JP2003146661A - バナジウム硫酸塩の製造方法 - Google Patents

バナジウム硫酸塩の製造方法

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JP2003146661A JP2001344001A JP2001344001A JP2003146661A JP 2003146661 A JP2003146661 A JP 2003146661A JP 2001344001 A JP2001344001 A JP 2001344001A JP 2001344001 A JP2001344001 A JP 2001344001A JP 2003146661 A JP2003146661 A JP 2003146661A
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compound
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sulfuric acid
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Akira Kidoguchi
晃 木戸口
Hiroshi Nagahata
寛 長畑
Yasuyuki Tanaka
保之 田中
Muneo Mita
宗雄 三田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応器の腐食や反応器材料が反応物に溶け出
すことによってバナジウム硫酸塩に不純物が混入すると
いう問題が生じることのないバナジウム硫酸塩の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、所定量の硫
酸と、硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱して
3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混
合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、バナ
ジウム化合物と硫酸と硫黄とからなる3成分を混合した
反応物がスラリーの状態にある段階では温度を30℃〜
180℃の範囲に保ち、反応物が固体に変化してから反
応物を200℃〜440℃の温度まで加熱することを特
徴とする、バナジウム硫酸塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3価および4価のバ
ナジウム硫酸塩の製造方法に関し、詳しくはレドックス
電池電解液に用いる3価および4価のバナジウム硫酸塩
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力各社にとって夏季日中のピーク電力
の安定供給は依然として大きな課題であり、火力発電に
よる発電量の増強によって対応しなければならないのが
現状である。一方、明け方の電力需要はピーク時の3割
程度であり、供給能力には大幅な余裕がある。また、最
近注目されている太陽光、風力、波力等の再生可能エネ
ルギーによる発電は、時間帯によって発電量が変動し、
必ずしも電力需要と供給が一致しないという問題があ
る。それゆえ、大規模電力貯蔵技術が実用化されれば電
力需要の平準化が可能となり、発電設備の効率的稼動、
再生可能エネルギーの利用拡大が進み、ひいては二酸化
炭素排出量の削減に大きく寄与するものと期待されてい
る。そして、商用化がごく近いものと期待されている大
規模電力貯蔵技術の一つがバナジウム系レドックス二次
電池である。
【0003】バナジウム系レドックス二次電池の活物質
に用いるバナジウム電解液の製造方法については、これ
までにも多くの提案がなされてきた。例えば特開平05
−290871号公報では五酸化バナジウムまたはメタ
バナジン酸アンモニウムを濃硫酸及び還元剤の存在下で
還元して、実質的に4価のバナジウムを含有する溶液を
製造し、次いで還元剤として硫黄を加えて180℃〜2
50℃に昇温して3価のバナジウム化合物を生成させる
方法が示されている。また、特開平10−125345
号公報では、五酸化バナジウム等を還元雰囲気中で加熱
して三酸化バナジウム等に還元し、この三酸化バナジウ
ム等と五酸化バナジウム等を等モルずつ硫酸に溶解させ
て4価の硫酸バナジウム溶液を得る方法が述べられてい
る。
【0004】特開平09−180745公報では、5価
のバナジウム化合物を濃硫酸の存在下、硫黄により3価
のバナジウム化合物沈殿物へ還元処理し、次いで固液分
離して回収した3価のバナジウム化合物沈殿物を水和反
応により可溶化して3価のバナジウム化合物溶液を生成
し、必要により3価のバナジウム系電解液として回収
し、さらに、3価のバナジウム化合物溶液に5価のバナ
ジウム化合物を添加して4価のバナジウム化合物溶液を
生成して4価のバナジウム系電解液として回収する方法
が開示されている。さらに、特願2000−20231
1号では、4価または5価のバナジウム化合物、硫黄お
よび濃硫酸をペースト状になるまで混練し、次いで、該
ペースト状の混合物を150℃以上440℃未満の温度
で焼成して3価と4価の混合バナジウム化合物を製造す
る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特願2000−202
311号で述べられているところのバナジウム電解液製
造方法によれば、硫黄および硫酸の所要量が化学量論比
に近く、他の製造方法に比べて少量ですむ。さらに反応
の大部分が固体反応であるため、他の製造方法に比べて
反応器が濃硫酸溶液に曝される時間が少なく、高温の濃
硫酸による反応器の腐食が比較的少ない。また、該バナ
ジウム電解液製造方法で得られるバナジウム化合物は硫
酸水溶液への溶解が早いという特長がある。このように
特願2000−202311号記載の発明は、他のバナ
ジウム電解液製造方法に比して多くの利点を有するが、
反応初期に反応物温度が上昇し、反応器が高温の硫酸ス
ラリーに曝されるという問題があった。このため、他の
製造方法に比べれば少ないものの、反応器の腐食や反応
器材料が反応物に溶け出すことによってバナジウム硫酸
塩に不純物が混入するという問題が残っていた。
【0006】従って、本発明の課題は、不純物混入の問
題が生じることのないバナジウム硫酸塩の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、4価のバナジウム
化合物もしくは5価のバナジウム化合物またはそれらの
混合物に、所定量の硫酸と、硫黄を加えた後、200℃
〜440℃に加熱して3価のバナジウム硫酸塩と4価の
バナジウム硫酸塩の混合物を得る反応においては、反応
物は30℃〜180℃という比較的低い温度でスラリー
から固体状態(粉体も含む。以下、同様。)へ転化する
こと、および固体状態で進行する反応は反応器をほとん
ど腐食することがないため、反応器材料による生成物の
汚染も生じないことを見いだし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、請求項1に記載のバナジウム硫
酸塩の製造方法の発明は、4価のバナジウム化合物もし
くは5価のバナジウム化合物またはそれらの混合物に、
前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄
を加え、前記バナジウム化合物が5価の化合物である場
合、バナジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル
比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍
の硫黄を加え、前記バナジウム化合物が4価と5価の化
合物の混合物である場合、バナジウム混合物中のバナジ
ウム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸
と、0.1〜0.4倍の硫黄を加えた後、200℃〜4
40℃に加熱して3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナ
ジウム硫酸塩の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方
法であって、バナジウム化合物と硫酸と硫黄とからなる
3成分を混合した反応物がスラリーの状態にある段階で
は温度を30℃〜180℃の範囲に保ち、反応物が固体
に変化してから反応物を200℃〜440℃の温度まで
加熱することを特徴とする。
【0009】このバナジウム硫酸塩の製造方法の発明に
よれば、反応物が硫酸スラリーの状態にある反応初期に
は反応物の温度を比較的低温に保ってゆっくりと反応を
進行させ、反応物が固体に変化してから反応物の温度を
上げて還元反応を完結させるという反応過程をとること
によって、反応初期に反応物温度が急激に上昇し、反応
器が高温の硫酸スラリーに曝されることによる反応器の
腐食や反応器材料の溶出を防止でき、不純物の混入の少
ない3価バナジウム硫酸塩と4価バナジウム硫酸塩の混
合物の工業的生産が可能となる。
【0010】請求項2に記載のバナジウム硫酸塩の製造
方法の発明は、4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、前記バナジ
ウム化合物が4価の化合物である場合、バナジウム化合
物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.
