JP2003126235A - 医療用貼付材 - Google Patents

医療用貼付材

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JP2003126235A
JP2003126235A JP2002236741A JP2002236741A JP2003126235A JP 2003126235 A JP2003126235 A JP 2003126235A JP 2002236741 A JP2002236741 A JP 2002236741A JP 2002236741 A JP2002236741 A JP 2002236741A JP 2003126235 A JP2003126235 A JP 2003126235A
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layer
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tissue adhesive
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JP2002236741A
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Takahiro Tanigawa
隆洋 谷川
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用後速やかに吸収され自己組織による治癒を
実現させ、使用時から接着層と生体組織との密着性及び
接着性を持った医療用貼付材を提供すること。 【解決手段】乾燥状態の多糖類からなり湿潤時に粘性を
有する組織接着層と、該組織接着層に比べて粘性の弱い
多孔質体もしくはシート状の支持体層の少なくとも2層
からなり、該組織接着層及び該支持体層の主構成成分が
生体内吸収性材料である医療用貼付材。組織接着層とし
てはカルボキシメチルセルロースが、支持体層としては
水素置換したカルボキシメチルセルロースが好適に使用
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用の貼付材に関
する。更に詳しくは、手術時の生体組織損傷部に貼付
し、組織の修復・補修に利用でき、容易にかつ安全、確
実に組織損傷部を治療するために使用される医療用貼付
材に関する。
【0002】
【従来の技術】外科用の接着剤として使用されているも
のとして、(1)シアノアクリレート系接着剤、(2)
ゼラチン、レゾルシンの混合ゲルとホルムアルデヒド溶
液からなるGRFグルー、(3)フィブリノゲンの凝固
力を利用したフィブリン糊がある。シアノアクリレート
系接着剤は生体とは全く異質の合成高分子であるため、
接着塗布面の組織が死滅することもあり、また、塗布さ
れた接着剤が長く残存し、消失するまで長期間を要する
ため損傷部の治癒は大きく遅延する。GRFグルーやフ
ィブリン糊は生体由来材料を用いているため、吸収は早
く治癒も早い。しかし、GRFグルーはアルデヒドの強
力な架橋力により強い接着力が得られるが、接着力が強
いため患部に滴下するしかなく、また、直接圧迫等の処
置が行いにくい。また、アルデヒドは毒性が強く、使用
した部位の治癒遅延や損傷、また、滴下した液の液ダレ
等により周囲組織や臓器、血液内に混入した場合は全身
への毒性が心配され、アルデヒド等の毒性の高い化合物
は可能な限り使用しないことが望ましい。また、フィブ
リンにおいても、現在市販されているフィブリン糊やシ
ート形状のフィブリン止血材はヒト由来のものであり、
感染性ウィルスの混入の可能性は否定できず、可能な限
り生物学的安全性が確認できる材料を用いることが望ま
しい。また、フィブリン糊も滴下するしかなく圧迫等の
処置が行いにくい。さらに、ゲルとしての強度も低く、
損傷して弱体化した組織を補強する上で十分でない場合
もある。
【0003】これらのリスクのない止血剤として酸化セ
ルロース止血剤(サージセル;ジョンソン・アンド・ジ
ョンソン社製)やコラーゲンシート止血剤(インスタッ
ト;ジョンソン・アンド・ジョンソン社製)が市販され
ている。しかし、組織との接着性が低く、出血部位を閉
鎖できないことがあり、特に激しい出血の場合等十分な
止血が得られないことも多い。このため、ある程度の接
着力をもつことが望ましい。更に、止血材として可溶性
