JP2003175985A - 液体滴下容器 - Google Patents

液体滴下容器

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JP2003175985A JP2002173618A JP2002173618A JP2003175985A JP 2003175985 A JP2003175985 A JP 2003175985A JP 2002173618 A JP2002173618 A JP 2002173618A JP 2002173618 A JP2002173618 A JP 2002173618A JP 2003175985 A JP2003175985 A JP 2003175985A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】この発明は、内部に収容された所定の溶液を滴
下する滴下口を有する容器本体と、該容器本体に着脱可
能に装着され該容器本体の滴下口を開閉するためのキャ
ップ部材と、該容器本体の容器壁の一部を構成する状態
で設けられ、押圧操作により容器本体の内容積を可逆的
に増減変化させる滴下操作部と、該滴下操作部と結合
し、該操作部に対して押圧操作を垂直方向に可能ならし
める押圧片とを有する滴下操作部材とを備えることを特
徴とする液体滴下容器に関する。 【効果】 本発明に従う液体滴下容器にあっては、容易
に安定した滴下量を保証することができ、容器自体の構
造が簡単であるためにそのコストを削減することができ
る。さらに他の態様として不正開封防止機構の採用によ
り流通過程での安全性を保証し、同時に容器の美感性を
損なわないような構成とすることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、目薬溶液
やコンタクトレンズの洗浄液、消毒液等の溶液を収容
し、その使用に際して作用液を必要量だけ滴下して取り
出すための液体用滴下式容器に係り、特に押圧により容
器内部の容積を変化させる構造の液体滴下容器に関す
る。さらに、このような滴下容器において、開封された
ことが外観から明確に判断可能な不正開封防止付きキャ
ップを有する滴下式容器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばコンタクトレンズの洗浄や消毒等
に用いられる溶液は、その使用目的に応じて、レンズ表
面に付着する脂質を除去するもの、蛋白質等の汚れを除
去するもの、レンズの消毒をするものなど、溶液によっ
てそれぞれの機能を発揮するように開発されている。こ
のような作用液の中には、その液の機能を充分に発現さ
せるために、その使用量を一定の割合で混合して用いる
ことが望ましいものがある。例えば、レンズに付着した
蛋白質を除去するための酵素溶液がそうである。酵素
は、溶液状態での安定性に問題があるために溶液として
流通させる場合には、有機液体(例えば、グリセリン、
プロピレングリコールなど)およびホウ酸化合物と水と
の混合溶液中に溶解されており、コンタクトレンズ用の
洗浄液や消毒液に希釈することによって酵素活性を高め
て使用される。この時、希釈率が高すぎると実質的な酵
素濃度が低くなって洗浄効果に影響し、また希釈率が低
すぎると混合後の溶液の浸透圧が酵素安定化のために用
いられる有機液体によって高くなり、コンタクトレンズ
のサイズやベースカーブ等の規格に影響するといった問
題があるので、液体酵素の滴下混合時においては、その
比率をほぼ一定にすることが求められるのである。
【0003】このような酵素溶液は、通常、専用の容器
に収容され、用時その容器から必要量を取り出して用い
られる。溶液の容器としては、可撓性材料で構成された
弾性変形可能な容器に収容して、使用者がこの容器の側
面等を押圧変形させることにより、その取り出し口から
噴出乃至は滴下されて取り出すものが考えられる。しか
し、このような容器からの取り出しは、使用者の押圧力
の違いによって取り出される量にバラツキが生じるた
め、その溶液を使用したときの効果を最大限に発揮する
ような使用方法を求めるには、使用者側で押圧変形量を
加減してもらう必要があり、その操作が困難であるとい
った問題がある。
【0004】そこで例えば、(1)本発明者が以前提案
した実公平8−9708号に開示される、剛性材料性容
器本体の底部を柔軟な弾性材料で塞いで当該弾性材料の
変形量を容器側の内向きフランジで規定することにより
滴下量を調節するもの、(2)実開昭63−46383
号、特開平8−301331号に開示される、容器本体
の底部を弾性のダイヤフラム板により塞ぎ、ダイヤフラ
ム板の外側に設けられた押圧片をとおして押圧力を垂直
にダイヤフラム板に伝え、内容物の滴下量を調整するも
の、(3)特開平10−203574号に開示される、
容器本体の底部をプッシュゴムで塞ぎその上からガイド
キャップをとおした押しボタンにより押圧することで、
ガイドキャップからの突出部分である押しボタンの高さ
を一定にして、内容物の滴下量を調整するものなどの提
案がなされた。
【0005】前記(1)〜(3)の容器によれば、確か
に一定量の滴下を保証して、容器内に収容される液体は
供給者の意図通りに使用されることとなる。しかし、
(1)については弾性材料と剛性材料をそのまま接着は
できないため、弾性材料を覆い容器本体と固定するため
の別部品として剛性材料が必要となり、容器本体の密閉
性や弾性材料を透して溶液の揮発の問題があった。
(2)についても、前記同様に部品点数が多いこと、容
器本体の密閉性等の他に、押圧片と容器固定部との連結
部は撓みやすくするために薄く、細く形成してあり頻繁
な使用により変形し易いという問題、(3)については
上記(1)、(2)と同様の問題及び、前記各容器に比
して遙かに部品点数が多く容器のコスト高に繋がるおそ
