1の定数の演算により列ベクトルXi'を算出して伝搬
路特性再現部413−iに出力する。
【0047】これを図13の3段のキャリア間干渉除去
部80−1〜80−3を有する本実施例で示す。第2実
施例と同様に、整合フィルタ部33の出力X0=A*
が、第1段の伝搬路特性等化部411−1及びサブキャ
リアシンボル判定部412−1にて等化処理と仮判定が
行われ、列ベクトルX1がシンボル更新器82−1に出
力される。シンボル更新器82−1においては、前段が
無いので、初期値X0'を零ベクトルとして用いる。即
ち、シンボル更新器82−1において、X1'=(1−
δ)X0'+δX1=δX1が算出され、当該列ベクトルX
1'が伝搬路特性再現部413−1に出力される。この
後、当該列ベクトルX1'に対し第2実施例でのX 1と同
様の処理が行われ、第1段のキャリア間干渉除去部80
−1の出力が第2段のキャリア間干渉除去部80−2に
入力される。第2段の伝搬路特性等化部411−2及び
サブキャリアシンボル判定部412−2にて等化処理と
仮判定が行われ、列ベクトルX2がシンボル更新器82
−2に出力される。シンボル更新器82−2において
は、前段の第1段のキャリア間干渉除去部80−1のシ
ンボル更新器82−1の出力X1'と併せて、X2'=(1
−δ)X1'+δX2が算出され、当該列ベクトルX2'が
伝搬路特性再現部413−2に出力される。全く同様
に、第3段のキャリア間干渉除去部80−3において
は、第3段の伝搬路特性等化部411−3及びサブキャ
リアシンボル判定部412−3にて等化処理と仮判定が
行われ、列ベクトルX3がシンボル更新器82−3に出
力される。シンボル更新器82−3においては、前段の
第2段のキャリア間干渉除去部80−2のシンボル更新
器82−2の出力X2'と併せて、X3'=(1−δ)X2'
+δX3が算出され、当該列ベクトルX3'が伝搬路特性
再現部413−3に出力される。第3段のキャリア間干
渉除去部80−3の出力は、伝搬路特性等化部25、シ
ンボル判定部26を通して最終的にシンボルが復調され
る。
【0048】n段の多段構成を変化させた場合の第5実
施例のシミュレーションを、図14に示す。比較例とし
て第2実施例を示した。図14より、δが0.3では10段
まで、δが0.5では5段までは、本実施例は第2実施例よ
りも誤り率が高いが、その段数を超えるとδがいずれの
場合も本実施例は第2実施例よりも誤り率を低減させる
ことができることがわかる。
【0049】〔第6実施例〕本実施例は第4実施例のマ
ルチキャリア復調装置の各キャリア間干渉除去部440
−iの構成のうち、サブキャリアシンボル軟判定部44
4−iと伝搬路特性再現部413−iの間にシンボル更
新器87−iを設けたものである。これにより各キャリ
ア間干渉除去部85−i、キャリア間干渉推定部86−
iと符号を付した。各i段のシンボル更新器87−iの
作用はサブキャリアシンボル軟判定部444−iの出力
である列ベクトルXiと前段のi−1段のシンボル更新
器87−(i−1)の出力である列ベクトルXi-1'とか
ら、Xi'=(1−δ)Xi-1'+δXi、但しδは0<δ
<1の定数の演算により列ベクトルXi'を算出して伝搬
路特性再現部413−iに出力するものであり、本実施
例と第4実施例の関係は第5実施例と第2実施例の関係
と同様である。図15に3段のキャリア間干渉除去部8
5−1〜85−3を有する本実施例を示す。キャリア間
干渉除去部85−1〜85−3のシンボル更新器87−
1〜87−3の作用は、図13のキャリア間干渉除去部
80−1〜80−3のシンボル更新器82−1〜82−
3の作用と全く同様である。即ち、図15のシンボル更
新器87−1においては、サブキャリアシンボル軟判定
部444−1の出力X1から初期値X0'を零ベクトルと
してX1'=δX1を算出し、伝搬路特性再現部413−
1に出力する。シンボル更新器87−2(3)において
は、サブキャリアシンボル軟判定部444−2(3)の
出力X2(X3)とシンボル更新器87−1(2)の出力
1'(X2')からX2'=(1−δ)X1'+δX2
(X3'=(1−δ)X2'+δX3) を算出し、伝搬路
特性再現部413−2(3)に出力する。
【0050】n段の多段構成を変化させた場合の第6実
施例のシミュレーションを、図16に示す。比較例とし
て第4実施例を示した。δが0.3では16段まで、δが0.5
では10段までは、本実施例は第4実施例よりも誤り率が
高いが、その段数を超えるとδがいずれの場合も本実施
例は第4実施例よりも誤り率を低減させることができる
