JP2003170600A - インクジェットプリントヘッド及びこれを備えたインクジェットプリンタ、並びにインクジェットプリントヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びこれを備えたインクジェットプリンタ、並びにインクジェットプリントヘッドの製造方法

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JP2003170600A
JP2003170600A JP2001372426A JP2001372426A JP2003170600A JP 2003170600 A JP2003170600 A JP 2003170600A JP 2001372426 A JP2001372426 A JP 2001372426A JP 2001372426 A JP2001372426 A JP 2001372426A JP 2003170600 A JP2003170600 A JP 2003170600A
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ink
nozzle sheet
nozzle
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head frame
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Naoshi Ando
直志 安藤
Tetsunaga Niimi
哲永 新美
Takaya Kudo
貴也 工藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱抵抗体とインク吐出ノズルとの間の位置
ずれを小さくする。 【解決手段】 インク吐出ノズル3が形成されたノズル
シート2と、ノズルシート2を支持するヘッドフレーム
4と、発熱抵抗体8を有する基板部材6と、インクを供
給するための流路板12とを備え、ヘッドフレーム4、
基板部材6及び流路板12の線膨張率はほぼ等しく、ノ
ズルシート2の線膨張率はヘッドフレーム4、基板部材
6及び流路板12の線膨張率より小さいインクジェット
プリントヘッドの製造方法であって、ノズルシート2と
ヘッドフレーム4とを、室温より低い温度環境下で接着
し、ノズルシート2と基板部材6とを、ノズルシート2
とヘッドフレーム4との接着時の温度以上の温度環境下
で接着し、流路板12とノズルシート2、ヘッドフレー
ム4及び基板部材6とを、ノズルシート2とヘッドフレ
ーム4との接着時の温度以上の温度環境下で接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクをインク吐
出ノズルから吐出させて記録媒体上に画像記録を行うた
めのインクジェットプリントヘッド及びこれを備えたイ
ンクジェットプリンタ、並びにインクジェットプリント
ヘッドの製造方法に関する。詳しくは、インクをインク
吐出ノズルから吐出させるための発熱抵抗体と、インク
吐出ノズルとの位置ずれを可能な限り小さくする技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インク加圧室の一面を微小なイン
ク吐出ノズルが形成されたノズルシートで覆い、インク
加圧室に設けられた発熱抵抗体の急速な加熱によって生
じるインク気泡(バブル)の力によってインク滴をイン
ク吐出ノズルから吐出させる方式のプリントヘッドが知
られている。上記方式のプリントヘッドの一例として、
図12及び図13に、シリアル式のプリントヘッドaを
示す。
【0003】プリントヘッドaは、インク加圧室bの一
つの端面を構成(限定)し、発熱抵抗体cを備える基板
部材dと、インク加圧室bの前記端面と異なる2つの端
面を構成するバリア層fと、インク加圧室bの前記3つ
の端面とは異なる端面を構成し、複数のインク吐出ノズ
ルhが形成されたノズルシートgとを有する。基板部材
dは、シリコン等から成る半導体基板eと、この半導体
基板eの一方の面に析出形成された発熱抵抗体cとを備
えるものである。
【0004】バリア層fは、例えば、露光硬化型のドラ
イフィルムレジストからなり、半導体基板eの発熱抵抗
体cが形成された面の全体に積層された後、フォトリソ
プロセスによって不要な部分が除去されることにより、
形成されている。ノズルシートgは、例えば、ニッケル
による電鋳技術により形成され、インク吐出ノズルhの
位置が発熱抵抗体cの位置と合うように、すなわちイン
ク吐出ノズルhが発熱抵抗体cに対向するように基板部
材dのバリア層fの上に貼り合わされている。
【0005】上記のように基板部材dとバリア層fとノ
ズルシートgで構成されたインク加圧室bは、インク供
給路iと連通されている。そして、インク加圧室b内の
発熱抵抗体cは、半導体基板e上に形成された導体部
(図示せず)を介して外部回路と電気的に接続されてい
る。上記の1個のプリントヘッドaには、通常、100
個単位の複数の発熱抵抗体c、及びそれら発熱抵抗体c
を備えたインク加圧室bを備え、プリンタの制御部から
の指令によってこれら発熱抵抗体cのそれぞれを一意に
選択して発熱抵抗体cに対応するインク加圧室b内のイ
ンクを、インク加圧室bに対向するインク吐出ノズルh
から吐出させることができる。
【0006】すなわち、プリントヘッドaにおいて、プ
リントヘッドaと結合されたインクタンク(図示せず)
から、インク流路iを通じてインク加圧室bにインクが
満たされる。そして、発熱抵抗体cに短時間、例えば、
1〜3マイクロ秒の間パルス電流を流すことにより、発
熱抵抗体cが急速に加熱され、その結果、発熱抵抗体c
と接する部分に気相のインク気泡が発生し、そのインク
気泡の膨張によってある体積のインクが押しのけられ、
それによって、インク吐出ノズルhに接する部分の上記
押しのけられたインクと同等の体積のインクがインク滴
としてインク吐出ノズルhから吐出され、紙等の記録媒
体上に付着(着弾)される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のプリントヘッド
aにおいて、発熱抵抗体c(インク加圧室b)とインク
吐出ノズルhとの間の位置関係は、インク滴の吐出特性
に影響を及ぼし、両者の位置ずれが大きくなると、イン
ク滴の吐出速度の低下や吐出方向の乱れ等の原因とな
り、場合によっては吐出不可能になる。従って、発熱抵
抗体c(インク加圧室b)とインク吐出ノズルhとの間
の位置ずれは、印画品位の低下につながるため、大きな
問題となる。
【0008】上記プリントヘッドaの製造工程において
は、加熱工程があるのが一般的である。例えば、半導体
基板e上にバリア層fを形成した後にノズルシートgが
積層される(貼り合わされる)が、バリア層fを硬化し
てノズルシートgを固着(接着)するために、高温での
熱硬化工程が行われる。また、ドライフィルムレジスト
からなるバリア層fの耐インク性を得るためのキュア工
程も高温で行われる。
【0009】以上のように、プリントヘッドaの製造工
程では加熱工程が必要である。ところで、例えば半導体
基板eの材料とされるシリコン(シリコンの線膨張率は
約3.5×10−6〔K−1〕)と例えばノズルシート
gの材料とされるニッケル(ニッケルの線膨張率は約
1.3×10−5〔K−1〕)とでは、線膨張率がほぼ
一桁異なる。そして、線膨張率が大きく異なる材料を加
熱工程にて貼り合わせた場合には、加熱工程終了後、室
温に戻るときに、それぞれの伸縮率(線膨張率)の差に
より両者に相対的な位置ずれが生じ、実際には図12に
示すように、それぞれの発熱抵抗体cに対向してインク
