JP2003133878A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法

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JP2003133878A
JP2003133878A JP2001330638A JP2001330638A JP2003133878A JP 2003133878 A JP2003133878 A JP 2003133878A JP 2001330638 A JP2001330638 A JP 2001330638A JP 2001330638 A JP2001330638 A JP 2001330638A JP 2003133878 A JP2003133878 A JP 2003133878A
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JP
Japan
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substrate
piezoelectric element
manufacturing
pores
adhesive
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Application number
JP2001330638A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sugisono
敦之 杉園
Hisahiro Yoshida
尚弘 吉田
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平坦な表面と凸状の裏面とを有する圧電素子を
簡単なプロセスで高精度に形成することが可能な圧電素
子の製造方法を提供する。 【解決手段】多孔質フェライトからなる基板1を準備す
る工程と、基板1に凹部1cを形成する工程と、基板1
の気孔1cに接着剤3を導入する工程と、その後、接着
剤3により基板1に水晶板2の表面2aを貼り付ける工
程と、基板1に水晶板2が貼り付けられた状態で、水晶
板2の裏面2bを研磨する工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電素子の製造
方法に関し、より特定的には、基板に圧電材料からなる
圧電素子板を貼り付けた状態で圧電素子板を加工する圧
電素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器における情報量の増大と
高速化に伴って、電子機器の発振周波数とクロック周波
数の高周波化が求められている。そのため、たとえば、
圧電材料からなる圧電素子の一例である水晶振動子は、
100MHz以上の基本波共振周波数を持つことが要求
されている。
【0003】ここで、振動方向が厚み方向に対して垂直
な方向である厚み滑り水晶振動子の場合は、厚みによっ
て共振周波数が決定される。このため、水晶板に100
MHz以上の基本波共振周波数を持たせるためには、水
晶板を20μm以下に薄くする必要がある。
【0004】また、水晶振動子においては、共振特性な
どの電気的特性を向上させる必要がある。水晶の共振特
性を向上させる方法として、従来、水晶振動子の中央部
の厚さを端部の厚さに比べて厚くすることによって、水
晶振動子の中央部における副振動を十分に低減するよう
にした技術が知られている。この場合、水晶振動子の中
央部を厚くして凸状にするとともに周辺部を薄くする加
工が必要である。従来では、水晶振動子に対してそのよ
うな加工を行う場合、水晶振動子を切り出した後、個別
に水晶振動子を研磨する方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の水晶振動子の中央部を厚くするための加工方法
では、水晶振動子を切り出した後、個別に水晶振動子を
研磨するため、製造プロセスが複雑化するという問題点
があった。このため、副振動が低減された良好な共振特
性を有する圧電素子を簡単なプロセスで形成するのは困
難であった。
【0006】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の1つの目的は、
簡単なプロセスで、副振動が低減された良好な共振特性
を有する圧電素子を形成することが可能な圧電素子の製
造方法を提供することである。
【0007】この発明のもう1つの目的は、上記の圧電
素子の製造方法において、圧電素子の凸状部の突出高さ
を正確に制御することである。
【0008】また、この発明のさらにもう1つの目的
は、上記の圧電素子の製造方法において、平坦な表面と
