JP2003113249A - 感温性微粒子組成物および感温性微粒子シート - Google Patents

感温性微粒子組成物および感温性微粒子シート

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JP2003113249A
JP2003113249A JP2001308213A JP2001308213A JP2003113249A JP 2003113249 A JP2003113249 A JP 2003113249A JP 2001308213 A JP2001308213 A JP 2001308213A JP 2001308213 A JP2001308213 A JP 2001308213A JP 2003113249 A JP2003113249 A JP 2003113249A
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temperature
fine particle
particle composition
water
sensitive fine
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JP2001308213A
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Hidetada Sawamoto
英忠 澤本
Hitoshi Kato
均 加藤
Shigeo Hayashi
滋雄 林
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラストが良く、熱応答速度が早い表示
素子を提供することを課題とし、さらにハンドリングが
容易で、製造も容易な感温性微粒子組成物を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 下限臨界共融温度を有し、その温度を境
に透明、不透明と変化する未架橋高分子材料および液体
をマイクロカプセルに内包した感温性微粒子組成物。着
色剤を混合しても良く、異なる下限臨界共融温度の未架
橋高分子を夫々内包したマイクロカプセルを混合しても
良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、調光素
子、感温性画像表示材料などに使用する、熱刺激により
透明性が変化する感温性微粒子組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱、光、電流、電界、pHな
どの刺激の付与により体積変化(膨潤、収縮)を繰り返
す刺激応答性ゲルが一般に知られており、機能性材料と
しての様々な分野への利用が試みられている。特に、熱
刺激により応答する架橋ポリN-イソプロピルアクリルア
ミドなどの温度応答性ゲルは、ドラッグデリバリーへの
応用に関する研究が盛んであり、表示材料や調光材料へ
の応用も数多く試みられている。一例として、ポリN-イ
ソプロピルアクリルアミドゲルを用いた調光材料(特開
平11−228850号、特開昭61−148423
号、 特開昭61−148824号、特開昭61−14
8425号、特開昭61−148426号、特開昭61
−149925号、特開昭61−149926号の各公
報)が挙げられる。この例の場合、架橋されたポリN-イ
ソプロピルアクリルアミドはLCST(下限臨界共溶温
度)を持つために、LCST以下の温度でゲルが膨潤
し、LCST以上の温度で収縮する特性を持っており、
その収縮と膨張による粒子径差により光学特性を変化さ
せ、調光材料に利用したものであった。
【0003】しかし、この方法では、架橋ポリN-イソプ
ロピルアクリルアミドゲルは温度上昇の際、加温速度が
速すぎると収縮/膨張しにくい問題があった。昇温速度
が速いと、架橋ポリN-イソプロピルアクリルアミドゲル
粒子の外側、内側に温度差を生じ、外側のみの収縮が先
に起こり、内側の収縮が抑制されると言われている。収
縮/膨張させるには1℃/min程度のゆっくりとした昇
温速度にする必要があり、このため表示の応答速度が遅
い問題があった。また、架橋されたポリN-イソプロピル
アクリルアミドは、LCST以上の温度まで昇温させる
と、ポリマーが水に不溶になり微粒子として析出し白濁
することが知られている。しかし、ポリマーが架橋され
ているがゆえに、実際はLCST以下の温度でもポリマ
ーは水に未溶解であり、LCST以下/以上の温度で透