吐出ノズルhがある位置関係ではなくなってしまう。そ
して、このような位置ずれは、貼り合わされる部材間の
線膨張率の差が大きいほど大きくなる。
【0010】すなわち、図14に示すように、一つの基
板部材dに関し、ある部分(a)では発熱抵抗体c(イ
ンク加圧室b)とインク吐出ノズルhとが対向した位置
関係にあっても、その位置から離れた位置(b)では発
熱抵抗体c(インク加圧室b)とインク吐出ノズルhと
の間で位置ずれが生じ、さらに離れた位置(c)ではイ
ンク吐出ノズルhがインク加圧室bからもずれてしま
う。そして、このような位置ずれは、貼り合わされる部
材が大きくなるほど大きくなってしまう。
【0011】このように、発熱抵抗体c(インク加圧室
b)とインク吐出ノズルhとが対向した位置関係からず
れるに従って(図14(b)参照)、吐出方向にずれが
生じ、さらにずれ量が大きくなると(図14(c)参
照)、インクの吐出が不能になってしまう。
【0012】一方では、プリンタ市場の要求は、印画ス
ピードを速くする方向にあり、それを達成するための一
つの手段として、インクを吐出させるインク吐出ノズル
hの数を増大させることがある。この場合、同じ解像度
でインク吐出ノズルhの数が増大するときは、プリント
ヘッドaの大きさは大きくなり、上記のように線膨張率
の差に起因する発熱抵抗体c(インク加圧室b)とイン
ク吐出ノズルhとの位置ずれの影響はさらに大きくなっ
てしまう。例えば、ラインヘッドのような大型のプリン
トヘッドaの場合には、発熱抵抗体c(インク加圧室
b)とインク吐出ノズルhとの間の位置ずれの影響はよ
り顕著になり、極めて重要な問題となる。
【0013】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、発熱抵抗体とインク吐出ノズルとの位置ずれを可
能な限り小さくしたインクジェットプリントヘッド及び
これを備えたインクジェットプリンタ、並びにインクジ
ェットプリントヘッドの製造方法を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の解決手
段によって、上述の課題を解決する。請求項1の発明
は、インク加圧室の端面を構成し、複数のインク吐出ノ
ズルが形成されたノズルシートと、前記ノズルシートが
接着されることにより前記ノズルシートを支持するヘッ
ドフレームと、前記インク加圧室の前記端面とは異なる
端面を構成し、前記インク吐出ノズルに対向し該インク
加圧室内のインクを前記インク吐出ノズルから吐出させ
るための発熱抵抗体を有し、かつ前記ノズルシートに接
着された基板部材と、前記インク加圧室にインクを供給
するためのインク流路を構成し、前記ノズルシート、前
記ヘッドフレーム又は前記基板部材の少なくとも1つと
接着された流路板とを備えるインクジェットプリントヘ
ッドであって、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び
前記流路板の線膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシー
トの線膨張率は、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及
び前記流路板の線膨張率より小さいことを特徴とする。
【0015】請求項2の発明は、インク加圧室の端面を
構成し、複数のインク吐出ノズルが形成されたノズルシ
ートと、前記ノズルシートが接着されることにより前記
ノズルシートを支持するヘッドフレームと、前記インク
加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、前記インク
吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のインクを前記イ
ンク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵抗体を有
し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部材と、前
記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を
構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は前
記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを備
えるインクジェットプリントヘッドであって、前記ヘッ
ドフレームと前記基板部材との線膨張率は、ほぼ等し
く、前記ノズルシートの線膨張率は、前記ヘッドフレー
ム及び前記基板部材の線膨張率より小さく、前記流路板
と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は前記基
板部材の少なくとも1つとは、温度変化によって生じる
伸縮量の差を変形可能な接着剤を介して接着されている
ことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明は、請求項2に記載のイン
クジェットプリントヘッドにおいて、前記流路板の線膨
張率は、前記ノズルシートの線膨張率より小さいことを
特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、インク加圧室の端面を
構成し、複数のインク吐出ノズルが形成されたノズルシ
ートと、前記ノズルシートが接着されることにより前記
ノズルシートを支持するヘッドフレームと、前記インク
加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、前記インク
吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のインクを前記イ
ンク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵抗体を有
し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部材と、前
記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を
構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は前
記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを備
えるとともに、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び
前記流路板の線膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシー
トの線膨張率は、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及
び前記流路板の線膨張率より小さいインクジェットプリ
ントヘッドを備えることを特徴とするインクジェットプ
リンタである。
【0018】請求項5の発明は、インク加圧室の端面を
構成し、複数のインク吐出ノズルが形成されたノズルシ
ートと、前記ノズルシートが接着されることにより前記
ノズルシートを支持するヘッドフレームと、前記インク
加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、前記インク
吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のインクを前記イ
