JP2003093999A - ダイオキシン類含有固形部の処理方法及びその装置 - Google Patents

ダイオキシン類含有固形部の処理方法及びその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類含有固形物ならびにこれを含
む汚水を、短時間に高い除去率で無害化することのでき
る処理方法及びその装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ダイオキシン類含有固形物、及びこれら
固形物を含む汚水をスラリー37にし、分解反応させ
る。分解反応の方法としては、スラリー37に酸素酸塩
を加え、スラリー37をアルカリ性に保持しつつ、つい
で酸性に保持して超音波発振器29によって攪拌しなが
ら紫外線を照射することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシン類含有
固形部の処理方法及びその装置に関し、詳しくはダイオ
キシン類に汚染されている焼却炉の煤塵や飛灰、土壌、
及び焼却炉の洗煙廃水等の処理方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工場やゴミ焼却場等に設置されている焼
却炉で発生する煤煙、飛灰等は、焼却炉からの煙道ガス
に同伴して排出される。このような煤煙や飛灰中には、
有害なダイオキシン類が含有されているため、現在では
煙道ガス中からバグフィルターや電気集塵機等の捕集装
置を用いて煤煙や飛灰等を分離したり、スクラバー装置
によって洗煙排水として除去することが行なわれてい
る。一方、これらの捕集装置で捕集された煤煙や飛灰等
は、粉体状態或いは捕集水中に縣濁された状態で排出さ
れるが、捕集された粉体等の固形物や捕集水中に懸濁さ
れた粉体等の固形物は、有害なダイオキシン類等が含有
されているため、そのままの状態で廃棄することはでき
ない。このため、固形物に含有されているダイオキシン
類を無害化する処理が施されている。例えば、捕集水等
の煤煙や飛灰等の固形物が縣濁されたスラリーに対して
は、凝集沈殿させた後、残存するコロイド状固形物を活
性炭に吸着させる方法がある。また、煤煙や飛灰等の粉
体から成る固形物に対しては、ダイオキシン類を揮発温
度以上に加熱して発生したガスを吸着除去する方法や、
900〜1300℃で燃焼させる再燃焼法等もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活性炭に吸着
させる方法や揮散させる方法においては、ダイオキシン
類が吸着した処理後の活性炭や吸着させた吸着材の処理
方法が極めて困難である。さらに、再燃焼法については
炉内に依然としてダイオキシン類が残存しているおそれ
がある。従って、いずれもダイオキシン類が完全に分解
されて無害化されておらず、最終的処理方法とは言えな
い状況である。また、ダイオキシン類を含有した液に対
しては、オゾンを高濃度に溶解させて紫外線を照射する
方法もあるが、オゾンの水に対する溶解度が低く、特殊
な高濃度のオゾン発生器が必要となり、高価な装置とな
って導入費用が高い。
【0004】このように、現状においては、廃水中に懸
濁されたダイオキシン類含有固形物を含めて、ダイオキ
シン類含有固形物の多くは無害化することが出来ず、別
に集めて保管するしかない状態である。
【0005】本発明はこれら課題を解決すべくなされた
ものであり、ダイオキシン類含有固形物及びこれを含む
汚水を、短時間に高い除去率で無害化することのできる
ダイオキシン類含有固形部の処理方法及びその装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、ダイオキシン類に汚染さ
れている固形物を懸濁しているスラリーに、酸素酸塩を
添加し、酸性又はアルカリ性の下で攪拌をしながら紫外
線を照射することにより分解反応させて、固形物に含有
されているダイオキシン類を効率良く無毒化することが
できることを確認した。また、ダイオキシン類とはポリ
クロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベン
ゾフラン及びコプラナーポリクロロビフェニル(コプラ
ナーPCB)等の毒性の高い有機塩素化合物の総称とし
て用いているが、これら3つの化学物質それぞれに対す
る最適な分解除去条件は異なるものである。従って処理
対象となる固形物の内容に合わせた最適な分解除去条件
下で処理することによって、ダイオキシン類の分解除去
が短時間、かつ高い除去率で達成できることを見出し本
発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、固形物中に含有され
るダイオキシン類を分解して無害化する際に、前記ダイ
オキシン類を含有する固形物と水とから成るスラリー
