JP2003183053A - ガラスの加工方法 - Google Patents

ガラスの加工方法

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JP2003183053A
JP2003183053A JP2001384681A JP2001384681A JP2003183053A JP 2003183053 A JP2003183053 A JP 2003183053A JP 2001384681 A JP2001384681 A JP 2001384681A JP 2001384681 A JP2001384681 A JP 2001384681A JP 2003183053 A JP2003183053 A JP 2003183053A
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laser
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laser light
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Takashi Yamate
貴志 山手
Hiroyuki Tamon
宏幸 多門
Shinji Nishikawa
晋司 西川
Hiroshi Kamimura
宏 上村
Kohei Sumino
広平 角野
Tomoko Akai
智子 赤井
Masaru Yamashita
勝 山下
Tetsuo Yazawa
哲夫 矢澤
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Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス基板にレーザ光を集光して照射すると、
レーザ光照射部には微細なクラックが発生し、該クラッ
クにより、例えば、精緻なフォトマスクパターンなどを
ガラス基板表面に加工できないという問題があった。 【解決手段】銀イオンを含有させたガラスにレーザ光を
走査し、表面を窪ませるガラスの加工方法。イオン交換
法により銀イオンを含有させたガラスにレーザ光を照射
すると、その表面が窪むことが判った。窪みと窪み周辺
には微細粒子の集合体のように見える膜が付着てしいる
が、研磨により容易に除去可能である。本発明の加工方
法はフォトマスクの製造に応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスにレーザ光
を絞って照射し該照射部を移動させて、即ち、レーザビ
ームを走査してレーザアブレーション加工することによ
り、ガラス表面を窪ませて微細加工するガラスの加工方
法に関する。本発明のガラスの加工方法はフォトマスク
の製造に応用できる。
【0002】
【従来の技術】フォトマスクは、例えば半導体集積回路
(以後、LSIと略する)または液晶ディスプレイ(以
後、LCDと略する)を製造する際に用いる、透明な基
板の上に電子回路のパターンまたはブラックマトリック
スを遮光性の材料で形成した部品であり原版となるもの
である。透明基板は、LSIの場合、シリコンウェハを
用い、LCDの場合、ガラス基板を用いる。
【0003】フォトマスクは、パターンデータを加工装
置により、パターンとして透明基板上に加工することに
よって得られる。加工装置の主なものとして、電子線加
工装置またはレーザ加工装置が挙げられ、LCD用フォ
トマスクにおいては、これら加工装置により、通常、C
r膜付きガラス基板上のレジストを感光させた後、フォ
トリソ法を用いてパターンを形成している。ブラックマ
トリックス(BM)基板およびRGB膜付き基板など
は、この様にして得られた原版であるフォトマスクを用
いて量産されている。
【0004】より微細なパターンに対応するため、将来
は、LSI製造、BM基板、RGB膜付き基板の製造に
おいて用いる光の短波長化が進み、フッ化クリプトンレ
ーザ(波長、248nm)フッ化アルゴンレーザ(波
長、193nm)、F2レーザ(波長、154nm)、
X線縮小レーザ(波長、13nm)へとより波長の短い
レーザが使用されるようになるといわれ、短波長になる
に従い、好ましい解像度を得るため、原版であるフォト
マスクの遮光膜の膜厚を厚くする必要があり、ガラス基
板に直接溝加工して遮光膜となる金属を埋め込む方式の
開発が現在進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
基板にレーザ光を集光して照射すると、レーザ光照射部
に微細なクラックが発生し、該クラックにより、例え
ば、精緻なフォトマスクパターンなどをガラス基板に加
工できないという問題があった。
【0006】例えば、ガラス基板にレーザ光を照射して
レーザマーキングする方法について、特開平3−124
486号公報、特開平4−71792号公報および特開
平11−156568号公報にて開示されているが、こ
れら公報に開示の方法は、レーザ光照射により、照射部
を局所的に加熱してクラックを発生させることによる不
透明化によりマーキングする方法であって、ミクロン
(μm)単位の極微細なマーキングはし難い。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題に鑑み、
本発明らが、鋭意研究したところ、銀イオン含有ガラス
にレーザ光を走査させると、走査部に窪みが生じ微細な
ラインを加工できることがわかった。
【0008】本発明は、銀イオンを含有させたガラスに
レーザ光を走査し、ガラス表面を窪ませるガラスの加工
方法である。
【0009】更に、本発明は、レーザ発振器、光変調
器、リニアトランスレータに搭載した集光レンズ、対物
レンズ、ガルバノメータミラーおよび移動ステージから
なるレーザ加工装置により、銀イオン含有ガラスにレー
ザ光を走査する上記のガラスの加工方法である。
