JP2003174649A - 画像符号化装置及び画像符号化方法 - Google Patents

画像符号化装置及び画像符号化方法

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JP2003174649A
JP2003174649A JP2001370987A JP2001370987A JP2003174649A JP 2003174649 A JP2003174649 A JP 2003174649A JP 2001370987 A JP2001370987 A JP 2001370987A JP 2001370987 A JP2001370987 A JP 2001370987A JP 2003174649 A JP2003174649 A JP 2003174649A
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Yoichi Nishida
要一 西田
Tetsushi Kajita
哲史 梶田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質の劣化を引き起こすことなく、複数のブ
ロックに分割した画像データに対して、ウェーブレット
変換を用いて、高効率に符号化を施すことができる画像
符号化装置を提供する。 【解決手段】 フレーム内予測手段3は、符号化対象ブ
ロックの符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係
数と、参照ブロックの参照サブバンドのウェーブレット
変換係数と、の差分データを生成する。符号化手段4
は、この差分データを入力し、符号化を施す。差分デー
タを符号化対象のデータとすることで、符号化対象のデ
ータの絶対値の最大値を抑制でき、符号化効率を上げる
ことができる。量子化ステップを大きくすることにより
高圧縮を実現するものではないため、タイル歪みが発生
することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェーブレット変
換を用いて画像データを符号化する画像符号化装置及び
画像符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像データを効率的に伝送もしくは蓄積
を行うためには、画像データを圧縮する符号化を行う必
要がある。
【0003】現在、画像データを圧縮する国際標準方式
として、JPEG(Joint Photograph
ic Experts Group)や、MPEG(M
oving Picture Experts Gro
up)に代表される離散コサイン変換(DCT:Dis
crete Cosine Transform)や、
JPEG2000に代表されるウェーブレット変換を利
用したものがある。
【0004】DCTを採用している符号化方式であるM
PEG−2やMPEG−4では、DCTによる符号化方
法に加えて、イントラフレーム内の冗長な画像情報を取
り除く方法としてフレーム内予測を行っている。
【0005】これは、DCT変換と量子化とを行った後
のDCT係数データにおいて、符号化対象ブロック(8
×8:マクロブロック)と参照ブロックとの画素値の差
分をとり、その差分データを符号化する方法である。
【0006】MPEG−2ではイントラブロックのDC
成分のみ差分符号化するが、MPEG−4では、DC成
分とAC成分の両方に対し適応的な予測符号化を行い符
号化効率の改善を図っている。
【0007】なお、ここでいう参照ブロックの選択は、
DC成分のデータをもって行われる。即ち、符号化対象
となるブロックの周辺に隣接するブロック間の水平と垂
直におけるDC成分の勾配により、水平および垂直方向
の相関度を測定し、相関の高い方向のブロックを参照ブ
ロックとして選択する。
【0008】しかし、DCTは、定常的に高い相関を有
することを前提とした変換方式であるため、急峻に信号
が変化する輪郭部などにおいてモスキートノイズが発生
する。
【0009】また、ブロック単位で変換を行うため、ブ
ロック境界においてブロック間で信号の連続性が補償さ
れないことから、ブロック歪みと呼ばれるタイル状のノ
イズが発生する。
【0010】一方、ウェーブレット変換を採用している
JPEG2000では、基本的に入力画像データ1フレ
ーム全体に対しウェーブレット変換を施すことにより、
上述したようなモスキートノイズの発生は抑制され、原
理的にはブロック歪みの発生もなく高画質であることが
知られている。
【0011】図17は、従来の画像符号化装置ブロック
図である。図17に示すように、この従来の画像符号化
装置は、ブロック分割手段51、ウェーブレット変換手
段52、及び、符号化手段53、を具備する。
【0012】基本的な処理単位は入力画像データ1フレ
ーム全体であるが、メモリ容量の抑制など実装の容易性
から、画像データをブロック分割手段51により、ある
大きさのブロック(セル)に分割し、以後の処理を行う
ようにしている。
【0013】このブロック単位でウェーブレット変換手
段52により、ウェーブレット変換を施し、複数のサブ
バンドに分割されたウェーブレット変換係数を得る。
【0014】その後、符号化手段53により、量子化お
よびビットプレーンを単位としたEBCOT(Embe
dded Block Coding with Op
timized Truncation)と呼ばれるエ
ントロピー符号化(適応的算術符号化)を行うことで、
圧縮された符号化データを生成する。
【0015】このような従来の画像符号化装置では、レ
ート制御等により更なる高圧縮が必要な場合、量子化ス
テップを大きくすることにより更なる高圧縮を実現す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、入力画
像データを複数のブロックに分割した符号化処理の場
合、量子化ステップを大きくすると、ブロックの境界に
おいて画像データが不連続になり、DCT符号化時に発
生するブロック歪みのようなタイル歪みが発生するとい
う問題が生じる。
【0017】そこで、本発明は、画質の劣化を引き起こ
すことなく、複数のブロックに分割した画像データに対
して、ウェーブレット変換を用いて、高効率に符号化を
施すことができる画像符号化装置及び画像符号化方法を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像符号化
装置は、ウェーブレット変換を用いて、画像データを符
号化する画像符号化装置であって、1フレームの画像デ
ータを入力し、複数のブロックに分割するブロック分割
手段と、複数のブロックに分割された画像データを入力
し、ブロック毎にウェーブレット変換を施し、各ブロッ
クを複数のサブバンドに分割して、ウェーブレット変換
係数を生成し、ウェーブレット変換係数データとして出
力するウェーブレット変換手段と、ウェーブレット変換
係数データを入力し、符号化対象ブロックの符号化対象
サブバンドのウェーブレット変換係数と、参照ブロック
の参照サブバンドのウェーブレット変換係数と、の差分
を算出し、差分データとして出力するフレーム内予測手
段と、差分データを入力し、符号化を施す符号化手段
と、を備える。
【0019】そして、フレーム内予測手段は、符号化対
象ブロックの複数のサブバンドのうち、少なくとも1つ
のサブバンドを符号化対象サブバンドとし、参照ブロッ
クの複数のサブバンドのうち、符号化対象サブバンドと
同一帯域のサブバンドを参照サブバンドとする。
【0020】この構成により、符号化対象サブバンドの
ウェーブレット変換係数と、参照サブバンドのウェーブ
レット変換係数と、の差分データが、符号化対象のデー
タとなるため、符号化対象のデータの絶対値の最大値を
抑制できる。その結果、発生符号量を抑制できて、符号
化効率を上げることができる。
【0021】しかも、複数のブロックに分割した画像デ
ータに対して、量子化ステップを大きくすることにより
高圧縮を実現するものではないため、タイル歪みが発生
することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1記載の画像符号化装置
は、ウェーブレット変換を用いて、画像データを符号化
する画像符号化装置であって、1フレームの画像データ
を入力し、複数のブロックに分割するブロック分割手段
と、複数のブロックに分割された画像データを入力し、
ブロック毎にウェーブレット変換を施し、各ブロックを
複数のサブバンドに分割して、ウェーブレット変換係数
を生成し、ウェーブレット変換係数データとして出力す
るウェーブレット変換手段と、ウェーブレット変換係数
データを入力し、符号化対象ブロックの符号化対象サブ
バンドのウェーブレット変換係数と、参照ブロックの参
照サブバンドのウェーブレット変換係数と、の差分を算
出し、差分データとして出力するフレーム内予測手段
と、差分データを入力し、符号化を施す符号化手段と、
を備える。
【0023】そして、フレーム内予測手段は、符号化対
象ブロックの複数のサブバンドのうち、少なくとも1つ
のサブバンドを符号化対象サブバンドとし、参照ブロッ
クの複数のサブバンドのうち、符号化対象サブバンドと
同一帯域のサブバンドを参照サブバンドとする。
【0024】この構成により、符号化対象サブバンドの
ウェーブレット変換係数と、参照サブバンドのウェーブ
レット変換係数と、の差分データが、符号化対象のデー
タとなるため、符号化対象のデータの絶対値の最大値を
抑制できる。その結果、発生符号量を抑制できて、符号
化効率を上げることができる。
【0025】しかも、複数のブロックに分割した画像デ
ータに対して、量子化ステップを大きくすることにより
高圧縮を実現するものではないため、タイル歪みが発生
することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0026】請求項2記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロックを起点として、
予め定められた方向のブロックを参照ブロックとする。
【0027】この構成により、参照ブロックが予め決定
されているため、参照ブロックを決定するための処理が
不要となり、処理を簡素化できる。
【0028】請求項3記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロック以外のブロック
のウェーブレット変換係数データを利用して、複数の方
向について、画像データの相関度を比較し、相関度の高
い方向のブロックを参照ブロックとする。
【0029】この構成により、複数の方向のうち、相関
度の高い方向のブロックが参照ブロックとされるため、
符号化対象のデータである差分データの絶対値の最大値
をより抑制できる。その結果、より発生符号量を抑制で
きて、より符号化効率を上げることができる。
【0030】特に、符号化対象ブロックに対して、相関
度の高い方向に隣接するブロックを参照ブロックとすれ
ば、隣接するブロックは一般に画像の相関性が高いこと
が知られているため、符号化対象のデータである差分デ
ータの絶対値の最大値をさらに抑制でき、さらに発生符
号量を抑制できて、さらに符号化効率を上げることがで
きる。
【0031】請求項4記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロック以外のブロック
のうち、複数のブロックを候補ブロックとし、符号化対
象ブロックと候補ブロックとの間で、ウェーブレット変
換係数の差分を算出して、候補ブロック毎に差分の絶対
値の和を算出し、差分の絶対値の和が最小となる候補ブ
ロックを参照ブロックとし、その参照ブロックの位置を
示す位置データを生成する。
【0032】そして、符号化手段は、差分データと位置
データとを入力し、符号化を施す。
【0033】この構成により、複数の候補ブロックのう
ち、相関度の高い(差分の絶対値の和が小さい)方向の
候補ブロックが参照ブロックとされるため、符号化対象
のデータである差分データの絶対値の最大値をより抑制
できる。その結果、より発生符号量を抑制できて、より
符号化効率を上げることができる。
【0034】請求項5記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロック以外のブロック
のうち、複数のブロックを候補ブロックとし、符号化対
象ブロックと候補ブロックとの間で、ウェーブレット変
換係数の差分を算出して、候補ブロック毎に差分の絶対
値の最大値を求め、差分の絶対値の最大値が最小となる
候補ブロックを参照ブロックとし、その参照ブロックの
位置を示す位置データを生成する。
【0035】そして、符号化手段は、差分データと位置
データとを入力し、符号化を施す。
【0036】この構成により、複数の候補ブロックのう
ち、相関度の高い(差分の絶対値の最大値が小さい)方
向の候補ブロックが参照ブロックとされるため、符号化
対象のデータである差分データの絶対値の最大値をより
抑制できる。その結果、より発生符号量を抑制できて、
より符号化効率を上げることができる。
【0037】請求項6記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロック
との間の差分の絶対値の和が、予め定められた閾値以下
の場合は、その符号化対象ブロックとその参照ブロック
との間の差分データを全てゼロとする。
【0038】この構成により、視覚上ほとんど影響しな
い微少信号を切り捨てることで、符号化対象のデータで
ある差分データの絶対値の最大値をより抑制できる。そ
の結果、より発生符号量を抑制できて、より符号化効率
を上げることができる。
【0039】請求項7記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロック
との間の差分の絶対値の最大値が、予め定められた閾値
以下の場合は、その符号化対象ブロックとその参照ブロ
ックとの間の差分データを全てゼロとする。
【0040】この構成により、視覚上ほとんど影響しな
い微少信号を切り捨てることで、符号化対象のデータで
ある差分データの絶対値の最大値をより抑制できる。そ
の結果、より発生符号量を抑制できて、より符号化効率
を上げることができる。
【0041】請求項8記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロック
との間の差分の絶対値の和が、予め定められた閾値以下
の場合は、その符号化対象ブロックとその参照ブロック
との間の差分データがないことを示す信号を生成する。
【0042】この構成により、視覚上ほとんど影響しな
い微少信号については、差分データがないことを示す信
号を送信すればよく、符号化が不要となり、処理を高速
化できる。また、受信側においても、視覚上ほとんど影
響しない微少信号については復号が不要となり、処理を
高速化できる。
【0043】請求項9記載の画像符号化装置では、フレ
ーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロック
との間の差分の絶対値の最大値が、予め定められた閾値
以下の場合は、その符号化対象ブロックとその参照ブロ
ックとの間の差分データがないことを示す信号を生成す
る。
【0044】この構成により、視覚上ほとんど影響しな
い微少信号については、差分データがないことを示す信
号を送信すればよく、符号化が不要となり、処理を高速
化できる。また、受信側においても、視覚上ほとんど影
響しない微少信号については復号が不要となり、処理を
高速化できる。
【0045】請求項10記載の画像符号化装置では、フ
レーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロッ
クとの間の差分の絶対値の和が、符号化対象ブロックの
符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数の絶対
値の和以上の場合は、符号化対象ブロックのその符号化
対象サブバンドのウェーブレット変換係数を、符号化対
象データとして出力する。
【0046】そして、符号化手段は、その符号化対象デ
ータに対して符号化を施す。
【0047】この構成により、差分データ、及び、符号
化対象サブバンドのウェーブレット変換係数データのう
ち、絶対値の和が小さい方のデータが符号化対象のデー
タとなる。
【0048】その結果、一律に差分データを符号化対象
のデータとする場合と比較して、符号化対象のデータの
絶対値の最大値をより抑制することができ、より発生符
号量を抑制できて、より符号化効率を上げることができ
る。
【0049】請求項11記載の画像符号化装置では、フ
レーム内予測手段は、符号化対象ブロックと参照ブロッ
クとの間の差分の絶対値の最大値が、符号化対象ブロッ
クの符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数の
絶対値の最大値以上の場合は、符号化対象ブロックのそ
の符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数を、
符号化対象データとして出力する。
【0050】そして、符号化手段は、その符号化対象デ
ータに対して符号化を施す。
【0051】この構成により、差分データ、及び、符号
化対象サブバンドのウェーブレット変換係数データのう
ち、絶対値の最大値が小さい方のデータが符号化対象の
データとなる。
【0052】その結果、一律に差分データを符号化対象
のデータとする場合と比較して、符号化対象のデータの
絶対値の最大値をより抑制することができ、より発生符
号量を抑制できて、より符号化効率を上げることができ
る。
【0053】請求項12記載の画像符号化装置では、参
照ブロックは、符号化対象ブロックの符号化対象サブバ
ンド毎に設定される。
【0054】この構成により、符号化対象サブバンド毎
に、発生符号量を最も抑制できる参照ブロックを設定す
ることができるため、全体としての発生符合量の抑制が
可能となる。
【0055】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
を説明する。図1は、本発明の1実施の形態における画
像符号化装置のブロック図である。図1に示すように、
この画像符号化装置は、ブロック分割手段1、ウェーブ
レット変換手段2、フレーム内予測手段3、及び、符号
化手段4、を具備する。
【0056】以下で説明する実施の形態1〜7における
各符号化装置の全体構成は、図1に示したようになる。
【0057】(実施の形態1)図1を用いて、本発明の
実施の形態1における画像符号化装置の処理を簡単に説
明する。
【0058】ブロック分割手段1は、入力された1フレ
ームの画像データを、複数のブロック(セル)に分割す
る。
【0059】この場合、ブロック分割手段1は、全ての
ブロックが同一の大きさとなるように分割する。
【0060】この分割の数は任意に設定できる。言い換
えると、ブロックの大きさは任意に設定できる。
【0061】なお、基本的な処理単位は入力された画像
データの1フレーム全体であるが、メモリ容量の抑制な
ど実装の容易性から、ブロック分割手段1により分割し
て、以後の処理を行うようにしている。
【0062】ウェーブレット変換手段2は、ブロック分
割手段1から、複数のブロックに分割された画像データ
を入力する。
【0063】そして、ウェーブレット変換手段2は、こ
のブロック毎にウェーブレット変換を施し、各ブロック
を複数のサブバンドに分割して、ウェーブレット変換係
数を生成し、ウェーブレット変換係数データとして出力
する。
【0064】また、この場合、ウェーブレット変換手段
2は、ウェーブレット変換における分割レベルを設定
し、低周波(DC:LL)成分を再帰的にサブバンド分
割する。この分割レベルは任意に設定できる。ただし、
各ブロックの分割レベルは同一とする。
【0065】なお、本明細書において、「分割レベル」
といった場合は、ウェーブレット変換における分割レベ
ルを指す。
【0066】フレーム内予測手段3は、ウェーブレット
変換手段2から、ブロック毎のウェーブレット変換係数
データを入力する。
【0067】そして、フレーム内予測手段3は、符号化
対象ブロックの符号化対象サブバンドのウェーブレット
変換係数と、参照ブロックの参照サブバンドの対応する
ウェーブレット変換係数と、の差分を算出し、差分デー
タとして出力する。
【0068】この場合、フレーム内予測手段3は、符号
化対象ブロックの複数のサブバンドのうち、少なくとも
1つのサブバンドを符号化対象サブバンドとし、参照ブ
ロックの複数のサブバンドのうち、符号化対象サブバン
ドと同一帯域のサブバンドを参照サブバンドとする。
【0069】符号化手段4は、フレーム内予測手段3か
ら、差分データを入力し、ビットプレーンを利用したエ
ントロピー符号化を施して、符号化データとして出力す
る。
【0070】なお、この符号化データは、受信機(図示
せず)に送信され、復号される。
【0071】次に、処理の詳細を具体例を挙げながら詳
細に説明する。なお、以下の例では、説明の便宜から、
分割レベルを「1」とし、符号化対象サブバンドをHH
成分とする。図2は、本発明の実施の形態1における処
理の例示図である。
【0072】図2(a)は、ブロック分割手段1により
ブロック分割された画像データの例示図、図2(b)
は、ウェーブレット変換手段2によりサブバンド分割さ
れた画像データの例示図、図2(c)は、フレーム内予
測手段3による処理の例示図、である。
【0073】ブロック分割手段1は、上述のように、1
フレームの画像データを複数のブロックに分割する。説
明の便宜のため、図2(a)では、この複数のブロック
のうちの、4つのブロック(ブロックA、B、C、X)
を示している。なお、ブロックXを、符号化対象ブロッ
クとする。
【0074】ウェーブレット変換手段2が、図2(a)
の各ブロックに対して、分割レベルが「1」のウェーブ
レット変換を施すと、図2(b)に示すように、ブロッ
ク毎に、ウェーブレット変換係数が生成される。
【0075】即ち、各ブロックとも同様に、低周波サブ
バンドであるLL成分から、高周波サブバンドであるH
H成分まで、4つのサブバンドに変換分割される。
【0076】この例では、符号化対象ブロックXのHH
成分が、符号化対象サブバンドであるとする。
【0077】そして、符号化対象ブロックの直上に隣接
するブロックを、参照ブロックとすることは予め定めら
れているとする。そうすると、符号化対象ブロックXの
直上に隣接するブロックBが、参照ブロックとなる。
【0078】従って、図2(c)に示すように、ブロッ
クXのHH成分を符号化する場合の参照サブバンドは、
ブロックBのHH成分となる。
【0079】この場合、フレーム内予測手段3は、ブロ
ックXのHH成分とブロックBのHH成分との間で、対
応するウェーブレット変換係数の差分を求め、差分デー
タとして符号化手段4に出力する。
【0080】なお、ウェーブレット変換係数は画素毎に
生成されるため、差分も画素毎に生成される。
【0081】ここで、一般に、隣接するブロック同士
は、画像の相関性が高いことが知られている。
【0082】このため、ウェーブレット変換係数の差分
を求めることにより、その冗長成分を取り除いて、デー
タ量を圧縮することができる。
【0083】本実施の形態では、符号化対象ブロックX
の直上に隣接するブロックBを参照ブロックとしたこと
で、垂直方向の冗長成分を取り除いたことになる。
【0084】さて、次に、図2の例において、フレーム
内予測手段3が、差分データを生成する様子を詳細に説
明する。
【0085】図3は、フレーム内予測手段3による差分
データの生成の例示図である。図3に示すように、フレ
ーム内予測手段3は、符号化対象ブロックXのHH成分
(符号化対象サブバンド)のウェーブレット変換係数か
ら、参照ブロックBのHH成分(参照サブバンド)の対
応するウェーブレット変換係数を差し引いて、画素毎に
差分を求め、差分データを生成する。
【0086】図3に示すように、差分の絶対値の最大値
は「2」であり、符号化対象サブバンドのウェーブレッ
ト変換係数の絶対値の最大値は「7」である。
【0087】このように、差分の絶対値の最大値は、符
号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数の絶対値
の最大値より小さくなる。
【0088】従って、本実施の形態のように、符号化対
象データとして差分データを用いる場合は、符号化対象
データとして、符号化対象サブバンドのウェーブレット
変換係数データを用いる場合と比較して、符号化対象デ
ータのデータ量を抑制できるとともに、符号化対象デー
タの絶対値の最大値を抑制できる。
【0089】このように、差分を求めて、符号化対象デ
ータの絶対値の最大値を抑制することにより、符号化方
式が、ビットプレーンを利用したエントロピー符号化で
あれば、有効なビットプレーン数を減少させることがで
きて、発生符号量を抑制できる。その結果、符号化効率
を上げることができる。
【0090】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、符号化効率を上げるこ
とができる。
【0091】しかも、本実施の形態では、差分データを
符号化対象データとすることにより高圧縮を実現してお
り、従来の画像符号化装置のように、量子化ステップを
大きくすることにより高圧縮を実現したものではないた
め、タイル歪みが発生することを防止できて、画質の劣
化を防止できる。
【0092】また、本実施の形態では、符号化対象ブロ
ックを起点として、予め定められた方向のブロックを参
照ブロックとしている。
【0093】このように、参照ブロックが予め決定され
ているため、参照ブロックを決定するための処理が不要
となり、処理を簡素化できる。
【0094】さて、図2の例を用いて、復号について簡
単に説明する。上述のように、符号化手段4は、差分デ
ータに対して符号化を施し、符号化データを生成する。
【0095】この符号化データの復号は、復号対象ブロ
ックの直上に隣接する既に復号されたブロックのHH成
分に、差分データ(既に復号済み)を加えることによ
り、復号対象ブロックのHH成分を復号する。
【0096】なお、上記の説明では、ウェーブレット変
換における分割レベルを「1」としたが、LL成分を再
起的に分割するオクターブ分割方式により、更に多くの
階層に分割した場合でも、同様に本実施の形態を適用で
き、階層の深さ(分割レベル)に依存することなく、発
生符号量を抑制できる。
【0097】この場合も、分割レベルが「1」の場合と
同様に、参照ブロックのサブバンドのうち、符号化対象
ブロックの符号化対象サブバンドと同一帯域のサブバン
ドを、参照サブバンドとして用いる。
【0098】そして、符号化対象サブバンドのウェーブ
レット変換係数から、参照サブバンドの対応するウェー
ブレット変換係数を差し引いて、画素毎に差分を求め、
差分データを生成する。
【0099】ただし、上述のように、ブロック分割手段
1は、入力された画像データを同一の大きさのブロック
に分割し、ウェーブレット変換手段2は、各ブロックに
対して同一の分割レベルでウェーブレット変換を施して
いる。
【0100】例えば、図2(a)の各ブロックに対し
て、分割レベルが「3」のウェーブレット変換を施す場
合を考える。そして、符号化対象ブロックがブロックX
で、参照ブロックをブロックBとする。また、符号化対
象サブバンドがブロックXのサブバンドHH3とする。
【0101】そうすると、参照サブバンドは、ブロック
BのサブバンドHH3となる。そして、符号化対象ブロ
ックXの符号化対象サブバンドHH3のウェーブレット
変換係数から、参照ブロックBの参照サブバンドHH3
の対応するウェーブレット変換係数を差し引いて、差分
データを生成する。このように、階層の深さ(分割レベ
ル)に依存することなく、本実施の形態を適用できる。
【0102】さて、上記の説明では、HH成分を符号化
対象サブバンドとする例を挙げたが、勿論、HL成分、
LH成分、LL成分など、ウェーブレット変換により得
たサブバンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとし
て、上記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を
抑制できる。
【0103】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0104】また、参照ブロックを符号化対象ブロック
Xの直上に隣接するブロックBとしたが、これに限定さ
れるものではない。
【0105】例えば、図2(a)の例では、符号化対象
ブロックXの左に隣接するブロックCや、左上に隣接す
るブロックAを、参照ブロックとすることができ、この
場合も上記と同様に、発生符号量を抑制できる。
【0106】また、図2(a)では、4つのブロックし
か図示していないが、実際には、画像データの1フレー
ム分の複数のブロックが存在する。
【0107】従って、例えば、符号化対象ブロックXの
右に隣接するブロック、右上に隣接するブロック、右下
に隣接するブロック、左下に隣接するブロック、直下に
隣接するブロックなど、これらのブロックも、参照ブロ
ックとすることができ、上記と同様に発生符号量を抑制
できる。
【0108】また、本明細書において、「隣接するブロ
ック」という場合は、注目するブロックの周囲に位置す
る複数のブロックの内、注目するブロックに接する8つ
のブロックのことを指す。
【0109】つまり、隣接するブロックには、注目する
ブロックの上下左右に隣接するブロックのみならず、右
上、右下、左上、左下、に隣接するブロックも含まれ
る。
【0110】また、上記の説明では、符号化対象ブロッ
クをブロックXとしたが、これに限定されるものではな
い。
【0111】(実施の形態2)図1を用いて、本発明の
実施の形態2における画像符号化装置を説明する。
【0112】実施の形態2が実施の形態1と異なるの
は、フレーム内予測手段3である。その他の点は、実施
の形態1と同様であり、適宜説明を省略する。
【0113】実施の形態1では、参照ブロックは、符号
化対象ブロックに隣接する1つのブロックとしたが、本
実施の形態では、フレーム内予測手段3は、フレーム内
の複数の所定のブロックからブロック間の相関度を検出
し、その相関度が最も高い方向に隣接するブロックを参
照ブロックとする。この点を、図面を用いて説明する。
【0114】なお、実施の形態2において、「フレーム
内の複数の所定のブロック」とは、符号化対象ブロック
が含まれるフレーム内の複数の所定のブロックであっ
て、符号化対象ブロックは除かれる。
【0115】図4は、本発明の実施の形態2における処
理の例示図である。図4(a)は、ブロック分割手段1
によりブロック分割された画像データの例示図、図4
(b)は、ウェーブレット変換手段2によりサブバンド
分割された画像データの例示図、図4(c)は、フレー
ム内予測手段3による処理の例示図、である。
【0116】なお、図4(a)及び図4(b)は、それ
ぞれ、図2(a)及び図2(b)と同様のものでり、説
明を省略する。また、図4の例では、図2の例と同様
に、ブロックXを符号化対象ブロックとし、符号化対象
ブロックXのHH成分を符号化対象サブバンドとする。
【0117】図4(c)に示すように、フレーム内予測
