JP2003177095A - 石炭灰分析装置 - Google Patents

石炭灰分析装置

Info

Publication number
JP2003177095A
JP2003177095A JP2001377078A JP2001377078A JP2003177095A JP 2003177095 A JP2003177095 A JP 2003177095A JP 2001377078 A JP2001377078 A JP 2001377078A JP 2001377078 A JP2001377078 A JP 2001377078A JP 2003177095 A JP2003177095 A JP 2003177095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal ash
particle size
size distribution
measuring instrument
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001377078A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirofumi Hayashibara
浩文 林原
Manabu Matsugami
学 松上
Yutaka Shinoda
豊 篠田
Makio Atsumi
真喜男 厚見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001377078A priority Critical patent/JP2003177095A/ja
Publication of JP2003177095A publication Critical patent/JP2003177095A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭灰の元素組成及び石炭灰の粒度を同時に
分析できる石炭灰分析装置を提供することを提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 石炭灰を輸送する石炭灰搬送本管2から
分岐した二次搬送管3に、粒度分布計6及びLIBSセ
ンサ7が設けられ、それぞれの両端が配管により二次搬
送管3に独立して並列に接続されている。エジェクター
9,10,11は、二次搬送管3、粒度分布計6及びL
IBSセンサ7に石炭灰搬送本管2を流動中の石炭灰5
を抽出し且つ希釈するとともに、二次搬送管3内の石炭
灰14の固気比が1、粒度分布計6に導入される石炭灰
15の第1の固気比が0.5、LIBSセンサ7に導入
される石炭灰16の第2の固気比が1.0になるように
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流動中の石炭灰
を分析する石炭灰分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭焚きボイラより排出される石炭灰
は、セメントの混和材、耐火煉瓦等として広く有効利用
されている。石炭灰を利用するにあたっては、石炭灰の
元素組成や粒度等の成分分析をし、その利用用途に応じ
て、所定の規格に入る石炭灰だけが分別されて使用され
る。石炭灰の有効利用を図るためには、品質の安定した
石炭灰を効率よく回収する必要があり、精度がよく効率
的な成分分析を行うことができる石炭灰分析装置が望ま
れている。特開平7−280709号公報には、蛍光X
線計や未燃炭素計を用いた石炭灰の自動分析装置が提案
されているが、捕集した石炭灰をサンプリングして分析
装置が設置されている建物まで移送する必要があり、装
置が複雑になり迅速化には限界がある。また、特開平9
−155293号公報には、レーザ誘起ブレークダウン
方法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:以下L
IBS方法とする)を用いて、石炭灰の元素組成をオン
ラインで計測する石炭灰処理方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このL
IBS方法を用いた石炭灰処理方法では、石炭灰の元素
組成を計測できるものの、同時に石炭灰の粒度を計測す
ることはできないという課題がある。また、石炭灰の元
素組成や粒度を分析するあたり、石炭灰分析装置に導入
される石炭灰の固気比によって分析精度が異なるという
課題がある。この発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、石炭灰の粒度及び石炭灰の元素組
成を同時に分析できる石炭灰分析装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明に係る石炭灰分析装置は、流動中の石炭灰
を分析する石炭灰分析装置であって、石炭灰の粒度分布
を計測するレーザ回折方式の粒度分布計測器と、石炭灰
の元素組成を計測するレーザ誘起ブレークダウン方式の
元素組成計測器と、流動中の石炭灰を抽出し且つ希釈す
