JP2003105657A - 吸湿発熱性を有する靴内部材 - Google Patents

吸湿発熱性を有する靴内部材

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JP2003105657A
JP2003105657A JP2001297655A JP2001297655A JP2003105657A JP 2003105657 A JP2003105657 A JP 2003105657A JP 2001297655 A JP2001297655 A JP 2001297655A JP 2001297655 A JP2001297655 A JP 2001297655A JP 2003105657 A JP2003105657 A JP 2003105657A
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hygroscopic
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heat
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JP2001297655A
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Ryoji Nakamura
良司 中村
Seiichi Ochi
清一 越智
Akihisa Nakagawa
明久 中川
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保温性と蒸れ感を改良し、特に冬季に快適な保
温性と吸湿性を合わせ持つ快適性に優れた靴側地、靴イ
ンソール部材などの靴内部材を提供するものである。 【解決手段】高吸湿性微粒子が付着されてなる構造体で
あり、吸湿時の最大温度上昇が3℃以上である吸湿発熱
性構造体を少なくとも20質量%含むことを特徴とする
靴側地、靴インソール部材などの靴内部材であり、さら
に吸湿時の発熱が30分以上保持される吸湿発熱性構造
体を含むことを特徴とする前記の靴内部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、靴内部材に関す
る。詳しくは、保温性と蒸れ感を改良した快適性に優れ
た靴側地、靴インソールなどの靴内部材に関する。
【0002】
【従来の技術】保温性に着目した一般衣料、防寒衣料、
スポーツ衣料や低温倉庫用ユニホームなどが種々実用化
されている。しかしながら靴内の保温に関しては保温剤
のスペースの確保が難しいことから、ほとんど提案され
ていない。しいて言えば、靴下に工夫がされる事が多
い。より昔には、保温効果を高めるために靴内に真綿等
の詰めものを用いたこともあった。もう1つの靴の課題
は蒸れやすいことにある。これをさけるために、夏期等
にはメッシュや紐を組み合わせたサンダル等が着用され
るが、雨天等の外部からの着水がある場合等には適さな
い。また、保温と通気は相反する特性であり、通常の方
法では同時満足できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保温性と蒸
れ感を改良し、特に冬季に快適な保温性と吸湿性を合わ
せ持つ快適性に優れた靴側地、靴インソール部材などの
靴内部材を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、靴内部材として次の技術構成を持つ基布を導
入する。すなわち、 1.高吸湿性微粒子が付着されてなる繊維構造体であ
り、吸湿時の最大温度上昇が3℃以上である吸湿発熱性
繊維構造体を20質量%以上含有する靴内部材。
【0005】2.前記構造体が吸湿時の発熱が30分以
上保持されることを特徴とする第1に記載の靴内部材。
【0006】3.前記構造体に付着させる高吸湿性微粒
子が有機微粒子であることを特徴とする第2に記載の靴
内部材。
【0007】4.前記構造体が高吸湿性有機微粒子がポ
リスチレン系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル
酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれか
のビニル系重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リ
ン酸基あるいは、それらの金属塩の少なくとも1種の親