手段3は、符号化対象ブロックXに隣接する左上のブロ
ックAと、隣接する上のブロックBとから、水平方向の
相関度を求め、符号化対象ブロックXに隣接する左上の
ブロックAと、隣接する左のブロックCとから、垂直方
向の相関度を求める。
【0118】そして、フレーム内予測手段3は、これら
のうち相関度の高い方向に隣接するブロックを参照ブロ
ックとする。
【0119】具体的には、フレーム内予測手段3は、ブ
ロックAのHH成分とブロックBのHH成分との差分を
取り、この差分の絶対値の累積加算値を、水平方向の相
関度とする。同様に、フレーム内予測手段3は、ブロッ
クAのHH成分とブロックCのHH成分との差分を取
り、この差分の絶対値の累積加算値を、垂直方向の相関
度とする。
【0120】そして、フレーム内予測手段3は、水平方
向の相関度と垂直方向の相関度とを比較し、相関度の高
い方向に隣接するブロックを参照ブロックとする。
【0121】例えば、フレーム内予測手段3は、水平方
向の相関度が高いと判断すると、符号化対象ブロックX
に対して、水平方向(左)に隣接するブロックCを、参
照ブロックとする。
【0122】以上の点を、図4の例および図5を用い
て、より具体的に説明する。図5は、本発明の実施の形
態2における画像符号化装置のフレーム内予測手段3の
ブロック図である。
【0123】図5に示すように、このフレーム内予測手
段3は、差分データ算出手段31、絶対値和算出手段3
2、及び、参照ブロック検出手段33、を含む。
【0124】差分データ算出手段31は、図1のウェー
ブレット変換手段2から、符号化対象ブロックのHH成
分のウェーブレット変換係数データ(入力データ1)
と、フレーム内の複数の所定のブロックA、B、CのH
H成分のウェーブレット変換係数データ(入力データ
2)と、を入力する。
【0125】そして、差分データ算出手段31は、水平
方向の相関度を検出するために、ブロックAのHH成分
のウェーブレット変換係数から、ブロックBのHH成分
の対応するウェーブレット変換係数を差し引いて、画素
毎に差分(水平方向の差分)を求める。
【0126】また、差分データ算出手段31は、垂直方
向の相関度を検出するために、ブロックAのHH成分の
ウェーブレット変換係数から、ブロックCのHH成分の
対応するウェーブレット変換係数を差し引いて、画素毎
に差分(垂直方向の差分)を求める。
【0127】次に、絶対値和算出手段32は、差分デー
タ算出手段31から、垂直方向の差分データと、水平方
向の差分データと、を入力する。
【0128】そして、絶対値和算出手段32は、垂直方
向の差分の絶対値を累積加算し、累積加算値を求めて、
垂直方向の累積加算値データとして出力する。この垂直
方向の累積加算値が、垂直方向の相関度を表す。
【0129】また、絶対値和算出手段32は、水平方向
の差分の絶対値を累積加算し、累積加算値を求めて、水
平方向の累積加算値データとして出力する。この水平方
向の累積加算値が、水平方向の相関度を表す。
【0130】次に、参照ブロック検出手段33は、絶対
値和算出手段32から、垂直方向及び水平方向の累積加
算値データを入力する。そして、参照ブロック検出手段
33は、垂直方向の差分の絶対値の累積加算値(垂直方
向の相関度)と、水平方向の差分の絶対値の累積加算値
(水平方向の相関度)と、を比較し、累積加算値が小さ
い(相関度の高い)方向に隣接するブロックを参照ブロ
ックと決定する。
【0131】なお、差分の絶対値の累積加算値が小さい
方向が、相関度が高い方向となる。
【0132】以下のフレーム内予測手段3及び符号化手
段4の説明では、水平方向の相関度が高く(累積加算値
が小さく)、符号化対象ブロックXに対して、水平方向
に隣接するブロックCが、参照ブロックになる場合を例
に挙げて説明する。
【0133】次に、参照ブロック検出手段33は、ブロ
ックCが参照ブロックであることを示す位置データ(参
照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化手段4に出
力するとともに、差分データ算出手段31に対して、符
号化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換係
数と、参照ブロックCのHH成分の対応するウェーブレ
ット係数と、の差分を求めるように指示を出す。
【0134】そうすると、差分データ算出手段31は、
符号化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換
係数から、参照ブロックCのHH成分の対応するウェー
ブレット係数を差し引いて、画素毎に差分を求め、符号
化対象の差分データとして符号化手段4に出力する。
【0135】次に、符号化手段4は、フレーム内予測手
段3から、符号化対象の差分データと位置データとを入
力し、これらのデータに符号化を施して、符号化データ
として出力する。
【0136】さて、一般に、隣接するブロック同士は画
像の相関性が高いことが知られている。しかも、上述の
ように、相関度が最も高い方向を求めて、その方向に隣
接するブロックを参照ブロックとしている。
【0137】このため、参照ブロックを固定する場合と
比較して、符号化対象の差分データの絶対値の最大値を
より抑制でき、符号化方式が、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化であれば、有効なビットプレーン
数をより減少させることができて、より発生符号量を抑
制できる。その結果、より符号化効率を上げることがで
きる。
【0138】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、より符号化効率を上げ
ることができる。
【0139】しかも、差分データを符号化対象データと
することにより高圧縮を実現しており、従来の画像符号
化装置のように、量子化ステップを大きくすることによ
り高圧縮を実現したものではないため、タイル歪みが発
生することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0140】さて、次に、図4の例を用いて、復号につ
いて簡単に説明する。この場合、参照ブロックを、ブロ
ックCとする。
【0141】上述のように、符号化手段4は、符号化対
象の差分データと位置データとに対して符号化を施し、
符号化データを生成する。
【0142】この符号化データの復号では、既に復号さ
れた3つのブロック(ブロックA、B、C)のうち、位
置データ(既に復号済み)から求めた参照ブロックCの
HH成分に、差分データ(既に復号済み)を加えること
により、復号対象ブロックXのHH成分を復号する。
【0143】さて、上記の例では、水平方向と垂直方向
とで、その相関度を比較したが、勿論、斜め方向を含め
て複数の方向から、相関度が最も高い方向を求め、相関
度の最も高い方向に隣接するブロックを参照ブロックと
することにより、同様の効果を得ることができる。
【0144】この点を図面を用いて詳しく説明する。図
6は、フレーム内予測手段3において、斜め方向の相関
度をも考慮して、参照ブロックを求める場合の例示図で
ある。
【0145】図6(a)は、ブロック分割手段1により
ブロック分割された画像データの例示図、図6(b)
は、ウェーブレット変換手段2によりサブバンド分割さ
れた画像データの例示図、図6(c)は、フレーム内予
測手段3による処理の例示図、である。
【0146】ブロック分割手段1は、上述のように、1
フレームの画像データを複数のブロックに分割する。説
明の便宜のため、図6(a)では、この複数のブロック
のうちの、5つのブロック(ブロックA、B、C、D、
X)を示している。なお、ブロックXを、符号化対象ブ
ロックとする。
【0147】ウェーブレット変換手段2が、図6(a)
の各ブロックに対して、分割レベルが「1」のウェーブ
レット変換を施すと、図6(b)に示すように、ブロッ
ク毎に、ウェーブレット変換係数が生成される。
【0148】即ち、各ブロックとも同様に、低周波サブ
バンドであるLL成分から、高周波サブバンドであるH
H成分まで、4つのサブバンドに変換分割される。
【0149】図6(c)に示すように、フレーム内予測
手段3は、符号化対象ブロックXに隣接する左上のブロ
ックAと、隣接する上のブロックBとから、水平方向の
相関度を求め、符号化対象ブロックXに隣接する左上の
ブロックAと、隣接する左のブロックCとから、垂直方
向の相関度を求め、符号化対象ブロックXの左上のブロ
ックDと、隣接する上のブロックBとから、斜め方向の
相関度を求める。
【0150】そして、フレーム内予測手段3は、これら
のうち相関度の最も高い方向に隣接するブロックを参照
ブロックとする。
【0151】具体的には、フレーム内予測手段3は、ブ
ロックAのHH成分とブロックBのHH成分との差分を
取り、この差分の絶対値の累積加算値を、水平方向の相
関度とする。同様に、フレーム内予測手段3は、ブロッ
クAのHH成分とブロックCのHH成分との差分を取
り、この差分の絶対値の累積加算値を、垂直方向の相関
度とする。同様に、フレーム内予測手段3は、ブロック
DのHH成分とブロックBのHH成分との差分を取り、
この差分の絶対値の累積加算値を、斜め方向の相関度と
する。
【0152】そして、フレーム内予測手段3は、水平方
向の相関度と垂直方向の相関度と斜め方向の相関度とを
比較し、相関度の最も高い方向に隣接するブロックを参
照ブロックとする。
【0153】例えば、フレーム内予測手段3は、斜め方
向の相関度が最も高いと判断すると、符号化対象ブロッ
クXに対して、斜め方向(左上)に隣接するブロックA
を、参照ブロックとする。
【0154】この例では、斜め方向の相関度を求めるた
めに、ブロックDとブロックBとを用いたが、例えば、
ブロックAの左に隣接するブロックとブロックCとを用
いてもよいし、また、例えば、ブロックDとブロックB
と用いた相関度、及び、ブロックAの左に隣接するブロ
ックとブロックCとを用いた相関度、の双方を用いても
よく、限定されるものではない。
【0155】なお、上記の説明では、ウェーブレット変
換における分割レベルを「1」としたが、LL成分を再
起的に分割するオクターブ分割方式により、更に多くの
階層に分割した場合でも、実施の形態1の場合と同様に
本実施の形態を適用でき、階層の深さ(分割レベル)に
依存することなく、発生符号量を抑制できる。
【0156】この場合も、分割レベルが「1」の場合と
同様に、フレーム内の所定のブロックのサブバンドのう
ち、符号化対象ブロックの符号化対象サブバンドと同一
帯域のサブバンドを用いて、各方向の相関度を検出する
ための各方向の差分データを求める。
【0157】また、分割レベルが「1」の場合と同様
に、参照ブロックのサブバンドのうち、符号化対象ブロ
ックの符号化対象サブバンドと同一帯域のサブバンド
を、参照サブバンドとして、符号化対象の差分データを
求める。
【0158】ただし、実施の形態1と同様に、ブロック
分割手段1は、入力された画像データを同一の大きさの
ブロックに分割し、ウェーブレット変換手段2は、各ブ
ロックに対して同一の分割レベルでウェーブレット変換
を施している。
【0159】例えば、図4(a)の各ブロックに対し
て、分割レベルが「3」のウェーブレット変換を施す場
合を考える。そして、符号化対象ブロックがブロックX
で、符号化対象サブバンドがブロックXのサブバンドH
H3とする。
【0160】また、水平方向の相関度の検出にはブロッ
クA、Bを用い、垂直方向の相関度の検出にはブロック
A、Cを用いるとする。
【0161】そうすると、水平方向の差分データは、ブ
ロックAのサブバンドHH3と、ブロックBのサブバン
ドHH3と、から求める。また、垂直方向の差分データ
は、ブロックAのサブバンドHH3と、ブロックCのサ
ブバンドHH3と、から求める。
【0162】また、符号化対象の差分データは、ブロッ
クXのサブバンドHH3と、参照ブロックの参照サブバ
ンドHH3と、から求める。
【0163】さて、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げ
たが、実施の形態1の場合と同様に、HL成分、LH成
分、LL成分など、ウェーブレット変換により得たサブ
バンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとして、上
記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を抑制で
きる。
【0164】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0165】また、相関度の検出において、図4の例で
は、符号化対象ブロックXに隣接するブロックA、B、
Cを用い、図6の例のでは、ブロックA、B、Cに加え
て、符号化対象ブロックXに隣接しないブロックDをも
用いている。
【0166】ただし、これらは一例であり、フレーム内
のブロックから、相関度を検出するための所定のブロッ
クを任意に決定できる。
【0167】また、上記の説明では、符号化対象ブロッ
クをブロックXとしたが、これに限定されるものではな
い。
【0168】また、上記では、符号化対象ブロックに対
して、相関度が最も高い方向に隣接するブロックを参照
ブロックとしたが、隣接していなくても、相関度が最も
高い方向に位置するブロックを参照ブロックとすること
もできる。
【0169】ただし、上記したように、一般には、隣接
するブロック同士は、画像の相関性が高いことが知られ
ているため、隣接するブロックを参照ブロックとする方
が、差分データの絶対値の最大値をより抑制できて、よ
り発生符号量を抑制できる。
【0170】(実施の形態3)図1を用いて、本発明の
実施の形態3における画像符号化装置を説明する。
【0171】本発明の実施の形態3における画像符号化
装置のフレーム内予測手段3の構成は、図5のフレーム
内予測手段3の構成と同様である。従って、実施の形態
3の説明では、図5も用いて説明する。
【0172】実施の形態3が実施の形態2と異なるの
は、実施の形態2が、フレーム内の複数の所定のブロッ
クを用いて相関度を検出したのに対し、実施の形態3で
は、符号化対象ブロックと、フレーム内の複数の所定の
ブロック(以下、「候補ブロック」と呼ぶ。)と、を用
いて相関度を検出する点である。その他の点は、実施の
形態2と同様であり、適宜説明を省略する。
【0173】なお、実施の形態3において、「候補ブロ
ック」とは、符号化対象ブロックが含まれるフレーム内
の複数の所定のブロックであって、符号化対象ブロック
は除かれる。
【0174】以下、上記異なる点を中心に、適宜、図7
の例を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態3
における処理の例示図である。図7(a)は、ブロック
分割手段1によりブロック分割された画像データの例示
図、図7(b)は、ウェーブレット変換手段2によりサ
ブバンド分割された画像データの例示図、図7(c)
は、フレーム内予測手段3による処理の例示図、であ
る。
【0175】なお、図7(a)及び図7(b)は、それ
ぞれ、図2(a)及び図2(b)と同様のものでり、説
明を省略する。また、図7の例では、図2の例と同様
に、ブロックXを符号化対象ブロックとし、符号化対象
ブロックXのHH成分を符号化対象サブバンドとする。
【0176】図7(c)に示すように、この例では、フ
レーム内予測手段3は、符号化対象ブロックXと、隣接
する上の候補ブロックBとから、垂直方向の相関度を求
め、符号化対象ブロックXと、隣接する左上の候補ブロ
ックAとから、斜め方向の相関度を求め、符号化対象ブ
ロックXと、隣接する左の候補ブロックCとから、水平