9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄を加え、前記
バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナジウ
ム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2
〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄を加
え、前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合
物である場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に
対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜
0.4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱
して3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩
の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、
バナジウム化合物と硫酸と硫黄とからなる3成分を25
℃以下の温度に保ちながら混合し、温度を30℃〜18
0℃の範囲に保持しながら3成分をスラリー状から固体
に変化させた後、200℃〜440℃の温度まで加熱す
ることを特徴とする。このバナジウム硫酸塩の製造方法
の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効
果が得られる。
【0011】請求項3に記載のバナジウム硫酸塩の製造
方法の発明は、4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、前記バナジ
ウム化合物が4価の化合物である場合、バナジウム化合
物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.
9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄を加え、前記
バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナジウ
ム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2
〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄を加
え、前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合
物である場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に
対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜
0.4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱
して3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩
の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、
バナジウム化合物と硫酸またはバナジウム化合物と硫黄
をあらかじめ混合し、この混合物に、添加速度を調節し
ながら残りの1成分を添加していくことにより温度を3
0℃〜180℃の範囲に保持しながら3成分を混合して
反応物をスラリー状から固体に変化させた後、この反応
物を200℃〜440℃の温度まで加熱することを特徴
とする。このバナジウム硫酸塩の製造方法の発明によれ
ば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【0012】請求項4に記載のバナジウム硫酸塩の製造
方法の発明は、4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、前記バナジ
ウム化合物が4価の化合物である場合、バナジウム化合
物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.
9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄を加え、前記
バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナジウ
ム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2
〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄を加
え、前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合
物である場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に
対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜
0.4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱
して3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩
の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、
バナジウム化合物と硫黄をあらかじめ混合し、このバナ
ジウム化合物と硫黄の混合物を添加速度を調節しながら
硫酸中に添加していくことにより、温度を30℃〜18
0℃の範囲に保持しながら3成分を混合して反応物をス
ラリー状から固体に変化させた後、この反応物を200
℃〜440℃の温度まで加熱することを特徴とする。こ
のバナジウム硫酸塩の製造方法の発明によれば、請求項
1に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0013】請求項5に記載のバナジウム硫酸塩の製造
装置の発明は、4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、硫黄と硫酸
を加えて3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫
酸塩の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造装置であっ
て、バナジウム化合物と硫黄と硫酸を混合した反応物
を、30℃〜180℃の温度範囲に保つ第一段階の反応
を行うための第1の反応器と、前記第1の反応器から発
生するガスを排出するためのガス排出手段と、前記第一
段階の反応で生じた反応物を200℃〜440℃の温度
に加熱する第二段階の反応を行うための加熱手段付き第
2の反応器と、前記第2の反応器から発生するガスを排
出するためのガス排出手段と、を備えていることを特徴
とする。このバナジウム硫酸塩の製造装置の発明によれ
ば、不純物混入の少ないバナジウム硫酸塩を効率よく製
造することができる。
【0014】請求項6に記載のバナジウム硫酸塩の製造
装置の発明は、4価のバナジウム化合物もしくは5価の
バナジウム化合物またはそれらの混合物に、硫黄と硫酸
を加えて3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫
酸塩の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造装置であっ
て、バナジウム化合物と硫黄と硫酸を混合した反応物
を、30℃〜180℃の温度範囲に保つ第一段階の反応
と前記第一段階の反応で生じた反応物を200℃〜44
0℃の温度まで加熱する第二段階の反応を一連して行う
ための加熱手段付き反応器と、前記反応器から発生する
ガスを排出するためのガス排出手段と、を備えているこ
とを特徴とする。このバナジウム硫酸塩の製造装置の発
明によれば、製造装置の小型化が図れ、また、請求項5
に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0016】本発明のバナジウム硫酸塩の製造方法は、
4価のバナジウム化合物もしくは5価のバナジウム化合
物またはそれらの混合物に、前記バナジウム化合物が4
価の化合物である場合、バナジウム化合物中のバナジウ
ム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、
0.1〜0.15倍の硫黄を加え、前記バナジウム化合
物が5価の化合物である場合、バナジウム化合物中のバ
ナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫
酸と、0.35〜0.4倍の硫黄を加え、前記バナジウ
ム化合物が4価と5価の化合物の混合物である場合、バ
ナジウム混合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.4倍の硫黄を
加え、第一段階の反応として、バナジウム化合物と硫酸
と硫黄とからなる3成分混合反応物がスラリーの状態に
ある段階では温度を30℃〜180℃の範囲に保ち、反
応物が固体に変化してから第二段階の反応として固体化
した反応物を200℃〜440℃の温度まで加熱するこ
とにより、3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム
硫酸塩の混合物を得るものである。
【0017】本発明方法で原料となる4価または5価の
バナジウム化合物としては、4価のバナジウム化合物と
して、例えば、硫酸バナジル(VOSO)、二酸化バ
ナジウム(VO)を挙げることができる。また、5価
のバナジウム化合物としては、例えば、五酸化バナジウ
ム(V)を挙げることができる。
【0018】硫酸は、バナジウム化合物中のバナジウム
原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍、また、硫黄
は、バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で0.
