JP2003171204A - ゲル状昆虫忌避製剤 - Google Patents

ゲル状昆虫忌避製剤

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Hiroyuki Shirai
浩幸 白井
Masami Serizawa
昌美 芹澤
Yasuo Shinoda
泰雄 篠田
Toshio Inagi
敏男 稲木
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Kowa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布後の付着性が良好で皮膚からの吸収が少
なく、さらには塗布後の白残りがないゲル状昆虫忌避製
剤を提供する。 【解決手段】 昆虫忌避剤、製剤全量に対して10〜3
0重量%の低級アルコール、ゲル基剤、水及びケイ酸化
合物を配合してゲル状昆虫忌避製剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N,N−ジエチル
−m−トルアミド(以下、「ディート」と呼ぶ)等の昆
虫忌避剤を含有したゲル製剤において、付着性が良好
で、皮膚からの吸収が少ないゲル状昆虫忌避製剤に関
し、さらには、配合されたケイ酸化合物による塗付後の
白残り、のないゲル状昆虫忌避製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、昆虫忌避用製剤としては、スプレ
ー剤、エアゾール剤又はゲル製剤等が既に市販されてい
る。しかし、いずれの製剤も皮膚の発汗により流れ落ち
たり、衣服との接触により皮膚から消失する為、昆虫忌
避効力時間が短い、という欠点があった。また、ディー
ト等の昆虫忌避剤の中には、皮膚から吸収されるため、
過剰量を長期間にわたり使用した場合、特に乳幼児に中
毒性脳障害を生じることがあるものが知られている(D
L Edwards and CE Johnson,
Clin Pharm,6:496.1987)。
【0003】昆虫忌避剤を配合したゲル製剤としては、
例えば、特開平5−331033号公報等に、スプレー
剤としては、例えば、特開平7−126104号公報等
に報告されている。具体的には、特開平5−33103
3号公報には、ゲル基剤、中和剤、水、昆虫忌避剤及び
分散剤を配合したゲル製剤により、また、特開平7−1
26104号公報には、ディートを吸着させた多孔性の
ケイ酸化合物を配合したスプレー製剤により、昆虫忌避
効果時間の延長がはかられている。
【0004】しかしながら、いずれの昆虫忌避剤も、発
汗による製剤の流れ落ちや皮膚からの吸収性に対する対
策が不十分であり、改良の余地が残されている。また、
ケイ酸化合物を含有する昆虫忌避剤では、塗布時に白残
りが生じるため改善が求められていた。
【0005】このため、塗布後の付着性が良好で、皮膚
からの吸収が少ない、さらには白残りのないゲル状昆虫
忌避製剤については、いまだ満足のいくものは得られて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、塗布後の付着性が良好で、皮膚
からの吸収が少ないゲル状昆虫忌避製剤を提供する事を
課題とする。
【0007】また本発明は、ケイ酸化合物を含有する昆
虫忌避製剤に特有の白残り、がないゲル状昆虫忌避製剤
を提供する事をさらなる課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の点
を考慮して鋭意研究を重ねた結果、昆虫忌避剤、製剤全
量に対して10〜30重量%の低級アルコール、ゲル基
剤、水及びケイ酸化合物を含有することにより、塗布後
の付着性が良好で、皮膚からの吸収が少ないゲル状昆虫
忌避製剤の処方を見出し、さらにセルロース系高分子を
配合する事により、付着性と吸収抑制効果がより一層増
強される処方を見出した。さらにはポリオール又は油脂
を含有することにより、ケイ酸化合物を配合したときに
特有の塗布後の白残りを生じさせない処方を見出し、本
発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
昆虫忌避剤としては、昆虫に対して忌避作用を有する天
然又は合成の化合物が挙げられる。例えば、ユーカリプ
トール、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、
カンファー、リナロール、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ジブチル、ナフタレン、ディート、ペルメトリン、N
