JP2003185928A - 照明装置及び該装置を備えた蛍光顕微鏡 - Google Patents

照明装置及び該装置を備えた蛍光顕微鏡

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JP2003185928A
JP2003185928A JP2001388075A JP2001388075A JP2003185928A JP 2003185928 A JP2003185928 A JP 2003185928A JP 2001388075 A JP2001388075 A JP 2001388075A JP 2001388075 A JP2001388075 A JP 2001388075A JP 2003185928 A JP2003185928 A JP 2003185928A
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illumination
light
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Takayuki Suga
隆之 菅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料面の広い領域を照明する面照明と試料面の
微小な領域を照明する集光照明とを簡便かつ速やかに切
り替えることができる照明装置、及び該装置を備えた蛍
光顕微鏡を提供する。 【解決手段】光源1と、光源1からの光を略平行光束に
変換する変換光学系9と、略平行光束を対物レンズ16
の瞳16p位置近傍に集光する集光光学系10とを有
し、集光光学系10は、光路内に挿脱可能である照明装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は照明装置に関し、
特に、試料に光を照射する顕微鏡照明装置及び該装置を
備えた蛍光顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡観察において試料を照明する場
合、特にレーザ光を用いて落射照明を行う場合、以下の
二種類の照明方法がある。
【0003】一つは、平行光にて試料面の広い領域を照
明する(以下、「面照明」という)方法である。面照明
方法において、光源(レーザ)から射出されたレーザ光
は、変換光学系によって平行光に変換される。そしてこ
の平行光は、集光光学系によって顕微鏡の対物レンズの
瞳位置に集光される。これにより、対物レンズを射出す
る光は平行光となり、試料面の広い領域を照明すること
ができる。斯かる面照明方法は、試料面の広い領域を一
度に励起することができるため、主に落射蛍光観察に用
いられる。また、全反射蛍光顕微鏡による観察において
も、エバネセント波を試料に照射して、細胞膜近傍を選
択的に観察する場合やガラス上に分散した単分子を検出
する場合等に用いられる。
【0004】もう一つは、集光光にて試料面の微小な領
域を照明する(以下、「集光照明」という)方法であ
る。集光照明方法において、光源(レーザ)から射出さ
れたレーザ光は、変換光学系によって平行光に変換され
る。そしてこの平行光は、そのまま顕微鏡の対物レンズ
に入射する。これにより、無限遠補正光学系の場合対物
レンズを射出する光は試料面上に集光し、該試料面の微
小な領域を照明することができる。斯かる集光照明方法
は、主にケイジド試薬の分解、蛍光退色回復法(FRA
P:Fluorescence Recovery After Photobleaching)に
よる測定、及び蛍光相関分光法(FCS:Fluorescence
Correlation Spectroscopy)による測定等に用いられ
る。
【0005】次に、蛍光退色回復法による測定と蛍光相
関分光法による測定について簡単に説明する。蛍光退色
回復法による測定は、蛍光を利用した測定方法の一つで
あり、蛋白質や核酸等の様々な物質の結合、解離、及び
構造変化等を評価する方法である。蛍光退色回復法によ
る測定では、励起光を試料面の微小な領域に絞り込んで
照射し、照射領域内の蛍光色素を退色させる。この蛍光
色素の退色によって照射領域の蛍光の強度(蛍光強度)
は低下する。分子の拡散により照射領域の周囲にある退
色していない蛍光色素は、照射領域即ち蛍光色素の退色
した領域内へ並進運動によって移動する。この蛍光色素
が照射領域内へ移動することによって照射領域の蛍光強