1〜0.15倍、バナジウム化合物が5価の化合物であ
る場合、バナジウム化合物中のバナジウム原子に対する
モル比で0.35〜0.4倍、バナジウム化合物が4価
と5価の化合物の混合物である場合、バナジウム混合物
中のバナジウム原子に対するモル比で0.1〜0.4倍
添加される。硫黄は、バナジウム化合物が4価と5価の
混合物である場合においては、バナジウム混合物中の4
価と5価のバナジウム原子のモル数における混合比率を
考慮する必要がある。そこで、硫黄のバナジウム原子に
対する添加モル比は次式で定義することができる。 モル比=(0.1〜0.15)×4価の比率+(0.3
5〜0.4)×5価の比率 (ここで4価の比率とは、バナジウム混合物中に含まれ
るバナジウム原子のモル数に対する4価のバナジウム原
子のモル数の比率を示し、5価の比率とは、バナジウム
混合物中に含まれるバナジウム原子のモル数に対する5
価のバナジウム原子のモル数の比率を示す。) 硫酸の量をバナジウム化合物中のバナジウム原子に対す
るモル比で上記範囲とするのは、上記範囲より小さくな
ると反応生成物中に原料である4価のバナジウム化合物
または5価のバナジウム化合物が残留し、上記範囲より
大きくなると反応生成物中に残留する硫酸の量が多くな
ることで反応器に硫酸が接触して反応容器を腐食する機
会が多くなり、または経済的でないので好ましくないか
らである。
【0019】硫黄の量をバナジウム化合物中のバナジウ
ム原子に対するモル比で上記範囲とするのは、上記範囲
より小さくなると3価のバナジウム硫酸塩が生成せず、
上記範囲より大きくなると二酸化硫黄ガスとして硫黄が
無駄に消費され、もしくは反応生成物中に残留すること
となって好ましくないからである。
【0020】本発明の方法によって得られる3価のバナ
ジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混合物とは、
3価のバナジウム硫酸塩としては、例えば、硫酸バナジ
ウム[V(SO]を、4価のバナジウム硫酸塩
としては、例えば、硫酸バナジル(VOSO)を挙げ
ることができる。
【0021】本発明方法において、バナジウム化合物と
硫酸と硫黄とからなる3成分を混合した反応物がスラリ
ー状態(すなわち、硫酸スラリー)である反応初期に、
反応物の温度を比較的低温に保ってゆっくりと反応を進
行させ、反応物が固体に変化してから固体化した反応物
の温度を上げて還元反応を完結させるという反応過程
は、例えば以下の三通りの方法により行うことが可能で
ある。
【0022】第一の方法は、4価のバナジウム化合物も
しくは5価のバナジウム化合物またはそれらの混合物
に、前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、
バナジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比
で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の
硫黄を加え、前記バナジウム化合物が5価の化合物であ
る場合、バナジウム化合物中のバナジウム原子に対する
モル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.
4倍の硫黄を加え、前記バナジウム化合物が4価と5価
の化合物の混合物である場合、バナジウム混合物中のバ
ナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫
酸と、0.1〜0.4倍の硫黄を加えて混合する際に、
バナジウム化合物と硫酸および硫黄の混合物の温度を2
5℃以下に保ちながら混合を行い、しかる後、該混合物
の温度を30℃〜180℃、好ましくは50℃〜120
℃の範囲に保持しながら3成分をスラリー状から固体に
変化させた後、さらに該混合物を200℃〜440℃、
好ましくは250℃〜300℃に加熱する方法である。
【0023】この方法では、まず硫酸スラリーを調製す
る際に、25℃以下に冷やした硫酸を撹拌しながら、こ
れに4価および/または5価のバナジウム化合物と硫黄
を少しずつ混ぜてゆく。このとき、スラリーの温度を2
5℃以下とするのは、25℃以下であれば5価バナジウ
ムの還元反応はほとんど進行しないからである。また、
このスラリーは粘度が高くないので通常の撹拌機器で充
分撹拌することができる。スラリーの調製は、反応器内
で行っても良いし、反応器とは別容器で行うこともでき
る。この方法を回分操作で実施する場合は、スラリー調
製を反応器内で行った方がプロセスを簡素化できるので
好ましい。一方、連続操作で実施する場合は、スラリー
調製槽を別途設けなければならない。何れにしろ、反応
開始まではスラリーを撹拌し続け、その温度を25℃以
下に保つことが重要である。
【0024】硫酸スラリーの調製に引き続いて、第一段
階の反応が行われる。第一段階の反応では、バナジウム
化合物、硫酸および硫黄からなる3成分の混合物がスラ
リーから固体に変化するため、どちらの状態にも対応で
きる反応器を用いることが好ましい。つまり、この反応
器には、3成分を混合した反応物を所定の温度範囲に保
つための加熱/冷却機能と、スラリーおよび粉体の何れ
の状態でも反応物を充分に撹拌できる機能が求められ
る。そのような反応器としては、例えば遊星運動する撹
拌軸を有するジャケット付き槽型反応器が挙げられる。
この型の反応器はモルタルの混練に用いられるホバート
ミキサーに類似した撹拌機構を有し、スラリーおよび粉
体の何れの状態でも撹拌が可能である。さらに、ジャケ
ットに加熱/冷却媒体を流すことによって、反応物の温
度を所定範囲に保つこともできる。
【0025】また、粉体もしくは可塑性固体の混合もし
くは混練に用いるジャケット付きニーダーを第一段階の
反応器として用いることもできる。この型の反応器では
撹拌軸を複数本有するものの方が撹拌状態が良好であ
り、本発明方法を実施する上で好適である。また、この
型の反応器ではジャケットのみならず撹拌軸および撹拌
翼内に加熱/冷却媒体を流し、熱交換面積を増やすこと
ができる。これは反応器を大型化する際に反応器の周囲
のジャケットのみでは熱交換面積が不足する場合に有効
な手法である。
【0026】第一段階の反応の所要時間は、上記温度3
0℃〜180℃の範囲内で反応温度が高いほど短くてす
むが、反応温度が高いほど単位時間で除去すべき熱量が
大きくなり、反応器の熱交換面積を広くとらなければな
らない。また、後述する二酸化硫黄ガスの処理設備の負
担も大きくなる。一方、反応温度が低いと反応時間が長
くなり生産性が低下する場合がある。それゆえ、第一段
階反応の反応温度と反応時間は、設備の価格と生産性の
バランスを検討して最適な条件を選択することが重要で
あるが、例えば、好ましい温度範囲としては50℃〜1
20℃とすることができる。
【0027】上記何れの形式の反応器を用いる場合で
も、反応器の接液面は第一段階の反応温度の範囲で濃硫
酸に耐えうる材質でなければならず、そのような材質と
しては、例えば、ステンレス合金を、好ましくは20合
金またはハステロイを挙げることができる。また、本発