に、酸素酸塩を添加すると共に、アルカリ性または酸性
に保持した前記スラリーに攪拌を施しつつ、含有ダイオ
キシン類を分解し得る波長の紫外線を前記スラリーに照
射することを特徴とする。これによりダイオキシン類を
高い除去率で分解除去することができる。また、上記処
理方法は、前記固形物に含有されるダイオキシン類が、
主としてポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンからな
り、塩素数が7個以上のポリクロロジベンゾフランの含
有量が、塩素数が8個のポリクロロジベンゾ−パラ−ジ
オキシンの含有量の1/10以下であるとき、前記スラ
リーをアルカリ性とするとダイオキシン類を高い除去率
で分解除去することができる。
【0008】また、本発明は、前記固形物に含有される
ダイオキシン類が、主としてポリクロロジベンゾフラン
からなり、塩素数が8個のポリクロロジベンゾ−パラ−
ジオキシンの含有量が、塩素数が7個以上のポリクロロ
ジベンゾフランの含有量の1/2以下であるとき、前記
スラリーを酸性とするとダイオキシン類を高い除去率で
分解除去することができる。このようにダイオキシン類
の含有量に注目して限定したのは、ポリクロロジベンゾ
−パラ−ジオキシンとポリクロロジベンゾフランの最適
な分解条件が異なることと、特に他と比較して7塩素体
ジベンゾフランの分解反応が成され難く、毒性も8塩素
体ジベンゾ−パラ−ジオキシンの毒性よりも100倍ほ
ど高いからである。
【0009】また、固形物中に含有されるダイオキシン
類を分解して無害化する際に、前記ダイオキシン類を含
有する固形物と水とから成り、酸素酸塩が添加されたス
ラリーを、アルカリ性に保持すると共に、攪拌を施しつ
つ、含有ダイオキシン類を分解し得る波長の紫外線を前
記スラリーに照射し、次いで、前記紫外線照射を施して
得た紫外線照射スラリーを酸性に保持すると共に、前記
紫外線照射スラリーに攪拌を施しつつ、残存ダイオキシ
ン類を分解し得る波長の紫外線を前記紫外線照射スラリ
ーに照射することを特徴とする。
【0010】また、固形物中に含有されるダイオキシン
類を分解して無害化する際に、前記ダイオキシン類を含
有する固形物と水とから成り、酸素酸塩が添加されたス
ラリーを、酸性に保持すると共に、攪拌を施しつつ、含
有ダイオキシン類を分解し得る波長の紫外線を前記スラ
リーに照射し、次いで、前記紫外線照射を施して得た紫
外線照射スラリーをアルカリ性に保持すると共に、前記
紫外線照射スラリーに攪拌を施しつつ、残存ダイオキシ
ン類を分解し得る波長の紫外線を前記紫外線照射スラリ
ーに照射することを特徴とする。これら処理方法によ
り、ポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロ
ロジベンゾフランはもちろんのことコプラナーPCBを
も高い除去率で分解除去することができる。
【0011】また、酸素酸塩としては、金属酸素酸塩、
過硫酸塩等が好適であり、さらに照射する光の波長は3
00〜587nmでも処理できる特徴がある。また、ス
ラリーの攪拌には超音波が好適に使用される。
【0012】さらに、処理装置としては、前記ダイオキ
シン類を含有する固形物と水とから成るスラリーを貯留
し、該スラリーを攪拌する攪拌機を有した調整槽と、該
調整槽に貯留されたスラリーに、酸素酸塩を投入する投
入手段と、前記調整槽に貯留されたスラリーをアルカリ
性または酸性に保持するpH保持手段と、pH調整され
たスラリーに含有されているダイオキシン類を分解する
波長の紫外線を照射する紫外線照射手段と前記pH調整
されたスラリーを攪拌する攪拌手段が設けられた紫外線
照射槽と、スラリーを前記調整槽と前記紫外線照射槽と
で循環させる循環手段とを具備することを特徴とする。
これにより効率良く処理可能な処理装置を提供すること
ができる。また、紫外線照射手段としては、波長が30
0〜587nmの紫外線ランプが使用でき、攪拌手段と
しては、超音波を用いるとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る処理方法と装置の対
象物は、ダイオキシン類を含有する固形物、及びこれら
固形物を含む汚水であり、具体的にはダイオキシン類に
汚染されている土壌、焼却炉の煤塵や飛灰、洗煙廃水等
である。さらに、ダイオキシン類とは、下記〔化1〕に
示すポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、〔化2〕
に示すポリクロロジベンゾフラン及び〔化3〕に示すコ
プラナーポリクロロビフェニル(コプラナーPCB)等
の毒性の高い有機塩素化合物の総称として用いている。
【化1】
【化2】
【化3】
【0014】最初に処理方法について述べる。まず、ダ
