JP2003162053A - 感熱性平版印刷版前駆体 - Google Patents

感熱性平版印刷版前駆体

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JP2003162053A
JP2003162053A JP2002274526A JP2002274526A JP2003162053A JP 2003162053 A JP2003162053 A JP 2003162053A JP 2002274526 A JP2002274526 A JP 2002274526A JP 2002274526 A JP2002274526 A JP 2002274526A JP 2003162053 A JP2003162053 A JP 2003162053A
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マルク・バン・ダメ
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ジヨアン・ベルメールシユ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱性平版印刷版前駆体のコーテイング中の
コントラスト染料の、水性アルカリ性現像剤を用いる処
理中の、不完全な除去による染料汚れの上記問題の解決
法を提供すること。 【解決手段】 アルカリ性水溶液中に可溶性であり且つ
400〜780nmの間の波長範囲内の光吸収極大を有
する少なくとも1つの発色部分を含んでなる重合体を含
んでなる感熱性平版印刷版前駆体を開示する。そのよう
な材料はコーテイングがアルカリ性現像剤により除去さ
れた領域中での処理後に染料汚れを示さない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性アルカリ性処
理を必要とする感熱性のポジ−またはネガ−作用性平版
印刷版前駆体に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷機は、いわゆる印刷マスター、
例えば印刷機のシリンダー上に設置されている印刷版を
使用する。マスターは平版像をその表面上に担持してお
り、そしてインキを該像に適用しそして次にインキをマ
スターから典型的には紙である受容体材料上に移すこと
により印刷物が得られる。従来のいわゆる「湿潤」
(“wet”)平版印刷では、親油性(または疎水性、す
なわちインキ−受容性、撥水性)領域並びに親水性(ま
たは疎油性、すなわち水−受容性、インキ−反撥性)領
域よりなる平版像にインキ並びに湿し水溶液(aqueous
fountain solution)(いわゆる湿し水(dampening liq
uid))が供給される。いわゆるドリオグラフィー印刷
では、平版像はインキ−受容性およびインキ−不付着性
(ink-abhesive)(インキ−反撥性)領域よりなりそして
ドリオグラフィー印刷中にインキだけがマスターに供給
される。
【0003】印刷マスターは一般的にはいわゆるコンピ
ューター−ツー−フィルム方法(computer-to-film met
hod)により得られ、そこでは例えばタイプフェース選
択、走査、色分離、スクリーニング、トラッピング、レ
イアウトおよび組み付けの如き種々のプレプレス段階が
デジタル方式で行われそして各色選択がイメージ−セッ
ターを用いて製版用フィルムに移される。処理後に、フ
ィルムは版前駆体と称する像形成材料の露出用のマスク
として使用することができ、そして版処理後に、マスタ
ーとして使用しうる印刷版が得られる。
【0004】コンピューター−ツー−フィルム方法用の
代表的な印刷版前駆体は、親水性支持体と、感紫外線性
ジアゾ化合物、ジクロメートで増感される親水性コロイ
ドおよび多種の合成光重合体を包含する感光性重合体層
の像記録層とを含んでなる。特に、ジアゾで増感される
システムが広く使用されている。像通りの露出で、典型
的には紫外線コンタクトフレーム中のフィルムマスクに
より、露出された像領域は不溶性となりそして露出され
なかった領域は水性アルカリ性現像剤中で可溶性のまま
である。版を次に現像剤で処理して露出されなかった領
域中のジアゾニウム塩またはジアゾ樹脂を除去する。す
ると、露出された領域が印刷マスターの像領域(印刷領
域)を規定し、従ってそのような印刷版前駆体を「ネガ
−作用性」(‘negative-working')と称する。露出さ
れた領域が非印刷領域を規定するポジ−作用性材料、例
えば、露出された領域だけで現像剤中に溶解するノボラ
ック/ナフトキノン−ジアジドコーテイングを有する版
も知られている。
【0005】上記の感光性材料の他に、感熱性印刷版前
駆体も非常に一般的になってきた。そのような熱的材料
は昼光安定性の利点を与え、そして版前駆体を直接的
に、すなわちフィルムマスクを用いずに、露出するいわ
ゆるコンピューター−ツー−プレート方法で特に使用さ
れる。この材料は熱または赤外線に露出されそして発生
した熱が(物理)化学工程、例えば融除、重合、重合体
の架橋結合による不溶化、分解、または熱可塑性重合体
ラテックスの粒子凝集を引き起こす。
【0006】既知の印刷版材料のコーテイングは、典型
的には、親水性支持体と、露出された領域中で(ポジ作
用性材料)または露出されなかった領域中で(ネガ作用
性材料)アルカリ−可溶性である親油性重合体およびし
ばしばコントラスト染料またはインジケーター染料と称
する着色剤を含有するコーテイングとを含んでなる。イ
ンジケーター染料は、像通りの露出および版の非像(非
印刷)領域において親油性コーテイングを除去する水性
アルカリ性現像剤を用いる処理後に、可視像を与える。
しかしながら、ほとんどのコントラスト染料は現像剤中
に不溶性もしくは微溶性であるかまたは層内の他の成
分、例えば、相分離を引き起こすかもしれない親油性重
合体と完全には相容性でない。その結果、コントラスト
染料は支持体から処理段階により完全には除去されず、