明/不透明の程度の差は小さく、コントラストが低い問
題があった。
【0004】また、未架橋のポリN-イソプロピルアクリ
ルアミドを使用した場合も、LCST以上で水に不溶と
なり、微粒子が出現することにより、光の散乱をおこし
白濁する。この方法だと架橋ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミドよりコントラストは上がるが、まだ十分ではな
かった。また十分なコントラストを得るために調光素子
を厚くすれば、応答速度が遅くなるという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
対し、コントラストが良く、熱応答速度が早い表示素子
を提供することを課題とし、さらにハンドリングが容易
で、製造も容易な感温性微粒子組成物を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検討の結
果、熱刺激により透明性が変化する材料として、LCS
T(下限臨界共融温度)を持つ未架橋高分子材料をマイ
クロカプセルに内包することで、上記問題点を解決し得
る感温性微粒子組成物が得られることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明の第1は、「下限臨界共融温
度を有し、その温度を境に透明、不透明と変化する未架
橋高分子材料および液体をマイクロカプセルに内包した
ことを特徴とする感温性微粒子組成物。」である。
【0008】本発明の第2は、上記第1発明において、
更に、着色剤をマイクロカプセルに内包したことを特徴
とする感温性微粒子組成物である。
【0009】本発明の第3は、上記第1発明あるいは第
2発明のマイクロカプセルであって、下限臨界共融温度
の異なる未架橋高分子材料をそれぞれ内包したマイクロ
カプセルを混合したことを特徴とする感温性微粒子組成
物である。
【0010】本発明の第4は、上記第1発明〜第3発明
のいずれかに記載された感温性微粒子組成物を、下限臨
界共融温度を持たない水系架橋ポリマー、水溶性ポリマ
ーまたは水分散性ポリマー中に分散したことを特徴とす
る感温性微粒子組成物である。
【0011】本発明の第5は、上記第1発明〜第4発明
のいずれかに記載された感温性微粒子組成物を、基材上
に配置したことを特徴とする感温性微粒子シートであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の感温性微粒子組成物は、下限臨界共融温
度を有し、その温度を境に透明、不透明と変化する未架
橋高分子材料および液体をマイクロカプセルに内包した
ことことを特徴とする。
【0013】本発明の感温性微粒子組成物例を図1〜2
に示す。図1はマイクロカプセル膜1の内部に液体2と
温度により透明・不透明と変化する高分子材料3が封入
されているものを示す図である。図2は図1の組成物に
おいて液体2、高分子材料3、着色剤4が封入されてい
るものを示す図である。
【0014】以下に、本発明の表示原理を説明する。図
1の粒子の場合、低温では、未架橋ポリマーは液体であ
る水に溶解しており、図1の粒子は透明である。温度を
上昇させLCST温度を超えると、未架橋ポリマーが水
に不溶になり白濁する。このように透明/不透明と状態
を変化させることにより表示が可能となる。この方法だ
と、マイクロカプセルがない場合と比べて、LCSTを
持つポリマーの濃度をマイクロカプセル内で高濃度化で
きる。このためLCST以上で不透明度を大幅に上げる
ことができる利点がある。図2の粒子の場合、低温で
は、未架橋ポリマーは液体である水に溶解しているため
着色剤の色を表示する。温度を上昇させLCSTを超え
ると、未架橋ポリマーが水に不溶になり白濁する。この
ため粒子内部の着色剤を隠蔽することになり白表示とな
り、着色剤色/白の表示が可能となる。
【0015】また、LCSTの異なる2種以上の感温性
微粒子組成物を作り、かつそれぞれを異なった色で着色
すると、加熱する温度で2種以上の色を表示できる。例
えばLCSTの低い方のポリマーを青色で着色して図2
のような微粒子組成物を作り、もう一方のLCSTの高
い微粒子組成物を赤色とする。さらにこれら2種の微粒
子組成物を混合しランダムに並べて観察すると、LCS
T以下の温度では紫色に観察される。ここで、両者のL
CSTの間の温度まで加熱すると、LCSTの低い青色
粒子は白濁して白くなるが、もう一方の赤色粒子は、温
度が未だにLCSTよりも低いために赤色のままであ