ンク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵抗体を有
し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部材と、前
記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路を
構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は前
記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを備
えるとともに、前記ヘッドフレームと前記基板部材との
線膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率
は、前記ヘッドフレーム及び前記基板部材の線膨張率よ
り小さく、前記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッ
ドフレーム又は前記基板部材の少なくとも1つとは、温
度変化によって生じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を
介して接着されたインクジェットプリントヘッドを備え
ることを特徴とするインクジェットプリンタである。
【0019】請求項6の発明は、請求項5に記載のイン
クジェットプリンタにおいて、前記インクジェットプリ
ントヘッドの前記流路板の線膨張率は、前記ノズルシー
トの線膨張率より小さいことを特徴とする。
【0020】請求項7の発明は、インク加圧室の端面を
構成し、複数のインク吐出ノズルが形成されたノズルシ
ートと、前記ノズルシートを支持するヘッドフレーム
と、前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成
し、前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内の
インクを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発
熱抵抗体を有する基板部材と、前記インク加圧室にイン
クを供給するためのインク流路を構成する流路板とを備
えるとともに、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び
前記流路板の線膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシー
トの線膨張率は、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及
び前記流路板の線膨張率より小さいインクジェットプリ
ントヘッドの製造方法であって、前記ノズルシートと前
記ヘッドフレームとを、室温より低い温度環境下で接着
する第1接着工程と、前記基板部材と前記ノズルシート
とを、前記第1接着工程での温度以上の温度環境下で接
着する第2接着工程と、前記流路板と、前記ノズルシー
ト、前記ヘッドフレーム又は前記基板部材の少なくとも
1つとを、前記第1接着工程での温度以上の温度環境下
で接着する第3接着工程とを含むことを特徴とする。
【0021】請求項8の発明は、インク加圧室の端面を
構成し、複数のインク吐出ノズルが形成されたノズルシ
ートと、前記ノズルシートを支持するヘッドフレーム
と、前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成
し、前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内の
インクを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発
熱抵抗体を有する基板部材と、前記インク加圧室にイン
クを供給するためのインク流路を構成する流路板とを備
えるとともに、前記ヘッドフレームと前記基板部材との
線膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率
は、前記ヘッドフレーム及び前記基板部材の線膨張率よ
り小さいインクジェットプリントヘッドの製造方法であ
って、前記ノズルシートと前記ヘッドフレームとを、室
温より低い温度環境下で接着する第1接着工程と、前記
基板部材と前記ノズルシートとを、前記第1接着工程で
の温度以上の温度環境下で接着する第2接着工程と、前
記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又
は前記基板部材の少なくとも1つとを、温度変化によっ
て生じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を用いて、前記
第1接着工程での温度以上の温度環境下で接着する第3
接着工程とを含むことを特徴とする。
【0022】請求項9の発明は、請求項8に記載のイン
クジェットプリントヘッドの製造方法において、前記流
路板の線膨張率は、前記ノズルシートの線膨張率より小
さいことを特徴とする。
【0023】(作用)本発明におけるインクジェットプ
リントヘッドは、ノズルシートと、ヘッドフレーム及び
基板部材とが接着されるとともに、流路板と、ノズルシ
ート、ヘッドフレーム又は基板部材の少なくとも1つと
が接着される。ここで、第1に、ヘッドフレーム、基板
部材及び流路板の線膨張率がほぼ等しく、ノズルシート
の線膨張率は、ヘッドフレーム、基板部材及び流路板の
各線膨張率より小さい。また、第2に、ヘッドフレーム
と基板部材との線膨張率がほぼ等しく、ノズルシートの
線膨張率がヘッドフレーム及び基板部材の各線膨張率よ
り小さく、流路板と、ノズルシート、ヘッドフレーム又
は基板部材の少なくとも1つとは、温度変化によって生
じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を介して接着されて
いる。
【0024】したがって、ノズルシートとヘッドフレー
ムとが接着されるので、温度変化時に、ノズルシート
は、剛性の高いヘッドフレームの伸縮に従うこととな
る。よって、ノズルシートを、その後の製造工程やイン
クジェットプリントヘッドの使用時の温度より低い温度
環境下でヘッドフレームに接着すれば、ノズルシート
は、その後は、張った状態を維持する。これにより、ノ
ズルシートに雛ができてしまうことを防止することがで
きる。また、ノズルシートのインク吐出ノズルと、基板
部材の発熱抵抗体との間の位置ずれを可能な限り小さく
することができる。
【0025】さらに、ヘッドフレーム、基板部材及び流
路板の線膨張率がほぼ等しい場合には、温度変化時の各
部材の伸縮が、ノズルシートに影響を及ぼすことを防止
することができる。また、流路板の線膨張率がノズルシ
ートの線膨張率より小さい場合であっても、流路板を接
着した接着剤が温度変化時の伸縮量の差の分だけ変形す
るので、上記と同様に、温度変化時の流路板の伸縮が、
ノズルシート等に影響を及ぼすことを防止することがで
きる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て説明する。 (第1実施形態)図1、図2に示すプリントヘッド1
は、フルカラーのバブルインクジェットプリンタ用のプ
リントヘッドである。プリントヘッド1は、ヘッド組立
体11と、複数の流路板12とを備える。ヘッド組立体
11は、ノズルシート2と、ヘッドフレーム4と、複数
の基板部材6とが結合されたものである。
【0026】ノズルシート2は、インク加圧室9(図
3、図4参照)の端面を構成し、シアン、イエロー、マ
ゼンタ、ブラック各色のインク用に多数のインク吐出ノ
