JP2003151976A - 高誘電率絶縁膜、ゲート絶縁膜および半導体装置 - Google Patents

高誘電率絶縁膜、ゲート絶縁膜および半導体装置

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JP2003151976A
JP2003151976A JP2002088920A JP2002088920A JP2003151976A JP 2003151976 A JP2003151976 A JP 2003151976A JP 2002088920 A JP2002088920 A JP 2002088920A JP 2002088920 A JP2002088920 A JP 2002088920A JP 2003151976 A JP2003151976 A JP 2003151976A
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dielectric constant
high dielectric
constant insulating
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JP2002088920A
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Yukio Sakashita
幸雄 坂下
Hiroshi Funakubo
浩 舟窪
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーク特性、耐圧特性および表面平滑性に優
れ、比較的に高誘電率で、微細化および小型化が可能な
MOSFETのゲート絶縁膜として好ましく用いること
ができる高誘電率絶縁膜と、それを用いる半導体装置を
提供すること。 【解決手段】 半導体基板4と、半導体基板4の表面に
直接にまたは他の層を介して形成される高誘電率絶縁膜
8とを有する半導体装置である。高誘電率絶縁膜8が、
ビスマス層状化合物を主成分とし、当該ビスマス層状化
合物のc軸が前記半導体基板の表面に対して垂直に配向
しており、前記ビスマス層状化合物が、組成式:(Bi
2+(Am−1
3m+12−、またはBim−1
3m+3で表され、前記組成式中の記号mが正
数、記号AがNa、K、Pb、Ba、Sr、Caおよび
Biから選ばれる少なくとも1つの元素、記号BがF
e、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、Sb、V、
MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高誘電率絶縁膜に
係り、さらに詳しくは、リーク特性、耐圧特性および表
面平滑性に優れ、比較的に高誘電率で、たとえば半導体
装置や無機EL素子などの各種電子部品に使用可能であ
り、特に微細化および小型化が可能なMOSFETのゲ
ート絶縁膜として好ましく用いることができる高誘電率
絶縁膜と、それを用いる半導体装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの小型化および高集積化に伴い、
LSIに多数用いられているMOSFETなどの素子の
小型化も求められ、それに伴い、ゲート長(ゲート電極
の幅)の縮小化およびゲート絶縁膜の薄膜化が進んでい
る。従来のゲート絶縁膜としては、その成膜の容易性な
どから酸化シリコン膜が用いられている。
【0003】ところが、酸化シリコン膜は、その比誘電
率が約4程度に低いため、幅が狭いゲート電極に加わる
電界を、ゲート絶縁膜を介して半導体基板(一般にはシ
リコン基板)の表面のチャネル領域に印加するために
は、酸化シリコン膜の膜厚を、さらに薄くしなければな
らない。その理由は、誘電率の低い酸化シリコン膜をゲ
ート絶縁膜として用いることから、ゲート電極とチャネ
ル領域との容量カップリングを上げるためには、膜厚を
薄くせざるを得なかったためである。
【0004】ところが、薄い酸化シリコン膜をゲート絶
縁膜として用いると、トンネル電流によるリーク電流が
問題になり、酸化シリコン膜をゲート絶縁膜として用い
ることは、MOSFETなどの素子の小型化のネックに
なってきている。
【0005】そこで、最近では、高誘電率薄膜をゲート
絶縁膜として用いることが提案されている。高誘電率薄
膜は、酸化シリコン膜よりも比誘電率が大きく、容量カ
ップリングが大きいことから、酸化シリコン膜ほどに
は、薄くする必要が無く、耐リーク電流特性に優れ、M
OSFETなどの素子の小型化に寄与することが期待さ
れている。
【0006】ゲート絶縁膜として提案されている従来の
高誘電率薄膜としては、ZrO、HfO、La
などの希土類元素の酸化物などの高誘電率薄
膜がある。これらの薄膜の比誘電率は、20〜30程度
である。
【0007】しかしながら、これらの薄膜をシリコン基
板の表面に直接に形成すると、シリコン基板との界面
に、誘電率の低い酸化シリコンが形成されてしまい、ゲ
ート絶縁膜の実効的な誘電率を低下させてしまう。その
ため、必要な容量カップリング特性を得るためには、ゲ
ート絶縁膜の膜厚を薄くせざるを得ず、やはり、リーク
特性および耐電圧特性に課題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、その目的は、リーク特性、耐圧特
性および表面平滑性に優れ、比較的に高誘電率で、微細
化および小型化が可能なMOSFETのゲート絶縁膜と
して好ましく用いることができる高誘電率絶縁膜と、そ
れを用いる半導体装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者等
は、特にゲート絶縁膜の材質に関して鋭意検討した結
果、特定組成のビスマス層状化合物を用い、しかも該ビ
スマス層状化合物のc軸([001]方位)を基板面に
対して垂直に配向させて高誘電率絶縁膜を構成すること
により、すなわち基板面に対してビスマス層状化合物の
c軸配向膜(薄膜法線がc軸に平行)を形成することに
より、薄くしても、比較的高誘電率かつ低損失(tan
δが低い)を与えることができ、リーク特性に優れ、耐
圧が向上し、誘電率の温度特性に優れ、表面平滑性にも
優れる高誘電率絶縁膜、およびこれを用いたゲート絶縁
膜を提供できることを見出した。また、このような高誘
電率絶縁膜をゲート絶縁膜として用いることにより、ゲ
ート絶縁膜のリーク特性および耐圧が向上し、MOSF
ETの小型化が図れることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る高誘電率絶縁膜
は、c軸が基板面に対して垂直に配向しているビスマス
層状化合物を有する高誘電率絶縁膜であって、該ビスマ
ス層状化合物が、組成式:(Bi2+(A
m−1 3m+12−、またはBi
m−1 3m+3で表され、前記組成式中の記
号mが正数、記号AがNa、K、Pb、Ba、Sr、C
aおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素、記号
BがFe、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、S