のメチルセルロース(カルボキシメチルセルロース)線維
やアルギン酸粉末(特開2000-186048号)が提案されてい
る。このカルボキシメチルセルロースは、線維もしくは
綿状(特開平10-77571号)であったり、止血・接着効果を
高めるためにフィブリンが含有された(特開平11-322615
号)ものも提案されている。しかし、いずれも操作時の
器具等に水分などの付着があると器具の方にも付着し、
圧迫止血・接着が容易に行えなくなるものであった。ま
た、可溶化するため損傷部の補強には不十分であった。
可溶性止血剤を創傷面に積極的に残すために、可溶性止
血剤に剥離可能な固定用シートを設けた止血剤も提案さ
れている(特開平9-294765号)。しかし、この場合も固定
用シートを除去した後、止血剤部分は溶け強度が著しく
減少しているため、損傷部の補強の観点からは十分に期
待はできなかった。したがって、この固定用シートも生
体吸収性材料として剥離せず、そのまま留置することに
より、期待される十分な効果が得られる医療用貼付材が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の点を鑑みて、使
用後速やかに吸収され自己組織による治癒を実現させ、
使用時から接着層と生体組織との密着性及び接着性を持
った医療用貼付材を提供することを目的とした。また、
使用する用具や手袋に付着しにくく、容易に操作するこ
とができ、かつ、直接圧迫操作ができ、確実に患部を閉
鎖できる医療用貼付材を提供することを目的とした。さ
らに、接着と同時に、弱体化した患部を補強することも
できる医療用貼付材を提供することを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し目的
を達成するため本発明は、湿潤時に粘性を発揮する特性
を有する多糖類の乾燥したものからなる組織接着層と、
組織接着層に比べて粘性の弱い多孔質体もしくはシート
状の支持体層の少なくとも2層からなり、組織接着層及
び支持体層の主構成成分が生体内吸収性材料である医療
用貼付材を提供するものである。また、本発明は、前記
の組織接着層と、支持体層からなる医療用貼付材におい
て、組織接着層が積層されている面とは反対側で、組織
接着層が積層されていない支持体層の面に、剥離可能な
状態で組織接着層に比して粘性の弱い層が形成されてい
る医療用貼付材を提供するものである。
【0006】具体的には次ぎの構成の本発明によって、
上記の課題を解決し目的を達成した。 (1)乾燥状態の多糖類からなり湿潤時に粘性を有する
組織接着層と、組織接着層に比べて粘性の弱い多孔質体
もしくはシート状の支持体層の少なくとも2層からな
り、組織接着層及び支持体層の主構成成分が生体内吸収
性材料である医療用貼付材。 (2)前記組織接着層と、支持体層からなる医療用貼付
材において、組織接着層が積層されている面とは反対側
で、組織接着層が積層されていない支持体層の面に、剥
離可能な状態で組織接着層に比して粘性の弱い層が形成
さている(1)記載の医療用貼付材。 (3)前記多糖類からなる組織接着層が、カルボキシメ
チルセルロース、ヒアルロン酸、またはプルランからな
る群から選ばれた少なくとも1種である(1)または
(2)に記載の医療用貼付材。 (4)前記組織接着層が多孔質体、シート体あるいは粉
粒体の積層体である(1)〜(3)のいずれかに記載の
医療用貼付材。 (5)前記支持体層の主構成成分である生体内吸収性材
料が、生体由来蛋白質、アミノ酸、多糖類及び合成高分
子樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1 種である
(1)または(2)記載の医療用貼付材。 (6)前記生体由来蛋白質がゼラチンまたはコラーゲン
であり、前記多糖類がキチン、酸化セルロース、カルボ
キシメチルセルロースまたはアルギン酸であり、合成高
分子樹脂がポリグリコール酸またはポリ乳酸である
(5)記載の医療用貼付材。 (7)前記医療用貼付材が滅菌処理されている(1)〜
(6)のいずれかに記載の医療用貼付材。 (8)(1)〜(7)のいずれかに記載の医療用貼付材
が、乾燥剤とともに水蒸気難透過性の包材で密封包装さ
れている医療用貼付材包装体。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
について詳細に説明する。本発明は、湿潤時に粘性を発
揮する特性を有する多糖類の乾燥状態のものからなる組
