JP2003170519A - 帯電防止性透明フィルム - Google Patents

帯電防止性透明フィルム

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JP2003170519A
JP2003170519A JP2001371480A JP2001371480A JP2003170519A JP 2003170519 A JP2003170519 A JP 2003170519A JP 2001371480 A JP2001371480 A JP 2001371480A JP 2001371480 A JP2001371480 A JP 2001371480A JP 2003170519 A JP2003170519 A JP 2003170519A
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Shinichi Koga
慎一 古賀
Koji Narita
光司 成田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロテクトフィルムや各種包装材料、特にタ
バコや菓子類などの個包装、又はその個包装の集積上包
み包装(集積包装)などに適した透明フィルムを提供す
る。 【解決手段】 プラスチックフィルム基材上に、常温で
固体の炭素数4〜7個の直鎖状糖アルコール類から選ば
れる少なくとも1種類を含有する帯電防止層を有するこ
とを特徴とする帯電防止性透明フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックフィ
ルム基材上に導電性樹脂組成物をコーティングした帯電
防止性能に優れた透明フィルムに関し、更に詳しくは、
プロテクトフィルムや各種包装材料、特にタバコや菓子
類などの個包装、又はその個包装の集積上包み包装(集
積包装)などに適した透明フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガムやチョコレートのような菓
子類やタバコ等の個包装、又は集積包装用途には、透明
性、防湿性、保香性と言った観点より、ポリオレフィン
系樹脂で構成される共押出しフィルムや、二軸延伸ポリ
プロピレンフィルムをベースとしたポリ塩化ビニリデン
(PVDC)コートフィルムが主に使用されている。こ
れらの透明なフィルム基材は、通常、物品を包装する際
にその包装加工適性を高める目的で、また、包装加工中
における集塵を防止する目的で十分な帯電防止処理が施
される。
【0003】一般的に、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の
電気伝導度の低いプラスチックフィルム基材に帯電防止
性能を付与する方法としては、例えば、プラスチックフ
ィルム基材表面に真空蒸着やスパッタリング、イオンプ
レーティングなどのPVD法やプラズマCVD、MOC
VD等のCVD法等によってアルミニウム、銅、酸化ケ
イ素、アルミナ等の導電性物質を直接堆積させる方法、
金属粉、金属酸化物粉、カーボンブラック、導電性高分
子粉などの導電性微粒子や、イオン性/非イオン性の界
面活性剤、有機・無機塩類、金属錯塩等、いわゆる帯電
防止効果を有する物質(以後、帯電防止剤と略す)の1
種類又は2種類以上を含有させた樹脂組成物をプラスチ
ックフィルム基材上に塗布・積層させる方法等が挙げら
れる。
【0004】しかしながら、前者の導電性物質を直接堆
積させる方法においては、処理面積の拡張が困難な上に
ランニングコストが高く、また、使用するフィルム基材
の特性や形状、導電性物質の種類などの制約を受けやす
く、かつ得られるプラスチックフィルム基材の透明性が
損なわれてしまうという欠点を有している。
【0005】また、後者の導電性微粒子を使用する方法
においても、プラスチックフィルム基材に十分な帯電防
止性を発現させるためには、ある一定量以上の導電性微
粒子を使用する必要があるため、これらの導電性微粒子
を含有させた樹脂組成物をフィルム基材上に塗布・積層
させた場合、当然のことながら、経済的に不利となるば
かりでなく、これら導電性微粒子の粉落ちや透明性の低
下と言った諸問題も生じてしまう。
【0006】イオン性/非イオン性の界面活性剤、有機
・無機塩類、金属錯塩等の一般的な帯電防止剤を含有さ
せた樹脂組成物をプラスチックフィルム基材上に塗布・
積層する方法は、比較的手軽に、かつ安価に帯電防止性
能を付与する方法として広く知られている。しかしなが
ら、これらの一般的な帯電防止剤は、前記樹脂組成物に
含有させて用いる際には、使用する合成樹脂によって、
その種類、配合量が制限されてしまう上、思ったほどの
帯電防止効果は得られず、また、経時で帯電防止性が変
化したり、フィルム基材表面のベトつきや透明性の劣化
といった問題が発生することがあるし、更には、使用す
る帯電防止剤が塩素イオンや環境ホルモン物質などを含
んでいる場合は、自然環境への配慮からその使用自体が
敬遠されつつあるのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた帯電
