JP2003187418A - 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置

Info

Publication number
JP2003187418A
JP2003187418A JP2001380403A JP2001380403A JP2003187418A JP 2003187418 A JP2003187418 A JP 2003187418A JP 2001380403 A JP2001380403 A JP 2001380403A JP 2001380403 A JP2001380403 A JP 2001380403A JP 2003187418 A JP2003187418 A JP 2003187418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
recording medium
magnetic
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001380403A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyoshi Iso
亜紀良 磯
Takahiro Shimizu
貴宏 清水
Naoki Takizawa
直樹 滝澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2001380403A priority Critical patent/JP2003187418A/ja
Priority to SG200207473A priority patent/SG121750A1/en
Priority to MYPI20024625A priority patent/MY135164A/en
Priority to US10/318,280 priority patent/US6946166B2/en
Publication of JP2003187418A publication Critical patent/JP2003187418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/739Magnetic recording media substrates
    • G11B5/73923Organic polymer substrates
    • G11B5/73925Composite or coated non-esterified substrates

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜膨れを起こさない磁気記録媒体を提供する
こと。 【解決手段】 本発明は、非磁性基板上に少なくとも非
磁性下地層、磁性層、保護層および液体潤滑層が積層さ
れた磁気記録媒体に関し、特に、前記非磁性基板が高分
子樹脂基板であり、前記高分子樹脂基板に接着性を高め
る処理を施し、さらに前記高分子樹脂基板と前記非磁性
下地層との間に接着層を設けたことを特徴とする磁気記
録媒体に関する。さらに、本発明は、該磁気記録媒体の
製造方法に関し、前記非磁性基板表面の接着性を高める
処理を施す工程と、前記接着性を高めた非磁性基板上に
接着層を形成する工程と、前記接着層上に少なくとも非
磁性下地層、磁性層、保護層、および液体潤滑層を順次
形成する工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法に関する。さらに本発明は、上記磁気記録
媒体を含む磁気記録装置に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの外
部記憶装置をはじめとする各種磁気記録装置に搭載され
る磁気記録媒体およびその製造方法、並びにその磁気記
録媒体を用いた磁気記録装置に関する。特に本発明は、
高分子樹脂基板を用いる磁気記録媒体およびその製造方
法、並びにその磁気記録媒体を用いた磁気記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクに代表される磁気
記録装置に組み込まれる磁気記録媒体に対して高記録密
度化の要求が高まっている。さらに、高記録密度化に伴
い、磁気記録媒体上の情報を読み書きするヘッドに対し
ても低浮上化が要求される。このような磁気記録媒体へ
の要求に対して、従来から様々な磁性層の組成、構造、
非磁性下地層の材料および非磁性基板の材料などが提案
されている。中でも非磁性基板の材料については、現在
の主流であるアルミまたはガラスに代わるものとして、
いわゆるプラスチック基板と称される、高分子樹脂基板
が提案されている。
【0003】また、最近では、近い将来発展しつつある
デジタル家電製品向けにも磁気記録媒体の需要が見込ま
れているが、これらの分野で使用される磁気記録媒体に
対しても、上記の高記録密度化およびヘッドの低浮上化
に加え、現状よりも過酷な環境下での長期間の信頼性が
求められる。例えば、過酷な環境の具体例として、−4
0℃の極低温から、温度80℃、湿度80%の高温高湿
度までの環境下で5年間の正常動作の可能性が求められ
る場合もある。さらに、デジタル家電製品向けの磁気記
録媒体は低コストであることも必須である。このような
要求からも上記の高分子樹脂基板は有望視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように高分子樹脂
基板は磁気記録媒体の基板として有望であるが、現状で
は高分子樹脂基板を用いた磁気記録媒体は、過酷な環境
下で膜膨れ(膜剥がれの一種)が発生することが問題と
なっている。この膜膨れを防ぐ対策として、基板にプラ
ズマや紫外線(UV)照射処理をすることが提案されて
いる(例えば、特開昭57−191830号公報参
照)。また、特開平3−207012号公報には、高分
子材料からなる基板にプラズマによる活性化処理を施す
際に、プラズマ電極の材料として磁性層の特性に影響を
与えない材料を選択することにより、磁気層の特性を損
なうことなく、耐久性を向上させることが開示されてい
る。また、ラマン測定により算出されるB/A値の高い
カーボン膜を基板上に成膜することで、膜膨れを防止す
る方法も提案されている。
【0005】しかし、高記録密度化が進み、記録媒体の
層構造や成膜条件によっては、これらの方法では膜膨れ
の発生を防ぐことができない場合があることが明らかと
なってきている。
【0006】従って、本発明は、上記問題点を解決する
