JP2003106237A - 電磁式燃料噴射弁の製造方法 - Google Patents

電磁式燃料噴射弁の製造方法

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JP2003106237A
JP2003106237A JP2001301775A JP2001301775A JP2003106237A JP 2003106237 A JP2003106237 A JP 2003106237A JP 2001301775 A JP2001301775 A JP 2001301775A JP 2001301775 A JP2001301775 A JP 2001301775A JP 2003106237 A JP2003106237 A JP 2003106237A
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valve
fuel injection
electromagnetic fuel
tubular portion
manufacturing
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JP2001301775A
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Mikihiro Ishii
幹弘 石井
Manabu Shoji
学 東海林
Tomoyuki Omura
知之 大村
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Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁座部材及び弁ハウジング間を低コストで能
率良く液密に結合することができる電磁式燃料噴射弁の
製造方法を提供する。 【解決手段】 弁座部材3及び弁ハウジング2の相対向
する一方の雄形嵌合筒部3aと他方の雌形嵌合筒部2a
とを互いに隙間嵌めすると共に,雌形嵌合筒部2aの内
周面に形成された段部13と雄形嵌合筒部3aの先端と
でストッパプレート6を挟持する第1工程と,雌形嵌合
筒部2aの先端に,半径方向内方に塑性変形して雄形嵌
合筒部3aの外周面に全周に亙り密着する密着部53を
形成する第2工程と,この密着部53を雄形嵌合筒部3
aの外周面に全周に亙り溶接する第3工程とを順次実行
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,弁孔及びこの弁孔
の内端に連なる弁座を有する弁座部材と,この弁座部材
に一端部を結合する弁ハウジングと,この弁ハウジング
の他端部に結合される固定コアと,この固定コアに対向
するように前記弁ハウジングに軸方向移動可能に収容さ
れる可動コア及び,この可動コアに連設され前記弁座と
協働して前記弁孔を開閉する弁体からなる弁組立体とを
備え,この弁組立体には,弁ハウジングに固設されるス
トッパプレートに当接して弁体の開弁限界を規定するス
トッパフランジを形成した電磁式燃料噴射弁の製造方法
に関し,特に,弁座部材及び弁ハウジング間の結合方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,上記電磁式燃料噴射弁における弁
座部材及び弁ハウジング間を液密に結合するのに,弁座
部材に雄形嵌合筒部を弁ハウジングの雌形嵌合筒部に嵌
合してから,その両端部間を全周に亙り溶接することが
知られている(例えば特開平11−13581号参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,互いに嵌合
した雄形嵌合筒部及び雌形嵌合筒部間の良好な溶接状態
を得るには,溶接前に両端部の嵌合面が隙間無く密着し
ていることが要求される。そこで,両端部の嵌合を圧入
とすることも従来知られているが,その圧入に際して
は,嵌合部の圧入代の精度管理を厳しく行わなければ,
切粉が発生して弁機能を阻害したり,雌形嵌合筒部の開
口部が必要以上に開いて,却って溶接を困難にする等の
不具合が生ずるので,そのような管理に多大なコストが
かかる。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,弁座部材及び弁ハウジング間を低コストで能率良
く液密に結合し得るようにした,前記電磁式燃料噴射弁
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,弁孔及びこの弁孔の内端に連なる弁座を
有する弁座部材と,この弁座部材に一端部を結合する弁
ハウジングと,この弁ハウジングの他端部に結合される
固定コアと,この固定コアに対向するように前記弁ハウ
