JP2003105092A - 吸水剤およびその製造方法、並びに、衛生材料 - Google Patents

吸水剤およびその製造方法、並びに、衛生材料

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康弘 藤田
Makoto Nagasawa
誠 長澤
Shigeru Sakamoto
繁 阪本
Yorimichi Dairoku
頼道 大六
Katsuyuki Wada
克之 和田
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Toshimasa Kitayama
敏匡 北山
Kazunao Hitomi
一尚 樋富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食
塩水流れ誘導性のバランスに優れるとともに、製造の際
のロットごと、あるいは各ロット中における生理食塩水
流れ誘導性の値の振れが小さい、物性の安定した吸水剤
を短時間で製造する方法および吸水剤を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる吸水剤の製造方法の1つ
は、酸基含有の吸水性樹脂粉末(a)に、非架橋性の水
溶性無機塩基(b1)および/または非還元性のアルカ
リ金属塩pH緩衝剤(b2)、および、該酸基と反応し
うる脱水反応性架橋剤(c1)を混合し、前記吸水性樹
脂粉末(a)を架橋処理することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水剤およびその
製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、吸水性
樹脂を架橋剤で改質することで得られる吸水剤であっ
て、無加圧下でも加圧下でも高い吸収倍率、さらに高い
生理食塩水流れ誘導性を示す吸水剤およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわ
ゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、
体液を吸収させることを目的とした吸水性樹脂(吸水
剤)が幅広く使用されている。上記の吸水性樹脂として
は、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−
アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリ
ル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解
物またはこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架
橋重合体等が知られている。
【0003】上記の吸水性樹脂が備えるべき特性とし
て、従来より体液等の水性液体に接した際の優れた吸液
量や吸水速度、ゲル強度、ゲル通液性、水性液体を含ん
だ基材から水を吸い上げる吸引力等が唱えられている。
そして、従来よりこれらの特性を複数併せ持ち、紙オム
ツや生理用ナプキン等の衛生材料に用いられた場合に、
優れた性能(吸収特性)を示す吸水性樹脂(吸水剤)が
種々提案されている。例えば、吸水性樹脂の無加圧下吸
収倍率および加圧下吸収倍率等の吸収特性をバランス良
く改良する方法として、吸水性樹脂の表面近傍を架橋す
る技術が知られており、これまでに様々な方法が開示さ
れている。
【0004】その例として、多価アルコールを用いる方
法(特開昭58−180233号公報、特開昭61−1
6903号公報)、多価グリシジル化合物、多価アジリ
ジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化
合物を用いる方法(特開昭59−189103号公
報)、グリオキサールを用いる方法(特開昭52−11
7393号公報)、多価金属を用いる方法(特開昭51
−136588号公報、特開昭61−257235号公
報、特開昭62−7745号公報)、シランカップリン
グ剤を用いる方法(特開昭61−211305号公報、
特開昭61−252212号公報、特開昭61−264
006号公報)、アルキレンカーボネートを用いる方法
(独国特許第4020780号公報)、多価ヘテロ環カ
ーボネートを用いる方法(特開平11−31521
6)、オキサゾリジノンを用いる方法(WO99/42
494号公報)、多価オキサゾリジノンを用いる方法
(WO99/43720号公報)、オキサジンを用いる
方法(WO00/31153号公報)、オキサゾリン化
合物を用いる方法(特開2000−197818号公
報)等が知られている。
【0005】さらに、上記架橋剤によって吸収特性の向
上を行う際に、更なる性能向上のために添加剤(不活性
混合助剤、酸触媒、塩基)を用いる方法も知られてい
る。すなわち、添加剤として不活性混合助剤を用いる方
法(1)として、不活性無機粉末を存在させる方法(特
開昭60−163956号公報、特開昭60−2558
14号公報)、多価金属の塩および/または水酸化物を
含む水を存在させる方法(特開昭62−7745号公
報)、二価アルコールを存在させる方法(特開平1−2
92004号公報)、水とエーテル化合物を存在させる
方法(特開平2−153903号公報)、水溶性ポリマ
ーを存在させる方法(特開平3−126730号公
報)、1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、
有機酸の1価塩、またはラクタム類を存在させる方法
(特公平6−74331号公報、特開平7−33818
号公報)、一価金属塩を存在させる方法(WO98/4
9221号公報)、カチオンを存在させる方法(WO0
0/53664号公報、WO00/53644公報)等
が知られている。
【0006】さらに、添加剤として酸触媒を用いる方法
(2)として、リン酸を存在させる方法(WO94/1
5651号公報)、無機酸または有機酸を存在させる方
法(特開平7−278225号公報)等が知られてい
る。また、添加剤として塩基を用いる方法(3)とし
て、水溶性アルカリ化合物を存在させる方法(特開平6
−298841)等も知られている。これら(1)、
(2)、(3)の方法で用いる添加剤が架橋剤と共に存
在することにより、架橋剤単独に比べて吸水剤の吸収特
性のバランスをある程度向上させることもできるが、ま
だまだ十分なものとは言い難いものであった。
【0007】すなわち、(1)の方法で用いるような添
加剤(不活性混合助剤)では、使用する吸水性樹脂に微
紛が多く含まれる等の場合には混合助剤としての働きに
よりその効果が現れるものの、一方ではその存在により
架橋剤の吸水性樹脂粉末への浸透性の過度の低下や架橋
反応の阻害等により吸収特性の改善がほとんど見られな
かったり、改善するにしても架橋剤の使用量が増加す
る、反応時間が長くなる、反応温度を上昇させなければ
ならない、等という問題点もあった。(2)の方法で用
いるような添加剤(酸触媒)では、架橋剤の反応を促進
する触媒としての効果が期待できるものの、ある程度の
効果を得るための量を添加すると架橋剤溶液のpHの極
度な低下と、酸基を含有する部分中和型の吸水性樹脂の
場合などには特に表面の酸性化が起こって架橋剤の浸透
性の制御が困難となる。また、表面の酸性化は吸水性樹
脂の粒子間の接着性を増加し、凝集体の形成につながる
傾向にあるので好ましくない。その結果、所望する吸水
性樹脂粒子表面層の架橋密度が得られず性能的に満足で
きるものが得難いという問題点がある。
【0008】(3)の方法には、添加剤(塩基)とカル
ボキシル基と容易に反応する官能基を2個以上有する化
合物(多価金属塩、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジ
ニル化合物、ポリイソシアネート化合物)との組み合わ
せによる表面架橋が開示され、ゲル強度や比較的低荷重
(20g/cm2)での加圧下吸収倍率の改善が図られ
ている。しかし、特開平6−298841号の方法で
は、いまだ表面架橋剤の混合性改良や吸水性樹脂の物性
改良に不十分であり、特に、近年求められているSFC
や高荷重下(4.83kPa、約50g/cm2)での
加圧下吸収倍率(AAP)(いずれも後述)を向上させ
ることは困難であった。
【0009】また、典型的な吸水性樹脂としては、その
高物性やコスト面から、アクリル酸の部分中和塩架橋体
からなるアクリル酸系吸水性樹脂が挙げられる。そし
て、かかるアクリル酸系吸水性樹脂の製造方法として
は、予め所定中和率に中和したアクリル酸およびその塩
を重合する方法(以下、中和重合法と呼ぶ)と、未中和
ないし低中和のアクリル酸を重合してから重合ゲルを後
中和する方法(以下、酸型重合法)の2つが一般的に行
われている。中和重合法に比べて、後者の酸型重合法で
は高吸収倍率で低可溶分の吸水性樹脂が得られる傾向に
はあるが、重合後の含水ゲル状架橋重合体を均一に中和
するには長時間を要する上に技術的に非常に困難であ
り、得られる吸水性樹脂粉末の個々の粒子の中和率が不
均一になる場合がある。このような場合、酸型重合法の
吸水性樹脂は高吸収倍率で低可溶分にもかかわらず、表
面架橋処理を行っても十分な吸水剤の性能が得られない
ことが、特開平10−10173号(欧州特許公開08
82502A1)で開示されている。
【0010】すなわち、従来、吸水性樹脂を表面架橋す
る場合にはその中和率の違いにより必要とされる表面架
橋処理が異なり、ある中和率で最適な架橋処理でも他の
中和率では所望する吸水剤の性能が得られなかったり、
特に吸水性樹脂粉末の個々の粒子の中和率が多岐に混在
する場合には、所望する吸水剤の性能が得られないこと
があった。以上述べたように、従来の技術によっては表
面架橋処理を均一に行うことができておらず、その結
果、得られる吸水性樹脂の各種物性(後述のCRC、A
AP、SFCなど、特にSFC)のバランスが悪くなる
とともに、SFCにバラツキが生じていた。このため、
例えば、オムツの性能のロット振れや、オムツ1枚の中
でも性能に大きな差が生じていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑みなされたものである。すなわち、本発明の
課題は、架橋処理時に、混合助剤としての効果を示しな
がらも架橋反応を阻害せず、場合によっては反応触媒と
しての効果も併せ持ち、かつ部分中和重合された吸水性
樹脂の中和率の違いや酸型重合の後中和操作に起因する
中和率の均一性にほとんど関わりなく、均一な表面架橋
が発現できる吸水剤の製造方法を提供することにある。
さらに本発明の課題は、無加圧下吸収倍率、加圧下吸収
倍率、生理食塩水流れ誘導性のバランスに優れるととも
に、製造の際のロットごと、あるいは各ロット中におけ
る生理食塩水流れ誘導性の値の振れ(バラツキ)が小さ
い、物性の安定した吸水剤を短時間で製造する方法およ
び吸水剤を提供することにもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、吸収特性に
優れた吸水剤を鋭意検討した結果、特定の添加剤を吸水
性樹脂の特定の架橋剤と共に用いることで上記課題が解
決することを見出し、本発明を完成させるに至った。す
なわち、本発明にかかる吸水剤は、不飽和単量体成分を
重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分
とする粒子状吸水剤であって、前記粒子状吸水剤は、粒
子径が850μm未満で150μm以上の粒子を全粒子
の90重量%以上含み、かつ、粒子径が850μm未満
で600μm以上の粒子(A1)、粒子径が600μm
未満で500μm以上の粒子(A2)、粒子径が500
μm未満で300μm以上の粒子(A3)、粒子径が3
00μm未満で150μm以上の粒子(A4)から選ば
れる少なくとも2種以上を含み、さらに、下記物性を満
たすことを特徴とする、吸水剤に関する。
【0013】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(1)で規定されるSFC変化指数が0〜25%。 SFC変化指数(%)=[(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子 状吸水剤全体のSFC)]×100 (1) また、本発明にかかる別の吸水剤は不飽和単量体成分を
重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分
とする粒子状吸水剤であって、前記粒子状吸水剤は、粒
子径が850μm未満で150μm以上の粒子を全粒子
の90重量%以上含み、かつ、粒子径が850μm未満
で600μm以上の粒子(A1)、粒子径が600μm
未満で500μm以上の粒子(A2)、粒子径が500
μm未満で300μm以上の粒子(A3)、粒子径が3
00μm未満で150μm以上の粒子(A4)から選ば
れる少なくとも2種以上を含み、さらに、下記物性を満
たすことを特徴とする、吸水剤に関する。
【0014】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(2)で規定されるSFC変動係数が0〜0.25。 SFC変動係数=(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子A1から A4のSFCの平均値) (2) さらに、本発明にかかる別の吸水剤は、不飽和単量体成
分を重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主
成分とする粒子状吸水剤であって、前記粒子状吸水剤
は、粒子径が850μm未満で150μm以上の粒子を
全粒子の90重量%以上含み、かつ、粒子径が850μ
m未満で600μm以上の粒子(A1)、粒子径が60
0μm未満で500μm以上の粒子(A2)、粒子径が
500μm未満で300μm以上の粒子(A3)、粒子
径が300μm未満で150μm以上の粒子(A4)か
ら選ばれる少なくとも2種以上を含み、さらに、下記物
性を満たすことを特徴とする、連続生産された吸水剤に
関する。
【0015】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(4)で規定される連続生産系SFC標準偏差が5.0
以下。 連続生産系SFC標準偏差=各LotのSFCの標準偏差 (4) (ただし、CRC、AAP、SFCはLot平均であ
り、各Lotは20kg以上。Lot数は10以上。) さらに、本発明にかかる別の吸水剤は、酸基含有単量体
(塩)を含む単量体を重合し、さらに後中和して得られ
た吸水性樹脂を表面架橋した粒子状吸水剤であって、前
記粒子状吸水剤または吸水性樹脂の中和指数が15以上
で、かつ、表面架橋後の0.90重量%生理食塩水に対
する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AA
P)が20(g/g)以上である。
【0016】また、本発明にかかる吸水剤の製造方法
は、酸基含有の吸水性樹脂粉末(a)に、非架橋性の水
溶性無機塩基(b1)および/または非還元性のアルカ
リ金属塩pH緩衝剤(b2)、および、該酸基と反応し
うる脱水反応性架橋剤(c1)を混合し、前記吸水性樹
脂粉末(a)を架橋処理することを特徴とする。さら
に、本発明にかかる別の吸水剤の製造方法は、酸基を含
有し且つ重量平均粒子径300〜600μmで150μ
m以下の微粉が10重量%以下の吸水性樹脂粉末(a
1)に、非架橋性の水溶性無機塩基(b1)および/ま
たは非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、お
よび、該酸基と反応しうる架橋剤(c)を混合し、前記
吸水性樹脂粉末(a1)を架橋処理することを特徴とす
る。
【0017】また、本発明の衛生材料は、本発明にかか
る吸水剤を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、以下、本発明で吸水剤とは、架橋構造を有
する吸水性樹脂(以下、単に吸水性樹脂と呼ぶ)を主成
分(好ましくは50〜100重量%、より好ましくは8
0〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量
%)とし、吸水性樹脂をさらに架橋剤で改質(好ましく
は表面改質、特に表面架橋)されたものを吸水剤と呼
ぶ。 (吸水性樹脂の製造方法)以下、本発明において、酸基
含有の吸水性樹脂粉末を吸水性樹脂粉末(a)と呼び、
かかる吸水性樹脂粉末(a)の中でも、さらに粒度を制
御したもの、例えば、重量平均粒子径300〜600μ
mで150μm以下の微粉が10重量%以下のものを吸
水性樹脂粉末(a1)と呼ぶ。
【0019】本発明の吸水性樹脂とは、従来から知られ
ている吸水性樹脂のことであり、例えばイオン交換水中
において、必須に自重の5倍以上、好ましくは、50倍
から1000倍という多量の水を吸収し、アニオン性、
ノニオン性、またはカチオン性の水不溶性ヒドロゲルを
形成する従来公知の架橋重合体のことである。これら
は、一般に、不飽和単量体成分(好ましくは酸基、特
に、カルボキシル基含有不飽和単量体)を重合して得ら
れる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状
吸水剤であって、単量体溶液の状態で重合され、必要に
応じて該重合体を乾燥し、乾燥の前および/または後で
通常粉砕して得られたものである。このような吸水性樹
脂としては、ポリアクリル酸部分中和物重合体、デンプ
ン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デ
ンプン−アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル
共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解
物、またはこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポ
リビニルアルコール変性物、架橋イソブチレンー無水マ
レイン酸共重合体等の1種または2種以上を挙げること
ができる。
【0020】これらの吸水性樹脂は、1種または混合物
でも用いられるが、中でも酸基含有の吸水性樹脂、さら
には、カルボン酸またはその塩であるカルボキシル基含
有の吸水性樹脂の1種またはその混合物が好ましく、典
型的にはアクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成
分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重
合体、すなわち、必要によりグラフト成分を含むポリア
クリル酸塩架橋重合体が主成分とされる。また、上記吸
水性樹脂としては、水膨潤性水不溶性であることが必須
であり、該吸水性樹脂中の未架橋の水可溶性成分(水溶
性高分子)は、好ましくは50重量%以下、より好まし
くは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以
下、さらにより好ましくは15重量%以下、特に好まし
くは10重量%以下のものが用いられる。
【0021】上記アクリル酸塩としては、アクリル酸の
ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、
アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができ
る。上記吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸
0〜50モル%およびアクリル酸塩100〜50モル%
(但し、両者の合計量は100モル%以下とする)の範
囲にあるものが好ましく、アクリル酸10〜40モル%
およびアクリル酸塩90〜60モル%(但し、両者の合
計量は100モル%以下とする)の範囲にあるものがよ
り好ましい。なお、この酸と塩とのモル比を中和率と呼
ぶ。上記塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は重合
前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中
や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併
用してもよい。
【0022】一般に、未中和ないし低中和の単量体を重
合し重合体の状態で中和を行う場合(酸型重合法)には
高吸収倍率で低可溶分の吸水性樹脂が得られる傾向には
あるが、吸水性樹脂の個々の粒子の均一な中和にはかな
りの労力、設備と時間を要する(特開平10−1017
3号報)。しかし、本発明の方法を用いることで、吸水
性樹脂の中和状態や製造方法の如何にかかわらず、すべ
ての吸水性樹脂を良好に表面架橋などに使用することが
でき、よって、吸水剤の物性と生産性を大幅に向上する
ことが可能となる。本発明で用いる吸水性樹脂を得るた
めの単量体は、必要に応じて上記アクリル酸(塩)以外
の単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外
の単量体としては、特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量
体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリ
ジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリ
ジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセト
アミド等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等
が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、
適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
【0023】本発明において、アクリル酸(塩)以外の
単量体を用いる場合には、該アクリル酸(塩)以外の単
量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩との
合計量に対して、好ましくは30モル%以下、より好ま
しくは10モル%以下の割合である。上記アクリル酸
(塩)以外の単量体を上記の割合で用いることにより、
最終的に得られる吸水性樹脂(吸水剤)の吸収特性がよ
り一層向上すると共に、吸水性樹脂(吸水剤)をより一
層安価に得ることができる。本発明に用いられる吸水性
樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、
バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能
面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の
