JP2003121351A - 食肉の鮮度判定方法 - Google Patents

食肉の鮮度判定方法

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JP2003121351A
JP2003121351A JP2001311912A JP2001311912A JP2003121351A JP 2003121351 A JP2003121351 A JP 2003121351A JP 2001311912 A JP2001311912 A JP 2001311912A JP 2001311912 A JP2001311912 A JP 2001311912A JP 2003121351 A JP2003121351 A JP 2003121351A
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Japan
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wavelength
log
calibration curve
meat
freshness
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JP2001311912A
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English (en)
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Mitsuru Mitsumoto
充 三津本
Keisuke Sasaki
啓介 佐々木
Hitoshi Murakami
斉 村上
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National Agricultural Research Organization
Original Assignee
National Agricultural Research Organization
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食肉の鮮度の指標である赤色度、退色割合、
脂質酸化度を非破壊的に短時間で測定する方法を提供す
る。 【解決手段】 保存中の牛肉の透過反射率を測定して波
長620±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
微分値X、波長744±2nmにおけるlog(1/透過
反射率)の2次微分値X、波長590±2nmにおけ
るlog(1/透過反射率)の2次微分値Xを求め、次の
検量線によって得られる赤色度Yに基づいて保存中の牛
肉の鮮度を判定する。 Y=K+K+K+K (K=2.55〜7.47、K=77.30〜9
8.96、K=303.10〜513.63、K
42.72〜52.93)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食肉(牛肉、豚
肉、鶏肉)の流通、小売り段階において重要な形質であ
る退色・変色度や脂質酸化度を非破壊で短時間かつ正確
に測定できるようにし、食肉の鮮度を簡易に判定する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食肉は冷蔵庫に保存していても、時間の
経過とともに肉色は退色し、脂質は酸化して酸化臭を発
する。保存中の食肉の鮮度は、現在は視覚あるいは嗅覚
で判定されており、より科学的な評価法が求められてい
る。肉色を表す明度(L*)、赤色度(a*)、黄色度
(b*)の形質の中で、保存中の変化が最も大きいのは
赤色度である。保存期間中に赤色度は黄色度に比べて大
きく低下し、また明度はほとんど変化しない。そこで赤
色度は、メトミオグロビン形成割合や脂質酸化度と同様
に、食肉の鮮度を表す良い指標であると言える。
【0003】消費者は牛肉表面のメトミオグロビン形成
割合が30〜40%になると購入しなくなると報告され
ている(Greene, B. E., Hsin, I. and Zipser, M. W.
(1971) J. Food. Sci. 36: 940-942.)。一般の食味評
価者が肉の酸化臭を検出できるのはTBARS値が0.
6〜2.0mgMDA/kg肉の範囲であり(Greene,
B. E. and Cumuze, T. H. (1981) J. Food Sci. 47: 52
-54, 58.)、また経験を積んだ食味評価者ではTBAR
S値が0.5〜1.0mgMDA/kg肉の範囲で酸化
臭を検出できると報告されている(Tarladgis, B. G.,
Watts, B. M.,Younathan, M. T. and Dugan, L. (1960)
J. Amer. Oil Chem. Soc. 37: 44-48.)。さらに、消
費者はTBARS値が約0.5mgMDA/kg肉以下
では酸化臭を検出できないと報告されている(Gray, J.
I. and Pearson, A. M. (1987)in Advances in Meat R
esearch, Vol. 3., Restructured meat and poultry pr
oducts, Ed by A. M. Pearson and T. R. Dutson. Van
Nostrand Reinhold Co, New York, p. 221.)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】脂質酸化の客観的な測
定は、食肉の試薬との混和、粉砕、濾過、反応時間、分
光光度計による測定等の処理を必要とし、かつ時間がか
かり過ぎる。食肉の流通・販売現場では多くの食肉を検
査するため、非破壊で短時間かつ正確に鮮度を判定でき
ることが必要である。
【0005】肉色とメトミオグロビン形成割合の測定に
は高精度な分光光度計と積分球の検出器による分析が必
要である。また、脂質酸化度の分析には劇薬のトリクロ
ロ酢酸(20%、50mL)を用いて食肉(20.0
g)を破砕して一定量(100mL)にメスアップし、
濾過後、濾液を別の試薬(テトラエトキシプロパン)と
長時間(16時間)暗所で反応させ、分光光度計で53
2nmにおける吸光度を測定し、同時に標準試料で検量
線を作成して脂質の酸化を表す2−チオバルビツール酸
反応物質(TBARS)値を求める必要がある。
【0006】一方、近赤外光(約700〜2500nm
の波長領域)を物質に当てると、物質構造(官能基)固
有の振動バンドから成る吸収スペクトルが得られる。こ
の性質を利用して、吸収スペクトルと物質の理化学組成
とを回帰式により関連付けることができる。近年、コン
ピュータによるスペクトルデータの高速処理化とともに
近赤外分光分析計が発達し、食品や飼料の成分を迅速か
つ非破壊的に分析できるようになった(Osborne and Fe
arn、1986)。本発明者らは、本発明の前の試験として、
牛枝肉切開面の胸最長筋の透過反射率を測定し、検量線
によって得られる脂肪含量に基づいて品質格付けするこ
とを特徴とする牛枝肉の品質格付け方法を開発した(特
許第3060059号)。そこで、本発明では、食肉の
鮮度の指標である赤色度、退色割合、脂質酸化度を非破
壊的に短時間(約10秒)で測定する方法を開発、提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】保存中の多くの食肉(牛
肉、豚肉、鶏肉)について400〜1100nmにおけ
る透過反射率を近赤外分光分析計で測定し、log(1/透
過反射率)として記録し、カット肉の持つ不均一な影響
を軽減するためにその対数変換値を2次微分した。赤外
分光分析計で測定した部位について、保存中における食
肉の鮮度の変化を最も良く表す赤色度(a*)、メトミ
オグロビン形成割合、脂質酸化度(2−チオバルビツー
ル酸反応物質:TBARS)を実験室で常法により分析
した。重回帰式を用いて近赤外分光値から食肉の赤色
度、メトミオグロビン形成割合、脂質酸化度を最も良く
表す検量線を作成して、流通や小売り段階で種々の食肉
の鮮度が非破壊で短時間に測定できるようにした。
【0008】本発明による食肉の鮮度判定方法は、保存
中の牛肉の透過反射率を測定して波長620±2nmに
おけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X1、波長7
44±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分
値X2、波長590±2nmにおけるlog(1/透過反射
率)の2次微分値X3を求め、次の検量線によって得ら
れる赤色度Yに基づいて保存中の牛肉の鮮度を判定する
ことを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=2.55〜7.47、K1=77.30〜9
8.96、K2=303.10〜513.63、K3=
42.72〜52.93)
【0009】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の牛肉の透過反射率を測定して波長624
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長1020±2nmにおけるlog(1/透過反射
率)の2次微分値X2を求め、次の検量線によって得ら
れるメトミオグロビン形成割合Yに基づいて保存中の牛
肉の鮮度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2 (K0=42.24〜77.33、K1=−225.7
9〜−218.18、K2=676.81〜1673.