ことがわかる。
【0051】〔変形例〕図17及び図18に第2実施例
の変形例、図19及び図20に第4実施例の変形例を示
す。図17及び図19においては、図5のサブキャリア
シンボル判定部412と伝搬路特性再現部413の間、
及び図10のサブキャリアシンボル軟判定部444と伝
搬路特性再現部413の間に誤り訂正器43を設けたも
の、図18及び図20においては、図5のサブキャリア
シンボル判定部412と伝搬路特性再現部413の間、
及び図10のサブキャリアシンボル軟判定部444と伝
搬路特性再現部413の間に、軟出力誤り訂正器434
を設けたものである。これにより図17乃至図20にお
いてはキャリア間干渉除去部を60、65、70、75
と、キャリア間干渉推定部を61、66、71、76と
符号を付した。このように誤り訂正器43又は軟出力誤
り訂正器434を設けることで、誤り率が低減され、通
信品質をより向上させることができる。更には、第3実
施例が第1実施例と第2実施例を組み合わせたものであ
るように、第4乃至第6実施例、図17乃至図20の変
形例と第1実施例を組み合わせても良い。
【0052】上述の各実施例では、最も早い到来波と最
も遅い遅延波との遅延時間差を考慮し、且つ最も早い到
来波により同期が確立することを前提としているが、遅
延時間差推定部の働きとして次のような遅延時間差を各
構成要素に出力するとしても良い。即ち、各遅延波の強
度も考慮した遅延時間差、或いは、予め定められた閾値
以上の電力を持つ最も遅い遅延波と最も早い到来波との
遅延時間差が挙げられる。
【0053】上述の各実施例では、遅延波のガードイン
ターバル先頭から最も早い到来波の有効シンボル末尾ま
でを使用シンボル部としたが、使用シンボル部は当該区
間の内部で且つサンプル点がヌルキャリアでないサブキ
ャリアの本数のL個以上あれば良い。
【0054】上述の第1、第3実施例においては、行列
演算及び線形演算部32を設け、遅延時間差を推定の
後、必要な行列(A*A)-1*を求める構成とし、また、
第2実施例においては、整合フィルタ33を設け、遅延
時間差を推定の後、必要な行列A*を求める構成とした
が、予め想定された遅延時間差による行列(A*A)-1*
又は行列A*を用意し、メモリに蓄えて呼び出す構成と
しても良い。それらは複数用意されていれば多様な遅延
時間差に対応できる。これにより実動作時の計算量を削
減することができる。或いは整合フィルタをFFTで構
成し、L個の時間軸入力に加えてN−L個の0を入力す
ることで、上記整合フィルタの役割をさせても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1の実施例に係るマルチキャリア復調
装置100の構成を示すブロック図。
【図2】マルチキャリア復調装置100の作用を示す概
念図、(a)はガードインターバルを越える遅延波が到
来した場合、(b)はガードインターバルを越えない遅
延波が到来した場合。
【図3】マルチキャリア復調装置100の、遅延波と誤
り率の関係を示すシミュレーションの結果図。
【図4】本願の第2の実施例に係るマルチキャリア復調
装置200の構成を示すブロック図。
【図5】マルチキャリア復調装置200の構成要素であ
るキャリア間干渉除去部40の構成の細部を示すブロッ
ク図。
【図6】マルチキャリア復調装置200の構成要素であ
るキャリア間干渉除去部40の多段構成を示すブロック
図。
【図7】マルチキャリア復調装置200の、遅延波と誤
り率の関係を示すシミュレーションの結果図。
【図8】本願の第3の実施例に係るマルチキャリア復調
装置300の構成を示すブロック図。
【図9】本願の第4の実施例に係るマルチキャリア復調
装置の特徴である軟判定器の作用を説明する説明図。
【図10】本願の第4の実施例に係るマルチキャリア復
調装置の構成要素であるキャリア間干渉除去部440の
構成の細部を示すブロック図。
【図11】本願の第4の実施例に係るマルチキャリア復
調装置の構成要素であるキャリア間干渉除去部440の
多段構成を示すブロック図。
【図12】第4の実施例に係るマルチキャリア復調装置
の、遅延波と誤り率の関係を示すシミュレーションの結
果図。
【図13】本願の第5の実施例に係るマルチキャリア復
調装置の構成要素であるキャリア間干渉除去部80−1
乃至80−3による多段構成を示すブロック図。
【図14】第5の実施例に係るマルチキャリア復調装置
の、キャリア間干渉除去部の繰り返し回数(段数)nと
誤り率の関係を示すシミュレーションの結果図。
【図15】本願の第6の実施例に係るマルチキャリア復