b、V、MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元
素であることを特徴とする。
【0011】本発明に係るゲート絶縁膜は、c軸が基板
面に対して垂直に配向しているビスマス層状化合物を有
するゲート絶縁膜であって、該ビスマス層状化合物が、
組成式:(Bi2+(Am−1
3m+12−、またはBim−1
3m+3で表され、前記組成式中の記号mが正数、記号
AがNa、K、Pb、Ba、Sr、CaおよびBiから
選ばれる少なくとも1つの元素、記号BがFe、Co、
Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、Sb、V、Moおよび
Wから選ばれる少なくとも1つの元素であることを特徴
とする。
【0012】本発明に係る半導体装置は、半導体基板
と、前記半導体基板の表面に直接にまたは他の層を介し
て形成される高誘電率絶縁膜とを有する半導体装置であ
って、前記高誘電率絶縁膜が、ビスマス層状化合物を主
成分とし、当該ビスマス層状化合物のc軸が前記半導体
基板の表面に対して垂直に配向しており、前記ビスマス
層状化合物が、組成式:(Bi2+(A
m−1 3m+12−、またはBi
m−1 3m+3で表され、前記組成式中の記
号mが正数、記号AがNa、K、Pb、Ba、Sr、C
aおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素、記号
BがFe、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、S
b、V、MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元
素であることを特徴とする。
【0013】本発明では、ビスマス層状化合物のc軸が
基板面に対して垂直に100%配向していること、すな
わちビスマス層状化合物のc軸配向度が100%である
ことが特に好ましいが、必ずしもc軸配向度が100%
でなくてもよい。好ましくは、前記ビスマス層状化合物
のc軸配向度が80%以上である。
【0014】好ましくは、前記ビスマス層状化合物が、
希土類元素(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1つの元
素)を含む。
【0015】
【0016】好ましくは、前記半導体基板の表面に、前
記高誘電率絶縁膜が形成され、前記高誘電率絶縁膜の表
面に所定パターンのゲート電極が形成され、前記高誘電
率絶縁膜がゲート絶縁膜として機能する。
【0017】または、前記半導体基板の表面に、バッフ
ァ層が形成され、前記バッファ層の表面に前記高誘電率
絶縁膜が形成され、前記高誘電率絶縁膜の表面に所定パ
ターンのゲート電極が形成され、前記バッファ層および
前記高誘電率絶縁膜がゲート絶縁膜として機能してもよ
い。
【0018】あるいは、前記半導体基板の表面に、バッ
ファ層が形成され、前記バッファ層の表面に所定パター
ンのフローティングゲートが形成され、前記フローティ
ングゲートの表面に前記高誘電率絶縁膜が形成され、前
記高誘電率絶縁膜の表面にゲート電極が形成され、前記
バッファ層がゲート絶縁膜として機能し、前記高誘電率
絶縁膜が中間絶縁膜として機能しても良い。
【0019】本発明に係る高誘電率絶縁膜の製造方法
は、特に限定されないが、たとえば、立方晶、正方晶、
斜方晶、単斜晶などの[100]方位などに配向してい
る基板を用いて、組成式:(Bi2+(A
m−1 3m+1 、またはBi
m−1 3m+3で表され、前記組成式中の記
号mが正数、記号AがNa、K、Pb、Ba、Sr、C
aおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素、記号
BがFe、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、S
b、V、MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元
素であるビスマス層状化合物を主成分として有する高誘
電率絶縁膜を形成することにより、製造することができ
る。
【0020】上記組成のビスマス層状化合物がc軸配向
して構成される高誘電率絶縁膜は、その膜厚を薄くして
も、比較的に高誘電率(たとえば比誘電率が100超)
かつ低損失(tanδが0.02以下)であり、リーク
特性に優れ(たとえば電界強度50kV/cmで測定し
たリーク電流が1×10−7A/cm以下、ショー
ト率が10%以下)、耐圧が向上し(たとえば1000
kV/cm以上)、誘電率の温度特性に優れ(たとえば
温度に対する誘電率の平均変化率が、基準温度25℃
で、±500ppm/℃以内)、表面平滑性にも優れる
(たとえば表面粗さRaが2nm以下)。
【0021】また、本発明に係る高誘電率絶縁膜は、薄
くしても比較的高誘電率を保つことができ、しかも表面
平滑性が良好なので、MOSFETのゲート絶縁膜、あ
るいはEPROMやEEPROMで用いられるフローテ
ィングゲートを有するMOSFETの中間絶縁膜とし
て、好ましくは利用することができる。
【0022】さらに、本発明の高誘電率絶縁膜は、周波
数特性に優れ(たとえば特定温度下における高周波領域
1MHzでの誘電率の値と、それよりも低周波領域の1
kHzでの誘電率の値との比が、絶対値で0.9〜1.
1)、電圧特性にも優れる(たとえば特定周波数下にお
ける測定電圧0.1Vでの誘電率の値と、測定電圧5V
での誘電率の値との比が、絶対値で0.9〜1.1)。
【0023】さらにまた、本発明の高誘電率絶縁膜は、
静電容量の温度特性に優れる(温度に対する静電容量の
平均変化率が、基準温度25℃で、±500ppm/℃
以内)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1(A)および図1(B)は
本発明に係る高誘電率絶縁膜を半導体基板の表面に形成
した状態を示す要部断面図、図2(A)および図2
(B)は本発明に係る高誘電率絶縁膜を有するMOSF
ETの要部断面図、図3は本発明の実施例で用いる高誘
電率絶縁膜の試験用サンプルの要部断面図、図4は実施
例8の高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの周波数特性を
表すグラフ、図5は実施例8の高誘電率絶縁膜の試験用
サンプルの電圧特性を表すグラフである。
【0025】第1実施形態 図1(A)に示すように、本実施形態では、基板4の表
面に、高誘電率絶縁膜8が成膜される。この高誘電率絶
縁膜8は、たとえばMOSFETのゲート絶縁膜として
利用される。
【0026】基板4としては、特に限定されず、格子整
合性の良い単結晶(たとえば、SrTiO単結晶、
MgO単結晶、LaAlO単結晶、シリコン単結晶
など)、アモルファス材料(たとえば、ガラス、溶融石
英、SiO/Siなど)、その他の材料(たとえ
ば、ZrO/Si、CeO/Siなど)などで
構成される。特に、立方晶、正方晶、斜方晶、単斜晶な
どの[100]方位などに配向している基板で構成して
いることが好ましい。
【0027】ただし、本実施形態では、基板4は、シリ