り、よって2種の感温性微粒子組成物を並べた状態で
は、うすい赤色に見える。さらに赤色の感温性微粒子組
成物のLCST以上の温度まで加熱すると、赤色の感温
性微粒子組成物も白濁して白く見えるので、よって白色
に見える。このことは、温度変化により、紫色、赤色、
白の3色の表示が可能になる。これらの感温性微粒子組
成物を着色する色は、青及び赤に限定されるものではな
い。すなわち、その組み合わせにより様々な色の変化が
可能になりものである。さらに着色した微粒子組成物を
3色以上組み合わせると、変化させることができる色の
種類がさらに増える。この方法であれば、マイクロカプ
セルに封入していない場合と比べて、単純な方法で多色
の表示を行うことが可能となる。
【0016】次に本発明の感温性微粒子組成物の構成材
料とその製造方法について説明する。本発明においてL
CST(下限臨界共融温度)を有する高分子材料として
は、ポリN-イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの
ポリアルキル置換(メタ)アクリルアミドやアルキル置
換(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸の共重
合体、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルなどとの共重合体、ポリビニルメチルエ
ーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロースなどのアルキル置換セルロース
誘導体などが挙げられる。
【0017】これらのLCSTを持つ高分子材料は、沈
殿重合あるいはW/O乳化重合法、逆相懸濁重合法、溶
液重合法などの一般的な重合方法によって製造すること
ができる。
【0018】本発明の組成物に使用される液体として
は、水、電解質水溶液、アルコール、水に可溶な溶剤や
それらの混合物が使用できる。
【0019】これらの微粒子組成物に顔料や染料などの
色材を添加して、着色させる場合、着色の方法として
は、微粒子合成時に、飽和吸収濃度以上となる濃度の色
材を添加して着色することが好ましい。着色のために使
用する色材としては各種の顔料や染料が挙げられ、塩基
性染料、酸性染料、分散染料、反応性染料、直接染料、
蛍光染料、カーボンブラック、チタン白等の無機系顔
料、有機系顔料などが好ましい。これらの具体的構造例
としては、アゾ系、ビスアゾ系、トリアゾ系、アントラ
キノン系、トリフェニルメタン系、スチルベン系、フェ
ロシアン化合物、酸化コバルト化合物、フタロシアニン
化合物、イソインドリノン化合物、モリブテン化合物な
どの各顔料や染料などが挙げられる。
【0020】本発明の構成要素の一つであるマイクロカ
プセルは、化学的方法(界面重合法、不溶化反応法)、
物理的方法(噴霧乾燥法、流動床法)、物理化学的方法
(相分離法、界面沈殿法)等の方法で作製できる。カプ
セル膜は高分子膜であることが好ましく、光透過性のあ
る膜が好ましい。マイクロカプセル膜の材料として好ま
しいものは、ジアミン、ジオールと酸ジクロライドの反
応物、アルギン酸、ベクチン酸、カルボキシメチルセル
ロースのカルシウム塩、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ
スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロースアセ
テートブチレート樹脂、セルロース系樹脂、ポリメチル
メタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリビニルアルコー
ル、などが挙げられる。これらの中でも、アルギン酸カ
ルシウム、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレアは好
ましい。
【0021】本発明の微粒子の具体的製造方法として
は、あらかじめ調製されたLCSTを持つ高分子材料
と液体との混合物を、マイクロカプセル用材料を含む溶
液中に添加してマイクロカプセルを形成する方法、L
CSTを持つ高分子材料の前駆体であるモノマーと液体
との混合液体を、マイクロカプセルを形成する材料を含
む溶液に添加し、モノマーを内包したマイクロカプセル
を作製し、そのマイクロカプセル内でモノマーを重合さ
せる方法、などが挙げられる。また、カプセル化過程に
おいては、攪拌機による攪拌方法、微細な径をもつノズ
ルからカプセル用組成物を吐出してカプセルを形成する
