JP2003113174A - ラクトン構造を有する多環式化合物 - Google Patents

ラクトン構造を有する多環式化合物

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Yuji Okago
祐二 大篭
Hiroko Takahashi
裕子 高橋
Taketoshi Naito
威敏 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマレーザー光を光源とするフォトリソ
グラフィーに用いるレジスト材料のベース樹脂として好
適な重合体を与える単量体を提供する. 【解決手段】 下記式(1)〜(4)で表されるラクト
ン構造を有する多環式化合物。 (式中、R1〜R7は、それぞれ独立して、水素原子又は
アルキル基を示す。Xは炭素数1ないし8のアルキル基
で置換されていてもよいメチレン基もしくはエチレン
基、酸素原子又は硫黄原子を示す。nは0又は正の整数
である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン性不飽和結
合とラクトン構造とを有する新規な多環式化合物に関す
るものである。本発明に係る化合物を、単独で重合させ
るか又は他のエチレン性不飽和結合を有する化合物と共
重合させて得られる重合物は、超LSI製造用のレジス
ト材料のベース樹脂として好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIはますます高集積化が進ん
でおり、パターンルールの更なる微細化が求められてい
る。この要求に適合する次世代の微細加工技術として期
待されているのが、遠紫外線リソグラフィーである。な
かでもKrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレー
ザー光を光源とするフォトリソグラフィーは、0.3μ
m以下の超微細加工に不可欠な技術として、その実現が
切望されている。エキシマレーザー光、特に波長193
nmのArFエキシマレーザー光に対して、高い透過性
を発揮するレジスト材料のベース樹脂としては、ポリア
クリル酸又はポリメタクリル酸の誘導体、及びノルボル
ネン−無水マレイン酸共重合体などの脂肪族環状化合物
を主鎖に含有する高分子化合物が検討されている。ベー
ス樹脂には種々の特性が要求されるが、エッチング耐性
及び基板密着性も重要な特性として挙げられている。従
来は、性質の異なる複数種の単量体を共重合させること
により、これらの要求を満足させようとしていた。例え
ば、特開平11−212265号公報には、エッチング
耐性を付与する成分としてのアダマンチル、トリシクロ
デシル、ノルボニル等の多環式炭化水素基を懸垂基とし
て有する単量体と、基板密着性を付与する成分としての
水酸基やカルボキシル基などの極性基を懸垂基として有
する単量体とを共重合させることが記載されている。し
かし極端に疎水性の大きいエッチング耐性付与単量体
と、極端に親水性の大きい基板密着性付与単量体とを均
一に共重合させるのは困難であり、単一重合体や意図せ
ぬブロック共重合体などが副生する。このような副生物
を含む重合体をレジスト材料のベース樹脂として用いる
と、膜内層分離による不均一な溶解、高疎水性部位の剥
がれによるパターン倒壊、高親水性部位への無秩序な現
像液の浸透による膨潤などが起り、レジストの解像性は
極めて低いものとなる。
【0003】疎水性単量体と親水性単量体とを共重合さ
せることに伴うこのような問題を回避するものとして、
ベース樹脂の原料の単量体として疎水性部位と極性基と
を同一分子内に有するものを用いることが検討されてい
る。そしてこのような要求を満たす単量体がいくつも提
案されている。例えばR.Dammel et.a
l.,Journal of Photopolyme
r Science and Technology,
Vol.12,P433(1999)には、下記式
(5)で表される化合物が提案されている。
【0004】
【化2】
【0005】また、特開平10−274852号公報に
は下記式(6)で表される化合物が、特開2000−1
59758号公報には下記式(7)で表される化合物
が、それぞれ提案されている。
【0006】
【化3】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの化合物はいず
れもエッチング耐性と基板密着性に優れた重合体を与え
るが、更にエッチング耐性に優れた重合体を与える単量
体が求められている。従って本発明はこのような単量体