れがあるなど、いずれも改良する余地のあるものであっ
た。
【0006】一方、上記各公報に比して、(4)部品点
数を極力減少させることのできる実開平6−10163
号に開示される、容器本体を構成する剛性材の一部を極
薄く構成して弾力性をもたせた滴下容器がある。この容
器では(1)〜(3)に開示の容器の密閉性および、弾
性材料を用いない事による溶液の揮発による濃度変化と
いう問題、部品点数の削減等を解決しうる。しかし、滴
下量を一定とするための具体的解決手段が、滴下口の形
状と溶液の表面張力によって図られているので、例え
ば、滴下時の容器を垂直に把持するかまたは斜めに把持
するかによって、滴下口と液滴との間の表面張力の関係
に差が生じ、使用の度に滴下量が異なる蓋然性がでてく
る。また、滴下操作部の押圧による容器内容積の変化量
が一定しないので、滴下量に個人差が生じる等の問題が
あった。
【0007】また、滴下容器の開封については従来より
不正開封防止策が重要な課題であり、それに対する提案
として、特開平7−309358、特開2000−34
4265、特開2001−180708等に開示される
いわゆるピルファープルーフ特性を有するキャップの不
正開封防止装置がある。これらの不正開封防止装置はキ
ャップと切り離し可能なリングが切断されているか否か
によって、その商品が不正に開封されたことを表示す
る。その表示自体はそれで充分であるが、切り離された
リングが容器の首部で安定せず、容器全体として美感を
損なうものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいて、本発明
は、上述した事情を背景にして為されたものであって、
その解決課題とするところは、内部に収容する所定の溶
液(例えば、目薬、コンタクトレンズ用溶液など)を一
定量滴下することができ、容器を構成する部品点数を減
少させるとともに、容器の密閉性を向上させることがで
きる液体滴下容器を提供することを目的とする。本発明
のさらに別の目的は、このような滴下容器において通常
問題とされる不正開封防止機構を有する滴下容器を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては上記課
題を解決するために、以下に示す液体滴下容器を提案す
るものである。すなわち、(a)内部に収容された所定
の溶液を滴下せしめるための滴下口を有する容器本体
と、(b)該容器本体に着脱可能に装着せしめられて該
容器本体の滴下口を開閉するためのキャップ部材と、
(c)該容器本体の容器壁の一部を構成する状態で設け
られ、押圧操作による変形と構成材料の弾力性に基づく
原形状への復元による変形とによって、該容器本体の内
容積を可逆的に増減変化させる滴下操作部と、該滴下操
作部と一体的に構成され、該操作部に対して押圧操作を
垂直方向に可能ならしめる押圧片とを有する滴下操作部
材と、を備える液体滴下容器である。
【0010】前記滴下操作部材の材質は容器本体との接
着性を良好とするために同一の素材から形成されている
ことが好ましい。容器本体の成形後は、内溶液を充填し
て、滴下操作部材により密閉されるが、当該接着部不良
以外には、内溶液の漏れることは考えられない構造であ
るので、両方の材質が一致している方が接着に関して有
利であるからである。
【0011】また、滴下操作部と一体的に構成される押
圧片との間には、滴下操作部の変形による内容積の変化
量を規制する容積変化規制手段が設けられており、例え
ば、これは滴下操作部側もしくは押圧片側の少なくとも
いずれか一方の側に凸状部として形成されており、それ
が2個所以上設けられていること、あるいは、環状スト
ッパを滴下操作部と押圧片の間に設けることもできる。
【0012】容器本体の滴下口がシールされている場合
には、そのシール部に穴を開けることが出来るように、
キャップ部材内底部にスパイクが突設されており、容器
本体にキャップを螺進することによりシール部が開放さ
れ、滴下口が形成される。この場合、キャップ部材と容
器本体との間には、流通段階での不用意なシール開封を
防止するために円筒ストッパを有していることが好まし
い。キャップ部材開口端に薄肉に連設された円筒ストッ
パは、容器本体のキャップとの螺合ネジ部終端部に周設
される環状の突条部によって、前記円筒ストッパの一端
面が突条部に係止されることにより、開封前のキャップ
の螺進を制御する。また、開封時における強制的な螺進
により前記円筒ストッパが突条部を越えて前進し、前記
円筒ストッパの他端面が容器本体の前記突条部と係合す
ると共に、キャップ部材内底部のスパイクにより容器本
体の滴下口を開封するように構成される。続いてキャッ
プ部材を螺退してキャップを取り外すに際して、円筒ス
トッパとの薄肉連設部が破断され円筒ストッパが容器本
体に残るように構成される。
【0013】従来の一般的な滴下操作部は軟質材料(例
えばシリコンゴムなど)で構成されているので、容器本
体(例えばポリプロピレンなど)と滴下操作部をある程
度の接着強度をもって直接接着することは困難である。
通常これらの固定方法は容器本体と同種の材質からなる
固定用部材と、容器本体との間に前記軟質材料よりなる
滴下操作部を挟んで、固定用部材を容器本体側に抑えつ
けながら超音波等により溶着する。従って、従来の滴下
操作部の固定には固定用部材がどうしても必要であり部
品点数の増加による容器のコスト高および、両者の接着
圧力不足による滴下操作部の分離、容器内部に収容する
水等が前記軟質材料ないし挟圧部を透過して揮発し内容
成分の濃度が変化するなどの問題があった。本発明では
滴下操作部の材料を本体と接着性の良い材料、好ましく
は同種の材料から構成し、前記固定用部材の使用を削除
したので部品点数を削減することができる。たとえば、
容器本体の材質が、ポリカーボネート、ポリサルホン、
ポリアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレ
ンビニルアセテート、ナイロンなどの硬質樹脂から選択
されるのであれば、滴下操作部の樹脂も前記と同様の材
質で構成することが好ましい。同種の材料であれば容器
本体との超音波接着が用意になり、両者を接着するため
に別部品である固定用部材を必要としないので部品点数
の削減が可能である。また、これら硬質樹脂材料は軟質
材料に比して水分の透過性が少ないために、収容溶液の
濃度変化が生じない容器にできる。
【0014】ここで、従来の滴下操作部が軟質材料であ
ったのは、当該部位を反復継続的に押圧変形しやすくす
ることが目的のためであり、本発明においては、滴下操
作部を薄くかつドーム状に形成する事によって軟質材料
でなくても、容器の容積変化が可能になる。しかし、そ
れだけでは液体滴下容器として重要な機能である、一定
量の滴下を可能にすることが充分に果たせないため、本
発明では滴下操作部に連結して一体の構造を有する押圧
片を有している。一体的構造としては滴下操作部のドー
ム形状の頂点部分と、円板状の押圧片の中心部とが連結
したような構造で、使用者は直接滴下操作部に手指等を
触れることは出来ないが、押圧片を押圧することにより
ドーム状の頂点部から滴下操作部全体を均一に押圧でき
る。直接押圧する場合に比して、従来使用者の指の太さ
などに応じて押圧面積が大きくなったりあるいは小さか
ったりして、統一した滴下量の確保が出来なかったこと
を改善した。また、滴下操作部は薄肉の硬質樹脂製であ
るために過度の変形に対して樹脂疲労によって迅速な復
元ができなくなったり、あるいは強く押圧しすぎて薄肉
部の付け根あたりで折れ曲がり復元力を失う事態も予測
されたが、本発明の押圧片の採用により滴下操作部に必
要以上の力が加えられなくなったので、前記問題点を解
決できた。
【0015】押圧片は滴下操作部と同一樹脂を使用する
ことが両者の一体的構造上好ましいのであるが、必ずし
も異種の材料を使用して形成してはならないというもの
ではない。両者の連結に使用上の耐久性があれば、滴下
操作部はある程度の柔軟性材料を使用する方が良いし、
押圧片は剛性材料を使用した方が、滴下操作部に対して
均一に変形させることが出来るからである。この押圧片
の形状としては円形平板状であることが好ましい。容器
本体が円筒状の場合に、円形であれば容器全体としての
まとまりがよく、平板状にすることにより押圧片を底面
として容器を立てることができるからである。また、容
器本体の形状に合わせて容器本体が三角柱状であれば三
角、四角注状であれば四角等の多角形平板状であっても
良い。容器本体が多角柱状であれば、机上を転がること
を防止する効果を持たせることができる。また、押圧片
を底面として容器を倒立状態にはできなくても、デザイ
ン面を考慮して押圧片を半球状、三角錐などの多角錐、
立法体などの多角柱、または表面に凹凸の模様をつけた
り、あるいは彫刻などの装飾を付してもよい。押圧片の
押圧面側のこうした変更は、特に滴下操作部のドーム形
状を押圧できるかぎりどのような形状であってもよい。
一方、押圧片の滴下操作部側表面は、滴下操作部への押
圧作用を均一にするために、平坦な面であることが望ま
しい。
【0016】押圧片と滴下操作部とが一体となった滴下
操作部材は、射出成形、圧縮成形など従来の成形方法に
より成形可能であり、これらは初めから一体成形した
り、個々に成形したものを接着して一体としてもよい。
ただし、両者の結合部は滴下操作部のドーム頂点部と押
圧片との接点部分であるために、個別に成形する場合に
は、その接着が通常の使用に耐久性があることが条件と
なる。
【0017】また、滴下量をより確実に制御するため
に、押圧片と滴下操作部との間に本体容器の容積変化規
制手段が設けられていることが好ましい。滴下に際して
は、押圧片を押すことにより滴下操作部のドーム形状の
頂点部から押し潰されて容器内の体積を減少させ、所定
量の収容溶液が滴下口より取り出される。この押圧操作
は、前記押圧片の採用により滴下操作部への押圧力が平
面的に加えられることにより、指の大きさに関わりな
く、一定の体積変化をおこさせることができる。従っ
て、押圧片と滴下操作部との間に適当な凸状部を設ける
ことにより、両者の間に一定の間隔を持たせるように制
限すれば、滴下操作部の変形量を規定することができ、
内容物に応じて種々の設定が可能になると共に滴下量が
より正確に調節されることとなる。勿論、このような規
制手段が設けられていなくても、押圧変形には限界があ
る(例えば、容器本体の外形よりも押圧片が大きい場合
には、容器外形で押圧片の動きが制限され、小さい場合
には容器内部まで押圧片が押し込まれる可能性がある
が、その場合でも、滴下操作部のドーム形状を反転させ
た位置までが限界である)ので、その限界を滴下量の一
定値とすることもできるが、前記凸状部の高さを種々設
定することで、押圧片のストロークを調整し、用法に応
じて多種の応用ができることになる。さらに容積変化規
制手段の別の態様として、滴下操作部と押圧片との間に
環状のストッパを設けることも可能である。当該ストッ
パは中心に貫通孔を有し、貫通孔を通して突出する押圧
片を使用時に押圧すると、指がストッパにて動きを制限
されるために、滴下量が一定となるようにするものであ
る。
【0018】容器の滴下口については、それがはじめか
ら開口されている場合と、流通段階では薄肉樹脂等によ
り開封可能にシールしておく場合がある。滴下口がはじ
めから形成されている場合の利点としては、内溶液の滴
下操作時に口部からの液切り効果があるように種々の形
状を持たせることができ、そのような形状として例え
ば、滴下口の先端部内周面に、先端に向かって大きな口
径と為すテーパ面が形成されるようにし、さらに液垂れ
