JP2003122055A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

静電荷現像用トナー

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JP2003122055A JP2001320543A JP2001320543A JP2003122055A JP 2003122055 A JP2003122055 A JP 2003122055A JP 2001320543 A JP2001320543 A JP 2001320543A JP 2001320543 A JP2001320543 A JP 2001320543A JP 2003122055 A JP2003122055 A JP 2003122055A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性と帯電安定性に優れたマゼンタ色の静電
荷現像用トナーを得る。 【解決手段】 結着樹脂とロジン類の多価金属塩処理ア
ゾレーキ顔料とを必須成分として用いた静電荷現像用ト
ナーにおいて、前記ロジン類の多価金属塩処理アゾレー
キ顔料として、水との接触角が85°〜110°の範囲
にあるロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料を用い
たことを特徴とする静電荷現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための静
電荷現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、通常、光導電性感光体よ
りなる静電潜像担持体に荷電、露光により静電潜像を形
成し、次いでこの静電潜像を、結着樹脂中に着色剤を含
有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像
を転写紙等の支持体に転写、定着して可視画像を形成す
る方法である。このような可視画像を得るためのトナー
組成物として一般的にカーボンブラックの如き黒色着色
剤を結着樹脂中に分散させたものが多く使用されている
が、近年、シアン色、マゼンタ色、黄色等のカラートナ
ーを用いて順次繰り返し現像し、これを紙等に転写、定
着させカラー画像とする方法も用いられている。
【0003】この方法によって得られるカラーの転写画
像は、一般に天然色に近い画像が求められ、そのために
はそれぞれの単色トナーにおける色の鮮明性、透明性、
光沢度及び階調性が影響する。色再現性は、黄色、マゼ
ンタ色及びシアン色の三原色トナーによる減法混色から
成り立っており、光を透過する透明性トナーを用いるこ
とが必要である。透明性フィルムを定着した画像も透明
性が良くないと色再現性ができない。
【0004】従来、静電荷現像用トナーのマゼンタ色に
用いられている、アゾレーキ顔料としては、特定の粒子
形状を有するアゾ顔料粉末の比表面積>70cm2/
g、粒子が長さ対幅比が2.8:1よりも小さくかつ平
均粒度d50≦130nmのC.I.Pigment
Red 57:1(通称カーミン6B)が知られている
(特開平10−73963号公報)。また、4級アンモ
ニウム塩等を表面処理したアゾレーキ顔料が知られてい
る(特開平2−114269号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術のマゼンタ色トナーは、近年要求されている透明性が
不足しており、フルカラー用途における充分な色再現性
が得られないものであった。
【0006】また、上記従来技術のマゼンタ色トナー
は、帯電安定性が不十分であり、例えば高湿環境下で
は、画像濃度が変化したり、カブリが発生する等の問題
もあった。
【0007】特に、トナー粒子とキャリア粒子とを用い
る二成分現像剤におけるマゼンタ色トナーは、フェライ
ト等のキャリア粒子と混合して使用するために現像過程
においてキャリア粒子とのバランスが崩れ色の濃淡差が
生じ、その結果フルカラー用途における色再現性に支障
を来すものであった。
【0008】また、静電荷現像用トナーの製造工程とし
て、特開平8−314180号記載のウェット顔料と結
着樹脂とをフラッシング法によりマスターバッチ化する
方法があるが、この方法でも、従来のロジン類の多価金
属塩処理アゾレーキ顔料を用いた場合、近年要求されて
いる透明性は不足しており、フルカラー用途における充
分な色再現性が得られなかった。しかも、フラッシング
に時間を要するという問題もあった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、マゼン
タ色トナーとして充分な透明性を有し、黄色現像剤との
重ね合わせで鮮明な赤色を、シアン色現像剤との重ね合
わせで鮮明な紫色を、そして黄色及びシアン色現像剤と
の重ね合わせで鮮明な黒色を呈することができる色再現
性、帯電安定性に優れた静電荷現像用トナーを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
実状の鑑み、従来技術の欠点を解決すべく鋭意研究した
結果、トナーにおける透明性と帯電安定性の向上には、
顔料の疎水性が大きく寄与することを見い出し、本発明
を完成するに至った。即ち、第1の発明は上記課題を解
決するために、結着樹脂と着色剤とを必須成分として含
む静電荷現像用トナーにおいて、水との接触角が85°
〜110°の範囲にあるロジン類の多価金属塩処理アゾ
レーキ顔料を用いたことを特徴とする静電荷現像用トナ
ーを提供するものである。
【0011】第2の発明は、長さ対幅比が平均で1対1
〜2対1のロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料で
ある上記第1の発明記載の静電荷現像用トナーを提供す
るものである。第3の発明は、かさ指数が平均で0.8
〜1であるロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料で
ある第1または第2の発明記載の静電荷現像用トナーを
提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いるロジン類の多価金属塩処理アゾレ
ーキ顔料は、水との接触角が85°〜110°の範囲に
あることを特徴とする。
【0013】本発明における顔料と水との接触角は、液
滴法により測定される。粉末顔料でそのまま前記接触角
の測定するのは難しいので、具体的には、顔料を錠剤成
型器を用いて錠剤化し、平板となした試料の表面上に水
を滴下し、試料と水のなす角で水を含む側の角を測定し
て、この接触角とする。この様な液滴法による接触角の
求め方は、例えば「”ぬれ性”と制御」(株式会社技術
情報協会2001年1月31日発行)に記載されてい
る。
【0014】液滴法による表面上の液滴の接触角の測定
には、市販の公知慣用の装置が使用できるが、例えば、
協和界面科学株式会社製FACE自動接触角計CA−Z
型を用いることが出来る。本発明では、平板試料(顔料
ペレット)上に脱イオン水を滴下して、上記装置にて顔
料に対する水の接触角を測定した。
【0015】表面が平滑で水が浸透しない様な、接触角
の測定に影響を及ぼさないこの平板試料は、日本分光製
φ20mm錠剤成型器とφ20mmの鏡面板と20t油
圧プレスを用い、φ20mmの鏡面板の間に粉末顔料を
入れ、これを錠剤成型器に入れ、400kg重/cm
(39226.6×10Pa)5分間加重することで
調製する。一方、水としては脱イオン水を使用する。こ
れの表面張力は、20℃において72.75×10−3
N・m−1である。
【0016】本発明においては、ロジン類の多価金属塩
処理アゾレーキ顔料の、水の接触角が85°〜110°
の範囲にあることが重要である。水との接触角がこの範
囲にあるということは、平板試料表面上が比較的水滴で
濡れにくいことを意味する。顔料と水との接触角が85
未満では、結着樹脂と着色剤である顔料を用いた静電荷
現像用トナーにおいて透明性が不充分となり、しかも帯
電安定性も不充分で、例えば多湿環境において、トナー
の帯電性が低下し、カブリ等の画像欠陥を生ずる。
【0017】また、トナーを製造するに当たっては、予
めトナーの調製に用いる結着樹脂またはこの結着樹脂と