度が回復(上昇)する。この蛍光強度の回復(上昇)を
測定することによって蛍光色素の並進運動による移動の
様子を観察する。従って、蛍光色素の並進運動による移
動の速度が速ければ、蛍光強度の回復は速い。一方、蛍
光色素の並進運動による移動の速度が遅ければ、蛍光強
度の回復は遅い。この蛍光色素の並進運動による移動の
速度は、分子の形状や大きさに影響される。このため、
蛍光退色回復法によって観察をすることによって、分子
間の結合や解離等に伴う大きさや形状の変化を検出する
ことができる。
【0006】蛍光相関分光法による測定も、蛍光を利用
した測定方法の一つであり、分子の並進運動の速さを評
価する方法である。蛍光相関分光法による測定では、励
起光を試料面の微小な領域に絞り込んで照射する。そし
て、照射領域内の蛍光色素と照射領域外の蛍光色素とが
照射領域内へ出入りすることによって、照射領域中にあ
る蛍光色素の数が増減する。この蛍光色素の数の増減に
起因して蛍光に揺らぎが生じる(蛍光強度が変化す
る)。この蛍光の揺らぎを検出し、該蛍光の揺らぎの自
己相関関数を計算することによって分子の並進運動の速
さを測定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
面照明と集光照明とを切り替えて使用する必要がある場
合には、照明装置自体、即ち面照明を行う照明装置と集
光照明を行う照明装置とを交換しなければならない。ま
た、照明装置の交換に伴って光学系の調整が必要とな
る。このため、照明装置の交換や光学系の調整等の作業
に時間を要することとなり、速やかに照明領域を変更し
て測定を再開することはできないという問題がある。面
照明方法において、光路中に視野絞りを配置し、該視野
絞りの視野を絞ることによって照明領域を小さくする構
成とすることも可能である。しかしながら、照明領域を
小さくしても単位面積当たりの照明光の強度は一定であ
るため、視野を絞るにしたがって照明光の光量は小さく
なるという問題がある。
【0008】例えば蛍光退色回復法を用いて細胞を観察
する場合、上述のように細胞中の特定の微小な領域にあ
る蛍光色素を退色させる。その後、この微小な領域の時
間の経過に伴う蛍光強度の回復を測定する。ここで蛍光
色素の退色は、集光照明によって特定の微小な領域に強
い光を照射することによって行うことが望ましい。また
蛍光色素を退色させる領域は、細胞全体の蛍光を観察
(検出)した上で特定することが望ましい。この細胞全
体の蛍光観察は、面照明によって細胞全体を照明して行
うことが望ましい。さらに細胞全体の蛍光観察は、蛍光
色素の退色に用いる光源の光と同じ光源の光を用いるこ
とが好ましい。しかしながら、細胞全体の蛍光観察のた
めに面照明によって細胞全体を励起した後、速やかに集
光照明によって微小な領域へ照明領域を切り替えること
は困難である。また、例えば蛍光相関分光法を用いて細
胞を観察する場合も同様に照明領域を切り替える必要が
ある。
【0009】そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされ
たものであり、試料面の広い領域を照明する面照明と試
料面の微小な領域を照明する集光照明とを簡便かつ速や
かに切り替えることができる照明装置及び該装置を備え
た蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明は、光源と、前記光源からの光
を略平行光束に変換する変換光学系と、前記略平行光束
を対物レンズの瞳位置近傍に集光する集光光学系とを有
し、前記集光光学系は、光路内に挿脱可能であることを
特徴とする照明装置を提供する。ここで上記対物レンズ
の瞳位置近傍には、対物レンズの瞳位置の近傍のみでな
く、対物レンズの瞳位置そのものも含まれる。
【0011】また、請求項2に記載の照明装置は、請求
項1に記載の照明装置において、前記光源は、レーザで
あることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の蛍光顕微鏡は、請
求項1又は請求項2に記載の照明装置を備えたことを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態に係る
照明装置を備えた顕微鏡について添付図面に基づいて説
明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係る
照明装置を備えた蛍光顕微鏡を示す概略構成図である。