07)
【0010】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の牛肉の透過反射率を測定して波長620
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長978±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長722±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線に
よって得られる脂質酸化度(TBARS)Yに基づいて
保存中の牛肉の鮮度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=2.40〜2.90、K1=−9.78〜−
8.99、K2=−17.77〜−16.42、K3=
−53.52〜−30.78)
【0011】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の豚肉の透過反射率を測定して波長588
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長688±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長556±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線に
よって得られる赤色度Yに基づいて保存中の豚肉の鮮度
を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=−1.77〜−0.44、K1=−35.67
〜−26.95、K2=40.51〜46.07、K3
=−16.59〜−15.57)
【0012】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の豚肉の透過反射率を測定して波長616
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長694±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長744±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線に
よって得られるメトミオグロビン形成割合Yに基づいて
保存中の豚肉の鮮度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=51.28〜61.10、K1=−204.2
2〜−191.43、K2=381.67〜445.5
5、K3=613.28〜1901.96)
【0013】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の豚肉の透過反射率を測定して波長604
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長934±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長480±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3、波長748±2nm
におけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X4を求
め、次の検量線によって得られる脂質酸化度(TBAR
S)Yに基づいて保存中の豚肉の鮮度を判定することを
特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3+K4X4 (K0=1.05〜1.21、K1=−2.53〜−
2.31、K2=−6.41〜−3.95、K3=−
0.42〜−0.11、K4=10.04〜19.8
5)
【0014】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波長576
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長462±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長1018±2nmにおけるlog
(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線
によって得られる赤色度Yに基づいて保存中の鶏肉の鮮
度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=3.87〜4.73、K1=−31.48〜−
18.47、K2=−14.70〜−12.43、K3
=167.13〜395.84)
【0015】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波長618
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長998±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長832±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線に
よって得られるメトミオグロビン形成割合Yに基づいて
保存中の鶏肉の鮮度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=30.31〜38.76、K1=−343.0
8〜−278.65、K2=−1065.73〜−89
5.98、K3=−5067.40〜−3753.5
0)
【0016】本発明による食肉の鮮度判定方法の他の態
様は、保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波長626
±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
1、波長552±2nmにおけるlog(1/透過反射率)
の2次微分値X2、波長832±2nmにおけるlog(1
/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の検量線に
よって得られる脂質酸化度(TBARS)Yに基づいて
保存中の鶏肉の鮮度を判定することを特徴とする。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=−1.43〜0.29、K1=−22.34〜
−17.11、K2=−15.55〜−9.53、K3
=392.02〜456.21)
【0017】本発明で用いた牛肉試料から赤色度(a
*)とメトミオグロビン形成割合との関係式(a*=−
0.1924×メトミオグロビン形成割合+21.89
6)および、赤色度(a*)とTBARS値との関係式
(a*=−4.2276×TBARS+18.948
6)を求めた。牛肉の?退色割合の基準値である30%
のメトミオグロビン形成割合を前者の式に代入するとa
*は16.1になり、?脂質酸化の基準値である0.6
mgMDA/kg肉のTBARSを後者の式に代入する
とa*は16.4となる。これらの関係式より牛肉の赤
色度(a*)が16より低くなると消費者は購入しなく
なると推定した。
【0018】また、本発明で用いた豚肉試料から赤色度
(a*)とTBARS値との関係式(a*=−3.15
08×TBARS+ 7.4327)および、メトミオグ
ロビン形成割合とTBARS値との関係式(メトミオグ
ロビン形成割合=54.791×TBARS+28.2
25)を求めた。これらの関係式に脂質酸化の基準値で
ある0.6mgMDA/kg肉のTBARSを代入する
とa*は5.5となり、メトミオグロビン形成割合は6
1.1%となる。これらの関係式より、豚肉の赤色度
(a*)が6より低くなると消費者は購入しなくなり、
また豚肉のメトミオグロビン形成割合が60%より高く
なると消費者は購入しなくなると推定した。
【0019】さらに、本発明で用いた鶏肉試料から赤色
度(a*)とTBARS値との関係式(a*=−0.9
33×TBARS+ 3.7368)および、メトミオグ
ロビン形成割合とTBARS値との関係式(メトミオグ
ロビン形成割合=6.6561×TBARS+48.2
99)を求めた。これらの関係式に脂質酸化の基準値で
ある0.6mgMDA/kg肉のTBARSを代入する
とa*は3.2となり、メトミオグロビン形成割合は5
2.3%となる。これらの関係式より、鶏肉の赤色度
(a*)が3より低くなると消費者は購入しなくなり、
また鶏肉のメトミオグロビン形成割合が50%より高く
なると消費者は購入しなくなると推定した。
【0020】そこで、消費者が食肉を購入しなくなると
される上述の基準値、すなわち牛肉においては赤色度
(a*)は16、メトミオグロビン形成割合は30%、