水基を有し、かつジビニルベンゼントリアリルイソシア
ネートまたはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重
合体である第3に記載の靴内部材。
【0008】5.前記微粒子が高吸湿性微粒子の平均粒
子径が2μm未満であることを特徴とする第2〜4のい
ずれかに記載の靴内部材。
【0009】6.前記構造体が高吸湿性微粒子を親水性
樹脂を介して構造体に固定化されていることを特徴とす
る第2〜5のいずれかに記載の靴内部材。
【0010】7.前記構造体中の高吸湿性微粒子と親水
性樹脂の質量比が1/1〜19/1であることを特徴と
する第2〜6のいずれかに記載の靴内部材。
【0011】8.前記構造体が天然繊維、化合繊もしく
はこれらの混用繊維で構成される編物、織物、不織布、
であることを特徴とする第2〜7のいずれかに記載の靴
内部材。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する.本発明の靴側地、靴インソール部材
などの靴内部材は少なくとも構成積層材の一部に吸湿発
熱性繊維構造体を用いる。本発明に用いる吸湿発熱構造
体とは、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル
ニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ
ブチレンテレフタレート系、ポリテトラメチレンテレフ
タレート系、ポリウレタン系、ポリフェニレンサルファ
イド系等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊
維、木綿、麻、シルク、ウール、羽毛などの天然繊維も
しくはこれらの混用素材からなる編物、織物、不織布、
組物などで構成される。
【0013】本発明に用いる高吸湿性微粒子(高吸湿/
吸水発熱性有機微粒子とも表記する。)とは、吸湿時に
発熱性を示す微粒子であれば、特に化学構造的に限定さ
れるものではない。例えば、吸湿性シリカなどの無機
系、もしくは吸湿性ポリウレタン系、ポリアミド系、ポ
リエステル系およびポリアクリレート系などの種々の有
機系微粒子の適用が可能であるが、特に、高吸湿/吸水
発熱性有機微粒子が好ましく、例えば、ポリスチレン
系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル
系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系
重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基ある
いは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有
し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネート
またはヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体微
粒子である。
【0014】高吸湿性微粒子の粒度は、吸湿発熱速度/
発熱効率、均一付着性、風合い及び耐磨耗性の点から細
かいほど望ましく、平均粒子径2μm未満がより好まし
い。
【0015】本発明に用いる高吸湿性微粒子の付与方法
は、繊維、フィルムもしくは樹脂層に直接練り込む方法
や編物、織物、不織布、フリース、紐状物、フィルム及
び樹脂成形品などの表層にバインダー樹脂を介して付着
させる方法が挙げられるが、吸湿/吸水発熱速度/発熱
効率の点から後者のバインダー樹脂を介する付着方法が
好ましい。
【0016】バインダー樹脂としては、通常の含浸法、
パディング法、コーティング法、スプレー法に適用でき
るシリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリエチレンオキサイド系などの樹
脂が挙げられ、特に限定されないが、親水性、すなわ
ち、吸湿性、透湿性に優れ、高吸湿/吸水発熱性微粒子
の優れた吸湿性、吸水性を阻害せず、しかも高吸湿/吸
水発熱性微粒子と構造体を効果的に接着固定化できるバ
インダー機能に優れるタイプが望ましい。特に好ましい
親水性樹脂バインダーとしては、親水性セグメントとし
て、ポリアルキレンオキサイド付加型、スルホン酸塩、
カルボン酸塩等の極性親水基型、アミド変成型などを導
入した親水性シリコーン系樹脂、親水性ウレタン系樹
脂、親水性ポリアミド系樹脂、親水性ポリエチレンオキ
