JP2003087944A - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP2003087944A
JP2003087944A JP2001274688A JP2001274688A JP2003087944A JP 2003087944 A JP2003087944 A JP 2003087944A JP 2001274688 A JP2001274688 A JP 2001274688A JP 2001274688 A JP2001274688 A JP 2001274688A JP 2003087944 A JP2003087944 A JP 2003087944A
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grommet
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hook
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JP2001274688A
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Katsutoshi Sakuraba
雄逸 櫻庭
Takeshi Hasegawa
健 長谷川
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グロメット単体で開口部に固定でき、防水性
および防塵性の向上を図れるグロメットを提供する。 【解決手段】 固定部材20Aの端部20Bに形成され
た開口部21に、開口部21の開口側から挿入して装着
されるグロメット1において、前記開口部21に対する
挿入方向に向けて突出したフック部7Aを備えたインナ
ー部材6を有し、フック部7Aを係止するロック部23
aが前記固定部材20Aに設けられており、また、挿入
方向に対して側方に向けて突出した他のフック部7B,
7Cが設けられ、これらの他のフック部7B,7Cを係
止する他のロック部23b,23cが固定部材20Aに
設けられたり、さらに、フック部7A,7B,7Cがイ
ンナー部材6に引っ張り力を付与するように構成された
りしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固定部材の端部
に形成された開口部に組付けられ、配線を保護しながら
開口部を通過させるとともに、開口部からの水分や塵の
侵入を防止するグロメットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、乗用車などの車両においては、そ
の環境保護や燃費向上、走行性能の向上だけではなく、
車両としての快適性や利便性、さらには防犯性を向上さ
せるために、各種の電子技術が利用されており、この制
御を実現するために、多種多様な電子部品を搭載してい
る。そのため、車両に搭載される電子部品は、その搭載
箇所が、車室の運転席周辺のみに留まらず、後部座席や
ドアなどにまで及んでいる。それに伴って、電子部品を
相互に接続する配線の経路も複雑化する傾向にあり、ハ
ーネスなどの配線が車体内の細部に亘って張り巡らされ
ている。
【0003】前記の配線経路において、電子部品の配置
によっては、車両の内部からフレームを貫通させ別のフ
レームに配線せざるを得ない場合がある。このような場
合、フレームとフレームとの間でハーネスなどの配線が
剥き出しとなってしまい、この剥き出しの配線が、フレ
ームの貫通孔に未修正で残った尖ったバリなどによっ
て、断線してしまうおそれがあった。また、フレームに
貫通孔を設けたので、貫通孔を通過して水分や埃などが
侵入しやすくなり、フレームで防護されていた機材や箇
所が、フレーム外の劣悪な環境の影響を直接受けてしま
う。
【0004】そこで、フレームなどに貫通孔を設けて配
線を通過させる場合には、一般的にグロメットという部
品が使用され、このグロメットによって防水・防塵性を
確保しながら、配線の保護を図るようにしている。
【0005】すなわち、このグロメットは、ゴムや合成
樹脂などの弾性変形可能な素材で形成され、貫通孔の形
状に応じた、円形で中空のドーナツ形状に形成されたも
のが殆んどであるが、その設置箇所に応じて、矩形状お
よび、断面形状がL字状のものや、蛇腹状の部分を有し
たグロメットも多数使用されている。
【0006】そして、このグロメットをフレームの貫通
孔に装着し、グロメットを介して配線が貫通孔を通過す
ることにより、フレーム間のハーネスなどの配線を保護
し、フレームの防水・防塵性を維持するようにしてい
る。
【0007】また、上述のグロメットの一種として、図
7および図8に示すように、電子部品を収納する筐体で