−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ〔2,2,1〕−
ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が例
示できる。昆虫忌避剤の配合量は、使用する昆虫忌避剤
の種類によって異なるが、製剤全量に対して1〜20重
量%が好ましく、より好ましくは3〜15重量%であ
る。昆虫忌避剤の配合量が前記範囲であると安全かつ十
分な昆虫忌避効果を発現させる上で好ましい。
【0010】低級アルコールとしては、製剤製造時にお
ける昆虫忌避剤の分散、製剤塗布時の感触や製剤の安定
性等に応じて、炭素数が3程度までで皮膚に塗布できる
任意のアルコールを用いることができ、例えば、イソプ
ロパノール、エタノール等が例示できる。また、これら
の低級アルコールに香料等の変性剤を添加して変性した
変性アルコール等が挙げられる。低級アルコールの配合
量は、製剤全量に対して10〜30重量%であり、より
好ましくは20〜30重量%である。低級アルコールの
配合量が前記範囲であると、皮膚への製剤成分の浸透性
を抑制し、かつ塗布後の速乾性を良くする上で好まし
い。
【0011】ゲル基剤としては、例えば、カルボキシビ
ニルポリマー等のアクリル酸系高分子化合物、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分
子化合物、キサンタンガム、アルギン酸及びその塩類等
の多糖類等が例示できる。ゲル基剤の配合量は、製剤全
量に対して0.01〜10重量%が好ましく、より好ま
しくは0.1〜5重量%である。ゲル基剤の配合量が前
記範囲であると製剤の生産や使用に支障を来すことなく
適度な粘性を発現し、塗布時における使用性を良好にす
る上で好ましい。
【0012】前記ゲル基剤の中には、水中での膨潤によ
ってゲル化するものと、中和によって膨潤、ゲル化する
ものとが知られており、本発明ではそのいずれも使用す
ることができるが、中和によってゲル化するゲル基剤を
本発明において用いる場合では中和剤が用いられる。中
和剤は、ゲル基剤の種類に応じて選ぶことが好ましく、
製剤のpHを調整する上で、一種又は二種以上の中和剤
をゲル基剤のゲル化時に、又はゲル化時とは別の任意の
時点で配合することができる。
【0013】中和剤としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア水等の無機塩基、ジイ
ソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン等の有機塩基、塩酸、硫酸及びリン酸等の無機酸及
びクエン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、アスコルビン
酸及びグリコール酸等の有機酸等が例示できる。中和剤
の配合量は、ゲル基剤の種類や配合量によって異なる
が、製剤全量に対して0.01〜5重量%が好ましい。
中和剤の配合量が前記範囲であると、過中和によるゲル
基剤の凝集等の不安定化を生じることなくゲル基材を十
分に中和し、適度な粘性を発現させる上で好ましい。
【0014】水の配合量は、製剤への配合成分の種類や
配合量に応じて異なるが、製剤全量に対して30〜80
重量%が好ましく、より好ましくは35〜70重量%で
あり、特に好ましくは45〜65重量%である。水の配
合量が前記範囲であると、安定した良好なゲルを形成す
る上で好ましい。
【0015】ケイ酸化合物としては、昆虫忌避剤等の配
合成分を吸着し、昆虫忌避効果を持続させるものであれ
ば特に限定されず、例えば、含水二酸化ケイ素、疎水性
シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイソウ土、高純度シリカ
及び無水ケイ酸等が例示できる。ケイ酸化合物の比表面
積としては、300m2/g以上が好ましく、特に好ま
しくは500m2/g以上である。ケイ酸化合物の配合
量は、製剤全量に対して0.01〜20重量%が好まし
く、より好ましくは1〜10重量%であり、特に好まし
くは2〜10重量%である。ケイ酸化合物の配合量が前
記範囲であると昆虫忌避効果の十分な持続性が期待さ
れ、かつ安定した製剤を形成する上で好ましい。
【0016】本発明のゲル状昆虫忌避製剤には、昆虫忌
避効果の持続性をより一層向上させる上で、セルロース
系高分子を配合することが好ましい。セルロース系高分
子としては、カルボキシメチルセルロース及びその塩、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等が例示できる。そ