サイド系樹脂で、樹脂自身の吸湿性、透湿性が高く、吸
湿性を阻害しないものがあげられる。ここで言う樹脂の
透湿性とは無孔膜状態での透湿性を意味する。微多孔膜
で発現する透湿性が高い樹脂でも、樹脂自身の吸湿性が
低いバインダー樹脂では、高吸湿発熱性微粒子の優れた
吸湿発熱もしくは吸水発熱性をマスキングし、低下させ
る。また、これら高吸湿/吸水発熱性微粒子と親水性樹
脂バインダーの系に耐久性向上のために、イソシアネー
ト系、メチロール系、エチレンイミン系、多官能アジリ
ジニル系、金属塩系など各種架橋剤を、併用微粒子本来
の吸湿性を低下させない範囲で併用しても良い。
【0017】本発明における高吸湿発熱性微粒子と親水
性樹脂の配合比及びこれらの付着量は、吸湿発熱性に大
きく影響する。親水性樹脂の親水レベルにより高吸湿発
熱性微粒子と親水性樹脂の配合比は多少異なるが、通常
1/1〜19/1の配合使用が望ましく、好ましくは、
10/1〜19/1の配合比が、さらに好ましくは、1
5/1〜19/1の配合比などの、特に親水性樹脂の配
合比率の小さいものほど、優れた吸湿発熱性を発現させ
ることができる。但し、親水性樹脂が極端に少ない場
合、もしくは併用しない場合は構造物表面に付着した高
吸湿発熱性微粒子の磨耗耐久性が低下し、脱落し易くな
る。逆に、親水性樹脂の配合比が多い場合は、親水性樹
脂といえども、高吸湿発熱性微粒子本来の保有する吸湿
性を阻害するケースが多いため、マスキング効果により
吸湿発熱速度及び発熱量が極端に低下する。もちろん、
親水性樹脂の吸湿性が高吸湿発熱性微粒子と同等以上の
場合は、親水性樹脂の配合比を増加することができる。
【0018】本発明に用いる吸湿発熱性構造体の発熱性
は、物質の吸湿に産出する吸着反応熱に基づくもので、
構造体に含まれる高吸湿性微粒子及び併用親水性樹脂バ
インダーの吸湿性能力及び付着量に依存する。すなわ
ち、高吸湿性微粒子で、しかも細かいほど、吸湿レベル
の高い親水性樹脂バインダーほど、吸着水分による産熱
は大きく、発熱速度も早く、発熱保持時間も長くなる。
もちろん、かかる吸湿性は構造体基材単独でも保有する
ため、より効果的な吸湿発熱性を実現させるためには適
用吸湿発熱性微粒子の吸湿率(20℃、65%RH)は
25%以上が望ましく、さらに好ましくは40%以上で
ある。また、併用親水性樹脂はかかる吸湿/吸水発熱性
微粒子の吸湿性/吸水性をできるだけ阻害しない少なく
とも吸湿率(20℃、65%RH)3〜50%のものが
好ましい。すなわち、効果的な吸湿発熱性を得るために
は、本発明の高度な吸湿発熱性を保有する構造体を出来
るだけ低吸湿率、更に好ましくは完全乾燥(絶乾)状態
に近い状態で保管することが肝要である。逆に、飽和吸
湿率以上に水分を吸着し、発熱が完了した構造体は、放
熱冷却され当初の温度まで低下するが、再度、乾燥して
吸着水を取り除けば、元来の優れた吸湿発熱性が再発現
する。
【0019】本発明によれば、高吸湿発熱性微粒子の種
類及び付着量を最適化し、適正な親水性樹脂バインダー
を介して付着させた構造体は、吸湿時の最大温度上昇が
3℃以上、好ましくは4℃以上、より好ましくは5℃以
上であり、あるいは吸水時の発熱保持時間が30秒以
上、より好ましくは1分以上保持される等、吸湿発熱速
度、発熱量、発熱保持時間の総合発熱性能面で、従来に
ない優れた吸湿発熱性が得られる。
【0020】本発明の靴内部材において、靴側地の場
合、高吸湿発熱構造体は単独で用いる事ができるが、補
強を目的に粗いメッシュ材等で覆うことも可能であり、
高吸湿発熱構造体の外面には靴として要求される保形性
と強度を確保するための外皮が張り合わされている。該
靴内部材中の高吸湿発熱構造体の質量は少なくとも20
%が必要であり、20%未満になると保温、吸湿性能と
も体感できない。必要により靴側地全体を高密度織物等
で弾性体を構成し、全体に含浸させることも可能であ
る。
【0021】また、靴インソール部材の場合、高吸湿発
熱構造体は足裏側近にあることが好ましいが、補強を目
的に粗いメッシュ材等で覆うことも可能であり、高吸湿
発熱構造体の下部には緩衝と保湿を目的とした、空隙率
の高い弾力部材を積層する事がより好ましい。吸湿した
水分は該空隙に高湿度空気として貯蔵され、歩行時の靴
インソール部材の繰り返し圧縮により、靴外に排出され
る。該靴インソール部材中の高吸湿発熱構造体の質量は
少なくとも20%が必要であり、20%未満になると保
温、吸湿性能とも体感できない。必要により靴インソー