ためになされたものであり、高分子樹脂基板を用い、高
記録密度下においても磁気記録媒体の膜膨れが起こらな
い、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明により解決される。
【0008】本発明の第1は、非磁性基板上に少なくと
も非磁性下地層、磁性層、保護層および液体潤滑層が積
層された磁気記録媒体に関し、特に、前記非磁性基板が
高分子樹脂基板であり、前記高分子樹脂基板に接着性を
高める処理を施し、さらに前記高分子樹脂基板と前記非
磁性下地層との間に接着層を設けたことを特徴とする磁
気記録媒体に関する。第1の発明では、前記接着性を高
める処理が、プラズマ処理または紫外線照射処理である
ことを特徴とする。また、本発明の磁気記録媒体は、前
記プラズマ照射処理または前記紫外線照射処理を行った
後の高分子樹脂基板の表面のカルボニル基の濃度が、X
線光電子分光法による測定で、0.1原子%(at%)
から30原子%(at%)であることを特徴とする。第
1の発明では、前記プラズマ処理において、アルゴン、
酸素、またはアルゴンと酸素の混合気体をプラズマ放電
ガスとして使用することが好ましい。また、前記紫外線
照射処理では、窒素、酸素、または窒素と酸素の混合気
体(空気を含む)を存在させて紫外線を基板に照射する
ことが好ましい。
【0009】さらに、第1の発明では、前記接着層は、
少なくとも炭素を含む膜であることが好ましい。この少
なくとも炭素を含む膜は、ラマン分光法の測定により算
出されるB/A値が3以上であることが好ましい。さら
に、前記の少なくとも炭素を含む膜が、スパッタ法によ
り形成される場合、このスパッタ法で用いられるガスの
ガス圧は5mTorr以上であることが好ましい。
【0010】本発明の第2は、高分子樹脂よりなる非磁
性基板に少なくとも接着層、非磁性下地層、磁性層、保
護層および液体潤滑層を順次積層する磁気記録媒体の製
造方法に関する。特に第2の発明は、前記非磁性基板表
面の接着性を高める処理を施す工程と、前記接着性を高
めた非磁性基板上に接着層を形成する工程と、前記接着
層上に少なくとも非磁性下地層、磁性層、保護層、およ
び液体潤滑層を順次形成する工程とを具備することを特
徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
【0011】第2の発明において、前記非磁性基板上面
の接着性を高める処理は、プラズマ処理または紫外線照
射処理であることが好ましい。また、第2の発明では、
前記プラズマ照射処理または前記紫外線照射処理によ
り、高分子樹脂基板の表面のカルボニル基の濃度が、X
線光電子分光法による測定で、0.1原子%から30原
子%となることが好ましい。さらに、前記プラズマ処理
には、アルゴン、酸素、またはアルゴンと酸素の混合気
体をプラズマ放電ガスとして使用することが好ましい。
また、前記紫外線照射処理においては、窒素、酸素、ま
たは窒素と酸素の混合気体(空気を含む)を存在させて
紫外線を基板に照射することが好ましい。
【0012】さらに本発明の第2は、前記接着層が、少
なくとも炭素を含む膜であること特徴とする。この少な
くとも炭素を含む膜は、ラマン分光法の測定により算出
されるB/A値が3以上であることが好ましい。また、
接着層の形成工程は、スパッタ法であることが好まし
く、該スパッタ法で用いられるガスのガス圧が5mTo
rr以上であることが好ましい。
【0013】本発明の第3は、上記第1の発明に係る磁
気記録媒体搭載した磁気記録装置に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を説明する。本発明
の第1は、非磁性基板上に少なくとも非磁性下地層、磁
性層、保護層および液体潤滑層が積層された磁気記録媒
体、特に、前記非磁性基板が高分子樹脂基板であり、前
記高分子樹脂基板に接着性を高める処理を施し、さらに
前記高分子樹脂基板と前記非磁性下地層との間に接着層
を設けたことを特徴とする磁気記録媒体である。
【0015】本発明者らは、上記発明を成すに当たり、
従来の処理における問題点を再検討した。上述のよう
に、非磁性基板として高分子樹脂を使用することは有望
であるが、先に説明したように、高分子樹脂基板は膜膨
れの問題を有しており、これを防止する必要がある。特
に、高記録密度下で磁気記録媒体を成膜する場合、層の
構成や成膜条件によっては従来の処理方法では膜膨れを
防止することが困難であることが明らかとなった。例え
ば、TiW膜やRu膜を下地層等に用いる場合、下地層
のスパッタ法での成膜時の成膜圧力を50mTorrと
すると、高分子樹脂基板上をプラズマ処理するか、また
はB/A値が6以上のカーボン膜を形成することで対処
できたが、下地層成膜圧力を5mTorrとすると、こ
れらの単独処理では膜膨れの発生を防ぐことができない
ことが見出された。
【0016】従って、本発明者らは、より高い記録密度
の要請にも対応しうる高分子樹脂基板を用いた高耐久性
の磁気記録媒体の提供の研究を行い、本発明を完成し
た。
【0017】すなわち、本発明者らは、非磁性基板とし
て高分子樹脂を使用し、該高分子樹脂基板表面に接着性
を高める処理を施すとともに、該基板上に接着層2を設
けることで、高記録密度化の要請にも対応しうる、高分
子樹脂基板を用いた高耐久性の磁気記録媒体が提供でき
ることを見出した。
【0018】以下に具体的日本発明の磁気記録媒体を説
明する。
【0019】本発明の磁気記録媒体の一実施形態を図1
に示す。図1に示されるように、本発明の磁気記録媒体
は、非磁性基板1として高分子樹脂を使用し、該基板上
に接着層2を設けることが特徴である。さらに、該接着
層2上に非磁性下地層3、磁性層4、保護層5および液
体潤滑層6が設けられる。
【0020】本発明の磁気記録媒体の高分子樹脂基板に
は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂やアク
リレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテル樹脂、
ポリスチレン樹脂などの樹脂材料を使用することができ
る。高分子樹脂基板は、通常の磁気記録媒体で用いられ
る厚さを有する。
【0021】さらに、本発明では、高分子樹脂基板の表
面の接着性を高めるための処理を施す。この処理は、高
分子樹脂と、この樹脂上に形成される接着層の接着性を
高める処理であれば特に限定されないが、プラズマ処
理、紫外線(UV)照射処理等が好適である。本発明で
は、このような処理を施した高分子樹脂基板上に、さら