方向の相関度を求める。
【0177】そして、フレーム内予測手段3は、これら
のうち相関度の最も高い方向の候補ブロックを参照ブロ
ックとする。
【0178】さて、引き続き図7の例を用いて、上記の
ことをより具体的に説明する。図5の差分データ算出手
段31は、図1のウェーブレット変換手段2から、符号
化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換係数
データ(入力データ1)と、候補ブロックA、B、Cの
HH成分のウェーブレット変換係数データ(入力データ
2)と、を入力する。
【0179】そして、図7(c)に示すように、差分デ
ータ算出手段31は、水平方向の相関度を検出するため
に、ブロックXのHH成分のウェーブレット変換係数か
ら、ブロックCのHH成分の対応するウェーブレット変
換係数を差し引いて、画素毎に差分(水平方向の差分)
を求める。
【0180】また、差分データ算出手段31は、斜め方
向の相関度を検出するために、ブロックXのHH成分の
ウェーブレット変換係数から、ブロックAのHH成分の
対応するウェーブレット変換係数を差し引いて、画素毎
に差分(斜め方向の差分)を求める。
【0181】また、差分データ算出手段31は、垂直方
向の相関度を検出するために、ブロックXのHH成分の
ウェーブレット変換係数から、ブロックBのHH成分の
対応するウェーブレット変換係数を差し引いて、画素毎
に差分(垂直方向の差分)を求める。
【0182】次に、絶対値和算出手段32は、差分デー
タ算出手段31から、垂直方向の差分データと、斜め方
向の差分データと、水平方向の差分データと、を入力す
る。
【0183】そして、絶対値和算出手段32は、垂直方
向の差分の絶対値を累積加算し、累積加算値を求めて、
垂直方向の累積加算値データとして出力する。この垂直
方向の累積加算値が、垂直方向の相関度を表す。
【0184】また、絶対値和算出手段32は、斜め方向
の差分の絶対値を累積加算し、累積加算値を求めて、斜
め方向の累積加算値データとして出力する。この斜め方
向の累積加算値が、斜め方向の相関度を表す。
【0185】また、絶対値和算出手段32は、水平方向
の差分の絶対値を累積加算し、累積加算値を求めて、水
平方向の累積加算値データとして出力する。この水平方
向の累積加算値が、水平方向の相関度を表す。
【0186】次に、参照ブロック検出手段33は、絶対
値和算出手段32から、垂直方向と斜め方向と水平方向
の累積加算値データを入力する。
【0187】そして、参照ブロック検出手段33は、垂
直方向の差分の絶対値の累積加算値(垂直方向の相関
度)と、斜め方向の差分の絶対値の累積加算値(斜め方
向の相関度)と、水平方向の差分の絶対値の累積加算値
(水平方向の相関度)と、を比較し、累積加算値が最も
小さい(相関度が最も高い)方向の候補ブロックを参照
ブロックと決定する。
【0188】なお、差分の累積加算値が最も小さい方向
が、相関度が最も高い方向である。
【0189】例えば、参照ブロック検出手段33は、斜
め方向の相関度が最も高いと判断すると、符号化対象ブ
ロックXに対して、斜め方向(左上)に隣接する候補ブ
ロックAを、参照ブロックとする。
【0190】以下のフレーム内予測手段3及び符号化手
段4の説明では、候補ブロックAが、参照ブロックにな
る場合を例に挙げる。
【0191】次に、参照ブロック検出手段33は、ブロ
ックAが参照ブロックであることを示す位置データ(参
照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化手段4に出
力するとともに、差分データ算出手段31に対して、符
号化対象ブロックXのHH成分と参照ブロックAのHH
成分との間の差分データを、符号化手段4に出力するよ
うに指示を出す。
【0192】そうすると、差分データ算出手段31は、
符号化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換
係数と、参照ブロックAのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の画素毎の差分を、符号化対象の差
分データとして符号化手段4に出力する。
【0193】次に、符号化手段4は、フレーム内予測手
段3から、符号化対象の差分データと位置データとを入
力し、これらのデータに符号化を施して、符号化データ
として出力する。
【0194】以上のように、フレーム内の複数の所定の
ブロックを参照ブロックの候補(候補ブロック)とする
ことにより、広い範囲で、相関度の最も高い最適な参照
ブロックを探索することできる。
【0195】このため、参照ブロックを固定する場合と
比較して、符号化対象の差分データの絶対値の最大値を
より抑制でき、符号化方式が、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化であれば、有効なビットプレーン
数をより減少させることができて、より発生符号量を抑
制できる。その結果、より符号化効率を上げることがで
きる。
【0196】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、より符号化効率を上げ
ることができる。
【0197】しかも、差分データを符号化対象データと
することにより高圧縮を実現しており、従来の画像符号
化装置のように、量子化ステップを大きくすることによ
り高圧縮を実現したものではないため、タイル歪みが発
生することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0198】さて、復号については、実施の形態2と同
様である。
【0199】なお、上記の説明では、ウェーブレット変
換における分割レベルを「1」としたが、LL成分を再
起的に分割するオクターブ分割方式により、更に多くの
階層に分割した場合でも、実施の形態1の場合と同様に
本実施の形態を適用でき、階層の深さ(分割レベル)に
依存することなく、発生符号量を抑制できる。
【0200】この場合も、分割レベルが「1」の場合と
同様に、候補ブロックのサブバンドのうち、符号化対象
ブロックの符号化対象サブバンドと同一帯域のサブバン
ドを用いて、各方向の相関度を検出するための各方向の
差分データを求める。
【0201】ただし、実施の形態1と同様に、ブロック
分割手段1は、入力された画像データを同一の大きさの
ブロックに分割し、ウェーブレット変換手段2は、各ブ
ロックに対して同一の分割レベルでウェーブレット変換
を施している。
【0202】例えば、図7(a)の各ブロックに対し
て、分割レベルが「3」のウェーブレット変換を施す場
合を考える。そして、符号化対象ブロックがブロックX
で、符号化対象サブバンドがブロックXのサブバンドH
H3とする。また、候補ブロックをブロックA、B、C
とする。
【0203】そうすると、水平方向の差分データは、ブ
ロックXのサブバンドHH3と、ブロックCのサブバン
ドHH3と、から求める。また、垂直方向の差分データ
は、ブロックXのサブバンドHH3と、ブロックBのサ
ブバンドHH3と、から求める。また、斜め方向の差分
データは、ブロックXのサブバンドHH3と、ブロック
AのサブバンドHH3と、から求める。
【0204】さて、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げ
たが、実施の形態1の場合と同様に、HL成分、LH成
分、LL成分など、ウェーブレット変換により得たサブ
バンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとして、上
記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を抑制で
きる。
【0205】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0206】また、図7の例では、符号化対象ブロック
に隣接するブロックA、B、Cを候補ブロックとして用
いている。これらは一例であり、フレーム内のブロック
から、候補ブロックを任意に決定できる。
【0207】ただし、一般に隣接するブロック同士は画
像の相関性が高いことが知られているため、図7の例の
ように、候補ブロックを全て隣接ブロックとするか、あ
るいは、候補ブロックに隣接ブロックを含める方が好適
である。
【0208】また、上記の説明では、符号化対象ブロッ
クをブロックXとしたが、これに限定されるものではな
い。
【0209】(実施の形態4)図1を用いて、本発明の
実施の形態4における画像符号化装置を説明する。
【0210】本発明の実施の形態4における画像符号化
装置は、実施の形態3と比較して、フレーム内予測手段
3の構成が異なっている。その他の点は、実施の形態3
と同様であり、適宜説明を省略する。
【0211】図8は、本発明の実施の形態4における画
像符号化装置のフレーム内予測手段3のブロック図であ
る。なお、図8において、実施の形態3の図5と同様の
部分については、同一の符号を付して説明を適宜省略す
る。
【0212】図8に示すように、本実施の形態のフレー
ム内予測手段3は、実施の形態3の図5の絶対値和算出
手段32を、最大絶対値検出手段34に置き換えたもの
である。
【0213】本実施の形態と実施の形態3との相違を簡
単に説明する。実施の形態3では、図5の絶対値和算出
手段32は、差分データ算出手段31から、各方向の差
分データを入力し、各方向について、差分の絶対値を累
積加算し、累積加算値データとして出力した。
【0214】そして、実施の形態3では、図5の参照ブ
ロック検出手段33は、絶対値和算出手段32から、累
積加算値データを入力し、各方向の累積加算値を比較
し、相関度の最も高い(累積加算値が最も小さい)方向
のブロックを参照ブロックと決定した。
【0215】これに対して、実施の形態4では、図8の
最大絶対値検出手段34は、差分データ算出手段31か
ら、各方向の差分データを入力し、各方向について、差
分の絶対値の最大値(以下、「差分の最大絶対値」と呼
ぶ。)を検出し、最大絶対値データとして出力する。
【0216】そして、実施の形態4では、図8の参照ブ
ロック検出手段33は、最大絶対値検出手段34から、
最大絶対値データを入力し、各方向の差分の最大絶対値
を比較し、相関度の最も高い(差分の最大絶対値が最も
小さい)方向のブロックを参照ブロックと決定する。
【0217】さて、次に、図7の例及び図8を用いて、
本実施の形態について、より具体的に説明する。なお、
図7の例では、ブロックXを符号化対象ブロックとし、
符号化対象ブロックXのHH成分を符号化対象サブバン
ドとしている。
【0218】差分データ算出手段31は、図1のウェー
ブレット変換手段2から、符号化対象ブロックXのHH
成分のウェーブレット変換係数データ(入力データ1)
と、候補ブロックA、B、CのHH成分のウェーブレッ
ト変換係数データ(入力データ2)と、を入力する。
【0219】なお、候補ブロックの意味は、実施の形態
3と同じである。
【0220】そして、図7(c)に示すように、差分デ
ータ算出手段31は、ブロックXのHH成分のウェーブ
レット変換係数から、ブロックBのHH成分の対応する
ウェーブレット変換係数を差し引いて、画素毎に差分
(垂直方向の差分)を求める。
【0221】また、差分データ算出手段31は、ブロッ
クXのHH成分のウェーブレット変換係数から、ブロッ
クAのHH成分の対応するウェーブレット変換係数を差
し引いて、画素毎に差分(斜め方向の差分)を求める。
【0222】また、差分データ算出手段31は、ブロッ
クXのHH成分のウェーブレット変換係数から、ブロッ
クCのHH成分の対応するウェーブレット変換係数を差
し引いて、画素毎に差分(水平の差分)を求める。
【0223】最大絶対値検出手段34は、差分データ算
出手段31から、垂直方向の差分データと、斜め方向の
差分データと、水平方向の差分データと、を入力する。
【0224】そして、最大絶対値検出手段34は、垂直
方向の差分の絶対値の中から、垂直方向の差分の最大絶
対値を検出し、斜め方向の差分の絶対値の中から、斜め
方向の差分の最大絶対値を検出し、水平方向の差分の絶
対値の中から、水平方向の差分の最大絶対値を検出す
る。
【0225】なお、垂直方向の差分の最大絶対値は垂直
方向の相関度を表し、斜め方向の差分の最大絶対値は斜
め方向の相関度を表し、水平方向の差分の最大絶対値は
水平方向の相関度を表す。
【0226】最大絶対値検出手段34は、検出した各方
向の差分の最大絶対値を最大絶対値データとして出力す
る。
【0227】次に、参照ブロック検出手段33は、最大
絶対値データを入力する。そして、参照ブロック検出手
段33は、垂直方向の差分の最大絶対値(垂直方向の相
関度)と、斜め方向の差分の最大絶対値(斜め方向の相
関度)と、水平方向の差分の最大絶対値(水平方向の相
関度)と、を比較し、最大絶対値が最も小さい(相関度
が最も高い)方向の候補ブロックを参照ブロックと決定
する。
【0228】なお、差分の最大絶対値が最も小さい方向
が、相関度が最も高い方向である。
【0229】例えば、参照ブロック検出手段33は、斜
め方向の差分の最大絶対値が最も小さいと判断すると、
符号化対象ブロックXに対して、斜め方向(左上)に隣
接する候補ブロックAを、参照ブロックとする。
【0230】以下のフレーム内予測手段3及び符号化手
段4の説明では、候補ブロックAが、参照ブロックにな
る場合を例に挙げる。
【0231】次に、参照ブロック検出手段33は、ブロ
ックAが参照ブロックであることを示す位置データ(参
照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化手段4に出
力するとともに、差分データ算出手段31に対して、符
号化対象ブロックXのHH成分と参照ブロックAのHH
成分との間の差分データを、符号化手段4に出力するよ
うに指示を出す。
【0232】そうすると、差分データ算出手段31は、
符号化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換
係数と、参照ブロックAのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の画素毎の差分を、符号化対象の差
分データとして符号化手段4に出力する。
【0233】次に、符号化手段4は、フレーム内予測手
段3から、符号化対象の差分データと位置データとを入
力し、これらのデータに符号化を施して、符号化データ
として出力する。
【0234】さて、次に、差分の最大絶対値が最も小さ
い方向の候補ブロックを参照ブロックとする意義を説明
する。
【0235】図9は、差分の最大絶対値が最も小さい方
向の候補ブロックを参照ブロックとする意義の説明図で
ある。
【0236】図9(a)は、ある方向(以下、「第1の
方向」と呼ぶ。)の差分データの例示図、図9(b)
は、別の方向(以下、「第2の方向」と呼ぶ。)の差分
データの例示図、である。
【0237】なお、図9において、「MSB」は最上位
ビットを意味し、「LSB」は最下位ビットを意味して
いる。
【0238】図9(a)と図9(b)とで、差分データ
のデータ量を比較する。図9(a)の上段に示すよう
に、3×3画素の第1の方向の差分データにおいて、差
分の絶対値の和は、「25」となり、差分の最大絶対値
は、「7」となる。
【0239】また、図9(b)の上段に示すように、3
×3画素の第2の方向の差分データにおいて、差分の絶
対値の和は、「24」となり、差分の最大絶対値は、
「16」となる。
【0240】従って、第2の方向の差分の絶対値の和は
(図9(b))、第1の方向の差分の絶対値の和(図9
(a))より小さいが、第2の方向の差分の最大絶対値