図1において光源1は、試料17を照明して該試料17
中の蛍光色素を励起するための励起光を射出するレーザ
である。ここで、光源1には用途によって様々な光源が
用いられる。例えば、光源1としてチタンサファイアー
レーザ、チタンサファイアーレーザの第二高調波、アル
ゴンイオンレーザ、YAGレーザ、YAGレーザの第二
高調波、半導体レーザ、色素レーザ、He−Neレーザ
等の各種レーザや、水銀ランプ、キセノンランプ等の各
種ランプが用いられる。
【0014】光源1から射出された光は、光強度調節部
2を介して照射時間制御部3へ入射する。光強度調節部
2は試料17を照射する光の強度を調節するものであ
る。ここで、光強度調節部2には音響光学変調器(AO
M:Acoustooptic modulators)、ポッケルスセル(Poc
kels Cell)、NDフィルタ等が用いられる。照射時間
制御部3は照射時間を制御するものであり、本実施形態
では該照射時間制御部3として機械式のシャッタが配置
されている。しかし照射時間制御部3は機械式のシャッ
タに限られるものでなく、照射時間を制御できるもので
あればよい。さらに、照射時間制御部3の配置場所は図
示した場所に限られるものでなく、照明装置13内の光
路内であればよい。
【0015】照射時間制御部3を射出した光は、光導入
部4へ入射する。光導入部4は、集光レンズ5と、光フ
ァイバー6と、接続部7とから構成される。光導入部4
へ入射した光は、集光レンズ5によって光ファイバー6
の端面6aに集光されて光ファイバー6に導入される。
光ファイバー6に導入された光は、接続部7を介して照
明光学系8に導かれる。ここで、光ファイバー6の種類
について特に制限はないが、シングルモードファイバー
が好適である。また、接続部7として、例えばFCコネ
クタが使用される。尚、光導入部4は以上の構成に限ら
れるものでなく、光ファイバー6を介さずに光源1から
射出した光を直接、もしくはミラー等を介して照明光学
系8に導入する構成としてもよい。
【0016】照明光学系8は、変換光学系9とホルダー
12とから構成される。また、ホルダー12は集光光学
系10と開口11とを有する。集光光学系10は、変換
光学系9からの光を顕微鏡本体14内の対物レンズ16
の瞳位置16pに集光させるものである。ここで、この
集光光学系10による集光位置はこれに限られるもので
なく、顕微鏡本体14内の対物レンズ16の瞳位置16
p近傍であってもよい。また開口11は、変換光学系9
からの光をそのまま素通しするものである。
【0017】さらに、ホルダー12は光軸に対して垂直
な方向にスライド可能に構成されている。このため、ホ
ルダー12をスライドさせることによって、集光光学系
12に替えて開口11を光路内へ挿入することができ
る。斯かる構成により、集光光学系12を光路内に挿入
した状態と開口11を光路内に挿入した状態とを切り替
えることができる。尚、ホルダー12の構成はこのよう
なスライドするものに限られず、集光光学系10を有す
るホルダー自体を照明装置13の光路内へ挿脱する構成
としてもよい。また、回転式でもよい。尚、ここでは図
示のように集光光学系12を光路内へ挿入した場合の構
成について説明し、開口11を光路内に挿入した場合の
構成については後述する。
【0018】上述のように、光ファイバー6に導入され
た光は接続部7を介して照明光学系8に導かれる。詳細
には、光ファイバー6(接続部7)を射出した光は、あ
る角度範囲へ広がりつつ照明光学系8内の変換光学系9
へ入射する。変換光学系9へ入射した光は、該変換光学
系9によってその径を任意の大きさに広げられ、平行光
として射出される。この平行光は集光光学系10へ入射
する。そしてこの平行光は、該集光光学系10によっ
て、顕微鏡本体14内の対物レンズ16の瞳位置16p
に集光するように射出される。
【0019】集光光学系10を射出した光は、照明装置
13を射出して顕微鏡本体14へ入射する。顕微鏡本体
14へ入射した光は、ダイクロイックミラー15によっ
て反射され、対物レンズ16へ入射する。対物レンズ1
6に入射した光は、該対物レンズ16の瞳位置16pに
集光する。そしてこの光は、平行光となって対物レンズ
16を射出し、試料17へ入射する。以上のような構成
によって、試料17面の所定の領域に励起光が照射され
る、即ち面照明が行われる。ここで、対物レンズ16を
射出する平行光の光束の直径は、集光光学系10から射