そして印刷方法を妨害するかもしれない染料汚れが非像
領域で観察される。
【0007】US6,124,425は、赤外染料が重合
体骨格と共有結合されている熱反応性重合体を開示して
いる。
【0008】EP−A 934822は、より高いコー
テイング耐性を与える目的のためのフェノール系ヒドロ
キシル基がスルホン酸またはカルボン酸基を含有する化
合物でエステル化されているようなフェノール系樹脂を
含んでなる平版印刷版前駆体を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一面は、感熱
性平版印刷版前駆体のコーテイング中のコントラスト染
料の、水性アルカリ性現像剤を用いる処理中の、不完全
な除去による染料汚れの上記問題の解決法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この問題は、請求項1で
定義されている前駆体により解決される。好ましい態様
は従属請求項に定義されている。染料を共有結合でアル
カリ−可溶性重合体に結合させることにより、染料汚れ
が完全に避けられる。重合体はまた例えばフェノール系
樹脂の如き親油性重合体と組み合わせることができるの
で、それは必ずしも親油性でない。より好ましい態様で
は、親油性層の単一結合剤として使用しうるようにする
ために重合体自体が親油性である。
【0011】本発明の平版印刷版前駆体のコーテイング
中に存在する重合体は、可視光線を吸収する少なくとも
1つの発色部分、より特に400〜780nmの間の、
より好ましくは430〜780nmの間のそして最も好
ましくは470〜750nmの間の波長範囲内に光吸収
極大を有する部分を含んでなる。重合体はアルカリ性水
溶液中に、より特に室温において少なくとも1g/l、
好ましくは少なくとも0g/lの濃度で溶解した重合体
のアルカリ性溶液を与えるのに充分な量で、可溶性であ
る。溶液のpHは少なくとも7.0、より好ましくは少
なくとも8.5そして最も好ましくは少なくとも10.0
である。重合体の分子量は好ましくは1500g/モル
より大きい。
【0012】発色部分は下記式I〜VI:
【0013】
【化6】
【0014】[式中、lは0〜3であり、mは0〜4で
あり、nは0〜3であり、oは0〜2であり、xおよび
yは独立して0または1であり、各R1およびR2は独立
してアルキル、アリール、−G1、−L1−G1、−C
N、ハロゲン、−NO2、−ORa、−CO−Rd、−C
O−O−Ra、−O−CO−R d、−CO−NRde、−
NRde、−NRd−CO−Re、−NRd−CO−O−
a、−NRd−CO−NRef、−SRa、−SO−
a、−SO2−Ra、−SO 2−O−Ra、−SO2−NR
abよりなる群から選択されるか、或いは2個の隣接基
1は一緒になって縮合炭素環式または複素環式環を形
成し、各R3およびR4は独立して水素、アルキル、アリ
ール、−CO−Rd、−CO−O−Rb、−CO−NRg
hおよび−L2−G2よりなる群から選択され、R11
12およびR13は独立して水素、アルキルまたはアリー
ルよりなる群から選択され、各R14は独立してアルキル
またはアリールから選択され、Q、Q1およびQ2は発色
団であり、ここでQ2は少なくとも1個の可溶化基G3
含んでなり、ここで、A、A1、A2、L1およびL2は2
価の連結基であり、G1、G2およびG3は−COOH、
−PO32、−O−PO32、−SO3H、−O−SO3
H、−SO2−NH2、−SO2−NH−Rc、−SO2
NH−CO−R cおよびそれらの塩類から選択される可
溶化基であり、Ra、RbおよびRcはアルキルまたはア
リール基であり、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは水
素、アルキルまたはアリール基である]の1つに相当す
る。
【0015】好ましい2価の連結基は−O−、−CO
−、−CO−NR′−、−CO−O−、−N=N−、−
NR′−、−NR′−CO−O−、−NR′−CO−N
R′′−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO2−O
−、−SO2−NR′−、アリーレンまたはアルキレン
であり、ここでR′およびR′′は独立して水素、アル
キルまたはアリールである。
【0016】上記式において、発色部分は重合体骨格自
体のいずれかの部分であるか、または重合体骨格と結合
基により結合されている懸垂基である。上記式における
例えばAまたはL基の如き結合基が上記式における例え
ばQ、Q1およびQ2基の如き懸垂発色団の共役系を重合
体骨格の一部である別の共役系に結合させる場合には、
本発明の意味における用語「発色部分」(“chromophor
ic moiety”)は全体として共役系をさすことは理解さ
れるであろうし、重合体の光吸収は懸垂基、結合基およ
び重合体骨格の一部である共役基により形成される完全
に共役された系から生ずる。或いは、結合基は単結合だ
けを含有するかまたは重合体骨格自体の中に共役系がな
いため、懸垂発色団の共役系は単離することができ、そ
してこの態様では用語「発色部分」は懸垂基だけに相当
する。
【0017】重合体は種々の単量体のホモ重合体、また
はランダム、交互、ブロック−もしくはグラフト−共重
合体でありうる。重合体は種々の発色部分並びに/また
は発色団および/もしくは重合体の別の単量体単位に直
接的にもしくは結合基により結合しうる種々の可溶化基
を含有してもよい。可溶化基は非イオン性であるか、ま
たは重合体をアルカリ性水溶液中で可溶性にするのに充
分な量のアルカリ性水溶液中への重合体の浸漬によりア
ニオン性にすることができる。上記式(III)および(I
V)において、Q2はアルカリ性水溶液中で充分な溶解度
を得るための少なくとも1つの可溶化基を含んでなる。
【0018】有用な発色団Q、Q1およびQ2は、D.R. W
aring および G. Hallas により編集された The Chemis
try and Application of Dyes (Plenum Press New York