に接着層を形成することが特徴であり、この2つの特徴
により、より高い記録密度の要請にも対応しうる高分子
樹脂基板を用いた高耐久性の磁気記録媒体が提供でき
る。
【0022】本発明の磁気記録媒体の高分子樹脂基板に
プラズマ処理を施す場合、プラズマ放電ガスとして、ヘ
リウム、アルゴン、ネオン、窒素、酸素およびこれらの
混合気体などを用いることができるが、アルゴン、酸
素、アルゴンと酸素の混合気体をプラズマ放電ガスとし
て使用することが好ましい。また、このプラズマ処理
は、後述する本発明の磁気記録媒体の製造方法で述べる
ように、従来のプラズマ処理装置により行うことができ
る。
【0023】磁気記録媒体の高分子樹脂基板に紫外線照
射処理を施す場合、空気、アルゴン、窒素、酸素、およ
びこれらの混合気体などの存在下で紫外線照射を行うこ
とができるが、窒素、酸素、窒素と酸素の混合気体(空
気を含む)を存在させて紫外線を基板に照射することが
好ましい。
【0024】プラズマ処理または紫外線照射処理に酸素
を存在させることにより、接着力を保持しつつ、処理時
間を短くしたり、プラズマまたは紫外線の出力を低く抑
えることができる。
【0025】また、本発明の磁気記録媒体は、上述のプ
ラズマ照射処理または前記紫外線照射処理を行った後の
高分子樹脂基板の表面のカルボニル基の濃度が、X線光
電子分光法による測定で、0.1原子%から30原子%
であることが好ましい。
【0026】本発明の磁気記録媒体の接着層は、高分子
樹脂基板と、上層の金属層(例えば非磁性下地層)との
間の接着性を高めるための層である。従って、本発明で
は、高分子樹脂基板と上層の金属層との両方に接着性を
有する材料によりこの層を形成することが好ましい。本
発明の接着層は、高分子樹脂基板と上層の金属層との両
方に接着性を有する材料であれば特に限定されないが、
例えば、Si、Cおよびその酸化物のような材料の膜、
少なくとも炭素を含む膜、好ましくはカーボン膜を挙げ
ることができる。本発明では、少なくとも炭素を含む
膜、好ましくはカーボン膜であることが好ましく、カー
ボン膜がより好ましい。この少なくとも炭素を含む膜
は、ラマン分光法の測定により算出されるB/A値が3
以上であることが好ましい。ここで、B/A値とは、ラ
マンスペクトルのピーク強度(蛍光強度を含んだ強度)
をB値、ベースライン補正を行ったときのピーク強度
(蛍光強度を除いた強度)をA値として算出される値で
ある。B/Aが大きい(蛍光強度が強い)ほど、ポリマ
ー成分が多くなる傾向がある。
【0027】また、前記の少なくとも炭素を含む膜は、
この膜がスパッタ法により形成される場合、このスパッ
タ法で用いられるガスのガス圧を5mTorr以上とす
ることが好ましい。少なくとも炭素を含む膜がカーボン
膜である場合、膜質はB/A値3以上、好ましくは3か
ら10、さらに好ましくは3である。成膜の際のガス圧
は5mTorr以上であることが好ましく、より好まし
くは5から70mTorr、より好ましくは5から50
mTorrである。また接着層としてカーボン膜を用い
る場合、膜厚は0.5から10nm、より好ましくは1
から2nmが好ましい。
【0028】本発明では、上記条件を満足することが好
ましいが、これらの条件は、プラズマ処理または紫外線
照射処理と、接着層を設けることの利益および不利益を
考慮することにより満たされる。例えば、利益および不
利益として以下のようなことが考えられる。
【0029】上述のプラズマ処理または紫外線照射処理
は、基板表面にカルボニル基を生成させ、基板表面の表
面エネルギーを高くし、接着力を強くする。ここで、膜
膨れの原因を考察すると、その原因は水の凝集であり、
基板と膜の界面で水が凝集することで膜が膨れ上がり、
また、基板表面の樹脂劣化物と基板の間に水が入り込
み、ここで水が凝集して劣化物の層が膨れ上がるのであ
る。プラズマまたは紫外線処理で表面エネルギーが高く
なったことで基板表面と水との接触角が低くなり、水が
凝集しにくくなる。この効果により膜膨れを防止するこ
とができるが、これらの処理は、カルボニル基を生成さ
せるのと同時に、樹脂の低分子成分や、上記処理による
樹脂に含まれる酸化防止剤の分解物を生成させる。これ
らの物質は膜膨れの原因となり、高分子樹脂基板の表面
状態やより上層の膜により、プラズマ処理や紫外線照射
処理の条件を変えなければならず、コスト等の面で見合
うものではなかった。さらに、プラズマや紫外線の強度
を高めると、接着性は向上するが上記の分解物が多量に
生成し、これらが膜膨れを生じさせるために強度を高め
すぎることも好ましくない。また、プラズマや紫外線の
強度が弱い場合には、接着性が十分に得られない場合が
ある。
【0030】一方、本発明の磁気記録媒体は接着層を有
するが、この接着層は、上層の金属膜などの接着層の役
割とともに、膜膨れを防止することもできる。この場
合、高分子樹脂基板と接着層の接着性が問題となるが、
接着層として、少なくとも炭素を含む膜を使用した場
合、ラマン分光法で測定されるB/A値が高い膜を用い
ないと高分子樹脂基板と接着層の接着が弱くなり、接着
層が膜膨れを起こすことになる。B/A値を高くするた
めには、少なくとも炭素を含む膜中に水素を多量に含ま
せることが必要であるが、この水素を含ませることで膜
中に炭化水素が発生し、この炭化水素が膜膨れの原因と
なる。従って、高分子樹脂基板の表面に接着層を形成す
る場合にも、高分子樹脂基板の表面状態や上層の膜によ
って接着層の膜質(炭素を含む接着層の場合にはB/A
値など)や膜厚を調製する必要が生じる。これもやはり
コスト等の面での不利益をもたらす。
【0031】本発明では、上記の接着性を高めるための
処理と、接着層を設けることの利点と不利益を勘案し、
上記の処理および成膜条件を種々検討し、上記値を設定
したものである。特に、高分子樹脂基板の表面のカルボ
ニル基の濃度が、X線光電子分光法による測定で、0.
1原子%から30原子%となるように処理することが処
理の目安となる。また、本発明の磁気記録媒体ではカー
ボン膜のような接着層を設けるため、プラズマ処理また
は紫外線照射処理は、非磁性下地層のような金属膜を直
接成膜する場合に比べ低い出力または照射時間で行うこ
とが可能となる。また、カーボン膜はB/A値が高いほ
ど基板との接着が強くなるが、本発明の磁気記録媒体で
は、プラズマ処理または紫外線照射処理を高分子樹脂基
板上に施すため、表面処理をしない場合のB/A値の下
限6に比べB/A値の下限を3にまで下げることが可能
となる。さらに、カーボン膜のような接着層を設ける場