凸状の裏面とを有する複数の圧電素子を同時に製造する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1における圧電素子の製造方法は、気孔を有
する基板を準備する工程と、基板に凹部を形成する工程
と、基板の気孔に、接着剤を導入する工程と、その後、
上記接着剤により、基板に、圧電材料からなる圧電素子
板の表面を貼り付ける工程と、基板に圧電素子板が貼り
付けられた状態で、圧電素子板の裏面を研磨する工程と
を備えている。
【0010】請求項1では、上記のように、気孔を有す
る基板を用いることによって、その気孔に導入された接
着剤により、基板の凹部に圧電素子板の表面を容易に接
合することができる。この場合、接着剤は、気孔内に位
置するので、基板の凹部の底面と圧電素子板の表面との
接合面に接着剤層が実質的に存在しない状態で基板と圧
電素子板とを接合することができる。このため、基板の
凹部の深さに正確に対応した突出高さを有する凸状の圧
電素子を形成することができる。これにより、平坦な表
面と凸状の裏面とを有する圧電素子を簡単なプロセスで
高精度に形成することができる。その結果、副振動が低
減された良好な共振特性を有する圧電素子を簡単なプロ
セスで形成することができる。
【0011】請求項2における圧電素子の製造方法は、
請求項1の構成において、基板に凹部を形成する工程
は、基板をエッチングすることによって、基板に凹部を
形成する工程を含む。このように構成すれば、従来から
知られたエッチング技術を用いて、容易に、基板に凹部
を形成することができる。
【0012】請求項3における圧電素子の製造方法は、
請求項1または2の構成において、凹部は、実質的に円
形状を有する。このように構成すれば、その凹部の円形
状に対応する凸レンズ形状の裏面を有する圧電素子板を
形成することができる。
【0013】請求項4における圧電素子の製造方法は、
請求項1〜3のいずれかの構成において、基板の気孔に
接着剤を導入する工程は、基板の表面の全面に接着剤を
塗布した後、基板の気孔以外の表面上に位置する接着剤
を除去する工程を含む。このように構成すれば、容易
に、基板の気孔内にのみ接着剤を導入することができ
る。
【0014】請求項5における圧電素子の製造方法は、
請求項1〜4の構成において、基板に圧電素子板を貼り
付ける工程は、基板の凹部に圧電素子板の表面を押圧す
ることによって、圧電素子板の表面を基板の凹部の底面
に接触するように弾性変形させる工程と、基板の凹部の
底面と圧電素子板の表面とが接触した状態で、基板の凹
部の底面と圧電素子板の表面とを、気孔内に導入された
接着剤により接着する工程とを含む。このように構成す
れば、基板の凹部の形状に正確に対応するように、圧電
素子板の表面を凸状に弾性変形させた状態で接着するこ
とができる。
【0015】請求項6における圧電素子の製造方法は、
請求項1〜5のいずれかの構成において、圧電素子板の
裏面を研磨する工程の後、圧電素子板を基板から剥離す
る工程をさらに備え、剥離された圧電素子板の表面は、
弾性変形から復帰して平坦になるとともに、研磨された
圧電素子の裏面は、凸状になる。このように構成すれ
ば、簡単なプロセスで、平坦な表面と凸状の裏面とを有
する圧電素子板を形成することができる。これにより、
副振動が低減された良好な共振特性を有する圧電素子を
簡単なプロセスで形成することができる。
【0016】請求項7における圧電素子の製造方法は、
請求項6の構成において、圧電素子板の凸状の裏面は、
凸レンズ状の裏面を含む。このように構成すれば、より
良好な共振特性を有する圧電素子を形成することができ
る。
【0017】請求項8における圧電素子の製造方法は、
請求項1〜7のいずれかの構成において、圧電素子板の
凸状部の突出高さは、基板の凹部の深さと実質的に同じ
である。このように構成すれば、基板の凹部の深さを制
御することによって、圧電素子板の凸状部の突出高さを
正確に制御することができる。
【0018】請求項9における圧電素子の製造方法は、
請求項1〜8のいずれかの構成において、圧電素子板
は、水晶、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、LT
(LiTaO3)およびLN(LiNbO3)のいずれか
を含む。このような材料からなる圧電素子板を用いるこ
とによって、容易に、平坦な表面と凸状の裏面とを有す
る圧電素子を形成することができる。
【0019】請求項10における圧電素子の製造方法
は、請求項1〜9のいずれかの構成において、気孔を有
する基板は、多孔質セラミックスからなる基板を含む。
このように多孔質セラミックスからなる基板を用いれ
ば、その多くの気孔に接着剤を導入することができるの
で、基板の凹部と圧電素子板の表面との接合面に実質的
に接着剤層がない状態で、基板の凹部と圧電素子板の表
面とを確実に接合することができる。