ズル3(図3〜図5参照)が形成されたものである。こ
のようなノズルシート2は、例えば厚さ15μm〜20
μmで形成され、そこに直径約20μm程度のインク吐
出ノズル3が数百個、整列された状態で形成されている
(図3〜図5参照)。
【0027】ノズルシート2には、多数の基板部材6が
バリア層10を介して貼り合わされている(図2、図
3、図4参照)。基板部材6は、インク加圧室9の前記
端面とは異なる端面を構成し、インク吐出ノズル3に対
向するとともに、インク加圧室9内のインクをインク吐
出ノズル3から吐出させるための発熱抵抗体8(図4参
照)が形成されたものである。発熱抵抗体8は、シリコ
ンから成る半導体基板7の一方の面に析出形成されたも
のである。また、バリア層10は、半導体基板7の発熱
抵抗体8が形成された面に積層され、インク加圧室9の
側面(端面)を限定(構成)する、すなわち側壁部とな
るものである(図3、図4参照)。
【0028】バリア層10は、例えば露光硬化型のドラ
イフィルムレジストからなり、上記半導体基板7の発熱
抵抗体8が形成された面の全体に積層された後、フォト
リソプロセスによって不要な部分が取り除かれることに
より形成されている。バリア層10の厚みは、約12μ
mであり、発熱抵抗体8は、一辺が約18μmの正方形
をなしている。また、インク加圧室9の幅は、約25μ
mである。
【0029】また、ノズルシート2には、ヘッドフレー
ム4が貼り合わされている。ヘッドフレーム4は、ノズ
ルシート2を支持するものであり、例えば、厚さ5mm
を有し、長方形状をなす外枠4aの短辺間に3本の桟部
材4bが等間隔に架け渡し状に一体に形成されてなるも
のである。これにより、ヘッドフレーム4は、長方形状
をなす4つの空間5が平行に並んだ状態に形成される
(図2参照)。これら空間5の長さは、例えばA4サイ
ズの横幅に相当する長さ(約21cm)となる。
【0030】一つの例として、例えばA4サイズの用紙
を縦方向に搬送して使用するラインプリンタの場合、ヘ
ッドフレーム4の一つの空間5内でノズルシート2に形
成されたインク吐出ノズル3の数は、約5,000個で
あり、この範囲のノズルシート2に貼り合わせられる基
板部材6(1色)の数は、16個である。従って、1個
の基板部材6に相当するインク吐出ノズル3の数は、3
10個前後になる。従って、大きさ等に制限のある図面
にこれらの数や大きさを正確に表現することは不可能で
あるので、各図面では理解しやすいように、誇張したり
あるいは省略して表現してある。
【0031】さらにまた、ノズルシート2には流路板1
2が貼り合わされている。流路板12は、インク供給管
17を有し、インク加圧室9にインクを供給するための
インク流路18を構成するものである。流路板12は、
1色のインクごとに1個設けられ、本実施形態では、4
色に対応して4個設けられている。流路板12は、ヘッ
ドフレーム4の空間5内に嵌合されるチャンバー部13
と、このチャンバー部13の片方の面に連続したフラン
ジ部14とが一体に形成されたものである(図2、図4
参照)。フランジ部14は、その長手方向に対する面積
がヘッドフレーム4の空間5の長手方向に対する面積よ
り大きく形成されている。チャンバー部13は、フラン
ジ部14が形成されている側と反対側の端面に開口した
空間15を有しており、空間15の両側を限定している
壁部には、基板部材6を位置させるための切欠凹部16
が空間15と連通した状態で形成されている(図3、図
4参照)。
【0032】また、フランジ部14のチャンバー部13
が連続されている面と反対側からはインク供給管17が
突設されており、このインク供給管17は、空間15と
連通している(図1、図2、図4参照)。流路板12
は、チャンバー部13がヘッドフレーム4の空間5内に
嵌合され、また、フランジ部14がヘッドフレーム4の
外枠4a及び桟部4bに接触した状態で、ヘッドフレー
ム4に貼り合わされて(接着)固定されている。そし
て、ノズルシート2に貼り合わされている基板部材6
は、流路板12のチャンバー部13に形成された切欠凹
部16内に位置されるとともに、チャンバー部13に接
着されている(図3、図4参照)。
【0033】上記のように、流路板12がヘッド組立体
11に結合されることによって、流路板12のチャンバ
ー部13とノズルシート2とによって囲まれた閉空間が
形成され、この閉空間は、インク供給管17のみを通し
て外部と連通されることになる。そして、基板部材6
は、上記閉空間内に位置し、一の閉空間に関して見れ
ば、一部がオーバーラップしながら互い違いに(いわゆ
る千鳥状に)配列された基板部材6の列と列との間にイ
ンク流路18が形成され、インク加圧室9がインク流路
18と連通した状態となる(図3参照)。
【0034】流路板12に設けられたインク供給管17
は、それぞれ異なる色のインクを収納しているインクタ
ンク(図示せず)と各別に接続され、これによって、プ
リントヘッド1の各インク流路18及びインク加圧室9
にインクが満たされる。
【0035】なお、プリントヘッド1の駆動は、基板部
材6に形成された発熱抵抗体8と外部の制御部(図示せ
ず)とがフレキシブル基板19(図1、図2には一色の
インク分のみを示す)により電気的に接続されることに
より、制御される。ここで、ヘッドフレーム4と流路板
12との間にできた隙間20(図4参照)を通して、フ
レキシブル基板19の接続片19aは、図示していない
が、基板部材6の位置まで延び、発熱抵抗体8の各々に
電気的に接続されている。
【0036】以上のプリントヘッド1において、ヘッド
フレーム4、基板部材6及び流路板12は、それぞれ、
三者の線膨張率(温度1℃の変化によって生ずる物体の
単位長さ当たりの伸縮量をいい、線膨張係数ともいう。
以下同じ。)がほぼ等しい材料から形成されている。本
実施形態では、基板部材6(半導体基板7)は、線膨張
率が約3.5×10−6〔K−1〕のシリコンから形成
されている。また、ヘッドフレーム4は、線膨張率が約
3.5×10−6〔K−1〕のシリコンとほぼ等しい窒
化珪素から形成されている。さらにまた、流路板12
は、ヘッドフレーム4と同じ窒化珪素から形成されてい
る。
【0037】一方、ノズルシート2は、ヘッドフレーム
4、基板部材6及び流路板12の各線膨張率より小さい
材料から形成されている。本実施形態では、ノズルシー
ト2は、線膨張率が約0.13×10−6〔K−1〕の
ニッケル鋼(64Fe,36Ni)から形成されてい
る。
【0038】上記構成のプリントヘッド1においては、
プリンタの制御部からの指令によって一意に選択された
発熱抵抗体8に短時間、例えば、1〜3マイクロ秒の間
電流パルスを通すことにより、発熱抵抗体8が急速に加
熱される。
【0039】その結果、発熱抵抗体8と接する部分に気
相のインク気泡が発生し、このインク気泡の膨張によっ
てある体積のインクが押しのけられ、それによって、イ
ンク吐出ノズル3に接する部分の上記押しのけられたイ
ンクと同等の体積のインクがインク滴としてインク吐出
ノズル3から吐出され、紙等の記録媒体上に付着(着
弾)される。そして、インクが吐出されたインク加圧室
9には、インク流路18を通じて吐出された量と同量の
インクが直ちに補充される。
【0040】次に、上記構成のプリントヘッド1の製造
プロセスについて説明する。まず、ノズルシート2とヘ
ッドフレーム4とを、例えば、空気に触れることで硬化
するシート接着剤(エポキシ樹脂系等のシート接着剤)
によって、室温(約15〜25℃)より低い約10℃で
貼り合わせる。次に、ノズルシート2と基板部材6と
を、室温より高い約105℃で貼り合わせる。ノズルシ
ート2と基板部材6との貼り合わせは、バリア層10を