ある格納箱20に配線30を接続するために用いられる
グロメット31が知られている。このグロメット31
は、上方が開口された格納箱20の上方の端部20Bを
切欠いて形成した開口部21に、端部20B側からスラ
イドさせて装着するように構成され、配線30を開口部
21を通過させながら配線周辺を密閉する挿通部33を
備えている。また、このグロメット31は、その装着後
に、格納箱20の蓋であるカバー部材(図示せず)によ
り、開口部21からの離脱を防止するとともに固定され
るようにしている。
【0008】すなわち、このグロメット31は、開口部
31の形状に応じて、挿入方向の先端部が湾曲状に形成
され、先端部に連続した基端部が、その組付け後に、端
部20Bから、所定に僅かに突出される長方形形状とさ
れている。また、グロメット31の側面には、格納箱2
0の開口部21の周縁に嵌合する凹部35が設けられて
いる。
【0009】したがって、図9に示すようにグロメット
31を開口部21に装着し、次に、格納箱20にカバー
部材を取付けると、カバー部材によりグロメット31の
基端側が閉止され、グロメット31が挿入方向と逆方向
に横滑り移動して、開口部31から離脱することが防止
される。これとともに、カバー部材によって、グロメッ
ト31の基端側が挿入方向に押付けられるので、グロメ
ット31の先端側の湾曲部分が開口部21側に押圧さ
れ、両者間の隙間が無くなり、グロメット31と開口部
21との間の防水・防塵性が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構造の
グロメット31は、カバー部材と格納箱20との間にグ
ロメット31を挟み込むことにより、格納箱20の開口
部21に固定されているので、カバー部材と格納箱20
との製作された形状が正確であること、つまり寸法精度
が十分に確保され高くないと、グロメット31と開口部
21との間にガタなどによる隙間が生じて、格納箱20
内に水分や埃などが侵入しやすくなるという不都合が生
じていた。
【0011】また、格納箱20内に収容されている電子
部品を点検や交換するために、格納箱20の開け閉めに
よるカバー部材の取り外し、取り付けが繰り返される
と、グロメット31の位置ずれが生じて、グロメット3
1の開口部21への組み付けが緩むおそれがあり、グロ
メット31と開口部21との密閉性が低下する可能性が
あった。
【0012】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、グロメット単体で開口部に固定でき、
防水性および防塵性の向上を図れるグロメットを提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、固定部材の端
部に形成された開口部に、前記開口部の開口側から挿入
して装着されるグロメットにおいて、前記開口部に対す
る挿入方向に向けて突出したフック部を備えたインナー
部材を有し、前記フック部を係止するロック部が、前記
固定部材に設けられていることを特徴とするグロメット
である。
【0014】したがって、請求項1の発明によれば、グ
ロメットが有したインナー部材に挿入方向に突出して設
けられたフック部を、固定部材に設けたロック部に係止
することにより、開口部からのグロメットの離脱を防止
して、グロメット単独で固定部材に組付けた状態に固定
することができる。
【0015】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
の構成に加えて、前記インナー部材に、前記挿入方向に
対して側方に向けて突出した他のフック部が設けられ、
前記フック部を係止する他のロック部が、前記固定部材
に設けられていることを特徴とするグロメットである。
【0016】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明と同様の作用を得られる他に、インナー部材に、
グロメットの挿入方向に対して側方に向けて突出された
他のフック部を設けるとともに、他のフック部を固定部
材に設けた他のロック部に係止したことにより、グロメ
ットの側方方向への移動が制止され、グロメットの開口
部に対する位置ずれを防止することができる。
【0017】さらに、請求項3の発明は、請求項1また
は2の発明の構成に加えて、前記フック部が、前記イン
ナー部材に引っ張り力を付与するように構成されている
ことを特徴とするグロメットである。
【0018】したがって、請求項3の発明によれば、請
求項1の発明と同様の作用を得られる他に、フック部が
インナー部材に引っ張り力を付与して、インナー部材を
ロック部側に引っ張ったことにより、インナー部材がグ
ロメット内部から引っ張り方向に向けてグロメットの外
周部を押圧することになり、この押圧されたグロメット
