JP2003170445A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルムの製造方法

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JP2003170445A
JP2003170445A JP2001375773A JP2001375773A JP2003170445A JP 2003170445 A JP2003170445 A JP 2003170445A JP 2001375773 A JP2001375773 A JP 2001375773A JP 2001375773 A JP2001375773 A JP 2001375773A JP 2003170445 A JP2003170445 A JP 2003170445A
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optical film
roll
curable resin
fine
radiation
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JP2001375773A
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English (en)
Inventor
Yuuki Nakano
勇樹 中野
Toshihiko Ariyoshi
俊彦 有吉
Seiji Umemoto
清司 梅本
Riyouji Kinoshita
亮児 木下
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】急峻なプリズム斜面を不連続に有する形態を転
写する場合などにも気泡混入の硬化樹脂が形成され難
く、品質の良好な光学フィルムを量産性よく得ることが
できる製造方法の開発。 【解決手段】平面形状が長方形の微細凸部(21)の多
数が分散分布した形態(2)を、その各微細凸部の長辺
方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長辺方
向が円周方向となる状態で表面に有する円柱ロール
(1)と、そのロールの外周に所定の間隙を設けて沿わ
せた透明フィルム(4)との間に、放射線硬化型樹脂
(12)を介在させて円柱ロール表面の当該形態が転写
された当該硬化型樹脂の成形層を形成した後、前記透明
フィルム側から放射線(5)を照射して前記成形層を硬
化させる光学フィルム(41)の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶表示パネルの側面よ
り入射させた光を効率よく視認方向に光路変換して薄型
軽量で明るく、見易い表示の液晶表示装置などを形成し
うる光学フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、金型の表面に紫外線硬化型樹脂を
塗布して硬化させ、金型のプリズム形態等の表面形態が
転写された硬化樹脂からなる光学フィルムの製造方法が
知られていた。これは、射出成形方法や熱可塑性樹脂に
対する熱転写方法、切削方法では加熱や加圧を伴うため
に製造効率に乏しかったり、100μm以下の微細な形
態を精度よく再現できない点を改善したものである。し
かしながら急峻なプリズム斜面を不連続に有する形態を
転写する場合などに、気泡を巻き込みやすく、気泡混入
の硬化樹脂が形成されて、光学フィルムとして実用でき
ないものとなる問題点があった。
【0003】
【発明の技術的課題】本発明は、急峻なプリズム斜面を
不連続に有する形態を転写する場合などにも気泡混入の
硬化樹脂が形成され難く、品質の良好な光学フィルムを
量産性よく得ることができる製造方法の開発を課題とす
る。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は、平面形状が長方形の微細
凸部の多数が分散分布した形態を、その各微細凸部の長
辺方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長辺
方向が円周方向となる状態で表面に有する円柱ロール
と、そのロールの外周に所定の間隙を設けて沿わせた透
明フィルムとの間に、放射線硬化型樹脂を介在させて円
柱ロール表面の当該形態が転写された当該硬化型樹脂の
成形層を形成した後、前記透明フィルム側から放射線を
照射して前記成形層を硬化させることを特徴とする光学
フィルムの製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の効果】本発明によれば、全微細凸部に基づく平
均長辺方向が円周方向となるように設定したので、急峻
なプリズム斜面を不連続に有する形態を転写する場合な
どにも気泡混入の硬化樹脂が形成され難く、品質の良好
な光学フィルムを量産性よく得ることができ、それを用