織接着層と、組織接着層と比較して粘性の低い多孔質体
もしくはシート状の支持体層の少なくとも2層からな
り、組織接着層及び支持体層の主構成成分が生体内吸収
性材料である医療用貼付材であるので、使用時から接着
層と生体組織との密着性及び接着性を持ち、使用後速や
かに吸収され自己組織による治癒を実現できるものであ
る。また、適用時に使用する用具や手袋に付着しにく
く、容易に適用することができ、かつ、直接圧迫操作が
できるため確実に患部を閉鎖できる医療用貼付材であ
る。
【0008】本発明の組織接着層と支持体層はともに生
体吸収性材料で構成されているので、生体に接着させた
後、留置し、一定期間損傷部の密閉性を維持し、吸収
後、自己組織で置換され損傷部を治癒させることができ
る。生体内吸収性材料としては、毒性の低い材料を用い
ることが望ましく、これにより円滑な損傷部の治癒を達
成させることができる。特に、コラーゲン、ゼラチン、
アルブミン等の生体由来材料や、グルタミン酸、リジン
等のアミノ酸、キチン、キトサン、酸化セルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、アルギン
酸、プルラン等の多糖類、ポリグリコール酸やポリ乳酸
等の合成高分子が望ましい。
【0009】本発明の組織接着層は、水分を吸収すると
粘性を持ったゲル状となり、吸水しながら吸着する性質
を持つものであり、これにより、組織接着層は体内の組
織に接着する。したがって、乾燥状態で支持体層に接着
させておき、吸水しやすい状態で使用し、目的部位の水
分もしくは使用時に与える水分を吸収しながら、目的組
織に接着させる。本発明の組織接着層は、カルボキシメ
チルセルロース、ヒアルロン酸、アルギン酸またはプル
ラン等の多糖類で形成することが好適であり、さらに、
使用する部位によってシート形状として用いることもで
きるが、多孔質状態で用いることが望ましい。カルボキ
シメチルセルロースはNa塩の含量やカルボキシル基の
置換度によって、水溶性が変化し、特にナトリウム塩の
含量が5〜15%(重量比)、カルボキシル基の置換度が
0.7〜0.9であるものを用いることで速やかに粘着
力のあるゲル層を形成させることができる。
【0010】この組織接着層は多孔質体、シート体ある
いは粉粒体の積層体で形成することができ、吸水性を高
めるために多孔質構造とすることが望ましく、特に、
綿、織り、編み形状で用いることができる。また、カル
ボキシメチルセルロースのカルボキシル基の置換度が
0.7〜0.9である場合、用いる支持体層によって変
化するが、25mg/cm3〜5g/cm3の密度とすることが望
ましく、さらに、望ましくは50mg/cm3〜1g/cm3が望
ましい。また、使用する部位にもよるが、5mm以下の厚
みで用いることが望ましい。特に、織り、編み形状にお
いては薄い構造としても、強度と柔軟性を併せ持たせる
ことが可能であるが、十分な組織接着性を与えるために
は0.2〜2mmの厚さであることが望ましい。また、こ
の他にプルランも用いることができる。プルランの場合
には、用いる支持体層や接着させる組織によって異なる
が、スポンジ形状の多孔質体とし、密度を5mg/cm3〜5
00mg/cm3とすることが望ましい。この密度より低い
と、吸水してゲル化しても粘性が低く、充分な接着力が
発揮されにくく、また、この密度より高いと、吸水しに
くく、また、弾力性が低下し、使用し難い。また、使用
部位と密度にもよるが、2mmから8mmまでの厚みとする
ことが望ましい。また、接着層に上記多糖類の粉末を積
層しても用いることができる。
【0011】本発明の支持体層は、貼付操作及び圧迫に
よる密着を容易にし、弱体化した組織を補強するための
機能を果たすもので、生体吸収性材料を主構成成分と
し、組織接着層に比べて粘着性の弱いシートや多孔質形
状とすることが好適である。この支持体層は強度と同時
にある程度の柔軟性を持たせることが望ましく、柔軟性
を有する材料を用いたり、織り、編み、不織布、スポン
ジ等の多孔質構造として用いることができる。特に、織
り、編み形状においては薄い構造としても、強度と柔軟
性を併せ持たせることが可能である。また、薄い構造と
することができるので生体組織とのフィッティングが向
上する。このような点から、織り、編み形状の場合の厚
さは0.2〜1mmであることが好ましい。また、乾燥
状態とし、さらにある程度の吸水性を持ち使用時には水