ジングに軸方向移動可能に収容される可動コア及び,こ
の可動コアに連設され前記弁座と協働して前記弁孔を開
閉する弁体からなる弁組立体とを備え,この弁組立体に
は,弁ハウジングに固設されるストッパプレートに当接
して弁体の開弁限界を規定するストッパフランジを形成
した電磁式燃料噴射弁を製造するに当たり,弁座部材及
び弁ハウジングの相対向する一方の雄形嵌合筒部と他方
の雌形嵌合筒部とを互いに隙間嵌めすると共に,雌形嵌
合筒部の内周面に形成された段部と雄形嵌合筒部の先端
とでストッパプレートを挟持する第1工程と,雌形嵌合
筒部の先端に,半径方向内方に塑性変形して雄形嵌合筒
部の外周面に全周に亙り密着する密着部を形成する第2
工程と,この密着部を雄形嵌合筒部の外周面に全周に亙
り溶接する第3工程とを順次実行することを第1の特徴
とする。
【0006】この第1の特徴によれば,雄形嵌合筒部及
び雌形嵌合筒部の隙間嵌めと,雌形嵌合筒部の雄形嵌合
筒部に対する密着部の形成とにより,格別厳しい寸法管
理を行わずとも,雌形嵌合筒部の先端部を雄形嵌合筒部
の外周面に確実に密着させることができ,次工程での溶
接を容易,確実に行うことができ,液密が確実な良好な
溶接部を得ることができ,コストの低減と品質の向上に
寄与し得る。
【0007】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記
第2工程では,雄形嵌合筒部の外周面に形成した環状突
起を前記密着部に食い込ませることを第2の特徴とす
る。
【0008】この第2の特徴によれば,雄形嵌合筒部及
び雌形嵌合筒部は,溶接によるのみならず,雌形嵌合筒
部の密着部に雄形嵌合筒部の環状突起が食い込むことに
よっても結合されるので,高い液密性と結合力を得るこ
とができる。
【0009】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加
えて,前記第2工程では,かしめ工具に形成した円錐状
の加圧面を雌形嵌合筒部の先端に対して押圧することに
より前記密着部を形成することを第3の特徴とする。
【0010】この第3の特徴によれば,かしめ工具の円
錐状の加圧面を雌形嵌合筒部の先端を押圧するだけで,
その先端部を全周に亙り一挙に塑性変形させ,密着部を
形成することができるので,その成形を容易,迅速に行
うことができ,コストの更なる低減を図ることができ
る。
【0011】さらにまた本発明は,第2の特徴に加え
て,前記環状突起の高さ5〜50μmに設定することを
第4の特徴とする。
【0012】この第4の特徴によれば,雄形嵌合筒部及
び雌形嵌合筒部の所要の結合強度と,雌形嵌合筒部の密
着部の雄形嵌合筒部外周面への良好な密着状態を得るこ
とができる。
【0013】さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の
何れかに加えて,弁座部材を高硬度材製,弁ハウジング
を低硬度材製とし,前記第2工程では,ビームの照射点
を雄形嵌合筒部及び雌形嵌合筒部の境界線より低硬度材
側にオフセットして,雄形嵌合筒部及び雌形嵌合筒部間
をビーム溶接したことを第5の特徴とする。
【0014】この第5の特徴によれば,高硬度材製の雄
形嵌合筒部では,ビームによる直接の入熱を受けないた
め,溶け込みが比較的緩徐に行われることになり,した
がって再焼き入れ状態が抑えられ,また多少とも発生す
る歪みは低硬度材製の雌形嵌合筒部が吸収してくれるこ
とで,溶接部の割れの発生を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0016】図1は本発明の方法で製造される内燃機関
用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2部拡大
図,図3は弁座部材の雄形嵌合筒部と弁ハウジングの雌
形嵌合筒部との隙間嵌め工程を示す,図2の3部に対応
した拡大断面図,図4は雌形嵌合筒部の雄形嵌合筒部に
対するかしめ結合工程を示す断面図,図5は図4の要部
拡大図,図6は雌形嵌合筒部及び雄形嵌合筒部の溶接工
程を示す,図5に対応した拡大断面図である。
【0017】先ず,図1及び図2により,本発明の方法
で製造される内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iの構成につ
いて説明する。電磁式燃料噴射弁Iのケーシング1は,
円筒状の弁ハウジング2(磁性体)と,この弁ハウジン
グ2の下端部に液密に結合される有底円筒状の弁座部材
3と,弁ハウジング2の上端に環状のスペーサ4を挟ん
で液密に結合される円筒状の固定コア5とから構成され
る。
【0018】スペーサ4は,非磁性金属,例えばステン
レス鋼製であり,その両端面に弁ハウジング2及び固定