観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液
重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。尚、上記単
量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶
液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量
体によって決まり、特に限定されるものではないが、1
0〜70重量%の範囲内が好ましく、20〜60重量%
の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合を行
う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよ
く、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定される
ものではない。
【0024】水溶液重合の方法としては、双腕型ニーダ
ー中で単量体水溶液を、得られる含水ゲルを砕きながら
重合したり、所定の容器中や駆動するベルト上に単量体
水溶液を供給し、重合して得られたゲルをミートチョッ
パー等で粉砕する方法等が挙げられる。上記の重合を開
始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−
1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。
【0025】さらに、これら重合開始剤の分解を促進す
る還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレド
ックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤とし
ては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸
(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重
合開始剤の使用量は、通常0.001〜2モル%、好ま
しくは0.01〜0.1モル%である。これら重合開始
剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応
の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂や吸
水剤中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一
方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合
には、得られる吸水性樹脂や吸水剤中の水可溶成分量が
増加するので好ましくない場合がある。
【0026】また、反応系に放射線、電子線、紫外線等
の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開
始を行ってもよいし、さらに、上記重合開始剤を併用し
てもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に
限定されるものではないが、15〜130℃の範囲が好
ましく、20〜120℃の範囲内がより好ましい。ま
た、反応時間や重合圧力も特に限定されるものではな
く、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適
宜設定すればよい。前記吸水性樹脂としては、架橋剤を
使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子
中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性
基を有する架橋剤(吸水性樹脂の内部架橋剤)を共重合
又は反応させたものがさらに好ましい。
【0027】これら内部架橋剤の具体例としては、例え
ば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリン
アクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ト
リアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メ
タ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエー
テル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル
(メタ)アクリレート等を挙げることができる これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類
以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤
は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよ
い。少なくとも1種または2種類以上の内部架橋剤を使
用する場合には、最終的に得られる吸水性樹脂や吸水剤
の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を
有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
【0028】これら内部架橋剤の使用量は前記単量体
(架橋剤を除く)に対して、好ましくは0.001〜2
モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さ
らに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましく
は0.03〜0.15モル%の範囲内とされる。上記内
部架橋剤の使用量が0.001モル%よりも少ない場
合、並びに、2モル%よりも多い場合には、充分な吸収
特性が得られないおそれがある。上記内部架橋剤を用い
て架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部
架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、ある
いは重合後、または中和後に反応系に添加するようにす
ればよい。
【0029】尚、上記重合に際しては、反応系に、澱粉
・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸
(塩)架橋体等の親水性高分子0〜50重量%(対単量
体)や、その他0〜10重量%の、炭酸(水素)塩、二
酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡
剤;各種界面活性剤;キレート剤;次亜燐酸(塩)等の
連鎖移動剤などを添加してもよい。上記架橋重合体が水
溶液重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち
含水ゲル状架橋重合体である場合、該架橋重合体は、必
要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉
砕されて吸水性樹脂とする。また、乾燥は通常60℃〜
250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好まし
くは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時
間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に
依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
【0030】本発明に用いることのできる吸水性樹脂や
吸水剤の含水率(吸水性樹脂や吸水剤中に含まれる水分
量で規定/180℃で3時間の乾燥減量で測定)は特に
限定されないが、得られる吸水剤の物性面から室温でも
流動性を示す粉末であり、より好ましくは0.2〜30
重量%、さらに好ましくは0.3〜15重量%、特に好
ましくは0.5〜10重量%の粉末状態である。また本
発明の製造方法に用いることのできる吸水性樹脂として
は、粉末状のものを挙げることができる。吸水性樹脂の
粒子は重合反応により得られた乾燥粉砕前のゲル状の平
均粒径が1000μmを超えるようなものも使用できる
が、通常、粉末とならないため、必要により(好ましく
は)乾燥・粉砕・分級をすることにより目的に応じた粉
末粒径に調整される。
【0031】吸水性樹脂粉末や吸水剤の粒径としては、
重量平均粒子径が10〜2000μm、好ましくは10
0〜1000μm、より好ましくは200〜700μ
m、さらに好ましくは300〜600μm、特に好まし
くは400〜550μmの範囲が好適に用いられる。さ
らに好ましくは、吸水性樹脂粉末や吸水剤中の微粉末
(例えば100μm以下、好ましくは150μm以下)
の微粉末は少ない方が好ましく、具体的には10重量%
以下、さらには5重量%以下、特に1重量%以下である
ことが好ましい。また、吸水性樹脂粉末や吸水剤は好ま
しくは実質1000μm以上、さらに好ましくは850
μm以上の粒子が5重量%以下、さらには1重量%以下
とされる。
【0032】このようにして得られた吸水性樹脂や吸水
剤の粒子形状は、球状、破砕状、不定形状等特に限定さ
れるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破
砕状のものが好ましく使用できる。さらに、その嵩比重
(JIS K−3362で規定)は、吸水剤の優れた物
性から好ましくは0.40〜0.80g/ml、より好
ましくは0.50〜0.75g/ml、さらに好ましく
は0.60〜0.73g/mlの範囲である。上記の方
法により得られた吸水性樹脂は、通常、無加圧下での生
理食塩水に対する飽和吸収倍率が10〜100g/g程
度を有し、この吸収倍率などの物性は目的に応じて適宜
調整される。
【0033】(水溶性無機塩基(b1))本発明では上
記吸水性樹脂粉末(a)あるいは(a1)に対して、非
架橋性の水溶性無機塩基(b1)、すなわち、好ましく
は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属水
酸化物、および、アンモニアあるいはその水酸化物など
からなる群から選ばれる水溶性無機塩基(b1)(以
下、水溶性無機塩基(b1)と呼ぶ)、および/または
非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、およ
び、架橋剤(c)あるいは脱水反応性架橋剤(c1)が
添加されるが、以下、水溶性無機塩基(b1)について
説明する。
【0034】すなわち、本発明で水溶性無機塩基とは、
水溶液中で解離することで水あるいは該塩基よりOH-
を生じ、酸基を中和して塩を生じる無機化合物(炭酸塩
や重炭酸塩を含む)を指す。本発明で用いられる水溶性
無機塩基(b1)は、好ましくは、アルカリ金属塩,ア
ンモニウム塩,アルカリ金属水酸化物、および、アンモ
ニアあるいはその水酸化物からなる群から選ばれ、これ
らは、通常、実質的に非架橋性の水溶性無機塩基であ
る。(なお、酸基含有の吸水性樹脂に対して架橋性の水
溶性無機塩基として、水酸化カルシウムや水酸化アルミ
ニウムに代表される多価金属の水酸化物が例示される
が、一般に、これら多価金属は本発明の水溶性無機塩基
には含まれない)。
【0035】水溶性無機塩基(b1)として、得られる
吸水剤の物性面から水溶性であることが必須であり、室
温の水100g当たり通常5g以上、好ましくは20g
以上、より好ましくは50g以上、さらに好ましくは1
00g以上の溶解性を示すものが用いられる。なお、本
発明で非水溶性無機塩基、有機塩基や架橋性無機塩基
(多価金属の水酸化物)などの併用は排除しないが、非
架橋性の水溶性無機塩基(b1)を用いない場合、得ら
れた吸水剤の物性が低い。具体的に水溶性無機塩基(b
1)としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸セシウム、炭酸
ルビジム、炭酸アンモニウム等のアルカリ金属塩および
/またはアンモニウム塩を含む炭酸化合物やその水和物
(十水塩、七水塩、一.五水塩、一水塩など)、重炭酸
リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸
セシウム、重炭酸ルビジウム、重炭酸アンモニウム等の
アルカリ金属および/またはアンモニウムを含む重炭酸
塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化アンモ
ニウム、水ガラス等のアルカリ金属およびアンモニウム
を含む水酸化化合物、燐酸水素2ナトリウム、燐酸水素
2カリウム、燐酸水素2リチウム、燐酸水素2ルビジウ
ム、燐酸水素2セシウムなどの燐酸水素化合物、セスキ
炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)
などの複合塩が挙げられ、これらの2種以上を混合ない
し併用しても良い。また、これら水溶性無機塩基(b
1)は、粉末やその水和物、ペレットや水溶液として購
入・保存ないし使用されるが、その形態に制限はない。
【0036】水溶性無機塩基(b1)の中でも物性面や
溶解性から、好ましくはアルカリ金属塩、さらに好まし
くはリチウム塩、ナトリウム塩ないしカリウム塩、より
好ましくはナトリウム塩が用いられる。また、化合物
(b1)の中でも物性面から、好ましくは、炭酸塩/炭
酸水素塩/水酸化物、さらに好ましくは、水酸物および
または炭酸水素塩、特に好ましくは水酸化物が用いられ
る。すなわち、具体的には水溶性無機塩基(b1)とし
て好ましくは、炭酸水素ナトリウムおよび/または水酸
化ナトリウム、さらに好ましくは、水酸化ナトリウムが
用いられる。本発明における水溶性無機塩基(b1)の
使用量は、後述の非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤
(b2)と併用しない場合には、吸水性樹脂100重量
部に対して0.001〜10重量部の範囲内が好まし
く、0.01〜5重量部の範囲内がより好ましく、さら
に好ましくは0.01〜2重量部の範囲である。上記の
範囲内で用いることにより、尿や汗、経血等の体液(水
性液体)に対する吸収特性をさらに一層向上させること
ができる。使用量が0.001重量部未満では、吸水性
樹脂の表面近傍の官能基の中和率を適度に調整すること
ができず、吸収特性が向上しない場合がある。水溶性無
機塩基(b1)の使用量が10重量部より多い場合には
過剰となり、不経済であるとともに、吸収倍率が向上し
ない恐れがある。
【0037】なお、水溶性無機塩基(b1)を、後述す
る非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)と併用す
る場合には、上記と同様の理由により、それらの合計使
用量が、吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜
10重量部の範囲内が好ましく、0.01〜5重量部の
範囲内がより好ましく、さらに好ましくは0.01〜2
重量部の範囲である。ただし、本発明で水溶性無機塩基
(b1)と後述の非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤
(b2)とを併用する場合、少なくとも何れか一方の働
きを示す範囲で(b1)と(b2)が適宜併用される。
この吸収特性の向上機構は明らかではないが、以下2つ
の理由((1)表面中和率の均一化による均一な表面架
橋層の形成、(2)塩濃度の変化による混合と浸透の最
適化)と推定される。
【0038】すなわち、理由(1)として、一般に吸水
性樹脂粉末では重合後の後中和の有無(前述の中和重合
法か酸型重合法)にかかわらず、吸水性樹脂粉末の一粒
一粒の中和率や、同じ一粒の粉末であっても微小には粉
末表面の中和率が異なっており、従来の表面処理におい
ては、これらの理由による粉末の架橋反応や架橋剤の混
合に不均一が生じ、物性の低下が発生していた。そこ
で、本発明においては水溶性無機塩基(b1)を架橋剤
(c)と併用することで、吸水性樹脂粉末の一粒一粒の
中和率や、一粒の粉末の微小な表面中和率の差をなくす
ことにより、架橋に関与する表面近傍のカルボキシル基
の中和率が一様に最適化でき、その結果均一に表面架橋
を行うことが可能となった。例えば、70モル%中和の
ポリアクリル酸系吸水性樹脂および0.01〜2重量部
の水酸化ナトリウムより得られた吸水剤は0.025〜
5モル%の範囲で吸水剤の中和率は高められ、さらにそ
の粒子の表面近傍において選択的に高中和率である。さ
らには、本発明の水溶性無機塩基(b1)は、架橋剤の
反応触媒としても作用することが吸収特性向上に起因し
ていると推測される。
【0039】また、理由(2)として、水溶性無機塩基
(b1)は、架橋剤の混合時には架橋剤溶液中の高い塩
濃度由来で吸水性樹脂への浸透を制御し混合性を改良し
ているが、混合後には吸水性樹脂のカルボキシル基と中
和反応してアルカリ金属塩およびアンモニウム塩となる
事で架橋剤溶液中から消失するため、架橋剤の浸透を促
進する働きをなしていると推定される。これは従来の添
加剤(イソプロパノールなどの親水性有機溶媒)では、
不活性な有機溶媒由来の吸水性樹脂への浸透が制御され
混合性は改良されるが、混合後にも有機溶媒が架橋剤溶
液中に残存して架橋剤の表面内部への浸透を妨げてしま
うと推測される。
【0040】また、水溶性無機塩基(b1)と異なり、
アルミニウムのような多価金属塩を使用した場合、多価
金属イオンによる架橋反応が進行してしまい、無加圧も
しくは加圧下での吸収倍率を低下させている事が推測さ
れる。さらに、多価金属イオンによる架橋はイオン結合
を形成するため非常に弱く、また水膨潤状態では多価金
属イオンが粒子内部に移動して架橋を形成するためより
一層の物性の低下をもたらす事も推測される。以上のよ
うな現象から起こる吸水剤の架橋層の厚みの不足と物性
が低下するという従来の欠点を、本願の水溶性無機塩基
(b1)では改良していると推定される。さらに脱水反
応性架橋剤(c1)を用いることにより、脱水架橋反応
から生じる水によってさらに架橋剤が表面近傍に浸透
し、架橋層の厚みがより増しているとも推定される。
【0041】(非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(b
2))本発明では上記吸水性樹脂粉末(a)あるいは
(a1)に対して、非架橋性の水溶性無機塩基(b
1)、すなわち、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ア
ルカリ金属水酸化物、および、アンモニアあるいはその
水酸化物などからなる群から選ばれる水溶性無機塩基
(b1)、および/または非還元性のアルカリ金属塩p
H緩衝剤(b2)、および、架橋剤(c)あるいは脱水
反応性架橋剤(c1)が添加されるが、以下、非還元性
アルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)について説明する。
【0042】本発明における非還元性アルカリ金属塩p
H緩衝剤(b2)は、溶液中である程度の酸や塩基の添
加の消失でも、ほぼ一定の水素イオン濃度を維持するも
のであり、必須に非還元性で、好ましくはさらに非酸化
性のアルカリ金属塩が用いられる(例えば、リンや硫黄
を含むアルカリ金属塩pH緩衝剤の場合、リン原子の酸
化数が+5/硫黄原子の酸化数が+6、ならば該pH緩
衝剤は非酸化性非還元性を示す)。pH緩衝剤が還元性
を有したり、アルカリ金属塩でない場合、架橋の阻害と
なる恐れがあり、本発明の目的を十分には達成できな
い。本発明にはpH緩衝剤として働くアルカリ金属塩で
あり、種々の酸、塩基、または塩の組み合わせから作成
されるpH緩衝剤が適用される。また、吸水性樹脂への
混合性や浸透性から、pH緩衝剤の分子量は50〜10
00、さらには60〜800、特に70〜500のもの
が用いられる。
【0043】本発明でいうpH緩衝剤(b2)として働
くアルカリ金属塩とは、代表的には炭酸水素塩、リン酸
二水素塩、リン酸水素塩の1種または2種以上が例示さ
れる。具体的な例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウムといった無機多塩基酸の部分
アルカリ金属塩;クエン酸二水素カリウム、クエン酸二
水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸
水素二カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸水素カ
リウム、フマル酸一ナトリウム、フタル酸水素カリウム
といった有機多価カルボン酸の部分アルカリ金属塩、特
にナトリウム塩ないしカリウム塩、さらにはリチウム塩
が挙げられる。
【0044】また、上記pH緩衝剤(b2)のほかに、
本発明でいう種々の酸、塩基、または塩の組み合わせか
ら作成されるpH緩衝剤(b2)とは、代表的には従来
公知の緩衝液を作成する際に用いられる化合物の組み合
わせから作られる緩衝剤が例示される。緩衝液として
は、緩衝剤の溶液、特に、弱酸と強塩基からなる塩また
は強酸と弱塩基からなる塩、またはそれらの塩の混合物
の水溶液である。カルボキシル基などの酸基を含有する
吸水性樹脂の場合には、好ましくは弱酸と強塩基からな
る塩の混合物としての緩衝剤が用いられ、より好ましく
は無機塩を用いたものである。
【0045】具体的な例としては、化学便覧(日本化学
会編、II−355、356)に記載の緩衝液に使用さ
れている化合物の組み合わせが緩衝剤として挙げられ
る。例えば、Clark−Lubsの緩衝液(塩化カリ
ウム/塩酸;pH1.0〜2.2、フタル酸水素カリウ
ム/塩酸;pH2.2〜3.8、フタル酸水素カリウム
/水酸化ナトリウム;pH4.0〜6.2、リン酸二水
素カリウム/水酸化ナトリウム;pH5.8〜8.0、
ホウ酸/塩化カリウム/水酸化ナトリウム;pH7.8
〜10.0)、Sφrensenの緩衝液(グリシン+
塩化ナトリウム/塩酸;pH1.1〜4.6、グリシン
+塩化ナトリウム/塩酸;pH8.6〜13.0、クエ
ン酸ナトリウム/塩酸;pH1.1〜4.9、クエン酸
ナトリウム/水酸化ナトリウム;pH5.0〜6.7、
四ホウ酸ナトリウム/塩酸;pH7.6〜9.2、四ホ
ウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム;pH9.3〜1
2.4、リン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウ
ム;pH5.3〜8.0)、Kolthoffの緩衝液
(クエン酸カリウム/クエン酸;pH2.2〜3.6、
クエン酸二水素カリウム/塩酸;pH2.2〜3.6、
クエン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム;pH3.