は(図9(b))、第1の方向の差分の最大絶対値(図
9(a))より大きい。
【0241】つまり、第1の方向の差分データ(図9
(a))では、第2の方向の差分データ(図9(b))
と比較して、差分の絶対値のピークが抑制されている。
【0242】このように、差分の絶対値の最大値を抑制
することにより、符号化方式が、ビットプレーンを利用
したエントロピー符号化であれば、有効なビットプレー
ン数を減少させることができて、符号化効率を上げるこ
とができる。
【0243】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、符号化効率を上げるこ
とができる。
【0244】しかも、差分データを符号化対象データと
することにより高圧縮を実現しており、従来の画像符号
化装置のように、量子化ステップを大きくすることによ
り高圧縮を実現したものではないため、タイル歪みが発
生することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0245】図9(a)では、3ビットプレーンが有効
なビットプレーン、図9(b)では、5ビットプレーン
が有効なビットプレーン、となっているため、図9
(a)の第1の方向の差分データを符号化した方が、符
号化効率が良い。
【0246】さて、復号については、実施の形態2と同
様である。
【0247】なお、上記の説明では、ウェーブレット変
換における分割レベルを「1」としたが、LL成分を再
起的に分割するオクターブ分割方式により、更に多くの
階層に分割した場合でも、実施の形態1の場合と同様に
本実施の形態を適用でき、階層の深さ(分割レベル)に
依存することなく、発生符号量を抑制できる。
【0248】この場合も、分割レベルが「1」の場合と
同様に、候補ブロックのサブバンドのうち、符号化対象
ブロックの符号化対象サブバンドと同一帯域のサブバン
ドを用いて、各方向の差分データを求める。
【0249】ただし、実施の形態1と同様に、ブロック
分割手段1は、入力された画像データを同一の大きさの
ブロックに分割し、ウェーブレット変換手段2は、各ブ
ロックに対して同一の分割レベルでウェーブレット変換
を施している。
【0250】例えば、図7(a)の各ブロックに対し
て、分割レベルが「3」のウェーブレット変換を施す場
合を考える。そして、符号化対象ブロックがブロックX
で、符号化対象サブバンドがブロックXのサブバンドH
H3とする。また、候補ブロックをブロックA、B、C
とする。
【0251】そうすると、水平方向の差分データは、ブ
ロックXのサブバンドHH3と、ブロックCのサブバン
ドHH3と、から求める。また、垂直方向の差分データ
は、ブロックXのサブバンドHH3と、ブロックBのサ
ブバンドHH3と、から求める。また、斜め方向の差分
データは、ブロックXのサブバンドHH3と、ブロック
AのサブバンドHH3と、から求める。
【0252】さて、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げ
たが、実施の形態1の場合と同様に、HL成分、LH成
分、LL成分など、ウェーブレット変換により得たサブ
バンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとして、上
記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を抑制で
きる。
【0253】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0254】また、図7の例では、符号化対象ブロック
に隣接するブロックA、B、Cを候補ブロックとして用
いている。これらは一例であり、フレーム内のブロック
から、候補ブロックを任意に決定できる。
【0255】ただし、一般に隣接するブロック同士は画
像の相関性が高いことが知られているため、図7の例の
ように、候補ブロックを全て隣接ブロックとするか、あ
るいは、候補ブロックに隣接ブロックを含める方が好適
である。
【0256】また、上記の説明では、符号化対象ブロッ
クをブロックXとしたが、これに限定されるものではな
い。
【0257】(実施の形態5)図1を用いて、本発明の
実施の形態5における画像符号化装置を説明する。
【0258】実施の形態5では、図1のフレーム内予測
手段3は、符号化対象サブバンド毎に差分データを求
め、符号化対象サブバンド毎に最適な参照ブロックを決
定する。
【0259】この場合、最適な参照ブロックの決定手法
として、実施の形態2、実施の形態3、及び、実施の形
態4のいずれの手法も用いることができる。
【0260】実施の形態2の手法により最適な参照ブロ
ックを決定する場合は、本実施の形態のフレーム内予測
手段3の構成は、実施の形態2における図5に示したよ
うになり、符号化対象サブバンド毎に差分データを求
め、符号化対象サブバンド毎に最適な参照ブロックを決
定する点を除けば、実施の形態2と同様の動作をする。
【0261】実施の形態3の手法により最適な参照ブロ
ックを決定する場合は、本実施の形態のフレーム内予測
手段3の構成は、実施の形態3における図5に示したよ
うになり、符号化対象サブバンド毎に差分データを求
め、符号化対象サブバンド毎に最適な参照ブロックを決
定する点を除けば、実施の形態3と同様の動作をする。
【0262】実施の形態4の手法により最適な参照ブロ
ックを決定する場合は、本実施の形態のフレーム内予測
手段3の構成は、実施の形態4における図8に示したよ
うになり、符号化対象サブバンド毎に差分データを求
め、符号化対象サブバンド毎に最適な参照ブロックを決
定する点を除けば、実施の形態4と同様の動作をする。
【0263】以下、具体例を挙げながら詳細に説明す
る。図10は、本発明の実施の形態5における処理の例
示図である。図10(a)は、ブロック分割手段1によ
りブロック分割された画像データの例示図、図10
(b)は、ウェーブレット変換手段2によりサブバンド
分割された画像データの例示図、図10(c)は、フレ
ーム内予測手段3による処理の例示図、である。
【0264】なお、図10(a)及び図10(b)は、
それぞれ、図2(a)及び図2(b)と同様のもので
り、説明を省略する。また、図10の例では、符号化対
象ブロックをブロックXとし、符号化対象ブロックXの
HH成分、LH成分、及び、HL成分、を符号化対象サ
ブバンドとする。
【0265】本実施の形態では、図1のフレーム内予測
手段3は、符号化対象サブバンドであるHH成分、LH
成分、及び、HL成分、の各々について、最適な参照ブ
ロックを決定する。
【0266】この場合、上記したように、最適な参照ブ
ロックの決定手法として、実施の形態2、実施の形態
3、及び、実施の形態4のいずれの手法も用いることが
できる。
【0267】さて、例えば、図10(c)に示すよう
に、フレーム内予測手段3が、符号化対象ブロックXの
HH成分の最適な参照ブロックをブロックAと決定し、
符号化対象ブロックXのLH成分の最適な参照ブロック
をブロックBと決定し、符号化対象ブロックXのHL成
分の最適な参照ブロックをブロックCと決定したとす
る。
【0268】この場合、実施の形態2の手法により参照
ブロックを決定したときは、フレーム内予測手段3は、
次の動作をする。この場合のフレーム内予測手段3の構
成は、実施の形態2における図5に示したようになる。
【0269】図5の差分データ算出手段31は、符号化
対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換係数か
ら、ブロックAのHH成分のウェーブレット変換係数を
差し引いて、画素毎に差分を求め、符号化対象の差分デ
ータとして、符号化手段4へ出力する。
【0270】また、差分データ算出手段31は、符号化
対象ブロックXのLH成分のウェーブレット変換係数か
ら、ブロックBのLH成分のウェーブレット変換係数を
差し引いて、画素毎に差分を求め、符号化対象の差分デ
ータとして、符号化手段4へ出力する。
【0271】また、差分データ算出手段31は、符号化
対象ブロックXのHL成分のウェーブレット変換係数か
ら、ブロックCのHL成分のウェーブレット変換係数を
差し引いて、画素毎に差分を求め、符号化対象の差分デ
ータとして、符号化手段4へ出力する。
【0272】また、参照ブロック検出手段33は、ブロ
ックAがHH成分の参照ブロックであることを示す位置
データ(参照ブロックの位置を示すデータ)と、ブロッ
クBがLH成分の参照ブロックであることを示す位置デ
ータと、ブロックCがHL成分の参照ブロックであるこ
とを示す位置データと、を符号化手段4へ出力する。
【0273】一方、実施の形態3の手法により参照ブロ
ックを決定したときは、フレーム内予測手段3は、次の
動作をする。この場合、フレーム内予測手段3の構成
は、実施の形態3における図5に示したようになる。
【0274】図5の参照ブロック検出手段33は、差分
データ算出手段31に対して、符号化対象ブロックXの
HH成分と参照ブロックAのHH成分との間の差分デー
タと、符号化対象ブロックXのLH成分と参照ブロック
BのLH成分との間の差分データと、符号化対象ブロッ
クXのHL成分と参照ブロックCのHL成分との間の差
分データと、を符号化手段4に出力するように指示を出
す。
【0275】そうすると、差分データ算出手段31は、
符号化対象ブロックXのHH成分のウェーブレット変換
係数と、参照ブロックAのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の画素毎の差分を、符号化対象の差
分データとして符号化手段4に出力する。
【0276】また、差分データ算出手段31は、符号化
対象ブロックXのLH成分のウェーブレット変換係数
と、参照ブロックBのLH成分の対応するウェーブレッ
ト変換係数と、の画素毎の差分を、符号化対象の差分デ
ータとして符号化手段4に出力する。
【0277】また、差分データ算出手段31は、符号化
対象ブロックXのHL成分のウェーブレット変換係数
と、参照ブロックCのHL成分の対応するウェーブレッ
ト変換係数と、の画素毎の差分を、符号化対象の差分デ
ータとして符号化手段4に出力する。
【0278】また、参照ブロック検出手段33は、ブロ
ックAがHH成分の参照ブロックであることを示す位置
データ(参照ブロックの位置を示すデータ)と、ブロッ
クBがLH成分の参照ブロックであることを示す位置デ
ータと、ブロックCがHL成分の参照ブロックであるこ
とを示す位置データと、を符号化手段4へ出力する。
【0279】なお、実施の形態4の手法により参照ブロ
ックを決定したときは、実施の形態3の手法により参照
ブロックを決定する場合と比較して、参照ブロックの決
定手法が異なるだけで、参照ブロックの決定後は、差分
データ算出手段31及び参照ブロック検出手段33は上
記と同様の動作をする。
【0280】さて、符号化手段4は、参照ブロックを実
施の形態2から実施の形態4のいずれの手法により決定
した場合でも、同じ動作をする。
【0281】即ち、符号化手段4は、差分データ算出手
段31から、符号化対象サブバンド(HH成分、LH成
分、HL成分)毎の差分データと、符号化対象サブバン
ド(HH成分、LH成分、HL成分)毎の最適な参照ブ
ロックの位置データと、を入力し、これらに対して符号
化を施し、符号化データを出力する。
【0282】以上のように、本実施の形態では、符号化
対象サブバンド毎に、発生符号量を最も抑制できる参照
ブロックを選択することができるため、全体としての発
生符合量の抑制が可能となる。
【0283】しかも、差分データを符号化対象データと
することにより高圧縮を実現しており、従来の画像符号
化装置のように、量子化ステップを大きくすることによ
り高圧縮を実現したものではないため、タイル歪みが発
生することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0284】さて、符号化データの復号については、実
施の形態2と同様である。
【0285】なお、上記の説明では、ウェーブレット変
換における分割レベルを「1」としたが、LL成分を再
起的に分割するオクターブ分割方式により、更に多くの
階層に分割した場合でも、実施の形態2、3、4の場合
と同様に本実施の形態を適用でき、階層の深さ(分割レ
ベル)に依存することなく、発生符号量を抑制できる。
【0286】また、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分、LH成分及びHL成分を符号化対象サ
ブバンドとする例を挙げたが、LL成分を符号化対象サ
ブバンドとして、上記と同様の処理を行うことにより、
発生符号量を抑制できる。
【0287】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0288】また、上記の説明では、符号化対象ブロッ
クをブロックXとしたが、これに限定されるものではな
い。
【0289】(実施の形態6)図1を用いて、本発明の
実施の形態6における画像符号化装置を説明する。
【0290】実施の形態6が実施の形態3と異なるの
は、フレーム内予測手段3である。その他の点は、実施
の形態3と同様であり、適宜説明を省略する。
【0291】図11は、本発明の実施の形態6における
フレーム内予測手段3のブロック図である。なお、図1
1において、実施の形態3における図5のフレーム内予
測手段3と同様の部分については、同一の符号を付して
いる。
【0292】図11に示すように、本実施の形態におけ
るフレーム内予測手段3は、実施の形態3における図5
のフレーム内予測手段に、差分データゼロ化手段35を
加えたものである。
【0293】以下、実施の形態3との相違点を中心に、
本実施の形態の動作を詳細に説明する。なお、以下の説
明では、分割レベルを「1」とし、符号化対象ブロック
のHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げる。
【0294】本実施の形態では、参照ブロック検出手段
33は、実施の形態3と同様にして、差分の絶対値の和
が最も小さい方向の候補ブロックを参照ブロックと決定
する。
【0295】なお、候補ブロックの意味は、実施の形態
3と同じ意味である。
【0296】そして、参照ブロック検出手段33は、差
分データ算出手段31に対して、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数と、参照ブロックの
HH成分の対応するウェーブレット変換係数と、の間の
差分データを、ゼロ化手段35へ出力するように指示を
出す。
【0297】また、参照ブロック検出手段33は、どの
ブロックが参照ブロックであるかを示す位置データ(参
照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化手段4へ出
力する。
【0298】また、参照ブロック検出手段33は、差分
の絶対値の和と、予め定められた閾値と、を比較する。
【0299】この比較の際に用いる差分の絶対値の和
は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の差分の絶対値の和、である。
【0300】比較の結果、この差分の絶対値の和が、予
め定められた閾値以下であると、参照ブロック検出手段
33が判断した場合には、参照ブロック検出手段33
は、その旨を差分データゼロ化手段35に通知する。
【0301】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、全て「0」(デ
ータの切り捨て)とする。このような処理を差分データ
の「ゼロ化」と呼ぶ。
【0302】そして、この場合、差分データゼロ化手段