明における第一段階の反応では、反応の進行に伴って二
酸化硫黄ガスが発生するので、反応器は密閉容器とし、
これに二酸化硫黄ガスを排出する配管を設け、この配管
を二酸化硫黄ガスの洗浄装置に接続して二酸化硫黄ガス
を除去する。二酸化硫黄ガス洗浄装置の下流には吸引ブ
ロワを設け、発生ガスを吸引することが望ましい。二酸
化硫黄ガス発生の際、例えば、ガスクロマトグラフを用
いて発生する二酸化硫黄ガスの濃度測定を行うことで、
発生量を確認することができる。また、回分操作の場合
においては二酸化硫黄ガス洗浄装置の洗浄液の酸性度の
変化から、二酸化硫黄ガスの発生量を知ることができ
る。
【0028】第一段階反応が終わると二酸化硫黄ガスの
発生がほぼ停止するので、回分操作の場合は、これを第
一段階反応の終点の目安とすることができる。5価のバ
ナジウム化合物が存在していた場合、第一段階反応中に
発生する二酸化硫黄ガスの量は、5価バナジウム化合物
中のバナジウム原子に対するモル比で0.2〜0.3倍で
ある。これは、第一段階反応の進行を表す量論的な目安
であり、連続操作時での第一段階反応の終点の目安とす
ることができる。なお、5価のバナジウム化合物中のバ
ナジウム原子を基準としたのは、第一段階反応では5価
のバナジウム化合物が4価のバナジウム硫酸塩に還元さ
れる反応が主として進行しているためである。
【0029】一方、第二段階の反応では、反応物は一貫
して粉体であり、一般に粉体の加熱処理に用いられる機
器が第二段階反応の反応器として利用できる。例えば第
一段階反応で用いた遊星運動する攪拌軸を有するジャケ
ット付き槽型反応器やジャケット付きニーダーをそのま
ま第二段階反応に用いることが可能である。しかしなが
ら、第二段階の反応における反応温度は、200℃〜4
40℃、好ましくは250℃〜300℃と高いので、こ
れらの反応器では使用できる熱媒体の種類が限定される
うえに、熱媒体の温度を高くできないため熱媒体と反応
物の温度差が小さく、伝熱流束を大きくできないという
点で不利な場合がある。これに対して、例えば、電気ヒ
ーター加熱の外熱式ロータリーキルン、遊星運動する撹
拌軸を有する電気ヒーター加熱の槽型反応器、電気ヒー
ター加熱のニーダーなどはヒーター温度を高くできるた
め、伝熱流束を大きくすることができるので好適であ
る。その理由は、第二段階反応は吸熱反応であるため、
反応物の顕熱に加えて反応熱を供給しなければならず、
反応速度は伝熱速度に依存するからである。
【0030】第二段階の反応では、反応器に濃硫酸が接
触することがないので、容器の材質としては、例えば炭
素鋼などの材質であれば十分である。また、第一段階の
反応と同様に、反応の進行に伴って二酸化硫黄ガスが発
生するので、反応器は密閉容器とし、これに二酸化硫黄
ガスを排出する配管を設け、この配管を二酸化硫黄ガス
洗浄装置に接続して二酸化硫黄ガスを除去する。二酸化
硫黄ガス洗浄装置および下流の吸引ブロワは第一段階の
反応と共有することが可能である。
【0031】第二段階の反応の所要時間は、反応物の粒
子内部まで充分に加熱されるのに必要な時間が確保でき
ればよく、所要時間としては0.5時間〜3時間、特に
1時間〜1.5時間が好ましい。
【0032】本発明における第二の方法は、4価のバナ
ジウム化合物もしくは5価のバナジウム化合物またはそ
れらの混合物に、前記バナジウム化合物が4価の化合物
である場合、バナジウム化合物中のバナジウム原子に対
するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜
0.15倍の硫黄を加え、前記バナジウム化合物が5価
の化合物である場合、バナジウム化合物中のバナジウム
原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、
0.35〜0.4倍の硫黄を加え、前記バナジウム化合
物が4価と5価の化合物の混合物である場合、バナジウ
ム混合物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2
〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.4倍の硫黄を混合す
る際に、バナジウム化合物と硫酸またはバナジウム化合
物と硫黄をあらかじめ混合し、この混合物の温度を30
℃〜180℃、好ましくは50℃〜120℃の範囲に保
つように添加速度を調節しながら残りの1成分を添加し
て3成分すべてを混合した後、3成分の混合物を200
℃〜440℃、好ましくは250℃〜300℃に加熱す
る方法である。
【0033】この第二の方法における第一段階の反応
は、回分操作で行うのに適している。この方法におい
て、バナジウム化合物と硫酸またはバナジウム化合物と
硫黄の混合は、反応器内で行ってもよいし、反応器とは
別容器で行ってもよい。第一段階の反応における反応器
としては、例えば上記第一の方法で挙げた遊星運動する
撹拌軸を有するジャケット付き槽型反応器や、粉体もし
くは可塑性固体の混合もしくは混練に用いるジャケット
付きニーダーなどを用いることができる。この第二の方
法では、最初に混合しなかった成分の添加速度を制御す
ることによって、還元反応の速度を制御できるため、反
応器の除熱能力に応じて反応を進めればよく、必ずしも
伝熱面積の大きな反応器を用いる必要はない。ただし、
反応器の接液面は、第一段階の反応温度の範囲で濃硫酸
に耐えうる材質でなければならず、そのような材質とし
ては、前記第一の方法と同様のものを挙げることができ
る。また、第一の方法の場合と同様に二酸化硫黄ガス洗
浄装置と吸引ブロワが必要である。
【0034】第二の方法において、あらかじめ混合して
おく成分は、バナジウム化合物と硫酸でもよいし、バナ
ジウム化合物と硫黄でもよい。反応の均一性と除熱の容
易さから言えば、反応初期ではスラリー状態である前者
の組み合わせの方が好ましく、反応器の耐食性の観点か
らは終始一貫して粉体である後者の組み合わせの方が好
ましい。一般的に反応器の容積が多くなるほど反応を均
一に保ち速やかに除熱するのが難しくなるので、生産性
が少ない場合は後者の組み合わせの方が、多い場合は前
者の組み合わせの方が望ましいと言える。
【0035】一方、この第二の方法における第二段階の
反応は、第一の方法の場合と何ら変わるところはなく、
第一の方法について記載した第二段階の反応の反応器と
同様の反応装置を用い、同様の条件で行うことができ
る。
【0036】本発明における反応過程を実現する第三の
方法は、4価のバナジウム化合物もしくは5価のバナジ
ウム化合物またはそれらの混合物に、前記バナジウム化
合物が4価の化合物である場合、バナジウム化合物中の
バナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の
硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄を加え、前記バナジ
ウム化合物が5価の化合物である場合、バナジウム化合
物中のバナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.
