JP2003116859A - 解剖実習用の作業台およびガス除去装置 - Google Patents

解剖実習用の作業台およびガス除去装置

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JP2003116859A
JP2003116859A JP2001315501A JP2001315501A JP2003116859A JP 2003116859 A JP2003116859 A JP 2003116859A JP 2001315501 A JP2001315501 A JP 2001315501A JP 2001315501 A JP2001315501 A JP 2001315501A JP 2003116859 A JP2003116859 A JP 2003116859A
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Junichi Niki
純一 仁木
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Sanki Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の解剖台や解剖実習室に変更を加えず、
解剖時に遺体を処理した防腐薬剤から発生する有害ガス
を効率的に除去することができる簡易で安価な装置を提
供する。 【解決手段】 医学生が解剖実習するときの解剖台の近
傍に設けられる作業台であって、作業台本体11と、そ
の下方に配置されるガス除去装置12とからなるガス除
去装置付きの作業台10。ガス除去装置12は、側壁に
空気吸い込み口23を有し、床面からいくらか離して配
置される下面に空気排出口24を有する箱形のケース1
9、20と、空気吸い込み口から空気を吸引するファン
20と、ファンの送風側に設けられる、有害なガスを除
去するフィルタ22とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は解剖実習用の作業台
およびガス除去装置に関する。さらに詳しくは、医学生
が防腐処理を施した遺体の解剖実習を行う実習室におけ
る空調技術に関するものであり、高価な設備を用いず
に、ガス除去により遺体に施した防腐薬剤(ホルマリン
など)から発生するガス(ホルムアルデヒドなど)の臭
気を除去し、解剖実習室の環境を良好に維持する装置を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】動物の死体や人間の遺体の解剖には、病
変を確認したり死因を特定する病理解剖や司法解剖(検
死)がある。他方、医学生が人体構造を学習するためな
どに行う解剖実習がある。病理解剖や司法解剖は、防腐
処理を施さずに冷温状態で保存した遺体をそのまま解剖
台に乗せて行うため、解剖者(ドクター)を病原菌やウ
イルスによる感染から保護する必要がある。
【0003】従来、そのような解剖者を保護する技術と
して、特開平11−2067720号公報に記載されて
いる洗浄解剖室などが提案されている。このものは図8
に示すように、解剖台101の上部内面側および下部外
面側にそれぞれ空気吸い込み口102、103を設け、
ダクト104およびチャンバ105を介してフィルタ1
06およびブロワ107を通じて床108の下部に設け
た排気ダクト109から室外に空気を送り出すようにし
ている。また、同様な解剖台は、特公昭62−5257
3号公報、実公平4−26090号公報、特開2001
−61909号公報に開示されている。さらに特開20
00−23987号公報には、ブロワおよびフィルタを
介して室内に排気するタイプの解剖台が開示されてい
る。
【0004】ところが医学生が行う解剖実習では、上記
の病理解剖や司法解剖とは異なり、遺体はホルマリンで
防腐処理がなされているので、感染の危険性が低く、上
記のような高価な洗浄解剖室や解剖台を用いる必要性が
低い。その半面、解剖中にホルマリン処理された遺体か
らホルムアルデヒドが発散する。しかも実習室では多く
の医学生が一斉に複数の解剖台で解剖を行うため、室内
のホルムアルデヒド濃度が異常に高くなり、実習生の人
体に悪影響を及ぼす問題がある。とくに医学生が行う解
剖実習は系統解剖と呼ばれ、遺体の最後は骨だけになっ
てしまうものであり、遺体の体液と置換されているホル
マリンのほとんどが室内の空気中に蒸散する。
【0005】従来、このような問題に対処するには、通
常の空調では足らず、窓を開放したり、換気扇で室外に
空気を送り出したりしている。そのため、空調による冷
房などの効果が低下し、実習環境が低下する問題があ
る。とくに近年、室全体の臭気を抑えるように文部科学