TBARS値は0.6mgMDA/kg肉の基準を当て
はめることにより、豚肉においては赤色度(a*)は
6、メトミオグロビン形成割合は60%、TBARS値
は0.6mgMDA/kg肉の基準を当てはめることに
より、鶏肉においては赤色度(a*)は3、メトミオグ
ロビン形成割合は50%、TBARS値は0.6mgM
DA/kg肉の基準を当てはめることにより、各食肉の
赤色度の変化と肉色素の酸化および脂質酸化度を判定す
ることができる。従って、本実施例の方法で食肉の赤色
度、メトミオグロビン形成割合、脂質酸化度を測定する
ことにより、流通や小売り段階で種々の食肉の鮮度(あ
る食肉が販売に適しているか、あるいは適していない
か)を非破壊で短時間に判定できるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の内
容を詳細に説明する。
【0022】材料には黒毛和種去勢牛6頭の半腱様筋と
胸最長筋、LWD交雑肥育豚12頭の大腿二頭筋と胸最
長筋、およびブロイラー24羽の浅胸筋を用いた。各筋
肉から厚さ1cm直径約5cmのステーキサンプル(2
0.0g)を作成した。サンプルを各々プラスチック秤
量皿に入れ、酸素透過性のポリ塩化ビニールで覆い、通
常の食肉販売店の展示条件を模して蛍光灯下4℃で保存
した(以下この保存状態を展示という)。近赤外分光分
析計(NIRSystems 5500)に肉断面測定用光ファイバー
を取り付けて、牛肉と豚肉は展示1、4、7、10日後
の、鶏肉は展示4日後のサンプルを10回スキャンし
(約10秒)、400〜1100nmにおける透過反射
率(Re)を測定し、log(1/Re)として記録した。
測定した部位の肉色の赤色度(a*)と肉色素の酸化を
表す茶褐色のメトミオグロビン形成割合および脂質の酸
化を表す2−チオバルビツール酸反応物質(TBAR
S)値を分析した。
【0023】カット肉の持つ不均一な影響を軽減するた
めに、その対数変換値(log(1/Re))を2次微分し
た。下記の重回帰式を用いて近赤外分光値から赤色度、
メトミオグロビン形成割合、脂質酸化度を最も良く表す
検量線を作成した。その手順として、まず、波長の変動
に対して単相関係数あるいは重相関係数が安定している
波長領域で、かつ係数(Kn)も安定している波長を探
し、形質に帰属する波長を求め、検量線に説明変数(波
長数)を取り込み過ぎてオーバーフィッティング(過剰
適合)にならないように最大4波長を各形質の検量線モ
デルとして選択した。次に、各検量線モデルの精度評価
を交差確認法により行った。そして、検量線モデルの重
相関係数の増加と交差確認法による予測標準誤差の減少
とを比較・検討し、最少の説明変数(波長数)でもって
最も精度の良い検量線を決定した。
【0024】 Y=K0+K1(X1)+…+Kn(Xn) ただし、Y:食肉の赤色度、メトミオグロビン形成割合
あるいは脂質酸化度 K0〜Kn:検量線の係数 X1〜Xn:各波長におけるlog(1/Re)の2次微分
値 (n:1から最大4まで) 以下、各種の食肉に対する検量線の導出方法について詳
細に説明する。
【0025】〔実施の形態1〕牛肉 (1)赤色度(a*)の検量線 牛肉の赤色度(a*)の検量線における3種の波長は以
下のようにして選定したものである。図1(a)は、a
*に対する各波長の単相関係数を示す図である。この図
から、各波長の変動に対して単相関係数が安定している
波長領域で、係数(K1)も安定している波長を探し、
620nmを第1波長として選択した(610〜700
nmは赤色の波長範囲である)。図1(b)は、第1波
長を選択した後の第2番目の波長とa*との重相関係数
を示す図である。この図から、各波長の変動に対して重
相関係数が安定している波長領域で、係数(K2)も安
定している波長を探し、第2波長として744nmを選
択した。図1(c)は、第1及び第2波長を選択した後
の第3番目の波長とa*との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K3)も安定している波
長を探し、第3波長として590nmを選択した。第
1、第2及び第3波長を選択した後の第4番目の波長と
a*との重相関係数を示す図から、各波長の変動に対し
て重相関係数が安定している波長領域で、係数(K4)
も安定している波長を探し、第4波長として780nm
を選択した。
【0026】以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表1に示す。その結果、上記の第1、第2及
び第3波長を用いた検量線を選定した。
【0027】
【表1】
【0028】図2は、縦軸に本実施例の方法による測定
値をとり、横軸に常法による分析値をとって48のサン
プル毎の測定点をプロットしたものである。その結果、
両者の測定値間の重相関係数(R)は0.963、標準
誤差(SEC)は1.14と非常に高い相関関係を示し
た。
【0029】ここで例えば、第1波長として618n
m、第2波長として742nm、第3波長として588
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.96
1、標準誤差は1.18となり、第1波長として622
nm、第2波長として746nm、第3波長として59
2nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.9
64、標準誤差は1.13となる。このように第1波
長、第2波長、第3波長とも±2nmの範囲で変化させ
てもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数につい
ても、K0=2.55〜7.47、K1=77.30〜
98.96、K2=303.10〜513.63、K3
=42.72〜52.93の範囲内の値を用いれば、重
相関係数0.961〜0.964、標準誤差1.13〜
1.18と、十分高い相関を得ることができる。
【0030】こうして得られた牛肉の赤色度(a*)の
検量線を用いると、流通や小売り段階において牛肉の赤
色度の変化を非破壊で短時間かつ正確に測定できるよう
なる。赤色度の低下は鮮度の低下を示すので、本発明の
方法で測定した赤色度が16以下であれば牛肉の鮮度が
落ちていることを、赤色度が16以上であれば鮮度が良
いことを判定することができる。
【0031】(2)メトミオグロビン形成割合の検量線 牛肉のメトミオグロビン形成割合の検量線における2種
の波長は以下のようにして選定したものである。図3
(a)は、メトミオグロビン形成割合に対する各波長の
単相関係数を表す図である。この図から、各波長の変動
に対して単相関係数が安定している波長領域で、係数
(K1)も安定している波長を探し、かつメトミオグロ
ビンの最大吸収波長(630nm)に近い波長を求め、
624nmを第1波長として選択した。図3(b)は、
第1波長を選択した後の第2番目の波長とメトミオグロ
ビン形成割合との重相関係数を示す図である。この図か
ら、各波長の変動に対して重相関係数が安定している波
長領域で、係数(K2)も安定している波長を探し、第
2波長として1020nmを選択した(1020nmは
蛋白に帰属する波長であり、ミオグロビンは色素蛋白で
ある)。第1及び第2波長を選択した後の第3番目の波
長とメトミオグロビン形成割合との重相関係数を示す図
から、各波長の変動に対して重相関係数が安定している
波長領域で、係数(K3)も安定している波長を探し、
第3波長として698nmを選択した。第1、第2及び
第3波長を選択した後の第4番目の波長とメトミオグロ
ビン形成割合との重相関係数を示す図から、各波長の変
動に対して重相関係数が安定している波長領域で、係数
(K4)も安定している波長を探し、第4波長として5
88nmを選択した。
【0032】以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表2に示す。その結果、上記の第1及び第2
波長を用いた検量線を選定した。
【0033】
【表2】
【0034】図4は、縦軸に本実施例の方法による測定
値をとり、横軸に常法による分析値をとって48のサン
プル毎の測定点をプロットしたものである。その結果、
両者の測定値間の重相関係数(R)は0.989、標準
誤差(SEC)は3.06%と非常に高い相関関係を示
した。
【0035】ここで例えば、第1波長として622n
m、第2波長として1018nmを選定すると、この検
量線の重相関係数は0.990、標準誤差は2.96%
となり、第1波長として626nm、第2波長として1
022nmを選定すると、この検量線の重相関係数は
0.986、標準誤差は3.42%となる。このように
第1波長、第2波長とも±2nmの範囲で変化させても
ほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数について
も、K0=42.24〜77.33、K1=−225.