【0020】請求項11における圧電素子の製造方法
は、請求項1〜10のいずれかの構成において、気孔を
有する基板は、その上に複数の圧電素子板を配置可能な
大きさを有する。このように構成すれば、気孔を有する
基板上に、複数の圧電素子板を配置することができるの
で、平坦な表面と凸状の裏面とを有する複数の圧電素子
板を同時に形成することができる。そして、その複数の
圧電素子をさらに切断することによって、平坦な表面と
凸状の裏面とを有する多数の圧電素子を同時に製造する
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に基づいて説明する。
【0022】図1〜図14は、本発明の一実施形態によ
る水晶振動子の製造プロセスを説明するための斜視図、
断面図および平面図である。図1〜図14を参照して、
以下に本実施形態による水晶振動子の製造方法について
説明する。なお、水晶振動子は、本発明の「圧電素子」
の一例である。
【0023】まず、図1に示すように、62mm×62
mm×7mm(厚み)の大きさを有する表面に気孔が多
く形成されたMn−Zn系多孔質フェライトからなる大
型の基板1を準備する。このMn−Zn系多孔質フェラ
イトからなる基板1の形成方法としては、まず、65〜
75質量%のFe23と、15〜20質量%のMnO
と、10〜15質量%のZnOとに、純水とアロンとを
加えて混合する。そして、その混合物を仮焼する。この
仮焼は、約850℃〜約900℃で約4時間〜約6時間
行う。その後、ボールミルを用いて、仮焼した混合物を
約1μm〜約3μmの微粒子に粉砕する。そして、結合
剤を加えて乾燥させることによって、流動性のよい粉末
にする(造粒)。さらに、プレスで押し固めることによ
って、所定の形状の圧縮体を形成する。そして、約12
00℃〜約1300℃の高温で焼結する。最後に、研磨
による仕上げ加工を行うことによって、Mn−Zn系多
孔質フェライトの寸法と形状を整える。
【0024】なお、高密度で気孔の少ないフェライトを
形成する際には、通常、焼結後にHIP(熱間静水圧プ
レス)で高密度化させることが行われている。しかし、
本実施形態では、気孔の多い多孔質フェライトを形成す
ることを目的としているため、HIPによる高密度化処
理は行わない。
【0025】上記のように、Mn−Zn系多孔質フェラ
イトからなる基板1を形成した後、基板1の表面を鏡面
加工する。この基板1の鏡面加工は、基板1の表面粗さ
がRa値で0.01μm以下になるように加工するのが
好ましい。このように鏡面加工されたMn−Zn系多孔
質フェライトからなる基板1の断面を拡大して観察する
と、図2に示されるような形状になる。図2を参照し
て、基板1の表面には、複数の結晶粒1aが配置されて
いる。そして、その結晶粒1a間には、気孔1bが形成
されている。
【0026】なお、多孔質フェライトからなる基板1の
気孔1bの密度は、4000個/mm2以上10000
個/mm2以下であるのが好ましい。これは、以下の理
由による。すなわち、基板1の気孔1bの密度が400
0個/mm2よりも小さいと、気孔1bの数が少なくな
ることに起因して気孔1bに埋め込まれる接着剤の量も
減少する。その結果、接着強度が低下するという不都合
が生じる。また、基板1の気孔1bの密度が10000
個/mm2を越えると、気孔1bの数が多くなって密集
することに起因して、基板1の表面の平坦性が低下す
る。このため、後述するプロセスにおいて、基板1上に
接着された水晶板2を研磨した場合に、水晶板2の平行
度および平面度が低下するという不都合が生じる。本実
施形態では、これらの不都合を防止するため、基板1の
気孔1bの密度を4000個/mm2以上10000個
/mm2以下にするのが好ましい。
【0027】また、基板1の気孔1bの表面平均孔径
は、5μm以下であるのが好ましい。これは、以下の理
由による。すなわち、気孔1bの平均孔径が、5μmよ
りも大きくなると、後述するプロセスにおいて、水晶板
2を研磨したときに、砥石の押圧力によって基板1の気
孔1b上に位置する水晶板2の部分が気孔1bに落ち込
み変形する場合がある。この場合、水晶板2の平行度が
低下するという不都合が生じる。このような不都合を防
止するため、本実施形態では、基板1の気孔1bの表面
平均口径を、5μm以下にするのが好ましい。
【0028】図2に示した基板1の鏡面加工の後、図3
〜図5に示すように、IBE(イオンビームエッチン
グ)法を用いて、約1.5mmの直径と約40nm〜約
50nmの深さとを有する実質的に円形状の凹部1cを
複数形成する。すなわち、基板1上に、約1.5mmの
直径を有する開口部を含むレジスト膜(図示せず)を形
成した後、そのレジスト膜をマスクとして、イオンビー
ムにより基板1をエッチングすることによって、約1.
