JP2003147467A - 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法

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JP2003147467A
JP2003147467A JP2001345841A JP2001345841A JP2003147467A JP 2003147467 A JP2003147467 A JP 2003147467A JP 2001345841 A JP2001345841 A JP 2001345841A JP 2001345841 A JP2001345841 A JP 2001345841A JP 2003147467 A JP2003147467 A JP 2003147467A
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brazing
brazing sheet
aluminum alloy
heat exchanger
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English (en)
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Nobuyuki Kakimoto
信行 柿本
Shinji Takeno
親二 竹野
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネータ式エバポレータの冷媒通路に適し
たブレージングシートとして、低加工度の部位でもろう
付け加熱時のエロージョンが生じにくく、ろう付け性が
良好でかつ成形性も優れたものを提供する。 【解決手段】 Al−Mn系合金を芯材とし、その片面
もしくは両面にAl−Si系合金もしくはAl−Si−
Mg系合金からなるろう材を皮材としてクラッドしてな
る熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートにお
いて、芯材におけるろう材に接する側の表面層部分が、
ろう材合金成分が拡散した拡散層とされて、その拡散層
部分がH22ないしH24相当の調質度とされるととも
に、芯材における厚み方向中央部分がO材相当の調質度
とされ、かつろう材がO材相当の調質度とされているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はアルミニウム合金
製熱交換器に使用されるアルミニウム合金ブレージング
シートに関するものであり、より詳しくは、ドローンカ
ップ型熱交換器のコアプレート、特にラミネート式エバ
ポレータにおける冷媒通路形成用の成形板に適したブレ
ージングシートおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミニウム合金製熱交換器、例
えば自動車のラジエータ、オイルクーラー、インターク
ーラー、ヒーター、あるいはエアコン用のエバポレー
タ、コンデンサー等には、ろう付け構造体が用いられて
おり、このようなろう付け構造体を製造するにあたって
は、アルミニウム合金芯材の片面もしくは両面にアルミ
ニウム合金ろう材からなる皮材をクラッドしてなるブレ
ージングシートが多用されている。特にカーエアコン用
ラミネート式エバポレータを製造する場合、一般に3層
構造のブレージングシート、すなわち芯材の両面にろう
材をクラッドしてなるブレージングシート、あるいは芯
材の両面のうちの一方の面(片面)に皮材としてのろう
材をクラッドしかつ他方の面に犠牲陽極材をクラッドし
てなるブレージングシートからなる成形板同士を重ね合
わせた状態で、成形板同士の間に冷媒通路が形成される
ようにさらに成形し、その冷媒通路が形成された成形板
とフィン材とを交互に重ね合わせ、真空炉内でろう付け
加熱を行なってエバポレータ用のろう付け構造体を得る
のが通常である。
【0003】上述のようなラミネート式エバポレータに
使用される冷媒通路形成用のブレージングシートについ
ては、ろう付け性が良好であることが要求されることは
もちろん、冷媒通路形成のための成形を容易かつ確実に
行ない得るように、良好な成形性が要求される。そこで
このような用途においては、一般に成形性を重視して、
焼なまし材、すなわち調質度がO材相当である材料を用
いている。
【0004】なお一般にこの種の用途のブレージングシ
ートの素材としては、皮材についてはAl−Si系もし
くはAl−Si−Mg系合金からなるろう材を用い、芯
材についてはAl−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合
金、Al−Mn−Cu系合金、Al−Mn−Mg−Cu
系合金等のAl−Mn系を主体とする合金を用いること