79〜−218.18、K2=676.81〜167
3.07の範囲内の値を用いれば、重相関係数0.98
6〜0.990、標準誤差2.96〜3.42%と、十
分高い相関を得ることができる。
【0036】こうして得られた牛肉のメトミオグロビン
形成割合の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て牛肉のメトミオグロビン形成割合を非破壊で短時間か
つ正確に測定できるようなる。メトミオグロビン形成割
合の増加は鮮度の低下を示すので、本発明の方法で測定
したメトミオグロビン形成割合が30%以上であれば牛
肉の鮮度が落ちていることを、メトミオグロビン形成割
合が30%以下であれば鮮度が良いことを判定すること
ができる。
【0037】(3)脂質酸化度(TBARS)の検量線 牛肉の脂質酸化度(TBARS)の検量線における3種
の波長は以下のようにして選定したものである。図5
(a)は、TBARS値に対する各波長の単相関係数を
表す図である。この図から、各波長の変動に対して単相
関係数が安定している波長領域で、係数(K1)も安定
している波長を探し、620nmを第1波長として選択
した(牛肉の赤色度とメトミオグロビン形成割合の両第
1波長と同じ領域の波長が選択された。これは3形質が
互いに高い相関関係にあるためと考えられる)。図5
(b)は、第1波長を選択した後の第2番目の波長とT
BARS値との重相関係数を示す図である。この図か
ら、各波長の変動に対して重相関係数が安定している波
長領域で、係数(K2)も安定している波長を探し、第
2波長として978nmを選択した。図5(c)は、第
1及び第2波長を選択した後の第3番目の波長とTBA
RS値との重相関係数を示す図である。この図から、各
波長の変動に対して重相関係数が安定している波長領域
で、係数(K3)も安定している波長を探し、第3波長
として722nmを選択した。第1、第2及び第3波長
を選択した後の第4番目の波長とTBARS値との重相
関係数を示す図から、各波長の変動に対して重相関係数
が安定している波長領域で、係数(K4)も安定してい
る波長を探し、第4波長として496nmを選択した。
【0038】以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表3に示す。その結果、上記の第1、第2及
び第3波長を用いた検量線を選定した。
【0039】
【表3】
【0040】図6は、縦軸に本実施例の方法による測定
値をとり、横軸に常法による分析値をとって48のサン
プル毎の測定点をプロットしたものである。その結果、
両者の測定値間の重相関係数(R)は0.891、標準
誤差(SEC)は0.325mgMDA/kg肉と高い
相関関係を示した。
【0041】ここで例えば、第1波長として618n
m、第2波長として976nm、第3波長として720
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.88
4、標準誤差は0.334mgMDA/kg肉となり、
第1波長として622nm、第2波長として980n
m、第3波長として724nmを選定すると、この検量
線の重相関係数は0.894、標準誤差は0.321m
gMDA/kg肉となる。このように第1波長、第2波
長、第3波長とも±2nmの範囲で変化させてもほぼ同
等の高い相関を得ることができ、係数についても、K0
=2.40〜2.90、K1=−9.78〜−8.9
9、K2=−17.77〜−16.42、K3=−5
3.52〜−30.78の範囲内の値を用いれば、重相
関係数0.884〜0.894、標準誤差0.321〜
0.334mgMDA/kg肉と、十分高い相関を得る
ことができる。
【0042】こうして得られた牛肉の脂質酸化度(TB
ARS)の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て牛肉の脂質酸化度を非破壊で短時間かつ正確に測定で
きるようなる。TBARS値の増加は鮮度の低下を示す
ので、本発明の方法で測定したTBARS値が0.6m
gMDA/kg肉 以上であれば牛肉の鮮度が落ちてい
ることを、TBARS値が0.6mgMDA/kg肉
以下であれば鮮度が良いことを判定することができる。
【0043】〔実施の形態2〕豚肉 (1)赤色度(a*)の検量線 豚肉の赤色度(a*)の検量線における3種の波長は以
下のようにして選定したものである。図7(a)は、a
*に対する各波長の単相関係数を示す図である。この図
から、各波長の変動に対して単相関係数が安定している
波長領域で、係数(K1)も安定している波長を探し、
588nmを第1波長として選択した。図7(b)は、
第1波長を選択した後の第2番目の波長とa*との重相
関係数を示す図である。この図から、各波長の変動に対
して重相関係数が安定している波長領域で、係数(K
2)も安定している波長を探し、第2波長として688
nmを選択した(610〜700nmは赤色の波長範囲
である)。図7(c)は、第1及び第2波長を選択した
後の第3番目の波長とa*との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K3)も安定している波
長を探し、第3波長として556nmを選択した。第
1、第2及び第3波長を選択した後の第4番目の波長と
a*との重相関係数を示す図から、各波長の変動に対し
て重相関係数が安定している波長領域で、係数(K4)
も安定している波長を探し、第4波長として950nm
を選択した。以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表4に示す。その結果、上記の第1、第2及
び第3波長を用いた検量線を選定した。
【0044】
【表4】
【0045】図8は、縦軸に本実施例の方法による測定
値をとり、横軸に常法による分析値をとって96のサン
プル毎の測定点をプロットしたものである。その結果、
両者の測定値間の重相関係数(R)は0.948、標準
誤差(SEC)は0.75と非常に高い相関関係を示し
た。
【0046】ここで例えば、第1波長として586n
m、第2波長として686nm、第3波長として554
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.94
8、標準誤差は0.76となり、第1波長として590
nm、第2波長として690nm、第3波長として55
8nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.9
34、標準誤差は0.85となる。このように第1波
長、第2波長、第3波長とも±2nmの範囲で変化させ
てもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数につい
ても、K0=−1.77〜−0.44、K1=−35.