イオキシン類を含む焼却灰や煤塵、土壌などの固形物を
水に添加して(あるいは洗煙廃水等、廃水の場合はその
ままの状態でも可能。)スラリーにする。スラリーにす
ることで処理に使用する紫外線照射手段が、固形物の粉
塵によって使用不能になることを防止することができ
る。さらに固形物を液中で分散させることにより、固形
物の内部にわたってダイオキシン類分解反応を均一に行
うことが可能となって、無害化が高い率で行なわれ得る
ものである。従って処理の前段階として固形物の凝集力
を弱めてより細かく分散されるよう、洗剤等の界面活性
剤を添加したり、塩酸によって酸洗浄することも有効で
ある。また、固形物に特に大きな小石等が存在する場合
は、篩、遠心分離機等を利用して予め除去するとよい。
【0015】さらに、スラリーとしては、含有固形物が
5%程度の懸濁液とするとより効果的である。含有固形
物が少なければダイオキシン類の除去には有利である
が、処理対象であるスラリー量が増え、装置が大型化し
てしまう。反対に含有固形物が多い場合は紫外線が充分
に透過されず、一部のスラリーのみの分解反応となっ
て、処理効率が極端に下がってしまうからである。
【0016】これらダイオキシン類を含有する固形物を
含むスラリーは、後述する薬液を添加されて、攪拌手段
によって攪拌されながら紫外線照射されて無害化され
る。攪拌することで、スラリー中の固形物がさらに細か
く分散され、紫外線を効果的に均一に照射することがで
き、ダイオキシン類の高い分解除去率が実現可能とな
る。このとき攪拌手段としては、攪拌機を用いてもよい
が、超音波振動を用いるとスラリーの攪拌が流路内の隅
々にわたって可能となるうえに、攪拌するための複雑な
形状の羽根等が不要となり、沈着しやすいスラリーとの
接触面積を少なくすることで、メンテナンスを容易にす
ることができる。また、本発明は紫外線としては短波長
のみに限らず、300〜587nmの波長分布を持つ紫
外線ランプでも好適に使用できるが、後述する酸素酸塩
の量や紫外線の照射時間を変更することによりダイオキ
シン類の分解除去率を高めることができる。
【0017】次に、添加される薬液と、その反応機構に
ついて述べる。前述のようにダイオキシン類には、ポリ
クロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベン
ゾフラン、コプラナーPCB等が含まれ、それぞれに対
する最適な分解除去条件が異なっている。
【0018】具体的には、ポリクロロジベンゾ−パラ−
ジオキシンの最適な分解除去方法は、処理対象であるス
ラリーに酸素酸塩の溶液を加えた後、アルカリ性に保持
しつつ紫外線を照射する方法である。また、ポリクロロ
ジベンゾフランの場合は処理対象であるスラリーに、酸
素酸塩の溶液を加えた後、酸性に保持しながら紫外線を
照射する方法が適している。
【0019】これらの反応機構は次のように推察され
る。まず、紫外線の照射で酸素酸塩として添加した金属
酸素酸塩又は過硫酸塩等が分解し、金属酸化物や水酸化
物の沈殿とヒドロキシラジカルが生成する。生成した金
属酸化物や水酸化物には疎水性のダイオキシン類が吸着
する。一方、紫外線と生成した金属酸化物や水酸化物と
の触媒作用によって水からもヒドロキシラジカルを継続
的に生成する。そして、アルカリ雰囲気においてはヒド
ロキシラジカルによって、金属酸化物や水酸化物に吸着
したポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンの脱塩素反
応が主として促進される。この際、ポリクロロジベンゾ
フランの脱塩素反応はポリクロロジベンゾ−パラ−ジオ
キシンの脱塩素反応よりも遅い。反対に、酸性雰囲気に
おいては紫外線の照射でヒドロキシラジカルを生じ、水
酸基の付加反応やベンゼン環の開裂、分解反応が起こる
ことで、ポリクロロジベンゾフランの分解反応が主とし
て行なわれる。ここで、過硫酸塩等の酸素酸塩が金属酸
素酸塩と同様の働きをしているのは、スラリーに含まれ
ている金属成分が有効に働いているものと推定される。
【0020】このような反応機構からなるので、ポリク
ロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベンゾ
フラン等が混在する一般的なスラリーに対しては、次の
ような処理方法が有効である。すなわち、スラリーに酸
素酸塩の溶液を添加した後、スラリーをアルカリ性に保
持しつつ第1回目の紫外線照射を行い、次いで酸性に保
持しつつ、第2回目の紫外線照射を行うという処理方法
である。これとは反対に、スラリーを酸性に保持しなが
ら第1回目の紫外線照射を行い、第2回目の紫外線照射
をアルカリ性に保持しながら行っても良い。酸性、アル
カリ性の順序は処理効果に差を生じさせないが、酸性処
理をアルカリ性処理よりも後にする方が、装置の内壁に