防止性、及び透明性などを併せ持ち、かつ経時における
帯電防止性の劣化が小さく、自然環境に優しい透明フィ
ルムを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、プラスチックフ
ィルム基材上に、常温で固体の炭素数が4〜7個の直鎖
状糖アルコール類を含有する帯電防止層を形成すること
により上記課題を解決した帯電防止性透明フィルムが得
られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0009】本発明は、以下の発明を包含する。 (1)プラスチックフィルム基材上に、常温で固体の炭
素数が4〜7個の直鎖状糖アルコール類の少なくとも1
種類を含有する帯電防止層を有する帯電防止性透明フィ
ルム。
【0010】(2)前記プラスチックフィルム基材が、
二軸延伸されたポリオレフィンフィルムである(1)項
記載の帯電防止性透明フィルム。
【0011】(3)前記帯電防止層を構成する樹脂がア
クリル系共重合体樹脂である(1)項又は(2)項に記
載の帯電防止性透明フィルム。
【0012】(4)前記常温で固体の炭素数4〜7個の
直鎖状糖アルコール類が水可溶性である(1)項〜
(3)項のいずれか1項に記載の帯電防止性透明フィル
ム。
【0013】(5)前記常温で固体の炭素数4〜7個の
直鎖状糖アルコール類を帯電防止層中に0.5〜30質
量%含有する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載
の帯電防止性透明フィルム。
【0014】(6)前記プラスチックフィルム基材と帯
電防止層との間に表面改質層を有する(1)項〜(5)
項のいずれか1項に記載の帯電防止性透明フィルム。
【0015】(7)前記表面改質層が含窒素化合物を含
有する層で構成されている(6)項記載の帯電防止性透
明フィルム。
【0016】(8)前記表面改質層に用いられる含窒素
化合物がポリアルキレンイミンである(6)項又は
(7)項に記載の帯電防止性透明フィルム。
【0017】(9)23℃、50%RHの環境下におけ
る表面固有抵抗値が、1×1014(Ω/□)以下である
(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の帯電防止性
透明フィルム。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明における帯電防止性透明フィルムは、プラスチッ
クフィルム基材上又はコロナ放電などの表面処理を行っ
たプラスチックフィルム基材上に帯電防止層を積層する
ことを基本構造とし、更にプラスチックフィルム基材と
帯電防止層の密着性をより高める必要がある場合は、必
要に応じてプラスチックフィルム基材と帯電防止層との
間に表面改質層を設けることをも特徴とするものであ
る。
【0019】本発明において使用するプラスチックフィ
ルム基材としては、極く一般的な熱可塑性樹脂、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの共重
合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナ
イロン12、ポリアミド、ポリアミドイミド等のポリア
ミド系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリス
チレン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体等のビニルアルコール系樹脂、そ
の他、ポリカーボネート系樹脂やセルロース系樹脂、ポ
リエーテル系樹脂等が挙げられる。
【0020】上記プラスチックフィルム基材の中でも、
本発明においては、適度な腰と機械的強度、又は成形
性、熱に対する寸法安定性、生産コストといった面か
ら、二軸延伸がなされたポリオレフィンフィルムが好適
である。
【0021】また、本発明においては、これらのプラス
チックフィルム基材表面とその上に積層される帯電防止
層との密着性を向上させる目的で、使用するプラスチッ
クフィルム基材に対し、コロナ放電処理やプラズマ処
理、火炎処理、又はシランカップリング剤処理などによ
る活性化処理を施すことが好ましい。
【0022】このような活性化処理を施すことによっ
て、プラスチックフィルム基材表面にはカルボキシル基
やカルボニル基、ヒドロキシル基、また、条件によって
はスルフォン基などの各種極性基が生成するため、前記
プラスチック基材と帯電防止層とが強固に密着して、非
常に優れた透明フィルムを得ることが可能となる。
【0023】また、本発明において使用するプラスチッ
クフィルム基材は、単層、或いは任意の方法によって二
種類以上のフィルムが積層された多層フィルムであり、
その厚さは1〜300μm、好ましくは3〜100μm
の範囲であるが、特に包装材料として使用する場合は、
5〜50μmの範囲内にあることが好ましい。
【0024】更に、前記プラスチックフィルム基材中に
は、本発明における帯電防止性透明フィルムの物性に影