コア5が突き当てられて液密に全周溶接される。
【0019】弁座部材3及び弁ハウジング2の対向端部
は,ストッパプレート6を挟持しながら相互に結合され
る。その結合要領については後述する。
【0020】弁座部材3及びストッパプレート6は,耐
摩耗性の必要から,高硬度のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼(例えばJIS SUS440C)で構成される。
弁ハウジング2は,弁座部材3より硬度の低い低硬度材
製である。
【0021】弁座部材3は,その下端面に開口する弁孔
7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,こ
の弁座8の大径部に連なっていて弁座8と同軸の円筒状
の第1ガイド孔91 と,この第1ガイド孔91 から上方
に離れてそれと同軸に並ぶ円筒状の第2ガイド孔92
を備えている。
【0022】弁座部材3の下端面には,上記弁孔7と連
通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェク
タプレート10が液密に全周溶接される。
【0023】弁ハウジング2,弁座部材3及びスペーサ
4内には,固定コア5,弁座8及びストッパプレート6
と協働する弁組立体Vが収容される。
【0024】図2に示すように,この弁組立体Vは,固
定コア5の下端面に対向する可動コア12と,弁座8に
着座し得る鋼球製の弁体16と,これら可動コア12及
び弁体16間を一体的に連結する弁ステム15とから構
成される。またその弁ステム15は,可動コア12に結
合される第1弁ステム要素15aと,この第1弁ステム
要素15a及び弁体16間を連結する第2弁ステム要素
15bとで構成される。
【0025】弁体16の外周面には,前記第1ガイド孔
1 に摺動自在に嵌合する第1摺動軸部171 と,この
第1摺動軸部171 の外周にあって燃料の流通を可能に
する複数の第1面取り部181 とが形成される。また第
1弁ステム要素15aは,大径の連結軸部40と,この
連結軸部40の下端に第1頸部41を介して連なるスト
ッパフランジ42と,このストッパフランジ42の下端
に第2頸部43を介して連なる第2摺動軸部172 と,
この第2摺動軸部172 の下端面に突設される小径の位
置決め軸部44とを同軸に配して構成される。そして連
結軸部40を可動コア12の下端面に形成された連結孔
45に圧入した後,可動コア12の下端周縁部12aを
第1頸部41に向かってかしめることにより,第1弁ス
テム要素15a及び可動コア12は一体に結合される。
【0026】ストッパフランジ42は,第1頸部41を
前記ストッパプレート6のU字状切欠き6aに挿入する
ことにより,ストッパプレート6の下面に対置される。
【0027】第2摺動軸部172 は,前記弁座部材3の
第2ガイド孔92 に摺動自在に嵌合され,その外周面に
は,燃料の流通を可能にする複数の第2面取り部182
が形成される。
【0028】第2弁ステム要素15bには,その上端面
に開口する有底の位置決め孔46と,その下端面に開口
する円錐状の位置決め凹部47とが形成される。そして
位置決め孔46に第1弁ステム要素15aの第1位置決
め軸部44を圧入して仮止めした後,その圧入周縁部に
ビーム溶接を施すことにより,第1及び第2弁ステム要
素15a,15bは相互に一体に結合される。また位置
決め凹部47には弁体16の球面の一部を係合した後,
係合周縁部にビーム溶接を施すことにより,第2弁ステ
ム要素15b及び弁体16は相互に一体に結合される。
【0029】ストッパプレート6及びストッパフランジ
42間には,弁体16の閉弁時,即ち弁座8への着座
時,弁体16の開弁ストロークに対応する間隙gが設け
られる。一方,固定コア5及び可動コア12間には,弁
体16の開弁時,即ち弁体16が弁座8から離座したと
きでも,両コア5,12の当接を避けるに足る間隙が設
けられる。
【0030】再び図1及び図2において,固定コア5
は,弁ハウジング2内と連通する中空部21を有してお
り,その中空部21に,可動コア12を弁体16の閉じ
方向,即ち弁座8への着座方向に付勢するコイル状の弁
ばね22と,この弁ばね22の上端を支承するパイプ状
のリテーナ23とが収容される。
【0031】その際,可動コア12の上端面には,弁ば
ね22の下端部を受容する位置決め凹部24が形成され
る。また弁ばね22のセット荷重は,リテーナ23の中
空部21への圧入深さによって調整される。
【0032】固定コア5の上端には,パイプ状のリテー
ナ23を介して固定コア5の中空部21に連通する燃料
入口25を持つ入口筒26が一体に連設され,その燃料
入口25に燃料フィルタ27が装着される。