付着するスケールや汚れが少なくすむ点で有利である。
【0021】いずれにしてもこれら処理方法は、前述の
ポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンに対して効果的
な処理方法と、ポリクロロジベンゾフランに対して効果
的な処理方法を組み合わせた方法となっていて、ポリク
ロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベンゾ
フランはもちろんのこと、コプラナーPCBについても
分解除去することができる。また、ポリクロロジベンゾ
−パラ−ジオキシン、或いはポリクロロジベンゾフラン
の含有量に偏りがあり、どちらかの含有量が極めて少な
い場合は、紫外線照射の際の、スラリーのpHを酸性あ
るいはアルカリ性のどちらか一方の条件のみにして処理
を簡便にしても良い。
【0022】このような反応に用いられる薬液について
具体例を挙げると、pHを調整するためのアルカリ性溶
液としては苛性ソーダが、酸性溶液としては硫酸が好適
に使用される。そしてスラリーが保持される所定のpH
としては、アルカリ性ではpH9以上であればよいが、
pH9〜11の場合はスラリーが接する装置の材質を傷
めることがなく特に適している。また、酸性ではpH4
以下が適しており、特にpH2〜3であれば装置の材質
を傷めることがなく好適である。
【0023】また、酸素酸塩のなかでも金属酸素酸塩の
具体例としては、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン
酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カ
リウムがあり、同様にタングステン酸塩、重クロム酸
塩、テルル酸塩等を挙げることができる。そして、有害
性や、分子量が大きくなると水に対する溶解度が小さく
なることを考慮すると、過マンガン酸塩又はモリブデン
酸塩が特に好適に使用される。他の酸素酸塩の例として
は過硫酸塩、過ヨウ素酸塩、過塩素酸塩等が挙げられ、
特に過硫酸塩が好適である。そしてスラリーに含まれて
いる金属成分は、酸素酸塩の効果を増加させることがで
きる。
【0024】また、スラリーの処理にあたっては上記金
属酸素酸塩か、他の酸素酸塩のどちらか、あるいはその
両方を併用してもよい。さらに、処理対象であるダイオ
キシン類を含有する焼却灰や煤塵、土壌などの固形物
の、あるいは汚水中のこれら固形物のTOC(全有機物
量)を予め測定するとよい。これにより検出されたTO
Cの3〜10倍当量の酸素酸塩の溶液を加えると、ダイ
オキシン類の量を多めに予測して加える薬液の量を決め
ることができる。
【0025】次に、本発明の好適な実施の形態である2
つの処理装置を図1、図3と共に説明する。まず、図1
の処理装置10について説明する。この処理装置10
は、ダイオキシン類を含有する固形物を含んだスラリー
をバッチで処理するバッチ式であって、主要部として調
整槽13、pH保持手段、投入手段、紫外線照射槽12
を設けている。調整槽13は、その内部に攪拌機14を
有してダイオキシン類を含有した固形物を水に攪拌混合
し、できたスラリーが貯留可能に設けられている。
【0026】さらに、調整槽13にはpH電極38を設
けると共に、アルカリ性溶液槽21、酸性溶液槽22か
らは、それぞれポンプ16、17によって溶液が調整槽
13に送液可能に構成されている。これはアルカリ性溶
液槽21にはアルカリ性溶液を、酸性溶液槽22には酸
性溶液をそれぞれ貯留した際には、pH電極38によっ
て、各々の送液量を調整しながら、スラリーを所定のp
Hに保持するよう構成されたpH保持手段となるもので
ある。また、処理装置10には、酸素酸塩の溶液を調整
槽13内に投入する投入手段が設けられている。これ
は、酸素酸塩が貯留される薬液槽20を設け、ポンプ1
5によって調整槽13内に送液可能に配管が接続されて
いるものである。
【0027】12は紫外線照射槽であり、密閉された本
体25内に配管23と紫外線照射手段である紫外線ラン
プ24が上下方向に延設されているものである。本体2
5は内部が空洞の、直方体状でも円柱状でも良い。紫外
線ランプ24としては、特に波長が300〜587nm
の紫外線を照射可能な封入水銀圧の高い高圧紫外線ラン
プが、短時間で大量のダイオキシン類を処理することが
でき好適である。しかし波長が285nm以下の紫外線
を照射する低圧紫外線ランプは、処理能力は高圧紫外線
ランプよりも劣るが、ランプ寿命が長いので処理の規模
等を考慮して高圧、低圧のどちらかに選択されるとよ
い。
【0028】配管23は、その底部23aと上部23b
で1本化されているが、途中、複数本に分岐し、分岐し
た配管23c同士の間に複数の紫外線ランプ24が配設
されている。その状態を図2の紫外線照射槽12の断面
