JP2003073578A - アゾメチン化合物、アゾメチン化合物と金属イオン含有化合物との混合物、感熱転写記録材料、カラートナー - Google Patents

アゾメチン化合物、アゾメチン化合物と金属イオン含有化合物との混合物、感熱転写記録材料、カラートナー

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JP2003073578A JP2001265696A JP2001265696A JP2003073578A JP 2003073578 A JP2003073578 A JP 2003073578A JP 2001265696 A JP2001265696 A JP 2001265696A JP 2001265696 A JP2001265696 A JP 2001265696A JP 2003073578 A JP2003073578 A JP 2003073578A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色再現性上好ましい色相を有し、最適な分子
吸光特性を有し、耐光性が良好であり、モル吸光係数が
大きく、画像の最大濃度が良好な新規なアゾメチン化合
物及び該アゾメチン化合物と金属イオン含有化合物との
混合物、並びにそれらを含有する感熱転写記録材料及び
カラートナーを提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるアゾメチン
化合物。 【化1】 (式中、A1及びA2は芳香族炭化水素環又は芳香族複素
環基を表し、且つ少なくとも一方は芳香族複素環基を表
す。Q1及びQ2は各々一般式(1)で表されるアゾメチ
ン化合物が可視域及び/または近赤外域に吸収を持つた
めに必要な原子群を表す。L1及びL2は各々連結基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアゾメチン化
合物及び該アゾメチン化合物と金属イオン含有化合物と
の混合物、並びにそれらを利用した感熱転写記録材料及
びカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】アゾメチン化合物は色調がイエロー、レ
ッド、マゼンタ、ブルー、シアンと多岐にわたり、広く
用いられている。近年、感熱転写記録材料、カラートナ
ー、有機EL素子、インクジェット用インク、光記録媒
体、カラーフィルターなど、様々な用途に適用すること
が多くなってきた。
【0003】感熱転写記録は操作や保守が容易であるこ
と、装置の小型化、低コスト化が可能なこと、更にラン
ニングコストが安いこと等の利点を有している。感熱転
写記録によって得られた画像の安定性、特に定着性や耐
光性を改良する目的でキレート化可能な熱拡散性色素
(以下、キレート色素と記す)を用いる感熱転写記録材
料及び画像形成方法が提案されており、例えば特開昭5
9−78893号、同59−10349号、同60−2
398号に記載されている。前記公報で開示されている
キレート色素は、アゾ色素を配位子として金属イオンに
2座配位または3座配位して形成した金属キレート色素
である。これらのキレート色素を用いて形成された画像
は耐光性や定着性に優れているが、感熱転写記録材料の
感度や材料自体の保存性の点では十分に満足するもので
はなく、更に改良が望まれている。
【0004】更に、アゾメチン化合物をカラートナーに
使用する場合を考える。電子写真方式を利用したカラー
コピア、カラーレーザープリンターにおいては、一般に
樹脂粒子中に着色剤を分散させてなるトナー、または樹
脂粒子表面に着色剤を付着させてなるトナーが用いられ
ている。樹脂表面に着色剤を付着させる方法は、表面の
みの着色であるため十分な着色効果を得ることは難し
い。また、着色剤の表面から離脱することで帯電性能が
変化したり、定着ローラー表面を汚染するという問題も
発生する。そのため、粒子内部に着色剤を分散させたト
ナーが広く用いられている。かかるカラートナーに要求
される性能として、色再現性と、OverHead P
rojector(以下、OHPと記す)における画像
の透過性、耐光性が挙げられる。顔料を着色剤として粒
子に分散させたトナーが、特開昭62−157051
号、同62−255956号及び特開平6−11871
5号に開示されているが、これらのトナーは耐光性には
優れるが、不溶性であるため凝集し易く、透明性の低下
や透過色の色相変化が問題となっている。一方、染料を
着色剤として使用したトナーが、特開平3−27616
1号、同2−207274号及び同2−207273号
に開示されているが、これらのトナーは逆に透明性が高
く、色相変化はないものの耐光性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色再
現性上好ましい色相を有し、最適な分子吸光特性を有
し、耐光性が良好であり、モル吸光係数が大きく、画像
の最大濃度が良好な新規なアゾメチン化合物及び該アゾ
メチン化合物と金属イオン含有化合物との混合物、並び
にそれらを含有する感熱転写記録材料及びカラートナー
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、以下の本発明によって上記課題が達成され
ることを見いだした。即ち、本発明は、下記の1)〜
6)により上記課題が達成された。
【0007】1)前記一般式(1)で表されるアゾメチ
ン化合物。 2)A1又はA2で表される芳香族複素環基が前記一般式
(2)〜(15)で表されることを特徴とする前記1)
に記載のアゾメチン化合物。
【0008】3)一般式(1)で表されるアゾメチン化
合物が前記一般式(16)で表されることを特徴とする
前記1)に記載のアゾメチン化合物。
【0009】4)前記1)、2)または3)に記載のア
ゾメチン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴
とする感熱転写記録材料。
【0010】5)前記1)、2)または3)に記載のア
ゾメチン化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合
物との混合物。
【0011】6)前記1)、2)または3)に記載のア
ゾメチン化合物または前記5)に記載の混合物の少なく
とも一種を含有することを特徴とするカラートナー。
【0012】以下、本発明を更に詳細に説明する。一般
式(1)において、L1及びL2で表される連結基は、炭
素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少なく
とも1種を含む原子または原子団からなる。好ましく
は、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20の
アリーレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、アミ
ド基、エステル基、スルホンアミド基、スルホン酸エス
テル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、
チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−NRa
−(ここで、Raは水素原子またはアルキル基、アリー
ル基)等が挙げられる。なお、これらの連結基は更に置
換基により置換されていてもよく、置換基としてはアル
キル基、アリール基、複素環基、アリーロキシ基、アミ
ド基、カルバモイル基、スルホ基、ヒドロキシ基、カル
ボキシアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、シアノ基などが挙げられる。
【0013】A1及びA2は芳香族炭化水素環又は芳香族
複素環基を表し、少なくとも一方は芳香族複素環基を表
す。芳香族炭化水素環はベンゼン環を表し、置換基を有
していてもよく、更に別の環と縮合環を形成してもよ
い。芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、更に
別の環と縮合環を形成してもよい。具体的にはフラン
環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダ
ゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリ
ダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、
ナフタレン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾ
チオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾー
ル環、ベンズオキサゾール環、プリン環、キノリン環、
イソキノリン環、クマリン環、クロモン環、3H−ピロ
リジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン環、チア
ゾリジン環、3H−インドール環、インダンジオン環な
どを挙げることができる。
【0014】好ましくは、前記一般式(2)〜(15)
を挙げることができる。一般式(2)〜(15)におい
て、R1は水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置
換基とは、アルキル基(炭素数1〜12のアルキル基、
例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチ
ル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−ス
ルホプロピル基、4−スルホブチル基)、シクロアルキ
ル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェネ
チル基)、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリ
ル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル
基、m−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基)、
ヘテロ環式基(例えば、2−ピリジル基、2−チエニル
基、2−フリル基)、アルコキシ基(炭素数1〜12の
アルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプ
ロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ
基、3−カルボキシプロポキシ基)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ基、p−メトキシフェニル基、o
−メトキシフェノキシ基等)、アシルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾ
イルアミノ基、3,5−ジスルホベンゾイルアミノ
基)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニル
アミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、3−カルボキ