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る単量体は、
下記式(1)〜(4)で表されるラクトン構造を有する
多環式化合物である。
【化4】 (式中、R1〜R7は、それぞれ独立して、水素原子又は
アルキル基を示す。Xは炭素数1ないし8のアルキル基
で置換されていてもよいメチレン基もしくはエチレン
基、酸素原子又は硫黄原子を示す。nは0又は正の整数
である。)
【0009】
【発明の実施の形態】(ラクトン構造を有する多環式化
合物)一般式(1)〜(4)において、R1〜R7のいず
れかがアルキル基を表す場合には、その炭素数は通常1
ないし20、好ましくは1ないし8、より好ましくは1
ないし4、更に好ましくは1ないし2である。アルキル
基は直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよ
い。そのいくつかを例示すると、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、2−
エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、及びメチルシク
ロヘキシル基などが挙げられる。ここで、一般式(1)
〜(4)で表される化合物の分子量としては、通常、6
00以下、好ましくは500以下、特に好ましくは40
0以下である。このうち、R1及びR2は共に水素原子で
あるのが特に好ましい。R3は水素原子又はメチル基で
あるのが特に好ましい。R4は水素原子、メチル基又は
エチル基であるのが特に好ましい。R5ないしR7はいず
れも水素原子であるのが特に好ましい。nは0又は正の
整数であるが、工業的な利用を前提とするならば、0、
1、2、又は3であることが好ましく、0又は1である
ことがより好ましい。また、nが正の整数である場合に
は、一般式(1)〜(4)中のR4は複数個存在するこ
とになるが、この複数個のR4はそれぞれ同一でも異な
っていてもよい。
【0010】一般に或る単量体から得られる樹脂のエッ
チング耐性は、単量体を構成する炭素、酸素及び水素の
原子数間の関係に依存することが知られており、経験的
に下記の式(8)及び式(9)で算出される数値がいず
れも小さいほど、エッチング耐性が良好であることが知
られている。
【0011】
【数1】 P1=(分子を構成する炭素原子及び酸素原子の数の和)/炭素原子の数…( 8) P2=(分子を構成する炭素原子及び水素原子の数の和)/炭素原子の数…( 9)
【0012】本発明のラクトン構造を有する多環式化合
物は、P1の値が1.1〜1.4であり、P2の値が
2.1〜2.4である。例えば、前記の式(5)ないし
式(7)で表される化合物と、本発明に係る化合物のう
ちの代表的なものの一つである、nが0でありR1、R2
及びR4ないしR7がいずれも水素原子で、R3がメチル
基であり、かつXがメチレン基である化合物とのP1及
びP2は次の通りである。
【表1】 本発明に係る化合物はP1及びP2がいずれも小さく、式
(5)〜(7)の化合物と同等、ないしはより優れたエ
ッチング耐性を有する樹脂を与えるものである。 (ラクトン構造を有する多環式化合物の製造方法)本発
明に係る式(1)〜(4)で表される化合物は、下記式
(13)又は(14)に従って、一般式(10)又は
(11)で表される化合物の二重結合に対するカルボン
酸類の付加反応として公知の方法により製造できる。
【0013】
【化5】
【0014】酸触媒としては、例えば特開平3−106
25号公報に開示されている活性白土、特開昭63−8
355号公報に開示されている硫酸、A.Heidek
umet.al.,Journal of Catal
ysis,Vol.181,P.217(1999)に
開示されているイオン交換樹脂、J−M.N.Meba
h et.al.,New Journal of C
hemistry,Vol.17,P.835(199
3)に開示されているポリリン酸などを用いればよい。
なかでも硫酸を用いるのが好ましい。反応は一般式(1
0)又は(11)で表される化合物に対して、一般式
(12)のカルボン酸を1ないし10倍モル用い、かつ
硫酸などの酸触媒を0.05ないし0.5モル倍存在さ
せて行うのが好ましい。反応は無溶媒でも行ない得る
が、所望ならばトルエンなどの炭化水素系溶媒やジオキ
サンなどのエーテル系溶媒を使用することもできる。反
応は室温ないし200℃、特に50ないし150℃で行
うのが好ましい。反応終了後は酸触媒を中和して除去し