コン単結晶基板などの半導体基板で構成される。基板4
の厚みは、特に限定されず、たとえば100〜1000
μm程度である。
【0028】高誘電率絶縁膜8は、組成式:(Bi
2+(Am−1 3m+12−、ま
たはBim−1 3m+3で表されるビ
スマス層状化合物を含有する。一般に、ビスマス層状化
合物は、(m−1)個のABOで構成されるペロブ
スカイト格子が連なった層状ペロブスカイト層の上下
を、一対のBiおよびOの層でサンドイッチした層状構
造を示す。本実施形態では、このようなビスマス層状化
合物の[001]方位への配向性、すなわちc軸配向性
が高められている。すなわち、ビスマス層状化合物のc
軸が、基板4に対して垂直に配向するように高誘電率絶
縁膜8が形成されている。
【0029】本発明では、ビスマス層状化合物のc軸配
向度が100%であることが特に好ましいが、必ずしも
c軸配向度が100%でなくてもよく、ビスマス層状化
合物の、好ましくは80%以上、より好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上がc軸配向していれ
ばよい。たとえば、ガラスなどのアモルファス材料で構
成される基板4を用いてビスマス層状化合物をc軸配向
させる場合には、該ビスマス層状化合物のc軸配向度
が、好ましくは80%以上であればよい。また、後述す
る各種薄膜形成法を用いてビスマス層状化合物をc軸配
向させる場合には、該ビスマス層状化合物のc軸配向度
が、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上
であればよい。
【0030】ここでいうビスマス層状化合物のc軸配向
度(F)とは、完全にランダムな配向をしている多結晶
体のc軸のX線回折強度をP0とし、実際のc軸のX線
回折強度をPとした場合、F(%)=(P−P0)/
(1−P0)×100 …(式1)により求められる。
式1でいうPは、(00l)面からの反射強度I(00
l)の合計ΣI(00l)と、各結晶面(hkl)から
の反射強度I(hkl)の合計ΣI(hkl)との比
({ΣI(00l)/ΣI(hkl)})であり、P0
についても同様である。但し、式1ではc軸方向に10
0%配向している場合のX線回折強度Pを1としてい
る。また、式1より、完全にランダムな配向をしている
場合(P=P0)には、F=0%であり、完全にc軸方
向に配向をしている場合(P=1)には、F=100%
である。
【0031】なお、ビスマス層状化合物のc軸とは、一
対の(Bi2+層同士を結ぶ方向、すなわ
ち[001]方位を意味する。このようにビスマス層状
化合物をc軸配向させることで、高誘電率絶縁膜8の誘
電特性が最大限に発揮される。すなわち、高誘電率絶縁
膜8の膜厚をたとえば100nm以下と薄くしても、比
較的高誘電率かつ低損失(tanδが低い)を与えるこ
とができ、リーク特性に優れ、耐圧が向上し、誘電率の
温度特性に優れ、表面平滑性にも優れる。tanδが減
少すれば、損失Q(1/tanδ)値は上昇する。
【0032】上記式中、記号mは正数であれば特に限定
されない。
【0033】なお、記号mが偶数であると、c面と平行
に鏡映面を持つため、該鏡映面を境として自発分極のc
軸方向成分は互いにうち消し合って、c軸方向に分極軸
を有さないこととなる。このため、常誘電性が保持され
て、誘電率の温度特性が向上するとともに、低損失(t
anδが低い)が実現される。
【0034】上記式中、記号Aは、Na、K、Pb、B
a、Sr、CaおよびBiから選ばれる少なくとも1つ
の元素で構成される。なお、記号Aを2つ以上の元素で
構成する場合において、それらの比率は任意である。
【0035】上記式中、記号Bは、Fe、Co、Cr、
Ga、Ti、Nb、Ta、Sb、V、MoおよびWから
選ばれる少なくとも1つの元素で構成される。なお、記
号Bを2つ以上の元素で構成する場合において、それら
の比率は任意である。
【0036】高誘電率絶縁膜8を構成するビスマス層状
化合物は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
bおよびLuから選ばれる少なくとも1つの元素(希土
類元素Re)をさらに有していることが好ましい。希土
類元素による置換量は、mの値により異なるが、たとえ
ばmが奇数であるm=3の場合、組成式:Bi
2−x Re12において、好ましくは0.
4≦x≦1.8、より好ましくは1.0≦x≦1.4で
ある。希土類元素をこの範囲で置換することで、高誘電
率絶縁膜8のキュリー温度(強誘電体から常誘電体への
相転移温度)を好ましくは−100℃以上100℃以
下、より好ましくは−50℃以上50℃以下に収めるこ
とが可能となる。キュリー点が−100℃〜+100℃
であると、高誘電率絶縁膜8の誘電率が上昇する。キュ
リー温度は、DSC(示差走査熱量測定)などによって
も測定することができる。なお、キュリー点が室温(2
5℃)未満になると、tanδがさらに減少し、その結
果、損失Q値がさらに上昇する。
【0037】また、たとえばmが偶数であるm=4の場
合、組成式:Bi3−x Re15
において、好ましくは0.01≦x≦2.0、より好ま
しくは0.1≦x≦1.0である。
【0038】なお、誘電体薄膜8は、希土類元素Reを
有していなくとも、後述するようにリーク特性に優れる
ものではある。しかしながら、これを有している場合に
は、リーク特性を一層優れたものとすることができる。
【0039】たとえば、希土類元素Reを有していない
高誘電率絶縁膜8では、電界強度50kV/cmで測定
したときのリーク電流を、好ましくは1×10−7A/
cm 以下、より好ましくは5×10−8A/cm
以下とすることができ、しかもショート率を、好ま
しくは10%以下、より好ましくは5%以下とすること
ができる。
【0040】これに対し、希土類元素Reを有している
高誘電率絶縁膜8では、同条件で測定したときのリーク
電流を、好ましくは5×10−8A/cm以下、よ
り好ましくは1×10−8A/cm以下とすること
ができ、しかもショート率を、好ましくは5%以下、よ
り好ましくは3%以下とすることができる。
【0041】高誘電率絶縁膜8は、ゲート絶縁膜として
用いる場合には、膜厚が200nm以下であることが好
ましく、高静電容量化の点からは、より好ましくは10
0nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。な
お、膜厚の下限は、ゲート絶縁膜としての絶縁性を考慮
すると、好ましくは10nm程度である。
【0042】本実施形態の高誘電率絶縁膜8は、たとえ
ばJIS−B0601に準拠した表面粗さ(Ra)が、
好ましくは2nm以下、より好ましくは1nm以下であ
る。
【0043】高誘電率絶縁膜8では、25℃(室温)お
よび測定周波数100kHz(AC20mV)における
誘電率が、200超であることが好ましく、より好まし
くは250以上である。
【0044】高誘電率絶縁膜8では、25℃(室温)お
よび測定周波数100kHz(AC20mV)における
tanδが、0.02以下であることが好ましく、より
好ましくは0.01以下である。また、損失Q値が、好
ましくは50以上、より好ましくは100以上である。
