JP2003080134A - 塗料粕回収方法および塗料粕回収装置 - Google Patents

塗料粕回収方法および塗料粕回収装置

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JP2003080134A
JP2003080134A JP2001271442A JP2001271442A JP2003080134A JP 2003080134 A JP2003080134 A JP 2003080134A JP 2001271442 A JP2001271442 A JP 2001271442A JP 2001271442 A JP2001271442 A JP 2001271442A JP 2003080134 A JP2003080134 A JP 2003080134A
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Japan
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liquid
lees
dregs
coating
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Application number
JP2001271442A
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English (en)
Inventor
Hisakazu Takahashi
久和 高橋
Akinobu Yoshioka
晃信 吉岡
Makoto Kobayashi
誠 小林
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Kaken Tech Co Ltd
Original Assignee
Kaken Tech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料粕含有廃液から、塗料粕を泡と同時かつ
効果的に回収することができる塗料粕回収方法、および
それを用いた塗料粕回収装置を提供する。 【解決手段】 塗料粕含有廃液を貯蔵するための粕池
と、当該粕池の塗料粕含有廃液上に浮遊する塗料粕を、
ジェットポンプを用いて吸引するための吸引部と、吸引
した塗料粕を固液分離して回収するための分離部と、を
含む塗料粕回収装置を用いて、粕池に貯蔵された塗料粕
含有廃液上に浮遊する塗料粕および泡を、ジェットポン
プを用いて液面下方から吸引した後、固液分離して回収
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料粕回収方法お
よびそれを用いた塗料粕回収装置に関する。より詳細に
は、塗料粕含有廃液から、塗料粕と泡とを、同時かつ効
果的に回収することができる塗料粕回収方法およびそれ
を用いた塗料粕回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や機械装置等の塗装ブースにおい
て、オーバースプレーされた塗料ミストは、塗装ブース
内の循環水によって捕集された後、粕池に集められる
と、塗料粕として、水中および水面に多量に発生するこ
とになる。かかる塗料粕を含む廃液(以下、塗料粕含有
廃液)は、循環水を多量に含んでおり、環境整備上、塗
料粕と、循環水とを分離除去しなければならなかった。
また、塗料粕が効率的に分離除去できない場合には、粕
池内や配管内に塗料粕が堆積し、循環水の流れを阻害す
るといった問題も見られた。一方、かかる塗料粕含有廃
液は、塗料成分等の高分子を含んでおり、粘度が高く
て、泡が発生しやすいという特徴がある。特に、近年
は、PRTR(Pollutant Release and Transfer Regis
ter)法に定める化学物質の使用が制限される傾向にあ
り、例えば、油溶性のアクリルメラミン塗料から、水溶
性のアクリルメラミン塗料へと塗料種が変更されてい
る。そのため、水溶性の塗料が循環水に溶解したり、微
分散したりして、塗料粕自体が微細化されるとともに、
泡だちが多くなっている。したがって、液面に発生する
泡の処理が大きな問題となっており、しかも、大量に発
生した泡により、塗料粕自体の回収についても困難を極
めていた。
【0003】そこで、このような塗料粕含有廃液から塗
料粕を回収する方法が問題となるが、例えば、実開昭5
5−28451号公報には、図3に示すような塗料粕回
収装置300が開示されている。より具体的には、この
塗料粕回収装置300は、塗装ブースからの循環水を貯
蔵するためのタンク303と、この循環水の液面に浮く
塗料粕を水と共に吸引しうるためのサクション部材30
5と、このサクション部材305にポンプ308を介し
て接続された塗料粕分離機構309とを備えている。そ
して、サクション部材305が、その吸引口305aを
液面に追随させるべく、液面に浮かべたフロート306
により保持されており、液面から塗料粕を回収すること
を特徴としている。しかしながら、このように開示され
た塗料粕回収装置300にあっては、ポンプ308の種
類を考慮していないために、泡を吸引すると、キャビテ
ーション状態となって、送水が困難になるという問題が
見られた。
【0004】また、特開昭54−123245号公報に
は、水性塗料を含む塗装ブース循環水の処理方法、特開
昭55−8872号公報には、塗装排水の処理方法、実
開昭55−80074号公報には、自動廃液吸出装置、
実開昭57−99711号公報には、塗料粕回収装置、
実開昭57−99759号公報には、塗料粕回収装置、
および特開平3−213190号公報には塗料スラッジ
分離装置が、それぞれ開示されている。しかしながら、
いずれも処理方法および装置も、塗料粕を、粕池(貯蔵
タンク)内に、基本的に沈降させて回収することを意図
しており、液面に発生する泡まで効果的に吸引すること
は困難であった。
【0005】そこで、塗料粕含有廃液から塗料粕を回収
する方法として、他の技術分野における排水処理方法の
適用が考えられる。例えば、特開平11−129139
号公報には、研削液を貯留しておいて、研削機に供給す
るとともに、該研削機から還流してくる研削液を受け入
れて循環させる場合に、研削液の泡を効果的に消滅させ
る消泡装置のポンプとして、図4に示すような気流ジェ
ットポンプ406を使用することが開示されている。こ
の消泡装置によれば、研削液412の表面に発生する泡
410を、気流ジェットポンプ400によって形成され
た高速気流により、エジェクタノズル408を介して液
面上方に吸引し、吹消管(図示せず。)によって、泡を
効果的に消滅させることができる。しかしながら、この
ような機構の消泡装置を、粘性が高い塗料粕含有廃液に
適用した場合には、泡は吸引できても塗料粕の回収効率
が極めて低く、しかも消泡効果も十分に発揮されないと
いう問題が見られた。
【0006】また、実開昭63−13203号公報に
は、加工機械からのダーティクーラント液を、クーラン
トタンク装置に接続した切粉分離装置を通過させること
によってクリ−ン化するとともに、クーラントタンク液
面に発生する泡の消泡装置が開示されており、泡の吸込
装置として、エジェクターポンプが好適な態様として用
いられている。すなわち、図5に示すように、加工機械
からリターンされるスラッジや泡を含むダーティクーラ
ント液510については、クーラントタンク501に接
続した切粉分離装置503を通過させることによりクリ
−ン化し、このクーラント液541については、クーラ
ントタンク501に戻して、再利用する機構を備えてい
る。そして、クーラントタンク501の液面に発生する
泡については、高圧のクリーンクーラント液504の一
部505を利用して負圧を発生させるエジェクターポン