【0010】更に、本発明は、レーザ発振器、光変調
器、ガルバノメータミラー、fθレンズおよび移動ステ
ージからなるレーザ加工装置により、銀イオン含有ガラ
スにレーザ光を走査する上記のガラスの加工方法であ
る。
【0011】更に、本発明は、レーザ発振器が、連続レ
ーザ発振器またはパルスレーザ発振器であり、レーザ光
の種類が赤外光、近赤外光、可視光または紫外光である
上記のガラスの加工方法である。
【0012】更に、本発明は、光変調器が、音響光学素
子または電気光学素子である上記のガラスの加工方法で
ある。
【0013】更に、本発明は、複数のガルバノメータミ
ラーによって、ガラスへのレーザ光の照射位置を移動さ
せる上記のガラスの加工方法である。
【0014】更に、本発明は、レーザ光の光軸に対し、
水平方向および垂直方向に移動可能なステージによっ
て、ガラスを移動させる上記のガラスの加工方法であ
る。
【0015】更に、本発明は、上記のガラスの加工方法
によって、パターンが加工されたフォトマスク用基板で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】イオン交換法により銀イオンを含
有させたガラスにレーザ光を照射すると、その表面が窪
むことが判った。窪みと窪み周辺のガラスには微粒子の
集合体のように見える膜が付着しており、窪み周辺の膜
は、研磨により容易に除去可能であり、本発明のガラス
の加工方法はフォトマスクの製造に応用できる。
【0017】本発明に使用する銀イオン含有ガラスは、
ガラス内部に銀イオンを含有したガラスであればよく、
例えば、ソーダライムシリケートガラスであれば、イオ
ン交換法により、AgNO3とNaNO3をモル比1:4
で混合し加熱した溶融塩に浸漬し、ガラスのNaイオン
を銀イオンとイオン交換することで作製できる。
【0018】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的に
レーザ光を発光する連続レーザ発振器、パルス状にレー
ザ光を発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても
構わない。
【0019】また、用いるレーザ光の種類は、赤外光、
近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100
nm以上、1mm(106nm)以下の光を使用するこ
とができ、例えば、アルゴンイオンレーザ発振器または
UVパルスレーザ発振器を使用することができる。
【0020】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物である光変調器は、スイッチング素
子としての役割を果たす。すなわち、レーザ光の進行方
向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物
に対してレーザ光の照射のON/OFFを正確に制御す
るものである。ON/OFFを行うことで、例えば、ガ
ラス表面を窪ませて加工したラインを非連続とすること
ができ、様々な加工に対応できる。光変調器には、音響
光学変調器(以後、AOMと略する)または電気光学変
調器(以後、EOMと略する)のいずれを用いても構わ
ない。
【0021】AOMは、ONの状態では、無線周波数域
のRF波を超音波に変換する圧電素子、すなわち、トラ
ンスデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、
石英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレー
ザ光を回折させ、その光路を変化させる、OFFの状態
では、レーザ光を石英ガラス内に直進させるスイッチン
グ素子である。
【0022】EOMは、レーザ光に電圧を印加し偏光方
向を変えることで、偏光板によりレーザ光を通過または
遮蔽させるスイッチング素子である。
【0023】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物であるガルバノメータミラーは、可
動可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーから
なり、ミラーの角度を変えてレーザ光の光軸を振ること
が可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御しつつ
走査調整し、光軸を振って対象物であるガラスへのレー
ザ光の照射位置を移動させて、精度よくガラスを加工す
ることができ、レーザ光を絞り込むことで、ガラスに、
1mmの間隔内に数10本以上の線を書き込むことので
きる分解能を要し、精緻な加工が行える。
【0024】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物としてのリニアトランスレータに搭
載された集光レンズ、対物レンズ、またはfθレンズ
は、ガルバノメータミラーによって円弧状に走査された
レーザ光の焦点位置を補正し、平面上に集光させ加工パ
ターンの解像度を上げる役割を果たす。
【0025】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物である水平方向および/または垂直
方向に移動可能なステージ、例えば、照射面に対し水平
方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可
能なZ軸ステージによって、高速でレーザ光を走査する
際、ガラスを移動させることによりガラスの加工を効率
よく行うことができる。また、移動可能なステージに取
り付けられたガラスをある間隔あけて移動させた後、静
止させて、前述のガルバノメータミラーによりレーザ光
を走査して加工を行うことで、加工部の間隔を開けるこ
とができる。
