JP2003136500A - 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法

Info

Publication number
JP2003136500A
JP2003136500A JP2001337789A JP2001337789A JP2003136500A JP 2003136500 A JP2003136500 A JP 2003136500A JP 2001337789 A JP2001337789 A JP 2001337789A JP 2001337789 A JP2001337789 A JP 2001337789A JP 2003136500 A JP2003136500 A JP 2003136500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
microfluidic device
resin diaphragm
defective portion
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001337789A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Atsushi Teramae
敦司 寺前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawamura Institute of Chemical Research filed Critical Kawamura Institute of Chemical Research
Priority to JP2001337789A priority Critical patent/JP2003136500A/ja
Publication of JP2003136500A publication Critical patent/JP2003136500A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、柔軟で破損しやすくか
つ極微小な樹脂ダイヤフラムが形成されたマイクロ流体
デバイスの製造方法、特にダイヤフラム式バルブやダイ
ヤフラム式ポンプが形成された該デバイスの製造方法を
提供する。 【解決手段】 (i)支持体上に第一部材形成材料を固化
した塗膜状の第一部材を形成する工程、(ii)支持体上の
第一部材と第二部材とを接着剤を介して積層し接着する
工程、及び、(iii)支持体を第一部材から除去し、第一
部材を第二部材に転写する工程を含む、樹脂ダイヤフラ
ムを有する第一部材と、部材表面に達しかつ流体の流路
を成す欠損部を有する第二部材とが、該欠損部形成面を
接着面として該欠損部と樹脂ダイヤフラムが重なるよう
接着剤で積層、接着されて、該欠損部が第一部材との間
で流路を形成する樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流
体デバイスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ流体デバ
イス、即ち内部に微細な流路を有するデバイスの製造方
法に関し、樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバ
イスの製造方法に関し、薄く柔軟な樹脂ダイヤフラムを
他の部材に積層し接着することによりマイクロ流体デバ
イスを製造する方法に関し、バルブやポンプ用の樹脂ダ
イヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法に
関し、例えば、化学、生化学の分野で用いられる反応用
のマイクロ流体デバイス(マイクロ・リアクター)、D
NA分析、免疫分析などの用途に使用される、部材中に
流路、反応槽、電気泳動カラム、膜分離機構及びセンサ
ーなどの構造が形成された分析用マイクロ流体デバイ
ス、マイクロアレイ製造用ノズルなどの流体吐出用マイ
クロ流体デバイス、の製造方法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は樹脂ダイヤフラム
と成す層を一時的な支持体上に形成し、それを他の部材
と接着剤を介して積層させ接着させた後に一時的な支持
体を除去して、樹脂ダイヤフラムと成す層を他の部材に
転写することを特徴とするマイクロ流体デバイスの製造
方法に関し、樹脂ダイヤフラムと成す層をエネルギー線
硬化性樹脂形成するマイクロ流体デバイスの製造方法に
関する。
【0003】
【従来の技術】「サイエンス(SCIENCE)」誌
(第288巻、113頁、2000年)には、注型法に
て表面に溝を有するシリコンゴム製の部材を形成し、2
つの該部材でシリコンゴムシートを挟んで接着すること
によって、立体交差する毛細管状の流路を形成する方法
が記載されている。
【0004】しかしながら、自立出来ないほどに薄く柔
軟な層を積層して、多層構造のマイクロ流体デバイスを
工業的に製造することは相当に困難であった。更に、シ
リコンゴムは生化学物質の吸着が多いため用途が限定さ
れることや、シリコンゴムを硬化させるのに長時間を要
し、生産性が著しく低いという欠点もあった。
【0005】一方、活性エネルギー線線硬化性樹脂で形
成されたマイクロ流体デバイスは、エネルギー線硬化性
樹脂を半硬化させた状態で他の部材と接触させ、その状
態で活性エネルギー線を再照射して完全に硬化させる方
法によって、接着剤を使用することなく接着可能であ
り、極めて高い生産性で製造可能である。しかし、この
方法によっても、自立出来ないほどに薄く柔軟なフィル
ムを、微小な欠損部の位置を合わせて積層することは、
工業的には相当に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、破損しやすい、非常に薄くかつ柔軟な樹脂
ダイヤフラムとなる層を工業的に安定した方法で他の部
材に積層し接着して、樹脂ダイヤフラムを有するマイク
ロ流体デバイスを製造する方法を提供し、樹脂ダイヤフ
ラムを有するマイクロ流体デバイスを高い生産性で製造
する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する方法について鋭意検討した結果、一時的な支
持体上に樹脂ダイヤフラムとなる形成材料を賦形し固化
させて第一部材を形成し、該第一部材を他の部材に接着
剤を介して積層し接着した後、支持体を除去して該第一
部材を他の部材上に転写し、前記他の部材に設けられた
一部を部材表面に流路となる欠損部に面するよう積層し
接着して樹脂ダイヤフラムとなすことによって、樹脂ダ
イヤフラムを有するマイクロ流体デバイスを容易に製造
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の工程を含む、樹脂
ダイヤフラムを有する第一部材と、部材表面に達しかつ
流体の流路を成す欠損部を有する第二部材とが、該欠損
部形成面を接着面として該欠損部と樹脂ダイヤフラムが
重なるよう接着剤を介して積層され接着されて、該欠損
部が第一部材との間で流路を形成することを特徴とする
樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造
方法、
【0009】(i)支持体上に第一部材形成材料を固化し
た塗膜状の第一部材を形成する工程、(ii)支持体上に形
成された第一部材を、第二部材の該欠損部形成面を接着
面として該欠損部と樹脂ダイヤフラムが重なるよう接着
剤を介して積層し接着する工程、及び、(iii)支持体を
第一部材から除去することにより、第一部材を第二部材
に転写する工程を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、その一部が
樹脂ダイヤフラムとなる樹脂層(以下、この樹脂層を
「第一部材」と称する)と、部材表面に達しかつ流体の
流路を成す欠損部を有する部材(以下、「第二部材」と
称する)が、該欠損部形成面を接着面として樹脂ダイヤ
フラムと該欠損部が重なるよう接着剤を介して積層され
接着されて、該欠損部が第一部材との間で流路が形成さ
れ、第一部材の流路の一面を構成してい部分がダイヤフ
ラムを構成しているマイクロ流体デバイスの製造方法に
関する。
【0011】本発明の方法で製造されるマイクロ流体デ
バイスは、内部に断面積が1×10 −12 〜1×
10−6、好ましくは1×10−10 〜2.
5×10−5の毛細管状の流路が形成されている。
流路断面の幅、高さは、両者とも好ましくは1μm 〜1
000μmであり、さらに好ましくは10μm〜500μ
mである。流路断面がこれらの寸法より小さい場合には
製造が困難となる。本発明で製造されるマイクロ流体デ
バイスは、この範囲の断面積の流路を有することで、反
応・分析時間の短縮、少量の試料で合成・分析が可能、
少廃棄物、温調精度の向上、などのマイクロ流体デバイ
スとしての特長が発揮される。
【0012】流路断面の幅/高さ比は、用途、目的に応
じて任意に設定できるが、一般には、0.5〜10が好
ましく、0.7〜5が更に好ましい。流路の断面形状
は、矩形(角が丸められた矩形を含む。以下同じ)、台
形、円、半円形、スリット状など任意である。流路の幅
は一定である必要はない。流路は本発明のマイクロ流体
デバイスの外部に連絡していても良いし、外部に連絡し
ておらず、本デバイス内の他の構造、例えば、貯液槽、
廃液吸収部、圧力タンク、減圧タンクなどに連絡してい
ても良い。
【0013】マイクロ流体デバイス外から見た流路の形
状、例えば形成されたマイクロ流体デバイスの第一部材
側の表面に直角な方向から見た形状は、用途目的に応じ
て直線、分岐、櫛型、曲線、渦巻き、ジグザグ、その他
任意の形状であってよい。流路は、流体が流れる毛細管
状の空間を言い、単なる流体移送用の流路の他、反応
場、混合場、抽出場、分離場、流量測定部、検出部など
として使用されるものであっても良い。流路に接続して
流路以外の構造、例えば、貯液槽、反応槽、膜分離機
構、廃液吸収部、デバイス外への接続口などが形成され
ていても良い。
【0014】流路は、第二部材の欠損部として第二部材
中に形成されていても良いし、第二部材の欠損部と第一
部材でもって形成されていても良い。本発明に於ける樹
脂ダイヤフラムの面積は任意であるが、好ましくは1×
10 −10 〜1×10−5であり、さらに好
ましくは2.5×10−9 〜1×10−6
ある。これらの範囲未満であると流体移送の駆動力が低
下し、これらの範囲を越えるとデバイスが大きくなり、
マイクロデバイスとしてのメリットが減少するか、ある
いは相対的に大容量のポンプを使用することになって流
量調節能が低下し、共に好ましくない。
【0015】本発明のマイクロ流体デバイスにおいて樹
脂ダイヤフラムが第一部材の面積に占める割合(比率)
は特に限定されるものではないが、通常寸法のポンプの
ダイヤフラムに比べると極めて小さく、好ましくは1×
10−8〜3×10−2、更に好ましくは1×10−7
〜1×10−2である。この1×10×−8以上であれ
ばマイクロ流体デバイスとしてのメリットがより増加
し、3×10−2以内であれば微小なダイヤフラムの製
造がより容易となる。
【0016】本発明の製造方法で用いられる一時的な支
持体は、第一部材形成材料をその上に固化した塗膜状に
成形することが可能であり、且つ、賦形した第一部材形
成材料を固化させた後に何らかの方法で除去できるもの
である。なお、本発明においては「塗膜」に「注型物」
を含めるものとする。
【0017】一時的な支持体の形状は特に限定する必要
はなく、任意の形状を採りうる。例えば、シート状(フ
ィルム状、リボン状、ベルト状を含む)、板状、ロール
状(大きなロールを一時的な支持体とし、塗工、硬化、
積層、及び剥離等の工程を、ロールが1周する間に行う
もの)、その他複雑な形状の成型物や鋳型等であり得る
が、第一部材形成材料をその上に塗工し易く、また、活
性エネルギー線を照射し易いと言う観点から、接着すべ
き面が平面状または2次曲面状の形状であること、特に
可撓性のあるシート状であることが好ましい。また、生
産性の面から、ロール状であることも好ましい。
【0018】一時的な支持体の素材は、上記の条件が満
たされれば特に制約はなく、例えば、重合体(ポリマ
ー);ガラス;石英の如き結晶;セラミック;シリコン
の如き半導体;金属などが挙げられるが、これらの中で
も、重合体及び金属が特に好ましい。
【0019】一時的な支持体に使用する重合体は、単独
重合体であっても、共重合体であっても良く、また、熱
可塑性重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良
い。生産性の面から、一時的な支持体に使用する重合体
は、熱可塑性重合体又はエネルギー線硬化性重合体であ
ることが好ましい。
【0020】一時的な支持体の除去が剥離によるもので
ある場合には、多くの種類の第一部材形成材料に対して
溶解しにくく、その硬化物からの剥離が容易であるもの