9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄を加え、前記
バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合物である
場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に対するモ
ル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.4倍
の硫黄を混合する際に、まずバナジウム化合物と硫黄を
あらかじめ混合し、次に、例えば反応器に仕込んだ硫酸
に、バナジウム化合物と硫黄の混合物を、3成分の混合
物の温度が30℃〜180℃、好ましくは50℃〜12
0℃の範囲に保つように添加速度を調節しながら添加し
て3成分すべてを混合した後、3成分の混合物を200
℃〜440℃、好ましくは250℃〜300℃に加熱す
る方法である。
【0037】この第三の方法における第一段階の反応
は、回分操作で行うことが好ましい。この方法におい
て、バナジウム化合物と硫黄の混合は、反応器とは別容
器で行い、反応器としては例えば第一の方法で挙げた遊
星運動する撹拌軸を有するジャケット付き槽型反応器を
用いることが好ましい。この方法ではバナジウム化合物
と硫黄の混合物の硫酸への添加速度を制御することによ
って還元反応の速度を制御できるため、第二の方法と同
様に反応器の除熱能力に応じて反応を進めればよく、必
ずしも伝熱面積の大きな反応器を用いる必要がない。さ
らに、反応初期では3成分を混合した反応物は低粘度の
スラリーであり、反応熱の除去は第二の方法に比べてい
っそう容易である。ただし、反応器の接液面は反応初期
には直ちに濃硫酸と接するので、反応器の材質には格段
の耐硫酸性が必要であり、例えば、グラスライニング等
の材質のものを用いることが好ましい。また、他の方法
の場合と同様に二酸化硫黄ガス洗浄装置と吸引ブロワが
必要である。
【0038】一方、この第三の方法における第二段階の
反応は、第一および第二の方法の場合と何らかわるとこ
ろはなく、第一の方法について記載した第二段階反応の
反応器と同様の反応装置を用い、同様の条件で行うこと
ができる。
【0039】次に、図1においてバナジウム硫酸塩の製
造装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態
のバナジウム硫酸塩製造装置100の概略を示す図面で
ある。このバナジウム硫酸塩の製造装置100は、主要
な構成として、バナジウム化合物ホッパー10、硫黄ホ
ッパー20、硫酸ホッパー30、第1の反応器61、第
2の反応器62、ガス排出管71、ガス洗浄装置72、
ガス吸引ブロワ74を備えたものである。
【0040】第1の反応器61は、バナジウム化合物1
1もしくは硫黄21またはそれらの混合物を供給するた
めの供給手段と、硫酸31を供給する供給手段と、バナ
ジウム化合物11と硫黄21と硫酸31からなる3成分
混合物を撹拌する撹拌装置(図示せず)と、発生するガ
スを排出するためのガス排出管71とを備えている。こ
の第1の反応器61では上記3成分混合物がスラリーか
ら固体に変化する第一段階の反応が起こるため、どちら
の状態にも対応できる反応器を用いることが好ましい。
第1の反応器61としては、例えば、ミキサー型撹拌装
置付き反応器、遊星運動する撹拌軸を有する反応器を挙
げることができる。また、第1の反応器の反応温度は3
0℃から180℃、好ましくは50℃から120℃に設
定するため加熱/冷却手段を備えることもできる。加熱
/冷却手段としては、例えば、ジャケットに加熱/冷却
媒体を流す手段を挙げることができる。反応容器の材質
としては、所定の温度範囲において硫酸に耐えうる材質
でなければならず、例えば、ステンレス合金、20合
金、ハステロイ、グラスライニングを挙げることができ
る。また、第一段階の反応では、反応の進行に伴って二
酸化硫黄ガスが発生するので、第1の反応器61は密閉
容器とし、これに二酸化硫黄ガスを排出する排出管71
を設け、この排出管71を二酸化硫黄ガスのガス洗浄装
置72に接続して二酸化硫黄ガスを除去する。
【0041】第2の反応器62は、反応物を撹拌するた
めの撹拌装置(図示せず)と、第2の反応器62を一定
温度に保つための加熱手段(図示せず)と、発生するガ
スを排出するためのガス排出管71とを備えている。第
2の反応器62中の反応物は粉体であり、一般に粉体の
加熱処理に用いられる反応器が利用できる。例えば、第
1の反応器61で用いた、ミキサー型撹拌装置や遊星運
動する撹拌軸を有する撹拌装置、または、ロータリーキ
ルンやスクリューキルンを挙げることができる。なお、
加熱手段としては、例えばジャケットに加熱媒体を流す
加熱手段を用いることができる。しかし、この第二段階
の反応における反応温度は、200℃から440℃、好
ましくは250℃から300℃と高いので、ヒーターの
温度を高くできる、例えば、電気ヒーター加熱式撹拌装
置付反応器を用いることが好ましい。
【0042】第2の反応器62では、反応器に硫酸が接
触することがないので、容器の材質としては、例えば炭
素鋼などの素材で充分である。また、第二段階の反応で
は、第一段階の反応と同様に反応の進行に伴って二酸化
硫黄ガスが発生するので、第2の反応器62は密閉容器
とし、これに二酸化硫黄ガスを排出する排出管71を設
け、この排出管71を二酸化硫黄ガスのガス洗浄装置7
2に接続して二酸化硫黄ガスを除去する。生成したバナ
ジウム硫酸塩91は、バナジウム硫酸塩貯槽90に移送
される。
【0043】第1の反応器61に、バナジウム化合物1
1もしくは硫黄21またはそれらの混合物を供給するた
めの供給手段は、例えば、バナジウム化合物ホッパー1
0と硫黄ホッパー20と、バナジウム化合物11を定量
するための定量フィダー12と硫黄21を定量するため
の定量フィダー22と、バナジウム化合物11と硫黄2
1を混合するための混合機15と、バナジウム化合物1
1もしくは硫黄21またはそれらの混合物を一時的に貯
蔵する中間ホッパー17と、第1の反応器61に供給さ
れるバナジウム化合物11もしくは硫黄21またはそれ
らの混合物の量を定量する定量フィダー42とからな
る。より十分な混合を得るために混合機15は複数器用