たのち、蒸留、晶析、クロマトグラフィーなど常用の手
段で目的物を単離、精製することができる。ここで、上
記式(11)で表される化合物(n=0)は、下記式
(17)に従って、一般式(15)で表される環状ジエ
ン化合物と一般式(16)で表されるメチレンラクトン
類とを、Diels−Alder反応により付加させる
ことにより製造できる。
【0015】
【化6】
【0016】この反応は、式(15)で表される化合物
と式(16)で表される化合物とを等モル比で混合し,
撹拌することによって室温以下でも容易に進行させるこ
とができる。また、一般式(15)で表される環状ジエ
ン化合物がシクロペンタジエン類の場合には、下記式
(15’)で表される化合物の熱分解によって、反応系
中で(15)を発生させ、そのまま式(16)で表され
る化合物と反応させることも可能である。この場合、反
応温度は(15’)が(15)へ熱分解することのでき
る温度以上、具体的には150℃以上の温度条件下で実
施する必要がある。
【化7】 式(15)で表される化合物と式(16)で表される化
合物とのDiels−Alder反応において、反応が
激しく進行したり、原料または生成物が固体の場合に
は,トルエンなどの炭化水素系溶媒、エーテルなどの含
酸素系溶媒、または塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素系溶媒などを用いるのが好ましい。反応の進行が緩
慢な場合には、加熱したり、触媒量の三フッ化ホウ素な
どのルイス酸を加えたりすることにより、反応を促進さ
せることができる。得られた反応生成液は、溶媒や未反
応原料などを蒸留その他の適宜の手段で除去したのち、
そのまま前述のカルボン酸との反応に供することができ
るが、所望ならば蒸留、晶析、クロマトグラフィーなど
常用の手段で精製することもできる。また、式(11)
においてnが正の整数である化合物の場合は、上記で得
られた生成物と(15)または(15’)とをさらに必
要回数反応させればよい。この場合の反応温度として
は、反応(17)の場合よりも高い温度が必要となる。
一般的には100℃以上300℃以下、好ましくは15
0℃以上250℃以下である。式(10)又は(11)
で表される化合物(n=0)の製造方法としては、別法
として、下記式(20)に従って、式(15)で表され
る化合物と式(18)で表される無水イタコン酸類とを
Diels−Alder反応により付加させ、生成した
式(19)で表される化合物を還元することによっても
製造できる。
【0017】
【化8】
【0018】上記式中のDiels−Alder反応
は、上記式(17)で記載したのと同様の条件を取るこ
とができる。また、上記式(15)の代わりに上記式
(15’)を用いて、反応を行ってもよい。加えて、式
(10)又は(11)において、nが正の整数の場合
は、上記で得られた中間体(19)と(15)または
(15’)とをn回繰り返し反応させればよい。その際
の反応温度は一般的には100℃以上300℃以下、好
ましくは150℃以上250℃以下である。式(20)
で示される反応のうちカルボニル基の還元工程に用いら
れる還元剤としては、例えばM.M.Kayser a
nd P.Morand,Canadian Jour
nal of Chemistry,Vol.56,
P.1524(1978)などに開示されている金属水
素化物を用いることができる。例えば水素化リチウムア
ルミニウムやその水素原子の一部をアルコラートで置換
したものや、水素化ホウ素ナトリウムやその水素原子の
一部をアルコラートで置換したものを用いることができ
る。反応はエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの
エーテル系溶媒中で行うのが好ましい。還元剤は化学量
論量ないしは過剰量で使用するのが好ましい。還元反応
は一般に−100℃ないし100℃で行ない得るが、水
素化リチウムアルミニウムやその一部アルコラート化物
を用いる場合には−78ないし−20℃で行うのが好ま
しく、また水素化ホウ素ナトリウムやその一部アルコラ
ート化物を用いる場合には−20℃ないし100℃で行
うのが好ましい。反応終了後は、酸を加えて還元剤やそ
の酸化生成物を分解したのち、抽出及び水洗により目的
物を取得し、前述のカルボン酸との反応に供することが
できる。勿論、所望ならば蒸留、晶析、クロマトグラフ
ィーなど常用の手段により精製を行うこともできる。な
お、上述したところからも明らかなように、本発明に係