合、従来ではB/A値を6とするためにカーボン膜中に
水素を添加する必要があったが、本発明ではB/A値の
下限を3とすることができるので、膜膨れの原因となる
水素を使用しなくてすむ。
【0032】本発明の磁気記録媒体において、上記非磁
性下地層3、磁性層4、保護層5及び液体潤滑層6は、
従来から使用されている材料を使用することができる。
具体的には、非磁性下地層3は、例えばTiW、Ruよ
りなる下地層、Crよりなる下地層などであり、磁性層
4はCo合金、例えば強磁性合金であるCo−Cr−P
t、Co−Cr−Ta、またはSiO2を含むこれら金
属合金などであり、保護層5は、例えばカーボン保護
層、窒素を含むカーボン保護層などであり、更に液体潤
滑層6はパーフルオロポリエーテル系潤滑剤のようなフ
ッ素系潤滑剤等である。これらの層の厚さ等の値は通常
の磁気記録媒体で用いられる値である。
【0033】本発明の磁気記録媒体を図1により説明し
たが、この構造は一例であり、磁気記録媒体の目的に応
じて種々の変更が可能である。例えば、本発明では、下
地層上に中間層を設けてもよく、また、磁性層上に遮断
層を設けてもよい。これらの材料は、中間層としては、
例えばRu、Osや8、9、10/VIII族の窒化物
などを用いることができ、遮断層としては、Ti、Ti
W、WやAl、Ti、Ag、Cu、Ni、Co、Si、
Cr、Fe、Wの酸化物などを用いることができる。
【0034】また、形状は本発明の磁気記録媒体を使用
する機器に合わせることができ、特に限定されない。例
えば、HDDに使用されるような磁気記録媒体であれば
円盤状の記録媒体であればよい。
【0035】本発明の磁気記録媒体は、高温、高湿や低
温、低湿環境下に放置された場合であっても、膜膨れ現
象を完全に抑制することができる。
【0036】次に、第2の発明について説明する。
【0037】本発明の第2は、磁気記録媒体の製造方法
である。該製造方法は、高分子樹脂よりなる非磁性基板
に少なくとも接着層、非磁性下地層、磁性層、保護層お
よび液体潤滑層を順次積層する磁気記録媒体の製造方法
であって、(1)前記非磁性基板表面の接着性を高める
処理を施す工程と、(2)前記接着性を高めた非磁性基
板上に接着層を形成する工程と、(3)前記接着層上に
少なくとも非磁性下地層、磁性層、保護層、および液体
潤滑層を順次形成する工程とを具備することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法である。
【0038】本発明では、高分子樹脂基板を使用する
が、高分子樹脂基板は、所望の高分子樹脂を、例えば射
出成形法によりプラスチック製磁気記録媒体用基板に成
形することにり得ることができる。また、本発明の高分
子樹脂基板には、上記第1の発明で説明した材料を用い
ることができる。
【0039】本発明の第1の工程では、この高分子樹脂
基板の表面に接着性を高める処理を施す。接着性を高め
る処理としては、プラズマ処理、紫外線照射処理などが
好適である。プラズマ処理は、従来のプラズマ処理装
置、例えば真空室、プラズマ放電電極を含むプラズマ発
生手段、真空室内に被処理試料を保持する手段、真空室
内にプラズマ放電ガスを導入する手段などを備えた装置
を用いることができる。プラズマ処理は、例えば上記の
装置を用い、真空室内の被処理試料保持手段に保持され
た高分子樹脂基板に、プラズマ発生手段により発生され
たプラズマを作用させ、基板表面にプラズマ処理を行な
えばよい。この際、プラズマ放電ガスとしては、ヘリウ
ム、アルゴン、ネオン、窒素、酸素およびこれらの混合
気体などを用いることができるが、アルゴン、酸素、ア
ルゴンと酸素の混合気体をプラズマ放電ガスとして使用
することが好ましい。紫外線照射は、従来の紫外線照射
装置、例えば、適当な雰囲気下に被処理試料をおくこと
ができる容器、その容器内に設置された紫外線ランプ、
被処理試料保持手段、所望の雰囲気とするためのガス導
入手段を備えた装置を用いることができる。紫外線照射
処理は、上記のような装置に高分子樹脂基板を保持し、
所望の出力および雰囲気下で高分子樹脂基板に紫外線を
照射すればよい。本発明では、紫外線照射時の雰囲気と
して、空気、アルゴン、窒素、酸素、およびこれらの混
合気体などを用いることができるが、窒素、酸素、窒素
と酸素(空気を含む)の混合気体を用いることが好まし
い。
【0040】接着性を高めるための処理において、処理
の時間、出力などの諸条件は、高分子樹脂基板の表面の
カルボニル基の濃度が、X線光電子分光法による測定
で、0.1原子%から30原子%となるような条件を選
択することが好ましい。例えば、プラズマ処理の場合、
0.01kWから0.10kWの出力で、5から20秒
の処理時間を用いることが好ましい。また、紫外線照射
の場合、185nmと254nmの波長の紫外線で、
0.5分から30分の処理時間が好ましい。
【0041】本発明の磁気記録媒体ではカーボン膜のよ
うな接着層を設けるため、プラズマ処理または紫外線照
射処理は、非磁性下地層のような金属膜を直接成膜する
場合に比べ低い出力または照射時間で行うことが可能と
なる。
【0042】第2の工程は、接着性が高められた高分子
樹脂基板上に接着層を形成する工程である。接着層とし
ては、上記第1の発明で説明した材料を用いることがで
きる。カーボン膜を用いる場合、膜質はB/A値3以
上、好ましくは3から10、さらに好ましくは3であ
る。膜厚は0.5から10nm、より好ましくは1から
2nmが好ましい。接着層は、従来法により形成するこ
とができるが、例えばカーボン層を接着層として形成す
る場合、スパッタ法、CVD法、PVD法などを用いる
ことができる。スパッタ法を用いる場合、その条件とし
ては、例えば成膜の時の使用ガスはAr、Kr、Xe、
若しくはAr、Kr、Xeと水素の混合ガスとすること
が好ましい。特に、成膜の際のガス圧はB/A値を3と
する場合、5mTorr以上であることが好ましい。本
発明では、成膜の際のガス圧は、好ましくは5から70
mTorr、より好ましくは5から50mTorrであ
る。
【0043】本発明において、接着層としてカーボン膜
を成膜する場合、カーボン膜のB/A値は、その値が高
いほど接着性が高いことが知られているが、本発明の磁
気記録媒体の製造方法では、プラズマ処理または紫外線
照射処理を高分子樹脂基板上に予め施すため、表面処理
をしない従来の場合のB/A値の下限6に比べB/A値
の下限を3にまで下げることが可能となる。さらに、カ
ーボン膜のような接着層を設ける場合、従来ではB/A
値を6とするためにカーボン膜中に水素を添加する必要