るとともに、希釈された石炭灰を粒度分布計測器及び元
素組成計測器にそれぞれ導入し、粒度分布計測器に導入
された石炭灰が第1の固気比を有し、元素組成計測器に
導入された石炭灰が第2の固気比を有するように、第1
及び第2の固気比を調整する固気比調整器とを備えたこ
とを特徴とするものである。また、第1の固気比は、
0.45〜0.85であって、第2の固気比は、0.7
〜1.5であることがのぞましい。流動中の石炭灰が粒
度分布計測器および元素組成計測器にそれぞれ独立して
導入されるように、粒度分布計測器および元素組成計測
器が並列方式に配列することができる。また、粒度分布
計測器に導入された石炭灰が元素組成計測器に導入され
るように、粒度分布計測器および元素組成計測器が直列
方式に配列することができる。さらに、粒度分布計測器
および元素組成計測器の配列を、直列方式及び並列方式
のいずれかに切り換える切換手段を備えてもよい。ま
た、粒度分布計測器および元素組成計測器に導入される
石炭灰の湿分を除去する加熱器を備えてもよい。粒度分
布計測器は、計測された石炭灰の頻度から計算ブレーン
値を算出するとともに、この計算ブレーン値を補正して
測定ブレーン値を算出することができる。
【0005】以下に、この発明の実施の形態を図面に基
づいて説明する。 実施の形態1.この発明の実施の形態1に係る石炭灰分
析装置を図1に示す。石炭灰分析装置1は、石炭灰搬送
本管2から分岐した二次搬送管3に設けられている。石
炭灰搬送本管2は、ボイラから排出された石炭灰を貯蔵
するサイロと規格に適合した石炭灰を分別する分級機と
の間に設けられ、石炭灰を輸送する。また、石炭灰分析
装置1は、粒度分布計6及びLIBSセンサ7を備え、
それぞれの両端が配管により二次搬送管3に独立して接
続された並列方式になるように構成されている。さら
に、石炭灰分析装置1は、エアコンプレッサー8を備え
ている。エアコンプレッサー8は、二次搬送管3、粒度
分布計6及びLIBSセンサ7にそれぞれ設けられたエ
ジェクター9,10,11と接続される配管を備え、圧
縮空気12を二次搬送管3、粒度分布計6及びLIBS
センサ7に供給して、石炭灰搬送本管2を流動中の石炭
灰5を抽出し且つ希釈するとともに、希釈された石炭灰
を粒度分布計及びLIBSセンサ7にそれぞれ導入する
ように構成されている。
【0006】粒度分布計6は、レーザ回折を利用して、
粒径の大きさごとに区分された粒径dxの石炭灰が占め
る体積の割合を頻度f(x)として計測するものであ
る。この頻度f(x)から石炭灰の粒径の分布状況を粒
度として算出するものである。LIBSセンサ7は、石
炭灰にレーザー光を照射して石炭灰の成分をプラズマ化
させ、そのプラズマ光を分光してそれぞれの波長の発光
強度を計測して、石炭灰中の元素組成を算出するもので
あり、元素組成計測器を構成する。
【0007】次に、この実施の形態に係る石炭灰分析装
置1の作用を説明する。石炭灰搬送本管2には、石炭灰
5が空気とともに図中の矢印4の方向に流動している。
石炭灰搬送本管2における石炭灰5の固気比は、20程
度となっている。固気比とは、単位体積あたりの固体と
気体との占める割合であり、ここでは、固体である石炭
灰5と気体との占める割合をいう。固気比20とは、石
炭灰5と気体との占める割合が20:1となっており、
石炭灰搬送本管2中の石炭灰5の固気比は、粒度分布計
6およびLIBSセンサ7における石炭灰5の分析には
適さないものになっている。エジェクター9は、石炭灰
搬送本管2から石炭灰5を吸引して二次搬送管3に抽出
するとともに、二次搬送管3に圧縮空気12を供給して
石炭灰14を希釈し、矢印13の方向に流動する二次搬
送管3内の石炭灰14の固気比が1になるように流量調
整弁17を介して調整する。また、エジェクター10
は、粒度分布計6に導入される石炭灰15の第1の固気
比が0.5になるように流量調整弁18を介して粒度分
布計6に送る圧縮空気量を調整し石炭灰15を希釈す
る。さらに、エジェクター11はLIBSセンサ7に導
入される石炭灰16の第2の固気比が、LIBSセンサ
7の計測に適した1.0になるように流量調整弁19を
介してLIBSセンサ7に送る圧縮空気量を調整してい
る。すなわち、粒度分布計に導入される石炭灰15及び
元素組成計測器に導入される石炭灰16のそれぞれの固
気比を調整する固気比調整器として機能する。
【0008】エジェクター10により固気比0.5に希
釈された石炭灰15が粒度分布計6に導入されると、粒
度分布計6は石炭灰15の粒径の分布状況を頻度f
(x)として、常時算出する。すなわち、粒度分布計6
を通過する石炭灰15の粒度分布をオンラインで計測す
る。また、エジェクター11により固気比1に希釈され
た石炭灰16がLIBSセンサ7に導入されると、LI
BSセンサ7は石炭灰16中の元素組成を常時算出す
る。すなわち、LIBSセンサ7を通過する石炭灰16
中の元素組成をオンラインで計測する。
【0009】このように、粒度分布計6及びLIBSセ
ンサ7のそれぞれの計測に適するように、固気比が調整
されて石炭灰が粒度分布計6及びLIBSセンサ7に供