が通常であり、またその製造にあたっては、皮材と芯材
とを重ね合わせて、熱間クラッド圧延により圧着して合
わせ板とし、その後冷間圧延を施して所定の板厚とし、
さらに最終焼鈍を施してO材に仕上げるのが通常であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにラミネー
ト式エバポレータの冷媒通路形成用のブレージングシー
トとしては、冷媒通路形成のための成形性を重視してO
材が用いられているが、実際の冷媒通路形成のための成
形加工においては、部位によっては全く加工されない部
分、すなわち加工度0%の部分や、10%程度以下の極
めて低い加工度しか与えられない部位もある。このよう
に低加工の部位では、ろう付けのための昇温過程で芯材
がほとんど再結晶せず、そのため溶融ろうが芯材へ侵み
込む現象、すなわちいわゆるエロージョンが生じる可能
性が高い。このようなエロージョンが発生すれば、継手
部に集積されるべきろうが不足してろう付け性の低下を
招くとともに、エロージョン発生部位の耐食性が低下す
る等の問題を招く。
【0006】一方、芯材のエロージョンを防止するため
には、ブレージングシートの調質度をO材相当ではなく
例えばH22ないしH24相当程度として、成形前にあ
る程度の歪が残存した状態としておくことが考えられ、
このようにすれば成形時の加工度が低い部位でもろう付
け加熱時の再結晶が促進されてエロージョンの発生を防
止することが可能となると考えられる。しかしながらこ
の場合は、成形性が著しく低下してしまうため、成形時
に割れが発生したり、成形が困難となったりする問題が
あり、そのためこのような手法を実際にラミネート式エ
バポレータに適用することは不適当とされている。
【0007】一方、芯材とろう材との間に中間層を設け
てろう付け性と成形性とをともに向上させた4層構造あ
るいはそれ以上の多層構造のブレージングシートが提案
されている。しかしながらこのような4層以上の多層構
造のブレージングシートでは、クラッドに問題が生じや
すく、クラッド圧延時に圧着不良が生じたり、クラッド
率が予め定めた範囲内に収まりにくいなど、製造上の問
題がある。
【0008】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、前述のような問題を招くことなく、良好なろ
う付け性と優れた成形性とを兼ね備えていて、ラミネー
ト式エバポレータに適したブレージングシートを提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の課題
を解決するための方策を見出すべく種々検討を重ねた結
果、ブレージングシートにおけるろう材に接する側の芯
材表面層部分に、皮材(ろう材)の合金成分、特にSi
を積極的に拡散させておけば、その拡散層(表面層)で
は、芯材の板厚方向中央部分すなわち皮材(ろう材)の
合金成分が拡散していない層と比べて再結晶温度が高く
なって、再結晶が遅れる現象が生じ、この現象を積極的
に利用することによって、前述の問題を解決し得ること
を見出した。すなわち、ろう材成分、特にSiを皮材表
面層に積極的に拡散させておき、さらに芯材の厚み方向
の各部位の再結晶温度に応じて適切な製造条件を設定す
ることにより、芯材の調質度をその厚み方向に異ならし
めることができ、これによって芯材における板厚方向中
央部の調質度をO材相当とする一方、芯材における皮材
に接する側の表面層(拡散層)の調質度をH22ないし
H24相当とすることによって、ろう付け性を損なった
り耐食性を低下させたりすることなく、成形性を向上さ
せ得ることを見出し、この発明をなすに至ったのであ
る。
【0010】具体的には、請求項1の発明の熱交換器用
アルミニウム合金ブレージングシートは、Al−Mn系
合金を芯材とし、その片面もしくは両面にAl−Si系
合金もしくはAl−Si−Mg系合金からなるろう材を
皮材としてクラッドしてなる熱交換器用アルミニウム合
金ブレージングシートにおいて、芯材におけるろう材に
接する側の表面層部分が、ろう材合金成分が拡散した拡
散層とされて、その拡散層部分がH22ないしH24相
当の調質度とされるとともに、芯材における厚み方向中
央部分がO材相当の調質度とされ、かつろう材がO材相
当の調質度とされていることを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1に記載の
アルミニウム合金ブレージングシートにおいて、前記芯
材の合金として、Al−Mn系合金にさらにCu、M
g、Tiのうちの1種以上を添加したものが用いられて
いることを特徴とするものである。
【0012】さらに請求項3の発明は、請求項1に記載
のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、芯材