5mmの直径と約40nm〜約50nmの深さとを有す
る実質的に円形状の凹部1cを複数形成する。この円形
状の凹部1cは、たとえば、各水晶板貼り付け領域20
毎に8個ずつ形成する。なお、凹部1cの形成時のイオ
ンビームエッチング条件としては、使用ガス:Ar、A
rガス圧:0.01Pa、印加電圧:500V、温度:
45℃である。
【0029】図5に示したように円形状の凹部1cを形
成した後、図6に示すように、基板1の表面上の全面に
ワックス系の接着剤3を刷毛などを用いて塗布する。こ
のワックス系の接着剤3としては、粘度の低い流動性を
有する接着剤3を用いる。たとえば、フタリックグルー
(日化精工社製)とアセトンとを1:5の混合比で混合
した17質量%の濃度を有するフタリックグルーを用い
る。このような17質量%の濃度を有する流動性の高い
フタリックグルー(接着剤3)を基板1上に塗布する。
この場合、アセトンによって薄められたフタリックグル
ーからなる流動性を有する接着剤3は、塗布された後、
アセトン成分が蒸発する。このため、フタリックグルー
からなる接着剤3は固化した状態となる。
【0030】このように接着剤3が固化した後、たとえ
ば、接着剤3をウレタンゴムなどを用いて研磨(ラッピ
ング)することによって、図7に示すように、基板1の
表面上および凹部1c内に位置する接着剤3を除去す
る。これにより、基板1の凹部1cの気孔1b内と、基
板1の凹部1c以外の表面の気孔1b内とにのみ接着剤
3が埋め込まれるとともに、凹部1cの気孔1b以外の
部分と、基板1の表面の気孔1b以外の部分とには、接
着剤3が残存しない状態になる。この状態が図8に示さ
れている。
【0031】この後、図9および図10に示すように、
基板1の水晶板貼り付け領域20(図4参照)に、12
mm×12mm×0.16mm(厚み)の大きさを有す
る両面が鏡面加工された12枚の水晶板2を貼り付けて
加圧接着する。この加圧接着工程は、水晶板2の上部
を、約20×104Pa〜約30×104Paの加圧力で
押圧するとともに、約100℃で約3時間〜約12時間
加熱することによって行う。この場合、図10に示すよ
うに、水晶板2の表面2aは、基板1の凹部1cの底面
に接触するように弾性変形した状態で接着される。ま
た、上記加熱によって、基板1の凹部1cの気孔1b
と、凹部1c以外の表面の気孔1bとに埋め込まれた接
着剤3が再び溶融状態となり、その接着剤3によって基
板1と水晶板2との接合が行われる。ここで、加熱時間
を約10時間〜約12時間とするのが好ましい。これ
は、接着剤と水晶板との収縮率の差による水晶板2の歪
みを発生させずに接合できるためである。なお、水晶板
2は、本発明の「圧電材料からなる圧電素子板」の一例
である。
【0032】上記のように、基板1の凹部1cの底面お
よび基板1の凹部1c以外の表面に水晶板2の表面2a
を接合した後、図11に示すように、水晶板2の裏面2
bを研磨することによって、水晶板2の厚みを20μm
以下の厚みに加工する。この研磨工程では、まず、FO
#3000砥粒(粒径3μm〜6μm)により荒研磨を
行う。その後、酸化セリウム砥粒(平均一次粒径0.5
μm)により仕上げ研磨を行う。これにより、図11お
よび図12に示したような平坦な裏面2bを有する水晶
板2が得られる。
【0033】この後、図13の一点鎖線に示すように、
12枚の水晶板2を、たとえば、レジン系砥石を用いて
それぞれ8個に切断した後、基板1と水晶板2との間の
気孔1bに埋め込まれた接着剤(フタリックグルー)3
を有機溶剤(アセトン)によって溶解する。これによ
り、水晶板2を基板1から剥がす。その結果、図14に
示すような水晶片2cが得られる。この水晶片2cで
は、基板1の凹部1cの底面に弾性変形して接合された
水晶板2の表面2aは、剥離によって、弾性変形前の状
態に戻るので、平坦な表面2aになる。そして、裏面2
bは凸レンズ状の曲面を有する形状になる。この場合、
裏面2bの突出部分の高さは、基板1の凹部1cの深さ
(約40nm〜約50nm)と実質的に同じ高さにな
る。
【0034】本実施形態では、上記のように、多数の気
孔1bを有する多孔質セラミックスからなる基板1を用
いることによって、その気孔1bに導入された接着剤3
により、基板1の凹部1cに水晶板2の表面2aを容易
に接合することができる。この場合、接着剤3は、気孔
1b内にのみ位置するので、基板1の凹部1cの底面と
水晶板2の表面2aとの接合面に接着剤層が実質的に存
在しない状態で、基板1と水晶板2とを接合することが
できる。このため、基板1の凹部1cの深さ(約40n
m〜約50nm)に正確に対応した突出高さを有する凸
レンズ形状の水晶片2cを形成することができる。これ
により、平坦な表面2aと凸レンズ形状の裏面2bとを
有する水晶片2cを簡単なプロセスで高精度に形成する
ことができる。その結果、簡単なプロセスで副振動が低
減された良好な共振特性を有する水晶片2cを形成する
