JP2003136364A - 工作機械の密閉装置 - Google Patents

工作機械の密閉装置

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JP2003136364A
JP2003136364A JP2001340423A JP2001340423A JP2003136364A JP 2003136364 A JP2003136364 A JP 2003136364A JP 2001340423 A JP2001340423 A JP 2001340423A JP 2001340423 A JP2001340423 A JP 2001340423A JP 2003136364 A JP2003136364 A JP 2003136364A
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JP
Japan
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partition wall
wall body
fixed cover
cover body
swivel
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JP2001340423A
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English (en)
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Mikio Miwa
美紀夫 三輪
Hisashi Ukai
久 鵜飼
Mare Mitsuma
希 三津間
Shigehiro Suzuki
鈴木重啓
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Enshu Ltd
Original Assignee
Enshu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回テーブル上のワーク及び主軸先端の工具
部を含む狭い空間内を固定カバーで閉塞する密閉装置に
おいて、加工領域の気密性とワークの自動交換を可能と
した密閉装置を提供する。 【解決手段】 加工領域K1側の空間Sを閉塞する固定
カバー体13の前部に昇降隔壁体15が設置され、この
上昇時に左右側面縁15A,15Bと窪んだ高所の下面
縁15Dとが、旋回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁
7B,7Cとに僅かな隙間Gを作って旋回可能になり、
昇降隔壁体が下降動されると左右側面縁と窪んだ高所の
下面縁とが、旋回隔壁体の上面縁及び左右面縁に密着し
て固定カバー体13内を気密状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライ加工する工
作機械のワーク加工領域を外気と閉塞する密閉装置に係
り、特に、テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部を
含む狭い空間内だけを固定カバーで閉塞するタイプにお
いて,加工領域内の気密性を高めるとともに、ワークの
自動交換を可能とした密閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工作機械の加工領域と段取領域と
の間を180°の旋回角度で回転させ、ワーク交換する
旋回テーブルがある。この旋回テーブルにおいて、加工
領域と段取領域との間を閉塞する旋回ドアに関する出願
には、特公平4−26974号公報や特開平10−52
9号公報等に見るものが提案されている。
【0003】上記特公平4−26974号公報に記載の
工作機械は、鉛直方向の軸線を中心にしてそれぞれ好ま
しくは、180°の角度で往復回動可能な工作物テーブ
ルと、工作物テーブルの上方に渡されたビームと、ビー
ムから下方に延び工作物テーブルの直径とほぼ平行な軸
線を中心に旋回可能な切削屑よけ要素とを有しており、
この切削屑よけ要素が、主軸台の作業範囲における加工
側をその装入側から仕切っているものである。これによ
り、旋回可能な切削屑よけ要素の摩耗を出来るだけ僅か
なものにおさえた上で、加工側に対する装入側の効果的
な密閉処理を可能にしたものである。
【0004】しかしながら、この工作機械は、クーラン
ト液を使用しないドライ加工機ではない。その上に、切
削屑よけ要素は、摩耗を出来るだけ僅かなものにおさえ
ることは可能だが、加工側に対する装入側の効果的な密
閉処理は不完全である。即ち、切削屑よけ要素が切削屑
よけ隔壁に、軽い撓み側壁力だけで接する密閉構成であ
るため、気密性は低い。更に、機械加工で切削屑よけ要
素に切削屑が付着しやすく、この付着で密着面に隙間が
生じて益々気密性を低下させると言う問題がある。
【0005】また、上記特開平10−529号公報は、
パレットチェンジャーの旋回動作および昇降動作の間に
は、動作を円滑にする隙間ができるようにし、いったん
パレットの交換が終了した後は、カバーの閉口部には隙
間の生じないように密閉し、工作物の加工中に発生する
切削剤の飛散漏れを解消したものである。そのための構
成は、固定カバーの開口部における可動カバーとの間の
隙間をシールするシール板を可動カバーの運動に連動し
て稼働するように設け、シール板を可動カバーの上昇と
ともに開口部に前記可動カバーの回転を許容する隙間を
生じさせ、前記可動カバーの下降とともに、固定カバー
と可動カバーとの間の隙間に重なり代を生ずるようにし
て閉塞するものである。
【0006】しかしながら、この可動カバーは、固定カ
バーの左右両側面に対する閉塞作用のみを狙ったもの
で、固定カバーの上面部を気密に閉塞することがやや困
難である。即ち、そのための具体的な対策が施されてい
ない。このため、加工空間内を気密に閉塞して不活性ガ
スや不燃性ガスを充填した雰囲気中で加工するドライ加
工方法には、外部へのガス漏れがあり、効率の悪いドラ
イ加工を強いられている。