省から通達があったこともあって、上記の臭気が大きい
問題となっている。また、前記従来の高価な洗浄解剖室
や解剖台を用いることも考えられるが、実習室には多数
の解剖台を準備する必要があるので、現実的でない。
【0006】他方、一室に多数の解剖台を配列すること
から、天井全体に層流型吹き出し口を組み込み、床面か
ら空気を吸い込み、それによって室内全体に垂直下降流
をもたらし、換気量を相応量とることによって室内全体
を一斉に換気することが考えられる。その場合はたとえ
ば室全体のホルムアルデヒドの濃度を2ppm以下にす
ることもできる。なお、床下に吸い込んだ空気はホルム
アルデヒドなどの有害ガスを含有するので、活性炭フィ
ルタやスクラバなどで処理してから外気に放出する。
【0007】しかし室内全体を換気する方法は、解剖台
自体は簡易なものでよいが、建物および空調機などの設
備が高価なため初期費用が嵩み、維持費も大変である。
とくに室内の空気全体を交換するので、冷暖房用の空調
機の負荷が高くなり、その運転の維持費も高い。また新
設の建物に解剖実習室を設ける場合はまだよいが、既設
の解剖実習室を改造することはきわめて困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は既設の解剖台
や実習室にとくに大きい変更を加える必要がなく、解剖
時に遺体を処理した防腐薬剤から発生する有害ガスを効
率的に除去することができ、それにより解剖実習室の室
内環境を改善しうる簡易で安価な装置を提供することを
技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の解剖実習用の作
業台(請求項1)は、医学生が解剖実習するときの解剖
台の近傍に設けられる作業台であって、作業台本体と、
その作業台本体の下方に配置され、側壁に空気吸い込み
口を有し、床面からいくらか離して配置される下面に空
気排出口を有する箱形のケースと、そのケース内に収容
され、前記空気吸い込み口から空気を吸引するファン
と、前記ケース内に収容され、ファンの送風側と連結さ
れている、空気中の防腐薬剤のガスを除去するためのフ
ィルタとを備えていることを特徴としている。なお前記
「除去」には、吸着、分解、化学変化による無害化など
が含まれる。
【0010】このような作業台では、前記ケースが、フ
ァンを収容するファンユニットと、フィルタを収容する
フィルタユニットとに分離されており、ファンユニット
の送風口とフィルタユニットの空気入り口とがジャバラ
型のダクトで連結されているものが好ましい(請求項
2)。
【0011】本発明の解剖実習などに用いるガス除去装
置(請求項3)は、側壁に空気吸い込み口を有し、一端
に空気送風口を有する箱形のファン用のケース、そのフ
ァン用のケース内に収容され、前記空気吸い込み口から
空気を吸引するファン、および車輪を備えているファン
ユニットと;一端に空気入り口を有し、床面からいくら
か離して配置される下面に空気排出口を有する箱形のフ
ィルタ用のケース、そのフィルタ用のケース内に収容さ
れている、空気中の防腐薬剤のガスを除去するためのフ
ィルタ、および車輪を備えているフィルタユニットと;
前記ファン用のケースの空気送風口とフィルタ用のケー
スの空気入り口とを連結するジャバラ型のダクトとを備
えていることを特徴としている。
【0012】
【作用および発明の効果】本発明の作業台(請求項1)
では、ケースに収容されたファンが周囲の空気を吸引す
る。そしてケース内に吸引された空気中の防腐薬剤のガ
スは、フィルタで除去され、浄化された空気がケースの
下面から室内に排出される。したがって、解剖実習中に
遺体から発生する防腐薬剤のガスは、徐々にフィルタに
よって除去され、室内のガス濃度の上昇を抑制すること
ができる。さらにファンが発生する騒音は下流側のフィ
ルタで抑制され、フィルタから出てくる空気は下面側に
排出するので、排気音が低く、かつ排気による風の影響
が少ない。また、排出する空気は室内に戻るので、室内
の冷房を担う空調機の負荷はそれほど高くならない。ま
た、作業台という解剖台から独立した備品ないし家具の
下方を有効に利用するので、空気の通路を大きくとるこ
とができる。それにより、空気の流速を低減したり、ト
ラップを前後に配置して静穏化をはかることも容易であ
る。
【0013】なおフィルタで病原菌に対する保護もいく
らかは行われるが、解剖実習用の遺体は防腐処理を行っ
ているので、病理解剖などに比して解剖者の保護対策が
軽減される。そのためフィルタでガスを除去する程度の
簡易なものでよい。また水を用いた洗浄の機能も備えて
いないため、給水・排水設備も不要である。そして上記