シベンゼンスルホニルアミノ基)、ウレイド基(例え
ば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド
基、3−フェニルウレイド基)、アルコキシカルボニル
アミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ基)、ア
ルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ
基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−
トリルチオ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、カルバ
モイル基(例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカ
ルバモイル基)、スルファモイル基(例えば、ジメチル
スルファモイル基、ジ−(2−ヒドロキシエチル)スル
ファモイル基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホ
ニル基、ベンゼンスルホニル基)、アシル基(例えば、
アセチル基、ベンゾイル基)およびアミノ基(例えば、
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基)が挙げられる。
【0015】Q1及びQ2は、各々一般式(1)で表され
る化合物が可視域及び/または近赤外域に吸収を持つた
めに必要な原子群を表し、具体的には、下記一般式(1
7)、(18)、(19)、(20)、(21)、(2
2)、(23)、(24)、(25)、(26)、(2
7)、(28)、(29)及び(30)が挙げられる。
【0016】
【化4】
【0017】式中、R2〜R21は水素原子又は1価の置
換基を表す。1価の置換基とは前記1価の置換基と同義
である。Zは5又は6員の各々置換基を有してもよい含
窒素複素環を形成する原子の集まりを表し、該複素環は
更に別の環と縮合環を形成してもよい。mは0〜3を、
nは0〜2を、qは0〜4を表す。
【0018】一般式(16)において、Z1又はZ2で表
される5員もしくは6員の芳香族炭素環又は複素環を形
成する原子の集まりの好ましい具体例としては、ベンゼ
ン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾー
ル環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾー
ル環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラン環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ト
リアジン環、ナフタレン環、ベンゾフラン環、インドー
ル環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、プリン環、
キノリン環、イソキノリン環、クマリン環、クロモン
環、3H−ピロール環、3H−ピロリジン環、オキサゾ
リジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、3H−
インドール環、インダンジオン環等を挙げることができ
る。
【0019】これらの環は更に他の炭素環(例えば、ベ
ンゼン環)や複素環(例えば、ピリジン環)と縮合環を
形成してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、ア
リール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であ
り、それらの基は更に置換されていてもよい。
【0020】本発明のアゾメチン化合物の具体例を以下
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明において、アゾメチン化合物は一般
的に活性メチレン類やフェノール類とp−フェニレンジ
アミン類との酸化カップリング反応により形成される。
【0027】以下に本発明のアゾメチン化合物の合成例
を示す。 合成例1:本発明化合物D−5の合成 300mlナス型フラスコに化合物Aを5.0gを入
れ、MeOH120mlを加えて加温溶解する。ここに
トリエチルアミン22ml及び過硫酸アンモニウム1
3.4gの水溶液25mlを室温にて添加し、均一な溶
液を作製する。次に、化合物BのMeOH溶液40ml
に水40mlを加えたMeOH/水混合溶液を滴下す
る。反応溶液は赤色を呈し、滴下終了後、室温にて1時
間撹拌する。得られた結晶を濾取し、水洗後、乾燥す
る。得られた租結晶7.2gをアセトニトリルにて熱濾
過後、再結晶を行う。得られた目的物D−5は6.18
gで、収率は72%だった。
【0028】Massスペクトルを測定したところ、F
AB−Posi(マトリックス:NBA:DMSO)に
て828にピークが見られた。吸収測定を行ったところ
λmax=538nm(アセトン)、ε=60000だ
った。
【0029】
【化10】
【0030】合成例2:本発明化合物D−7の合成 200mlコニカルビーカーに化合物Cを3.5g、化
合物Dを1.9g、酢酸エチル及び3%の炭酸ナトリウ
ム水溶液を各々60mlずつ加え、室温にて撹拌する。
ここに酸化銀0.6gを加え、室温で2時間撹拌したの
ち、10分静置後、濾過して、酢酸エチル層を分液す
る。水洗を2回行った後、飽和食塩水を用いて分液し、
得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水してエバ
ポレーターにて、溶媒を留去した。得られた金属光沢を
有するアモルファスをアセトニトリルを用いて再結晶を
行った。得られた目的物D−7は3.5gで、収率は6
8%だった。
【0031】Massスペクトルを測定したところ、F
AB−Posi(マトリックス:NBA:DMSO)に
て799にピークが見られた。吸収測定を行ったところ
λmax=603nm(アセトン)、ε=62000だ
った。
【0032】
【化11】
【0033】合成例3:本発明化合物D−8の合成 200mlコニカルビーカーに化合物Eを4.0g、化
合物Fを2.3g、酢酸エチル及び3%の炭酸ナトリウ
ム水溶液を各々60mlずつ加え、室温にて撹拌する。
ここに酸化銀0.5gを加え、室温で2時間撹拌したの
ち、10分静置後、濾過して、酢酸エチル層を分液す
る。水洗を2回行った後、飽和食塩水を用いて分液し、
得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水してエバ
ポレーターにて、溶媒を留去した。得られた金属光沢を
有するアモルファスをアセトニトリルを用いて再結晶を
行った。得られた目的物D−8は4.5gで、収率は7
1%だった。
【0034】Massスペクトルを測定したところ、F
AB−Posi(マトリックス:NBA:DMSO)に
て721にピークが見られた。吸収測定を行ったところ
λmax=497nm(アセトン)、ε=57000だ
った。
【0035】
【化12】
【0036】合成例4:本発明化合物D−9の合成 200mlコニカルビーカーに化合物Gを4.0g、化
合物Hを4.8g、酢酸エチル及び3%の炭酸ナトリウ
ム水溶液を各々60mlずつ加え、室温にて撹拌する。
ここに酸化銀0.5gを加え、室温で2時間撹拌したの
ち、10分静置後、濾過して、酢酸エチル層を分液す
る。水洗を2回行った後、飽和食塩水を用いて分液し、
得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水してエバ
ポレーターにて、溶媒を留去した。得られた金属光沢を
有するアモルファスをアセトニトリルを用いて再結晶を
行った。得られた目的物D−9は5.4gで、収率は6
5%だった。
【0037】Massスペクトルを測定したところ、F
AB−Posi(マトリックス:NBA:DMSO)に
て741にピークが見られた。吸収測定を行ったところ
λmax=495nm(アセトン)、ε=58000だ
った。
【0038】
【化13】
【0039】合成例5:本発明化合物D−18の合成 200mlコニカルビーカーに化合物Iを4.0g、化
合物Jを2.8g、酢酸エチル及び3%の炭酸ナトリウ
ム水溶液を各々60mlずつ加え、室温にて撹拌する。
ここに酸化銀0.5gを加え、室温で2時間撹拌したの
ち、10分静置後、濾過して、酢酸エチル層を分液す
る。水洗を2回行った後、飽和食塩水を用いて分液し、
得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水してエバ
ポレータ−にて、溶媒を留去した。得られた金属光沢を
有する緑色結晶をアセトニトリルで再結晶を行った。得
られた目的物D−18は4.4gで、収率は68%だっ
た。
【0040】Massスペクトルを測定したところ、F
AB−Posi(マトリックス:NBA:DMSO)に
て763にピークが見られた。吸収測定を行ったところ
λmax=511nm(アセトン)、ε=54000だ
った。
【0041】
【化14】
【0042】本発明の感熱転写記録材料は、感熱転写層
と受像材料から構成される。該感熱転写層は本発明のア
ゾメチン化合物をバインダーと共に溶媒中に溶解するこ
とによって、或いは溶媒中に微粒子上に分散させること
によって、感熱転写層形成用インク液を調製し、該イン
クを支持体上に塗布して、適宜に乾燥することにより形
成することができる。感熱転写層の厚さは乾燥膜厚で
0.1〜10μmが好ましい。
【0043】前記バインダーとしてはアクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ニトロセルロース、エチル
セルロース等の溶媒可溶性ポリマーが好ましい。これら
のバインダーは一種または二種以上を有機溶媒に溶解し
て用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用しても
よい。バインダーの使用量としては、支持体1m2当た
り0.1〜20gが好ましい。
【0044】前記有機溶媒としてはアルコール類(例え
ば、エタノール、プロパノール)、セルソルブ類(例え
ば、メチルセルソルブ)、芳香族類(例えば、トルエ
ン、キシレン)、エステル類(例えば、酢酸エステ
ル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン)等が挙げられる。
【0045】前記支持体としては寸法安定性がよく、記
録の際感熱ヘッド等の加熱に耐えるものであればよい
が、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネー
トような耐熱性のプラスチックフィルムが好ましく用い
られる。支持体の厚さは2〜30μmが好ましく、また
支持体にはバインダーとの接着性の改良や色素の支持体
への転写、染着を防止する目的で選択されたポリマーか
らなる下引き層を有することが好ましい。更に支持体の
裏面(感熱転写層と反対側)には、ヘッドが支持体に粘
着するのを防止する目的でスリッピング層を有してもよ
い。
【0046】また、感熱転写記録材料の受像材料は、一
般に紙、プラスチックフィルム、又は紙−プラスチック