プ506により、図6に示すように、エジェクタノズル
613およびフロート612(512)を介して液面上
方に吸引し、それを図5に示すように、ダーティクーラ
ント液510と混合した後、切粉分離装置503を通過
させることによって、液面に発生する泡を効果的に消滅
させるものである。しかしながら、かかる消泡装置50
0は、クーラントタンク501の液面に発生する泡の消
泡のみを考慮しており、フロート612(512)の吸
入口618にフィルター619が設けてあって、粘性が
高い塗料粕含有廃液における塗料粕と、泡の同時処理に
ついては、何ら考慮していなかった。また、かかる消泡
装置500は、粘性が高い塗料粕含有廃液にそのまま適
用した場合には、切粉分離装置503や、フロート61
2(512)の吸入口618において、塗料粕が目つま
りしやすいという問題が見られた。
【0007】また、特開平11−36090号公報に
は、図7に示すような鋼帯等の洗浄設備における消泡装
置700が開示されている。この消泡装置700は、洗
浄タンク718で発生した泡を、蒸気エジェクター71
3によって液面上方に吸引して洗浄タンク718から排
出し、さらに排出した泡を消泡箱710の消泡板711
に向けて噴射し、衝突によって液化させる機構を備えて
いる。しかしながら、このような機構の消泡装置700
をそのまま粘性が高い塗料粕含有廃液に適用した場合に
は、泡は吸引できても塗料粕の回収効率が極めて低く、
しかも塗料粕が目つまりしたり、消泡効果も十分に発揮
されなかったりという問題が見られた。
【0008】また、特公平6−85842号公報には、
図8に示すような洗浄設備に付随した排水プール805
における消泡装置800が開示されている。そして、こ
の消泡装置800は、排水プール内で発生した泡806
のみを、フィルター(図示せず。)を介して、蒸気エジ
ェクター801によって液面上方に吸引し、さらに吸引
した泡を、壁813に衝突させて液化させる機構を備え
ている。しかしながら、かかる機構の消泡装置800
は、泡の吸引のみを意図しており、また、粘性が高い塗
料粕含有廃液に適用した場合にあっては、泡の回収効率
についても極めて低く、消泡効果も十分に発揮されない
という問題が見られた。
【0009】また、実開平2−86692号公報には、
図9に示すような液面上浮遊物の吸取装置900が開示
されている。この吸取装置900には、昇降手段921
により、汲上容器911を液中から液面上に引き上げ
て、液面912に浮遊する浮遊物を液とともに汲み上
げ、それをポンプ902が接続された連結管903によ
り、上方に吸引する機構を備えている。しかしながら、
かかる機構を備えた液面上浮遊物の吸取装置900で
は、貯蔵タンク901の液面における塗装粕を吸引する
ことができても、泡まで同時に吸引することは困難であ
った。
【0010】さらに、実開昭49−82302号公報に
は、図10に示すような自給式遠心ポンプの一例が開示
されている。この自給式遠心ポンプは、ポンプケーシン
グ1007と、羽根車1029と、ベアリング1015
と、吸入口1008と、排出口1009等から構成して
あり、回転する羽根車1029から吐出される液体に対
して、遠心力によって圧力エネルギーを与える機構を有
している。したがって、自給式遠心ポンプは、高濃度ス
ラリーや、高温液体等の移送に適していると言われてい
た。しかしながら、かかる自給式遠心ポンプを塗料粕含
有廃液に適用した場合、塗料粕については比較的有効に
吸引することができるものの、泡を吸い込むと、キャビ
テーションが発生し、たびたび吸引が断続してしまい、
かつ復帰するのにも相当の時間がかかるという問題が見
られた。したがって、このような自給式遠心ポンプ(代
表商品:スプルトポンプ(商標))によっては、塗料粕
および泡を、それぞれ同時かつ効率的に回収するという
課題を達成することができなかった。また、自給式遠心
ポンプは、一般にコストが高く、かつポンプを駆動させ
るモーターも大容量のものを必要とするため、経済的に
も不利であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の発明
者らは、塗料粕含有廃液の水面に浮遊する塗料粕を、ジ
ェットポンプを用いて吸引するとともに、固液分離して
回収することにより効果的に塗料粕を回収できることを
見出し、本発明を完成した。一方、従来から、ジェット
ポンプ自体は知られていたものの、駆動流体を必要と
し、それにより回収物(塗料粕)を稀釈するため、塗料
粕含有廃液から塗料粕を回収するには、不利であると考
えられていた。また、ジェットポンプの場合、揚程が5
m以下と低いために、一般に使い勝手が悪いとされてき
た。さらに、化学工学便覧(改訂第5版、319〜32
0頁)によれば、ジェットポンプの揚水量qLは0.0
4m3/sec.であって、この揚水量qLと、供給水量
O(m3/sec.)との比率(qL/qO)は、通常、
0.3〜0.6が限界であるとともに、液が薄められる
ことから、大量の塗料粕含有廃液を効率的に処理するこ
とは困難であると考えられていた。しかしながら、ジェ
ットポンプを使用した場合であっても、適当な固液分離
装置と組み合わせることにより、駆動流体による塗料粕
含有廃液の稀釈の問題を解決できることが判明した。ま
た、吸引口と、固液分離装置との配置を考慮したり、渦
巻きポンプや遠心ポンプ等の水供給ポンプを併用したり
することにより、一つのジェットポンプの揚程自体が短
くとも、塗料粕含有廃液の処理に際して、特に問題が生
じないことが判明した。さらに、ジェットポンプにおけ
る、噴出ノズル等の断面積や、ヘッド等を調節すること
により、揚水量qLと、供給水量qOとの比率(qL
O)を高めることが判明した。すなわち、本発明の目
的は、ジェットポンプを使いこなすことにより、塗料粕
含有廃液に適用した場合であっても、塗料粕および泡を
それぞれ同時かつ効率的に回収することができ、しかも
塗料粕および泡を経済的に回収できる方法およびそれを
用いた塗料粕回収装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、塗料粕
含有廃液上に浮遊する塗料粕を、ジェットポンプを用い
て吸引した後、固液分離して回収することを特徴とする
塗料粕の回収方法が提供され、上述した問題点を解決す
ることができる。すなわち、このようにジェットポンプ
を用いて実施すると、塗料粕含有廃液上に、自重で一部
沈みこんだ状態で浮遊する塗料粕であっても、効果的に
吸引することができる。また、ジェットポンプを用いて
いるため、吸引力が強く、しかも消泡効果も得られるた
め、塗料粕含有廃液上の泡を、塗料粕とともに、同時に
吸引することができる。さらに、かかる塗料粕の回収方
法によれば、ポンプとして安価なジェットポンプを用い
るとともに、ポンプモーターの出力も小さくて済むた
め、きわめて経済的に塗料粕含有廃液から塗料粕および
泡を回収することができる。
【0013】また、本発明の塗料粕回収方法を実施する
に際して、ジェットポンプが、液体噴流型のエジェクタ
ーポンプであって、当該ジェットポンプの揚水量をqL
(m3/sec.)とし、供給水量をqO(m3/se
c.)としたときに、qL/qOの比率を0.7〜7の範
囲内の値とすることが好ましい。このように実施するこ
とにより、特定のqL/qOの比率を有するジェットポン
プにより、大量の塗料粕含有廃液であっても、その上に
浮遊する塗料粕および泡を、同時かつより効果的に吸引
することができる。また、液体噴流型のエジェクターポ
ンプを用いているため、泡が消泡して、液化した場合で
あっても、エジェクター効果を発揮させる噴出液体と混
合して、固液分離装置まで、容易に移送することができ
る。
【0014】また、本発明の塗料粕回収方法を実施する