35は、値が「0」の差分データを、符号化対象の差分
データとして、符号化手段4へ出力する。
【0303】一方、比較の結果、この差分の絶対値の和
が、予め定められた閾値以下でない(予め定められた閾
値より大きい)と、参照ブロック検出手段33が判断し
た場合には、参照ブロック検出手段33は、その旨を差
分データゼロ化手段35に通知する。
【0304】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、符号化対象の差
分データとして、符号化手段4へ出力する。
【0305】図12は、図11の差分データゼロ化手段
35による処理の例示図である。この例では、予め定め
られた閾値を「5」とする。
【0306】この場合、図12に示すように、ゼロ化前
の差分データ、即ち、符号化対象ブロックと参照ブロッ
クとの間の差分データでは、差分の絶対値の和が「4」
であり、予め定められた閾値以下である。
【0307】従って、差分データゼロ化手段35は、こ
の差分データに対してゼロ化を行い、この差分データを
全て「0」にする。
【0308】画像データとしてのこのような微小信号が
切り捨てられても、視覚上ほとんど影響しない一方、こ
のような微少信号を切り捨てて、差分の絶対値の最大値
をより抑制することにより、符号化方式が、ビットプレ
ーンを利用したエントロピー符号化であれば、有効なビ
ットプレーン数をより減少させることができて、より符
号化効率を上げることができる。
【0309】言い換えると、差分の絶対値の和が予め定
められた閾値以下であれば、差分データを全て「0」に
しても視覚上ほとんど影響しないように、予め定められ
た閾値の値が設定される。
【0310】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、より符号化効率を上げ
ることができる。
【0311】しかも、差分データをゼロ化することによ
り高圧縮を実現しており、従来の画像符号化装置のよう
に、量子化ステップを大きくすることにより高圧縮を実
現したものではないため、タイル歪みが発生することを
防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0312】また、符号化対象ブロックのHH成分のウ
ェーブレット変換係数と、参照ブロックのHH成分の対
応するウェーブレット変換係数と、の差分の絶対値の和
が、予め定められた閾値より大きいときは、ゼロ化は行
われないが、この場合は、実施の形態3と同様の効果を
奏することになる。
【0313】さて、復号については、実施の形態3と同
様である。
【0314】さて、上記では、符号化対象ブロックのH
H成分と参照ブロックのHH成分との間の差分の絶対値
の和が、予め定められた閾値以下である場合は、差分デ
ータゼロ化手段35は、値が全て「0」の差分データを
符号化手段4に出力した。
【0315】しかし、こうする代わりに、符号化対象ブ
ロックのHH成分と参照ブロックのHH成分との間の差
分の絶対値の和が、予め定められた閾値以下である場合
は、参照ブロック検出手段33が、符号化対象ブロック
のHH成分と参照ブロックのHH成分との間の差分デー
タがないことを示す信号を、生成するようにすることも
できる。
【0316】この場合は、この差分データがないことを
示す信号が、符号化されずに受信機(図示せず)に送信
される。
【0317】なお、この場合でも、どのブロックが参照
ブロックであるかを示す位置データは符号化されて、送
信機へ送信される。
【0318】そして、差分データがないことを示す信号
を受信した受信機では、位置データ(既に復号済み)か
ら参照ブロックを求め、既に復号した参照ブロックのH
H成分を、復号対象ブロックのHH成分とする。
【0319】このように、符号化対象ブロックのHH成
分と参照ブロックのHH成分との間の差分の絶対値の和
が、予め定められた閾値以下である場合は、符号化対象
ブロックのHH成分と参照ブロックのHH成分との間の
差分データがないことを示す信号を送信することで、符
号化手段4による符号化が不要になるため、処理を高速
化することができる。
【0320】また、この場合、受信機において、復号対
象ブロックのHH成分の復号が不要となるため、処理を
高速化することができる。
【0321】さて、図1を用いて、本発明の実施の形態
6における符号化装置の変形例を説明する。
【0322】この変形例が実施の形態4と異なるのは、
フレーム内予測手段3である。その他の点は、実施の形
態4と同様であり、適宜説明を省略する。
【0323】図13は、本発明の実施の形態6における
符号化装置の変形例のフレーム内予測手段3のブロック
図である。なお、図13において、実施の形態4におけ
る図8のフレーム内予測手段3と同様の部分について
は、同一の符号を付している。
【0324】図13に示すように、この変形例における
フレーム内予測手段3は、実施の形態4における図8の
フレーム内予測手段に、差分データゼロ化手段35を加
えたものである。
【0325】この図13の差分データゼロ化手段35
は、図11の差分データゼロ化手段35と同様のもので
ある。
【0326】以下、実施の形態4との相違点を中心に、
この変形例の動作を詳細に説明する。なお、以下の説明
では、分割レベルを「1」とし、符号化対象ブロックの
HH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げる。
【0327】この変形例では、参照ブロック検出手段3
3は、実施の形態4と同様にして、差分の最大絶対値が
最も小さい方向の候補ブロックを参照ブロックと決定す
る。
【0328】なお、差分の最大絶対値の意味、及び、候
補ブロックの意味は、実施の形態4と同じである。
【0329】そして、参照ブロック検出手段33は、差
分データ算出手段31に対して、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数と、参照ブロックの
HH成分の対応するウェーブレット変換係数と、の間の
差分データを、差分データゼロ化手段35へ出力するよ
うに指示を出す。
【0330】また、参照ブロック検出手段36は、どの
ブロックが参照ブロックであるかを示す位置データ(参
照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化手段4へ出
力する。
【0331】また、参照ブロック検出手段33は、差分
の最大絶対値と、予め定められた閾値と、を比較する。
【0332】この比較の際に用いる差分の最大絶対値
は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の差分の最大絶対値、である。
【0333】比較の結果、この差分の最大絶対値が、予
め定められた閾値以下であると、参照ブロック検出手段
33が判断した場合には、参照ブロック検出手段33
は、その旨を差分データゼロ化手段35に通知する。
【0334】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、全て「0」(デ
ータの切り捨て)とする。このような処理を差分データ
の「ゼロ化」と呼ぶ。
【0335】そして、この場合、差分データゼロ化手段
35は、値が「0」の差分データを、符号化対象の差分
データとして、符号化手段4へ出力する。
【0336】一方、比較の結果、この差分の最大絶対値
が、予め定められた閾値以下でない(予め定められた閾
値より大きい)と、参照ブロック検出手段33が判断し
た場合には、参照ブロック検出手段33は、その旨を差
分データゼロ化手段35に通知する。
【0337】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、符号化対象の差
分データとして、符号化手段4へ出力する。
【0338】この変形例でも、符号化対象ブロックのH
H成分と参照ブロックのHH成分との間の差分の最大絶
対値が、予め定められた閾値以下の場合は、その差分デ
ータがゼロ化されるため、実施の形態6と同様の効果を
奏する。
【0339】即ち、差分の最大絶対値が予め定められた
閾値以下であれば、差分データを全て「0」にしても視
覚上ほとんど影響しないように、予め定められた閾値の
値が設定される。
【0340】さて、この変形例の復号は、実施の形態4
と同様である。
【0341】さて、この変形例では、符号化対象ブロッ
クのHH成分と参照ブロックのHH成分との間の差分の
最大絶対値が、予め定められた閾値以下である場合は、
差分データゼロ化手段35は、値が全て「0」の差分デ
ータを符号化手段4に出力した。
【0342】しかし、こうする代わりに、符号化対象ブ
ロックのHH成分と参照ブロックのHH成分との間の差
分の最大絶対値が、予め定められた閾値以下である場合
は、参照ブロック検出手段33が、符号化対象ブロック
のHH成分と参照ブロックのHH成分との間の差分デー
タがないことを示す信号を、生成するようにすることも
できる。
【0343】この場合は、この差分データがないことを
示す信号が、符号化されずに受信機(図示せず)に送信
される。
【0344】なお、この場合でも、どのブロックが参照
ブロックであるかを示す位置データは符号化されて、送
信機へ送信される。
【0345】そして、差分データがないことを示す信号
を受信した受信機では、位置データ(既に復号済み)か
ら参照ブロックを求め、既に復号した参照ブロックのH
H成分を、復号対象ブロックのHH成分とする。
【0346】このように、符号化対象ブロックのHH成
分と参照ブロックのHH成分との間の差分の最大絶対値
が、予め定められた閾値以下である場合は、符号化対象
ブロックのHH成分と参照ブロックのHH成分との間の
差分データがないことを示す信号を送信することで、符
号化手段4による符号化が不要になるため、処理を高速
化することができる。
【0347】また、この場合、受信機において、復号対
象ブロックのHH成分の復号が不要となるため、処理を
高速化することができる。
【0348】なお、上記の実施の形態6及びその変形例
の説明では、ウェーブレット変換における分割レベルを
「1」としたが、LL成分を再起的に分割するオクター
ブ分割方式により、更に多くの階層に分割した場合で
も、実施の形態3、4の場合と同様に本実施の形態を適
用でき、階層の深さ(分割レベル)に依存することな
く、発生符号量を抑制できる。
【0349】また、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げ
たが、実施の形態3、4の場合と同様に、HL成分、L
H成分、LL成分など、ウェーブレット変換により得た
サブバンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとし
て、上記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を
抑制できる。
【0350】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0351】また、本実施の形態と実施の形態5とを組
み合わせて用いることもできる。
【0352】(実施の形態7)図1を用いて、本発明の
実施の形態7における画像符号化装置を説明する。
【0353】実施の形態7が実施の形態3と異なるの
は、フレーム内予測手段3である。その他の点は、実施
の形態3と同様であり、適宜説明を省略する。
【0354】図14は、本発明の実施の形態7における
フレーム内予測手段3のブロック図である。なお、図1
4において、実施の形態3における図5のフレーム内予
測手段3と同様の部分については、同一の符号を付して
いる。
【0355】図14に示すように、本実施の形態におけ
るフレーム内予測手段3は、実施の形態3における図5
のフレーム内予測手段に、データ選択手段36を加えた
ものである。
【0356】以下、実施の形態3との相違点を中心に、
本実施の形態の動作を詳細に説明する。なお、以下の説
明では、分割レベルを「1」とし、符号化対象ブロック
のHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げる。
【0357】本実施の形態では、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数データは、差分デー
タ算出手段31だけでなく、データ選択手段36及び絶
対値和算出手段32へも入力される。
【0358】そして、絶対値和算出手段32は、符号化
対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係数の絶
対値の和をも算出し、絶対値和データとして、参照ブロ
ック検出手段33へ出力する。
【0359】さて、参照ブロック検出手段33は、実施
の形態3と同様にして、差分の絶対値の和が最も小さい
方向の候補ブロックを参照ブロックと決定する。
【0360】なお、候補ブロックの意味は、実施の形態
3と同じ意味である。
【0361】そして、参照ブロック検出手段33は、差
分データ算出手段31に対して、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数と、参照ブロックの
HH成分の対応するウェーブレット変換係数と、の間の
差分データを、データ選択手段36へ出力するように指
示を出す。
【0362】また、参照ブロック検出手段33は、差分
の絶対値の和と、符号化対象ブロックのHH成分のウェ
ーブレット変換係数の絶対値の和と、を比較する。
【0363】この比較の際に用いる差分の絶対値の和
は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の差分の絶対値の和、である。
【0364】比較の結果、この差分の絶対値の和が、符
号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係数
の絶対値の和以上であると、参照ブロック検出手段33
が判断した場合には、参照ブロック検出手段33は、そ
の旨をデータ選択手段36に通知する。
【0365】この通知を受けたデータ選択手段36は、
符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係
数データを、符号化対象のデータとして、符号化手段4
へ出力する。
【0366】また、この場合、データ選択手段36は、
出力した符号化対象のデータが、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数データであることを
示すデータ種別信号を生成し、出力する。そして、この
データ種別信号は、符号化されずに受信機(図示せず)
に送信される。
【0367】一方、比較の結果、この差分の絶対値の和
が、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数の絶対値の和以上でない(符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数の絶対値の和より小
さい)と、参照ブロック検出手段33が判断した場合に
は、参照ブロック検出手段33は、その旨を差分データ
ゼロ化手段35に通知する。
【0368】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、符号化対象のデ
ータとして、符号化手段4へ出力する。
【0369】また、この場合、データ選択手段36は、
出力した符号化対象のデータが、符号化対象ブロックの
HH成分と参照ブロックのHH成分との間の差分データ
であることを示すデータ種別信号を生成し、出力する。
そして、このデータ種別信号は、符号化されずに受信機
