JP2003072046A - 印刷装置、印刷装置制御プログラムおよび印刷装置制御方法 - Google Patents

印刷装置、印刷装置制御プログラムおよび印刷装置制御方法

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JP2003072046A
JP2003072046A JP2001261745A JP2001261745A JP2003072046A JP 2003072046 A JP2003072046 A JP 2003072046A JP 2001261745 A JP2001261745 A JP 2001261745A JP 2001261745 A JP2001261745 A JP 2001261745A JP 2003072046 A JP2003072046 A JP 2003072046A
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dots
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JP2001261745A
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English (en)
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Kazunari Tagyo
一成 田行
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調整画素の配分によって高精度にドット形成
位置ずれを補償するためには機体固有のずれ量を精度良
く測定する必要がある。 【解決手段】 画像画素値データの少なくとも一方の側
に調整画素値データを配置して主走査方向のドット形成
位置を調整可能な状況において、特定数の調整画素を含
む基準ラスタデータと当該特定数に諸定数増減した数の
調整画素を含む比較ラスタデータとによって色パッチや
直線状のテストパターンを形成する。このテストパター
ンにおいては、主走査方向のドット形成位置を基準に対
して徐々にずらして複数のパターンを形成させ、また、
2色のドットでパッチを形成したり、n×n画素の単位
でドットを配置するなどしてずれ量を明確に把握可能な
テストパターンを印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置、印刷装
置制御プログラムおよび印刷装置制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷装置において、ドットの形成位置の
ずれを補償する技術として特開2000−318145
号公報に開示された技術が知られている。同公報には、
インクを吐出する複数のノズルを備えるヘッドにて主走
査を行うにあたり、画像を構成する画像画素の存在を意
味する画像画素値データに、ドットを形成しない調整画
素の存在を意味する調整画素値データを付加し、同調整
画素数を増減して各ノズルのドットの形成位置のずれ量
を補償する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
おいては、印刷装置に予めその機体固有のずれ量を記憶
させ、プリンタドライバにてそのずれ量に応じた調整画
素を配分して印刷を行っている。すなわち、高精度でず
れ量を補償するためには機体固有のずれ量を精度良く測
定する必要がある。ずれ量の測定には予め所定のずれ量
を与えた複数のテストパターンを印刷し、最も良好に印
刷されたパターンを選択することによってずれ量を把握
する手法があるが、近年の印刷装置のように極微小なド
ットを形成可能なものにおいては最も良好なパターンが
どれであるのかを把握することが難しかった。本発明
は、上記課題にかんがみてなされたもので、極微小なド
ットを形成可能な印刷装置において画素単位の極微小な
ずれを明確に把握することがパターンを印刷させること
が可能な印刷装置、印刷装置制御プログラムおよび印刷
装置制御方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、インクを吐出する複数の
ノズルを備えるヘッドと、上記ヘッドを印刷媒体に対し
て所定の方向に相対的に往復動させる主走査を行う主走
査部と、上記往復の行路のうちの少なくとも一方におい
て印刷データに応じて上記ヘッドを駆動して上記主走査
の方向に配列された複数の画素の少なくとも一部の上に
ドットを形成させるヘッド駆動部と、上記ヘッドに対し
て上記主走査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体
を相対的に送る副走査を行う副走査部と、印刷の制御を
行う制御部とを備え、上記印刷データは、各主走査の各
ノズルがドットを形成する際に画像を構成する画像画素
におけるドットの形成状態を表す画像画素値データと、
上記画像画素の主走査方向の位置を調整するために用い
られるドットを形成しない調整画素の存在を表す調整画
素値データとを有するラスタデータを含んでおり、上記
制御部は、上記ラスタデータであって特定数の調整画素
を含み上記ヘッドの往復動の一方にてドットを形成させ
る基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減した数の
調整画素を含み上記ヘッドの往復動の他方にてドットを
形成させる比較ラスタデータとによって特定の印刷領域
内で上記比較ラスタデータ中の調整画素数を一定にしつ
つ単色の色パッチを形成させるとともに上記調整画素数
と色とのいずれかまたは双方が異なる色パッチを複数の
印刷領域に形成させるための印刷データに基づいて上記
主走査部と副走査部とヘッド駆動部とを制御して印刷を
実行する構成としてある。
【0005】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、印刷装置にヘッドと主走査部とヘッド駆
動部と副走査部と制御部とを備えている。そして、制御
部は主走査部にてインクを吐出する複数のノズルを備え
るヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往復
動させつつ、副走査部にて上記ヘッドに対して上記主走
査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体を相対的に
送り、印刷データに応じて上記往復の行路のうちの少な
くとも一方においてヘッド駆動部を駆動し、上記主走査
の方向に配列された複数の画素の少なくとも一部の上に
ドットを形成させる。すなわち、かかる印刷装置におい
てテストパターン印刷用の印刷データにてテストパター
ンを印刷させる。
【0006】このテストパターンを印刷させるための印
刷データは、各主走査の各ノズルがドットを形成する際
に画像を構成する画像画素におけるドットの形成状態を
表す画像画素値データと、上記画像画素の主走査方向の
位置を調整するために用いられるドットを形成しない調
整画素の存在を表す調整画素値データとを有するラスタ
データを含んでいる。また、このラスタデータには基準
ラスタデータと比較ラスタデータとが存在し、基準ラス
タデータは特定数の調整画素を含み上記ヘッドの往復動
の一方にてドットを形成させるラスタデータであり、比
較ラスタデータは当該特定数に所定数増減した数の調整
画素を含み上記ヘッドの往復動の他方にてドットを形成
させるラスタデータである。さらに、印刷データは、特
定の印刷領域内で上記比較ラスタデータ中の調整画素数
を一定にしつつ単色の色パッチを形成させるとともに上
記調整画素数と色とのいずれかまたは双方が異なる色パ
ッチを複数の印刷領域に形成させるためのデータであ
る。従って、制御部がこの印刷データに基づいて印刷を
実行すると、同一色パッチ内では往復動によるずらし量
が一定であり、異なる色パッチ相互ではずらし量が変化
した複数の色パッチからなるテストパターンが印刷され
る。
【0007】すなわち、このテストパターンにおいて比
較ラスタデータは基準ラスタデータと比較して調整画素
数が所定数増減されているので、比較ラスタデータに基
づく画像画素の主走査方向の位置は基準ラスタデータに
基づく画像画素に対して画素単位で所定数ずれたように
して印刷される。また、このテストパターンにおいては
特定の印刷領域に単色の色パッチが複数個印刷され、し
かもこの特定の印刷領域内で比較ラスタデータ中の調整
画素数は一定である。従って、異なる印刷領域に印刷さ
れる色パッチにおいて異なる調整画素数の比較ラスタデ
ータで印刷すれば、各色パッチで調整画素数は一定であ
るが異なる色パッチ相互では調整画素数が異なるような
テストパターンとすることができる。これら複数の色パ
ッチを視認して相互に比較することにより、調整画素数
を変化させたときに色パッチの見え方がどのように変化
するかを把握することができる。最良の見え方の色パッ
チは最もドット形成位置ずれが少ないパッチであるか
ら、この色パッチを印刷させる比較ラスタデータの調整
画素数からずれ量を把握することができる。また色が異
なる色パッチを印刷させることによって、各色毎のドッ
ト形成位置ずれ量を把握することができる。
【0008】ドット形成位置ずれが発生しているときに
色パッチは人間の目にざらつきを感じさせる。すなわ
ち、ドット形成位置ずれが生じているとインクが印刷媒
体上で適正な位置に付着せず、ドット形成位置が偏る。
このようにドット形成位置が偏ると、印刷媒体の色(通
常は白)とインクの色とが別々に認識されるようにな
り、一様な色パッチとして把握されなくなる。むろん、
ドット形成位置ずれは通常は極微小な位置のずれである
ため、人間の目が的確に二色のパターンであると把握す
ることは少ないが、ドット形成位置がずれている程ざら
ついていると感じるようになる。
【0009】ここで、比較ラスタデータの調整画素はテ
ストパターンにおいて画素単位のずれが把握できるよう
に増減できれば良く、特定数に対して増減する所定数は
「0」も含む数である。印刷装置の出荷段階で大まかな
調整を行って、利用者がテストパターンを印刷するよう
な態様を想定すれば、増減する所定数としては「−10
〜10」(「0」を含む)整数で充分な場合が多い。
【0010】また、上記印刷装置のヘッドにはインクを
吐出するノズルが備えられていればよいが、印刷速度の
高速化の観点ではノズルを複数にして所謂ノズルアレイ
を構成し、一回の主走査にて複数列を印刷可能にすると
好ましい。また、複数列のノズルアレイを構成して複数
色のインクを吐出可能にすればカラー印刷を行うことが
可能である。むろん、多階調の印刷を実現するために同
色系統の濃淡インクをそれぞれ吐出可能なノズルを構成
することもできる。さらに、ノズルからはインクを吐出
させることができればよく、ノズル開口部と連通するイ
ンク室とインク室に向かって伸縮する圧電素子を構成す
るとともに所定の印加電圧にて圧電素子を伸縮させる構
成を採用可能である。ノズル開口部のメニスカスや吐出
量を細かく制御すると言う意味では当該圧電素子が好適
であるものの、他にも発熱体に電圧を供給し、インク室
内でバブルを発生させることによって開口部からインク
を吐出させる構成等種々の構成を採用可能である。
【0011】主走査においては上記ヘッドを印刷媒体に
対して主走査方向に往復動させることができればよく、
たとえば、主走査方向に平行に支持されたガイド軸に対
してヘッドを備えたキャリッジを摺動可能に構成し、主
走査方向に平行に掛架されたベルトの一部をキャリッジ
に取り付けるとともにベルトをモータ駆動する構成等が
採用可能である。むろん、かかる構成は一例であり、キ
ャリッジの安定化のためにガイド軸と平行に他の軸体を
設けてキャリッジの往復動を補助することや、軸体の他
に主走査方向に配設された他の部材、たとえばラック部
材に対してピニオンを備えたキャリッジを往復動可能に
取り付ける構成等が採用可能である。
【0012】印刷データは上記基準ラスタデータと比較
ラスタデータとを含み、本発明にかかる印刷装置にて印
刷を実行させるデータであれば良く、種々のインタフェ
ースを介して出力可能である。例えば、パーソナルコン
ピュータにてドライバを起動し、当該ドライバの制御に
よって印刷を実行する場合は、SCSI,パラレル,U
SB,IEEE1394準拠等のインタフェースにて印
刷データを出力するよう構成可能である。テストパター
ンの印刷が、印刷装置自体のプログラム実行環境にて実
行される場合には、内部バス等を介してヘッド駆動等を
制御するための印刷データを出力すること等も可能であ
る。
【0013】また、印刷データによってテストパターン
が印刷されるようにヘッドが駆動されれば良く、種々の
態様の印刷データを採用することができる。例えば、パ
ーソナルコンピュータによって印刷データを生成する場
合にはドットマトリクス状の画素のRGB各色に関する
階調値データを印刷装置で使用するインクであるCMY
各色の階調値データに変換し、階調値をドットの大小あ
るいは記録密度に変換するハーフトーン処理を施し、さ
らに主走査ラインごとのラスタデータに分けて印刷デー
タを生成するとよい。かかる場合にはパーソナルコンピ
ュータにてハーフトーン処理を行ったデータを画像画素
値データとし、これに調整画素値データを付加する処理
を行えばラスタデータを生成可能であるので、基準ラス
タデータにおいては調整画素数を特定数とし、比較ラス
タデータにおいては調整画素数を増減させれば本発明に
かかる印刷データを生成することができる。
【0014】テストパターンによって測定された画素の
ずらし量は、予め印刷装置の所定記憶領域に記憶してお
き、パーソナルコンピュータにて取得しても良いし、パ
ーソナルコンピュータにプリンタドライバをインストー
ルするときに当該パーソナルコンピュータの所定記憶領
域に記憶しておくなど種々の構成が採用可能である。こ
の結果、正確な画素ずらし量が判明し、任意の画像デー
タに基づく印刷実行時にこの画素ずらし量に基づいて画
像画素値データの前後に適切な数の調整画素を配分させ
ることができ、精度良くドット形成位置を補償可能にな
る。
【0015】このように色パッチに生じるざらつきでド
ットの形成位置ずれを把握させるテストパターンにおい
て、好適な構成例として請求項2にかかる発明では、上
記印刷データは、ドット形成位置のずれを際だたせるた
めの画像画素であって上記色パッチと異なる色の画像画
素であって当該色パッチの印刷領域内にヘッドの往復動
の一方にてドットを形成させる異色ラスタデータを含む
構成としてある。
【0016】すなわち、基準ラスタデータと比較ラスタ
データとにて共通の色のパターンを印刷させる状態にお
いて、さらに他の色を混ぜて色パッチを形成する。ま
た、当該他の色はヘッドの往復動の一方にて形成される
ため、当該他の色単独で双方向印刷によるドット形成位
置ずれは発生しない。従って、上記基準ラスタデータお
よび比較ラスタデータの色と上記他の色との相対的な関
係においてのみドット形成位置ずれによるパターンの見
え方が異なってくる。
【0017】印刷媒体の色は通常白であり、上記基準ラ
スタデータおよび比較ラスタデータの色が単色であると
ドット形成位置ずれの変化による色パッチの見え方の変
化が微妙となる場合もあるが、上記他の色が混ぜてあれ
ばドット形成位置によって色の変化がより明確に認識さ
れ、どの色パッチが最良であるのかを把握しやすくな
る。ここで、上記他の色による異色ラスタデータは上記
基準ラスタデータと同様に、色パッチ間でドット形成位
置を相対的に移動させることなく印刷するのが好まし
い。すなわち、主走査方向の形成位置を変化させるのは
比較ラスタデータに基づくドットであることから、この
異色ラスタデータに基づくドットを移動させなければ、
比較ラスタデータによるドットの形成位置変化に基づく
色の変化が視認し易くなる。
【0018】この異色ラスタデータの色は特に限定され
ないが、上記基準ラスタデータと比較ラスタデータとの
色に対して略逆相にすればドット形成位置変化による色
の変化がより際だって好ましい。また、異色ラスタデー
タとして一色のみならず多色にしても良い。例えば、基
準ラスタデータと比較ラスタデータとの色に二色加えて
適正なドット形成位置にてグレーになるように構成すれ
ば、ドット形成位置のずれによってグレーに色味がある
ように見えてくる。
【0019】さらに、ドット形成位置ずれを明確にする
上で特に好適なテストパターンを提供するための構成例
として請求項3にかかる発明では、上記印刷データは、
基準ラスタデータに基づくドットと比較ラスタデータに
基づくドットをn×n画素の領域に形成させるとともに
二次元の印刷媒体上に基準ラスタデータによるn×n画
素の領域と比較ラスタデータによるn×n画素の領域と
が交互に並ぶように印刷を実行させるデータである構成
としてある。
【0020】すなわち、n×n画素(nは自然数)の単
位領域に基準ラスタデータあるいは比較ラスタデータに
よるドットを形成すると、当該単位領域内のドットを形
成する際のヘッド移動方向は共通である。従って、単位
領域内の形成ドットに相対的なドット形成位置ずれは生
じておらず、ドット形成位置ずれのヘッド移動方向依存
性は単位領域毎の位置ずれとなって現れる。ここで、上
記単位領域が交互に並ぶように印刷させると言っても、
上述のように比較ラスタデータの調整画素は基準ラスタ
データの特定調整画素数に対して適宜増減させた数であ
るから、単位領域の境界が接していることが要求される
わけではなく、単位領域同士で重複したり境界が離間し
たりすることもあり得る。
【0021】従って、ヘッド往復動の双方でドット形成
位置ずれが生じている場合には単位領域の形成位置にず
れが生じる。また、単位領域に複数のドットを形成する
ことによって極微小なドットを形成する近年の印刷装置
において、極微小なドットの形成位置ずれを認識するの
ではなく、より大きな単位領域でドット形成位置ずれを
把握することができるので、非常に明確に良好なテスト
パターンを特定することができ、この結果ずれ量を正確
に把握することができる。
【0022】ドット形成位置ずれを領域毎の位置ずれと
して把握するという意味では、領域内のドットは上記n
×n画素に限られない。その具体例として、請求項4に
かかる発明では、上記印刷データは、基準ラスタデータ
に基づくドットと比較ラスタデータに基づくドットをn
×m画素の領域に形成させるとともに二次元の印刷媒体
上に基準ラスタデータによるn×m画素の領域と比較ラ
スタデータによるn×m画素の領域とが交互に並ぶよう