におけるろう材に接する側の表面から板厚の5〜20%
の位置までの層がH22ないしH24相当の調質度とさ
れていることを特徴とするものである。
【0013】そしてまた請求項4の発明は、請求項1に
記載のアルミニウム合金ブレージングシートにおいて、
芯材におけるろう材に接する側の表面から板厚の5〜2
0%の位置までの層が未再結晶組織とされ、芯材におけ
る残りの部分が完全再結晶組織とされていることを特徴
とするものである。
【0014】一方請求項5の発明の熱交換器用アルミニ
ウム合金ブレージングシートの製造方法は、請求項1に
記載のアルミニウム合金ブレージングシートを製造する
にあたり、芯材に均質化処理を施した後、芯材と皮材と
を重ね合わせて熱間圧延を施すことにより芯材と皮材と
を圧着し、その後一次冷間圧延を行なってからもしくは
熱間圧延後直ちに中間焼鈍を行なうにあたり、250℃
以上でかつ芯材の再結晶温度より低い温度域で1〜10
時間加熱保持して皮材成分を芯材における皮材に接する
側の表面層に拡散させ、さらに圧下率30〜90%の範
囲内で最終冷間圧延を行ない、その後に芯材における板
厚方向中央部の再結晶温度以上でかつ芯材における皮材
合金成分拡散層の再結晶温度よりも低い温度域で1〜5
時間保持する最終焼鈍を行なうことを特徴とするもので
ある。
【0015】また請求項6の発明は、請求項5に記載の
アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法におい
て、最終冷間圧延の後、最終焼鈍直前に、250℃以上
でかつ芯材の板厚方向中央部の再結晶温度よりも低い温
度域で1〜10時間保持する予備加熱を行なうことを特
徴とするものである。
【0016】さらに請求7の発明は、請求項5もしくは
請求項6に記載のアルミニウム合金ブレージングシート
の製造方法において、最終焼鈍後の芯材の組織が、皮材
に接する側の表面から板厚の5〜20%の位置までの層
では未再結晶組織、残りの部分では完全再結晶組織とな
るように最終焼鈍を施すことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1にこの発明によるブレージン
グシートの代表的な例を模式的に示す。
【0018】図1において、アルミニウム合金芯材1の
両面にはそれぞれアルミニウム合金ろう材からなる皮材
3,5が熱間圧着によりクラッド接合されて、全体とし
て3層クラッド構造となっている。ここで、芯材1にお
ける皮材3,5に接する側の表面層1A,1Bは、主と
して後述するような中間焼鈍時における皮材3,5から
のろう材合金成分(主としてSi)の拡散が生じた拡散
層となっており、一方芯材1における板厚方向中央部分
1Cは、ろう材合金成分の拡散が実質的にない層となっ
ている。そして特にこの発明のブレージングシートの場
合、芯材1の厚み方向中央部分1C(拡散が実質的にな
い層)は、完全焼なまし状態、すなわちO材相当の調質
度の完全再結晶組織とされる一方、拡散層(表面層)1
A,1BはH22ないしH24相当の調質度の未再結晶
組織とされている。なおろう材からなる皮材はO材相当
の調質度とされている。
【0019】このように、従来のラミネート式エバポレ
ータ用ブレージングシートの如くブレージングシートの
全体をO材相当の完全再結晶組織とせず、芯材の板厚方
向中央部分と皮材を除き、芯材における皮材に接する側
の層をH22ないしH24相当の調質度として、歪が残
った状態の未再結晶組織としておくことにより、冷媒通
路形成のための成形加工を行なうにあたって加工度が低
かった部分でも、芯材の表面層にある程度の歪が存在す
るため、その後のろう付けのための加熱過程において、
加工度の低い部分でも芯材の表面層に充分に再結晶を生
起させ、皮材からの溶融ろうの侵入、すなわちエロージ
ョンを防止して、良好なろう付け性を確保することがで
きるとともに、耐食性の低下を防止することができる。
また同時に、ブレージングシート全体をH22ないしH
24相当の調質度とせず、板厚方向中央部分および皮材
はO材相当の完全再結晶組織としているため、成形性を
も確保することができるのである。
【0020】上述のように芯材の厚み方向で材料の調質
度を異ならしめるにあたっては、芯材における拡散層の
特性を有効に利用している。すなわち、後述する製造方
法に関して改めて詳細に説明するように、ろう材合金成
分、主としてSiが拡散している拡散層(芯材における
皮材に接する側の層)と拡散していない部分(芯材の板
厚方向中央部分)とでは、ブレージングシート製造過程
における熱処理による再結晶挙動が異なり、そのためブ
レージングシート製造過程における熱処理条件を適切に
選択することによって芯材の板厚方向でその調質度を変
えることができるのである。すなわち、主としてSiが