and London, 1990) に示されている染料に相当する。
適する染料種は、インドアニリン染料、アゾメチン染
料、アゾ染料、ジ−およびトリアリールカルボニウム染
料並びにそれらのヘテロ原子同等物、アントラキノン染
料、ベンゾジフラノン染料、多環式芳香族カルボニル染
料、インジゴイド染料、シアニン類、オキソノール類、
ヘミシアニン類、アザカルボシアニン類、メロシアニン
類、ヘミシアニン類、カルボスチリル染料、フタロシア
ニン類、キノフタロン類、ニトロおよびニトロソ染料、
ホルマザン染料並びにスチルベン染料よりなる群から選
択することができる。染料は遷移金属の錯体、代表的に
は例えば銅または鉄錯体、でもありうる。最も好ましく
は、発色部分はインドアニリン染料、アゾメチン染料、
アゾ染料またはアントラキノン染料から誘導される。
【0019】発色団Q、Q1またはQ2の具体例は下記の
ものである:
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】[式中、hは0〜5であり、iおよびkは
独立して0〜4であり、jは0〜2であり、*は発色団
と重合体または場合により存在する連結基との間の結合
を表し、各R9、R9′、R9′′およびR10は独立して
アルキル、アリール、−G1′、−L′1−G1′、−C
N、ハロゲン、−NO2、−ORa′、−CO−Rd′、
−CO−O−Ra′、−O−CO−Rd′、−CO−NR
d′Re′、−NRd′Re′、−NRd′−CO−Re′、
−NRd′−CO−O−Ra′、−NRd′−CO−N
e′Rf′、−SRa′、−SO−Ra′、−SO2
a′、−SO2−O−Ra′、−SO2−NRa′Rb′よ
りなる群から選択されるか、或いは2個の隣接基R9
9′またはR9′′は一緒になって縮合炭素環式または
複素環式環を形成し、各R5、R6、R7およびR8は独立
して水素、アルキル、アリール、−CO−Rd′、−C
O−O−Rb′、−CO−NRg′Rh′および−L2′−
2′よりなる群から選択され、L1′およびL2′は2
価の連結基であり、G1′およびG2′は−COOH、−
OH、−PO32、−O−PO32、−SO 3H、−O
−SO3H、−SO2−NH2、−SO2−NH−Rc′、
−SO2−NH−CO−Rc′およびそれらの塩類から選
択される可溶化基であり、Ra′、Rb′およびRc′は
アルキルまたはアリール基であり、Rd′、Re′、
f′、Rg′およびRh′は水素、アルキルまたはアリ
ール基である]。
【0023】特別の態様では、重合体は同一もしくは相
異なることができ且つ各々が以上で定義された発色部分
を含有する1つもしくはそれ以上の単量体単位Dとこれ
も同一もしくは相異なることができる1つもしくはそれ
以上の別の単量体単位Mよりなる共重合体である。単量
体単位D対単量体単位Mのモル比は好ましくは1:5よ
り小さく、より好ましくは1:10より小さく、そして
最も好ましくは1:15より小さい。
【0024】Mの適する例は、(メタ)アクリル酸およ
びそのアミド類またはアルキルエステル類、アクリロニ
トリル、スチレン、スチレンスルホン酸、4−カルボキ
シスチレン、4−ヒドロキシスチレン、スルホアルキル
メタクリレート類、アクリルアミドグリコール酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イタ
コン酸、マレイン酸およびスルホ−イソフタル酸であ
る。Mの非常に好ましい態様は下記式:
【0025】
【化9】
【0026】に、そしてより好ましくは下記式:
【0027】
【化10】
【0028】[式中、aは1または2でありそしてbは
0〜3である]に相当する。上記単位Mが充分な量で存
在する場合には、重合体は親油性である。Mのそのよう
な重合体は一般的にノボラック類として知られている。
そのような共重合体の適する例は下記のものを包含す
る:
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】[式中、大括弧間の各単量体単位は少なく
とも1回存在する]。
【0033】重合体は、いずれかの従来の重合工程、例
えばビニル系単量体のラジカル重合、カチオン重合、例
えばビニルエーテルの重合または例えばエポキシド類、
アジリジン類およびアゼチジン類の如き緊張した(strai
ned)環式単量体の開環重合、例えばスチレン誘導体のア
ニオン重合、またはポリエステル類、ポリウレタン類、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホル
ムアルデヒド樹脂もしくはウレア−およびメラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂の製造用に知られている典型的な重
縮合、により製造することができる。重合体を、いわゆ
る「リビングラジカル重合」(“living radical polym
erization”)の最近導入された技術により製造するこ
ともできる。
【0034】特別な態様では、重合体染料は染料単量
体、例えばメタクリレート類もしくはアクリレート類、
スチレン誘導体、メタクリルアミド類またはアクリルア
ミド類を含有する染料、の(共)重合により製造するこ
とができる。本発明に従う重合体の製造に有用な典型的
な染料単量体の幾つかの例は下記のものである:
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】或いは、染料を以下で改質重合体と称する
アルカリ性可溶性重合体に多種の反応、例えばポリオー
ル類のエステル化および無水重合体と染料−アミン類ま
たはアルコール類とのカップリングによりカップリング
することができる。染料をノボラック樹脂にカップリン
グするために適する重合体改質反応は、フェノール系ヒ
ドロキシ基のアルキル化またはアシル化および芳香族環
上のマニッヒタイプ反応を包含する。フェノール系官能
基をアルキル化するために特に有用な染料はクロロトリ