8〜6.0、コハク酸/四ホウ酸ナトリウム;pH3.
0〜5.8、クエン酸二水素カリウム/四ホウ酸ナトリ
ウム;pH3.8〜6.0、リン酸二水素カリウム/四
ホウ酸ナトリウム;pH5.8〜9.2、四ホウ酸ナト
リウム/炭酸ナトリウム;pH9.2〜11.0、塩酸
/炭酸ナトリウム;pH10.2〜11.2、リン酸水
素二ナトリウム/水酸化ナトリウム;pH11.0〜1
2.0)、Michaelisの緩衝液(酒石酸/酒石
酸ナトリウム;pH1.4〜4.5、乳酸/乳酸ナトリ
ウム;pH2.3〜5.3、酢酸/酢酸ナトリウム;p
H3.2〜6.2、リン酸二水素カリウム/リン酸水素
二ナトリウム;pH5.2〜8.3、ジエチルバルビツ
ル酸ナトリウム+酢酸ナトリウム/塩酸;pH2.6〜
9.2、ジエチルバルビツル酸ナトリウム/塩酸;pH
6.8〜9.6、N,N−ジメチルグリシンナトリウム
塩/塩酸;pH8.6〜10.6)、Mcilvain
eの広域緩衝液(リン酸水素二ナトリウム/クエン酸;
pH2.2〜8.0)、Britton−Robins
onの広域緩衝液(クエン酸+リン酸二水素カリウム+
ホウ酸+ジエチルバルビツル酸/リン酸三ナトリウ
ム)、Carmodyの広域緩衝液(ホウ酸+クエン酸
/リン酸三ナトリウム;pH2.0〜12.0)、Go
moriの緩衝液(2,4,6−トリメチルピリジン/
塩酸;pH6.4〜8.4、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン/塩酸;pH7.2〜9.1、2−ア
ミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール/塩酸;
pH7.8〜9.7)、Bates−BowerのTr
is緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
/塩酸;pH7.0〜9.0)、Delory−Kin
g緩衝液(炭酸塩/炭酸水素塩;pH9.2〜10.
7)、等が挙げられる。そして、使用される緩衝剤のp
Hおよび濃度は、吸水性樹脂の中和率や用いる表面架橋
剤の種類にもよるが、好ましくは緩衝剤を添加すること
により該表面架橋剤溶液のpHが1.5〜10.0の範
囲に調整される。
【0046】上記の内でも、性能、安定性、一成分系で
の使用、コスト、等の点から無機多塩基酸の部分中和塩
が好ましく、リン酸、炭酸の部分アルカリ金属中和塩が
より好ましい。本発明における上記pH緩衝剤(b2)
の使用量は、前述の水溶性無機塩基(b1)と併用しな
い場合には、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して
0.005〜10重量部の範囲内が好ましく、0.05
〜5重量部の範囲内がより好ましい。上記の範囲内で用
いることにより、尿や汗、経血等の体液(水性液体)に
対する吸収特性をさらに一層向上させることができる。
使用量が0.005重量部未満では、吸水性樹脂の表面
近傍の官能基の中和率を適度に調整することができず、
吸収特性が向上しない場合がある。pH緩衝剤(b2)
の使用量が10重量部より多い場合には、該添加剤が過
剰となり、不経済であるとともに、吸収倍率が向上しな
い恐れがある。
【0047】なお、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤
(b2)を、前述の水溶性無機塩基(b1)と併用する
場合には、上記と同様の理由により、それらの合計使用
量が、吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜1
0重量部の範囲内が好ましく、0.01〜5重量部の範
囲内がより好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重
量部の範囲である。ただし、本発明で水溶性無機塩基
(b1)と前述の非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤
(b2)と併用する場合、少なくとも何れか一方の働き
を示す範囲で(b1)と(b2)が適宜併用される。こ
の吸収特性の向上機構は明らかではないが、以下2つの
理由((1)表面中和率の均一化、(2)塩濃度の変化
による混合と浸透の最適化)とも推定される。
【0048】すなわち、理由(1)として、吸水性樹脂
粉末では重合後の後中和の有無(前述の中和重合法か酸
型重合法)にかかわらず、吸水性樹脂粉末の一粒一粒の
中和率や、同じ一粒の粉末であっても微小には粉末表面
の中和率が異なっており、粉末の架橋の反応や架橋剤の
混合に不均一を生じて物性を低下されていたものが、本
発明のpH緩衝剤(a)を架橋剤(b)と併用すること
で、吸水性樹脂粉末の一粒一粒の中和率や、一粒の粉末
の微小な表面中和率の差をなくしているため、吸水性樹
脂粉末の中和率や後述の中和指数の如何に関わらず、本
発明では、架橋に関与する表面近傍のカルボキシル基の
中和率が一様に最適化できるためと考えられる。その結
果、本発明のpH緩衝剤は、吸水性樹脂粉末への架橋剤
の浸透を妨げられることなく、混合助剤としても作用
し、さらには、架橋剤の反応触媒としても作用すること
が吸収特性向上に起因していると推測される。
【0049】また、理由(2)として、炭酸水素塩など
pH緩衝剤は、架橋剤の混合時には架橋剤溶液中のアル
カリ金属塩として存在するために、高い塩濃度由来の吸
水性樹脂への浸透を制御し混合性を改良しているが、混
合後には吸水性樹脂のカルボキシル基と中和反応してp
H緩衝剤のアルカリ金属塩が架橋剤溶液中から消失する
ため、混合後には架橋剤の浸透を阻害した塩が消失して
架橋剤の浸透を促進する働きをなしていると推定され
る。これは従来の添加剤(イソプロパノールなどの親水
性有機溶媒)では、不活性な有機溶媒由来の吸水性樹脂
への浸透が制御され混合性は改良されるが、混合後にも
有機溶媒が架橋剤溶液中に残存して架橋剤の表面内部へ
の浸透を妨げてしまい、吸水剤の架橋層の厚みが不足し
ている従来の欠点を、本願のpH緩衝剤では改良してい
ると推定される。
【0050】(架橋剤(c)およびその混合と架橋処
理)本発明では、酸基と反応しうる架橋剤(c)とし
て、好ましくは表面架橋剤、さらには、脱水反応性架橋
剤(c1)が好ましく用いられる。なお、本発明で脱水
反応性とは、吸水性樹脂の官能基(特に表面近傍の官能
基)と架橋剤とが脱水反応、好ましくは、脱水エステル
化および/または脱水アミド化、さらに好ましくが、脱
水エステル化で架橋する架橋剤である。具体的に吸水性
樹脂がカルボキシル基を含有する場合、多価アルコール
などのヒドロキシル基含有の架橋剤、多価アミンなどの
アミノ基含有の架橋剤、さらには、アルキレンカーボネ
ートやモノ、ジまたはポリのオキサゾリジノン化合物;
3−メチル−3−オキセタンメタノール等のオキセタン
化合物などの環状架橋剤であって、その環状架橋剤の開
環反応に伴ってヒドロキシル基やアミノ基を生成し該ヒ
ドロキシル基やアミノ基が架橋反応反応を行う環状架橋
剤、などが脱水反応性を示す架橋剤(c1)として例示
される。脱水反応性架橋剤(c1)の1種または2種以
上が用いられるが、さらに、非脱水反応性の架橋剤、例
えば、多価金属なども併用してもよい。
【0051】具体的に、本発明に用いることのできる脱
水反応性架橋剤(c1)としては、吸水性樹脂の官能基
と反応しうる架橋剤ならば制限なく使用され、通常、該
用途に用いられている架橋剤(表面架橋剤)のことであ
る。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリ
ン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジ
メタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロ
ールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトールなどの多価アルコール化合物;エチレンジア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミドポリアミ
ン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等の多価ア
ミン化合物、並びに、それら多価アミンとハロエポキシ
化合物との縮合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、
4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4、5
−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4、4
−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エ
チル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキ
シメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−
ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサ
ン−2−オン、4、6−ジメチル−1,3−ジオキサン
−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアル
キレンカーボネート化合物、並びに、エチレングリコー
ルビス(4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オ
ン)エーテル等の多価アルキレンカーボネート化合物;
モノ、ジまたはポリのオキサゾリジノン化合物;3−メ
チル−3−オキセタンメタノール等のオキセタン化合物
ならびに多価オキセタン化合物;等より選ばれる1種ま
たは2種以上のものが例示できる。
【0052】これら脱水反応性架橋剤の中でも、多価ア
ルコール、アルキレンカーボネート、オキサゾリジノン
化合物、(多価)オキセタン化合物から選ばれた1種以
上が好ましく、少なくとも多価アルコールを用いること
が特に好ましい。架橋剤(c)としては、これら脱水反
応性架橋剤(c1)に加えて、さらに、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエー
テル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグ
リセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレンジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、グリシドール、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等のエポキシ化合物;2,4−トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキ
サゾリン等の多価オキサゾリン化合物;γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等のシランカップリング剤;2,2−
ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−
アジリジニル)プロピオネート]などの多価アジリジン
化合物、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム、マンガ
ン、チタン、ジルコニウムなどの多価金属が例示され
る。
【0053】なお、本発明で脱水反応性架橋剤(c
1)、および、重量平均粒子径300〜600μmで1
50μm以下の微粉が10重量%以下の吸水性樹脂粉末
(a1)および/または粒子径が850μm未満で15
0μm以上の粒子を全粒子の90重量%以上含み、か
つ、粒子径が850μm未満で600μm以上の粒子
(A1)、粒子径が600μm未満で500μm以上の
粒子(A2)、粒子径が500μm未満で300μm以
上の粒子(A3)、粒子径が300μm未満で150μ
m以上の粒子(A4)から選ばれる少なくとも2種以上
を含む吸水性樹脂粉末の両方を用いない場合、一般に得
られる吸水剤の物性が低く、好ましくは、該脱水反応性
架橋剤(c1)、および、該特定粒度の吸水性樹脂粉末
(a1)の両方が本発明で使用される。
【0054】本発明において、吸水性樹脂粉末(a)あ
るいは(a1)と、水溶性無機塩基(b1)および/ま
たは非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、お
よび架橋剤(c)あるいは(c1)を混合する場合に
は、水を用いることが好ましい。この際、使用される水
の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、通
常、吸水性樹脂100重量部に対し、0.5〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。水の
使用量が20重量部を越えると吸収倍率が低下してしま
うことがある。0.5重量部よりも少ないと効果が現れ
にくくなり、加圧下吸収倍率を向上させることができな
くなる恐れがある。
【0055】また、本発明において、吸水性樹脂粉末
(a)あるいは(a1)と、水溶性無機塩基(b1)お
よび/または非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b
2)、および架橋剤(c)あるいは(c1)を混合する
場合には、親水性有機溶媒を用いてもよい。用いられる
親水性有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類;ジオキサン、アルコキシ(ポ
リ)エチレングリコール、テトラヒドロフラン等のエー
テル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスル
ホキサイド類;エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリ
セリン、グリセロリン酸、2−ブテン−1,4−ジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−
シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロ
ピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共
重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価
アルコール類が挙げられる。
【0056】使用される親水性有機溶媒の量は、吸水性
樹脂の種類や粒度によって異なるが、通常、吸水性樹脂
100重量部に対し0〜10重量部、好ましくは0〜5
重量部、より好ましくは0〜3重量部の範囲である。親
水性有機溶媒の使用量が10重量部以上の場合、上記添
加剤の溶解性が低下し吸収特性が向上しない恐れがあ
る。なお、上記多価アルコールは反応条件(加熱温度や
時間、含水率など)によって吸水性樹脂と反応させて架
橋剤としてもよいし、反応させずに溶媒としてもよい
し、それらの働きを併用させてもよい。さらに、本発明
において吸水性樹脂粉末(a)あるいは(a1)と、上
記添加剤(b1)および/または非還元性のアルカリ金
属塩pH緩衝剤(b2)、および架橋剤(c)あるいは
(c1)とを混合する場合、水や親水性有機溶媒以外の
物質として、本発明の効果を妨げない範囲で界面活性剤
や不活性無機微粒子粉末を用いてもよい。用いられる界
面活性剤や不活性無機微粒子粉末は、米国特許第516
4459号公報、欧州特許第827753号公報、欧州
特許第349240号公報、欧州特許第761241号
公報などに例示される。
【0057】本発明において、吸水性樹脂粉末(a)あ
るいは(a1)と、上記水溶性無機塩基(b1)および
/または非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b
2)、および架橋剤(c)あるいは(c1)の混合は、
親水性有機溶媒またはシクロヘキサン、ペンタン等の有
機溶媒中に該吸水性樹脂を分散させた状態で行ってもよ
いが、水、架橋剤、添加剤の混合物を数回に分けて添加
してもよく、混合方法は特に限定されるものではない。
また、上記水溶性無機塩基(b1)および/または非還
元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、および架橋
剤(c)あるいは(c1)、さらに必要に応じて用いら
れる水や親水性有機溶媒、無機粉末などは、吸水性樹脂
に対して別々に混合してもよいし、一括で混合してもよ
いし、数回に分けて混合してもよいが、好ましくは、水
溶性無機塩基(b1)および/または非還元性のアルカ
リ金属塩pH緩衝剤(b2)、および架橋剤(c)ある
いは(c1)を予め混合した後に吸水性樹脂に添加さ
せ、その際、水溶性無機塩基(b1)および/または非
還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、および架
橋剤(c)あるいは(c1)は水溶液とさせることがよ
り好ましい。また、この際の水溶液の温度は混合性や安
定性から0℃〜沸点、好ましくは5〜50℃、さらには
10〜30℃にさせる。また、混合前の吸水性樹脂粉末
(a)あるいは(a1)の温度は、混合性から好ましく
は0〜80℃、さらには40〜70℃の範囲である。
【0058】さらに、本発明では種々の混合方法の中
で、必要により水および/または親水性有機溶媒と、水
溶性無機塩基(b1)および/または非還元性のアルカ
リ金属塩pH緩衝剤(b2)、および架橋剤(c)ある
いは(c1)とを予め混合した後、次いで、その水溶液
を吸水性樹脂粉末(a)に噴霧あるいは滴下混合する方
法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧され