の相溶性に優れる樹脂の一部と顔料とから、顔料が高濃
度のマスターバッチを調製してから、それを結着樹脂の
残部と混合し希釈分散して所定顔料濃度の静電荷現像用
トナーを製造することがある。この際に、トナー用樹脂
の一部とアゾレーキ顔料の顔料水ペースト(含水顔料)
とをフラッシングして、フラッシング排水を除去して減
圧加熱脱水後、破砕するマスターバッチの製造方法を採
用する場合には、顔料と水との接触角が85未満では、
フラッシングにより時間を要する。
【0018】尚、アゾレーキ顔料の表面に処理されたロ
ジン類の多価金属塩が、ロジン類のSr塩を含むと、顔
料と水との接触角をより大きくすることができ、このフ
ラッシング時間をより短縮することが出来る。
【0019】次に本発明で用いるロジン類の多価金属塩
処理アゾレーキ顔料の長さ対幅比は平均で1対1〜2対
1であることが好ましい。長さ対幅比が平均で2対1を
越えると透明性が低下する傾向にあり、モノカラー用途
では使用可能であるが、フルカラー用途における充分な
色再現性を得るためには、前記好適範囲とする。また前
記好適範囲であれば、トナーの製造方法として、トナー
用樹脂と顔料とを溶融混練する工程を含む製造方法を採
用する場合には、長さ対幅比が平均で2対1を越えた場
合に起こりやすい顔料粒子の折損が起こりにくく、混練
条件により色相が変化するということもより少なくな
る。
【0020】本発明において、顔料の長さ対幅比とは、
粒子の二次元形状、特に粒子の異方性を規定する尺度で
ある。幅とは二次元視野内に投影される粒子について、
輪郭に接する二つの平行線間の最小距離であり、短径と
同意語である。長さとは二次元視野内に投影される粒子
について、輪郭に接する二つの平行線で、幅(短径)に
直角方向の最大距離であり、長径と同意語である。本発
明において、長さ対幅比は、顔料を平面に置き電子顕微
鏡にて視野内を撮影してから粒子毎に前記長さと幅を測
定し、粒子毎に長さを幅で除した数値(長さ/幅)を求
めた。この数値の平均値を求め、長さ対幅比の平均とし
た。長さ対幅比は1以上の数値を示すが、長さ対幅比が
小さいほど(1対1に近づくほど)、二次元形状として
は正方形に、三次元形状としては立方体に近づく事を意
味する。
【0021】次に本発明で用いるロジン類の多価金属塩
処理アゾレーキ顔料のかさ指数が平均で0.8〜1であ
ることも重要である。かさ指数が0.8未満では、長さ
対幅比と同様に、透明性が低下する傾向にあり、モノカ
ラー用途では使用可能であるが、フルカラー用途におけ
る充分な色再現性を得るためには、前記好適範囲とす
る。
【0022】本発明において、顔料のかさ指数とは、粒
子の二次元形状、特に粒子のかさばりを示す空間充足度
を規定する尺度である。かさ指数とは、二次元視野内に
投影される粒子の面積を、最小外接矩形面積で除したも
のである。本発明において、かさ指数は、顔料を平面に
置き電子顕微鏡にて視野内を撮影してから粒子毎に前記
かさ指数を測定し、平均した数値を用いる。かさ指数は
1以下の数値を示すが、かさ指数が1に近づくほど粒子
に凹凸がない事を意味する。
【0023】結着樹脂の一部とアゾレーキ顔料の顔料水
ペースト(含水顔料)とをフラシングして、フラッシン
グ排水を除去して減圧加熱脱水後、破砕するマスターバ
ッチの製造方法を採用する場合に、上記した接触角範囲
を満足するだけでなく、さらに上記した顔料の長さ対幅
比またはかさ指数のいずれかを満足する様に調製した顔
料を含む顔料水ペーストは、フラッシング時間をより短
縮できるし、上記した顔料の長さ対幅比とかさ指数の両
方を満足する様に調製した顔料を含む顔料水ペースト
は、フラッシング時間をさらに短縮できる。
【0024】本発明者等は、特開平10−73963号
公報に記載された長さ対幅比と粒子径の範囲内であって
も、真球または面取りされた立方体に極めて近い粒子形
状のロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料が得られ
れば、同公報にベストモードとして記載されたアスペク
ト比2.65:1の顔料を用いるよりは、格段に透明
性、フラッシング特性、帯電安定性に優れた静電荷現像
用トナーが得られると推定し、その様な顔料が得られる
製造方法について種々検討した結果、意図する粒子形状
の顔料の好適な製造方法を見い出し、本発明に至ったも
のである。
【0025】本発明の静電荷現像用トナーに用いるロジ
ン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製造方法上の最
大の特徴は、フェノール類やナフトール類からなるカッ
プラー成分を含む水溶液(第一液)と、芳香族アミン類
のジアゾニウム塩成分を含む水溶液(第二液)とを、ロ
ジン類の多価金属塩の懸濁液(第三液)に注入して、ロ
ジン類の多価金属塩の微粒子の存在下にカップリング反
応させ、更にレーキ化を行う点にある(以下この製造方
法を、好適製造方法と称する。)。なお、第一液、第二
液は、液量を減少させる事により、懸濁液とすることも
可能である。
【0026】本発明で用いるカップラー成分としては、
公知慣用のフェノール・ナフトール類が使用できるが、
例えば2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、β−ナフトー
ル、アセトアセトアニライド等が挙げられる。また、前
記の誘導体、例えば、低級アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子で置換された化合物であっても良い。
【0027】カップラー成分から対応する水溶液(第一
液)を得るには、公知慣用の方法がいずれも採用できる
が、例えばフェノール類や、ナフトール類を温水に分散
させてアルカリ性として溶解させれば良い。液性をアル
カリ性とするには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等が使用できる。
【0028】一方、ジアゾニウム塩成分としては、公知
慣用の芳香族アミン類のジアゾニウム塩が使用できる。
芳香族アミン類としては、可溶性基を有するものが好ま
しく、例えば4−アミノトルエン−3−スルホン酸(p
−トルイジン−m−スルホン酸:4B酸)、4−アミノ
−2−クロロトルエン−5−スルホン酸(2B酸)、3
−アミノ−6−クロロトルエン−4−スルホン酸(C
酸)、2−アミノナフタレン−1−スルホン酸(トビア
ス酸)等が例示される。
【0029】顔料の粒子サイズを小さくし、静電荷現像
用トナーとして使用した場合の透明性を高める目的で、
コベース成分と呼ばれる芳香族アミンを、ジアゾニウム
塩を製造する際に使用する全芳香族アミンに対して微
量、特に0.2〜5モル%存在させる事も可能である。
本発明において、コベース成分として3−アミノ−6−
クロロベンゼンスルホン酸や、2−アミノナフタレン−
5−スルホン酸、2−アミノナフタレン−6−スルホン
酸、2−アミノナフタレン−8−スルホン酸、2−アミ
ノ−5−エトキシベンゼンスルホン酸を存在させると、
長さ対幅比を小さくする効果や、顔料の粒子サイズを小
さくすることができ、透明性を高める効果は特に高くな
る。
【0030】芳香族アミン類から対応するジアゾニウム
塩を含む水溶液(第二液)を得るには、公知慣用の方法
がいずれも採用できる。例えば芳香族アミン類を酸性か
つ0℃〜5℃とし、攪拌下に亜硝酸塩水溶液を加えてジ
アゾ化する様にすれば良い。液性を酸性とするには塩酸
や硫酸等の無機酸が、亜硝酸塩としては亜硝酸ナトリウ
ム等が使用できる。
【0031】本発明において、好適なカップラー成分
と、ジアゾニウム塩を構成する芳香族アミン類成分との
組合せ(好適なアゾレーキ顔料)は、4−アミノ−2−
クロロトルエン−5−スルホン酸(2B酸)と2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸との組合せ(バリウムレーキさ
れたものはC.I.ピグメントレッド48:1、カルシ
ウムレーキされたものは同48:2、ストロンチウムレ
ーキされたものは同48:3)、3−アミノ−6−クロ
ロトルエン−4−スルホン酸(C酸)と2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸との組合せ(カルシウムレーキされた