アジンおよびビニルスルホン反応性染料である。クレゾ
ール樹脂で説明される、改質ノボラック類の代表例は以
上で示されたノボラックI〜VIである。
【0039】発色団を重合体上に例えばノボラックの如
きフェノール系樹脂の改質に関する好ましい二方式を示
す以下のスキームにより説明されるような別の方法によ
りカップリングすることもでき、ここでRは発色団を表
す:
【0040】
【化17】
【0041】本発明によると、上記重合体が平版印刷版
前駆体のコーテイング中で使用される。1つの態様によ
ると、印刷版前駆体はポジ−作用性であり、すなわち露
出および現像後に親油性層の露出された領域が支持体か
ら除去されそして親水性の非像(非印刷)領域を規定
し、露出されなかった層は支持体から除去されずそして
親油性像(印刷)領域を規定する。別の態様によると、
印刷版前駆体はネガ−作用性であり、すなわち像領域は
露出された領域に相当する。
【0042】支持体は親水性表面を有するかまたは親水
性層が付与される。支持体はシート状材料、例えば板で
あってもよく、または円筒状部品、例えば印刷シリンダ
ーの周りを滑動しうるスリーブであってもよい。好まし
くは、支持体は金属支持体、例えばアルミニウムまたは
ステンレス鋼である。
【0043】特に好ましい平版支持体は電気化学的に砂
目かけされそして陽極酸化されたアルミニウム支持体で
ある。陽極酸化されたアルミニウム支持体を処理してそ
の表面の親水性質を改良することができる。例えば、ア
ルミニウム支持体をその表面を珪酸ナトリウム溶液で高
められた温度、例えば95℃において処理することによ
り珪酸塩化する(silicated)ことができる。或いは、
酸化アルミニウム表面を無機弗化物をさらに含有しても
よい燐酸塩で処理することを包含する燐酸塩処理を適用
することができる。さらに、酸化アルミニウム表面をク
エン酸またはクエン酸溶液ですすぐこともできる。この
処理は室温において行うことができ、または約30〜5
0℃のわずかに高められた温度において行うこともでき
る。別の興味ある処理は酸化アルミニウム表面を炭酸水
素塩溶液ですすぐことを包含する。さらにその他、酸化
アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニル
メチルホスホン酸、ポリビニルアルコールの燐酸エステ
ル類、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスル
ホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル類、およ
びスルホン化された脂肪族アルデヒドとの反応により製
造されるポリビニルアルコール類のアセタール類で処理
することもできる。これらの後処理の1つもしくはそれ
以上を単独でまたは組み合わせて行えることも明らかで
ある。これらの処理のさらなる詳細な記述はGB−A−
1 084 070、DE−A− 4423 140、D
E−A− 4 417 907、EP−A− 659 90
9、EP−A− 537 633、DE−A− 4 001
466、EP−A− 292801、EP−A− 29
1 760およびUS−P− 4 458 005に示され
ている。
【0044】別の態様によると、支持体は以下で「ベー
ス層」と称する親水性層が付与されている柔軟性支持体
でもありうる。柔軟性支持体は例えば紙、プラスチック
フィルム、薄いアルミニウムまたはそのラミネートであ
る。プラスチックフィルムの好ましい例はポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフ
ィルム、セルロースアセテートフィルム、ポリスチレン
フィルム、ポリカーボネートフィルムなどである。プラ
スチックフィルム支持体は不透明であってもまたは透明
であってもよい。
【0045】ベース層は、好ましくは例えばホルムアル
デヒド、グリオキサル、ポリイソシアナートまたは加水
分解されたテトラ−アルキルオルトシリケートの如き硬
化剤で架橋結合された親水性結合剤から得られる架橋結
合された親水性層である。後者が特に好ましい。親水性
ベース層の厚さは0.2〜25μmの範囲内で変動でき
そして好ましくは1〜10μmである。
【0046】ベース層内での使用のための親水性結合剤
は例えば親水性(共)重合体、例えばビニルアルコー
ル、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチ
ロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
エチルのホモ重合体および共重合体または無水マレイン
酸/ビニルメチルエーテル共重合体である。使用される
(共)重合体または(共)重合体混合物の親水度は好ま
しくは、少なくとも60重量%、好ましくは80重量%
の程度まで加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水度と同
じであるかまたはそれより高い。
【0047】硬化剤、特にテトラアルキルオルトシリケ
ート、の量は好ましくは1重量部の親水性結合剤当たり
少なくとも0.2部、より好ましくは0.5〜5重量部の
間、最も好ましくは1〜3重量部の間である。
【0048】親水性ベース層は、層の機械的強度および
多孔性を高める物質を含有してもよい。この目的のため
には、コロイド状シリカを使用できる。使用されるコロ
イド状シリカは例えば40nmまでの、例えば20nm
の平均粒子寸法を有するコロイド状シリカのいずれかの
市販の水性分散液の形態であってよい。さらに、コロイ
ド状シリカより大きい寸法の不活性粒子、例えば J. Co
lloid and InterfacceSci., Vol. 26, 1968, pages 62
to 69 に記載されているようなストゥベル(Stoeber)法
に従い製造されるシリカ、またはアルミナ粒子、または
二酸化チタンもしくは別の重金属酸化物の粒子である少
なくとも100nmの平均直径を有する粒子、を加えて