に印刷を実行させるデータである構成としてある。この
ように、n×m画素の領域毎に基準ラスタデータに基づ
くドットと比較ラスタデータに基づくドットとを形成し
それらが交互に並ぶようにすれば、ドット形成位置ずれ
を領域毎の位置ずれとして把握することができ、非常に
明確に良好なテストパターンを特定することができると
ともに、ずれ量を正確に把握することができる。
【0023】また、請求項5にかかる発明では、上記印
刷データは、基準ラスタデータによる画素を形成する不
規則形状の領域と比較ラスタデータによる画素を形成す
る不規則形状の領域とを二次元の印刷媒体上に全体とし
て略均等頻度で配置するように印刷を実行させるデータ
である構成としてある。すなわち、領域毎のずれを把握
させるためには、上述のようにn×n画素やn×m画素
の領域が規則的に並ぶようにすることが必須ではなく、
不規則形状であっても良い。また、各領域は全体として
略均等頻度であることから、色パッチを視認したときに
ドット形成位置ずれは明確に把握される。ここで、ドッ
ト形成位置ずれによる見え方の差異を際だたせるために
は、各領域の印刷頻度が均等であることが好ましいが、
むろん、この頻度は厳密に均等である必要はなく、ずれ
が把握するできる程度に略均等頻度であればよい。
【0024】ドット形成位置ずれを明確に把握するため
のテストパターンとしては上述のような色パッチには限
られない。他のテストパターンを印刷させるための構成
例として請求項6にかかる発明では、インクを吐出する
複数のノズルを備えるヘッドと、上記ヘッドを印刷媒体
に対して所定の方向に相対的に往復動させる主走査を行
う主走査部と、上記往復の行路のうちの少なくとも一方
において印刷データに応じて上記ヘッドを駆動して上記
主走査の方向に配列された複数の画素の少なくとも一部
の上にドットを形成させるヘッド駆動部と、上記ヘッド
に対して上記主走査の方向と交わる副走査方向に上記印
刷媒体を相対的に送る副走査を行う副走査部と、印刷の
制御を行う制御部とを備え、上記印刷データは、各主走
査の各ノズルがドットを形成する際に画像を構成する画
像画素におけるドットの形成状態を表す画像画素値デー
タと、上記画像画素の主走査方向の位置を調整するため
に用いられるドットを形成しない調整画素の存在を表す
調整画素値データとを有するラスタデータを含んでお
り、上記制御部は、上記ラスタデータであって特定数の
調整画素を含み複数のドットを副走査方向に直線状に形
成させるような基準ラスタデータと当該特定数に所定数
増減した数の調整画素を含み複数のドットを副走査方向
に直線状に形成させるような比較ラスタデータとによっ
て両ラスタデータによるドットの直線端部を近接させる
ような複数のテストパターンを形成させ、これら複数の
テストパターン相互において比較ラスタデータによる直
線と基準ラスタデータによる直線との相対的な位置関係
が主走査方向にずれているようにテストパターンを形成
させる印刷データに基づいて上記主走査部と副走査部と
ヘッド駆動部とを制御して印刷を実行する構成としてあ
る。
【0025】すなわち、副走査方向に延びる直線状のパ
ターンを印刷することによって主走査方向へのドット形
成位置ずれを把握可能にする。副走査方向に延びる直線
において主走査方向にドット形成位置ずれが発生してい
ると、直線が主走査方向にずれて見えるのでかかるテス
トパターンにおいてもずれを明確に把握することができ
る。人間の目は、直線が曲がっていたり、折れていた
り、途中に段差があるなどの場合、これらの変化を比較
的敏感に認識することができる。従って、基準ラスタデ
ータと比較ラスタデータとのそれぞれにおいて直線状の
パターンを形成させ、両者が端部で連結あるいは重複す
るようなパターンとし、両直線の主走査方向の相対位置
関係を変化させれば、いずれのパターンが最も良好な直
線になっているかを容易に把握することができる。
【0026】この良好な直線における比較ラスタデータ
の調整画素数からドット形成位置ずれ量を正確に把握す
ることができる。ここにおいて、比較ラスタデータの調
整画素数は、基準ラスタデータと比較ラスタデータとの
それぞれによって形成される直線状のパターンが主走査
方向に相対的にずれるように決定すればよい。また、比
較ラスタデータによるドット形成位置は基準ラスタデー
タによるドット形成位置の直近であればずれが直接的に
把握しやすくて好適であるが、必ずしも直近にドットを
形成する必要はなく、ドット形成位置が離間していても
間接的にずれが把握できれば良い。さらに、色毎に上記
基準ラスタデータと比較ラスタデータとを生成すれば、
色間のずれを把握可能なテストパターンを印刷させるこ
とができる。
【0027】ドット形成位置ずれはヘッドの主走査方向
への往復動と密接に関連しており、ヘッドを主走査方向
へ往復動させながら印刷を実行する印刷装置においては
ドット形成位置ずれの方向は逆転する。従って、単方向
印刷と比較して双方向印刷におけるドット形成位置ずれ
は相対的に大きくなり、双方向印刷においては画質向上
のために正確にドット形成位置ずれを補償することが重
要である。そこで、請求項7にかかる発明では、上記ヘ
ッドは往復動の双方でインクを吐出可能であり、上記基
準ラスタデータはヘッドの往復動の一方にてドットを形
成し、比較ラスタデータはヘッドの往復動の他方にてド
ットを形成させるデータである構成としてある。
【0028】すなわち、ヘッドの往復動の一方にて形成
されるドットを基準として他方にて形成されるドットを
比較対象とするテストパターンを印刷することができ
る。この結果、双方向印刷において正確にドット形成位
置ずれを把握することができ、双方向印刷時のドット形
成位置ずれを確実に補償して印刷画質を向上することが
できる。
【0029】また、請求項8にかかる発明では、上記ラ
スタデータは上記印刷装置で使用可能な色毎に生成さ
れ、上記基準ラスタデータは特定の基準色にてドットを
形成させ、比較ラスタデータは他の色にてドットを形成
させるデータである構成としてある。すなわち、複数の
色で印刷を実行可能な印刷装置において、異なる色は異
なるインク供給経路を介して供給される。例えば、イン
ク滴を吐出するようなインクジェットプリンタにおい
て、ヘッドは複数のノズルが副走査方向と主走査方向に
並設されたノズルアレイを有しており、通常副走査方向
に並設される複数のノズルから共通色のインクが吐出さ
れる。
【0030】すなわち、異なる色は異なるノズルから吐
出され、異色インク間での主走査方向のドット形成位置
ずれは印刷後の画質に大きな影響を与える。そこで、特
定の色を印刷するように基準ラスタデータを生成し、他
の色にて比較ラスタデータを生成すれば、テストパター
ンにて各色間のドット形成位置を把握することができる
と共に、基準色に対して他の色によるドット形成位置を
正確に補償することができる。基準色と他の色との選択
手法は特に限定されないが、使用頻度が高い色を基準に
すると好適である。むろん上述のように双方向印刷のテ
ストパターンと組み合わせて色毎に双方向印刷時のドッ
ト形成位置ずれを把握するためのパターンを印刷し、各
色,双方向のドット形成位置ずれを補償可能に構成する
こともできる。
【0031】さらに、比較ラスタデータを生成する際の
具体的な色の選択手法として請求項9にかかる発明で
は、上記比較ラスタデータは、印刷装置で使用可能な色
の中で視認性の良好なドットを形成するデータである構
成としてある。すなわち、視認性の悪い色においては主
走査方向のドット形成位置ずれが人間の目に明確に認識
されないので、かかる色についてはドット形成位置ずれ
を補償しなくても良好な画質を十分に確保することがで
きる場合がある。そこで、印刷装置で使用可能な色の中
で視認性の良好なドットでテストパターンを印刷すれ
ば、視認性の悪い色についての処理を省くことによって
処理速度が向上するし、テストパターン印刷のためのイ
ンク消費量を抑えることができる。
【0032】ところで、印刷装置によっては同一ノズル
からのインク滴の吐出重量を変更することができる。か
かる印刷装置にてテストパターンを印刷させる際に好適
な構成の一例として請求項10にかかる発明では、上記
印刷装置は上記ノズルから異なる重量のインク滴を吐出
させることが可能であり、上記印刷データは当該ノズル
から最大重量のインク滴を吐出させるようにして印刷を
実行させるデータである構成としてある。
【0033】また、請求項11にかかる発明は、ノズル
からインクを吐出させてドットを形成させる画像画素を
示す画像画素値データと、ドットを形成させない調整画
素の存在を表す調整画素値データとを有するラスタデー
タであって、特定数の調整画素を含む基準ラスタデータ
と当該特定数に所定数増減した数の調整画素を含む比較
ラスタデータとに基づいて印刷を実行させる印刷データ
により、基準ラスタデータによるドットと比較ラスタデ
ータによるドットとの形成位置を主走査方向にずらしな
がら所定のテストパターンを印刷可能な印刷装置であっ
て、上記ノズルは各画素のドット形成に当たり異なる重
量のインク滴を吐出させることが可能であり、上記印刷
データはラスタデータの画像画素値データにて上記ノズ
ルから最大重量のインク滴を吐出させるようにしてテス
トパターンを印刷させる構成としてある。
【0034】すなわち、印刷装置にて異なる重量のイン
ク滴を吐出するあたり、吐出インク滴の重量が大きいほ
ど印刷媒体上の形成ドットは大きくなる。形成ドットが
大きくなるとそれより小さなドットと比較して相対的に
視認性が良くなるので、印刷装置にて形成可能な最大ド
ットにてテストパターンを印刷させることによって、視
認性の高いテストパターンとすることができる。むろ
ん、ここで言うラスタデータには上述の基準ラスタデー
タと比較ラスタデータと異色ラスタデータとを含む。
【0035】ここで、最大重量のインク滴と言っても多
数のノズルからのインク滴を比較すると厳密には重量が
異なるものであり、このような厳密な重量の差異を考慮
した上で最大重量としているのではない。すなわち、印
刷装置において異なる重量のインク滴になるように制御
可能な場合に、最大重量になるように制御してテストパ
ターンを印刷することができればよい。例えば、印刷装
置において大中小3種のインク滴を吐出可能な場合はこ
のうちの大インク滴でテストパターンを形成すれば良
く、大インクの中で厳密に最大重量となるもののみでテ
ストパターンを形成する必要はない。
【0036】さらに、印刷装置によっては同一ノズルか
らのインク滴の吐出重量を変更することができる場合の
テストパターン印刷のための構成例として請求項12に
かかる発明では、上記印刷装置は上記ノズルから異なる
重量のインク滴を吐出させることが可能であり、上記印
刷データは所定重量のインク滴を吐出させるようにして
印刷を実行させるデータであるとともに印刷装置で実現
可能な総ての重量のそれぞれについて印刷を実行させる
データである構成としてある。
【0037】すなわち、異なる重量のインク滴のそれぞ
れについてテストパターンを印刷するように構成してあ
るので、いずれの重量に関してもずれ量を的確に把握す
ることができる。インク滴の重量が異なるとインク滴の
飛翔速度が異なり、同じタイミングでインク滴を吐出し
てもそれぞれのドット形成位置が異なる。また、上述の
従来例のように調整画素数の変更によって主走査方向の
ドット形成位置を変更する構成においては、画像画素値
データをラスタ単位で主走査方向に移動させるため、異
なる重量の総てのドットについて同時にドット形成位置
を変更することは容易であるものの、それぞれについて
別個にドット形成位置を変更することは困難である。そ
こで、異なる重量のインク滴のそれぞれによってテスト
パターンを印刷すればそれぞれのずれ量を正確に把握す
ることが可能になり、いずれのインク滴を基準にしてず
れ補償を行うことも可能になる。
【0038】上述のようなテストパターンによって正確
にドット形成位置ずれ量を検出した後には、そのドット
形成位置ずれを補償するようにして印刷を行う。このた
めに好適な構成の一例として請求項13にかかる発明に
おいては、所定の操作入力手段によって上記主走査方向
へのずらし量をインクの色毎に受け付ける増減量受付手
段を具備し、上記印刷データは上記基準ラスタデータに
よるドットに対して主走査方向に一画素ずつずらすよう
にしてドットを形成させる複数の比較ラスタデータにて
テストパターンを印刷させるとともに当該比較ラスタデ
ータでの主走査方向へのずらし量を認識可能にしながら
上記テストパターンを複数の印刷領域に印刷させるデー
タであり、上記制御部は上記増減量受付手段にて受け付
けられた増減量にて調整画素数を増減して該当するイン
ク色のラスタデータにて印刷を実行可能である構成とし
てある。
【0039】すなわち、印刷装置においては画素ずれ量
に基づいて調整画素数を適宜設定して一般画像の印刷を
行う機能を有している。この機能を実現するため、増減
量受付手段はテストパターンによって把握されたずれ量
を受け付ける。ずれ量の受け付け後は、一般画像の印刷
に当たり当該ずれ量に基づいて調整画素数が調整された
ラスタデータによって正確なずれ補償を行いつつ印刷を
実行可能になる。また、本発明では主走査方向へのずら
し量を認識可能に複数の印刷領域にテストパターンを印
刷させる。増減量を認識させるための構成は種々の構成
が採用可能であり、主走査方向へのずらし量を「+1」
などのようにテストパターンに並記しても良いし、予め
決まった数のテストパターンを印刷するように構成し、
右あるいは上から順番に増減量が「+5,+4,,,,
0,,,,−4,−5」となるようにするなど種々の態
様が採用可能である。
【0040】一般画像の印刷に当たり調整画素数を増減
する手法もテストパターンによって様々であり、例え
ば、単方向印刷において直線状の基準単色パターンを印
刷し、その下に第2の色、さらにその下に第3の色で直
線状の単色パターンを印刷させるような場合において、
基準単色パターンと第2の色の単色パターンとでずれ量
が「a」(aは整数)、第2の色の単色パターンと第3
の色の単色パターンとでずれ量が「b」(bは整数)の
場合、第2の色は基準色の調整画素数に「a」足した調
整画素とすればよいし、第3の色は基準色の調整画素数
に「a+b」足した調整画素とすればよい。
【0041】また、双方向印刷において各色毎にずれ量
を把握するパターンを印刷した場合、第1の色で往復の
ずれが「c」(cは整数),第2の色で往復のずれが
「d」(dは整数),第3の色で往復のずれが「e」
(eは整数)であって、第1の色を基準とする場合、第
2の色の往復動のそれぞれにおいて画像画素がヘッド移
動方向に「(c−d)/2」画素分ずれるように調整画
素を配分すればよいし、第3の色の往復動のそれぞれに
おいて画像画素がヘッド移動方向に「(c−e)/2」
画素分ずれるように調整画素を配分すればよい。以上の
ような例は後に詳述する。
【0042】上述のように、ずれ量を明確に把握できる
ようなテストパターンを印刷する印刷装置は単独で存在
する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用
されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限ら
ず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェ
アであったりハードウェアであったりするなど、適宜、
変更可能である。発明の思想の具現化例として印刷装置
を制御するためのソフトウェアとなる場合には、かかる
ソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存
在し、利用されるといわざるをえないし、当該ソフトウ
ェア自体としても発明は成立する。このため、上記請求
項14,請求項15にかかる発明においても基本的には
同様の作用となる。むろん単独で実施される場合もある
し、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実
施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限
らず、各種の態様を含むものであって、適宜変更可能で
ある。さらに、請求項2〜請求項5,請求項7〜請求項
13に対応するプログラムも実現可能であることは言う
までもない。
【0043】むろん、このプログラムの記録媒体は、磁
気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であっても
よいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全
く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次
複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等
である。上記媒体とは異なるが、供給方法として通信回
線を利用して行なう場合であれば通信回線が伝送媒体と
なって本発明が利用されることになる。さらに、一部が
ソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現され
ている場合においても発明の思想において全く異なるも
のではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に
応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあって
もよい。むろん、このプログラム自体に発明の思想が反
映されていることはいうまでもない。また、このような
印刷装置の制御においては各手段が所定の制御手順で処
理を進めていく上で、その根底にはその手順に発明が存
在するということは当然であり、方法としても適用可能
であることは容易に理解できる。このため、請求項1
6,請求項17にかかる発明においても、基本的には同
様の作用となる。すなわち、必ずしも実体のある媒体な
どに限らず、その方法としても有効であることに相違は
ない。さらに、請求項2〜請求項5,請求項7〜請求項
13に対応する方法も実現可能であることは言うまでも
ない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1,請求項
6,請求項14〜請求項17にかかる発明によれば、視
認することによってドット形成位置ずれが生じているか
否かを容易に把握することが可能なテストパターンを印
刷させる印刷装置、印刷装置制御プログラムおよび印刷