の中でヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ま
しい。セルロース系高分子の配合量は、製剤全量に対し
て0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.05〜5重量%であり、特に好ましくは0.1〜2
重量%である。セルロース系高分子の好ましい分子量と
しては1500〜40000であり、より好ましくは1
500〜10000である。セルロース系高分子の配合
量及び分子量が前記範囲であると、製剤の安定性や使用
感を損なうことなく製剤の付着性向上効果を十分に発現
する上で好ましい。
【0017】また本発明のゲル状昆虫忌避製剤には、ケ
イ酸化合物を配合したときに特有の塗布後の白残りを防
止する上で、ポリオール及び油脂のいずれか一方又は両
方を配合することが好ましい。
【0018】ポリオールとしては、例えば、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、プロピレングリコール及び
1,3−ブチレングリコール等が例示できる。ポリオー
ルの配合量は、製剤全量に対して0.1〜15重量%が
好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%であり、
特に好ましくは1〜5重量%である。
【0019】油脂としては、例えば、スクワラン、流動
パラフィン等の炭化水素類や、ミリスチン酸イソプロピ
ル、アジピン酸ジイソプロピル及びミリスチン酸オクチ
ルドデシル等のエステル類等が例示できる。油脂の配合
量は、製剤全量に対して0.1〜15重量%が好まし
く、より好ましくは0.5〜10重量%であり、特に好
ましくは1〜5重量%である。
【0020】ポリオールや油脂の配合量が前記範囲であ
ると製剤の安定性や使用感を損なうことなく白残り防止
効果を十分に発現する上で好ましい。
【0021】本発明のゲル状昆虫忌避製剤には、医薬品
の添加物として許容され、かつ、経皮投与可能な各種任
意成分を所望に応じて添加することが可能である。その
ような添加物として、例えば、安定化剤、保存剤、香
料、着色剤、紫外線防止剤及び界面活性剤等を所望に応
じて添加することができるが、必ずしもこれらに限定さ
れるものではない。
【0022】前記各種任意成分として、安定化剤として
は、例えばエデト酸ナトリウム等が例示できる。また保
存剤としては、例えばパラベン類等が例示できる。また
香料としては、例えばハッカ油、dl−カンフル及びL
−メントール等が例示できる。また着色剤としては、例
えばインジゴカルミン、黄色三二酸化鉄及び銅クロロフ
ィル等が例示できる。また紫外線防止剤としては、酸化
チタン等が例示できる。また界面活性剤としては、例え
ば脂肪酸多価アルコール、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
等のポリオキシエチレンエーテル等が例示できる。
【0023】本発明のゲル状昆虫忌避製剤のpHは、配
合成分や製剤の安定性及び塗布時における刺激性低減等
の観点から、例えば、4〜9が好ましく、より好ましく
は5〜8である。製剤のpHは、前述した酸及びアルカ
リ等の中和剤やpH緩衝剤等によって調整することがで
きる。
【0024】本発明のゲル状昆虫忌避製剤の製造法は特
に制限されないが、通常、水にゲル基剤及びセルロース
系高分子を加え攪拌し膨潤させ水相とし、ケイ酸化合
物、低級アルコールに昆虫忌避剤、必要に応じて油脂又
はポリオールを加え均一にした後、水相に加え攪拌し、
さらに必要に応じて中和剤を水相に加えた後、均一にな
るまで攪拌することにより製造することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0026】<実施例1>水55.99g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g、エデト酸ナトリウム0.01
g、を加え攪拌し、膨潤させ水相とした。含水二酸化ケ
イ素(製品名:アドソリダー102、製造元:フロイン
ト産業(株)、以下の実施例及び比較例において同じ)
4g、エタノール25gにディート12gを加え均一に
した後、水相に加え攪拌し、さらに、ジイソプロパノー
ルアミン10%水溶液2.5gを水相に加えた後、均一