る液滴の大きさは、300μm以下が好ましく、200
μm以下がより好ましい。また混合に際し、本発明の効
果を妨げない範囲で水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を
共存させてもよい。
【0059】前記混合に用いられる好適な混合装置は、
均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せる
ことが必要である。本発明に用いることのできる混合装
置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合
機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合
機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク
型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合
機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出
機等が好適である。本発明の吸水剤の製造方法は、吸水
性樹脂粉末(a)あるいは(a1)に、水溶性無機塩基
(b1)および/または非還元性のアルカリ金属塩pH
緩衝剤(b2)、および架橋剤(c)あるいは(c1)
を混合し、前記吸水性樹脂粉末(a)あるいは(a1)
を架橋処理することを特徴とする。
【0060】本発明の吸水剤の製造方法は、好ましく
は、吸水性樹脂粉末(a)あるいは(a1)に、水溶性
無機塩基(b1)および/または非還元性のアルカリ金
属塩pH緩衝剤(b2)、および架橋剤(c)あるいは
(c1)を混合した後、吸水性樹脂の表面近傍を架橋さ
せる際に、加熱処理を行う。本発明で加熱処理を行う場
合、処理時間は、1分〜180分が好ましく、3分〜1
20分がより好ましく、5分〜100分がさらに好まし
い。加熱処理温度(熱媒温度ないし材料温度で規定)は
100〜250℃の範囲が好ましく、140〜240℃
の範囲がより好ましく、150〜230℃の範囲がさら
に好ましく、160〜220℃の範囲がさらにより好ま
しい。加熱温度が100℃未満では、加熱処理や脱水反
応に時間がかかり生産性の低下を引き起こすのみなら
ず、均一な架橋が達成されず、優れた吸水剤が得られな
くなる恐れがある。また処理温度が250℃を越える
と、得られる吸水剤がダメージを受け、物性に優れたも
のが得られにくいとことがある。
【0061】加熱処理は通常の乾燥機または加熱炉を用
いて行うことができ、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥
機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、お
よび赤外線乾燥機が例示される。上記の本発明に係る吸
水剤の製造方法においては、さらに、必要に応じて、消
臭剤、抗菌剤、香料、二酸化珪素や酸化チタン等の無機
粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘
着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、
キレート剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールやポリエ
チレンイミンなどの親水性高分子、パラフィンなどの疎
水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可
塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化
性樹脂等を添加する等、吸水剤や吸水性樹脂に種々の機
能を付与する工程を含んでいてもよい。これら添加剤の
使用量は吸水剤100重量部に対して0〜10重量、好
ましくは0〜1重量部の範囲で用いられる。
【0062】本発明で吸水剤に用いられるカチオン性高
分子化合物は、吸水剤の衛生材料への固定性などを向上
でき、好ましくは重量平均分子量が2000以上で、さ
らに好ましくは5000以上、最も好ましくは重量平均
分子量が10000以上である。また、その使用量は、
好ましくは吸水性樹脂100重量部に対し0.01〜1
0重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、さらに
好ましくは0.1〜3重量部である。カチオン性高分子
化合物の混合は、単独あるいは溶液(水溶液)で添加さ
れ、好ましくは、表面架橋後に添加される。カチオン性
高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンイミン、
ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアミドアミ
ンとエピクロルヒドリンの縮合物、ポリアミジン、ポリ
(N−ビニルホルムアルデヒド)の部分加水分解物また
はこれらの塩などが例示される。
【0063】水不溶性微粒子を用いてさらに吸水剤の通
液性や吸湿時の耐ブロッキング性などを改善することが
できる。用いられる微粒子としては、好ましくは10μ
m以下、さらには1μm以下、特に0.1μm以下の無
機または有機の水不溶性微粒子が用いられ、具体的には
酸化珪素(商品名、Aerosil、日本アエロジル社
製)、酸化チタン、酸化アルミ、などが用いられる。混
合には粉体混合(Dry−Blend)やスラリー混合
が用いられ、その使用量は吸水剤100重量部に対して
10重量部以下、さらには0.001〜5重量部、好ま
しくは0.01〜2重量部用いられる。
【0064】(吸水剤およびそれを用いた衛生材料)本
発明においては、好ましくは、吸水性樹脂粉末(a)あ
るいは(a1)に、水溶性無機塩基(b1)および/ま
たは非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、お
よび架橋剤(c)あるいは(c1)を混合し、前記吸水
性樹脂粉末(a)あるいは(a1)を架橋処理すること
によって、前述の本発明の効果に起因する高物性の新規
な吸水剤を提供する。本発明にかかる吸水剤は、好まし
くは、不飽和単量体成分を重合して得られる架橋構造を
有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤である。
【0065】(1)酸重合する場合、得られる吸水剤 本発明にかかる吸水剤は、酸重合で吸水性樹脂を得る場
合、好ましくは、酸基含有単量体(塩)を含む単量体を
重合し、さらに後中和して得られた吸水性樹脂を表面架
橋した吸水剤である。より好ましくは、前記の後中和し
て得られた吸水性樹脂の中和指数が15以上、さらに好
ましくは17以上、特に好ましくは20以上である。ま
た、好ましくは、前記の表面架橋した吸水剤の中和指数
が15以上、さらに好ましくは17以上、特に好ましく
は20以上である。表面架橋効果を高めるために中和指
数を低くする場合、中和に長時間や複雑な工程を要する
が、本発明では不均一な中和でも簡便に優れた表面架橋
が達成できる。
【0066】従来、酸基含有単量体(塩)を含む単量体
を重合しさらに後中和して得られた吸水性樹脂は高吸収
倍率で低可溶分だが、得られた吸水性樹脂の中和の不均
一のため、一般に加圧下吸収倍率が向上しにくいもので
あった。かかる問題を解決するため、特開平10−10
1735号(欧州特許公開0882502号)では高度
に吸水性樹脂の一粒一粒の粒子の中和率の差(中和指
数)を制御する技術が知られている。かかる中和指数を
制御する方法では、酸基含有単量体(塩)を含む単量体
を重合しさらに後中和して得られた低可溶分の吸水性樹
脂であって、従来にない高い加圧下吸収倍率を達成する
が、中和指数の制御に非常に手間を必要とするものであ
った。しかし、本発明のアルカリ金属pH緩衝剤(b
2)を用いる本発明の方法では、中和指数の高度な制御
を必要とせず、簡便な不均一な後中和でも高い加圧下吸
収倍率を与えるので非常に好ましい。なお、勿論、本発
明は、酸基含有単量体(塩)を含む単量体を重合しさら
に後中和して得られた、酸型重合法による低可溶分の吸
水性樹脂に限定されるものでなく、後述の実施例などに
も示すように、後中和工程を含まない中和重合法による
吸水性樹脂にも好適に適用される。
【0067】(2)5つの物性を併せ持つ新規な吸水剤 また、酸重合する場合しない場合を含めて、本発明の吸
水剤は下記物性が好ましく、特に本発明では、下記特性
の5つの物性(粒度、CRC、AAP、SFCの4つに
加えて、さらにSFC変化指数、SFC変動係数、SF
C変動率、連続生産系SFC標準偏差、表層可溶分など
の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ
以上、特に好ましくは4つ以上)を併せ持った新規な吸
水剤を与える。 (a)粒度 本発明にかかる吸水剤の平均粒子径や嵩比重は、前記吸
水性樹脂の範囲、すわわち、重量平均粒子径300〜6
00μmで150μm以下の微粉末が10重量%以下で
あることが好ましい。より好ましくは5重量%以下、さ
らに好ましくは3重量%以下、特に2重量%以下であ
る。
【0068】本発明にかかる吸水剤は、粒子径が850
μm未満で150μm以上の粒子を全粒子の90重量%
以上含み、かつ、粒子径が850μm未満で600μm
以上の粒子(A1)、粒子径が600μm未満で500
μm以上の粒子(A2)、粒子径が500μm未満で3
00μm以上の粒子(A3)、粒子径が300μm未満
で150μm以上の粒子(A4)から選ばれる少なくと
も2種以上を含み、さらに好ましくは3種以上、より好
ましくは4種を含む。本発明にかかる吸水剤は、好まし
くは、粒子径が850μm未満で150μm以上の粒子
を全粒子の95重量%以上含み、より好ましくは97重
量%以上、さらに好ましくは98重量%以上である。か
かる特定の粒度に制御されることで、衛生材料で高物性
を達成する。
【0069】本発明にかかる吸水剤は、好ましくは、前
記粒子A1からA4までの4種をそれぞれ0.1重量%
以上含み、より好ましくは1重量%以上、さらに好まし
くは3重量%以上である。この場合、上限値は特に限定
されないが、好ましくは、前記粒子A1からA4までの
4種がそれぞれ99重量%以下、より好ましくは90重
量%以下、さらに好ましくは80重量%以下である。各
粒度を一定以上含有する事で粒子の表面積に依存する吸
水速度がバランスよく制御される。 (b)CRC 本発明にかかる吸水剤は、0.90重量%生理食塩水に
対する無加圧下で30分の吸収倍率(Centrifu
ge Retention Capacity/CR
C)が31g/g以上であることが好ましい。CRCが
31g/g以上となることによって、吸水剤を用いた衛
生材料の吸収に臨界的に優れ、コンパクトな衛生材料を
達成でき、さらに吸水体(なお、吸水体とは、吸水剤と
必要により繊維などの他の吸水材料を含む体液吸水体を
意味する)のコスト低減にもなる。CRCは、より好ま
しくは32g/g以上、さらに好ましくは33g/g以
上、さらにより好ましくは34g/g以上、特に好まし
くは35g/g以上、特により好ましくは36g/g以
上である。0.90重量%生理食塩水に対する無加圧下
で30分の吸収倍率が31g/gよりも小さいと、吸水
体に吸収されうる尿の総量が小さくなり、吸水体に吸収
された尿がおむつの表面への戻りが非常に大きくなる。
さらに吸水体に求められる尿の吸液量を維持しようとす
る場合、吸水体に使用する吸水剤の量が多くなり、衛生
材料が嵩高く重いものになり、吸水体のコストアップに
繋がることになる点で好ましくない。
【0070】(c)AAP 本発明にかかる吸水剤は、0.90重量%生理食塩水に
対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(Ab
sorbency Against Pressure
/AAP)が20g/g以上であることが好ましい。A
APが20g/g以上となることによって、本発明の吸
水剤を紙おむつの吸水体の一部に使用した場合、吸水体
に吸収された尿がおむつの表面への戻りを防ぐ効果が非
常に大きくなる。0.90重量%生理食塩水に対する
4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率は、より好ま
しくは22g/g以上、さらに好ましくは24g/g以
上、さらにより好ましくは25g/g以上、特に好まし
くは26g/g、特により好ましくは27g/g以上で
ある。0.90重量%生理食塩水に対する4.83kP
aで60分の加圧下吸収倍率が20g/gよりも小さい
と、吸水体に吸収された尿がおむつの表面への戻りを防
ぐ効果が非常に小さくなる点で好ましくない。
【0071】(d)SFC 本発明にかかる吸水剤は、0.69重量%生理食塩水流
れ誘導性(SFC)が20(単位:10-7×cm3×s
×g-1)以上であることが好ましい。SFCは、本発明
で得られる吸水剤の膨潤後の通液性に、非常に大きな影
響を与える。つまり、例えば、本発明の吸水剤を紙おむ
つの吸水体の一部に使用した場合の、通液性を良好に
し、吸水体に液を十分に行き渡らせ、吸液量を増大さ
せ、液の漏れを防止するという効果が著しく向上する。
SFCは、より好ましくは25(単位:10-7×cm3
×s×g-1)以上、さらに好ましくは30(単位:10
-7×cm3×s×g-1)以上、さらにより好ましくは3
5(単位:10-7×cm3×s×g-1)以上、特に好ま
しくは40(単位:10-7×cm3×s×g-1)以上、
特により好ましくは50(単位:10-7×cm3×s×
-1)以上である。SFCが20(単位:10-7×cm
3×s×g-1)よりも小さいと、例えば、紙おむつの吸
水体に使用した場合の通液性が低下し、吸水体に液が局
在化し、吸液量が減少し、液の漏れが多くなり、吸水体
としての性能が著しく低下する点で好ましくない。
【0072】すなわち、本発明の吸水剤は衛生材料に用
いるには粒度に加えて、下記3つの物性をバランスよく
併せ持つことが好ましい。すなわち、CRC、AAP、
SFCの1つまたは2つが高物性だけでは、衛生材料に
十分に好適ではないことが見出された。これらの3つの
物性は上記酸重合した特定の中和指数の吸水剤のみなら
ず、後中和工程を含まない中和重合法による吸水性樹脂
にも好適に適用される。0.90重量%生理食塩水に対
する無加圧下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/
g以上。
【0073】0.90重量%生理食塩水に対する4.8
3kPaでの加圧下吸水倍率(AAP)が24g/g以
上。0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が
20(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。 (e)SFC変化指数 また、本発明者らは、従来粒子全体(Bulk)で物性
を評価および管理されていた吸水性樹脂(吸水剤)粒子
において、吸水性樹脂(吸水剤)粒子の粒度ごとの物性
が大きく異なり、その粒度ごとの物性の違いが衛生材料
での物性低下を引き起こしている事実を見出した。衛生
材料に含まれる吸水剤粒子は微視的には粒度にバラツキ
が見られるため、その粒度由来の個々の衛生材料の物性
の違いや衛生材料の部分での物性の違いが、衛生材料の
物性低下を引き起こすと推定される。
【0074】そこで、本発明者らは粒度ごとの物性の
差、特に粒度ごとのSFCのバラツキ小さい吸水剤を提
供する。本発明にかかる吸水剤は、下記式(1)で規定
されるSFC変化指数が0〜25%であることが好まし
い。 SFC変化指数(%)=[(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子 状吸水剤全体のSFC)]×100 (1) このSFC変化指数や後述のSFC変動係数において、
粒子A1からA4のSFCの標準偏差は、吸水剤粒子を
分級して、吸水剤中で粒子A1からA4のうちで存在す
る2〜4種類の粒子を得て、次いで得られた各粒度ごと
のSFCを1回ずつ測定して、その2〜4種類のSFC
値から標準偏差を計算して求められる。また、その2〜
4種類のSFC値から平均値も同様に計算される。
【0075】このSFC変化指数は、粒度ごとのSFC
のバラツキを表し、SFC変化指数が0〜25%となる
ことによって、吸水体がより均一な通液性を持つように
なり、吸水体全体に液が分散し易く、液の漏れを防止す
るという効果となる。SFC変化指数は、より好ましく
は0〜23%、さらに好ましくは0〜20%、さらによ
り好ましくは0〜18%、特に好ましくは0〜15%、
特により好ましくは0〜10%である。SFC変化指数
が25%よりも大きいと、例えば吸水剤を紙おむつの吸
水体に使用した場合、吸水体に通液性のばらつきが生
じ、吸水体全体に液が分散し難くなり、液の漏れの発生
や、吸水体の吸液量が低減する点で好ましくない。
【0076】(f)SFC変動係数 本発明にかかる吸水剤は、下記式(2)で規定されるS
FC変動係数が0〜0.25であることが好ましい。 SFC変動係数=(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子A1から A4のSFCの平均値) (2) このSFC変動係数や下記のSFC変動率も同様に粒度
ごとのSFCの差の少なさを表し、SFC変動係数が0
〜0.25となることによって、粒度ごと(例えばA1
からA4)のSFCのばらつきの度合いが小さくなり、
例えば本発明の吸水剤を用いて紙おむつの吸水体を製造
する場合、吸水体内での通液性が均一になる上に、吸水
体の各々を比較しても、紙おむつの性能にばらつきがな
くなり、安定した品質の紙おむつを製造できることとな
る。SFC変動係数は、より好ましくは0〜0.23、
さらに好ましくは0〜0.20、さらにより好ましくは
0〜0.18、特に好ましくは0〜0.15、特により
好ましくは0〜0.10である。SFC変動係数が0.