【0007】更に、上記2つの閉塞カバーでは、主軸ヘ
ッドを含めたスプラッシュガード内の広い空間を閉塞す
るものであるから、これをドライ加工方法に使用する
と、不活性ガスや不燃性ガスの使用量や消費量が膨大に
なり、採用できないものである。そこで、通常は、テー
ブル上のワーク及び主軸先端の工具部を含む狭い空間内
を閉塞カバーで閉塞し、不活性ガスや不燃性ガスの使用
量や消費量を抑えさせ、生産効率を高める工夫をしてい
る。しかし、工作機械の加工領域と段取領域との間にお
けるワーク交換が自動化でき難くく、段取りやワーク交
換は、閉塞カバーをテーブルから取外して行なわなけれ
ばならず、このタイプでの自動化が遅れていると言う問
題がある。
【0008】このことは,最近その需要が急増している
発火性の強いマグネシウムや一般金属材料のドライ加工
において、ワーク交換が手動操作になることを意味す
る。従って、ドライ加工を効率良く実行できないし、爆
発の危険もあって安全に、ドライ加工ができない。即
ち、ワーク交換時に窒素等の不活性ガスや不燃性ガスの
漏れが生じて使用量や消費量を最小限に抑えた経済的な
ドライ加工に対応できないこと。所定のガス濃度を要求
されることから、ドライ加工の運転までに所定のガス濃
度を回復させるために長い段取時間・待機時間を必要と
することになり、生産性の低さとランニングコストの高
さが問題になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
閉塞装置が持つ各種の問題点に鑑みてなされたもので、
旋回テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部を含む狭
い空間内を固定カバーで閉塞するタイプの密閉装置にお
いて,加工領域の気密性と安全性を高めるとともに、ワ
ークの自動交換を可能とした密閉装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の工作
機械の密閉装置は、旋回隔壁体を中央位置に直立した旋
回テーブルを工作機械の加工領域と段取領域との間に設
置し、上記加工領域側の空間を閉塞する固定カバー体を
作業台上に設置するとともに、この固定カバー体の開口
前部に昇降駆動部材付きの昇降隔壁体を配置し、上記昇
降隔壁体の上昇時は、この当接面と上記旋回隔壁体の当
接面とに僅かな隙間を作って旋回可能となし、上記昇降
隔壁体の下降時は、昇降隔壁体の当接面を上記旋回隔壁
体の当接面に密着して固定カバー体内を気密状態とな
し、上記固定カバー体の上面には、主軸頭の主軸部及び
工具を固定カバー体内に気密状態に装入して移動可能と
した主軸移動保持部材を装備し、更に、上記固定カバー
体の左右等の適所に、不活性ガス又は不燃性ガス等の流
体を巡回導入する導入管と、この流体と切削屑とを排出
する排出管とを接続させた流体送入手段を設置したこと
を特徴とする。
【0011】請求項2の工作機械の密閉装置は、旋回隔
壁体を中央位置に直立した旋回テーブルを工作機械の加
工領域と段取領域との間に設置し、上記加工領域側の空
間を閉塞する固定カバー体を作業台上に設置するととも
に、この固定カバー体の開口前部に昇降駆動部材付きの
昇降隔壁体を配置し、上記昇降隔壁体の上昇時は、この
当接面と上記旋回隔壁体の当接面とに僅かな隙間を作っ
て旋回可能となし、上記昇降隔壁体の下降時は、昇降隔
壁体の当接面を上記旋回隔壁体の当接面に密着して固定
カバー体内を気密状態となし、上記固定カバー体の上面
には、主軸頭の主軸部及び工具を固定カバー体内に気密
状態に装入して移動可能とした主軸移動保持部材を装備
し、更に、上記固定カバー体の左右等の適所に、圧縮空
気等の流体を導入する導入管と、上記流体と切削屑とを
排出する排出管とを接続させた流体送入手段を設置した
ことを特徴とする。
【0012】請求項3の工作機械の密閉装置は、請求項
1または2記載の工作機械の密閉装置において、旋回隔
壁体の当接面は、上面縁と傾斜姿勢の左右面縁と円弧状
の曲面部とで台型形状部を形成し、昇降隔壁体の当接面
は、左右面縁と下面縁と円弧状の曲面部とで凹型形状部
を形成し、上記台型形状部と凹型形状部との当接面にシ
ール部材を付設したことを特徴とする。
【0013】請求項4の工作機械の密閉装置は、請求項
1または2記載の工作機械の密閉装置において、 旋回
隔壁体の当接面は、上面縁と直立姿勢の左右面縁と円弧
状の曲面部とで矩型形状部を形成し、昇降隔壁体の当接
面は、左右面縁と下面縁と円弧状の曲面部とで凹型形状
部を形成し、上記矩型形状部と凹型形状部との当接面に
シール部材を付設したことを特徴とする。
【0014】請求項5の工作機械の密閉装置は、請求項
3または4記載の工作機械の密閉装置において、シール
部材をチューブ体とし、このシール部材に圧縮空気を出
入させる加圧機構を接続したことを特徴とする。
【0015】請求項6の工作機械の密閉装置は、請求項
3または4または5記載のいずれか1項の工作機械の密
閉装置において、チューブ体のシール部材に圧縮空気を
出入させる加圧機構を接続し、上記シール部材内の負圧
時に旋回隔壁体と昇降隔壁体との当接面に隙間を形成さ
せ、昇降隔壁体を上昇させることなく旋回テーブルを旋
回可能としたことを特徴とする。
【0016】請求項7の工作機械の密閉装置は、請求項
1〜6記載のいずれか1項の工作機械の密閉装置におい
て、上記旋回テーブルの両側にはワークを高所で固定す
る桁台付治具を配置したことを特徴とする。
【0017】
【作用】上記請求項1および請求項2によると、まず、
作業台上には加工領域側の空間を閉塞する固定カバー体
が配置されており、この固定カバー体の開口前部には昇
降隔壁体が昇降駆動部材により昇降自在に配置されてい
る。今、上記昇降隔壁体の上昇時には、この左右側面縁
と窪んだ高所の下面縁とが、上記旋回隔壁体の上面縁及
び左右面縁とに僅かな隙間を作って旋回可能になってい
るから、加工領域側での加工済みワークと段取領域側の
未加工ワークとが交換される。ワーク交換後は、昇降隔
壁体が下降動されて、この左右側面縁と窪んだ中央高所
の下面縁とが、上記旋回隔壁体の上面縁及び左右面縁と