分を含ませるか、使用部位の体液を吸収することで柔軟
性を獲得する性質を有するものも用いることができる。
支持体層は、生体由来蛋白質であるゼラチンやコラーゲ
ン、多糖類である酸化セルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸、キチン等をシート形状もしくは
多孔質構造にして用いることができる。
【0012】コラーゲンを用いる場合、コラーゲン溶液
を凍結乾燥等の方法でスポンジ形状として用いることが
望ましく、このような方法で作成することによって柔軟
な支持体が得られる。この場合、柔軟性と支持体として
の補強の目的から密度15〜75mg/cm3厚み2〜8mmで
用いることができる。また、架橋を行う場合は、生体内
への刺激等の影響を最小限とするため、化学架橋より熱
による架橋を行うことが望ましい。この場合、柔軟性は
やや低下するものの、生体内での吸収性は低下し、使用
後、長期間留置が必要な部位に用いることができる。ゼ
ラチンを用いる場合も、コラーゲンと同様にスポンジ形
状で用いることが望ましい。また、酸化セルロース、カ
ルボキシメチルセルロースも使用することができる。カ
ルボキシメチルセルロースはナトリウム塩の含量を低下
させることで水溶性は低下し、ゲル化して粘着力が発生
しないため、これを用いることができる。これら多糖類
は綿形状等の多孔質構造としてのみでなく吸水し一部ゲ
ル化して柔軟性をもつものもあり、シート形状としても
用いることができる。このシート形状の場合、5mm以下
の厚みで用いることが望ましい。また、綿形状等の多孔
質構造の場合、目的部位によって異なるが25mg/cm3
5g/cm3の密度で5mm以下の厚みで用いることができ
る。この他、アルギン酸やキチンを用いた不織布や綿形
状、ポリグリコール酸の不織布も用いることができる。
【0013】また、本発明の支持対層は、使用時に水分
を吸収し、粘性を獲得する可能性がある場合、最外層に
撥水性物質を被覆して粘着力を低減させるか、組織接着
層が積層されている面とは反対側で組織接着層が積層さ
れていない支持体層の最外層にシリコーン等の非粘着性
高分子を一時的に使用し、接着後最外層の高分子シート
を取り外せるようにすることも可能である。
【0014】接着層は水溶性であるため、支持層への固
定には水を介して行うことができる。すなわち、接着層
の支持体層接触面もしくは支持体層の接着層接触面を湿
らせ、圧着させた後、乾燥することで積層することがで
きる。また、水の代わりに上記接着層材料の水溶液を用
いることもできる。さらに、使用時、接着面を明確にす
るため接着層もしくは支持体層どちらかに着色すること
で、接着面もしくは支持体面を区別させることが望まし
い。この場合、上記ゼラチンやリボフラビン等の天然の
着色剤や吸収性縫合糸で用いられているようなインジゴ
ブルーやクエン酸鉄アンモニウム等合成着色剤を少量混
ぜ合わせることができる。
【0015】本発明の医療用貼付材は、滅菌処理されて
いることが好ましく、組織接着層と支持体層を積層し、
医療用貼付材を形成させた後、エチレンオキサイドガス
滅菌で滅菌処理して用いることができる。また、本発明
の医療用貼付材は、組織接着層、支持体層ともに乾燥状
態であるため、適用直前までその乾燥状態を維持する上
で、乾燥剤とともに水蒸気難透過性の包材で密封包装す
ることが好ましい。
【0016】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に
説明する。 (実施例1)牛アテロコラーゲンを3mM塩酸水溶液に
0.3%で溶解後、凍結乾燥し、蒸留水で2.5%の濃
度に調製し60℃、30分の熱変性処理を行った(a)。
また、0.3%牛アテロコラーゲン含有3mM塩酸水溶
液をリン酸緩衝液で中和し、遠心操作により2.5%に
濃縮した溶液(b)を得た。さらに、(a)と(b)を10:
1の割合で混合し、蒸留水にて2.5%牛アテロコラー
ゲン含有溶液を作製した。この液を凍結乾燥し、さらに
110℃、2時間の熱架橋を加えて、35mg/cm3の密度
で厚み4mmのコラーゲンスポンジを作製した。このスポ
ンジの表層を軽く水で濡らし、90mg/cm3厚み2mmの綿
形状で9%(重量%)のナトリウム塩を含み、カルボキシ
ル基の置換度が0.7であるカルボキシメチルセルロー
スを圧着させて、接着層を綿形状カルボキシメチルセル
ロース、支持体層をコラーゲンスポンジとした厚さ4.