【0045】高誘電率絶縁膜8では、特定温度(たとえ
ば25℃)下での周波数を、たとえば1MHz程度の高
周波領域まで変化させても、誘電率の変化(特に低下)
が少ない。具体的には、たとえば、特定温度下における
高周波領域1MHzでの誘電率の値と、それよりも低周
波領域の1kHzでの誘電率の値との比を、絶対値で、
0.9〜1.1とすることができる。すなわち周波数特
性が良好である。
【0046】高誘電率絶縁膜8では、特定周波数(たと
えば10kHz、100kHz、1MHzなど)下での
測定電圧(印加電圧)を、たとえば5V程度まで変化さ
せても、誘電率の変化が少ない。具体的には、たとえば
特定周波数下における測定電圧0.1Vでの誘電率の値
と、測定電圧5Vでの誘電率の値との比を、絶対値で、
0.9〜1.1とすることができる。すなわち電圧特性
が良好である。
【0047】このような高誘電率絶縁膜8は、真空蒸着
法、高周波スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法
(PLD)、MOCVD(Metal Organic Chemical Vap
or Deposition)法、ゾルゲル法などの各種薄膜形成法
を用いて形成することができる。
【0048】本実施形態では、特定方位([100]方
位等)に配向している基板等を用いて高誘電率絶縁膜8
を形成する。
【0049】本実施形態の高誘電率絶縁膜8は、膜厚を
たとえば100nm以下と薄くしても、比較的高誘電率
で、低損失であり、しかもリーク特性に優れ、耐圧が向
上し、誘電率の温度特性に優れ、表面平滑性にも優れ
る。また、高誘電率絶縁膜8は、周波数特性や電圧特性
にも優れる。したがって、この高誘電率絶縁膜8は、ゲ
ート絶縁膜として好ましく用いることができる。
【0050】第2実施形態 図1(B)に示すように、本実施形態では、半導体基板
4の表面に、バッファ層7を形成した後に、そのバッフ
ァ層7の表面に、前記第1実施形態と同様にして、高誘
電率絶縁膜8を成膜する。本実施形態では、バッファ層
7および高誘電率絶縁膜8の積層膜が、ゲート絶縁膜と
して機能する。
【0051】バッファ層7は、たとえば酸化シリコン
(SiO)膜、窒素を含むシリコン酸化物(SiO
N)膜、ジルコニウム酸化物(ZrO)膜、イット
リウム安定化ジルコニア(YSZ)膜、セリウム酸化物
(CeO)膜HfO、Laなどの希
土類酸化物などで構成され、その厚みは、好ましくは1
〜10nm、さらに好ましくは、1〜5nm程度であ
る。バッファ層7の形成方法は、特に限定されず、熱酸
化膜形成法、あるいは、真空蒸着法、スパッタリング
法、CVD法などが例示される。
【0052】バッファ層7を成膜した後に、高誘電率絶
縁膜8を成膜することで、高誘電率絶縁膜の成膜が容易
になる。また、バッファ層7の存在により、ゲート絶縁
膜の実効的な誘電率が低下するが、高誘電率絶縁膜8の
誘電率が極めて高いために問題はない。
【0053】第3実施形態 図2(A)に示すように、本実施形態では、高誘電率絶
縁膜8をゲート絶縁膜として用い、MOSFET20を
構成している。シリコン単結晶基板などで構成される半
導体基板4の表面に、前記第1実施形態で示す高誘電率
絶縁膜8を成膜した後、ゲート電極15となる導電層を
成膜し、その導電層をエッチング加工して、ゲート電極
15とする。ゲート電極15を構成する導電層として
は、特に限定されず、ポリシリコン膜などが例示され
る。なお、ゲート電極15は、多層膜であっても良い。
【0054】ゲート電極15を半導体基板4の表面に所
定パターンで多数形成した後、P型またはN型の不純物
をイオン注入し、その後熱処理することによりソース・
ドレイン領域17が、ゲート電極15に対して自己整合
的に形成される。ゲート電極15の下方に位置する半導
体基板4の表面(高誘電率絶縁膜8の直下)が、ソース
・ドレイン領域17を結ぶチャネルとなる。
【0055】半導体基板4の表面にN型ウェル(導電型
がN型の領域)が形成してあり、その上にMOSFET
を形成する場合には、ソース・ドレイン領域17を形成
するためのイオン注入に際しては、P型の不純物が用い
られ、Pチャネル型のMOSFETが形成される。ま
た、半導体基板4の表面にP型ウェル(導電型がP型の
領域)が形成してあり、その上にMOSFETを形成す
る場合には、ソース・ドレイン領域17を形成するため
のイオン注入に際しては、N型の不純物が用いられ、N
チャネル型のMOSFETが形成される。
【0056】本実施形態のMOSFET20は、高誘電
率絶縁膜8をゲート絶縁膜として用いていることから、
ゲート絶縁膜のリーク特性および耐圧特性に優れ、MO
SFET20の微細化および小型化に寄与する。
【0057】第4実施形態 図2(B)に示す実施形態では、高誘電率絶縁膜8aを
中間絶縁膜として用い、フローティングゲート19を有
する半導体装置20aを構成している。本実施形態で
は、まず、シリコン単結晶基板などで構成される半導体
基板4の表面に、バッファ層7aを成膜する。バッファ
層7aは、ゲート絶縁膜として機能する部分であり、た
とえば図1(B)に示すバッファ層7と同様な材質で構
成される。
【0058】次に、このバッファ層7aの表面に、フロ
ーティングゲート19となる第1導電層を成膜する。第
1導電層は、たとえばポリシリコン膜などで構成され
る。この第1導電層を所定パターンでエッチング加工
し、その後、第1導電層の表面に、高誘電率絶縁膜8a
を成膜する。高誘電率絶縁膜8aは、前記第1実施形態
における高誘電率絶縁膜8と同じものである。
【0059】その後、高誘電率絶縁膜8aの表面に、ゲ
ート電極15aとなる第2導電層を成膜し、その第2導
電層をエッチング加工して、ゲート電極15aとする。
ゲート電極15aのエッチング加工に引き続き、同時
に、余分な高誘電率絶縁膜8aおよびフローティングゲ
ート19もエッチング加工される。その結果、フローテ
ィングゲート19は、ゲート電極15aの下で、その長
手方向に沿って孤立したパターンとなる。
【0060】この半導体装置20aは、たとえばEPR
OMやEEPROMなどの不揮発性メモリとして用いら
れることができる。ゲート電極15aに所定の書き込み
電圧を印加することで、ゲート絶縁膜であるバッファ層
7aを介してソース・ドレイン17からトンネル電流に
よりフローティングゲート19に電荷を蓄積し、データ
を記憶することができる。
【0061】ゲート電極15aとフローティングゲート
19とは、高誘電率絶縁膜8aを介して良好に容量カッ
プリングするので、データの書き込みおよび読み出しの
信頼性が向上する。すなわち、本発明の高誘電率絶縁膜
は、フローティングゲート19を有する半導体装置20
aの中間絶縁膜としても好適に用いることができる。
【0062】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、本発明に係る高誘電率絶縁膜
は、MOSFETのゲート絶縁膜としてのみならず、そ
の他の半導体装置の絶縁膜として好ましく用いることが
できる。さらに、本発明に係る高誘電率絶縁膜は、たと
えば無機EL素子の絶縁膜としても良好である。