67〜−26.95、K2=40.51〜46.07、
K3=−16.59〜−15.57の範囲内の値を用い
れば、重相関係数0.934〜0.948、標準誤差
0.75〜0.85と、十分高い相関を得ることができ
る。
【0047】こうして得られた豚肉の赤色度(a*)の
検量線を用いると、流通や小売り段階において豚肉の赤
色度の変化を非破壊で短時間かつ正確に測定できるよう
なる。赤色度の低下は鮮度の低下を示すので、本発明の
方法で測定した赤色度が6以下であれば豚肉の鮮度が落
ちていることを、赤色度が6以上であれば鮮度が良いこ
とを判定することができる。
【0048】(2)メトミオグロビン形成割合の検量線 豚肉のメトミオグロビン形成割合の検量線における3種
の波長は以下のようにして選定したものである。図9
(a)は、メトミオグロビン形成割合に対する各波長の
単相関係数を表す図である。この図から、各波長の変動
に対して単相関係数が安定している波長領域で、係数
(K1)も安定している波長を探し、616nmを第1
波長として選択した。図9(b)は、第1波長を選択し
た後の第2番目の波長とメトミオグロビン形成割合との
重相関係数を示す図である。この図から、各波長の変動
に対して重相関係数が安定している波長領域で、係数
(K2)も安定している波長を探し、第2波長として6
94nmを選択した。図9(c)は、第1及び第2波長
を選択した後の第3番目の波長とメトミオグロビン形成
割合との重相関係数を示す図である。この図から、各波
長の変動に対して重相関係数が安定している波長領域
で、係数(K3)も安定している波長を探し、第3波長
として744nmを選択した。第1、第2及び第3波長
を選択した後の第4番目の波長とメトミオグロビン形成
割合との重相関係数を示す図から、各波長の変動に対し
て重相関係数が安定している波長領域で、係数(K4)
も安定している波長を探し、第4波長として658nm
を選択した。以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表5に示す。その結果、上記の第1、第2及
び第3波長を用いた検量線を選定した。
【0049】
【表5】
【0050】図10は、縦軸に本実施例の方法による測
定値をとり、横軸に常法による分析値をとって96のサ
ンプル毎の測定点をプロットしたものである。その結
果、両者の測定値間の重相関係数(R)は0.965、
標準誤差(SEC)は4.50%と非常に高い相関関係
を示した。
【0051】ここで例えば、第1波長として614n
m、第2波長として692nm、第3波長として742
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.96
5、標準誤差は4.51%となり、第1波長として61
8nm、第2波長として696nm、第3波長として7
46nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.
956、標準誤差は5.03%となる。このように第1
波長、第2波長、第3波長とも±2nmの範囲で変化さ
せてもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数につ
いても、K0=51.28〜61.10、K1=−20
4.22〜−191.43、K2=381.67〜44
5.55、K3=613.28〜1901.96の範囲
内の値を用いれば、重相関係数0.956〜0.96
5、標準誤差4.50〜5.03%と、十分高い相関を
得ることができる。
【0052】こうして得られた豚肉のメトミオグロビン
形成割合の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て豚肉のメトミオグロビン形成割合を非破壊で短時間か
つ正確に測定できるようなる。メトミオグロビン形成割
合の増加は鮮度の低下を示すので、本発明の方法で測定
したメトミオグロビン形成割合が60%以上であれば豚
肉の鮮度が落ちていることを、メトミオグロビン形成割
合が60%以下であれば鮮度が良いことを判定すること
ができる。
【0053】(3)脂質酸化度(TBARS)の検量線 豚肉の脂質酸化度(TBARS)の検量線における4種
の波長は以下のようにして選定したものである。図11
(a)は、TBARS値に対する各波長の単相関係数を
表す図である。この図から、各波長の変動に対して単相
関係数が安定している波長領域で、係数(K1)も安定
している波長を探し、604nmを第1波長として選択
した。図11(b)は、第1波長を選択した後の第2番
目の波長とTBARS値との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K2)も安定している波
長を探し、第2波長として934nmを選択した。図1
1(c)は、第1及び第2波長を選択した後の第3番目
の波長とTBARS値との重相関係数を示す図である。
この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安定し
ている波長領域で、係数(K3)も安定している波長を
探し、第3波長として480nmを選択した。図11
(d)は、第1、第2及び第3波長を選択した後の第4
番目の波長とTBARS値との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K4)も安定している波
長を探し、第4波長として748nmを選択した。
【0054】以上4種の波長を説明変数として順次取り
入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量線、
第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び第3
波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波長を
用いた検量線)について、その精度評価を交差確認法に
より行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差確認
法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の説明
変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検討し
た。結果を表6に示す。その結果、上記の第1、第2、
第3及び第4波長を用いた検量線を選定した。
【0055】
【表6】
【0056】図12は、縦軸に本実施例の方法による測
定値をとり、横軸に常法による分析値をとって96のサ
ンプル毎の測定点をプロットしたものである。その結
果、両者の測定値間の重相関係数(R)は0.840、
標準誤差(SEC)は0.106mgMDA/kg肉と
高い相関関係を示した。
【0057】ここで例えば、第1波長として602n
m、第2波長として932nm、第3波長として478
nm、第4波長として746nmを選定すると、この検
量線の重相関係数は0.821、標準誤差は0.112
mgMDA/kg肉となり、第1波長として606n
m、第2波長として936nm、第3波長として482
nm、第4波長として750nmを選定すると、この検
量線の重相関係数は0.817、標準誤差は0.113
mgMDA/kg肉となる。このように第1波長、第2
波長、第3波長、第4波長とも±2nmの範囲で変化さ
せてもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数につ
いても、K0=1.05〜1.21、K1=−2.53
〜−2.31、K2=−6.41〜−3.95、K3=
−0.42〜−0.11、K4=10.04〜19.8
5の範囲内の値を用いれば、重相関係数は0.817〜
0.840、標準誤差0.106〜0.113mgMD
A/kg肉と、十分高い相関を得ることができる。
【0058】こうして得られた豚肉の脂質酸化度(TB
ARS)の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て豚肉の脂質酸化度を非破壊で短時間かつ正確に測定で