の外周部と開口部の内周部との接触面における単位面積
当たりの接触圧が増加され、接触圧力が不足する箇所が
生じにくくなるので、両者間に隙間を生じることを防止
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の具体例を図面を
参照して説明する。図1はこの発明のグロメットの一具
体例を示す斜視図、図2は、その分解した斜視図、図3
は、組み付けた状態を示し、(a)は、その斜視図、
(b)は、その正面図である。ここに示す例は、グロメ
ット1を、電子部品(図示せず)を収納する筐体である
格納箱20に適用した例を説明していく。なお、この格
納箱20は、上側が開口された箱形状に形成され、蓋部
材であるカバー部材(図示せず)により、その上側開口
が閉止されるように構成されている。
【0020】グロメット1は、格納箱20を構成する側
壁20Aの開口端部20Bを切り欠いて設けられた開口
部21に装着され、格納箱20内に収納した電子部品
と、外部の電子部品などとを電気的に接続する配線を束
ねたハーネス(図示せず)を保護するとともに、格納箱
20の防水・防塵性を確保するようにしている。なお、
この開口部21は、その開口形状が、下向きの半円形
と、この半円形の底辺と同一の長辺を有した長方形とを
接合した形状に形成され、また長方形の非接合の長辺
は、開口端部20Bと直線上に一致するように形成され
ている。
【0021】すなわち、このグロメット1は、格納箱2
0の開口部21に組付けて固定されるグロメット本体2
と、配線を保持する挿通部3とから構成されている。ま
た、グロメット1は、合成樹脂やゴムなどの弾性変形可
能で、絶縁性を有した素材を用いて、形成されている。
【0022】上記挿通部3は、所定径のパイプ状に形成
され、図中の背面となるグロメット本体2の概略中央
に、グロメット本体2に直交する方向に所定の長さで突
出されて設けられている。また、パイプ部分が有した貫
通孔3aは、グロメット本体2を貫通して、その背後ま
で到達しており、この貫通孔3a内にハーネスの中間部
分と遮水剤とを収容して、保持するようにしている。し
たがって、この挿通部3により、配線を束ねたハーネス
を安定して保持するとともに、この挿通部3にハーネス
を通過させながら、挿通部3の貫通孔3aを水分や埃な
どが通過することを防止している。
【0023】上記グロメット本体2は、その外形状が、
開口部21の開口形状に相似して所定に大きな形状に形
成され、開口部21の下側の形状に応じて湾曲した半円
形状に形成された先端部と、これに連続した長方形状に
形成された基端部とを有している。
【0024】また、基端部の上下方向の長さは、開口部
21の直線部分の長さよりも僅かには、長く形成され、
グロメット1の開口部21への装着後には、グロメット
本体2の基端部の上端が、格納箱20の開口端部10A
の端面から、僅かに突出するようにしている。したがっ
て、グロメット1の組み付け後に、格納箱20にカバー
部材が取付けられると、カバー部材によりグロメットの
基端部側が挿入方向に押付けられ、グロメット本体2の
先端側の湾曲面に押圧力が付与されるようにしている。
【0025】なお、カバー部材(図示せず)が格納箱2
0の上側開口を閉止することにより、この上側開口の一
部となったグロメット本体2の基端部の上端も閉止さ
れ、基端部の上端の防水・防塵性が確保されるものとす
る。
【0026】さらに、グロメット本体2の側面には、開
口部21の周縁に、嵌合する嵌合部4が設けられてい
る。この嵌合部4は、その幅が、格納箱20の側壁20
Aの厚さよりも、十分に大きく形成されている。また、
嵌合部4の幅方向の略中央で、グロメット本体2の側面
の長手方向に亘って、格納箱20の側壁20Aの壁厚よ
りも僅かに小さい幅と深さを有した角形状の凹部5が設
けられている。
【0027】したがって、グロメット1が開口部21に
組付けられると、嵌合部4の凹部5が開口部21の周縁
によって押広げられ、凹部5の側壁および底面が開口部
21の周縁に密着することにより、両者間の隙間を無く
して、防水・防塵性を確保するようにしている。
【0028】さらに、このグロメット1には、グロメッ
ト1と別部材のインナー部材6が組み込まれ、このイン
ナー部材6により、グロメット1を格納箱20に固定す
るとともに、グロメット1と開口部21との密着性を高
めるようにしている。
【0029】すなわち、インナー部材6は、その正面形
状がグロメット本体2と相似形状で所定に小さく形成さ
れ、その厚さが、少なくともグロメット本体2内に収容
できる程度に薄く、薄板状に形成されている。このイン
ナー部材6は、その素材として合成樹脂が用いられ、弾
性係数を備えている。
【0030】また、インナー部材6には、そのグロメッ
ト1の挿通部に設けられた貫通孔3aに応じた位置に、