給されるので、石炭灰分析装置1は精度の高い石炭灰の
粒度分布及び元素組成を計測することができる。また、
粒度分布計6及びLIBSセンサ7を通過する石炭灰を
即座に計測するので、オンラインで、石炭灰の粒度分布
及び元素組成を同時に計測できる。また、粒度分布計6
及びLIBSセンサ7は並列配置され、二次搬送管3か
らそれぞれ独立して石炭灰を導入しているので、互いの
計測により生じる外乱の影響を受けにくい。さらに、粒
度分布計6及びLIBSセンサ7のいずれかに故障等が
生じても、粒度分布計6及びLIBSセンサ7について
それぞれ別個に稼働を停止して点検することができる。
【0010】なお、粒度分布計6には、固気比0.5の
石炭灰を導入したが、この固気比に限定されるものでは
なく、固気比0.45〜0.85の範囲であれば、粒度
分布計6は精度の良い計測をすることができる。また、
LIBSセンサ7は、固気比1の石炭灰を導入したが、
この固気比に限定されるものではなく、固気比0.7〜
1.5の範囲であれば、LIBSセンサ7は精度の良い
計測をすることができる。なお、粒度分布計6及びLI
BSセンサ7に導入される二次搬送管3内の石炭灰14
の固気比は、少なくとも、粒度分布計6及びLIBSセ
ンサ7に導入される固気比よりも大きな値になるよう
に、エジェクター9により調整される。例えば、粒度分
布計6に導入される石炭灰15の固気比を0.85、L
IBSセンサ7に導入される石炭灰16の固気比を1.
5として計測を行う場合、二次搬送管3の石炭灰14の
固気比は2程度であることが望ましい。
【0011】実施の形態2.図2にこの発明の実施の形
態2に係る石炭灰分析装置を示す。この石炭灰分析装置
20の構成は、図1に示した実施の形態1の装置1にお
いて、二次搬送管3に対する粒度分布計6及びLIBS
センサ7の配置を変更したものである。以下、実施の形
態1において説明した図1の参照符号と同一の符号は、
同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は
省略する。石炭灰分析装置20は、エアコンプレッサー
21、粒度分布計6及びLIBSセンサ7を備え、これ
らが配管により接続されている。粒度分布計6の一端
は、エジェクター10を介して二次搬送管3に接続さ
れ、粒度分布計6の他端は、LIBSセンサ7の一端に
接続されている。また、LIBSセンサ7の他端はエジ
ェクター11を介して二次搬送管3に接続されている。
すなわち、粒度分布計6に導入された石炭灰23が同一
の固気比の石炭灰24としてLIBSセンサ7に導入さ
れるように、粒度分布計6及びLIBSセンサ7は直列
方式に配列されている。
【0012】ここで、エジェクター9は、石炭灰搬送本
管2から石炭灰5を吸引して二次搬送管3に抽出すると
ともに、二次搬送管3に圧縮空気12を供給して石炭灰
22を希釈し、矢印13の方向に流動する二次搬送管3
内の石炭灰22の固気比が2になるように調整する。ま
た、エジェクター10は、粒度分布計6に導入される石
炭灰23の第1の固気比が0.8になるように流量調整
弁18を介して粒度分布計6に送る圧縮空気量を調整し
石炭灰を希釈する。次に、粒度分布計6で粒度分布が計
測された石炭灰23は、固気比0.8のまま、石炭灰2
4として、LIBSセンサ7に導入され、元素組成が計
測される。
【0013】このように、粒度分布計6及びLIBSセ
ンサ7が、直列方式で配列されているので、それぞれの
計測に適した固気比を用いて精度の良い計測ができると
共に、構造が簡単な石炭灰分析装置を提供できる。ま
た、粒度分布計6、LIBSセンサ7の順で石炭灰が流
動するように構成されているので、破壊検査方法である
LIBSセンサ7による計測の影響により石炭灰が破壊
されても、粒度分布計6による粒度分布の計測に支障を
きたすことがない。粒度分布計6およびLIBSセンサ
7の測定対象として石炭灰の同じサンプルを用いるの
で、粒度と元素組成との相関関係を精度良く知ることが
できる。
【0014】実施の形態3.図3にこの発明の実施の形
態3に係る石炭灰分析装置を示す。この石炭灰分析装置
30の構成は、図1に示した実施の形態1及び2におい
てそれぞれ示した、粒度分布計6及びLIBSセンサ7
の配置を並列方式、直列方式のいずれかに切り換え可能
にしたものである。石炭灰分析装置30は、エアコンプ
レッサー31、粒度分布計6、LIBSセンサ7と、切
換手段としての第1開閉弁35、第2開閉弁36及び第
3開閉弁37とを備え、これらが配管により接続されて
いる。粒度分布計6の一端はエジェクター10を介して
二次搬送管3に接続され、粒度分布計6の他端は第1開
閉弁35を介してLIBSセンサ7の一端に接続されて
いる。また、LIBSセンサ7の他端はエジェクター1
1を介して二次搬送管3に接続されている。一方、粒度
分布計6と第1開閉弁35との間から、配管が分岐し、
第2開閉弁36を介して二次搬送管3に接続位置38で
接続されている。LIBSセンサ7と第1開閉弁35と
の間からも、配管が分岐し、第3開閉弁37を介して二
次搬送管3に接続位置39で接続されている。ここで、