フィルム複合体を支持体として、その上に受像層として
ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと
他のモノマー(例えば、酢酸ビニル)との共重合樹脂、
ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリカ
ーボネート等の一種又は二種以上のポリマー層を形成し
てなる。また受像材料は受像層の上層に融着防止を目的
として保護層を設けてもよく、更に支持体と受像層の間
に、接着や断熱或いはクッション効果を目的として中間
層を設けてもよい。
【0047】本発明の感熱転写記録材料は、感熱転写層
上または感熱転写層が塗設されてなる支持体上の別層
に、特開昭59−106997号に記載されているよう
な熱溶融性化合物を含有する熱溶融性層を有してもよ
い。この熱溶融性化合物としては、65〜150℃の温
度で溶融する無色または白色の化合物が好ましく用いら
れ、例えばカルナバロウ、蜜ロウ、カンデリンワックス
等のワックス類が挙げられる。なお、これらの熱溶融性
層には、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルブチ
ラール、ポリエステル、酢酸ビニルのポリマーが含有さ
れていてもよい。
【0048】本発明の感熱転写記録材料を、フルカラー
画像記録が可能な感熱記録材料に適用するには、シアン
画像を形成することができる熱拡散性シアン色素を含有
するシアン感熱転写層、マゼンタ画像を形成することが
できる熱拡散性マゼンタ色素を含有するマゼンタ感熱転
写層、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イ
エロー色素を含有するイエロー感熱転写層の合計3層
を、支持体上の同一表面上に順次繰り返して塗設する事
が好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質
を含む感熱転写層の合計4層が、同一表面上に順次繰り
返して塗設されていてもよい。
【0049】感熱転写記録は、前記感熱転写記録材料の
感熱転写層と受像材料とを重ね合わせてから、画像情報
に応じた熱を感熱転写記録材料に与え、メタルソースと
本発明のアゾメチン化合物との反応により形成されるキ
レート色素による画像を受像材料上に形成させることに
よって行われる。メタルソースは受像材料中に存在させ
てもよいし、感熱転写記録材料上に設けた熱溶融性層中
に存在させてもよい。
【0050】本発明において金属イオン含有化合物と
は、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げ
られる。金属としては、周期律表の第I〜VIII族に属す
る1価および多価の金属が挙げられるが、中でもAl、
Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、S
n、TiおよびZnが好ましく、特にNi、Cu、C
r、CoおよびZnが好ましい。無機の塩としてはCl
-、ClO4-、PF6-、BF4-などと金属の塩が挙げら
れ、有機の塩としては酢酸、ステアリン酸、2−エチル
ヘキサン酸などの脂肪族と金属の塩、或いは安息香酸、
サリチル酸、トシル酸などの芳香族カルボン酸と金属の
塩などが挙げられる。また、金属錯体としては、下記一
般式(31)で表されるメタルソースを用いることがで
きる。
【0051】一般式(31) 〔M(P1m1(P2m2(P3m3+ r・(Y2 -r 式中、Mは金属イオン、P1、P2、P3は各々Mで表さ
れる金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互
いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位
化合物としては、例えばキレート科学(5)(南江堂)
に記載されている配位化合物から選択することができ
る。Y2は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフ
ェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸ア
ニオンなどが挙げることができる。m1は1、2又は3
を表し、m2は1、2又は0を表し、m3は1又は0を
表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位
か、6座配位かによって決定されるか、或いはP1
2、P3の配位子の数によって決定される。rは0、1
又は2を表す。r=0はPで表される配位化合物がアニ
オン性化合物であり、Pで表されるアニオン性化合物と
Mで表される金属カチオンとが電気的に中和された状態
であることを意味する。
【0052】アニオン性化合物としては、下記一般式
(32)で表される化合物が好ましい。
【0053】
【化15】
【0054】R22、R24は各々同じであっても異なって
いてもよいアルキル基又はアリール基を表し、R23はア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカ
ルボニル基、水素原子を表す。
【0055】以下に上記金属イオン含有化合物の具体例
を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】本発明のアゾメチン化合物と金属イオン含
有化合物との混合物において、金属イオン含有化合物と
しては、前記感熱転写記録材料で用いられる金属イオン
含有化合物などが挙げられる。
【0059】前記一般式(1)又は(16)で表される
アゾメチン化合物の少なくとも一種と前記金属イオン含
有化合物の少なくとも一種との混合物とは、その混合比
(モル比)に制限はなく、アゾメチン化合物1に対して
0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは
0.5以上である。
【0060】上記混合物は有機溶媒にアゾメチン化合物
を溶解または分散させた溶液に、金属イオン含有化合物
の粉体又は有機溶媒に溶解させた溶液を添加することで
作製される。混合物は結晶として単離されてもよく、単
離が困難な場合は溶媒を留去してその残査を用いてもよ
く、その残査を更に別の溶媒に溶解して使用してもよ
い。
【0061】本発明のアゾメチン化合物と金属イオン含
有化合物との混合物は、元のアゾメチン化合物に対して
吸収波長を変化させることができ、また耐光性を改良す
ることもできる。
【0062】以下に、本発明のアゾメチン化合物と金属
イオン含有化合物との混合物の具体的製造例を示す。
【0063】製造例1:本発明化合物D−5と金属イオ
ン含有化合物M−11との混合物の製造 100mlナス型フラスコにて、D−5、100mgを
MEOH30ml中、加熱還流させる。ここにM−11
を14.3mgをMeOH10mlに溶解させた溶液を
ゆっくり滴下する。滴下前橙色だった反応液は次第に赤
紫色を呈する。滴下終了後2時間加熱還流を行い、放冷
後溶媒を減圧留去した。得られた残査は緑色金属光沢の
ある840mgのアモルファス状態だった。吸収測定を
行ったところλmax=548nm(アセトン)、ε=
63000だった。
【0064】製造例2:本発明化合物D−7と金属イオ
ン含有化合物M−12との混合物の製造 100mlナス型フラスコにて、D−7、100mgを
アセトン30ml中加熱還流させる。ここにM−12を
31.15mgをMeOH20mlに溶解させた溶液を
ゆっくり滴下する。滴下終了後2時間加熱還流を行い、
放冷後溶媒を減圧留去した。得られた残査は緑色金属光
沢のある130mgのアモルファス状態だった。吸収測
定を行ったところλmax=627nm(アセトン)だ
った。
【0065】製造例3:本発明化合物D−8と金属イオ
ン含有化合物M−4との混合物の製造 100mlナス型フラスコにて、D−8、100mgを
MeOH30ml中、室温で溶解させる。ここにM−
4、35.6mgを粉体のまま添加し、2時間加熱還流
する。反応終了後、反応液を放冷、更に氷冷すると緑色
結晶が析出してきた。これを濾取しMeOHで洗浄を行
った。乾燥後92mgの緑色結晶が得られた。吸収測定
を行ったところλmax=521nm(アセトン)だっ
た。
【0066】本発明のカラートナー用バインダー樹脂と
しては、一般に使用される全てのバインダーが使用でき
る。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレ
ン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ
る。カラートナーに対して流動性向上、帯電制御等を目
的として無機微粉末、有機微粒子を外部添加してもよ
い。表面をアルキル基含有のカップリング剤等で処理し
たシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましく用いられ
る。なお、これらは数平均一次粒子径が10〜500n
mのものが好ましく、更にはカラートナー中に0.1〜
20質量%添加するのが好ましい。
【0067】離型剤としては、従来使用されている離型
剤は全て使用することができる。具体的には、低分子量
ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のオレフィン類、マイクロクリスタ
リンワックス、カルナウバワックス、サゾールワック
ス、パラフィンワックス等が挙げられる。カラートナー
中のこれらの添加量は1〜5質量%であることが好まし
い。
【0068】荷電制御剤としては、必要に応じて添加し
てもよいが、発色性の点から無色のものが好ましい。例
えば、4級アンモニウム塩構造のもの、カリックスアレ
ン構造を有するものなどが挙げられる。
【0069】キャリアとしては、鉄、フェライト等の磁
性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料
粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリアの
いずれを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は、
体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
【0070】本発明のカラートナーが適用される画像形
成方法としては、特に限定されるものではないが、例え
ば感光体上に繰り返しカラー画像を形成した後に転写を
行い画像を形成する方法や、感光体に形成された画像を
逐次中間転写体等へ転写し、カラー画像を中間転写体等
に形成した後に紙等の画像形成部材へ転写し、カラー画
像を形成する方法等が挙げられる。
【0071】なお、本発明のアゾメチン化合物、該アゾ
メチン化合物と金属イオン含有化合物との混合物は、上
記の感熱転写記録材料、カラートナーの他に、有機エレ
クトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、インクジ
ェット記録用インク、光記録媒体、カラーフィルター等
の色素、染料を必要とする用途に適用できることは言う
までもない。
【0072】有機EL素子は基体上に、一対の電極およ
び該一対の電極に挟持される有機化合物薄膜を有するも
のである。