装置制御方法を提供することができる。また、請求項2
にかかる発明によれば、色の変化によって最良のテスト
パターンを明確に把握することができる。
【0045】さらに、請求項3〜請求項5にかかる発明
によれば、非常に明確に良好なテストパターンを特定す
ることができ、この結果ずれ量を正確に把握することが
できる。さらに、請求項7にかかる発明によれば、双方
向印刷において正確にドット形成位置ずれを把握するこ
とができ、双方向印刷時のドット形成位置ずれを確実に
補償して印刷画質を向上することができるようになる。
【0046】さらに、請求項8にかかる発明によれば、
テストパターンにて各色間のドット形成位置を把握する
ことができると共に、基準色に対して他の色によるドッ
ト形成位置を正確に補償することができるようになる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、処理速度が向
上し、テストパターン印刷のためのインク消費量を抑え
ることができる。さらに、請求項10,請求項11にか
かる発明によれば、視認性の高いテストパターンとする
ことができる。
【0047】さらに、請求項12にかかる発明によれ
ば、異なる重量のインク滴のそれぞれを基準にしてずれ
補償を行うことができる。さらに、請求項13にかかる
発明によれば、正確なずれ補償を行いつつ印刷を実行可
能になる。
【0048】
【発明の実施の形態】ここでは、下記の順序に従って本
発明の実施の形態について説明する。 (1)システムの構成: (2)ドット形成処理: (3)テストパターン印刷処理: (4)第2実施形態: (5)第3実施形態: (6)第4実施形態:
【0049】(1)システムの構成:図1は本発明にか
かる印刷装置および本発明にかかる印刷装置制御プログ
ラムを実行するコンピュータからなるシステム構成図で
あり、図2は当該印刷装置制御プログラムが同コンピュ
ータのOSに組み込まれたプリンタドライバとして実現
された場合における概略構成図である。コンピュータ1
0は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、こ
のCPU11はシステムバス12を介してBIOSなど
の記載されたROM13やRAM14にアクセス可能と
なっている。
【0050】また、システムバス12には外部記憶装置
としてのハードディスクドライブ(HDD)15とフレ
キシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ
17とが接続されており、HDD15に記憶されたOS
やアプリケーションプログラム(APL)20等がRA
M14に転送され、CPU11はROM13とRAM1
4に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわ
ち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプ
ログラムを実行する。
【0051】コンピュータ10にはシリアル通信用I/
O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作
用入力機器が接続されており、図示しないビデオボード
を介して表示用のディスプレイ18も接続されている。
さらに、印刷装置40とはパラレル通信用I/O19b
を介して接続が可能である。尚、本コンピュータ10の
構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュ
ータとして一般的な構成を有するものを採用することが
できる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパ
ーソナルコンピュータに限定されるものではない。この
実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータである
が、ノート型であるとか、モバイル対応のものであって
も良い。また、コンピュータ10と印刷装置40の接続
インタフェースも上述のものに限る必要はなくシリアル
インタフェースやSCSI,USB接続など種々の接続
態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続
態様であっても同様である。
【0052】この例では各プログラムの類はHDD15
に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるもの
ではない。例えば、フレキシブルディスク16aである
とか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記
録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスク
ドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコン
ピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストー
ルされる。そして、HDD15を介してRAM14上に
読み込まれてコンピュータを制御することになる。ま
た、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであ
ってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカ
ードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能で
あるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサー
バにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が
伝送媒体となって本発明が利用される。
【0053】一方、図2に示すように本実施形態にかか
るコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTD
RV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディス
プレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込ま
れている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18
における画像データ等の表示を制御するドライバであ
り、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19a
を介して入力される上記キーボード31やマウス32か
らのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付ける
ドライバである。
【0054】APL25は、カラー画像のレタッチ等を
実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者
は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器
を操作して当該カラー画像を印刷装置40にて印刷させ
ることができる。すなわち、APL25はHDD15に
記録された画像データ15aをRAM14に読み出して
レタッチ等の処理を実行可能であり、ディスプレイDR
V23はRAM14に読み出された画像データ15aに
基づいてディスプレイ18上に画像を表示させる。利用
者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器
DRV22を介して取得されて内容が解釈されるように
なっており、APL25はその操作内容に応じて印刷実
行やレタッチなど種々の処理を行う。
【0055】上記PRTDRV21は印刷を実行するた
めに入力部21aと色補正処理部21bとハーフトーン
処理部21cと印刷データ生成部21dと出力部21e
とを備えている。APL25実行時に利用者が印刷実行
指示を行うと、印刷にかかる画像データ15aが入力部
21aに取得され、入力部21aは上記色補正処理部2
1bを起動する。ここで、入力部21aが受け取る画像
データはドットマトリクス中の各画素の色をRGB各色
256階調で表現した状態のデータである。色補正処理
部21bは、このRGB階調値をCMYK階調値など印
刷装置40のインクに応じた色成分に補正する色補正処
理を行う。このとき色補正処理部21bはHDD15に
保存されたルックアップテーブル(LUT)15bを参
照して任意の色座標への補間演算を行うようになってお
り、LUT15bは印刷装置40にて使用するインクの
種類や印刷媒体毎に規定されている。色補正処理部21
bが色変換を行ってCMYKの階調データを生成する
と、当該CMYKの階調データは上記ハーフトーン処理
部21cに受け渡される。
【0056】ハーフトーン処理部21cは、各ドットの
CMYK階調値を変換してインク滴の記録密度で表現す
るためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、各
ラスタの画像画素値データを生成する。印刷データ生成
部21dはかかるヘッド駆動データを受け取って、印刷
装置40で使用される順番に並べ替える。すなわち、印
刷装置40においてはインク吐出デバイスとして図示し
ない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルア
レイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるた
め、副走査方向に数ドット分間離れたデータが同時に使
用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時
に使用されるべきものが印刷装置40にて同時にバッフ
ァリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを
行う。また、本実施形態にかかる印刷装置40では単方
向印刷および双方向印刷を実行可能であり、利用者がプ
リンタドライバ21のプロパティによって予め行った選
択に基づいて単方向用あるいは双方向用の印刷データと
する。
【0057】さらに、印刷データ生成部21dは調整画
素数設定部21d1とテストパターン印刷データ生成部
21d2とを備えており、調整画素数設定部21d1は
後に詳述する調整データ配分テーブル15cを参照して
画像画素値データの前後に調整画素を配分し、画素単位
のドット形成位置調整を行う。テストパターン印刷デー
タ生成部21d2は、印刷装置40に所定のテストパタ
ーンを印刷させ、当該テストパターンに基づいて利用者
が認識紙が画素ずれ量の入力を受け付け、当該入力に基
づいて調整データ配分テーブル15cを生成する処理を
実行するモジュールである。
【0058】すなわち、上記操作用入力機器の操作を上
記入力機器DRV22から受け取って、ディスプレイD
RV23を介してプリンタドライバ21のプロパティを
ディスプレイ18上に表示させる。さらにこのプロパテ
ィ上での操作入力機器の入力操作を受け付け、テストパ
ターンデータ15dを参照してテストパターンを印刷さ
せる印刷データを生成し、印刷装置40にテストパター
ンを印刷させる。そして、利用者がテストパターンを視
認して把握したずれ量を所定のUIを介して受け付け、
当該受け付けに基づいて調整データ配分テーブル15c
を生成しHDD15に保存する。このテストパターンに
よって利用者は画素ずれ量を正確に把握することができ
るので、テストパターン印刷データ生成部21d2によ
る調整データ配分テーブル15cの設定後は高精度にド
ット形成位置ずれを補償しながら印刷を実行可能にな
る。
【0059】印刷データ生成部21dが上記画像データ
15aに基づく印刷データや、テストパターンデータ1
5dに基づく印刷データを生成すると、画像の解像度な
どの所定の情報を付加し、出力部21eはこの印刷デー
タを上記パラレル通信用I/O19bを介して印刷装置
40に出力する。印刷装置40においては当該印刷デー
タに基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を
印刷する。この印刷データは、以降、実際に機械を駆動
するための電気信号に至るまで様々な形態に変換および
加工されて、印刷が実行される。ここでは、「印刷デー
タ」という用語は、狭義には、印刷データ生成部21d
が生成したデータを意味するが、広義には、その後の様
々な形態に変換および加工された段階のデータをも意味
する。
【0060】図3は、上記出力部21eが出力する印刷
データに基づいて印刷を実行する印刷装置40のデータ
処理系および印刷実行系の構成を示すブロック図であ
る。同図において印刷装置40は、プリンタコントロー
ラ60とプリントエンジン70とから構成されている。
プリンタコントローラ60は、上記コンピュータ10が
出力する印刷データ等を受信するインターフェース(I
/F)61と、各種データの記憶等を行うRAM62
と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したRO
M63と、CPU等からなる制御部64と、発信回路6
5と、上述したヘッドへの駆動信号を発生させる駆動信
号発生回路66と、展開された印刷データおよび駆動信
号等をプリントエンジン70に送信するためのI/F6
7とを備えている。
【0061】I/F61は、上記印刷データをコンピュ
ータ10から受信する他、コンピュータ10に対してビ
ジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等
を出力することができる。RAM62は、受信バッファ
62a、中間バッファ62b、出力バッファ62cおよ
び図示しないワークメモリ等として利用されるものであ
る。受信バッファ62aには、I/F61が受信したコ
ンピュータ10からの印刷データが一時的に記憶され
る。中間バッファ62bには、制御部64によって中間
コードに変換された中間コードデータが記憶される。出
力バッファ62cには、上記ハーフトーン処理された後
の階調データをデコードして生成されるドットパターン
データが展開される。このドットパターンデータは駆動
信号発生回路66からの信号を印加させるか否かを示す
データである。ROM63は、制御部64によって実行
される各種制御ルーチン等を記憶している。
【0062】制御部64は、受信バッファ62a内の印
刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コ
ードデータを中間バッファ62bに記憶する。次に、制
御部64は、中間バッファ62bから読み出した中間コ
ードデータを解析し、ROM63内の展開手順に従って
中間コードデータをドットパターンデータに展開する。
この展開されたドットパターンデータは必要な装飾処理
が行われた後、出力バッファ62cに記憶される。
【0063】ヘッドの1行分に相当するドットパターン
データが得られると、この1行分のドットパターンデー
タはI/F67を介してヘッド駆動部71にシリアル伝
送される。出力バッファ62cから1行分のドットパタ
ーンデータが出力されると、中間バッファ62bの内容
が消去されて次の中間コード変換が行われる。ここで、
ドットパターンデータに展開された印刷データは、後述
するように、各ノズル毎の階調データとして例えば4ビ
ット(あるいは3ビット)で構成されている。すなわ
ち、本印刷装置40は単一ノズルからの吐出インク量を
3種類に変更することが可能であり、インク吐出の有無
の他、吐出インク量を制御して階調表現を行っている。
【0064】プリントエンジン70は、ヘッド駆動部7
1と、紙送り機構72と、キャリッジ機構73とを備え
ている。紙送り機構72は、紙送りモータおよび紙送り
ローラ等からなり、印刷媒体を順次送りだして副走査を
行うものである。すなわち、紙送り機構72が上記副走
査部に該当する。キャリッジ機構73は、ヘッドを搭載
するキャリッジと駆動ベルトを介して同キャリッジを走
行させる駆動モータ等からなり、ヘッドを主走査させる
ものである。従って、キャリッジ機構73が上記主走査
部を構成する。
【0065】ヘッドは、副走査方向に例えば48個等の
多数のノズルを有し、所定のタイミングで各ノズルから
インク滴を吐出させるものである。本実施形態において
はキャリッジ機構73にシアン(C)とマゼンタ(M)
とイエロー(Y)とブラック(K)との4色のインクカ
ートリッジを搭載可能であり、上記各ノズルから各色の
インクをそれぞれ吐出させる。ドットパターンデータに
展開された印刷データは、発信回路65からのクロック
信号(CK)に同期して、I/F67からシフトレジス
タ74にシリアル伝送される。このシリアル転送された
印刷データ(SI)は、一旦、ラッチ回路75によって
ラッチされる。ラッチされた印刷データは、電圧増幅器
であるレベルシフタ76によって、スイッチ回路77を
駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の所定の電圧値
まで昇圧される。所定の電圧値まで昇圧された印刷デー
タは、「スイッチ手段」としてのスイッチ回路77に与
えられる。スイッチ回路77の入力側には、駆動信号発
生回路66からの駆動信号(COM)が印加されてお
り、スイッチ回路77の出力側には、圧電素子78が接
続されている。
【0066】印刷データ(SI)は、スイッチ回路77
の作動を制御する。例えば、スイッチ回路77に加わる
印刷データが「1」である期間中は駆動信号が圧電素子
78に印加され、この駆動信号に応じて圧電振動子は伸
縮を行う。一方、スイッチ回路77に加わる印刷データ
が「0」の期間中は圧電素子78への駆動信号の供給が
遮断される。図4は、駆動信号の波形と吐出されるイン
ク滴の大小関係とを示すとともに、駆動信号を用いた階
調表現の方法を示している。駆動信号発生回路66が発
生させる駆動信号は、「第1の駆動パルス」としての第
1パルスと、「第2の駆動パルス」としての第2パルス
と、「第3の駆動パルス」としての第3パルスと、「第
4の駆動パルス」としての第4パルスとの合計4つの駆
動パルスから構成されている。
【0067】ここで、第1パルスおよび第3パルスは同
一のパルス形状を有し、例えば約10ngの中程度のイ
ンク滴を吐出するためのものである。第2パルスは、第
1パルスと第3パルスとの間に位置しており、例えば約