ものは同52:1)、4−アミノトルエン−3−スルホ
ン酸(4B酸)と2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸との
組合せ(カルシウムレーキされたものは同57:1)等
があげられる。中でも、環境面で優れる塩素不含のアゾ
レーキ顔料であるが、顔料表面の親水性が高くフラッシ
ング性が劣っているC.I.ピグメントレッド57:1
のフラッシング速度の改良効果が高い。
【0032】また本発明ではロジン類の多価金属塩の懸
濁液(第三液)を用いる。本発明の静電荷現像用トナー
に用いるロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料にお
いて、ロジン類を懸濁させる液媒体としては、水のみか
水を主体として有機溶媒を併用した水性媒体を用いるこ
とが好ましい。懸濁液中に含ませる有機溶媒は極力少な
いほうが好ましい。
【0033】ここでロジン類とは、公知慣用のロジン類
がいずれも挙げられるが、例えばアビエチン酸を主成分
とするロジン、不均化ロジン、部分水素添加ロジン、完
全水素添加ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変
性ロジン、重合ロジン等が挙げられる。
【0034】対応する多価金属塩とは、前記ロジン類と
二価、三価または四価の多価金属とで構成される塩であ
り、例えばCa塩、Ba塩、Sr塩、Al塩、Zn塩等
である。上記した通り、ロジン類の多価金属塩として
は、ロジン類のSr塩を含むことが、例えば静電荷現像
用トナーの製造工程のフラッシング性の改良効果が高い
点から好ましい。色相を考慮すると、ロジン類のCa塩
と同Sr塩とを併用することが最も好ましい。
【0035】この多価金属塩は、対応するNa塩やK塩
の様な一価金属塩とは異なり、典型的に水不溶性または
水難溶性を示す。本発明においてロジン類を懸濁させる
液媒体として水性媒体を用いると、ロジン類の多価金属
塩を含む水懸濁液を容易に形成でき、しかも、環境的や
対人的安全性がより高まるので好ましい。
【0036】ロジン類の多価金属塩は、前記ロジン類
と、多価金属塩等とを接触させる事により得られる。具
体的には、ロジン類のNa塩水溶液またはK塩水溶液
と、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウ
ム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等に代表される無機塩
とを接触させる事により得られる。
【0037】ロジン類と無機塩との接触方法は、特に限
定されないが、ロジン類の多価金属塩を微細な粒子とし
て系内に存在させる事が、例えば顔料水ペーストの様な
ウエット顔料のフラッシング性、乾燥顔料粉末の様なパ
ウダー顔料の分散性を改良する効果が高い。この点か
ら、ロジン類と無機塩との接触は、ロジン類成分が0.
1〜10 質量%の希薄溶液状態、好ましくは、1〜5
質量%の希薄溶液状態で、無機塩と接触させる事が好ま
しく、接触時の混合速度を高めるため、高速攪拌条件下
での接触が特に好ましい。さらに好ましくは、ロジン類
の多価金属塩の懸濁液をビーズミル等の分散機を使用し
て更に微細化させる事が推奨される。
【0038】本発明で用いる前記懸濁液中のロジン類の
多価金属塩の平均粒径は0.01〜10μmである事が
好ましく、さらに好ましくは、0.01〜2μm、最も
好ましくは0.01〜1μmである。本発明で用いる前
記懸濁液を調製するのに、必要であれば、有機溶媒中で
得られたロジン類の多価金属塩を水で希釈して水懸濁液
とする事も可能である。
【0039】ロジン類の多価金属塩の水懸濁液の使用量
は、ロジン類の多価金属塩として、得るべきアゾレーキ
顔料に対して3 質量%〜20 質量%相当量、好ましく
は、4 質量%〜15 質量%相当量、特に好ましくは4
〜9 質量%である。ロジン類の多価金属塩がこの範囲
であると、フラッシュ性の改良効果が大きく、着色力も
大きくなる傾向がある。
【0040】ロジン塩処理アゾレーキ顔料の従来の製造
方法においてロジン塩は、得るべきアゾレーキ顔料の2
5〜45 質量%相当量が用いられる。得るべきアゾレ
ーキ顔料の4〜9 質量%相当量のロジン塩を用いて上
記した好適製造方法により得たロジン塩処理アゾレーキ
顔料は、前者の従来の製造方法によりも、後者の好適製
造方法により得たロジン塩処理アゾレーキ顔料の方が、
ロジン塩の使用量が半分以下であるにもかかわらず、よ
り優れた、透明性と帯電安定性を示す。フラシング工程
を含むトナー製造方法で本発明のトナーを製造する場合
においては、フラッシング時間をより短くすることが出
来る。このフラッシング時間の短縮は、C.I.ピグメ
ントレッド57:1の場合に特に顕著である。
【0041】本発明で用いる、水との接触角が特定範囲
のロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料は、上記好
適製造方法に従って得ることが出来るが、カップラー成
分を含む水溶液(第一液)と、ジアゾニウム塩成分を含
む水溶液(第二液)とを、ロジン類の多価金属塩の懸濁
液(第三液)に注入して、ロジン類の多価金属塩の微粒
子の存在下でカップリング反応させるには、例えば次の
通り実施することが出来る。
【0042】(1)カップラー成分を含む水溶液全量と
ジアゾニウム塩成分を含む水溶液全量とを各々別個に複
数に分割し、分割された個々の両成分の見掛け注入モル
比が一定となる様に、分割された両水溶液を「交互に」
ロジン類の多価金属塩の水懸濁液に注入して両成分全量
をカップリング反応させ、更にレーキ化を行う方法。 (2)カップラー成分を含む水溶液全量とジアゾニウム
塩成分を含む水溶液全量とを、両成分の見掛け注入モル
比が一定となる様に、少しずつ両水溶液を「連続的に」
ロジン類の多価金属塩の水懸濁液に注入して両成分全量
をカップリング反応させ、更にレーキ化を行う方法。
【0043】尚、これらいずれの製造方法においても、
ロジン類の多価金属塩の水懸濁液に予め一部のカップラ
ー成分を含めておいても良い。
【0044】さらに上記(1)及び(2)の各カップリ
ングに関しては、順に、具体的に次の様にして行うこと
が出来る。
【0045】(A)バッチ式攪拌槽内にロジン類の多価
金属塩の懸濁液を入れ、この攪拌下に、カップラー成分
の水溶液とジアゾニウム塩成分の水溶液とを別々の注入
管を通して、交互に供給する方法において、下記、
を交互に繰り返す方法。 カップラー成分の水溶液全量のうちの一部を注入管を
通して供給する操作。 ジアゾニウム塩成分の水溶液全量のうちの一部を注入
管を通して供給する操作。
【0046】(B)バッチ式攪拌槽内にロジン類の多価
金属塩の懸濁液を入れ、この攪拌下に、カップラー成分
の水溶液とジアゾニウム塩成分の水溶液とを別々の注入
管を通して連続的に供給する方法。
【0047】カップラーとジアゾニウム塩とをカップリ
ングさせる事により得られるアゾ染料は、高速撹拌装置
が付いた分散機で混合攪拌すると、アゾ染料同士が凝集
する傾向が若干あるため、上記(A)および(B)の方
法が推奨される。
【0048】なお、上記(A)の方法において、カップ
ラー成分の一部およびジアゾニウム塩成分の一部とは、
バッチ式攪拌機槽内に供給されるべき各水溶液のカップ
ラー成分全量の一部およびジアゾニウム塩成分全量の一
部を意味する。いずれの成分にせよ、その全量を幾つか
に分割した結果である一部は、その分割数が大きくなる
ほど、より好ましい粒子形態を与える寄与が大きくな
る。例えば、中でも、分割された各成分の一部が全量に
対して21 質量%未満の量を意味する場合、最も好ま
しくは全量に対して11 質量%未満の量を意味する場
合、透明性、フラッシング特性、帯電安定性に優れた静
電荷現像用トナーを得る効果がより顕著になる。
【0049】上記いずれの製造方法においても、カップ
ラーとジアゾニウム塩とのカップリング時における仕込
みモル比は、ジアゾニウム塩:カップラー=1:1で良
いが、ややカップラー過剰の範囲、なかでも1:1.0
〜1.2の範囲とするのが好ましい。各水溶液の注入速
度は、カップラーとジアゾニウム塩の仕込みモル比が上
記範囲となる様に調節するのが好ましい。