【0073】有機化合物薄膜は複数層構成である。但
し、該複数層構成において、有機物以外の層(例えば、
フッ化リチウム層や無機金属塩の層、またはそれらを含
有する層)が任意の位置に配置されていてもよい。有機
化合物薄膜は、前記一対の電極から注入された電子及び
正孔が再結合して発光する領域(発光領域)を有する発
光層、および該発光層と隣接する隣接層の少なくとも2
層を有する。前記発光領域は、発光層の層全体であって
もよいし、発光層の厚みの一部分であってもよい。ま
た、発光層と隣接層との界面であってもよい。発光領域
が2層にわたる場合には、どちらか一層を発光層ととら
え、もう一層を前記発光層の隣接層ととらえる。
【0074】隣接層はその機能によって大きくは、正孔
輸送層と電子輸送層に分類することができる。更に細か
く機能分類すると、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止
層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層等がある。
【0075】そして、前記発光層を構成する発光材料お
よび前記隣接層を構成する隣接層材料それぞれの蛍光極
大波長は415nm以下が好ましい。
【0076】蛍光極大波長とは蛍光スペクトルにおける
極大値を与える波長のことであり、その材料の物性を規
定する指標である。もし、複数個の極大波長がある場合
は長波長側の方を蛍光極大波長とする。つまり、蛍光を
与える励起状態が複数ある場合でも、一番エネルギーが
低い最低励起状態のことを意味する。蛍光の強度は関係
しない。蛍光強度が非常に弱い場合に於いても、蛍光極
大波長が415nm以下であればよい。但し、発光材料
のうち少なくとも一種は、蛍光量子収率が0.5以上で
あることが好ましい。
【0077】このような電界発光の色としては、青紫発
光であることが好ましい。青紫発光の青紫とは、分光放
射輝度計CS−1000(ミノルタ製)等の測定器で測
定し、その結果、座標をCIE色度座標(「新編色色彩
科学ハンドブック」108頁の図4.16(日本色彩学
会編、東京大学出版会、1985))に当てはめたと
き、Purplish Blue(紫青)、または、B
luish Purple(青紫)の領域にある場合を
いう。
【0078】前記発光層は、(1)電界印加時に、陽極
から正孔注入層、正孔輸送層または正孔輸送型発光層に
より正孔を注入することができ、且つ陰極から電子輸送
層、電子注入層または電子輸送型発光層により電子を注
入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電
子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電
子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発
光につなげる発光機能などを有している。但し、正孔の
注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあって
もよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能
に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動さ
せる機能を有するものが好ましい。即ち、電子輸送能を
有するもの(電子輸送型発光層と称する)または正孔輸
送能を有するもの(正孔輸送型発光層と称する)が好ま
しい。
【0079】電子輸送型発光層とは、電子輸送能を有す
る発光層のことであり、基本的には隣接する正孔輸送
層、正孔注入層もしくは電子阻止層との界面に、正孔と
電子の再結合領域ならびに発光領域を有する。但し、発
光は電子輸送型発光層の発光材料からの発光である。
【0080】正孔輸送型発光層とは、正孔輸送能を有す
る発光層のことであり、基本的には隣接する電子輸送
層、電子注入層、もしくは正孔阻止層との界面に正孔と
電子の再結合領域ならびに発光領域を有する。但し、発
光は正孔輸送型発光層の発光材料からの発光である。
【0081】一対の電極および有機化合物薄膜の層構成
の好ましい具体例を以下に示すが、これに限定されるも
のではない。 (I)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/陰極 (II)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸送
層/陰極 (III)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子輸送型発
光層/陰極 (IV)陽極/正孔輸送型発光層/電子輸送層/陰極 (V)陽極/正孔輸送層/正孔輸送型発光層/電子輸送
層/陰極 (VI)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/正孔輸送型発光
層/電子輸送層/電子注入層 (VII)陽極/正孔輸送層/電子輸送型発光層/電子輸
送層/陰極 (VIII)陽極/正孔輸送型発光層/電子輸送層/電子注
入層/陰極 (IX)陽極/正孔注入層/正孔輸送型発光層/正孔阻止
層/電子輸送層/電子注入層/陰極 上記において、正孔輸送型発光層および電子輸送型発光
層が発光層であり、また、発光層に接して隣り合う層が
隣接層である。
【0082】有機EL素子における陽極としては、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化
合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好まし
く用いられる。このような電極物質の具体例としては、
Auなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(I
TO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げ
られる。また、IDIXO(In23−ZnO)など非
晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。該
陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの
方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法
で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパ
ターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以
上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所
望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%
より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシ
ート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料
にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜
200nmの範囲で選ばれる。
【0083】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
するものが用いられる。このような電極物質の具体例と
しては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネ
シウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リ
チウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げら
れる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する
耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の
値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例え
ばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウ
ム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ
ウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム
/アルミニウム混合物、アルミニウムなどが好適であ
る。該陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング
などの方法により、薄膜を形成させることにより、作製
することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数
百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μ
m、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。な
お、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰
極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率
が向上し好都合である。
【0084】本発明化合物はインクジェット用インク、
油系インクジェット記録液、固体(相変化)インクジェ
ット記録液等の種々のインクジェット記録液に用いるこ
とができる。
【0085】水系インクジェット用インクは、本発明化
合物の他に溶媒として水と水溶性有機溶媒を一般に使用
する。水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリ
ーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアル
コール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオ
ール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコ
ール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモ
ノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノー
ルアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレ
ンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチル
プロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリド
ン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン)、スルホキシド類(例えば、ジメチルス
ルホキシド)、スルホン類(例えば、スルホラン)、尿