を防止するために、滴下口を構成する滴下菅の菅径より
も大径のカエリ部を形成して、該カエリ部の背後の該滴
下菅の周りを空間とすることにより、内溶液が滴下口先
端部に、残留することなく優れた液切りが可能になる。
勿論、滴下口を開封可能にシールしておいた場合であっ
ても、前記のようなテーパ面やカエリ部の形成された滴
下口にすることはできるが、キャップ内面スパイクは、
滴下口を貫通する孔を開けることは出来ても、シールし
ていた薄肉樹脂の完全な除去はできないために、残留す
る樹脂片の影響により内溶液の滴下操作の際に、貫通孔
の付近で内容液の圧力が加わり、溶液の流れに乱れが生
じるので、液滴の大きさを一定に調節する効果として
は、はじめから滴下口が形成されている場合の方が優れ
ている。しかし、はじめから滴下口を形成した容器にあ
っては、流通段階における容器の密閉性向上のために、
キャップ内面に滴下口と接触してこれを閉塞する弾性パ
ッキン(例えばシリコンゴムなど)を設けることが望ま
しいのであり、それに比較して、使用時まで開封可能な
薄肉樹脂により滴下口がシールされている容器は、キャ
ップがなくても十分な密閉性を保持することが可能であ
る。なお、滴下口貫通後の使用期間内はパッキン等がな
くてもスパイク部分が容器の密閉性を維持する役割を果
たし、短期間の保存には十分対応可能である。
【0019】ところで、このような容器にあっては、不
正に開封されたかどうかを使用者に認識させるために何
らかの機構、構造を持たせることが望まれる。この不正
開封認知機構として、簡単なものでは容器全体をシュリ
ンクフィルムで覆ったものや、容器本体とキャップ部材
との間に円筒ストッパが形成され、円筒ストッパはキャ
ップに破断可能に連結された樹脂であって、キャップを
開ける方向に螺進したときに、キャップに追随しないで
容器本体口部に残留して破断される構造のものがあげら
れる(一般にピルファープルーフ特性という)。本発明
では、滴下口が開封可能な薄肉樹脂によりシールされて
いる場合に、以下に述べるような不正開封認知構造とす
ることが好ましい。滴下口がシールされている場合、そ
れを開封するためにキャップ内スパイクにより貫通孔が
形成されるが、その場合にはキャップを容器本体方向に
ネジ締めることになる。そしてキャップ内スパイクがシ
ール部に達し、さらにこれを進めることによりシール部
の薄肉部樹脂が開封される。その際、容器本体と、キャ
ップ部材との間の円筒ストッパは、キャップ部材の螺進
によって押し下げられる。容器本体のキャップ取り付け
ネジ部終端には環状に突条部が設けられており、円筒ス
トッパの端面が突条部に係止することにより、キャップ
の締め付け方向への螺進が妨げられているが、キャップ
を強制的に締めるとそのキャップに押されるようにして
円筒ストッパ端面が突条部を乗り越えて前進する。円筒
ストッパ内周面には凹溝が形成されており、キャップが
進まなくなる位置まで押された円筒ストッパは、その位
置において前記突条部と凹溝が嵌合し固定される。従っ
て、容器が開封されたか否かは、円筒ストッパがどの位
置にあるかによって使用者に認識できることとなる。ま
た、円筒ストッパによってキャップの不用意な螺進が妨
げられるので、流通段階での誤った開封等を阻止するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をより具体的に明らか
にするために、本発明に係る滴下容器について、構成図
面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】図1には、本発明に従う滴下容器の断面図
の一例が示されている。かかる図から明らかなように、
本発明の滴下容器1は容器本体内容積を可逆的に変化さ
せる滴下操作部3によって円筒状容器本体2の開口端部
21を閉塞されており、他端は外周にネジ部22を有す
る首部23と薄肉シール24された滴下口25が形成さ
れている。そして、該他端のネジ部22に対応するネジ
部12を内周壁に有し、内底部中央にスパイク11を有
するキャップ10が螺着されている。使用者がこのキャ
ップ10を螺進することで、滴下口のシールを開封し容
器内に収容されている所定の液体が滴下可能となる。ま
た、滴下操作部3にはこれと結合して垂直方向に押圧操
作し易いように押圧片4が設けられている。
【0022】円筒状容器本体2と、滴下操作部3は超音
波溶着し易いように同一の樹脂材質から形成されてお
り、安価で取り扱い易いように、一般的な射出成形また
は熱圧縮成形により例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンビニルアセテート、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ナイロン、アクリル等から適宜選択される
熱可塑性プラスチックから構成される。成形後、円筒状
容器本体の開口端部21より所定の溶液を充填し、滴下
操作部3により覆蓋、両者の接する周辺部を超音波によ
り溶着して密封する。滴下操作部の周辺部は、容器本体
と樹脂同士の溶融により結合されるので、従来の軟質材
料を間に挟んで固定用部材と本体容器とで圧着していた
場合に比べて、格段に密封性が向上し、収納液の漏れを
防止できる。また、円筒状容器本体2は、使用途中に使
用者が残存液量を視認できる程度の透明性を有する樹脂
からなることが望ましいが、無色透明である必要はな
く、着色されていたり商品名等の記載や各種デザインが
施されていてもよい。
【0023】滴下作業中の取り扱い時は容器本体を把持
されるので、適度に硬質でなければ把持圧により容器本
体が変形し、内溶液の滴下量を一定にすることが困難と
なる。それに対して、滴下操作部は押圧片を通して容器
内容積を可逆的に変化させることとなるため、弾性力を
有しなければならない。しかも、容器本体と滴下操作部