いることもでき、混合機15は中間ホッパー17の機能
を併せ持つこともできる。また、硫酸31を供給する供
給手段は、例えば、硫酸ホッパー30と、第1反応器6
1に導入される硫酸31の量を定量するための定量フィ
ダー32とからなる。
【0044】第1の反応器61もしくは第2の反応器6
2またはそれらの反応器から発生する二酸化硫黄ガスを
排出する排出管71は、二酸化硫黄ガスのガス洗浄装置
72に接続する。ガス洗浄装置72に導入される二酸化
硫黄ガスは、例えば循環装置73によって循環される溶
液によって除去される。そして、二酸化硫黄ガスを除去
して洗浄されたガスは吸引ブロワ74によって系外に排
出され、ガス洗浄に用いられる溶液はガス洗浄能力がな
くなると新しい溶液と交換される。
【0045】図2において、バナジウム硫酸塩の製造装
置について説明する。図2は、本発明の一実施形態のバ
ナジウム硫酸塩製造装置200の概略を示す図面であ
る。このバナジウム硫酸塩の製造装置200は、主要な
構成として、バナジウム化合物ホッパー10、硫黄ホッ
パー20、硫酸ホッパー30、加熱手段付き反応器6
3、ガス排出管71、ガス洗浄装置72、ガス吸引ブロ
ワ74を備えたものである。
【0046】反応器63は、バナジウム化合物11もし
くは硫黄21またはそれらの混合物を供給するための供
給手段と、硫酸31を供給する供給手段と、バナジウム
化合物11と硫黄21と硫酸31からなる3成分混合物
を撹拌する撹拌装置(図示せず)と、発生するガスを排
出するためのガス排出管71と、反応器63を一定の温
度に保つための加熱手段(図示せず)と、生成したバナ
ジウム硫酸塩91を貯槽90に供給する供給手段とを備
えている。この反応器63では上記3成分混合物がスラ
リーから固体に変化し、そのときの反応温度が30℃か
ら180℃、好ましくは50℃から120℃で反応させ
る第一段階の反応と、第一段階の反応に引き続き混合物
を200℃から440℃、好ましくは250℃から30
0℃の温度まで加熱して反応を終結させる第二段階の反
応が起こるため、どちらの反応状態にも対応できる反応
器を用いることが好ましい。反応器63としては、例え
ば、ミキサー型撹拌装置付き反応器、遊星運動する撹拌
軸を有する反応器を挙げることができる。また前記反応
温度に設定するため加熱手段と、反応器が前記反応温度
範囲の超過防止のための冷却手段を備えることもでき
る。加熱手段としては、例えば、ジャケットに加熱媒体
を流す手段、電気ヒーターを用いて加熱する手段を挙げ
ることができる。冷却手段としては、例えば、ジャケッ
トに冷却媒体を流す手段を挙げることができる。反応容
器の材質としては、所定の温度範囲において硫酸に耐え
うる材質でなければならず、例えば、ステンレス合金、
20合金、ハステロイ、グラスライニングを挙げること
ができる。また、反応の進行に伴って二酸化硫黄ガスが
発生するので、反応器63は密閉容器とし、これに二酸
化硫黄ガスを排出する排出管71を設け、この排出管7
1を二酸化硫黄ガスのガス洗浄装置72に接続して二酸
化硫黄ガスを除去する。
【0047】反応器63に、バナジウム化合物11もし
くは硫黄21またはそれらの混合物を供給するための供
給手段および硫酸31を供給するための供給手段は、例
えば前記図1の場合と同様の装置を用いることができ
る。
【0048】反応器63から発生する二酸化硫黄ガスを
処理する装置は、例えば前記図1の場合と同様の装置を
用いることができる。
【0049】
【作用】本発明のバナジウム化合物の還元反応は、二段
階に分けることができる。第一段階は、反応物を30℃
〜180℃の温度範囲に保持しながら3成分をスラリー
状から固体に変化させる過程であって、この過程では主
に5価のバナジウム化合物が存在する場合に4価のバナ
ジウム硫酸塩に還元される反応が進行しているものと考
えられる。この過程の中間で硫酸スラリー溶液は急激に
粘度が高くなり、ついには濃緑色の固体となる。この反
応は発熱反応である。
【0050】第二段階は第一段階で生成した濃緑色の固
体を200℃〜440℃、好ましくは250℃〜300
℃に加熱し、該固体より二酸化硫黄ガスを発生させる過
程であって、この過程では主に4価のバナジウム硫酸塩
が3価のバナジウム硫酸塩に還元される反応が進行して
いるものと考えられる。この過程で濃緑色の固体は次第
に黄褐色に変化してゆく。この反応は吸熱反応である。
【0051】5価のバナジウム化合物が4価のバナジウ
ム硫酸塩に還元される反応が比較的低温でも進行するこ
とは、特開平05−290871号公報などに述べられ
ているが、この反応が発熱反応であることは指摘されて
いない。これは、特開平05−290871号公報など
のバナジウム還元反応ではバナジウム酸化物に対して硫
酸溶液が重量比で8〜10倍と多く、反応物の温度を上
げるためには反応熱だけでは足らず外部からの加熱が必
要なため、該反応が発熱反応であることを特に意識する
必要がなかったからである。
【0052】これに対して特願2000−202311
号や本発明では、バナジウム酸化物に対する硫酸溶液量
がモル比で1.2〜1.9倍と少なく、反応熱のみで反応
物が非常に高い温度まで昇温してしまう。バナジウムの
還元反応は一般的な化学反応と同様に温度が高いほど反
応速度が早くなるため、温度上昇によって反応速度が増
加して反応熱の発生が増加しさらに反応物の温度が上昇
するという連鎖が生じやすい。このため反応の制御が甚
だ困難となり、反応物温度が不要なまでに上昇し反応器
が高温の硫酸スラリーに曝されるという問題が生じるの
である。
【0053】本発明者らは、4価のバナジウム化合物も
しくは5価のバナジウム化合物またはそれらの混合物
に、前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、
バナジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比
で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の
硫黄を加え、前記バナジウム化合物が5価の化合物であ
る場合、バナジウム化合物中のバナジウム原子に対する
モル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.
