JP2003083342A - ターボチャージャ用回転支持装置 - Google Patents

ターボチャージャ用回転支持装置

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JP2003083342A JP2001272439A JP2001272439A JP2003083342A JP 2003083342 A JP2003083342 A JP 2003083342A JP 2001272439 A JP2001272439 A JP 2001272439A JP 2001272439 A JP2001272439 A JP 2001272439A JP 2003083342 A JP2003083342 A JP 2003083342A
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耕一 八谷
Kenji Yakura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸2aを支持する第一、第二の玉軸受
7、8の耐久性確保を図り、ターボチャージャの信頼性
向上に寄与する。 【解決手段】 上記第一、第二の玉軸受7、8を通過す
る潤滑油を、ケーシング18aから出入りする事なく、
このケーシング18a内で循環させる。この結果、エン
ジン内に存在する微小な異物が上記第一、第二の玉軸受
7、8に入り込む事がなくなると共に、これら各玉軸受
7、8に潤滑油が送り込まれない状態で上記回転軸2a
が回転するヒートソークバックも防止できる。この為、
これら第一、第二の玉軸受7、8の耐久性を確保でき
て、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のターボチャージャ用
回転支持装置は、例えば自動車用エンジンの出力を向上
させる為のターボチャージャに組み込み、タービンとイ
ンペラとを接続する回転軸をケーシング内に設けた軸受
ハウジング部に対し、回転自在に支持する為に利用す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンの出力を排気量を変えずに増大
させる為、エンジンに送り込む空気を排気のエネルギに
より圧縮するターボチャージャが、広く使用されてい
る。このターボチャージャは、排気のエネルギを、排気
通路の途中に設けたタービンにより回収し、このタービ
ンをその端部に固定した回転軸により、給気通路の途中
に設けたコンプレッサのインペラを回転させる。このイ
ンペラは、エンジンの運転に伴って数万乃至は十数万mi
n-1 (r.p.m.)の速度で回転し、上記給気通路を通じて
エンジンに送り込まれる空気を圧縮する。
【0003】図2〜3は、この様なターボチャージャの
1例を示している。このターボチャージャは、排気流路
1を流通する排気により、回転軸2の一端(図2の左
端)に固定したタービン3を回転させる。この回転軸2
の回転は、この回転軸2の他端(図2の右端)に固定し
たインペラ4に伝わり、このインペラ4が給気流路5内
で回転する。この結果、この給気流路5の上流端開口か
ら吸引された空気が圧縮されて、ガソリン、軽油等の燃
料と共にエンジンのシリンダ室内に送り込まれる。この
様なターボチャージャの回転軸2は、数万〜十数万min
-1 もの高速で回転し、しかも、エンジンの運転状況に
応じてその回転速度が頻繁に変化する。従って、上記回
転軸2は、請求項に記載した軸受ハウジング部に相当す
る軸受ハウジング6に対し、小さな回転抵抗で支持する
必要がある。
【0004】この為に従来から、上記軸受ハウジング6
の内側に上記回転軸2を、請求項に記載した転がり軸受
に相当する第一、第二の玉軸受7、8により、回転自在
に支持している。これら第一、第二の玉軸受7、8は、
図4に示す様なアンギュラ型玉軸受であって、これら第
一、第二の玉軸受7、8の構成は、基本的には同じであ
る。この様な第一、第二の玉軸受7、8は、内周面に外
輪軌道9を有する外輪10と、外周面に内輪軌道11を
有する内輪12と、これら外輪軌道9と内輪軌道11と
の間に転動自在に設けられた複数個の玉13、13とを
備える。又、これら各玉13、13は、円環状の保持器
14に設けた複数のポケット15内に、それぞれ1個ず
つ転動自在に保持している。又、図示の例の場合には、
上記内輪12を、片側の肩部をなくした、所謂カウンタ
ボアとしている。又、上記保持器14の外周面を、上記
外輪10の内周面に近接対向させる事により、この保持