25よりも大きい場合および/またはSFC変動率が
0.65未満である場合、吸水剤を用いた衛生材料(特
に紙おむつ)の吸水体内での通液性が不均一になる上
に、吸水体の各々を比較しても、紙おむつの性能のばら
つきが大きくなり、安定した品質の紙おむつを製造でき
なくなる点で好ましくない。
【0077】(g)SFC変動率 すなわち、本発明にかかる吸水剤は、下記式(3)で規
定されるSFC変動率が0.65〜1.00であること
が好ましい。 SFC変動率=(粒子A1からA4のSFCの中で最小のSFC)/(粒子A 1からA4のSFCの中で最大のSFC) (3) このSFC変動率も同様に粒度ごとのSFCの差の少な
さを表し、好ましくは0.70〜1.00、さらにより
好ましくは0.75〜1.00、特に好ましくは0.8
0〜1.00である。
【0078】(h)表層可溶分量 本発明の吸水剤は、表層可溶分量が6.0重量%以下
(対吸水剤)であることが好ましい。この表層可溶分量
は、好ましくは5.5重量%以下、より好ましくは5.
0重量%以下、さらに好ましくは4.5重量%以下、特
に好ましくは4.0重量%以下である。本願の測定法で
規定される表層可溶分は衛生材料への実使用に対応した
可溶分量であり、より衛生材料での吸水能に優れる。す
なわち、従来、水可溶分の測定(US Re 3264
9やEDANA法など)は多く知られていたが、過剰の
液で長時間の測定のため、実使用において溶出してくる
と考えられる可溶分の量よりも過剰の量の可溶分を測定
していることがわかった。そして、本発明の方法が衛生
材料での実使用に最もモデルとなっていることが見出さ
れた。
【0079】(i)連続生産系SFC標準偏差 本発明にかかる吸水剤は、下記式(4)で規定される連
続生産系SFC標準偏差が5.0以下であることが好ま
しい。 連続生産系SFC標準偏差=各LotのSFCの標準偏差 (4) (ただし、各Lotは20kg以上。Lot数は10以
上。) 上記連続生産系とは、1ラインで、24時間以上、若し
くは10t以上、連続して吸水剤を生産することを示
す。また、吸水剤の製造方法の基本工程である、重合、
乾燥、粉砕、表面処理等は、連続生産系においては、各
工程は連続式またはバッチ式を問わないが(例えば、重
合工程においては連続重合とバッチ重合など)、各工程
の間隔は24時間以下、好ましくは12時間以下、さら
に好ましくは6時間以下、特に好ましくは3時間以下で
行うものとする。
【0080】各Lotは、好ましくは20kg〜100
t、より好ましくは0.1t〜50t、さらに好ましく
は0.5t〜25tである。Lot数は、好ましくは2
0以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは5
0以上、特に好ましくは100以上である。この連続生
産系SFC標準偏差は、吸水剤の連続生産において各L
otのSFCの値のばらつきを表し、連続生産系SFC
標準偏差が5.0以下となることによって、各Lot毎
のSFCのばらつきが小さくなり、例えば、本発明の吸
水剤を用いて紙おむつの吸水体を製造する場合、安定し
た品質の紙おむつを製造できることとなる。連続生産系
SFC標準偏差は、より好ましくは4.5以下、さらに
好ましくは4.3以下、さらにより好ましくは4.0以
下、特に好ましくは3.5以下、特により好ましくは
3.0以下、最も好ましくは2.5以下である。連続生
産系SFC標準偏差が5.0よりも大きい場合、安定し
た品質の紙おむつを製造できなくなる点で好ましくな
い。
【0081】なお、上記した各種物性は、吸水剤が衛生
材料として使用される場合、その実使用の結果(おむつ
の吸収量や漏れなど)と相関する重要な物性であり、本
発明の吸水剤は上記各種物性に特に優れている。これら
測定法は実施例に記載する。本発明にかかる吸水剤は、
以上に述べた種々の特徴を有することが好ましく、特に
好ましい構成として、上記の式(1)、(2)、(4)
のいずれか1つ以上、より好ましくは2つ以上、さらに
好ましくは3つ全てを満たす吸水剤である。すなわち、
本発明にかかる吸水剤は、不飽和単量体成分を重合して
得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒
子状吸水剤であって、前記粒子状吸水剤は、粒子径が8
50μm未満で150μm以上の粒子を全粒子の90重
量%以上含み、かつ、粒子径が850μm未満で600
μm以上の粒子(A1)、粒子径が600μm未満で5
00μm以上の粒子(A2)、粒子径が500μm未満
で300μm以上の粒子(A3)、粒子径が300μm
未満で150μm以上の粒子(A4)から選ばれる少な
くとも2種以上を含み、さらに、下記物性を満たすこと
を特徴とする、吸水剤である。
【0082】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(1)で規定されるSFC変化指数が0〜25%。 SFC変化指数(%)=[(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子 状吸水剤全体のSFC)]×100 (1) また、本発明にかかる別の吸水剤は、不飽和単量体成分
を重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成
分とする粒子状吸水剤であって、前記粒子状吸水剤は、
粒子径が850μm未満で150μm以上の粒子を全粒
子の90重量%以上含み、かつ、粒子径が850μm未
満で600μm以上の粒子(A1)、粒子径が600μ
m未満で500μm以上の粒子(A2)、粒子径が50
0μm未満で300μm以上の粒子(A3)、粒子径が
300μm未満で150μm以上の粒子(A4)から選
ばれる少なくとも2種以上を含み、さらに、下記物性を
満たすことを特徴とする、吸水剤である。
【0083】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(2)で規定されるSFC変動係数が0〜0.25。 SFC変動係数=(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子A1から A4のSFCの平均値) (2) また、本発明にかかるさらに別の吸水剤は、不飽和単量
体成分を重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂
を主成分とする粒子状吸水剤であって、前記粒子状吸水
剤は、粒子径が850μm未満で150μm以上の粒子
を全粒子の90重量%以上含み、かつ、粒子径が850
μm未満で600μm以上の粒子(A1)、粒子径が6
00μm未満で500μm以上の粒子(A2)、粒子径
が500μm未満で300μm以上の粒子(A3)、粒
子径が300μm未満で150μm以上の粒子(A4)
から選ばれる少なくとも2種以上を含み、さらに、下記
物性を満たすことを特徴とする、吸水剤である。
【0084】0.90重量%生理食塩水に対する無加圧
下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
(単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
(4)で規定される連続生産系SFC標準偏差が5.0
以下。 連続生産系SFC標準偏差=各LotのSFCの標準偏差 (4) (ただし、CRC、AAP、SFCはLot平均であ
り、各Lotは20kg以上。Lot数は10以上。) 本発明にかかるさらに別の吸水剤は、酸基含有単量体
(塩)を含む単量体を重合し、さらに後中和して得られ
た吸水性樹脂を表面架橋した粒子状吸水剤であって、前
記粒子状吸水剤または吸水性樹脂の中和指数が15以上
で、かつ、表面架橋後の0.90重量%生理食塩水に対
する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AA
P)が20(g/g)以上であることを特徴とする、吸
水剤である。
【0085】上記吸水剤において、CRC、AAP、S
FCやSFC変化指数、SFC変動係数などは好ましく
は前述の範囲であり、本発明の新規な吸水剤は、例え
ば、前述の本発明の吸水剤の製造方法で得られる。本発
明の吸水剤はCRC、AAP、SFCが非常に高く高物
性をバランスよく維持している上で、さらに粒度ごとの
物性の変化も従来になく少ないため、いかなる衛生材料
の使用条件でも高物性を発揮する優れた吸水剤である。
本発明によれば、無加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収倍
率、生理食塩水流れ誘導性のバランスに優れた良好な吸
収特性を備えた吸水剤を簡便に製造することができ、農
園芸保水剤、工業用保水剤、吸湿剤、除湿剤、建材、な
どで広く用いられるが、その吸水剤は紙おむつ、生理用
ナプキンなどの、糞、尿ないし血液の吸収用衛生材料に
特に好適に用いられる。さらに、本発明の吸水剤は上記
各種物性にバランスよく優れるため、衛生材料は一般に
吸水剤の濃度(吸水剤および繊維基材の合計に対する吸
水剤の重量比)として高濃度、例えば30〜100重量
%、好ましくは40〜100重量%の範囲、さらに好ま
しくは50〜95重量%で使用可能である。また、衛生
材料中の吸水体の構造は、一般の吸水性物品に用いられ
る構造であれば特に制限はなく、例えば、シート状に成
形した親水性繊維材料の間に吸水剤を配する、いわゆる
サンドイッチ構造の吸水体や、親水性繊維材料と吸水剤
を混合したものを成形した、いわゆるブレンド構造の吸
水体が挙げられる。
【0086】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、吸水性樹脂ないし吸水剤の
諸性能は、以下の方法で測定した。なお、衛生材料など
の最終製品として使用された吸水剤の場合は、吸水剤は
吸湿しているので、適宜、吸水剤を最終製品から分離し
て減圧低温乾燥後(例えば、1mmHg以下、60℃で
12時間)に測定すればよい。また、本発明の実施例お
よび比較例において使用された吸水性樹脂の含水率はす
べて6重量%以下であった。
【0087】さらに、後述の(4)で粒度別のSFCを
測定する場合、衛生材料などの最終製品として使用され
た吸水剤では、上記操作ののちにSFCが測定される
が、使用前の吸水剤、すなわち、実験室で製造された吸
水剤を測定する場合、実生産や実使用のダメージに相関
させるため、すべて後述(5)の機械的ダメージを与え
た後の吸水剤で、粒度別のSFC、分級する前のSFC
を測定するものとする。 (1)無加圧下吸収倍率(0.90重量%生理食塩水に
対する無加圧下で30分の吸収倍率/CRC) 室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、吸
水性樹脂ないし吸水剤0.20gを不織布製の袋(60
mm×60mm)に均一に入れてシールした後、室温で
0.9重量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を
引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心
機:型式H−122)を用いて250Gで3分間水切り
を行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同
様の操作を吸水性樹脂あるいは吸水剤を用いずに行い、
その時の重量W0(g)を測定した。そして、これらW
1、W0から、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/
g)を算出した。
【0088】無加圧下吸収倍率(g/g)=(W1
(g)−W0(g))/吸水性樹脂ないし吸水剤の重量
(g) (2)加圧下吸収倍率(0.90重量%生理食塩水に対
する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率/AA
P) 内径60mmのプラスチックの支持円筒の底に、ステン
レス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を
融着させ、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条
件下で、該網上に吸水剤0.90gを均一に散布し、そ
の上に、吸水剤に対して4.83kPa(0.7ps
i)の荷重を均一に加えることができるよう調整され
た、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙
間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと
荷重とをこの順に載置し、この測定装置一式の重量Wa
(g)を測定した。
【0089】直径150mmのペトリ皿の内側に直径9
0mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製
作所社製、細孔直径:100〜120μm)を置き、
0.90重量%生理食塩水(20〜25℃)をガラスフ
ィルターの上面と同じレベルになるように加えた。その
上に、直径90mmの濾紙1枚(ADVANTEC東洋
株式会社、品名:(JIS P 3801、No.