になるまで攪拌し、ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0027】<実施例2>水55.49g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(製品名:メトローズ60SH−4000、製
造元:信越化学工業(株)、以下の実施例及び比較例に
おいて同じ)0.5g及びエデト酸ナトリウム0.01
g、を加え攪拌し、膨潤させ水相とした。含水二酸化ケ
イ素4g、エタノール25gにディート12gを加え均
一にした後、水相に加え攪拌し、さらに、ジイソプロパ
ノールアミン10%水溶液2.5gを水相に加えた後、
均一になるまで攪拌し、ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0028】<実施例3>水52.49g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース0.5g、ポリエチレングリコール400(製
品名:マクロゴール400、製造元:日本油脂、以下の
実施例及び比較例において同じ)2g、アジピン酸ジイ
ソプロピル0.5g、濃グリセリン0.5g及びエデト
酸ナトリウム0.01g、を加え攪拌し、膨潤させ水相
とした。含水二酸化ケイ素4g、エタノール25gにデ
ィート12gを加え均一にした後、水相に加え攪拌し、
さらに、ジイソプロパノールアミン10%水溶液2.5
gを水相に加えた後、均一になるまで攪拌し、ゲル状昆
虫忌避製剤を得た。
【0029】<実施例4>水59.49g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース0.5g、ポリエチレングリコール400 2
g、アジピン酸ジイソプロピル0.5g、濃グリセリン
0.5g及びエデト酸ナトリウム0.01g、を加え攪
拌し、膨潤させ水相とした。含水二酸化ケイ素4g、エ
タノール25gにディート5gを加え均一にした後、水
相に加え攪拌し、さらに、ジイソプロパノールアミン1
0%水溶液2.5gを水相に加えた後、均一になるまで
攪拌し、ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0030】<比較例1>水59.99g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g及びエデト酸ナトリウム0.0
1gを加え攪拌し、膨潤させ水相とした。エタノール2
5gにディート12gを加え均一にした後、水相に加え
攪拌し、さらに、ジイソプロパノールアミン10%水溶
液2.5gを水相に加えた後、均一になるまで攪拌し、
ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0031】<比較例2>水45.99g、カルボキシ
ビニルポリマー0.5g及びエデト酸ナトリウム0.0
1gを加え攪拌し、膨潤させ水相とした。含水二酸化ケ
イ素4g、エタノール35gにディート12gを加え均
一にした後、水相に加え攪拌し、さらに、ジイソプロパ
ノールアミン10%水溶液2.5gを水相に加えた後、
均一になるまで攪拌し、ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0032】<比較例3>特開平5−331033号公
報に記載された実施例の調製方法に従い調製を行った。
ゲル基剤としてのカルボキシビニルポリマーに精製水を
加えてその2%水溶液40gに忌避薬剤としてのディー
トを5g、分散剤としてのイソプロピルアルコール50
g及び精製水4gをそれぞれ混和した。次いで、この溶
液にゲル化剤としてのトリエタノールアミン1gを攪拌
しながら加え製剤とし、ゲル状昆虫忌避製剤を得た。
【0033】「実施例及び比較例の評価」 <実験例1>実施例1〜3と比較例1及び2について、
付着性、皮膚からの吸収性及び使用時の白残りについて
検討した。
【0034】付着性の評価は、ゲル状昆虫忌避製剤のス
ライドガラス面への残存付着率を測定することにより行
った。すなわち、スライドガラス上にゲル状昆虫忌避製
剤0.2gを均一に塗付し乾燥させ、ほぼ垂直の状態
で、スライドガラス上部より精製水10mLを15秒間
で滴下した時のゲル状昆虫忌避製剤の残存付着量を測定
し、残存付着率を算出した。
【0035】皮膚からの吸収性の評価は、ラットの皮膚
上にゲル状昆虫忌避製剤を塗付し、一定時間経過した後
の残留した製剤中のディート量により喪失率を測定する
ことにより行った。すなわち、ラットの腹部を剃毛後、
ゲル状昆虫忌避製剤1g(4cm×4cm)を塗付し、
6時間経過後、残存している製剤中のディート量を測定
し、喪失された量からディート喪失率を算出した。