に際して、塗料粕および泡を、塗料粕含有廃液の液面下
方から吸引することが好ましい。このように実施する
と、塗料粕含有廃液上に、自重で一部沈みこんだ状態で
浮遊する塗料粕であってもさらに効果的に吸引すること
ができる。また、液面下方から吸引することにより、塗
料粕含有廃液を効率的に濃縮して、塗料粕および泡部分
と、液部分とに分離することができるため、塗料粕およ
び泡をより効果的に吸引することができる。
【0015】また、本発明の塗料粕回収方法を実施する
に際して、ジェットポンプの吸引口にフロートが設けて
あり、当該フロートが液面に対して上下動することによ
り、フロートに取り付けた受け皿によって塗料粕および
泡を汲み上げながら、吸引することが好ましい。このよ
うに実施すると、フロートに取り付けた受け皿により、
塗料粕含有廃液の内部に沈みこんだ塗料粕や泡であって
も効果的に汲み上げることができるため、それらをジェ
ットポンプにより効率的に吸引することができる。ま
た、フロートに取り付けた受け皿は、塗料粕含有廃液を
効率的に濃縮する作用を発揮することができるため、塗
料粕含有廃液における塗料粕および泡部分と、液部分と
に分離することができる。したがって、受け皿に設けて
ある吸引口を介して塗料粕および泡をより効果的に吸引
することができる。
【0016】また、本発明の塗料粕回収方法を実施する
に際して、塗料粕含有廃液に、高分子フロック剤、無機
フロック剤、ワックスエマルション、メラミン樹脂溶
液、アクリル樹脂エマルション、およびポリ酢酸ビニル
・アクリル樹脂共重合樹脂エマルションからなる群のう
ち、少なくとも一つの化合物を添加することが好まし
い。このように実施すると、塗料粕含有廃液中に含まれ
る塗料粕を、効果的にフロック化することができる。し
たがって、自重で一部沈みこんだ状態の塗料粕であって
も容易に浮遊させ、効果的に吸引することができる。
【0017】また、本発明の別の態様は、塗料粕含有廃
液を貯蔵するための粕池(分離槽と称する場合があ
る。)と、当該粕池の塗料粕含有廃液上に浮遊する塗料
粕を、ジェットポンプを用いて吸引するための吸引部
と、吸引した塗料粕を固液分離して回収するための分離
部と、を含むことを特徴とする塗料粕回収装置が提供さ
れ、上述した問題点を解決することができる。すなわ
ち、かかる塗料粕回収装置は、ジェットポンプを用いて
いるため、吸引力が強く、しかも消泡効果も得られるた
め、塗料粕含有廃液上に、自重で一部沈みこんだ状態で
浮遊する塗料粕であっても、塗料粕含有廃液上の泡とと
もに、同時かつ効果的に吸引することができる。一方、
かかる塗料粕回収装置によれば、ジェットポンプの駆動
流体により、吸引された塗料粕等が希釈されるものの、
分離部が設けてあるため、塗料粕を効果的に回収するこ
とができる。さらに、かかる塗料粕回収装置によれば、
ポンプとして安価なジェットポンプを用いるとともに、
ポンプモーターの出力も小さくて済むため、きわめて経
済的に塗料粕含有廃液から塗料粕および泡を回収するこ
とができる。
【0018】また、本発明の塗料粕回収装置を構成する
にあたり、ジェットポンプの噴射ノズルにおける断面積
をA1とし、液体を吸引混合した後、速度を圧力に変換
するためのディフューザのスロートの断面積をA2と
し、噴射ノズルにおけるヘッドをH1とし、吸引部にお
けるヘッドをHsとし、ディフューザの吐出部における
ヘッドをHdとしたときに、ジェットポンプにおけるA
2/A1の断面積の比率を5〜30の範囲内の値とする
とともに、(H1−Hd)/(Hd−Hs)で表される
ヘッドの比率を3〜50の範囲内の値することが好まし
い。このように構成すると、ジェットポンプにおける揚
水量(qL)/供給水量(qO)の比率を0.7以上の高
い値とすることができ、塗料粕含有廃液をより効率的に
処理することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について具体的に説明する。なお、参照する
図面は、この発明が理解できる程度に各構成成分の大き
さ、形状および配置関係を概略的に示してあるに過ぎな
い。したがって、この発明は図示例にのみ限定されるも
のではない。また、図面では、断面を表すハッチングを
省略する場合がある。
【0020】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態は、図1に示すような塗料粕回収装置1を用いた塗料
粕回収方法であって、粕池10に貯蔵された塗料粕含有
廃液11の液面に浮遊する塗料粕や泡(図示せず。)
を、ジェットポンプ34を用いて吸引した後、固液分離
して回収することを特徴とする塗料粕回収方法である。
【0021】1.塗料粕含有廃液 (1)種類 第1の実施形態において、粕池(分離槽)に貯蔵される
塗料粕含有廃液の種類は、特に制限されるものでなく、
例えば、塗装ブースでの塗装時の余分な塗料液や塗料粕
が含有された水等が対象となる。したがって、自動車や
二輪車の塗装ブースにおいて循環水により捕集される塗
料粕を含む自動車関連塗装廃液、あるいは、同様に、機
械製品や電気製品の塗装ブースにおいて捕集される塗料
粕を含む機械塗装廃液や電気製品塗装廃液等が典型的な
塗料粕含有廃液である。また、このような塗料粕含有廃
液は、塗料成分としてのアクリル樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂等の高分子材料を含む場合が多く、泡が発生
しやすい状況にあるが、本発明によれば、塗料粕および
泡を、同時かつ効果的に回収することが可能である。
【0022】(2)浮遊処理 また、第1の実施形態において、塗料粕含有廃液に対し
て、塗料粕の浮遊処理を施してあることが好ましい。こ
のような浮遊処理としては、例えば、塗料粕含有廃液に
対して、空気を過剰に溶解させた加圧水を投入したり
(加圧浮上方式)、微細なエアーを循環水中に投入した
りする方法(エアレーション方式)が好ましい。すなわ
ち、塗料粕含有廃液を単純に攪拌しても、塗料粕は浮遊
せずに、逆に沈降してしまうが、加圧浮上方式やエアレ
ーション方式を採用することにより、塗料粕表面に微細
な気泡が付着することによって、適度に浮遊するためで
ある。
【0023】(3)流動処理 また、第1の実施形態において、粕池における塗料粕含
有廃液を緩やかに、連続あるいは非連続に流動させるこ
とが好ましい。すなわち、塗料粕が液面に浮遊せず、塗
料粕が液中に多量に存在していると、ジェットポンプを
用いても、有効に吸引することが困難となる場合がある
ためである。また、塗料粕が液面に浮遊している場合で
あっても、泡の厚みが増化するのにしたがって、泡のブ
リッジが形成される場合があり、ジェットポンプを用い
ても、有効に吸引したりすることが困難となる場合があ
るためである。したがって、塗料粕が液中に存在しない
ように、あるいは、塗料粕が粕池の下流において集中的
に浮遊するように、塗料粕含有廃液を連続あるいは非連
続に循環させ、適宜流動させることが好ましい。そのた
め、液中に存在する塗料粕を、表面に浮上させる流動状
態と、液面に存在する塗料粕を、一箇所に集中させるた
めの流動状態のいずれか一方、あるいは両方の流動状態
が発生する流動発生機構、例えばエアーブロー装置や攪
拌装置等を粕池内に設けることが好ましい。
【0024】(4)添加剤 また、第1の実施形態において、粕池の塗料粕含有廃液
に対して、以下の添加剤を加えて処理することが好まし
い。 添加剤としてのキラー剤を加えて、被塗布物に対し
て、オーバースプレーされた塗料を不粘着化させる。 フロック剤としての凝集薬剤を加えて、微細な塗料
(塗料粒子)を塊化させる。 添加剤としての消泡剤を加えて、発生した泡を消泡さ
せる。 添加剤としてのpH調整剤を加えて、塗料粕含有廃液
のpH調整を行う。
【0025】キラー剤 オーバースプレーされた塗料自身を不粘着化させ、循環