いて例えば液晶表示パネルの側面より入射させた光を効
率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るく、見易
い表示の液晶表示装置を形成することができる。
【0006】
【発明の実施形態】本発明による製造方法は、平面形状
が長方形の微細凸部の多数が分散分布した形態を、その
各微細凸部の長辺方向を総和して平均した全微細凸部に
基づく平均長辺方向が円周方向となる状態で表面に有す
る円柱ロールと、そのロールの外周に所定の間隙を設け
て沿わせた透明フィルムとの間に、放射線硬化型樹脂を
介在させて円柱ロール表面の当該形態が転写された当該
硬化型樹脂の成形層を形成した後、前記透明フィルム側
から放射線を照射して前記成形層を硬化させて光学フィ
ルムを得るものである。
【0007】前記方法の製造工程を図1に例示した。1
が円柱ロール、2が平面形状が長方形の微細凸部21の
多数が分散分布し、その各微細凸部の長辺方向を総和し
て平均した全微細凸部に基づく平均長辺方向が円柱ロー
ルの円周方向(A−A’方向)となる状態で有する形態
部分、4が円柱ロール1の外周に所定の間隙を設けて沿
わせた透明フィルム、5が放射線照射装置、12が放射
線硬化型樹脂である。なお図中の3はニップロール、6
は剥離ロールであり、41が光学フィルムである。
【0008】図において、微細凸部21の多数が分散分
布した形態は、その形態を有する柔軟な平板型2を円柱
ロール1の外周の一部に固定することにより形成されて
いる。またニップロールは、その両端の半径が中央部の
半径よりも微細凸部の高さと透明フィルム厚の和以上に
大きい、就中、当該凸部高さの1.1〜500倍、特に
1.5〜200倍と透明フィルム厚の和に相当する大き
さに形成されている。
【0009】前記により、ニップロール3の両端を円柱
ロール1に接触させることで、円柱ロール1とニップロ
ール3との間に隙間が形成され、その隙間に放射線硬化
型樹脂12を塗布した透明フィルム4を導入して、その
透明フィルムを円柱ロール1の外周に所定の間隙を設け
て沿わせる状態で通過させうるようになっている。なお
透明フィルム4への放射線硬化型樹脂12の塗布は、タ
ンクに溜めた放射線硬化型樹脂12をポンプ10にて吸
い上げて、ノズル11を介して供給することにより行わ
れる。
【0010】そして放射線硬化型樹脂12を塗布した透
明フィルム4を円柱ロール1とニップロール3の隙間に
導入して、円柱ロール1とニップロール3と剥離ロール
6の軸回転を介し、透明フィルム4を円柱ロール1に所
定の間隙を設けて沿わせながら剥離ロール6を通過する
間に、放射線照射装置5を介し透明フィルム4の側より
放射線を照射して、透明フィルム上で円柱ロール表面の
当該微細凸部の多数からなる形態が転写された放射線硬
化型樹脂層を硬化させ、ついで剥離ロール6を介して、
連続的に形成された光学フィルム41を円柱ロール1よ
り分離する。
【0011】なお前記した円柱ロール1とニップロール
3と剥離ロール6の軸回転には、その1体又は2体以上
のロールを軸回転させるための駆動源が用いられる。ま
た図例では、放射線照射装置5として紫外線照射ランプ
が用いられており、従って放射線硬化型樹脂としては、
紫外線硬化型樹脂が用いられている。
【0012】前記の例では、平面形状が長方形の微細凸
部の多数が分散分布した形態を、その各微細凸部の長辺
方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長辺方
向が円周方向となる状態で表面に有する円柱ロールは、
その形態を有する柔軟な平板型2を円柱ロール1の外周
に固定する方式にて形成した。本発明において当該円柱
ロールの表面形態は、斯かる柔軟な平板型の付設方式に
ても形成し得るし、円柱ロールの表面に当該形態を直接
形成する方式にて設けることもでき、それらを併用する
こともできる。また当該形態は、円柱ロール表面の一部
又は全体に設けることができる。
【0013】なお前記した平面形状が長方形の微細凸部
の多数が分散分布した形態を表面に有する柔軟な平板型
の形成は、例えば先ず樹脂板にレーザー光によるドライ
エッチング法を適用して、平面形状が長方形の微細凹部
の多数が分散分布した形態を有する母型を形成し、その
母型に電気鋳造法を適用して、平面形状が長方形の微細
凸部の多数が分散分布した形態を有する柔軟な電鋳金型
(平板型)を形成する方式などにより行うことができ
る。また表面に当該形態を直接形成した円柱ロールは、
例えば切削法などにより製造することができる。
【0014】平板型の厚みは、円柱ロールの径や機械的
強度などに応じて適宜に決定しうる。就中、必要な強度
を満たす範囲で、可及的に薄いこと柔軟性に基づく円柱
ロール面へのフィット性等の点より好ましい。型が厚す
ぎると円柱ロールに取付けた際に発生する型との境目が
樹脂剥離性を低下させたり、樹脂残りなどが生じやすく
て、光学フィルムの外観を損なう場合がある。一般には