【0036】使用後の白残りの評価は、ゲル状昆虫忌避
製剤0.5g相当量をとり、上腕部に塗付し、15分経
過後の塗付面を観察し判断した。すなわち、塗付面の一
部でも白くなっていれば白残り有りと判定した。その結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果より、ケイ酸化合物を配合しな
いと、残存付着率が低くディート喪失量が高くなり、低
級アルコールが30重量%以下でないとディート喪失量
が高かった。
【0039】また、実施例1の処方にセルロース系高分
子を配合した実施例2のゲル状昆虫忌避製剤は、実施例
1と比較して、ディート喪失量に関して大きな違いはな
いものの、より高い付着性を持つことが確かめられた。
また、実施例2の処方に油脂及びポリオール類を配合し
た実施例3のゲル状昆虫忌避製剤は、実施例1及び2で
認められている使用後の白残りは認められていない。
【0040】以上の点から、昆虫忌避剤、10〜30重
量%の低級アルコール、ゲル基剤、中和剤、水及びケイ
酸化合物を含有するゲル状昆虫忌避製剤は塗布後の付着
性が良好で、皮膚からの吸収が少ないゲル状昆虫忌避製
剤であり、さらにセルロース系高分子を含有することで
付着力がより一層高められ、ポリオール及び油脂を含有
することでケイ酸化合物を配合する際に特有の白残りが
ないゲル状昆虫忌避製剤を得られることがわかった。
【0041】<実験例2>実施例4と比較例3及び市販
のゲル状昆虫忌避製剤について、付着性及び皮膚からの
吸収性について検討した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果より、特開平5−331033
号公報の実施例処方(比較例3)及び市販のゲル状昆虫
忌避製剤は、実施例のゲル状昆虫忌避製剤に比べて付着
性も悪く、吸収性も高かった。
【0044】
【発明の効果】本発明のゲル状昆虫忌避製剤によれば、
昆虫忌避剤、低級アルコール、ゲル基剤、水及びケイ酸
化合物を含有するゲル状昆虫忌避製剤であって、低級ア
ルコールの配合量が製剤全量に対して10〜30重量%
であることから、塗布後の付着性が良好で、皮膚からの
吸収が少ない昆虫忌避製剤を提供することができる。
【0045】また本発明では、昆虫忌避剤がN,N−ジ
エチル−m−トルアミドであると、昆虫忌避効果が高
く、かつ安全性に優れる昆虫忌避製剤を提供する上でよ
り一層効果的である。
【0046】また本発明では、さらにセルロース系高分
子を含有すると、皮膚への製剤の付着性が高まり、昆虫
忌避効果を持続させる上でより効果的であり、セルロー
ス系高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロースであ
ると、上記の観点からより一層効果的である。
【0047】また本発明では、さらにポリオール及び油
脂のいずれか一方又は両方を含有すると、ケイ酸化合物
を含む製剤に特有の、製剤塗布後の白残りを防止する上
でより一層効果的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲木 敏男 静岡県三島市西若町6−10−203 Fターム(参考) 4H011 AC06 BA01 BB06 BC03 BC04 BC06 BC18 BC19 DA17 DD07 DF05 DG03 DH02 DH10 DH25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昆虫忌避剤、低級アルコール、ゲル基
    剤、水及びケイ酸化合物を含有するゲル状昆虫忌避製剤
    であって、前記低級アルコールの配合量は製剤全量に対
    して10〜30重量%であるゲル状昆虫忌避製剤。
  2. 【請求項2】 昆虫忌避剤がN,N−ジエチル−m−ト
    ルアミドである請求項1記載のゲル状昆虫忌避製剤。
  3. 【請求項3】 さらにセルロース系高分子を含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状昆虫忌避
    製剤。
  4. 【請求項4】 さらにポリオール及び油脂のいずれか一
    方又は両方を含有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一項に記載のゲル状昆虫忌避製剤。
  5. 【請求項5】 セルロース系高分子がヒドロキシプロピ
    ルメチルセルロースである請求項3記載のゲル状昆虫忌
    避製剤。
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