5ngの小さいインク滴を吐出させるためのものであ
る。第4パルスはノズル開口部付近のインクを微振動さ
せてインクの粘度の増加を防止するためのものであり、
この第4パルスによってインク滴は吐出されない。ま
た、第3パルスと第1パルスとの双方を選択することも
可能であり、このときは印刷媒体上に約20ngの大ド
ットを形成することができる。いずれのパルスにおいて
も駆動信号の昇圧時には圧電素子78が収縮してインク
室が膨張し、メニスカスがノズル開口部内に引き込まれ
る。駆動信号の降圧時には圧電素子78が伸長してイン
ク室が収縮し、メニスカスがノズル開口部から突出す
る。
【0068】第1パルスと第3パルスとの最大電位VP
Mは第2パルスの最大電位VPSより大きく、第2パル
スの最大電位VPSは第4パルスの最大電位VPNより
大きい。第1パルスと第3パルスとの最低電位VLは第
2パルスと第4パルスとの最低電位(=中間電位Vm)
より小さい。インク吐出量は各パルスにおける最大電位
と最小電位との圧力差によって規定され、最も差の大き
い第1パルスと第3パルスとにて中程度の径のインク滴
を吐出させ、第2パルスにて小さい径のインク滴を吐出
させ、第4パルスではインクを吐出させないようになっ
ている。
【0069】上記印刷データ(SI)がこの駆動信号を
選択して上記圧電素子78に供給するためのデータとな
っている。すなわち、シフトレジスタ74からラッチ回
路75等を経てスイッチ回路77に加わる印刷データの
ビットが「1」の期間中には駆動信号が圧電素子78に
印加され、圧電素子78は駆動信号の波形に応じて伸縮
する。一方、印刷データのビットが「0」の期間中に
は、圧電素子78への駆動信号の供給が遮断され、圧電
素子78は直前の状態を保持する。従って、印刷データ
のビットを第1〜第4パルスの発生タイミングに同期さ
せれば、第1〜第4パルスのうちいずれか1つあるいは
複数のパルスを選択することができる。
【0070】例えば、ドットを形成しない無ドットの場
合、小ドットのみ形成する場合、1個の中ドットのみを
形成する場合、2個の中ドットで大ドットを形成する場
合の4パターンで印刷媒体上に記録ドットを形成すれ
ば、4段階のドット階調を行うことができる。インク滴
を吐出しない無ドットの場合は、微振動を発生させるだ
けの第4パルスを圧電素子78に供給すればよい。従っ
て、スイッチ回路77に対して、第1〜第3パルスの発
生期間中は「0」を印加する一方、第4パルスの発生と
同期させて「1」を印加すれば、第4パルスのみを圧電
素子78に加えることができる。つまり、インク滴を吐
出しないときには上記制御部64が出力バッファ62c
に4ビットデータ(0001)を展開することにより、
インク滴を吐出しない第4パルスのみを圧電素子78に
印加することができ、無ドットとことができる。
【0071】同様に、スイッチ回路77に対して第1パ
ルスと第3パルスと第4パルスの期間中に「0」を与
え、第2パルスに同期させて「1」を印加すれば、つま
り、4ビットデータ(0100)を所定のタイミングで
スイッチ回路77に与えれば第2パルスのみが圧電素子
78に供給され、小ドット相当のインク滴を印刷媒体に
付着させることができる。同様に、4ビットデータ(1
000)をスイッチ回路77に与えれば第1パルスのみ
が圧電素子78に印加され、中ドット相当のインク滴を
印刷媒体に付着させることができる。同様に、4ビット
データ(1010)をスイッチ回路77に与えれば中ド
ットを形成する第1パルスおよび第3パルスのみが圧電
素子78に供給される。これにより、印刷媒体上に中ド
ット相当のインク滴が続けて2発付着し、各インク滴が
混じり合って実質的に1つの大ドットが形成される。
【0072】以上のようなインク滴の大きさによる階調
表現手法は一例であり、上記第4パルスを省略して無ド
ットを(000)、小ドットのみを(010)、中ドッ
トのみを(100)、中ドット2発による大ドットを
(101)のように、3ビットのデータを使用してもよ
い。さらに、大ドットを形成するために必ずしも中ドッ
トを2発使用する必要はなく、小ドットと中ドットの組
み合わせでもよいし、その組み合わせる数は3発以上で
あってもよい。また、大ドットを形成するためにより大
きな電圧差を有する駆動信号を使用することもできる。
【0073】図5により印刷装置40の機械部分の概略
構成を説明する。印刷装置40は、上記紙送り機構72
として紙送りモータ53とプラテン53aとを備えてお
り、プリンタコントローラ60からの指令によって紙送
りモータ53を駆動して印刷媒体Pを副走査方向に搬送
する。また、印刷装置40は、上記キャリッジ機構73
としてキャリッジモータ54とキャリッジ50と駆動ベ
ルト54aとプーリ54bと摺動軸55とを備えてお
り、プリンタコントローラ60からの指令によってキャ
リッジモータ54を駆動し、キャリッジ50をプラテン
53aの軸方向に往復動させる。すなわち、摺動軸55
はプラテン53aの軸と略平行に架設されキャリッジ5
0を摺動可能に保持しており、プーリ54bはキャリッ
ジモータ54との間に無端の駆動ベルト54aを張設保
持しており、位置検出センサ54cにてキャリッジ50
の原点位置を検出しながらキャリッジモータ54を駆動
してキャリッジ50をプラテン53aの軸方向に往復動
させる。
【0074】また、キャリッジ50には黒インク(K)
用のカートリッジ51とシアン(C),マゼンタ
(M),イエロー(Y)の3色のインクを収納したカラ
ーインク用カートリッジ52が搭載可能である。さらに
キャリッジ50の下部には印刷ヘッド50aが備えられ
ており、同印刷ヘッド50aには計4個のアクチュエー
タ51a,52a〜52cが形成されている。図6は、
アクチュエータ51a,52a〜52cにおけるノズル
Nzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配置
は、各色ごとにインクを吐出する4組のノズルアレイか
ら成っている。各ノズルアレイは、一定のノズルピッチ
で千鳥状に配列された48個のノズルNzで構成されて
いる。すなわち、各ノズルアレイは、副走査方向に伸び
る2列のノズル列からなっており、各ノズル列を構成す
るノズルは副走査方向に互い違いに配されている。各ノ
ズルアレイは主走査方向に並んで配されており、各ノズ
ルアレイの副走査方向の位置は互いに一致している。
【0075】図7は、圧電素子78とノズルNzとの構
造を詳細に示した説明図である。各ノズルにはインクカ
ートリッジ51,52からのインクを供給するためのイ
ンク通路56が設けられている。また、このインク通路
56に隣接して圧電素子78が配設されている。プリン
タコントローラ60から上述のようにして印刷データS
I等がヘッド駆動部71に供給されると、スイッチ回路
77を介して圧電素子78に適宜駆動信号が印加され、
圧電素子78によってインクが充填されているインク通
路56が変形し、大中小3種のインク量にてノズルNz
からインク滴が吐出される。なお、本実施形態では、圧
電素子を用いてインクを吐出する機構を採用している
が、他の方法によりインクを吐出するプリンタを用いる
ものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒー
タに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によ
りインクを吐出するタイプのプリンタに適用するものと
してもよい。
【0076】(2)ドット形成処理:本実施形態にかか
る印刷装置40においては単方向印刷および双方向印刷
が実行可能であり、いずれの場合においてもドット形成
位置のずれを補償することができる。本発明において
は、利用者が視認することによってずれ量を正確に把握
することができ、この結果、印刷装置40におけるずれ
の補償も正確になされる。以下ではまず単方向印刷にお
けるドットの位置ずれ補正のための制御処理について説
明する。図8は印刷装置40が印刷する画素の様子を示
す説明図である。図示する通り、印刷印刷媒体P上にお
いて、主走査方向、副走査方向に2次元的に配列された
画素にそれぞれドットが形成される。印刷装置40にお
いては画像画素と調整画素の2種類の画素を利用してお
り、同図に示すように用紙主走査方向の中央部には画像
画素が配列され、その両端には調整画素が配列される。
画像画素上には、APL25から受け取ったRGBデー
タに基づく画像を再現するためのドットが形成される。
このため、画像画素は、主走査方向と副走査方向に2次
元的に配列されて、2次元画像データを構成する。調整
画素は、後述する通り、ドットの形成位置のずれに応じ
て画像の印刷位置を主走査方向に調整するために使用さ
れる画素である。
【0077】図9は、図2に示すコンピュータ10内の
プリンタドライバ21が一般の画像を印刷する際に実行
する印刷データ生成処理ルーチンのフローチャートであ
る。この処理が開始されると、ステップS100にて入
力部21aに画像データが入力される。入力部21aが
画像データを受け取ると、プリンタドライバ21の色補
正処理部21bはステップS110にて上記LUT15
bを参照してRGBデータ階調値を上記各インクCMY
Kの階調値に変換する。このようにLUT15bを用い
て色補正する処理自体については、公知の種々の技術が
適用可能であり、例えば補間演算による処理が適用でき
る。
【0078】色補正処理が終了すると、ステップS12
0にてハーフトーン処理部21cが各インクごとにハー
フトーン処理を行う。ここでハーフトーン処理部21c
は、画像データのCMYK階調値を、各画素上における
ドットの形成状態を示すnビット(nは自然数)の画像
画素値データに変換する。本実施形態においては上述の
ようにインク吐出量を変更してインク滴の大きさを変更
可能であり、一画素についてドット無し,小,中,大ド
ットの計4階調の表現が可能であることから、上記画像
画素値データにおいてはかかるインク滴の大きさをも指
定している。このハーフトーン処理も公知の種々の技術
が適用可能であり、誤差拡散法やディザ法など種々の周
知の方法により行うことができる。
【0079】ハーフトーン処理が終了すると、印刷デー
タ生成部21dに含まれる調整画素数設定部21d1は
ステップS130において以下に示す処理に従って調整
画素の配分設定を行う。図10はある色のインクについ
て適正なタイミングで形成されたドットの様子を示す説
明図である。図中のマスは、印刷媒体P上に2次元的に
配列された画素を示している。1〜10の番号は主走査
方向の位置を表すための便宜上の番号である。図示する
通り、キャリッジ50が主走査方向に移動しながら所定
のタイミングでインクを吐出すると、5番目の列にドッ
トを形成することができる。
【0080】図11は形成位置にずれが生じるノズルで
形成されたドットの様子を示す説明図である。本来は5
番目の画素にドットを形成可能なタイミングでインクを
吐出してもノズルごとのインクの吐出特性によってはド
ットの形成位置が主走査方向にずれる場合がある。ここ
では、主走査方向の左側にドットがずれて形成される状
態を図示した。この結果、図中の破線で示す方向に飛翔
し形成されるはずのドットは、4番目の画素に形成され
ることになる。
【0081】図12は画像データを調節することにより
ドットの形成位置のずれを補償する様子を示す説明図で
ある。図11に示した通り、本来の画素よりも左側にず
れてドットが形成される場合を考える。つまり5番目の
画素にドットを形成するためのタイミングTaでインク
を吐出した場合には、図中の破線で示した通り4番目の
画素にずれてドットが形成される場合を考える。この場
合には、画像データを調整し、6番目の画素にドットを
形成するためのタイミングTbでインクを吐出する。イ
ンクの吐出特性が適正な場合には、タイミングTbでイ
ンクが吐出されれば図中に一点鎖線で示した通り6番目
の画素にドットが形成される。
【0082】しかし実際にはドットがずれて形成される
特性を有しているため、インクは実線で示す方向に飛翔
し、5番目の画素にドットが形成される。つまり、ずれ
量を考慮して画像データを調整することにより、本来形
成されるべき画素にドットを形成することができる。調
整画素の配分設定は、かかる原理によって、ドットの形
成位置のずれを補償するために行われる。正確なドット
形成位置ずれ補償を行うには、このヘッドのインク吐出
特性によるずれを正確に把握する必要があり、本発明に
かかるテストパターンによれば後述のようにずれ量を正
確に把握することができる。
【0083】図13は調整画素の配分設定によりドット
の形成位置のずれを補償する様子を示す説明図である。
図中のマスは一つのラスタに対応した印刷データ(ラス
タデータ)の様子を示している。図中の番号1〜10を
付した画素が画像画素である。その両端に配置されたA
1〜A6の画素が調整画素である。ここでは調整画素を
両端にそれぞれ3つずつ設けた場合を示した。画像画素
には画像データに応じてハーフトーン処理された画像画
素値データが割り当てられる。調整画素には、ドットの
非形成状態を示す値を有する調整画素値データが割り当
てられている。尚、一般の画像印刷においては画像画素
が主走査方向に連続しており、当該連続する画像画素の
中間に調整画素を配分することはないが、後述するテス
トパターンの印刷においては複数の直線やパッチを印刷
させており、ラスタデータ内でこれらのパターンを印刷
させるための画像画素が離間している。従って、これら
の直線やパッチの間にも調整画素を配分する。
【0084】図13の上段には調整画素の配分を設定す
る前のラスタデータを示した。5番目の画素の●は、図
10〜図12の例に対応しており、5番目の画像画素に
ドットを形成することを意味している。ドットの形成位
置が適正な場合にはかかるデータに基づいて印刷を実行
することにより5番目の画素にドットが形成される。図
13の下段には図11および図12に対応する調整を行
った場合のデータを示した。先に説明した通り、ドット
の形成位置が左側に1画素分ずれて形成される特性を有
しているノズルに対しては、本来5番目の画素に形成さ
れるべきドットを一つ右の画素に形成するようにラスタ
データを変更すればよい。つまり、図13に示す通り、
ラスタデータを全体に右側に1画素分シフトした状態に
すればよい。この状態は、本来両側に3画素ずつ配分さ
れていた調整画素の配分を、左側に4画素、右側に2画
素に変更した状態に相当する。かかるラスタデータに基
づいて印刷を実行すれば、図12で示した通り、本来形
成されるべき位置にドットが形成されることになる。
【0085】以上説明したように、実際にヘッドからイ
ンク滴を吐出させて印刷結果を得るとヘッド特性による
ドット形成位置ずれが判明するので、本発明においては
後述するようにしてずれ量を明確に把握可能なテストパ
ターンを印刷し、利用者にずれ量を入力させ、その入力
ずれ量に基づいて調整データ配分テーブル15cを生成
する。このように実際に印刷を行って判明したずれ量に
対応して調整画素の配分を決定可能であることによっ
て、個々の印刷装置40の吐出特性に応じることができ
るし、印刷装置40のヘッドのインク吐出特性の経時変
化にも対応することができる。
【0086】図14は調整データ配分テーブル15cの
例を示す説明図である。同図において調整画素数はKC
MYの各インクに対して左側に配分する数と右側に配分
する数とが規定されている。図の例ではKインクが基準
となっており、Kインクに関するラスタデータにおいて
は画像画素の両端に均等に3画素ずつ調整画素を配分す
るようになっている。すなわち、主走査方向にドット形
成位置ずれが生じると画質が劣化するが、単方向印刷に
おいて各色のドット形成位置の相対関係が適正であれば
画質の劣化にはならずドット形成位置が補償されている
と言える。そこで、本実施形態ではKインクのインク吐
出特性に合わせるように多色のドット形成位置ずれを補
償する。
【0087】同図において、Cインクに関するラスタデ
ータでは画像画素の左側に2画素、右側に4画素ずつ調
整画素を配分し、Mインクに関するラスタデータでは画
像画素の左側に0画素、右側に6画素ずつ調整画素を配
分し、Yインクに関するラスタデータでは画像画素の両
端に均等に3画素ずつ調整画素を配分するように規定し
ている。すなわち、Cインクを吐出するノズルにおいて
はKインクを吐出するノズルより1画素分右側にずれて
ドットが形成される特性を有し、Mインクを吐出するノ
ズルにおいてはKインクを吐出するノズルより3画素分
右側にずれてドットが形成される特性を有し、Yインク
を吐出するノズルにおいてはKインクを吐出するノズル
と同様の特性を有していることになる。
【0088】上記ステップS130では、この例のよう
な調整データ配分テーブル15cを参照して各色ごとに
調整画素の配分を決定する。むろん、調整画素の数は、
6画素に限らずドットの形成位置のずれを補償可能な範
囲で任意に設定することができる。こうして調整画素の
配分が決定されると、印刷データ生成部21dはステッ
プS140において画像画素値データをラスタライズし
て、上記調整画素とハーフトーン処理された画像画素値
データとの融合を行う。すなわち、各色毎に上記調整デ
ータ配分テーブル15cの「左」部分に示された調整画
素数を配列し、次にハーフトーン処理された画像画素値
データに対応するデータをキャリッジ50の移動方向に
併せて配列し、最後に調整データ配分テーブル15cの
「右」部分に示された調整画素数を当該画像画素値デー
タの右側に配列する。また、印刷装置40に供給される
印刷データは、このラスタデータや、副走査送り量を示
すデータを含んでいる。
【0089】そして、出力部21eはこうして作成され
た印刷データをステップS150にて印刷装置40に出
力する。プリンタドライバ21では、ステップS160
にて全ラスタについて印刷データの生成/出力処理が終
了したか否かを判別し、以上の処理を全てのラスタにつ
いて実行する。印刷装置40のプリンタコントローラ6
0は、ステップS150にて転送された印刷データに応
じて主走査を行いつつドットを形成して画像を印刷す
る。上記の例ではKインクを基準としていたが、むろん
基準とするインクはKに限られず他のインクであっても
良い。また、印刷データにおいては、基準とするインク
に対して他のインクの相対位置を調整するのではなく、
ドットの絶対位置が適正になるように調整画素数を設定
しても良い。
【0090】(3)テストパターン印刷処理:上記印刷
装置40においては以上の原理によってドット形成位置
ずれを補償することができ、本発明においてはテストパ