に密着して固定カバー体内を気密状態とする。
【0018】上記作用を受ける請求項1によると、作業
台上の加工領域側ワークと段取領域側の未加工ワークと
が簡潔に交換される。これにより、マグネシウムやチタ
ン等の可燃性金属材料の加工を実行する時、加工領域の
気密性と安全性を高めることができる。更に、固定カバ
ー体内は、テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部を
含む狭い空間であるから、ワーク交換時に一時的に外気
に開放される不活性ガス又は不燃性ガス等のガス濃度が
低下するが、閉塞後の所定ガス濃度への回復時間が短く
できる。これにより、段取時間・待機時間が短くなっ
て、生産性の向上とガスの消費量が低減されてランニン
グコストの低減化が図られる。
【0019】また、上記作用を受ける請求項2による
と、作業台上の加工領域側ワークと段取領域側の未加工
ワークとが簡潔に交換される。更に、固定カバー体内
は、テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部を含む狭
い空間であるから、空気流量が少なくて済み、生産性の
向上と空気消費量が低減されてランニングコストの低減
化が図られる。
【0020】請求項3によると、旋回隔壁体は、上面縁
と傾斜姿勢の左右面縁と上面縁と左右面縁との角を円弧
状に接続した曲面部とで台型形状部を形成しており、ま
た、旋回隔壁体はこの左右面縁と上面縁と曲面部とに密
着する凹型形状部を形成し、上記台型形状部と凹型形状
部との当接面にシール部材を付設したものであるから、
シール部材の伸縮により昇降隔壁体の僅かな昇降動作で
も、閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれる。ま
た、上記旋回隔壁体の上面縁及び左右面縁と、昇降隔壁
体の左右側面縁と窪んだ中央高所の下面縁との当接合に
より、加工領域側を気密性良く閉塞させることができ
る。
【0021】上記作用により、昇降隔壁体の僅かな昇降
動作にて閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれる
から、請求項1においては、ワーク交換時に一時的に外
気に開放されてガス濃度が低下するも、閉塞動作が確実
であり、ガス漏れが最少限に低減されて所定ガス濃度へ
の回復時間が短くできる。これにより、より一層、段取
時間・待機時間が短く、生産性の向上とガスの消費量が
低減されてランニングコストの低廉化が更に図れる。ま
た、請求項2においては、固定カバー体内からの空気流
の漏れが無く、生産性の向上と空気消費量が低減されて
ランニングコストの低減化が図られる。
【0022】請求項4によると、旋回隔壁体は、上面縁
と直立姿勢の左右面縁と上面縁と左右面縁との角を円弧
状に接続した曲面部とで矩型形状部を形成し、昇降隔壁
体は上記旋回隔壁体の左右面縁と上面縁と曲面部とに密
着する凹型形状部を形成し、上記矩型形状部と凹型形状
部との当接面にシール部材を付設したものであるから、
シール部材の伸縮により昇降隔壁体の僅かな昇降動作で
も、閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれる。
【0023】上記作用により、昇降隔壁体の僅かな昇降
動作にて閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれる
から、請求項1においては、ワーク交換時に一時的に外
気に開放されてガス濃度が低下するも、閉塞動作が確実
であり、ガス漏れが最少限に低減されて所定ガス濃度へ
の回復時間が短くできる。これにより、より一層、段取
時間・待機時間が短く、生産性の向上とガスの消費量が
低減されてランニングコストの低廉化が更に図れる。ま
た、請求項2においては、固定カバー体内からの空気流
の漏れが無く、生産性の向上と空気消費量が低減されて
ランニングコストの低減化が図られる。
【0024】請求項5によると、シール部材をチューブ
体とし、このシール部材に圧縮空気を出入させる加圧機
構を接続しているから、上記矩型形状部と凹型形状部と
の当接面にシール部材を付設したものに対して、シール
部材の伸縮により昇降隔壁体の僅かな昇降動作でも、閉
塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれる。
【0025】請求項6によると、チューブ体のシール部
材に圧縮空気を出入させる加圧機構を接続し、シール部
材内の負圧時に旋回隔壁体と昇降隔壁体との当接面に隙
間を形成させ、昇降隔壁体を上昇させることなく旋回テ
ーブルを旋回可能となる。これにより、昇降隔壁体から
昇降駆動部材が省略できるから、機構の簡素化にるコス
トダウンやメンテナンスフリーが図れるほか、ワーク交
換時間の短縮化も可能である。
【0026】請求項7によると、旋回テーブルの両側に
はワークを高所で固定する桁台付治具を設置しているか
ら、切屑が下方の旋回テーブルの表面全体に散乱でき、
固定カバー体内に噴き込まれた不活性ガス又は不燃性ガ
ス又は圧縮空気は、テーブル表面全体を撫でるように排
出管側へ流動し、旋回テーブル上に散乱する切削屑が一
緒に効率良く回収される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る工作機械の密
閉装置を図面に示す実施形態により説明する。図1は工
作機械の第1実施形態となる密閉装置の斜視図、図2は
密閉装置の平面図であり、図3は正面図、図4は密閉装
置の右断面図である。更に、図5と図6は密閉装置の作
用を示す正面図であり、図7と図8はシール部材の作用
断面図である。また、図9は昇降隔壁体の作用正面図で
ある。
【0028】図1〜図4に示す第1実施形態において、
工作機械1は、立型の主軸頭2とこの主軸3を備え、前
部の作業台4上には、加工領域K1と段取領域K2との
間を180°の旋回角度で反転される旋回テーブル5が
設置されている。上記旋回テーブル5の中央位置には、
直径方向Lに向け、且つ直径長D1に合わせた閉塞用の