【0033】スペーサ4及び固定コア5の外周にはコイ
ル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,
スペーサ4及び固定コア5に外周面に嵌合するボビン2
9と,これに巻装されるコイル30とからなっており,
このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31
の一端部が弁ハウジング2の外周面に溶接により結合さ
れる。
【0034】コイルハウジング31,コイル組立体28
及び固定コア5は合成樹脂製の被覆体32内に埋封さ
れ,この被覆体32の中間部には,前記コイル30に連
なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に
連設される。
【0035】この被覆体32から下方に露出した弁ハウ
ジング2の外周には,被覆体32の下端に当接する合成
樹脂製のシール位置決め環36が嵌合される。また弁座
部材3の前端部には合成樹脂製のキャップ35が弾力的
に嵌着され,このキャップ35とシール位置決め環36
との間において弁座部材3の外周面に密接するOリング
37が装着される。このOリング37は,この電磁式燃
料噴射弁Iを図示しないエンジンの吸気マニホールドの
燃料噴射弁取り付け孔に装着したとき,その取り付け孔
の内周面に密接するようになっている。
【0036】而して,コイル30を消磁した状態では,
弁ばね22の付勢力で可動コア12及び弁体16が前方
に押圧され,弁体16を弁座8に着座させている。した
がって,燃料フィルタ27及び入口筒26を通してケー
シング1内に供給された高圧燃料がケーシング1内に待
機する。コイル30を通電により励磁すると,それによ
り生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,弁
ハウジング2及び可動コア12を順次走り,その磁力に
より可動コア12が弁体16と共に固定コア5に吸引さ
れ,弁座8が開放されるので,ケーシング1内の高圧燃
料が弁ステム15の第2面取り部182 及び弁体16の
第1面取り部181 を経て弁孔7を通過し,燃料噴孔1
1からエンジンの吸気弁に向かって噴射される。このと
き,弁組立体Vのストッパフランジ42が弁ハウジング
2に固着したストッパプレート6に当接することによ
り,弁体16の開弁ストロークが規定される。
【0037】コイル30を再び消磁状態に戻すと,弁組
立体Vは弁ばね22の付勢力をもって図2の状態に復帰
し,弁体16を弁座8に着座させて,燃料の噴射を停止
する。
【0038】この間,弁組立体Vは,第1及び第2摺動
軸部171 ,172 を弁座部材3の第1及び第2ガイド
孔91 ,92 に沿って摺動させることにより,開閉姿勢
を適正に維持するので,弁座8の開閉を的確に行い,開
弁時間に応じて燃料噴射量を正確に制御することができ
る。
【0039】さて,図2〜図6により,本発明による弁
座部材3及び弁ハウジング2の結合方法について説明す
る。
【0040】図2及び図3に示すように,弁座部材3及
び弁ハウジング2の対向端部は雄形嵌合筒部3a及び雌
形嵌合筒部2aに形成される。また雄形嵌合筒部3aの
外周面には,高さが5〜50μm,望ましくは略30μ
mの環状突起50が形成され,雌形嵌合筒部2aは,雄
形嵌合筒部3aより薄肉に形成されると共に,内周面の
根元に半径方向内方へ張り出す環状段部13が形成され
る。
【0041】そして先ず,図3に示すように,雌形嵌合
筒部2a内に,ストッパプレート6と共に雄形嵌合筒部
3aを隙間嵌めして,雌形嵌合筒部2a内の環状段部1
3と雄形嵌合筒部3aの先端との間でストッパプレート
6を挟持する。
【0042】次に,図4及び図5に示すように,環状の
かしめ工具52に形成した円錐状の加圧面52aを雌形
嵌合筒部2aの先端に対して軸方向に押圧することによ
り,雌形嵌合筒部2aの先端部を全周に亙り半径内方に
塑性変形させて,環状突起50を食い込ませながら雄形
嵌合筒部3aの外周面に密着する密着部53を形成す
る。
【0043】尚,上記環状のかしめ工具52は,半環状
のブロック52A,52Bに二分割されていて,弁座部
材3先端の大径部に邪魔されることなく,所定の加工位
置にセットし得るようになっている。
【0044】密着部53の成形後は,雄形嵌合筒部3a
の外周面と雌形嵌合筒部2aの端面とに挟まれる隅部の
全周に亙りレーザビームBを照射して溶接を施す。その
際,ビームBの照射点Pを,雄形嵌合筒部3a及び雌形
嵌合筒部2aの境界線より低硬度材製の雌形嵌合筒部2
a側に距離eオフセットし,該ビームBによる溶け込み
Wが低硬度材製の雌形嵌合筒部2aから高硬度材製の雄
形嵌合筒部3a側に広がるようにすると良い。このよう