拡散している拡散層では、拡散していない部分と比較し
て熱処理時における再結晶温度が高くなって再結晶が遅
れる。そこで熱処理条件を適切に選定することによっ
て、非拡散部分では完全再結晶させてO材としながら
も、拡散層では未再結晶状態に留めて、H22ないしH
24の調質度としているのである。
【0021】ここで、芯材におけるろう材に接する側の
層(拡散層)の調質度がH24より高い場合(例えばH
26相当)では、伸びが低下して成形性が悪化し、その
ためブレージングシート全体として良好な成形性を確保
することは困難となる。一方H22未満の例えばO材の
場合、前述のようにろう付け加熱時にエロージョンが発
生しやすくなり、ろう付け性が低下してしまう。したが
ってこの発明の所期の目的を達成するためには、芯材に
おけるろう材に接する側の層(拡散層)の調質度をH2
2ないしH24とする必要がある。
【0022】さらにこの発明のブレージングシートの構
成について、より詳細に説明する。
【0023】皮材として使用されるアルミニウム合金ろ
う材の種類、成分組成は特に限定されるものではない
が、4045合金、4047合金等のAl−Si系合
金、あるいは4004合金、4104合金等のAl−S
i−Mg系合金を好適に使用することができる。
【0024】一方芯材としては、Al−Mn系合金ある
いはAl−Mn系にCu、Mg、Tiの1種以上を添加
した合金を使用することが好ましい。ここで、MnやC
u、Mg、Tiはいずれも強度向上に寄与する元素であ
り、またこれらのうち、Mn、Cu、Tiにいては、芯
材の電位を貴にして、ブレージングシートの耐食性を向
上させる作用を有する。なおこれらの合金元素の添加量
としては、Mnは0.3〜1.5%、Cuは0.1〜
1.0%、Mgは0.1〜0.8%、Tiは0.01〜
0.3%が望ましい。
【0025】ブレージングシートのクラッド構造として
は、この発明では3層構造の場合に最も有効である。3
層構造としては、前述の図1の例では芯材の両面にろう
材を皮材としてクラッドしたものを示しているが、この
ほか芯材の一方の片面にろう材を皮材としてクラッド
し、他方の片面に犠牲陽極材を皮材としてクラッドした
構造としても良い。この場合犠牲陽極材としては、純A
l系アルミニウム合金のほか、Al−Zn系合金、Al
−Zn−Mg系合金などを用いれば良い。
【0026】ブレージングシート全体の厚みは特に限定
されるものではなく、具体的な用途や要求される強度等
に応じて適切に定めれば良いが、通常は0.1〜2.0
mm程度が一般的であり、特にラミネート式エバポレー
タの冷媒通路形成用のブレージングシートの場合、0.
5mm程度が一般的である。
【0027】またブレージングシートを構成している芯
材および皮材のそれぞれの厚さも特に限定されるもので
はない。
【0028】ここで、芯材におけるろう材合金成分、主
としてSiが拡散している拡散層の厚みは、通常は10
〜100μm程度であるが、この拡散層は最終板の状態
でH22ないしH24相当の調質度の未再結晶組織とな
っているものであり、このような拡散層に由来するH2
2ないしH24相当の未再結晶組織の厚みが芯材の全厚
みに占める割合が、5〜20%の範囲内となるように拡
散層の厚みを調整することが望ましい。H22ないしH
24相当の未再結晶組織の片面当りの厚み割合が芯材板
厚の5%未満では、ろう付け加熱時のエロージョンの発
生を防止することが困難となり、一方20%を越えれ
ば、伸びの低下によって成形性が悪くなるおそれがあ
る。
【0029】次にこの発明のブレージングシートを製造
する方法について詳細に説明する。
【0030】この発明の製造方法では、皮材のろう材成
分、特にSiを芯材の表面層部分に充分に拡散させ、そ
の後、拡散層における再結晶の遅れを利用して、皮材お
よび芯材における非拡散部分(板厚方向中央部分)を完
全再結晶させてO材とすると同時に、芯材における拡散
層がH22ないしH24相当の調質度の未再結晶組織と
なるように熱処理することが重要であり、各製造プロセ
ス条件も、その観点から定められる。
【0031】すなわち、芯材と皮材とを熱間圧延した後
の熱処理時、特に中間焼鈍時や最終焼鈍前の予備加熱時
において、ろう材の成分、特にSiを芯材へ拡散させ
て、芯材とろう材との界面近傍の芯材側にSi濃度の高
い部分(拡散層)を形成することができる。そしてこの
ようにSiが拡散した部分では、そのSiがAl−Mn
系合金からなる芯材中のMnと反応してAl−Mn−S
i系の析出物を形成しやすい。この析出物は、その後の
熱処理時における再結晶特性に影響を及ぼして、再結晶
遅れを引き起こすから、最終焼鈍において前述のように
芯材の拡散層部分と非拡散部分とで再結晶状態を異なら
しめ、材料の調質度を板厚方向に変化させることが可能
となったのである。特にこの発明の方法では、熱間圧着