もよい。これらの粒子を導入することにより、親水性ベ
ース層の表面には背景領域中の水のための貯蔵場所とし
て機能する微小な凹凸よりなる均一な粗いきめが与えら
れる。
【0049】本発明に従う使用に適する親水性ベース層
の特別な例はEP−A− 601 240、GB−P−
1 419 512、FR−P− 2 300 354、U
S−P− 3 971 660、およびUS−P− 4 2
84 705に開示されている。
【0050】支持体層とも称する接着性改良層が付与さ
れているフィルム支持体を使用することが特に好まし
い。本発明に従う使用に特に適する接着性改良層はEP
−A−619 524、EP−A− 620 502およ
びEP−A− 619 525に開示されているように、
親水性結合剤およびコロイド状シリカを含んでなる。好
ましくは、接着性改良層内のシリカの量は200mg/
2〜750mg/m2の間である。さらに、シリカ対親
水性結合剤の比は好ましくは1より大きく、そしてコロ
イド状シリカの表面積は好ましくは少なくとも300m
2/グラム、より好ましくは少なくとも500m2/グラ
ムである。
【0051】以上で論じられた重合体の他に、前駆体の
コーテイングそしてより特に親油性層は水性アルカリ性
現像剤中に可溶性である別の結合剤を含有してもよい。
好ましい結合剤は疎水性または親油性の重合体、例えば
既知のフェノール系樹脂、ポリビニルフェノール類およ
びカルボキシ−置換された重合体である。そのような重
合体の代表例はDE−A−4007428、DE−A−
4027301およびDE−A−4445820に記載
されている。
【0052】親油性層は別の成分、例えば版の操作期間
を改良するための追加結合剤、をさらに含有してもよ
い。例えばEP−A 933 682に記載されているよ
うな現像促進剤、すなわち親油性層の溶解時間を短縮し
うるために溶解促進剤として作用する化合物、を含むこ
ともできる。水性現像可能性を改良するために、例え
ば、環式酸無水物、フェノール類または有機酸類を使用
することができる。環式酸無水物の例は、米国特許第
4,115,128号に記載されているように、無水フタ
ル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフ
タル酸、無水3,6−エンドキシ−4−テトラヒドロフ
タル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水マレイン酸、
無水クロロマレイン酸、無水アルファ−フェニルマレイ
ン酸、無水琥珀酸、および無水ピロメリット酸を包含す
る。フェノール類の例は、ビスフェノールA、p−ニト
ロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−
トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′,4′′−トリヒドロキシトリフェニルメタン、
および4,4′,3′′,4′′−テトラヒドロキシ−3,
5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどを
包含する。有機酸類の例は、特開昭60−88,942
号公報および特開平2−96,755号公報に記載され
ているように、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキ
ル硫酸類、ホスホン酸類、燐酸類、およびカルボン酸類
を包含する。これらの有機酸類の具体例は、p−トルエ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、
フェニルホスフィン酸、燐酸フェニル、燐酸ジフェニ
ル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイ
ル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフ
タル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、およびアス
コルビン酸を包含する。像形成組成物中に含有される環
式酸無水物、フェノール、または有機酸の量は好ましく
は0.05〜20重量%の範囲内である。
【0053】好ましい態様では、コーテイングは現像抑
制剤とも称する現像耐性手段、すなわちコーテイングの
印刷領域、すなわちネガ−作用性態様では露出された領
域そしてポジ−作用性態様では露出されなかった領域、
の処理中の溶解を完了するのに必要な現像剤浸漬時間を
増加させうる1種もしくはそれ以上の化合物、も含有す
る。そのような現像剤耐性手段は親油性層または材料の
別の層に加えることができる。溶解抑制剤および促進剤
の同時添加が、コーテイングの溶解性能の精密な微細調
整を可能にする。
【0054】例えばEP−A 823 327およびWO
97/39894に記載されている化合物は、例えば水
素−架橋形成による、コーテイング中の1種もしくは複
数のアルカリ−可溶性結合剤との相互作用のために溶解
抑制剤として作用する。別の化合物は親油性層内への水
性アルカリ性現像剤の浸透を遅らせるため、それらは現
像耐性を改良する。そのような化合物は、例えばEP−
A 950 518に記載されているように親油性層自体
の中に存在することができ、または例えばEP−A 8
64 420、EP−A 950 517およびWO99
/21725に記載されているように親油性層の上部に
バリア層を形成しうる。後者の態様では、現像剤中のバ
リア層の溶解度または現像剤によるバリア層の浸透度を
熱または赤外線への露出により増加(ポジ−作用性)ま
たは減少(ネガ−作用性)させることができる。
【0055】ポジ−作用性材料用の現像剤耐性手段の好
ましい例は、撥水性重合体、例えばシロキサンおよび/
またはペルフルオロアルキル単位を含んでなる重合体、
を包含する。1つの態様では、バリア層はそのような撥
水性重合体を0.5〜25mg/m2の間の、好ましくは
0.5〜15mg/m2の間のそして最も好ましくは0.