があったが、本発明ではB/A値の下限を3とすること
ができるので、膜膨れの原因となる水素を使用しなくて
すむ。
【0044】第3の工程は、磁気記録を可能とする層構
造を積層する成膜工程である。この成膜工程は、例えば
図1に示す層構造の場合、接着層2上に非磁性下地層3
をコートし、その上に磁性層4及び保護層5を順次形成
する。この後、溶媒で希釈した潤滑剤を前記保護層5の
表面に塗布する。本発明では、前記非磁性下地層3はT
iW層であり、前記磁性層4はSiO2を含むCo−C
r−Pt合金層であることが好ましい。また、保護層5
がカーボン保護層である場合、通常のグラファイトを主
体としたカーボン保護層であってもDLC保護層であっ
てもよい。さらに、液体潤滑層6はパーフルオロポリエ
ーテル系潤滑剤のようなフッ素系潤滑剤等であることが
好ましい。
【0045】非磁性下地層3、磁性層4及び保護膜5
は、これらが例えばTiW非磁性下地層、SiO2を含
むCo−Cr−Pt合金層及びカーボン保護膜である場
合、スパッタ法によって形成することができる。また、
潤滑層6は、ディップコート法、スピンコート法等によ
り塗布することができる。
【0046】これらの非磁性下地層3、磁性層4、保護
層5及び潤滑層5の厚さは通常の磁気記録媒体で用いら
れる厚さである。
【0047】なお、上記の構成は本発明を限定するもの
ではない。例えば、本発明では、下地層上に中間層を設
けてもよく、また、磁性層上に遮断層を設けてもよい。
これらの材料は、中間層としては、例えばRu、Osや
8、9、10/VIII族の窒化物などを用いることが
でき、遮断層としては、Ti、TiW、WやAl、T
i、Ag、Cu、Ni、Co、Si、Cr、Fe、Wの
酸化物などを用いることができる。また、これらは、ス
パッタ法、CVD法、PVD法等により成膜することが
できる。
【0048】本発明の第3は、上記第1の発明に係る磁
気録媒体を搭載した磁気記録装置である。このような磁
気記録装置としては、コンピュータの外部記憶装置であ
るハードディスクのような記録装置などがある。また、
磁気記録媒体を備えた画像記憶処理装置などをあげるこ
とができる。具体的には、ビデオレコーダやそのキャッ
シュメモリーのようなものがある。またデジタル家電の
画像処理装置や記録装置を含めた画像記録装置なども含
まれる(例えば、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話
等)。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0050】磁気記録媒体の製造 高分子樹脂基板としてポリオレフィン(日本ゼオン社
製、ゼオネックス)を用い、以下の実施例1から3に示
す条件で、この基板上にプラズマ処理または紫外線照射
処理を施した。得られた基板上に、接着層としてカーボ
ン膜をスパッタ法により成膜した。カーボン膜のB/A
値およびスパッタの際のガス圧は実施例1から3に示し
たとおりである(スパッタ法のその他の条件;使用ガス
の種類:B/A=3はアルゴンガス100%、B/A=
6.5はアルゴン+水素(25%)ガス、B/A=9は
アルゴン+水素(50%)ガスを使用)。さらに、カー
ボン膜上にTiW下地層、Ru中間層、SiO2を含む
CoCrPt磁性層、Ti遮断層、窒素を含むカーボン
保護層をスパッタ法により順次積層し、パーフルオロポ
リエーテル系潤滑剤をスピンコート法により塗布した。
【0051】磁気記録媒体の環境試験および膜膨れの評
価 上記のようにして得られた磁気記録媒体を、温度80℃
湿度80%の恒温槽内に96時間放置し、次いで磁気記
録媒体を取り出すことなく、恒温槽を温度−40℃湿度
0%の条件にし、8時間放置した。その後、恒温槽内の
条件を温度25℃湿度25%にし、磁気記録媒体を取り
出した。この磁気記録媒体の表面を光学顕微鏡により観
測し、膜膨れの発生の有無を確認した。
【0052】実施例1 接着層としてのカーボン膜の条件をB/A値=3、膜厚
=1nmに固定し、プラズマ照射の出力を0.01kW
から0.10kWまで変化させた場合の膜膨れの発生に
ついて試験した。対照として、プラズマ照射処理および
カーボン膜(接着層)の成膜を行わなかった磁気記録媒
体を試験した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】プラズマ照射の出力を0.01kWから
0.10kWまで変化させた場合の高分子樹脂基板表面
のカルボン酸濃度は0.1at%から11.3at%で
あった。このカルボン酸濃度の範囲では膜膨れは発生し
なかった。
【0055】また、0.10kW以上の出力について
は、高分子樹脂基板の表面が荒れる現象が起こり、電磁
変換特性が悪くなることが明らかになっている。このた
め、この試験の対象外とした。
【0056】実施例2 接着層としてのカーボン膜の条件をB/A値=3、膜厚
=1nmに固定し、185nmと254nmの波長の紫
外線ランプを用い、紫外線照射の時間を0.5分から3
0分まで変化させて膜膨れの発生について試験した。結
果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】紫外線照射時間を0.5から30分まで変
化させた場合の高分子樹脂基板表面のカルボン酸濃度は
0.7at%から24.6at%であった。このカルボ
ン酸濃度の範囲では膜膨れは発生しなかった。但し、紫
外線照射時間が30分の場合、膜膨れは発生しなかった
が、基板表面の荒れが観測された。
【0059】実施例3 プラズマ照射の出力を0.01kWに、また接着層とし
てのカーボン膜の厚さを1nmに固定し、カーボン膜の
B/A値3から9まで変化させ、さらにカーボン膜のス
パッタ法による成膜の際のガス圧を2から70mTor
rまで変化させて膜膨れの発生を試験した。結果を表3
に示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3に示されるように、成膜圧力が2mT
orrの場合を除いて、膜膨れは発生しなかった。表3
の結果から、B/A値を3とする場合、スパッタ法の成
膜圧力は5mTorr以上が好ましいことがわかる。
【0062】上記実施例1から3の結果から、プラズマ
処理の出力を高くする必要がないこと、そして紫外線照
射処理の処理時間を短縮することが可能であることがわ
かる。また、これらの処理条件の結果として、高分子樹
脂基板表面のカルボン酸の量が0.1原子%(at%)
から30原子%(at%)であることが好ましい。この
ことから、本発明の磁気記録媒体、その製造方法等にお