図に示す。5本に分岐された配管23cの間に紫外線ラ
ンプ24が4本配置されている。配管23は、石英管、
ガラス管あるいはフッ素樹脂管から成り、分岐された配
管23cのそれぞれは、内径が20〜30mmに形成さ
れている。また攪拌手段として、分岐された配管23c
内には300〜500mm毎に攪拌板が設けられ、底部
23aには、超音波発振器29が配設されている。図2
においては、配管23を5本に分岐させ、紫外線ランプ
24を4本配設させたが、もちろんこれら本数に限定さ
れるものではない。
【0029】このような構成からなる紫外線照射槽12
は、配管の底部23aにおいて調整槽13とポンプ18
を介して配管で接続され、さらに上部23bは、三方弁
26を介して配管27、28につながっている。配管2
7は配管23を通過したスラリーが再び調整槽13内に
投入されて循環するよう調整槽13に送液可能に構成さ
れ、配管28は処理され無害化されたスラリーが処理装
置10外方に排出されるよう配設されている。このよう
に配管27、ポンプ18、三方弁26等から成る循環手
段によって、スラリーは調整槽13と紫外線照射槽12
との間で循環可能に構成されている。
【0030】次に上記構成の処理装置10を用いた場合
のダイオキシン類含有固形部の処理方法について述べ
る。調整槽13内にダイオキシン類を含有する固形物と
水とを投入して(あるいは洗煙廃水等、廃水の場合はそ
のままの状態でも可能。)スラリーにし、薬液槽20内
の酸素酸塩の溶液を、ポンプ15を作動させることによ
って加える。そして、調整槽13内のスラリー37が、
所定のpHに保持されるよう、アルカリ性溶液、酸性溶
液のいずれかを選択的に、その投入量をpH電極38に
よって調整しながら加える。この際、調整槽13内に設
けられた攪拌機14によって、スラリー37が常時混合
攪拌され、調整槽13底部での固形物の沈殿を防止し、
上記の溶液と充分に混合させることができる。
【0031】こうして酸素酸塩の溶液を加えられた後、
アルカリ性溶液あるいは酸性溶液を加えられて混合攪拌
されたスラリー37は、ポンプ18によって紫外線照射
槽12内の配管底部23aに流入される。流入したスラ
リー37はさらに分岐した配管23cの上方へと送ら
れ、上部23bへと移送される。この際、配管23の長
手方向にわたって配設された紫外線ランプ24が、スラ
リー37に紫外線を照射する。そして配管23内には超
音波発振器29と攪拌板が配設されているので、スラリ
ーが攪拌混合されて底部23aに沈着することがなく、
紫外線ランプ24による紫外線をスラリーに一様に照射
することができ、ダイオキシン類の分解反応が好適に行
なわれ得る。
【0032】この状態で三方弁26を切り換えて配管2
7と配管23がつながるようにすると、調整槽13内と
紫外線照射槽12内でスラリー37を循環させることが
でき、スラリー37に設定時間の間、充分に紫外線を照
射することができる。こうして紫外線照射され、無害化
されたスラリーは、三方弁26を配管23から配管28
へつながるように切り換えることで処理装置10外方へ
と排出される。また、連続して第2回目の紫外線照射を
行う際には、まず紫外線照射槽12内のスラリーを一旦
調整槽13内に集め、スラリーを第1回目の紫外線照射
時とは異なるアルカリ性あるいは酸性のpHに保持す
る。そして先程と同様の操作により、スラリーを循環さ
せながら紫外線を照射させることで第2回目の紫外線照
射を行なうことができる。
【0033】次に、図3を用いてその他の実施形態につ
いて説明する。処理装置11も前述の処理装置10と同
様バッチ式であって、調整槽13、攪拌機14、投入手
段、及びpH保持手段が配設されていることは前述の処
理装置10と同様である。36は紫外線照射槽であり、
紫外線ランプ24、溝状に形成される樋31が配設さ
れ、調整槽13から流出するスラリー37が樋31の溝
を流れ、その先端の下方に配設された貯留槽30内に溢
れ出て貯留されるよう構成されている。紫外線ランプ2
4としては前述した処理装置10と同様の紫外線ランプ
が用いられる。
【0034】樋31は図4に示されるよう、その溝を流
れるスラリーが水深50〜70mmになるよう形成さ
れ、その底部には攪拌手段としての超音波発振器29
が、樋31の長手方向にわたって設けられている。ここ
で水深70mmとは、含有固形物が5%のスラリーに対
して紫外線が到達可能な最大深さである。そして貯留槽
30側の樋31の先端には高さ40mm程度の溢流壁3
5が設けられ、溢れ出たスラリーが貯留槽30に貯留さ
れる。紫外線ランプ24は、樋31を流れるスラリーに
紫外線を照射可能に、樋31の上方で樋31の延設され
る長手方向にわたって配設されている。
【0035】また、処理装置11において、貯留槽30
と三方弁26を接続する配管32の中途にはポンプ19