る一般式(1)〜(4)で表される化合物は、通常はこ
れらの混合物として得られる。またそれぞれの化合物
は、環に対するR4〜R7及び
【0019】
【化9】
【0020】基の結合方向により、立体配置を異にする
種々の異性体の混合物として得られる。所望ならば晶析
やクロマトグラフィーなどによりこれらを相互に分離す
ることもできるが、通常は混合物のままでレジスト材料
のベース樹脂の製造に用いる。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 実施例1 ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン−6−スピ
ロ(2’,4’−ジオキソ−3’−オキサ)シクロペン
タンの製造;無水イタコン酸80.00g(0.714
mol)のテトラヒドロフラン(250ml)溶液に、
水冷下、新たにジシクロペンタジエンを熱分解して得た
シクロペンタジエン56.37g(0.853mol)
を2時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹
拌したのち、室温で一夜放置した。テトラヒドロフラン
を減圧下で留去後、得られた白色固体を粉砕し、ノルマ
ルヘキサン200ml中に懸濁させ、この懸濁液を1時
間室温で撹拌したのち濾過し、濾滓をヘキサンで洗浄し
た。濾滓から減圧下でヘキサンを蒸発させたところ、8
0.825g(0.454mol)のビシクロ[2.
2.1]ヘプタン−2−エン−スピロ(2’,4’−ジ
オキソ−3’−オキサ)シクロペンタンが得られた。原
料の無水イタコン酸に対する収率は63.5%であっ
た。
【0022】ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エ
ン−6−スピロ(2’−オキソ−3’−オキサ)シクロ
ペンタンとビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン
−6−スピロ(3’−オキソ−4’−オキサ)シクロペ
ンタンの製造;逆流冷却器、温度計及び100ml滴下
ロートを付した容量500mlの3頸フラスコに、撹拌
子及びテトラヒドロフラン80mlを仕込み、これに水
素化ホウ素ナトリウム4.257g(112.5mmo
l)を懸濁させた。この懸濁液を氷浴上でフラスコ内温
5℃に冷却した後、滴下ロートよりビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−エン−スピロ(2’,4’−ジオキ
ソ−3’−オキサ)シクロペンタン20.46g(11
4.8mmol)、およびメタノール3.612g(1
12.7mmol)のテトラヒドロフラン(60ml)
溶液を、2時間かけて滴下した。この間、反応温度は1
0℃以下に保った。滴下終了後、8℃で20分間撹拌
し、次いで滴下ロートより2規定塩酸70mlを注意深
く加えたところ、無色透明な二層の溶液が得られた。水
相(下層)を分取し、減圧下に約50mlまで濃縮し
て、50mlのトルエンで1回抽出した。一方、テトラ
ヒドロフラン相(上層)は溶媒を減圧下に留去した。残
渣にトルエン150mlおよび先に水相を抽出処理して
得た50mlのトルエン抽出液を加え、30分間撹拌し
たのち、不溶の白色固体を濾別して無色透明なトルエン
溶液とした。各50mlの飽和炭酸水素ナトリウムで4
回洗浄し、次いで各50mlの純水で4回洗浄した。無
水硫酸マグネシウム上で乾燥したのち、溶媒を留去し、
残留物を減圧蒸留(130℃/5mmHg)したところ
12.714g(77.43mmol)の無色透明の液
体が得られた。このものは1H−NMR分析の結果、ビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン−スピロ
(2’−オキソ−3’−オキサ)シクロペンタンとビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン−6−スピロ
(3’−オキソ−4’−オキサ)シクロペンタンの混合
物であることがわかった、収率は67.4%であった。
【0023】ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−ス
ピロ(2’−オキソ−3’−オキサ)シクロペンタン−
2−イルメタクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン−6−スピロ(2’−オキソ−3’−オキサ)シク
ロペンタン−3−イルメタクリレート、ビシクロ[2.