ことができる。
【0035】また、本実施形態では、基板1の凹部1c
を実質的に円形状に形成することによって、その凹部1
cの円形状に対応する凸レンズ形状の裏面2bを有する
水晶片2cを形成することができる。
【0036】また、本実施形態では、接着剤(フタリッ
クグルー)3は、有機溶剤(アセトン)などによって容
易に溶解することが可能であるので、水晶板2の加工後
に基板1を水晶板2から剥がす際にも、接着剤3を溶解
することによって、水晶板2に物理的な力が加わること
なく基板1を剥がすことができる。その結果、水晶板2
の共振特性が変化するのを有効に防止することができ
る。
【0037】また、本実施形態では、基板1の気孔1b
内および基板1の表面上に接着剤(フタリックグルー)
を導入した後、基板1の気孔1b以外部分の接着剤3を
研磨によって除去することにより、基板1の気孔1bに
のみ容易に接着剤3を埋め込むことができる。これによ
り、気孔1bに埋め込まれた接着剤3によって、基板1
と水晶板2との接合面に接着剤層が実質的に存在しない
状態で基板1と水晶板2とを接合することができる。
【0038】また、本実施形態では、大型の基板1上に
12枚の水晶板2を貼り付けるとともに、最終的に各水
晶板2を8分割することによって、96個の水晶片2c
を1つの基板1を用いて形成することができる。これに
より、簡単なプロセスで大量に高精度の水晶片2cを形
成することができる。
【0039】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0040】たとえば、上記実施形態では、基板1とし
て、Mn−Zn系多孔質フェライトを用いたが、本発明
はこれに限らず、Ni−Zn系多孔質フェライトを用い
てもよい。また、多孔質フェライト以外の多孔質セラミ
ックスを用いても同様の効果を得ることができる。たと
えば、多孔質アルミナや多孔質カーボンを用いてもよ
い。また、多孔質セラミックスに限らず、接合表面に気
孔を有する基板であれば、同様の効果を得ることができ
る。
【0041】また、上記実施形態では、基板1の凹部1
cをイオンビームエッチング(IBE)法により形成す
る例について説明したが、本発明はこれに限らず、たと
えば、RIE(リアクティブイオンエッチング)などの
他のエッチング方法を用いてもよい。また、エッチング
以外の方法で基板1の凹部1cを形成するようにしても
よい。
【0042】また、上記実施形態では、流動性を有する
接着剤として17質量%の濃度を有するフタリックグル
ーを用いたが、本発明はこれに限らず、流動性を有する
接着剤であれば、他の接着剤を用いても同様の効果を得
ることができる。
【0043】また、上記実施形態では、流動性を有する
接着剤(17質量%フタリックグルー)を基板1の表面
に塗布した後、気孔1b以外の部分の接着剤3を研磨に
より除去することによって、気孔1b内にのみ接着剤3
を残すようにしたが、本発明はこれに限らず、接着剤3
の塗布および研磨以外の方法により気孔1b内に接着剤
3を残すようにしてもよい。
【0044】また、上記実施形態では、圧電材料からな
る圧電素子板の一例として水晶板を用いる例を示した
が、本発明はこれに限らず、水晶以外のたとえば、ラン
ガサイト(La3Ga5SiO14)、LT(LiTa
3:タンタル酸リチウム)やLN(LiNbO3:ニオ
ブ酸リチウム)などの圧電材料からなる基板を用いても
同様の効果を得ることができる。
【0045】また、上記実施形態では、圧電素子の製造
方法として、振動子の製造方法に例をとって説明した
が、本発明はこれに限らず、フィルタなど他の圧電素子
の製造方法にも広く適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、平坦な
表面と凸状の裏面とを有する圧電素子を簡単なプロセス
で高精度に形成することができる。これにより、副振動
が低減された良好な共振特性を有する圧電素子を簡単な
プロセスで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。
【図7】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造プ
ロセスを説明するための斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造
プロセスを説明するための断面図である。
【図11】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造
プロセスを説明するための断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造
プロセスを説明するための平面図である。
【図13】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造
プロセスを説明するための平面図である。