【0063】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0064】実施例1 図3に示す下部電極薄膜6となるCaRuOを[1
00]方位にエピタキシャル成長させたSrTiO
単結晶基板4((100)CaRuO//(100)
SrTiO)を850℃に加熱した。次に、CaR
uO下部電極薄膜6の表面に、パルスレーザ蒸着法
にて、SrBiTiTaO12(以下、SBT
Tとも言う)焼結体(この焼結体は、組成式:Bi
m−1 3m+3において、記号m=3、記号
=Sr,Biおよび記号B=Ti
,Taとして表される)を原料に用いて、膜厚
約200nmのSBTT薄膜(高誘電率絶縁膜8)を形
成した。
【0065】このSBTT薄膜の結晶構造をX線回折
(XRD)測定したところ、[001]方位に配向して
いること、すなわちSrTiO単結晶基板表面に対
して垂直にc軸配向していることが確認できた。また、
このSBTT薄膜の表面粗さ(Ra)を、JIS−B0
601に準じて、AFM(原子間力顕微鏡、セイコーイ
ンスツルメンツ社製、SPI3800)で測定した。
【0066】次に、SBTT薄膜の表面に、0.1mm
φのPt上部電極薄膜10をスパッタリング法により形
成し、高誘電率絶縁膜の試験用サンプル2を作製した。
【0067】得られた高誘電率絶縁膜の試験用サンプル
の電気特性(誘電率、tanδ、損失Q値、リーク電
流、ショート率)および誘電率の温度特性を評価した。
誘電率(単位なし)は、試験用サンプルに対し、デジタ
ルLCRメータ(YHP社製4274A)を用いて、室
温(25℃)、測定周波数100kHz(AC20m
V)の条件で測定された静電容量と、試験用サンプルの
電極寸法および電極間距離とから算出した。tanδ
は、上記静電容量を測定した条件と同一条件で測定し、
これに伴って損失Q値を算出した。
【0068】リーク電流特性(単位はA/cm
は、電界強度50kV/cmで測定した。 ショート率
(単位は%)は、20個の上部電極について測定を行
い、そのうちショートしたもの割合を算出した。誘電率
の温度特性は、試験用サンプルに対し、上記条件で誘電
率を測定し、基準温度を25℃としたとき、−55〜+
150℃の温度範囲内での温度に対する誘電率の平均変
化率(Δε)を測定し、温度係数(ppm/℃)を算出
した。これらの結果を表1に示す。
【0069】比較例1 下部電極薄膜となるCaRuOを[110]方位に
エピタキシャル成長させたSrTiO単結晶基板
((110)CaRuO//(110)SrTiO
)を用いた以外は、実施例1と同様にして、CaR
uO下部電極薄膜の表面に膜厚約200nmのSB
TT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した。このSBTT
薄膜の結晶構造をX線回折(XRD)測定したところ、
[118]方位に配向しており、SrTiO単結晶
基板表面に対して垂直にc軸配向していないことを確認
した。そして、実施例1と同様に、SBTT薄膜の表面
粗さ(Ra)と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電
気特性および誘電率の温度特性とを評価した。結果を表
1に示す。
【0070】比較例2 下部電極薄膜となるCaRuOを[111]方位に
エピタキシャル成長させたSrTiO単結晶基板
((111)CaRuO//(111)SrTiO
)を用いた以外は、実施例1と同様にして、CaR
uO下部電極薄膜の表面に膜厚約200nmのSB
TT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した。このSBTT
薄膜の結晶構造をX線回折(XRD)測定したところ、
[104]方位に配向しており、SrTiO単結晶
基板表面に対して垂直にc軸配向していないことを確認
した。そして、実施例1と同様に、SBTT薄膜の表面
粗さ(Ra)と、薄膜高誘電率絶縁膜の試験用サンプル
の電気特性および誘電率の温度特性とを評価した。結果
を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1に示すように、実施例1で得られたビ
スマス層状化合物のc軸配向膜は、誘電率は劣るもの
の、リーク特性に優れていることが確認できた。これに
より、より一層の薄膜化が期待でき、高誘電率のゲート
絶縁膜として好ましいことが確認できた。
【0073】また、実施例1では、比較例1〜2で得ら
れた他の配向方向よりも温度特性に優れることも確認で
きた。さらに、実施例1では、比較例1〜2と比較して
表面平滑性に優れることから、ゲート絶縁膜の膜厚均一
性にも寄与することが確認できた。すなわち、実施例1
により、ビスマス層状化合物のc軸配向膜の有効性が確
認できた。
【0074】実施例2 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約35nmの
SBTT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実
施例1と同様にして、SBTT薄膜の表面粗さ(Ra)
と、高誘電率絶縁膜の電気特性(誘電率、tanδ、損
失Q値、リーク電流、耐圧)および誘電率の温度特性と
を評価した。結果を表2に示す。なお、耐圧(単位はk
V/cm)は、リーク特性測定において、電圧を上昇さ
せることにより測定した。
【0075】実施例3 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約50nmの
SBTT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実
施例1と同様にして、SBTT薄膜の表面粗さ(Ra)
と、高誘電率絶縁膜の電気特性および誘電率の温度特性
とを評価した。結果を表2に示す。
【0076】実施例4 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約100nm
のSBTT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、
実施例1と同様にして、SBTT薄膜の表面粗さ(R
a)と、高誘電率絶縁膜の電気特性および誘電率の温度
特性とを評価した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2に示すように、c軸配向膜にて膜厚を
小さくした場合、リーク特性は若干悪くなるものの、表
面粗さや誘電率は変化しないことが確認できた。
【0079】なお、文献1(Y.Sakashita,
H.Segawa,K.Tominaga and
M.Okada,J.Appl.Phys.73,78
57(1993))では、c軸配向したPZT(Zr/
Ti=1)薄膜の膜厚と、誘電率との関係が示されてい
る。ここでは、PZT薄膜の膜厚が500nm、200
nm、80nmと薄層化されるに従って、誘電率(@1
kHz)が300、250、100と減少する結果が示
されている。文献2(Y.Takeshima,K.T
anaka and Y.Sakabe,Jpn.J.
Appl.Phys.39,5389(2000))で
は、a軸配向したBST(Ba:Sr=0.6:0.