熱硬化することでなされるので、この貼り合わせ温度
は、バリア層10の性状によるところが大であり、10
5℃に限定されるものではないが、上記のノズルシート
2とヘッドフレーム4との貼り合わせ温度以上であるこ
とが必要である。このことを図10のグラフ図によって
説明する。
【0041】図10は、ノズルシート2に形成されたイ
ンク吐出ノズル3の形成間隔(ノズル間間隔)L
〔μm〕の温度変化による推移と、基板部材6に形成さ
れた発熱抵抗体8の形成間隔(ヒータ間間隔)L
〔μm〕の温度変化による推移とを示すグラフ図であ
る。すなわち、直線Aは室温T でのノズル間間隔を
とした場合の温度変化による推移を示すものであ
り、直線Bは室温T でのヒータ間間隔をL とした
場合の温度変化による推移を示すものである。
【0042】そして、上記直線A及びBは、それぞれ、
ノズルシート2の線膨張率をα(α は、約0.1
3×10−6〔K−1〕)、基板部材6(半導体基板
7)の線膨張率をα (α は、約3.5×10−6
〔K−1〕)、温度をT〔K〕とした場合、 A:L =L +L α (T−T ) B:L =L +L α (T−T ) (ただし、L >L 、T は室温) で表される。そこで、まず直線Aと直線Bとが交わる温
度T=T (本実施形態では10℃、すなわち283
K)で、ノズルシート2とヘッドフレーム4とを貼り合
わせる。
【0043】次に、温度T 以上の温度T=T (本
実施形態では105℃、すなわち378K)で、ノズル
シート2と基板部材6とを貼り合わせる。上述のよう
に、温度T でノズルシート2とヘッドフレーム4と
を貼り合わせることにより、貼り合わせ温度T 以上
の温度では、ヘッドフレーム4は、5mmの厚さを有し
て十分な剛性を有するため、ノズルシート2は、ヘッド
フレーム4の収縮に従うこととなる。さらに、ヘッドフ
レーム4の線膨張率は、ノズルシート2の線膨張率より
大きいため、ノズルシート2は、貼り合わせ温度T
ら温度が上昇すると、ヘッドフレーム4よりも温度変化
に伴う伸びが少ないので、緊張した状態、つまりピンと
張った状態になる。そして、ノズルシート2に形成され
たインク吐出ノズル3の間隔(ノズル間間隔)は、ヘッ
ドフレーム4の収縮に従うこととなる。
【0044】また、ヘッドフレーム4の線膨張率は、上
述のように基板部材6の線膨張率とほぼ同じであるの
で、同じ温度下では、ノズル間間隔とヒータ間間隔とが
ほぼ同じになる。従って、発熱抵抗体8(インク加圧室
9)とインク吐出ノズル3との位置ずれが生じなくな
る。
【0045】そこで、プリントヘッドとして完成したと
きにおけるノズル間間隔は、プリントヘッドが使用され
るプリンタが求められる精細度によって決まってくるわ
けであるから、L は設計値として決まってくる。こ
の場合必要とされるL は、ノズルシート2の線膨張
率α 、半導体基板7の線膨張率(ヘッドフレーム4
の線膨張率でもある)α 、ノズルシート2とヘッド
フレーム4との貼り合わせ温度T 、該貼り合わせ温
度T と室温T との差ΔT(ΔT=T −T
から、図10から逆算して次式 L =L (α ΔT+1)/(α ΔT+1) から求めることができる。
【0046】ところで、ノズルシート2の製造上のばら
つきで、室温T でのノズル間間隔がL に対して短
すぎたり、長すぎたりすることがある。このような場合
には、ノズルシート2とヘッドフレーム4との貼り合わ
せ温度を変えることによって調整することができる。
【0047】上記のように、ヘッドフレーム4の線膨張
率は、ノズルシート2の線膨張率より大きいことが望ま
しい。なぜなら、ノズルシート2とヘッドフレーム4と
を低温(温度T )で貼り合わせた後、室温に戻ると
きに、ノズルシート2は、ヘッドフレーム4によって、
(1)引っ張られる方向に力を受けるか、(2)縮まる
方向に力を受けるかであるが、ヘッドフレーム4の線膨
張率がノズルシート2の線膨張率より小さい場合には
(2)のように縮まる方向に力を受け、ノズルシート2
にインク吐出ノズル3と発熱抵抗体8との位置ずれが生
じる恐れのある凹凸(皺)が発生する可能性があるから
である。
【0048】また、ノズルシート2とヘッドフレーム4
との貼り合わせ温度T は、その後に行われるどのプ
ロセスにおける温度よりも低いことが望ましい。これに
よって、ノズルシート2とヘッドフレーム4とを貼り合
わせた後のプロセス中、ノズルシート2には常に張力が
与えられた状態となり、ノズルシート2に皺が発生する
ことを防止することができる。
【0049】上記のプリントヘッド1の製造プロセス
を、図5〜図9を参照しつつ、説明する。まず、図5に
示すように、ノズルシート2をニッケル鋼によって形成
し、これを平坦な面を有する支持治具21の上に載置す
る。ノズルシート2を支持治具21の上に載置するの
は、ノズルシート2は極めて薄く形成されていて、それ
自体では形状保持ができないからである。
【0050】次いで、図6に示すように、10℃の温度
環境下で、空気に触れることで硬化するシート接着剤、
例えばエポキシ樹脂系のシート接着剤を使用して、支持
治具21に載置されているノズルシート2にヘッドフレ
ーム4を貼り合わせる(第1接着工程)。なお、図6に
おいて、ノズルシート2及びヘッドフレーム4について
破線で示す部分2’及び4’は、それぞれ10℃に冷却
したことによって収縮した分を概念的に示すものであ
る。次いで、支持治具21が取り除かれ、図7に示すよ
うに、基板部材6が105℃の温度環境下でノズルシー
ト2に貼り合わされる(第2接着工程)。なお、図7
は、工程を概念的に示すものであるので、基板部材6を
各色7個ずつしか示していない。
【0051】以上のようにして、図8に示すように、ヘ
ッド組立体11が形成される。次に、図9に示すよう
に、別の工程で組み立てられた流路板組立体22がヘッ
ド組立体11にノズルシート2とヘッドフレーム4との
貼り合わせ温度(10℃)以上の温度環境下で結合(接
着)される(流路板12が基板部材6、ヘッドフレーム
4及びノズルシート2に貼り合わされる;第3接着工
程)。なお、流路板組立体22は、流路板12が4個一
体的に結合されたもので、図示しない結合部材によって
組み立てられている。
【0052】上記したプリントヘッド1にあっては、予
め、基板部材6の基材となる半導体基板7の材料である
シリコンの線膨張率にほぼ等しい線膨張率を有し、かつ
ノズルシート2の線膨張率より大きい線膨張率を有する
窒化珪素で形成されたヘッドフレーム4をノズルシート
2に室温より低い温度T で貼り合わせ、それから温
度T 以上の温度T で基板部材6をノズルシート2
に貼り合わせるので、ノズルシート2に形成されたイン
ク吐出ノズル3の形成間隔と、基板部材6の発熱抵抗体
8の形成間隔とを、温度T 以上の温度環境下では常
に一致させることができ、インクの吐出性能の良いプリ
ントヘッド1を得ることができる。そして、ノズルシー
ト2とヘッドフレーム4とを室温より低い温度T
貼り合わせた後、室温に戻るときに、ヘッドフレーム4
によってノズルシート2が引っ張られる方向に力を受け
るため、ノズルシート2に凹凸(皺)が発生することを
防止することができる。
【0053】従って、基板部材6が大型化して1個の基
板部材6当たりの発熱抵抗体8の数、すなわち、1個の
基板部材6に対するインク吐出ノズル3の数が増えて
も、インク吐出ノズル3と発熱抵抗体8との位置ずれが
起こり難い。従って、プリントヘッド1を大型化しやす
くなり、特にラインプリンタ用のプリントヘッドのよう
にスパンの長いプリントヘッドの形成に好適である。
【0054】また、ノズルシート2とヘッドフレーム4
とを貼り合わせることによって、ノズルシート2に大き