【0050】また上記いずれの製造方法においても、最
初にロジン類の多価金属塩と接触させるのは、カップラ
ーであることが好ましい。
【0051】染料粒子形成の場となるロジン類の多価金
属塩の懸濁液に、カップラー成分の水溶液とジアゾニウ
ム塩成分の水溶液とを注入してカップリング反応させる
際の各液温度は、いずれも−2℃〜10℃である事が好
ましい。こうして、ロジン類の多価金属塩で処理された
アゾ染料の懸濁液が得られる。
【0052】アゾ染料のレーキ化は、アゾ染料と多価金
属塩とを接触させる事により得られる。多価金属塩とし
ては、ロジン類の多価金属塩を調製する際に用いた無機
塩をいずれも用いることが出来る。多価金属塩は、水溶
液としてレーキ化に用いることが出来る。レーキ化に用
いる多価金属塩の使用量は、アゾ染料1モルに対して二
価金属塩の場合は1〜2モルである。
【0053】レーキ化に用いるロジン類の多価金属塩で
処理されたアゾ染料の懸濁液の液性を、アルカリ性、中
でもpH9〜14、特に好ましくは12.5〜14とす
ることは、系内のアゾ染料のレーキ化の速度を適当なも
のとし、粒子形態を整えながら必要な粒子径の顔料粒子
を得ることが出来るので好ましい。
【0054】こうしてレーキ化により得られた、ロジン
類の多価金属塩処理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液
は、そのままアゾレーキ顔料として使用することも出来
るが、顔料の粒子形態を整えるため、さらに、温度70
〜90℃にて30分〜2時間熟成することが好ましい。
【0055】熟成を行う際に、ロジン類の多価金属塩処
理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液の液性を酸性〜ア
ルカリ性に調製することが出来るが、液性をpH11〜
14で熟成を行うと、前記したのと同様に粒子形態を整
える効果があるので好ましい。この熟成時のアゾ顔料懸
濁液のpHは、レーキ化に用いるロジン類の多価金属塩
で処理されたアゾ染料の懸濁液のpHよりも高くなる様
に調節する事が好ましい。
【0056】上記製造方法に従い、カップリングとレー
キ化とを行うことにより、本発明で用いる水との接触角
が特定範囲のロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料
を容易に得ることが出来る。またこの好適製造方法によ
れば、同時に、球形〜面取りされた立方体に極めて近
い、従来よりも小さい、長さ対幅比が平均で1対1〜2
対1であるアゾレーキ顔料の粒子とすることも出来る。
なかでも、レーキ化に用いるロジン類の多価金属塩で処
理されたアゾ染料の懸濁液の液性、熟成温度、熟成を行
う際の液性を前述範囲において最適化する事により、長
さ対幅比が平均で1対1〜1.8/1であるアゾレーキ
顔料の粒子や、長さ対幅比が平均で1対1〜2対1であ
り、かさ指数が平均で0.8〜1であるアゾレーキ顔料
の粒子が得られる。
【0057】熟成を行ったロジン類の多価金属塩処理さ
れたアゾレーキ顔料を含む懸濁液は、さらに濾過、洗浄
し、圧搾程度を調節することにより、所望の顔料分を含
む顔料水ペーストやスラリーを得ることが出来る。必要
ならば、これらの操作を繰り返して行い精製することも
可能である。
【0058】尚、洗浄に当たっては、中性の冷水〜温
水、弱アルカリ性水または弱酸性水を用いることが出来
る。
【0059】上記で得られる顔料水ペーストは、アゾレ
ーキ顔料と水とを含有するものである。
【0060】上記で得られる顔料水ペースト中のアゾレ
ーキ顔料の量は、顔料水ペーストの取り扱いの簡便さか
ら規定できる。これを静電荷現像用トナーのマスターバ
ッチを調製することを想定して説明すると、顔料水ペー
スト中のアゾレーキ顔料の量が少なく、水が多量に含ま
れていると顔料水ペーストが液状化し、運搬およびフラ
ッシュニーダー等の練肉機械への仕込みが難しくなり好
ましくない。また、顔料水ペースト中のアゾレーキ顔料
の量が多いと、顔料水ペーストが堅くなり、フラッシュ
ニーダー等の負荷がかかる事になるため好ましくない。
【0061】このような理由から、顔料水ペースト中の
アゾレーキ顔料の比率は、顔料水ペーストに対して20
質量%〜60 質量%、好ましくは、25 質量%〜5
0 質量%、最も好ましくは、30 質量%〜40 質量
%である。
【0062】また、圧搾を充分に行った上で、顔料粒子
形態が変化しない様に、湿潤した顔料分を加熱乾燥した
り、懸濁液をスプレードライヤー、フリーズドライヤー
等で、乾燥することにより、パウダー顔料を得ることが
出来る。本発明の製造方法で得られるパウダー顔料は、
水分を全く含まないか水分を2 質量%以下しか含まな
い状態まで乾燥したものである。
【0063】さらに必要ならば、乾燥によってランプ状
となった顔料を解す目的で、解砕や粉砕を行うことも出
来るし、粒子径分布を制御するために分級することも出
来る。
【0064】本発明の静電荷現像用トナーに用いるロジ
ン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製造方法は、そ
の製造プロセスの面から、アゾレーキ顔料の疎水性を高
くする効果があるロジン類の多価金属塩が、反応に用い
る液媒体中で、不溶性または難溶性の微細な粒子として
析出するため、アゾレーキ顔料の表面を効率的に覆う事
ができる。ビヒクル中に分散した場合、ビヒクル中の樹
脂との間で、安定な樹脂吸着層を形成し、フロキュレー
ション構造を取りにくい。結果として、透明性、帯電安
定性に優れた静電荷現像用トナーを与える事になる。ま
た上記したマスターバッチを経由するトナーの製造方法
の場合では、そのフラッシング特性を向上することが出
来る。
【0065】また、アゾレーキ顔料の疎水性を高くする
効果があるロジン類の多価金属塩が、ジアゾカップリン
グ反応直後の凝集状態にないアゾ染料と接触するため、
アゾ染料とロジン類の多価金属塩との分布が均一とな
る。このため、レーキ化工程において、ロジン類の多価
金属塩がアゾレーキ顔料の表面を効率的に覆う事ができ
る。しかも、ロジン類の多価金属塩の大部分がアゾレー
キ顔料に強固に吸着している結果、単なるフリーのロジ
ン類の多価金属塩の粒子の含有率は少なくなるので、結
果的に結着樹脂中に分散した場合、結着樹脂との間で、
安定な樹脂吸着層を形成し、ロジン類の多価金属塩の使
用量を低減することが出来る。しかも、フロキュレーシ
ュ構造を取りにくい。結果として、透明性、帯電安定性
に優れた静電荷現像用トナーを与える事になる。また上
記したマスターバッチを経由するトナーの製造方法の場
合では、そのフラッシング特性を向上することが出来
る。
【0066】また、特定長さ対幅比範囲または特定かさ
指数範囲にあるアゾレーキ顔料は、水との特定接触角と
の相乗効果により、その他の表面処理剤を添加する事な
く、結着樹脂中の顔料分散性をより良くすることができ
るため、水との特定接触角範囲満たす場合よりも透明
性、帯電安定性に優れた静電荷現像用トナーを与える事
になる。
【0067】即ち本発明のアゾレーキ顔料は、その粒子
形態の面から、樹脂と混合した際により顔料分散性の良
好な着色樹脂被膜を得ることができる。より具体的に
は、次の〜の性質を示す顔料粒子形態を有する。
【0068】長さ対幅比が極めて小さく、粒子間で稜
と稜との凝集度が小さく、樹脂中に分散した場合、樹脂
との親和性が高く、フロキュレーション構造を取りにく
い結晶形状である。結果として、結着樹脂中の顔料分散
性を良くすることができるため、透明性、帯電安定性に
優れた静電荷現像用トナーを与える事になる。
【0069】凹凸がない顔料粒子形態である。比表面
積が小さく、ビヒクルの給油量が少なくなる。結果とし
て、透明性、帯電安定性に優れた静電荷現像用トナーを
与える事になる。
【0070】球形〜面取りされた立方体に極めて近い
顔料粒子形態である。ビヒクル中に分散した場合、分散
した微細顔料粒子同士が接触した際、自由な動きを妨げ
ない顔料形状である。結果として、透明性、帯電安定性
に優れた静電荷現像用トナーを与える事になる。
【0071】本発明におけるロジン類の多価金属塩処理
アゾレーキ顔料のトナー中に占める使用量は、特に限定
されないが、結着樹脂成分100 質量部に対して0.