(図示せず)に送信される。
【0370】また、この場合、参照ブロック検出手段3
6は、どのブロックが参照ブロックであるかを示す位置
データ(参照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化
手段4へ出力する。
【0371】図15は、図14のデータ選択手段36に
よる処理の例示図である。
【0372】この場合、図15に示すように、符号化対
象サブバンドであるHH成分のウェーブレット変換係数
の絶対値の和は、「15」である。
【0373】一方、符号化対象サブバンドであるHH成
分のウェーブレット変換係数と、参照サブバンドである
HH成分の対応するウェーブレット変換係数と、の差分
の絶対値の和は、「23」である。
【0374】従って、この例では、符号化対象サブバン
ドであるHH成分のウェーブレット変換係数と、参照サ
ブバンドであるHH成分の対応するウェーブレット変換
係数と、の差分の絶対値の和が、符号化対象サブバンド
であるHH成分のウェーブレット変換係数の絶対値の和
より大きい。
【0375】このため、データ選択手段36は、符号化
対象サブバンドであるHH成分のウェーブレット変換係
数データを、符号化対象のデータとして、符号化手段4
へ出力するとともに、その符号化対象のデータが、符号
化対象サブバンドであるHH成分のウェーブレット変換
係数データであることを示すデータ種別信号を生成し、
出力する。
【0376】本実施の形態では、以上のように、符号化
対象サブバンドと参照サブバンドとの間の差分データ、
及び、符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数
データのうち、絶対値の和が小さい方のデータを選択し
て符号化対象のデータとしている。
【0377】このため、一律に差分データを符号化対象
のデータとする場合と比較して、符号化対象のデータの
絶対値の最大値をより抑制することができ、符号化方式
が、ビットプレーンを利用したエントロピー符号化であ
れば、有効なビットプレーン数をより減少させることが
できて、より符号化効率を上げることができる。
【0378】つまり、符号化対象サブバンドと参照サブ
バンドとの間の差分データが、符号化対象サブバンドの
ウェーブレット変換係数データより大きくなった場合
に、符号化対象サブバンドのウェーブレット変換係数デ
ータを、符号化対象のデータとすることで、一律に差分
データを符号化対象のデータとする場合と比較して、よ
り発生符号量を抑制することができる。
【0379】本実施の形態により、例えばJPEG20
00で用いられているような、ビットプレーンを利用し
たエントロピー符号化において、より符号化効率を上げ
ることができる。
【0380】しかも、従来の画像符号化装置のように、
量子化ステップを大きくすることにより高圧縮を実現し
たものではないため、タイル歪みが発生することを防止
できて、画質の劣化を防止できる。
【0381】さて、復号について簡単に説明する。受信
機(図示せず)では、受信した符号化データが、符号化
対象ブロックのHH成分と参照ブロックのHH成分との
間の差分データを符号化したデータであるのか、あるい
は、符号化対象ブロックの符号化対象サブバンドである
HH成分を符号化したデータであるのか、をデータ種別
信号により識別する。
【0382】データ種別信号による識別の結果、受信し
た符号化データが、符号化対象ブロックのHH成分と参
照ブロックのHH成分との間の差分データを符号化した
データである場合は、位置データ(既に復号済み)から
求めた既に復号された参照ブロックの参照サブバンドで
あるHH成分に、この差分データ(既に復号済み)を加
え、復号対象ブロックを復号する。
【0383】一方、データ種別信号による識別の結果、
受信した符号化データが、符号化対象ブロックの符号化
対象サブバンドであるHH成分を符号化したデータであ
る場合は、受信したその符号化データをそのまま用いる
ことにより、復号対象ブロックを復号する。
【0384】さて、図1を用いて、本発明の実施の形態
7における符号化装置の変形例を説明する。
【0385】この変形例が実施の形態4と異なるのは、
フレーム内予測手段3である。その他の点は、実施の形
態4と同様であり、適宜説明を省略する。
【0386】図16は、本発明の実施の形態7における
符号化装置の変形例のフレーム内予測手段3のブロック
図である。なお、図16において、実施の形態4におけ
る図8のフレーム内予測手段3と同様の部分について
は、同一の符号を付している。
【0387】図16に示すように、この変形例における
フレーム内予測手段3は、実施の形態4における図8の
フレーム内予測手段に、データ選択手段36を加えたも
のである。
【0388】この図16のデータ選択手段36は、図1
4のデータ選択手段36と同様のものである。
【0389】以下、実施の形態4との相違点を中心に、
この変形例の動作を詳細に説明する。なお、以下の説明
では、分割レベルを「1」とし、符号化対象ブロックの
HH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げる。
【0390】この変形例では、符号化対象ブロックのH
H成分のウェーブレット変換係数データは、差分データ
算出手段31だけでなく、データ選択手段36及び最大
絶対値検出手段34へも入力される。
【0391】そして、最大絶対値検出手段34は、符号
化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係数の
絶対値の最大値(以下、「最大絶対値」と呼ぶ。)をも
検出し、最大絶対値データとして、参照ブロック検出手
段33へ出力する。
【0392】さて、参照ブロック検出手段33は、実施
の形態4と同様にして、差分の最大絶対値が最も小さい
方向の候補ブロックを参照ブロックと決定する。
【0393】なお、差分の最大絶対値の意味、及び、候
補ブロックの意味は、実施の形態4と同じである。
【0394】そして、参照ブロック検出手段33は、差
分データ算出手段31に対して、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数と、参照ブロックの
HH成分の対応するウェーブレット変換係数と、の間の
差分データを、データ選択手段36へ出力するように指
示を出す。
【0395】また、参照ブロック検出手段33は、差分
の最大絶対値と、符号化対象ブロックのHH成分のウェ
ーブレット変換係数の最大絶対値と、を比較する。
【0396】この比較の際に用いる差分の最大絶対値
は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェーブ
レット変換係数と、の差分の最大絶対値、である。
【0397】比較の結果、この差分の最大絶対値が、符
号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係数
の最大絶対値以上であると、参照ブロック検出手段33
が判断した場合には、参照ブロック検出手段33は、そ
の旨をデータ選択手段36に通知する。
【0398】この通知を受けたデータ選択手段36は、
符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変換係
数データを、符号化対象のデータとして、符号化手段4
へ出力する。
【0399】また、この場合、データ選択手段36は、
出力した符号化対象のデータが、符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数データであることを
示すデータ種別信号を生成し、出力する。そして、この
データ種別信号は、符号化されずに受信機(図示せず)
に送信される。
【0400】一方、比較の結果、この差分の最大絶対値
が、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット変
換係数の最大絶対値以上でない(符号化対象ブロックの
HH成分のウェーブレット変換係数の最大絶対値より小
さい)と、参照ブロック検出手段33が判断した場合に
は、参照ブロック検出手段33は、その旨を差分データ
ゼロ化手段35に通知する。
【0401】この通知を受けた差分データゼロ化手段3
5は、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレット
変換係数と、参照ブロックのHH成分の対応するウェー
ブレット変換係数と、の差分データを、符号化対象のデ
ータとして、符号化手段4へ出力する。
【0402】また、この場合、データ選択手段36は、
出力した符号化対象のデータが、符号化対象ブロックの
HH成分と参照ブロックのHH成分との間の差分データ
であることを示すデータ種別信号を生成し、出力する。
そして、このデータ種別信号は、符号化されずに受信機
(図示せず)に送信される。
【0403】また、この場合、参照ブロック検出手段3
6は、どのブロックが参照ブロックであるかを示す位置
データ(参照ブロックの位置を示すデータ)を、符号化
手段4へ出力する。
【0404】この変形例でも、符号化対象ブロックのH
H成分と参照ブロックのHH成分との間の差分の最大絶
対値が、符号化対象ブロックのHH成分のウェーブレッ
ト変換係数の最大絶対値以上の場合は、符号化対象ブロ
ックのHH成分のウェーブレット変換係数データが符号
化されて送信されるため、実施の形態7と同様の効果を
奏する。
【0405】さて、変形例の復号については、実施の形
態7と同様である。
【0406】なお、上記の実施の形態7及びその変形例
の説明では、ウェーブレット変換における分割レベルを
「1」としたが、LL成分を再起的に分割するオクター
ブ分割方式により、更に多くの階層に分割した場合で
も、実施の形態3、4の場合と同様に本実施の形態を適
用でき、階層の深さ(分割レベル)に依存することな
く、発生符号量を抑制できる。
【0407】また、上記の説明では、フレーム内予測手
段3がHH成分を符号化対象サブバンドとする例を挙げ
たが、実施の形態3、4の場合と同様に、HL成分、L
H成分、LL成分など、ウェーブレット変換により得た
サブバンドの全てや一部を符号化対象サブバンドとし
て、上記と同様の処理を行うことにより、発生符号量を
抑制できる。
【0408】つまり、いずれのサブバンドを符号化対象
サブバンドにするかは任意に決定できる。
【0409】また、本実施の形態と実施の形態5とを組
み合わせて用いることもできる。
【0410】
【発明の効果】請求項1又は13記載の発明では、符号
化対象サブバンドのウェーブレット変換係数と、参照サ
ブバンドのウェーブレット変換係数と、の差分データ
が、符号化対象のデータとなるため、符号化対象のデー
タの絶対値の最大値を抑制できる。その結果、発生符号
量を抑制できて、符号化効率を上げることができる。
【0411】しかも、複数のブロックに分割した画像デ
ータに対して、量子化ステップを大きくすることにより
高圧縮を実現するものではないため、タイル歪みが発生
することを防止できて、画質の劣化を防止できる。
【0412】請求項2又は14記載の発明では、参照ブ
ロックが予め決定されているため、参照ブロックを決定
するための処理が不要となり、処理を簡素化できる。
【0413】請求項3又は15記載の発明では、複数の
方向のうち、相関度の高い方向のブロックが参照ブロッ
クとされるため、符号化対象のデータである差分データ
の絶対値の最大値をより抑制できる。その結果、より発
生符号量を抑制できて、より符号化効率を上げることが
できる。
【0414】特に、符号化対象ブロックに対して、相関
度の高い方向に隣接するブロックを参照ブロックとすれ
ば、隣接するブロックは一般に画像の相関性が高いこと
が知られているため、符号化対象のデータである差分デ
ータの絶対値の最大値をさらに抑制でき、さらに発生符
号量を抑制できて、さらに符号化効率を上げることがで
きる。
【0415】請求項4又は16記載の発明では、複数の
候補ブロックのうち、相関度の高い(差分の絶対値の和
が小さい)方向の候補ブロックが参照ブロックとされる
ため、符号化対象のデータである差分データの絶対値の
最大値をより抑制できる。その結果、より発生符号量を
抑制できて、より符号化効率を上げることができる。
【0416】請求項5又は17記載の発明では、複数の
候補ブロックのうち、相関度の高い(差分の絶対値の最
大値が小さい)方向の候補ブロックが参照ブロックとさ
れるため、符号化対象のデータである差分データの絶対
値の最大値をより抑制できる。その結果、より発生符号
量を抑制できて、より符号化効率を上げることができ
る。
【0417】請求項6又は18記載の発明では、視覚上
ほとんど影響しない微少信号を切り捨てることで、符号
化対象のデータである差分データの絶対値の最大値をよ
り抑制できる。その結果、より発生符号量を抑制でき
て、より符号化効率を上げることができる。
【0418】請求項7又は19記載の発明では、視覚上
ほとんど影響しない微少信号を切り捨てることで、符号
化対象のデータである差分データの絶対値の最大値をよ
り抑制できる。その結果、より発生符号量を抑制でき
て、より符号化効率を上げることができる。
【0419】請求項8又は20記載の発明では、視覚上
ほとんど影響しない微少信号については、差分データが
ないことを示す信号を送信すればよく、符号化が不要と
なり、処理を高速化できる。また、受信側においても、
視覚上ほとんど影響しない微少信号については復号が不
要となり、処理を高速化できる。
【0420】請求項9又は21記載の発明では、視覚上
ほとんど影響しない微少信号については、差分データが
ないことを示す信号を送信すればよく、符号化が不要と
なり、処理を高速化できる。また、受信側においても、
視覚上ほとんど影響しない微少信号については復号が不
要となり、処理を高速化できる。
【0421】請求項10又は22記載の発明では、差分
データ、及び、符号化対象サブバンドのウェーブレット
変換係数データのうち、絶対値の和が小さい方のデータ
が符号化対象のデータとなる。
【0422】その結果、一律に差分データを符号化対象
のデータとする場合と比較して、符号化対象のデータの
絶対値の最大値をより抑制することができ、より発生符
号量を抑制できて、より符号化効率を上げることができ
る。
【0423】請求項11又は23記載の発明では、差分
データ、及び、符号化対象サブバンドのウェーブレット
変換係数データのうち、絶対値の最大値が小さい方のデ
ータが符号化対象のデータとなる。
【0424】その結果、一律に差分データを符号化対象
のデータとする場合と比較して、符号化対象のデータの
絶対値の最大値をより抑制することができ、より発生符
号量を抑制できて、より符号化効率を上げることができ
る。
【0425】請求項12又は24記載の発明では、符号
化対象サブバンド毎に、発生符号量を最も抑制できる参
照ブロックを設定することができるため、全体としての
発生符合量の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態における画像符号化装置
のブロック図
【図2】(a)本発明の実施の形態1におけるブロック
分割された画像データの例示図 (b)同サブバンド分割された画像データの例示図 (c)同フレーム内予測手段による処理の例示図
【図3】同フレーム内予測手段による差分データの生成
の例示図
【図4】(a)本発明の実施の形態2におけるブロック
分割された画像データの例示図 (b)同サブバンド分割された画像データの例示図 (c)同フレーム内予測手段による処理の例示図
【図5】同フレーム内予測手段のブロック図
【図6】(a)同ブロック分割された画像データの他の