旋回隔壁体7が直立されている。上記旋回隔壁体7を挟
んだ両側には、ワークW1を高所で固定する桁台付治具
10を設置している。上記工作機械1の旋回テーブル5
は、図3に示すように、テーブル部5Aの軸部5Bを機
台1Aに軸受5Cを介して旋回自在になっている。上記
軸部5Bの下端側には、ピニオン5Dが嵌着され、これ
にシリンダCで駆動されるラック5Eが噛合っている。
上記シリンダCの進退動で旋回テーブル5は、180°
の旋回角度で往復回転される。上記旋回テーブル5の加
工領域K1には、本発明の密閉装置100を装備してい
る。
【0029】上記密閉装置100は、固定カバー体13
が上記作業台4上に配置した旋回テーブル5における加
工領域K1側の空間Sを閉塞するように上記作業台4上
に載置されている。上記固定カバー体13は、左右側壁
13A,13Bと、背面壁13Cと、上面には左右のX
軸方向に伸縮移動する伸縮体13Dと前後のY軸方向に
伸縮移動する伸縮体13Eとからなる主軸移動保持部材
Hを装備している。この主軸移動保持部材Hには、工具
Tが下端に装着された主軸3を装着している。これで、
主軸3は固定カバー体13内に気密状態で装入して平面
上を移動でき、且つ昇降動可能に構成されている。尚、
主軸3に装着された工具Tは、工具交換時に上記把持器
H1を解除して主軸を固定カバー体13から上方へ引き
抜き、工具交換される。
【0030】上記固定カバー体13における開口前部に
は、門型の昇降隔壁体15がこの左右両側に設置した昇
降駆動部材20,22と連結して昇降自在に配置されて
いる。上記昇降隔壁体15は、図6に示すように、昇降
駆動部材20,22の駆動による上昇時に、この左右側
面縁15A,15Bと窪んだ高所15Cの下面縁15D
とが、上記旋回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7
B,7Cとに、僅かな隙間Gを作って旋回可能となるよ
うに構成されている。また、図9に示すように、昇降駆
動部材20,22の駆動による上記昇降隔壁体15の下
降時に、この左右側面縁15A,15Bと窪んだ高所の
下面縁15Dとが、上記旋回隔壁体7の上面縁7A及び
左右面縁7B,7Cとに密着し、固定カバー体13内を
気密状態に維持する構成になっている。
【0031】尚、上記工作機械の密閉装置100は、図
5と図6に示すように、旋回隔壁体7は、その左右面縁
7B,7Cを傾斜姿勢として上面縁7Aの角を円弧状の
曲面部7Dで接続させて台型形状部7Eに形成されてい
る。また、昇降隔壁体15は、上記旋回隔壁体7の左右
面縁7B,7Cと上面縁7Aとに密着する凹型形状部1
5Eを形成している。更に、上記台型形状部7Eと凹型
形状部15Eとの当接面に、シール部材SEが付設され
ている。このシール部材SEの構成は、図7と図8に示
すように、旋回隔壁体7側の台型形状部7Eに付設され
ており、パイプ状のチューブU内に圧縮空気E1が充填
されていて、このチューブを押し潰して気密性を発揮さ
せられるようになっている。
【0032】また、図1と図2及び図6に示すように、
固定カバー体13の左右側壁13A,13Bの適所に
は、不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素N2を導入する
流体送入手段50が設置されている。この流体送入手段
50は、不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素N2を導入
する導入管25および排出する排出管27とからなる。
上記導入管25と左側壁13Aとの接続は、横長の中継
管25Aによって行なわれている。これで、中継管25
Aから固定カバー体13内に噴き出す不活性ガス又は不
燃性ガス等の窒素N2は、図2と図6に示すように、破
線矢のように旋回テーブル5の表面全体を撫でるように
排出管27側へ流動し、この時旋回テーブル5上に散乱
する切削屑Cも一緒に回収できるようになっている。上
記排出管27と右側壁13Bとの接続は、横長で漏斗状
の中継管27Aによって行なわれている。これで、中継
管27Aは、旋回テーブル5の表面全体を撫でるように
排出管27側へ流動した切削屑C1と不活性ガス又は不
燃性ガス等の窒素N2とを幅広く回収できるようになっ
ている。上記中継管27Aに接続された排出管27は、
切削屑回収器29に接続されている。この切削屑回収器
29は、切削屑Cを回収して下方の切屑圧縮機30へ落
下させ、浄化された不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素
N2を吸引吐出ブロワB1へ供給する配管構成になって
いる。上記吸引吐出ブロワB1は、上記導入管25の供
給側に接続されており、浄化した不活性ガス又は不燃性
ガス等の窒素N2を再利用できるように、再び中継管2
5Aから固定カバー体13内に噴き出される閉回路を形
成している。
【0033】尚、上記不活性ガス又は不燃性ガス等の窒
素N2は、窒素発生装置80から主軸3のセンター孔を
介して工具Tのセンター孔からワークW1の加工面に直
接噴射して、固定カバー体13内に供給される。そし
て、固定カバー体13内のガス濃度は、上記、窒素発生
装置80からの窒素N2の供給量によって制御される。
【0034】本発明の第1実施形態となる工作機械の密
閉装置100は、上記のように構成されており、以下の
ように作用する。まず、作業台4上には加工領域K1側
の空間Sを閉塞する固定カバー体13が設置されてお
り、この固定カバー体13の開口前部には門型の昇降隔
壁体15が昇降駆動部材20,22により昇降自在に設
置されている。そして、ワークW1の加工時は、ワーク
W1が固定カバー体13と、この開口前部に配置する昇
降隔壁体15とによって気密状態に閉塞されている。こ
の閉塞とは、図7に示すように、上記旋回隔壁体7の台
型形状部7Eと、昇降隔壁体15の凹型形状部15Eと
の当接面がシール部材SのチューブUを押し潰して気密
性を発揮させている。
【0035】上記閉塞状態にある固定カバー体13内
に、図2と図5に示すように、導入管25から中継管2