のように、作業台が室内の床や壁から独立しているの
で、実習室自体に工事を施す必要がなく、また解剖台自
体も従来のものをそのまま使用することができる。もち
ろん既設の解剖実習室だけでなく、新設の解剖実習室に
も採用することもできる。
【0014】前記ケースが、ファンを収容するファンユ
ニットと、フィルタを収容するフィルタユニットとに分
離されており、ファンユニットの送風口とフィルタユニ
ットの空気入り口とがジャバラ型のダクトで連結されて
いる作業台(請求項2)においては、各ユニットを小型
にすることができる。そのため、既設の作業台本体の下
方に設置する場合でも、工事が不要である。また、室内
の移動や他の部屋などへの移動や保管も容易である。さ
らにファンユニットとフィルタユニットとをジャバラ型
のダクトで連結しているので、L字形の作業台本体な
ど、種々の形状の作業台に対しても設置可能である。さ
らに複数台のファンユニットに1台のフィルタユニット
を連結したり、逆に1台のファンユニットに複数台のフ
ィルタユニットを連結するなど、設備の融通性が高い。
【0015】本発明のガス除去装置(請求項3)は、前
述の作業台と同様に、ケース内のファンが防腐薬剤の有
害なガスを含む空気を吸引し、フィルタでガスを除去
し、浄化した空気を下面から排出する。それにより周囲
の空気の有害ガスの濃度を低減する。さらに車輪を備え
ているので、他の作業台あるいは解剖台などの下部に移
動させて設置することもできる。さらにファンユニット
とフィルタユニットとをジャバラ型のダクトで連結して
いるので、小型動物用の小さい解剖台の下方にファンユ
ニットのみを設置し、いくらか離してフィルタユニット
を設置するなど、種々の形態で使用しうる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の作業台およびガス除去装置の実施の形態を説明する。
図1は本発明の作業台の一実施形態を示す側面図、図2
はその作業台の解剖実習室における配置状態を示すレイ
アウト図、図3aおよび図3bそれぞれは本発明にかか
わるファンユニットの平面図および一部断面側面図、図
4aおよび図4bはそれぞれ本発明にかかわるフィルタ
ユニットの平面図および一部切り欠き側面図、図5およ
び図6はそれぞれ本発明のガス除去装置の他の使用状態
を示す平面図および斜視図、図7は本発明のガス除去装
置の他の実施形態を示す断面図である。
【0017】図1に示す作業台10は、下方にスペース
を有する作業台本体11と、その下方に配置されるガス
除去装置12とから構成されている。作業台本体11
は、天板13と、その天板の四隅の下面に取り付けられ
る4本の脚14とから構成されている。天板13や脚1
4は通常はスチール製のものが用いられるが、木製ある
いは合成樹脂製であってもよい。なお、空気の出入り口
に開口部を設ければ、4本の脚14に代えて、左右また
は前後の幅が広い2枚の板状の脚を用いることもでき
る。また四方または三方の板状の脚や、左右の2本の脚
とその脚の下端に前後に設けた板片とによって構成する
こともできる。また天板の下面に引き出しや棚を設けた
ものなど、解剖実習室で用いられている作業台をそのま
ま使用することもできる。
【0018】前記ガス除去装置12は、図2に示すよう
に、ファンユニット16とフィルタユニット17に分離
されており、両者はジャバラ型のダクト18で連結され
ている。図1に示すように、ファンユニット16および
フィルタユニット17は、箱状のケース19、20と、
それらのケース19、20内に収容されるファン21あ
るいはフィルタ22とを備えている。それぞれのケース
19、20は、たとえば上面、左右の側壁、前後の側壁
および底面の6面を覆うステンレススチール製のものが
用いられる。ファンユニット16のケース19の左右の
側壁の上端近辺には、空気吸い込み口23を有し、フィ
ルタユニット17のケース20の底面には空気吹き出し
24が開口している。さらに各ケース19の下面の四隅
には、キャスタ25が取り付けられており、それにより
ケース19の底面は床面26からいくらか離れている。
【0019】上記のように構成される作業台10は、解
剖実習室で用いられるものであり、図1および図2に示
すように、解剖台28から離れて配置され、医学生のノ
ート、教材その他の持ち物を載置したり、解剖実習に関
連するデスクワークや講義を聞くためなどに使用され
る。符号29は解剖台28に載置される遺体である。図
2に示すように、作業台10は通常は4台の解剖台28
の間に配置される。解剖実習室は、このような1台の作
業台10と4台の解剖台28のセットが、間隔をあけて
5〜20セット収容されている。
【0020】つぎに図3aおよび図3bを参照して、前