調装置の構成要素であるキャリア間干渉除去部85−1
乃至85−3による多段構成を示すブロック図。
【図16】第6の実施例に係るマルチキャリア復調装置
の、キャリア間干渉除去部の繰り返し回数(段数)nと
誤り率の関係を示すシミュレーションの結果図。
【図17】第1の変形例に係るキャリア間干渉除去部6
0の構成の細部を示すブロック図。
【図18】第2の変形例に係るキャリア間干渉除去部6
5の構成の細部を示すブロック図。
【図19】第3の変形例に係るキャリア間干渉除去部7
0の構成の細部を示すブロック図。
【図20】第4の変形例に係るキャリア間干渉除去部7
5の構成の細部を示すブロック図。
【符号の説明】
10 直交復調及びサンプリング部 21 プリアンブル抽出部 22 同期確立部 23 遅延時間差推定部 24 サブキャリア位相・振幅推定部 25 伝搬路特性等化部 26 シンボル判定部 31 使用シンボル抽出部 32 行列演算及び線形演算部 33 整合フィルタ部 40、440、50、60、65、70、75 キャリ
ア間干渉除去部 41、51、61、66、71、76 キャリア間干渉
推定部 42 減算器 43 誤り訂正器 434 軟出力誤り訂正器 411、441 伝搬路特性等化部 412 サブキャリアシンボル判定部 413 伝搬路特性再現部 414 キャリア間干渉成分演算部 444 キャリアシンボル軟判定部 40−i、440−i、80−i、85−i(1≦i≦
n) n段構成の各キャリア間干渉除去部 81−i、86−i(1≦i≦n) キャリア間干渉推
定部 82−i、87−i(1≦i≦n) シンボル更新器

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効シンボル長がT、N本のサブキャリ
    アの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<
    N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチキャリ
    ア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調するマ
    ルチキャリア復調方法において、 遅延波の遅延時間差を推定し、推定された遅延時間差を
    基に、遅延波による波形歪みの生じている部分を含まな
    いように有効シンボル長Tから長さTM/N(L≦M<
    N)の使用シンボルとなる部分を決定し、 サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素ディジタ
    ル信号から、前記使用シンボル部分M点を用いてL本の
    サブキャリアを分離復調することを特徴とするマルチキ
    ャリア復調方法。
  2. 【請求項2】 有効シンボル長がT、有効シンボル長の
    前に付加されたガードインターバル長がTGI、N本のサ
    ブキャリアの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本
    (L<N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチ
    キャリア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調
    するマルチキャリア復調方法において、 遅延波の遅延時間差を推定し、推定された遅延時間差を
    基に、遅延波による波形歪みの生じている部分を含まな
    いように有効シンボル長とガードインターバル長の和T
    +TGIから長さTM'/N(L≦M'<N+(NTGI
    T))の使用シンボル部分を決定したのち、 サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素ディジタ
    ル信号から、前記使用シンボル部分M'点を用いてL本
    のサブキャリアを分離復調することを特徴とするマルチ
    キャリア復調方法。
  3. 【請求項3】 有効シンボル長がT、N本のサブキャリ
    アの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<
    N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチキャリ
    ア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調するマ