として、ポリオレフィン系重合体、塩素含有重合体、フ
ッ素含有重合体、ポリチオエーテル系重合体、ポリエー
テルケトン系重合体、ポリエステル系重合体が好ましく
用いられる。
【0021】一時的な支持体は、ポリマーブレンドやポ
リマーアロイで構成されていても良いし、積層体その他
の複合体であっても良い。更に、一時的な支持体は、改
質剤、着色剤、充填材、強化材などの添加物を含有して
も良い。
【0022】一時的な支持体はまた、重合体の場合もそ
れ以外の素材の場合も、表面処理されていて良い。表面
処理は、第一部材形成材料による溶解防止を目的とした
もの、第一部材形成材料の硬化物からの剥離の容易化を
目的としたもの、第一部材形成材料の濡れ性向上を目的
としたもの、第一部材形成材料の浸入を防止ものなどで
あり得る。
【0023】一時的な支持体の表面処理方法は任意であ
り、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、酸
又はアルカリ処理、スルホン化処理、フッ素化処理、シ
ランカップリング剤等によるプライマー処理、表面グラ
フト重合、界面活性剤や離型剤等の塗布、ラビングやサ
ンドブラストなどの物理的処理等が挙げられる。
【0024】一時的な支持体は、第一部材形成材料の塗
工厚みが薄い場合には、第一部材形成材料により濡れる
ものであるか、又は、はじく力が弱いものであることが
好ましい。即ち、使用する第一部材形成材料との接触角
が90度以下であることが好ましく、45度以下である
ことが更に好ましく、25度以下であることが更に好ま
しく、0度であることが最も好ましい。
【0025】一時的な支持体が表面エネルギーの低い素
材、例えば、ポリオレフィン、フッ素系重合体、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等
の場合には、一時的な支持体の接着面の表面処理によ
り、使用する第一部材形成材料との接触角を小さくする
ことが好ましい。
【0026】しかしながら、表面処理によって、硬化さ
せた第一部材形成材料が剥離不可能なほど強固に接着す
ることのないよう処理の程度を調節する必要がある。濡
れ性を向上させるための表面処理方法としては、例え
ば、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸又はアルカリ処
理、スルホン化処理、プライマー処理、界面活性剤の塗
布、が好ましい。
【0027】一方、一時的な支持体が、接着性が良く、
第一部材の剥離が困難な素材で形成されている場合に
は、フッ素処理、フッ素系やシリコン系の剥離剤の塗
布、表面グラフト法による親水基や疎水基の導入、など
の表面処理が好ましい。また、一時的な支持体が、紙、
不織布、編織布などの多孔質体である場合には、第一部
材形成材料の侵入を防止するためにフッ素系化合物処理
やコーティングによる表面非多孔質化を行うことが好ま
しい。また濡れ性の制御は、表面処理の他に、一時的な
支持体にブレンドする改質剤の選択によっても行うこと
ができる。
【0028】一時的な支持体に含有させることができる
改質剤としては、例えば、シリコンオイルやフッ素置換
炭化水素などの疎水化剤(撥水剤);水溶性重合体、界
面活性剤、シリカゲルなどの無機粉末、などの親水化
剤;ジオクチルフタレートなどの可塑剤、が挙げられ
る。一時的な支持体に含有させることができる着色剤と
しては、任意の染料や顔料、蛍光性の染料や顔料、紫外
線吸収剤が挙げられる。一時的な支持体に含有させるこ
とができる強化材としては、例えば、クレイなどの無機
粉末、有機や無機の繊維や織物が挙げられる。
【0029】第一部材形成材料は、固化したその塗膜
が、その一部に樹脂ダイヤフラムを含む第一部材を形成
する材料である。第一部材形成材料は、例えば、固化が
活性エネルギー線の照射による硬化である場合には、エ
ネルギー線重合性化合物(a)を含有するエネルギー線硬
化性組成物(x)であり得るし、固化が熱硬化によるもの
である場合には、熱重合性の化合物を含有する熱重合性
の組成物であり得るし、固化が乾燥によるものである場
合には、溶剤溶解性の重合体の溶液であり得るし、固化
が、溶融物の冷却である場合には、熱可塑性樹脂であり
得る。これらの中で、高い成形性とエネルギー線重合性
化合物(a)を含有するエネルギー線硬化性組成物(x)であ
り生産性故に、エネルギー線硬化性組成物(x)であるこ
とが好ましい。第一部材形成材料は、後述のように、樹
脂ダイヤフラムと成った時に特定の引張弾性率を有する
物であることが好ましい。第一部材に使用できる重合体
としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルス
チレン、ポリスチレン/マレイン酸共重合体、ポリスチ
レン/アクリロニトリル共重合体の如きスチレン系重合
体;ポルスルホン、ポリエーテルスルホンの如きポリス
ルホン系重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リロニトリルの如き(メタ)アクリル系重合体;ポリマ
レイミド系重合体;ビスフェノールA系ポリカーボネー
ト、ビスフェノールF系ポリカーボネート、ビスフェノ
ールZ系ポリカーボネートなどのポリカーボネート系重
合体;
【0030】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4
−メチルペンテン−1の如きポリオレフィン系重合体;
塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き塩素含有重合体;酢
酸セルロース、メチルセルロースの如きセルロース系重
合体;ポリウレタン系重合体;ポリアミド系重合体;ポ
リイミド系重合体;ポリ−2,6−ジメチルフェニレン
オキサイド、ポリフェニレンサルファイドの如きポリエ
ーテル系又はポリチオエーテル系重合体;ポリエーテル
エーテルケトンの如きポリエーテルケトン系重合体;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアリレートの如きポリ
エステル系重合体;エポキシ樹脂;ウレア樹脂;フェノ
ール樹脂;ポリ四フッ化エチレン、PFA(四フッ化エ
チレンとパーフロロアルコキシエチレンの共重合体)な
どのフッ素系重合体、ポリジメチルシロキサン等のシリ
コーン系重合体;本発明で使用するエネルギー線硬化性
組成物(X)の硬化物、等が挙げられる。
【0031】これらの中でも、接着性が良好な点などか
ら、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポ
リカーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリ
エステル系重合体が好ましい。また第一部材は、エネル
ギー線硬化性樹脂の硬化物であることも好ましい。第二
部材は、ポリマーブレンドやポリマーアロイで構成され
ていても良いし、積層体その他の複合体であっても良
い。更に、第一部材は、改質剤、着色剤、充填材、強化
材などの添加物を含有しても良い。
【0032】第一部材に含有させることができる改質剤
としては、例えば、シリコンオイルやフッ素置換炭化水
素などの疎水化剤(撥水剤);水溶性重合体、界面活性
剤、シリカゲルなどの無機粉末、などの親水化剤が挙げ
られる。第一部材に含有させることができる着色剤とし
ては、任意の染料や顔料、蛍光性の染料や顔料、紫外線
吸収剤が挙げられる。第二部材に含有させることができ
る強化材としては、例えば、クレイなどの無機粉末、有
機や無機の繊維が挙げられる。
【0033】第一部材が接着性の低い素材、例えば、ポ
リオレフィン、フッ素系重合体、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルエーテルケトン等の場合には、第
一部材の接着面の表面処理やプライマーの使用により、
接着性を賦与或いは向上させることが好ましい。また、
第一部材の表面にエネルギー線硬化性組成物を塗布し、
活性エネルギー線照射により半硬化させた層を形成し、
これを第一部材とすることも第二部材との接着性向上の
為に好ましく、接着性の観点からは、第一部材がエネル
ギー線硬化性組成物を素材とする場合には、同種のエネ
ルギー線硬化性組成物を用いることが更に好ましい。第
一部材は、必要に応じて、第二部材と接着する前に表面
処理を行うことが出来る。表面処理としては、例えばコ
ロナ放電処理、プラズマ処理、常圧プラズマ処理などの
物理処理、プライマー処理、酸処理、アルカリ処理、有
機溶剤処理、スルホン化処理、アシル化処理などの化学
処理であり得る。
【0034】第一部材形成材料がエネルギー線硬化性組
成物(x)である場合には、第一部材形成材料の成分とし
て使用することの出来るエネルギー線重合性化合物(a)
(以下、単に「化合物(a)」と略称する場合もある)
は、活性エネルギー線によって重合し硬化するものであ
れば、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合
性等の任意のものであってよい。化合物(a)は、重合開
始剤の非存在下で重合するものに限らず、重合開始剤の
存在下でのみ活性エネルギー線により重合するものも使
用することができる。
【0035】化合物(a)は、付加重合性の化合物である
ことが、重合速度が高いため好ましく、活性エネルギー
線重合性官能基として重合性の炭素−炭素二重結合を有
するものが好ましく、中でも、反応性の高い(メタ)ア
クリル系化合物やビニルエーテル類、また光重合開始剤
の不存在下でも硬化するマレイミド系化合物が好まし
い。
【0036】更に、化合物(a)は、硬化後の強度が高い
点で、重合して架橋重合体を形成する化合物であること
が好ましい。そのために、1分子中に2つ以上の重合性
の炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下「1分子中
に2つ以上の重合性の炭素−炭素二重結合を有する」こ
とを「多官能」と称することがある)であることが更に
好ましい。
【0037】化合物(a)として、好ましく使用できる多
官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス
(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシ
フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)ア
クリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロ
パン、ヒドロキシジピバリン酸ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリ
レート、
【0038】ビス(アクロキシエチル)ヒドロキシエチ
ルイソシアヌレート、N−メチレンビスアクリルアミド
の如き2官能モノマー;トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、トリス(アクロキシエチル)イソシ
アヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクロキシエ
チル)イソシアヌレートの如き3官能モノマー;ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き4官
能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートの如き6官能モノマー等が挙げられる。
【0039】また、化合物(a)として、重合性オリゴマ
ー(プレポリマーを含む。以下同じ)を用いることもで
き、例えば、重量平均分子量が500〜50000のも
のが挙げられる。そのような重合性オリゴマーしては、
例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、
ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリ
ブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末
端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂
等が挙げられる。
【0040】マレイミド系の化合物(a)としては、例え
ば、4,4′−メチレンビス(N−フェニルマレイミ
ド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チ
エニル)マレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、
1,6−ビスマレイミドヘキサン、トリエチレングリコ
ールビスマレイミド、N,N′−m−フェニレンジマレ
イミド、m−トリレンジマレイミド、N,N′−1,4
−フェニレンジマレイミド、N,N′−ジフェニルメタ