方法、あるいはカプセル用組成物を噴霧してカプセルを
形成する方法などによって、所望の粒径や形状のカプセ
ルを形成することができる。
【0022】本発明において用いられる感温性微粒子組
成物は、乾燥状態で平均粒径が0.01μm〜5mmの
範囲、特に、0.01μm〜4mmの範囲の粒子である
ことが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満となる
と、コントラスト悪化の問題が生じる。一方、4mmを
超えると、画質が粗くなる問題があるし、合成も難しく
なる。
【0023】前記図1、図2の感温性微粒子組成物は、
LCSTを持たない水系架橋ポリマーと混合して基材上
に塗布するか、もしくは通常用いられる水溶性あるいは
水分散性のバインダー樹脂と混合して塗布されても良
い。また、2枚の基材間に狭持して感温性微粒子シート
とすることもできる。図3は基材5の上に本発明の感温
性微粒子組成物6を形成した例を示す。塗工された感温
性微粒子組成物層の上に保護層7を塗工しても良い。2
枚の基材間に狭持する例としては、塗工された感温性微
粒子組成物層上にフィルム8を貼合する方法が挙げられ
る。また、必要であれば感温性微粒子組成物塗工層中に
水等の液体9を含ませてもかまわない。
【0024】LCSTを持たない水系ポリマー、水系架
橋ポリマーの具体例としては、水性ポリエステル樹脂
(アニオン型ポリエステル、カチオン型ポリエステル、
ノニオン型ポリエステル)、水性アルキド樹脂、水性エ
ポキシ樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性メラミン樹脂
(メチルエーテル化アウピログアナミン樹脂、アセトグ
アナミン樹脂等)、水性アクリル系樹脂、PVA系樹
脂、ゼラチン樹脂、澱粉等の架橋樹脂が挙げられる。ま
た水溶性のポリエチレングリコールジアクリレートのよ
うなUV/EB硬化樹脂などに感温性微粒子組成物を分
散してシート状支持体上に塗工し、UV/EB照射など
により硬化する方法でもよい。
【0025】前記水系架橋ポリマーの主な役割として
は、以下の2つが挙げられる。一つ目は前記感温性微粒
子組成物を基材上に設置することである。二つ目は感温
性微粒子組成物中の水の蒸発を防ぐことである。ここ
で、前記感温性微粒子組成物のカプセル膜がアルギン酸
カルシウムなどの親水性で水を透過する材料であった場
合、水に膨潤した水系架橋ポリマーが感温性微粒子組成
物の周りを取り囲むことによって、感温性微粒子組成物
中の水分の蒸発を防ぐことができるのである。すなわち
このような場合は、水系架橋ポリマーを用いることが必
要不可欠となる。一方、感温性微粒子組成物のカプセル
膜がポリアミドなどの疎水性の材料であった場合は、感
温性微粒子組成物中の水の蒸発を考慮する必要がないた
め、必ずしも水系架橋ポリマーを使用する必要はなく、
通常用いられる水溶性あるいは水分散性のバインダー樹
脂でも代用できる。通常用いられる水溶性あるいは水分
散性バインダー樹脂としては、未架橋のPVA、アクリ
ル系樹脂、アクリル系エマルジョン、SBRなどのラテ
ックス、などが挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0026】なお、前記水系架橋ポリマーはLCSTを
持つものであってはならない。もし水系架橋ポリマーが
LCSTを持つならば、水系架橋ポリマー自身が温度に
より白濁を示すために、前記感温性微粒子組成物の白濁
現象を覆い隠してしまう。
【0027】本発明に用いられるシート状基板の種類に
関しては特に制限はなく、紙(例えば顔料塗工紙、樹脂
塗工紙)、プラスチックフィルム(例えば、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニルなど)、アルミニウムなど
の金属泊等、ガラスが用いられる。光透過性の基板を利
用することが好ましい。また、シート状基板の厚さにつ
いては、その用途により任意に選ばれ、特に限定される
ものではない。
【0028】上記の感温性微粒子シートの構成例におい
て、感温性微粒子組成物を含有する層の厚みの好ましい
範囲は、1μm〜5mm、特に、2μm〜4mmの範囲
である。1μmよりも小さいと、調光性能が低下し、5
mmを超えると、応答特性の低下、表示画質の解像度等
の問題が発生する恐れがある。
【0029】以上のようにして得られた、本発明の感温
性微粒子組成物を用いた感温性微粒子シートの画像記録