【図14】本発明の一実施形態による水晶振動子の製造
プロセスを説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 基板 1b 気孔 1c 凹部 1a 結晶粒 2 水晶板(圧電素子板) 2a 表面 2b 裏面 2c 水晶片 3 接着剤 20 水晶板貼り付け領域

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔を有する基板を準備する工程と、 前記基板に凹部を形成する工程と、 前記基板の気孔に、接着剤を導入する工程と、 その後、前記接着剤により、前記基板に、圧電材料から
    なる圧電素子板の表面を貼り付ける工程と、 前記基板に前記圧電素子板が貼り付けられた状態で、前
    記圧電素子板の裏面を研磨する工程とを備えた、圧電素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板に凹部を形成する工程は、 前記基板をエッチングすることによって、前記基板に凹
    部を形成する工程を含む、請求項1に記載の圧電素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記凹部は、実質的に円形状を有する、
    請求項1または2に記載の圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板の気孔に接着剤を導入する工程
    は、 前記基板の表面の全面に接着剤を塗布した後、前記基板
    の気孔以外の表面上に位置する前記接着剤を除去する工
    程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板に圧電素子板を貼り付ける工程
    は、 前記基板の凹部に前記圧電素子板の表面を押圧すること
    によって、前記圧電素子板の表面を前記基板の凹部の底
    面に接触するように弾性変形させる工程と、 前記基板の凹部の底面と前記圧電素子板の表面とが接触
    した状態で、前記基板の凹部の底面と前記圧電素子板の
    表面とを、前記気孔内に導入された接着剤により接着す
    る工程とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    圧電素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記圧電素子板の裏面を研磨する工程の
    後、 前記圧電素子板を前記基板から剥離する工程をさらに備
    え、 前記剥離された圧電素子板の表面は、前記弾性変形から
    復帰して平坦になるとともに、前記研磨された圧電素子
    の裏面は、凸状になる、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の圧電素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電素子板の凸状の裏面は、凸レン
    ズ状の裏面を含む、請求項6に記載の圧電素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記圧電素子板の凸状部の突出高さは、
    前記基板の凹部の深さと実質的に同じである、請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の圧電素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記圧電素子板は、水晶、ランガサイト
    (La3Ga5SiO 14)、LT(LiTaO3)および
    LN(LiNbO3)のいずれかを含む、請求項1〜8
    のいずれか1項に記載の圧電素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記気孔を有する基板は、多孔質セラ
    ミックスからなる基板を含む、請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の圧電素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記気孔を有する基板は、その上に複
    数の前記圧電素子板を配置可能な大きさを有する、請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の圧電素子の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235251A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Samsung Sdi Co Ltd 電池用電極及び電池用電極の製造方法

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