貫通孔3aよりも大きな円形状の開口部6Aが設けられ
ている。したがって、この開口部6Aを介して配線をイ
ンナー部材6の表面から裏面に通過させるとともに、イ
ンナー部材6の略中央に大径の開口部6Aを設けたこと
により、後述するようにフック部7Aによる引っ張り力
によって、インナー部材6が外方に向けて変形しやすく
している。
【0031】すなわち、インナー部材6の下端には、下
方に向けて所定の長さに延長されたフック部7Aが一体
に設けられている。
【0032】このフック部7Aは、所定の幅と長さを有
したベルト形状に形成され、その先端付近には、角形状
のフック孔7aが形成されている。
【0033】このフック部7Aは、その長さがグロメッ
ト本体2から十分に突出した長さに設定されるととも
に、フック部7Aが安定かつ十分にグロメット本体2に
引っ張り力を付与できる長さと幅が確保されている。
【0034】したがって、後述するように、フック部7
Aが引き伸ばされて変形しながら、その先端が側壁20
Aに設置されたロック部23aに掛け止めされると、フ
ック部7Aが伸展された変形量の分だけ、フック部7A
が短縮して元の長さに復帰しようとするので、フック部
7Aが接続されたインナー部材6に、挿入方向に沿った
下向きの引っ張り力を付与するようにしている。
【0035】さらに、グロメット本体2には、その内部
に、上記インナー部材6を収容する空間部2Aが、形成
されている。
【0036】すなわち、この空間部2Aは、その内形状
が、インナー部材6の外形状と同一に形成され、その位
置が、グロメット1が開口部21に組付けられたとき
に、格納箱20の側壁20Aの内面よりも、格納箱20
の内方となる位置に設けられている。また、この空間部
2Aの下側には、上記フック部7Aを通過させる貫通孔
2aが設けられている。
【0037】なお、2Bは、インナー部材6をグロメッ
ト本体2内に組付ける際に、インナー部材6を通過させ
る組付け孔であり、インナー部材6の外形状に相似した
内周形状で所定に小さく形成されている。したがって、
インナー部材6と相似した小さい開口形状の組付け孔2
Bにより、インナー部材6を空間部2Aに容易に収納す
るとともに、インナー部材6が空間部2Aからの脱落す
ることを防止するようにしている。
【0038】また、上記フック部7Aの先端を掛け止め
するロック部23a、格納箱20の側壁20Aの所定箇
所に、側壁20Aと一体に設けられている。
【0039】すなわち、このロック部23aは、その位
置が、格納箱20の内側となる側壁10Aの壁面で、グ
ロメット1が開口部21に組付けられたときに、インナ
ー部材6のフック部7Aの先端に設けられたフック孔7
aに対応した位置から、フック部7Aの延長方向に沿っ
た下側の挿入方向に所定距離だけ、移動した位置に設け
られている。
【0040】したがって、格納箱20の内側で、かつ格
納箱20の開口から離れた壁面の箇所にロック部23a
を設けているので、このロック部23aに格納箱20の
外部からの影響を受けることが少なくなり、フック部7
Aのロック部23aへの掛け止め状態が維持され、この
フック部7Aによるグロメット1の開口部21への固定
や、インナー部材6に対する引っ張り力の付与を安定し
て確保することができる。また、グロメット1が開口部
21に組付けられたときに、フック部7Aの先端に設け
たフック孔7aをロック部23aに差し込むと、フック
部7Aが所定の長さだけ引き伸ばされるので、これに応
じた分だけフック部7Aが引っ張り力を生成することに
なる。
【0041】また、このロック部23aは、側壁10A
面から直交する方向に、所定量、突出された角形状の突
起であり、その開口21側に対向する側面が、突出方向
に先細りとなるテーパー面となっているとともに、他の
側面は、側壁10Aの壁面に対して垂直面とされてい
る。
【0042】したがって、ロック部23aの先端が先細
りに形成されているので、この先端側からフック部7A
のフック孔7aを容易に差し込めるようにしている。ま
た、ロック部23aにフック部7Aのフック孔7aが差
し込まれると、フック部7Aが引き伸ばされて、フック
部7Aに引っ張り力が生成されるとともに、フック部7
Aのフック孔7aが引っ張られる方向と直交するロック
部23aの垂直面に当接されているので、インナー部材
6のフック部7Aがロック部23aから抜けにくくな
り、フック部7Aを安定してロック部23aに掛け止め
できるようにしている。
【0043】上述した具体例によれば、グロメット1内
に収容したインナー部材6の挿入方向に突出して延長さ
れたフック部7Aを、格納箱20の側壁10Aに設けた
ロック部23aに掛け止めしているので、格納箱20に
カバー部材を格納箱20に取付けること無く、グロメッ
ト1が開口部21に組付けた状態で固定できることにな