器14の直径方向位置をこの外輪10により規制する、
外輪案内としている。
【0005】この様な第一、第二の玉軸受7、8のうち
の第一の玉軸受7は、上記外輪10を、前記軸受ハウジ
ング6の一端部(図2〜3の左端部)に内嵌すると共
に、上記内輪12を上記回転軸2の一端部に外嵌固定す
る事により、この回転軸2の一端部を上記軸受ハウジン
グ6に対し、回転自在に支持している。一方、上記第二
の玉軸受8は、外輪10を軸受ハウジング6の他端部
(図2〜3の右端部)に内嵌すると共に、内輪12を上
記回転軸2の他端部に外嵌固定する事により、この回転
軸2の他端部を上記軸受ハウジング6に対し、回転自在
に支持している。又、上記第一、第二の玉軸受7、8を
構成する1対の外輪10、10には、圧縮ばね16によ
り互いに離れる方向の弾力を付与している。即ち、これ
ら両外輪10、10の互いに対向する端面にそれぞれ押
圧環17、17を突き合わせ、これら両押圧環17、1
7同士の間に上記圧縮ばね16を挟持している。従っ
て、上記第一、第二の玉軸受7、8は、互いに接触角の
方向を逆にした状態{背面組み合せ(DB)型}で組み
込まれている。
【0006】更に、上記軸受ハウジング6を納めたケー
シング18内に給油通路19を設け、この軸受ハウジン
グ6並びに上記第一、第二の玉軸受7、8を、冷却及び
潤滑自在としている。即ち、ターボチャージャを装着し
たエンジンの運転時に潤滑油は、上記給油通路19の上
流端に設けたフィルタ20により異物を除去されて、上
記ケーシング18の内周面と上記軸受ハウジング6の外
周面との間に設けた、円環状の隙間空間21に送り込ま
れる。尚、この隙間空間21は、上記軸受ハウジング6
とケーシング18との嵌合を隙間嵌にする事により設け
ている。そして、この隙間空間21を上記潤滑油で満た
す事により、上記軸受ハウジング6の外周面と上記ケー
シング18の内周面との間に全周に亙って油膜(オイル
フィルム)を形成し、これらケーシング18及び軸受ハ
ウジング6を冷却すると共に、上記回転軸2の回転に基
づく振動を減衰する、オイルフィルムダンパを構成して
いる。更に、上記隙間空間21に送り込まれた潤滑油の
一部は、上記外輪10に隣接する押圧環17に設けたノ
ズル孔22から、上記第一の玉軸受7を構成する内輪1
2の外周面に向け、径方向外方から斜めに噴出し、この
第一の玉軸受7を冷却及び潤滑(オイルジェット潤滑)
する。この様にして第一の玉軸受7に送り込まれた潤滑
油は、この第一の玉軸受7の他、上記第二の玉軸受8も
冷却及び潤滑してから、排油口23より排出される。
【0007】尚、図示の例の場合、軸受ハウジング6の
内周面と第一、第二の玉軸受7、8の外周面との間に
も、それぞれ隙間空間24、24が存在している。そし
て、これら各隙間空間24、24にも上記潤滑油が満た
されており、上記回転軸2の回転に基づく振動の減衰を
図っている。又、図示は省略するが、軸受ハウジング6
とケーシング18とを一体に形成する場合もある。この
様な場合は、少なくとも何れかの玉軸受の外周面とケー
シング内に設けた軸受ハウジング部の内周面との間に隙
間空間を設け、この隙間空間を上述の様に潤滑油で満た
す事により、回転軸の回転に基づく振動の減衰を図る。
又、この隙間空間に送り込まれた潤滑油の一部を上記玉
軸受に向けて送り込む事により、この玉軸受の冷却及び
潤滑を行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に従来のター
ボチャージャ用回転支持装置の場合、第一、第二の玉軸
受7、8の潤滑及び冷却を、フィルタ20により異物を
除去された、エンジン内を循環する潤滑油(エンジンオ
イル)により行なっている。この為、上記フィルタ20
の除去性能の限界を越える様な微小な異物、例えばエン
ジン内に存在する微小な塵芥や摩耗粉、カーボンスラッ
ジ等の異物が、上記第一、第二の玉軸受7、8に入り込
む可能性がある。この様な微小な異物がこれら第一、第
二の玉軸受7、8に入り込む事を防止する為に、優れた
除去性能を有するフィルタ20を設ける事が考えられる
が、ターボチャージャのケーシング18内或はエンジン
ルーム内等の限られた空間に設置する事や、コスト、更
にはエンジンオイルの流通に対する抵抗を抑える事等を
考慮すると、現実的ではない。
【0009】そして、上述の様な微小な異物が上記第
一、第二の玉軸受7、8に入り込み、各玉13、13の
転動面と外輪軌道9及び内輪軌道11との転がり接触部
に噛み込まれると、これら各玉13、13の転動面や外