5Aを介して浄化した不活性ガス又は不燃性ガス等の窒
素N2が供給される。これで、固定カバー体13内にお
ける不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素N2のガス濃度
が所定値に維持された状態で、ワークW1のドライ加工
が行なわれる。この時、マグネシウムやチタン等のよう
に切屑が激しく燃焼する可燃性材の加工において、その
加工雰囲気が不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素N2に
より、酸素の無い状態にあるため、安全に加工できる。
更に、ワークW1は、高所で固定する桁台付治具10に
取り付けられているから、切屑C1が下方の旋回テーブ
ル5の表面全体に散乱することになる。そして、中継管
25Aから固定カバー体13内に噴き込まれた不活性ガ
ス又は不燃性ガス等の窒素N2は、破線矢のようにテー
ブルの表面全体を撫でるように排出管27側へ流動し、
この時旋回テーブル5上に散乱する切削屑C1が一緒に
回収される。上記窒素N2の流れは、中継管27Aを介
して排出管27に流れ込み、切削屑回収器29に至る。
この切削屑回収器29は、切削屑C1を回収して下方の
切屑圧縮機30へ落下させ燃焼しない塊Mとする。ま
た、浄化された不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素N2
が吸引吐出ブロワB1へ供給される。上記吸引吐出ブロ
ワB1は、浄化した不活性ガス又は不燃性ガス等の窒素
N2を、上記導入管25に送り込んで再利用される。
【0036】今、ワークW1の加工が終了して、未加工
ワークW2との交換作用に先立ち、上記昇降隔壁体15
を上昇動作させる。この上昇は図6に示すように、昇降
駆動部材20,22の駆動により、左右側面縁15A,
15Bと窪んだ高所15Cの下面縁15Dとが、上記旋
回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7B,7Cとに、
僅かな隙間Gを作って旋回可能となる。この時、図6と
図8に示すように、上記旋回隔壁体7の台型形状部7E
と、昇降隔壁体15の凹型形状部15Eとの当接面に隙
間が生じてシール部材SEのチューブUが膨らんでも隙
間Gが維持される。しかして、昇降隔壁体15の左右側
面縁15A,15Bと窪んだ高所15Cの下面縁15D
とが、上記旋回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7
B,7Cとに僅かな隙間Gを作って旋回可能になってい
るから、旋回テーブル5を反転させて加工領域K1側で
の加工済みワークW1と、段取領域K2側の未加工ワー
クW2とが交換される。
【0037】ワーク交換後は、図3や図5と図9に示す
ように、昇降隔壁体15が下降動されて、この左右側面
縁15A,15Bと窪んだ高所15Cの下面縁15Dと
が、上記旋回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7B,
7Cとに密着して固定カバー体13内を気密状態とす
る。また、上記旋回隔壁体7の台型形状部7Eと、昇降
隔壁体15の凹型形状部15Eとの当接面がシール部材
SEのチューブUを押し潰して気密性が発揮される。
【0038】以下、次ワークW2の加工は、閉塞された
固定カバー体13内における不活性ガス又は不燃性ガス
等の窒素N2のガス濃度を所定値に維持された状態にお
いて、ワークW2のドライ加工が行なわれる。
【0039】上記作用により、以下の効果を発揮する。
まず、作業台4上の加工領域K1側のワークW1と段取
領域K2側の未加工ワークW2とが簡潔に交換される。
また、上記旋回隔壁体7の上面縁及び左右面縁と、昇降
隔壁体15の左右側面縁と窪んだ高所の下面縁との当接
合により、加工領域K1側を気密性良く閉塞させること
ができる。更に、固定カバー体13内は、テーブル上の
ワーク及び主軸先端の工具部を含む狭い空間Sであるか
ら、ワーク交換時に一時的に外気に開放されてガス濃度
が低下するも、閉塞後の所定ガス濃度への回復時間が短
くできる。これにより、段取時間・待機時間が短くなっ
て、生産性の向上とガスの消費量が低減されてランニン
グコストの低減化が図れる。
【0040】更に、本発明は、図10と図11に示す第
2実施形態としても良い。この第2実施形態の工作機械
の密閉装置200は、可燃性でない一般金属材料を加工
対象とし、ドライ加工されたワークの切屑回収とワーク
の自動交換とを可能とするものである。従って、固定カ
バー体13内に供給する流体は、不活性ガス又は不燃性
ガスに替えて大気中の空気が採用される。
【0041】その具体的な構成は、固定カバー体13の
左側壁13Aの適所に、圧縮空気E2を導入する導入管
25を備え、右側壁13Bの適所に、圧縮空気E2を吸
引して排出する排出管27が接続されている。上記導入
管25と左側壁13Aとの接続は、横長の中継管25A
によって行なわれている。これで、中継管25Aから固
定カバー体13内に噴き出す圧縮空気は、旋回テーブル
5の表面全体を撫でるように排出管27側へ流動し、旋
回テーブル5上に散乱する切削屑C1も一緒に回収でき
るようになっている。上記排出管27と右側壁13Bと
の接続は、横長で漏斗状の中継管27Aによって行なわ
れている。これで、中継管27Aは、旋回テーブル5の
表面全体を撫でるように排出管27側へ流動した切削屑
Cと空気流E2とを幅広く回収できるようになってい
る。上記中継管27Aに接続された排出管27は、切削
屑回収器29に接続されている。この切削屑回収器29
は、切削屑を回収して下方の切屑圧縮機30へ落下さ
せ、浄化された空気流E2を吐出ブロワB1から大気中
に放出される。一方、吸気ブロワB2は、上記導入管2
5の供給側に接続されており、大気を圧縮した空気E2
が中継管25Aから固定カバー体13内に噴き出される
開回路を形成している。その他の構成は、上記第1実施
形態の密閉装置100と同一構成に付き、同一符号を付
して説明を省略する。
【0042】本発明の第2実施形態となる工作機械の密