方法は、サーマルヘッドなどの発熱体を、感温性微粒子
シートの前記微粒子組成物層に近づけて、前記水溶性ポ
リマーのLCST以上に加熱する、あるいはペン状の形
状で、先端に発熱体を組み込んだものを用いるならば、
紙に文字を書き込むが如く、記録シート上に文字や図形
といった情報が書き込める。もちろん、画像記録方法は
前述の方法に限定されるものではなく、熱を前記感温性
微粒子組成物層に伝える手段は、いかなる方法も利用で
きる。このようにして記録した情報は、感温性微粒子組
成物の温度がLCST以下となり、感温性微粒子組成物
が白濁状態から透明の状態に戻るとともに消える。よっ
て、何度でも繰り返して書き込むことができるものであ
る。
【0030】また、一度記録した情報を保持したい場合
は、その一例として、発熱体をマトリクス状に並べると
いう方法が考えられる。これは、前記シート状基板上
に、各々を電気的に制御できる発熱体を、マトリクス状
に並べて設置し、かつそれぞれの発熱体を電気的に制御
できる装置を組み込み、さらにその上に、前述の感温性
微粒子組成物層を積層することにより得られる。この場
合、電源を入れた状態では、一度記録した情報が、電源
を切るまで保持できる。前記発熱体としては、特に限定
されるものではなく、電流を流すことで熱を発すること
が可能な如何なる材料を用いることができる。
【0031】(作用)本発明によれば、温度刺激の付与
により溶解/析出する未架橋高分子材料と液体とを含む
領域を、カプセル状に保持せしめることにより、表示の
応答速度を向上させることができる。これは、従来の架
橋高分子ゲルと液体との混合物と比べて、未架橋である
がゆえに、従来の問題となっていた応答速度の遅さが改
善され、コントラストや繰り返し安定性が向上した。ま
た、前述したように、異なるLCSTのポリマーを内包
したカプセルを混合することにより、多色表示が可能で
あり、更には、マイクロカプセル化により、搬送、保
管、基材への塗工などがし易いという利点がある。
【0032】(微粒子製造例1) A1溶液:N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)3.8
4g、N,N,N',N'-テトラエチレンジアミン0.5ml、アル
ギン酸ナトリウム1.25gを250mlの蒸留水に溶か
す。 A2溶液:300mlの蒸留水に塩化カルシウム、過硫酸
アンモニウムを各々3%、0.5%になるよう調整する。
A1、A2溶液各々は窒素ガスにより脱気する。A1溶
液を注射器により一滴づつ、攪拌されているA2溶液に
滴下する。滴下と同時にアルギン酸カルシウムをマクロ
カプセルとする粒子が発生し、1〜3時間で内包された
NIPAMの重合が終了する。得られた粒子を蒸留水で3〜
7回洗浄した。得られた微粒子は25℃では透明だが3
2℃以上の温度では白濁した。
【0033】(微粒子製造例2) A1溶液:N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)3.8
4g、N,N,N',N'-テトラエチレンジアミン0.5ml、アル
ギン酸ナトリウム1.25g、青色顔料(商標:TB-520Blue
分散液、大日精化製)0.0058gを250mlの蒸留水に
溶かす。 A2溶液:300mlの蒸留水に塩化カルシウム、過硫酸
アンモニウムを各々3%、0.5%になるよう調整する。
A1、A2溶液各々は窒素ガスにより脱気する。A1溶
液を注射器により一滴づつ、攪拌されているA2溶液に
滴下する。滴下と同時にアルギン酸カルシウムをマクロ
カプセルとする粒子が発生し、1〜3時間で内包された
NIPAMの重合が終了する。得られた粒子を蒸留水で3〜
7回洗浄した。得られた微粒子は25℃では青色だが3
2℃以上の温度では白濁した。
【0034】(微粒子製造例3) A1溶液:N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)3.5
86g、アクリル酸0.254g、N,N,N',N'-テトラエチレン
ジアミン0.5ml、アルギン酸ナトリウム1.25g、赤色
顔料(商標:TB-1100Red分散液、大日精化製)0.0042g
を250mlの蒸留水に溶かす。 A2溶液:300mlの蒸留水に塩化カルシウム、過硫酸
アンモニウムを各々3%、0.5%になるよう調整する。
A1、A2溶液各々は窒素ガスにより脱気する。A1溶
液を注射器により一滴づつ、攪拌されているA2溶液に
滴下する。滴下と同時にアルギン酸カルシウムをマクロ
カプセルとする粒子が発生し、1〜3時間で内包された