例示図 (b)同サブバンド分割された画像データの他の例示図 (c)同フレーム内予測手段による処理の他の例示図
【図7】(a)本発明の実施の形態3におけるブロック
分割された画像データの例示図 (b)同サブバンド分割された画像データの例示図 (c)同フレーム内予測手段による処理の例示図
【図8】本発明の実施の形態4におけるフレーム内予測
手段ブロック図
【図9】(a)同第1の方向の差分データの例示図 (b)同第2の方向の差分データの例示図
【図10】(a)本発明の実施の形態5におけるブロッ
ク分割された画像データの例示図 (b)同サブバンド分割された画像データの例示図 (c)同フレーム内予測手段による処理の例示図
【図11】本発明の実施の形態6におけるフレーム内予
測手段のブロック図
【図12】同差分データゼロ化手段による処理の例示図
【図13】同変形例におけるフレーム内予測手段のブロ
ック図
【図14】本発明の実施の形態7におけるフレーム内予
測手段のブロック図
【図15】同データ選択手段による処理の例示図
【図16】同変形例におけるフレーム内予測手段のブロ
ック図
【図17】従来の画像符号化装置のブロック図
【符号の説明】
1、51 ブロック分割手段 2、52 ウェーブレット変換手段 3 フレーム内予測手段 4、53 符号化手段 31 差分データ算出手段 32 絶対値和算出手段 33 参照ブロック検出手段 34 最大絶対値検出手段 35 差分データゼロ化手段 36 データ選択手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C059 KK03 MA00 MA04 MA24 MA27 MA35 MA47 MC38 ME01 UA02 UA05 5J064 AA01 AA02 BA01 BA09 BA16 BC01 BC11 BC14 BC16 BC18 BC27

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウェーブレット変換を用いて、画像データ
    を符号化する画像符号化装置であって、 1フレームの画像データを入力し、複数のブロックに分
    割するブロック分割手段と、 前記複数のブロックに分割された画像データを入力し、
    ブロック毎にウェーブレット変換を施し、各ブロックを
    複数のサブバンドに分割して、ウェーブレット変換係数
    を生成し、ウェーブレット変換係数データとして出力す
    るウェーブレット変換手段と、 前記ウェーブレット変換係数データを入力し、符号化対
    象ブロックの符号化対象サブバンドのウェーブレット変
    換係数と、参照ブロックの参照サブバンドのウェーブレ
    ット変換係数と、の差分を算出し、差分データとして出
    力するフレーム内予測手段と、 前記差分データを入力し、符号化を施す符号化手段と、
    を備え、 前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブロックの複数
    のサブバンドのうち、少なくとも1つのサブバンドを符
    号化対象サブバンドとし、参照ブロックの複数のサブバ
    ンドのうち、符号化対象サブバンドと同一帯域のサブバ
    ンドを参照サブバンドとする、ことを特徴とする画像符
    号化装置。
  2. 【請求項2】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロックを起点として、予め定められた方向のブロックを
    参照ブロックとする、ことを特徴とする請求項1記載の
    画像符号化装置。
  3. 【請求項3】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロック以外のブロックのウェーブレット変換係数データ
    を利用して、複数の方向について、画像データの相関度
    を比較し、相関度の高い方向のブロックを参照ブロック
    とする、ことを特徴とする請求項1記載の画像符号化装
    置。
  4. 【請求項4】前記フレーム内予測手段は、前記符号化対
    象ブロック以外のブロックのうち、複数のブロックを候
    補ブロックとし、符号化対象ブロックと候補ブロックと
    の間で、ウェーブレット変換係数の差分を算出して、候
    補ブロック毎に差分の絶対値の和を算出し、差分の絶対
    値の和が最小となる候補ブロックを参照ブロックとし、
    その参照ブロックの位置を示す位置データを生成し、 前記符号化手段は、前記差分データと前記位置データと
    を入力し、符号化を施す、ことを特徴とする請求項1記
    載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】前記フレーム内予測手段は、前記符号化対
    象ブロック以外のブロックのうち、複数のブロックを候
    補ブロックとし、符号化対象ブロックと候補ブロックと
    の間で、ウェーブレット変換係数の差分を算出して、候
    補ブロック毎に差分の絶対値の最大値を求め、差分の絶
    対値の最大値が最小となる候補ブロックを参照ブロック
    とし、その参照ブロックの位置を示す位置データを生成
    し、 前記符号化手段は、前記差分データと前記位置データと
    を入力し、符号化を施す、ことを特徴とする請求項1記
    載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の和
    が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号化対象
    ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分データを
    全てゼロとする、ことを特徴とする請求項4記載の画像
    符号化装置。
  7. 【請求項7】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の最大
    値が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号化対
    象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分データ
    を全てゼロとする、ことを特徴とする請求項5記載の画
    像符号化装置。
  8. 【請求項8】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の和
    が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号化対象
    ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分データが
    ないことを示す信号を生成する、ことを特徴とする請求
    項4記載の画像符号化装置。
  9. 【請求項9】前記フレーム内予測手段は、符号化対象ブ
    ロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の最大
    値が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号化対
    象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分データ
    がないことを示す信号を生成する、ことを特徴とする請
    求項5記載の画像符号化装置。
  10. 【請求項10】前記フレーム内予測手段は、符号化対象
    ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の和
    が、符号化対象ブロックの符号化対象サブバンドのウェ
    ーブレット変換係数の絶対値の和以上の場合は、符号化
    対象ブロックのその符号化対象サブバンドのウェーブレ
    ット変換係数を、符号化対象データとして出力し、 前記符号化手段は、その符号化対象データに対して符号
    化を施す、ことを特徴とする請求項4記載の画像符号化
    装置。
  11. 【請求項11】前記フレーム内予測手段は、符号化対象
    ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対値の最
    大値が、符号化対象ブロックの符号化対象サブバンドの
    ウェーブレット変換係数の絶対値の最大値以上の場合
    は、符号化対象ブロックのその符号化対象サブバンドの
    ウェーブレット変換係数を、符号化対象データとして出
    力し、 前記符号化手段は、その符号化対象データに対して符号
    化を施す、ことを特徴とする請求項5記載の画像符号化
    装置。
  12. 【請求項12】参照ブロックは、符号化対象ブロックの
    符号化対象サブバンド毎に設定される、ことを特徴とす
    る請求項1から11記載の画像符号化装置。
  13. 【請求項13】ウェーブレット変換を用いて、画像デー
    タを符号化する画像符号化方法であって、 1フレームの画像データを入力し、複数のブロックに分
    割するブロック分割ステップと、 前記複数のブロックに分割された画像データを入力し、
    ブロック毎にウェーブレット変換を施し、各ブロックを
    複数のサブバンドに分割して、ウェーブレット変換係数
    を生成し、ウェーブレット変換係数データとして出力す
    るウェーブレット変換ステップと、 前記ウェーブレット変換係数データを入力し、符号化対
    象ブロックの符号化対象サブバンドのウェーブレット変
    換係数と、参照ブロックの参照サブバンドのウェーブレ
    ット変換係数と、の差分を算出し、差分データとして出
    力するフレーム内予測ステップと、 前記差分データを入力し、符号化を施す符号化ステップ
    と、を含み、 前記フレーム内予測ステップでは、符号化対象ブロック
    の複数のサブバンドのうち、少なくとも1つのサブバン
    ドを符号化対象サブバンドとし、参照ブロックの複数の
    サブバンドのうち、符号化対象サブバンドと同一帯域の
    サブバンドを参照サブバンドとする、ことを特徴とする
    画像符号化方法。
  14. 【請求項14】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックを起点として、予め定められた方向のブ
    ロックを参照ブロックとする、ことを特徴とする請求項
    13記載の画像符号化方法。
  15. 【請求項15】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロック以外のブロックのウェーブレット変換係
    数データを利用して、複数の方向について、画像データ
    の相関度を比較し、相関度の高い方向のブロックを参照
    ブロックとする、ことを特徴とする請求項13記載の画
    像符号化方法。
  16. 【請求項16】前記フレーム内予測ステップでは、前記
    符号化対象ブロック以外のブロックのうち、複数のブロ
    ックを候補ブロックとし、符号化対象ブロックと候補ブ
    ロックとの間で、ウェーブレット変換係数の差分を算出
    して、候補ブロック毎に差分の絶対値の和を算出し、差
    分の絶対値の和が最小となる候補ブロックを参照ブロッ
    クとし、その参照ブロックの位置を示す位置データを生
    成し、 前記符号化ステップでは、前記差分データと前記位置デ
    ータとを入力し、符号化を施す、ことを特徴とする請求
    項13記載の画像符号化方法。
  17. 【請求項17】前記フレーム内予測ステップでは、前記
    符号化対象ブロック以外のブロックのうち、複数のブロ
    ックを候補ブロックとし、符号化対象ブロックと候補ブ
    ロックとの間で、ウェーブレット変換係数の差分を算出
    して、候補ブロック毎に差分の絶対値の最大値を求め、
    差分の絶対値の最大値が最小となる候補ブロックを参照
    ブロックとし、その参照ブロックの位置を示す位置デー
    タを生成し、 前記符号化ステップでは、前記差分データと前記位置デ
    ータとを入力し、符号化を施す、ことを特徴とする請求
    項13記載の画像符号化方法。
  18. 【請求項18】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の和が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号
    化対象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分デ
    ータを全てゼロとする、ことを特徴とする請求項16記
    載の画像符号化方法。
  19. 【請求項19】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の最大値が、予め定められた閾値以下の場合は、その
    符号化対象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差
    分データを全てゼロとする、ことを特徴とする請求項1
    7記載の画像符号化方法。
  20. 【請求項20】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の和が、予め定められた閾値以下の場合は、その符号
    化対象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差分デ
    ータがないことを示す信号を生成する、ことを特徴とす
    る請求項16記載の画像符号化方法。
  21. 【請求項21】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の最大値が、予め定められた閾値以下の場合は、その
    符号化対象ブロックとその参照ブロックとの間の前記差
    分データがないことを示す信号を生成する、ことを特徴
    とする請求項17記載の画像符号化方法。
  22. 【請求項22】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の和が、符号化対象ブロックの符号化対象サブバンド
    のウェーブレット変換係数の絶対値の和以上の場合は、
    符号化対象ブロックのその符号化対象サブバンドのウェ
    ーブレット変換係数を、符号化対象データとして出力
    し、 前記符号化ステップでは、その符号化対象データに対し
    て符号化を施す、ことを特徴とする請求項16記載の画
    像符号化方法。
  23. 【請求項23】前記フレーム内予測ステップでは、符号
    化対象ブロックと参照ブロックとの間の前記差分の絶対
    値の最大値が、符号化対象ブロックの符号化対象サブバ
    ンドのウェーブレット変換係数の絶対値の最大値以上の
    場合は、符号化対象ブロックのその符号化対象サブバン
    ドのウェーブレット変換係数を、符号化対象データとし
    て出力し、 前記符号化ステップでは、その符号化対象データに対し
    て符号化を施す、ことを特徴とする請求項17記載の画
    像符号化方法。
  24. 【請求項24】参照ブロックは、符号化対象ブロックの
    符号化対象サブバンド毎に設定される、ことを特徴とす
    る請求項13から23記載の画像符号化方法。
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