水が接触する配管や構造物等に塗料が付着したり、堆積
したりしないように、キラー剤を添加することが好まし
い。このようなキラー剤としては、ポリオレフィンの水
分散体、ワックス類の水分散体、脂肪酸の水分散体、脂
肪酸塩の水分散体、メラミンホルムアルデヒド共重合体
水溶液、カチオン性水溶液、珪酸アルミニウムコロイド
等が挙げられる。また、通常、キラー剤は、塗装ブース
において添加されるが、本発明においては、粕池の塗料
粕含有廃液において添加することも好ましい。すなわ
ち、完全に不粘着化していない塗料が、ジェットポンプ
内に付着したり、堆積したりすることを有効に防止でき
るためである。なお、キラー剤の添加量を、塗装ブース
においてオーバースプレーされる塗料(被塗装物に付着
しなかった塗料)に対して、3〜10重量%の範囲内の
値とすることが好ましい。
【0026】フロック剤(凝集薬剤) また、フロック剤としては、高分子フロック剤、無機フ
ロック剤、およびワックスエマルション等を使用するこ
とが好ましい。すなわち、塗料粕含有廃液中における、
様々な分子量や平均粒径を有する塗料粕につき、フロッ
ク剤を加えることにより、塗料粕個々の粒子を凝集させ
て、フロック(塊)を形成することができ、塗料粕の濃
縮および回収が容易になるためである。なお、通常の回
収方法では、塗料粕をフロック化すると、水中に沈降し
てしまい、塗料粕の回収が困難となる場合がある。しか
しながら、本発明では、ジェットポンプを使用して吸引
しているため、水中の塗料粕であっても、効果的に吸引
できるため、フロック剤を添加しても、特に問題となら
ないという利点がある。また、後述するように、上下動
するフロートを用い、水中の塗料粕や泡を定期的に汲み
上げながら回収する場合には、さらに多量のフロック剤
を添加しても、巨大化した塗料粕や泡であっても、効果
的に吸引できるため、特に問題とならない。
【0027】また、このような高分子フロック剤として
は、アルギン酸ナトリウム、キトサン等の天然高分子凝
集剤、あるいは、ポリアクリルアミド、アクリルアミド
・アクリル酸ナトリウム共重合物、アクリルアミド・ア
クリル酸ナトリウム・2−アクリロイルアミノー2−メ
チルプロパンスルホン酸共重合物、ポリアクリル酸ナト
リウム、アルキルアミノメタクリレート4級塩重合物、
アルキルアミノメタクリレート4級塩・アクリルアミド
共重合物、アルキルアミノメタクリレート4級塩・アク
リルアミド・アクリル酸共重合物、ポリエチレンイミ
ン、ポリアクリルアミン、ポリアリルアミン塩等の合成
高分子凝集剤等が挙げられる。なお、高分子フロック剤
を用いてフロック化させた塗料粕は、適度なかさ高さを
持つために、フロックを形成して沈降させた場合であっ
ても、塗料粕含有廃液中に、適度に沈降させることがで
きるという利点がある。
【0028】また、無機フロック剤(無機凝集剤)の例
としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第
二鉄、硫酸第一鉄等が挙げられる。これらの無機フロッ
ク剤は、微細な塗料粕の帯電電荷を中和して、凝集さ
せ、大きな凝集物とすることができることから有効であ
る。さらに、ワックスエマルションの例としては、界面
活性剤や油脂等が挙げられる。これらのワックスエマル
ションを添加することにより、いくつかの微細な塗料粕
をまとめて、浮遊しやすいミセル(会合)を形成するこ
とができることから有効である。その他、塗料粕の表面
を不粘着化したり、凝集化して、巨大粒子化させたりす
るためには、ワックスエマルション、メラミン樹脂溶
液、アクリル樹脂エマルション、ポリ酢酸ビニル・アク
リル酸共重合樹脂エマルション等を添加することも好ま
しい。なお、フロック剤の添加量は、塗料粕の浮遊位置
あるいは塗料粕含有廃液の粘度等を考慮して定めること
ができるが、例えば、塗料粕含有廃液の全体量に対し
て、0.001〜20重量%の範囲内の値とすることが
好ましい。
【0029】消泡剤 また、塗料粕含有廃液において、泡が立ちすぎる場合、
例えば、泡の厚さが50cm以上となる場合には、泡の
ブリッジが形成されるのを防止するために、消泡剤を添
加することが好ましい。このような消泡剤としては、シ
ラン系化合物(シリコーン系化合物を含む。)、フッ素
系化合物、鉱物油系化合物、アルキレングリコール系化
合物等を挙げることができる。ただし、本発明において
は、従来のポンプと比較して、泡を極めて効率的に吸引
することができるため、泡の厚さが過度に厚くなること
が少ない。したがって、本発明においては、このような
消泡剤を実質的に使用する必要がなくなるか、あるい
は、消泡剤の使用量を極端に低減することができるとい
う利点がある。
【0030】pH調整剤 また、粕池の塗料粕含有廃液にpH調整剤を添加して、
pH値を6〜10の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる塗料粕含有廃液のpH値が6未満の
値となると、上述したキラー剤による不粘着化効果が低
下したり、塗料粕が液面に浮遊せずに沈降しやすくなっ
たり、あるいは粕池や周辺機械の腐食が激しくなったり
する場合があるためである。一方、塗料粕含有廃液のp
H値が10を超えると、逆に塗料粕が液面に浮遊せずに
沈降しやすくなったり、あるいは、過度に中和剤を添加
しなければならなくなったりする場合があるためであ
る。したがって、粕池における塗料粕含有廃液のpH値
を、6〜9の範囲内の値とすることがより好ましく、6
〜8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、
粕池における塗料粕含有廃液のpH値の調節は、例え
ば、塗料粕含有廃液中に、中和剤を所定量添加すること
により、適宜行うことができる。
【0031】2.ジェットポンプ (1)種類 第1の実施形態において使用するジェットポンプの種類
としては、ノズルを流体が高圧で流れることによって発
生する混合室内の低圧部を利用したポンプであれば特に
制限はなく、具体的に、エジェクターポンプやエダクタ
ーポンプ等が挙げられる。ただし、塗料粕含有廃液上に
浮遊する塗料粕および泡を、同時により効果的に吸引す
ることができ、また、泡が消泡して、液化した場合であ
っても、駆動液体と混合して、固液分離装置まで、容易
に移送することができることから、液体噴流型のエジェ
クターポンプであることがより好ましい。したがって、
より具体的には、図1に概略を示すジェットポンプ34
を使用することが好ましい。かかるジェットポンプ34
は、流体あるいは気体をノズルから噴射して得られる噴
射液体(ジェット)46をベンチュリーノズルの中心、
あるいはベンチュリーノズルの周囲から吹き込み、噴射
液体46の周囲に生ずる真空によって目的の液を吸い込
み、それを噴射液体46に伴って吐出させる機構のポン
プである。
【0032】なお、第1の実施形態において、ジェット
ポンプの噴射流体(駆動流体)として、粕池内の液体を
利用することが好ましい。すなわち、図1に示すよう
に、粕池11内にフィルター壁12を設け、このフィル
ター壁12内の液体を、移送管36の取り入れ口16を
介して、ジェットポンプ34の噴射流体として利用する
ことが好ましい。このように実施すると、ジェットポン
プ34の噴射流体と、固液分離回収装置で回収される液
体と、粕池内の液体とが同一となり、効果的に循環させ
ることができるためである。
【0033】(2)性能 揚水量/供給水量 ジェットポンプの揚水量をqLとし、供給水量をqO(m
3/sec.)としたときに、揚水量/供給水量の比率
であるqL/qOを0.7〜7の範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、かかるqL/qOの比率が、0.