は前記のように超音波溶着するためには、両樹脂を同一
にすることが好ましい。従って、滴下操作部の変形部分
は薄く、ドーム状に成形して、樹脂自体が硬質であって
も、操作部としては柔軟に変形可能となるようにした。
滴下操作部のドーム形状は、いわゆる半球状であると操
作時の変形が大きすぎて、頻回操作による樹脂疲労によ
って元の形状への復元力に問題が生じ易くなり、逆にほ
とんど平坦な状態である場合には、押圧により変形する
容積が少なすぎて、内溶液の滴下ができなくなるので、
断面図における角度αが5〜45°の範囲内とすること
が望ましい。
【0024】滴下操作部には、ドーム状の周端部より下
方に延設された段差のある円筒状壁31を有し、当該部
分と容器本体の開口端部21周辺に形成された段付き面
に嵌合して前記したように超音波溶着される。この溶着
部の各形状はそれぞれの樹脂がより液密になることを想
定して種々の形状に成形されるのであって必ずしもこの
ような段差等をつけなければならないものではない。こ
の樹脂間にゴム弾性を有する軟質材料を圧入嵌合する場
合には両者の接着力の向上は必須であったが、本発明例
では、滴下操作部材と容器本体との間に挟持しないので
密封力にさほど障害となる要素はく、有利に液密が図ら
れるのは前記した通りであり、これにより、両者に優れ
た一体感が付与されている。また、両者間には圧入嵌合
すべきものが無いために、容器本体と滴下操作部材との
接着面積を広く設けることができるので、容器本体の厚
みを薄くでき、容器全体のコンパクト化、スリム化が有
利に図れる。
【0025】滴下操作部3には押圧片4が結合している
が、その結合様式は図1に示すように滴下操作部の一部
を形成するような構成であってもよく、また、ドーム状
の頂点と接する様に平坦面が接合しているような構造
(例えば図2で示す)であってもよい。従来、滴下操作
部を直接押圧していた場合には、指の太さや指先の形状
などによって、押圧されたときに変形する滴下操作部の
体積が異なり、結果として、供給者の意図した所定量の
滴下液量に差が生じていた。本発明では、図1に示すよ
うな押圧片を滴下操作部と一体に設けることにより、需
要者による個別的差異の生じない滴下量を可能としたの
である。滴下操作部は、前記したように滴下時に可逆的
に変形できるようになっており、これと一体的に構成さ
れる押圧片に押圧力を加えると、押圧片は一枚の板とし
て凸面を押し下げるように働き、従って変形する体積は
押圧するときの圧力によって決定され指先の形状等によ
らないので一定の滴下量が得られることとなる。押圧片
の指先の接する側は図に示すように略平坦面(中心に多
少のくぼみはあるが全体的には平坦)であり、押圧片を
下にして容器を倒立させることが可能で、使用途中でキ
ャップをしなくても、滴下口の汚れ防止、内容液の漏れ
を防止することができる。
【0026】さらに、滴下操作部の押圧操作による変形
量を規定するために、容器本体の内容積の変形量を制御
する容積変化規制手段5が、押圧片と滴下操作部との間
に設けられていることが好ましい。図1には押圧片4の
周縁部2箇所に凸状に設けられていることを示す。すな
わち、使用者が押圧片4を押すと滴下操作部3が下方に
押し下げられるが、その際に押圧片4の周縁部と滴下操
作部3の間隔は小さくなりやがて、押圧片4に設けられ
た容積変化規制手段5が滴下操作部3に接触してそれ以
上に押し下げることができなくなる。この時の滴下操作
部の変化により容器本体の容積が減少し、容器内の溶液
が注出される量を、所定の滴下量とすれば、常に一定量
の滴下が確保されることとなる。容積変化規制手段5の
突出高さを調整すれば一回の押圧操作による注出量の増
減が図られる。上述のように、滴下量を一定とする操作
は、例えばコンタクトレンズの洗浄剤中にタンパク質除
去効果のある液体酵素剤を希釈滴下するが如き処理方法
などにおいて溶液量の制御、取り出し操作が極めて簡単
となるのである。また、そのような制御を必要としない
溶液の取り出しに用いたとしても、必要量だけ正確に滴
下できるために、溶液の無駄使いが無くなるという利点
があるのである。
【0027】また、図5には、容積変化規制手段の他の
例を示す。(a)図に対してA−A’ラインでの縦方向
断面図を図5(c)に示す。本例では、押圧片4と滴下
操作部3との間に、円環状の平板40を設けてある。押
圧片は円環状の平板40の中心に設けられた貫通孔41
より突出しており、使用者が押圧片を押さえることによ
り滴下操作部が押し下げられるが、平板により指の動き
が制限されるために一定の位置までしか、押圧すること
ができないので、滴下量を一定にすることができるとい
うものである。この例では、滴下操作部材の部品点数
が、図1記載の例に比較して、1つ多くなるが、各部品
の成形の容易さや、滴下量の調整の面でより優れた容器
である。本例では、容器のキャップ部材50が容器本体
42を覆うような大きさに形成されている。これは、キ
ャップ部材をネジ締めした場合の螺進の限界を容器本体
の端面43との当接により使用者に明示することができ
る様にしたものであって、キャップ部材の締めすぎによ
る容器本体の滴下口46の形状が変形することがないよ
う考慮したものである。さらに、容器本体42の薄肉シ
ール45は流通・保管時の容器内の密閉性を維持し、キ
ャップ内底部中央のスパイク44により開封された後の
使用中の内溶液の保存については、同スパイクが容器滴
下口を閉塞することによりなされる。なお、(b)図は
キャップ部材50を外した状態を示したものである。こ
の図において円環状の周壁の一部48が窪んでいるよう
に形成されている。これは、爪の長い使用者が押圧片を
押す場合には、爪先をこの部分に持っていくように操作
することにより、押圧しやすくしたものである。
【0028】連続した頻回の形状変化がともなう滴下操
作部と押圧片とは、耐久性・形状保持の観点から一体で