5mmの医療用貼付材を作製した。
【0017】(実施例2)2.5%プルラン水溶液を凍
結乾燥し、40mg/cm3の密度で4mm厚のプルランスポン
ジを作製した。次いで実施例1と同様に操作して作製し
たコラーゲンスポンジの表面を2.5%プルラン水溶液
で湿らせた後、プルランスポンジを置き、圧着して、接
着層をプルランスポンジ、支持体層をコラーゲンスポン
ジとした厚さ6.5mmの医療用貼付材を作製した。 (実施例3)実施例1と同様に操作して作成したコラー
ゲンスポンジの表面を水で軽く湿らせた後、プルラン粉
末を塗布し、シリコーンシートを置いてプルラン粉末と
コラーゲンスポンジを圧着させた。その後、さらにその
表面を軽く水を霧状でふきかけさらにプルラン粉末を塗
布し、シリコーンシートを置いて圧着させた。その後、
シリコーンシートを取り除いて乾燥させ、付着していな
いプルランを取り除いたところ、コラーゲンスポンジの
表面に40mg/cm2(乾燥後重量−コラーゲンスポンジ単
体乾燥重量)のプルラン粉末が積層された厚さ4mmの
医療用貼付材を作製した。
【0018】(実施例4)アルギン酸塩不織布(カルト
スタット;ブリストルマイヤーズスクイブ(株))の表面
を10%プルラン水溶液で軽く湿らせ、9%ナトリウム
塩を含みカルボキシル基の置換度0.7であるカルボキ
シメチルセルロースを90mg/cm3の密度で2mm厚の綿を
置き、圧着させて、支持体層にアルギン酸不織布、接着
層にカルボキシメチルセルロース綿を用いた厚さ2.5
mmの医療用貼付材を作製した。 (実施例5)1%リボフラビンを含む10%プルラン水
溶液を凍結乾燥し、105mg/cm3の密度で3mm厚のプル
ランスポンジを作製した。これを10%プルラン水溶液
で表面を軽く湿らせたキチン綿(ベスキチンW ;ユニチ
カ(株))の上に圧着した。さらに、乾燥させ支持体層に
キチン綿、接着層に黄色に着色させたプルランスポンジ
を用いた厚さ4mmの医療用貼付材を作製した。
【0019】(実施例6)直径10〜30μmの置換度
0.76、粘度4.3cp(1%溶液、25℃測定値)を有
するカルボキシメチルセルロースナトリウム繊維を20
〜30本束ねた糸を綾織りにしてカルボキシメチルセル
ロースの密度(重量/cm)が約600mg/cmで0.3
5mm厚の織りシートを作製して接着層とした。また、直
径10〜30μmの置換度0.85、粘度24cp(1%溶
液、25℃測定値)のカルボキシメチルセルロースナト
リウム繊維を20〜30本束ねた糸を綾織りにて織った
後、10%硝酸を含むメタノール溶液に3時間浸漬し、
メタノール溶液で洗浄しカルボキシメチル基のNa塩を
H基に置換した。その後、乾燥させ、密度240mg/cm
、0.4mm厚のNa塩除去(H基に置換)カルボキシ
メチルセルロースの織りシートを作製して非接着層とし
た。さらに、表面を少量の水分で湿らせた非接着層の上
に、接着層を被せて圧着させ、厚さ0.65mmの医療
用貼付材を作製した。この接着層は水分存在下溶解して
強い粘着性を持ち、非接着層はNa塩を除去したことで
水分存在下での溶解性は著しく減少することで粘着力も
大きく低下していることを確認した。
【0020】(試験例1)実施例1で作製した1cm×
0.8cmの医療用貼付材を豚(60kg 雌)の肝臓表面に
置き、1分間手で圧迫した。本発明品は操作が容易で、
使用した手袋には全く付着せず、圧迫接着が容易に行え
た。また、その後、本発明品の末端0.2cmを取っ手付
クリップで挟みpush-pull-scale(PSSO.5K IMADA)に接続
して接着強度を測定した。その結果、本貼付材の接着強
度はコラーゲンスポンジ単体で10分後1gf/cm以下で
あったが、本発明品は10分後で15gf、30分後で2
0gfの強い接着力を得た。 (試験例2)豚(60kg 雌)から胸部大動脈を採取し、
1.5cm×1cmの短冊状試料を作製した。これに実施例
2で作製した1cm×0.8cmの医療用貼付材を置き、1