ターンを印刷することによって印刷装置40の個々のノ
ズルのインク吐出特性を反映させることができる。尚、
テストパターン印刷処理は上記プリンタドライバ21の
プロパティによって提供される調整データ配分テーブル
生成処理の一環として実行される。図15は調整データ
配分テーブル生成処理のフローチャートである。
【0091】同図におけるフローチャートの実行に際し
て上記印刷データ生成部21dのテストパターン印刷デ
ータ生成部21d2が起動し、ステップS200では上
記HDD15に記憶されたテストパターンデータ15d
を読み出す。図16は、テストパターンデータ15dの
一例を示す説明図であり、同図においては端調整画素と
調整画素と線本数と線長とがKCMYの各インクに対し
て規定されている。このテストパターンデータ15dは
各色毎に直線状の複数のパターンを副走査方向に並べる
ようにして印刷させるためのデータであり、同図におけ
る端調整画素はラスタデータの左端に配分される調整画
素数である。同図における調整画素はラスタデータ内で
画像画素の間に配分される調整画素数である。線本数は
直線状のパターンを主走査方向へ並べる際の数であり、
線長は各色における直線状のパターンの副走査方向のラ
スタ数である。
【0092】この例においては基準となる色はKであ
り、Kに関するラスタデータが上記基準ラスタデータに
該当し、CMYに関するラスタデータが上記比較ラスタ
データに該当する。従って、端調整画素数i’および調
整画素数iが上記クレームに言う特定数であり、端調整
画素数i’−3とi’−6とi’−9および調整画素数
i+1とi+2とi+3とが上記特性数に所定数増減し
た数である。ステップS200にてテストパターンデー
タ15dを読み出すと、当該テストパターンデータ15
d内の各データ値を使用してステップS210にて各色
毎にラスタデータを生成する。
【0093】図17は、図16に示すテストパターンデ
ータ15dによって生成されるラスタデータの説明図で
あり、同図においてKインクのラスタは左端に調整画素
がi’個配分され、その右に2画素分の画像画素が配分
される。これら2画素分の画像画素の右側には調整画素
がi個配分される。さらにその右側には2画素分の画像
画素とi個分の調整画素とを交互に配置していき、2画
素分の画像画素が計7カ所に配分されるようにする。そ
の右側の画素においては残りの画素を総て調子性画素で
埋めたり、ドットを形成しないように指定した画像画素
で埋めればよい。
【0094】一方、CMY各色のラスタについても上記
図16の端調整画素の値に基づいてCについてi’−3
個,Mについてi’−6個,Yについてi’−9個の調
整画素が左端に配分され、2画素分の画像画素とi+
1,i+2,i+3個分の調整画素がが交互に配分され
る。このようにして、調整画素と画像画素とを融合させ
た後にはステップS220で各色インクのラスタデータ
をそれぞれ副走査方向にj個分連続させる。また、本実
施形態においては各色同士でパターンが重ならないよう
に、かつ各色のドット形成位置が副走査方向にKCMY
の順で並ぶようにしてある。
【0095】すなわち、ラスタデータによるパターンを
図18のように各色毎で示すと、Kインクによる7本の
直線状パターンが印刷媒体の上部に印刷され、その下部
にCインクによる7本の直線状パターンが印刷され、そ
の下にMインク、さらにその下にYインクによる7本の
直線状のパターンが印刷されるようになっている。本実
施形態によればテストパターンにおいて各色は重なら
ず、かつ直線の端部は副走査方向で隣り合っている。従
って、図18の拡大図に示すように、主走査方向に2
画素分並ぶとともに副走査方向にjラスタ分並んだ直線
が各色毎に形成され、また、各直線の位置は7本の直線
状パターンにおいて主走査方向に相対的に移動する。
尚、図18の拡大図においては形成されるドットを○で
示している。
【0096】この相対的な移動は、図17に示すように
比較ラスタデータの調整画素数を基準ラスタデータの調
整画素数に対して増減させているからである。調整画素
数の増減は、ドット形成位置を主走査方向に積極的にず
らすために行うものであり、両者に相対的なずれを与え
ることができる限りそのずらし量は任意であるし、調整
画素の絶対数も任意である。図17において、Kインク
のラスタデータとCインクのラスタデータとを比較する
と、左端に配分される端調整画素はCインクの方が3少
なく、画像画素間に配分される調整画素はCインクの方
が1多い。
【0097】端調整画素を3少なくするのは、Cインク
最左端の画像画素を形成するインク滴をKインク最左端
の画像画素を形成するインク滴より3画素分早く吐出さ
せるためである。Cインクにおいて画像画素の間に配分
する調整画素をKインクの調整画素より1多くするのは
Kインクの調整画素のピッチ(i個)とずらすことによ
ってCインクのインク滴の吐出タイミングをKインクに
対して徐々にずらすためである。かかる構成により、図
17に示すようにCインクによる画像画素の吐出タイミ
ングはKインクによる画像画素の吐出タイミングに対し
て3画素,2画素,1画素分早いもの、吐出タイミング
が同等であるもの、1画素,2画素,3画素分遅いもの
が計7本主走査方向に並ぶようになる。図17において
は、吐出タイミングを早くするものを「−」で示し、吐
出タイミングを遅くするものを「+」で示している。
【0098】Mインクについては、左端に配分される端
調整画素をCインクの端調整画素より3少なくし、画像
画素間に配分される調整画素をCインクの調整画素より
1多くしている。この調整画素の相対関係はKインクに
対するCインクの調整画素数の相対関係と同様であり、
この結果、Mインクによる画像画素の吐出タイミングは
Cインクによる画像画素の吐出タイミングに対して3画
素,2画素,1画素分早いもの、吐出タイミングが同等
であるもの、1画素,2画素,3画素分遅いものが計7
本主走査方向に並ぶようになる。Yインクについては、
同様にMインクによる画像画素の吐出タイミングに対し
て3画素,2画素,1画素分早いもの、吐出タイミング
が同等であるもの、1画素,2画素,3画素分遅いもの
が計7本主走査方向に並ぶようにしてある。
【0099】ここで、Mインクの吐出タイミングをCイ
ンクに対して上記のように相対的に変化させ、Yインク
の吐出タイミングをMインクに対して上記のように相対
的に変化させるのは、印刷したテストパターンを利用者
が視認する関係上、異色インク間のテストパターンが直
線状であるか否かを認識するには直近のパターンを比較
するようにした方が好ましいからである。むろん、Mイ
ンクの吐出タイミングとKインクの吐出タイミングとの
相対関係はCインクの吐出タイミングから間接的に算出
することができ、Yインクの吐出タイミングとKインク
の吐出タイミングとの相対関係はCインクおよびMイン
クの吐出タイミングから間接的に算出することができ
る。従って、MインクおよびYインクの調整画素数はK
インクに対して所定数増減しているとも言えるのでMイ
ンクおよびYインクに関するラスタデータも上述の通り
比較ラスタデータである。尚、本実施形態において上記
画像画素は上記大ドットを形成させるためのデータが使
用されており、このため印刷されるテストパターンは視
認性が高い。
【0100】上述のように画像画素値データと調整画素
データとの配分によって画像画素の吐出タイミングをず
らすと言っても、KCMYの各インクを吐出するノズル
のインク吐出特性に差があれば、同等の吐出タイミング
によるインク滴が主走査方向の略同位置にドットを形成
するとは限らない。すなわち、各インク毎のノズルの吐
出特性差によってドット形成位置が変化するので、図1
7に示すようなラスタデータによって主走査方向に7本
並ぶ直線状のパターンのうちのいずれにおいて隣接する
異色間の直線がスムーズに連結しているかを認識するこ
とによって各ノズルにおける適正な画素ずらし補償量を
把握することができる。
【0101】そこで、上記図15に示すフローチャート
では、ステップS220にて各インクについて図17に
示すラスタデータに基づいて印刷データを生成し、ステ
ップS230にて上記出力部21eが上記パラレル通信
用I/O19bを介して当該印刷データを出力する。こ
の結果、印刷装置40においてはプリンタコントローラ
60のI/F61を介して印刷データを取得し、制御部
64がキャリッジ機構73や紙送り機構72等各部を制
御して印刷データに基づく直線状のパターンを印刷す
る。
【0102】図19は、上記印刷データによって印刷装
置40が印刷媒体P上にテストパターンを印刷した状態
の一例を示している。同図において、各色ノズルのイン
ク吐出特性が同一であれば、画像画素を形成するための
吐出タイミングが同タイミングである中央の直線が連続
するように印刷されているはずである。しかし、実際は
各色ノズルのインク吐出タイミングが異なることによっ
て、異色の直線状パターンが連続する位置が異なると共
に、連続したパターンとなるような吐出タイミングは色
毎に異なってくる。
【0103】そこで、本実施形態においてはこの印刷媒
体P上で連続するものを選択させる。そのため、図15
のフローチャートのステップS240において上記テス
トパターン印刷データ生成部21d2は、上記ディスプ
レイDRV23を介して上記ディスプレイ18に図20
に示すようなずれ量入力UIを表示させ、ステップS2
50にて上記入力機器DRV22を介して上記操作入力
用機器による入力を受け付ける。すなわち、当該ずれ量
入力UIにおいては印刷媒体P上に印刷されるような直
線状パターンの模式図が表示されると共に、各色の直線
状パターンの右横には直線状パターンが連続する位置を
入力する入力ボックスB1〜B3が表示されている。
【0104】このずれ量入力UIにおいては直線状パタ
ーンの模式図の下に各直線における吐出タイミングのず
らし量が表示してある。利用者は、印刷媒体P上の印刷
パターンによって各色の直線パターンのいずれが連続し
ているかを認識し、上記キーボード31によって上記入
力ボックスB1〜B3に連続しているパターンの吐出タ
イミングのずらし量を入力する。図19においてKイン
クによる直線とCインクによる直線は左から三番目のパ
ターンで連続しており、かかる場合にはずれ量入力UI
において入力ボックスB1に「−1」を入力する。Cイ
ンクによる左から三番目の直線状パターンはずれ量入力
UIにも表示してあるように吐出タイミングが1画素分
遅いものだからである。
【0105】同様に、図19においてCインクによる直
線とMインクによる直線は左から二番目のパターンで連
続しており、かかる場合にはずれ量入力UIにおいて入
力ボックスB2に「−2」を入力する。また、図19に
おいてMインクによる直線とYインクによる直線は一番
右のパターンで連続しており、かかる場合にはずれ量入
力UIにおいて入力ボックスB3に「+3」を入力す
る。尚、ずれ量入力UIにおいては、上記マウス32に
よってもずれ量を入力可能であり、図20に示すように
各色の直線状パターンの模式図の境界にマウスポインタ
を配置させ、クリックするとマウスポインタ位置に円が
表示される。同図において左から三番目のKおよびCの
直線の境界をクリックするとその位置に円が表示され、
上記入力ボックスB1に自動で「−1」が表示される。
CおよびMの直線の境界やMおよびYの直線の境界をク
リックした場合も同様であり、円が表示されると共に入
力ボックスB2,B3に吐出タイミングのずらし量が入
力される。
【0106】さらに、ずれ量入力UIの右下にはOKボ
タンが表示されており、上記マウス32によってマウス
ポインタを移動させ、当該OKボタン上でクリックする
と入力ボックスB1〜B3内に入力されている数値が受
け付けられる。すなわち図15のフローチャートにおい
てステップS260ではOKボタンをクリックしたか否
かを判別しており、OKボタンをクリックしたと判別さ
れるまで上記ステップS250以降の処理を繰り返す。
ステップS260にてOKボタンをクリックしたと判別
されると、ステップS270にてCMY各色インクのK
インクに対するずれ量を算出する。
【0107】すなわち、上記図20のずれ量入力UIに
おいては隣り合うテストパターンにおける相対的なずれ
が判明するが、本実施形態においては基準インクはKで
あり、MインクとYインクとについてもCインクと同様
にKインクに対する相対的なずれ量を算出する必要があ
る。CMY各インクにおけるKインクに対する相対的な
ずれ量を算出することによって上記図14のように一般
の画像画素の両端に配分する調整画素数を計算すること
が可能になる。ステップS270においては、上記各入
力ボックスB1〜B3の入力値をそれぞれB1〜B3と
したときに、Cインクについてはずれ量をB1とし、M
インクについてはずれ量をB1+B2とし、Yインクに
ついてはずれ量をB1+B2+B3と算出する。
【0108】この算出を上記図20に示す具体例に則し
て説明する。Cインクに関しては吐出タイミングが1画
素分早いとKインクと同位置にドットを形成させること
ができるため、Cインクでは上記図20による入力通り
の「−1」がずれ量となる。一方、Mインクに関しては
Cインクより吐出タイミングが2画素分早いとCインク
と同位置にドットを形成させることができる。さらに、
上述の通りCインクはKインクの吐出タイミングより1
画素分早いときにKインクと同位置にドットを形成させ
るので、Mインクに関しては吐出タイミングを3画素分
(=−2−1)早くするとKインクと同位置にドットを
形成させることができるため、「−3」がずれ量とな
る。
【0109】Yインクに関してはMインクより吐出タイ
ミングが3画素分遅いとMインクと同位置にドットを形
成させることができる。さらに、上述の通りMインクは
Kインクの吐出タイミングより3画素分早いときにKイ
ンクと同位置にドットを形成させるので、Yインクに関
しては吐出タイミングをKインクと同等(0=−3+
3)にするとKインクと同位置にドットを形成させるこ
とができ、ずれ量は「0」となる。図21はこのように
して算出したずれ量を示すテーブルである。
【0110】ステップS280においては、このずれ量
に基づいて上記調整データ配分テーブル15cを生成す
る。上記図14に示す調整データ配分テーブル15c
は、上記図21に示すずれ量に基づいて規定したもので
ある。すなわち、調整データ配分テーブル15cの生成
においては、Kインクを基準とすることから当該Kイン
クの両端に配分する調整画素数を均等にしておき、CM
Y各色インクの左側の調整画素に対して上記図21に示
す各色のずれ量を加算し、右側の調整画素から上記図2
1に示す各色のずれ量を減じる。この結果、図14に示
すように調整データ配分テーブル15cが生成され、同
ステップS280においては上記HDD15に当該調整
データ配分テーブル15cを保存する。
【0111】従って、この後、上記APL25等によっ
て一般画像の印刷を実行する際には当該調整データ配分
テーブル15cが参照され、この調整データ配分テーブ
ル15cにて規定される調整画素数は上記テストパター
ンによって正確に把握されたずれ量に基づいていること
から、正確にドット形成位置ずれを補償しながら一般画
像を印刷させることができる。尚、上記実施形態におい
ては主走査方向に2画素並び、副走査方向にjラスタ並
ぶような直線状のテストパターンとしたが、テストパタ
ーンは必ずしもかかるパターンに限られない。例えば、
図18の拡大図〜のように種々のパターンを採用可
能である。すなわち、拡大図のように各色の直線状
のパターンにおいてその端部を重複させる様にしても良
いし、主走査方向に並べる画像画素を2画素ではなく1
画素にしても良い。むろん他にも種々のパターンを採用
可能である。
【0112】(4)第2実施形態:上記第1実施形態に
おいては、各色インクの直線状パターンを副走査方向に
並べて単方向印刷のずれ量を把握するようにしていた
が、むろん、テストパターンの形状は上記形態に限られ
ないし双方向印刷のずれ量を把握するテストパターンに
することもできる。以下、双方向印刷のずれ量を把握す
る際の調整データ配分テーブル生成処理を第2実施形態
として説明する。この第2実施形態における処理も第1
実施形態と同様の構成で実現可能であるが、HDD15
に保存されるテストパターンデータと印刷データ生成部
21dのテストパターン印刷データ生成部における処理
が異なっており、この結果、生成される調整データ配分
テーブルも異なる。
【0113】また、双方向印刷においてはキャリッジ5
0の往復動双方にてインク滴を吐出させるので、上述の
ようにAPL25等からの指示に基づいて一般画像等を
印刷する際に調整画素設定部21d1が実行する調整画
素の配分も上記図13に示す状況に加えて復動時の配分
も実行可能に構成する必要がある。そこで、まず双方向
印刷時の一般画像印刷時の処理を説明する。この場合、
上記HDD15には往動時と復動時との調整画素をそれ
ぞれ規定した調整データ配分テーブル150cが記憶さ
れており、ステップS140,S150にて往動,復動
いずれかを認識しつつ調整データ配分テーブル150c
の適切な調整画素を使用しつつ印刷データを生成する。
【0114】図23,図24はキャリッジ50の移動方
向とドットの形成位置のずれ量との関係を示す説明図で
ある。図23はキャリッジ50が往動しながらドットを
形成する場合の様子を示しており、図24はキャリッジ
50が復動しながらドットを形成する場合の様子を示し
ている。両者にて示すドットを形成させるための画像画
素値データはラスタデータ中で同一の画素位置、すなわ
ちラスタデータの画素を左から数えたときに同一位置に
あるとする。このように、同一位置の画像画素値データ
であってもヘッドのインク吐出特性等により同一位置に
ドットを形成しない場合があり、この位置ずれを調整画
素の配分で補償することができる。
【0115】図23においては2番目の画素にドットが
形成されており、図24においては5番目の画素にドッ
トが形成されているので、両者のドット形成位置は相対
的に3画素分ずれている。従って、同一位置にドットを
形成させるためには往復動のラスタデータにおいて画像
画素値データを主走査方向に相対的に3画素分ずらす必
要がある。図25はキャリッジ50の移動方向とずれ量
の補償との関係を示す説明図であり、図23および図2
4に示した吐出特性に対応した調整について説明する。
図25に示すように往動時のラスタデータにて画像画素
の両端に均等に調整画素を配分した場合には、復動時の
ラスタデータにて画像画素の左側に6画素分の調整画素