後の冷間圧延中途での中間焼鈍を未再結晶温度域で行な
い、さらに必要に応じて最終焼鈍前の予備加熱を未再結
晶温度域で行なうことによって、前述のようなAl−M
n−Si系析出物を微細かつ多量に析出させて、最終焼
鈍時におけるSi拡散層の再結晶遅れを確実に生起せし
めることができる。
【0032】さらにこの発明の製造方法を具体的に説明
する。
【0033】この発明のブレージングシートを製造する
にあたっては、先ず常法に従ってAl−Mn系合金から
なる芯材を用意するとともに、Al−Si系合金もしく
はAl−Si−Mg系合金からなるろう材を皮材として
用意する。これらの芯材、皮材(ろう材)の製造方法自
体は常法に従えば良いから、ここでは詳述しない。
【0034】芯材については、常法に従って均質化処理
を施し、その後芯材と皮材とを重ね合わせて、熱間圧延
によりクラッド(熱間圧着)する。この圧着のための熱
間圧延時における加熱温度は450〜530℃の範囲内
が好ましい。加熱温度が450℃未満では圧延時の延性
が低下して圧着性が悪くなり、一方530℃を越えれば
酸化皮膜の成長が進んで圧着性が低下する。
【0035】熱間圧延によってクラッド化した後には、
冷間圧延によって所要の板厚まで圧延するが、この冷間
圧延の中途には中間焼鈍を施す。すなわち1次冷間圧延
を行なってから中間焼鈍を施し、その後に最終冷間圧延
を施す。
【0036】1次冷間圧延の圧延率は性能に大きな影響
を及ぼさないから、特に限定されるものではないが、通
常は30〜90%程度の圧延率が一般的である。1次冷
間圧延後の中間焼鈍は、ろう材中のSiを芯材に拡散さ
せ、その拡散したSiとAl−Mn系合金からなる芯材
中のMnとの間でα−Al−Mn−Si系の析出物を形
成させるための拡散処理として重要であり、250℃以
上でかつ芯材の再結晶温度よりも低い温度域で、1〜1
0時間の保持の条件とする必要がある。中間焼鈍の加熱
保持温度が250℃未満では皮材から芯材へのSiの拡
散が充分ではなく、一方芯材の再結晶温度もしくはそれ
以上では、最終冷間圧延後の最終焼鈍時において再結晶
を促進させることが困難となり、結果的に拡散層部のみ
をH22もしくはH24の調質度とすることが困難とな
る。また中間焼鈍における保持時間が1時間未満では、
拡散効果が充分に得られず、一方10時間を越える長時
間の保持では拡散効果が飽和し、経済的に好ましくなく
なるだけである。なおここで、芯材の再結晶温度は芯材
の具体的な成分組成によって異なり、したがって中間焼
鈍を施すにあたっては、予め熱処理実験によって焼鈍軟
化特性を調べ、芯材の再結晶温度を確認しておく必要が
ある。
【0037】なお上述のところでは、クラッド化のため
の熱間圧延の後、1次冷間圧延を行なってから中間焼鈍
を施すこととしているが、場合によっては1次冷間圧延
を省き、熱間圧延後に直ちに中間焼鈍を施しても良い。
【0038】中間焼鈍後の最終冷間圧延は、圧延率が3
0〜90%の範囲内で行なう。この最終冷間圧延は、そ
の後の最終焼鈍において再結晶を生起させるために必要
な歪を蓄積させるために必要な工程である。最終冷間の
圧延率が30%未満では、冷間歪の蓄積が不充分となっ
て、その後の最終焼鈍時における再結晶が遅れ、芯材板
厚方向中央部(非拡散部分)の再結晶が不充分となり、
その部分を完全再結晶させてO材相当とすることが困難
となる。また90%を越える圧延率は工業的に無意味で
ある。なお一般にラミネート式エバポレータの冷却媒体
通路用部材の板厚は0.5mm前後であり、一方熱間圧
延での上り板厚は2.0〜4.0mm程度であるから、
最終冷間圧延率は30〜90%の範囲内であれば特に支
障はない。
【0039】最終冷間圧延後には、芯材の板厚方向中央
部(非拡散部分)および皮材の再結晶のために最終焼鈍
を行なう。この最終焼鈍は、芯材の板厚方向中央部(す
なわち非拡散部分)の再結晶温度以上でかつ芯材におけ
る拡散層の再結晶温度よりも低い温度域で、1〜5時間
加熱保持の条件とする。すなわち、既に述べたように芯
材におけるろう材に接する側の部分は、主としてSiが
拡散した拡散層となっており、この拡散層の再結晶温度
は、芯材の板厚中央部分すなわちろう材のSiが拡散し
ていない部分の再結晶温度と比較して高くなっており、
そこで板厚方向中央部分の再結晶温度以上でかつ拡散層
の再結晶温度より低い温度で最終焼鈍を行なうことによ
り、芯材の板厚方向中央部分はO材、すなわち完全再結
晶組織としながらも、拡散層部分すなわちろう材に接す
る側の層はH22ないしH24相当の未再結晶組織とす
ることが可能となるのである。そしてこのように芯材の
板厚方向中央部をO材とすることによって良好な成形性
を確保し、同時にろう材に接する側の層すなわち拡散層
はO材とせずH22ないしH24相当の調質度としてお
くことによって、低加工度の部位でもエロージョンの発