きるようなる。TBARS値の増加は鮮度の低下を示す
ので、本発明の方法で測定したTBARS値が0.6m
gMDA/kg肉 以上であれば豚肉の鮮度が落ちてい
ることを、TBARS値が0.6mgMDA/kg肉
以下であれば鮮度が良いことを判定することができる。
【0059】〔実施の形態3〕鶏肉 (1)赤色度(a*)の検量線 鶏肉の赤色度(a*)の検量線における3種の波長は以
下のようにして選定したものである。図13(a)は、
a*に対する各波長の単相関係数を示す図である。この
図から、各波長の変動に対して単相関係数が安定してい
る波長領域で、係数(K1)も安定している波長を探
し、576nmを第1波長として選択した。図13
(b)は、第1波長を選択した後の第2番目の波長とa
*との重相関係数を示す図である。この図から、各波長
の変動に対して重相関係数が安定している波長領域で、
係数(K2)も安定している波長を探し、第2波長とし
て462nmを選択した。図13(c)は、第1及び第
2波長を選択した後の第3番目の波長とa*との重相関
係数を示す図である。この図から、各波長の変動に対し
て重相関係数が安定している波長領域で、係数(K3)
も安定している波長を探し、第3波長として1018n
mを選択した。第1、第2及び第3波長を選択した後の
第4番目の波長とa*との重相関係数を示す図から、各
波長の変動に対して重相関係数が安定している波長領域
で、係数(K4)も安定している波長を探し、第4波長
として738nmを選択した。以上4種の波長を説明変
数として順次取り入れた4種の検量線モデル(第1波長
を用いた検量線、第1及び第2波長を用いた検量線、第
1、第2及び第3波長を用いた検量線、第1、第2、第
3及び第4波長を用いた検量線)について、その精度評
価を交差確認法により行い、検量線モデルの重相関係数
の増加と交差確認法による予測標準誤差の減少とを比較
して、最少の説明変数(波長数)でもって最も精度の良
い検量線を検討した。結果を表7に示す。その結果、上
記の第1、第2及び第3波長を用いた検量線を選定し
た。
【0060】
【表7】
【0061】図14は、縦軸に本実施例の方法による測
定値をとり、横軸に常法による分析値をとって24のサ
ンプル毎の測定点をプロットしたものである。その結
果、両者の測定値間の重相関係数(R)は0.869、
標準誤差(SEC)は0.43と高い相関関係を示し
た。
【0062】ここで例えば、第1波長として574n
m、第2波長として460nm、第3波長として101
6nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.8
44、標準誤差は0.46となり、第1波長として57
8nm、第2波長として464nm、第3波長として1
020nmを選定すると、この検量線の重相関係数は
0.869、標準誤差は0.43となる。このように第
1波長、第2波長、第3波長とも±2nmの範囲で変化
させてもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数に
ついても、K0=3.87〜4.73、K1=−31.
48〜−18.47、K2=−14.70〜−12.4
3、K3=167.13〜395.84の範囲内の値を
用いれば、重相関係数0.844〜0.869、標準誤
差0.43〜0.46と、十分高い相関を得ることがで
きる。
【0063】こうして得られた鶏肉の赤色度(a*)の
検量線を用いると、流通や小売り段階において鶏肉の赤
色度の変化を非破壊で短時間かつ正確に測定できるよう
なる。赤色度の低下は鮮度の低下を示すので、本発明の
方法で測定した赤色度が3以下であれば鶏肉の鮮度が落
ちていることを、赤色度が3以上であれば鮮度が良いこ
とを判定することができる。
【0064】(2)メトミオグロビン形成割合の検量線 鶏肉のメトミオグロビン形成割合の検量線における3種
の波長は以下のようにして選定したものである。図15
(a)は、メトミオグロビン形成割合に対する各波長の
単相関係数を表す図である。この図から、各波長の変動
に対して単相関係数が安定している波長領域で、係数
(K1)も安定している波長を探し、618nmを第1
波長として選択した(豚肉のメトミオグロビン形成割合
の第1波長と同じ領域の波長が選択された)。図15
(b)は、第1波長を選択した後の第2番目の波長とメ
トミオグロビン形成割合との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K2)も安定している波
長を探し、第2波長として998nmを選択した。図1
5(c)は、第1及び第2波長を選択した後の第3番目
の波長とメトミオグロビン形成割合との重相関係数を示
す図である。この図から、各波長の変動に対して重相関
係数が安定している波長領域で、係数(K3)も安定し
ている波長を探し、第3波長として832nmを選択し
た。第1、第2及び第3波長を選択した後の第4番目の
波長とメトミオグロビン形成割合との重相関係数を示す
図から、各波長の変動に対して重相関係数が安定してい
る波長領域で、係数(K4)も安定している波長を探
し、第4波長として538nmを選択した。以上4種の
波長を説明変数として順次取り入れた4種の検量線モデ
ル(第1波長を用いた検量線、第1及び第2波長を用い
た検量線、第1、第2及び第3波長を用いた検量線、第
1、第2、第3及び第4波長を用いた検量線)につい
て、その精度評価を交差確認法により行い、検量線モデ
ルの重相関係数の増加と交差確認法による予測標準誤差
の減少とを比較して、最少の説明変数(波長数)でもっ
て最も精度の良い検量線を検討した。結果を表8に示
す。その結果、上記の第1、第2及び第3波長を用いた
検量線を選定した。
【0065】
【表8】
【0066】図16は、縦軸に本実施例の方法による測
定値をとり、横軸に常法による分析値をとって24のサ
ンプル毎の測定点をプロットしたものである。その結
果、両者の測定値間の重相関係数(R)は0.972、
標準誤差(SEC)は2.44%と非常に高い相関関係
を示した。
【0067】ここで例えば、第1波長として616n
m、第2波長として996nm、第3波長として830
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.97
1、標準誤差は2.49%となり、第1波長として62
0nm、第2波長として1000nm、第3波長として
834nmを選定すると、この検量線の重相関係数は
0.954、標準誤差は3.12%となる。このように
第1波長、第2波長、第3波長とも±2nmの範囲で変
化させてもほぼ同等の高い相関を得ることができ、係数
についても、K0=30.31〜38.76、K1=−
343.08〜−278.65、K2=−1065.7
3〜−895.98、K3=−5067.40〜−37
53.50の範囲内の値を用いれば、重相関係数0.9
54〜0.972、標準誤差2.44〜3.12%と、
十分高い相関を得ることができる。
【0068】こうして得られた鶏肉のメトミオグロビン
形成割合の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て鶏肉のメトミオグロビン形成割合を非破壊で短時間か
つ正確に測定できるようなる。メトミオグロビン形成割
合の増加は鮮度の低下を示すので、本発明の方法で測定
したメトミオグロビン形成割合が50%以上であれば鶏
肉の鮮度が落ちていることを、メトミオグロビン形成割
合が50%以下であれば鮮度が良いことを判定すること
ができる。
【0069】(3)脂質酸化度(TBARS)の検量線 鶏肉の脂質酸化度(TBARS)の検量線における3種
の波長は以下のようにして選定したものである。図17
(a)は、TBARS値に対する各波長の単相関係数を
表す図である。この図から、各波長の変動に対して単相
関係数が安定している波長領域で、係数(K1)も安定
している波長を探し、626nmを第1波長として選択
した。図17(b)は、第1波長を選択した後の第2番
目の波長とTBARS値との重相関係数を示す図であ