    ルチキャリア復調方法において、 遅延波の遅延時間差を推定し、推定された遅延時間差を
    基に、遅延波による波形歪みの生じている部分を含まな
    いように有効シンボル長Tから長さTM/N(M<N)
    の使用シンボル部分を決定する工程と、 サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素ディジタ
    ル信号から、前記使用シンボル部分M点を用いてL本の
    サブキャリアを整合フィルタにより分離する工程と、 L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
    し、仮判定したL個のシンボルから前記整合フィルタに
    より分離されたL本のサブキャリアの各信号に含まれる
    他のサブキャリアとの間の干渉成分を求め、前記整合フ
    ィルタにより分離したL本のサブキャリアからL本のサ
    ブキャリア間の前記干渉成分を減じて、より信頼度の高
    いL本のサブキャリアの信号を求める1乃至複数の干渉
    成分除去工程を有することを特徴とするマルチキャリア
    復調方法。
  4. 【請求項4】 有効シンボル長がT、有効シンボル長の
    前に付加されたガードインターバル長がTGI、N本のサ
    ブキャリアの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本
    (L<N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチ
    キャリア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調
    するマルチキャリア復調方法において、 遅延波の遅延時間差を推定し、推定された遅延時間差を
    基に、遅延波による波形歪みの生じている部分を含まな
    いように有効シンボル長とガードインターバル長の和T
    +TGIから長さTM'/N(M'<N+(NTGI/T))
    の使用シンボル部分を決定する工程と、 サンプリング間隔T/Nで直交復調された複素ディジタ
    ル信号から、前記使用シンボル部分M'点を用いてL本
    のサブキャリアを整合フィルタにより分離する工程と、 L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
    し、仮判定したL個のシンボルから前記整合フィルタに
    より分離されたL本のサブキャリアの各信号に含まれる
    他のサブキャリアとの間の干渉成分を求め、前記整合フ
    ィルタにより分離したL本のサブキャリアからL本のサ
    ブキャリア間の前記干渉成分を減じて、より信頼度の高
    いL本のサブキャリアの信号を求める1乃至複数の干渉
    成分除去工程を有することを特徴とするマルチキャリア
    復調方法。
  5. 【請求項5】 有効シンボル長がT、N本のサブキャリ
    アの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<
    N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチキャリ
    ア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調するマ
    ルチキャリア復調装置において、 サンプリング間隔T/Nで直交復調されたN個の複素デ
    ィジタル信号を得る直交復調及びサンプリング部と、 遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差推定部と、 当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅延波による
    波形歪みの生じている部分を含まないように前記N個の
    複素ディジタル信号のうち使用シンボルとしてM個(L
    ≦M<N)の複素ディジタル信号を抽出する使用シンボ
    ル抽出部と、 当該使用シンボル抽出部の出力する前記M個の複素ディ
    ジタル信号を用いてL本のサブキャリアを分離復調する
    ための線形演算式であるL行M列の複素行列を計算する
    行列演算部と、 行列演算部の求めたL行M列の複素行列と前記M個の複
    素ディジタル信号による長さMの列ベクトルとを乗じて
    L本のサブキャリアを分離復調する線形演算部とを有す