耐久性やハンドリング性などの点より、凸部を有しない
部分の厚さに基づいて0.02〜3mm、就中0.05〜
1mm、特に0.1〜0.5mmとされる。
【0015】なお平板型や円柱ロールは、例えばアルミ
ニウムやニッケル、コバルトや銅や鋼の如き金属やそれ
らの合金類、シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂やフッ素系樹脂の如き樹脂などの適宜な材料
にて形成することができる。また円柱ロールに対する平
板の固定は、例えば接着剤等を介した接着方式やネジ等
を介した治具固定方式、真空吸着方式などの適宜な方式
を採ることができ、特に限定はない。
【0016】平面形状が長方形の微細凸部の多数が形成
する分散分布形態は、任意である。従って各微細凸部の
長辺方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長
辺方向は、例えば微細凸部がその長辺方向に基づいて平
行な状態で分散分布する場合には、各微細凸部の長辺方
向は一定であるから、その総和を平均しても同じ方向と
なり、全微細凸部に基づく平均長辺方向は、各微細凸部
の長辺方向と同じとなる。
【0017】一方、各微細凸部の長辺方向がランダムで
ある場合には、その各微細凸部の長辺方向を総和してそ
の平均方向を決定することとなる。その決定は例えば、
基準線を想定してその基準線に対する各微細凸部の長辺
方向の傾斜角を正負の区別を付けて測定し、その測定値
を総和して微細凹凸数で除して平均値を算出する。そし
てその平均値が平均傾斜角であるから、前記基準線(0
度)に対してその平均傾斜角の方向を全微細凸部に基づ
く平均長辺方向として決定することができる。
【0018】ちなみに長辺方向が直交する関係で同数の
微細凸部が存在する場合にも、前記の決定法によれば平
均傾斜角が45度となって、全微細凸部に基づく平均長
辺方向を決定することができる。なお平面形状が長方形
の微細凸部の多数が形成する一般的な分散分布形態は、
微細凸部の長辺方向が一辺に対して平行、又は70度以
下、就中50度以下、特に0〜45度の範囲で傾斜する
ものである。
【0019】前記した全微細凸部に基づく平均長辺方向
を円柱ロールの円周方向と揃えることにより放射線硬化
型樹脂が円柱ロール上の微細凸部の多数からなる形態上
を流れる際の速度に違いが生じ難くて気泡が滞留し難
く、また押し出されやすい。ちなみに微細凸部の長辺方
向が樹脂の流れ方向に対して垂直にあると、凸部の上り
斜面と下り斜面とでは樹脂の流動圧に相違を生じて気泡
が滞留しやすく、60度以上の急峻な斜面ではその圧力
差が顕著となって気泡がより滞留しやすくなる。
【0020】当該全微細凸部に基づく平均長辺方向と、
円柱ロールの円周方向との一致性、すなわち図例の如
く、当該平均長辺方向と円周方向との交差角θは、前記
の点より±20度以内、就中±10度以内、特に±5度
以内にあることが好ましい。
【0021】長方形の微細凸部の寸法は、光学フィルム
の使用目的等に応じて適宜に決定しうる。一般には長方
形の長辺長が10〜200μm、就中15〜150μm、
特に20〜100μmであり、短辺長及び凸部の高さが
2〜30μm、就中3〜20μm、特に5〜15μmの微
細凸部とされる。
【0022】また微細凸部の横断面形態も適宜に決定し
うるが、一般には三角形や四角形とされ、さらに得られ
る光学フィルムに基づいてそのフィルム面に対する傾斜
角が60度以上、就中65〜90度の斜面を1面又は2
面以上有する横断面形態の凹部を形成しうる微細凸部と
される。
【0023】円柱ロールの外周に所定の間隙を設けて透
明フィルムを沿わせる方式には、ロール等を用いた適宜
な方式を採ることができ、特に限定はない。就中、図例
の如き両端部の径を太くしたニップロール3を用いる方
式が好ましい。これによれば、円柱ロールとの間隙調節
による硬化樹脂層の厚さ制御が容易であり、また放射線
硬化型樹脂中に混入した気泡を押圧下に押し出すことも
できる。なお前記の異径化による間隙調節は、円柱ロー
ルの両端部の径を太くすることにても達成でき、円柱ロ
ールとニップロールの両方を異径化することもできる。
【0024】円柱ロールと透明フィルムとの間に介在さ
せる放射線硬化型樹脂としては、例えばアクリル系やウ
レタン系、エボキシ系やシリコーン系などの、電磁波で
硬化処理できる適宜な樹脂の1種又は2種以上を用いう
る。就中、透明性に優れる硬化体を形成しうるものが好
ましい。また短時間硬化等の点よりは、X線を含む紫外
域以下の波長の放射線で硬化できるものが好ましく、特
に紫外線又は電子線で硬化処理できる紫外線硬化型樹脂
又は電子線硬化型樹脂が装置の簡便化等の点より好まし
い。
【0025】円柱ロールと透明フィルムとの間に放射線
硬化型樹脂を介在させる方式は、任意であり、円柱ロー
ルにおける微細凸部の多数からなる当該形態を有する部
分に放射線硬化型樹脂を供給できる適宜な方式を採るこ