輪軌道9及び内輪軌道11に摩耗や圧痕等の損傷が生じ
る可能性がある。この様な損傷が生じると、回転軸2が
数万乃至は十数万min-1 の高速回転した場合に、上記第
一、第二の玉軸受7、8から振動や騒音が発生する可能
性があり、上記ターボチャージャの信頼性及び耐久性が
低下する為、好ましくない。
【0010】この様な不都合を防止すべく、特開平11
−80923号公報には、外輪軌道9と内輪軌道11と
各玉13、13の転動面とのうちの少なくとも何れかの
面を、フェライト温度領域で窒化処理を施す事により、
当該表面の硬度をHv1000以上に高くする発明が記載
されている。ところが、この様に表面硬度を高くした場
合でも、この表面硬度を超える様な異物が、上記各玉1
3、13の転動面と外輪軌道9及び内輪軌道11との転
がり接触部に噛み込まれると、やはり上述の様な損傷が
生じる事が避けられない。即ち、上述の様に表面硬度を
確保するのみでは、上記損傷の低減は図れても上記異物
の混入は防止できない為、根本的な解決策とはならな
い。
【0011】又、上述の様に第一、第二の玉軸受7、8
の冷却及び潤滑を、エンジン内を循環するエンジンオイ
ルにより行なっている為、このエンジンの急停止時に、
上記回転軸2の回転中にも拘わらず上記エンジンオイル
が上記各玉軸受7、8に送り込まれなくなる、所謂ヒー
トソークバックが生じる事が避けられない。この場合、
これら第一、第二の玉軸受7、8の温度がエンジンオイ
ルの冷却作用喪失により急上昇しつつ、これら各玉軸受
7、8が、上記回転軸2及びこれに固定した部材の慣性
に基づき、上記エンジンオイルが送り込まれない状態で
回転し続ける。この為、これら第一、第二の玉軸受7、
8に剥離、焼付き等の損傷が生じ易くなる可能性があ
り、やはりこれら各玉軸受7、8の耐久性が低下する原
因の一つとなっている。本発明のターボチャージャ用回
転支持装置は、この様な不都合を解消すべく発明したも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のターボチャージ
ャ用回転支持装置は、前述した従来から知られているタ
ーボチャージャ用回転支持装置と同様に、一端部にター
ビンを、他端部にインペラを、それぞれ固定した回転軸
の中間部を、ケーシング内に設けた軸受ハウジング部の
内径側に、軸方向に離隔した2個所位置に設けた1対の
転がり軸受により回転自在に支持している。特に、本発
明のターボチャージャ用回転支持装置に於いては、上記
ケーシング内に封入した状態で(補充、交換等の場合を
除く通常の使用状態で)このケーシングから出入りする
事のない潤滑油を、上記各転がり軸受を通過させつつこ
のケーシング内で循環させる事により、これら各転がり
軸受の潤滑を行なう。
【0013】又、より好ましくは、上記回転軸の中間部
で上記1対の転がり軸受同士の間部分の外周面にスパイ
ラル溝を形成すると共に、このスパイラル溝の少なくと
も一部を上記ケーシング内に貯溜した潤滑油中に浸漬す
る事により、上記各転がり軸受を通過しつつ上記回転軸
の軸方向に流れる潤滑油の流れを惹起させる。又、更に
好ましくは、上記1対の転がり軸受を玉軸受とすると共
に、必要に応じて、これら各玉軸受を構成する玉を窒化
けい素等のセラミック製とする。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明のターボチャージャ
用回転支持装置の場合には、各転がり軸受を通過する潤
滑油がケーシングから出入りする事なくこのケーシング
内で循環する為、前述した従来構造の様に、エンジン内
に存在する微小な異物が上記各転がり軸受に入り込む事
がなくなる。この為、この様な微小な異物によりこれら
各転がり軸受を構成する各玉の転動面や外輪軌道及び内
輪軌道に摩耗や圧こん等の損傷が生じる事がなくなり、
上記各転がり軸受から振動や騒音が発生する事を防止で
きる等、ターボチャージャの信頼性及び耐久性の確保を
図れる。
【0015】又、上記従来構造の様に、エンジン内を循
環するエンジンオイルにより上記各転がり軸受の潤滑を
行なうのではない為、このエンジンの停止によって上記
各転がり軸受に潤滑油が供給されなくなる事もない。こ
の為、エンジンの急停止時に生じるヒートソークバック
に伴って、上記各転がり軸受に剥離、焼付き等の損傷が
生じ易くなる事を防止でき、これら各転がり軸受の耐久
性を十分に確保できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、回転軸2aを支