7未満の値となると、大量の塗料粕含有廃液を効率的に
処理することが困難となる場合があるためである。一
方、かかるqL/qOの比率が7を超えると、ジェットポ
ンプが大型化したり、他のポンプとの併用が必然的とな
って、コストが高くなったりして、経済的に不利となる
場合があるためである。したがって、ジェットポンプに
おける揚水量/供給水量の比率であるqL/qOを1〜6
の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。なお、前述した化
学工学便覧に記載されているように、ジェットポンプに
おける揚水量/供給水量の比率は、通常、0.3〜0.
6の範囲内の値と考えられていたが、後述するように、
噴出ノズル(ベンチュリーノズル)の断面積やヘッド等
を可変とすることにより、このような値を超えられるこ
とが判明している。
【0034】(2)吸引口 また、第1の実施形態において、塗料粕や泡の吸込み部
位である吸引口の位置は、液面における塗料粕や泡の存
在状態や、存在量を考慮して適宜変更することができる
が、例えば、液面に対して下方位置に存在させることが
好ましい。この理由は、図1および図2(B)に示すよ
うに、ジェットポンプ34に接続されたホース26等の
先端部に設けてある吸引口30を液面に対して下方位置
に存在させ、粕池10に貯蔵された塗料粕含有廃液11
上に浮遊する塗料粕および泡を、ジェットポンプ34を
用いて、真空圧力により液面の下方から効果的に吸引す
るためである。すなわち、浮遊する塗料粕は、一部自重
により、液面内にしずんでいるため、液面上方からジェ
ットポンプ等を用いて吸引した場合に、効果的に回収す
ることが困難となる場合があるためである。
【0035】また、塗料粕含有廃液の液部分が存在する
最上面を液面と定義し、塗料粕含有廃液の液部分が実質
的に流入してくる個所を吸引口の位置と定義したとき
に、かかる吸引口の位置を、具体的に、液面から0.0
1〜50cmの下方位置とすることが好ましい。この理
由は、かかる吸引口の位置が、液面から0.01cm未
満の下方位置となると、液面下に比較的深く沈降してい
る塗料粕を回収することが困難となり、塗料粕の回収効
率が極端に低下する場合があるためである。一方、かか
る吸引口の位置が、液面から50cmを超える下方位置
になると、やはり液面に浮遊している塗料粕や泡の回収
効率が極端に低下する場合があるためである。したがっ
て、吸引口の位置を、液面から0.1〜30cmの下方
位置とすることがより好ましく、液面から1〜20cm
の下方位置とすることがさらに好ましい。ただし、後述
するように、かかる吸引口の位置をフロートの上下動に
対応して、変位させる場合がある。すなわち、吸引口を
フロートに連結した受け皿の下方に設け、この受け皿に
より、塗料粕含有廃液の塗料粕や泡を汲みながら回収す
る場合には、上述したような吸引口の位置の制限は必ず
しも必要で無い。したがって、その場合には、フロート
を上下動させて、吸引口の位置を液面下1m程度まで下
げることもできるし、あるいは、吸引口の位置を液面の
上とすることも可能である。
【0036】(3)真空度 また、第1の実施形態において、ジェットポンプの真空
度を0MPa以下の値とすることが好ましい。この理由
は、かかるジェットポンプの真空度が0MPaを超える
と、塗料粕や泡の回収効率が極端に低下する場合がある
ためである。したがって、ジェットポンプの真空度を−
0.1〜0MPaの範囲内の値とすることがより好まし
く、−0.09〜0MPaの範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。なお、ジェットポンプの真空度の調節
は、ベンチュリーノズルのノズル径や供給ヘッドを変え
ることにより、適宜行うことができる。
【0037】(4)フロート また、第1の実施形態において、ジェットポンプに連結
されたホースの先端部における吸引口に、図1に示すよ
うに、フロート18が設けてあり、液面に対する吸引口
30の位置を所定範囲に定めることが好ましい。すなわ
ち、図2に示すように、エアーを利用したスピードコン
トローラーにより、外部からフロート位置を制御して、
ホース26の先端部における吸引口30を、液面に浮遊
する塗料粕や泡を効率的に回収可能な位置に調整するこ
とが好ましい。また、図1に示すように、フロート18
が、液面に対して開口した漏斗状のアタッチメント29
を含むことが好ましい。すなわち、漏斗状のアタッチメ
ント29を含むことにより、液面に浮遊する塗料粕や泡
を回収するための吸引口30の開口面積が大きくなり、
塗料粕や泡の回収効率を向上させることができるためで
ある。また、漏斗状のアタッチメント29を含むととも
に、吸引口30に斜面(図示せず。)を設けることも好
ましい。その場合、斜面を利用して、塗料粕を容易にす
べらせながら吸引することができるため、吸引口30や
塗料粕の目つまりを有効に防止することができる。さら
に、フロート18において、液面に浮遊する塗料粕や泡
を回収するための吸引口の数は特に制限されるものでな
く、一箇所に設けることもできるし、あるいは、複数個
所に吸引口を設けることも好ましい。
【0038】3.固液分離 (1)固液分離方法 第1の実施形態において、ジェットポンプにより回収し
た塗料粕や泡を、さらに固液分離し、塗料粕を濃縮した
状態で回収することが好ましい。このような固液分離方
法としては、構造が簡易であることから、図1に示すよ
うに、所定メッシュを有するフィルター60を用いるこ
とが好ましい。すなわち、回収した塗料粕66のみをフ
ィルター60の上部に残留させ、液化した泡や、塗料粕
含有廃液に含まれる液体、あるいは低分子量の塗料粕6
8については、省資源化の観点より、フィルター60を
通過させた後、粕池10に循環させることが好ましい。
また、フィルター60のメッシュは、回収する塗料粕6
6の所望の大きさによるが、例えば、10〜200メッ
シュの範囲内の値であることが好ましい。また、フィル
ター60の材質は、耐久性に優れていることから、ステ
ンレス等からなる金属製であることが好ましいが、その
周囲をさらに不織布や布で覆った構成とすることも好ま
しい。なお、塗料粕の粒度が細かく、水中に分散してい
る場合には、図示はしないが、浮上分離式のスラッジ回
収装置を設けて、かかる塗料粕を分離することが好まし
い。
【0039】(2)廃液処理 また、第1の実施形態において、フィルター上に回収し
た塗料粕については、さらに熱処理を施し、含まれる液
体を蒸発させ、粉末状や粒状とした後、防音材等として
リサイクルするか、あるいは焼却や埋め立て等の処理を
行うことが好ましい。また、フィルターを通過させた液
体については、省資源化の観点より、粕池に循環させる
ことが好ましい。なお、上述したように、フィルターを
通過させた液体を粕池に循環させる際に、粕池を流動化
させるための液体として使用し、塗料粕含有廃液中の塗
料粕を浮遊させたり、塗料粕を液面の一箇所に集めたり
することが好ましい。
【0040】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態は、図1に示すように、塗料粕含有廃液11の粕池1
0と、当該粕池10における塗料粕含有廃液11の水面
に浮遊する塗料粕や泡(図示せず。)を、ジェットポン
プ34を用いて吸引するための吸引部18と、吸引した
塗料粕を固液分離して回収するための分離部58と、を
含むことを特徴とする塗料粕回収装置1である。
【0041】(1)粕池 第2の実施形態において、粕池は、図示しないが自動車
塗装ライン等にパイプ接続されており、かかる自動車塗
装ライン等で発生する塗料粕含有廃液を濃縮して回収す