5〜10mg/m2の間の量で含有する。例えばポリシ
ロキサン類の場合のように撥水性重合体もインキ−反撥
性である場合には、25mg/m2より多い量は露出さ
れなかった領域の劣悪なインキ−受容性を生じうる。他
方では0.5mg/m2より少ない量は不満足な現像耐性
を生ずるかもしれない。ポリシロキサンは線状、環式も
しくは複合の架橋結合された重合体または共重合体であ
りうる。用語ポリシロキサン化合物は、1つより多いシ
ロキサン基−Si(R,R′)−O−を含有する化合物
を包含し、ここでRおよびR′は場合により置換されて
いてもよいアルキルまたはアリール基である。好ましい
シロキサン類はフェニルアルキルシロキサン類およびジ
アルキルシロキサン類である。(共)重合体中のシロキ
サン基の数は少なくとも2、好ましくは少なくとも1
0、より好ましくは少なくとも20である。それは10
0より小さく、好ましくは60より小さくてよい。別の
態様では、撥水性重合体はポリ(アルキレンオキシド)
のブロック−共重合体またはグラフト−共重合体並びに
シロキサンおよび/またはペルフルオロアルキル単位を
含んでなる重合体である。適する共重合体は約15〜2
5個のシロキサン単位および50〜70個のアルキレン
オキシド基を含んでなる。好ましい例は、フェニルメチ
ルシロキサンおよび/またはジメチルシロキサン並びに
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを
含んでなる共重合体、例えば全てドイツ、エッセンのテ
ゴ・ヘミイ(Tego Chemie)から市販されているテゴ・グ
ライド(Tego Glide)410、テゴ・ウエット(Tego Wet)
265、テゴ・プロテクト(Tego Protect)5001また
はシリコフェン(Silikophen)P50/Xを包含する。そ
のような共重合体は界面活性剤として作用し、それはコ
ーテイング時に、その二官能性構造のために、それ自体
をコーテイングと空気との間の界面に位置せしめる傾向
がありそしてそれにより親油性層のコーテイング溶液の
成分として適用される場合でも別個の上部層を形成す
る。同時に、そのような界面活性剤はコーテイング品質
を改良する延展剤としても作用する。或いは、撥水性重
合体を親油性層の上部にコーテイングされる第二溶液の
中に適用することもできる。この態様では、第一層内に
存在する成分を溶解させることができない第二コーテイ
ング溶液の中で溶媒を使用することが有利であるかもし
れず、材料の上部に高度に濃縮された撥水性相が得られ
る。
【0056】本発明の感熱性印刷版前駆体は直接的に、
例えば熱ヘッドを用いて、または間接的に、すなわち光
吸収性化合物により熱に転化される赤外線により、露出
することができる。該光吸収性化合物は以上で論じられ
た発色部分でありうる。或いは、コーテイングは好まし
くは、発色部分の他に、好ましくは近IR波長範囲内
(>750nm)に極大吸収を有する染料または顔料で
ある増感剤を含んでなる。発色部分は可視光線を吸収す
るが、それは好ましくは印刷版前駆体を増感させず、す
なわち現像剤中のコーテイングの溶解速度に対する実質
的な影響は可視光線への露出により誘発されない。最も
好ましくは、コーテイングは周囲昼光、すなわち可視光
線(400〜750nm)および近紫外線(300〜4
00nm)に対して通常の操作条件に相当する強度およ
び露出時間において敏感性でないため、この材料は安全
な光環境に関する条件なしに取り扱うことができる。
「敏感性でない」(“not sensitive”)は、現像剤中
のコーテイングの溶解速度の実質的な変化が周囲昼光に
対する露出により誘発されないことを意味するであろ
う。好ましい昼光安定態様では、コーテイングは日光ま
たは事務所照明に存在する近紫外線および/または可視
光線を吸収しそしてそれにより露出された領域中のコー
テイング溶解度を変化させる感光性成分、例えばジアジ
ドまたはジアゾニウム化合物、光酸類、光開始剤、増感
剤などを含んでない。
【0057】親油性層内の増感染料または顔料の濃度は
典型的には、該層に関して0.25〜10.0重量%の
間、より好ましくは0.5〜7.5重量%の間である。好
ましい赤外吸収化合物は、例えばシアニンもしくはメロ
シアニン染料の如き染料または例えばカーボンブラック
の如き顔料である。適する化合物は下記の赤外染料:
【0058】
【化18】
【0059】である。
【0060】増感染料または顔料は親油性層内に、以上
で論じられたバリア層内にまたは随意の別の層内に存在
できる。非常に好ましい態様によると、染料または顔料
はバリア層内またはその近くに、例えば親油性層とバリ
ア層との間の中間層内に、集められる。この態様による
と、該中間層は光吸収化合物を親油性層またはバリア層
内の光吸収化合物の量より多い量で含んでなる。好まし
い態様では、バリア層は本質的に撥水性重合体よりな
り、すなわち有効量の増感剤または他の成分を含まな
い。
【0061】本発明の印刷板前駆体は、例えば熱ヘッ
ド、LED類またはレーザーにより、熱または赤外線に
露出される。好ましくは、約750〜約1500nmの
範囲内の波長を有する近赤外線を発する1種もしくはそ
れ以上のレーザー、例えば半導体レーザーダイオード、
Nd:YAGまたはNd:YLFレーザーが使用され
る。必要なレーザー出力は、像記録層の感度、点直径
(1/e2の最大強度における最近のプレート−セッタ
ーの典型値:10〜25μm)により測定されるレーザ
ー線の画素滞在時間、走査速度および露出装置の解像度
(すなわち、しばしば1インチ当たりのドットであるd
piで表示される単位線状距離当たりのアドレス可能な
画素の数;典型値:1000〜4000dpi)に依存
する。
【0062】2つのタイプのレーザー−露出装置:内部
ドラム(ITD)および外部ドラム(XTD)プレート
−セッターが一般的に使用される。熱プレート用のIT
Dプレート−セッターは典型的には500m/秒までの
非常に高い走査速度により特徴づけられそして数ワット