出される光の開口数に依存する。従って、集光光学系1
0から射出される光の開口数が大きくなるにつれて、平
行光の光束の直径は大きくなる。即ち、集光光学系10
から射出される光の開口数が大きくなるにつれて、試料
17の照明される領域が大きくなる。
【0020】そして、試料17の任意の領域に励起光が
照射されることにより、この領域中の蛍光色素は励起さ
れる。これにより、試料17の励起光が照射された領域
は蛍光を発する。試料17から射出された蛍光は、対物
レンズ16によって集光されて、ダイクロイックミラー
15へ入射する。ダイクロイックミラー15を透過した
蛍光は、エミッションフィルタ18に入射し、該エミッ
ションフィルタ18によって蛍光に含まれている漏れ光
等の不要な光が除去される。エミッションフィルタ18
を射出した蛍光は、結像レンズ19とミラー20を経由
した後、顕微鏡本体14を射出する。顕微鏡本体14を
射出した蛍光は、不図示の観察部へ入射し、該観察部に
て観察される。観察部において、例えば接眼レンズによ
る目視観察、CCDカメラ等の二次元光検出器による撮
像、光電子像倍管等の一次元光検出器による光強度の測
定等が行われる。
【0021】次に、開口11を光路内に挿入した場合の
構成について説明する。開口11を光路内に挿入したと
き、変換光学系9からの平行光は該開口11をそのまま
素通りした後、照明装置13を射出して顕微鏡本体14
へ入射する。顕微鏡本体14へ入射した光は、ダイクロ
イックミラー15によって反射され、対物レンズ16へ
入射する。対物レンズ16に入射した平行光は、該対物
レンズ16によって試料17面上に集光される。以上の
ような構成によって、試料17の微小な領域に励起光が
照射される、即ち集光照明が行われる。尚、上述のよう
に本実施形態では光源1としてレーザを用いているが、
光源1としてランプを用いた場合、ランプの像はある程
度の大きさを有し、このランプの像が試料17上に投影
されることとなるため、光源1としてレーザを用いた場
合よりも照射領域は大きくなる。試料17の微小な領域
に励起光が照射されることにより、この領域中の蛍光色
素は励起される。これにより、試料17の励起光が照射
された領域は蛍光を発する。試料17から射出した蛍光
は、上述の集光光学系10を光路内に挿入した場合の蛍
光と同様に、試料17側から順に、対物レンズ16と、
ダイクロイックミラー15と、エミッションフィルタ1
8と、結像レンズ19と、ミラー20とを経由した後、
不図示の観察部にて観察される。
【0022】以上のように、本実施形態に係る照明装置
を備えた蛍光顕微鏡では、ホルダー12をスライドさせ
ることによって集光光学系10を光路内に挿入した場
合、面照明を行うことができる。また、ホルダー12を
スライドさせることによって開口11を光路内に挿入し
た場合、集光照明を行うことができる。斯かる構成によ
って本実施形態に係る照明装置を備えた蛍光顕微鏡は、
ホルダー12をスライドさせるだけで面照明と集光照明
とを速やかに切り替えることができる。また、本実施形
態に係る照明装置を備えた蛍光顕微鏡では、光源1とし
てレーザを用いていることによって、集光照明を行う場
合に試料17の極めて微小な領域に励起光を照射するこ
とができる。
【0023】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態に係る蛍光退色測定装置を示す概略構成図であ
る。本実施形態に係る蛍光退色測定装置は、上記第1実
施形態に係る照明装置を備えた蛍光顕微鏡を用いて、蛍
光退色回復法による観察を行うものである。以下、上記
第1実施形態に係る照明装置を備えた蛍光顕微鏡と同様
の構成である部分には同じ符号を付して重複する説明を
省略し、特徴的な部分について詳細に説明する。
【0024】本実施形態に係る蛍光退色測定装置は測定
部21を備える構成である。測定部21は、ミラー22
と、二次元光検出器23と、一次元光検出器24と、コ
ンピュータ25とから構成される。試料17から発生
し、顕微鏡本体14を射出した蛍光は、測定部21へ入
射する。測定部21に入射した蛍光は、ミラー22を介
して二次元光検出器23と一次元光検出器24とに入射
する。そして二次元光検出器23は、蛍光を撮像して試
料17中の蛍光物質の分布状態を検出する。また一次元
光検出器24は、時間経過による蛍光の強度の変化を検
出する。コンピュータ25は、二次元光検出器23と一