る。この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安
定している波長領域で、係数(K2)も安定している波
長を探し、第2波長として552nmを選択した。図1
7(c)は、第1及び第2波長を選択した後の第3番目
の波長とTBARS値との重相関係数を示す図である。
この図から、各波長の変動に対して重相関係数が安定し
ている波長領域で、係数(K3)も安定している波長を
探し、第3波長として832nmを選択した。第1、第
2及び第3波長を選択した後の第4番目の波長とTBA
RS値との重相関係数を示す図から、各波長の変動に対
して重相関係数が安定している波長領域で、係数(K
4)も安定している波長を探し、第4波長として670
nmを選択した。以上4種の波長を説明変数として順次
取り入れた4種の検量線モデル(第1波長を用いた検量
線、第1及び第2波長を用いた検量線、第1、第2及び
第3波長を用いた検量線、第1、第2、第3及び第4波
長を用いた検量線)について、その精度評価を交差確認
法により行い、検量線モデルの重相関係数の増加と交差
確認法による予測標準誤差の減少とを比較して、最少の
説明変数(波長数)でもって最も精度の良い検量線を検
討した。結果を表9に示す。その結果、上記の第1、第
2及び第3波長を用いた検量線を選定した。
【0070】
【表9】
【0071】図18は、縦軸に本実施例の方法による測
定値をとり、横軸に常法による分析値をとって24のサ
ンプル毎の測定点をプロットしたものである。その結
果、両者の測定値間の重相関係数(R)は0.669、
標準誤差(SEC)は0.330mgMDA/kg肉と
少し低い相関関係を示した。
【0072】ここで例えば、第1波長として624n
m、第2波長として550nm、第3波長として830
nmを選定すると、この検量線の重相関係数は0.69
6、標準誤差は0.319mgMDA/kg肉となり、
第1波長として628nm、第2波長として554n
m、第3波長として834nmを選定すると、この検量
線の重相関係数は0.615、標準誤差は0.350m
gMDA/kg肉となる。このように第1波長、第2波
長、第3波長とも±2nmの範囲で変化させてもほぼ同
等の高い相関を得ることができ、係数についても、K0
=−1.43〜0.29、K1=−22.34〜−1
7.11、K2=−15.55〜−9.53、K3=3
92.02〜456.21の範囲内の値を用いれば、重
相関係数0.615〜0.696、標準誤差0.319
〜0.350mgMDA/kg肉と、十分高い相関を得
ることができる。
【0073】こうして得られた鶏肉の脂質酸化度(TB
ARS)の検量線を用いると、流通や小売り段階におい
て鶏肉の脂質酸化度を非破壊で短時間かつ正確に測定で
きるようなる。TBARS値の増加は鮮度の低下を示す
ので、本発明の方法で測定したTBARS値が0.6m
gMDA/kg肉 以上であれば鶏肉の鮮度が落ちてい
ることを、TBARS値が0.6mgMDA/kg肉
以下であれば鮮度が良いことを判定することができる。
【0074】
【発明の効果】本実施例の検量線によって得られる測定
値について、例えば牛肉であれば赤色度(a*)は16
以下、メトミオグロビン形成割合は30%以上、TBA
RS値は0.6mgMDA/kg肉以上のいずれかであ
れば牛肉の鮮度が落ちていることを判定することがで
き、また赤色度(a*)は16以上で、メトミオグロビ
ン形成割合は30%以下で、TBARS値は0.6mg
MDA/kg肉以下であれば牛肉の鮮度が良いことを判
定することができる。本発明を用いることにより、食肉
の赤色度、退色割合、脂質酸化度を非破壊で短時間(約
10秒)かつ正確にわかるので、流通および販売時にお
いて食肉の鮮度の客観的な評価に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は牛肉の赤色度(a*)に対する第1波
長の単相関係数を表す図、(b)は第2波長の重相関係
数を表す図、(c)は第3波長の重相関係数を表す図。
【図2】本発明の方法による牛肉の赤色度(a*)の分
析値と常法による分析値との関係図。
【図3】(a)は牛肉のメトミオグロビン形成割合に対
する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波長
の重相関係数を表す図。
【図4】本発明の方法による牛肉のメトミオグロビン形
成割合の分析値と常法による分析値との関係図。
【図5】(a)は牛肉の脂質酸化度(TBARS)に対
する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波長
の重相関係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係数
を表す図。
【図6】本発明の方法による牛肉の脂質酸化度(TBA
RS)の分析値と常法による分析値との関係図。
【図7】(a)豚肉の赤色度(a*)に対する第1波長
の単相関係数を表す図、(b)は第2波長の重相関係数
を表す図、(c)は第3波長の重相関係数を表す図。
【図8】本発明の方法による豚肉の赤色度(a*)の分
析値と常法による分析値との関係図。
【図9】(a)は豚肉のメトミオグロビン形成割合に対
する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波長
の重相関係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係数
を表す図。
【図10】本発明の方法による豚肉のメトミオグロビン
形成割合の分析値と常法による分析値との関係図。
【図11】(a)は豚肉の脂質酸化度(TBARS)に
対する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波
長の重相関係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係
数を表す図、(d)は第4波長の重相関係数を表す図。
【図12】本発明の方法による豚肉の脂質酸化度(TB
ARS)の分析値と常法による分析値との関係図。
【図13】(a)は鶏肉の赤色度(a*)に対する第1
波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波長の重相関
係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係数を表す
図。
【図14】本発明の方法による鶏肉の赤色度(a*)の
分析値と常法による分析値との関係図。
【図15】(a)は鶏肉のメトミオグロビン形成割合に
対する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波
長の重相関係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係
数を表す図。
【図16】本発明の方法による鶏肉のメトミオグロビン
形成割合の分析値と常法による分析値との関係図。
【図17】(a)は鶏肉の脂質酸化度(TBARS)に
対する第1波長の単相関係数を表す図、(b)は第2波
長の重相関係数を表す図、(c)は第3波長の重相関係
数を表す図。
【図18】本発明の方法による鶏肉の脂質酸化度(TB
ARS)の分析値と常法による分析値との関係図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 斉 茨城県つくば市吾妻1丁目17番地1号403 棟1212号 Fターム(参考) 2G059 AA03 BB11 EE01 EE02 EE12 EE13 HH01 HH02 HH06 MM01 MM02 MM12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保存中の牛肉の透過反射率を測定して波