持する第一、第二の玉軸受7、8を通過する潤滑油を、
ケーシング18a内で循環させる事により、これら各玉
軸受7、8の耐久性を確保する点にある。上記ターボチ
ャージャ用回転支持装置の全体構成に就いては、前述の
図2に示した構造を含み、従来から知られている回転支
持装置と同様であるから、同等部分に関する説明は省略
若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説
明する。
【0017】本例の場合、上記第一、第二の玉軸受7、
8を通過する潤滑油を、上記ケーシング18a内に封入
すると共に、このケーシング18a内で循環させるべ
く、前述の図2に示した従来構造の様にケーシング18
の一部(図2の下部)に、この潤滑油を排出する為の排
出口23を設けていない(排出口23を塞いでいる)。
即ち、本例のケーシング18aは、上記第一、第二の玉
軸受7、8を構成する各外輪10、10を内嵌した軸受
ハウジング6aを収める支持筒部25と、上記潤滑油を
貯溜するタンク部26と、このタンク部26から上記軸
受ハウジング6a内へ上記潤滑油を導く第一の流路27
と、この軸受ハウジング6a内から上記タンク部26へ
同じく潤滑油を導く複数本(本例の場合は2本)の第二
の流路28、28と、この潤滑油を上記ケーシング18
a内に給油する給油通路19aとを備える。
【0018】このうちの支持筒部25は、上記軸受ハウ
ジング6aを内嵌自在とすると共に、一端部(図1の左
端部)内周面に鍔部29を、タービン3及びインペラ4
を固定した回転軸2aに向け突出した状態で設けてい
る。そして、この鍔部29と、上記軸受ハウジング6a
の内周面のうちの鉛直方向下側(図1の下側)部分とに
より潤滑油溜まり30を構成し、上記第一、第二の玉軸
受7、8の少なくとも一部を常に上記潤滑油に浸漬させ
ている。
【0019】又、上記タンク部26は、上記ケーシング
18a内を循環する潤滑油の量を可及的多くする為に設
けている。即ち、この様にケーシング18a内を潤滑す
る潤滑油の量を多くする事により、この潤滑油の温度上
昇を抑えて、この潤滑油による冷却性能を確保すると共
に、この潤滑油が早期に劣化する事を防止する。この
為、上記タンク部26の容積は、ターボチャージャの取
り付け空間や、上記ケーシング18aの剛性等を考慮
し、可及的に大きくする事が好ましい。尚、この様にタ
ンク部26を設けても冷却性能を十分に確保できない場
合には、上記ケーシング18aに冷却フィンや冷却水通
路を設け、構成各部の冷却を図ると共に、温度上昇によ
る上記潤滑油の劣化を防止する。
【0020】又、本例の場合、上記回転軸2aの外周面
の一部で、上記第一、第二の玉軸受7、8同士の間部分
に、スパイラル溝31、31を設けている。これら各ス
パイラル溝31、31は、上記回転軸2aの軸方向中央
部から両端部に向けてそれぞれ螺旋状に形成したもの
で、この回転軸2aの回転に基づいて上記潤滑油に、こ
の回転軸2aの中央部から両端部に向かう軸方向の流れ
を惹起する。又、本例の場合、ターボチャージャの組み
付け状態で、上記スパイラル溝31、31の少なくとも
一部が上記潤滑油に浸漬するまで、この潤滑油を上記給
油通路19を通じて上記ケーシング18a内に給油して
いる。但し、後述する様に運転時に他の手段により潤滑
油を上記ケーシング18a内で循環させる事ができる場
合には、必ずしもスパイラル溝31、31の一部が浸漬
するまで給油する必要はない。
【0021】即ち、他の手段で潤滑油をケーシング18
a内で循環させる事ができる場合には、上記第一、第二
の玉軸受7、8の少なくとも一部が運転時に潤滑油に浸
漬していれば良く、これら各玉軸受7、8及び上記回転
軸2aの潤滑油中への浸漬量を低減する事により、これ
ら各玉軸受7、8による潤滑油の攪拌抵抗の低減を図っ
ても良い。即ち、上記ケーシング18aに給油する潤滑
油の量は、この潤滑油の循環流量、劣化速度、冷却効
率、上記第一、第二の玉軸受7、8及び回転軸2aによ
る撹拌抵抗等を考慮して、適正な値に規制する。又、上
記ケーシング18a内に潤滑油を給油した状態で、上記
給油通路19aに図示しないねじ蓋を螺合して、この潤
滑油を上記ケーシング18a内に封入する。又、使用に
伴って上記潤滑油の量が減少した場合には、この給油通
路19aを通じて上記潤滑油を補給する。
【0022】上述の様に構成する本例の場合、運転時に
潤滑油は、図1に矢印で示す様にケーシング18a内を
循環する。即ち、上記回転軸2aが回転すると、潤滑油
に浸漬した第一、第二の玉軸受7、8の回転に基づくポ