次元光検出器24の出力を不図示のADコンバータを介
して取り込む。そしてコンピュータ25は、取り込んだ
情報を解析して試料17中の分子の状態を検出する。
尚、二次元光検出器23としては、冷却CCDカメラ、
CCDカメラ、光増幅器付きCCDカメラ(ICCDカ
メラ)、SITカメラ等が使用される。また、一次元光
検出器24としては、光電子像倍管、フォトダイオー
ド、アバランシェホトダイオード等が使用される。
【0025】以下に、本実施形態に係る蛍光退色測定装
置を用いて蛍光退色回復法による観察を行う際の手順に
ついて説明する。 (測定手順) (1)光路内へ集光光学系10を挿入して面照明を行
う。これにより、試料17面の広い領域が励起される。
そして試料17から蛍光が射出される。 (2)二次元光検出器23によって、試料17から射出
された蛍光を撮像し、試料17中の蛍光物質の分布状態
を検出する。蛍光物質の分布状態を検出(把握)するこ
とによって、分子の状態を検出する領域、即ち蛍光色素
を退色させて蛍光強度が回復する様子を観察する微小な
領域(以下、「測定スポット」という)を特定すること
ができる。尚、蛍光物質の分布状態の把握は、二次元光
検出器23を用いずに、接眼レンズによる目視観察で行
ってもよい。 (3)測定スポットを特定し、測定スポットが照明領域
の中央に位置するように試料17を移動させる。 (4)照射時間制御部3によって照明光を遮断する。 (5)照明光を遮断したままで光路内へ開口11を挿入
し、集光照明に切り替える。 (6)照射時間制御部3によって所定の時間だけ試料1
7を集光照明する。従って、数mW〜数百mWの励起光
が測定スポットに所定の時間だけ照射されることとな
る。この集光照明により、測定スポット中の蛍光色素の
大部分が退色するため測定スポットの蛍光強度は、測定
スポットの周囲の蛍光強度よりも低くなる。 (7)光路内へ開口11を挿入したまま、即ち集光照明
のままで光強度調節部2によって励起光の強度を1/1
000〜1/10000程度に減光する。 (8)照射時間制御部3によって照明光の遮断を解除
し、減光した励起光によって測定スポットを集光照明す
る。 (9)一次元光検出器24によって、測定スポットを射
出した蛍光の時間経過による強度の変化を検出する。測
定スポットの周囲にある退色していない蛍光色素が、色
素自身の並進運動によって測定スポット内へ移動する。
この退色していない蛍光色素の測定スポット内への移動
によって、測定スポットの蛍光強度は上昇(回復)す
る。そして最終的に測定スポットの蛍光強度は、退色さ
せる前の蛍光強度に近い値まで回復する。この蛍光強度
の回復を検出する際に通常の励起光を照明光として用い
る場合、蛍光色素の退色が起こってしまうために蛍光強
度の回復を検出することができない。このため手順
(7)において、蛍光色素の退色が起こらない程度に照
明光を著しく減光して、蛍光強度の回復を検出するため
の照明光としている。 (10)コンピュータ25によって、一次元光検出器2
4の検出結果から蛍光回復の時定数を解析し、測定スポ
ット内の分子の状態を検出する。
【0026】以上より本実施形態に係る蛍光退色測定装
置では、面照明と集光照明とを切り替えることができ
る。このため、同じ波長の励起光を射出する同じ光源を
用いて試料の励起と観察とを行うことができる。また、
面照明によって測定スポットを特定した後、速やかに集
光照明によって蛍光色素を退色させ、蛍光強度の回復を
測定することができ、測定の効率が向上する。
【0027】(第3実施形態)図3は、本発明の第3実
施形態に係る蛍光相関分光測定装置を示す概略構成図で
ある。本実施形態に係る蛍光相関分光測定装置は、上記
第1実施形態に係る照明装置を備えた蛍光顕微鏡を用い
て、蛍光相関分光法による観察を行うものである。以
下、上記第1実施形態に係る照明装置を備えた蛍光顕微
鏡と同様の構成である部分には同じ符号を付して重複す
る説明を省略し、特徴的な部分について詳細に説明す
る。本実施形態に係る蛍光相関分光測定装置の測定部2
1は、ミラー22と、二次元光検出器23と、一次元光
検出器24と、コンピュータ25と、相関器26とから
構成される。相関器26は、後述する蛍光強度の揺らぎ
の自己相関関数を計算するものである。
【0028】以下に、本実施形態に係る蛍光相関分光測
定装置を用いて蛍光相関分光法による観察を行う際の手
順について説明する。 (測定手順) (1)光路内へ集光光学系10を挿入して面照明を行