記ファンユニット16を詳細に説明する。ファンユニッ
ト16のケース19は、この実施形態では平面形状が前
後に長い長方形で、高さは作業台本体11の可能に入る
程度にしている。前述のファン21はケース19の前後
方向における中央部に設けられ、前側(図3aの左側)
の側壁31および左右の側壁32の上部には、前述の空
気吸い込み口23が設けられている。そして図3bに示
すように、空気吸い込み口23の下側には、吸い込まれ
た空気の流れを下方にジグザグに案内するトラップ33
が設けられている。この実施形態では、トラップ33は
左右の側壁32の間の幅一杯に設けられ、前側の側壁3
1から後方に延びるように水平に設けられる第1仕切り
板33aと、前側の側壁31と平行に、上面34から下
方に延びてその下端が前側に向かって水平に折れ曲がる
第2仕切り板33bとから構成されている。第2仕切り
板33bの水平に折れ曲がった部分33cとケース19
の下面との間には、ファン21側への通路35が構成さ
れる。
【0021】上記のようにこの実施形態では、トラップ
33は、ケース19の内幅一杯に、広い断面積の流路と
して設けられているので、流量が大きい割に流速を小さ
くすることができる。そのため、騒音が低い。さらにフ
ァン21の上流側にトラップ33を設けているので、フ
ァン21の騒音が空気吸い込み口23から洩れにくい。
トラップ33は消音作用のほか、空気中の粉塵などを事
前に取り除く作用も奏する。
【0022】前記ファン21の種類はとくに限定されな
いが、ターボファン、シロッコファンなどが用いられ、
モータMで駆動される。ファン21の送風口36は、フ
ァンが設けられている部屋37と後部の部屋38とを仕
切る仕切り壁39の中央部分を貫通して開口している。
後部の部屋38では、左右の側壁32の間に上下2本の
支持梁40が渡され、それらの支持梁40に送風口36
から出てくる空気流を遮る遮蔽板41が設けられてい
る。遮蔽板41の左右の幅は左右の側壁32の間隔より
狭く、側壁32との間に通路を形成している。ケース1
9の後部の側壁42には円形の流出口43が形成され、
その流出口43は後方に突出する円筒状のダクト連結部
44によって囲まれている。したがってファン21の送
風口36から出てくる空気流は、遮蔽板41を上下左右
に迂回してダクト連結部44から出ていく。このように
後部の部屋38は全体としてトラップを構成している。
なお遮蔽板41は左右の側壁32の幅一杯に設けてもよ
い。また図3aおよび図3bの符号45は、モータMの
電源用のキャブタイヤケーブルであり、先端にはフィル
タユニット17に連結するための、防水用のプラグ46
を設けている。
【0023】図4aおよび図4bに示すフィルタユニッ
ト17は、箱状のケース20と、そのケース20の前側
に収容されるフィルタ22と、後端の側壁51に取り付
けられる制御箱52とを備えている。フィルタ22は、
ケース20の内面一杯に設けられており、上流側から順
にプレフィルタ53、ピュラフィルタ54および(エミ
レント)中性能フィルタ55から構成されている。プレ
フィルタ53はあらかじめ粒子が大きい塵埃などを漉し
取るフィルタであり、従来公知の多孔質あるいは繊維質
のフィルタエレメントが用いられる。
【0024】ピュラフィルタ54はホルムアルデヒドを
除去するフィルタであり、ホルムアルデヒドのガスを吸
着する活性炭などが用いられ、さらにその活性炭に、ホ
ルムアルデヒドを化学的に吸着するギ酸、過マンガン酸
カリ、重炭酸などを担持させている。中性能フィルタ5
5は、排出する空気を清浄にするためのものであり、ポ
リプロピレン繊維などが用いられる。
【0025】フィルタユニット17のケース20はファ
ンユニット16のケース19と同様に、ステンレススチ
ール製のものが用いられる。ケース20の前端には空気
入り口57が形成され、その周囲を前側に突出する円筒
状のダクト連結部58が囲んでいる。ケース20の前端
あるいは側面には、開閉自在のカバー20aを設けるの
が好ましく、それによりフィルタ22を交換、洗浄した
り、ホルマリンを回収して再使用可能にするなど、メン
テナンスが容易になる。
【0026】ケース20の後部の部屋59には、ファン
ユニット16の前側のトラップ33と同様なトラップ6
0が設けられている。そのトラップ60は、ケース20
の下面から上方に延びてその上端が後側に向かって水平
に折れ曲がる第1仕切り板60aと、後端の側壁61か
ら前方に延びるように水平に設けられる第2仕切り板6
0bとから構成されている。それらの仕切り板60a、
60bはケース20の左右の側壁32の内面一杯に設け
られている。したがってフィルタ22から出てくる空気