ル部材全体を不織布等で弾性体を構成し、全体に含浸さ
せることも可能である。
【0022】本発明における外皮材料としては水をはじ
き、気相水分を通す、いわゆる透湿防水機能を備えた素
材を用いることが好ましい。
【0023】本発明の靴内部材は、これらの優れた高吸
湿発熱性に加えて、抗菌防臭性、制菌性、消臭性、ノネ
ナール消臭性の多機能性を発現させることもできる。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、何らこれらに限定するものではない。以
下で、単に部、%と記載したものは、質量基準を意味す
る。吸湿率及び発熱温度は以下の測定法で実施した。
【0025】<絶乾質量>サンプルを110℃×6時間
乾燥後、シリカゲル入りデシケータに入れ、20℃、6
5%RH環境下で調温後、質量測定を行った。 <吸湿性>20℃、65%RH環境下で24時間調温調
湿後の質量測定を行い、下記式から算出した。 吸湿率(%)={(吸湿質量−絶乾質量)/絶乾質量}
×100
【0026】<吸湿発熱性>110℃×6時間乾燥後、
シリカゲル入りデシケータに入れ、絶乾状態とした5c
m×5cmの測定サンプルに温度センサー(例えば安立
計器(株)製;540K MD−5型)を装着後、20
℃、95%RH環境下(例えば硫酸カリウム飽和水溶液
入りデシケータ)での吸湿発熱性を温度記録計(例えば
安立計器(株)製;DATA COLLECTOR A
M−7052型)で計測した。 <吸水発熱性>前記絶乾状態の5cm×5cmの測定サ
ンプルに温度センサーを装着後、20℃、65%RH環
境下で、サンプル質量の50%相当量のイオン交換水を
3〜5秒の間に均一に噴霧後、吸水発熱性を温度記録計
にて計測した。最大吸水発熱温度及び吸水前サンプル温
度以上の吸水発熱保持時間(分)で評価した。
【0027】<結露性>10〜15リットルの内体積を
有するデシケーターに5cm×5cmのサンプルを投入
し、ふたを開けた状態で20℃、80%の室内に放置
し、調温・調湿した。24時間後、デシケーターのふた
を閉めて10℃に保たれた環境下に5分以内に移動させ
る。その1時間後にふたを開けサンプルの結露状態を目
視判定した。
【0028】<抗菌性>繊維製品の定量的抗菌試験方法
(統一試験方法)マニュアルに定める方法を用いた。
試験菌種としては、黄色ぶどう球菌 Staph−yl
ococcusaureus ATCC 6538Pを
用い、無加工布(標準綿布)菌数[B]、評価サンプル
菌数[C]より次の方法で求めた。 静菌活性値=logB−logC 本静菌活性値が2.2以上の製品を抗菌性ありとした。
【0029】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維ニードルパンチ不織布(単糸繊
度;5.5デシテックス、目付;100g/m2、厚み;
1.0mm)を本発明の高吸湿発熱性構造体の基布とし
て用いた。
【0030】次に高吸湿発熱性有機微粒子の製造を次の
方法で行った。メタクリル酸/p−スチレンスルホン酸
ソーダ=70/30の水溶性重合体350部及び硫酸ナ
トリウム35部を6500部の水に溶解し、櫂型攪拌機
付きの重合槽に仕込んだ。次に、アクリル酸メチル27
50部及びジビニルベンゼン330部に2,2'−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)15部を溶
解して重合槽に仕込み、400rpmの攪拌下、60℃
で2時間重合し、重合率88%の共重合体を得た。該重
合体100部を水900部中に分散し、これに110部
の苛性ソーダを添加し、90℃、2.5時間反応を行
い、アクリル酸メチルのメチルエステル部を加水分解す
ることによりカルボキシル基4.6ミリ当量/gを有し
た架橋重合体を得た。得られた重合体を水中に分散し、
洗浄、脱水後、粉砕、分級もしくはろ過し、高吸湿/吸
水発熱性微粒子を得た。得られた高吸湿/吸水発熱性有
機微粒子の20℃、65%RH下での吸湿率は50%、
平均粒子径は0.8μmであった。
【0031】かかる高吸湿発熱性微粒子20%を含む水
分散体95部に親水性樹脂バインダーとして、TF−3
500(花王社製親水性シリコン系バインダー;固形分
40%)4部およびアクアプレンWS105(明成化学
工業社製親水性ウレタン系バインダー;固形分40%)
1部を加えた加工パディング液に基布を浸漬し、マング
ルにて加工液ウエットピックアップ率100%になるよ
う絞った後、120℃で乾燥後、180℃で1分間乾熱