成形されていることが望ましいが、両者を個別に成形し
てその接点を各種の接着方法(たとえば、前記した超音
波溶着など)により結合させても良い。両者を個別に成
形する利点としては、滴下操作部には形状変形し易いよ
うに弾性力を有する材質を使用し、押圧片には形状変形
し難いように剛性の材質を使用でき、それぞれ目的に合
った材料を使用できることであるが、欠点としては両者
の連結点が破損しやすいことである。また、本体容器と
滴下操作部材との接着のためには両者材質を同一とする
方が好ましく、そうすると滴下操作部の材質は剛性の樹
脂よりなるために、滴下操作部の形状を例示したような
弾性変形可能なように厚みを薄くまたドーム形状に成形
する。なお、この滴下操作部及び押圧片については透明
性が特に要求されることはなく、また種々の色に着色さ
れあるいは部材ごとにそれぞれ別種の着色をしていても
何ら問題はない。
【0029】容器本体の他端部には内溶液を滴下するた
めの滴下口25が滴下管26の中央部に内孔として形成
されている。そして、図3に示されているように滴下管
の先端にはカエリ部27が該滴下管26の外周方向に突
出するように形成され、これによってカエリ部と滴下管
との間に段差が形成されるので、滴下口を通じて外部に
注出される内溶液が良好に液切りされるようになる。ま
た、滴下口は一定の内径で貫通する注出路であってもよ
いが、図3に示すような先端に向かって大きな口径にな
るようにテーパ面20を形成することが好ましく、滴下
口外周からカエリ部終端面に至る外面28は図に示すよ
うに湾曲面とされることが望ましい。滴下操作時の容器
本体の把持される角度(滴下口を下にして垂直に容器を
立てる場合や、容器を斜めに保持する場合等)によっ
て、滴下管先端に形成される液滴と滴下管との接触面積
に差が生じ、溶液の表面張力に基づいて滴の大きさが異
なることがないようにするためであり、それにより、優
れた溶液の液切り効果が得られるようになっている。容
器本体から内溶液を注出する操作は、押圧片を押圧する
ときの滴下操作部の変形によるので、押圧片への加圧を
開放すると滴下操作部の復元により滴下口から容器本体
内への吸引力が働くことになる。このとき滴下口に残存
する液滴も容器内に逆流するために、滴下口からの液切
れは一定量の滴下を達成するための重要な要素となる。
特に溶液が液体酵素剤である場合には、酵素の安定化の
ために粘度の高い溶液を使用しており、該溶液は滴下口
に滞留しやすいために、前記構造はそのような不具合を
有利に回避することができる。
【0030】滴下口25の内径(図3のa)およびテー
パ面の角度等は、内溶液の粘性や表面張力等の物性によ
って適宜定まるものであり、一概には言えないが、一般
的には内径が0.3mm〜1.5mmの範囲、テーパ面
の角度が30〜60°とされる。粘性が高いほど内径を
広げないと滴下操作時の圧力だけでは容器内圧が高くな
るだけで、内溶液が注出されなくなることが考えられ、
逆に粘度が低いと滴下時に容器を逆さまにしただけで、
押圧片の押圧を待つまでもなく、内溶液の滴下が進行し
て一定の滴下量を得ることが出来なくなる。また、テー
パ面の角度が30°以下であると滴下時の液切れが悪く
なる傾向があり、60°以上の場合には、滴下口に残存
する液が残りやすくなるので、上記範囲で選択すること
が好ましい。
【0031】滴下管26とカエリ部27との直径は、カ
エリ部の直径が滴下管よりも大きければ良いが、両者に
あまり差がなければカエリ部より背後の滴下管に渡って
滴ができ、液垂れの原因ともなりうるので、両者の径に
は0.5mm以上好ましくは1mm以上の差が有ること
が望ましい。また、滴下管26の径(図3のb)が大き
すぎると滴下口の滴が見難く、液滴を正確に容器に滴下
することが困難になるので2mm〜5mmの範囲内であ
ることが望ましい。
【0032】図1に示す例では、滴下管と容器本体部の
間には雄ねじ22が形成されており、滴下口を閉塞する
ためのキャップ部材10が着脱可能に螺合されている。
キャップ部材は通常のキャップが有する機能、即ち、流
通過程および使用中に容器本体内部の溶液が揮散、流出
しあるいはゴミや埃などの混入による汚染を防止すると
ともに、滴下管先端部の構造に対する他からの物理的衝
撃を防御する役割を有する。キャップ部材は容器本体部
と螺合による接続だけでなく、嵌合その他の方法で容器
と接続されても良い。またキャップ部材は容器本体と着
脱自在に接続するので、上記部材(滴下操作部材、容器
本体)と同じ材質である必要はない。
【0033】容器本体の滴下口が初めから貫通孔を有し
ている場合には、滴下口と接触するキャップ部材の内底
部にスパイクの代わりにゴム弾性を有する材料(例えば
シリコンゴム製のパッキン)が接着されていることが好
ましい。キャップ部材が容器本体に螺合された状態にお
いて、かかるパッキンが滴下口に押圧されるように密着
し、容器内の密封性を向上させ、流通過程における内溶
液の蒸発等を防止するためである。一方、滴下口が破断
可能にシールされている場合には、キャップ部材の内底
部にシール部に穴を開けるためのスパイクを有するもの
であることが望ましい。滴下口が破断可能にシールされ
ている場合には、流通過程における容器内部の液密が充
分に保証され、前記したパッキン等は特別必要がなくな
り、よって部品点数の削減、容器コストの低減が有利に
図れる。使用期間中の保存はキャップ部材のスパイクが
貫通した滴下口を閉塞することにより達成される。キャ
ップ部材の材質は、当該スパイクを形成する必要がある
か否かによって大きく異なる。前記したように滴下口の
口径は非常に細くなっているので、これをシールした部
分の貫通はかなり細いスパイクであることが条件にな
る。細いスパイクでもある程度の剛性を有するようにす
るためには、キャップ部材の材質自体が剛性を有した樹