分間圧迫した。操作は試験例1同様良好であった。さら
に、断端を定速引張試験機(AGS-100A ;島津製作所
(株))に接続し、引き剥がし強度を測定した。その結
果、コラーゲンスポンジ単体で0gf/cm(測定限界以下)
であったのに対し、本発明品は19gf/cmの強い接着力
を得た。
【0021】(試験例3)実施例6で作製した医療用貼
付材2cm×4cmを家兎腹膜に貼り付けた。その結果、接
着層は強固に腹膜に粘着し、また、捜査時非接着層は水
存在下でも操作する手袋や器具に付着せず容易に操作が
可能であった。1週間後、摘出して状態を観察したとこ
ろ、少なくとも非接着層は当初の留置部位に残存してお
り、周囲組織との癒合を防止している機能が観察され
た。また、本発明品1cm×1cmを家兎背部皮下組織に貼
り付けて指で1分間圧迫後、push-pull-scale(PSSO.5KI
IMADA)接着強度を測定した結果、29gfの強い接着が
得られた。
【0022】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明は、湿潤
時に粘性を発揮する特性を有する多糖類の乾燥状態のも
のからなる組織接着層と、多孔質体もしくはシート状の
支持体層の少なくとも2層からなっており、組織接着層
及び該支持体層の主構成成分が生体内吸収性材料である
医療用貼付材であるので、適用直後から接着層と生体組
織との密着性及び接着性をち、速やかに吸収され自己組
織による治癒を実現させることができる。また、適用時
に使用する用具や手袋等に付着しにくく、容易に組織へ
適用することができ、かつ、直接圧迫し患部を閉鎖する
ことができる。さらに、接着と同時に、弱体化した患部
を補強することもできる。したがって、本発明の貼付材
は、体内臓器の損傷部を閉鎖し、治癒させる場合に有効
で、例えば、血管の損傷部や縫合による針穴周囲に貼付
することにより、術中術後の出血を防ぐとともに、術
後、損傷部を補強し治癒させることができる。また、肝
臓、肺等の臓器切除部分や損傷部分の閉創、各種臓器の
癒着防止にも用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥状態の多糖類からなり湿潤時に粘性を
    有する組織接着層と、該組織接着層に比べて粘性の弱い
    多孔質体もしくはシート状の支持体層の少なくとも2層
    からなり、該組織接着層及び該支持体層の主構成成分が
    生体内吸収性材料である医療用貼付材。
  2. 【請求項2】前記組織接着層と、前記支持体層からなる
    医療用貼付材において、該組織接着層が積層されている
    面とは反対側で、該組織接着層が積層されていない支持
    体層の面に、剥離可能な状態で組織接着層に比して粘性
    の弱い層が形成されている請求項1記載の医療用貼付
    材。
  3. 【請求項3】前記多糖類からなる組織接着層が、カルボ
    キシメチルセルロース、ヒアルロン酸及びプルランから
    なる群から選ばれた少なくとも1 種である請求項1また
    は2に記載の医療用貼付材。
  4. 【請求項4】前記組織接着層が多孔質体、シート体ある
    いは粉粒体の積層体である請求項1〜3のいずれかに記
    載の医療用貼付材。
  5. 【請求項5】前記支持体層の主構成成分である生体内吸
    収性材料が、生体由来蛋白質、多糖類及び合成高分子樹
    脂からなる群から選ばれた少なくとも1 種である請求項
    1または2記載の医療用貼付材。
  6. 【請求項6】前記生体由来蛋白質がゼラチンまたはコラ
    ーゲンであり、前記多糖類がキチン、酸化セルロース、
    カルボキシメチルセルロースまたはアルギン酸であり、
    合成高分子樹脂がポリグリコール酸またはポリ乳酸であ
    る請求項5記載の医療用貼付材。
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