ンジマレイミド、N,N′−ジフェニルエーテルジマレ
イミド、N,N′−ジフェニルスルホンジマレイミド、
【0041】1,4−ビス(マレイミドエチル)−1,
4−ジアゾニアビシクロ−[2,2,2]オクタンジク
ロリド等の2官能マレイミド;N−(9−アクリジニ
ル)マレイミドの如きマレイミド基とマレイミド基以外
の重合性官能基とを有するマレイミド等が挙げられる。
マレイミド系のモノマーは、ビニルモノマー、ビニルエ
ーテル類、アクリル系モノマー等の重合性の炭素−炭素
二重結合を有する化合物と共重合させることもできる。
【0042】これらの化合物(a)は、単独で用いること
も、2種類以上を混合して用いることもできる。また、
エネルギー線重合性化合物(a)は、粘度の調節、接着性
や半硬化状態での粘着性を増すなどの目的で、多官能モ
ノマーと単官能モノマーの混合物とすることもできる。
【0043】単官能(メタ)アクリル系モノマーとして
は、例えば、メチルメタクリレート、アルキル(メタ)
アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ア
ルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェノキシジアルキル(メタ)アクリレート、フェ
ノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレー
ト、
【0044】ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、エチレノキサイド変性フタル酸
アクリレート、w−カルゴキシアプロラクトンモノアク
リレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジ
ェンフタレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク
酸、アクリル酸ダイマー、2−アクリロイルオキシプロ
ピリヘキサヒドロハイドロジェンフタレート、フッ素置
換アルキル(メタ)アクリレート、
【0045】塩素置換アルキル(メタ)アクリレート、
スルホン酸ソーダエトキシ(メタ)アクリレート、スル
ホン酸−2−メチルプロパン−2−アクリルアミド、燐
酸エステル基含有(メタ)アクリレート、スルホン酸エ
ステル基含有(メタ)アクリレート、シラノ基含有(メ
タ)アクリレート、((ジ)アルキル)アミノ基含有
(メタ)アクリレート、4級((ジ)アルキル)アンモ
ニウム基含有(メタ)アクリレート、(N−アルキル)
アクリルアミド、(N、N−ジアルキル)アクリルアミ
ド、アクロロイルモリホリン等が挙げられる。
【0046】単官能マレイミド系モノマーとしては、例
えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、
N−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミドの如き
N−アルキルマレイミド;N−シクロヘキシルマレイミ
ドの如きN−脂環族マレイミド;N−ベンジルマレイミ
ド;N−フェニルマレイミド、N−(アルキルフェニ
ル)マレイミド、N−ジアルコキシフェニルマレイミ
ド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、
【0047】2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチ
ルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2
−エチル−6−メチルフェニル)マレイミドの如きN−
(置換又は非置換フェニル)マレイミド;N−ベンジル
−2,3−ジクロロマレイミド、N−(4′−フルオロ
フェニル)−2,3−ジクロロマレイミドの如きハロゲ
ンを有するマレイミド;ヒドロキシフェニルマレイミド
の如き水酸基を有するマレイミド;N−(4−カルボキ
シ−3−ヒドロキシフェニル)マレイミドの如きカルボ
キシ基を有するマレイミド;
【0048】N−メトキシフェニルマレイミドの如きア
ルコキシル基を有するマレイミド;N−[3−(ジエチ
ルアミノ)プロピル]マレイミドの如きアミノ基を有す
るマレイミド;N−(1−ピレニル)マレイミドの如き
多環芳香族マレイミド;N−(ジメチルアミノ−4−メ
チル−3−クマリニル)マレイミド、N−(4−アニリ
ノ−1−ナフチル)マレイミドの如き複素環を有するマ
レイミド等が挙げられる。
【0049】エネルギー線硬化性組成物(x)に後述の両
親媒性の化合物(b)を添加する場合には、化合物(a)は疎
水性の化合物(a)を使用することが好ましい。疎水性の
化合物(a)とは、その単独重合体が、60度以上の水と
の接触角を示すものを言う。疎水性の化合物(a)として
は、化合物(a)として上に例示した化合物の中から選択
使用できるが、例示した化合物の殆どは疎水性の化合物
(a)である。
【0050】第一部材形成材料として使用できるエネル
ギー線硬化性組成物(x)(以下、単に「組成物(x)」と称
する場合がある)は、活性エネルギー線の照射により硬
化樹脂となるものであり、必須成分として化合物(a)を
含有する。組成物(x)は化合物(a)単独を含むものであっ
てもよく、複数種の化合物(a)の混合物でもよい。組成
物(x)には、必要に応じて他の成分を添加することが出
来る。組成物(x)に添加しうる他の成分としては、化合
物(a)と共重合性の化合物、活性エネルギー線重合開始
剤、重合遅延剤、重合禁止剤、増粘剤、改質剤、着色
剤、溶剤を挙げることができる。
【0051】組成物(x)に添加しうる、化合物(a)と共重
合性の化合物は、両親媒性化合物、親水性化合物、疎水
性化合物などであり得る。組成物(x)に添加しうる、化
合物(a)と共重合性の親水性化合物は、分子内に親水基
を有し、親水性の重合体を与えるものである。
【0052】このような化合物としては、例えば、ビニ
ルピロリドン;N置換または非置換」アクリルアミド;
アクリル酸;ポリエチレングリコール基含有(メタ)ア
クリレート;水酸基含有(メタ)アクリレート;アミノ
基含有(メタ)アクリレート;カルボキシル基含有(メ
タ)アクリレート;燐酸基含有(メタ)アクリレート;
スルホン基含有(メタ)アクリレートなどを挙げること
ができる。
【0053】組成物(x)に添加しうる、化合物(a)と共重
合性の疎水性化合物は、分子内に疎水基を有し、疎水性
の重合体を与えるものである。このような化合物として
は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート;フッ素含
有(メタ)アクリレート;(アルキル置換)シロキサン
基含有(メタ)アクリレート等を例示できる。
【0054】組成物(x)に添加しうる、化合物(a)と共重
合性の両親媒性の化合物(以下、このような化合物を
「両親媒性化合物(b)」又は、単に「化合物(b)」と称す
る)は、1分子中に1個以上の重合性炭素−炭素不飽和
結合を有する化合物であることが好ましい。両親媒性の
化合物(b)はその単独重合体が架橋重合体となるもので
ある必要はないが、架橋重合体となる化合物であっても
よい。
【0055】また、両親媒性の化合物(b)は、疎水性の
化合物(a)と均一に相溶するものである。この場合の
「相溶する」とは、巨視的に相分離しないことを言い、
ミセルを形成して安定的に分散している状態も含まれ
る。
【0056】本発明で言う、両親媒性の化合物とは、分
子中に親水基と疎水基を有し、水、疎水性溶媒の両者と
それぞれ相溶する化合物を言う。この場合においても、
相溶とは巨視的に相分離しないことを言い、ミセルを形
成して安定的に分散している状態も含まれる。両親媒性
の化合物(b)は、0℃において、水に対する溶解度が
0.5質量%以上で、且つ25℃のシクロヘキサン:ト
ルエン=5:1(質量比)混合溶媒に対する溶解度が2
5質量%以上であることが好ましい。
【0057】ここで言う溶解度、例えば、溶解度が0.
5質量%以上であるとは、少なくとも0.5質量%の化
合物が溶解可能であることを言うのであって、0.5質
量%の化合物は溶媒に溶解しないものの、該化合物中に
ごくわずかの溶媒が溶解可能であるものは含まない。水
に対する溶解度、あるいはシクロヘキサン:トルエン=
5:1(質量比)混合溶媒に対する溶解度の少なくとも
一方がこれらの値より低い化合物を使用すると、高い表
面親水性と耐水性の両者を満足することが困難となる。
【0058】両親媒性の化合物(b)は、特にノニオン性
親水基、特にポリエーテル系の親水基を有する場合に
は、親水性と疎水性のバランスが、グリフィンのHLB
(エイチ・エル・ビー) 値にして10〜16の範囲に
あるものが好ましく、11〜15の範囲にあるものが更
に好ましい。この範囲外では、高い親水性と耐水性に優
れた成形物を得ることが困難であるか、それを得るため
の化合物の組み合わせや混合比が極めて限定されたもの
となり、成形物の性能が不安定となりがちである。
【0059】両親媒性の化合物(b)が有する親水基は任
意であり、例えば、アミノ基、四級アンモニウム基、フ
ォスフォニウム基の如きカチオン基;スルホン基、燐酸
基、カルボニル基の如きアニオン基;水酸基、ポリエチ
レングリコール基などのポリエーテル基、アミド基の如
きノニオン基;アミノ酸基の如き両性イオン基であって
よい。親水基として、好ましいのは、ポリエーテル基、
特に好ましくは繰り返し数6〜20のポリエチレングリ
コール鎖を有する化合物である。
【0060】両親媒性の化合物(b)の疎水基としては、
例えば、アルキル基、アルキレン基、アルキルフェニル
基、長鎖アルコキシ基、フッ素置換アルキル基、シロキ
サン基などが挙げられる。両親媒性の化合物(b)は、疎
水基として、炭素数6〜20のアルキル基又はアルキレ
ン基を含むことが好ましい。炭素数6〜20のアルキル
基又はアルキレン基は、例えば、アルキルフェニル基、
アルキルフェノキシ基、アルコキシ基、フェニルアルキ
ル基などの形で含有されていてもよい。
【0061】両親媒性の化合物(b)は、親水基として繰
り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有し、
且つ、疎水基として炭素原子数6〜20のアルキル基又
はアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。
更に好ましく使用できる両親媒性の化合物(b)として、
一般式(1)で表わされる化合物を挙げることができ
る。
【0062】一般式(1) CH=CRCOO(RO)−φ−R (式中、Rは水素、ハロゲン原子又は低級アルキル基
を表わし、Rは炭素数1〜3のアルキレン基を表わ
し、nは6〜20の整数、φはフェニレン基、R は炭
素数6〜20のアルキル基を表わす)
【0063】ここで、Rはより具体的には、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ド
デシル基、又はペンタデシル基であり、好ましくはノニ
ル基又はドデシル基である。一般式(1)において、n
の数が大きいほど、Rの炭素原子数も大きいことが好
ましい。
【0064】n数とRの炭素数の関係はグリフィンの
HLB値にして10〜16の範囲にあることが好まし
く、11〜15の範囲にあることが特に好ましい。これ
らの両親媒性の化合物(b)の中でも、ノニルフェノキシ
ポリエチレングリコール(n=8〜17)(メタ)アク
リレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール
(n=8〜17)(メタ)アクリレートが特に好まし
い。
【0065】組成物(x)に添加することができる活性エ
ネルギー線重合開始剤は、本発明で使用する活性エネル
ギー線に対して活性であり、化合物(a)を重合させるこ
とが可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラ
ジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合
開始剤であって良い。活性エネルギー線重合開始剤は、
使用する活性エネルギー線が光線である場合に特に有効
である。
【0066】そのような光重合開始剤としては、例え
ば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、
2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如き
アセトフェノン類;ベンゾフェノン、4、4′−ビスジ
メチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン
類;
【0067】ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメ
チルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ンの如きベンジルケタール類;N−アジドスルフォニル