NIPAMの重合が終了する。得られた粒子を蒸留水で3〜
7回洗浄した。得られた微粒子は25℃では赤だが45
℃以上の温度では白濁した。
【0035】(微粒子製造例4) A1溶液:市販N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA
M)ポリマー3.84g、アルギン酸ナトリウム1.25gを2
50mlの蒸留水に溶かす。 A2溶液:300mlの蒸留水に塩化カルシウム、過硫酸
アンモニウムを各々3%、0.5%になるよう調整する。
A1、A2溶液各々は窒素ガスにより脱気する。A1溶
液を注射器により一滴づつ、攪拌されているA2溶液に
滴下する。滴下と同時にアルギン酸カルシウムをマクロ
カプセルとする粒子が発生した。得られた粒子を蒸留水
で3〜7回洗浄した。得られた微粒子は25℃では透明
だが32℃以上の温度では白濁した。
【0036】(微粒子製造例5) A1溶液:市販N-イソプロピルアクリルアミド(NIP
AM)ポリマー1g、0.4Mの1、6ヘキサンジアミンと
0.45Mの炭酸ナトリウムを溶解した水溶液30ml、蒸
留水30mlを攪拌混合した。 A2溶液:界面活性剤SPAN85を5%含有するクロロホル
ム−シクロヘキサン混合溶液(容積比で1/4)150
mlを調整。 A3溶液:テレフタロイルジクロライド1.2gをクロロ
ホルム−シクロヘキサン混合溶液(容積比で1/4)1
50mlに溶解。A1、A2溶液を攪拌混合し乳化す
る。攪拌された乳化液にA3を添加した。得られた粒子
を蒸留水で3〜7回洗浄した。得られた微粒子は25℃
では透明だが32℃以上の温度では白濁した。
【0037】(微粒子製造例6) A1溶液:N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)3.8
4g、N,N'-メチレンビスアクリルアミド0.16g、N,N,
N',N'-テトラエチレンジアミン0.5ml、アルギン酸ナ
トリウム1.25gを250mlの蒸留水に溶かす。 A2溶液:300mlの蒸留水に塩化カルシウム、過硫酸
アンモニウムを各々3%、0.5%になるよう調整する。
A1、A2溶液各々は窒素ガスにより脱気する。A1溶
液を注射器により一滴づつ、攪拌されているA2溶液に
滴下する。滴下と同時にアルギン酸カルシウムをマクロ
カプセルとする粒子が発生し、1〜3時間で内包された
NIPAMの重合が終了する。生々した粒子を蒸留水で3〜
7回洗浄した。得られた微粒子は25℃では透明だが3
2℃以上の温度では白濁したが、白濁の程度は弱かっ
た。
【0038】(微粒子製造例7) A1溶液:N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)3.8
4g、N,N,N',N'-テトラエチレンジアミン0.5ml、過硫
酸アンモニウムを250mlの蒸留水に溶かす。A1溶
液を窒素ガスにより脱気し攪拌する。1〜3時間でNIPA
Mの重合が終了する。生々したポリマー水溶液は25℃
では無色透明であったが、32℃以上の温度では白濁す
る現象は見られるものの、白濁の程度は弱かった。
【0039】<実施例1>微粒子製造例1の粒子組成物
(水分散液)を1.5ml容量の透明円筒状瓶(外径11mm、
高さ32mm)に入れた。 あらかじめ用意しておいた35
℃水槽に透明円筒状瓶をひたし、その瞬間の色変化を目
視観察した。評価結果、その他物性値を表1に示す。
【0040】<実施例2>微粒子製造例2と微粒子製造
例3の微粒子(水分散液)を等量づつ混合し、1.5ml容
量の透明円筒状瓶(外径11mm、高さ32mm)に入れた。
あらかじめ用意しておいた35℃水槽に透明円筒状瓶を
ひたし、その瞬間の色変化を目視観察した。さらに、あ
らかじめ用意しておいた50℃水槽にひたし、その瞬間
の色変化を黙し観察した。評価結果、その他物性値を表
1に示す。
【0041】<実施例3>微粒子製造例4の粒子組成物
(水分散液)を1.5ml容量の透明円筒状瓶(外径11mm、
高さ32mm)に入れた。 あらかじめ用意しておいた35
℃水槽に透明円筒状瓶をひたし、その瞬間の色変化を目
視観察した。評価結果、その他物性値を表1に示す。
【0042】<実施例4>微粒子製造例5の粒子組成物
(水分散液)を1.5ml容量の透明円筒状瓶(外径11mm、
高さ32mm)に入れた。 あらかじめ用意しておいた35
℃水槽に透明円筒状瓶をひたし、その瞬間の色変化を目
視観察した。評価結果、その他物性値を表1に示す。
