JP2003075724A - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents
顕微鏡対物レンズInfo
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Abstract
アポクロマート級対物レンズを実現する。 【解決手段】 像側に凸面を向けた正レンズを少なく
とも2枚含む第1レンズ群と、正、負、正の3枚接合レ
ンズの第2レンズ群、正の第3レンズ群、接合メニスカ
スレンズからなり最も像側の面が像側に凹面である第4
レンズ群、最も像側の面が像側に凹面である接合メニス
カスレンズを含む第5レンズ群を備え、次の条件を満足
するようにした。 (1) t5+D<t4 (2) 0.2<r42/r41<0.7
Description
大きく作動距離が長い高倍率の対物レンズで、特にセミ
アポクロマート級の乾燥系顕微鏡対物レンズに関するも
のである。
察するために用いられる顕微鏡対物レンズは、高倍率で
解像度が高くかつ長い作動距離を有することが必要であ
る。
い、微細なパターンを高解像で観察する必要があり、か
つ安全性、操作性の面から操作時に標本が対物レンズに
当たるおそれのない程度の作動距離を有する必要があ
る。
て、例えば特開平4−40409号、特開昭59−29
216号の各公報に記載されたものが知られている。
者の特開平4−40409号公報に記載されている顕微
鏡対物レンズは、倍率が100×でNAが0.8で作動
距離が4.77mmあるいは、倍率が100×でNAが
0.75で作動距離が5.3mmである。
0×の対物レンズにおいて、NAが0.8では微細な構
造を観察するためには解像度が不十分である。
報に記載されている対物レンズは、倍率が100×で、
NAが0.95、作動距離が0.34mmである。
く、0.34mmであって、高倍の顕微鏡対物レンズと
しては不十分である。
問題点を有している。
れたものであって、高NAでかつ作動距離の長い高倍率
の対物レンズ、特にセミアポクロマート級顕微鏡対物レ
ンズを提供するものである。
ズは、物体側から順に、像側に凸面を向けた正レンズを
少なくとも2枚含んでいる第1レンズ群と、正レンズと
負レンズと正レンズとを接合した3枚接合レンズからな
る第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群
と、接合メニスカスレンズからなり最も像側の面が像側
に向けられた凹面である第4レンズ群と、最も像側の面
が像側に向けられた凹面である接合メニスカスレンズを
含む第5レンズ群とを備えていて、下記の条件を満足す
ることを特徴とするものである。 (1) t5+D<t4 (2) 0.2<r42/r41<0.7 ただし、t4は第4レンズ群の接合メニスカスレンズの
中心厚、t5は第5レンズ群の最も物体側の面から最も
像側の面までの距離、Dは第4レンズ群の接合メニスカ
スレンズと第5レンズ群との空気間隔、r41は第4レン
ズ群の接合レンズの最も物体側の面の曲率半径、r42は
第4レンズ群の接合レンズの最も像側の面の曲率半径で
ある。
構成のレンズ系であって、下記の条件(3)を満足する
ことを特徴とする。 (3) 0.2<t4/L<0.4 ただし、Lは物体面から対物レンズ全系の最も像側の面
までの距離である。
条件(4)を満足することを特徴とする。 (4) 3<−f34/f<60 ただし、f34は第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点
距離、f は対物レンズ全系の焦点距離である。
な第1レンズ群〜第5レンズ群にて構成したもので、ま
ず第1レンズ群を像側に凸面を向けた正レンズを少なく
とも2枚含む構成にすることにより、物体からの高NA
の光線の開き角を徐々に小さくするようにした。更に第
2レンズ群、第3レンズ群により光束径が小さくなるよ
うに徐々に絞って収斂光束に変換するようにした。
ればなるほど、また作動距離が長くなればなるほど、レ
ンズ系の球面収差や色収差を補正するのが困難になる。
そこで、本発明のような高倍率で長い作動距離を有する
対物レンズでも、これら球面収差や色収差を良好に補正
する工夫が必要になる。
2レンズ群に正レンズ、負レンズ、正レンズの3枚接合