接続位置38と接続位置39との位置関係については、
接続位置39が接続位置38に対して、二次搬送管3内
を矢印13の方向に流動する石炭灰32の上流側にあ
る。エジェクター9は、石炭灰搬送本管2から石炭灰5
を吸引して二次搬送管3に抽出するとともに、二次搬送
管3に圧縮空気12を供給して矢印13の方向に流動す
る二次搬送管3内の石炭灰32を希釈する。
【0015】粒度分布計6とLIBSセンサ7とが、実
施の形態1と同様に、並列方式に配列された状態にする
には、第1開閉弁35を閉じ、第2開閉弁36及び第3
開閉弁37を開く。流量調整弁17は、二次搬送管3内
の石炭灰32の固気比が1、流量調整弁18は、粒度分
布計6に導入される石炭灰33の第1の固気比が0.
5、流量調整弁19は、LIBSセンサ7に導入される
石炭灰34の第2の固気比が1.0になるように、圧縮
空気量を調整する。
【0016】一方、粒度分布計6とLIBSセンサ7と
が、実施の形態2と同様に、直列方式に配列された状態
にするには、第1開閉弁35を開き、第2開閉弁36及
び第3開閉弁37を閉じる。流量調整弁17は、二次搬
送管3内の石炭灰32の固気比が2、流量調整弁18及
び流量調整弁19は、粒度分布計6に導入される石炭灰
33の第1の固気比と、粒度分布計6に導入された石炭
灰33が、そのままLIBSセンサ7に導入される石炭
灰34の第2の固気比とが共に0.8になるように圧縮
空気量を調整する。
【0017】このように、測定目的に応じて、粒度分布
計6とLIBSセンサ7との配列を切換手段の操作によ
り並列方式、直列方式のいずれかに容易に変更できる。
すなわち、より精度の高い測定や外乱をなるべく排除し
た測定が必要な場合は、並列方式に切り換え、石炭灰の
同じ測定対象を使って粒径分布と元素組成との相関関係
を知りたい場合は、直列方式に切り換えることができ
る。
【0018】実施の形態4.図4にこの発明の実施の形
態4に係る石炭灰分析装置を示す。この石炭灰分析装置
40の構成は、図1に示した実施の形態1の装置1にお
いて、ヒータ41を追加したものである。石炭灰分析装
置40は、二次搬送管3に設けられたエジェクター9
と、石炭灰搬送本管2の石炭灰5が二次搬送管3に導入
される石炭灰導入部42との間に、加熱器としてのヒー
タ41を備えている。このヒータ41は、エジェクター
9を介してエアコンプレッサー8から二次搬送管3に供
給される圧縮空気12を加熱する。これにより、二次搬
送管3に導入された石炭灰13を予め乾燥させて、粒度
分布計6及びLIBSセンサ7に、湿分の除去された石
炭灰15及び16をそれぞれ導入する。石炭灰分析装置
に入る石炭灰には、湿分を多く含む場合がある。このよ
うに水分含有量が多い石炭灰は、粒子の分散が悪く、粒
度分布計6における粒度分布結果やLIBSセンサ7の
元素組成分析結果において計測誤差が大きくなる。この
ため、粒度分布計6及びLIBSセンサ7に、湿分の除
去された石炭灰を導入することにより、計測誤差の少な
い精度の高い計測が可能となる。
【0019】実施の形態5.実施の形態1の石炭灰分析
装置1の粒度分布計6では、粒度分布を頻度f(x)と
して算出したが、粒度分布計では、この頻度f(x)を
基に別の測定単位に変換して粒度分布を算出してもよ
い。石炭灰の粒度分布を表す単位として、JIS A
6201に規定される粉末度により表されることが多
い。この粉末度を表示する方法として、45umふるい
残分として表示する方法と、JIS R 5201に規
定されている比表面積試験により石炭灰のブレーン値と
して表示する方法がある。ここで、ブレーン値とは、石
炭灰の比表面積を表す値である。この実施の形態で用い
られる粒度分布計は、後述する計算方法により石炭灰の
ブレーン値を算出している。しかしながら、JIS R
5201に規定されている比表面積試験により測定し
たブレーン値と、粒度分布計が理論的に計算したブレー
ン値との間には差異が生じることが分かった。そこで、
本粒度分布計は、まず、計測された石炭灰の頻度f
(x)から計算ブレーン値を算出する。さらに、比表面
積試験により測定したブレーン値である測定ブレーン値
と粒度分布計が理論的に計算したブレーン値である計算
ブレーン値との相関関係に基づいた補正式により、計算
ブレーン値を補正して測定ブレーン値に算出する。
【0020】以下に、この実施の形態で用いられる粒度
分布計が、JIS A 6201に規定される粉末度を
ブレーン値として表示する方法を説明する。まず、粒度
分布計6は、レーザ回折を利用して、石炭灰の粒径の大
きさごとに区分し、その区分に対応し粒径dxの石炭灰
が占める体積の割合を頻度f(x)を算出する。 粒径dxの粒子の持つ表面積Sxは、Sx=πdx2、 粒径dxの粒子の持つ体積Vxは、Vx=π/6d
3、 粒径dxの粒子の個数Nxは、Nx=f(x)/Vx=
6f(x)/πdx3である。
【0021】粒径dxにおける全粒子の表面積ΣSx
は、ΣSx=Sx・Nx=6f(x)/dxとなり、比
表面積SCは、全粒子の表面積ΣSxをその重量で割っ
た値であることから、ρを計測するサンプルの真密度と