4)薄膜の膜厚と、誘電率との関係が示されている。こ
こでは、BST薄膜の膜厚が150nm、100nm、
50nmと薄層化されるに従って、誘電率が1200、
850、600と減少する結果が示されている。文献3
(H.J.Cho and H.J.Kim,App
l.Phys.Lett.72,786(1998))
では、a軸配向したBST(Ba:Sr=0.35:
0.65)薄膜の膜厚と、誘電率との関係が示されてい
る。ここでは、BST薄膜の膜厚が80nm、55n
m、35nmと薄層化されるに従って、誘電率(@10
kHz)が330、220、180と減少する結果が示
されている。
【0080】また、実施例2における膜厚35nmにお
いても、耐圧は1000kV/cm以上得られることも
確認できた。したがって、本発明の高誘電率絶縁膜は、
ゲート絶縁膜として好適であるといえる。さらに、本発
明の高誘電率絶縁膜は、表面平滑性に優れることから、
この点からも、ゲート絶縁膜として好適な薄膜材料であ
るといえる。
【0081】実施例5 パルスレーザ蒸着法による原料として、SrBi
4−x Ti3−x Ta12(SBTT)焼結
体(この焼結体は、組成式:Bim−1
3m+3において、記号m=3、記号A=S
,Bi2−xおよび記号B=Ti3−x
Taとして表される。ここで、x=0.4、0.
6、0.8、1.0、1.2と変化させた)を用い、膜
厚約50nmのSBTT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成
した以外は、実施例1と同様にして、SBTT薄膜のキ
ュリー点と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電気特
性(誘電率、tanδ、損失Q値)とを評価した。結果
を表3に示す。なお、高誘電率絶縁膜のキュリー点(単
位は℃)は、誘電率の温度変化により求めた。
【0082】
【表3】
【0083】表3に示すように、SBTTのc軸配向膜
にて組成xを大きくした場合、キュリー点が低下すると
ともに、室温(25℃)での誘電率が上昇する。組成x
が約1でキュリー点が室温付近となり、室温での誘電率
は最大となる。したがって、組成xが約1以上では、室
温で常誘電相となるので、損失Q値は向上する。すなわ
ち、高容量が必要なニーズには組成範囲1.0<x<
1.2が適していることが確認できた。
【0084】実施例6 パルスレーザ蒸着法による原料として、希土類元素とし
てのLaが添加されたLaBi4−x Ti
12(LBT)焼結体(この焼結体は、組成式:Bi
m−1 3m+3において、記号m=
3、記号A=Bi2−x ,Laおよび記号B
=Tiとして表される。ここで、x=0、0.
4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4と変化さ
せた)を用い、膜厚約50nmのLBT薄膜(高誘電率
絶縁膜)を形成した以外は、実施例1と同様にして、L
BT薄膜のキュリー点と、高誘電率絶縁膜の電気特性
(誘電率、tanδ、損失Q値)とを評価した。結果を
表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】表4に示すように、LBTのc軸配向膜に
て組成xを大きくした場合、キュリー点が低下するとと
もに、室温(25℃)での誘電率が上昇する。組成xが
約1.2でキュリー点が室温付近となり、室温での誘電
率は最大となる。したがって、組成xが約1.2以上で
は、室温で常誘電相となるので、損失Q値は向上する。
すなわち、高容量が必要なニーズには組成範囲1.0<
x<1.4が適していることが確認できた。
【0087】実施例7 実施例6と同様にして高誘電率絶縁膜の試験用サンプル
を作製し、該高誘電率絶縁膜の電気特性(リーク電流、
ショート率)を評価した。結果を表5に示す。
【0088】
【表5】
【0089】表5に示すように、LBTのc軸配向膜に
て組成xを大きくすると、リーク電流が小さくなり、シ
ョート率が低下する。すなわちリーク特性を向上させる
ためには組成範囲0.4<x<1.4が適していること
が確認できた。
【0090】実施例8 本実施例では、実施例1で作製された高誘電率絶縁膜の
試験用サンプルを用いて、周波数特性および電圧特性を
評価した。
【0091】周波数特性は、以下のようにして評価し
た。高誘電率絶縁膜の試験用サンプルについて、室温
(25℃)にて周波数を1kHzから1MHzまで変化
させ、静電容量を測定し、誘電率を計算した結果を図4
に示した。静電容量の測定にはLCRメータを用いた。
図4に示すように、特定温度下での周波数を1MHzま
で変化させても、誘電率の値が変化しないことが確認で
きた。すなわち周波数特性に優れていることが確認され
た。
【0092】電圧特性は、以下のようにして評価した。
高誘電率絶縁膜の試験用サンプルについて、特定の周波
数(100kHz)下での測定電圧(印加電圧)を0.
1V(電界強度5kV/cm)から5V(電界強度25
0kV/cm)まで変化させ、特定電圧下での静電容量
を測定(測定温度は25℃)し、誘電率を計算した結果
を図5に示した。静電容量の測定にはLCRメータを用
いた。図5に示すように、特定周波数下での測定電圧を
5Vまで変化させても、誘電率の値が変化しないことが
確認できた。すなわち電圧特性に優れていることが確認
された。
【0093】実施例11 下部電極薄膜となるCaRuOを[100]方位に
エピタキシャル成長させたSrTiO単結晶基板
((100)CaRuO//(100)SrTiO
)を800℃に加熱した。次に、CaRuO
部電極薄膜の表面に、パルスレーザ蒸着法にて、Na
0.5 Bi4.5 Ti15(以下、NBTと
も言う)焼結体(この焼結体は、組成式:Bi
m−1 3m+3において、記号m=4、記号
=Na0.5 ,Bi2.5 および記号B
=Tiとして表される)を原料に用いて、膜厚約2
00nmのNBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した。
【0094】このNBT薄膜の結晶構造をX線回折(X
RD)測定したところ、[001]方位に配向している
こと、すなわちSrTiO単結晶基板表面に対して
垂直にc軸配向していることが確認できた。また、この
NBT薄膜の表面粗さ(Ra)を、実施例1と同様にし
て測定した。
【0095】また、このNBT薄膜から成る高誘電率絶
縁膜について、実施例1と同様にして、電気特性(誘電
率、tanδ、損失Q値、リーク電流、ショート率)お
よび誘電率の温度特性を評価した。これらの結果を表6
に示す。
【0096】比較例11 下部電極薄膜となるCaRuOを[110]方位に
エピタキシャル成長させたSrTiO単結晶基板
((110)CaRuO//(110)SrTiO
)を用いた以外は、実施例11と同様にして、Ca
RuO下部電極薄膜の表面に膜厚約200nmのN
BT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した。このNBT薄