を配分する。尚、この状況は上記図22に示す調整デー
タ配分テーブル150cのKインクに関するデータに対
応している。
【0116】この結果、図24に一点鎖線で示すように
復動時の画像画素値データによるインク吐出タイミング
は3画素分早くなり、往動時と復動時とにおいて同一画
像画素値データのドット形成位置が同一位置になる。む
ろん、往動時と復動時との画像画素値データが相対的に
ずれていればよいので、往動時の画像画素値データと復
動時の画像画素値データとが逆側に移動して相対的に3
画素分ずれるようにしてラスタデータを生成しても良
い。いずれにしても、後述するテストパターンによって
往復動の相対的なドット形成位置ずれを正確に把握した
上で上記図22に示すような調整データ配分テーブル1
50cを生成すれば、上記図9に示すような一般画像の
印刷時に正確なドット形成位置ずれ補償を行いながら印
刷を実行することができる。
【0117】以上説明した原理によって双方向印刷時の
ドット形成位置ずれ補償を行うことができ、正確なずれ
補償のためにはずれ量を正確に把握可能なテストパター
ンを印刷することが重要である。本実施形態においても
上記テストパターン印刷データ生成部の調整データ配分
テーブル生成処理によってテストパターンを印刷させ、
調整データ配分テーブルを生成することができる。調整
データ配分テーブル生成処理のフローチャートは上記図
15と同様であるが、各ステップにて行う処理に異なる
ところがあり、以下図に従って差異を説明する。
【0118】図26は、本実施形態にかかるテストパタ
ーンデータ150dの一例を示す説明図である。同図に
示すように、本実施形態においても端調整画素と調整画
素と線本数と線長とがKCMYの各インクに対して規定
されているが、端調整画素と調整画素とは各インクにお
いて往動時と復動時とのそれぞれに対して規定されてい
る。尚、ここでも、キャリッジ50が図10の右方へ移
動する場合を往動としており、左方へ移動する場合を復
動としている。
【0119】このテストパターンデータ150dは各色
毎に往動および復動によって形成する直線状のパターン
をペアで副走査方向に並べ、かつ当該ペアを主走査方向
に並べるようにして印刷させるためのデータである。同
図においても端調整画素はラスタデータの左端に配分さ
れる調整画素数であり、調整画素はラスタデータ内で画
像画素の間に配分される調整画素数である。線本数は直
線状のパターンを主走査方向へ並べる際の数であり、線
長は各色における往復動それぞれの直線状パターンの副
走査方向のラスタ数である。
【0120】この例においては各色において往動時のラ
スタデータが基準ラスタデータに該当し、復動時のラス
タデータが比較ラスタデータに該当する。従って、本実
施例においては往動時の端調整画素数i’および調整画
素数iが上記クレームに言う特定数であり、復動時の端
調整画素数i’−3および調整画素数i+1が上記特性
数に所定数増減した数である。本実施形態においてもテ
ストパターン印刷処理は上記プリンタドライバ21のプ
ロパティによって提供される図15のような調整データ
配分テーブル生成処理の一環として実行される。図15
と同様の調整データ配分テーブル生成処理を実行する
と、ステップS200にて図26に示すテストパターン
データ150dが読み出され、当該テストパターンデー
タ150d内の各データ値を使用してステップS210
にて各色毎にラスタデータを生成する。
【0121】図27は、図26に示すテストパターンデ
ータ150dによって生成されるラスタデータの説明図
であり、同図においてはKインクの往復動に関するラス
タデータを詳述している。CMYインクに関してはラス
タデータの構造は上記Kインクのラスタデータと同様で
あり、テストパターンの副走査方向の印刷位置が異なっ
ている。すなわち、Kインクによりテストパターンを印
刷し、その下に順次Cインク,Mインク,Yインクによ
るテストパターンを印刷するようになっている。
【0122】同図に示すように、基準ラスタデータにお
いては左端に調整画素がi’個配分され、その右に2画
素分の画像画素が配分される。その右側には2画素分の
画像画素とi個分の調整画素とが交互に配置され、2画
素分の画像画素が計7個になるようにしてある。一方、
比較ラスタデータについては左端に調整画素がi’−3
個配分され、その右に2画素分の画像画素が配分され
る。その右側には2画素分の画像画素とi+1個分の調
整画素とが交互に配置され、2画素分の画像画素が計7
個になるようにしてある。尚、図27において●は往動
時の画像画素を示し、○は復動時の画像画素を示してい
る。
【0123】このようにして調整画素と画像画素とを融
合させた後には、ステップS220で各色インクのラス
タデータをそれぞれ副走査方向にj個分連続させるとと
もに、各色毎に往動時のラスタデータによるドット形成
位置と復動時のラスタデータによるドット形成位置とが
副走査方向に並ぶようにしてあり、このパターンが上か
らKCMYの順で印刷されるようにラスタデータを配置
する。すなわち、各色毎のラスタデータは図28に示す
ようになっている。
【0124】ステップS230にて上記印刷データを印
刷装置40に対して出力すると、図29に示すようなテ
ストパターンが印刷される。すなわち、主走査方向に7
本の直線が並び、副走査方向に2本の直線が端部を近接
するようにして並んでおり、このパターンがKCMYの
順で印刷される。尚、本実施形態にかかるテストパター
ン印刷時には、各直線において復動時のインク吐出タイ
ミングが往動時のインク吐出タイミングに対して何画素
分ずれているかを明確に示すため、ずれ量を示す数値を
印刷するようになっている。本実施形態においても往動
時の直線端部と復動時の直線端部とは重複せず、かつ端
部同士が隣り合うようになっている。
【0125】従って、上記図18の拡大図に示すよう
なパターンであり、印刷媒体Pを視認することによって
直線状パターンが連続しているか否か、すなわち往動時
と復動時とで主走査方向に画素ずれが発生しているか否
かを把握することができる。尚、主走査方向の基準ラス
タデータに対して比較ラスタデータの調整画素の吐出タ
イミングずらし量は上記図18に示す状況と同様であ
り、基準ラスタデータの吐出タイミングに対して3画
素,2画素,1画素分早いもの、吐出タイミングが同等
であるもの、1画素,2画素,3画素分遅いものが計7
本主走査方向に並ぶようになる。また、本実施形態にお
いて上記画像画素は上記大ドットを形成させるためのデ
ータが使用されており、このため印刷されるテストパタ
ーンは視認性が高い。
【0126】本実施形態においてノズルのインク吐出特
性に差があれば、往動時と復動時とのドット形成位置は
主走査方向に沿って相対的に逆向きに移動し、往動時と
復動時とで同等の吐出タイミングで吐出下インク滴が主
走査方向の略同位置にドットを形成するとは限らない。
そこで、上記第1実施形態と同様に、図29に示す印刷
媒体P上のテストパターンのいずれの直線がスムーズに
連続しているかを視認することによって各ノズルにおけ
る適正な画素ずらし補償量を把握することができる。
【0127】ステップS240では、本実施形態におけ
る画素ずれを入力させるため図30に示すずれ量入力U
Iを表示させ、ステップS250にて入力を受け付け
る。すなわち、当該ずれ量入力UIにおいては図29と
同様な直線状パターンの模式図が表示されると共に、各
色の直線状パターンの右横には直線状パターンが連続す
る位置を入力する入力ボックスB11〜B14が表示さ
れている。このずれ量入力UIにおいては直線状パター
ンの模式図の下に各直線における吐出タイミングのずら
し量が表示してある。
【0128】利用者は、図29に示す印刷媒体P上の印
刷パターンによって各色の直線パターンのいずれが連続
しているかを認識し、上記キーボード31によって上記
入力ボックスB11〜B14に連続しているパターンの
吐出タイミングのずらし量を入力する。図29において
Kインクの往動による直線と復動による直線は一番右の
パターンで連続しており、かかる場合にはずれ量入力U
Iにおいて入力ボックスB11に「+3」を入力する。
同様に、Cインクの往動による直線と復動による直線は
右から三番目のパターンで連続しており、かかる場合に
はずれ量入力UIにおいて入力ボックスB12に「+
1」を入力する。Mインクの往動による直線と復動によ
る直線は右から二番目のパターンで連続しており、かか
る場合にはずれ量入力UIにおいて入力ボックスB13
に「+2」を入力する。Yインクの往動による直線と復
動による直線は左から三番目のパターンで連続してお
り、かかる場合にはずれ量入力UIにおいて入力ボック
スB14に「−1」を入力する。
【0129】尚、図30に示すずれ量入力UIにおいて
も、上記マウス32によってずれ量を入力可能である。
さらに、ずれ量入力UIの右下にはOKボタンが表示さ
れており、上記マウス32によってマウスポインタを移
動させ、当該OKボタン上でクリックすると入力ボック
スB11〜B14内に入力されている数値が受け付けら
れる。すなわち図15のフローチャートにおいてステッ
プS260ではOKボタンをクリックしたか否かを判別
しており、OKボタンをクリックしたと判別されるまで
上記ステップS250以降の処理を繰り返す。ステップ
S260にてOKボタンをクリックしたと判別される
と、ステップS270にてCMY各色インクのKインク
に対するずれ量を算出する。
【0130】すなわち、上記入力ボックスB11〜B1
4に入力された数値は各色インクにおける往復動の相対
的なずれであるが、上述のように一般画像において画質
を向上するためには各色インク相互のドット形成位置の
相対的なずれを補償する必要がある。そこで、本実施形
態においては上記入力ボックスB11〜B14に入力さ
れた数値に基づいて各色インク相互のドット形成位置ず
れ量を算出する。図31,図32は、各色それぞれの往
復動の相対的なずれから各色相互の相対的なずれを算出
する様子を示す説明図である。
【0131】図においては、Kインクによるインクの吐
出とCインクによるインクの吐出を示している。往動時
の基準ラスタデータはKインク,Cインク同一であるか
ら、図31に示すようにその吐出タイミングT1は同一
である。ただし、両インクを吐出するノズルの特性差に
よって必ずしもドット形成位置は一致しない。一方、復
動時の比較ラスタデータにおいても基準ラスタデータの
画像画素と同位置の画像画素、例えば図27に示すずら
し量「0」の画像画素はKインクとCインクとで同一の
吐出タイミングT2でインクを吐出する。
【0132】図31に示す例では図29,図30に対応
させてあり、Cインクにおいては復動時に1画素分右に
ずらした吐出タイミングT3でインクを吐出し、Kイン
クにおいては復動時に3画素分右にずらした吐出タイミ
ングT4でインクを吐出したときに各色それぞれのドッ
ト形成位置が同位置になることを示している。かかる状
況においてCインクのドット形成位置をKインクに合わ
せるためには、Cインクの吐出タイミングを変更する必
要がある。
【0133】この場合、図32に示すようにCインクの
吐出タイミングを1画素分ずらす、すなわち往動時には
吐出タイミングを吐出タイミングT1より1画素分遅ら
せて吐出タイミングT5とし、復動時には吐出タイミン
グを吐出タイミングT3より1画素分早くして吐出タイ
ミングT6とすればCインクの往復動によるドット形成
位置を同一位置としつつKインクのドット形成位置にも
合わせることができる。ここで、吐出タイミングT1,
T5のずれ量および吐出タイミングT3,T6のずれ量
は共に1画素分であるがこの1画素分のずれ量は吐出タ
イミングT3,T4のずれが2画素分(=3−1)であ
ることに基づいている。
【0134】すなわち、吐出タイミングT6が吐出タイ
ミングT3,T4の中間になるように吐出タイミングを
決定し、吐出タイミングT6によるドット形成位置と同
位置にドットを形成するように吐出タイミングT5を決
定する。より一般的には、吐出タイミングT4となる画
素のずらし量(入力ボックスB11の入力値)から吐出
タイミングT3となる画素のずらし量(入力ボックスB
12の入力値)を減じ、2で除すればずれ量nが算出で
きる。吐出タイミングT6は吐出タイミングT4よりn
画素分タイミングを遅らせればよいし、吐出タイミング
T5は吐出タイミングT1よりn画素分タイミングを遅
らせればよい。
【0135】このように、まず入力ボックスB11の入
力値に基づいて基準とするKインク単独で往復の調整画
素を決定すれば、それぞれのインクについて往動に対し
てはKインクの往動調整画素の左側の数値にn画素分加
え、復動に対してはKインクの復動調整画素の左側の数
値からn画素減じれば各インクの往復動の調整画素数を
決定することができ、調整データ配分テーブル150c
を決定することができる。
【0136】そこで、上記ステップS270では、上記
入力ボックスB11〜B14の入力値に基づいて図33
に示すように各色毎のずれ量nを算出し、ステップS2
80ではKインクの調整画素数を決定すると共に当該調
整画素数に対して上述のようにずれ量nを増減して上記
図22に示す調整データ配分テーブル150cを生成
し、上記HDD15に保存する。
【0137】尚、Mインクに関するずれ量nはn=(B
11−B13)/2であり、Yインクに関するずれ量n
はn=(B11−B14)/2である。本実施形態にお
いてはずれ量nについて少数点以下は切り捨てとしてい
るが、むろん四捨五入しても良い。このように、テスト
パターンに基づいて正確にずれ量を把握し、当該ずれ量
に基づいて調整データ配分テーブル150cを決定すれ
ば、以後図9に示すような一般画像の印刷に当たり、正
確にドット形成位置ずれを補償しながら画像を印刷させ
ることができる。
【0138】(5)第3実施形態:上記第1および第2
実施形態においては、直線状パターンを副走査方向に並
べて単方向印刷のずれ量を把握するようにしていたが、
直線状パターン以外にも種々の形態のテストパターンを
採用することができる。以下、テストパターンとして各
色のパッチを印刷し、双方向印刷のずれ量を把握する際
の調整データ配分テーブル生成処理を第3実施形態とし
て説明する。この第3実施形態における処理も第2実施
形態と同様の構成で実現可能であるが、HDD15に保
存されるテストパターンデータと印刷データ生成部21
dのテストパターン印刷データ生成部における処理が異
なっている。生成される調整データ配分テーブルは上記
第2実施形態のものと同様である。また、本実施形態に
おいて印刷装置40で使用可能なインク数は6色であり
上記CMYKに加えてLC(ライトシアン),LM(ラ
イトマゼンタ)のインクを使用可能である。
【0139】本実施形態においても各色毎に往復動のド
ット形成位置ずれを把握し、基準となるインクに対する
ずれ量nを算出して調整データ配分テーブルを生成する
処理を行っており、概略的には調整データ配分テーブル
生成処理のフローチャートは上記図15と同様である。
すなわち、ステップS200にてテストパターンデータ
151dを読み出した後、ステップS210〜S230
にてテストパターンの印刷を実行する。図34は、本実
施形態にかかるテストパターンデータ151dの一例を
示す説明図である。同図に示すように、本実施形態にお
いては基準ラスタデータにおける左端の調整画素数が基
準調整画素として規定され、比較ラスタデータにおける
左端の調整画素数が比較調整画素として規定されてい
る。比較調整画素を変更した色パッチを複数印刷させる
ため、当該比較調整画素数は所定の値域を有している。
3×3画素のパターンを4つ並べることによって形成さ
れる所定の単位パターンを複数個並べて一つのパッチを
形成するようになっており、単位パターンを並べる個数
が単位数として規定されている。
【0140】さらに、単位パターン内の画像画素値デー
タについては基本形態が基本ラスタデータとしてビット
列で規定されており、テストパターン印刷データ生成部
はこの基本形態の前後3画素分を適宜調整して所定のラ
スタデータを生成する。尚、基本ラスタデータ内のビッ
トデータ「0」はドットを形成しない画素を示し、ビッ
トデータ「1」は大ドットにてドットを形成する画素を
示している。また、上述の実施形態においては往動時と
復動時とは副走査方向に異なるラスタにドットを形成し
ていたが、本実施形態においては往動時と復動時とで同
一ラスタにドットを形成する。さらに、本実施形態にお
いてもキャリッジ50が図10の右方へ移動する場合を
往動としており、左方へ移動する場合を復動としている
が、往動と復動のいずれを先に印刷するかは任意であ
る。
【0141】以上のテストパターンデータ151dに基
づいて各色毎に比較調整画素数を変更した複数個のパッ
チを印刷するが、各色パッチを重ねないようにするた
め、テストパターンデータ151dにオフセットが含め
られており、当該オフセット値に基づいて色毎に主走査
方向にオフセットを与えるようになっている。
【0142】図35は、図34に示すテストパターンデ
ータ151dによって生成されるラスタデータの説明図
であり、同図においてはKインクの往復動によって形成
される一つの色パッチについて、そのラスタデータの一
部を詳述している。CMYインクに関してはラスタデー
タの構造は上記Kインクのラスタデータと同様である
が、テストパターンの印刷位置が異なっており、上記オ
フセット量に規定された画素分主走査方向にずらしなが
らラスタデータが生成される。この結果、主走査方向に
K,C,M,LC,LM,Yの順でパッチが並ぶように
なっている。
【0143】図35において、復動時のラスタデータが
基準ラスタデータであり、往動時のラスタデータが比較
ラスタデータである。ここでも●は往動時の画像画素を
示し、○は復動時の画像画素を示している。これらのラ
スタデータの生成に当たり、図35の一番上に示す基準
ラスタデータを生成するために上記テストパターンデー
タ151dの基準調整画素を参照し、左側にi画素分の
基準調整画素を配分する。そして、基本ラスタデータを
参照して当該基本ラスタデータ通りのビット列に従って
画像画素値データを生成する。ビット列で「1」に該当
する画素は大ドットを形成するようなデータとなる。こ
のようにして形成された画像画素値データは主走査方向
にk画素分並べられ、さらに右側の画素には調整画素が
配分される。
【0144】図35の二番目に示す比較ラスタデータに
よるドットは、上記図35の一番上に示す基準ラスタデ
ータによるドットと副走査方向に同一のラスタに形成さ
れる。また、この比較ラスタデータにおいては、上記テ