とができる。従って例えば図例の如く、ロールコート方
式やバーコート方式、ドクターブレード方式等を含む適
宜な展開方式で透明フィルム上に塗布してもよいし、円
柱ロール上に放射線硬化型樹脂を塗布する方式などであ
ってもよい。
【0026】なお透明フィルムとしては、放射線透過性
の適宜なものを用いうる。ちなみにその例としては、ア
クリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系
樹脂やポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂やノルボ
ルネン系樹脂、ウレタン系樹脂やポリスチレン系樹脂、
ポリエチレン系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリイミド系
樹脂やエポキシ系樹脂などからなるフィルムがあげられ
る。フィルム厚は、任意であるが、ハンドリング性や強
度などの点より一般には500μm以下、就中5〜30
0μm、特に10〜200μmとされる。斯かる厚さとす
ることで、打ち抜き処理等によるサイズ加工も容易に行
うことができる。
【0027】前記により、すなわち円柱ロールにおける
微細凸部の多数からなる当該形態を有する部分と透明フ
ィルムとの間に放射線硬化型樹脂を介在させることによ
り、放射線硬化型樹脂の流動性に基づいて円柱ロール表
面の当該形態が転写された当該樹脂の成形層が形成さ
れ、その成形層を前記透明フィルム側から放射線を照射
して硬化させて円柱ロールより回収することにより、目
的とする光学フィルムが得られる。
【0028】なお光学フィルムの製造の際に用いた透明
フィルムは、当該成形硬化層と固着一体化させることも
できるし、当該成形硬化層と分離可能なものとすること
もできる。従って後者の場合には、当該成形硬化層のみ
が光学フィルムとして実用に供される。透明フィルムと
当該成形硬化層の分離は、例えば透明フィルムを剥離剤
で表面処理する方式などの適宜な方式にて達成すること
ができる。
【0029】上記のように本発明方法は、円柱ロール表
面の微細凸部からなる形態を転写したことに基づく、平
面形状が長方形の微細凹部の多数が分散分布した形態を
表面に有する光学フィルムを得るものである。図2にそ
の光学フィルム41の例を示した。42が微細凹部であ
る。
【0030】本発明方法による光学フィルムは、微細凹
部の多数が分散分布した形態をモアレの生じにくい光出
射手段として利用して、例えば側面に光源を有する液晶
セルの前記光源による側面方向からの入射光、ないしそ
の伝送光を光出射手段を介し、液晶表示パネルの視認方
向に光路変換して出射させ、その出射光を液晶表示パネ
ル等の照明光(表示光)とすることが可能である。その
場合、光学フィルムは通例、液晶セルの平面に沿う方向
にその光出射手段の形成面が外側となるように配置され
る。
【0031】前記においては、側面入射光を液晶表示パ
ネル等の法線方向に指向性よく出射させ、液晶セルを効
率よく照明して明るくて見やすい液晶表示を達成する点
よりフィルム面に対する傾斜角が35〜48度、就中3
8〜45度、特に40〜43度の光路変換斜面を有する
微細凹部とすることが好ましい。
【0032】光出射手段を形成する微細凹部は、長辺方
向に基づいて平行に分布していてもよいし、不規則に分
布していてもよい。さらに仮想中心に対してピット状
(同心円状)に配置された分布状態にあってもよい。光
学フィルムにおける光出射手段の形成面に占める光出射
手段の投影面積に基づく占有面積は、明るい表示の達成
性等の点より1/100〜1/8、就中1/50〜1/
10、特に1/30〜1/15が好ましい。
【0033】また微細凹部の横断面形状は、その傾斜角
等が光学フィルムの全面で一定な形状であってもよい
し、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処
して光学フィルム上での発光の均一化を図ることを目的
に、光が入射する側の側面から遠離るほど微細凹部を大
きくしてもよい。
【0034】さらに一定ピッチの微細凹部とすることも
できるし、光が入射する側の側面から遠離るほど徐々に
ピッチを狭くして、微細凹部の分布密度を多くしたもの
とすることもできる。さらにランダムピッチにて光学フ
ィルム上での発光の均一化を図ることもでき、ランダム
ピッチは画素との干渉によるモアレの防止の点よりも有
利である。よって光出射手段は、ピッチに加えて形状等
も異なる微細凹部の組合せからなっていてもよい。
【0035】微細凹部における上記した光路変換斜面
は、液晶セルの側面方向より入射させる光の方向に対面
していることが出射効率の向上の点より好ましい。従っ
て線状光源を用いる場合の光路変換斜面は、一定の方向
を向いていることが好ましい。また発光ダイオード等の
点状光源を用いる場合の光路変換斜面は、その点状光源
の発光中心の方向を向いていることが好ましい。