り、組立て時の取扱い性を向上することができる。すな
わち、例えば、グロメット1の開口部21への組付け後
に、格納箱20の開口が未閉止のまま、格納箱20を傾
斜させたり移動しても、開口部21からグロメット1が
脱落することを防止できる。
【0044】また、インナー部材6にフック部7Aによ
る引っ張り力を付与することにより、グロメット1を開
口部21に押付ける押圧力を確保しているので、グロメ
ット1と開口部21との寸法精度を確保すれば、両者間
の密閉性を高められ、カバー部材の寸法精度の影響を低
減できるので、低コスト化を図ることができる。
【0045】また、フック部7Aを含めたインナー部材
6の構成が、薄板状の合成樹脂を所定形状に形成した簡
素な構成なので、インナー部材6自体が低コストで、イ
ンナー部材6が損傷した場合の交換が容易であるととも
に、予め異なる長さや弾性係数を有したフック部7Aを
備えたインナー部材6を用意しておくことにより、多様
な格納箱20の開口部21に対処してグロメット1を固
定することができ、適用範囲を広げることが可能とな
る。
【0046】さらに、グロメット1を開口部21に組付
けて、カバー部材が格納箱20に取り付けた場合には、
カバー部材による押圧力に加えて、インナー部材6によ
る押圧力が追加して付与されるので、グロメット1の先
端と開口部21との間の接触面における単位面積当たり
の接触圧が増加され、接触圧力が不足する箇所が生起し
にくくなり、両者5,21間に隙間を生じることがさら
に防止され、グロメット1による防水性および防塵性の
向上を図ることができる。
【0047】また、インナー部材6の引っ張り力による
押圧力が作用する箇所を、押圧力を必要とするグロメッ
ト本体2の接触面の近傍としているので、従来と比べて
直接的かつ効率的であり、このインナー部材6によって
のみグロメット本体2の先端部に必要な接触圧を確保す
る構成とすれば、グロメット本体2に余計な内部応力が
生成されないので、グロメット本体2を簡素化すること
ができるとともに、グロメット本体2の先端部以外の接
触面への内部応力の影響を解消でき、グロメット1によ
る防水・防塵性を向上することができる。
【0048】すなわち、従来の構成によれば、カバー部
材がグロメット本体2の基端部を挿入方向に押付けるこ
とにより、押圧力をグロメット本体2の先端に付与して
いるので、基端部と先端部との間に内部応力が生じるこ
とになる。
【0049】これに対して、本例の構成によれば、グロ
メット本体2内に収容され、フック部7Aにより引っ張
られたインナー部材6の外周面から、グロメット本体2
内に形成した空間部2Aの内周面に押圧力が付与される
ので、グロメット本体2の基端部と先端部との間に余計
な内部応力が生じることが無くなる。
【0050】したがって、従来のグロメット本体2の基
端部からの押圧力を先端に伝達させるために必要とされ
たグロメット本体2の構造的な強度が不要となり、強度
条件を緩和させてグロメット本体2の軽量化を図ること
ができ、グロメット本体2の設計の自由度を向上するこ
とができる。
【0051】さらに、押圧力が付与される空間部2Aの
内周面は、グロメット本体2の外周の近傍に位置してい
るので、この内周面にインナー部材6のフック部7Aに
よる引っ張り力を作用させることにより、グロメット1
の外周を開口部21の周縁に向けて直接的かつ効率的に
押圧できることになる。
【0052】したがって、インナー部材6のフック部7
Aによる引っ張り力を調整することにより、グロメット
1と開口部21との接触面の接触圧を直接的に調整する
ことができるとともに、グロメット1に意図した設計通
りの性能を発揮させることが容易となる。
【0053】次に、本発明の他の実施例を、図4ないし
図6に基づき説明する。
【0054】本例のグロメット1は、インナー部材6の
側方に向けた2つのフック部7B,7Cと、このフック
部7B,7Cを掛け止めするロック部23b,23cを
側壁20Aに新たに追加して設けることにより、さらに
グロメット1の格納箱20への固定の確実化を図るとと
もに、グロメット1の挿入方向に直交した面であるグロ
メット1と開口部21との側面同士の密着性を高めるよ
うにしている。
【0055】なお、上記具体例と、同一部材には同一の
符号を付し、その部材の説明を省略することにする。
【0056】すなわち、インナー部材6の両側には、側
方に向けて、延長されたフック部7B,7Cが一体に設
けられ、各フック部7B,7Cの先端には、フック孔7
b,7cが形成されている。
【0057】そして、これらのフック部7B,7Cのフ
ック孔7b,7cに対応して、上記具体例と同様な側壁
20Aの所定箇所には、上記具体例と同様にロック部2
3b,23cが設けられている。
【0058】なお、2b,2cは、空間部2Aからグロ