のレーザー出力を必要とする。約200mW〜約1Wの
典型的なレーザー出力を有する熱プレート用のXTDプ
レート−セッターは例えば0.1〜10m/秒の比較的
低い走査速度で操作される。
【0063】既知のプレート−セッターを印刷機械外の
露出装置として使用することができ、それは短縮される
印刷機械停止時間の利点を与える。XTDプレート−セ
ッター配置は印刷機械上での露出用に使用することもで
き、多色印刷機械中の即座の登録の利点を与える。印刷
機械上の露出装置のさらなる技術的詳細事項は例えばU
S5,174,205およびUS5,163,368に記載
されている。
【0064】現像段階では、コーテイングの非像領域は
水性アルカリ性現像剤中への浸漬により除去され、それ
は例えば回転ブラシによる機械的こすりと組み合わせて
もよい。現像段階後に、すすぎ段階、ゴム引き段階、乾
燥段階および/またはポスト−ベーキング段階が続く。
【0065】このようにして得られる印刷版は従来型の
いわゆる湿潤オフセット印刷用に使用することができ、
そこではインキおよび湿し水が版に適用される。別の適
する印刷方法は湿し水を用いずにいわゆる単一流体イン
キを使用する。本発明の方法での使用に適する単一流体
インキはUS4,045,232、US4,981,517
およびUS6,140,392に記載されていた。最も好
ましい態様では、WO00/32705に記載されてい
るように、単一流体インキは疎水性または親油性相とも
称するインキ相およびポリオール相を含んでなる。
【0066】
【実施例】実施例1:ノボラックIの合成
【0067】
【化19】
【0068】12.7g(0.05モル)のヨウ素および
10.9gのCD3(硫酸塩)を300gのアルノボル
(Alnovol)SPN452の300mlの1−メトキシ−
2−プロパノール中溶液に加えた。17.5mlの10
N NaOH溶液を5分間にわたり加えた。反応はわず
かに発熱性である。反応混合物は直ちに青色に変わり始
める。反応を3時間にわたり室温において続けた。3時
間後に、反応混合物を2リットルの水に1時間にわたり
連続的に撹拌しながら加えた。重合体が水性媒体から沈
澱しそして濾過により単離された。重合体を300ml
の水で3回洗浄しそして乾燥した。実施例2:ノボラックIIの合成
【0069】
【化20】
【0070】12.7g(0.05モル)のヨウ素および
8g(0.025モル)のN−ブチル−N−スルホブチ
ル−p−フェニレンジアミンを300gのアルノボルS
PN452(クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂の1−
メトキシ−2−プロパノール中40重量%溶液)の30
0mlの1−メトキシ−2−プロパノール中溶液に加え
た。12.5mlの10N NaOH溶液を5分間にわた
り加えた。反応はわずかに発熱性である。反応で、混合
物は青色になる。反応を3時間にわたり室温において続
けた。3時間後に、反応混合物を2リットルの水に50
分間にわたり連続的に撹拌しながら加えた。重合体が水
性媒体から沈澱しそして濾過により単離された。重合体
を300mlの水で3回洗浄しそして乾燥した。実施例3〜4:平版印刷版前駆体の製造 下記の成分を混合することによりコーテイング溶液を製
造した:
【0071】
【表1】
【0072】上記溶液を、電気化学的に砂目かけしそし
て陽極酸化されたアルミニウム基質上に22μmの湿潤
コーテイング厚さでコーテイングした。コーテイングを
135℃で乾燥した。印刷版前駆体を次にクレオ・トレ
ンドセッター(Creo Trendsetter)3244上で125m
J/cm2のエネルギー密度を用いて像形成した。版を
0.96m/分の速度で操作中のオートリス(Autolith)
T処理器の中でアグファ(Agfa)現像剤オザゾル(Ozasol)
EP26(25℃)を用いて処理した。版をこれもアグ
ファからのオザゾルRC795でゴム引きした。処理し
た版は非像領域で染料汚れを示さなかった。版をK+E
800スキネックス・ブラック(SkinnexBlack)(BAS
Fから市販されている)をインキとしてそしてロタマチ
ック(ROTAMATIC)(ユニグラフィカ(Unigraphica)Gmb
Hから市販されている)を湿し水として用いるハイデル
ベルグ(Heidelberg)GTO52印刷機械上に設置した。
優れたコピーが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルク・バン・ダメ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 ジヨアン・ベルメールシユ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 ビム・サプ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 Fターム(参考) 2H025 AB03 AC08 AD01 AD03 CC15 DA18 DA36 FA03 FA14 2H096 AA08 BA01 BA09 BA20 CA03 EA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)親水性表面を有するかまたは親水
    性層が付与されている支持体と、(ii)その上に付与さ
    れている、アルカリ性水溶液中に可溶性であり且つ40
    0〜780nmの間の波長範囲内に光吸収極大を有する
    少なくとも1つの発色部分を含んでなる重合体を含んで
    なるコーテイングとを含んでなる感熱性平版印刷版前駆
    体であって、発色部分が下記式I〜VI: 【化1】 【化2】 [式中、lは0〜3であり、mは0〜4であり、nは0
    〜3であり、oは0〜2であり、xおよびyは独立して
    0または1であり、各R1およびR2は独立してアルキ
    ル、アリール、−G1、−L1−G1、−CN、ハロゲ
    ン、−NO2、−ORa、−CO−Rd、−CO−O−