【0043】<実施例5>実施例1で作製した微粒子組
成物を下記方法でLCSTを持たない水系架橋ポリマー
に分散した。 B1溶液:40mlの蒸留水にアクリル酸10gと過硫
酸アンモニウム30mgを加える。 B2溶液:50mlの蒸留水にN,N'-メチレンビスアク
リルアミド0.1g、硫酸鉄(II)(FeSO47H2O)30mgを加
える。B1溶液、B2溶液、および微粒子製造例1の微
粒子組成物を混合し、ビニール袋に入れて薄く延ばして
2時間放置し、微粒子組成物が分散された板状架橋物を
得た。軽く水分を拭取り、厚さ50μの透明PETで挟
持し、さらにOPPフィルムで包装した。板状架橋物か
ら水がしみださないよう包装OPPフィルムの4辺をヒ
ートシールした。OPPでヒートシールした板状架橋物
を、あらかじめ用意しておいた35℃水槽にひたし、そ
の瞬間の色変化を目視観察した。評価結果、その他物性
値を表1に示す。
【0044】<比較例1>微粒子製造例6の粒子組成物
(水分散液)を1.5ml容量の透明円筒状瓶(外径11mm、
高さ32mm)に入れた。 あらかじめ用意しておいた35
℃水槽に透明円筒状瓶をひたし、その瞬間の色変化を目
視観察した。評価結果、その他物性値を表1に示す。
【0045】<比較例2>微粒子製造例7の粒子組成物
(水分散液)を1.5ml容量の透明円筒状瓶(外径11mm、
高さ32mm)に入れた。 あらかじめ用意しておいた35
℃水槽に透明円筒状瓶をひたし、その瞬間の色変化を目
視観察した。評価結果、その他物性値を表1に示す。
【0046】
【表1】 色変化、応答速度:瞬時に加熱して色が変わるかを官能
評価 コントラスト:実施例1を基準に相対評価
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、容易にかつ熱応答速度
が早い表示素子を、さらにハンドリングが容易で、製造
も容易、シートが容易な感温性微粒子組成物を得られる
ものであって、産業界への寄与が大きいと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 未架橋ポリマーを含んだマイクロカプセルの
模式図。
【図2】 未架橋ポリマーと着色剤を含んだマイクロカ
プセルの模式図。
【図3】 感温性微粒子シートの模式図(基材上に微粒
子塗工層を設けたもの)。
【図4】 感温性微粒子シートの模式図(2枚の基材に
微粒子塗工層を設けたもの)。
【符号の説明】 1:マイクロカプセル膜 2:液体 3:温度により変化する高分子材料 4:着色剤 5:基材 6:感温性微粒子組成物 7:保護層 8:フィルム 9:水等の液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA02 AA25 AA32 AA36 AB13 AE04 DA56 DC04 DC11 4J002 AB022 AB032 AB041 BE021 BE042 BG041 BG042 BG132 CC181 CC191 CD001 CF001 CL001 DE027 FB282 GT00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下限臨界共融温度を有し、その温度を境
    に透明、不透明と変化する未架橋高分子材料および液体
    をマイクロカプセルに内包したことを特徴とする感温性
    微粒子組成物。
  2. 【請求項2】 更に、着色剤をマイクロカプセルに内包
    したことを特徴とする請求項1に記載の感温性微粒子組
    成物。
  3. 【請求項3】 下限臨界共融温度の異なる未架橋高分子
    材料をそれぞれ内包したマイクロカプセルを混合したこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感温性
    微粒子組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載された感
    温性微粒子組成物を、下限臨界共融温度を持たない水系
    架橋ポリマー、水溶性ポリマーまたは水分散性ポリマー
    中に分散したことを特徴とする感温性微粒子組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載された感温性微粒子
    組成物を、基材上に配置したことを特徴とする感温性微
    粒子シート。
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