生を防止することが可能となる。
【0040】図2に、この発明のブレージングシートに
おける各部位の加熱軟化特性の一例を模式的に示す。ま
た最終焼鈍における適切な温度域を図2中に併せて示
す。
【0041】ここで、最終焼鈍の加熱保持温度が芯材の
板厚方向中央部分の再結晶温度より低ければ、芯材板厚
方向中央部分を充分にO材とすることが困難となるた
め、良好な成形性を得ることができず、一方拡散層の再
結晶温度以上では、ろう材に接する側の表面層部分まで
O材となってしまって、エロージョンを防止することが
困難となるおそれがある。また最終焼鈍の加熱保持時間
が1時間未満では、コイル内での温度不均一が生じて、
再結晶状態にむらが生じて品質が不安定となるおそれが
あり、一方5時間以上加熱保持しても焼鈍効果は飽和
し、経済的に不利となるだけである。なお一般にろう材
の再結晶温度は芯材の再結晶温度よりも格段に低く、そ
のため上述のように芯材板厚方向中央部分の再結晶温度
以上の温度域で最終焼鈍することにより、ろう材をも完
全再結晶させて、ろう材部分をO材とすることができ
る。
【0042】ここで最終焼鈍では、前述のように芯材の
板厚方向中央部分のみならず、ろう材も再結晶させて、
O材とするが、ろう材としてAl−Si−Mg系合金を
用いている場合、MgSi等による析出硬化が生じる
おそれがあり、その場合には成形性が低下してしまう。
そこで最終焼鈍後の冷却過程の冷却速度を小さくした
り、あるいは冷却過程中途の温度で保持するなどの手段
によって、安定析出相を生成させるいわゆる過時効処理
を行なうことが望ましい。具体的には、最終焼鈍後の冷
却速度を30℃/時間以下の徐冷とするか、あるいはま
た最終焼鈍後の冷却途中における210〜270℃の温
度域で1〜5時間の保持を行なうことが望ましい。
【0043】さらに、以上の説明では最終冷間圧延後に
直ちに最終焼鈍を行なうものとしたが、最終冷間圧延
後、最終焼鈍前には、予備加熱として、中間焼鈍と同じ
条件での加熱保持を行なうことが望ましい。
【0044】すなわち、前述のように中間焼鈍によって
ろう材中のSiを芯材に拡散させているが、より一層確
実かつ充分にSiを芯材に拡散させるために、最終焼鈍
の直前に予備加熱を行なうことが望ましい。この予備加
熱は、前述のように中間焼鈍と同じ条件、すなわち25
0℃以上でかつ芯材の板厚方向中央部分(非拡散部分)
の再結晶温度よりも低い温度で1〜10時間加熱保持の
条件とすれば良く、その理由も既に中間焼鈍条件の限定
理由として述べた理由と同じである。なおこの予備加熱
後は、その予備加熱温度から冷却することなく、直ちに
最終焼鈍温度まで昇温して最終焼鈍を行なうことが熱の
利用効率の点から好ましいが、場合によっては予備加熱
後に一旦冷却し、その後に改めて最終焼鈍を行っても良
いことはもちろんである。
【0045】以上のように、冷間圧延中途あるいは熱間
圧延後の中間焼鈍によってろう材中のSiを芯材に拡散
させ、さらに必要に応じて最終焼鈍前の予備加熱によっ
て芯材へのSiの拡散量を増大させておき、その後最終
焼鈍を行なうことによって、芯材の板厚方向中央部分を
完全再結晶組織、すなわちO材の状態とする一方、芯材
におけるろう材に接する側の部分(拡散層)をH22な
いしH24相当の調質度の未再結晶組織としたブレージ
ングシートを得ることができるのである。
【0046】
【実施例】表1の合金符号1〜5に示すアルミニウム合
金を芯材用合金として金型鋳造し、得られた鋳塊を厚さ
35mmとなるように両面を面削し、さらに600℃×
10時間の均質化処理を行なって芯材とした。一方表1
の合金符号6に示すAl−Si−Mg系合金からなるろ
う合金を、芯材と同様に金型鋳造し、面削後熱間圧延に
より厚さ7.5mmの皮材とした。そして芯材の両面に
ろう材を積層して、480℃×2時間の加熱を行なって
熱間圧延を施し、厚さ4mmのクラッド材とした。なお
この状態でのクラッド率は、片面当り15%である。さ
らにそのクラッド材について、表2中に示す板厚まで1
次冷間圧延を施した後、表2中に示す温度、時間で中間
焼鈍を施した。なおここで、各クラッド材について、上
述のように1次冷間圧延した状態で芯材の加熱軟化特性
を調べ、再結晶温度を求めておいたので、その結果も表
2中に併せて示す。
【0047】前述のように中間焼鈍を施した後、最終冷
間圧延を行なって厚さ0.5mmとした。次いで、表3
中に示すように予備加熱無しで、あるいは予備加熱を行
なってから、表3中に示す条件で最終焼鈍を行なった。
ここで最終焼鈍後の冷却は、260℃まで25℃/hr
の冷却速度で冷却し、260℃で一旦4時間保持した
後、25℃/hrで100℃まで冷却し、炉から取出し
た。なお最終冷間圧延を行なった状態で加熱軟化特性を
調べ、芯材の板厚方向中央部分(非拡散部分)、芯材に