    長620±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長744±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長590±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られる赤色度Yに基づいて保存中の牛
    肉の鮮度を判定することを特徴とする食肉の鮮度判定方
    法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=2.55〜7.47、K1=77.30〜9
    8.96、K2=303.10〜513.63、K3=
    42.72〜52.93)
  2. 【請求項2】 保存中の牛肉の透過反射率を測定して波
    長624±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長1020±2nmにおけるlog(1/透
    過反射率)の2次微分値X2を求め、次の検量線によっ
    て得られるメトミオグロビン形成割合Yに基づいて保存
    中の牛肉の鮮度を判定することを特徴とする食肉の鮮度
    判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2 (K0=42.24〜77.33、K1=−225.7
    9〜−218.18、K2=676.81〜1673.
    07)
  3. 【請求項3】 保存中の牛肉の透過反射率を測定して波
    長620±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長978±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長722±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られる脂質酸化度(TBARS)Yに
    基づいて保存中の牛肉の鮮度を判定することを特徴とす
    る食肉の鮮度判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=2.40〜2.90、K1=−9.78〜−
    8.99、K2=−17.77〜−16.42、K3=
    −53.52〜−30.78)
  4. 【請求項4】 保存中の豚肉の透過反射率を測定して波
    長588±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長688±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長556±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られる赤色度Yに基づいて保存中の豚
    肉の鮮度を判定することを特徴とする食肉の鮮度判定方
    法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=−1.77〜−0.44、K1=−35.67
    〜−26.95、K2=40.51〜46.07、K3
    =−16.59〜−15.57)
  5. 【請求項5】 保存中の豚肉の透過反射率を測定して波
    長616±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長694±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長744±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られるメトミオグロビン形成割合Yに
    基づいて保存中の豚肉の鮮度を判定することを特徴とす
    る食肉の鮮度判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=51.28〜61.10、K1=−204.2
    2〜−191.43、K2=381.67〜445.5
    5、K3=613.28〜1901.96)
  6. 【請求項6】 保存中の豚肉の透過反射率を測定して波
    長604±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長934±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長480±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3、波長748
    ±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次微分値X
    4を求め、次の検量線によって得られる脂質酸化度(T
    BARS)Yに基づいて保存中の豚肉の鮮度を判定する
    ことを特徴とする食肉の鮮度判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3+K4X4 (K0=1.05〜1.21、K1=−2.53〜−
    2.31、K2=−6.41〜−3.95、K3=−
    0.42〜−0.11、K4=10.04〜19.8
    5)
  7. 【請求項7】 保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波
    長576±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長462±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長1018±2nmにお
    けるlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次
    の検量線によって得られる赤色度Yに基づいて保存中の
    鶏肉の鮮度を判定することを特徴とする食肉の鮮度判定
    方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=3.87〜4.73、K1=−31.48〜−
    18.47、K2=−14.70〜−12.43、K3
    =167.13〜395.84)
  8. 【請求項8】 保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波
    長618±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長998±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長832±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られるメトミオグロビン形成割合Yに
    基づいて保存中の鶏肉の鮮度を判定することを特徴とす
    る食肉の鮮度判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=30.31〜38.76、K1=−343.0
    8〜−278.65、K2=−1065.73〜−89
    5.98、K3=−5067.40〜−3753.5
    0)
  9. 【請求項9】 保存中の鶏肉の透過反射率を測定して波
    長626±2nmにおけるlog(1/透過反射率)の2次
    微分値X1、波長552±2nmにおけるlog(1/透過
    反射率)の2次微分値X2、波長832±2nmにおけ
    るlog(1/透過反射率)の2次微分値X3を求め、次の
    検量線によって得られる脂質酸化度(TBARS)Yに
    基づいて保存中の鶏肉の鮮度を判定することを特徴とす
    る食肉の鮮度判定方法。 Y=K0+K1X1+K2X2+K3X3 (K0=−1.43〜0.29、K1=−22.34〜
    −17.11、K2=−15.55〜−9.53、K3
    =392.02〜456.21)
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