膜の結晶構造をX線回折(XRD)測定したところ、
[118]方位に配向しており、SrTiO単結晶
基板表面に対して垂直にc軸配向していないことを確認
した。そして、実施例11と同様に、NBT薄膜の表面
粗さ(Ra)と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電
気特性および誘電率の温度特性とを評価した。結果を表
6に示す。
【0097】比較例12 下部電極薄膜となるCaRuOを[111]方位に
エピタキシャル成長させたSrTiO単結晶基板
((111)CaRuO//(111)SrTiO
)を用いた以外は、実施例1と同様にして、CaR
uO下部電極薄膜の表面に膜厚約200nmのNB
T薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した。このNBT薄膜
の結晶構造をX線回折(XRD)測定したところ、[1
04]方位に配向しており、SrTiO単結晶基板
表面に対して垂直にc軸配向していないことを確認し
た。そして、実施例11と同様に、NBT薄膜の表面粗
さ(Ra)と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電気
特性および誘電率の温度特性とを評価した。結果を表6
に示す。
【0098】
【表6】
【0099】表6に示すように、実施例11で得られた
ビスマス層状化合物のc軸配向膜は、誘電率は劣るもの
の、リーク特性に優れていることが確認できた。これに
より、より一層の薄膜化が期待でき、ひいてはゲート絶
縁膜として好適に用いることができることが確認され
た。
【0100】また、実施例11では、温度係数が+30
ppm/℃と非常に小さいのに、誘電率が150と比較
的大きく、比較例11〜12で得られた他の配向方向の
膜よりも、温度特性に優れていることも確認できた。さ
らに、実施例11では、比較例11〜12と比較して表
面平滑性に優れることから、ゲート絶縁膜として好適な
薄膜であることも確認できた。すなわち、実施例11に
より、ビスマス層状化合物のc軸配向膜の有効性が確認
できた。
【0101】実施例12 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約35nmの
NBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実施
例11と同様にして、NBT薄膜の表面粗さ(Ra)
と、高誘電率絶縁膜の電気特性(誘電率、tanδ、損
失Q値、リーク電流、耐圧)および誘電率の温度特性と
を評価した。結果を表7に示す。なお、耐圧(単位はk
V/cm)は、リーク特性測定において、電圧を上昇さ
せることにより測定した。
【0102】実施例13 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約50nmの
NBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実施
例11と同様にして、NBT薄膜の表面粗さ(Ra)
と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電気特性および
誘電率の温度特性とを評価した。結果を表7に示す。
【0103】実施例14 CaRuO下部電極薄膜の表面に膜厚約100nm
のNBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実
施例11と同様にして、NBT薄膜の表面粗さ(Ra)
と、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電気特性および
誘電率の温度特性とを評価した。結果を表7に示す。
【0104】
【表7】
【0105】表7に示すように、c軸配向膜にて膜厚を
小さくした場合、リーク特性は若干悪くなるものの、表
面粗さや誘電率は変化しないことが確認できた。
【0106】また、実施例12における膜厚35nmに
おいても、耐圧は1000kV/cm以上得られること
も確認できた。したがって、本発明の高誘電率絶縁膜
は、ゲート絶縁膜として好適であるといえる。さらに、
実施例12〜14では、温度係数が+30ppm/℃と
非常に小さいのに、誘電率が150と比較的大きく、温
度特性にも優れた基本特性を有していることも確認でき
た。さらにまた、表面平滑性に優れることから、ゲート
絶縁膜として好適な薄膜であるといえる。
【0107】実施例15 パルスレーザ蒸着法による原料として、希土類元素とし
てのLaが添加されたNa0.5 LaBi
2.5−x Ti15(NLBT)焼結体(この
焼結体は、組成式:Bim−1
3m+3において、記号m=4、記号A=Na
0.5 Bi2.5−x ,Laおよび記号B
=Tiとして表される。ここで、x=0、0.2、
0.4と変化させた)を用い、膜厚約50nmのNLB
T薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外は、実施例1
1と同様にして、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルの電
気特性(リーク電流、ショート率)を評価した。結果を
表8に示す。
【0108】
【表8】
【0109】表8に示すように、LBTのc軸配向膜に
て組成xを大きくすると、リーク電流が小さくなり、シ
ョート率が低下することが分かった。
【0110】実施例21 単結晶シリコン(100)基板を、600°Cに加熱し
ながら、基板の表面に、パルスレーザ蒸着法にて、Bi
Ti12(以下、BiTとも言う)焼結体
(この焼結体は、組成式:Bim−1
3m+3において、記号m=3、記号A=Bi
および記号B=Tiとして表される)を原料に
用いて、膜厚約50nmのBiT薄膜(高誘電率絶縁
膜)を形成した。
【0111】このBiT薄膜の結晶構造を、実施例1と
同様にしてX線回折(XRD)測定したところ、[00
1]方位に配向していること、すなわち単結晶シリコン
基板表面に対して垂直にc軸配向していることが確認で
きた。
【0112】次に、このBiT薄膜の表面に、0.1m
mφのPt上部電極薄膜をスパッタリング法により形成
し、高誘電率絶縁膜の試験用サンプルを作製した。
【0113】得られた高誘電率絶縁膜の電気特性(誘電
率、リーク電流)を、実施例1と同様にして評価した。
得られた高誘電率絶縁膜の誘電率は、室温および測定周
波数100kHz(AC20mV)の条件で、100で
あり、リーク電流は、電界強度1V/cmの条件で、1
×10−7A/cmであった。
【0114】実施例22 パルスレーザ蒸着法による原料として、希土類元素とし
てのLaが添加されたLaBi4−x Ti
12(LBT)焼結体(この焼結体は、組成式:Bi
m−1 3m+3において、記号m=
3、記号A=Bi2−x ,Laおよび記号B
=Tiとして表される。ここで、x=0、0.