響を及ぼさない範囲において、各種添加剤、例えば、可
塑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、染料などが添加されていても何ら差し支えない。
【0025】本発明においては、前記プラスチック基材
上に帯電防止層を積層したことを基本構造とするが、帯
電防止層を積層するにあたり、予めプラスチック基材上
に表面改質層を設けておくことが望ましい。この表面改
質層は、反応性に乏しいプラスチックフィルム表面を化
学的に活性化し、その上に積層される帯電防止層と強固
に接着して、密着性に優れた積層フィルムを提供するの
に効果的である。
【0026】因みに、この表面改質層を構成する具体的
材料としては、ポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、又はこれらの熱可塑性樹脂と各種イソシ
アネートとの混合物、ポリエチレンイミン、ポリビニル
アミン等が主に使用されるが、本発明においては、より
効果的、経済的にプラスチックフィルム基材と帯電防止
層との密着性を向上させる目的のため、ポリエチレンイ
ミンやポリビニルアミン等に代表される含窒素化合物が
好適に用いられる。
【0027】特に、本発明においては、前記含窒素化合
物を表面改質層として用いた場合、これらは、単に各層
間の密着性向上に寄与するばかりでなく、表面改質層自
体が導電層となるため、帯電防止層の導電性と表面改質
層の導電性との相乗効果によりフィルム自体の帯電防止
性能が飛躍的に向上する。
【0028】前述の如き含窒素化合物としては、例え
ば、ポリエチレンイミンやポリプロピレンイミン、エチ
レン尿素のエチレンイミン付加物、又はこれらのアルキ
ル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体等のイミ
ン化合物、又はポリエチレンポリアミン、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、ポリビニルアミン等の有
機アミン化合物、その他、ポリアミンポリアミド化合
物、アルキル或いはシクロペンチル変性ポリエチレンイ
ミン等のポリアルキレンアミン化合物、その他、4級窒
素含有アクリルポリマー、(カチオン変性)ポリウレタ
ン、メチロール化メラミン、又はカルボン酸アミン塩基
を有する化合物等が挙げられる。
【0029】特に、本発明においては、前記含窒素化合
物の中でも、とりわけポリアルキレンアミンを用いるこ
とが好ましい。ポリアルキレンアミンとは、分子の主鎖
骨格中、あるいは分岐骨格中に窒素原子を含んだ、いわ
ゆるカチオン性を示す含窒素化合物であるため、前記の
如き表面処理によってプチスチックフィルム基材表面に
生成したアニオン性極性基と強固に結合する一方で、そ
の上に設けられる帯電防止層と強固に結合することか
ら、各層の密着性が非常に優れた積層フィルムを得るこ
とが可能となる。
【0030】本発明における帯電防止層を構成する樹脂
としては、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体
(SBR)、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリ
レート−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステ
ル系共重合体、ポリウレタン系共重合体等が挙げられ
る。これらの中でも、特に、本発明においては、アクリ
ル−スチレン系共重合体、アクリル系共重合体等に代表
されるアクリル系共重合体樹脂が好適に使用される。
【0031】本発明において好適に使用されるアクリル
系共重合体樹脂は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エ
ステルを主成分とし、これらと共重合可能なその他の化
合物、例えば、メタクリル酸エステルや不飽和カルボン
酸、(メタ)アクリルアミド化合物、芳香族ビニル化合
物、共役ジエン化合物等からなる単量体を重合すること
によって得られる共重合体樹脂である。
【0032】本発明において用いるアクリル系共重合体
樹脂の好ましいガラス転移温度(Tg)は、30℃〜1
00℃の範囲内である。合成樹脂エマルジョンのTgが
30℃未満ではフィルム基材表面がブロッキングするた
め望ましくなく、また、Tgが100℃を超えると十分
な成膜が成されず、塗工層の白濁、膜割れ等の問題が発
生するため望ましくない。
【0033】本発明においては、これらのアクリル系共
重合体樹脂に帯電防止性を付与する方法について鋭意研
究を行った結果、驚くべきことに、常温で固体の性質を
有する炭素数4〜7個の直鎖状糖アルコール類が優れた
帯電防止性能を発揮することを見出した。糖アルコール
とは、一般に糖質と呼ばれている化合物で、アルドース
のアルデヒド基やケトースのケトン基等をナトリウムア
マルガムや電気分解、高圧接触法等によって還元し、各
々第一、第二アルコールとしたものに相当する鎖状、若
しくは環状の多価アルコールの総称である。このような
糖アルコ−ル類としては、例えば炭素数が3個のアルコ