セットして構造体を得た。得られた構造体の吸湿発熱性
の特性を表1に示す。未加工品に比べ発熱速度、発熱温
度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性が得られ、また抗
菌性も確認できた。
【0032】該加工布と補強用とするナイロン加工糸メ
ッシュ編み地(33デシテックス、6フィラメント使い
で目付が35g/m2)を張り合わせ靴内部材とした。同
布帛を靴の内側面及び底面に内装した靴(外皮は透湿防
水性の合成皮革を用いた)を作成した。該靴をナイロン
加工糸の靴下を着用して、10℃、RH40%の環境下
で30分歩行した時の着用感を、同種の外皮を用い、本
発明の靴内装材を着装しない靴と比較した。本発明の内
装材を用いた方は、温かく蒸れ感が少なかった。また、
本発明品を用いない靴を着用した時の靴下の足底部は若
干ではあるが、湿っぽくなっていた。
【0033】[実施例2]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維加工糸織物(110デシテックス、2
4フィラメントの平織 目付;88g/m2)を基布とし
て実施例1と同様に処理し加工布を得た。その結果を表
1に示す。
【0034】該加工靴内部材と未加工の同一布を各々内
装した靴を実施例1と同法で靴を作成した。実施例1と
同法で評価したところ、加工布は未加工布に比べ、保温
性があり、蒸れ感もなく、また抗菌性も確認できた。
【0035】[比較例1]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維加工糸織物(22デシテックス、
12フィラメントの平織 目付;23g/m2)を基布
として実施例1と同様に処理し加工布を得た。その結果
を表1に示す。
【0036】該加工布とポリエステルフィラメント加工
糸織物(165デシテックス、48フィラメント、目
付;185g/m2)を張り合わせ靴内装材とした。実
施例1と同法で評価した。保温効果、蒸れ防止効果とも
実感できず、また抗菌性も認められなかった。更に靴下
の足裏部分にはわずかに水分の付着が触感的に認められ
た。
【0037】
【表1】
【0038】[実施例3]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維ニードルパンチ不織布(単糸繊
度;5.5デシテックス、目付;212g/m2、厚み;2.1m
m)を本発明の高吸湿発熱性構造体の基布として用い
た。
【0039】実施例1に記載の高吸湿発熱性微粒子20
%を含む水分散体95部に親水性樹脂バインダーとし
て、TF−3500(花王社製親水性シリコン系バイン
ダー;固形分40%)4部およびアクアプレンWS10
5(明成化学工業社製親水性ウレタン系バインダー;固
形分40%)1部を加えた加工パディング液に基布を浸
漬し、マングルにて加工液ウエットピックアップ率10
0%になるよう絞った後、120℃で乾燥後、180℃
で1分間乾熱セットして構造体を得た。得られた構造体
の吸湿発熱性の特性を表2に示す。未加工品に比べ発熱
速度、発熱温度、発熱保持時間の優れた吸湿発熱性が得
られ、また抗菌性も確認できた。
【0040】該加工布と未加工布を各々右足と左足の形
に整形し、通常の皮靴に挿入し、ナイロン加工糸の靴下
を着用して、10℃、RH40%の環境下で30分歩行
した時の着用感を比較した結果、未加工布を用いた物に
比べ、加工布を靴インソール部材として用いた方は、温
かく蒸れ感が少なかった。また、未加工布を着装した方
の靴下の足底部は若干ではあるが、湿っぽくなってい
た。
【0041】[実施例4]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維ニードルパンチ不織布(単糸繊
度;5.5デシテックス 目付;101g/m2、厚み;1.0m
m)を基布として実施例1と同様に処理し加工布を得
た。その結果を表2に示す。
【0042】該加工布と未加工不織布を張り合わせ、更
にポリエステルフィラメント(22デシテックスモノフ
ィラメント)で平織とした目付が25g/m2の織物を
加工布表面に張り合わせ、整形、縫製して靴インソール
部材とした。実施例1と同法で評価したところ加工布は
未加工布に比べ、保温性があり、蒸れ感もなく、また抗
菌性も確認できた。
【0043】[比較例2]ポリエチレンテレフタレート
系ポリエステル長繊維ニードルパンチ不織布(単糸繊
度;5.5デシテックス 目付;53g/m2、厚み;0.6m