5〜25 質量部の割合で含めることが好ましく、該ロ
ジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料自身の有する帯
電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100質量
部に対し2〜15 質量部であることが更に好ましい。
【0072】なお、本発明においては、以下に例示した
様な有機顔料を混合してしようすることもできる。有機
顔料をカラーインデックスに従い、挙げるとすると次の
通りである。
【0073】不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 1、同3、
同12、同13、同14、同17、同55、同73、同
74、同81、同83、同97、同130、同151、
同152、同154、同156、同165、同166、
同167、同170、同171、同172、同174、
同175、同176、同180、同181、同188、
C.I.Pigment Orange 16、同3
6、同60、C.I.Pigment Red5、同2
2、同31、同112、同146、同150、同17
1、同175、同176、同183、同185、同20
8、同213、C.I.PigmentViolet
43、同44、C.I.Pigment Blue 2
5、同26等が挙げられる。
【0074】縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 93、同9
4、同95、同128、同166、C.I.Pigme
ntOrange 31、C.I.Pigment R
ed 144、同166、同214、同220、同22
1、同242、同248、同262、C.I.Pigm
ent Brown 41、同42等が挙げられる。
【0075】フタロシアニン系化合物顔料としては、例
えばC.I.Pigment Blue 15、15:
1、15:2、15:6、16、C.I.Pigmen
tGreen 7、同36等が挙げられる。
【0076】キナクリドン系化合物顔料としては、例え
ば.I.Pigment Violet 19、同4
2、C.I.Pigment Red 122、同20
2、同206、同207、同209、C.I.Pigm
ent Orange 48、同49等が挙げられる。
【0077】スレン系化合物顔料としては、例えばC.
I.Pigment Blue 60、C.I.Pig
ment Yellow 24、同108、C.I.P
igment Red 168、同177、C.I.P
igment Orange40等が挙げられる。
【0078】ペリレン系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Violet 29、C.
I.Pigment Red 123、同149、同1
78、同179、C.I.Pigment Black
31、同32、C.I.Pigment Orang
e 43等が挙げられる。
【0079】フタロン系化合物顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Yellow 138等が挙
げられる。
【0080】ジオキサジン系化合物顔料としては、例え
ばC.I.Pigment Violet 23、同3
7等が挙げられる。
【0081】イソインドリノン系化合物顔料としては、
例えばC.I.Pigment Yellow 10
9、同110、同173、C.I.Pigment O
range 61等が挙げられる。
【0082】メチン・アゾメチン系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentYellow 13
9、同185、C.I.Pigment Orange
66、C.I.Pigment Brown 38等
が挙げられる。
【0083】ジケトピロロピロール系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentRed 254、同
255、同264、同272、Orange 71、同
73等が挙げられる。
【0084】本発明で用いられる結着樹脂としては、熱
又は圧力の適用下で接着性を示す天然又は合成樹脂、ゴ
ム、ワックス等をいずれも使用することができる。
【0085】本発明において有用な天然樹脂はバルサム
樹脂、ロジン、シエラック、コーバル等であり、これら
の樹脂は後述するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド
樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる一種又はそれ以上
の樹脂で変性されていてもよい。
【0086】また、本発明において有用な合成樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素樹脂、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル
樹脂、又はこれらモノマー類の共重合体、脂肪族又は脂
環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、パラフィンワックス等の公知の樹脂を例示すること
ができ、これらの結着樹脂の二種以上が適宜混合されて
用いられてよいことはいうまでもない。
【0087】また、天然又は合成ゴム物質としては、天
然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ふっ素ゴム、
クロロヒドリンゴム等が例示できる。
【0088】なお、結着樹脂としては、熱定着性を有す
る結着樹脂が好ましく、ポリスチレン、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂の使用が有利である。
【0089】本発明のトナーは上記各成分のほかに必要
に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性等を調整
する目的で各種の可塑剤、抵抗調整剤及び電荷制御剤を
更に添加してもよい。
【0090】可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル等が、抵抗調整剤としては酸化
スズ、酸化鉛、酸化アンチモン等が、荷電制御剤として
は四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、含金属染料等
が夫々挙げられる。
【0091】更に、本発明においてはトナー粒子の製造
後、これにTiO2、Al23、SiO2等の微粉末を添
加してトナーの流動性改良を図ったり、ステアリン酸亜
鉛、フタル酸等を添加して感光体の劣化防止を図っても
良い。TiO2、Al23 、SiO2等の微粉末は、平均
粒径0.02μm以下の微粉末と、平均粒径0.03〜1μmの
微粉末を併用する様にすると、より連続印刷を行った場
合に、長期に亘って良好な画像が得られる。
【0092】本発明のトナーは、特定の製造方法に依ら
ず極めて一般的な製造方法によって得ることができる。
例えば、上記の各成分を押出機、2本ロール、3本ロー
ル又は加熱ニーダー等の混練手段により混合し、冷却
後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機によ
り分級して本発明の目的とするトナーが得られる。ま
た、重合法により本発明の目的とするトナーを得ること
もできる。
【0093】なお、本発明のトナーの粒子径は1〜15
μmが好ましい。
【0094】本発明のトナーを得るには、上記した通
り、特に、顔料化後の水性スラリー又は湯洗後のウェッ
トケーキを結着樹脂とフラッシング法によりマスターバ
ッチとした後、結着樹脂で希釈混合し、冷却後、ジェッ
トミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機により分級する
方法を採用するのが好ましい。
【0095】また、特開平5−113695号公報、特
開2001−92176号公報、特開平10−2218
86号公報、特開平10−239899号公報、特開平
9−297429号公報記載のケミカルトナーとしても
本発明の目的とするトナーが得られる。