けるプラズマ処理または紫外線処理の処理条件の目安と
して、上記値の範囲内となるようにこれらの処理をすれ
ばよい。
【0063】また、本発明においては高分子樹脂基板表
面上にカーボン膜のような接着層を設けるため、プラズ
マ処理または紫外線照射処理は、金属膜(例えば非磁性
下地層)を直接高分子樹脂基板上に形成する場合と比べ
低い出力または照射時間で行うことが可能となる。
【0064】さらに、本発明において、接着層としてカ
ーボン膜を成膜する場合、カーボン膜のB/A値は、そ
の値が高いほど接着性が高いことが知られているが、本
発明の磁気記録媒体の製造方法では、プラズマ処理また
は紫外線照射処理を高分子樹脂基板上に予め施すため、
表面処理をしない従来の場合のB/A値の下限6に比べ
B/A値の下限を3にまで下げることが可能となる。さ
らに、カーボン膜のような接着層を設ける場合、従来で
はB/A値を6とするためにカーボン膜中に水素を添加
する必要があったが、本発明ではB/A値の下限を3と
することができるので、膜膨れの原因となる水素を使用
しなくてすむ。
【0065】
【発明の効果】上述の通り、接着力を高める処理として
プラズマまたは紫外線照射を行い、高分子樹脂基板の接
着力を強化した後、B/A値の高いカーボン膜を高圧で
成膜することで、デジタル家電製品に求められる環境下
においても膜膨れの起こらない磁気記録媒体を提供する
ことができる。
【0066】本発明の磁気記録媒体の製造方法では、接
着性を高める処理により基板表面が活性化されることに
より接着性の高い接着層を導入する必要がなくなる。例
えば、カーボン膜を接着層として用いる場合、B/A値
の低い(すなわち、水素を含まない)カーボン膜を成膜
することが可能となる。また、接着層を介在させること
により、高分子樹脂基板表面の接着性を高める処理を穏
和な条件で行うことができる。従って、高分子樹脂基
板、接着層、非磁性下地層の界面で水が凝集しにくくな
り、かつ、膜膨れの原因物質である樹脂劣化物や炭化水
素成分の少ない基板表面を持った高分子樹脂基板が提供
できる。さらにこの結果として、膜膨れの起こりにくい
磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施形態を表す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 接着層 3 非磁性下地層 4 磁性層 5 保護層 6 液体潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝澤 直樹 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 CB07 CB08 EA03 FA02 FA03 5D112 AA02 AA03 BA01 BD02 GA02 GA19 GA22 JJ06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも非磁性下地
    層、磁性層、保護層および液体潤滑層が積層された磁気
    記録媒体において、前記非磁性基板が高分子樹脂基板で
    あり、前記高分子樹脂基板に接着性を高める処理を施
    し、さらに前記高分子樹脂基板と前記非磁性下地層との
    間に接着層を設けたことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記接着性を高める処理が、プラズマ処
    理または紫外線照射処理であることを特徴とする請求項
    1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ照射処理または前記紫外線
    照射処理を行った後の高分子樹脂基板の表面のカルボニ
    ル基の濃度が、X線光電子分光法による測定で、0.1
    原子%から30原子%であることを特徴とする請求項2
    に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ処理において、アルゴン、
    酸素、またはアルゴンと酸素の混合気体をプラズマ放電
    ガスとして使用することを特徴とする請求項2に記載の
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記紫外線照射処理において、窒素、酸
    素、または窒素と酸素の混合気体を存在させて紫外線を
    基板に照射することを特徴とする請求項2に記載の磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記接着層が、少なくとも炭素を含む膜
    であること特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記の少なくとも炭素を含む膜が、ラマ
    ン分光法の測定により算出されるB/A値の3以上を有
    することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記の少なくとも炭素を含む膜が、スパ
    ッタ法により形成され、該スパッタ法で用いられるガス
    のガス圧が5mTorr以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 高分子樹脂よりなる非磁性基板に少なく
    とも接着層、非磁性下地層、磁性層、保護層および液体
    潤滑層を順次積層する磁気記録媒体の製造方法におい
    て、 (1)前記非磁性基板表面の接着性を高める処理を施す
    工程と、 (2)前記接着性を高めた非磁性基板上に接着層を形成
    する工程と、 (3)前記接着層上に少なくとも非磁性下地層、磁性
    層、保護層、および液体潤滑層を順次形成する工程とを
    具備することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記非磁性基板上面の接着性を高める
    処理が、プラズマ処理または紫外線照射処理であること
    を特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記プラズマ照射処理または前記紫外
    線照射処理により、高分子樹脂基板の表面のカルボニル
    基の濃度が、X線光電子分光法による測定で、0.1原
    子%から30原子%となることを特徴とする請求項10
    に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記プラズマ処理において、アルゴ