    ることを特徴とするマルチキャリア復調装置。
  6. 【請求項6】 有効シンボル長がT、有効シンボル長の
    前に付加されたガードインターバル長がTGI、N本のサ
    ブキャリアの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本
    (L<N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチ
    キャリア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調
    するマルチキャリア復調装置において、 サンプリング間隔T/Nで直交復調されたN+(NTGI
    /T)個の複素ディジタル信号を得る直交復調及びサン
    プリング部と、 遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差推定部と、 当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅延波による
    波形歪みの生じている部分を含まないように前記N+
    (NTGI/T)個の複素ディジタル信号のうち使用シン
    ボルとしてM'個(L≦M'<N+(NTGI/T))の複
    素ディジタル信号を抽出する使用シンボル抽出部と、 当該使用シンボル抽出部の出力する前記M'個の複素デ
    ィジタル信号を用いてL本のサブキャリアを分離復調す
    るための線形演算式であるL行M'列の複素行列を計算
    する行列演算部と、 行列演算部の求めたL行M'列の複素行列と前記M'個の
    複素ディジタル信号による長さM'の列ベクトルとを乗
    じてL本のサブキャリアを分離復調する線形演算部とを
    有することを特徴とするマルチキャリア復調装置。
  7. 【請求項7】 有効シンボル長がT、N本のサブキャリ
    アの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本(L<
    N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチキャリ
    ア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調するマ
    ルチキャリア復調装置において、 サンプリング間隔T/Nで直交復調されたN個の複素デ
    ィジタル信号を得る直交復調及びサンプリング部と、 遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差推定部と、 当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅延波による
    波形歪みの生じている部分を含まないように前記N個の
    複素ディジタル信号のうち使用シンボルとしてM個(M
    <N)の複素ディジタル信号を抽出する使用シンボル抽
    出部と、 当該使用シンボル抽出部の出力する前記M個の複素ディ
    ジタル信号を用いて整合フィルタによりL本のサブキャ
    リアを分離する整合フィルタ部と、 L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
    する仮判定器と、仮判定したL個のシンボルから前記整
    合フィルタ部で分離されたL本のサブキャリアの各信号
    に含まれる他のサブキャリアとの間の干渉成分を求める
    干渉成分推定器と、前記整合フィルタ部の出力するL本
    のサブキャリアの信号からL本のサブキャリア間の前記
    干渉成分を減じる干渉成分減算器とから成る1乃至複数
    の干渉成分除去部とを有することを特徴とするマルチキ
    ャリア復調装置。
  8. 【請求項8】 有効シンボル長がT、有効シンボル長の
    前に付加されたガードインターバル長がTGI、N本のサ
    ブキャリアの隣り合う周波数間隔が1/Tで、N−L本
    (L<N)のサブキャリアがヌルキャリアであるマルチ
    キャリア変調信号を受信し、各サブキャリアに分離復調
    するマルチキャリア復調装置において、 サンプリング間隔T/Nで直交復調されたN+(NTGI
    /T)個の複素ディジタル信号を得る直交復調及びサン
    プリング部と、 遅延波の遅延時間差を推定する遅延時間差推定部と、 当該遅延時間差推定部の遅延時間差から、遅延波による