【0026】図1は、レーザ光の焦点位置の制御に集光
レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレー
ザ加工装置の一例の説明図である。
【0027】図1に示すレーザ発振器1は、紫外、即
ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ
発振器には、通常、AOMまたはEOMからなる光変調
器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。
集光レンズ2および対物レンズ3のうち、図示しないリ
ニアトランスレータに搭載された集光レンズ2を、リニ
アトランスレータにより光軸上を動かすことによって、
ターゲット6である銀イオン含有ガラスに照射するレー
ザビームを制御する。
【0028】UVパルスレーザ発振器から放射したレー
ザ光は、集光レンズ2、次いで対物レンズ3を通過した
後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミ
ラー5により反射し、その後、ターゲット6である銀イ
オン含有ガラスに走査させて、該銀イオン含有ガラスを
加工する。前記銀イオン含有ガラスの加工は、照射面に
対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向
に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7
にガラスを載せて、ステージ7を移動させつつ銀イオン
含有ガラス上にレーザ光を走査させて行うこともでき
る。
【0029】コンピュータ8にデジタルコマンドデータ
として入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9に
よってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、
サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10
が、集光レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラ
ー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、銀
イオン含有ガラス上のレーザ光の照射位置を移動させ
る、即ち、走査させる。なお、銀イオン含有ガラスへの
レーザ照射による加工部により、微細な書き込みが可能
で、書き込み内容は、前記デジタルコマンドデータを変
更することで、容易に変えられる。
【0030】図2は、レーザ光の焦点位置の制御にfθ
レンズを用いた本発明に使用するレーザ加工装置の一例
の説明図である。
【0031】レーザ発振器1である、アルゴンイオンレ
ーザ発振器から放射したレーザ光は、スイッチング素子
であるAOM12を通過した後、ガルバノメータミラー
であるXミラー4およびYミラー5により反射し、fθ
レンズ13を透過した後、ターゲット6である銀イオン
含有ガラスに走査させて、該銀イオン含有ガラスを加工
する。fθレンズ13は、ガルバノメータミラーによっ
て走査されるレーザ光をターゲット6である銀イオン含
有ガラスに集光する。
【0032】該銀イオン含有ガラスの加工は、照射面に
対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向
に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7
によって、ステージ7を移動させつつ、該銀イオン含有
ガラス上にレーザ光を走査させて行うこともできる。
【0033】コンピュータ8に入力されたデジタルコマ
ンドデータは、デジタル・アナログ・コンバータ9によ
ってアナログ信号に変換される。AOMドライバ11
は、コンピュータ8から送信されデジタル・アナログ・
コンバータ9によってアナログ信号に変換されたレーザ
変調信号を無線周波数の信号、すなわち、RF信号に変
換し、図示しない圧電素子、すなわち、トランスデュー
サを介して、AOM12の中に超音波を発生させる。A
OM12に入射したレーザ光は、超音波が形成する回折
格子によって回折され、その光路が変化する。その結
果、レーザ光はON/OFFする。一方、コンピュータ
8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル
・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換
されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信
されて、サ−ボドライバ10が、ガルバノメータミラー
であるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ
駆動させ、ターゲット6である銀イオン含有ガラス上の
レーザ光の照射位置を移動させる、即ち、走査させる。
なお、ターゲット6である銀イオン含有ガラスへのレー
ザ光による書き込み内容は、前記デジタルコマンドデー
タを変更することで、容易に変えられる。
【0034】本発明のガラスの加工方法に使用するレー
ザ加工装置の構成物であるステージ7は、例えば、照射
面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直
方向に移動可能なZ軸ステージで構成され、高速でレー
ザ光を走査する際、前記銀イオン含有ガラスを移動させ
ることによりガラスの加工を効率よく行うことができ
る。また、移動可能なステージ7に取り付けられた前記
銀イオン含有ガラスをある間隔あけて移動させた後、静
止させて、前述のガルバノメータミラーによりレーザ光
を走査して加工を行うことで、加工部の間隔を開けられ
る。
【0035】本発明の加工方法により加工されるガラス