すると、SC=Σ(6f(x)/dx)/(ρΣf
(x))として、表される。Σf(x)は頻度で表すと
100であり、ρはサンプルの真密度のため、ρΣf
(x)は、サンプルの重量となり定数となる。
【0022】したがって、粒度分布計が理論的に算出し
た計算ブレーン値BTは、BT=K・Σ(f(x)/d
x)として計算できる。すなわち、粒度分布計で測定し
た各粒径における頻度f(x)を、その粒径dxで割っ
た値を総計した値Σ(f(x)/dx)に補正係数Kを
乗じた値が計算ブレーン値BTとなる。
【0023】一方、JIS R 5201に規定されて
いる比表面積試験によりブレーン値を測定してみると、
この測定ブレーン値BMと計算ブレーン値BTとの間に
は、図5に示されるような関係がある。図5は、計算ブ
レーン値BTをtとし、測定ブレーン値BMをyとし
て、両者の関係を近似する補正式y=f(t)で表した
ものである。この補正式y=f(t)は、 y=f(t)=a/t3+b/t2+c/t+d の式で表される。ここで、a,b,c.dは定数であ
る。
【0024】以上に示した計算を本粒度分布計が行うこ
とにより、本粒度分布計で測定した各粒径における頻度
f(x)を用いて、JIS R 5201に規定されて
いる比表面積試験によりブレーン値と同等の値を導くこ
とができる。したがって、本粒度分布計は、JISで規
定した比表面積試験に行うことなく、JIS A 62
01に規定される粉末度をブレーン値として算出するこ
とができる。
【0025】なお、実施の形態2および3に示した石炭
灰分析装置20および30に、実施の形態4で示したヒ
ータ41や実施の形態5で示した粒度分布計を同様に適
用することができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、レーザ
回折方式の粒度分布計測器とレーザ誘起ブレークダウン
方式の元素組成計測器とに導入される石炭灰の固気比が
それぞれ適切に調整されるので、石炭灰の粒度及び元素
組成を同時に分析できる。請求項2に記載の発明によれ
ば、レーザ回折方式の粒度分布計測器及びレーザ誘起ブ
レークダウン方式の元素組成計測器にとって、適切な固
気比に調整することができる。請求項3に記載の発明に
よれば、粒度分布計測器および元素組成計測器が並列方
式に配列され、流動中の石炭灰がそれぞれ独立して導入
されるので、互いの計測により生じる外乱の影響を受け
にくくすることができる。請求項4に記載の発明によれ
ば、粒度分布計測器および元素組成計測器が直列方式に
配列され、粒度分布計測器に導入された石炭灰が元素組
成計測器に導入されるので、構造が簡単な石炭灰分析装
置を提供できる。粒度分布計測器および元素組成計測器
の測定対象として石炭灰の同じサンプルを用いるので、
粒度と元素組成との相関関係を精度よく知ることができ
る。請求項5に記載の発明によれば、切換手段により、
測定目的に応じて、粒度分布計測器および元素組成計測
器の配列を容易に変更できる。請求項6に記載の発明に
よれば、加熱器により、湿分の除去された石炭灰を粒度
分布計測器および元素組成計測器に導入することがで
き、湿分の影響を受けない精度の高い計測を行うことが
できる。請求項7に記載の発明によれば、粒度分布計
は、計測された石炭灰の頻度から計算ブレーン値を算出
し、さらに、計算ブレーン値を補正して測定ブレーン値
を算出するので、精度の良いブレーン値として算出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る石炭灰分析装置の構成を
示す系統図である。
【図2】 実施の形態2に係る石炭灰分析装置の構成を
示す系統図である。
【図3】 実施の形態3に係る石炭灰分析装置の構成を
示す系統図である。
【図4】 実施の形態4に係る石炭灰分析装置の構成を
示す系統図である。
【図5】 実施の形態5に係る石炭灰分析装置に用いら
れる粒度分布計の計算ブレーン値と測定ブレーン値との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,20,30,40…石炭灰分析装置、6…粒度分布
計、7…LIBSセンサ、8,21,31…エアコンプ
レッサー、9,10,11…エジェクター、17,1
8,19…流量調整弁、35…第1開閉弁、36…第2
開閉弁、37…第3開閉弁、41…ヒータ、BT…計算
ブレーン値、BM…測定ブレーン値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 豊 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 厚見 真喜男 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA01 BA07 CA06 DA05 DA08 EA10 EA15 GA07 GB01 GB07 GB09 JA01 KA09 MA16 NA01 4D004 AA36 BA02 CA12 CA42 CB32 CB50 DA01 DA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動中の石炭灰を分析する石炭灰分析装