閉装置200は、上記のように構成されており、以下の
ように作用する。まず、作業台4上には加工領域K1側
の空間Sを閉塞する固定カバー体13が設置されてお
り、この固定カバー体13の開口前部には門型の昇降隔
壁体15が昇降駆動部材20,22により昇降自在に配
置されている。そして、ワークW1の加工時は、ワーク
W1が固定カバー体13と、この開口前部に配置する昇
降隔壁体15とによって気密状態に閉塞されている。こ
の閉塞とは、図7に示すように、上記旋回隔壁体7の台
型形状部7Eと、昇降隔壁体15の凹型形状部15Eと
の当接面がシール部材SEのチューブUを押し潰して気
密性を発揮させている。
【0043】この閉塞状態にある固定カバー体13内
に、導入管25から中継管25Aを介して圧縮空気E2
が供給される。この状態にて、ワークW1のドライ加工
が行なわれる。この時に、ワークW1は、高所で固定す
る桁台付治具10に取り付けられているから、切屑Cが
下方の旋回テーブル5の表面全体に散乱することにな
る。そして、中継管25Aから固定カバー体13内に噴
き込まれた空気流は、破線矢のようにシール部材SEの
チューブ表面全体を撫でるように排出管27側へ流動
し、旋回テーブル5上に散乱する切削屑C1が一緒に回
収される。上記空気流E2は、中継管27Aを介して排
出管27に流れ込み、切削屑回収器29に至る。この切
削屑回収器29は、切削屑C1を回収して下方の切屑圧
縮機30へ落下させて塊Mとする。また、浄化された空
気E2は吸引ブロワB1から大気中に放出される。
【0044】今、ワークW1の加工が終了して、未加工
ワークW2との交換作用に先立ち、図8に示すように、
上記昇降隔壁体15を上昇動作させる。この上昇は昇降
駆動部材20,22の駆動により、左右側面縁15A,
15Bと窪んだ高所15Cの下面縁15Dとが、上記旋
回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7B,7Cとに、
僅かな隙間Gを作って旋回可能となる。ここで、加工領
域K1の加工済みワークW1と段取領域K2の未加工ワ
ークW2とが交換される。
【0045】ワーク交換後は、図7に示すように、昇降
隔壁体15が下降動されて、この左右側面縁15A,1
5Bと窪んだ高所15Cの下面縁15Dとが、上記旋回
隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7B,7Cとに密着
して固定カバー体13内を気密状態とする。また、上記
旋回隔壁体7の台型形状部7Eと、昇降隔壁体15の凹
型形状部15Eとの当接面がシール部材SEのチューブ
を押し潰して気密性が発揮される。以下、次ワークW2
の加工は、上記と同様に閉塞された固定カバー体13内
において実行される。
【0046】上記作用により、以下の効果を発揮する。
まず、作業台4上の加工領域側ワークと段取領域側の未
加工ワークとが簡潔に交換される。また、上記旋回隔壁
体7の上面縁及び左右面縁と、昇降隔壁体15の左右側
面縁と窪んだ高所の下面縁との接合・離反により、加工
領域K1側を気密性良く閉塞させることができる。更
に、固定カバー体13内は、テーブル上のワーク及び主
軸先端の工具部を含む狭い空間であるから、圧縮空気E
2の流動が切屑搬送に効率良く利用でき、生産性の向上
と空気流の消費量が低減されてランニングコストの低減
化が図れる。
【0047】本発明は、上記第1実施形態及び第2実施
形態に限定されない。図12〜図16に示す変形実施形
態のように、旋回隔壁体7の上面縁7A及び左右面縁7
B,7Cと、昇降隔壁体15の左右側面縁15A,15
Bと窪んだ高所15Cの下面縁15Dとの密着形状やシ
ール部材SEのチューブUに対して、圧縮空気E2の抜
き・入れを積極的に行なう機構を組み込んだものとして
も良い。
【0048】まず、図12と図13に示す変形実施形態
は、上記実施形態の密閉装置100,200において、
シール部材SEのチューブUに対して、圧縮空気E3の
抜き・入れを積極的に行なう加圧機構60を組み込んだ
ものである。その加圧機構60の構成は、エアーシリン
ダECと、これを駆動するアクチュエータ(双方向駆動
型の電磁ソレノイド)AEとを連結し、エアーシリンダ
EC内の圧縮空気を上記シール部材SEのチューブUに
供給する配管Pが接続されている。
【0049】尚、上記アクチュエータAEは、双方向駆
動型の電磁ソレノイドに限定されず、その他の適宜付勢
部材と変更できる。例えば、加圧機構60において、シ
ール部材SEのチューブUに対する圧縮空気E3の抜き
・入れは、図16に示すコンプレッサ70と切換バルブ
75との構成によっても良い。この構成により、切換バ
ルブ75は、コンプレッサ70からの圧縮空気E3をチ
ューブUに圧送させたり、チューブU内に圧送された圧
縮空気E3を外気へ排気させるように機能されている。
勿論、上記コンプレッサ70は、工場内に配管された圧
縮空気E3のエアー源に求めても良い。これによれば、
特別にコンプレッサ70を装備させなくても良いから、
低コストで省スペース化が図れる。
【0050】この加圧機構60によると、昇降隔壁体1
5が上昇時にアクチュエータ(双方向駆動型の電磁ソレ
ノイド)AEが実線矢印方向に付勢されてエアーシリン
ダEC内の圧縮空気E3を負圧とする。これで、シール
部材SEのチューブU内も負圧なり、図13(b)に示す
ように、シール部材Sのチューブが窪んでその隙間Gを
より大きくし、旋回テーブル5の旋回動作をより一層的
確なものとする。そして、昇降隔壁体15が下降時に、
アクチュエータ(双方向駆動型の電磁ソレノイド)AEが
破線矢印方向に付勢されてエアーシリンダEC内の圧縮
空気を正圧とする。これで、シール部材SEのチューブ
内も正圧となり、図13(a)に示すように、シール部材
SEのチューブが上方へ突出してその押圧をより強く
し、旋回テーブル5の閉塞性能をより一層的確なものと
する。
【0051】更に、図14と図15に示す変形実施形態
としても良い。この変形実施形態は、昇降隔壁体15を
昇降動作させることなく、旋回隔壁体7及びこの旋回テ