6は、銀イオン含有ガラス6である。
【0036】本発明のガラスの加工方法は、従来のガラ
スのマーキング方法であるレーザの光の集光部にクラッ
クを生じさせることに比べ、ガラスにダメージを与える
ことなく耐久性に優れるとともに照射していない部分と
のコントラストに優れ、本発明に用いるレーザ加工装置
の精緻加工により、フォトマスクの製造に適用できる。
【0037】図1に示したレーザ発振器1としてUVパ
ルスレーザ発振器を用い、レーザ光の焦点位置の制御に
集光レンズ2および対物レンズ3を用いたレーザ加工装
置と、図2に示したレーザ発振器1として、アルゴンイ
オンレーザ発振器を用い、レーザ光の焦点位置の制御に
fθレンズ13を用いたレーザ加工装置を、本発明の銀
イオン含有ガラスの加工方法に使用した場合の差異につ
いて説明する。
【0038】図1の加工装置は、リニアトランスレータ
に搭載された集光レンズ2をレーザ光の光軸上で動かす
ことによって、ワーキングディスタンスとフィールドサ
イズを自在に変えることが可能である。図2に示す加工
装置は、光源に可視光であるアルゴンイオンレーザを用
いるのに対して、図1の加工装置は、光源に紫外光であ
るUVパルスレーザを用いる。紫外光は可視光より波長
が短いことより、紫外光レーザは可視光レーザよりも照
射径が小さく、レーザ光を走査した際のトレースライン
の線幅をより細くし、一層の精緻加工が可能である。
【0039】よって、本発明の銀イオン含有加工ガラス
の加工方法には、図1に示すレーザ発振器1としてUV
パルスレーザ発振器を用い、レーザ光の焦点位置の制御
に集光レンズ2および対物3レンズを用いたレーザ加工
装置を用いることが好ましい。
【0040】本発明を以下の実施例によって詳細に説明
するが、本発明は、以下の実施例によって、限定される
ものではない。
【0041】
【実施例】実施例1 図1に示すように、レーザ加工装置は、レーザ発振器1
であるUVパルスレーザ発振器、リニアトランスレータ
に搭載された集光レンズ2、対物レンズ3、ガルバノメ
ータ内のXミラー4、Yミラー5、水平方向に移動可能
なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステー
ジからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダから
なり、ホルダにターゲット6である銀イオン含有ガラス
が取り付けられる。
【0042】該銀イオン含有ガラスは、板厚5mm、サ
イズ100mm角の組成SiO2、72wt%、Na
2O、16wt%、CaO、10wt%、Al23、2
wt%のソーダライムガラス基板を、AgNO3とNa
NO3をモル比1:4で混合した温度590K(317
℃)の溶融塩に30分間浸漬し、ガラスのNaイオンを
銀イオンと交換することによって作製した。
【0043】UVパルスレーザ発振器より、波長355
nm、パルス幅20ns、パルスエネルギー40μJ、
平均出力1W、繰り返し周波数25kHzで発振させた
レーザ光を集光レンズ2により絞って、Xミラー4とY
ミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚5
mm、サイズ100mm角のターゲット6である前記銀
イオン含有ガラスの表面に、速度60mm/secで走
査することによって、ライン間隔50μm、線幅10μ
mを加工することができた。
【0044】図3は、前記ラインのレーザ顕微鏡写真で
ある。
【0045】図3に示すように、ラインAは溝状に窪ん
でおり、ラインAとラインA近傍のガラスには微細粒子
の集合体のように見える膜が付着していた。窪みは銀含
有ガラスが揮発したものであり、窪み周辺の膜は、銀が
揮発した跡か、揮発物が凝集したことによるかは定かで
はないが、厚みが1μm以下であるため、研磨すること
で容易に除去することが可能であった詳しくは、ガラス
のレーザ加工面に付着した膜は、ポリシュ研磨機によっ
て除去した。すなわち、ガラスの加工面を、発泡ポリウ
レタンフィルムを貼り付けた研磨盤と向き合わせ、その
間に二酸化セリウムのスラリーを供給しながら研磨盤を
回転することによって除去した。 比較例1 実施例1で用いた加工装置を用い、実施例1と同じ走査
条件で、実施例1と異なり、イオン交換法により銀イオ
ンをドープする処理を行っていない、板厚5mm、サイ
ズ100mm角の組成SiO2、72wt%、Na2O、
16wt%、CaO、10wt%、Al23、2wt%
のソーダライムガラス基板にレーザ光を走査して、ガラ
スに線幅10μmのラインを加工しようとしたが、ライ
ンは描けなかった。レーザ顕微鏡にて観察したところ、
走査部のガラスは何ら変化していなかった。 比較例2 実施例1および比較例1で用いた加工装置を用い、イオ
ン交換法により銀イオンをドープする処理を行っていな
い、板厚5mm、サイズ100mm角の組成SiO2
72wt%、Na2O、16wt%、CaO、10wt
%、Al23、2wt%のソーダライムガラス基板に、
UVパルスレーザ発振器より、波長355nm、パルス
幅20ns、パルスエネルギー100μJ、平均出力
2.5W、繰り返し周波数25kHzで発振させたレー
ザ光を集光レンズ2により絞って、Xミラー4とYミラ
ー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚5m
m、サイズ100mm角のターゲット6である前記ガラ
スの表面に速度60mm/secでレーザ光を走査し
て、ライン間隔50μm、線幅10μmのラインを加工
しようとしたが、走査部は幅10μmのハマ欠けとクラ
ックを伴う断続線であった。 比較例3 実施例1、比較例1および比較例2で用いた加工装置を
用い、イオン交換法により銀イオンをドープする処理を
行っていない、板厚5mm、サイズ100mm角の組成
SiO2、72wt%、Na2O、16wt%、CaO、