ストパターンデータ151dの比較調整画素を参照し、
左側にi’画素分の比較調整画素を配分する。そして、
基本ラスタデータを参照して右側の三画素分のデータ
「000」を左側に配分して形成されるビット列に従っ
て画像画素値データを形成する。このようにして形成さ
れた画像画素値データも主走査方向にk画素分並べら
れ、さらに右側の画素には調整画素が配分される。従っ
て、上記基準ラスタデータと比較ラスタデータとにおい
てはドットを形成する画像画素の位置が主走査方向にず
れている。比較調整画素i’と基準調整画素iとが同一
数の場合には、ドットを形成する画像画素の位置が主走
査方向に3画素分ずれている。
【0145】図35の三番目と四番目に示す基準ラスタ
データと比較ラスタデータとにおいてはその左側に配分
する調整画素数iとi’とは上述のものと同一である
が、参照する基本ラスタデータが異なっており、上記図
34に示す下側の基本ラスタデータを参照する。従っ
て、図35の三番目に示す基準ラスタデータにおいては
画像画素値データの二番目がドットを形成する画像画素
値データとなるし、図35の四番目に示す比較ラスタデ
ータにおいては五番目がドットを形成する画像画素値デ
ータとなる。
【0146】図35の五番目と六番目に示す基準ラスタ
データと比較ラスタデータとにおいては、上記一番目と
二番目に示す基準ラスタデータと比較ラスタデータと同
じラスタデータを生成する。このようにして生成したラ
スタデータによれば、3×3画素のパターンが主走査方
向にk/3個並ぶようなパターンを形成させることがで
きる。本実施形態においてはさらに七番目〜十二番目の
基準ラスタデータと比較ラスタデータとにおいて、副走
査方向に隣り合う3×3画素のパターンの往動と復動と
が交互になるように画像画素値データを生成する。
【0147】例えば、七番目の基準ラスタデータにおい
ては、上記テストパターンデータ151dの基準調整画
素を参照し、左側にi画素分の基準調整画素を配分す
る。そして、基本ラスタデータを参照して右側の三画素
分のデータ「000」を左側に配分して形成されるビッ
ト列に従って画像画素値データを形成する。また、八番
目の比較ラスタデータにおいては、上記テストパターン
データ151dの比較調整画素を参照し、左側にi’画
素分の基準調整画素を配分し、基本ラスタデータそのま
まのビット列にて画像画素値データを形成する。
【0148】このようにして、一番目〜十二番目のラス
タデータを生成した後には、これらのラスタデータを一
単位として、上記テストパターンデータ151dに規定
された単位数jとなるようにラスタデータを副走査方向
に並べる。この結果、往動時には特定数iの調整画素を
有する基準ラスタデータにてドットを形成し、復動時に
は特定数iに所定数増減した数i’の調整画素を有する
比較ラスタデータにてドットを形成するパッチを印刷さ
せるための印刷データを生成することができる。尚、比
較調整画素は上記図34に示すようにi−3〜i+3の
値域を有しており、この値域の範囲内で比較調整画素数
を変更した色パッチを副走査方向に並べるようにして印
刷データを生成する。
【0149】すなわち、各色毎のラスタデータは図36
に示すように、色パッチを副走査方向に7個並べるよう
な印刷を実行させるデータであり、これらの各色のラス
タデータに基づいて印刷を実行すると、図37に示す印
刷媒体Pのように各色パッチが主走査方向に並ぶと共
に、各色それぞれにて7個のパッチが副走査方向に並
ぶ。このとき、比較調整画素が上記値域を有しているこ
とにより、副走査方向に並ぶ各パッチにおいて、往動時
と復動時との画像画素値データのずらし量は上から「−
3,−2,−1,0,+1,+2,+3」である。
【0150】図38は、上記図37に示す印刷媒体P上
のテストパターンの拡大図である。印刷媒体上のドット
においてヘッド往動時に形成されたドットとヘッド復動
時に形成されたドットで区別することはできないが、図
38においては説明のため往動時のドットを●とし、復
動時のドットを○として示している。上述のように比較
調整画素i’を基準調整画素iに対して増減させると言
っても、ヘッドのインク吐出特性によって、i=i’の
ときに往動時のドットと復動時のドットで形成位置ずれ
が発生しているとは限らない。
【0151】拡大図は往動時のドットと復動時のドッ
トとで形成位置ずれが発生していない状況のテストパタ
ーンについて拡大したものであり、拡大図は往動時の
ドットと復動時のドットとで形成位置ずれが発生してい
る状況のテストパターンについて拡大したものである。
ドット形成位置ずれが発生していなければ往動時のドッ
トと復動時のドットが3×3画素のパターンで隣り合う
ように整然と並び、ドット形成位置ずれが発生している
場合には往動時のドットが3×3画素の単位で主走査方
向にずれる。拡大図は往動時のドットが主走査方向左
側に2画素分ずれた状況を示している。
【0152】拡大図のようなテストパターンでは、ド
ットが整然と並んでいるので利用者が印刷媒体P上のパ
ターンを視認したときには、ざらつきを視認せず一様な
綺麗なパターンとして認識する。これに対して拡大図
のようなテストパターンでは、ドットが不均一に並んで
いるので利用者が印刷媒体P上のパターンを視認したと
きには、パッチ内に印刷媒体Pの白色を僅かに認識し、
ざらつきのあるパターンであると認識する。従って、利
用者が印刷媒体P上で最もざらつきを感じないパッチを
選び、そのパッチが印刷媒体P上で上から何番目にある
かを把握すれば、画素ずれ量nを正確に把握することが
できる。ここで、上記パッチのドットパターンは3×3
画素単位で主走査方向に移動しうるパターンであるか
ら、近年の印刷装置のように極微小ドットを形成可能な
印刷装置においても画素ずれが発生しているか否かを非
常に容易に認識することができ、テストパターンを視認
することで正確にずれ量nを把握することができる。
【0153】本実施形態においてもステップS240〜
S280にて利用者が認識した往復動による相対的なず
れ量を各色毎に入力させ、当該ずれ量に基づいて各色毎
の相対的なずれ量を算出し、一般画像の印刷に使用する
調整データ配分テーブルを生成し、HDD15に保存す
るようになっている。図39は、本実施形態におけるず
れ量入力UIを示している。当該ずれ量入力UIにおい
ては図37と同様な複数のパッチ状パターンの模式図が
表示されると共に、画面下部には最もざらつきの少ない
パッチ状パターンを入力する入力ボックスB21〜B2
6が表示されている。このずれ量入力UIにおいては直
線状パターンの模式図の右横に各直線における調整画素
の相対的なずらし量が表示してある。
【0154】利用者は、図37に示す印刷媒体P上の印
刷パターンを視認して最もざらつきの少ないパッチを抽
出し、上記キーボード31によって上記入力ボックスB
21〜B26にざらつきの少ないパターンの調整画素の
相対的なずらし量を入力する。図39に示すずれ量入力
UIにおいても、上記マウス32によってずれ量を入力
可能である。さらに、ずれ量入力UIの右下にはOKボ
タンが表示されており、上記マウス32によってマウス
ポインタを移動させ、当該OKボタン上でクリックする
と入力ボックスB21〜B26内に入力されている数値
が受け付けられる。
【0155】このようにして入力ボックスB21〜B2
6に入力された数値が受け付けられると、上記第2実施
形態と同様にして各色の相対的なずれ量を算出する。す
なわち、Cインクにおいてずれ量n=(B21−B2
2)/2であり、Mインクについてはずれ量n=(B2
1−B23)/2であり、LCインクについてはずれ量
n=(B21−B24)/2であり、LMインクについ
てはずれ量n=(B21−B25)/2であり、Yイン
クについてはずれ量n=(B21−B26)/2であ
る。
【0156】各色の相対的なずれ量を算出した後には、
入力ボックスB21の入力値に基づいて基準とするKイ
ンク単独で往復の調整画素を決定してKインクに関する
調整データ配分テーブルを生成する。そして、CMY,
LC,LMインクについて、往動に対してはKインクの
往動調整画素の左側の数値にn画素分加え、復動に対し
てはKインクの復動調整画素の左側の数値からn画素減
じて調整データ配分テーブルを生成する。生成した調整
データ配分テーブルは上記HDD15に保存され、HD
D15に保存された後には、図9に示すような一般画像
の印刷に当たり正確にドット形成位置ずれを補償しなが
ら画像を印刷させることができる。
【0157】(6)第4実施形態:上記第3実施形態に
おける色パッチを形成するドットの配置は上記図38に
示すようなものに限られない。例えば、パターンを形成
するドットが3×3である必要はなく3以外の数値でも
構わないし、n×mのパターンすなわち縦横のドット数
が異なっても良いし、不規則形状のパターンであっても
良い。また、各パッチを単色ドットで形成する必要があ
るわけでもない。以下、上記第3実施形態におけるテス
トパターンの各パッチを二色で印刷させる第4実施形態
について説明する。この第4実施形態における処理も第
3実施形態と同様の構成で実現可能であるが、テストパ
ターン印刷データ生成部において生成するラスタデータ
が異なっている。生成される調整データ配分テーブルは
上記第2実施形態のものと同様である。
【0158】本実施形態においても図34に示すような
テストパターンデータに基づいてラスタデータの主な部
分は生成可能である。すなわち、ずれ量を把握する対象
となる色に対しては上記図35に示すものと同様のラス
タデータを生成し、2色目の色に対しては図40に示す
ようなラスタデータを生成する。このラスタデータにお
ける画像画素値データは△に示すような2色目のドット
を形成させるためのデータである。すなわち、上記図3
5に示すラスタデータにて往動にて形成されるパッチと
略同一領域に復動にて2色目のドットが形成される。ま
た、当該2色目のドットにおいては、3×3画素のパタ
ーンの上下左右にドットを形成させる。
【0159】図41はこのようにして生成したラスタデ
ータによって生成した印刷データにて印刷を実行した場
合のテストパターンの拡大図を示している。図41にお
いてはテストパターンによってずれを把握しようとする
色の往動時のドットを●とし、復動時のドットを○とし
て示しており、2色目の復動時のドットを△で示してい
る。本実施形態において2色目のドット△は、復動時の
みで形成されるので2色目のドット同士において、その
ドット形成位置が主走査方向にずれることはない。
【0160】拡大図は往動時のドットと復動時のドッ
トとで形成位置ずれが発生していない状況のテストパタ
ーンについて拡大したものであり、拡大図は往動時の
ドットと復動時のドットとで形成位置ずれが発生してい
る状況のテストパターンについて拡大したものである。
本実施形態においてもドット形成位置ずれが発生してい
なければ往動時のドットと復動時のドットが3×3画素
のパターンで隣り合うように整然と並び、利用者はざら
つきの最も少ないパターンとして認識する。尚、拡大図
のスケールでは△ドットが偏在しているが、●ドット
および○ドットと△ドットは全体として均一な位置に形
成されているので、利用者がざらつきを感じることはな
い。
【0161】ドット形成位置ずれが発生している場合に
は往動時のドットが3×3画素の単位で主走査方向にず
れるが、上記第3実施形態によるものより本実施形態に
よるものの方がずれによるパッチの見え方の変動が大き
い。すなわち、ずれが発生したときには拡大図の様に
●ドットおよび○ドットの形成位置と△ドットの形成位
置に偏りが生じ、均一なパターンと比較して色調が不均
一、すなわちざらつきのあるパターンとして認識され
る。また、ずれによって異色ドットである●ドットと△
ドットとが重なった場合にも色調が変化し、やはりざら
つきのあるパターンとして認識される。このように、画
素ずれが発生している場合にはパッチのざらつき具合の
差異が誇張されるので、最もざらつきの少ないパッチを
より確実に認識することができる。
【0162】このようにして、テストパターンの印刷結
果によって最もざらつきの少ないパッチを抽出した後の
処理は上記第3実施形態と同様であり、ずれ量入力UI
にてずれ量を入力させ、入力値に基づいて各色の相対的
なずれ量を算出するとともに当該算出値に基づいて調整
データ配分テーブルを生成/保存する。ここで、上記2
色目のドット△は往復動の双方に重畳させても良いが、
ドット形成位置ずれを主走査方向に移動させない一方の
ラスタ(本実施形態では復動ラスタ)データに重畳させ
れば充分である。また、2色目のドットの色は特に限定
されないが、元々のドット●,○の色のずれを明確に視
認させるためのものであるから、Yインクを除いて略逆
相にある色インクの組み合わせであれば好ましい。すな
わち、元々の色がC,M,LC,LMインクのときはそ
れぞれM,C,LM,LCインクにて2色目のドットを
形成すればよい。
【0163】以上説明したように、本発明においては画
像画素値データの少なくとも一方の側に調整画素値デー
タを配置して主走査方向のドット形成位置を調整可能な
状況において、特定数の調整画素を含む基準ラスタデー
タと当該特定数に諸定数増減した数の調整画素を含む比
較ラスタデータとによって色パッチや直線状のテストパ
ターンを形成する。このテストパターンにおいては、主
走査方向のドット形成位置を基準に対して徐々にずらし
て複数のパターンを形成させ、また、2色のドットでパ
ッチを形成したり、n×n画素の単位でドットを配置す
るなどしてずれ量を明確に把握可能なテストパターンを
印刷する。従って、極微小なドットを形成可能な印刷装
置において画素単位の極微小なずれを明確に把握するこ
とが可能なパターンを印刷させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる印刷装置および本発明にかかる
印刷装置制御プログラムを実行するコンピュータからな
るシステム構成図である。
【図2】印刷装置制御プログラムがプリンタドライバと
して実現された場合における概略構成図である。
【図3】印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図4】駆動信号の波形と吐出されるインク滴の大小関
係とを示す説明図である。
【図5】印刷装置の機械部分の概略構成を示す図であ
る。
【図6】ノズルアレイの構成を示す底面図である。
【図7】圧電素子とノズルNzとの構造を詳細に示した
説明図である。
【図8】印刷装置が印刷する画素の様子を示す説明図で
ある。
【図9】印刷データ生成処理ルーチンのフローチャート
である。
【図10】適正なタイミングで形成されたドットの様子
を示す説明図である。
【図11】形成位置にずれが生じるノズルで形成された
ドットの様子を示す説明図である。
【図12】ドットの形成位置のずれを補償する様子を示
す説明図である。
【図13】ドットの形成位置のずれを補償する様子を示
す説明図である。
【図14】調整データ配分テーブルの例を示す説明図で
ある。
【図15】調整データ配分テーブル生成処理のフローチ
ャートである。
【図16】テストパターンデータの説明図である。
【図17】ラスタデータの説明図である。
【図18】テストパターンの拡大図である。
【図19】テストパターンの印刷結果を示す図である。
【図20】ずれ量入力UIを示す図である。
【図21】各色毎のずれ量nを示す図である。
【図22】調整データ配分テーブルの例を示す説明図で
ある。
【図23】キャリッジの移動方向とドットの形成位置の
ずれ量との関係を示す説明図である。
【図24】キャリッジの移動方向とドットの形成位置の
ずれ量との関係を示す説明図である。
【図25】キャリッジの移動方向とずれ量の補償との関
係を示す説明図である。
【図26】テストパターンデータの説明図である。
【図27】ラスタデータの説明図である。
【図28】各色毎のラスタデータを説明する概念図であ
る。
【図29】テストパターンの印刷結果を示す図である。
【図30】ずれ量入力UIを示す図である。
【図31】往復動の相対的なずれから各色相互の相対的
なずれを算出する様子を示す説明図である。
【図32】往復動の相対的なずれから各色相互の相対的
なずれを算出する様子を示す説明図である。
【図33】各色毎のずれ量nを示す図である。
【図34】テストパターンデータの説明図である。
【図35】ラスタデータの説明図である。
【図36】各色毎のラスタデータを説明する概念図であ
る。
【図37】テストパターンの印刷結果を示す図である。
【図38】テストパターンの拡大図である。
【図39】ずれ量入力UIを示す図である。
【図40】ラスタデータの説明図である。
【図41】テストパターンの拡大図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ 11…CPU 12…システムバス 13…ROM 14…RAM 15…ハードディスクドライブ 15a…画像データ 15b…LUT 15c…調整データ配分テーブル 15d…テストパターンデータ 16…フレキシブルディスクドライブ 16a…フレキシブルディスク 17…CD−ROMドライブ 17a…CD−ROM 18…ディスプレイ 20…アプリケーションプログラム 21…プリンタドライバ 21a…入力部 21b…色補正処理部 21c…ハーフトーン処理部 21d…印刷データ生成部 21d1…調整画素数設定部 21d2…テストパターン印刷データ生成部 21e…出力部 22…入力機器DRV 23…ディスプレイDRV 31…キーボード 32…マウス 40…印刷装置 50…キャリッジ 50a…印刷ヘッド 51,52…インクカートリッジ 51a,52a〜52c…アクチュエータ 53…紙送りモータ 53a…プラテン 54…キャリッジモータ 54a…駆動ベルト 54b…プーリ 54c…位置検出センサ 55…摺動軸 56…インク通路 60…プリンタコントローラ 61…インターフェース 62…RAM 62a…受信バッファ 62b…中間バッファ 62c…出力バッファ 63a…吐出特性データ 64…制御部 65…発信回路 66…駆動信号発生回路 70…プリントエンジン 71…ヘッド駆動部 72…機構 73…キャリッジ機構 74…シフトレジスタ 75…ラッチ回路 76…レベルシフタ 77…スイッチ回路 78…圧電素子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルを備える
    ヘッドと、 上記ヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往