2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を載せ、
表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。上
記測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下
で吸収させた。1時間後、測定装置一式を持ち上げ、そ
の重量Wb(g)を測定した。そして、Wa、Wbか
ら、次式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出し
た。
【0090】加圧下吸収倍率(g/g)=(Wa(g)
−Wb(g))/吸水剤の重量((0.9)g) (3)重量平均粒子径 吸水性樹脂粉末ないし吸水剤を目開き850μm、60
0μm、500μm、425μm、300μm、212
μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS
標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙に
プロットした。これにより、重量平均粒子径(D50)
を読み取った。篩い分け、および、後述の粒度別のSF
Cを測定する際の分級方法は、吸水性樹脂粉末ないし吸
水剤10.0gを、室温(20〜25℃)、湿度50R
H%の条件下で、目開き850μm、600μm、50
0μm、300μm、150μmのJIS標準ふるい
(THE IIDA TESTING SIEVE:径
8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE
SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.N
o.0501)により、10分間、分級を行った。
【0091】(4)0.69重量%生理食塩水流れ誘導
性(SFC) 特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SF
C)試験に準じて行った。図1に示す装置を用い、容器
40に均一に入れた吸水剤(0.900g)を人工尿
(1)中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、
60分間膨潤させ、ゲル44のゲル層の高さを記録し、
次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.6
9重量%生理食塩水33を、一定の静水圧でタンク31
から膨潤したゲル層を通液させる。このSFC試験は室
温(20〜25℃)で行った。コンピューターと天秤を
用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する
液体量を10分間記録する。膨潤したゲル44(の主に
粒子間)を通過する流速Fs(t)は増加重量(g)を
増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定す
る。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をts
とし、tsと10分間の間に得たデータだけを流速計算
に使用して、tsと10分間の間に得た流速を使用して
s(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を
計算する。Fs(t=0)はFs(t)対時間の最小2乗
法の結果をt=0に外挿することにより計算される。
【0092】 生理食塩水流れ誘導性=(Fs(t=0)×L0)/(ρ×A×ΔP) =(Fs(t=0)×L0)/139506 ここで、 Fs(t=0):g/sで表した流速 L0:cmで表したゲル層の高さ ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm3) A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27c
2) ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
2) およびSFC値の単位は(10-7×cm3×s×g-1
である。
【0093】図1に示す装置としては、タンク31に
は、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下
端は、0.69重量%生理食塩水33をセル41中の膨
潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるよ
うに配置した。タンク31中の0.69重量%生理食塩
水33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供
給された。セル41の下には、通過した液を補集する容
器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49
の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであ
り、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目
開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の
下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部に
は吸水剤あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込まな
いように透過性の良いガラスフィルター45が取り付け
てあった。セル41は、セルを乗せるための台の上に置
かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステ
ンレス製の金網43の上に設置した。
【0094】人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和
物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウ
ムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、り
ん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アン
モニウム0.15g、および、純水994.25gを加
えたものを用いた。 (5)機械的ダメージ試験 図2に示すガラス製容器(山村硝子社製マヨネーズ瓶、
商品名:A−29)に吸水剤30gとガラスビーズ(玉
径約6mmの精密分留充填用ソーダ石灰ガラスビーズ)
10gを入れた。これを図3に示す分散機(東洋精機製
作所社製、No.488試験用分散機)に備えられたク
ランプ間に挟み固定し、100V/60Hzで振動回転
数750cpmの振動を10分間与えた。これにより、
上記分散機に固定された容器は、分散機における上記ク
ランプの取り付け面に対して左右に各々12.5°(合
計25°)傾斜運動すると同時に、前後に各々8mm
(合計16mm)振動することにより、容器内部の吸水
剤に衝撃を与える。上記衝撃は、吸水剤の製造工程中に
吸水剤が受ける衝撃力を代表するものとして経験的に定
められた力であるが、製造後の輸送や吸水体製造時のダ
メージにも広く適用できるものである。本発明におい
て、機械的ダメージを与える場合は、特に、吸水剤の製
造時、吸水体の製造時を想定したものである。さらに、
SFC変化指数、SFC変動係数、SFC変動率は、吸
水体内部における吸水剤の性能のばらつきを測る指標で
ある。よって粒度別の物性を測定する場合は、実験室
(1回の製造工程で得られる吸水剤の量が20kg以
下)のスケールにおいて製造された吸水剤は、すべて前
記機械的ダメージを与えなければならない。
【0095】(6)可溶分(水可溶成分)量 250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.9重量
%生理食塩水溶液(生理食塩水)の184.3gを測り
取り、その水溶液中に吸水性樹脂1.00gを加え16
時間攪拌することにより樹脂中の可溶分を抽出した。こ
の抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、
品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.
26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過することに
より得られた濾液の50.0gを測り取り測定溶液とし
た。はじめに生理食塩水だけを、まず、0.1NのNa
OH水溶液でpH10まで滴定を行い、その後、0.1
NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定して空滴定量
([bNaOH]ml、[bHCl]ml)を得た。
【0096】同様の滴定操作を測定溶液についても行う
ことにより滴定量([NaOH]ml、[HCl]m
l)を求めた。例えば既知量のアクリル酸とそのナトリ
ウム塩からなる吸水性樹脂の場合、そのモノマーの平均
分子量と上記操作により得られた滴定量をもとに、吸水
性樹脂中の可溶分量を以下の計算式により算出すること
ができる。未知量の場合は滴定により求めた中和率を用
いてモノマーの平均分子量を算出する。 可溶分(重量%)=0.1×(平均分子量)×184.3×100×([H Cl]−[bHCl])/1000/1.0/50.0 中和率(mol%)=(1−([NaOH]−[bNaOH])/([HC l]−[bHCl]))×100 (7)表層可溶分(水可溶成分)量 250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.50重
量%生理食塩水溶液の100gを測り取り、その水溶液
中に吸水剤0.50gを加え、1時間吸水剤中の表層可
溶分を抽出した。この抽出操作において、攪拌は初期の
吸水剤の分散および最後の液の均一化のみを目的に攪拌
し、前記以外は攪拌を行わない。具体的には、表層可溶
分の抽出は静置で行い、抽出前後の1分間のみ攪拌(攪
拌速度:400rpm、攪拌子:テフロン(登録商標)
製(2.5cm))を行う。この抽出液を濾紙1枚(A
DVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3
801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5
μm)を用いて濾過することにより得られた濾液の5
0.0gを測り取り測定溶液とした。
【0097】はじめに0.5重量%NaCl水溶液だけ
を、まず、0.1NのNaOH水溶液でpH10まで滴
定を行い、その後、0.1NのHCl水溶液でpH2.
7まで滴定して空滴定量([bNaOH]ml、[bH
Cl]ml)を得た。同様の滴定操作を測定溶液につい
ても行うことにより滴定量([NaOH]ml、[HC
l]ml)を求めた。例えば既知量のアクリル酸とその
ナトリウム塩からなる吸水剤の場合、そのモノマーの平
均分子量と上記操作により得られた滴定量をもとに、吸
水剤中の表層可溶分量を以下の計算式により算出するこ
とができる。未知量の場合は滴定により求めた中和率を
用いてモノマーの平均分子量を算出する。
【0098】 表層可溶分(重量%)=0.1×(平均分子量)×100×100×([H Cl]−[bHCl])/1000/0.5/50.0 中和率(mol%)=(1−([NaOH]−[bNaOH])/([HC l]−[bHCl]))×100 (8)中和指数 特開平10−101735号およびその請求項3(欧州
特許公開0882502号およびその請求項2〜4)に
従い、以下、吸水性樹脂粉末および吸水剤の中和指数を
求めた。
【0099】すなわち、JIS標準篩で300〜600
μmに分級した吸水性樹脂粉末ないし吸水剤の粒子20
0粒を、カバーガラスを貼りつけた20mm×20mm
の開口部を有する厚さ1.6mmのプラスチックプレー
トに入れ、0.2mlの脱イオン水を添加する。さら
に、上記膨潤ゲルにブルムチモールブルー(BTB)
0.1重量%エタノール溶液とメチルレッド(MR)
0.1重量%エタノール溶液との1.5:1混合溶液
0.05mlをマイクロシリンジで添加して、pH指示
薬によって粒子200粒の着色を観察した。こうして吸
水性樹脂ないし吸水剤の平均中和率から20モル%を越
えて不均一に中和された粒子の個数(200個中で何個
か)を求めて、この不均一な中和粒子の個数を中和指数
(上記特許では第一中和指数/請求項3)として求め
た。もちろん、中和指数が大きいほど、吸水性樹脂粉末
の中和は不均一である。詳しくは、上記特許を参照。
【0100】(参考例1):吸水性樹脂粉末(A)の製
造/中和重合 シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケ
ット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成
した反応器中で、75モル%の中和率を有するアクリル
酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38重量
%、モノマーの平均分子量88.5)にポリエチレング
リコールジアクリレート(n=9)3.70gを溶解さ
せて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下
で、30分間脱気した。続いて、反応液に10重量%過
硫酸ナトリウム水溶液28.3gおよび1重量%L−ア
スコルビン酸水溶液2.1gを攪拌しながら添加したと
ころ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成し
たゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重
合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(1)を
取り出した。
【0101】得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、
その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化
された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目
開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間
熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さ
らに目開き850μmおよび106μmのJIS標準篩
で分級することで大部分の粒子が850μm〜106μ
mの範囲にある吸水性樹脂粉末(A)を得た。得られた
吸水性樹脂粉末(A)の無加圧下の吸収倍率は49(g
/g)、可溶分量は23重量%、重量平均粒径(D5
0)は330μm、850μm〜150μmの範囲にあ
る吸水性樹脂粉末は97重量%であった。
【0102】(参考例2):吸水性樹脂粉末(B)の製
造/中和重合 シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケ
ット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成
した反応器中で、71モル%の中和率を有するアクリル
酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度41重量
%、モノマーの平均分子量87.7)にポリエチレング
リコールジアクリレート(n=9)8.05gを溶解さ
せて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下
で、30分間脱気した。続いて、反応液に10重量%過
硫酸ナトリウム水溶液30.8gおよび1重量%L−ア
スコルビン酸水溶液2.57gを攪拌しながら添加した
ところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成
したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、
重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(2)
を取り出した。
【0103】得られた含水ゲル状架橋重合体(2)は、
その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化
された含水ゲル状架橋重合体(2)を50メッシュ(目
開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間
熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さ
らに目開き850μmのJIS標準篩で分級することで
大部分の粒子が850μm以下の範囲にある吸水性樹脂
粉末(B)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(B)の無
加圧下の吸収倍率は36(g/g)、可溶分量は10重
量%、重量平均粒径(D50)は450μm、850μ
m〜150μmの範囲にある吸水性樹脂粉末は97重量
%であった。
【0104】(参考例3):吸水性樹脂粉末(C)の製
造例/中和重合 参考例2において、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート5.01gに変更した以外は参考例2と同様にして
重合、乾燥、粉砕および分級を行い、吸水性樹脂粉末
(C)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(C)の無加圧
下の吸収倍率は39(g/g)、可溶分量は13重量
%、重量平均粒径(D50)は450μm、850μm
〜150μmの範囲にある吸水性樹脂粉末は97重量%
であった。 (参考例4):吸水性樹脂粉末(D)の製造例/中和重
合 参考例2において、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート5.01gに変更した以外は参考例2と同様にして
重合、乾燥、および粉砕を行った。得られた粉砕物をさ
らに目開き600μmおよび300μmのJIS標準篩
で分級することで、600μm〜300μmの範囲にあ
る吸水性樹脂粉末(D)を得た。得られた吸水性樹脂粉
末(D)の無加圧下の吸収倍率は40(g/g)、可溶
分量は9重量%、重量平均粒径(D50)は450μm
であった。
【0105】(実施例1):吸水性樹脂粉末(A)の架
橋処理/水溶性無機塩基あり 参考例1で得られた吸水性樹脂粉末(A)100gにエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールE
X−810、ナガセ化成(株)社製)0.027g、プ
ロピレングリコール0.9g、水2.7g及び炭酸水素
ナトリウム0.18gの混合液からなる表面処理剤を混
合した後、混合物を210℃で35分間加熱処理するこ
とにより、吸水剤(1)を得た。得られた吸水剤(1)
も粉末状であり、その無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍
率、生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に示し
た。
【0106】(実施例2):吸水性樹脂粉末(A)の架
橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例1において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、炭酸ナトリウムを0.09g用いた以外は同様にし
て、吸水剤(2)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸
収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に
示した。 (比較例1):吸水性樹脂粉末(A)の架橋処理/水溶
性無機塩基なし 実施例1において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、イソプロピルアルコール0.81gを用いた以外は
同様にして、比較用吸水剤(1)を得た。無加圧下吸収
倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定し
た結果を表1に示した。
【0107】(比較例2):吸水性樹脂粉末(A)の架
橋処理/水溶性無機塩基なし 実施例1において、炭酸水素ナトリウムを用いなかった
以外は同様にして、比較用吸水剤(2)を得た。無加圧
下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を
測定した結果を表1に示した。 (実施例3):吸水性樹脂粉末(B)の架橋処理/水溶
性無機塩基あり 参考例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)100gに
1,4−ブタンジオール0.384g、プロピレングリ
コール0.6g、水3.28g、および24重量%水酸
化ナトリウム水溶液0.3g(固形分0.072g)の
混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を21
2℃で30分間加熱処理することにより、吸水剤(3)
を得た。得られた吸水剤(3)も粉末形状であり、その
無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘
導性を測定した結果を表1に示した。
【0108】(比較例3):吸水性樹脂粉末(B)の架
橋処理/水溶性無機塩基なし 実施例3において、24重量%水酸化ナトリウム水溶液
を用いなかった以外は同様にして、比較用吸水剤(3)
を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩
水流れ誘導性を測定した結果を表1に示した。 (実施例4):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基あり 参考例3で得られた吸水性樹脂粉末(C)100gに
1,4−ブタンジオール0.384g、プロピレングリ
コール0.6g、水3.28g、および炭酸水素ナトリ
ウム0.24gの混合液からなる表面処理剤を混合した
後、混合物を212℃で40分間加熱処理することによ
り、吸水剤(4)を得た。得られた吸水剤(4)も粉末
形状であり、その無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、
生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に示した。
【0109】(実施例5):吸水性樹脂粉末(C)の架
橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例4において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、炭酸ナトリウム0.12gを用いた以外は同様にし
て、吸水剤(5)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸
収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に
示した。 (実施例6):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基あり 実施例4において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、24重量%水酸化ナトリウム水溶液0.3g(固形
分0.072g)を用いた以外は同様にして、吸水剤
(6)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生
理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に示した。
【0110】(比較例4):吸水性樹脂粉末(C)の架
橋処理/水溶性無機塩基なし 実施例4において、炭酸水素ナトリウムを用いなかった
以外は同様にして、比較用吸水剤(4)を得た。無加圧
下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を
測定した結果を表1に示した。 (実施例7):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基あり 実施例4において、加熱処理時間を30分間にした以外
は同様にして、吸水剤(7)を得た。無加圧下吸収倍
率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定した
結果を表1に示した。
【0111】(実施例8):吸水性樹脂粉末(C)の架
橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例7において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、炭酸ナトリウム0.12gを用いた以外は同様にし
て、吸水剤(8)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸
収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に
示した。 (実施例9):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基あり 実施例7において、炭酸水素ナトリウムを用いる代わり
に、24重量%水酸化ナトリウム水溶液0.3g(固形
分0.072g)を用いた以外は同様にして、吸水剤
(9)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生
理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表1に示した。ま
た、吸水剤(9)の表層可溶分は3.8重量%であっ
た。
【0112】(比較例5):吸水性樹脂粉末(C)の架
橋処理/水溶性無機塩基なし 実施例7において、炭酸水素ナトリウムを用いなかった
以外は同様にして、比較用吸水剤(5)を得た。無加圧
下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を
測定した結果を表1に示した。また、比較用吸水剤
(5)の表層可溶分は6.5重量%であった。 (比較例6):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基なし 実施例9において、24重量%水酸化ナトリウム水溶液
の代わりに、WO00/53664に準じて、硫酸アル
ミニウム14〜18水和物を0.455g用いた以外は
同様にして、比較用吸水剤(6)を得た。その結果を表
1に示した。
【0113】(実施例10):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 参考例3で得られた吸水性樹脂粉末(C)100gにエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールE
X−810、ナガセ化成(株)社製)0.784g、水
4.0g、および24重量%水酸化ナトリウム水溶液
0.5g(固形分0.12g)の混合液からなる表面処
理剤を混合した後、混合物を212℃で40分間加熱処
理することにより、吸水剤(10)を得た。得られた吸
水剤(10)も粉末形状であり、結果を表1に示した。 (比較例7):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基なし 実施例10において、24重量%水酸化ナトリウム水溶
液を用いなかった以外は同様にして、比較用吸水剤
(7)を得た。その結果を表1に示した。
【0114】(実施例11):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 参考例3で得られた吸水性樹脂粉末(C)100gに3
−エチル−3−オキセタンメタノール0.4g、水3.