フェニルマレイミド等のアジドなどが挙げられる。ま
た、マレイミド系化合物などの重合性光重合開始剤を挙
げることができる。
【0068】組成物(x)に光重合開始剤を混合使用する
場合の使用量は、非重合性光重合開始剤の場合、0.0
05〜20質量%の範囲が好ましく、0.1〜5質量%
の範囲が特に好ましい。光重合開始剤は重合性のもの、
例えば、エネルギー線重合性化合物(a)として例示した
多官能や単官能のマレイミド系モノマーであっても良
い。この場合の使用量は、上記に限られない。
【0069】組成物(x)に添加することができる重合遅
延剤としては、例えばエネルギー線重合性化合物(a)が
アクリロイル基含有化合物の場合には、スチレン、α−
メチルスチレン、α−フェニルスチレン、p−オクチル
スチレン、p−(4−ペンチルシクロヘキシル)スチレ
ン、p−フェニルスチレン、 p−(p−エトキシフェ
ニル)フェニルスチレン、2,4−ジフェニル−4−メ
チル−1−ペンテン、4,4′−ジビニルビフェニル、
2−ビニルナフタレン等の、使用するエネルギー線重合
性化合物(a)より重合速度の低いビニル系モノマーを挙
げることができる。
【0070】組成物(x)に添加することができる重合禁
止剤としては、例えばエネルギー線重合性化合物(a)が
重合性の炭素−炭素二重結合含有化合物の場合には、ハ
イドロキノン、メトキシハイドロキノン等のハイドロキ
ノン誘導体;ブチルヒドロキシトルエン、tert−ブ
チルフェノール、ジオクチルフェノールなどのヒンダン
トフェノール類等が挙げられる。
【0071】活性エネルギー線として紫外線などの光線
を使用する場合には、パターニング精度を向上させるた
めに、重合遅延剤及び重合禁止剤の少なくとも1種以上
と光重合開始剤を併用することが好ましい。また、組成
物(x)に添加することができる増粘剤としては、例え
ば、ポリスチレンなどの鎖状重合体が挙げられる。
【0072】組成物(x)に添加することができる改質剤
としては、例えば、撥水剤や剥離剤として機能するシリ
コンオイルやフッ素置換炭化水素などの疎水性化合物;
親水化剤や吸着抑制剤として機能するポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール
などの水溶性重合体;濡れ性向上剤、離型剤、吸着抑制
剤として機能する、ノニオン系、アニオン系、カチオン
系などの界面活性剤が挙げられる。組成物(x)に必要に
応じて混合使用することができる着色剤としては、任意
の染料や顔料、蛍光色素、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0073】組成物(x)に添加することの出来る溶剤と
しては、組成物(x)の各成分を溶解して均一な溶液とす
るものであれば任意であり、揮発性の溶剤であることが
好ましい。組成物(x)の粘度が高い場合、特に薄く塗工
する場合などには、組成物(x)に溶剤を添加することが
好ましい。該溶剤は、塗工後、或いはその後の任意の工
程で揮発除去される。
【0074】本発明の製造方法は、一時的な支持体上に
第一部材形成材料の固化した塗膜状の第一部材を形成す
る。この工程を「工程(i)」と称する。第一部材の厚さ
は任意であるが、5μm以上であることが好ましく、1
0μm以上が更に好ましく、20μm以上であることが
更に好ましい。これより薄いと製造が困難となる。
【0075】また、第一部材の厚みは1000μm以下
であることが好ましく、400μm以下がより好まし
く、200μm以下であることが更に好ましい。これよ
り厚いとマイクロ流体デバイスとしての効果が減じる。
塗膜が注型物である場合には、樹脂ダイヤフラムとなる
部分の厚みが上記範囲にあることが好ましい。一時的な
支持体上に第一部材が形成される部位は任意であり、一
時的な支持体の全面であっても、部分的であってもよ
い。又逆に、後述の第二部材と積層する部分以外の部分
にも形成されていてもよい。
【0076】第一部材の形成方法は任意である。第一部
材の形成が、未硬化の第一部材形成材料の塗工と硬化に
よる方法である場合や、溶液状の第一部材形成材料の塗
工と乾燥である場合には、一時的な支持体に第一部材形
成材料を塗工する方法としては、一時的な支持体の上に
塗工できる任意の塗工方法を用いることができ、例え
ば、スピンコート法、ローラーコート法、流延法、ディ
ッピング法、スプレー法、バーコーター法、X−Yアプ
リケータ法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア
印刷法、ノズルからの押し出しや注型などが挙げられ
る。また、第一部材形成材料が組成物(x)であり、組成
物(x)が高粘度である場合や特に薄く塗工する場合に
は、組成物(x)に溶剤を含有させて塗工した後、該溶剤
を揮発させる方法を採用することもできる。
【0077】第一部材の固化が硬化である場合には、次
いで、第一部材形成材料の未硬化の塗工物を硬化させ第
一部材と成す。ここで言う硬化とは、第一部材形成材料
が非流動性となり、後の工程である接着剤の塗工や一時
的な支持体の剥離が可能な程度に固化することを言い、
完全硬化に限らず、重合可能な官能基が残存している状
態であっても良い。工程(i)における硬化を不完全硬化
とすることによって、接着強度の向上や、曲面状のマイ
クロ流体デバイスの形成が容易となる。本工程における
硬化が不完全硬化である場合には、最終的なマイクロ流
体デバイスと成す前のいずれかの工程に於いて完全に硬
化させることが好ましいが、本発明のポンプ機能に差し
障りがなければ必ずしも完全に硬化させる必要はない。
活性エネルギー線による硬化や熱硬化であり得る。第一
部材の固化が乾燥によるものである場合には、上述の硬
化の代わりに乾燥を行うことで固化した第一部材を得る
ことが出来る。第一部材の形成が、熱可塑性樹脂の溶融
成型である場合には、射出成型法、熱プレス法、溶融キ
ャスト法などを採用できる。その他、固化は第一部材形
成材料の種類に応じて好適な方法を採ることが出来、例
えば、水分による硬化等であり得る。これらの中で活性
エネルギー線の照射又は乾燥であることが好ましい。
【0078】第一部材に、樹脂ダイヤフラムとなる部分
以外の部分に欠損部を設ける場合には、活性エネルギー
線照射はパターニング照射とする事もできる。パターニ
ング照射におけるパターンの形状、即ち欠損部とする部
分の形状は、用途目的に応じて任意に設定できる。例え
ば、連絡路、流入出口、貯液槽、反応槽、クロマトグラ
フィーや電気泳動の展開路、検出部、弁の周囲部分、加
圧タンク、減圧タンク、圧力検出部等として用いられる
空間、センサー埋め込み部として使用する空間などとし
て使用するものの全部又は一部とすることが出来る。そ
の他の欠損部形成方法としては、刃物による切り込みや
切り出し、打ち抜き、レーザー穿孔、サンドブラストな
どが利用できる。
【0079】第一部材形成材料がエネルギー線硬化性組
成物(x)である場合には、用いることの出来る活性エネ
ルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、レーザ
ー光線、放射光の如き光線;エックス線、ガンマ線、放
射光の如き電離放射線;電子線、イオンビーム、ベータ
線、重粒子線の如き粒子線が挙げられる。これらの中で
も、取り扱い性や硬化速度の面から紫外線及び可視光が
好ましく、紫外線が特に好ましい。硬化速度を速め、硬
化を完全に行う目的で、活性エネルギー線の照射を低酸
素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気
としては、窒素気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気
流中、真空又は減圧雰囲気が好ましい。
【0080】第一部材形成材料の塗膜に、欠損部を設け
るために活性エネルギー線をパターニング照射する場合
には、照射方法は任意であり、例えば、照射不要部分を
マスキングして照射する、あるいはレーザーなどの活性
エネルギー線のビームを走査する等のフォトリソグラフ
ィーの手法が利用できる。
【0081】工程(i)の後に、一時的な支持体上に形成
された第一部材を第二部材に前記樹脂ダイヤフラムと前
記欠損部とが重なるよう接着剤を介して積層し接着す
る。この工程を「工程(ii)」と称する。第一部材と第二
部材との積層は、用途、目的に応じた形態であってよ
く、必ずしも全面である必要はない。以下、「積層す
る」とは、接着剤を介して積層することも含む。また、
部材が互いに「隣接する」とは、接着剤を介して隣接す
ることも含む。
【0082】工程(ii)によって、第二部材表面に開口し
た欠損部と第一部材によって樹脂ダイヤフラムが少なく
ともその一つの面に形成され、該樹脂ダイヤフラムの変
形によってその断面積や容積が変化する流路が形成され
る。以下、樹脂ダイヤフラムの変形によってその断面積
や容積が変化する該流路部分を「ダイヤフラム室」と称
する。ダイヤフラム室は本マイクロ流体デバイスが有す
る流路の一部として形成されたものである。ダイヤフラ
ム室はその前後の流路より、第一部材表面から見た面積
が大きなものであっても良いし、小さなものであっても
良いし、同じであっても良い、また、第一部材の表面か
ら見た深さも、その前後の流路より深いものであって
も、浅いものであっても同じであっても良い。ここで言
う「前後」とは、流路の流線方向の前後を意味する。但
し、該ダイヤフラム室が流路の端に設けられている場合
には、該ダイヤフラム室に接続された流路部分を言う。
ダイヤフラム室は、該流路部分がダイヤフラム式バルブ
として機能させる場合には、その前後より浅いことが好
ましく、ダイヤフラム式ポンプとして機能させる場合に
は、第一部材表面から見た面積がその前後部分の流路よ
り大きいことが好ましい。第一部材が部材と欠損部以外
の全面で接着している場合には、第二部材表面に形成さ
れた欠損部に面する部分の第一部材が樹脂ダイヤフラム
である。
【0083】ダイヤフラム室には、流路が接続されてい
る。第二部材の欠損部と第一部材によって流路が形成さ
れることも好ましい。流路はマイクロ流体デバイス外に
開口していても良いし、開口していなくても良い。流路
の形状やダイヤフラム室との接続の状態は、目的とする
マイクロ流体デバイスによって異なり、その具体例は、
後述の本発明の好ましい形態において述べる。又、後述
のように、ダイヤフラム室は、バルブ室やポンプ室とし
て機能しうる。
【0084】接着剤は任意であり、例えばエネルギー線
硬化性の接着剤、エポキシ系などの熱硬化性の接着剤、
溶融型接着剤、溶剤型接着剤、シアノアクリレートなど
の水分硬化型接着剤、等が使用できるが、エネルギー線
硬化性の接着剤が生産性が高く好ましい。エネルギー線
硬化性の接着剤は、本発明で使用するエネルギー線硬化
性組成物(x)として示されたものの中から選択して使用
することが出来る。但し、該接着剤は第一部材に使用す
るエネルギー線硬化性組成物(x)と全く同じ組成である
必要はない。接着剤はまた、粘度が1000mPa/s
以上であることが好ましい。このような粘度の高い接着
剤を使用することにより、第一部材と第二部材を積層し
た状態で接着剤を硬化させるに当たり、接着剤層が粘着
性を有するため、圧迫状態を保持する必要が無い。接着
剤が両部材を接着している部位は、第一部材や第二部材
に形成された欠損部を閉塞することが無く、かつ、該欠
損部が不必要にデバイス外部や他の欠損部と連絡するこ
とがなければ、その位置や形状は任意であるが、欠損部
以外の全面であることが好ましい。接着剤は、第二部材
の欠損部や第一部材となる塗膜の欠損部を閉塞しなけれ
ば、欠損部の内側や、樹脂ダイヤフラムの欠損部に面す
る部分をコートしていてもよい。第一部材形成材料の硬
化塗膜を第二部材と接着剤を介して積層する方法は、欠
損部が流路と成された際に該流路が閉塞することがなけ
れば任意であり、第一部材への塗布、第二部材への塗
布、その両者への塗布であり得る。塗布方法も第一部材
となる塗膜の形成方法と同様であるが、極薄い接着剤層
を形成するためbに、スピンコート法、ディッピング
法、塗工後のエアナイフによる過剰な接着剤の除去法が
好ましく、また、溶剤で希釈した接着剤を塗布した後、
溶剤を揮発させる方法が好ましい。
【0085】接着剤層の厚みは、欠損部が流路と成され
た際に該流路が閉塞しなければ任意であるが、本発明の
構成からして、第一部材に比べて十分に薄いものである
ことが好ましく、第一部材の厚みの1/5以下であるこ
とが好ましく1/10以下であることがさらに好まし
く、1/30以下であることが最も好ましい。接着剤層
の厚みの下限は、第一部材が第二部材と接着しておれば
任意であり、特に限定することを要しないし、非常に薄
い場合には測定困難であるが、例えば0.5nm程度で
あり得る。
【0086】第一部材の一部に、第二部材と接触してい
ながら接着していない部分を形成することが出来る。こ
の場合には、例えば、接着剤としてエネルギー線硬化性
の接着剤を使用し、工程(ii)に於ける接着剤の塗布と積