メット本体2の外部にフック部7B,7Cを通過させる
貫通孔である。
【0059】上述した他の具体例によれば、上記具体例
の効果に加えて、インナー部材6に、その側方に向けて
突出して延長されたフック部7B,7Cを設け、このフ
ック部7B,7Cを側壁20Aに設けたロック部23
b,23cに掛け止めしたことにより、格納箱20のカ
バー部材による閉止に拘わり無く、グロメット1の側方
方向への移動が制止され、グロメット1の位置ずれを防
止できるので、グロメット1と開口部21との密着性が
維持され、グロメット1による防水・防塵性を十分に確
保することができる。
【0060】また、グロメット本体2の基端部が押圧さ
れた場合に、押圧力が付与されにくい押圧方向に対して
側方となるグロメット1と開口部21との接触面の接触
圧を増大できるので、両者間の密着性が高まり、グロメ
ット1による防水・防塵性を向上することができる。
【0061】なお、上記の各具体例では、各フック部7
A,7B,7Cごとに、それぞれ一つのフック孔7a,
7b,7cを設け、これらのフック孔7a,7b,7c
に対応して、それぞれ一つのロック部23a,23b,
23cを格納箱20の側壁20Aに設けた構成とした
が、このフック孔7a,7b,7cとロック部23a,
23b,23cとの組み合わせを、各フック部7A,7
B,7Cごとに複数、設けてもよい。この構成によれ
ば、インナー部材6が側壁20Aに複数の箇所で掛け止
めされるので、より固定の確実化と安定化を図ることが
できる。
【0062】また、インナー部材6のフック部7A,7
B,7Cによる引っ張り力の調節を簡単かつ容易に行な
えるので、格納箱20の設置箇所や開口部21の開口形
状などの条件に応じて、柔軟に対処することが可能とな
り、適用範囲を広げることができる。
【0063】すなわち、格納箱20の側壁20Aに設け
るロック部23a,23b,23cの位置を、グロメッ
ト1側に近づければ、フック部7A,7B,7Cが引き
伸ばされる変形量が小さくなり、引っ張り力も低下する
一方、グロメット1側から離せば、フック部7A,7
B,7Cが引き伸ばされる変形量が大きくなり、引っ張
り力も増大することになる。また、インナー部材6の周
囲から突出されるフック部7A,7B,7Cの長さを増
減することにより、または、フック部7A,7B,7C
に設けるフック孔7a,7b,7cの位置をインナー部
材6に近づけたり離したりすることにより、同様にフッ
ク部7A,7B,7Cが引き伸ばされる長さが増減さ
れ、フック部7A,7B,7Cによる引っ張り力の大き
さを調節することができる。
【0064】したがって、例えば、挿入方向に沿った軸
を中心とする左右の形状が異なったり、格納箱20自体
が傾斜して設置されたりして、グロメット本体2の左右
で異なる押圧力が必要となった場合にも、上記のように
して、該当する側のインナー部材6のフック部7A,7
B,7Cの引っ張り力の大きさを調節することで、柔軟
に対応することができる。
【0065】さらに、インナー部材6に異なる方向に延
長したフック部7A,7B,7Cを一体に形成した構成
としたが、インナー部材6を分割して、各フック部7
A,7B,7Cを独立した構成としてもよい。この構成
によれば、各フック部7A,7B,7Cが互いに独立し
た別部材とされているので、各フック部7A,7B,7
Cの変形が互いに影響を及ぼすこと無く行なえ、各フッ
ク部7A,7B,7Cの変形による引っ張り力が互いに
干渉せずに、引っ張り力による押圧力の付与を良好かつ
確実に行なうことができる。
【0066】ここで、上記の各具体例とこの発明との関
係を簡単に説明すると、グロメット1がこの発明のグロ
メットに相当し、インナー部材6がこの発明のインナー
部材に相当し、フック部7A,7B,7Cがこの発明の
フック部に相当し、ロック部23a,23b,23cが
この発明のロック部に相当し、側壁20Aがこの発明の
固定部材に相当し、端部20Bがこの発明の端部に相当
し、開口部21がこの発明の開口部に相当する。
【0067】なお、配線を通過させる挿通部3を単独で
備えたグロメット1を説明したが、複数の挿通部3を備
えていてもよい。
【0068】また、グロメット本体2の正面形状が、半
円形状の直線部分に長方形の一辺が接合された形状とし
たが、これに限定されず、格納箱20側に形成された開
口部21の開口形状に応じた形状であればよい。例え
ば、グロメット本体2の正面形状が、楕円形状の湾曲部
を備えたり、直線部分を有していない開口形状に応じた
形状でもよい。
【0069】さらに、上記グロメット1は、上方開口さ
れた格納箱20の開口端部20Bから下向きに形成され
た開口部21に組付けた例を説明したが、開口部21の
向きは、いずれでもよい。
【0070】また、上記グロメット1は、開口部21を