2、0.4、0.6と変化させた)を用い、膜厚約50
nmのLBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外
は、実施例22と同様にして、高誘電率絶縁膜の誘電率
およびリーク電流を求めた。結果を表9に示す。
【0115】
【表9】
【0116】表9に示すように、LBT薄膜(高誘電率
絶縁膜)に対して、希土類の含有割合が増大するほど、
誘電率が増大し、リーク電流が減少することが確認でき
た。すなわち、本発明の高誘電率絶縁膜は、ゲート絶縁
膜として適していることが確認できた。
【0117】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、リーク特性、耐圧特性および表面平滑性に優れ、比
較的に高誘電率で、微細化および小型化が可能なMOS
FETのゲート絶縁膜として好ましく用いることができ
る高誘電率絶縁膜と、それを用いる半導体装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)および図1(B)は本発明に係る
高誘電率絶縁膜を半導体基板の表面に形成した状態を示
す要部断面図である。
【図2】 図2(A)および図2(B)は本発明に係る
高誘電率絶縁膜を有するMOSFETの要部断面図であ
る。
【図3】 図3は本発明の実施例で用いる高誘電率絶縁
膜の試験用サンプルの要部断面図である。
【図4】 図4は実施例8の高誘電率絶縁膜の試験用サ
ンプルの周波数特性を表すグラフである。
【図5】 図5は実施例8の高誘電率絶縁膜の試験用サ
ンプルの電圧特性を表すグラフである。
【符号の説明】
2… 試験用サンプル 4… 基板 6… 下部電極薄膜 7,7a… バッファ層 8、8a… 高誘電率絶縁膜 10… 上部電極薄膜 15,15a… ゲート電極 17… ソース・ドレイン領域 19… フローティングゲート 20… MOSFET 20a… 半導体装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月28日(2002.3.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正内容】
【0114】実施例22 パルスレーザ蒸着法による原料として、希土類元素とし
てのLaが添加されたLaBi4−x Ti
12(LBT)焼結体(この焼結体は、組成式:Bi
m−1 3m+3において、記号m=
3、記号A=Bi2−x ,Laおよび記号B
=Tiとして表される。ここで、x=0、0.
2、0.4、0.6と変化させた)を用い、膜厚約50
nmのLBT薄膜(高誘電率絶縁膜)を形成した以外
は、実施例21と同様にして、高誘電率絶縁膜の誘電率
およびリーク電流を求めた。結果を表9に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/04 H01L 29/78 301G 5F101 27/115 29/62 G 5F140 29/43 27/04 C 29/78 29/788 29/792 Fターム(参考) 4K029 AA06 BA50 BC00 BC05 BD01 CA01 DB20 4M104 AA01 BB06 CC05 DD37 EE03 EE14 GG09 GG10 GG14 GG16 5F038 AC05 AC15 EZ11 EZ20 5F058 BA01 BA09 BC03 BF06 BF12 BF17 BF46 BJ04 5F083 EP02 EP23 EP56 EP57 GA06 HA08 JA02 JA05 JA12 JA17 JA38 JA45 PR25 5F101 BA01 BA26 BA36 BB05 BH01 BH12 5F140 AA19 AA24 AC36 BA01 BA12 BA20 BD01 BD04 BD05 BD07 BD09 BD11 BD13 BE09 BE10 BF01 BF04 CB08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 c軸が基板面に対して垂直に配向してい
    るビスマス層状化合物を有する高誘電率絶縁膜であっ
    て、 該ビスマス層状化合物が、組成式:(Bi
    2+(Am−1 3m+12−、またはBi
    m−1 3m+3で表され、前記組成式
    中の記号mが正数、記号AがNa、K、Pb、Ba、S
    r、CaおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元
    素、記号BがFe、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、T
    a、Sb、V、MoおよびWから選ばれる少なくとも1
    つの元素であることを特徴とする高誘電率絶縁膜。
  2. 【請求項2】 前記ビスマス層状化合物のc軸配向度が
    80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の高
    誘電率絶縁膜。
  3. 【請求項3】 前記ビスマス層状化合物が、希土類元素
    (Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
    u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
    Luから選ばれる少なくとも1つの元素)を含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載の高誘電率絶縁膜。
  4. 【請求項4】 c軸が基板面に対して垂直に配向してい
    るビスマス層状化合物を有するゲート絶縁膜であって、 該ビスマス層状化合物が、組成式:(Bi
    2+(Am−1 3m+12−、またはBi
    m−1 3m+3で表され、前記組成式
    中の記号mが正数、記号AがNa、K、Pb、Ba、S
    r、CaおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元
    素、記号BがFe、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、T
    a、Sb、V、MoおよびWから選ばれる少なくとも1
    つの元素であることを特徴とするゲート絶縁膜。
  5. 【請求項5】 前記ビスマス層状化合物のc軸配向度が
    80%以上であることを特徴とする請求項4に記載のゲ
    ート絶縁膜。
  6. 【請求項6】 前記ビスマス層状化合物が、希土類元素
    (Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
    u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
    Luから選ばれる少なくとも1つの元素)を含むことを
    特徴とする請求項4または5に記載のゲート絶縁膜。
  7. 【請求項7】 半導体基板と、 前記半導体基板の表面に直接にまたは他の層を介して形
    成される高誘電率絶縁膜とを有する半導体装置であっ
    て、 前記高誘電率絶縁膜が、ビスマス層状化合物を主成分と
    し、当該ビスマス層状化合物のc軸が前記半導体基板の
    表面に対して垂直に配向しており、 前記ビスマス層状化合物が、組成式:(Bi
    2+(Am−1
    3m+12−、またはBim−1
    3m+3で表され、前記組成式中の記号mが正
    数、記号AがNa、K、Pb、Ba、Sr、Caおよび
    Biから選ばれる少なくとも1つの元素、記号BがF
    e、Co、Cr、Ga、Ti、Nb、Ta、Sb、V、
    MoおよびWから選ばれる少なくとも1つの元素である
    ことを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記ビスマス層状化合物のc軸配向度が
    80%以上であることを特徴とする請求項7に記載の半
    導体装置。
  9. 【請求項9】 前記ビスマス層状化合物が、希土類元素
    (Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
    u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
    Luから選ばれる少なくとも1つの元素)を含むことを
    特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記半導体基板の表面に、前記高誘電
    率絶縁膜が形成され、前記高誘電率絶縁膜の表面に所定
    パターンのゲート電極が形成され、前記高誘電率絶縁膜
    がゲート絶縁膜として機能することを特徴とする請求項
    7〜9のいずれかに記載のMOSFET型半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記半導体基板の表面に、バッファ層
    が形成され、前記バッファ層の表面に前記高誘電率絶縁
    膜が形成され、前記高誘電率絶縁膜の表面に所定パター
    ンのゲート電極が形成され、前記バッファ層および前記
    高誘電率絶縁膜がゲート絶縁膜として機能することを特
    徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のMOSFET
    型半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記半導体基板の表面に、バッファ層
    が形成され、前記バッファ層の表面に所定パターンのフ
    ローティングゲートが形成され、前記フローティングゲ
    ートの表面に前記高誘電率絶縁膜が形成され、前記高誘
    電率絶縁膜の表面にゲート電極が形成され、前記バッフ
    ァ層がゲート絶縁膜として機能し、前記高誘電率絶縁膜
    が中間絶縁膜として機能する請求項7〜9に記載のフロ
    ーティングゲートを有する半導体装置。
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KR20230099465A (ko) * 2021-12-27 2023-07-04 창원대학교 산학협력단 고온 유전 특성이 안정한 무연 유전체 세라믹스 조성물 및 그의 제조방법

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