0g、および24重量%水酸化ナトリウム水溶液0.3
g(固形分0.072g)の混合液からなる表面処理剤
を混合した後、混合物を212℃で40分間加熱処理す
ることにより、吸水剤(11)を得た。得られた吸水剤
(11)も粉末形状であり、その結果を表1に示した。 (比較例8):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/水溶
性無機塩基なし 実施例11において、24重量%水酸化ナトリウム水溶
液を用いなかった以外は同様にして、比較用吸水剤
(8)を得た。その結果を表1に示した。
【0115】(実施例12):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/pH緩衝剤あり 参考例3で得られた吸水性樹脂粉末(C)100gにエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールE
X−810、ナガセ化成製)0.15g、プロピレング
リコール1.0g、水5.0g、およびリン酸2水素ナ
トリウム・2水和物0.5gの混合液からなる表面処理
剤を混合した後、混合物を150℃で30分間加熱処理
することにより、吸水剤(12)を得た。得られた吸水
剤(12)も粉末形状であり、その結果を表1に示し
た。 (比較例9):吸水性樹脂粉末(C)の架橋処理/pH
緩衝剤なし 実施例12において、リン酸二水素ナトリウム二水和物
を用いなかった以外は同様にして、比較用吸水剤(9)
を得た。その結果を表1に示した。
【0116】(実施例13):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例9において、同様の手法を用いて、吸水剤(1
3)を得た。得られた吸水剤(13)に前記の機械的ダ
メージを10分間与えた後、得られた吸水剤(13)の
無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘
導性を測定した結果を表2に示した。さらに得られた吸
水剤(13)を、JIS標準ふるい(目開き850μ
m、600μm、500μm、300μm、150μ
m)でふるい、それぞれ、850μm未満で600μm
以上の粒子(13−a)、粒子径が600μm未満で5
00μm以上の粒子(13−b)、粒子径が500μm
未満で300μm以上の粒子(13−c)、粒子径が3
00μm未満で150μm以上の粒子(13−d)を得
た。得られた吸水剤(13−a)、(13−b)、(1
3−c)、(13−d)を測定した結果を表2に示し
た。また、SFC変化指数、SFC変動係数、SFC変
動率を算出した結果を表3に示した。
【0117】(実施例14):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例9において、加熱時間を20分間にした以外は同
様の手法をもちいて吸水剤(14)を得た。得られた吸
水剤(14)に前記の機械的ダメージを10分間与えた
後、得られた吸水剤(14)を測定した結果を表2に示
した。さらに得られた吸水剤(14)を、JIS標準ふ
るい(目開き850μm、600μm、500μm、3
00μm、150μm)でふるい、それぞれ、850μ
m未満で600μm以上の粒子(14−a)、粒子径が
600μm未満で500μm以上の粒子(14−b)、
粒子径が500μm未満で300μm以上の粒子(14
−c)、粒子径が300μm未満で150μm以上の粒
子(14−d)を得た。得られた吸水剤(14−a)、
(14−b)、(14−c)、(14−d)を測定した
結果を表2に示した。また、SFC変化指数、SFC変
動係数、SFC変動率を算出した結果を表3に示した。
【0118】(比較例10):吸水性樹脂粉末(C)の
架橋処理/水溶性無機塩基なし 比較例5において、同様の手法を用いて、比較用吸水剤
(10)を得た。得られた比較用吸水剤(10)に機械
的ダメージを10分間与えた後、得られた比較用吸水剤
(10)の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食
塩水流れ誘導性を測定した結果を表2に示した。さらに
得られた比較用吸水剤(10)を、JIS標準ふるい
(目開き850μm、600μm、500μm、300
μm、150μm)でふるい、それぞれ、850μm未
満で600μm以上の粒子(10−a)、粒子径が60
0μm未満で500μm以上の粒子(10−b)、粒子
径が500μm未満で300μm以上の粒子(10−
c)、粒子径が300μm未満で150μm以上の粒子
(10−d)を得た。得られた比較用吸水剤(10−
a)、(10−b)、(10−c)、(10−d)を測
定した結果を表2に示した。また、SFC変化指数、S
FC変動係数、SFC変動率を算出した結果を表3に示
した。
【0119】(比較例11):市販品の吸水剤 ドイツで市販されているPampers Acitve
Fit(P&G社製、2001年12月5日購入)の
おむつから吸水剤を取り出し、比較用吸水剤(11)を
得た。得られた比較用吸水剤(11)の無加圧下吸収倍
率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性を測定した
結果を表2に示した。さらに得られた比較用吸水剤(1
1)を、JIS標準ふるい(目開き850、600、5
00、300、150μm)でふるい、それぞれ、85
0μm未満で600μm以上の粒子(11−a)、粒子
径が600μm未満で500μm以上の粒子(11−
b)、粒子径が500μm未満で300μm以上の粒子
(11−c)、粒子径が300μm未満で150μm以
上の粒子(11−d)を得た。得られた吸水剤(11−
a)、(11−b)、(11−c)、(11−d)を測
定した結果を表2に示した。また、SFC変化指数、S
FC変動係数、SFC変動率を算出した結果を表3に示
した。
【0120】(比較例12):市販品の吸水剤 日本で市販されていた「パンパースさらさらケア」(P
&G社製、1997年12月購入)のおむつから吸水剤
を取り出し、比較用吸水剤(12)とした。比較吸水剤
(12)の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食
塩水流れ誘導性を測定した結果を表2に示した。さらに
得られた比較用吸水剤(12)をJIS標準ふるい(目
開き850、600、500、300、150μm)で
ふるい、それぞれ、850μm未満で600μm以上の
粒子(12−a)、粒子径が600μm未満で500μ
m以上の粒子(12−b)、粒子径が500μm未満で
300μm以上の粒子(12−c)、粒子径が300μ
m未満で150μm以上の粒子(12−d)を得た。得
られた吸水剤(12−a)、(12−b)、(12−
c)、(12−d)の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍
率、生理食塩水流れ誘導性を測定した結果を表2に示し
た。また、SFC変化指数、SFC変動係数、SFC変
動率を算出した結果を表3に示した。
【0121】(実施例15):吸水性樹脂粉末(D)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 参考例4で得られた吸水性樹脂粉末(D)100gに
1,4−ブタンジオール0.384g、プロピレングリ
コール0.6g、水3.28g、および24重量%水酸
化ナトリウム水溶液0.3g(固形分0.072g)の
混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を21
2℃で20分間加熱処理することにより、吸水剤(1
5)を得た。得られた吸水剤(15)に前記の機械的ダ
メージを10分間与えた後、得られた吸水剤(15)を
測定した結果を表2に示した。さらに得られた吸水剤
(15)を、JIS標準ふるい(目開き850μm、6
00μm、500μm、300μm、150μm)でふ
るい、それぞれ、粒子径が600μm未満で500μm
以上の粒子(15−b)、粒子径が500μm未満で3
00μm以上の粒子(15−c)を得た。得られた吸水
剤(15−b)、(15−c)を測定した結果を表2に
示した。また、SFC変化指数、SFC変動係数、SF
C変動率を算出した結果を表3に示した。
【0122】(実施例16):吸水性樹脂粉末(D)の
架橋処理/水溶性無機塩基あり 実施例15において、加熱時間を40分間にした以外は
同様にして、吸水剤(16)を得た。得られた吸水剤
(16)に前記の機械的ダメージを10分間与えた後、
得られた吸水剤(16)を測定した結果を表2に示し
た。さらに得られた吸水剤(16)を、JIS標準ふる
い(目開き850μm、600μm、500μm、30
0μm、150μm)でふるい、それぞれ、粒子径が6
00μm未満で500μm以上の粒子(16−b)、粒
子径が500μm未満で300μm以上の粒子(16−
c)を得た。得られた吸水剤(16−b)、(16−
c)を測定した結果を表2に示した。また、SFC変化
指数、SFC変動係数、SFC変動率を算出した結果を
表3に示した。
【0123】(比較例13〜16):市販品の吸水剤 実使用されている吸水剤(吸水性樹脂)として、200
1年に市販の紙おむつより吸水性樹脂を取り出し比較吸
水剤(13)〜(16)とした。比較吸水剤(13)〜
(16)の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食
塩水流れ誘導性を測定した結果を表4に示した。 (参考例5):吸水性樹脂粉末(E)の製造/酸型重合
で後中和 2Lのプラスチック容器にアクリル酸252.2g、
N,N’−メチレンビスアクリルアミド1.1g、水9
98.4gを混合し反応液とした。次にこの反応液を窒
素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液
に15重量%2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩5.1g、10重量%L−アスコルビン酸
水溶液0.63g、および7重量%過酸化水素水溶液
3.6gを加えて重合を開始させた。16〜74℃で重
合を行い、重合が開始してから3時間後に含水ゲル状架
橋重合体(5)を取り出した。得られた重合体(5)を
約5cm角に切断してからその1000gについて、中
和率が65モル%となる量の48重量%の水酸化ナトリ
ウム水溶液15.0gを混合し、さらにダイス径9.5
mmのミートチョッパーに通して細分化された粉砕ゲル
とした。得られた粉砕ゲルを50メッシュ(目開き30
0μm)の金網上に広げ、170℃で40分間熱風乾燥
した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さらに目開
き500μmおよび300μmのJIS標準網で分級す
ることで大部分の粒子が500μm〜300μmの範囲
にある吸水性樹脂粉末(E)を得た。得られた吸水性樹
脂粉末(E)の無加圧下の吸収倍率は49(g/g)、
可溶分量は6重量%であった。
【0124】さらに得られた粒子の中和率の均一性を調
べるために、200個の粒子を膨潤させ、さらに、pH
指示薬であるブロモチモールブルーとメチルレッドの
0.1重量%エタノール溶液を添加し中和指数(特開平
10−101735号の請求項3)を測定した。その結
果、参考例1、6、7で得られた中和重合から得られた
吸水性樹脂粉末(A)、(F)、(G)は200個の粒
子が一様に黄色(中和指数が0)であるのに対して、吸
水性樹脂粉末(E)の粒子は濃緑色から赤色まで様々な
色に発色する粒子が混在し、個々の粒子の中和率が非常
に不均一(中和指数が15以上)であった。
【0125】(参考例6):吸水性樹脂粉末(F)の製
造例/中和重合 参考例1において、単量体濃度を39重量%、中和率を
71モル%、ポリエチレングリコールジアクリレート
9.6gに変更した以外は参考例1と同様にして重合、
乾燥および粉砕を行った。得られた粉砕物をさらに目開
き500μmおよび300μmのJIS標準篩で分級す
ることで大部分の粒子が500μm〜300μmの範囲
にある吸水性樹脂粉末(F)を得た。得られた吸水性樹
脂粉末(F)の無加圧下の吸収倍率は32(g/g)、
可溶分量は10重量%であった。 (参考例7):吸水性樹脂粉末(G)の製造例/中和重
合 参考例1において、単量体濃度を41重量%、中和率を
71モル%、ポリエチレングリコールジアクリレート
5.47g、過硫酸ナトリウム水溶液30.8g、L−
アスコルビン酸水溶液2.57g、熱風乾燥温度180
℃、熱風乾燥時間50分間に変更した以外は参考例1と
同様にして重合、乾燥および粉砕を行った。得られた粉
砕物をさらに目開き850μmのJIS標準篩で分級す
ることで大部分の粒子が850μm以下の範囲にある吸
水性樹脂粉末(G)を得た。
【0126】得られた吸水性樹脂粉末(G)の無加圧下
の吸収倍率は38(g/g)、可溶分量は13重量%、
重量平均粒径(D50)は400μmであった。 (実施例17):吸水性樹脂粉末(E)の架橋処理/p
H緩衝剤あり 参考例5で得られた吸水性樹脂粉末(E)100gにエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールE
X−810、ナガセ化成(株)社製)0.5g、プロピ
レングリコール1.0g、中性リン酸塩pH標準液(リ
ン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウム;pH
6.86)6.0g、およびイソプロピルアルコール
1.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混
合物を120℃で30分間加熱処理することにより、吸
水剤(17)を得た。得られた吸水剤(17)も粉末形
状であり、その無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率を測
定した結果を表5に示した。
【0127】(比較例17):吸水性樹脂粉末(E)の
架橋処理/pH緩衝剤なし 実施例17において、中性リン酸塩pH標準液の代わり
に水6.0gを用いた以外は同様にして比較用吸水剤
(17)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率を
測定し、その結果を表5に示した。 (実施例18):吸水性樹脂粉末(F)の架橋処理/p
H緩衝剤あり 参考例6で得られた吸水性樹脂粉末(F)100gに
1,4−ブタンジオール0.32g、プロピレングリコ
ール0.5g、水2.73g、リン酸二水素ナトリウム
二水和物1.2gの混合液からなる表面処理剤を混合し
た後、混合物を197℃で10分加熱処理することによ
り吸水剤(18)を得た。得られた吸水剤(18)も粉
末形状であり、その無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率
を測定した結果を表5に示した。
【0128】(比較例18):吸水性樹脂粉末(F)の
架橋処理/pH緩衝剤なし 実施例18において、リン酸二水素ナトリウム二水和物
の代わりにリン酸(85重量%)0.6gを用いた以外
は同様にして比較用吸水剤(18)を得た。無加圧下吸
収倍率、加圧下吸収倍率を測定した結果を表5に示し
た。 (比較例19):吸水性樹脂粉末(F)の架橋処理/p
H緩衝剤なし 実施例18において、リン酸二水素ナトリウム二水和物
を用いなかった以外は同様にして比較用吸水剤(19)
を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率を測定した
結果を表5に示した。
【0129】(実施例19):吸水性樹脂粉末(G)の
架橋処理/pH緩衝剤あり 参考例7で得られた吸水性樹脂粉末(G)100gに
1,4−ブタンジオール0.32g、プロピレングリコ
ール0.5g、水2.73g、および炭酸水素ナトリウ
ム0.2gの混合液からなる表面処理剤溶液を混合した
後、混合物を212℃で25分間加熱処理することによ
り、吸水剤(19)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下
吸収倍率を測定した結果を表5に示した。 (実施例20):吸水性樹脂粉末(G)の架橋処理/p
H緩衝剤あり 参考例7で得られた吸水性樹脂粉末(G)100gに
1,4−ブタンジオール0.32g、プロピレングリコ
ール0.5g、水2.73g、および炭酸水素カリウム
0.24gの混合液からなる表面処理剤溶液を混合した
後、混合物を212℃で25分間加熱処理することによ
り、吸水剤(20)を得た。無加圧下吸収倍率、加圧下
吸収倍率を測定した結果を表5に示した。
【0130】(比較例20):吸水性樹脂粉末(G)の
架橋処理/pH緩衝剤なし 実施例19において、炭酸水素ナトリウムを用いなかっ
た以外は同様にして比較用吸水剤(20)を得た。無加
圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率を測定した結果を表5に
示した。 (実施例21):連続生産系 71モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリウム塩と
ポリエチレングリコールジアクリレート(n=9)を参
考例3の比率で、連続的に水溶液重合(ベルト滞留時
間:約30分、厚み:約25mm)し、得られた吸水性
樹脂の含水ゲル状架橋重合体をミートチョッパーで粒子
状に粗砕し、これをバンド乾燥機の多孔板上に薄く広げ
て載せ、180℃で30分間連続熱風乾燥した。乾燥機
出口でブロック状の乾燥重合体が得られた。この乾燥重
合体を取り出したと同時に解砕し、得られた粒子状乾燥
物を1000kg/hで3段ロールグラニュレーター
(ロールギャップが上から1.0mm/0.55mm/
0.42mm)に連続供給することで粉砕した。得られ
た約60℃の粒子状吸水性樹脂の粉末を、網目開き85
0μmのふるい網を有する篩い分け装置で分級し、90
重量%以上が850μm未満で150μm以上のサイズ
の吸水性樹脂粉末(H)(平均粒子径:430〜460
μm)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(H)の無加圧
下の平均吸収倍率(CRC)は40g/g、可溶分量の
平均は11重量%であった。なお、CRCおよび可溶分
量の物性は2時間ごと(2000kg/Lot)に測定
した平均値である。
【0131】さらに、吸水性樹脂粉末(H)を、高速連
続混合機(タービュライザー/1000rpm)に10
00kg/hで連続供給して、さらに、吸水性樹脂粉末
(H)に1,4−ブタンジオール/プロピレングリコー
ル/水/24%水酸化ナトリウム水溶液=0.384/
0.63/3.39/0.3(重量%/対粉末)からな
る表面架橋剤水溶液を、約200μmの液滴になるスプ
レーで噴霧し混合した。次いで、得られた混合物を19
5℃で40分間、パドルドライヤーにより連続的に加熱
処理することで吸水剤粉末を得た。さらに得られた吸水
剤粉末を、網目開き850μmのふるい網を有する篩い
分け装置で分級して、850μm未満で150μm以上
のサイズの粒子が90重量%以上の吸水剤(21)を得
た。
【0132】前記の一連の工程(重合、乾燥、粉砕、加
熱処理)を連続で24時間で行い、2時間ごと(200
0kg/Lot)に吸水剤の物性(Lot数:11点)
を測定した結果、無加圧下の吸収倍率の平均値は31.