う。これにより、試料17面の広い領域が励起される。
そして試料17から蛍光が射出される。 (2)二次元光検出器23によって、試料17から射出
された蛍光を撮像し、試料17中の蛍光物質の分布状態
を検出する。蛍光物質の分布状態を検出(把握)するこ
とによって、分子の状態を検出する領域、即ち蛍光の揺
らぎを測定して相関を求める領域(測定スポット)を特
定することができる。尚、蛍光物質の分布状態の把握
は、二次元光検出器23を用いずに、接眼レンズによる
目視観察で行ってもよい。 (3)測定スポットを特定し、測定スポットが照明領域
の中央に位置するように試料17を移動させる。 (4)照射時間制御部3によって照明光を遮断する。 (5)照明光を遮断したままで光路内へ開口11を挿入
し、集光照明に切り替える。 (6)照射時間制御部3によって所定の時間だけ試料1
7を集光照明する。従って、数μW〜数mWの励起光が
測定スポットにだけ照射されることとなる。 (7)一次元光検出器24によって、測定スポットを射
出した蛍光を検出する。 (8)コンピュータ25によって、一次元光検出器24
の検出結果から時間経過による蛍光強度の変化(蛍光の
揺らぎ)が測定され、記録される。測定スポット内の蛍
光色素と測定スポット外の蛍光色素は、自身の並進運動
によって測定スポットへ出入りする。このため時間の経
過に伴い、測定スポット内の蛍光色素の数が増減する。
そしてこの測定スポット内の蛍光色素の数の増減のた
め、蛍光は揺らぐことになる。 (9)相関器26によって、コンピュータ25において
測定された蛍光強度の変化に基づいて、蛍光の揺らぎの
自己相関関数が計算される。 (10)コンピュータ25によって、相関器26におい
て計算された自己相関関数に基づいて測定スポット内の
分子の状態が検出される。
【0029】以上より本実施形態に係る蛍光相関分光測
定装置では、面照明と集光照明とを切り替えることがで
きる。このため、同じ波長の励起光を射出する同じ光源
を用いて試料の励起と観察とを行うことができる。ま
た、面照明によって測定スポットを特定した後、速やか
に集光照明によって蛍光強度の揺らぎを測定することが
でき、測定の効率が向上する。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、試料面の広い領域を照
明する面照明と試料面の微小な領域を照明する集光照明
とを簡便かつ速やかに切り替えることができる照明装置
及び該装置を備えた蛍光顕微鏡を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置を備えた
蛍光顕微鏡を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る蛍光退色測定装置
を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る蛍光相関分光測定
装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】 1 光源 2 光強度調節部 3 照射時間制御部 4 光導入部 5 集光レンズ 6 光ファイバー 6a 端面 7 接続部 8 照明光学系 9 変換光学系 10 集光光学系 11 開口 12 ホルダー 13 照明装置 14 顕微鏡本体 15 ダイクロイックミラー 16 対物レンズ 16p 対物レンズの瞳 17 試料 18 エミッションフィルタ 19 結像レンズ 20 ミラー 21 測定部 22 ミラー 23 二次元光検出器 24 一次元光検出器 25 コンピュータ 26 相関器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、 前記光源からの光を略平行光束に変換する変換光学系
    と、 前記略平行光束を対物レンズの瞳位置近傍に集光する集
    光光学系とを有し、 前記集光光学系は、光路内に挿脱可能であることを特徴
    とする照明装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の照明装置において、 前記光源は、レーザであることを特徴とする照明装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の照明装置を
    備えたことを特徴とする蛍光顕微鏡。
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