が設けられている。また、三方弁26からは配管33、
34が接続されており、配管33は、その内部を流れる
スラリー37を調整槽13内に投入可能に設けられ、配
管34はスラリーを処理装置11外方へ排出可能に構成
されている。このような構成を採ることによって循環手
段を形成し、スラリーは調整槽13と紫外線照射槽36
との間で循環可能に形成されている。
【0036】次に上記構成の処理装置11によるダイオ
キシン類含有固形部の処理方法について述べる。前記処
理装置10と同様に、調整槽13内にダイオキシン類含
有固形物と水とを投入してスラリーとし、攪拌機14に
よって混合攪拌しながら酸素酸塩の溶液を加える。さら
にpH保持手段によって所定のpHに保持するよう、ア
ルカリ性溶液あるいは酸性溶液を加える。
【0037】調整槽13内のスラリー37は、溢れ出て
樋31へと流入し通過して、貯留槽30内へと貯留され
るが、樋31を流れる際には、上方に設けられた紫外線
ランプ24によって紫外線が照射され、ダイオキシン類
の分解反応が成される。このとき、樋31の底部に設け
られた超音波発振器29がスラリー37を混合攪拌する
ので、スラリーの沈着が防止されると共に、スラリー3
7への紫外線の均一な照射を可能とする。
【0038】貯留槽30内に貯留されたスラリー37
は、ポンプ19によって配管32内を流れる。そして三
方弁26が配管32と配管33を接続するよう切り換え
られると、再びスラリー37は調整槽13内へと流入
し、調整槽13と貯留槽30の間を循環することにな
る。スラリー37は所定時間循環する間に紫外線を何回
か照射されることとなり、ダイオキシン類の分解反応を
十分に行うことができる。無害化されたスラリーは、配
管34と配管32がつながるよう三方弁26を切り換え
ることで処理装置11の外方へと排出される。
【0039】また、前述の処理装置10と同様、連続し
て第2回目の紫外線照射を行う際には、まず紫外線照射
槽36内のスラリーを一旦調整槽13内に集め、スラリ
ーを第1回目とは反対のアルカリ性あるいは酸性のpH
に保持する。そして先程と同様の操作によりスラリーを
循環させながら紫外線を照射することで第2回目の紫外
線照射を行うことができる。この処理装置11の場合、
紫外線の漏れを防止するため、紫外線ランプ24と樋3
1を含んだ紫外線照射槽36全体を密閉しても良いし、
さらにスラリーによる周囲への汚染を防ぐために、樋3
1上部に石英板あるいは薄いフッ素樹脂膜の蓋部を設
け、その蓋部上方に紫外線ランプ24を照射可能に設け
ても良い。
【0040】
【実施例】以下、本発明について実施例を5つ挙げ、さ
らに詳細に説明する。未処理の試料として下記のダイオ
キシン類含有固形物のスラリーを準備し、実施例1、2
および3それぞれの方法で処理したスラリーの、ガスマ
スの公定法による分析結果を表1に示す。
【0041】(未処理の試料)ダイオキシン類を含む煤
塵を水に添加して含有固形物が5%のスラリーとした。 (実施例1)前述の未処理の試料に、0.05mmol
の過マンガン酸カリウムの溶液を加え、超音波によって
攪拌しながら苛性ソーダ溶液を加えてpH9のアルカリ
性にした。さらに超音波でスラリーを攪拌しつつ、60
分低圧紫外線ランプによる紫外線を照射し、次に硫酸を
加えてpH3の酸性に調整して引き続き攪拌しながら紫
外線を60分照射した。
【0042】(実施例2)未処理の試料に、0.05m
molのモリブデン酸カリウムの溶液を加え、超音波に
よって混合攪拌しながら苛性ソーダ溶液を加えてpH9
のアルカリ性に調整した。さらに超音波によってスラリ
ーを攪拌しつつ、30分高圧紫外線ランプによる紫外線
を照射し、次いで硫酸を加えてpH3の酸性にして、引
き続き攪拌しながら紫外線を30分照射した。
【0043】(実施例3)実施例2において、モリブデ
ン酸カリウムの溶液に換えて、過硫酸塩の溶液を0.0
5mmol加えた。その他は実施例2と同様に処理を行
った。
【表1】 表1のダイオキシン類除去率とは、次の式で示される。 (未処理の総量−処理後の総量)×100/未処理の総量 (%) 未処理の総量・・・未処理の試料に含まれるダイオキシ
ン類の総量 処理後の総量・・・・実施例それぞれの方法で処理した
後の試料に含まれるダイオキシン類の総量 表1からわかるように、実施例2、3のように高圧ラン
プを用いると、第1回目と第2回目の紫外線照射時間の
合計が1時間という短い時間内であっても、70%台と
いう高いダイオキシン類除去率を実現することができ
る。比較例としてダイオキシン類を含有する固形物に、
直接紫外線を照射する方法を試みたが、照射時間2時間
ではダイオキシン類の総量に減少は認められなかった。
【0044】(実施例4)前述の未処理の試料と同様、
ダイオキシン類を含有する固形物を水に添加してスラリ
ーとし試料を準備した。この試料1リットルに対し0.