な剛性を与えることができ、上述したように、4色用の
プリントヘッドを一体化させてラインプリンタ用のプリ
ントヘッドを形成することが可能になる。
【0055】また、流路板12は、線膨張率が約3.5
×10−6〔K−1〕のシリコンとほぼ等しい窒化珪素
により形成される、すなわちヘッドフレーム4の線膨張
率と等しい線膨張率を有する材料から形成されるので、
例えば、ヘッド組立体11と流路板組立体22との接着
時の温度変化や、通常の使用状態で発熱抵抗体8による
温度上昇等の温度変化が生じた際、ノズルシート2上の
ヘッドフレーム4と流路板12との境界付近においてプ
リントヘッド1の長手方向に対してノズルシート2は同
一方向に同一の力を受ける。
【0056】従って、例えば、ノズルシート2の線膨張
率が流路板12の線膨張率より大きい場合(ノズルシー
ト2の線膨張率が、ヘッドフレーム4の線膨張率より小
さく、かつ流路板12の線膨張率より大きい場合)に
は、ノズルシート2上のヘッドフレーム4と流路板12
との境界付近においてプリントヘッド1の長手方向に対
してノズルシート2は異なる方向(引っ張られる方向と
縮まる方向)に力を受けてノズルシート2に歪みが生
じ、ノズルシート2を傷めてしまうが、本発明はこれを
防止することができる。
【0057】なお、流路板12の線膨張率がノズルシー
ト2の線膨張率より大きくなる(ノズルシート2の線膨
張率がヘッドフレーム4より小さく、かつ流路板12よ
り小さくなる)ように流路板12を形成しても、ノズル
シート2は、ヘッドフレーム4及び流路板12から同一
の方向に力を受けるので、ノズルシート2に歪みは生じ
ず、ノズルシート2を傷めてしまうということを防止す
ることができる。
【0058】また、上述したように、流路板12は、貼
り合わせ工程において最も低温である、ノズルシート2
とヘッドフレーム4との貼り合わせ温度T (10
℃)以上の温度環境下で貼り合わされる。なぜなら、貼
り合わせ工程において温度Tより低い温度環境下で貼
り合せると、図10に示すように、ノズルシート2とヘ
ッドフレーム4とが既に貼り合わされているため、ノズ
ルシート2に皺が生じることとなり、このような状態で
流路板12を貼り合わせると、ノズルシート2に皺が生
じた状態での貼り合わせとなり、ノズル位置精度が低下
するからである。よって、たとえ流路板12の線膨張率
とヘッドフレーム4の線膨張率とが同じでも、流路板1
2は、貼り合わせ工程において温度T 以上の温度環
境下で貼り合わせる必要がある。
【0059】さらに、以上のノズルシート2とヘッドフ
レーム4との貼り合わせ、基板部材6とノズルシート2
との貼り合わせ、及び流路板12と基板部材6、ヘッド
フレーム4及びノズルシート2との貼り合わせに用いら
れる接着剤としては、全ての共通のものでも良く、異種
のものでも良い。上述のように、ノズルシート2とヘッ
ドフレーム4との貼り合わせには、空気に触れることで
硬化するシート接着剤、例えばエポキシ樹脂系のシート
接着剤を使用したが、これを、基板部材6とノズルシー
ト2との貼り合わせ、並びに流路板12と基板部材6、
ヘッドフレーム4及びノズルシート2との貼り合わせに
使用することもでき、あるいは、他の接着剤を用いるこ
とも可能である。
【0060】例えば、ノズルシート2とヘッドフレーム
4との貼り合わせのように低温で用いられる接着剤とし
ては、エラストマー系接着剤(クロロプレン系、ニトリ
ル系、SBR系、ポリサルファイド系、ブチル系、ブロ
ック共重合系、又はシリコーン系等)が挙げられる。ま
た、基板部材6とノズルシート2との貼り合わせ、及び
流路板12と基板部材6、ヘッドフレーム4及びノズル
シート2との貼り合わせに用いられる接着剤としては、
上記のエラストマー系接着剤の他、熱可塑性樹脂接着剤
(酢酸ビニル系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、ポリビニルアセタール系、ポリ
エチレン系、又はセルロース系等)、又は熱硬化性樹脂
接着剤(ユリア系、メラミン系、フェノール系、レゾル
シノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタ
ン系、又はポリイミド系等)が挙げられる。また、接着
剤の硬化方法については、ノズルシート2とヘッドフレ
ーム4との貼り合わせのように低温で用いられる接着剤
としては、溶剤揮発系、又は反応系のものが挙げられ
る。また、基板部材6とノズルシート2との貼り合わ
せ、及び流路板12と基板部材6、ヘッドフレーム4及
びノズルシート2との貼り合わせに用いられる接着剤と
しては、上記の溶剤揮発系、又は反応系の他、ホットメ
ルト系が挙げられる。さらにまた、硬化後の接着剤の硬
度については、いずれの接着においても、特に制限はな
い。
【0061】なお、本実施形態では、フルカラーのバブ
ルインクジェットプリンタ用のプリントヘッドとして説
明したが、本発明に係るインクジェットプリントヘッド
は、モノカラーのプリンタとしても適用可能であり、ま
た、フルカラーのプリンタ用のプリントヘッドとして適
用する場合であっても、上記した4色一体型に限るもの
ではなく、各色独立したプリントヘッドとして構成して
も構わない。
【0062】図11に本実施形態の4色一体型のプリン
トヘッド1を備えたフルカラーのバブルインクジェット
方式のラインプリンタ23の構成を示す。ラインプリン
タ23は、全体が長方形状の筐体24に収納されて形成
され、記録媒体としての用紙26を収納した用紙トレイ
25をこの筐体24の正面に形成されたトレイ出入口よ
り装着することにより、用紙26を給紙できるようにな
されている。
【0063】用紙トレイ25は、このようにトレイ出入
口よりラインプリンタ23に装着されると、所定の機構
により用紙26が給紙ローラ27に押し当てられ、この
給紙ローラ27の回転により、矢印A方向で示すよう
に、用紙26が用紙トレイ25よりラインプリンタ23
の背面側に向かって送り出される。ラインプリンタ23
は、この用紙送りの側に反転ローラ28が配置され、こ
の反転ローラ28の回転等により、矢印Bで示すよう
に、正面方向に用紙26の送り方向が切り換えられる。
【0064】ラインプリンタ23は、このようにして用
紙送り方向が矢印Bで示す方向に切り換えられてなる用
紙26が用紙トレイ25の上を横切るように拍車ローラ
29等により搬送され、矢印Cに示すように、ラインプ
リンタ23の正面側に配置された排出口より排出され
る。ラインプリンタ23は、この拍車ローラ29から排
出口までの間に、矢印Dにより示すように、ヘッドカー
トリッジ30が交換可能に配置される。
【0065】ヘッドカートリッジ30は、それぞれイエ
ロー,マゼンタ,シアン,ブラックのラインヘッドをそ
れぞれ配置してなるプリントヘッド1が所定形状のホル
ダー31の下面側に配置され、このホルダー31に順次
イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクカート
リッジY,M,C,Bを配置して形成されるようになさ
れている。これによりラインプリンタ23は、これら各
色のインクに対応するラインヘッドより用紙26に付着
させて画像を印刷できるようになされている。
【0066】(第2実施形態)続いて、本発明の第2実
施形態について説明する。上記の第1実施形態では、流
路板12は、ヘッドフレーム4と同じく、窒化珪素から
形成した。よって、流路板12の線膨張率は、ヘッドフ
レーム4及び基板部材6の線膨張率(約3.5×10
−6〔K−1〕)とほぼ等しい。これに対し、第2実施
形態では、流路板12は、その線膨張率がヘッドフレー
ム4及び基板部材6の線膨張率(約3.5×10