層との間において、接着剤塗膜の一部に選択的に活性エ
ネルギー線を照射して接着剤を部分的に硬化させてお
き、その後、他の部材と積層し、未硬化部分の接着剤を
硬化させることによって、他の部材と接着する。この
時、接着剤の部分硬化の度合いは、他の部材と積層した
状態で、他の部分の接着剤を硬化させても、該被照射部
分が他の部材と接着しない程度であれば任意である。こ
のような部分硬化法は、接着剤がエネルギー線硬化性以
外のものであっても実施でき、例えば、接着剤が熱硬化
性である場合には部分加熱によって、また、接着剤が水
分硬化性である場合には、硬化すべき部分のみの水分と
の接触によって実施できる。
【0087】接着剤に部分硬化を施す場合、接着剤が第
一部材又は第二部材の一方に塗布されている場合には、
該塗布された接着剤層に部分硬化を施す。接着剤が第一
部材と第二部材の両方に塗布されている場合には、両部
材の非接着とすべき部分に部分硬化を施す。このよう
な、第一部材の一部に、第二部材と接触していながら接
着していない部分を形成することによって、該非接着部
の第一部材を樹脂ダイヤフラムとすることができる。こ
の場合には、ダイヤフラム室は常態において体積ゼロで
あり、樹脂ダイヤフラムの変形によって正の体積を持
つ。
【0088】樹脂ダイヤフラムの厚みは、1〜1000
μmであることが好ましく、3〜300μmがより好ま
しく、5〜100μmであることが最も好ましい。樹脂
ダイヤフラムの硬度は任意であり、ダイヤフラム面積や
用途目的にもよるが、好ましくは引張弾性率が10MP
a〜10GPa、さらに好ましくは30MPa〜3GP
a、最も好ましくは50MPa〜2GPaとすることが
出来る。樹脂ダイヤフラムは、第一部材形成材料の選
択、例えばエネルギー線重合性化合物(a)の選択や組成
物(x)の各成分の配合により、目的の硬度に形成するこ
とが出来る。
【0089】樹脂ダイヤフラムの柔軟性は、引張弾性率
と厚みの両者の影響も受ける。本発明における樹脂ダイ
ヤフラムは、好ましくは引張弾性率と厚みの積が1×1
〜1×10−1 MPa・mの範囲にあり、更に
好ましくは1×10−4〜5×10−2 MPa・mで
ある。なお、樹脂ダイヤフラムの表面に接着剤が塗布さ
れている場合には、樹脂ダイヤフラムの引張弾性率とし
て樹脂ダイヤフラムと接着剤の積層体の値を使用し、ダ
イヤフラムの厚みとして接着剤を含む値を使用する。
【0090】樹脂ダイヤフラムを構成する素材は、JI
S K−7127により測定された破断伸び率が、好ま
しくは2%以上、更に好ましくは5%以上のものであ
る。本発明においては、JIS K−7127による引
張試験で2〜5%という低い破断伸び率を示す素材であ
っても、本発明の使用方法においては破壊しにくく、上
記試験による破断伸び率以上の歪みを与えても破壊する
ことなく使用可能である。破断伸びの上限は、自ずと限
界はあろうが、高いことそれ自身による不都合は無い
為、上限を設けることは要せず、例えば、400%であ
りうる。しかしながら、耐久性の点や、素材選定の自由
度の点から、30%以下であることが好ましく、20%
以下であることがさらに好ましい。本発明に於いては、
従来法では製造が困難であった、上記のような自立不能
なほどに薄く柔軟な樹脂ダイヤフラムであっても、容易
に製造することが可能である。
【0091】第二部材は、部材表面に達し、かつ、流体
の流路を成す欠損部を有する部材である。部材表面に達
する欠損部とは、部材表面に開口している欠損部を意味
し、部材表面の凹状の欠損部、部材を貫通する欠損部、
部材内部の欠損部に連絡した部材表面に開口した欠損
部、などであり得る。勿論これらの構造の複合構造であ
って良い。
【0092】部材を貫通する欠損部の形状は、例えば丸
孔、角孔、スリット状、円錐状、角錐状、樽状、ネジ
孔、切れ目(常態では断面積がゼロで、その周辺部分の
変形によって、有限の断面積の流路が生じるもの)、断
面積や方向が変化する複雑な形状の欠損部であり得る。
部材表面の凹状の欠損部は、例えばポンプ室やバルブ室
となる、円錐や角錐、台形や逆台形、円錐や角錐などの
凹部であって良いし、流路と成る溝であっても良い。表
面の凹状の欠損部に連絡して、部材を貫通する欠損部が
設けられていても良い。部材内部の欠損部に連絡した部
材表面に開口した欠損部は、例えば、両端又は片端が開
口した毛細管状の欠損部、表面から見てその面積より小
さな面積の開口部を有するダイヤフラム室、等であり得
る。第二部材には互いに独立した複数の欠損部が設けら
れていても良い。これらの欠損部には、例えば弁のよう
な構造が形成されていても良い。勿論、第二部材は、独
立した複数の、表面に達する欠損部を有していて良い
し、その他の欠損部も有していても良い。
【0093】第二部材の製造方法は任意であり、例え
ば、射出成形、溶融レプリカ法、溶液キャスト法、エネ
ルギー線硬化性組成物を用いたフォトリソグラフ法、又
はエネルギー線硬化性組成物を用いたキャスト成型法な
どにより製造できる。また、第二部材は、複数の層状部
材が積層され接着された構造物であり得る。
【0094】第二部材の外形は特に限定する必要はな
く、用途目的に応じた形状を採りうる。例えば、シート
状(フィルム、リボンなどを含む。以下同じ)、板状、
塗膜状、棒状、チューブ状、その他複雑な形状の成型物
などであり得るが、成形し易く、第一部材形成材料半硬
化塗膜を積層し接着し易いといった面から、接着すべき
面が平面状又は2次曲面状であることが好ましく、シー
ト状又は板状であることが特に好ましい。
【0095】第二部材の素材は、本発明の製造方法で第
一部材と接着可能なものであれば特に制約はない。第二
部材の素材として使用可能なものとしては、例えば、重
合体;ガラス、石英の如き結晶;セラミック;シリコン
の如き半導体;炭素;金属などが挙げられるが、これら
の中でも、易成形性、高生産性、低価格などの点から重
合体(ポリマー)が特に好ましい。
【0096】第二部材は支持体上に形成されたものであ
ってもよい。この場合の支持体の素材は任意であり、例
えば、重合体、ガラス、セラミック、金属、半導体など
であって良い。支持体の形状も任意であり、例えば、板
状物、シート状物、塗膜、棒状物、紙、布、不織布、多
孔質体、射出成型品等であって良い。該支持体は、本マ
イクロ流体デバイスと一体化されるものであっても、形
成後に除去されるものであっても良い。複数のマイクロ
流体デバイスを1つの第二部材上に形成することも可能
であるし、製造後、これらを切断して複数のマイクロ流
体デバイスとすることも可能である。
【0097】第二部材に使用する重合体は、単独重合体
であっても、共重合体であっても良く、また、熱可塑性
重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良い。生
産性の面から、第二部材に使用する重合体は、熱可塑性
重合体又はエネルギー線硬化性の架橋重合体であること
が好ましい。
【0098】第二部材に使用できる重合体としては、第
一部材に使用できる重合体として上げた物と同様であ
る。第一部材に添加することの出来る添加物を含有して
も良い。
【0099】また、本発明のマイクロ流体デバイスの使
用に当たって、接着性を向上させる目的の他に、タンパ
ク質などの溶質のデバイス表面への吸着を抑制する目的
で、第二部材の表面を親水化することも好ましい。
【0100】工程(ii)の後、第二部材に接着された第一
部材から一時的な支持体を除去することにより、第一部
材を第二部材に転写する。この工程を「工程(iii)」と
称する。除去方法は任意であり、剥離、分解、溶融、揮
発などであり得る。これらの中で、剥離による除去が、
生産性が高く好ましい。
【0101】剥離による除去は、引張りによる剥離、刃
による剥離、水流などの液体流を用いる剥離、圧空など
の気体流を用いる剥離、水などへの浸漬による自然剥
離、加熱やエネルギー線照射などによる支持体の変成に
よる剥離、水などによる支持体の膨潤による剥離など任
意であり、剥離を容易にするため、温度条件を変えるこ
とも好ましい。
【0102】また、一時的な支持体の素材と第一部材形
成材料の組み合わせを選択し、第一部材形成材料が未硬
化塗膜及び半硬化塗膜の状態では付着性であり、完全硬
化後は接着力が低くなる組み合わせを選択することで容
易となる。
【0103】本発明の製造方法に於いては、工程(iii)
の後に、必要に応じて、アフターキュアを行い、不完全
硬化状態の部材や接着剤があれば、それを完全に硬化さ
せることも好ましい。
【0104】第二部材に第一部材を積層した後、第一部
材に第三部材を積層することも好ましい。接着方法は任
意であるが、第二部材と第一部材の積層及び接着の場合
と同様の方法が使用できる。第三部材の形状や寸法は第
二部材と同様であり得る。即ち、部材表面に流路となる
欠損部を有する部材であり得る。該欠損部の形状や寸法
は、第二部材の場合と同様である。
【0105】第三部材が、上記の欠損部を有する部材で
あり、該欠損部を樹脂ダイヤフラムに相対する位置に合
わせて積層し接着して、ダイヤフラム室の裏側に流路や
その一部としてもう一つのダイヤフラム室を形成するこ
とも好ましい。但し、第三部材中或いは第三部材と第一
部材間に形成される流路は、第二部材中或いは第二部材
と第一部材間に形成される流路と連絡していも良いし、
互いに独立であっても良い。互いに独立した流路を有す
るこのような構造により、第三部材に設けられたダイヤ
フラム室を通じた流体の圧力によって駆動されるバルブ
やポンプを製造することが出来る。
【0106】本発明の製造方法により、ダイヤフラム式
のバルブ機構を有するマイクロ流体デバイスを製造する
ことが出来る。ダイヤフラム式バルブ機構の好ましい第
1の態様は、第一部材が、表面に溝状の欠損部とその途
上に凹状の欠損部が形成された第二部材と積層され接着
されており、第二部材が第一部材と積層されることで、
凹状の欠損部に相対する部分の第一部材が樹脂ダイヤフ
ラムとなり、凹状の欠損部がバルブ室(その容積や断面
積を変化させることで開閉や流量調節を行うダイヤフラ
ム室)となり、溝状の欠損部が毛細管状の流路となるも
のである。本態様は、樹脂ダイヤフラム部分が圧迫され
ることで、樹脂ダイヤフラムが変形し、バルブ室の容積
が減少して、流路を流れる流体の流量を制御することが
出来る。流量制御は、流量をゼロにする開閉も含む。本
発明で製造されるダイヤフラム式バルブ機構の好ましい
第2の態様は、第二部材がバルブ室となる凹部を有し、
該凹部の底面に、バルブ室への流入口又は流出口、また
はその両者となる孔状の欠損部を有し、流入口、流出口
の少なくとも一方が、樹脂ダイヤフラムの対向面に形成
されていて、その周が樹脂ダイヤフラムに接していない
ものである。本態様は、樹脂ダイヤフラムを変形させ
て、該流入口、流出口の少なくとも一方の周に接するこ
とによって流路を閉鎖することが出来る。
【0107】本発明で製造されるダイヤフラム式バルブ
機構の好ましい第3の態様は、第二部材がバルブ室とな
る凹部を有せず、流入口又は流出口、またはその両者と
なる欠損部を有し、樹脂ダイヤフラムが、第一部材の一
部に、第二部材と接触していながら接着していない部分
として形成され、バルブ室が常態において容量ゼロであ
り、バルブ室には流入口、流出口の少なくとも一方が、
樹脂ダイヤフラムの対向面に形成されていて、その周が
常態において樹脂ダイヤフラムに接しているものであ
る。流入口や流出口となる欠損部は第二部材に穿たれた
孔であっても良いし、第二部材表面に孔状の開口部を有
する欠損部であっても良いし、本第1の態様のような溝
状の構造であってもよい。本態様は常時閉のバルブを与
え、樹脂ダイヤフラムを引くことによって流体の流通を
可とすることが出来る。あるいは、流路中の流体圧力が
一定値以上となったときに開となる、いわゆるチェック
バルブを与える。本第3の例の構造は、工程(ii)におい
て部分硬化を施す製造方法によって得ることが出来る。
【0108】本発明の製造方法により、ダイヤフラム式
のポンプ機構を有するマイクロ流体デバイスを製造する
ことが出来る。この場合、ポンプ室、即ち樹脂ダイヤフ
ラムの変形によってその容量が変化するダイヤフラム室
に接続された流路のいずれかの部分に逆止弁(以下、単
に「弁」と称する場合がある)を設けることにより、ダ
イヤフラム式ポンプとすることができる。弁は、ポンプ
室に流入する(吸引側)流路とポンプ室から流出する
(吐出側)流路のそれぞれに設けることが好ましい。弁
の構造は任意であり、例えば、舌状などの、その一部が
固定されたシート状(フィルム状、膜状、リボン状、板
状などを含む)物;ダイヤフラム室に閉じこめられた球
状、円錐状、板状などの独立した塊状物などであり得
る。これらの中で、その一部が固定されたシート状であ
ることが、製造が容易であり好ましい。
【0109】ポンプの場合にも、バルブの場合と同様
に、ポンプ室の容量が常態においてゼロのポンプを製造
することが出来る。このようなポンプは、常時閉のバル
ブ機能も同時に有しており、ポンプを稼働した時にバル