【0096】本発明で用いるキャリアとしては、例え
ば、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ、
或いはこれらを芯材とし表面にスチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステ
ル重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノ
マー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹
脂等又はこれらの樹脂の混合物をコーティングしたもの
が使用でき、その粒径は50〜300μmの範囲にある
ものが好ましい。
【0097】本発明のトナーは、静電荷現像用トナー中
に磁性体を含有しない非磁性一成分カラートナー(非磁
性一成分現像用カラートナー)又はキャリアと混合した
二成分カラートナー(二成分現像用カラートナー)とし
て用いることができる。
【0098】二成分現像用カラートナーは、上記キャリ
ア粒子と本発明の静電荷現像用トナーとを水平円筒形、
V形等の容器回転型混合機で摩砕混合することによって
得ることができる。
【0099】また、キャリアと静電荷現像用トナーとの
混合比は適切な画像濃度を得るために通常、キャリア1
00 質量部に対して静電荷現像用トナー2〜10 質量
部の範囲で使用できるが、好ましくは3〜6 質量部の
範囲である。
【0100】こうして得られた本発明のトナーは、被記
録媒体上に画像を形成させるために用いられる。被記録
媒体としては、例えば紙、合成樹脂フィルム、金属箔等
が挙げられる。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。以下、特に断りがない限り、「部」は質量部、
「%」は質量%とする。
【0102】製造例1 4−アミノトルエン−3−スルホン酸200部と2−ア
ミノナフタレン−5−スルホン酸2.01部とを水10
00部に分散後、20%塩酸226.4部を加え、氷を
加えて、0℃に保ちながら40%亜硝酸ソーダ水溶液1
89.6部を滴下した。冷水を添加する事により液量を
4000部に調整し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。
【0103】不均化ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロ
ジンとしての純分25%)145.5部(アゾレーキ顔
料に対し約8 質量%相当量)を水2000部に添加し
た。攪拌状態にある不均化ロジンのカリウム塩の希釈液
に、塩化カルシウム(純分72%)9.30部を含む水
溶液を添加し、不均化ロジンのカルシウム塩を含有する
懸濁液を得た。この塩の平均粒径は、8μmであった。
(懸濁液A)
【0104】2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸210.
2部を60℃の温水1600部に分散後、25%苛性ソ
ーダ水溶液400部を加えてカップラー溶液を得た。冷
水を添加することにより液量を3000部に調整し、カ
ップラー溶液を得た。
【0105】冷水を加えて0℃以下とした不均化ロジン
のカルシウム塩を含有する懸濁液(懸濁液A)を攪拌
し、この中に、カップラー溶液およびジアゾニウム塩懸
濁液を別途の配管より同時に供給した。なお、カップラ
ー溶液は50部/分の供給速度で、ジアゾニウム塩懸濁
液は62部/分の供給速度で供給した。カップラー溶液
を全量供給した後は、ジアゾニウム塩懸濁液のみを供給
した。
【0106】カップラー溶液およびジアゾニウム塩懸濁
液を全量供給後、0〜3℃で60分間攪拌した。この中
に苛性ソーダを加えてpHを13.2に調整した後、塩
化カルシウム(純分72%)232部を含む水溶液を添
加し、60分攪拌した。攪拌後、30℃で60分間加熱
しつつ攪拌し、不均化ロジンのカルシウム塩処理された
カルシウム(以下、Ca)レーキアゾ顔料(C.I.ピ
グメントレッド57:1)の水中懸濁液を得た。その
後、85℃まで加熱し、60分攪拌した。濾過、水洗
後、圧搾し、含水率63%の顔料水ペースト1を得た。
【0107】製造例2 実施例1と同様のジアゾニウム塩懸濁液(液量4000
部)と、不均化ロジンのカルシウム塩の懸濁液Aと、カ
ップラー溶液(液量3000部)を得た。冷水を加えて
0℃以下とした不均化ロジンのカルシウム塩を含有する
懸濁液(懸濁液A)を攪拌し、この中に、カップラー溶
液の一部とジアゾニウム塩懸濁液の一部とを交互に添加
した。
【0108】具体的操作方法としては、 300部のカップラー溶液を、ロジンの水難溶性金属
塩を含有する懸濁液(懸濁液A)に添加する。 370部のジアゾニウム塩懸濁液を、ロジンの水難溶
性金属塩を含有する懸濁液(懸濁液A)に添加する。 上記およびの操作を繰り返し、カップラー溶液が全
量添加し終わった後は、残りのジアゾニウム塩懸濁液を
ロジンの水難溶性金属塩を含有する懸濁液(懸濁液A)
に添加する。
【0109】カップラー溶液およびジアゾニウム塩懸濁
液を全量供給後、0〜3℃で60分間攪拌した。この中
に苛性ソーダを加えてpHを13.2に調整した後、塩
化カルシウム(純分35%)333部を含む水溶液と塩
化ストロンチウム(純分25%)286部を含む水溶液
を添加し、60分攪拌した。
【0110】攪拌後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌
し、カルシウム及びストロンチウムレーキアゾ顔料
(C.I.ピグメントレッド57:1)の水中懸濁液を
得た。その後、85℃まで加熱し、60分攪拌した。
【0111】濾過、水洗後、圧搾し、不均化ロジンのカ
ルシウム塩処理されたCa+30%Srレーキアゾ顔料
(C.I.ピグメントレッド57:1)の含水率64%
の顔料水ペースト2を得た。
【0112】比較参考用製造例3 4−アミノトルエン−3−スルホン酸200部と2−ア
ミノナフタレン−5−スルホン酸2.01部とを水10
00部に分散後、20%塩酸226.4部を加え、氷を
加えて、0℃に保ちながら40%亜硝酸ソーダ水溶液1
89.6部を滴下した。冷水を添加する事により液量を
4000部に調整し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。
【0113】2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸210.
2部を60℃の温水1600部に分散後、25%苛性ソ
ーダ水溶液400部を加えてカップラー溶液を得た。冷
水を添加することにより液量を5000部に調整し、カ
ップラー溶液を得た。
【0114】冷水を加えて0℃以下としたカップラー溶
液を攪拌し、この中に、ジアゾニウム塩懸濁液を62部
/分の供給速度で供給した。
【0115】ジアゾニウム塩懸濁液を全量供給後、0〜
3℃で60分間攪拌した。得られた染料懸濁液に、不均
化ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロジンとしての純分
25%)545.6部(アゾレーキ顔料に対し約30
質量%相当量)を添加して30分攪拌した。苛性ソーダ
を加えてpHを13.2に調整した後、塩化カルシウム
(純分72%)241.3部を含む水溶液を添加し、6
0分攪拌した。
【0116】攪拌後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌
し、不均化ロジンのカリウム塩処理されたCaレーキア
ゾ顔料(C.I.ピグメントレッド57:1)の水中懸
濁液を得た。その後、85℃まで加熱し、60分攪拌し
た。濾過、水洗後、圧搾し、含水率67%の顔料水ペー
スト3を得た。
【0117】比較参考用製造例4 4−アミノトルエン−3−スルホン酸200部と2−ア
ミノナフタレン−5−スルホン酸2.01部とを水10
00部に分散後、20%塩酸226.4部を加え、氷を
加えて、0℃に保ちながら40%亜硝酸ソーダ水溶液1
89.6部を滴下した。冷水を添加する事により液量を
4000部に調整し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。
【0118】2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸210.