−6〔K−1〕)より小さく、かつノズルシート2の線
膨張率(約0.13×10−6〔K−1〕)よりも小さ
い材料から形成されている。
【0067】ここで、第1実施形態では、ノズルシート
2の線膨張率が流路板12の線膨張率より大きい場合に
は、ノズルシート2上のヘッドフレーム4と流路板12
との境界付近においてプリントヘッド1の長手方向に対
してノズルシート2は異なる方向(引っ張られる方向と
縮まる方向)に力を受けてノズルシート2に歪みが生
じ、ノズルシート2を傷めてしまう旨を説明した。しか
し、以上のことは、硬化後の接着剤の硬度が高いもの
(硬化後の接着剤がほとんど変形しないもの)について
当てはまるものであり、硬化後の接着剤の硬度が低いも
のについては、この限りでない。
【0068】そこで、第2実施形態では、流路板12
と、基板部材6、ヘッドフレーム4及びノズルシート2
との貼り合わせにおいて、流路板12と、基板部材6、
ヘッドフレーム4及びノズルシート2との線膨張率の差
により発生する温度変化時の伸縮量の差の分だけ変形可
能な接着剤、すなわち硬化後の接着剤の硬度が低く、柔
軟性(ゴム弾性)を有する接着剤で接着するようにし
た。
【0069】この種の接着剤としては、第1実施形態で
例示したような種々のものが挙げられ、一部の系の接着
剤には限定されない。すなわち、硬化後の接着剤の物性
は、使用される素材の組合せや、添加される硬化剤の種
類等によって、柔軟性(ゴム弾性)を有するものから、
硬質のものまで、種々の物性をもつものが得られるため
である。例えばポリウレタン樹脂系の接着剤は、その素
材の組合せに応じて、柔軟性(ゴム弾性)を有するもの
としたり、硬質のものとしたりすることができる。ま
た、エラストマー系接着剤は、硬化後にゴム弾性を保持
するものをベースとしたものであるので、程度の差はあ
るものの、その硬化物は、ゴム弾性を有する。例えばシ
リコーン樹脂系では、主原料であるポリシロキサンによ
り、室温硬化系(RTV)又は加熱硬化系(LTV)の
いずれであっても、その硬化物はゴム弾性を有する。
【0070】このような接着剤を用いて接着すれば、本
実施形態のように、流路板12の線膨張率が、基板部材
6及びヘッドフレーム4、さらにはノズルシート2の線
膨張率より小さい場合であっても、温度変化時の流路板
12と基板部材6、ヘッドフレーム4及びノズルシート
2間に生じる伸縮量の差の分を、接着剤層のせん断変形
によって吸収することができるので、流路板12、基板
部材6、ヘッドフレーム4及びノズルシート2には、歪
みは生じない。
【0071】なお、本実施形態では、流路板12と、基
板部材6、ヘッドフレーム4及びノズルシート2とを貼
り合わせている。しかし、流路板12は、少なくとも基
板部材6と貼り合わされるものの、流路板12とヘッド
フレーム4とは、必要に応じて貼り合わされる。また、
流路板12とノズルシート2とは、基板部材6が存在し
ない領域で貼り合わされるが、基板部材6の配列によっ
ては、流路板12とノズルシート2とを貼り合わせる必
要がない場合がある。
【0072】また、第2実施形態においても、第1実施
形態と同様に、流路板12は、貼り合わせ工程において
最も低い温度であるノズルシート2とヘッドフレーム4
との貼り合わせ温度T (10℃)以上の温度環境下
で貼り合わせられる。その理由は、第1実施形態で説明
した理由と同じである。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ノズルシートを張った
状態を維持することで、ノズルシートに雛ができてしま
うことを防止することができる。また、ノズルシートの
インク吐出ノズルと、基板部材の発熱抵抗体との間の位
置ずれを可能な限り小さくすることができる。さらに、
ヘッドフレーム、基板部材及び流路板の線膨張率がほぼ
等しい場合には、温度変化時の各部材の伸縮が、ノズル
シートに影響を及ぼすことを防止することができる。ま
た、流路板の線膨張率がノズルシートの線膨張率より小
さい場合であっても、流路板を接着した接着剤が温度変
化時の伸縮量の差の分だけ変形するので、上記と同様
に、温度変化時の流路板の伸縮が、ノズルシート等に影
響を及ぼすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるプリントヘッドの構成を示
す斜視図である。
【図2】本実施の形態によるプリントヘッドの構成を示
す分解斜視図である。
【図3】本実施の形態によるプリントヘッドの構成を示
す要部拡大図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】ノズルシートを支持治具の上に載置した状態を
示す斜視図である。
【図6】ヘッドフレームとノズルシートとの結合工程を
示す説明図である。
【図7】ノズルシートに基板部材を結合した状態を示す
平面図である。
【図8】ヘッドフレーム、ノズルシート、基板部材が組
み立てられたヘッド組立体を示す斜視図である。
【図9】ヘッド組立体に流路板組立体を結合する工程を
示す説明図である。
【図10】ヘッドフレームとノズルシートとの貼り合わ
せ温度及び基板部材のノズルシートへの貼り合わせ温度
をノズルシートのインク吐出ノズルの形成間隔の伸縮曲
線及び基板部材の発熱抵抗体の形成間隔の伸縮曲線とと
もに示すグラフ図である。
【図11】フルカラーのバブルインクジェット方式のラ
インプリンタの構成を示す斜視図である。
【図12】従来のプリントヘッドの構成を示す斜視図で
ある。
【図13】従来のプリントヘッドの構成を示す分解斜視
図である。
【図14】従来の問題点を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プリントヘッド 2 ノズルシート 3 インク吐出ノズル 4 ヘッドフレーム 6 基板部材 8 発熱抵抗体 9 インク加圧室 11 ヘッド組立体 12 流路板 22 流路板組立体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 貴也 福岡県福岡市早良区百道浜2丁目3番2号 ソニーセミコンダクタ九州株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF30 AF43 AF93 AF99 AG12 AG46 AG99 AP02 AP25 AP77 AP90 BA04 BA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートが接着されることにより前記ノズルシ
    ートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部
    材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は
    前記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを
    備えるインクジェットプリントヘッドであって、 前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び前記流路板の線
    膨張率は、ほぼ等しく、 前記ノズルシートの線膨張率は、前記ヘッドフレーム、
    前記基板部材及び前記流路板の線膨張率より小さいこと
    を特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートが接着されることにより前記ノズルシ
    ートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部