4倍の硫黄を加え、前記バナジウム化合物が4価と5価
の化合物の混合物である場合、バナジウム混合物中のバ
ナジウム原子に対するモル比で、1.2〜1.9倍の硫
酸と、0.1〜0.4倍の硫黄を加えた後、200℃〜
440℃に加熱して3価のバナジウム硫酸塩と4価のバ
ナジウム硫酸塩の混合物を得る反応においては、反応物
は30℃〜180℃という比較的低い温度でスラリーか
ら固体状態へ転化すること、および固体状態で進行する
反応は反応器をほとんど腐食せず反応器材料による生成
物の汚染も無いことを見いだした。このような知見に基
づき本発明では、反応物が硫酸スラリーの状態である反
応初期に反応物の温度を比較的低温に保ってゆっくりと
反応を進行させ、反応物が固体に変化してから反応物の
温度を上げて還元反応を完結させる、という反応過程を
とることによって、反応器の腐食を防止し、夾雑物の混
入を防いで純度の高いバナジウム硫酸塩の製造を可能に
したものである。
【0054】
【実施例】次に、実施例等を挙げ、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらによって制約されるもので
はない。
【0055】実施例1 ポリエチレン製ビーカーに計りとった98%硫酸101
0gに、目開き300ミクロンの篩にかけておいた五酸
化バナジウム600gと硫黄80gを撹拌しながら加
え、ほぼ均一なスラリーを得た。ビーカーは流水中に浸
し、ビーカーの内容物の温度が20℃を越えないように
した。
【0056】スラリーの全量を内容積5リットルの回分
式二軸ニーダーの反応器に移し、ジャケットに50℃の
温水を流してスラリーを加温した。反応器はSUS30
4製(JIS)であった。スラリーの温度が40℃を越
えた付近から温度が急激に上昇し始めたため、温水を冷
水に切り替えてスラリー温度を70℃に維持した。ほど
なくスラリーの粘性が増加して水飴状となり、さらに粘
土状を経て土塊状のぼろぼろの粉体となった。粘土状と
なった時点から盛んにガスが発生し始め、粉体となって
もガス発生はしばらく継続したが、70℃になって15
分ほどでほとんどガスが出なくなった。この時点を反応
終点の目安として、ここで生成粉体の試料を採取し、こ
れを試料11とした。発生したガスにおいてガスクロマ
トグラフを用いて分析したところ、二酸化硫黄ガスであ
ることがわかった。
【0057】粉体の全量を回収し、同じ形式の回分式二
軸ニーダーの反応器に移した。反応器は同じくSUS3
04製(JIS)であった。ジャケットに熱媒体油を満
たし電気ヒーターで250℃まで加熱し、内部温度が2
50℃に到達してから1時間保持した。1時間後に生成
物の試料を採取し、これを試料12とした。
【0058】試料11と試料12のバナジウムの価数別
の組成を電位差滴定法で測定したところ、表1に示すよ
うな結果が得られた。また、試料12中の不純物含有量
を測定したところ表2の値を得た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】実施例2 ポリエチレン製ビーカーに計りとった98%硫酸101
0gに、目開き300ミクロンの篩にかけておいた五酸
化バナジウム600gを撹拌しながら加え、ほぼ均一な
スラリーを得た。
【0062】スラリーの全量を内容積5リットルの回分
式ミキサーの反応器に移し、容器のジャケットに熱媒体
油を満たし電気ヒーターで100℃まで加熱した。反応
器はSUS304製(JIS)であった。スラリーの温
度が100℃になった時点から、目開き300ミクロン
の篩にかけておいた硫黄80gを8gずつ1分間隔で1
0回に分けて加えていった。ほどなくスラリーの粘性が
増加して水飴状となり、さらに粘土状を経て土塊状のぼ
ろぼろの粉体となった。反応器の内部温度は110℃ま
で上昇した。反応物が粘土状となった時点から盛んにガ
スが発生し始め、粉体となってもガス発生はしばらく継
続したが、最後の硫黄を加えてから10分ほどでほとん
どガスが出なくなった。ここで粉体の試料を採取し、こ
れを試料21とした。
【0063】粉体の全量を回収し、これを外熱式のロー
タリーキルン装置で300℃で1時間焼成し、生成物か
ら試料を採取し、これを試料22とした。ロータリーキ
ルンの回転円筒はSUS304製(JIS)であった。
【0064】試料21と試料22のバナジウムの価数別
の組成を電位差滴定法で測定したところ、表3に示すよ
うな結果が得られた。また、試料22中の不純物含有量
を測定したところ表4の値を得た。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】実施例3 目開き300ミクロンの篩にかけておいた五酸化バナジ
ウム300g、硫酸バナジル537.7gおよび硫黄5
0gを混合し、ほぼ均一な粉体を得た。
【0068】98%硫酸1010gを内容積5リットル
の回分式ミキサーのグラスライニングを施した反応器に
入れ、容器のジャケットに熱媒体油を満たし電気ヒータ
ーで50℃まで加熱した。硫酸の温度が50℃になった
時点から、混合粉体を45g/分で加えていった。ほど
なくスラリーの粘性が増加して水飴状となり、ガスが発
生し始め、反応器の内部温度は70℃まで上昇した。粉
体を供給し続けると反応物は粘土状となり、最終的には
土塊状の凝集した粉体となった。混合粉体の供給を終え
てから10分ほどでほとんどガスが出なくなった。ここ
で粉体の試料を採取し、これを試料31とした。
【0069】粉体の全量を回収し、これを実施例2で用
いた外熱式のロータリーキルン装置を用い、300℃で
1時間焼成し、生成物から試料を採取し、これを試料3
2とした。
【0070】試料31と試料32のバナジウムの価数別
の組成を電位差滴定法で測定したところ、表5に示すよ
うな結果が得られた。また、試料32中の不純物含有量
を測定したところ、表6の値を得た。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】比較例1 実施例1と同様の分量および方法で調整したスラリーの
全量を実施例1で用いた内容積5リットルの回分式二軸
ニーダーに移し、ジャケットに熱媒体としての油を満た
し、電気ヒーターで加熱した。熱媒体である油の温度が
50℃を越えると反応器内の温度が急激に上昇し、5分
間で215℃まで到達した。温度の上昇中に激しいガス
発生があり、215℃到達後もしばらくガス発生が続い
た。その後、250℃まで加熱し、内部温度が250℃
に到達してから1時間保持した。1時間後に生成物の試
料を採取し、これを試料41とした。
【0074】試料41のバナジウムの価数別の組成を電
位差滴定法で測定したところ、表7に示すような結果が
得られた。また、試料41中の不純物含有量を測定した
ところ表8の値を得た。
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【発明の効果】本発明のバナジウム硫酸塩の製造方法に
よれば、反応物が硫酸スラリーの状態である反応初期に
反応物の温度を比較的低温に保ってゆっくりと反応を進
行させ、反応物が固体に変化してから反応物の温度を上
げて還元反応を完結させるという反応過程をとることに
よって、反応初期に反応物温度が急激に上昇して反応器
が高温の硫酸スラリーに曝されることによる反応器の腐
食や反応器材料の反応物への溶け出しを防止できるの
で、不純物混入の問題を解消できる。従って、実施例に
示したように、本発明のバナジウム硫酸塩の製造方法に
よれば、不純物の混入の少ない3価バナジウム硫酸塩と
4価バナジウム硫酸塩の混合物を工業的に生産すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のバナジウム硫酸塩製造
装置の概略図である。
【図2】 本発明の一実施形態のバナジウム硫酸塩製造
装置の概略図である。
【符号の説明】 10 バナジウム化合物ホッパー 11 バナジウム化合物 12、22、32、42 定量フィダー 15 混合機 17 中間ホッパー 20 硫黄ホッパー 21 硫黄 30 硫酸ホッパー 31 硫酸 61 第1の反応器 62 第2の反応器 63 反応器 71 ガス排出管 72 ガス洗浄装置 73 循環ポンプ 74 吸引ブロワ 90 バナジウム硫酸塩貯槽 91 バナジウム硫酸塩 100 バナジウム硫酸塩製造装置 200 バナジウム硫酸塩製造装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長畑 寛 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 田中 保之 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 三田 宗雄 山口県徳山市周陽1−2 日本化学工業株 式会社徳山工場内 Fターム(参考) 4G048 AA07 AB01 AB05 AC06 AE05 5H026 AA10 BB00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4価のバナジウム化合物もしくは5価の