    置であって、 石炭灰の粒度分布を計測するレーザ回折方式の粒度分布
    計測器と、 石炭灰の元素組成を計測するレーザ誘起ブレークダウン
    方式の元素組成計測器と、 流動中の石炭灰を抽出し且つ希釈するとともに、希釈さ
    れた石炭灰を粒度分布計測器及び元素組成計測器にそれ
    ぞれ導入し、 粒度分布計測器に導入された石炭灰が第1の固気比を有
    し、元素組成計測器に導入された石炭灰が第2の固気比
    を有するように、第1及び第2の固気比を調整する固気
    比調整器とを備えたことを特徴とする石炭灰分析装置。
  2. 【請求項2】 第1の固気比は、0.45〜0.85で
    あって、第2の固気比は、0.7〜1.5である請求項
    1に記載の石炭灰分析装置。
  3. 【請求項3】 流動中の石炭灰が粒度分布計測器および
    元素組成計測器にそれぞれ独立して導入されるように、
    粒度分布計測器および元素組成計測器が並列方式に配列
    された請求項1または2に記載の石炭灰分析装置。
  4. 【請求項4】 粒度分布計測器に導入された石炭灰が元
    素組成計測器に導入されるように、粒度分布計測器およ
    び元素組成計測器が直列方式に配列された請求項1また
    は2に記載の石炭灰分析装置。
  5. 【請求項5】 粒度分布計測器および元素組成計測器の
    配列を、直列方式及び並列方式のいずれかに切り換える
    切換手段を備えた請求項1または2に記載の石炭灰分析
    装置。
  6. 【請求項6】 粒度分布計測器および元素組成計測器に
    導入される石炭灰の湿分を除去する加熱器を備えた請求
    項1〜5のいずれか一項に記載の石炭灰分析装置。
  7. 【請求項7】 粒度分布計測器は、計測された石炭灰の
    頻度から計算ブレーン値を算出するとともに、この計算
    ブレーン値を補正して測定ブレーン値を算出する請求項
    1〜6のいずれか一項に記載の石炭灰分析装置。
JP2001377078A 2001-12-11 2001-12-11 石炭灰分析装置 Withdrawn JP2003177095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377078A JP2003177095A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 石炭灰分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001377078A JP2003177095A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 石炭灰分析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003177095A true JP2003177095A (ja) 2003-06-27

Family

ID=19185130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001377078A Withdrawn JP2003177095A (ja) 2001-12-11 2001-12-11 石炭灰分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003177095A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013197A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Central Res Inst Of Electric Power Ind 石炭灰性状の評価方法及び評価システム
CN102053083A (zh) * 2010-11-09 2011-05-11 清华大学 一种基于偏最小二乘法的煤质特性在线测量方法
CN104713855A (zh) * 2015-03-12 2015-06-17 华中科技大学 一种激光探针检测铁矿石酸碱度的方法
JP2016199464A (ja) * 2016-06-15 2016-12-01 一般財団法人電力中央研究所 既成灰の評価方法
CN112255149A (zh) * 2020-10-10 2021-01-22 中国科学院近代物理研究所 松散颗粒堆积物粒度尺寸的检测方法、***及存储介质

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013197A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Central Res Inst Of Electric Power Ind 石炭灰性状の評価方法及び評価システム
CN102053083A (zh) * 2010-11-09 2011-05-11 清华大学 一种基于偏最小二乘法的煤质特性在线测量方法