ブ開となり、流体が移相される。
【0110】本発明の製造方法においては、本発明の工
程(i)において、第一部材となる塗膜に、弁と成る部分
を残してその周囲を欠損部とする形状に露光することに
より、第一部材中の樹脂ダイヤフラム部分と異なる部分
に弁を形成することが出来る。例えば、舌状の弁となる
構造を形成するには、馬蹄形の欠損部を形成すべく露光
すればよい。
【0111】そして、弁の形成された第一部材の一方の
側には弁より小さな面積の孔状の欠損部を有する部材
を、孔状の欠損部を弁に合わせて積層し、第一部材の他
方の側には弁が可動出来るように、弁より大きなダイヤ
フラム室となる欠損部を有する部材を積層することによ
って逆止弁を形成することが出来る。
【0112】弁が形成された第一部材を、弁より小さな
面積の孔状の欠損部を有する部材と接着する際に、弁の
部分も隣接する部材と接着されてしまうことを避けるた
めに、工程(ii)において積層する前に、部分硬化法によ
って該部分が接着する不都合を除去することができる。
【0113】形成したマイクロ流体デバイスは、穿孔、
切断などの後加工することも可能である。また、本発明
のマイクロ流体デバイスは全体が微小な大きさである
為、一枚の樹脂層に多数の部材を同時に作成することが
生産効率、並びに各部材の細部の精度の良い位置決めに
有用である。即ち、複数の微小なマイクロ流体デバイス
を一枚の露光現像版上に作成することにより、再現性良
く、且つ高い精度の寸法安定性を有して多数のマイクロ
流体デバイスを一度に生産することができる。
【0114】樹脂ダイヤフラムを変形させる方法は任意
であり、例えば機械的な圧迫又は吸引、磁気的な圧迫又
は吸引、樹脂ダイヤフラムの反対側に形成したダイヤフ
ラム室への流体の圧入や減圧などの圧力変化、などであ
りうる。
【0115】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定される
ものではない。なお、以下の実施例において、「部」及
び「%」は、特に断りがない限り、各々「質量部」及び
「質量%」を表わす。
【0116】[活性エネルギー線照射]200Wメタルハ
ライドランプを光源とするウシオ電機株式会社製のマル
チライト200型露光装置用光源ユニットを用い、36
5nmにおける紫外線強度が100mW/cmの紫外
線を、室温、窒素雰囲気中で照射した。
【0117】[組成物(x)の調製] 〔組成物(x-1)の調製〕エネルギー線重合性化合物(a)と
して、平均分子量約2000の3官能ウレタンアクリレ
ートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製の
「ユニディックV−4263」)30部、ω−テトラデ
カンジオールジアクリレートとω−ペンタデカンジオー
ルジアクリレートを主成分とするアルキルジアクリレー
ト(ソマール株式会社製の「サートマーC2000」)
45部、
【0118】及びノニルフェノキシポリエチレングリコ
ール(n=17)アクリレート(第一工業製薬株式会社
製の「N−177E」)25部、光重合開始剤として1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイ
ギー社製の「イルガキュアー184」)5部、及び重合
遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペ
ンテン(関東化学株式会社製)0.1部を混合して、エ
ネルギー線硬化性組成物(x-1)を調製した。なお、エネ
ルギー線硬化性組成物(x-1)の紫外線硬化物は、引張弾
性率が160MPa、水との接触角が14度であった。
【0119】〔エネルギー線硬化性組成物(x-2)の調
製〕「ユニディックV4263」(大日本インキ化学工
業株式会社製の3官能ウレタンアクリレートオリゴマ
ー)10部、「R−684」(日本化薬株式会社製のジ
シクロペンタニルジアクリレート)を70部、N−17
7E(第一工業製薬株式会社製のノニルフェノキシポリ
エチレングリコール(n=17)アクリレート)を20
部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」
(チバガイギー社製の1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン)5部、及び重合遅延剤として2,4−ジ
フェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会
社製)を0.1部を混合して、エネルギー線硬化性組成
物(x-2)を調製した。なお、エネルギー線硬化性組成物
(x-2)の紫外線硬化物は、引張弾性率が1160MP
a、破断伸度が7.6%、水との接触角が16度であっ
た。
【0120】[実施例1]本実施例では、隣接する部材
と常態において接触している樹脂ダイヤフラムを有し、
該ダイヤフラムが常時閉のバルブを構成しているマイク
ロ流体デバイスの製造方法について述べる。
【0121】〔第二部材(J-1)の作製〕76mm×26
mm×厚さ3mmのポリスチレン(大日本インキ化学工
業株式会社製の「ディックスチレンxC−520」)製
の板と表面に幅150μm、高さ25μm、長さ20m
mの2本の凸状突起を有するシリコンウェハー製の鋳型
(図示せず)をガラス板に挟み、バネ式のクランプで止
めて120℃の熱風炉中で約2時間加熱し、室温で冷却
後、剥離することにより、ポリスチレン板(1)の表面
に、流体の流路となる幅150μm、深さ25μm、長
さ20mmの2本の溝状の欠損部(2)、欠損部(3)
を間隔0.5mmを開けて形成し、第二部材(J-1)とし
た。
【0122】〔第一部材の作製〕一時的な支持体(図示
せず)として片面がコロナ放電処理された厚さ30μm
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社
製、OPPフィルム)を用いこの上に、50μmのバー
コーターを用いて組成物(x-1)を塗布し、フォトマスク
を使用せずに10秒間紫外線を照射して、一時的な支持
体上に厚み約35μmの硬化塗膜(4)を形成した。 〔第二部材(J-1)と第一部材の接着〕一時的な支持体上
の硬化塗膜(4)の上に、エネルギー線硬化性組成物(x
-1)の5%アセトン溶液をスピンコーターで塗布し、樹
脂ダイヤフラムとなる中央部の直径1mmの円形の部分
のみに紫外線を10秒間照射して、照射部分のエネルギ
ー線硬化性組成物(x-1)を硬化させて非接着性とし、第
二部材の欠損部(2)、(3)の端が該非接着性部分内
に入るように位置を合わせて第二部材に積層し、紫外線
を30秒間照射して接着し、硬化塗膜(4)を第一部材
(4)とした。その後、一時的な支持体(図示せず)を
第一部材(4)から剥離して、第二部材(J-1)と第一部
材の積層体を得た。即ち、非接着部分の第一部材(4)
が樹脂ダイヤフラム(5)を構成している。また、接着
剤層の厚みは約1.5μmであった。
【0123】〔その他の構造の形成〕その後、欠損部
(2)、欠損部(3)の両端部において、第一部材
(4)に、ドリルにより直径0.5mmの孔を穿ち、流
入部(6)および流出部(7)を形成し、その上に、ル
アーフィッティング(8)、ルアーフィッティング
(9)を接着して、マイクロ流体デバイス(D-1)を作製
した。
【0124】〔試験〕マイクロ流体デバイス(D-1)の流
入部(6)のルアーフィッティング(8)に接続したマ
イクロシリンジから水を注入したところ、圧力が約7k
Pa未満では水は流通せず、それ以上の圧力を掛けると
水は流通した。即ちチェックバルブとして機能すること
が確認された。
【0125】[実施例2]本実施例では、隣接する部材
と常態において接触している樹脂ダイヤフラムを有し、
該樹脂ダイヤフラムがポンプのダイヤフラムを構成して
いるマイクロ流体デバイスの製造方法について述べる。 〔第二部材(J-2)の作製〕実施例1と全く同様にして、
第二部材(J-1)と同じ部材を作製し、第二部材(J-2)とし
た。 〔第一部材の作製〕露光が、図5に示された形状の馬蹄
形の非照射部分を有するフォトマスクを使用したこと、
非照射部分の未硬化のエネルギー線硬化性組成物(x-1)
を50%エタノール水溶液で洗浄除去したこと、以外は
実施例1と同様にして、図5に示された形状の馬蹄形の
欠損部(11)と該欠損部で囲まれた弁(12)が形成
されていること以外は実施例1と同様にして、硬化塗膜
(4)の代わりに硬化塗膜(10)を形成した。 〔部材(J-2)と第一部材の接着〕紫外線を部分照射して
非接着性とする部分が、樹脂ダイヤフラム(5)と成す
部分と弁(12)と成す部分であること、及び、弁(1
2)の中心に欠損部(3)の端部を合わせて積層したこ
と以外は、実施例1と同様にして、硬化塗膜(10)を
第一部材(10)と成し、第二部材(J-2)と第一部材
(10)との積層体を形成した。
【0126】〔その他の構造の形成〕欠損部(3)の端
部においては、第一部材(10)に孔を穿たなかったこ
と、及び、第一部材(10)、樹脂ダイヤフラム(5)
部分の上に、直径1mmの鋼球(図示せず)をエネルギ
ー線硬化性組成物(x-1)と紫外線で接着したこと、以外
は実施例1と同様にしてマイクロ流体デバイス(D-2)を
作製した。 〔試験〕マイクロデバイス(D-2)を樹脂ダイヤフラム側
を上にして置き、流入部(6)のルアーフィッティング
(8)に接続したマイクロシリンジから水を注入して欠
損部(11)及び弁(12)までの空間に水を充填し
た。次いでマイクロシリンジを取り外し、マイクロ流体
デバイスの上方からアルニコ磁石を鋼球に近づけて上下
に運動させたところ、水は流入部(6)から欠損部(1
1)及び弁(12)へと移送され、磁石の運動を止める
と水の移送は停止した。即ちポンプとして機能するこ
と、及び、常態において流路が閉の状態となるバルブ機
能を兼ねることが確認された。
【0127】[実施例3]本実施例では、常時開のダイ
ヤフラム式バルブを構成している樹脂ダイヤフラムを有
するマイクロ流体デバイスの製造方法について述べる。 〔第二部材(J-3)の形成〕ポリスチレン(大日本インキ
化学工業株式会社製の「ディックスチレンXC−52
0」)からなる5cm×5cm×厚さ3mmの板状の基
材(21)に、127μmのバーコーターを用いてエネ
ルギー線硬化性組成物(x-2)を塗工し、塗膜(22)を
形成した。次いで、フォトマスクなしに紫外線を10秒
間照射して硬化させ、基材(21)の表面に樹脂層(2
2)を形成した。次いで、樹脂層(22)の上に、12
7μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成
物(x-2)を塗工して塗膜(22)を形成し、フォトマス
クを通して、幅100μm、長さ30mmの図6に示し
た非露光部(24)以外の部分に紫外線を10秒間照射
する露光を行って硬化させ、非露光部を除去し、欠損部
(24)を有する樹脂層(23)を形成し、第二部材(J
-3)とした。
【0128】〔第一部材の形成〕一時的な支持体(図示
せず)として片面がコロナ放電処理された厚さ30μm
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社
製、OPPフィルム)を用いこの上に、50μmのバー
コーターを用いて組成物(x-1)を塗布し、フォトマスク
を使用せずに10秒間紫外線を照射して、一時的な支持
体上に厚み約35μmの硬化塗膜(56)を形成した
[工程(i)]。
【0129】〔部材(J-1)と第一部材の接着〕一時的な
支持体上の硬化塗膜(25)の上に、エネルギー線硬化
性組成物(x-1)の5%アセトン溶液をスピンコーターで
塗布して第二部材(J-3)に積層し、紫外線を10秒間照
射して接着し、硬化塗膜(25)を第一部材(25)と
した[工程(ii)]。その後、一時的な支持体(図示せ
ず)を第一部材(25)から剥離して、部材(J-3)と第
一部材(25)の積層体を得た[工程(iii)]。即ち、
第二部材(J-3)の欠損部に面した第一部材(25)の一
部が樹脂ダイヤフラム(5)を構成している。また、接
着剤層の厚みは約1.5μmであった。
【0130】〔第三部材(K-3)の作製と接着〕欠損部
(24)の代わりに、中央部の直径600μmの円と、
それに接続された幅200μm、長さ20mmの直線上
の欠損部(26)を設けたこと以外は第二部材(J-3)と
同様にして、ポリスチレン製の基材(27)、欠損部を
有しない樹脂層(28)、欠損部を有する樹脂層(2
9)、第三部材(K-3)を作製した。次いで、第二部材(J-
3)と第一部材(25)の積層体の第二部材とは反対の第
一部材表面に工程(ii)と同様にして接着剤を塗布し、第
三部材(K-3)を図6に示された位置に合わせて積層し、
紫外線を30秒間照射して第三部材(K-3)を接着した。
【0131】〔その他の構造の形成〕樹脂層(23)の
欠損部(24)の両端部において、第二部材(J-3)の基
材(21)及び樹脂層(22)に、ドリルにて直径5.