    バナジウム化合物またはそれらの混合物に、 前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合物で
    ある場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に対す
    るモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.
    4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱して
    3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混
    合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、 バナジウム化合物と硫酸と硫黄とからなる3成分を混合
    した反応物がスラリーの状態にある段階では温度を30
    ℃〜180℃の範囲に保ち、反応物が固体に変化してか
    ら反応物を200℃〜440℃の温度まで加熱すること
    を特徴とする、バナジウム硫酸塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 4価のバナジウム化合物もしくは5価の
    バナジウム化合物またはそれらの混合物に、 前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合物で
    ある場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に対す
    るモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.
    4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱して
    3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混
    合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、 バナジウム化合物と硫酸と硫黄とからなる3成分を25
    ℃以下の温度に保ちながら混合し、温度を30℃〜18
    0℃の範囲に保持しながら3成分をスラリー状から固体
    に変化させた後、200℃〜440℃の温度まで加熱す
    ることを特徴とする、バナジウム硫酸塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 4価のバナジウム化合物もしくは5価の
    バナジウム化合物またはそれらの混合物に、 前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合物で
    ある場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に対す
    るモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.
    4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱して
    3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混
    合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、 バナジウム化合物と硫酸またはバナジウム化合物と硫黄
    をあらかじめ混合し、この混合物に、添加速度を調節し
    ながら残りの1成分を添加していくことにより温度を3
    0℃〜180℃の範囲に保持しながら3成分を混合して
    反応物をスラリー状から固体に変化させた後、この反応
    物を200℃〜440℃の温度まで加熱することを特徴
    とするバナジウム硫酸塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 4価のバナジウム化合物もしくは5価の
    バナジウム化合物またはそれらの混合物に、 前記バナジウム化合物が4価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.15倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が5価の化合物である場合、バナ
    ジウム化合物中のバナジウム原子に対するモル比で、
    1.2〜1.9倍の硫酸と、0.35〜0.4倍の硫黄
    を加え、 前記バナジウム化合物が4価と5価の化合物の混合物で
    ある場合、バナジウム混合物中のバナジウム原子に対す
    るモル比で、1.2〜1.9倍の硫酸と、0.1〜0.
    4倍の硫黄を加えた後、200℃〜440℃に加熱して
    3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸塩の混
    合物を得るバナジウム硫酸塩の製造方法であって、 バナジウム化合物と硫黄をあらかじめ混合し、このバナ
    ジウム化合物と硫黄の混合物を添加速度を調節しながら
    硫酸中に添加していくことにより、温度を30℃〜18
    0℃の範囲に保持しながら3成分を混合して反応物をス
    ラリー状から固体に変化させた後、この反応物を200
    ℃〜440℃の温度まで加熱することを特徴とするバナ
    ジウム硫酸塩の製造方法。
  5. 【請求項5】4価のバナジウム化合物もしくは5価のバ
    ナジウム化合物またはそれらの混合物に、硫黄と硫酸を
    加えて3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸
    塩の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造装置であっ
    て、 バナジウム化合物と硫黄と硫酸を混合した反応物を、3
    0℃〜180℃の温度範囲に保つ第一段階の反応を行う
    ための第1の反応器と、前記第1の反応器から発生する
    ガスを排出するためのガス排出手段と、 前記第一段階の反応で生じた反応物を200℃〜440
    ℃の温度まで加熱する第二段階の反応を行うための加熱
    手段付き第2の反応器と、前記第2の反応器から発生す
    るガスを排出するためのガス排出手段と、を備えている
    ことを特徴とする、バナジウム硫酸塩の製造装置。
  6. 【請求項6】4価のバナジウム化合物もしくは5価のバ
    ナジウム化合物またはそれらの混合物に、硫黄と硫酸を
    加えて3価のバナジウム硫酸塩と4価のバナジウム硫酸
    塩の混合物を得るバナジウム硫酸塩の製造装置であっ
    て、 バナジウム化合物と硫黄と硫酸を混合した反応物を、3
    0℃〜180℃の温度範囲に保つ第一段階の反応と前記
    第一段階の反応で生じた反応物を200℃〜440℃の
    温度まで加熱する第二段階の反応を一連して行うための
    加熱手段付き反応器と、前記反応器から発生するガスを
    排出するためのガス排出手段と、を備えていることを特
    徴とする、バナジウム硫酸塩の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3324474A4 (en) * 2015-10-20 2018-05-23 Le System Co., Ltd. Method for producing vanadium electrolytic solution for redox flow cell

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