ールのグリセリンや炭素数4個のアルコールのテトリト
ール、炭素数5個のアルコールのペンチトール、炭素数
6個のアルコールのヘキシトール、炭素数8個のアルコ
ールのオクチトール、環式糖アルコールであるシクリト
ール等が知られていおり、また、これらの糖アルコール
には、それぞれ数種類の立体異性体が存在する。
【0034】本発明においては、上記糖アルコール中で
も、とりわけ、常温で固体でかつ水に可溶である炭素数
4〜7個の長鎖状糖アルコールが好適に用いられる。こ
のような糖アルコールとしては、例えば、エリスリトー
ル、D・L−トレイトール、キシリトール、アドニトー
ル、D・L−アラビトール、D・L−ソルビトール、D
・L−タリトール、D・L−マンニトール、アロズルシ
トール、ズルシトール、α−D−グルコヘプチトール、
β−D・L−グルコヘプチトール、α−D・L−マンノ
ヘプチトール、β−D−マンノヘプチトール、β−D・
L−アルトロヘプチトール、β−D・L−ガラヘプチト
ール、β−イドヘプチトール、β−アロヘプチトール、
α−D−アロヘプチトール等が挙げられる。これらの糖
アルコール類は1種類、又は2種類以上を併用しても何
ら問題はなく、また、合成樹脂エマルジョンに添加する
場合は、もちろん直接添加しても良いし、一度水溶液と
した後に適量を添加しても構わない。
【0035】常温で固体である炭素数4〜7個の直鎖状
糖アルコール類が優れた帯電防止性能を発現する理由と
して、以下に述べるような要因が推察される。即ち、前
記糖アルコール類は、前記合成樹脂マトリックス中にあ
って、乾燥と同時に合成樹脂皮膜表面へブリードアウト
するため、前記乾燥皮膜表面が空気中の水分を吸着して
親水化することで帯電防止性が発現する。しかしなが
ら、グリセリンのような常温で液体である炭素数3個以
下の糖アルコールは、ブリードアウト後にフィルム表面
が払拭されることで帯電防止性が低下したり、また、帯
電防止層の成膜が進行するにつれて、糖アルコールが徐
々に合成樹脂マトリックス中に取り込まれることで、帯
電防止性が経時で劣化してしまうという重大な欠点を有
している。常温で固体の直鎖状糖アルコールでも、炭素
数8個以上のものは、本発明においては帯電防止効果が
乏しく効果の点で不適である。
【0036】しかし、本発明において使用する直鎖状糖
アルコールが常温で固体のものであれば、乾燥時におい
て糖アルコールが合成樹脂皮膜表面へブリードアウトす
ると同時に再結晶化が起こり、その結果、合成樹脂皮膜
表面においてこれらの直鎖状糖アルコールが不動化して
固定されるため、前述の如き問題点を回避することが可
能となる。直鎖状糖アルコール類は非イオン性であるた
め、配合する合成樹脂エマルジョンの組成を選択する必
要がなく、目的とする帯電防止性に併せて自由にその種
類、配合量を設定することが可能である。
【0037】本発明が対象とする帯電防止性透明フィル
ムは、表面固有抵抗値が、23℃、50%RHの環境下
において1×1014(Ω/□)以下のものである。かかる
表面固有抵抗値にすることで、帯電防止性能を十分に発
揮させることが可能となる。因みに、表面固有抵抗値が
1×1014(Ω/□)以上を越える場合は、フィルム自体
が帯電し易くなり、例えばタバコや菓子類などの個包
装、又はその個包装の集積上包み包装(集積包装)加工
時にフィルム基材が加工機へ静電的に密着することでフ
ィルム詰まりや蛇行といった種々のトラブルが発生し、
高速加工適性はおろか、操業性そのものが低下するばか
りでなく、静電気によってフィルム基材表面に塵が付着
し易くなるという問題が起こってしまう。
【0038】本発明が対象とする帯電防止性透明フィル
ムを得るためには、前記直鎖状糖アルコール類の帯電防
止層中における好ましい含有量は0.5〜30質量%の
範囲である。因みに、該糖アルコールの含有量が0.5
質量%未満では、期待する帯電防止効果が得られないた
め不適である。また、逆に含有量が30質量%を超える
と、表面固有抵抗値が頭打ちとなり、経済的にも不利と
なる。
【0039】前記帯電防止層には、この他、各種添加
剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、顔料、紫外
線吸収剤、各種染料、pH調整剤、消泡剤、スリップ剤
などが添加されていても何ら差し支えない。
【0040】本発明において、前述の如き表面改質層及
び帯電防止層は、これらを構成する樹脂組成物をコロナ
処理など活性化処理が成されたプラスチックフィルム基
材上に順次塗布、乾燥することで得られる。これらの樹
脂組成物の塗布方法としては、例えば、ロール塗工、サ
イズプレス塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、ブレ
ード塗工、ダイ塗工、バー塗工などが挙げられるが、必
ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
【0041】表面改質層の塗工量は、好ましくは0.0
1mg/m2〜1000mg/m2の範囲であり、更に好
ましくは、0.1mg/m2〜500mg/m2の範囲で