るまで、一定時間貯蔵するための貯蔵タンクである。こ
の粕池の大きさや構造等は、貯蔵する塗料粕含有廃液の
種類や、処理量により、適宜変更することができる。ま
た、上述したように、図1に示す粕池10内に、フィル
ター壁12を設け、このフィルター壁12内の液体を、
移送管36の取り入れ口16を介して、ジェットポンプ
34の噴射流体として利用することが好ましい。
【0042】(2)吸引部 ジェットポンプ 第2の実施形態においても、第1の実施形態において説
明したのと同様の構成のジェットポンプを使用すること
ができる。そして、さらにジェットポンプの装置として
は、機構的に、図11に示す噴射ノズル45における断
面積(A1)と、液体を吸引混合した後、速度を圧力に
変換するためのディフューザのスロート47の断面積
(A2)と、噴射ノズル45におけるヘッド(H1)
と、吸引部51におけるヘッド(Hs)と、ディフュー
ザの吐出部49におけるヘッド(Hd)と、がそれぞれ
可変であることが好ましい。この理由は、かかる部位の
断面積や、ヘッドが可変であるとすると、揚水量
(qL)/供給水量(qO)の比率を効率的に高めること
ができるためである。例えば、A2/A1の比率を5〜
30の範囲内の値とし、(H1−Hd)/(Hd−H
s)のヘッドの比率を3〜50の範囲内の値と調整する
ことにより、揚水量(qL)/供給水量(qO)の比率を
0.7〜7の高い値に設定することが可能である。
【0043】具体的に、図12を参照しながら揚水量/
供給水量の比率と、噴射ノズル等における断面積や、ヘ
ッドとの関係を説明する。図12は、横軸に(H1−H
d)/(Hd−Hs)の比率を採って示してあり、縦軸
にqL/qOの比率を採って示してある。そして、範囲A
に、(H1−Hd)/(Hd−Hs)の比率を約3〜5
0の範囲で大きく変えている例を示す一方、範囲Bは、
かかる比率を約0.5〜3の範囲でほとんど変動させて
いない例である。したがって、ヘッドの比率を変えるこ
とにより、(H1−Hd)/(Hd−Hs)の比率を3
以上の大きさで変化させてヘッドの比率を変えることが
でき、範囲Aが示すように、qL/qOの比率を著しく高
められることが理解できる。
【0044】なお、ジェットポンプにおける吸引ヘッド
(Hs)は、図13に示すように、噴射ノズルにおける
断面積(A1)と、ディフューザのスロートの断面積
(A2)と、噴射ノズルにおけるヘッド(H1)と、一
定の関係があることが理解される。したがって、A1/
A2の比率および噴射ノズルにおけるヘッド(H1)の
値をそれぞれ大きくすることにより、吸引ヘッド(H
s)の値についても大きく変化させることが可能であ
る。
【0045】フロート 第2の実施形態において、フロート18は、図1に示す
ように、複数の浮き部材20と、それに連なり、当該浮
き部材20の位置を、液面高さに応じて変形することが
可能な脚部材22と、この脚部材22の下方に連なる受
け皿32と、この受け皿32の下方に設けてある吸い込
み口30と、受け皿32を固定するとともに、ジェット
ポンプに連なるホース26を保持するためのアタッチメ
ント29と、から構成してあることが好ましい。
【0046】また、かかるフロートの変形例として、図
2に示すように、ジェットポンプに連なるホース26の
第1の取り出し口26に、二股の分岐部27が設けてあ
り、この分岐部27を介して、受け皿32の下方に設け
てある二つの第2の吸い込み口から、塗料粕および泡を
同時に吸い込むことができるように構成してあることも
好ましい。
【0047】位置調節制御部 また、第2の実施形態において、図2(A)に示すよう
に、位置調節制御部31は、脚部材固定部にエアーを介
して連結されており、例えば、コントロールボックスや
エアー源に接続されたスピードコントローラーにより、
脚部材固定部の位置をエアー調節できるように構成して
あることが好ましい。すなわち、位置調節制御部によ
り、脚部材固定部の位置を規則的に上下動させて、受け
皿の位置を液面の上方および内部に移動させ、塗料粕お
よび泡を、ジェットポンプにより、受け皿内に吸引する
とともに、濃縮させて吸引することが好ましい。例え
ば、液面から受け皿内に、塗料粕および泡を一旦汲み上
げた後、吸引する場合には、図2(B2)に示すよう
に、位置調節制御部により、脚部材固定部の位置を下方
に移動させて、それに対応させて、受け皿の位置を液面
の内部に移動させることが好ましい。したがって、液面
深くに浸漬している塗料粕であっても、受け皿内に効果
的に吸引することができる。一方、塗料粕および泡を濃
縮して吸引するには、図2(B1)に示すように、位置
調節制御部により、脚部材固定部の位置を上方に移動さ
せて、それに対応させて、受け皿の位置を液面の上方に
移動させることが好ましい。したがって、受け皿が液面
の上方に移動する際に、大部分の水が受け皿の外にこぼ
れる一方、塗料粕および泡については、濃縮された状態
で残ることになる。すなわち、ジェットポンプにより、
受け皿に設けた吸引口から塗料粕および泡を、さらに効
果的に吸引することができる。
【0048】また、位置調節制御部による、脚部材固定
部の上下動、すなわち、受け皿の上下動は、受け皿の容
量、ポンプの吸引量、および塗料粕/泡の比率等を考慮
して定めることが好ましく、受け皿を沈めてすくい上げ
た塗料粕および泡等が、受け皿を上昇させた状態でポン
プにより吸引された頃に、受け皿を再度沈めることが好
ましい。また、受け皿の上下動をスム−ズに行うととも
に、塗料粕および泡の濃縮度を所定範囲に正確に制御で
きるように、受け皿の上下動の間に、一定の保持時間を
設けることも好ましい。例えば、塗料粕や泡をすくい上
げるために、受け皿を上方に移動させた後、図2(B
1)に示す状態に、0.5〜2秒間保持し、次いで、受
け皿内に塗料粕や泡が十分収容されるように、下方に移
動させた後、図2(B2)に示す状態に、2〜5秒間保
持することが好ましい。
【0049】移送管 また、第2の実施形態において、図1に示すように、フ
ロート18と、ジェットポンプ34との間に、移送管4
0を設けてあることが好ましい。この移送管40は、ジ
ェットポンプ34で発生する真空圧を効率的に伝播でき
ることが好ましい。一方、フロート18と、ジェットポ
ンプ34との間には、屈曲部が存在する場合が多い。な
お、ジェットポンプの吸込み揚程は、比較的短いため、
フロート18と、ジェットポンプ34との間の高さを、
移送管40の位置や長さを考慮して、ジェットポンプの
吸込み揚程以下の値とすることが好ましい。
【0050】(3)固液分離部 また、第2の実施形態において、固液分離部58は、図
1に示すように、粕池10の上方に設けることが好まし
く、入り口56と、分離容器68と、フィルター60
と、液回収口62とを少なくとも備えることが好まし
い。また、フィルター60は、分離容器68に対して、
分離可能に設けてあり、回収された塗料粕66が堆積さ
れた状態で、フィルター60を取り外すことが可能に構
成してあることが好ましい。したがって、適当量の塗料
粕66が堆積した段階で、フィルター60を取り外し、
フィルター60がついたまま、あるいはフィルター60
と塗料粕66とを分離した後、回収された塗料粕66を
焼却処理等することができる。また、図示はしないが、
フィルター60を覆うように、不織布や布等を張ること
も好ましく、例えば、パンチングメタルの筐体に不織布
や布等を張って構成することも好ましい。
【0051】また、固液分離部58において、フィルタ
ー60のかわりに、あるいはフィルター60と併用し
て、フィルタープレス、遠心分離器、またはデカンター
等を設けることも好ましい。このように複数方式の固液