全て閉止するように構成したが、部分的に閉止する構成
でもよい。例えば、開口部21の先端側となる湾曲した
部分のみを閉止し、残りの開口部21が未閉止となって
いる部分を他部材で閉止するように構成してもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この請求項1の発
明によれば、グロメットが有したインナー部材の挿入方
向に延長されたフック部を、固定部材に設けたロック部
に係止できるので、グロメット単独で固定部材に組付け
た状態に固定できることになり、組立て時の取扱い性を
向上することができる。
【0072】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明と同様の効果を得られる他に、インナー部材に、
その挿入方向に対して側方に向けて延長されたフック部
を追加して設け、フック部を固定部材に追加して設けた
ロック部に係止したことにより、グロメットの側方方向
への移動が制止され、グロメットの位置ずれを防止でき
るので、グロメットと開口部との密着性が維持され、グ
ロメットによる防水・防塵性を十分に確保することがで
きる。
【0073】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
1または2の発明と同様の効果を得られる他に、フック
部がインナー部材に引っ張り力を付与することにより、
グロメット内部から引っ張り方向に向けてグロメットの
外周部を押圧させたので、外周部と開口部の内周部との
接触面における単位面積当たりの接触圧が増加され、接
触圧力が不足する箇所が生じにくくなり、両者間に隙間
を生じることが防止され、グロメットによる防水性、防
塵性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のグロメットの一具体例を示し、開
口部への組付け前の状態を示す斜視図である。
【図2】 本具体例のグロメットを分解した状態を示す
斜視図である。
【図3】 本例のグロメットを開口部に組付けた状態を
示し、(a)は、その斜視図、(b)は、その正面図で
ある。
【図4】 この発明のグロメットの他の具体例を示し、
開口部への組付け前の状態を示す斜視図である。
【図5】 他の具体例のグロメットを分解した状態を示
す斜視図である。
【図6】 他の例のグロメットを開口部に組付けた状態
を示す斜視図である。
【図7】 従来例のグロメットを示し、開口部への組付
け前の状態を示す斜視図である。
【図8】 従来例のグロメットを示す側面図である。
【図9】 従来例のグロメットを開口部に組付けた状態
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…グロメット、 2…グロメット本体、 3…挿通
部、 5…凹部、 6…インナー部材、 7a,7b,
7c…フック孔、 7A,7B,7C…フック部、 2
0A…格納箱の側壁、 20B…側壁の端部、 21…
開口部、 23a,23b,23c…ロック部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材の端部に形成された開口部に、
    前記開口部の開口側から挿入して装着されるグロメット
    において、 前記開口部に対する挿入方向に向けて突出したフック部
    を備えたインナー部材を有し、 前記フック部を係止するロック部が、前記固定部材に設
    けられていることを特徴とするグロメット。
  2. 【請求項2】 前記インナー部材に、前記挿入方向に対
    して側方に向けて突出した他のフック部が設けられ、 前記フック部を係止する他のロック部が、前記固定部材
    に設けられていることを特徴とするグロメット。
  3. 【請求項3】 前記フック部が、前記インナー部材に引
    っ張り力を付与するように構成されていることを特徴と
    する請求項1または2記載のグロメット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004027868B3 (de) * 2004-06-08 2006-02-09 Lisa Dräxlmaier GmbH Vorrichtung zum Schutz und zur Abdichtung von langgestreckten Elementen im Bereich von Durchführungen
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CN104701925A (zh) * 2013-12-04 2015-06-10 Ls产电株式会社 电动车充电器

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