ーブル5の180°旋回動作を可能としたものである。
その構成は、上記加圧機構60をシール部材SEに取り
付けたものである。これにより、旋回テーブル5の旋回
時にシール部材SE内を負圧化することで、旋回隔壁体
7と昇降隔壁体15との当接面に僅かながら隙間Gがで
きるから、旋回テーブル5の旋回動作ができる。図14
は、旋回隔壁体7の左右面縁7B,7Cと昇降隔壁体1
5の左右側面縁15A,15Bとの当接面を台型の傾斜
姿勢としたものである。また、図15は、旋回隔壁体7
の左右面縁7B,7Cと昇降隔壁体15の左右側面縁1
5A,15Bとの当接面を矩型の直立姿勢としたもので
ある。
【0052】上記図14と図15に示す変形実施形態に
よると、昇降隔壁体15から昇降駆動部材20,22が
省略できるから、機構の簡素化にるコストダウンやメン
テナンスフリーが図れるほか、ワーク交換時間の短縮化
も可能である。
【0053】本発明は、上記第1実施形態や第2実施形
態において、矩型形状部7Eに形成れた旋回隔壁体7
と、凹型形状部15Eに形成された昇降隔壁体15との
形状と、この当接面の形状に限定されない。例えば、旋
回隔壁体7の高さ寸法を、固定カバー体13の高さの略
半分とし、また、昇降隔壁体15の高さ寸法も、固定カ
バー体13の高さの略半分とする。そして、旋回隔壁体
7の上当接面と、昇降隔壁体15の下当接面とを全長に
わたり平坦面とし、この両方の平坦面で密閉状態を形成
しても良い。この実施形態においては、昇降隔壁体15
の下当接面を、ワークW1,W2の高さよりも高く上昇
停止させた干渉しない状態にて、旋回テーブル5を旋回
反転させることになる。
【0054】この実施形態による旋回テーブル5の旋回
反転においては、旋回隔壁体7の高さが低い分だけ、固
定カバー体13内に存在するガス成分を外部へ掻き出す
損失流量が減少するから、がス消費量の一層の低減化と
ランニングコストの低減化とが図れる。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1によると、旋回テーブ
ルにおける旋回隔壁体の当接面と、固定カバー体におけ
る昇降隔壁体の当接面との接合・離反により、加工領域
側を気密性良く閉塞させることができる。更に、固定カ
バー体内は、テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部
を含む狭い空間であるから、ワーク交換時に一時的に外
気に開放されてガス濃度が低下するが、閉塞後の所定ガ
ス濃度への回復時間が短くできる。これにより、マグネ
シウムやチタン等の可燃性金属材料の加工を実行する加
工領域の気密性と安全性を高めることができる。更に、
段取時間・待機時間が短くなって、生産性の向上とガス
の消費量が低減されてランニングコストの低減化ができ
る。
【0056】請求項2によると、旋回テーブルにおける
旋回隔壁体の当接面と、固定カバー体における昇降隔壁
体の当接面との接合・離反により、加工領域側を気密性
良く閉塞させることができる。更に、固定カバー体内
は、テーブル上のワーク及び主軸先端の工具部を含む狭
い空間であるから、空気流量が少なくて済み、生産性の
向上と空気消費量が低減されてランニングコストの低減
化ができる。
【0057】請求項3によると、昇降隔壁体の僅かな昇
降動作にて閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれ
るから、請求項1においては、ワーク交換時に一時的に
外気に開放されてガス濃度が低下するも、閉塞動作が確
実であり、ガス漏れが最少限に低減されて所定ガス濃度
への回復時間が短くできる。これにより、より一層、段
取時間・待機時間が短く、生産性の向上とガスの消費量
が低減されてランニングコストの低廉化が更にできる。
また、請求項2においては、固定カバー体内からの空気
流の漏れが無く、生産性の向上と空気消費量が低減され
てランニングコストの低減化ができる。
【0058】請求項4によると、昇降隔壁体の僅かな昇
降動作にて閉塞作用と隙間生成作用とが確実に行なわれ
るから、請求項1においては、ワーク交換時に一時的に
外気に開放されてガス濃度が低下するも、閉塞動作が確
実であり、ガス漏れが最少限に低減されて所定ガス濃度
への回復時間が短くできる。これにより、より一層、段
取時間・待機時間が短く、生産性の向上とガスの消費量
が低減されてランニングコストの低廉化が更にできる。
また、請求項2においては、固定カバー体内からの空気
流の漏れが無く、生産性の向上と空気消費量が低減され
てランニングコストの低減化ができる。
【0059】請求項5によると、シール部材をチューブ
体とし、このシール部材に圧縮空気を出入させる加圧機
構を接続しているから、上記矩型形状部と凹型形状部と
の当接面にシール部材を付設したものに対して、シール
部材の伸縮により昇降隔壁体の僅かな昇降動作でも、閉
塞作用と隙間生成作用とが確実にできる。
【0060】請求項6によると、チューブ体のシール部
材に圧縮空気を出入させる加圧機構を接続し、シール部
材内の負圧時に旋回隔壁体と昇降隔壁体との当接面に隙
間を形成させ、昇降隔壁体を上昇させることなく旋回テ
ーブルを旋回可能としたから、昇降隔壁体から昇降駆動
部材が省略でき、機構の簡素化にるコストダウンやメン
テナンスフリーができるほか、ワーク交換時間の短縮化
もできる。
【0061】請求項7によると、旋回テーブルの両側に
はワークを高所で固定する桁台付治具を配置しているか
ら、切屑が下方の旋回テーブルの表面全体に散乱でき、
固定カバー体内に噴き込まれた不活性ガス又は不燃性ガ
ス又は圧縮空気は、テーブル表面全体を撫でるように排
出管側へ流動し、旋回テーブル上に散乱する切削屑が一
緒に効率良く回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態となる工作機械の密閉装
置の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態となる密閉装置の平面図
である。
【図3】本発明の密閉装置の正面図である。
【図4】本発明の密閉装置の右断面図である。