2.1]ヘプタン−6−スピロ(3’−オキソ−4’−
オキサ)シクロペンタン−2−イルメタクリレートおよ
びビシクロ[2.2.1]ヘプタン−6−スピロ(3’
−オキソ−4’−オキサ)シクロペンタン−3−イルメ
タクリレート混合物の製造;100mlナス型フラスコ
中で、上記で得られたビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−2−エン−スピロ(2’−オキソ−3’−オキサ)シ
クロペンタンとビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−
エン−6−スピロ(3’−オキソ−4’−オキサ)シク
ロペンタンの混合物12.15g(74.0mmo
l)、メタクリル酸25.50g(296.2mmo
l)、及び4−メトキシフェノール14.6mgを混合
し均一溶液とした。これに95%濃硫酸1.943g
(18.8mmol)を加え、撹拌しながら油浴上で1
20℃で2時間保持した。反応液を室温に冷却した後、
炭酸ナトリウム2.02g(19.06mmol)の水
溶液(20ml)を加え、硫酸を中和した。トルエン2
0mlを加え、撹拌したのち静置して成層分離させた。
水相を分離し、油相を70℃/10mmHgで1時間処
理し、トルエン及びメタクリル酸を留去した。各20m
lの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で4回洗浄し、さら
に各10mの純水で4回洗浄した。無水硫酸マグネシウ
ム上で乾燥の後、トルエン30mlとクロマト用シリカ
ゲルを加えて懸濁液とした。これを室温で1時間撹拌
し、シリカゲルを濾別し、これをトルエンで洗浄して、
濾液と洗浄液を合わせた。これから溶媒を留去したとこ
ろ15.60gの油状黄色透明な生成物を得た。この生
成物は室温に放置すると大半が結晶化した。キャピラリ
ーガスクロマトグラフィーによって展開すると、少なく
とも8種の類似保持時間を示す化合物からなることがわ
かった。収率は84.2%であった。以下に分析結果を
示す。
【0024】(1)元素分析 実測値:C,67.31%;H,7.23%. 計算値:C,67.18%;H,7.25%. (2)赤外スペクトル 1770cm-1(ラクトンCO);1710cm-1(メ
タクリレートCO). (3)1H−NMR(CDCl3,δppm)帰属は式
(21)参照. 6.09−6.08(1H,a);5.56−5.55
(1H,b);4.87−4.67(1H,c);4.
30−4.00(2H,d);2.61−2.36(2
H,e);2.20−2.19(1H,f);2.14
−1.96(1H,g);1.93(3H,h);1.
82−1.66(2H,i);1.57−1.47(2
H,j,k);1.43−1.23(2H,l). (4)13C−NMR(CDCl3,δppm)帰属は式
(22)参照. 176.6,176.5(a);167.2,167.
1(b);136.6,136.3(c);126.0
−125.2(d);80.3(e);76.1,7
6.0(f);46.2−33.9(g−m);18.
5,18.4(n).