にすると,高硬度材製の雄形嵌合筒部3aでは,ビーム
Bによる直接の入熱を受けないため,溶け込みが比較的
緩徐に行われることになり,したがって再焼き入れ状態
が抑えられ,また多少とも発生する歪みは低硬度材製の
雌形嵌合筒部2aが吸収してくれることで,溶接部の割
れの発生を防ぐことができる。
【0045】こうして,雄形嵌合筒部3a及び雌形嵌合
筒部2aは相互に液密に結合される。
【0046】而して,雄形嵌合筒部3a及び雌形嵌合筒
部2aの隙間嵌めと,雌形嵌合筒部2aの雄形嵌合筒部
3aに対する密着部53の形成とにより,格別厳しい寸
法管理を行わずとも,雌形嵌合筒部2aの先端部を雄形
嵌合筒部3aの外周面に確実に密着させることができ,
即ち隙間を確実に排除することができる。その結果,次
工程でのビーム溶接を容易,確実に行うことができ,液
密が確実な良好な溶接部を得ることができ,これにより
コストの低減と品質の向上を果たすことができる。
【0047】また雄形嵌合筒部3a及び雌形嵌合筒部2
aは,ビーム溶接によるのみならず,雌形嵌合筒部2a
の密着部53に雄形嵌合筒部3aの環状突起50が食い
込むことによっても結合されるので,高い液密性と結合
力,特に軸方向の結合力を得ることができる。
【0048】さらに密着部53の形成に際しては,かし
め工具52の円錐状の加圧面52aを雌形嵌合筒部2a
の先端を押圧するだけで,その先端部を全周に亙り一挙
に塑性変形させ,密着部53を形成することができるの
で,その成形を容易,迅速に行うことができ,これよっ
てもコストの低減が図られる。
【0049】ところで,雄形嵌合筒部3a外周面の環状
突起50の高さhと,雄形嵌合筒部3a及び雌形嵌合筒
部2aの結合強度,かしめ工具52によるかしめ荷重及
び,密着部53の雄形嵌合筒部3aに対する密着状態と
の関係についてテストしてみたところ,該環状突起50
の高さhが5μmを下回ると,所要の結合強度が得られ
ず,また50μmを上回ると,かしめ代が過大となるた
め,密着部53の雄形嵌合筒部3a外周面への良好な密
着状態を得るには,かしめ荷重を増大させ必要がある
が,かしめ荷重の一定以上の増加は,加工性を損なうの
みならず,弁座部材3等に無用な歪みを生じさせること
があるのを確認した。したがって,該環状突起50を5
〜50μm,特に略30μmと設定すれば,雄形嵌合筒
部3a及び雌形嵌合筒部2aの所要の結合強度と,雌形
嵌合筒部2aの密着部53の雄形嵌合筒部3a外周面へ
の良好な密着状態を得ることができる。
【0050】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可
能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,雄形嵌合筒部及び雌形嵌合筒部の隙間嵌めと,雌形
嵌合筒部の雄形嵌合筒部に対する密着部の形成とによ
り,格別厳しい寸法管理を行わずとも,雌形嵌合筒部の
先端部を雄形嵌合筒部の外周面に確実に密着させること
ができ,次工程での溶接を容易,確実に行うことがで
き,液密が確実な良好な溶接部を得ることができ,コス
トの低減と品質の向上に寄与し得る。
【0052】また本発明の第2の特徴によれば,雄形嵌
合筒部及び雌形嵌合筒部は,溶接によるのみならず,雌
形嵌合筒部の密着部に雄形嵌合筒部の環状突起が食い込
むことによっても結合されるので,高い液密性と結合力
を得ることができる。
【0053】さらに本発明の第3の特徴によれば,かし
め工具の円錐状の加圧面を雌形嵌合筒部の先端を押圧す
るだけで,その先端部を全周に亙り一挙に塑性変形さ
せ,密着部を形成することができるので,その成形を容
易,迅速に行うことができ,コストの更なる低減を図る
ことができる。
【0054】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
雄形嵌合筒部及び雌形嵌合筒部の所要の結合強度と,雌
形嵌合筒部の密着部の雄形嵌合筒部外周面への良好な密
着状態を得ることができる。
【0055】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
ビーム溶接時,高硬度材製の雄形嵌合筒部では,ビーム
による直接の入熱を受けないため,溶け込みが比較的緩
徐に行われることになり,したがって再焼き入れ状態が
抑えられ,また多少とも発生する歪みは低硬度材製の雌
形嵌合筒部が吸収してくれることで,溶接部の割れの発
生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造される内燃機関用電磁式燃
料噴射弁の縦断面図。
【図2】図1の2部拡大図。
【図3】弁座部材の雄形嵌合筒部と弁ハウジングの雌形