1mmの孔を穿ち、外径5mmの塩化ビニル管をエポキ
シ系接着剤にて接着して、欠損部(24)に連絡する液
体流入部(30)及び液体流出部(31)を形成した。
【0132】また、樹脂層(29)の欠損部(26)の
外側端部において、第三部材(K-3)の基材(27)及び
樹脂層(28)に、ドリルにて直径1.6mmの孔を穿
ち、外径1.6mmのステンレス管をエポキシ系接着剤
にて接着して、欠損部(26)に連絡する気体導入部
(32)を形成して、マイクロ流体デバイス(D-3)を作
製した。作製されたマイクロ流体デバイスの平面図の模
式図を図6に、図6中のA部における断面図の模式図を
図7に示す。
【0133】〔流量調節試験〕液体流入部(30)から
圧力約10kPaで水を導入し、大気に解放した液体流
出部(31)から流出させた状態で、気体導入部(3
2)から0.5MPaの圧力の窒素を導入したところ、
水の流量は殆どゼロになった。また、窒素圧を変化させ
ることによって水の流量を調節することができた。即
ち、開閉バルブ及び流量調節バルブとして作動すること
を確認した。
【0134】[実施例4]本実施例では、弁を有し、ポ
ンプのダイヤフラムとして機能する樹脂ダイヤフラムを
有するマイクロ流体デバイスの製造方法について述べ
る。
【0135】〔第二部材(J-4)の作製〕ポリスチレン
(大日本インキ化学工業株式会社製の「ディックスチレ
ンXC−520」)からなる5cm×5cm×厚さ3m
mの板を基材(41)としてこれに組成物(x-2)をバー
コーターを用いて塗布し、フォトマスク無しで紫外線を
10秒間照射して欠損部の無い厚さやく100μmの樹
脂層(X-4-1)(42)を形成した。
【0136】〔樹脂層(X-4-2)の作製と接着〕更にその
上に組成物(x-2)を塗布し、フォトマスクを用いて図8
に示された、欠損部(44)、欠損部(44’)と成す
部分以外の部分に紫外線を10秒間照射し、未照射部分
の未硬化の組成物(x-2)を50%エタノール水溶液にて
除去して該層の欠損部として表面に幅100μm、間隔
0.6mmを置いて直列に並んだ長さ10mmの2本の
凹状の欠損部(44)、欠損部(44’)を有する厚さ
約100μmの樹脂層(X-4-2)(43)を形成した。こ
の積層体の凹状の欠損部(44)、欠損部(44’)の
両端部において直径3mmの貫通孔(45)、貫通孔
(45’)を穿ち部材(J-4-1)とした。
【0137】〔樹脂層(X-4-3)の作製と接着〕一時的な
支持体(図示せず)として片面がコロナ放電処理された
厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村
化学株式会社製、OPPフィルム)を用いこの上に、1
27μmのバーコーターを用いて組成物(x-2)を塗布
し、フォトマスクを使用して、図9に示されたような、
欠損部と成す部分以外の部分に紫外線を10秒間照射し
て、照射部分の組成物(x-2)塗膜を硬化させ、非照射部
分の未硬化の塗膜をエタノールにて洗浄除去し、中心間
距離が1mmで設けられた直径100μmと600μm
の2つの孔状の欠損部(47)、欠損部(47’)を有
する硬化塗膜(X-4-3)(46)を形成した。
【0138】一時的な支持体上の硬化塗膜(X-4-3)(4
6)の上に、エネルギー線硬化性組成物(x-2)の5%ア
セトン溶液をスピンコーターで塗布し、欠損部(4
7)、欠損部(47’)がそれぞれ樹脂層(X-4-2)(4
3)の欠損部(44)、欠損部(44’)に連絡するよ
うに位置を合わせて積層し、紫外線を10秒間照射して
接着し、硬化塗膜(X-4-3)(46)を樹脂層(X-4-3)(4
6)とした。その後、一時的な支持体(図示せず)を樹
脂層(X-4-3)(46)から剥離して、第二部材(J-4-1)の
上に上記形状の欠損部を有する樹脂層(X-4-3)(46)
を積層し接着し、これを第二部材(J-4-2)とした。樹脂
層(X-4-3)(46)の厚みは約100μm、接着剤層の
厚みは約1.5μmであった。
【0139】〔弁を有する樹脂層(X-4-4)の作製〕又別
途、一時的な支持体として、ポリビニルアルコール(和
光純薬部式会社製、重合度2000)製の厚さ約60μ
mのシート(溶液キャスト法で作製)を使用し、組成物
(x)として組成物(x-1)を使用したこと、50μmのバー
コーターを使用したこと、欠損部と成す形状が、図10
に示されたように、芯間距離1mmで設けられた、長
さ、幅共に400μmの舌状の弁(50)、舌状の弁
(50’)と成す部分の周囲の幅100μmの馬蹄形
(49)、馬蹄形(49’)であること、接着剤がエネ
ルギー線硬化性組成物(x-1)の5%アセトン溶液である
こと、接着剤の塗布後、フォトマスクを用いて、馬蹄形
の欠損部(49)、欠損部(49’)で囲まれた舌状の
弁(50)、舌状の弁(50’)と成す部分のみにさら
に紫外線を20秒間照射し、照射部分の接着剤を硬化さ
せて非接着性とした後に積層し接着したこと、および、
一時的な支持体の除去が水による溶解であること以外
は、樹脂層(X-4-3)(46)の形成と同様にして、樹脂
層(X-4-4)(48)を第二部材(J-4-2)の上に積層し接着
して、第二部材(J-4-3)とした。樹脂層(X-4-4)(48)
の厚みは約37μm、接着剤層の厚みは約1.5μmで
あった。
【0140】〔樹脂層(X-4-5)の形成と接着〕大小の2
つの孔状の欠損部(52)、欠損部(52’)の位置を
樹脂層(X-4-3)(46)の孔状の欠損部(47)、欠損
部(47’)とは逆向きにして積層したこと以外は樹脂
層(X-4-3)(46)と同様の方法で、図9に示された樹
脂層(X-4-5)(51)を作製して積層し接着して、これ
を第二部材(J-4-4)とした。
【0141】〔樹脂層(X-4-6)の形成と接着〕欠損部
(54)の形状が、図11に示された様な、長さ1.5
mm、幅700μmの直線状であること以外は、樹脂層
(X-4-3)(46)と同様にして、樹脂層(X-4-6)(53)
を形成し、部材(J-4-4)の樹脂層(X-4-5)(51)の上に
積層し接着して、これを第二部材(J-4)とした。樹脂層
(X-4-6)(53)の厚みは約100μm、接着剤層の厚
みは約1.5μmであった。
【0142】〔第一部材の形成〕紫外線照射に当たりフ
ォトマスクを使用せず、塗膜全面に照射して、欠損部を
設けなかったこと以外は弁を有する樹脂層(X-4-4)(4
8)の場合と同様にして、第二部材(J-4)の上に、柔軟
な素材で形成された欠損部を有しない第一部材(55)
を積層し接着した。第一部材(55)の厚みは約37μ
m、接着剤層の厚みは約1.5μmであった。
【0143】〔第三部材(K-8)の作製と接着〕凹状の欠
損部(58)の形状が図13に示したように、長さ1.