8mmolの割合で過マンガン酸カリウムを加え、苛性
ソーダ溶液を加えてpHを9に調整した。そして超音波
によって混合攪拌しながらスラリーに高圧紫外線ランプ
による紫外線を1時間照射し、ついで硫酸を加えてpH
を3に調整した。さらに混合攪拌しながら紫外線を1時
間照射した。処理されたスラリーから7リットル採取
し、液中の固形物を含めて分析したところ次のようにな
った。
【0045】コプラナーPCBについては、初期濃度7
10ng/l(12ng−TEQ/l)であったが、処
理後は、以下に示すコプラナーPCBは検出下限値を示
し、他のコプラナーPCBについては不検出であった。 本分析における検出限界値 ノンオルト体3,3’,4,4’−TeCB 30pg/l ノンオルト体3,3’,4,4’,5−PeCB 10pg/l ノンオルト体3,3’,4,4’,5,5’−HxCB 8pg/l この結果から、スラリーをアルカリ性、酸性の両方、順
に保持しながら紫外線照射することにより合計2時間と
いう短い時間であっても100%近くのコプラナーPC
Bが分解できることがわかる。
【0046】また、コプラナーPCB以外のダイオキシ
ン類の処理結果を表2に示す。
【表2】 実施例4の結果から、スラリーに過マンガン酸カリウム
を加えてアルカリ性、酸性と順にpHを保持しながら高
圧紫外線ランプを用いて合計2時間紫外線を照射するこ
とにより、100%近くの、コプラナーPCBを含めた
ダイオキシン類が分解除去可能なことがわかる。
【0047】(実施例5)焼却炉のスクラバー廃液に含
まれている煤塵をデカンテーションで除去し、スラリー
としたもの(透明度5)を試料とした。試料に0.5m
mol/lの過マンガン酸カリウムを加え、さらに酸性
溶液、アルカリ性溶液を加えてpHを3としたものと9
としたものをそれぞれ用意した。そして各々超音波によ
って混合攪拌しながら高圧水銀ランプによって紫外線を
照射した。pH3に調整したものについては20分照射
したものと60分照射したもののダイオキシンの残存率
を調べ、一方、pH9に調整したものについては10分
照射したものと60分照射したものの残存率を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】 ここでダイオキシン類残存率とは次の式で表される。 処理後のダイオキシン量×100/処理前のダイオキシン量 (%) 表3の結果からpH9のアルカリ性にした場合は、ポリ
クロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベン
ゾフラン共に脱塩素反応により、低塩素化し、特に7塩
素体ジベンゾフランは8塩素体から脱塩素して生成する
ものが加わり、処理に時間がかかる。また酸性にした場
合には、ポリクロロジベンゾフランはヒドロキシラジカ
ルによる分解反応の他、脱塩素反応が生じポリクロロジ
ベンゾ−パラ−ジオキシンより早く処理され、ポリクロ
ロジベンゾ−パラ−ジオキシンは高塩素体ジベンゾ−パ
ラ−ジオキシンが残る。さらに、一般廃棄物の焼却炉で
生成したダイオキシン類含有固形物は、高塩素体ジベン
ゾ−パラ−ジオキシンや高塩素体ジベンゾフランの含有
量が少ないので、酸性、アルカリ性のどちらか一方の条
件のみでも処理可能であることを示している。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、従来無害化が困難であ
ったダイオキシン類を含有した固形物及びこれら固形物
を含む汚水の、ダイオキシン類の分解除去が短時間で、
かつ高い除去率で実現することができる。また、処理方
法並びに処理装置は簡便なものなので、維持管理が容易
なうえにランニングコストを低く押えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置を説明する概略図であ
る。
【図2】図1の紫外線照射槽を示す断面図である。
【図3】本発明に係る処理装置の他の実施の形態を示す
概略図である。
【図4】図3の紫外線照射槽を示す概略図である。
【符号の説明】
10、11 処理装置 12、36 紫外線照射槽 13 調整槽 14 攪拌機 15、16、17、18、19 ポンプ 20 薬液槽 21 アルカリ性溶液槽 22 酸性溶液槽 23、27、28、32、33、34 配管 24 紫外線ランプ 25 紫外線照射槽本体 26 三方弁 29 超音波発振器 30 貯留槽 31 樋 35 溢流壁 38 pH電極 37 スラリー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/02 C07D 319/24 4H006 1/04 B09B 3/00 304G 1/08 ZAB C02F 1/32 304K 1/72 5/00 N C07B 37/06 S // C07D 319/24 (72)発明者 安井 幸平 長野県長野市丹波島1丁目1番12号 ミヤ マ株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BB01 BC01 BD17 4D004 AA36 AA37 AA41 AB07 CA15 CA35 CA43 CA47 CB05 CB21 CB27 CB44 CC09 CC12 DA02 DA20 4D037 AA15 AB14 BA18 BB04 BB09 CA01 CA11 CA14 4D050 AA13 AB19 BB11 BB13 BC09 BD03 BD06 BD08 4G075 AA27 AA35 AA37 BA05 BB04 CA23 CA33 CA57 DA02 EB01 EC11 FB06 FB12 FC04 4H006 AA02 AC13 BA95 BD20 BD81 BE33 BE90