    a、−O−CO−R d、−CO−NRde、−NR
    de、−NRd−CO−Re、−NRd−CO−O−Ra
    −NRd−CO−NRef、−SRa、−SO−Ra、−
    SO2−Ra、−SO 2−O−Ra、−SO2−NRab
    りなる群から選択されるか、或いは2個の隣接基R1
    一緒になって縮合炭素環式または複素環式環を形成し、
    各R3およびR4は独立して水素、アルキル、アリール、
    −CO−Rd、−CO−O−Rb、−CO−NRghおよ
    び−L2−G2よりなる群から選択され、R11、R12およ
    びR13は独立して水素、アルキルまたはアリールよりな
    る群から選択され、各R14は独立してアルキルまたはア
    リールから選択され、Q、Q1およびQ2は発色団であ
    り、ここでQ2は少なくとも1個の可溶化基G3を含んで
    なり、ここで、A、A1、A2、L1およびL2は2価の連
    結基であり、G1、G2およびG3は−COOH、−PO3
    2、−O−PO32、−SO3H、−O−SO3H、−
    SO2−NH2、−SO2−NH−Rc、−SO2−NH−
    CO−R cおよびそれらの塩類から選択される可溶化基
    であり、Ra、RbおよびRcはアルキルまたはアリール
    基であり、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは水素、アル
    キルまたはアリール基である]のいずれかに従う構造を
    有する感熱性平版印刷版前駆体。
  2. 【請求項2】 発色団Q、Q1およびQ2が独立してアゾ
    染料、アゾメチン染料、インドアニリン染料、アントラ
    キノン染料および銅フタロシアニン染料よりなる群から
    選択される請求項1に記載の平版印刷版前駆体。
  3. 【請求項3】 発色団Q、Q1およびQ2が独立して 【化3】 【化4】 [式中、hは0〜5であり、iおよびkは独立して0〜
    4であり、jは0〜2であり、*は発色団と重合体との
    間の結合を表し、各R9、R9′、R9′′およびR10
    独立してアルキル、アリール、−G1′、−L′1
    1′、−CN、ハロゲン、−NO2、−ORa′、−C
    O−Rd′、−CO−O−Ra′、−O−CO−Rd′、
    −CO−NRd′Re′、−NRd′Re′、−NRd′−
    CO−Re′、−NRd′−CO−O−Ra′、−NRd
    −CO−NRe′Rf′、−SRa′、−SO−Ra′、−
    SO2−Ra′、−SO2−O−Ra′、−SO2−NRa
    b′よりなる群から選択されるか、或いは2個の隣接
    基R9、R9′またはR9′′は一緒になって縮合炭素環
    式または複素環式環を形成し、各R5、R6、R7および
    8は独立して水素、アルキル、アリール、−CO−
    d′、−CO−O−Rb′、−CO−NRg′Rh′およ
    び−L2′−G2′よりなる群から選択され、ここで、L
    1′およびL2′は2価の連結基であり、G1′および
    2′は−COOH、−OH、−PO32、−O−PO3
    2、−SO 3H、−O−SO3H、−SO2−NH2、−
    SO2−NH−Rc′、−SO2−NH−CO−Rc′およ
    びそれらの塩類から選択される可溶化基であり、
    a′、Rb′およびRc′はアルキルまたはアリール基
    であり、Rd′、Re′、Rf′、Rg′およびRh′は水
    素、アルキルまたはアリール基である]よりなる群から
    選択される請求項1に記載の平版印刷版前駆体。
  4. 【請求項4】 重合体が単量体単位MおよびDを含んで
    なる共重合体であり、ここでDは発色部分でありそして
    ここでMは下記式: 【化5】 [式中、aは1または2でありそしてbは0〜3であ
    る]の1つに相当する請求項1〜3のいずれかに記載の
    平版印刷版前駆体。
  5. 【請求項5】 コーテイングが、熱または赤外線への像
    通りの露出およびその後の水性アルカリ性現像剤中への
    浸漬により、露出された領域において露出されなかった
    領域におけるより高い溶解速度で水性アルカリ性現像剤
    中に溶解する親油性層を含んでなる請求項1〜4のいず
    れかに記載の平版印刷版前駆体。
  6. 【請求項6】 重合体が親油性層内に存在する請求項5
    に記載の平版印刷版前駆体。
  7. 【請求項7】 コーテイングが、露出されなかった領域
    における水性アルカリ性現像剤に対する増加した耐性を
    与えるための手段をさらに含んでなりそしてコーテイン
    グの現像剤耐性が熱または赤外線に対する露出により減
    じられる請求項5または6に記載の平版印刷版前駆体。
  8. 【請求項8】 露出されなかった領域において増加した
    現像剤耐性を与えるための手段が親油性層上に付与され
    ているバリア層内に存在しそして現像剤中のバリア層の
    溶解性またはバリア層の現像剤による浸透性が熱または
    赤外線に対する露出により減じられる請求項7に記載の
    平版印刷版前駆体。
  9. 【請求項9】 露出されなかった領域において増加した
    現像剤耐性を付与するための手段がシロキサンおよび/
    またはペルフルオロアルキル単位を含んでなる重合体、
    並びに(i)ポリ(アルキレンオキシド)および(ii)
    シロキサンおよび/またはペルフルオロアルキル単位を
    含んでなる重合体を含んでなるブロック−またはグラフ
    ト−共重合体よりなる群から選択される撥水性重合体を
    含んでなる請求項7または8に記載の平版印刷版前駆
    体。
  10. 【請求項10】 周囲昼光に敏感でない請求項1〜9の
    いずれかに記載の平版印刷版前駆体。
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