    ン、酸素、またはアルゴンと酸素の混合気体をプラズマ
    放電ガスとして使用することを特徴とする請求項10に
    記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記紫外線照射処理において、窒素、
    酸素、または窒素と酸素の混合気体を存在させて紫外線
    を基板に照射することを特徴とする請求項10に記載の
    磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記接着層が、少なくとも炭素を含む
    膜であること特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記の少なくとも炭素を含む膜が、ラ
    マン分光法の測定により算出されるB/A値の3以上を
    有する膜であることを特徴とする請求項14に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記接着層の形成工程が、スパッタ法
    であり、該スパッタ法で用いられるガスのガス圧が5m
    Torr以上であることを特徴とする請求項15に記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から8のいずれかに記載の磁
    気記録媒体を搭載した磁気記録装置。
JP2001380403A 2001-12-13 2001-12-13 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置 Pending JP2003187418A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380403A JP2003187418A (ja) 2001-12-13 2001-12-13 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置
SG200207473A SG121750A1 (en) 2001-12-13 2002-12-09 Magnetic recording medium, the method of manufacturing the same, and the magnetic storage using the magnetic recording medium
MYPI20024625A MY135164A (en) 2001-12-13 2002-12-11 Magnetic recording medium, the method of manufacturing the same, and the magnetic storage using the magnetic recording medium
US10/318,280 US6946166B2 (en) 2001-12-13 2002-12-12 Magnetic recording medium, a method of manufacturing the same, and a magnetic storage device using the magnetic recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380403A JP2003187418A (ja) 2001-12-13 2001-12-13 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003187418A true JP2003187418A (ja) 2003-07-04

Family

ID=19187161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001380403A Pending JP2003187418A (ja) 2001-12-13 2001-12-13 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6946166B2 (ja)
JP (1) JP2003187418A (ja)
MY (1) MY135164A (ja)
SG (1) SG121750A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020141135A (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 学校法人近畿大学 フレキシブルセラミックス素子およびその製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4247535B2 (ja) * 2003-11-11 2009-04-02 Hoya株式会社 ロードアンロード方式用磁気ディスク、ロードアンロード方式用磁気ディスクの製造方法及びロードアンロード方式用磁気ディスクの評価方法
JP4424015B2 (ja) * 2004-03-09 2010-03-03 富士電機デバイステクノロジー株式会社 磁気記録媒体の製造方法
EP2114714B1 (en) * 2007-02-09 2013-10-23 A123 Systems, Inc. Control system and hybrid vehicles with reconfigurable multi-function power converter
JP5724746B2 (ja) * 2011-08-16 2015-05-27 富士電機株式会社 複数の磁気記録媒体をuv処理する方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56156932A (en) * 1980-05-08 1981-12-03 Nec Corp Production of magnetic storage medium
JPS60101715A (ja) * 1983-11-05 1985-06-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 磁気デイスク媒体
US4529659A (en) * 1983-11-05 1985-07-16 Nippon Telegraph & Telephone Public Corporation Magnetic recording member and process for manufacturing the same