脂を使用しなければ、シール部の貫通ができないことに
なる。具体的には、ポリカーボネート、ナイロン、アク
リル等から選択される。それに対してスパイクを構成要
素に必要としないキャップ部材であれば、多少柔軟な
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)のキャッ
プであっても使用に差し障りはないものと考えられる。
【0034】また、キャップ部材の螺進によるシール開
封時の操作と不正開封認知機構とを連動させることによ
り商品の安全供給をより確実にすることができる。本発
明例における不正開封認知機構は図1に示すように、キ
ャップ部材10と容器本体2との間にリング状の円筒ス
トッパ8を形成することによる。円筒ストッパは、キャ
ップ部材10の開口端に薄肉に連設されており、円筒の
一端面は図に示すようにテーパが設けられていることが
望ましい。一方、容器本体の雄ネジ終端部には環状突条
部29が形成されており、円筒ストッパの一端部周壁と
が係止することによって円筒ストッパの前進を妨げるも
のとなる。円筒ストッパを有するキャップ部材をネジ締
めしたときに、通常の力でネジ締めした場合には、前記
円筒ストッパの前進が容器本体の環状突条部29によっ
てはばまれるので、キャップ部材の螺進も円筒ストッパ
と接触した時点で止められる。その位置においてキャッ
プ部材の内底部に設けられたスパイク11は、滴下口の
シール24を貫通させるまでには至らない。しかし、更
に強制的にキャップを螺進させた場合には円筒ストッパ
の一端部周壁が容器本体の環状突条部を乗り越えて前進
し、最終的に容器本体胴部の段差位置30において円筒
ストッパの前進が止められる。ここまでキャップが螺進
されると、スパイクによる滴下口の開封が完了し、キャ
ップを開放すれば容器内より溶液を滴下できるようにな
る。また、円筒ストッパ内側の他端面と容器本体の環状
突条部とが係合し、円筒ストッパは容易に位置を変える
ことはできなくなって固定されるため、使用者は容器が
不正に開封されたかどうかについて容易に認知すること
ができる。
【0035】この円筒ストッパはキャップ部材と破断可
能に連結されており、キャップ部材を強制的にネジ締め
しない場合であっても、キャップ部材の開放方向への螺
退によって破断されて容器本体に残留するいわゆるピル
ファープルーフキャップのように構成され、キャップの
不正開封を完璧に防止しうる。それについては以下に図
面を参照して説明する。図4(a)には、円筒ストッパ
を有するキャップ部材を取り付ける前の容器本体2、お
よびその開口部を閉塞するように取り付けられた滴下操
作部3、押圧片4、容積変化規制手段5からなる滴下操
作部材が斜視図として示されている。容器本体には前記
したようにキャップを単純に開放する際にも円筒ストッ
パがそれに追随しないように突条部29の他に第二の環
状突条部35を設け、図4(b)に示すようにキャップ
を容器本体に取り付けた時に円筒ストッパは、第一の環
状突条部29と第二の環状突条部35との間に位置する
ようにされる。第二環状突条部35はネジ山22よりも
外方へ突出し、キャップ部材の螺進により円筒ストッパ
8は強制的に当該突条部35を乗り越えさせられる。そ
の後、仮にキャップ部材を開放するようにしても、円筒
ストッパは再び突条部35を超えることは出来ず、円筒
ストッパがキャップ部材と切り離されて容器本体に残留
することになる(いわゆるピルファープルーフ機構)。
これは円筒ストッパの断面が図1に示されるように一端
面がテーパ状、他端面が鋭角となっていることによる。
従って、一旦キャップ部材が、容器本体に取り付けられ
た後はキャップ部材を取り除くに際して必ず円筒ストッ
パを切り離すことになる。図4(c)にはキャップ部材
をさらに螺進させて容器本体の滴下口を開封したのち、
キャップ部材を除いた状態を示す。この時、円筒ストッ
パはさらに前進し、環状突条部29を乗り越えて容器本
体に固定される。
【0036】このように円筒ストッパは容器が開封され
たのちは、容器本体と一体化して一種のデザイン的な配
置となるので、使用者に好適な印象を与える。そこで、
円筒ストッパに各種の着色を施して、不正開封認知機構
としてだけでなく容器の装飾的部品としても機能するよ
うに構成すると良い。また例えば容器本体が円筒形であ
る場合に横置きした時に容器が転がりやすいので、円筒
ストッパの外表面に角を設けて鉛筆のごとく六角柱状等
に形成してもよい。ここで、円筒ストッパの幅は、キャ
ップ部材のスパイクが滴下口の非破壊位置から、滴下口
開封位置まで螺進できるだけの幅以上であればよく、通
常2〜7mm程度とされる。また円筒ストッパ内径は容
器本体のネジ山22に対して摺動可能な径であり、かつ
環状突条部の外径よりは小さい。ただし、円筒ストッパ
は前記したように強制的ではあるが突条部を乗り越えら
れるように、ある程度形状変化の可能性のある材質から
なることが望ましい。全く形状変化の可能性がないもの
である場合でも、容器本体の環状突条部を破壊して円筒
ストッパを前進させるようにすることは可能であるが、
そうするとキャップの螺進にかなりの力を要することに
なるので使用者には使い難くなるおそれがある。
【0037】以上、本発明の具体的な構成について記述
してきたが、これはあくまでも例示にすぎないのであっ
て、本発明は上記の記載によって、何等の制約をも受け
るものではない。
【0038】例えば、前記の不正開封認知機構はあくま
でも任意に付設するものであって、当該機構を付設しな
くても容器全体をシュリンクフィルム等により包装すれ
ば不正開封の防止は図れるのであり、さらに、容器全体
を紙製の箱等に梱包することでもよい。また、容器本
体、キャップ部材、押圧片などはその外形が円筒状であ
る必要はなく多角柱として横置き時の転がり防止や、把
持した時に握り易い形状にすることも可能である。これ