    波形歪みの生じている部分を含まないように前記N+
    (NTGI/T)個の複素ディジタル信号のうち使用シン
    ボルとしてM'個(M'<N+(NTGI/T))の複素デ
    ィジタル信号を抽出する使用シンボル抽出部と、 当該使用シンボル抽出部の出力する前記M'個の複素デ
    ィジタル信号を用いて整合フィルタによりL本のサブキ
    ャリアを分離する整合フィルタ部と、 L本のサブキャリアの信号からL個のシンボルを仮判定
    する仮判定器と、仮判定したL個のシンボルから前記整
    合フィルタ部で分離されたL本のサブキャリアの各信号
    に含まれる他のサブキャリアとの間の干渉成分を求める
    干渉成分推定器と、前記整合フィルタ部の出力するL本
    のサブキャリアの信号からL本のサブキャリア間の前記
    干渉成分を減じる干渉成分減算器とから成る1乃至複数
    の干渉成分除去部とを有することを特徴とするマルチキ
    ャリア復調装置。
  9. 【請求項9】 前記1乃至複数の干渉成分除去工程の各
    々においては、L本のサブキャリアの信号からL個のシ
    ンボルを仮判定することに替えて、L本のサブキャリア
    の信号からL個のシンボルを軟判定することを特徴とす
    る請求項3又は請求項4に記載のマルチキャリア復調方
    法。
  10. 【請求項10】 前記1乃至複数の干渉成分除去工程の
    各々においては、仮判定又は軟判定されたL個のシンボ
    ルの、誤り訂正をした後に前記整合フィルタにより分離
    されたL本のサブキャリアの各信号に含まれる他のサブ
    キャリアとの間の干渉成分を求めることを特徴とする請
    求項3、請求項4又は請求項9に記載のマルチキャリア
    復調方法。
  11. 【請求項11】 前記L個のシンボルの誤り訂正をする
    ことに替えて、前記L個のシンボルの軟出力誤り訂正を
    することを特徴とする請求項10に記載のマルチキャリ
    ア復調方法。
  12. 【請求項12】 前記1乃至複数の干渉成分除去工程に
    おいては、L個のシンボルを仮判定又は軟判定、更には
    誤り訂正又は軟出力誤り訂正したのち、L個のシンボル
    を更新する工程を有し、当該各干渉成分除去工程のL個
    のシンボルを更新する工程は、前段の干渉成分除去工程
    のL個のシンボルを更新する工程の出力、ただし第1段
    の干渉成分除去工程においては前段に替えてL個の初期
    値、を用いてL個のシンボルを更新するものであること
    を特徴とする請求項3、請求項4、請求項9乃至請求項
    11のいずれか1項に記載のマルチキャリア復調方法。
  13. 【請求項13】 前記1乃至複数の干渉成分除去部の各
    々においては、L本のサブキャリアの信号からL個のシ
    ンボルを仮判定する仮判定器に替えて、L本のサブキャ
    リアの信号からL個のシンボルを軟判定する軟判定器を
    有することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の
    マルチキャリア復調装置。
  14. 【請求項14】 前記1乃至複数の干渉成分除去部の各
    々において、仮判定器又は軟判定器の出力であるL個の
    シンボルに対し、誤り訂正をする誤り訂正器を有し、当
    該誤り訂正器の出力を前記干渉成分推定器に入力するこ
    とを特徴とする請求項7、請求項8又は請求項13に記
    載のマルチキャリア復調装置。
  15. 【請求項15】 前記誤り訂正器に替えて、前記L個の
    シンボルの軟出力誤り訂正をする軟出力誤り訂正器を有
    することを特徴とする請求項14に記載のマルチキャリ
    ア復調装置。
  16. 【請求項16】 前記1乃至複数の干渉成分除去部に
    おいて、仮判定器又は軟判定器、更には誤り訂正器又は
    軟出力誤り訂正器の出力からL個のシンボルを更新する
    シンボル更新器を有し、各干渉成分除去部のシンボル更
    新器は、前段の干渉成分除去部の更新器の出力、ただし
    第1段の干渉成分除去部においては前段に替えてL個の
    初期値、を用いてL個のシンボルを更新するものである
    ことを特徴とする請求項7、請求項8、請求項13乃至
    請求項15のいずれか1項に記載のマルチキャリア復調
    装置。
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