嵌合筒部との隙間嵌め工程を示す,図2の3部に対応し
た拡大断面図。
【図4】雌形嵌合筒部の雄形嵌合筒部に対するかしめ結
合工程を示す断面図。
【図5】図4の要部拡大図。
【図6】雌形嵌合筒部及び雄形嵌合筒部の溶接工程を示
す,図5に対応した拡大断面図。
【符号の説明】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁 V・・・・・弁組立体 2・・・・・弁ハウジング 2a・・・・雌形嵌合筒部 3・・・・・弁座部材 3a・・・・雄形嵌合筒部 5・・・・・固定コア 6・・・・・ストッパプレート 7・・・・・弁孔 8・・・・・弁座 12・・・・可動コア 13・・・・段部 16・・・・弁体 50・・・・環状突起 52・・・・かしめ工具 52a・・・加圧面 53・・・・密着部 B・・・・・溶接ビーム P・・・・・溶接ビームの照射点 e・・・・・オフセット距離 h・・・・・環状突起の高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 知之 宮城県角田市角田字流197−1 株式会社 ケーヒン角田開発センター内 Fターム(参考) 3G066 AA01 AB02 AD07 BA36 BA54 BA61 CC01 CC03 CC15 CD30 CE22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁孔(7)及びこの弁孔(7)の内端に
    連なる弁座(8)を有する弁座部材(3)と,この弁座
    部材(3)に一端部を結合する弁ハウジング(2)と,
    この弁ハウジング(2)の他端部に結合される固定コア
    (5)と,この固定コア(5)に対向するように前記弁
    ハウジング(2)に軸方向移動可能に収容される可動コ
    ア(12)及び,この可動コア(12)に連設され前記
    弁座(8)と協働して前記弁孔(7)を開閉する弁体
    (16)からなる弁組立体(V)とを備え,この弁組立
    体(V)には,弁ハウジング(2)に固設されるストッ
    パプレート(6)に当接して弁体(16)の開弁限界を
    規定するストッパフランジ(42)を形成した電磁式燃
    料噴射弁を製造するに当たり,弁座部材(3)及び弁ハ
    ウジング(2)の相対向する一方の雄形嵌合筒部(3
    a)と他方の雌形嵌合筒部(2a)とを互いに隙間嵌め
    すると共に,雌形嵌合筒部(2a)の内周面に形成され
    た段部(13)と雄形嵌合筒部(3a)の先端とでスト
    ッパプレート(6)を挟持する第1工程と,雌形嵌合筒
    部(2a)の先端に,半径方向内方に塑性変形して雄形
    嵌合筒部(3a)の外周面に全周に亙り密着する密着部
    (53)を形成する第2工程と,この密着部(53)を
    雄形嵌合筒部(3a)の外周面に全周に亙り溶接する第
    3工程とを順次実行することを特徴とする,電磁式燃料
    噴射弁の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁の製造
    方法において,前記第2工程では,雄形嵌合筒部(3
    a)の外周面に形成した環状突起(50)を前記密着部
    (53)に食い込ませることを特徴とする,電磁式燃料
    噴射弁の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁式燃料噴射弁
    の製造方法において,前記第2工程では,かしめ工具
    (52)に形成した円錐状の加圧面(52a)を雌形嵌
    合筒部(2a)の先端に対して押圧することにより前記
    密着部(53)を形成することを特徴とする電磁式燃料
    噴射弁の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の電磁式燃料噴射弁の製造
    方法において,前記環状突起(50)の高さ5〜50μ
    mに設定することを特徴とする,電磁式燃料噴射弁の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の電磁式燃
    料噴射弁の製造方法において,弁座部材(3)を高硬度
    材製,弁ハウジング(2)を低硬度材製とし,前記第2
    工程では,ビーム(B)の照射点(P)を雄形嵌合筒部
    (3a)及び雌形嵌合筒部(2a)の境界線より低硬度
    材側にオフセットして,雄形嵌合筒部(3a)及び雌形
    嵌合筒部(2a)間をビーム溶接したことを特徴とす
    る,電磁式燃料噴射弁の製造方法。
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