おけるろう材に接する側の層(拡散層)、およびろう材
について、それぞれの再結晶温度を調べておいたので、
その結果も表3中に併せて示す。さらに以上のようにし
て得られたブレージングシート(最終板)について、芯
材の拡散層の厚み比率(芯材の全厚みに対する拡散層の
片面当りの厚み割合)、各部位の組織状態(調質度)を
調べたので、その結果を表4に示す。
【0048】前述のようにして得られたブレージングシ
ートを使用して、ろう付け性の評価試験を行なった。ろ
う付け性評価試験は、ブレージングシートに冷間圧延に
よって5%の低加工歪を付与した後、30mm×65m
mサイズに切断し、3004合金からなる母材板と組合
せて、図3の(A)に示すような逆T継手試験片を作成
し、この試験片を真空ろう付け炉により、600℃×1
分、真空度5×10 Torrの条件でろう付け加熱
した。ろう付け加熱後の状態、すなわちろう材が溶融し
て流れた状態を図3の(B)に示す。そしてろう付け加
熱前後の板厚、ろう材クラッド率から、フローファクタ
ー(ろうの流動量)を計算した。すなわちろう付け加熱
前のブレージングシート全体の板厚をT、ろう付け加
熱後のブレージングシート全体の板厚をTとし、またろ
う付け加熱前の各面のろう材(皮材)の厚みをそれぞれ
,Lとし、 F=(T−T)/(L+L)×100(%) で得られるFの値をフローファクターとし、このフロー
ファクターの値によってろう付け性を評価した。ここ
で、フローファクターは、その値が大きいほどろう付け
性が良好と評価できる。
【0049】なお比較材として、中間焼鈍を行なわず、
最終焼鈍で通常のO材処理を行なったもの(製造符号
H)、および同じく中間焼鈍を行なわず、最終的に芯材
の厚み方向全体にわたって調質度H22としたもの(製
造符号I)を用意し、これらの比較材についても同様の
ろう付け性評価試験を行なったので、その結果も表4に
併せて示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】表4から明らかなように、この発明のプロ
セス条件に従って製造した本発明例のブレージングシー
トは、いずれもフローファクターの値が大きく、このこ
とは、エロージョンが少なくてろう付け性が良好である
ことを意味する。一方、芯材にSiを拡散させず、芯材
の全厚みにわたってO材とした製造符号Hの比較材は、
フローファクターの値が小さく、このことは、エロージ
ョンが発生してろう付け性が低下したことを意味する。
なお製造符号Iの比較材は、芯材の調質度をその全厚み
にわたってH22相当としたものであるが、この場合は
フローファクターの値はある程度大きく、エロージョン
が比較的発生しにくいことが判る。
【0055】さらに、前述のようにして得られた各ブレ
ージングシートについて、図4の(A)に示すような熱
交換器部品形状を想定したカップ形状の成形品7にプレ
ス成形し、その成形性を調べるとともに、エリクセン試
験を行なった。また上記のカップ形状の成形品7を、図
4の(B)に示すように重ね合わせてろう付け加熱を行
ない、ろう付け性を調べた。その結果を表5に示す。な
おろう付け条件は前述の場合と同じである。
【0056】
【表5】
【0057】表5から明らかなように、この発明の製造
プロセス条件に従って得られた本発明例のブレージング
シートは、実際の熱交換器部品を想定して成形し、ろう
付けした場合でも、いずれも成形性が良好であり、かつ
エロージョンの発生も少ないためろう付け性も良好であ
った。なお芯材の全厚みにわたってO材とした製造符号
Hの比較材は、ろう付け性が悪く、一方芯材の全厚みに
わたってH22材とした製造符号Iの比較材は成形性に
劣ることが明らかである。
【0058】
【発明の効果】この発明によれば、熱交換器用ブレージ
ングシート、特にラミネート式エバポレータの冷媒通路
形成用のブレージングシートの如く、高加工度の部位の
みならず低加工度の部位も存在するような成形加工を施
す用途においても、成形性を損なうことなく、低加工度
の部位でもエロージョンの発生を防止して、良好なろう
付け性を示すブレージングシートを得ることができる。
またこの発明によれば、成形性とろう付け性とを両立す
るために特に4層以上の多層構造とする必要がなく、そ
のため多層構造とするためのクラッド圧延などにおける
製造上の問題も特に生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブレージングシートの一例を模式的
に示す縦断面図である。
【図2】この発明のブレージングシートの各部位におけ
る焼鈍軟化特性を示す模式的なグラフである。
【図3】この発明の実施例におけるろう付け性試験を示
す図で、(A)はろう付け前の組立体を示す略解図、
(B)はろう付け加熱後の組立体の状態を示す略解図で
ある。
【図4】この発明の実施例における成形性およびろう付