CN104713855A (zh) * 2015-03-12 2015-06-17 华中科技大学 一种激光探针检测铁矿石酸碱度的方法
JP2016199464A (ja) * 2016-06-15 2016-12-01 一般財団法人電力中央研究所 既成灰の評価方法
CN112255149A (zh) * 2020-10-10 2021-01-22 中国科学院近代物理研究所 松散颗粒堆积物粒度尺寸的检测方法、***及存储介质
CN112255149B (zh) * 2020-10-10 2022-07-05 中国科学院近代物理研究所 松散颗粒堆积物粒度尺寸的检测方法、***及存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5818899A (en) X-ray fluorescence analysis of pulverized coal
CN104316564B (zh) 一种海上石油平台压缩空气管路清洁度检测方法
MY139220A (en) Carbon black sampling for particle surf ace area measurement using laser-induced incandescence and reactor process control based thereon
Kupiszewski et al. The Ice Selective Inlet: a novel technique for exclusive extraction of pristine ice crystals in mixed-phase clouds
AU2009309738B2 (en) A method and a device for verifying and controlling the removal of hydrogen fluoride from a process gas
Ferraris et al. Identifying improved standardized tests for measuring cement particle size and surface area
JP2003177095A (ja) 石炭灰分析装置
CN105372393B (zh) 锅炉烟气成分巡回检测***及其控制方法
USH1757H (en) Method and apparatus for automated isokinetic sampling of combustor flue gases for continuous monitoring of hazardous metal emissions
Koch et al. Evaluation of the Respicon® as a personal inhalable sampler in industrial environments
JP3001496B2 (ja) 分級フライアッシュの未燃炭素量測定方法およびその装置
JP2011169884A (ja) 微粒子分析装置および微粒子分析方法
US5841037A (en) Process for sampling in particle-laden gas streams
CN208076390U (zh) 在线近红外分析装置
JP2008096168A (ja) 粒子分級装置
JP3917943B2 (ja) 灰中未燃分計測システム
JP3854516B2 (ja) 灰中未燃分計測装置
JP3530515B2 (ja) 灰中未燃分計測装置
Lamminen Simultaneous PM10 And PM2. 5 Measurement From Stacks According to New ISO 23210 Standard
JP2949096B1 (ja) フライアッシュの未燃炭素量測定方法およびその装置
Noll et al. Evaluation of the SKC® DPM cassette for monitoring diesel particulate matter in coal mines
JPH0563239B2 (ja)
ES2615504A1 (es) Dispositivo para determinar la concentración de partículas condensables y filtrables por muestreo isocinético en fuentes estacionarias
Tuchman et al. Implementing infrared determination of quartz particulates on novel filters for a prototype dust monitor
Wertheimer et al. Light scattering instrumentation for particulate measurements in processes

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301