レンズを用いることによって、球面収差、色収差の性能
を大幅に向上させるようにした。また、この3枚接合レ
ンズに異常分散性の硝材を用いれば、2次スペクトルを
極めて良好に補正することができるため好ましい。
は、第4レンズ群に入射する。そして、第4レンズ群内
にて絞られた後に、その最も像側の面より光線が発散さ
れるように射出する。
るために第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群に
大きな正の屈折力を持たせるようにした。そのため、こ
の3つのレンズ群におけるペッツバール和は正の値とな
り、像面湾曲が大きく発生する。この像面湾曲を良好に
補正するためには上記の値を相殺するような値を別のレ
ンズ群で発生させ、ペッツバール和を適正な値にコント
ロールする必要がある。そこで本発明の対物レンズで
は、上記群以外の群、即ち第4レンズ群に負の屈折力を
持たせるようにした。
像側に向いた接合メニスカスレンズの形状とする、
(2)中心厚が大きな接合レンズにする、(3)最も物
体側の面の曲率半径に比べて最も像側の面の曲率半径が
小さくなるようにする、という特徴と備えることによ
り、適切な大きさの負の屈折力が得られるようにした。
中心厚の望ましい範囲として、前記条件(1)を設け
た。つまりこの条件(1)に示すように、第4レンズ群
の中心厚t4を第4レンズ群と第5レンズ群の空気間隔
Dと第5レンズ群の中心厚t5との和よりも大きくする
ことで、十分な負の屈折力が得られるようにした。
群の最も物体側の面の曲率半径r 41と第4レンズ群の最
も像側の面の曲率半径r42との比(r42/r41)をとっ
たときに、その比がこの条件(2)を満足するように各
々の曲率半径を設定することで、負の屈折力を発生させ
て像面湾曲を良好に補正しつつ収斂光束を発散させて第
5レンズ群に導くようにした。
ンズ群の中心厚t4が第5レンズ群の最も物体側の面か
ら最も像側の面までの距離t5と第4レンズ群から第5
レンズ群の間隔Dとの和よりも小さいと、第4レンズ群
の中心厚が小さくなるため、第4レンズ群の負の屈折力
が不足する。この結果、対物レンズの像面湾曲を十分に
補正し得なくなる。
レンズ群の最も像側の面の曲率半径が大きくなり、負の
屈折力が不足する。この結果、像面湾曲を十分補正し得
ない。また条件(2)の下限を下回ると、第4レンズ群
の像側の面の曲率半径が小さくなりすぎて、コマ収差が
発生する。
レンズ群の物体側の面の曲率半径r41が下記の範囲内で
あることが好ましい。 5<r41<200(mm)
により第4レンズ群を射出した光束を更に発散させるよ
うにした。ここで、発散するのは軸外光束の主光線であ
る。すなわち、軸外光束全体は平行光束のままで、光軸
から離れる方向に射出されている。
レンズ群は、その最も像側の面を像側に向いた凹面とし
ている。これによって、負の屈折力を発生させて軸外光
束を発散させるようにしている。しかも、この負の屈折
力によって、像面湾曲を良好に補正することができる。
ンズに比べると、レンズ群によって絞られたときの光束
径が小さい。更に、作動距離が長くなればなるほど、ま
た、NAが大になればなるほど、光束が絞られる位置が
像側にシフトする傾向がある。そこで、本発明では、光
束が絞られる位置の近くにある第5レンズ群の最も像側
の面を、像側に向けた凹面にしている。このようにする
ことで、ここで負の屈折作用が得られ、所定の位置に所
定の高さの像が形成されるように軸外光束を発散させる
ことができる。
の構成にした。
条件(3)を満足すればより好ましい。
件(4)を満足すれば好ましい。
層好ましい。
る第4レンズ群の中心厚t4の比を規定したもので、こ
の条件(3)を満足することにより第4レンズ群が、ペ
ッツバール和をより適正にコントロールする屈折力を得
ることになり、より良好に像面湾曲を補正し得る。
群に続くレンズ群を配置する空間を確保することが困難
になる。
群の負の屈折力が不足し、像面湾曲を良好に補正するこ
とが困難になる。
は、次の範囲内であることが好ましい。 25<L<120(mm)
群の合成焦点距離f34を対物レンズ全体の焦点距離fに
より規格化した値を規定したものである。この条件
(4)を満足することにより、ペッツバール和を適正な