【図5】密閉装置の閉口状態を示す正面図である。
【図6】密閉装置の開口状態を示す正面図である。
【図7】密閉装置の閉口状態を示す断面図である。
【図8】密閉装置の開口状態を示す断面図である。
【図9】密閉装置の開閉作用とテーブル旋回作用の正面
図である。
【図10】密閉装置の第2実施形態となる密閉装置の正
面図である。
【図11】密閉装置の第2実施形態となる密閉装置の平
面図である。
【図12】本発明の変形実施形態となる密閉装置の正面
図である。
【図13】密閉装置の要部の断面図である。
【図14】本発明の変形実施形態となる密閉装置の正面
図である。
【図15】本発明の変形実施形態となる密閉装置の正面
図である。
【図16】加圧機構の変形実施形態となるブロック線図
である。
【符号の説明】 1 工作機械 1A 機台 3 主軸頭 4 作業台 5 旋回テーブル 5A テーブル部 5B 軸部 5C 軸受 7 旋回隔壁体 7A 上面縁 7B,7C 左右面縁 7E 台型形状部 10 桁台付治具 13 固定カバー体 13A,13B 側壁 13C 背面壁 13D 伸縮体 13E 伸縮体 15 昇降隔壁体 15A,15B 左右側面縁 15C 窪んだ高所 15D 下面縁 15E 凹型形状部 20,22 昇降駆動部材 25 導入管 25A 中継管 27 排出管 27A 中継管 29 切削屑回収器 30 切屑圧縮機 50 流体送入手段 60 加圧機構 70 コンプレッサ 75 切換バルブ 80 窒素発生装置 AE アクチュエータ B1 吸引吐出ブロワ C シリンダ C1 切削屑 E1 圧縮空気 E2 圧縮空気 E3 圧縮空気 G 隙間 N2 窒素 H 主軸移動保持部材 EC エアーシリンダ H1 把持器 T 工具 K1 加工領域 K2 段取領域 S 空間 SE シール部材 P 配管 U チューブ W1、W2 ワーク 100,200 密閉装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木重啓 静岡県浜松市高塚町4888番地 エンシュウ 株式会社内 Fターム(参考) 3C011 DD01 3C033 FF02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回隔壁体を中央位置に直立した旋回テ
    ーブルを工作機械の加工領域と段取領域との間に設置
    し、上記加工領域側の空間を閉塞する固定カバー体を作
    業台上に設置するとともに、この固定カバー体の開口前
    部に昇降駆動部材付きの昇降隔壁体を配置し、上記昇降
    隔壁体の上昇時は、この当接面と上記旋回隔壁体の当接
    面とに僅かな隙間を作って旋回可能となし、上記昇降隔
    壁体の下降時は、昇降隔壁体の当接面を上記旋回隔壁体
    の当接面に密着して固定カバー体内を気密状態となし、
    上記固定カバー体の上面には、主軸頭の主軸部及び工具
    を固定カバー体内に気密状態に装入して移動可能とした
    主軸移動保持部材を装備し、更に、上記固定カバー体の
    左右等の適所に、不活性ガス又は不燃性ガス等の流体を
    巡回導入する導入管と、この流体と切削屑とを排出する
    排出管とを接続させた流体送入手段を設置したことを特
    徴とする工作機械の密閉装置。
  2. 【請求項2】 旋回隔壁体を中央位置に直立した旋回テ
    ーブルを工作機械の加工領域と段取領域との間に設置
    し、上記加工領域側の空間を閉塞する固定カバー体を作
    業台上に設置するとともに、この固定カバー体の開口前
    部に昇降駆動部材付きの昇降隔壁体を配置し、上記昇降
    隔壁体の上昇時は、この当接面と上記旋回隔壁体の当接
    面とに僅かな隙間を作って旋回可能となし、上記昇降隔
    壁体の下降時は、昇降隔壁体の当接面を上記旋回隔壁体
    の当接面に密着して固定カバー体内を気密状態となし、
    上記固定カバー体の上面には、主軸頭の主軸部及び工具
    を固定カバー体内に気密状態に装入して移動可能とした
    主軸移動保持部材を装備し、更に、上記固定カバー体の
    左右等の適所に、圧縮空気等の流体を導入する導入管
    と、上記流体と切削屑とを排出する排出管とを接続させ
    た流体送入手段を設置したことを特徴とする工作機械の
    密閉装置。
  3. 【請求項3】 旋回隔壁体の当接面は、上面縁と傾斜姿
    勢の左右面縁と円弧状の曲面部とで台型形状部を形成
    し、昇降隔壁体の当接面は、左右面縁と下面縁と円弧状
    の曲面部とで凹型形状部を形成し、上記台型形状部と凹
    型形状部との当接面にシール部材を付設したことを特徴
    とする請求項1または2記載の工作機械の密閉装置。
  4. 【請求項4】 旋回隔壁体の当接面は、上面縁と直立姿
    勢の左右面縁と円弧状の曲面部とで矩型形状部を形成
    し、昇降隔壁体の当接面は、左右面縁と下面縁と円弧状
    の曲面部とで凹型形状部を形成し、上記矩型形状部と凹
    型形状部との当接面にシール部材を付設したことを特徴
    とする請求項1または2記載の工作機械の密閉装置。
  5. 【請求項5】 シール部材をチューブ体とし、このチュ
    ーブ体に圧縮空気を出入させる加圧機構を接続したこと
    を特徴とする請求項3または4記載の工作機械の密閉装
    置。
  6. 【請求項6】 チューブ体のシール部材に圧縮空気を出
    入させる加圧機構を接続し、上記シール部材内の負圧時
    に旋回隔壁体と昇降隔壁体との当接面に隙間を形成さ
    せ、昇降隔壁体を上昇させることなく旋回テーブルを旋
    回可能としたことを特徴とする請求項3または4または
    5記載のいずれか1項の工作機械の密閉装置。
  7. 【請求項7】 上記旋回テーブルの両側にはワークを高
    所で固定する桁台付治具を設置したことを特徴とする請
    求項1〜6記載のいずれか1項の工作機械の密閉装置。
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