は、第1仕切り板60aで一旦上方に案内され、ついで
後端の側壁61、第1仕切り板60aの折れ曲がってい
る部分60cおよび第2仕切り板60bによってジグザ
グ状に案内されながら下方に移動する。
【0027】ケース20の後部の下面には前述の空気吹
き出し口24が開口しており、その前後にルーバ62、
63が設けられて出てくる空気の流れを後方および側方
に案内している。これらのルーバ62、63は、出てく
る空気をファンユニット16側に移動させないようにす
るためのものである。すなわちファンユニット16とフ
ィルタユニット17が接近して配置される場合でも、出
てくる空気が再びファンユニット16に吸い込まれるこ
とを防止し、解剖台(図1の符号28)側に行き渡らせ
るようにする。
【0028】図4aに示すように、前記空気吹き出し口
24には、従来公知の整流板ないしギャラリが設けられ
ている。図3bの空気吸い込み口23についても、同様
な整流板ないしギャラリが設けられている。ケース20
の前端の下部には、ファンユニット16側のプラグ46
を差し込むコンセント(レセプタクル)64が設けら
れ、そのコンセント64はキャブタイヤケーブル65で
制御箱52に連結されている。制御箱52はファンユニ
ット16のファン21のモータMの動力を制御するため
のものである。制御箱52からは電源コード66が延び
ている。
【0029】上記のように構成されるファンユニット1
6およびフィルタユニット17は、別個に保管および運
搬することができる。使用時には、図2に示すように、
作業台本体11の下方にそれぞれ配置し、ダクト連結部
44、58同士をジャバラ型のダクト18で連結する。
したがって設置作業が容易である。もちろん作業台本体
11の下方に設置したままにすることができる。その場
合は作業台本体11とファンユニット16およびフィル
タユニット17をネジなどで固定するようにしてもよ
い。
【0030】上記の作業台10は、図2のように解剖実
習室の解剖台28の間に配置し、実習生が遺体29を解
剖するときに、解剖台の周囲の空気をファンユニット1
6が吸引し、フィルタユニット17でその空気中に含ま
れる、遺体を処理した防腐薬剤から発生する有毒なガ
ス、とくにホルマリンから生ずるホルムアルデヒドを効
率的に除去することができる。それにより室内のガス濃
度を低減し、実習環境を向上することができる。そして
作業台10や解剖台28の周囲の空気はファンユニット
16およびフィルタユニット17を循環するので、窓を
開けて換気する場合に比して、室内の空調機の負荷が低
い利点がある。
【0031】前記実施形態では、長方形状の作業台本体
11にファンユニット16およびフィルタユニット17
を直線状に配置する場合を説明したが、作業台本体の形
状によっては、図5に示すようにジャバラ型ダクト18
で湾曲させてL字状に配置することもできる。とくに小
型動物用の解剖台の場合は、ファンユニット16のみを
解剖台28の下方に配置し、作業台本体11の下などに
フィルタユニット17を配置するなど、自在に平面形状
を変化させて使用することができる。
【0032】前述のファンユニット16、ジャバラ型ダ
クト18およびフィルタユニット17は、作業台本体の
下方に配置するほか、各ユニット16、17の上面に天
板を設けて、ユニット16、17自体を作業台として用
いることもできる。さらにユニット16、17およびダ
クト18を作業台本体とは別個のガス除去装置として用
いることもできる。たとえば解剖台の大きさや下部の開
放の程度によっては、図6に示すように、解剖台28の
下方に配置することもできる。その場合においても、解
剖台28の遺体29から生ずる有害なガスをガス除去装
置12のファンユニット16で吸引し、フィルタユニッ
ト17で無害化することができる。
【0033】前記実施形態では、ファンユニット16と
ジャバラユニット17を別個に構成し、ジャバラ型のダ
クトで連結したガス除去装置12を説明したが、作業台
の大きさや設置しやすさなどによっては、一体に構成す
ることもできる。図7に示すガス除去装置70は、1個
のケース71の内部にファン21とフィルタ22を直列
状に配置している。それらの前後に設けたトラップ3
3、60など、他の構成は図3、図4の分離型のガス除
去装置と実質的に同じである。このような一体型のガス
除去装置70は、構成が簡単であり、騒音が外部に漏れ
にくい利点がある。
【0034】さらにこの実施形態では、フィルタ22を
構成するピュラフィルタ(活性炭フィルタ)54と中性
能フィルタ55の間に、中性能フィルタ55に補着され
た病原菌を殺菌するための紫外線ランプ(UVランプ)
72を設けている。紫外線ランプ72の背面側には反射
板73が設けられている。このような紫外線ランプ72