分離部58を設けることにより、塗料粕66をさらに効
果的に回収できるためである。その他、固液分離部58
の数は、一つに限らず、二つ以上設けることも好まし
い。例えば、第1の固液分離部と、第2の固液分離部と
を設けることにより、第1の固液分離部において、塗料
粕66が十分に堆積し、フィルターを交換する必要が生
じた場合であっても、第1の固液分離部から第2の固液
分離部に変更して、回収された塗料粕66を導入するこ
とができる。したがって、いずれかの固液分離部におい
て、フィルターを交換する必要が生じた場合であって
も、粕池から連続的に塗料粕および泡を吸引して回収す
ることができる。
【0052】(4)その他 吸引部と、固液分離部との間に、図示しないが、仮貯蔵
部を設けることも好ましい。すなわち、このような仮貯
蔵部を設けることにより、吸引部で回収した塗料粕およ
び泡に対して、フロック剤や消泡剤を添加することがで
きる。したがって、吸引部で回収した塗料粕をさらに巨
大化して、固液分離部に供給することができるため、あ
るいは、回収した泡を効果的に消去した上で、塗料粕の
みを固液分離部に供給することができるため、固液分離
部において、塗料粕の回収がさらに容易となる。なお、
仮貯蔵部において、塗料粕および泡と、フロック剤や消
泡剤とが均一に混合するように、攪拌装置を設けること
が好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例をもとに、本願発明の内容を詳
細に説明する。ただし、言うまでも無く、本願発明の内
容は、特に記載がない限り、実施例の記載に制限される
もので無い。
【0054】[実施例1] (1)塗料粕回収装置の準備 図1に示すような塗料粕回収装置を準備した。すなわ
ち、塗料ブースで排出され、粕池に貯蔵された自動車塗
装廃液(アクリルメラミン塗料含有水、液温15〜25
℃)の水面に浮遊する塗料粕および泡を、水移送ポンプ
として50RQGD61.5(荏原(株)製)を備えた
水噴流型エジェクターポンプを用いて、フロートに取り
付けられた受け皿の下面に設けてある吸引口(面積25
00mm2)を介して、液面下方から吸引した後、フィ
ルターにより固液分離して回収する方式の塗料粕回収装
置を準備した。また、ジェットポンプの供給水圧が0.
5MPaとなるように、噴射液体(循環水)量およびベ
ンチュリー管の太さを調整するとともに、ジェットポン
プの揚水量を630リットル/分とし、供給水量を10
0リットル/分とした。そして、フロートに設けられた
位置調節制御部によりフロートを遠隔操作して、フロー
トに設けられた受け皿を、液面上3cmと、液面下3c
mとの間で、10〜20回/分の割合で上下動させ、液
面に浮遊している塗料粕および泡の吸引回収を行った。
なお、ジェットポンプによる吸い込み状態において、塗
料粕を含む液体部分が80体積%、および泡部分が20
体積%となるように、吸い込み口の位置や吸い込み量を
調節した。
【0055】(2)塗料粕回収装置の評価 塗料粕および泡の吸収性 自動車塗装廃液における塗料粕および泡の吸収性を以下
の基準に照らして、評価した。得られた結果を表1に示
す。 ◎:塗料粕および泡を、連続的に吸引することができ
た。 ○:ポンプが時々空転するものの、空転時間よりも長
く、塗料粕および泡を吸引することができた。 △:ポンプが吸引時間よりも長く空転し、塗料粕および
泡を完全に吸引することができなかった。 ×:塗料粕および泡を、ほとんど吸引することができな
かった。
【0056】性能評価 塗料粕および泡を回収している際のモータ出力、ポンプ
流量、水吸込流量、80%泡水吸込流量、および泡吸込
流量を測定した。得られた結果を表2に示す。なお、モ
ータ出力は、ジェットポンプを駆動させるためのモータ
の出力であり、ポンプ流量は、ポンプサクションからポ
ンプ本体が汲み上げる水の流量である。また、水吸込流
量は、フロートの受け皿を液面下に配置して汲み上げる
ことができる水の流量であり、80%泡水吸込流量は、
フロートの受け皿の液面上における保持時間を80%
(フロートの受け皿の液面下における保持時間を20
%)としたときに汲み上げることができる水の流量であ
る。さらに、泡吸込流量は、フロートの受け皿を液面上
に配置して汲み上げることができる水の流量である。
【0057】[実施例2] (1)塗料粕回収装置の準備 実施例1と同様に、塗料粕回収装置を準備した。ただ
し、自動車塗装廃液の水面に浮遊する泡の量を多くし、
吸い込み状態において、塗料粕を含む液体部分が20体
積%、および泡部分が80体積%となるように、吸い込
み口の位置や吸い込み量を調節した。
【0058】(2)塗料粕回収装置の評価 実施例1と同様に、塗料粕回収装置の準備するととも
に、塗料粕の吸収性および泡の吸収性について塗料粕回
収装置の評価を行った。得られた結果を表1に示す。結
果から理解できるように、泡の吸込み割合が80体積%
と多くなったとしても、塗料粕および泡を、同時かつ効
果的に吸引できることが確認された。
【0059】[比較例1〜6] (1)塗料粕回収装置の準備 ジェットポンプのかわりに、比較例1では、完全自給式
遠心ポンプ((株)スプルト工業製、スプルトポンプH
SPF−50)を用い、比較例2では、半自給式遠心ポ
ンプ((株)スプルト工業製、スプルトポンプHF−5
0)を用い、比較例3では、上下逆転水中ポンプ(ワー
ルドケミカル(株)製)を用いたほかは、それぞれ実施
例1と同様に、塗料粕回収装置を構成した。また、比較
例4〜6では、吸い込み状態において、塗料粕を含む液
体部分が20体積%、および泡部分が80体積%となる
状態で回収したほかは、それぞれ、比較例1〜3と同様
に、ポンプの種類を変えて塗料粕回収装置を構成した。
【0060】(2)塗料粕回収装置の評価 実施例1と同様に、塗料粕回収装置の準備するととも
に、塗料粕の吸収性および泡の吸収性について塗料粕回
収装置の評価を行った。得られた結果を表1に示す。結
果から理解できるように、比較例1〜6では、それぞれ
ジェットポンプのかわりに、完全自給式遠心ポンプ、半
自給式遠心ポンプおよび上下逆転水中ポンプを用いてい
るため、塗料粕や泡の吸収性が低下することが確認され
た。また、比較例4〜6では、泡の吸込量が80体積%
とさらに多くなったため、塗料粕や泡の吸収性が著しく
低下することが確認された。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】[実施例3〜8] (1)塗料粕含有廃液の調整 実施例4〜6では、実施例1で調整した塗料粕含有廃液
のかわりに、自動車用の油性ベース塗料を循環水に対し
て、1重量%の割合となるように噴霧するとともに、表
3に示すように、各種凝集剤を塗料重量に対して、固形
分換算で添加した。なお、実施例3は、凝集剤を添加し
ないブランクである。また、実施例8〜11では、実施
例1で調整した塗料粕含有廃液のかわりに、自動車用の
水系ベース塗料を循環水に対して、200ppmの割合
となるように噴霧するとともに、表4に示すように、各
種凝集剤を塗料重量に対して、固形分換算で添加した。
なお、実施例7は、凝集剤を添加しないブランクであ
る。次いで、各実施例3〜8において、希薄苛性ソーダ
を用いて、塗料粕含有廃液のpHを6.5〜7.5の範
囲内の値に調整した。
【0064】(2)塗料粕回収装置の評価 実施例1と同様の塗料粕回収装置の準備するとともに、
塗料粕の浮上性および凝集性を以下の基準で評価した。
また、ジェットポンプを用いて、液面の塗料粕を吸引し
た後、ろ過槽に移送し、ろ過槽での塗料粕の捕集性およ
びろ布の水抜け性を以下の基準で評価した。