【0036】上記したように微細凹部のピット状配置
は、点状光源を液晶表示パネルの側面等に配置し、その
点状光源による側面方向からの放射状の入射光ないしそ
の伝送光を光路変換斜面を介し光路変換して光学フィル
ムを可及的に均一に発光させ、液晶セル等に対し法線方
向の指向性に優れる光を光源光の利用効率よく光学フィ
ルムから出射させることを目的とする。
【0037】従って前記のピット状配置は、点状光源の
配置が容易となるように光学フィルムの端面又はその外
側に、仮想中心が形成されるように行うことが好まし
い。仮想中心は、同じ又は異なる光学フィルム端面に対
して、一箇所又は二箇所以上設けることができる。
【0038】なお上記した光出射手段を形成するための
円柱ロールは、光出射手段の微細凹部に対応した形態
で、円柱ロール表面に微細凸部を分散分布させることに
より形成することができる。
【0039】
【実施例】参考例1 厚さ25μmのポリイミドフィルムに所定のマスクを介
し波長248nmのエキシマレーザー光を照射してアブレ
ーション加工によりドライエッチングを施し、横断面三
角形の微細凹部の複数を縦横等間隔で整列した分布状態
で有する絶縁性フィルムを形成した。その微細凹部は、
長辺長100μm、短辺長10μm、深さ10μmで、フ
ィルム面に対する傾斜角が42度の斜面と、それに対面
する傾斜角が75度の立面を有するものからなる。次い
で前記絶縁性フィルムの凹部付き面に電鋳法によりニッ
ケルを充填して厚さが約500μmの金属層を形成した
後、それより絶縁性フィルムを剥離して、前記凹部と同
寸法の凸部を同じ分布状態で有する形成面具備の電鋳金
型を得た。
【0040】
【実施例】参考例2 複数の微細凹部の配置をランダムとしたほかは参考例1
に準じて絶縁性フィルムとそれによる電鋳金型を得た。
【0041】実施例1 参考例1の電鋳金型(2)を、その微細凸部(21)の
長辺方向が円周方向と一致するように円柱ロール(1)
の外周に接着層を介して固定し、それにロール間の間隙
が100μmとなるように両端部の径を太くしたニップ
ロール(3)と、高圧水銀灯(120W/cm,1灯)か
らなる紫外線照射ランプ(5)と剥離ロール(6)を配
置して図1に準じた製造装置を形成した。
【0042】次に、前記の円柱ロールとニップロールの
間隙に、厚さ70μmの透明なPC(ポリカーボネー
ト)フィルム(4)を、その上にポンプ(10)を介し
てアクリル系紫外線硬化型樹脂(12)を約40μmの
厚さとなるように連続供給しつつ1.0m/分の速度で
導入し、微細凸部の形態を転写後にPCフィルム側より
紫外線を30秒間照射してそのアクリル系紫外線硬化型
樹脂層を硬化させ、剥離ロールを介し形成された光学フ
ィルム(41)を剥離して、目的物を連続的に製造し
た。
【0043】得られた光学フィルムは、フィルム面に対
する傾斜角が42度の斜面と、それに対面する傾斜角が
75度の立面を有する、長辺長100μm、短辺長と深
さ10μmの微細凹部の複数が縦横等間隔で整列した分
布状態で有し、これは参考例1の絶縁性フィルムに設け
た微細凹部及び電鋳金型に設けた微細凸部と高精度に対
応するものであった。
【0044】実施例2 参考例2の電鋳金型を、その全微細凸部の平均長辺方向
が円周方向と5度の交差角となるように円柱ロールに固
定したほかは、実施例1に準じて光学フィルムを得た。
これは参考例2の絶縁性フィルムに設けた微細凹部及び
電鋳金型に設けた微細凸部と高精度に対応するものであ
った。
【0045】比較例1 ニップロールを用いないほかは実施例1に準じて光学フ
ィルムを得た。
【0046】比較例2 電鋳金型を、その微細凸部の長辺方向が円周方向と直交
するように円柱ロールの外周に固定したほかは実施例1
に準じて光学フィルムを得た。
【0047】比較例3 ニップロールを用いないほかは比較例2に準じて光学フ
ィルムを得た。
【0048】比較例4 電鋳金型を、その全微細凸部の平均長辺方向が円周方向
と50度の交差角となるように円柱ロールに固定したほ
かは、実施例2に準じて光学フィルムを得た。
【0049】比較例5 電鋳金型を、その全微細凸部の平均長辺方向が円周方向
と90度の交差角となるように円柱ロールに固定したほ
かは、実施例2に準じて光学フィルムを得た。
【0050】評価試験 実施例、比較例で得た光学フィルムについて、デジタル
マイクロスコープ(HIROX社製、Hi−SCOPE
KH−2700)にて1mm角の範囲における5箇所を
観察し、混入気泡の数を測定して平均値を算出した。そ
の結果を次表に示した。
【0051】 実施例 比 較 例 気泡数(個) 0.0 0.0 15.8 28.4 78.0 35.2 54.4
【0052】表より、実施例1、2では気泡の混入が全
く認められず、比較例と比べて混入気泡数が顕著に減少
していることが判る。これにより本発明によれば、急峻
な斜面を不連続に有する形態を形成する場合にも、気泡
の混入が殆ど無くて品質の良好な光学フィルムの得るこ