らは本発明の趣旨を逸脱しないかぎりにおいて適宜に変
更されるものであることは言うまでもないところであ
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従う滴下
容器にあっては、特に液体酵素剤などの取り扱いにおい
て、容易に安定した滴下量を保証することができ、容器
自体の構造が簡単であるためにそのコストを削減するこ
とができる。また、密閉性の高い容器の供給により保存
期間の長期化や、適用処方の幅が広がり、他用途への応
用が可能となる。さらに他の態様として不正開封防止機
構の採用により流通過程での安全性を保証し、同時に容
器の美感性を損なわないような構成とすることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様を示す断面図であ
る。
【図2】図2は本発明の滴下操作部と押圧片との接合形
態の他の例を示す。
【図3】図3は滴下口の例を示す拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明の容器本体の他の例を示し、
(b)は前記容器本体にキャップ部材を取り付けた状
態、(c)はキャップ部材を取り外して、円筒ストッパ
が容器本体と一体化した状態をそれぞれ示す斜視図であ
る。
【図5】(a)は本発明の他の例を示し、(b)は前記
キャップ部材を取り外した容器本体の斜視図、(c)は
(a)図におけるA−A’断面図。
【符号の説明】
1 滴下容器 2 容器本体 3 滴下操作部 4 押圧片 5、40 容積変化規制手段 8 円筒ストッパ 10、50 キャップ部材 11、44 スパイク 20 テーパ面 22 ネジ 24、45 薄肉シール 25 滴下口 26 滴下菅 27 カエリ部 29、35 環状突条部 30、43 段差
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月4日(2002.7.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 55/08 A61J 1/00 313A 313B Fターム(参考) 3E014 PA01 PB03 PB08 PC04 PD15 PE14 PE15 PE16 PF06 PF10 3E084 AA02 AA12 AA24 AA25 AA26 AB01 AB05 BA01 BA08 CA01 DA01 DB02 DB12 DB13 DB18 FA09 FB01 GA01 GB01 GB08 KA13 KB02 LA01 LA17 LB02 LB07 LC01 LF06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に収容された所定の溶液を滴下せし
    めるための滴下口を有する容器本体と、該容器本体に着
    脱可能に装着せしめられて該容器本体の滴下口を開閉す
    るためのキャップ部材と、該容器本体の容器壁の一部を
    構成する状態で設けられ、押圧操作による変形と構成材
    料の弾力性に基づく原形状への復元による変形とによっ
    て、該容器本体の内容積を可逆的に増減変化させる滴下
    操作部と、該滴下操作部と一体に構成され、該操作部に
    対して押圧操作を垂直方向に可能ならしめる押圧片とを
    有する滴下操作部材と、を備えることを特徴とする液体
    滴下容器。
  2. 【請求項2】 前記滴下操作部材と容器本体の材質が同
    じであることを特徴とする請求項1記載の液体滴下容
    器。
  3. 【請求項3】 前記滴下操作部の押圧操作による変形量
    を規定して、該滴下操作部材の変形による前記容器本体
    の内容積の変化量を規制する容積変化規制手段が、滴下
    操作部と押圧片との間に設けられていることを特徴とす
    る請求項1乃至2記載の液体滴下容器。
  4. 【請求項4】 前記容積変化規制手段が、押圧片と滴下
    操作部との間に設けられる1個以上の凸状部であること
    を特徴とする請求項1乃至3に記載の液体滴下容器。
  5. 【請求項5】 前記容積変化規制手段が、押圧片と滴下
    操作部との間に環状に設けられたストッパであることを
    特徴とする請求項1乃至3に記載の液体滴下容器。
  6. 【請求項6】 内部に収容された所定の溶液を滴下せし
    めるための開封可能にシールされた滴下口を有する容器
    本体と、該容器本体に着脱可能に装着せしめられて該容
    器本体の滴下口のシール部を開封するためのスパイクが
    内底部の中央に突設されたキャップ部材と、該キャップ
    部材開口端に薄肉に連設された円筒ストッパとからなる
    液体滴下容器において、前記容器本体の(キャップ部材
    との)螺合ネジ部終端に、環状の突条部が周設され、前
    記円筒ストッパの一端面が突条部に係止されることによ
    り、開封前のキャップ部材の螺進を制御し、開封時にお
    ける強制的な螺進に対して、前記円筒ストッパが突条部
    を越えて前進し、前記円筒ストッパの他端面が容器本体
    の前記突条部と係合するとともに、キャップ部材内底部
    のスパイクにより容器本体の滴下口シールを開封するよ
    うに構成され、キャップ部材を螺退することにより、円
    筒ストッパとの薄肉連設部が破断されて円筒ストッパが
    容器本体に残るように構成されたことを特徴とする液体
    滴下容器。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の滴下操作部材をさらに備
    えたことを特徴とする請求項6記載の液体滴下容器。
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