【0065】塗料粕の浮上性 〇:ほとんどの塗料粕が浮上している。 △:半分以上の塗料粕が浮上しているが、水中にも塗料
粕が一部分散している。 ×:塗料粕が分散状態であって、液面に浮上していな
い。
【0066】塗料粕の凝集性 ○:フロックが形成され、水が清澄である。 △:フロックが一部形成されるが、一部の水が懸濁状態
である。 ×:フロックがほとんど形成されずに、水が懸濁状態で
ある。
【0067】塗料粕の捕集性 ○:ほとんどの塗料粕がろ布に捕集され、透明な水がろ
布から抜け出る。 △:一部の塗料粕がろ布に捕集され、懸濁した水がろ布
から抜け出る。 ×:ほとんどの塗料粕がろ布に捕集されずに、懸濁した
水がろ布から抜け出る。
【0068】水抜け性 ○:連続してろ布から水が抜け出る。 △:初期的には連続してろ布から水が抜け出るが、一部
目詰まりを生じる。 ×:初期からろ布に目詰まりを生じ、水が抜け出ない。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【発明の効果】本発明の塗料粕回収方法によれば、塗料
粕含有廃液上に浮遊する塗料粕および泡を、ジェットポ
ンプを用いて吸引した後、固液分離して回収することに
より、同時かつ効果的に、しかも経済的に、塗料粕およ
び泡を回収できるようになった。また、本発明の塗料粕
回収装置によれば、塗料粕含有廃液を貯蔵するための粕
池と、当該粕池の塗料粕含有廃液上に浮遊する塗料粕
を、ジェットポンプを用いて吸引するための吸引部と、
吸引した塗料粕を固液分離して回収するための分離部
と、を含むことより、同時かつ効果的に、しかも経済的
に、塗料粕および泡を同時に回収可能な塗料粕回収装置
を提供できるようになった。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗料粕回収装置を説明するために供
する図である。
【図2】 本発明の塗料粕回収装置に使用するフロート
を説明するために供する図である。
【図3】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その1)。
【図4】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その2)。
【図5】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その3)。
【図6】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その4)。
【図7】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その5)。
【図8】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その6)。
【図9】 従来の塗料粕回収装置を説明するために供す
る図である(その7)。
【図10】 従来の自給式遠心ポンプを説明するために
供する図である。
【図11】 ジェットポンプの模式図である。
【図12】 ジェットポンプにおける揚水量/供給水量
への影響因子を説明するために供する図である(その
1)。
【図13】 ジェットポンプにおける揚水量/供給水量
への影響因子を説明するために供する図である(その
2)。
【0073】
【符号の説明】
1 :塗料粕回収装置 10:粕池(貯蔵部) 11:塗料粕含有廃液 12:フィルター壁 18:フロート(吸引部) 22:脚部材 29:アタッチメント 30:吸引口 31:位置調節制御部 32:受け皿 34:ジェットポンプ 40:移送管 46:ベンチュリー管(噴射液体) 58:固液分離装置(分離部)
フロントページの続き (72)発明者 小林 誠 滋賀県八日市市下二俣町901番地 化研テ ック株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 4D073 AA01 BB06 DC02 DC19 DC30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料粕含有廃液上に浮遊する塗料粕およ
    び泡を、ジェットポンプを用いて吸引した後、固液分離
    して回収することを特徴とする塗料粕回収方法。
  2. 【請求項2】 前記ジェットポンプが、液体噴流型のエ
    ジェクターポンプであって、当該ジェットポンプの揚水
    量をqL(m3/sec.)とし、供給水量をqO(m3
    sec.)としたときに、qL/qOの比率を0.7〜7
    の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の
    塗料粕回収方法。
  3. 【請求項3】 前記塗料粕および泡を、液面下方から吸
    引することを特徴とする請求項1または2に記載の塗料
    粕回収方法。
  4. 【請求項4】 前記ジェットポンプの吸引口にフロート
    が設けてあり、当該フロートが液面に対して上下動する
    ことにより、フロートに取り付けた受け皿によって前記
    塗料粕および泡を汲み上げながら、吸引することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料粕回収
    方法。
  5. 【請求項5】 前記塗料粕含有廃液に、高分子フロック
    剤、無機フロック剤、ワックスエマルション、メラミン
    樹脂溶液、アクリル樹脂エマルション、およびポリ酢酸
    ビニル・アクリル樹脂共重合樹脂エマルションからなる
    群のうち、少なくとも一つの化合物を添加することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料粕回
    収方法。
  6. 【請求項6】 塗料粕含有廃液を貯蔵するための粕池
    と、当該粕池の塗料粕含有廃液上に浮遊する塗料粕を、
    ジェットポンプを用いて吸引するための吸引部と、吸引
    した塗料粕を固液分離して回収するための分離部と、を
    含むことを特徴とする塗料粕回収装置。
  7. 【請求項7】 前記ジェットポンプの噴射ノズルにおけ
    る断面積をA1とし、液体を吸引混合した後、速度を圧
    力に変換するためのディフューザのスロートの断面積を
    A2とし、噴射ノズルにおけるヘッドをH1とし、吸引
    部におけるヘッドをHsとし、ディフューザの吐出部に
    おけるヘッドをHdとしたときに、ジェットポンプにお
    けるA2/A1の断面積の比率を5〜30の範囲内の値
    とするとともに、(H1−Hd)/(Hd−Hs)で表
    されるヘッドの比率を3〜50の範囲内の値することを
    特徴とする請求項6に記載の塗料粕回収装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068606A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Tsukishima Kikai Co Ltd 含液固形物の処理設備
JP2008119556A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Anest Iwata Corp 塗装ブースろ過網の目詰まり防止装置
JP2010115626A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Anest Iwata Corp 塗装ブースにおけるスラッジ処理用回収装置

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