US4707380A (en) * 1985-02-04 1987-11-17 Fuji Photo Film Co., Ltd. Process for preparing a magnetic recording medium
JPS6280826A (ja) * 1985-10-04 1987-04-14 Sony Corp 磁気デイスク
JPH0724098B2 (ja) * 1985-12-03 1995-03-15 ソニー株式会社 垂直磁気記録媒体
JPS6437715A (en) * 1987-07-31 1989-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd Magnetic recording medium
JPS6476525A (en) * 1987-09-18 1989-03-22 Hitachi Maxell Magnetic recording medium
JPH03207012A (ja) 1990-01-09 1991-09-10 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH05189742A (ja) * 1992-01-10 1993-07-30 Sony Corp 磁気記録媒体及びその製造方法
US5723033A (en) * 1995-09-06 1998-03-03 Akashic Memories Corporation Discrete track media produced by underlayer laser ablation
JP2000063548A (ja) 1998-08-25 2000-02-29 Konica Corp プラスティック支持体の表面処理方法、磁気記録媒体及びハロゲン化銀写真感光材料
DE10011275A1 (de) * 2000-03-08 2001-09-13 Wolff Walsrode Ag Verfahren zur Oberflächenaktivierung bahnförmiger Werkstoffe

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020141135A (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 学校法人近畿大学 フレキシブルセラミックス素子およびその製造方法
JP7378133B2 (ja) 2019-02-25 2023-11-13 学校法人近畿大学 フレキシブルセラミックス素子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6946166B2 (en) 2005-09-20
SG121750A1 (en) 2006-05-26
MY135164A (en) 2008-02-29
US20030134155A1 (en) 2003-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5360894B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US20100079901A1 (en) Production method for magnetic recording media and magnetic recording and reproducing apparatus
US6913780B2 (en) Magnetic recording medium, and method for producing and inspecting the same
JP2003187418A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法、並びに該磁気記録媒体を使用する磁気記録装置
US8334028B2 (en) Method of forming a protective film
US6589669B2 (en) Magnetic recording medium and manufacturing method for the same
JP3965404B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP3755765B2 (ja) 磁気ディスクの製造方法
US20080310050A1 (en) Magnetic Recording Medium and Production Process Thereof
JPH0223926B2 (ja)
CN112102852B (zh) 磁记录介质的制造方法
WO2015122847A1 (en) An improved magnetic recording medium
JP2002050032A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法およびその検査方法
JP2008052833A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2663881B2 (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法
JP2004234746A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2003331416A (ja) 磁気記録媒体
JP2655587B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその製造方法
JP2004152462A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2001216627A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2006018997A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPS63153750A (ja) 光磁気媒体
JPH0449522A (ja) 磁気デイスク、その製造方法およびその製造装置
JP2003077119A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2011118985A (ja) 磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061117