け性評価試験を説明するための図で、(A)は成形品の
略解的な断面図、(B)は複数の成形品を組合せてろう
付けに供する状態を示す略解的な断面図である。
【符号の説明】
1 芯材 3,5 皮材 1A,1B 拡散層 1C 芯材の厚み方向中央部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 630 630M 651 651A 684 684C 685 685Z 686 686B 691 691B 691C 694 694A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Mn系合金を芯材とし、その片面
    もしくは両面にAl−Si系合金もしくはAl−Si−
    Mg系合金からなるろう材を皮材としてクラッドしてな
    る熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートにお
    いて、芯材におけるろう材に接する側の表面層部分が、
    ろう材合金成分が拡散した拡散層とされて、その拡散層
    部分がH22ないしH24相当の調質度とされるととも
    に、芯材における厚み方向中央部分がO材相当の調質度
    とされ、かつろう材がO材相当の調質度とされているこ
    とを特徴とする、熱交換器用アルミニウム合金ブレージ
    ングシート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアルミニウム合金ブレ
    ージングシートにおいて、 前記芯材の合金として、Al−Mn系合金にさらにC
    u、Mg、Tiのうちの1種以上を添加したものが用い
    られている、熱交換器用アルミニウム合金ブレージング
    シート。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアルミニウム合金ブレ
    ージングシートにおいて、 芯材におけるろう材に接する側の表面から板厚の5〜2
    0%の位置までの層がH22ないしH24相当の調質度
    とされていることを特徴とする、熱交換器用アルミニウ
    ム合金ブレージングシート。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のアルミニウム合金ブレ
    ージングシートにおいて、 芯材におけるろう材に接する側の表面から板厚の5〜2
    0%の位置までの層が未再結晶組織とされ、芯材におけ
    る残りの部分が完全再結晶組織とされている、熱交換器
    用アルミニウム合金ブレージングシート。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のアルミニウム合金ブレ
    ージングシートを製造するにあたり、芯材に均質化処理
    を施した後、芯材と皮材とを重ね合わせて熱間圧延を施
    すことにより芯材と皮材とを圧着し、その後一次冷間圧
    延を行なってからもしくは熱間圧延後直ちに中間焼鈍を
    行なうにあたり、250℃以上でかつ芯材の再結晶温度
    より低い温度域で1〜10時間加熱保持して皮材成分を
    芯材における皮材に接する側の表面層に拡散させ、さら
    に圧下率30〜90%の範囲内で最終冷間圧延を行な
    い、その後に芯材における板厚方向中央部の再結晶温度
    以上でかつ芯材における皮材合金成分拡散層の再結晶温
    度よりも低い温度域で1〜5時間保持する最終焼鈍を行
    なうことを特徴とする、熱交換器用アルミニウム合金ブ
    レージングシートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のアルミニウム合金ブレ
    ージングシートの製造方法において、最終冷間圧延の
    後、最終焼鈍前に、250℃以上でかつ芯材の板厚方向
    中央部の再結晶温度よりも低い温度域で1〜10時間保
    持する予備加熱を行なうことを特徴とする、熱交換器用
    アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5もしくは請求項6に記載のアル
    ミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、
    最終焼鈍後の芯材の組織が、皮材に接する側の表面から
    板厚の5〜20%の位置までの層では未再結晶組織、残
    りの部分では完全再結晶組織となるように最終焼鈍を施
    すことを特徴とする、熱交換器用アルミニウム合金ブレ
    ージングシートの製造方法。
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