値にコントロールするように第3レンズ群と第4レンズ
群の屈折力を持つようにすることができ、像面湾曲をよ
り良好に補正し得るようになる。
の負の屈折力が不足し、像面湾曲を良好に補正すること
が困難になる。
群の負の屈折力が過剰になり、コマ収差が悪化する。
い。0.4<f<6
をもとに述べる。
施例7は図1〜7に示す通りで、夫々下記データを有す
る。
1、d2、・・・は各レンズの肉厚および空気間隔、
n1、n2、・・・は各レンズのd線の屈折率、ν 1、
ν2、・・・は各レンズのアッベ数である。またNAは
開口数、WDは作動距離、βは倍率である。尚、上記デ
ータにおいて、f ,r,d等の長さの単位はmmであ
る。
す構成のレンズ系で、像側に凸面を向けた正レンズ2枚
よりなる第1レンズ群G1と、両凸レンズと両凹レンズ
と両凸レンズとを接合した3枚接合レンズの第2レンズ
群G2と、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズと
両凸レンズとを接合した接合レンズよりなる正の屈折力
の第3レンズ群G3と、両凸レンズと両凹レンズを接合
した接合メニスカスレンズよりなる第4レンズ群G4
と、両凸レンズと両凹レンズを接合した像側に向かって
凹面をなす接合メニスカスレンズの第5レンズ群G5と
より構成されている。
に凸面を向けた単体の正のメニスカスレンズ2枚よりな
る第1レンズ群G1と、両凸レンズと両凹レンズと両凸
レンズとを接合した3枚接合レンズの第2レンズ群G2
と、両凸単レンズ1枚よりなる第3レンズ群G3と、両
凸レンズと両凹レンズを接合した像側に凹面を向けた接
合メニスカスレンズよりなる第4レンズ群G4と、両凸
レンズと両凹レンズを接合した像側に凹面を向けた接合
メニスカスレンズの第5レンズ群G5とにて構成されて
いる。
面を向けたメニスカス単レンズ2枚よりなる第1レンズ
群G1と、両凸レンズと両凹レンズと両凸レンズを接合
した3枚接合レンズよりなる第2レンズ群G2と、両凸
レンズと物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズを
接合した正の屈折力を有する接合レンズの第3レンズ群
G3と、両凸レンズと両凹レンズとを接合した像側に凹
面を向けた接合メニスカスレンズの第4レンズ群G4
と、両凸レンズと両凹レンズを接合した像側に凹面を向
けた接合メニスカスレンズの第5レンズ群G5とより構
成されている。
を向けたメニスカス単レンズ2枚の第1レンズ群G1
と、両凸レンズと両凹レンズと両凸レンズを接合した3
枚接合レンズの第2レンズ群G2と、両凸レンズと物体
側に凹面を向けた負のメニスカスレンズとを接合した接
合レンズで正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、両
凸レンズと両凹レンズを接合した像側に凹面を向けた接
合メニスカスレンズよりなる第4レンズ群G4と、両凸
レンズと両凹レンズを接合した像側に凹面を向けた接合
メニスカスレンズの第5レンズ群G5とより構成されて
いる。
面を向けたメニスカス単レンズと両凸レンズよりなる第
1レンズ群G1と、両凸レンズと両凹レンズと両凸レン
ズを接合した3枚接合レンズの第2レンズ群G2と、両
凸レンズと物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズ
とを接合した接合レンズよりなり正の屈折力を有する第
3レンズ群G3と、両凸レンズと両凹レンズを接合した
像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズの第4レンズ
群G4と、両凸レンズと両凹レンズとを接合した像側に
凹面を向けた接合メニスカスレンズの第5レンズ群G5
とより構成されている。
面を向けたメニスカス単レンズと両凸レンズ2枚とより
なる第1レンズ群G1と、両凸レンズと両凹レンズと両
凸レンズとを接合した3枚接合レンズの第2レンズ群
と、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レ
ンズとを接合した接合レンズよりなり正の屈折力を有す
る第3レンズ群G3と、両凸レンズと両凹レンズを接合
した像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズよりなる
第4レンズ群G4と、両凸レンズと両凹レンズとを接合
した像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズの第5レ
ンズ群G5とにて構成されている。
面を向けたメニスカス単レンズ2枚よりなる第1レンズ
群G1と、両凸レンズと両凹レンズと両凸レンズを接合
した3枚接合レンズの第2レンズ群G2と、両凸単レン
ズと、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズと両凸
レンズと物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズと
を接合した3枚接合レンズとよりなり正の屈折力を有す
る第3レンズ群G3と、両凸レンズと両凹レンズを接合
した接合レンズで像側に凹面を向けた接合メニスカスレ
ンズの第4レンズ群G4と、両凸レンズと両凹レンズを
接合した接合メニスカスレンズで像側に凹面を向けた第
5レンズ群G5とにより構成されている。
れも無限遠設計のレンズ系であり、したがって、例えば
図15に示すような構成で下記データを有する結像レン
ズをその像側に配置して用いられる。 r’1=68.754 d’1=7.732 n’1=1.487 ν’1=70.2 r’2=-37.567 d’2=3.474 n’2=1.806 ν’2=40.9 r’3=-102.847 d’3=0.697 r’4=84.309 d’4=6.023 n’3=1.834 ν’3=37.1 r’5=-50.710 d’5=3.029 n’4=1.644 ν’4=40.8 r’6=40.661ただし、r’1、r’2、・・・は結像レ
ンズの曲率半径、d’1、d’2、・・・は結像レンズの
各レンズの肉厚および空気間隔、n’1、n’2、・・・
は結像レンズの各レンズの屈折率、ν’1、ν’2、・・
・は結像レンズの各レンズのアッベ数である。
場合の対物レンズから結像レンズまでの距離は50mm
から170mmの間であればいずれでもよい。
レンズに前記図15の結像レンズを対物レンズの最も像
側の面より119mmの間隔をおいて配置して結像した
時の収差図を示す。これら収差図中IHは像高である。
尚対物レンズの最も像側の距離が前記の119mm以外
の値であっても50mm〜170mmの間の距離であれ
ば図示するものとほぼ同じ収差状況である。
実施例の対物レンズは、諸収差が良好に補正されてい
る。
物レンズは、倍率が高く、作動距離が長く、しかも高解
像で見えが良い、ICウエハー標本等の観察に適したレ
ンズ系である。
レンズの断面図
Claims (3)
- 【請求項1】 物体側から順に、像側に凸面を向けた
正レンズを少なくとも2枚含む第1レンズ群と、正レン
ズ、負レンズ、正レンズの3枚接合レンズからなる第2
レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、接合
メニスカスレンズからなり最も像側の面が像側に向けら
れた凹面である第4レンズ群と、最も像側の面が像側に
向けられた凹面である接合メニスカスレンズを含む第5
レンズ群を備え、次の条件を満足することを特徴とする
顕微鏡対物レンズ。 (1) t5+D<t4 (2) 0.2<r42/r41<0.7 ただし、t4は第4レンズ群の接合メニスカスレンズの
中心厚、t5は第5レンズ群の最も物体側の面から最も
像側の面までの距離、Dは第4レンズ群の接合メニスカ
スレンズと第5レンズ群との空気間隔、r41は第4レン
ズ群の接合レンズの最も物体側の面の曲率半径、r42は
第4レンズ群の接合レンズの最も像側の面の曲率半径で
ある。 - 【請求項2】 物体面から対物レンズ全系の最も像側
の面までの距離をL、第4レンズ群の接合メニスカスレ
ンズの中心厚をt4とした時、下記の条件(3)を満足
する請求項1の顕微鏡対物レンズ。 (3) 0.2<t4/L<0.4 - 【請求項3】 前記第3レンズ群と第4レンズ群の合
成焦点距離をf34、全系の焦点距離をfとした時、下記
の条件(4)を満足する請求項1または2の顕微鏡対物
レンズ。 (4) 3<−f34/f<60
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