ある。前記塗工量が0.01mg/m2未満では、塗工
した含窒素化合物の殆どがプラスチックフィルム基材表
面のアニオン性極性基と結合してしまうことで、帯電防
止層との密着性が低下してしまうことに加え、表面改質
層自身の表面固有抵抗値が1×1014(Ω/□)を超え
てしまうため、積層フィルム全体の表面固有抵抗値も1
×1014(Ω/□)を超えてしまう恐れがある。また、
逆に塗工量が1000mg/m2を超えて塗工してもア
ンカー材としての効果は頭打ちとなり、経済的にも不利
となる。
【0042】帯電防止層の塗工量は、好ましくは0.1
g/m2〜5g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.
5g/m2〜2g/m2の範囲である。前記塗工量が0.
1g/m2未満では、期待するほどの帯電防止効果が得
られず、また、5g/m2を超えると、逆に帯電防止性
が頭打ちとなるばかりでなく、経済的に不利であり、ま
た、透明性の低下、ブロッキングの問題などが生ずる恐
れがある。
【0043】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明する。各実施例及び比較例中、特に断らない
限り「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量
%」を表す。
【0044】<効果の評価方法> (表面固有抵抗値の測定方法)アドバンテスト社製のデ
ジタル超高電気抵抗計(R8340A)を用い、印可電
圧100V、測定環境23℃、50%RHの条件にて測
定を行った。
【0045】実施例1 イソプロピルアルコールにポリエチレンイミンの30%
水溶液(商標:エポミンP1000、日本触媒社製)を
添加してポリエチレンイミンを0.2%含有する溶液を
調製し、表面改質層用樹脂組成物とした。また、これと
は別に、アクリル系共重合体樹脂エマルジョン(商標:
LA884A1、クラリアントポリマー社製、固形分濃
度25%、Tg60℃)100部に対し、エリスリトー
ル(一般試薬、和光純薬工業社製)1.5部、及びアン
チブロッキング剤として架橋アクリル微粒子(商標:M
X180、綜研化学社製)0.025部をそれぞれ配合
して、帯電防止層用樹脂組成物とした。
【0046】次いで、処理量が25W/m2/minと
なるようコロナ放電処理を施した厚さ25μmの二軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OPP)基材上に、まず、
表面改質層用樹脂組成物をメイヤーバーを用いて塗工量
が5mg/m2となるように塗布した後、送風乾燥機に
て80℃、1分間乾燥を行い表面改質層を設けた。さら
に前記表面改質層上に帯電防止層用樹脂組成物をメイヤ
ーバーを用いて乾燥塗工量が1g/m2となるように塗
布した後、送風乾燥機にて110℃、1分間乾燥を行っ
て帯電防止層を設け、目的とする透明フィルムを得た。
得られたサンプルを用い、表面固有抵抗値の測定を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0047】実施例2 帯電防止層に添加するエリスリトールの配合量を0.5
部としたこと以外は、実施例1と同様にして目的とする
透明フィルムを得、表面固有抵抗値の測定を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0048】実施例3 使用する糖アルコールとして、エリスリトールをソルビ
トール(一般試薬、和光純薬工業社製)に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして目的とする透明フィルム
を得、表面固有抵抗値の測定を行った。この結果を表1
に示す。
【0049】実施例4 アクリル系共重合体樹脂エマルジョンをSBR(商標:
S1×2、日本ゼオン社製、固形分濃度25%、Tg3
0℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして目
的とする透明フィルムを得、表面固有抵抗値の測定を行
った。この結果を表1に示す。
【0050】実施例5 使用するプラスチックフィルム基材として、ポリプロピ
レンフィルムを厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムに変更したこと以外は、実施例1と同様に
して目的とする透明フィルムを得、表面固有抵抗値の測
定を行った。この結果を表1に示す。
【0051】実施例6 表面改質層に用いる含窒素化合物として、ポリエチレン
イミンをポリウレタン樹脂(商標:タケラックW606
1、武田薬品工業社製)に変更し、かつ、その塗工量を
0.5g/m2となるように塗布・乾燥したこと以外
は、実施例1と同様にして目的とする透明フィルムを
得、表面固有抵抗値の測定を行った。この結果を表1に
示す。
【0052】実施例7 表面改質層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様