1g/g、加圧下での吸収倍率の平均値は25.5g/
g、生理食塩水流れ誘導性の平均値は30(Lot毎の
SFCの値:32、32、28、28、30、27、2
7、32、31、32、28)、そのSFCの標準偏差
の値は2.1であった。 (実施例22):連続生産系 実施例21において、24時間を10日間に変えた以外
は同様の方法で連続生産を行い、吸水剤(22)を得
た。2時間ごと(2000kg/Lot)に吸水剤の物
性(Lot数:110点)を測定した結果、無加圧下の
吸収倍率の平均値は31.3g/g、加圧下での吸収倍
率の平均値は25.2g/g、生理食塩水流れ誘導性の
平均値は30(Lot毎のSFCの値は省略)、そのS
FCの標準偏差の値は3.9であった。
【0133】(比較例21):連続生産系 実施例21において、24%水酸化ナトリウム水溶液を
使わなかった以外は同様の方法で連続生産を行い、比較
用吸水剤(21)を得た。2時間ごと(2000kg/
Lot)に吸水剤の物性(Lot数:11点)を測定し
た結果、無加圧下の吸収倍率の平均値は31.1g/
g、加圧下での吸収倍率の平均値は24.2g/g、生
理食塩水流れ誘導性の平均値は20(Lot毎のSFC
の値:26、17、11、17、17、18、20、1
7、16、28、28)、そのSFCの標準偏差の値は
5.5であった。
【0134】実施例21および実施例22に記載の吸水
剤(21)、(22)は、比較例21に記載の比較用吸
水剤(21)に比べて、SFCの標準偏差が小さくな
り、本発明の吸水剤を連続生産する場合、不良品(低S
FC品など)の発生もなく、かつ、品質(SFC)のば
らつきが低減されることを示している。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】実施例1および実施例2に記載の吸水剤
(1)、(2)は、同じく表面架橋された比較用吸水剤
(1)、(2)と比べて、加圧下吸収倍率が大きく、無
加圧下吸収倍率と加圧下吸収倍率のバランスに優れてい
る。実施例3に記載の吸水剤(3)は、比較例3に記載
の比較用吸水剤(3)と比べて、無加圧下吸収倍率と加
圧下吸収倍率と生理食塩水流れ誘導性の3つのバランス
に優れている。さらに、実施例4および実施例5および
実施例6に記載の吸水剤(4)、(5)、(6)は、比
較例4に記載の比較用吸水剤(4)と比べて、無加圧下
吸収倍率はほぼ同じであるが生理食塩水流れ誘導性は高
い値を示している。
【0139】同様に、実施例7および実施例8および実
施例9に記載の吸水剤(7)(8)(9)においても、
比較例5および比較例6に記載の比較用吸水剤(5)お
よび比較用吸水剤(6)と比べて、無加圧下吸収倍率は
ほぼ同じであるが、加圧下吸水倍率と生理食塩水流れ誘
導性は高い値を示している。また、実施例10、実施例
11、実施例12に記載の吸水剤(10)、(11)、
(12)は、それぞれ比較例7、比較例8、比較例9に
記載の比較用吸水剤(7)、(8)、(9)と比べて、
無加圧下吸収倍率はほぼ同じであるが、生理食塩水流れ
誘導性は高い値を示している。
【0140】実施例13および実施例14に記載の吸水
剤(13)、(14)は、比較例10および比較例11
および比較例12に記載の比較用吸水剤(10)、(1
1)、(12)と比べて、SFC変化指数およびSFC
変動係数は小さく、SFC変動率は大きくなりいずれも
SFCのばらつきが低減されている。また、実施例15
および実施例16に記載の吸水剤(15)、(16)
も、SFC変化指数およびSFC変動指数は小さく、S
FC変動率は大きくなり、いずれもSFCのばらつきが
低減されている。このように、本発明の方法で製造され
る吸水剤は、無加圧下吸収倍率と加圧下吸収倍率と生理
食塩水流れ誘導性の3つのバランスに優れ、良好な性能
を備えたものである。さらに、粒度毎のSFCのばらつ
きも少ない事から、おむつの性能を安定させる上で非常
に優れた吸水剤である。
【0141】
【表4】
【0142】比較例13、比較例14、比較例15、比
較例16に記載の比較用吸水剤(13)、(14)、
(15)、(16)は、いずれも無加圧下吸収倍率と加
圧下吸収倍率と生理食塩水流れ誘導性の3つのバランス
が悪いものであった。
【0143】
【表5】
【0144】実施例17記載の吸水剤(17)は、比較
例17記載の比較用吸水剤(17)と比べて、無加圧下
吸収倍率と加圧下吸収倍率のバランスやその合計に優れ
ている。また、実施例18記載の吸水剤(18)は、リ
ン酸を加えた比較例18記載の比較用吸水剤(18)と
比べて、同様に10分という短い時間で架橋反応が進行
し、無加圧下吸収倍率は同じであるが加圧下吸収倍率は
高い値を示している。さらに、何も加えなかった比較例
19記載の比較用吸水剤(19)については、10分と
いう短時間では十分な架橋反応が進行せず、無加圧下吸
収倍率の低下がほとんど見られず、加圧下吸収倍率も低
いものとなっている。
【0145】このように、本発明の方法で製造される吸
水剤は、無加圧下吸収倍率と加圧下吸収倍率のバランス
やその合計に優れ、短い反応時間でも良好な性能を備え
たものである。
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、架橋処理時に、混合助
剤としての効果を示しながらも架橋反応を阻害せず、場
合によっては反応触媒としての効果も併せ持ち、かつ部
分中和重合された吸水性樹脂の中和率の違いや酸型重合
の後中和操作に起因する中和率の均一性にほとんど関わ
りなく、均一な表面架橋が発現でき、無加圧下吸収倍
率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性のバランス
に優れるとともに、製造の際のロットごと、あるいは各
ロット中における生理食塩水流れ誘導性の値の振れ(バ
ラツキ)が小さい、物性の安定した吸水剤を短時間で製
造する方法および吸水剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生理食塩水流れ誘導性の測定に用いる測定装置
の概略の断面図。
【図2】機械的ダメージ試験に用いるガラス製容器の側
面概略図(a)と平面概略図(b)。
【図3】機械的ダメージ試験に用いる分散機の概略図。
【符号の説明】
31 タンク 32 ガラス管 33 0.69重量%塩化ナトリウム水溶液 34 コック付きL字管 35 コック 40 容器 41 セル 42 ステンレス製金網 43 ステンレス製金網 44 膨潤ゲル 45 ガラスフィルター 46 ピストン 47 ピストン中の穴 48 補集容器 49 上皿天秤 51 ガラス容器 52 分散機 53 上側クランプ 54 下側クランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 3/24 C08L 101/14 C08K 3/00 C09K 3/00 N C08L 101/02 A61F 13/18 307A 101/14 A41B 13/02 D C09K 3/00 (72)発明者 藤田 康弘 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 長澤 誠 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 阪本 繁 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 大六 頼道 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 和田 克之 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 藤野 眞一 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 北山 敏匡 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 樋富 一尚 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 3B029 BA18 4C003 AA23 4C098 AA09 CC02 DD05 DD24 DD27 DD30 4F070 AA29 AB01 AB13 AC14 AC36 AE08 DB06 DC07 DC11 DC16 4J002 BG01W BG10W GD03

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和単量体成分を重合して得られる架橋
    構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤で
    あって、 前記粒子状吸水剤は、粒子径が850μm未満で150
    μm以上の粒子を全粒子の90重量%以上含み、かつ、
    粒子径が850μm未満で600μm以上の粒子(A
    1)、粒子径が600μm未満で500μm以上の粒子
    (A2)、粒子径が500μm未満で300μm以上の
    粒子(A3)、粒子径が300μm未満で150μm以
    上の粒子(A4)から選ばれる少なくとも2種以上を含
    み、 さらに、下記物性を満たすことを特徴とする、吸水剤。
    0.90重量%生理食塩水に対する無加圧下で30分の
    吸収倍率(CRC)が31g/g以上。0.90重量%
    生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸
    収倍率(AAP)が24g/g以上。0.69重量%生
    理食塩水流れ誘導性(SFC)が20(単位:10-7×
    cm 3×s×g-1)以上。下記式(1)で規定されるS
    FC変化指数が0〜25%。 SFC変化指数(%)=[(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子 状吸水剤全体のSFC)]×100 (1)
  2. 【請求項2】前記吸水剤の粒度分布が、粒子A1からA
    4をそれぞれ0.1重量%以上含む、請求項1に記載の
    吸水剤。
  3. 【請求項3】下記式(2)で規定されるSFC変動係数
    が0〜0.25である、請求項1または2に記載の吸水
    剤。 SFC変動係数=(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子A1から A4のSFCの平均値) (2)
  4. 【請求項4】下記式(3)で規定されるSFC変動率が
    0.65〜1.00である、請求項1から3までのいず
    れかに記載の吸水剤。 SFC変動率=(粒子A1からA4のSFCの中で最小のSFC)/(粒子A 1からA4のSFCの中で最大のSFC) (3)
  5. 【請求項5】前記吸水剤がさらにカチオン性高分子化合
    物および/または水不溶性微粒子を含む、請求項1から
    4までのいずれかに記載の吸水剤。
  6. 【請求項6】不飽和単量体成分を重合して得られる架橋
    構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤で
    あって、 前記粒子状吸水剤は、粒子径が850μm未満で150
    μm以上の粒子を全粒子の90重量%以上含み、かつ、
    粒子径が850μm未満で600μm以上の粒子(A
    1)、粒子径が600μm未満で500μm以上の粒子
    (A2)、粒子径が500μm未満で300μm以上の
    粒子(A3)、粒子径が300μm未満で150μm以
    上の粒子(A4)から選ばれる少なくとも2種以上を含
    み、 さらに、下記物性を満たすことを特徴とする、吸水剤。
    0.90重量%生理食塩水に対する無加圧下で30分の
    吸収倍率(CRC)が31g/g以上。0.90重量%
    生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸
    収倍率(AAP)が24g/g以上。0.69重量%生
    理食塩水流れ誘導性(SFC)が20(単位:10-7×
    cm 3×s×g-1)以上。下記式(2)で規定されるS
    FC変動係数が0〜0.25。 SFC変動係数=(粒子A1からA4のSFCの標準偏差)/(粒子A1から A4のSFCの平均値) (2)
  7. 【請求項7】不飽和単量体成分を重合して得られる架橋
    構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤で
    あって、 前記粒子状吸水剤は、粒子径が850μm未満で150
    μm以上の粒子を全粒子の90重量%以上含み、かつ、
    粒子径が850μm未満で600μm以上の粒子(A
    1)、粒子径が600μm未満で500μm以上の粒子
    (A2)、粒子径が500μm未満で300μm以上の
    粒子(A3)、粒子径が300μm未満で150μm以
    上の粒子(A4)から選ばれる少なくとも2種以上を含
    み、 さらに、下記物性を満たすことを特徴とする、連続生産
    された吸水剤。0.90重量%生理食塩水に対する無加
    圧下で30分の吸収倍率(CRC)が31g/g以上。
    0.90重量%生理食塩水に対する4.83kPaで6
    0分の加圧下吸収倍率(AAP)が24g/g以上。
    0.69重量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が20
    (単位:10-7×cm 3×s×g-1)以上。下記式
    (4)で規定される連続生産系SFC標準偏差が5.0
    以下。 連続生産系SFC標準偏差=各LotのSFCの標準偏差 (4) (ただし、CRC、AAP、SFCはLot平均であ
    り、各Lotは20kg以上。Lot数は10以上。)
  8. 【請求項8】酸基含有単量体(塩)を含む単量体を重合
    し、さらに後中和して得られた吸水性樹脂を表面架橋し
    た粒子状吸水剤であって、 前記粒子状吸水剤または吸水性樹脂の中和指数が15以
    上で、かつ、表面架橋後の0.90重量%生理食塩水に
    対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AA
    P)が20(g/g)以上であることを特徴とする、吸
    水剤。
  9. 【請求項9】酸基含有の吸水性樹脂粉末(a)に、非架
    橋性の水溶性無機塩基(b1)および/または非還元性
    のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)、および、該酸基
    と反応しうる脱水反応性架橋剤(c1)を混合し、前記
    吸水性樹脂粉末(a)を架橋処理することを特徴とす
    る、吸水剤の製造方法。
  10. 【請求項10】酸基を含有し且つ重量平均粒子径300
    〜600μmで150μm以下の微粉が10重量%以下
    の吸水性樹脂粉末(a1)に、非架橋性の水溶性無機塩
    基(b1)および/または非還元性のアルカリ金属塩p
    H緩衝剤(b2)、および、該酸基と反応しうる架橋剤
    (c)を混合し、前記吸水性樹脂粉末(a1)を架橋処
    理することを特徴とする、吸水剤の製造方法。
  11. 【請求項11】前記吸水性樹脂粉末(a)が、重量平均
    粒子径300〜600μmで150μm以下の微粉が1
    0重量%以下の吸水性樹脂粉末(a1)である、請求項
    9に記載の吸水剤の製造方法。
  12. 【請求項12】前記水溶性無機塩基(b1)が、アルカ
    リ金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、ア
    ンモニアあるいはその水酸化物からなる群から選ばれる
    少なくとも1種である、請求項9から11までの何れか
    に記載の吸水剤の製造方法。
  13. 【請求項13】前記アルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)
    が、弱酸と強塩基からなる無機塩である、請求項9から
    12までの何れかに記載の吸水剤の製造方法。
  14. 【請求項14】前記アルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)
    が、多塩基酸の部分アルカリ金属中和塩である、請求項
    9から13までの何れかに記載の吸水剤の製造方法。
  15. 【請求項15】前記架橋剤(c)あるいは脱水反応性架
    橋剤(c1)が、多価アルコール化合物であることを特
    徴とする、請求項9から14までの何れかに記載の吸水
    剤の製造方法。
  16. 【請求項16】前記架橋剤(c)あるいは脱水反応性架
    橋剤(c1)に、前記水溶性無機塩基(b1)および/
    または非還元性のアルカリ金属塩pH緩衝剤(b2)を
    予め混合して水溶液としたのち、前記吸水性樹脂粉末
    (a)あるいは(a1)に対して該水溶液が噴霧添加さ
    れる、請求項9から15までの何れかに記載の吸水剤の
    製造方法。
  17. 【請求項17】架橋処理が140〜240℃の加熱処理
    でなされる、請求項9から16までの何れかに記載の吸
    水剤の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項9から17までの何れかに記載の
    製造方法で得られた吸水剤。
  19. 【請求項19】請求項1から8および請求項18の何れ
    かに記載の吸水剤を含む衛生材料。
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