素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0086】上記のような水系インクジェット用インク
において、本発明化合物はその溶媒系に可溶であればそ
のまま溶解して用いることができる。一方、そのままで
は不溶の固体である場合、本発明化合物を種々の分散機
(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロ
ールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コ
ロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェ
ットミル、オングミル)を用いて微粒子化するか、ある
いは可溶である有機溶媒に溶解した後に、高分子分散剤
や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることがで
きる。更に、そのままでは不溶の液体または半溶融状物
である場合、そのままかあるいは可溶である有機溶媒に
溶解して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒
系に分散させることができる。このような水系インクジ
ェット記録液の具体的調製法については、例えば特開平
5−148436号、同5−295312号、同7−9
7541号、同7−82515号、同7−118584
号に記載の方法を参照することができる。
【0087】油系インクジェット用インクは、本発明化
合物の他に溶媒として有機溶媒を使用する。
【0088】油系インクジェット用インクの溶媒の例と
しては、上記水系インクジェット用インクにおいて水溶
性有機溶媒として例示したものに加えて、アルコール類
(例えば、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コール、フルフリルアルコール、アニルアルコール)、
エステル類(例えば、エチレングリコールジアセテー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールジアセテート、酢酸エチル、
酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸
フェノキシエチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸
ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン
酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、ジエ
チルマロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジ
ブチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、ア
ジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸
ジ(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオ
クチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、ケイ
皮酸−3−ヘキセニル)、エーテル類(例えば、ブチル
フェニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ヘキシル
エーテル)、ケトン類(例えば、ベンジルメチルケト
ン、ベンジルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロ
ヘキサノン)、炭化水素類(例えば、石油エーテル、石
油ベンジル、テトラリン、デカリン、ターシャリーアミ
ルベンゼン、ジメチルナフタリン)、アミド類(例え
ば、N,N−ジエチルドデカンアミド)等が挙げられ
る。
【0089】上記のような油系インクジェット用インク
において、色素はそのまま溶解させて用いることがで
き、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散または溶
解させて用いることもできる。
【0090】このような油系インクジェット用インクの
具体的調製法については、特開平3−231975号、
特表平5−508883号等に記載の方法を参照するこ
とができる。
【0091】固体(相変化)インクジェット用インク
は、本発明化合物の他に溶媒として室温で固体であり、
且つインクの加熱噴射時には溶融した液体状である相変
化溶媒を使用する。
【0092】このような相変化溶媒としては、天然ワッ
クス(例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワ
ックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワック
ス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレ
シン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、ペトロラクタム)、ポリエチレンワックス誘導
体、塩素化炭化水素、有機酸(例えば、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、チグリン酸、2−アセトナフ
トンベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒド
ロキシステアリン酸)、有機酸エステル(例えば、上記
した有機酸のグリセリン、ジエチレングリコール、エチ
レングリコール等のアルコールとのエステル)、アルコ
ール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキ
サデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラ
コサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ド
デセノール、ミリシルアルコール、テトラセノール、ヘ
キサデセノール、エイコセノール、ドコセノール、ピネ
ングリコール、ヒノキオール、ブチンジオール、ノナン
ジオール、イソフタリルアルコール、メシセリン、テレ
アフタリルアルコール、ヘキサンジオール、デカンジオ
ール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキ
サデカンジオール、ドコサンジオール、テトラコサンジ
オール、テレビネオール、フェニルグリセリン、エイコ
サンジオール、オクタンジオール、フェニルプロピレン
グリコール、ビスフェノールA、パラアルファクミルフ
ェノール)、ケトン(例えば、ベンゾイルアセトン、ジ
アセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコサノン、ヘプ
タコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘントリアコン
タノン、ヘプタトリアコンタノン、ステアロン、ラウロ
ン、ジアニソール)、アミド(例えば、オレイン酸アミ
ド、ラウリル酸アミド、ステアリン酸アミド、リシノー
ル酸アミド、パルミチン酸アミド、テトラヒドロフラン
酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン酸アミド、12
−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ステアリルエル
カ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N,
N′−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N′−エチ
レンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビス
オレイン酸アミド、N,N′−メチレンビスステアリン
酸アミド、N,N′−エチレンビスベヘン酸アミド、
N,N′−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,
N′−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジ
オレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルア
ジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミ
ド、N,N′−システアリルセバシン酸アミド、N,
N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N′−ジ
ステアリルイソフタル酸アミド、フェナセチン、トルア
ミド、アセトアミド、オレイン酸2量体/エチレンジア
ミン/ステアリン酸(例えば、1:2:2のモル比)の
ような2量体酸とジアミンと脂肪酸の反応生成物テトラ
アミド)、スルホンアミド(例えば、パラトルエンスル
ホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ブチルベ
ンゼンスルホンアミド)、シリコーン類(例えば、シリ
コーンSH6018(東レシリコーン製)、シリコーン
KR215、216、220(信越シリコーン製))、
クマロン類(例えば、エスクロンG−90(新日鐵化学
製))、コレステロール脂肪酸エステル(例えば、ステ
アリン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロー
ル、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロ
ール、ラウリン酸コレステロール、メリシン酸コレステ
ロール)、糖類脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸
サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘン酸サ
ッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン酸サッ
カロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン酸ラク
トース、ミリスチン酸ラクトース、ベヘン酸ラクトー
ス、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトース)が
挙げられる。
【0093】固体インクの固体−液体相変化における相
変化温度は、60℃以上であることが好ましく、80〜
150℃であることがより好ましい。
【0094】上記のような固体インクジェット用インク
において、加熱した溶融状態の溶媒に本発明化合物をそ
のまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤
や結合剤を併用して分散または溶解させて用いることも
できる。
【0095】このような固体インクジェット用インクの