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形物中に含有されるダイオキシン類を
    分解して無害化する際に、 前記ダイオキシン類を含有する固形物と水とから成るス
    ラリーに、酸素酸塩を添加すると共に、 アルカリ性または酸性に保持した前記スラリーに攪拌を
    施しつつ、含有ダイオキシン類を分解し得る波長の紫外
    線を前記スラリーに照射することを特徴とするダイオキ
    シン類含有固形部の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記固形物に含有されるダイオキシン類
    が、主としてポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンか
    らなり、塩素数が7個以上のポリクロロジベンゾフラン
    の含有量が、塩素数が8個のポリクロロジベンゾ−パラ
    −ジオキシンの含有量の1/10以下であるとき、前記
    スラリーをアルカリ性とすることを特徴とする請求項1
    記載のダイオキシン類含有固形部の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記固形物に含有されるダイオキシン類
    が、主としてポリクロロジベンゾフランからなり、塩素
    数が8個のポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシンの含
    有量が、塩素数が7個以上のポリクロロジベンゾフラン
    の含有量の1/2以下であるとき、前記スラリーを酸性
    とすることを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類
    含有固形部の処理方法。
  4. 【請求項4】 固形物中に含有されるダイオキシン類を
    分解して無害化する際に、 前記ダイオキシン類を含有する固形物と水とから成り、
    酸素酸塩が添加されたスラリーを、アルカリ性に保持す
    ると共に、攪拌を施しつつ、含有ダイオキシン類を分解
    し得る波長の紫外線を前記スラリーに照射し、 次いで、前記紫外線照射を施して得た紫外線照射スラリ
    ーを酸性に保持すると共に、前記紫外線照射スラリーに
    攪拌を施しつつ、残存ダイオキシン類を分解し得る波長
    の紫外線を前記紫外線照射スラリーに照射することを特
    徴とするダイオキシン類含有固形部の処理方法。
  5. 【請求項5】 固形物中に含有されるダイオキシン類を
    分解して無害化する際に、 前記ダイオキシン類を含有する固形物と水とから成り、
    酸素酸塩が添加されたスラリーを、酸性に保持すると共
    に、攪拌を施しつつ、含有ダイオキシン類を分解し得る
    波長の紫外線を前記スラリーに照射し、 次いで、前記紫外線照射を施して得た紫外線照射スラリ
    ーをアルカリ性に保持すると共に、前記紫外線照射スラ
    リーに攪拌を施しつつ、残存ダイオキシン類を分解し得
    る波長の紫外線を前記紫外線照射スラリーに照射するこ
    とを特徴とするダイオキシン類含有固形部の処理方法。
  6. 【請求項6】 酸素酸塩として、金属酸素酸塩を用いる
    請求項1〜5のいずれか一項記載のダイオキシン類含有
    固形部の処理方法。
  7. 【請求項7】 酸素酸塩として、過硫酸塩を用いる請求
    項1〜5のいずれか一項記載のダイオキシン類含有固形
    部の処理方法。
  8. 【請求項8】 照射する紫外線として、波長が300〜
    587nmの紫外線を用いる請求項1〜7のいずれか一
    項記載のダイオキシン類含有固形部の処理方法。
  9. 【請求項9】 紫外線を照射する際にスラリーを攪拌す
    る攪拌手段として超音波を用いる請求項1〜8のいずれ
    か一項記載のダイオキシン類含有固形部の処理方法。
  10. 【請求項10】 固形物中に含有されるダイオキシン類
    を分解して無害化するダイオキシン類含有固形部の処理
    装置であって、 前記ダイオキシン類を含有する固形物と水とから成るス
    ラリーを貯留し、該スラリーを攪拌する攪拌機を有した
    調整槽と、 該調整槽に貯留されたスラリーに、酸素酸塩を投入する
    投入手段と、 前記調整槽に貯留されたスラリーをアルカリ性または酸
    性に保持するpH保持手段と、 pH調整されたスラリーに含有されているダイオキシン
    類を分解する波長の紫外線を照射する紫外線照射手段と
    前記pH調整されたスラリーを攪拌する攪拌手段が設け
    られた紫外線照射槽と、 スラリーを前記調整槽と前記紫外線照射槽とで循環させ
    る循環手段とを具備することを特徴とするダイオキシン
    類含有固形部の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記紫外線照射手段として波長が30
    0〜587nmの紫外線ランプを用いる請求項10記載
    のダイオキシン類含有固形部の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記攪拌手段として、超音波を用いる
    請求項10または11記載のダイオキシン類含有固形部
    の処理装置。
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