ンプ作用により、これら各玉軸受7、8近傍に存在する
潤滑油がこれら各玉軸受7、8に掻き揚げられつつ、こ
れら各玉軸受7、8の転がり接触部に送り込まれる。
又、これと共に、上記回転軸2aの外周面に設けたスパ
イラル溝31、31の回転に基づいて、この回転軸2a
の周囲に存在する潤滑油が、この回転軸2aの中央部か
ら両端部に向かって軸方向に掻き出されつつ、上記軸受
ハウジング6a内から上記各第二の流路28、28を通
じて上記タンク部26に送り出される。そして、このタ
ンク部26に送り出された潤滑油は、このタンク部26
に貯溜された潤滑油と共に、上記第一の流路27を通じ
て、上記軸受ハウジング6a内に送り込まれる。
【0023】この様にケーシング18a内を循環する潤
滑油の流量は、上記回転軸2aの回転速度に伴って変動
する。即ち、この回転軸2aの回転速度が上昇すると、
上記第一、第二の玉軸受7、8のポンプ作用並びに上記
各スパイラル溝31、31によって掻き出される潤滑油
の量が増大する為、上記ケーシング18a内を循環する
潤滑油の流量が増大する。これに対して、上記回転軸2
aの回転速度が低下すると、上記第一、第二の玉軸受
7、8のポンプ作用並びに上記スパイラル溝31、31
によって掻き出される潤滑油の量が低減する為、上記ケ
ーシング18a内を循環する潤滑油の流量が低減する。
従って、この潤滑油の流量を、回転速度に応じた適正な
値に規制できる。
【0024】尚、上記第一、第二の玉軸受7、8のポン
プ作用のみで、上記潤滑油を上記ケーシング18a内で
循環させる事ができる場合には、上記スパイラル溝3
1、31を省略しても良い。一方、これら第一、第二の
玉軸受7、8及びスパイラル溝31、31によっても、
上記潤滑油を上記ケーシング18a内で循環させる事が
できない場合には、この潤滑油を上記ケーシング18a
内で循環させる為のポンプを、このケーシング18aと
一体又は別体に設けても良い。
【0025】この様にポンプを設ける場合には、上記タ
ンク部26若しくは軸受ハウジング6aからこのポンプ
へ潤滑油を導く吸入路と、このポンプから(上記タンク
部26を通じて)上記軸受ハウジング6a内へ潤滑油を
送り出す吐出路とを設け、この潤滑油を上記ケーシング
18a内で循環自在とする。又、この様にポンプにより
潤滑油を強制的に循環させる場合には、必ずしも上記潤
滑油を上記回転軸2aの一部が浸漬するまで給油しなく
ても良い。この理由は、上記スパイラル溝31、31に
よって潤滑油を循環させる必要がなくなる為である。こ
の様な場合は、上述した様に、上記ケーシング18aに
給油する潤滑油の量を、この潤滑油の循環流量、劣化速
度、冷却効率、上記第一、第二の玉軸受7、8及び回転
軸2aによる撹拌抵抗等を考慮して、適正な値に規制す
【0026】又、本例の場合、上記タンク部26を、上
記ケーシング18aの一部で、ターボチャージャの組み
付け状態で鉛直方向下側となる部分に設けているが、こ
の様な構造に限定するものではない。例えば、上記ター
ボチャージャの設置空間等が制限される場合には、上記
タンク26部を、鉛直方向上側或は上記回転軸2aに対
して横側に設けても良い。但し、この様な位置にタンク
部を設けた場合には、ケーシング内で潤滑油を循環自在
とすべく、必要に応じて上述した様なポンプを設ける。
【0027】更に、本例の場合、運転時に上記ケーシン
グ18a内の圧力が上昇する事を防止すべく、このケー
シング18aの一部で鉛直方向上側部分に外気給排孔3
2を、このケーシング18aの外周面に開口させた状態
で設けている。この為、運転時の温度上昇に伴って上記
ケーシング18a内の圧力が上昇する様な場合でも、こ
の外気給排孔32を通じてこのケーシング18a内の空
気を逃がす事ができる為、圧力上昇に伴って上記潤滑油
が循環しにくくなったり、この潤滑油が温度上昇し易く
なったりする事はない。尚、本例の場合、上記外気給排
孔32の開口端部をラビリンス構造とする事により、オ
イルミスト(霧状となった潤滑油)が外部に漏洩した
り、外部に存在する異物が上記ケーシング18a内に入
り込む事を防止している。但し、図示は省略するが、こ
の外気給排孔32に圧力弁を設け、この圧力弁を上記回
転軸2の回転中は閉鎖し、停止中は開放する事により、
上記ケーシング18a内の圧力が上昇する事を防止して
も良い。この様に圧力弁を開閉する場合には、気化によ
る潤滑油の減少を低減できる他、この潤滑油が上記ケー
シング18a内で循環していない状態でこのケーシング
18a内の空気を逃がせる為、上記外気給排孔32を通