具体的調製法については、特開平5−186723号、
同7−70490号等に記載の方法を参照することがで
きる。
【0096】上記したような水系、油系、固体の各イン
クジェット用インクは、その飛翔時の粘度として40m
Pa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であるこ
とがより好ましい。
【0097】インクジェット用インクは、その飛翔時の
表面張力として200μN/cm以上が好ましく、30
0〜800μN/cmであることがより好ましい。
【0098】本発明化合物は全インクジェット用インク
量の0.1〜25質量%の範囲で使用されることが好ま
しく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ま
しい。
【0099】インクジェット用インクにおいては、吐出
安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、
保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に
応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、
皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加するこ
ともできる。
【0100】インクジェット用インクは、その使用する
記録方式に関して特に制約はないが、特にオンデマンド
方式のインクジェットプリンター用のインクとして、好
ましく使用することができる。オンデマンド型方式とし
ては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビテ
ィー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン
型、シェアーモード型、シェアードウォール型)、電気
−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バ
ブルジェット(登録商標)型)、静電吸引方式(例え
ば、電界制御型、スリットジェット型)、放電方式(例
えば、スパークジェット型)などを具体的な例として挙
げることができる。
【0101】光記録媒体を構成する基板としては、記録
・再生に用いるレーザ光の波長領域(350〜900n
m)において、実質的に透明(透過率が80%以上)で
あることが必要とされる。基板を構成する材料として
は、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルフ
ォン樹脂、メチルペンテンポリマー等の透明性樹脂、ガ
ラスなどが挙げられる。なお、基板の外表面、内表面、
内・外周面には、必要に応じて酸素遮断性被膜が形成さ
れていてもよい。また、記録層が形成される基板上に
は、トラッキング用のグルーブが形成されていることが
好ましい。
【0102】本発明化合物を用いた記録層は、レーザ光
の波長領域における消衰係数kが光記録媒体の記録層と
して好ましいものとなり、記録のために好適な光吸収性
と再生のために好適な反射率とを兼ね備えたものとな
る。ここに、レーザ光の波長領域における記録層の消衰
係数kが過大である場合には、反射率の低下を招き、反
射光による再生を十分良好に行うことができない。ま
た、消衰係数kが過小である場合には、通常の記録パワ
ーによって記録を行うことが困難となる。消衰係数kの
好ましくは0.01〜0.1である。一方、レーザ光の
波長領域における記録層の屈折率n(複素屈折率の実
部)としては1.8〜4.0であることが好ましい。な
お、光記録媒体を構成する記録層には、他の種類の色素
化合物、各種樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、分散剤、
酸化防止剤、架橋剤などが含まれていてもよい。記録層
は基板の一面上に形成されていてもよく、基板の両面上
に形成されていてもよい。
【0103】基板上に記録層を形成するための方法とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばスピンコー
ティング法、浸せきコーティング法、スプレーコーティ
ング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティン
グ法、ビードコーティング法、マイヤーコーティング
法、カーテンコーティング法など各種の方法を適用する
ことができる。また、記録層の形成にあたって用いる溶
媒としては、例えばシクロヘキサノン等のケトン系溶
媒、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチルセロソルブ
等のエーテル系溶媒、アルコール系溶媒、トルエン等の
芳香族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒などを挙げる
ことができる。記録層上には反射層が形成されていても
よい。反射層としては、例えばAu、Al−Mg合金、
Al−Ni合金、Ag、PtおよびCu等の反射率の高
い金属を用い、蒸着、スパッタ等の手段によって形成す
ることができる。反射層上には、例えば紫外線硬化樹脂
等からなる保護膜が形成されていてもよい。記録層と反
射層の間には、これらを密着させるための接着層が設け
られていてもよい。
【0104】本発明化合物をカラーフィルター用途に用
いるにあたり、本発明化合物を透明樹脂へ分散させる場
合には、二本ロールミル、三本ロールミル、サンドミ
ル、ニーダー等の各種分散手段を使用できる。本発明化
合物を分散させて着色組成物にする為の樹脂ワニスとし
ては、従来公知のカラーフィルター用着色組成物に使用
されるワニスが用いられる。又、分散媒体としては、樹
脂ワニスに適切な溶媒或は水系媒体が使用される。又、
必要に応じて従来公知の添加剤、例えば分散助剤、平滑
化剤及び密着化剤等が添加使用される。
【0105】樹脂ワニスとしては、感光性の樹脂ワニス
と非感光性樹脂ワニスが使用される。感光性樹脂ワニス
としては、例えば紫外線硬化性インキ、電子線硬化性イ
ンキ等に用いられる感光性樹脂ワニスであり、非感光性
樹脂ワニスとしては、例えば凸版インキ、平版インキ、
凹版グラビヤインキ、孔版スクリーンインキ等の印刷イ
ンキに使用するワニス、電着塗装に使用するワニス、電
子印刷や静電印刷の現像剤に使用するワニス、熱転写リ
ボンに使用するワニス等のいずれもが使用できる。
【0106】感光性樹脂ワニスの例としては、感光性環
化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリメ
タクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性
ポリイミド系樹脂等、及び不飽和ポリエステル系樹脂、
ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリ
レート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリ
エーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート
系樹脂等のワニスであり、更に、反応性希釈剤としてモ
ノマーが加えられたワニスが挙げられる。本発明化合物
と上記のワニスにベンゾインエーテル、ベンゾフェノン
等の光重合開始剤を加え、従来公知の方法により煉肉す
ることにより、感光性着色組成物とすることができる。
又、上記の光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用し
て熱重合性着色組成物とすることができる。上記の感光
性着色組成物を用いてカラーフィルターのパターンを形
成する場合には、透明基板上に該感光性着色組成物をス
ピンコート、低速回転コーターやロールコーターやナイ
フコーター等を用いて全面コーティングを行うか、或は
各種の印刷方法による全面印刷又はパターンよりやや大
きな部分印刷を行い、予備乾燥後フォトマスクを密着さ
せ、超高圧水銀灯を使用して露光を行ってパターンを焼
き付けする。次いで現像及び洗浄を行い、必要に応じポ
ストベークを行うことによりカラーフィルターのパター
ンを形成することができる。
【0107】非感光性の樹脂のワニスの例としては、セ
ルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、
スチレン系(共)重合体、ポリビニールブチラール系樹
脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
ミノ樹脂変性ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アクリルポリオールウレタン系樹脂、可溶性ポリア
ミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミ
ドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、カ
ゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、スチレン−マレ
イン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリ
ル酸エステル系(共)重合体の水溶性塩、水溶性アミノ
アルキッド系樹脂、水溶性アミノポリエステル系樹脂、
水溶性ポリアミド系樹脂等が挙げられ、単独或は組み合
わせて使用される。
【0108】上記の非感光性着色組成物を用いてカラー
フィルターのパターンを形成する場合には、透明基板上
に該非感光性着色組成物、例えばカラーフィルター用印
刷インキを用いて上記した各種の印刷方法にて直接基板
に着色パターンを印刷する方法、カラーフィルター用水
性電着塗装組成物を用いて電着塗装により基板に着色パ
ターンを形成させる方法、電子印刷方法や静電印刷方法
を用いたり、或は転写性基材に上記の方式等で一旦着色
パターンを形成させてからカラーフィルター用基板に転
写する方法等が挙げられる。次いで常法に従い必要に応
じてベーキングを行ったり、表面の平滑化の為の研磨を
行ったり、表面の保護の為のトップコーティングを行
う。又、常法に従いブラックマトリックスを形成させ、
RGBカラーフィルターを得る。
【0109】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の態様が実施例に限定されるものではない。
【0110】実施例1(感熱転写記録材料) 〔インクの調製〕下記の原料を混合して本発明のアゾメ
チン化合物を含有する均一な溶液のインクを得た。化合
物の溶解性は良好であり、インク化適性も良好であっ
た。
【0111】 本発明化合物D−1 0.72g ポリビニルアセトアセタール樹脂(KY−24、電機化学工業製) 1.08g メチルエチルケトン 26.4ml トルエン 1.6ml 〔感熱転写記録材料の作製〕上記インクを、厚さ4.5
μmのポリエチレンテレフタレートベース上にワイヤー
バーを用いて、乾燥後の塗布量が2.3g/m2になる
ように塗布、乾燥し、ポリエチレンフタレートフィルム
上に感熱転写層を形成してなる感熱転写記録材料1を作
製した。なお、上記ポリエチレンテレフタレートベース