2部を60℃の温水1600部に分散後、25%苛性ソ
ーダ水溶液400部を加えてカップラー溶液を得た。こ
の中に、不均化ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロジン
としての純分25%)725部(アゾレーキ顔料に対し
約40 質量%相当量)を添加した後、冷水を添加する
ことにより液量を5000部に調整し、カップラー溶液
を得た。
【0119】冷水を加えて0℃以下としたカップラー溶
液を攪拌し、この中に、ジアゾニウム塩懸濁液を62部
/分の供給速度で供給した。
【0120】ジアゾニウム塩懸濁液を全量供給後、0〜
3℃で60分間攪拌した。得られた染料懸濁液に、苛性
ソーダを加えてpHを13.2に調整した後、塩化カル
シウム(純分72%)241.3部を含む水溶液を添加
し、60分攪拌した。
【0121】攪拌後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌
し、不均化ロジンのカリウム塩処理されたCaレーキア
ゾ顔料(C.I.ピグメントレッド57:1)の水中懸
濁液を得た。その後、85℃まで加熱し、60分攪拌し
た。濾過、水洗後、圧搾し、含水率67%の顔料水ペー
スト4を得た。
【0122】比較参考用製造例5 4−アミノトルエン−3−スルホン酸200部と2−ア
ミノナフタレン−5−スルホン酸2.01部とを水10
00部に分散後、20%塩酸226.4部を加え、氷を
加えて、0℃に保ちながら40%亜硝酸ソーダ水溶液1
89.6部を滴下した。この中に塩化カルシウム(純分
72%)241.3部を含む水溶液を添加した。冷水を
添加する事により液量を4000部に調整し、ジアゾニ
ウム塩懸濁液を得た。
【0123】2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸210.
2部を60℃の温水1600部に分散後、25%苛性ソ
ーダ水溶液400部を加えてカップラー溶液を得た。こ
の中に、不均化ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロジン
としての純分25%)725部(アゾレーキ顔料に対し
約40 質量%相当量)を添加した後、冷水を添加する
ことにより液量を5000部に調整し、カップラー溶液
を得た。
【0124】冷水を加えて0℃以下としたカップラー溶
液を攪拌し、この中に、ジアゾニウム塩懸濁液を62部
/分の供給速度で供給し、カップリング反応とレーキ化
反応を同時に終了させた。ジアゾニウム塩懸濁液を全量
供給後、0〜3℃で60分間攪拌した。苛性を加えてp
Hを13.2に調整した。
【0125】攪拌後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌
し、不均化ロジンのカルシウム塩処理されたCaレーキ
アゾ顔料(C.I.ピグメントレッド57:1)の水中
懸濁液を得た。その後、85℃まで加熱し、60分攪拌
した。
【0126】濾過、水洗後、圧搾し、不均化ロジンのカ
ルシウム塩処理されたCaレーキアゾ顔料(C.I.ピ
グメントレッド57:1)の含水率65%の顔料水ペー
スト5を得た。
【0127】(水との接触角の測定試験)実施例1、
2、比較参考用製造例3、4、5で得られた顔料水ペー
ストを乾燥、粉砕し、日本分光製φ20mm錠剤成型器
とφ20mmの鏡面板と20t油圧プレスを用い、φ2
0mmの鏡面板の間に粉末顔料を入れ、これを錠剤成型
器に入れ、400kg重/cm(39226.6×1
Pa)で5分間加重することで平板試料(顔料ペレ
ット)を作成する。協和界面科学株式会社製FACE自
動接触角計CA−Z型を用い、平板試料(顔料ペレッ
ト)上に脱イオン水を滴下し、液滴法で顔料に対する水
の接触角を測定した。
【0128】(顔料粒子形態の測定試験)実施例1、
2、比較参考用製造例3、4、5で得られた顔料水ペー
ストに、アデカコールEC−4500(旭電化工業株式
会社製:ジオクチルスルフォサクシネート塩を主成分)
とトルエンとを加え、超音波分散機にて微分散させた。
この液について透過型電子顕微鏡を使用して、拡大倍率
60000倍での二次元視野内の粒子形態を観察した。
【0129】(長さ対幅比の測定法)透過型電子顕微鏡
を使用して観察される二次元視野内の20個以上の各粒
子について長さと幅を計測し、粒子毎に長さを幅で除し
た数値(長さ/幅)を求めた。この数値の平均値を求
め、長さ対幅比の平均とした。なお、粒子の幅とは二次
元視野内に投影される粒子について、輪郭に接する二つ
の平行線間の最小距離であり、短径と同意語である。長
さとは二次元視野内に投影される粒子について、輪郭に
接する二つの平行線で、幅(短径)に直角方向の最大距
離であり、長径と同意語である。
【0130】(かさ指数の測定法)透過型電子顕微鏡を
使用して観察される二次元視野内の20個以上の各粒子
について、二次元視野内に投影される粒子の面積と最小
外接矩形面積を計測し、粒子毎に二次元視野内に投影さ
れる粒子の面積を最小外接矩形面積で除した数値を求め
た。この数値の平均値を求め、かさ指数の平均とした。
【0131】製造例1、2、比較参考用製造例3、4、
5で得られた顔料水ペーストの顔料粒子性状及び形態を
表1に示す。なお、表中の長さ対幅比は、幅を1とした
数値を示した(以下同様)。
【0132】
【表1】表1
【0133】実施例1 スチレン−アクリル酸共重合体(ハイマーSBM10
0、三洋化成工業株式会社製)150部と、90℃での
乾燥固形分100部相当の製造例1のC.I.ピグメン
トレッド57:1の顔料水ペースト1を3Lフラッシャ
ーに仕込み、3Lラッシャーを稼働し、85℃でフラッ
シングを行った。
【0134】顔料水ペーストを3Lニーダーに仕込み、
3Lニーダーを稼働し始めてから、顔料水ペースト中よ
り透明なフラッシング排水が遊離するまでの時間をフラ
ッシング時間として記録した。このフラッシング時間が
短い顔料水ペーストをフラッシング性が優れた顔料水ペ
ーストであると判定する。フラッシング時間は45分で
あった。
【0135】生じたフラッシング排水を除去した後、1
20℃、70mmHgで1時間の減圧加熱脱水を実施し
た。室温まで冷却後、をニーダー内で破砕して顔料分4
0%のマスターバッチ(a)を取り出した。
【0136】スチレン−アクリル酸共重合体(ハイマー
SBM100、三洋化成工業株式会社製)87.5部及
び上記顔料分40%のマスターバッチ(a)12.5部
を押出機で混練後、粉砕分級して平均粒子径10μmの
トナーを得、次いでこのトナー100部に対して疎水性
シリカを1.0部混合した。
【0137】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて市販の乾式普通紙複写機で現像を
行ったところ、複写5000枚目でも地肌カブリのない
鮮明なマゼンタ画像が得られた。また、OHPシートに
現像し透明性を評価したところ、650nmの光の透過
率が90%であり良好であった。更に、市販複写機を高
温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で画
像評価を行ったところ、地肌カブリのない鮮明なマゼン
タ画像が得られた。
【0138】次に、C.I.ピグメント イエロー 1
7を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーと組み合わ
せて現像を行ったところ鮮明な赤色が再現された。又、
C.I.ピグメントブルー 15:3を使用したシアン
色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合わせ現像を行っ
たところ鮮明な紫色が得られた。更に、C.I.ピグメ
ント イエロー 17を使用した黄色疎水性シリカ含有
のトナーとC.I.ピグメントブルー 15:3を使用
したシアン色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合わせ
現像を行ったところ、原稿の黒に相当する部分が純黒色
に再現された。
【0139】実施例2 製造例1で製造したC.I.ピグメントレッド57:1
の顔料ペースト1の代わりに製造例2の顔料ペースト2
を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径10μ
mの疎水性シリカ含有のトナーを得た。なお、フラッシ
ング時間は40分であった。
【0140】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて市販の乾式普通紙複写機で現像を
行ったところ、複写5000枚目でも地肌カブリのない
鮮明なマゼンタ画像が得られた。また、OHPシートに
現像し透明性を評価したところ、650nmの光の透過
率が93%であり良好であった。更に、市販複写機を高
温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で画
像評価を行ったところ、地肌カブリのない鮮明なマゼン
タ画像が得られた。