じて外部へ漏洩するオイルミストをより低減する事がで
きる。
【0028】又、この様な潤滑油の低減を防止すべく、
このケーシング18aの内周面と上記回転軸2aの外周
面との間に設けるシール部材を、接触式、若しくはラビ
リンス式のものとする。但し、接触式のシール部材を使
用する場合には、上記回転軸2aの回転トルクの低減を
図るべく、このシール部材を含フッ素樹脂やシリコンゴ
ム等、摺動特性の優れた素材により造られたものとする
事が好ましい。又、図示は省略するが、必要に応じて油
量計等を取り付ける事により、上記ケーシング18a内
を循環する潤滑油の量を計測できる様にする事も好まし
い。
【0029】又、上記第一、第二の玉軸受7、8を構成
する外輪10、内輪12及び各玉13、13は、耐熱性
を有するものとしている。即ち、このうちの外輪10及
び内輪12は、0.7〜1.5重量%のけい素(Si)
と、0.5〜2.0重量%のクロム(Cr)と、0.5〜
2.0重量%のモリブデン(Mo)とを含む高Si高温鉄鋼
や、ステンレス、M50(AISI規格)、SKH等の
耐熱鋼等の鉄鋼材料、或は、窒化けい素等のセラミック
材料により造られたものとする。尚、このうちの鉄鋼材
料を使用する場合には、表面強度を向上させるべく、浸
炭処理や窒化処理、又は浸炭窒化処理等を施す事が好ま
しい。特に、この様な窒化処理を施す場合には、塩浴窒
化処理或はガス窒化処理によって、480℃以下で処理
する事が、上記鉄鋼材料素地の硬度劣化を抑制できて好
ましい。又、この様な窒化処理により形成する窒化層
を、δ相(Fe2 N)、ε相(Fe2 N〜Fe3 N)、γ′相
(Fe4N)、CrN、及びCr2 Nのうちの少なくとも何れ
かの窒化物をマルテンサイト地に多量に析出させたもの
とすれば、この窒化層を著しく高い硬度並びに靭性を有
するものにできる。
【0030】又、上記窒化けい素は、HIP法、ガス圧
焼結法等の加圧焼結により得られ、平均値で幅3μm 以
下、長さ4μm 以上の柱状に成長した柱状結晶が、窒化
けい素粒全体の70%以上、好ましくは90%以上含ま
れたものが好ましく使用できるが、比強度の条件を満た
す材料であれば常圧焼結のものでも良い。又、助剤成分
として、Al23 、MgO、CeO等の金属酸化物、及びY
23 、Yb23 、La 23 等の希土類酸化物の中から
選択したものを、焼結体全体の20重量%を上限として
添加したものを用いる事ができる。又、この様な窒化け
い素以外でも、熱伝導率の高い窒化けい素焼結体を用い
ると、放熱性に優れ好ましい。
【0031】更に、上記各玉13、13は、上記外輪1
0及び内輪12との耐焼付き性や耐熱性を考慮して、上
述の外輪10及び内輪12で用いた鉄鋼材料やセラミッ
ク材料を用いる事ができる。勿論、鉄鋼材料を用いる場
合には、上述した様な表面処理を施しても良い。
【0032】又、上記第一、第二の玉軸受7、8に組み
込む保持器14は、ポリイミドを主成分とした耐熱性合
成樹脂材料を使用するが、耐熱性を考慮すると、アルミ
ニウム(Al)合金及びマグネシウム(Mg)合金、チタン
(Ti)合金等の軽量合金や、銅(Cu)合金、鉄(Fe)合
金等、金属製のものを用いても良い。但し、この様な金
属合金製の保持器14の場合は、耐熱性並びに強度に優
れるが、合成樹脂製の保持器14に比較して摺動性に劣
る事が避けられない。この為、表面に酸化処理や窒化処
理を施すか、鉛(Pb)、銀(Ag)等の軟質金属やDLC
(ダイヤモンド状炭素)等の潤滑性被膜を形成する事が
好ましい。
【0033】又、前記潤滑油は、運転時に高温になる
為、蒸気圧の低いものを使用する。即ち、例えば基油
は、潤滑性及び耐熱性を考慮して、エステル油を含有す
るものを使用する。このエステル油は特に限定されない
が、ジエステル油、芳香族エステル油、ヒンダードエス
テル油、ポリオールエステル油が好適である。このうち
のジエステル油としては、ジオクチルアジペート(DOA
)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジ
ペート(DBA )、ジオクチルアジペート(DOZ )、ジブ
チルセバケート(DBS )、ジオクチルセバケート(DOS
)、メチル・アセチルリシノレート(MAR-N )等が好
ましい。
【0034】又、上記芳香族エステル油としては、トリ
オクチルトリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリ
テート、テトラオクチルピロメリテート等が好ましい。
又、上記ポリオールエステル油としては、以下に示す多