m)を基布として実施例1と同法で加工し、高吸湿発熱
構造体を得た。その特性を表2に示す。
【0044】該加工布とポリエチレンテレフタレート系
ポリエステル長繊維ニードルパンチ不織布未加工布(単
糸繊度;3.3テ゛シテックス 、目付;305g/m2)を張り合わせ、整
形して靴インソール部材とし、実施例1と同法で評価し
た。保温効果、蒸れ防止効果とも実感できず、抗菌性も
認められなかった。更に靴下の足裏部分にはわずかに水
分の付着が触感的に認められた。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿性に優れ、更にこ
の吸湿による発熱する効果により、寒冷下の環境での着
用において、保温効果と蒸れ防止性能が優れる快適な靴
内気候をかもしだせる靴内装材、靴インソール部材など
の靴内部材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BC01 BC03 BC07 BD01 HA16 HA80 HA89 4L033 AC07 AC15 CA11 CA13 CA18 4L047 AA07 AA12 AA13 AA21 BA03 CC16 DA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸湿性微粒子が付着されてなる繊維構
    造体であり、吸湿時の最大温度上昇が3℃以上である吸
    湿発熱性繊維構造体を少なくとも20質量%含むことを
    特徴とする靴内部材。
  2. 【請求項2】 吸湿時の発熱が30分以上保持される吸
    湿発熱性瀬に構造体を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の請求項1に記載の靴内部材。
  3. 【請求項3】 高吸湿性微粒子が有機微粒子であること
    を特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の靴内部
    材。
  4. 【請求項4】 高吸湿性有機微粒子がポリスチレン系、
    ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、
    ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合
    体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるい
    は、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、
    かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまた
    はヒドラジンのいずれかで架橋された架橋重合体である
    請求項3に記載の靴内部材。
  5. 【請求項5】 高吸湿性微粒子の平均粒子径が2μm未
    満であることを特徴とする請求項3〜4のいずれかに記
    載の靴内部材。
  6. 【請求項6】 吸湿性微粒子が親水性樹脂を介して構造
    体に固定化されていることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の靴内部材。
  7. 【請求項7】 高吸湿性微粒子と親水性樹脂の質量比が
    1/1〜19/1であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の靴内部材。
  8. 【請求項8】 構造体が天然繊維、化合繊もしくはこれ
    らの混用繊維で構成される編物、織物、不織布、組物で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    靴内部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100409784C (zh) * 2004-01-09 2008-08-13 帝人纤维株式会社 靴内部材料、鞋垫及长靴
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JP2010116436A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd 吸水性樹脂組成物
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