とが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程例の斜視説明図
【図2】光学フィルムの斜視説明図
【符号の説明】
1:円柱ロール 2:微細凸部21の多数が分散
分布した形態部分 3:ニップロール 4:透明フィルム 5:放射線照射装置 12:放射線硬化型樹脂 41:光学フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G02F 1/13357 G02F 1/13357 B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 梅本 清司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 (72)発明者 木下 亮児 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA04 BA14 BA15 BA20 2H091 FA23Z FB04 FC12 FC17 FC29 FC30 FD04 FD15 FD22 LA03 LA11 LA12 LA13 LA18 4F202 AA36 AF00 AG01 AH73 AK03 CA01 CB02 CB29 CC07 CD12 CK11 4F204 AA43 AA44 AG01 AG05 AH33 AH73 EA03 EA04 EB02 EB11 EF01 EF23 EK06 EK18 EK23 4F209 AA43 AA44 AG01 AG05 AH33 AH73 PA03 PA04 PA08 PB02 PB11 PC01 PC05 PC06 PC07 PN01 PN09 PQ01 PQ03 PQ09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面形状が長方形の微細凸部の多数が分
    散分布した形態を、その各微細凸部の長辺方向を総和し
    て平均した全微細凸部に基づく平均長辺方向が円周方向
    となる状態で表面に有する円柱ロールと、そのロールの
    外周に所定の間隙を設けて沿わせた透明フィルムとの間
    に、放射線硬化型樹脂を介在させて円柱ロール表面の当
    該形態が転写された当該硬化型樹脂の成形層を形成した
    後、前記透明フィルム側から放射線を照射して前記成形
    層を硬化させることを特徴とする光学フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、微細凸部の多数が分
    散分布した形態が円柱ロールの表面の一部若しくは全体
    に直接形成されており、又は当該形態を有する柔軟な平
    板型が円柱ロール外周の一部若しくは全体に固定されて
    なる光学フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、ロールの両端
    の半径が中央部の半径よりも前記微細凸部の高さと透明
    フィルム厚の和以上に大きいニップロールの両端を円柱
    ロールに接触させて、形成された円柱ロールとニップロ
    ールとの隙間に、放射線硬化型樹脂を塗布した透明フィ
    ルムを導入して通過させる光学フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、放射線硬化型樹
    脂が紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂であり、そ
    れを硬化させる放射線が紫外線又は電子線である光学フ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、長方形の微細凸
    部が長辺長10〜200μm、短辺長及び凸部の高さ2
    〜30μmのものである光学フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、フィルム面に対
    する傾斜角が60度以上の斜面を1面又は2面以上具備
    する凹部を有する光学フィルムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347071A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Hitachi Maxell Ltd エンボスロール
JP2011513771A (ja) * 2008-03-03 2011-04-28 エルジー・ケム・リミテッド 光学フィルム及び製造方法
JP2013003300A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Mitsubishi Rayon Co Ltd マイクロレンズシートの製造方法

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