価アルコールと一塩基酸とを適宜反応させて得られるも
のが好ましい。但し、この多価アルコールに反応させる
一塩基酸は、単独で用いても、複数で用いても良い。
又、上記多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂
肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル
として用いても良い。
【0035】上記多価アルコールとしては、トリメチロ
ールプロパン(TMP )、ペンタエリスリトール(PE)、
ジペンタエリスリトール(DPE )、トリペンタエリスリ
トール(TRPE)、ネオペンチルグリコール(NPG )、2
−メチル−2−プロピル−1、3−プロパンジオール
(MPPD)等が好ましい。又、上記一塩基酸としては、主
に炭素数4〜16の一価脂肪酸が用いられる。具体的に
は、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、ミステリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、ステ
アリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロ
セリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ソルビン酸、リ
ノール酸、リノイン酸、リシノール酸等が好ましい。
【0036】又、エーテル構造を有する基油として、例
えば(ジ)アルキルジフェニルエーテル油、(ジ)アル
キルポリフェニルエーテル油、テトラフェニルエーテル
油、ペンタフェニルエーテル油、ポリアルキレングリコ
ール油等を使用しても良い。更に、耐熱性を考慮する
と、チオエーテル系も好適に用いる事ができ、(ジ)ア
ルキルジフェニルチオエーテル油、(ジ)アルキルポリ
フェニルチオエーテル油、テトラフェニルチオエーテル
油、ペンタフェニルチオエーテル油等も好ましい。又、
これらエステル系やエーテル系の基油の他に、低蒸発性
に優れた基油として合成炭化水素油も好適に用いる事が
でき、ポリ−α−オレフイン油α−オレフインとエチレ
ンとのコオリゴマー合成油等が好適である。
【0037】又、この様な耐熱性を有する基油は、単独
で使用しても良いし、複数のものを併用(混合)して使
用しても良い。又、精製鉱油と混合して使用しても良
い。但し、基油粘度は、100℃の動粘度で5mm2 /s
以下であると、高温での油膜形成に問題があり、20mm
2 /s 以上であると、低温での起動性に問題を生じやす
くなる。この為、上記基油粘度を、100℃の動粘度で
5mm2 /s 〜20mm2 /s に規制する事が好ましい。
又、さび止め剤や油性剤、酸化防止剤等を添加する事
で、潤滑油膜の耐久性を向上させる事ができる。このう
ちのさび止め剤としては、有機系スルホン酸金属塩又は
エステル類が好ましい。
【0038】又、上記油性剤としては、高級脂肪酸とし
てオレイン酸、ステアリン酸等、高級アルコールとして
は、ラウリルアルコール、オレイルアルコール等、アミ
ンではステアリルアミン、セチルアミン等、リン酸エス
テルではリン酸トリクレジル等が好ましく使用できる。
勿論、これらを単独もしくは混合して使用する事ができ
る。
【0039】又、上記酸化防止剤としては、含窒素化合
物系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との混合物が
好ましい。このうちの含窒素化合物系酸化防止剤として
は、フェニルαナフチルアミン、ジフェニルアミン、フ
ェニレンジアミン、オレイルアミドアミン、フェノチア
ジン等が好適に使用できる。又、上記フェノール系酸化
防止剤としては、P−tert−プチルーフェニルサリ
シレート、2, 6−ジ−tert−プチル−P−フェニ
ルフェノール等のヒンダードフェノールが好適に使用で
きる。但し、これら含窒素化合物系酸化防止剤とフェノ
ール系酸化防止剤とのうちの何れか一方のみを使用して
も、酸化安定性の向上は得られない為、これら含窒素化
合物系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを混合し
て使用する。
【0040】前述の様に、本発明のターボチャージャ用
回転支持装置の場合には、第一、第二の玉軸受7、8を
通過する潤滑油が、ケーシング18aから出入りする事
なく、このケーシング18a内で循環している為、前述
の図2に示した従来構造の様に、エンジン内に存在する