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】 実施例2 テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9
−エン−4−スピロ(2‘または4’−オキソ−3‘−
オキサ)シクロペンタンの製造;ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2−スピロ(2’,4’−ジオ
キソ−3’−オキサ)シクロペンタン57.5g(35
0mmol)、ジシクロペンタジエン23.1g(17
5mmol)とトルエン30mlを誘導撹拌式200m
lオートクレーブに仕込み、系内を窒素ガスで置換した
後、220℃に昇温し、この温度で3時間反応した。冷
却後、反応液を取り出して蒸留を行い、165〜172
℃(0.3mmHg)の留分を19.60g得た。これ
及びメタノール19.6g(81.0mmol)のテト
ラヒドロフラン(50ml)溶液を、水素化ホウ素ナト
リウム3.06g(81.0mmol)のテトラヒドロ
フラン(100ml)懸濁液を氷浴上でフラスコ内温5
℃に冷却した中に滴下した。滴下終了後、室温で1時間
撹拌し、次いで1規定塩酸80mlを加えた。この溶液
を減圧下で濃縮した後、トルエン100mlで抽出し
た。各20mlの5重量%炭酸水素ナトリウムで3回洗
浄し、次いで各20mlの純水で3回洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を留去し、蒸留で15
4〜155℃(0.5mmHg)の留分7.42gが得
られた。質量分析の結果、[M+]が244であり、テ
トラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−
エン−4−スピロ(2‘または4’−オキソ−3‘−オ
キサ)シクロペンタンであることがわかった。 テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−
4−スピロ(2‘または4’−オキソ−3‘−オキサ)
シクロペンタン−9−イル アクリレートの製造:アク
リル酸7.70g(107mmol)、95重量%硫酸
0.540g、トルエン7ml及び4−メトキシフェノ
ール3mgを100mlの三ツ口フラスコにいれ、90
℃に加熱した。この中にテトラシクロ[6.2.1.1
3,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−スピロ(2‘また
は4’−オキソ−3‘−オキサ)シクロペンタン3.1
0g(13.5mmol)のトルエン3ml溶液を滴下
した後、90℃で3時間加熱した。冷却後、反応液を水
10mlに加えた後、トルエン20mlで抽出した。ト
ルエン層を各10mlの5重量%ナトリウム水溶液で3
回洗浄し、次いで各5mlの純水で3回洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を留去したところ、
3.70gの黄色の粘性液体が得られた。質量分析の結
果から[M+]が302であり、テトラシクロ[6.
2.1.13,6.0 2,7]ドデカン−4−スピロ(2‘ま
たは4’−オキソ−3‘−オキサ)シクロペンタン−9
−イル アクリレートであることが確認された。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る化合物を重合して得られる
重合物をベース樹脂とするレジスト材料は、高エネルギ
ー線に感応し、感度、解像性及びエッチング耐性に優れ
ているため、電子線や遠紫外線による微細加工に有用で
ある。特にArFエキシマレーザー、KrFエキシマレ
ーザーの露光波長での吸収が小さいため、微細で、しか
も基板に対して垂直なパターンを容易に形成することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 威敏 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA09 AA14 AB16 AC04 AC06 AC08 AD01 AD03 CB14 CB41 4C037 WA01 4J100 AL08P BA11P BC07P BC08P BC53P BC83P JA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)〜(4)で表されるラクト
    ン構造を有する多環式化合物。 【化1】 (式中、R1〜R7は、それぞれ独立して、水素原子又は
    アルキル基を示す。Xは炭素数1ないし8のアルキル基
    で置換されていてもよいメチレン基もしくはエチレン
    基、酸素原子又は硫黄原子を示す。nは0又は正の整数
    である。)
  2. 【請求項2】 nが0、1、2又は3であることを特徴
    とする請求項1記載のラクトン構造を有する多環式化合
    物。
  3. 【請求項3】 R1ないしR7のいずれかがアルキル基で
    ある場合に、そのアルキル基の炭素数が1〜8であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のラクトン構造を
    有する多環式化合物。
  4. 【請求項4】 Xがメチレン基であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のラクトン構造を有
    する多環式化合物。
  5. 【請求項5】 R1及びR2が水素原子であり、R3が水
    素原子又はメチル基であることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のラクトン構造を有する多環式
    化合物。
  6. 【請求項6】 R1、R2及びR4ないしR7がいずれも水
    素原子であり、R3が水素原子又はメチル基であり、X
    がメチレン基であることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載のラクトン構造を有する多環式化合
    物。
  7. 【請求項7】 R1、R2及びR5ないしR7がいずれも水
    素原子であり、R3が水素原子又はメチル基であり、R4
    がメチル基又はエチル基であり、Xがメチレン基である
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ラクトン構造を有する多環式化合物。
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