の裏面には、スティキング防止層として、シリコン変性
ウレタン樹脂(SP−2105、大日精化製)を含むニ
トロセルロース層が設けられている。
【0112】上記と同様にして表1に示す化合物を用い
た、感熱転写記録材料2〜10を作製した。なお感熱転
写記録材料9、10は比較である。
【0113】〔受像材料の作製〕紙の両面にポリエチレ
ンをラミネートをラミネートした支持体(片側のポリエ
チレン層に白色顔料(TiO2)と青味剤を含む)の上
に、下記組成の塗布液を乾燥後の塗布量が7.2gにな
るように塗布乾燥し、受像材料1を作製した。
【0114】 金属イオン含有化合物M−14 4.0g ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学工業製) 6.0g ポリエステル変成シリコン 0.3g 〔感熱転写記録〕前記感熱転写記録材料1〜10と受像
材料1とを重ね、感熱ヘッドを感熱転写記録材料の裏面
からあてて、サーマルプリンターで画像記録を行ない、
階調性の優れた画像1〜10を得た。
【0115】記録後、得られた画像の最大濃度、記録材
料の感度、画像保存性及び色再現性について、下記に従
って評価した。結果を表1に示す。
【0116】《最大濃度》濃度計X−rite310T
R(X−rite製)により、画像の最大反射濃度(通
常、印加時間が最大の部分)を測定した。
【0117】《感度》感熱転写記録材料9で形成される
画像の濃度が1.0となる時の印加エネルギーを1とし
た時の、各材料の相対的な印加エネルギーを求めた。数
字が小さいほど感度が高いことを示す。
【0118】《耐光性》得られた画像に対してキセノン
フェードメーターで5日間光照射を行い、耐光性を評価
した。光照射後の化合物残存率の結果を表1に示す。
尚、化合物残存率は光照射前の濃度をD0、光照射後の
濃度をDとしてD/D0×100で表す。
【0119】《色再現性》得られた画像の色調を目視で
評価した。10人のモニターによる目視評価により、下
記の3段階で評価を行った 鮮やかな色・・・○ くすんだ色・・・△ 汚い色・・・・・×
【0120】
【表1】
【0121】
【化18】
【0122】表1が示す通り、本発明のアゾメチン化合
物を用いた感熱転写記録材料によって、高濃度で画像保
存性および色再現性の良好な画像を得ることができる。
【0123】前記実施例1の受像材料の作製において、
更に受像材料1から金属イオン含有化合物を除いた以外
は、受像材料1と同じ組成の受像材料2を作製し、実施
例1で得られた画像と重ね合わせて、40℃で196P
aの加重を加えて48時間放置した後、引き剥がして該
受像材料2への色素の転移を目視で観察した。
【0124】その結果、画像10では色素の転移が認め
られたが、その他には色素転移は認められなかった。即
ち、本発明のアゾメチン化合物を用いた感熱転写記録材
料による感熱転写記録では、定着性に優れた画像が得ら
れることがわかる。
【0125】実施例2(カラートナー) 〔カラートナーの製造〕ポリエステル樹脂100部、着
色剤を下記に示す添加部数、ポリプロピレン3部とを、
混合、練肉、粉砕、分級し、平均粒径8.5μmの粉末
を得た。更にこの粉末100部と、シリカ微粒子(粒子
径12nm、疎水化度60)1.0部とをヘンシェルミ
キサーで混合し、カラートナーを得た。
【0126】 イエロー 本発明化合物D−1 4部 比較用Y顔料および染料 8部 マゼンタ 本発明化合物D−5、D−6及びD1 2部 比較用M顔料および染料 8部 シアン 本発明化合物D−7及びD2 2部 比較用C顔料および染料 3部 D1:本発明化合物D−16と金属イオン含有化合物M−14との混合物 D2:本発明化合物D−14と金属イオン含有化合物M−22との混合物 〔キャリアの製造〕スチレン/メチルメタクリレート=
6/4の共重合体微粒子40g、比重5.0、質量平均
径45μm、79kA/mの外部磁場を印加したときの
飽和磁化が250pWb/gのCu−Znフェライト粒
子1960gを高速撹拌型混合機に投入し、30℃で1
5分間混合した後、105℃に設定し、機械的衝撃力を
30分間繰り返し付与し、冷却し、キャリアを作製し
た。
【0127】〔現像剤の作製〕上記キャリア418.5
gと各トナー31.5gとを、V型混合機を用いて20
分間混合し、実写テスト用の現像剤を作製した。
【0128】〔実写評価〕実施例に於いては、画像形成
装置としてKonica 9028(コニカ製)を用い
て実写評価を行った。テストは本発明のカラートナーを
用いた現像剤によって、上記画像形成方法により紙およ
びOHP上に、それぞれ反射画像(紙上の画像)および
透過画像(OHP画像)を作製し、以下に示す方法で評
価した。評価結果を表2に示す。なお、トナー付着量は
0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。
【0129】《彩度》Macbeth Color−E
ye 7000を用いて、作製した紙上の画像の彩度を
測定し、比較した。
【0130】《耐光性》スガ試験機製「キセノンロング
ライフウェザーメーター」(キセノンアークランプ、7
0000ルックス、44.0℃)による7日間の曝露試
験を行った後、同じくMacbeth Color−E
ye 7000により試験前の画像との色差を測定し、
比較した。
【0131】《透明性》OHP画像の透明性については
下記方法にて評価した。日立製作所製「330型自記分
光光度計」によりトナーが担持されていないOHP用シ
ートを、リファレンスとして画像の可視分光透過率を測
定し、イエロー570nm、マゼンタ650nm、シア
ン500nmでの分光透過率を求め、OHP画像の透明
性の尺度とした。
【0132】《色相変化》Macbeth Color
−Eye 7000を用いて、作製した紙およびOHP
画像の色相差を測定し、比較した。
【0133】
【表2】
【0134】表2から明らかなように、本発明のカラー
トナーを用いることにより、忠実な色再現と高いOHP
品質を示すので、本発明のカラートナーはフルカラート
ナーとして使用するのに適している。更に耐光性が良好
なので長期にわたって保存ができる画像を提供すること
が可能である。
【0135】実施例3(有機EL素子) 厚さ100nmのITO透明電極(陽極)を有するガラ
ス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超
音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥し、
蒸着装置の基板ホルダーに固定して、133μPaまで
減圧した。
【0136】次いで、N,N′−ジフェニル−N,N′
−m−トリル−4,4′−ジアミノ−1,1′−ビフェ
ニル(TPD−1)を、蒸着速度0.2nm/secで
50nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
【0137】次いで、本発明化合物D−5を蒸着速度
0.2nm/secで50nmの厚さに蒸着し、発光層
とした。
【0138】次いで、減圧状態を保ったまま、電子注入
輸送層として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ムを、蒸着速度0.2nm/secで10nmの厚さに
蒸着した。更に減圧状態を保ったまま、MgAg(質量
比10:1)を蒸着速度0.2nm/secで200n
mの厚さに蒸着して陰極とし、有機EL素子を得た。
【0139】この有機EL素子に電圧を印加して電流を
流したところ、14V、190mA/cm2で2100
cd・m2の赤色の発光が確認され、この発光は乾燥窒
素雰囲気中で500時間以上安定していた。部分的非発
光部の出現および成長は全くなかった。輝度の半減期は
10mA/cm2の定電流駆動で100時間であった。
【0140】次いで、本発明化合物D−12と金属イオ
ン含有化合物M−15との混合物から、上記と同様にし
て有機EL素子を得た。
【0141】この有機EL素子に電圧を印加して電流を
流したところ、14V、185mA/cm2で2100
cd・m2の赤色の発光が確認され、この発光は乾燥窒
素雰囲気中で500時間以上安定していた。部分的非発
光部の出現および成長は全くなかった。輝度の半減期は
10mA/cm2の定電流駆動で100時間であった。
【0142】実施例4(インクジェット) 表3に記載の組成を有する各インク組成物を用いて、イ
ンクジェットプリンターMJ−5000C(セイコーエ
プソン製、電気−機械変換方式)によって、インクジェ
ット用専用紙スーパーファイン専用紙MJSP1(セイ
コーエプソン製)上に記録したサンプルを得た。このサ
ンプルを用いて、耐光性、色調の評価を行った結果を表
3に示す。尚、表3の各化合物量の単位はインクにおけ
る質量%である。
【0143】《耐光性》キセノンフェードメーターに
て、24時間***した後のサンプルの未***サンプルか
らの可視領域極大吸収波長における反射スペクトル濃度
の低下率で表す。
【0144】耐光性(%)=(***試料極大吸収波長濃
度/未***試料極大吸収波長濃度)×100 《色調》得られた画像の色調を目視で評価した。10人
のモニターによる目視評価により、下記の3段階で評価
を行った。
【0145】鮮やかな色・・・○ くすんだ色・・・△ 汚い色・・・・・×
【0146】
【表3】
【0147】溶媒1:ジエチレングリコール 溶媒2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル 比較1:C.I.Acid Red 52 比較2:C.I.Direct Red 20 界面活性剤1:Surfynol 465(Air P
roducts and Chenical Inc.
製) 尚、被記録媒体として、スーパーファイン専用紙MJS
P1の代わりに、専用光沢フィルムMJSP4(セイコ
ーエプソン製)を使用した場合にも、同様の良好な結果
が得られた。更に、本プリンターにおける連続吐出試験
においても問題なく使用でき、本発明のインクの電気−
機械変換方式に対する高い信頼性を確認した。
【0148】実施例5(インクジェット) 次に本発明化合物を含有するポリマー粒子の水分散体含
有インクジェット記録用水系インクを作製した。
【0149】ポリマーとして、ポリビニルブチラール
(積水化学製BL−S、平均重合度350)15g、本
発明化合物D−5、10g、及び酢酸エチル150gを
セパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換後、
撹拌して上記ポリマー及び本発明化合物を完全に溶解さ
せた。引き続き、更に分散剤として、ラウリル硫酸ナト
リウム6g、水溶性ポリマーMP−203(クラレ製)
2gを含む水溶液150gを滴下して撹拌した後、超音
波分散機(UH−150型、エスエムテー製)を用いて
300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除
去し、色素を含浸するポリマー粒子の水分散体を得た
(試料5−1)。
【0150】次に、本発明化合物D−5の代わりに表4
に記載の本発明化合物を用い、BL−Sに代えたポリマ
ーを用い、更にUH−150型に代えた分散機を用い
て、同様の操作により、表4に示すポリマー粒子の水分
散体を得た。