は、図4のフィルタユニット17のフィルタ22に設け
ることもできる。紫外線ランプのほか、オゾン滅菌装置
など、他の殺菌ないし滅菌装置を設けることもできる。
さらにピュラフィルタに加えてHEPAフィルタなどの
捕菌作用が高いフィルタを採用することもできる。
【0035】前述の実施形態ではいずれも1台のファン
ユニットに1台のフィルタユニットを連結する場合を示
している。しかし本発明のガス除去装置では、1台のフ
ァンユニットに対し、途中で分岐したダクトによって複
数台のフィルタユニットを連結することができる。また
同様に、複数台のファンユニットに1台または複数台の
フィルタユニットを連結することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作業台の一実施形態を示す側面図で
ある。
【図2】 その作業台の解剖実習室における配置状態を
示すレイアウト図である。
【図3】 図3aおよび図3bそれぞれは本発明にかか
わるファンユニットの平面図および一部断面側面図であ
る。
【図4】 図4aおよび図4bはそれぞれ本発明にかか
わるフィルタユニットの平面図および一部切り欠き側面
図である。
【図5】 本発明のガス除去装置の他の使用状態を示す
平面図である。
【図6】 本発明のガス除去装置の他の使用状態を示す
斜視図である。
【図7】 本発明のガス除去装置の他の実施形態を示す
断面図である。
【図8】 従来の解剖台の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
10 作業台 11 作業台本体 12 ガス除去装置 13 天板 14 脚 16 ファンユニット 17 フィルタユニット 18 ダクト 19、20 ケース 21 ファン 22 フィルタ 23 空気吸い込み口 24 空気吹き出し口 25 キャスタ 26 床面 28 解剖台 29 遺体 31 前側の側壁 32 左右の側壁 33 トラップ 33a 第1仕切り板 33b 第2仕切り板 33c 折れ曲がった部分 34 上面 35 通路 M モータ 36 送風口 37、38 部屋 39 仕切り壁 40 支持梁 41 遮蔽板 42 後側の側壁 43 流出口 44 ダクト連結部 45 キャブタイヤケーブル 46 プラグ 51 側壁 52 制御箱 53 プレフィルタ 54 ピュラフィルタ 55 中性能フィルタ 20a カバー 57 空気入り口 58 ダクト連結部 59 部屋 60 トラップ 61 後端の側壁 60a 第1仕切り板 60b 第2仕切り板 60c 折れ曲がっている部分 62、63 ルーバ 64 コンセント 65 キャブタイヤケーブル 66 電源コード 70 ガス除去装置 72 紫外線ランプ 73 反射板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医学生が解剖実習するときの解剖台の近
    傍に設けられる作業台であって、作業台本体と、その作
    業台本体の下方に配置され、側壁に空気吸い込み口を有
    し、床面からいくらか離して配置される下面に空気排出
    口を有する箱形のケースと、そのケース内に収容され、
    前記空気吸い込み口から空気を吸引するファンと、前記
    ケース内に収容され、ファンの送風側と連結されてい
    る、空気中の防腐薬剤のガスを除去するためのフィルタ
    とを備えている解剖実習用の作業台。
  2. 【請求項2】 前記ケースが、ファンを収容するファン
    ユニットと、フィルタを収容するフィルタユニットとに
    分離されており、ファンユニットの送風口とフィルタユ
    ニットの空気入り口とがジャバラ型のダクトで連結され
    ている請求項1記載の作業台。
  3. 【請求項3】 側壁に空気吸い込み口を有し、一端に空
    気送風口を有する箱形のファン用のケース、そのファン
    用のケース内に収容され、前記空気吸い込み口から空気
    を吸引するファン、および車輪を備えているファンユニ
    ットと;一端に空気吸い込み口を有し、床面からいくら
    か離して配置される下面に空気排出口を有する箱形のフ
    ィルタ用のケース、そのフィルタ用のケース内に収容さ
    れている、空気中の防腐薬剤のガスを除去するためのフ
    ィルタ、および車輪を備えているフィルタユニットと;
    前記ファン用のケースの空気送風口とフィルタ用のケー
    スの空気入り口とを連結するジャバラ型のダクトとを備
    えている、解剖実習などに用いるガス除去装置。
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