微小な異物が上記各玉軸受7、8に入り込む事がなくな
る。この為、この様な微小な異物によりこれら各玉軸受
7、8を構成する各玉13、13の転動面や外輪軌道9
及び内輪軌道11(図3〜4参照)に摩耗や圧こん等の
損傷が生じる事がなくなり、上記各玉軸受7、8から振
動や騒音が発生する事を防止できる等、ターボチャージ
ャの信頼性及び耐久性を確保できる。
【0041】又、上記従来構造の様にエンジン内を循環
するエンジンオイルにより、上記第一、第二の玉軸受
7、8の潤滑を行なうものではない為、このエンジンの
停止によってこれら各玉軸受7、8に潤滑油が供給され
なくなる事もない。この為、エンジンの急停止時に生じ
るヒートソークバックに伴って、上記第一、第二の玉軸
受7、8に剥離、焼付き等の損傷が生じ易くなる事を防
止でき、これら各玉軸受7、8の耐久性を十分に確保で
きる。尚、本例の場合、上記第一、第二の玉軸受7、8
は、外輪10及び内輪12に外輪軌道9及び内輪軌道1
1をそれぞれ形成しているが、これら各軌道9、11を
軸受ハウジング6aや回転軸2aに直接形成してもよ
い。又、上記第一、第二の玉軸受7、8の予圧付与を圧
縮ばね16により行なっているが、これら第一、第二の
玉軸受7、8に予圧を付与した状態で上記外輪10及び
内輪12を上記軸受ハウジング6aや回転軸2aに嵌合
固定できるのであれば、上記圧縮ばね16並びに押圧環
17、17等の与圧付与機構を省略しても良い。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、回転軸を支持する玉軸受の耐久性確保を図れ、
優れた信頼性を有するターボチャージャ用回転支持装置
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】従来のターボチャージャの全体構成を示す断面
図。
【図3】図2のA部拡大図。
【図4】玉軸受のみを取り出して示す断面図。
【符号の説明】
1 排気流路 2、2a 回転軸 3 タービン 4 インペラ 5 給気流路 6、6a 軸受ハウジング 7 第一の玉軸受 8 第二の玉軸受 9 外輪軌道 10 外輪 11 内輪軌道 12 内輪 13 玉 14 保持器 15 ポケット 16 圧縮ばね 17 押圧環 18、18a ケーシング 19、19a 給油通路 20 フィルタ 21 隙間空間 22 ノズル孔 23 排油口 24 隙間空間 25 支持筒部 26 タンク部 27 第一の流路 28 第二の流路 29 鍔部 30 潤滑油溜まり 31 スパイラル溝 32 外気給排孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢倉 健二 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3G005 EA04 EA14 FA13 FA30 FA31 GB55 KA02 3J101 AA02 AA32 AA42 AA62 CA01 EA67 FA32 GA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部にタービンを、他端部にインペラ
    を、それぞれ固定した回転軸の中間部を、ケーシング内
    に設けた軸受ハウジング部の内径側に、軸方向に離隔し
    た2個所位置に設けた1対の転がり軸受により回転自在
    に支持したターボチャージャ用回転支持装置に於いて、
    上記ケーシング内に封入した状態でこのケーシングから
    出入りする事のない潤滑油を、上記各転がり軸受を通過
    させつつこのケーシング内で循環させる事により、これ
    ら各転がり軸受の潤滑を行なう事を特徴とするターボチ
    ャージャ用回転支持装置。
  2. 【請求項2】 回転軸の中間部で1対の転がり軸受同士
    の間部分の外周面にスパイラル溝を形成すると共に、こ
    のスパイラル溝の少なくとも一部をケーシング内に貯溜
    した潤滑油中に浸漬する事により、上記各転がり軸受を
    通過しつつ上記回転軸の軸方向に流れる潤滑油の流れを
    惹起させる、請求項1に記載したターボチャージャ用回
    転支持装置。
  3. 【請求項3】 1対の転がり軸受が玉軸受であり、これ
    ら各玉軸受を構成する玉がセラミック製である、請求項
    1〜2の何れかに記載したターボチャージャ用回転支持
    装置。
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