にして目的とする透明フィルムを得、表面固有抵抗値の
測定を行った。この結果を表1に示す。
【0053】比較例1 エリスリト−ルを添加しなかったこと以外は、実施例1
と同様にして目的とする透明フィルムを得、表面固有抵
抗値の測定を行った。この結果を表1に示す。
【0054】比較例2 厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OP
P)基材上に、帯電防止層を設けない場合の表面固有抵
抗値の測定を行った。この結果を表1に示す。
【0055】比較例3 厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OP
P)基材上に、アクリル系共重合体樹脂(商標:LA8
84A1、クラリアントポリマー社製、固形分濃度25
%、Tg60℃)をメイヤーバーを用いて乾燥塗工量が
1g/m2となるように塗布した後、送風乾燥機にて1
10℃、1分間乾燥を行って樹脂層を設けた。得られた
サンプルを用い、表面固有抵抗値の測定を行った。この
結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の帯電防止性透明フィルムは、例
えば、タバコ、菓子類、カセット等の個包装、又はその
集積包装用として使用する際、フィルム基材が包装加工
機に静電気的に密着したり、フィルム詰まり、蛇行とい
った静電気に起因する種々のトラブルも起こらず、その
ため高速による包装加工が可能であり、また、帯電防止
性の経時変化、及びフィルム表面の払拭等による帯電防
止性の劣化等も少ないことから、フィルム基材表面への
塵の付着も少く実用性に適した透明帯電防止フィルムで
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AH02B AH03C AK01A AK03A AK25B AK25J AK31 AK62A AK66A AL01B AR00C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA15 CA17 EH46 EJ38A EJ55 EJ64C GB15 GB23 JG03 JG03B JG04 JL06 JM01 JN01 YY00 YY00B 4J038 CC041 CC061 CG141 CG161 CJ031 CJ201 DD001 DG001 EA011 JA21 JC43 NA01 NA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム基材上に、常温で
    固体の炭素数4〜7個の直鎖状糖アルコール類から選ば
    れる少なくとも1種類を含有する帯電防止層を有するこ
    とを特徴とする帯電防止性透明フィルム。
  2. 【請求項2】 前記プラスチックフィルム基材が、二軸
    延伸されたポリオレフィンフィルムである請求項1記載
    の帯電防止性透明フィルム。
  3. 【請求項3】 前記帯電防止層がアクリル系共重合体樹
    脂層である請求項1又は2に記載の帯電防止性透明フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記常温で固体の炭素数4〜7個の直鎖
    状糖アルコール類が水可溶性である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の帯電防止性透明フィルム。
  5. 【請求項5】 前記常温で固体の炭素数4〜7個の直鎖
    状糖アルコール類を帯電防止層中に0.5〜30質量%
    含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止
    性透明フィルム。
  6. 【請求項6】 前記プラスチックフィルム基材と帯電防
    止層との間に表面改質層を有する請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の帯電防止性透明フィルム。
  7. 【請求項7】 前記表面改質層が含窒素化合物を含有す
    る層で構成されている請求項6記載の帯電防止性透明フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】23℃、50%RHの環境下における表面
    固有抵抗値が、1×1014(Ω/□)以下である請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の帯電防止性透明フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013194230A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物、高分子型帯電防止剤、重合体組成物、及び成形体
WO2014027513A1 (ja) * 2012-08-17 2014-02-20 株式会社ロッテ 板状物品用の包装構造、包装容器および個包装

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