【0141】次に、C.I.ピグメント イエロー 1
7を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーと組み合わ
せて現像を行ったところ鮮明な赤色が再現された。又、
C.I.ピグメントブルー 15:3を使用したシアン
色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合わせ現像を行っ
たところ鮮明な紫色が得られた。更に、C.I.ピグメ
ント イエロー 17を使用した黄色疎水性シリカ含有
のトナーとC.I.ピグメントブルー 15:3を使用
したシアン色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合わせ
現像を行ったところ、原稿の黒に相当する部分が純黒色
に再現された。
【0142】比較例1 製造例1で製造したC.I.ピグメントレッド57:1
の顔料ペースト1の代わりに比較製造例3の顔料ペース
ト3を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径1
0μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。なお、フラ
ッシング時間は60分であった。
【0143】この疎水性シリカ含有のトナーとフェライ
トキャリアーを用いて市販の乾式普通紙複写機で現像を
行ったところ、複写5000枚目でも地肌カブリがある
不鮮明なマゼンタ画像が得られた。また、OHPシート
に現像し透明性を評価したところ、650nmの光の透
過率が85%であり不良であった。更に、市販複写機を
高温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で
画像評価を行ったところ、地肌カブリがある不鮮明なマ
ゼンタ画像が得られた。
【0144】また、C.I.ピグメント イエロー 1
7を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとの組み合
わせ、C.I.ピグメント ブルー 15:3を使用し
た疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わ
せ、及びC.I.ピグメントイエロー 17を使用した
疎水性シリカ含有の黄色トナーとC.I.ピグメントブ
ルー 15:3を使用した疎水性シリカ含有のシアン色
トナーとを組み合わせでそれぞれ現像を行ったが、何れ
も鮮明でない緑色、紫色及び黒色となり再現性の悪いも
のであった。
【0145】比較例2 製造例1で製造したC.I.ピグメントレッド57:1
の顔料ペースト1の代わりに比較製造例4の顔料ペース
ト4を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径1
0μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。評価は比較
例1と同様に行った。
【0146】比較例3 製造例1で製造したC.I.ピグメントレッド57:1
の顔料ペースト1の代わりに比較製造例5の顔料ペース
ト5を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径1
0μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。評価は比較
例1と同様に行った。
【0147】実施例1、2、比較例1、2、3のフラッ
シング時間、650nmの光の透過率、複写5000枚
目の画像、高温高湿での画像の結果を表2に示す。
【0148】
【表2】表2
【0149】表2に示した結果から、各実施例で得たト
ナーは、比較例のトナーに比べて、マスターバッチ製造
時のフラッシング時間が短くフラッシング特性が良好で
ある。その結果、トナー生産性も向上していることがわ
かる。
【0150】また、画像の650nmの光の透過率が高
く透明性も良好である。また、複写5000枚目の画像
にカブリが無く、高温高湿での画像にもカブリ無く、帯
電安定性も良好であることが明らかである。更に、各実
施例で得たトナーは、C.I.ピグメント イエロー
17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとの組み
合わせ、C.I.ピグメント ブルー 15:3を使用
した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わ
せ、及びC.I.ピグメント イエロー 17を使用し
た疎水性シリカ含有の黄色トナーとC.I.ピグメント
ブルー 15:3を使用した疎水性シリカ含有のシア
ン色トナーとを組み合わせでそれぞれ現像を行ったとこ
ろ、何れも比較例のトナーに比べて、鮮明な緑色、紫色
及び黒色であり、色再現性に優れていた。
【0151】従来の製造方法で得たロジン類の多価金属
塩処理アゾレーキ顔料ではロジン類の使用量が同一で比
較的少ない場合には、顔料と水との接触角は低くなり、
着色画像の透明性が低く、フラッシング時間も長くな
る。
【0152】比較例1〜3にある様に、これを改良する
ために従来の製造方法においてロジン類の使用量だけを
増した場合には、顔料と水との接触角は比較的高くな
り、着色画像の透明性がより向上すると共にフラッシン
グ時間もより短縮されるが、それでも本発明の顔料ので
規定する接触角にまで至らず、透明性も不充分である。
また、帯電安定性も不充分であり、多数枚現像時や高温
高湿現像時の画像に欠陥が見られる様になる。
【0153】
【発明の効果】本発明の静電荷現像用トナーは、用いる
ロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料における接触
角が85°〜110°と特定範囲であるので、従来のア
ゾレーキ顔料を用いた場合よりも、顔料分散性が良好と
なり、透明性、帯電安定性も良好になる。
【0154】更に透明性に非常に優れるため、鮮明なマ
ゼンタ色画像が得られ、しかも黄色トナー、シアン色ト
ナーとの組み合わせて使用した場合、色再現性に優れる
という格別顕著な効果を奏する。
【0155】また、特定接触角範囲のロジン類の多価金
属塩処理アゾレーキ顔料を用いた静電荷現像用トナーの
製造方法として、予めトナーの調製に用いる結着樹脂ま
たはこの結着樹脂との相溶性に優れる樹脂の一部と、ア
ゾレーキ顔料の顔料水ペースト(含水顔料)とをフラシ
ングして、フラッシング排水を除去して減圧加熱脱水
後、破砕して、顔料が高濃度のマスターバッチを調製し
てから、それを結着樹脂の残部と混合し希釈分散して所
定顔料濃度の静電荷現像用トナーを製造する方法を採用
する場合には、上記した顔料分散性を更に向上させるこ
とができ、結果的に得られたトナーは、更に優れた透明
性と帯電安定性を兼備するものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 隆 茨城県鹿嶋市宮中4477−1 Fターム(参考) 2H005 AA21 CA21 EA05 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂とロジン類の多価金属塩処理ア
    ゾレーキ顔料とを必須成分として用いた静電荷現像用ト
    ナーにおいて、前記ロジン類の多価金属塩処理アゾレー
    キ顔料として、水との接触角が85°〜110°の範囲
    にあるロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料を用い
    たことを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 【請求項2】 ロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔
    料が、長さ対幅比の平均が1対1〜2対1であるロジン
    類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料である請求項1記載
    の静電荷現像用トナー。
  3. 【請求項3】 ロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔
    料が、かさ指数の平均で0.8〜1であるロジン類の多
    価金属塩処理アゾレーキ顔料である請求項1または2記
    載の静電荷現像用トナー。
  4. 【請求項4】 ロジン類の多価金属塩が、ロジン類のカ
    ルシウム、ストロンチウム塩である請求項1、2または
    3のいずれか記載の静電荷現像用トナー。
  5. 【請求項5】 ロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔
    料が、ロジン類の多価金属塩処理されたC.I.Pig
    ment Red 57:1である請求項1、2、3ま
    たは4いずれか記載の静電荷現像用トナー。
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