    材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は
    前記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを
    備えるインクジェットプリントヘッドであって、 前記ヘッドフレームと前記基板部材との線膨張率は、ほ
    ぼ等しく、 前記ノズルシートの線膨張率は、前記ヘッドフレーム及
    び前記基板部材の線膨張率より小さく、 前記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム
    又は前記基板部材の少なくとも1つとは、温度変化によ
    って生じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を介して接着
    されていることを特徴とするインクジェットプリントヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットプリン
    トヘッドにおいて、 前記流路板の線膨張率は、前記ノズルシートの線膨張率
    より小さいことを特徴とするインクジェットプリントヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートが接着されることにより前記ノズルシ
    ートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部
    材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は
    前記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを
    備えるとともに、 前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び前記流路板の線
    膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率
    は、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び前記流路板
    の線膨張率より小さいインクジェットプリントヘッドを
    備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートが接着されることにより前記ノズルシ
    ートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有し、かつ前記ノズルシートに接着された基板部
    材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成し、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム又は
    前記基板部材の少なくとも1つと接着された流路板とを
    備えるとともに、 前記ヘッドフレームと前記基板部材との線膨張率は、ほ
    ぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率は、前記ヘッド
    フレーム及び前記基板部材の線膨張率より小さく、 前記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム
    又は前記基板部材の少なくとも1つとは、温度変化によ
    って生じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を介して接着
    されたインクジェットプリントヘッドを備えることを特
    徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットプリン
    タにおいて、 前記インクジェットプリントヘッドの前記流路板の線膨
    張率は、前記ノズルシートの線膨張率より小さいことを
    特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有する基板部材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成する流路板とを備えるとともに、 前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び前記流路板の線
    膨張率は、ほぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率
    は、前記ヘッドフレーム、前記基板部材及び前記流路板
    の線膨張率より小さいインクジェットプリントヘッドの
    製造方法であって、 前記ノズルシートと前記ヘッドフレームとを、室温より
    低い温度環境下で接着する第1接着工程と、 前記基板部材と前記ノズルシートとを、前記第1接着工
    程での温度以上の温度環境下で接着する第2接着工程
    と、 前記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム
    又は前記基板部材の少なくとも1つとを、前記第1接着
    工程での温度以上の温度環境下で接着する第3接着工程
    とを含むことを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ドの製造方法。
  8. 【請求項8】 インク加圧室の端面を構成し、複数のイ
    ンク吐出ノズルが形成されたノズルシートと、 前記ノズルシートを支持するヘッドフレームと、 前記インク加圧室の前記端面とは異なる端面を構成し、
    前記インク吐出ノズルに対向し該インク加圧室内のイン
    クを前記インク吐出ノズルから吐出させるための発熱抵
    抗体を有する基板部材と、 前記インク加圧室にインクを供給するためのインク流路
    を構成する流路板とを備えるとともに、 前記ヘッドフレームと前記基板部材との線膨張率は、ほ
    ぼ等しく、前記ノズルシートの線膨張率は、前記ヘッド
    フレーム及び前記基板部材の線膨張率より小さいインク
    ジェットプリントヘッドの製造方法であって、 前記ノズルシートと前記ヘッドフレームとを、室温より
    低い温度環境下で接着する第1接着工程と、 前記基板部材と前記ノズルシートとを、前記第1接着工
    程での温度以上の温度環境下で接着する第2接着工程
    と、 前記流路板と、前記ノズルシート、前記ヘッドフレーム
    又は前記基板部材の少なくとも1つとを、温度変化によ
    って生じる伸縮量の差を変形可能な接着剤を用いて、前
    記第1接着工程での温度以上の温度環境下で接着する第
    3接着工程とを含むことを特徴とするインクジェットプ
    リントヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェットプリン
    トヘッドの製造方法において、 前記流路板の線膨張率は、前記ノズルシートの線膨張率
    より小さいことを特徴とするインクジェットプリントヘ
    ッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013248762A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Toshiba Corp インクジェット式記録ヘッド

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