【0151】BL−S単独の代わりにポリカーボネート
樹脂(ユーピロンS−3000、三菱エンジニアリング
プラスチックス製)5gとBL−S、10gの混合物を
用いた以外は、同様の操作によりポリマー粒子の水分散
体を得た(試料5−5)。
【0152】BL−S単独の代わりに、PMMA樹脂
(デルペット560F、旭化成製)2gとBL−S、1
0gの混合物を用いた以外は、同様の操作によりポリマ
ー粒子の水分散体を得た(試料5−0)。
【0153】BL−Sの代わりに、PMMA樹脂(デル
ペット560F、旭化成製)15g用いた以外は、同様
の操作によりポリマー粒子の水分散体を得た(試料5−
3)。
【0154】超音波分散機(UH−150型、エスエム
テー製)の代わりに、高速撹拌型乳化分散機(TKロボ
ミックスAG−03型、特殊機化工業製)を用い、ステ
ーターとタービンを有する撹拌部を15000rpmで
20分撹拌し、乳化分散を行い、BL−S単独の代わり
にポリカーボネート樹脂(ユーピロンS−3000、三
菱エンジニアリングプラスチックス製)5gとBL−
S、10gの混合物を用いた以外は、同様の操作により
ポリマー粒子の水分散体を得た(試料5−2)。
【0155】超音波分散機(UH−150型、エスエム
テー製)の代わりに、高速撹拌型乳化分散機(LAB2
000、エスエムテー製)を用い、1500kg/cm
2で10パスの乳化分散を行い、BL−S単独の代わり
にポリビニルアルコール樹脂(MP−203、クラレ
製)3gとBL−S、12gの混合物を用いた以外、同
様の操作によりポリマー粒子の水分散体を得た(試料5
−4)。
【0156】比較試料は色素として、Solvent
Red8を用い、BL−Sの代わりにポリビニルアルコ
ール樹脂(MP−203、クラレ製)15gを用いた以
外、同様の操作によりポリマー粒子の水分散体を得た。
【0157】こうして得られたポリマー粒子の水分散体
を用い、以下の成分を混合し、得られた分散液を5ミク
ロンのフィルターによって濾過し、ごみ及び粗大粒子を
除去してインクジェット用インクを得た。
【0158】 ポリマー粒子の水分散体 80g ジエチレングリコール 10g グリセリン 9.8g アセチレノールEL(川研ファインケミカル製) 0.20g このインクを用い、市販のエプソン製インクジェットプ
リンター(型番PM−800)でコニカフォトジェット
ペーパーPhotolike QP光沢紙(コニカ製)
に印字し、印字サンプル5−0〜5−5を得た。得られ
た印字サンプルの耐光性と色調の評価結果を表4に示
す。耐光性と色調の評価は前記と同様である。
【0159】《印字濃度》前記エプソン製インクジェッ
トプリンター(型番PM−800)を用い、前記と同じ
コニカフォトジェットペーパーにベタ印字を行い、25
℃で24時間自然乾燥させた後、その光学濃度をマクベ
ス濃度計(品番RD918、マクベス製)で測定した。
【0160】
【表4】
【0161】以上示したように、本発明化合物を用いた
インクジェット用インクによって、耐光性、印字濃度及
び色調に優れた記録画像が得られる。
【0162】実施例6(光記録媒体) 直径5インチのグルーブつきポリカーボネート基板上
に、本発明化合物D−5を用いて記録層を塗布し、反射
層(Au、厚さ1000Å)、保護膜(紫外線硬化樹
脂、厚さ5μm)を定法に従って順次形成し、本発明化
合物を含む光記録媒体1を製造した。比較として、比較
化合物(C)を記録層に用いて同様に光記録媒体2を製
造した。反射率を測定したところ、光記録媒体1及び2
の両者とも70%以上を示した。これらの試料に633
nmの半導体レーザによりパワーを変化させて情報記録
し、0.8mWで再生を行った。また、キセノンフェー
ドメータを使用し、7万ルックス、30時間の光曝射を
行った後に、同様の記録再生実験を行った。表5にその
結果を示す。
【0163】次に、光記録媒体1の本発明化合物D−5
の代わりに、本発明化合物D−7と金属イオン含有化合
物M−12との混合物を塗布液に添加して調製した他
は、同様にして光記録媒体3を製造した。この試料に7
80nmの半導体レーザによりパワーを変化させて情報
記録し、0.8mWで再生を行った。この試料に同様の
記録再生実験を行った。結果を表5に併せて示す。
【0164】
【化19】
【0165】
【表5】
【0166】表5の結果から明らかなように、光記録媒
体1はDVD規格を、光記録媒体3はCD規格を満足す
る良好な記録・再生を行うことができたほか、特に耐光
性に優れた安定した記録・再生特性を有することが明ら
かとなった。
【0167】また表5に記載した本発明化合物の代わり
に、他の本発明化合物D−3、D−9、D−18を用い
た場合でも同様の結果を得た。
【0168】一方、比較の光記録媒体2はレーザの再生
光で反射率が低下し、再生不良を起こした他、キセノン
フェードメータによる光曝射でも記録できなくなる現象
がみられた。
【0169】実施例7(カラーフィルター) RGBカラーフィルターを得る為に、下記の方法により
ガラス板上に赤色(R)モザイク状パタ−ン、緑色
(G)モザイク状パタ−ン及び青色(B)モザイク状パ
ターンを形成させた。下記に示した成分を使用して、赤
色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーフィルタ
ー用感光性コーティング剤を調製した。使用した感光性
ポリイミド樹脂ワニスは、光増感剤を含む感光性ポリイ
ミド樹脂ワニスである。
【0170】 〈カラーフィルター用感光性コーティング剤成分〉 R−1: D−a(本発明の化合物D−11) 10部 感光性ポリイミド樹脂ワニス 50部 N−メチル−2−ピロリドン 40部 G−1: D−b(本発明の化合物D−5) 10部 感光性ポリイミド樹脂ワニス 50部 N−メチル−2−ピロリドン 40部 B−1: D−c(本発明化合物D−2と金属イオン含有化合物M−3の混合物) 10部 感光性ポリイミド樹脂ワニス 50部 N−メチル−2−ピロリドン 40部 シランカップリング剤処理を行ったガラス板をスピンコ
ーターにセットし、上記のR−1の赤色のカラーフィル
ター用感光性コーティング剤を、最初300rpmで5
秒間、次いで2000rpmで5秒間の条件でスピンコ
ートした。次いで80℃で15分間プリベークを行い、
モザイク状のパターンを有するフォトマスクを密着さ
せ、超高圧水銀灯を用い900mJ/cm2の光量で露
光を行った。
【0171】次いで専用現像液及び専用リンスで現像及
び洗浄を行い、ガラス板上に赤色のモザイク状パタ−ン
を形成させた。引き続いて緑色モザイク状パタ−ン及び
青色のモザイク状パタ−ンを、上記のG−1の緑色及び
B−1の青色のカラーフィルター用感光性コーティング
剤を用いて上記の方法に準じて塗布及び焼き付けを行
い、次いで常法に従いブラックマトリックスを形成さ
せ、RGBカラーフィルターを得た。上記で得られたカ
ラーフィルターは優れた分光カーブ特性を有し、耐光性
及び耐熱性等の堅牢性に優れ、又、光の透過性にも優れ
た性質を有し、液晶カラーディスプレイ用カラーフィル
ターとして優れた性質を有していた。また上記D−a、
D−b、D−cの組み合わせの代わりに、他の組み合わ
せD−d(本発明化合物D−15と金属イオン含有化合
物M−14)、D−e(本発明化合物D−19と金属イ
オン含有化合物M−29との混合物)、D−f(本発明
化合物D−1)を用いた場合でも同様の結果を得た。
【0172】
【発明の効果】色再現性上好ましい色相を有し、最適な
分子吸光特性を有し、耐光性が良好であり、モル吸光係
数が大きく、画像の最大濃度が良好な新規なアゾメチン
化合物及び該アゾメチン化合物と金属イオン含有化合物
との混合物、並びにそれらを含有する感熱転写記録材料
及びカラートナーを提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 401/14 C07D 487/04 139 4C063 403/14 C09B 67/20 F 417/14 G02B 5/20 101 487/04 139 B41M 5/26 101K C09B 67/20 G03G 9/08 361 G02B 5/20 101 B41M 5/26 Y G03G 9/09 C07D 239/54 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA21 CA21 2H048 BA43 BA45 BA47 BA48 BA57 BA62 BA64 2H086 BA55 2H111 AA27 BA38 CA03 CA31 EA03 EA22 FB42 4C050 AA01 BB06 CC05 EE04 FF05 GG04 HH04 4C063 AA05 BB02 BB09 CC22 CC25 CC62 DD10 DD12 DD22 EE10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるアゾメチン
    化合物。 【化1】 (式中、A1及びA2は芳香族炭化水素環又は芳香族複素
    環基を表し、且つ少なくとも一方は芳香族複素環基を表
    す。Q1及びQ2は各々一般式(1)で表されるアゾメチ
    ン化合物が可視域及び/または近赤外域に吸収を持つた
    めに必要な原子群を表す。L1及びL2は各々連結基を表
    す。)
  2. 【請求項2】 A1又はA2で表される芳香族複素環基が
    下記一般式(2)〜(15)で表されることを特徴とす
    る請求項1に記載のアゾメチン化合物。 【化2】 (式中、R1は各々水素原子、又は1価の置換基を表
    す。mは1〜3、nは1〜2の整数を表す。m又はnが
    それぞれ2以上の時、複数あるR1はそれぞれ同じでも
    異なっていてもよく、また環を形成してもよい。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表されるアゾメチン化合
    物が、下記一般式(16)で表されることを特徴とする
    請求項1に記載のアゾメチン化合物。 【化3】 (式中、Z1及びZ2は各々5又は6員環を形成するため
    に必要な原子群を表し、該5又は6員環は更に縮環され
    ていてもよい。A1及びA2は芳香族炭化水素環又は芳香
    族複素環基を表し、且つ少なくとも一方は芳香族複素環
    基を表す。L1及びL2は各々連結基を表す。)
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のアゾメチ
    ン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする
    感熱転写記録材料。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3に記載のアゾメチ
    ン化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合物との
    混合物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3に記載のアゾメチ
    ン化合物または請求項5に記載の混合物の少なくとも一
    種を含有することを特徴とするカラートナー。
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