5mm、幅700μmの直線と、長さ10mm、幅30
0μmの直線から成るT字型であること、及び部材を貫
通する孔状の欠損部(59)が、幅300μmの凹状の
欠損部の端に1カ所設けられていること以外は第二部材
(J-4-1)と同様の第三部材(K-8)を第二部材(J-4-1)と同
様の方法で作製した。即ち、第三部材(K-8)は、ポリス
チレン製の基材(56)と欠損部(58)を有する樹脂
層(57)の積層体として形成され、部材を貫通する孔
状の欠損部(59)が設けられている。
【0144】次いで、第二部材(J-4-5)と第一部材の積
層体の第一部材面に、接着剤として組成物(x-1)の5%
アセトン溶液をスピンコーターで塗布し、その上に第三
部材(K-8)を、該部材の欠損部(58)を第一部材(5
5)を隔てて樹脂層(X-4-4)の欠損部(54)に相対す
る位置に合わせて積層し、紫外線を30秒間照射するこ
とによって第一部材(55)に接着した。また、この紫
外線照射によって、その他の樹脂層も十分に硬化させ
た。
【0145】〔流入出部の形成〕第二部材(J-4)及び第
三部材(K-8)に設けられた欠損部(45)、欠損部(4
5’)、(59)からなる孔に、外径3mmの塩化ビニ
ル管をエポキシ系接着剤にて接着して、液体流入部(6
0)、液体流出部(61)、及び気体導入部(62)を
形成して、マイクロ流体デバイス(D-4)を作製した。作
製されたマイクロ流体デバイスの平面図の模式図を図1
4に、図14注のA部に於ける断面図の模式図を図15
に示す。
【0146】〔送液試験〕液体流入部(60)から水を
導入したところ、水は大気に解放した液体流出部(6
1)から流出した。逆に、液体流出部(61)に水を導
入しても液体流入部(60)からは流出しなかった。次
いで、気体導入部(62)に0.5MPaの圧力の窒素
を間欠的に導入したところ、水は液体流入部(60)か
ら吸い込まれ、液体流出部(61)から流出した。即
ち、本マイクロ流体デバイスはポンプとして作動した。
【0147】
【発明の効果】本発明は、非常に薄く破損しやすい、微
小な樹脂ダイヤフラムが形成されたマイクロ流体デバイ
スの製造方法、さらに、該デバイスの生産性の高い製造
方法を提供する。本発明の製造方法により、ダイヤフラ
ム式微小バルブ、ダイヤフラム式微小ポンプを有する多
機能なマイクロ流体デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2で使用した第二部材を、表面に
垂直な方向から見た平面図の模式図である。
【図2】実施例1で使用した第一部材を、表面に垂直な
方向から見た平面図の模式図である。
【図3】実施例1で作製したマイクロ流体デバイスの平
面図の模式図である。
【図4】実施例1で作製したマイクロ流体デバイスのα
部における立面断面図の模式図である。但し、接着剤層
は省略してある。
【図5】実施例2で使用した第一部材を、表面に垂直な
方向から見た平面図の模式図である。
【図6】実施例3で作製したマイクロ流体デバイスの平
面図の模式図である。
【図7】実施例3で作製したマイクロ流体デバイスの、
図6のA部での断面図の模式図である。但し、接着剤層
は省略してある。
【図8】実施例4で作製した第二部材(J-4-1)を、欠損
部が形成された表面に垂直な方向から見た平面図の模式
図である。
【図9】実施例4で作製した樹脂層(X-4-1)及び樹脂層
(X-4-3)の平面図の模式図である。
【図10】実施例4で作製した樹脂層(X-4-2)の平面図
の模式図である。
【図11】実施例4で作製した樹脂層(X-4-4)の平面図
の模式図である。
【図12】実施例4で作製した第一部材の平面図であ
る。
【図13】実施例4で作製した第三部材(K-4)を、欠損
部が形成された表面に垂直な方向から見た平面図の模式
図である。
【図14】実施例4で作製したマイクロ流体デバイスの
部分拡大図を含む平面図の模式図である。
【図15】実施例4で作製したマイクロ流体デバイス
の、図14のA部での断面図の模式図である。但し、接
着剤層は省略してある。
【符号の説明】
1 ポリスチレン板 2、3、11、24、26、44、44’、45、4
5’、47、47’、49、49’、52、52’、5
4、58、59 欠損部 4、10、25、55 硬化塗膜;第一部材 5 樹脂ダイヤフラム 6、30、60 流体流入部 7、31、61 流体流出部 8、9 ルアーフィッティング 12、50、50’ 弁 21、27、41、56 基材 22、23、28,29、42、43、46、48、5
1、53、57 樹脂層 32、62 気体導入部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を含む、樹脂ダイヤフラムを
    有する第一部材と、部材表面に達しかつ流体の流路を成
    す欠損部を有する第二部材とが、該欠損部形成面を接着
    面として該欠損部と樹脂ダイヤフラムが重なるよう接着
    剤を介して積層され接着されて、該欠損部が第一部材と
    の間で流路を形成することを特徴とする樹脂ダイヤフラ
    ムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法。 (i)支持体上に第一部材形成材料を固化した塗膜状の第
    一部材を形成する工程、(ii)支持体上に形成された第一
    部材を、第二部材の該欠損部形成面を接着面として該欠
    損部と樹脂ダイヤフラムが重なるよう接着剤を介して積
    層し接着する工程、及び、(iii)支持体を第一部材から
    除去することにより、第一部材を第二部材に転写する工
    程。
  2. 【請求項2】 第一部材形成材料がエネルギー線重合性
    化合物(a)を含有するエネルギー線硬化性組成物(x)であ
    り、塗膜状の第一部材の固化が活性エネルギー線の照射
    によるものである請求項1に記載のマイクロ流体デバイ
    スの製造方法。
  3. 【請求項3】 エネルギー線重合性化合物(a)が、一分
    子中に2つ以上の活性エネルギー線重合性官能基を有す
    る化合物である請求項2に記載のマイクロ流体デバイス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 エネルギー線硬化性組成物(x)が、エネ
    ルギー線重合性化合物(a)と共重合しうる両親媒性の重
    合性化合物(b)を含有するものである請求項2に記載の
    マイクロ流体デバイスの製造方法。
  5. 【請求項5】 第一部材の引張弾性率と厚みの積が、3
    ×10−4〜1×10 −1 MPa・mの範囲にある請
    求項1に記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 工程(i)〜(vi)を行った後に、部材表面
    に達しかつ流体の流路を成す欠損部を有する第三部材
    を、第一部材に、該欠損部を樹脂ダイヤフラムに相対す
    る位置に合わせて積層し接着して、樹脂ダイヤフラムの
    第三部材側に流路が形成された構造を形成する請求項1
    に記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体
    デバイスが、前記樹脂ダイヤフラムを変形させて該樹脂
    ダイヤフラムがその一面を構成している流路の断面積を
    変化させて流体の流量調節を行うダイヤフラム式バルブ
    機構を有するものである請求項1に記載のマイクロ流体
    デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 1つ以上の逆止弁を有し、樹脂ダイヤフ
    ラムを繰り返し変形させて該樹脂ダイヤフラムがその一
    面を構成している流路の容積を繰り返し変化させ、該逆
    止弁によって該流路から一方向に流体を移送するダイヤ
    フラム式ポンプ機構を有する請求項1に記載のマイクロ
    流体デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂ダイヤフラムの面する流路が逆止弁
    の可動空間を兼ねる請求項8に記載のマイクロ流体デバ
    イスの製造方法。
JP2001337789A 2001-11-02 2001-11-02 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法 Pending JP2003136500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337789A JP2003136500A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337789A JP2003136500A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003136500A true JP2003136500A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19152378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001337789A Pending JP2003136500A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003136500A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004046018A1 (ja) * 2002-11-15 2004-06-03 Tama-Tlo Corporation マイクロ流体素子とその製造方法
JP2005308200A (ja) * 2003-10-31 2005-11-04 Seiko Instruments Inc マイクロバルブ機構
JP2007507663A (ja) * 2003-10-01 2007-03-29 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ マイクロポンプ
JP2008304287A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Fujirebio Inc 液体吐出装置
JP2010107050A (ja) * 2003-10-31 2010-05-13 Seiko Instruments Inc マイクロバルブ機構
JP2011515236A (ja) * 2008-03-28 2011-05-19 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ 制御された濡れ特性を有するマイクロ流体チャネルを含む表面
WO2012077383A1 (ja) * 2010-12-06 2012-06-14 アルプス電気株式会社 マイクロチップの製造方法
US8883291B2 (en) 2007-08-07 2014-11-11 President And Fellows Of Harvard College Metal oxide coating on surfaces
JP2019519359A (ja) * 2016-04-26 2019-07-11 レムス ブリックス アンダース ハウプト 流体蠕動層ポンプ
CN113203769A (zh) * 2021-04-15 2021-08-03 电子科技大学 一种高气密性的微型热导检测器及其制作方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004046018A1 (ja) * 2002-11-15 2004-06-03 Tama-Tlo Corporation マイクロ流体素子とその製造方法
JP2007507663A (ja) * 2003-10-01 2007-03-29 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ マイクロポンプ
JP2005308200A (ja) * 2003-10-31 2005-11-04 Seiko Instruments Inc マイクロバルブ機構
JP2010107050A (ja) * 2003-10-31 2010-05-13 Seiko Instruments Inc マイクロバルブ機構
JP2010107051A (ja) * 2003-10-31 2010-05-13 Seiko Instruments Inc マイクロバルブ機構
JP2008304287A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Fujirebio Inc 液体吐出装置
US8883291B2 (en) 2007-08-07 2014-11-11 President And Fellows Of Harvard College Metal oxide coating on surfaces
JP2014088027A (ja) * 2008-03-28 2014-05-15 President & Fellows Of Harvard College 制御された濡れ特性を有するマイクロ流体チャネルを含む表面
US8802027B2 (en) 2008-03-28 2014-08-12 President And Fellows Of Harvard College Surfaces, including microfluidic channels, with controlled wetting properties
JP2011515236A (ja) * 2008-03-28 2011-05-19 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ 制御された濡れ特性を有するマイクロ流体チャネルを含む表面
WO2012077383A1 (ja) * 2010-12-06 2012-06-14 アルプス電気株式会社 マイクロチップの製造方法
CN103249480A (zh) * 2010-12-06 2013-08-14 阿尔卑斯电气株式会社 微芯片的制造方法
JP5570616B2 (ja) * 2010-12-06 2014-08-13 アルプス電気株式会社 マイクロチップの製造方法
CN103249480B (zh) * 2010-12-06 2015-07-08 阿尔卑斯电气株式会社 微芯片的制造方法
JP2019519359A (ja) * 2016-04-26 2019-07-11 レムス ブリックス アンダース ハウプト 流体蠕動層ポンプ
US10737264B2 (en) 2016-04-26 2020-08-11 Remus Brix A. HAUPT Fluidic peristaltic layer pump
CN113203769A (zh) * 2021-04-15 2021-08-03 电子科技大学 一种高气密性的微型热导检测器及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7220334B2 (en) Method of manufacturing microdevice having laminated structure
JP3777112B2 (ja) マイクロ流体デバイス及びその製造方法
Hutchison et al. Robust polymer microfluidic device fabrication via contact liquid photolithographic polymerization (CLiPP)
KR20030038739A (ko) 미소 케미컬 디바이스 및 그 유량 조절 방법
US20020153046A1 (en) Flow control in multi-stream microfluidic devices
JP2002018271A (ja) 微小ケミカルデバイス
JP2002102681A (ja) 加熱脱気機構を有する微小ケミカルデバイス
JP2000246092A (ja) マイクロケミカルデバイスの製造方法
JP2004271430A (ja) マイクロ流体素子の製造方法
JP4074713B2 (ja) 送液デバイス及びその製造方法
WO2022166600A1 (zh) 一种基于弹性支撑体的光固化微流控芯片及其制备方法和应用
US20060237080A1 (en) Patterned surfaces and polymeric microstructures within robust microfluidic channels
JP2003136500A (ja) 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法
JP2003084001A (ja) 微小バルブ機構を有するマイクロ流体デバイス、マイクロ流体デバイスの微小バルブ機構駆動装置、及び流量調節方法
JP4039481B2 (ja) 多孔質部を有するマイクロ流体デバイスの製造方法
JP2002086399A (ja) 積層構造を有するマイクロデバイス及びその製造方法
JP2007216226A (ja) マイクロノズル、その製造方法、スポッティング方法及びスポッタ
JP2001070784A (ja) バルブ機構を有する微小ケミカルデバイス
JP2002370200A (ja) 微小バルブ機構の製造方法
JP2000288381A (ja) 微小ケミカルデバイスの製造法
JP4307771B2 (ja) マイクロ流体デバイスの製造方法
JP2000248076A (ja) 微小ケミカルデバイスの製造方法
JP3777113B2 (ja) 積層構造を有するマイクロ流体デバイス及びその製造方法
JP2002219697A (ja) バルブ機構を有するマイクロ流体デバイス及びその流量調節方法
JP2002005887A (ja) 親水性接液部を有する微小ケミカルデバイスの製造方法