    復動させる主走査を行う主走査部と、 上記往復の行路のうちの少なくとも一方において印刷デ
    ータに応じて上記ヘッドを駆動して上記主走査の方向に
    配列された複数の画素の少なくとも一部の上にドットを
    形成させるヘッド駆動部と、 上記ヘッドに対して上記主走査の方向と交わる副走査方
    向に上記印刷媒体を相対的に送る副走査を行う副走査部
    と、 印刷の制御を行う制御部とを備え、 上記印刷データは、各主走査の各ノズルがドットを形成
    する際に画像を構成する画像画素におけるドットの形成
    状態を表す画像画素値データと、上記画像画素の主走査
    方向の位置を調整するために用いられるドットを形成し
    ない調整画素の存在を表す調整画素値データとを有する
    ラスタデータを含んでおり、 上記制御部は、上記ラスタデータであって特定数の調整
    画素を含み上記ヘッドの往復動の一方にてドットを形成
    させる基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減した
    数の調整画素を含み上記ヘッドの往復動の他方にてドッ
    トを形成させる比較ラスタデータとによって特定の印刷
    領域内で上記比較ラスタデータ中の調整画素数を一定に
    しつつ単色の色パッチを形成させるとともに上記調整画
    素数と色とのいずれかまたは双方が異なる色パッチを複
    数の印刷領域に形成させるための印刷データに基づいて
    上記主走査部と副走査部とヘッド駆動部とを制御して印
    刷を実行することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 上記印刷データは、ドット形成位置のず
    れを際だたせるための画像画素であって上記色パッチと
    異なる色の画像画素であって当該色パッチの印刷領域内
    にヘッドの往復動の一方にてドットを形成させる異色ラ
    スタデータを含むことを特徴とする上記請求項1に記載
    の印刷装置。
  3. 【請求項3】 上記印刷データは、基準ラスタデータに
    基づくドットと比較ラスタデータに基づくドットをn×
    n画素の領域に形成させるとともに二次元の印刷媒体上
    に基準ラスタデータによるn×n画素の領域と比較ラス
    タデータによるn×n画素の領域とが交互に並ぶように
    印刷を実行させるデータであることを特徴とする上記請
    求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】 上記印刷データは、基準ラスタデータに
    基づくドットと比較ラスタデータに基づくドットをn×
    m画素の領域に形成させるとともに二次元の印刷媒体上
    に基準ラスタデータによるn×m画素の領域と比較ラス
    タデータによるn×m画素の領域とが交互に並ぶように
    印刷を実行させるデータであることを特徴とする上記請
    求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】 上記印刷データは、基準ラスタデータに
    よる画素を形成する不規則形状の領域と比較ラスタデー
    タによる画素を形成する不規則形状の領域とを二次元の
    印刷媒体上に全体として略均等頻度で配置するように印
    刷を実行させるデータであることを特徴とする上記請求
    項1または請求項2のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 【請求項6】 インクを吐出する複数のノズルを備える
    ヘッドと、 上記ヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往
    復動させる主走査を行う主走査部と、 上記往復の行路のうちの少なくとも一方において印刷デ
    ータに応じて上記ヘッドを駆動して上記主走査の方向に
    配列された複数の画素の少なくとも一部の上にドットを
    形成させるヘッド駆動部と、 上記ヘッドに対して上記主走査の方向と交わる副走査方
    向に上記印刷媒体を相対的に送る副走査を行う副走査部
    と、 印刷の制御を行う制御部とを備え、 上記印刷データは、各主走査の各ノズルがドットを形成
    する際に画像を構成する画像画素におけるドットの形成
    状態を表す画像画素値データと、上記画像画素の主走査
    方向の位置を調整するために用いられるドットを形成し
    ない調整画素の存在を表す調整画素値データとを有する
    ラスタデータを含んでおり、 上記制御部は、上記ラスタデータであって特定数の調整
    画素を含み複数のドットを副走査方向に直線状に形成さ
    せるような基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減
    した数の調整画素を含み複数のドットを副走査方向に直
    線状に形成させるような比較ラスタデータとによって両
    ラスタデータによるドットの直線端部を近接させるよう
    な複数のテストパターンを形成させ、これら複数のテス
    トパターン相互において比較ラスタデータによる直線と
    基準ラスタデータによる直線との相対的な位置関係が主
    走査方向にずれているようにテストパターンを形成させ
    る印刷データに基づいて上記主走査部と副走査部とヘッ
    ド駆動部とを制御して印刷を実行することを特徴とする
    印刷装置。
  7. 【請求項7】 上記ヘッドは往復動の双方でインクを吐
    出可能であり、上記基準ラスタデータはヘッドの往復動
    の一方にてドットを形成し、比較ラスタデータはヘッド
    の往復動の他方にてドットを形成させるデータであるこ
    とを特徴とする上記請求項6に記載の印刷装置。
  8. 【請求項8】 上記ラスタデータは上記印刷装置で使用
    可能な色毎に生成され、上記基準ラスタデータは特定の
    基準色にてドットを形成させ、比較ラスタデータは他の
    色にてドットを形成させるデータであることを特徴とす
    る上記請求項6または請求項7のいずれかに記載の印刷
    装置。
  9. 【請求項9】 上記比較ラスタデータは、印刷装置で使
    用可能な色の中で視認性の良好なドットを形成するデー
    タであることを特徴とする上記請求項1〜請求項8に記
    載の印刷装置。
  10. 【請求項10】 上記印刷装置は上記ノズルから異なる
    重量のインク滴を吐出させることが可能であり、上記印
    刷データは当該ノズルから最大重量のインク滴を吐出さ
    せるようにして印刷を実行させるデータであることを特
    徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の印
    刷装置。
  11. 【請求項11】 ノズルからインクを吐出させてドット
    を形成させる画像画素を示す画像画素値データと、ドッ
    トを形成させない調整画素の存在を表す調整画素値デー
    タとを有するラスタデータであって、特定数の調整画素
    を含む基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減した
    数の調整画素を含む比較ラスタデータとに基づいて印刷
    を実行させる印刷データにより、基準ラスタデータによ
    るドットと比較ラスタデータによるドットとの形成位置
    を主走査方向にずらしながら所定のテストパターンを印
    刷可能な印刷装置であって、 上記ノズルは各画素のドット形成に当たり異なる重量の
    インク滴を吐出させることが可能であり、上記印刷デー
    タはラスタデータの画像画素値データにて上記ノズルか
    ら最大重量のインク滴を吐出させるようにしてテストパ
    ターンを印刷させることを特徴とする印刷装置。
  12. 【請求項12】 上記印刷装置は上記ノズルから異なる
    重量のインク滴を吐出させることが可能であり、上記印
    刷データは所定重量のインク滴を吐出させるようにして
    印刷を実行させるデータであるとともに印刷装置で実現
    可能な総ての重量のそれぞれについて印刷を実行させる
    データであることを特徴とする上記請求項1〜請求項1
    1のいずれかに記載の印刷装置。
  13. 【請求項13】 所定の操作入力手段によって上記主走
    査方向へのずらし量をインクの色毎に受け付ける増減量
    受付手段を具備し、 上記印刷データは上記基準ラスタデータによるドットに
    対して主走査方向に一画素ずつずらすようにしてドット
    を形成させる複数の比較ラスタデータにてテストパター
    ンを印刷させるとともに当該比較ラスタデータでの主走
    査方向へのずらし量を認識可能にしながら上記テストパ
    ターンを複数の印刷領域に印刷させるデータであり、上
    記制御部は上記増減量受付手段にて受け付けられた増減
    量にて調整画素数を増減して該当するインク色のラスタ
    データにて印刷を実行可能であることを特徴とする上記
    請求項1〜請求項12のいずれかに記載の印刷装置。
  14. 【請求項14】 インクを吐出する複数のノズルを備え
    るヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往復
    動させる主走査を行いつつ、上記ヘッドに対して上記主
    走査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体を相対的
    に送る副走査を行い、上記往復の行路のうちの少なくと
    も一方において印刷データに応じて上記ヘッドを駆動
    し、上記主走査の方向に配列された複数の画素の少なく
    とも一部の上にドットを形成させる印刷装置に、ドット
    の形成位置ずれを調整するためのテストパターンを印刷
    させる印刷装置制御プログラムであって、 各主走査の各ノズルがドットを形成する際に画像を構成
    する画像画素におけるドットの形成状態を表す画像画素
    値データを生成する画像画素値データ生成機能と、 上記画像画素の主走査方向の位置を調整するために用い
    られるドットを形成しない調整画素の存在を表す調整画
    素値データを上記画像画素値データの両端の少なくとも
    一方の側に配置して主走査方向のラスタデータを生成す
    るラスタデータ生成機能と、 上記ラスタデータ生成機能にて特定数の調整画素を含み
    上記ヘッドの往復動の一方にてドットを形成させる基準
    ラスタデータと当該特定数に所定数増減した数の調整画
    素を含み上記ヘッドの往復動の他方にてドットを形成さ
    せる比較ラスタデータとを生成させるとともに、特定の
    印刷領域内で上記比較ラスタデータ中の調整画素数を一
    定にしつつ単色の色パッチを形成させ、上記調整画素数
    と色とのいずれかまたは双方が異なる色パッチを複数の
    印刷領域に形成させるための印刷データを生成する印刷
    データ生成機能と、 同生成された印刷データを所定のインタフェースを介し
    て上記印刷装置に出力する印刷データ出力機能とをコン
    ピュータに実現させることを特徴とする印刷装置制御プ
    ログラム。
  15. 【請求項15】 インクを吐出する複数のノズルを備え
    るヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往復
    動させる主走査を行いつつ、上記ヘッドに対して上記主
    走査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体を相対的
    に送る副走査を行い、上記往復の行路のうちの少なくと
    も一方において印刷データに応じて上記ヘッドを駆動
    し、上記主走査の方向に配列された複数の画素の少なく
    とも一部の上にドットを形成させる印刷装置に、ドット
    の形成位置ずれを調整するためのテストパターンを印刷
    させる印刷装置制御プログラムであって、 各主走査の各ノズルがドットを形成する際に画像を構成
    する画像画素におけるドットの形成状態を表す画像画素
    値データを生成する画像画素値データ生成機能と、 上記画像画素の主走査方向の位置を調整するために用い
    られるドットを形成しない調整画素の存在を表す調整画
    素値データを上記画像画素値データの両端の少なくとも
    一方の側に配置して主走査方向のラスタデータを生成す
    るラスタデータ生成機能と、 上記ラスタデータ生成機能にて特定数の調整画素を含む
    基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減した数の調
    整画素を含む比較ラスタデータとを生成させるとともに
    複数のドットを副走査方向に直線状に形成させるような
    基準ラスタデータおよび比較ラスタデータを生成し、両
    ラスタデータによるドットの直線端部を近接させるよう
    な複数のテストパターンを形成させ、これら複数のテス
    トパターン相互において比較ラスタデータによる直線と
    基準ラスタデータによる直線との相対的な位置関係が主
    走査方向にずれているようにテストパターンを形成させ
    る印刷データを生成する印刷データ生成機能と、 同生成された印刷データを所定のインタフェースを介し
    て上記印刷装置に出力する印刷データ出力機能とをコン
    ピュータに実現させることを特徴とする印刷装置制御プ
    ログラム。
  16. 【請求項16】 インクを吐出する複数のノズルを備え
    るヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往復
    動させる主走査を行いつつ、上記ヘッドに対して上記主
    走査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体を相対的
    に送る副走査を行い、上記往復の行路のうちの少なくと
    も一方において印刷データに応じて上記ヘッドを駆動
    し、上記主走査の方向に配列された複数の画素の少なく
    とも一部の上にドットを形成させる印刷装置に、ドット
    の形成位置ずれを調整するためのテストパターンを印刷
    させる印刷装置制御方法であって、 各主走査の各ノズルがドットを形成する際に画像を構成
    する画像画素におけるドットの形成状態を表す画像画素
    値データを生成する画像画素値データ生成工程と、 上記画像画素の主走査方向の位置を調整するために用い
    られるドットを形成しない調整画素の存在を表す調整画
    素値データを上記画像画素値データの両端の少なくとも
    一方の側に配置して主走査方向のラスタデータを生成す
    るラスタデータ生成工程と、 上記ラスタデータ生成工程にて特定数の調整画素を含み
    上記ヘッドの往復動の一方にてドットを形成させる基準
    ラスタデータと当該特定数に所定数増減した数の調整画
    素を含み上記ヘッドの往復動の他方にてドットを形成さ
    せる比較ラスタデータとを生成させるとともに、特定の
    印刷領域内で上記比較ラスタデータ中の調整画素数を一
    定にしつつ単色の色パッチを形成させ、上記調整画素数
    と色とのいずれかまたは双方が異なる色パッチを複数の
    印刷領域に形成させるための印刷データを生成する印刷
    データ生成工程と、 同生成された印刷データを所定のインタフェースを介し
    て上記印刷装置に出力する印刷データ出力工程とを具備
    することを特徴とする印刷装置制御方法。
  17. 【請求項17】 インクを吐出する複数のノズルを備え
    るヘッドを印刷媒体に対して所定の方向に相対的に往復
    動させる主走査を行いつつ、上記ヘッドに対して上記主
    走査の方向と交わる副走査方向に上記印刷媒体を相対的
    に送る副走査を行い、上記往復の行路のうちの少なくと
    も一方において印刷データに応じて上記ヘッドを駆動
    し、上記主走査の方向に配列された複数の画素の少なく
    とも一部の上にドットを形成させる印刷装置に、ドット
    の形成位置ずれを調整するためのテストパターンを印刷
    させる印刷装置制御方法であって、 各主走査の各ノズルがドットを形成する際に画像を構成
    する画像画素におけるドットの形成状態を表す画像画素
    値データを生成する画像画素値データ生成工程と、 上記画像画素の主走査方向の位置を調整するために用い
    られるドットを形成しない調整画素の存在を表す調整画
    素値データを上記画像画素値データの両端の少なくとも
    一方の側に配置して主走査方向のラスタデータを生成す
    るラスタデータ生成工程と、 上記ラスタデータ生成工程にて特定数の調整画素を含む
    基準ラスタデータと当該特定数に所定数増減した数の調
    整画素を含む比較ラスタデータとを生成させるとともに
    複数のドットを副走査方向に直線状に形成させるような
    基準ラスタデータおよび比較ラスタデータを生成し、両
    ラスタデータによるドットの直線端部を近接させるよう
    な複数のテストパターンを形成させ、これら複数のテス
    トパターン相互において比較ラスタデータによる直線と
    基準ラスタデータによる直線との相対的な位置関係が主
    走査方向にずれているようにテストパターンを形成させ
    る印刷データを生成する印刷データ生成工程と、 同生成された印刷データを所定のインタフェースを介し
    て上記印刷装置に出力する印刷データ出力工程とを具備
    することを特徴とする印刷装置制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012006239A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
WO2014148417A1 (ja) * 2013-03-18 2014-09-25 ローランドディー.ジー.株式会社 携帯型操作装置およびそれを備えた印刷装置システム

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