10wt%、Al23、2wt%のソーダライムガラス
基板に、UVパルスレーザ発振器より、波長355n
m、パルス幅20ns、パルスエネルギー150μJ、
平均出力3.8W、繰り返し周波数25kHzで発振さ
せたレーザ光を集光レンズ2により絞って、Xミラー4
とYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板
厚5mm、サイズ100mm角のターゲット6である前
記ガラスの表面に速度60mm/secでレーザ光を走
査して、ライン間隔50μm、線幅10μmのラインを
加工しようとしたが、走査部は幅30〜50μmのハマ
欠けの連続であった。
【0046】
【発明の効果】本発明で使用した前記加工装置により、
多数の微細な窪みを寸法精度および位置精度よくを銀イ
オン含有ガラス基板表面に加工することができ、パター
ンデータを加工装置に入力して透明基板表面に加工し、
パターンとすることでフォトマスクを作製することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光の焦点位置の制御に集光レンズおよび
対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ加工装置の
一例の説明図である。
【図2】レーザ光の焦点位置の制御にfθレンズを用い
た本発明で使用するレーザ加工装置の一例の説明図であ
る。
【図3】実施例1で得られた加工ラインの図面代用レー
ザ顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 集光レンズ 3 対物レンズ 4 Xミラー 5 Yミラー 6 ターゲット(銀イオン含有ガラス) 7 XYZ−ステージ
フロントページの続き (72)発明者 多門 宏幸 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 西川 晋司 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 上村 宏 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 角野 広平 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 赤井 智子 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 山下 勝 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 矢澤 哲夫 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 Fターム(参考) 2H095 BA01 BC28 4E068 CA01 CD10 CE03 CE04 DB13 4G059 AA08 AA13 AB05 AB09 AC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀イオンを含有させたガラスにレーザ光
    を走査し、ガラス表面を窪ませるガラスの加工方法。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器、光変調器、リニアトラン
    スレータに搭載した集光レンズ、対物レンズ、ガルバノ
    メータミラーおよび移動ステージからなるレーザ加工装
    置により、銀イオン含有ガラスにレーザ光を走査する請
    求項1に記載のガラスの加工方法。
  3. 【請求項3】 レーザ発振器、光変調器、ガルバノメー
    タミラー、fθレンズおよび移動ステージからなるレー
    ザ加工装置により、銀イオン含有ガラスにレーザ光を走
    査する請求項1に記載のガラスの加工方法。
  4. 【請求項4】レーザ発振器が、連続レーザ発振器または
    パルスレーザ発振器であり、レーザ光の種類が赤外光、
    近赤外光、可視光または紫外光である請求項2または請
    求項3に記載のガラスの加工方法。
  5. 【請求項5】 光変調器が、音響光学素子または電気光
    学素子である請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の
    ガラスの加工方法。
  6. 【請求項6】 複数のガルバノメータミラーによって、
    ガラスへのレーザ光の走査する請求項1乃至請求項5の
    いずれかに記載のガラスの加工方法。
  7. 【請求項7】 レーザ光の光軸に対し、水平方向および
    垂直方向に移動可能なステージによって、ガラスを移動
    させる請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のガラス
    の加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    のガラスの加工方法によって、パターンが加工されたフ
    ォトマスク用基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012014018A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Takeji Arai ガラス製マイクロレンズアレイの製造方法
CN103413754A (zh) * 2013-08-22 2013-11-27 上海宏力半导体制造有限公司 玻璃晶圆处理方法、玻璃晶圆及玻璃晶圆的检测方法
JP2016159444A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 津田工業株式会社 ガラス容器およびガラス容器の製造方法

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