JP2003064527A - 脂肪族ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステル繊維の製造方法

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JP2003064527A
JP2003064527A JP2001257492A JP2001257492A JP2003064527A JP 2003064527 A JP2003064527 A JP 2003064527A JP 2001257492 A JP2001257492 A JP 2001257492A JP 2001257492 A JP2001257492 A JP 2001257492A JP 2003064527 A JP2003064527 A JP 2003064527A
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polymer
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discharge
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Masato Yoshimoto
正人 吉本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織編物で優れた嵩高性を発現する脂肪族ポリ
エステル繊維を経済的に、安定して製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
ルを溶融し、下記(1)〜(3)を同時に満足するよう
に紡糸口金から吐出し、冷却・固化後、捲き取ることに
よる。 (1)2群の異なった形状の吐出孔から別々のポリマー
流として吐出する。 (2)少なくとも1群の吐出孔の断面積は、吐出側に向
かって連続的に拡大する形状である。 (3)吐出孔の断面積が連続的に拡大する形状の吐出孔
群から吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトが1
0000〜200000であり、かつ他の吐出孔群から
吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトの100〜
1000倍である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた嵩高性(弾
力性に富んだふくらみ感)を呈する布帛を得るのに好適
な自然分解性脂肪族ポリエステル繊維の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルはその優れた特性を生かし
衣料用布帛素材として広く使用されているが、使用済み
となったポリエステル繊維は、自然環境のもとでは分解
速度が極めて遅く、焼却などの廃棄処理が必要である。
このため、自然環境のもとでバクテリアによって炭酸ガ
スと水に還元される自然分解性ポリマーの開発が進んで
いる。ポリ乳酸を代表とする自然分解性脂肪族ポリエス
テルは工業的スケールでのポリマー生産が進みつつあ
り、衣料用布帛素材としても様々な実用化の検討がなさ
れている。なかでも、衣料用布帛として重要な性能であ
る嵩高性(弾力性に富んだふくらみ感)を脂肪族ポリエ
ステル繊維素材に付与する技術は重要課題となってい
る。
【0003】従来ポリエステル繊維においては、嵩高性
(弾力性に富んだふくらみ感)を発現する性質を繊維に
付与する方法として、物理的性質(収縮特性)の異なる
複数種類(通常は2種)のポリエステル繊維を、各々単
独に紡糸、延伸した後、合糸して混繊糸となす方法が一
般的に採用されている。
【0004】しかし、脂肪族ポリエステルは、ガラス転
移点が低いため、紡糸後の未延伸糸は構造変化が早く、
収縮特性の糸条間差を適切にコントロールし、嵩高性
(弾力性に富んだふくらみ感)を発現する性質を脂肪族
ポリエステルからなる混繊糸に付与することは極めて難
しい。
【0005】特開平9−324329号公報には、極め
て限定された組成と物理的性質の異なる2種類の脂肪族
ポリエステルを各々別々に溶融し紡糸、延伸、混繊ある
いは紡糸、混繊、延伸し、嵩高性(弾力性に富んだふく
らみ感)を発現する性質を持つ脂肪族ポリエステル混繊
糸を製造する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、このような極めて限定され
た脂肪族ポリエステルは製造コストが高く商業生産に値
しない。さらに、各々独立した紡糸あるいは紡糸・延伸
条件で混繊糸を製造する方法は、複数の製造設備、各々
別途の製造操作が必要であり、さらに製造コストが高く
なり経済的で無い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた嵩高
性(弾力性に富んだふくらみ感)を呈する布帛を得るの
に好適な脂肪族ポリエステル繊維を経済的に、安定して
製造する方法を提供することをその課題とするもので
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、融点が130℃
以上の脂肪族ポリエステルを溶融し、下記(1)〜
(3)を同時に満足するように紡糸口金から吐出し、冷
却・固化し、捲き取った後に延伸することによって、優
れた嵩高性(弾力性に富んだふくらみ感)を呈する布帛
を得るのに好適な脂肪族ポリエステル繊維を経済的に、
安定して製造することにより達成できることを見出し
た。 (1)2群の異なった形状の吐出孔から別々のポリマー
流として吐出する。 (2)少なくとも1群の吐出孔の断面積は、吐出側に向
かって連続的に拡大する形状である。 (3)吐出孔の断面積が連続的に拡大する形状の吐出孔
群から吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトが1
0000〜200000であり、かつ他の吐出孔群から
吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトの100〜
1000倍である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明に使用する脂肪族ポリエステル
とは、L−乳酸、D−乳酸、グリコール酸などのヒドロ
キシアルキルカルボン酸、ピバロラクトン、カプロラク
トンなどの脂肪族ラクトン、エチレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デ
カンジオールなどの脂肪族ジオール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレ
ングリコール、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、などの脂肪族ポリエステル重合
原料に由来する成分を主たる成分とする自然分解性重合
体であって、そのホモポリマー、ブロックまたはランダ
ム共重合ポリマー、および他の成分、例えばポリエーテ
ル、ポリ尿素などを50%以下共重合したものも含む。
【0010】中でも、L−乳酸を主成分とするポリ乳酸
が実用的コスト及び性能の観点から好ましく、本発明で
は主体的に使用できる。
【0011】また、必要に応じて、各種の添加剤、例え
ば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、
着色顔料などを脂肪族ポリエステルに添加しても良い。
【0012】該脂肪族ポリエステルの融点は130℃以
上であることが肝要である。融点が130℃未満の場合
は、脂肪族ポリエステル繊維を布帛とした場合、アイロ
ン使用時に繊維が融解したり、洗濯時に熱水を使用する
と繊維が収縮してしまうので実用に耐えない。より確実
な耐用性を考慮すると、脂肪族ポリエステルの融点は1
50℃以上が好ましい。また、該脂肪族ポリエステルの
分子量は100000〜300000の範囲のものが好
ましい。
【0013】本発明においては、該脂肪族ポリエステル
を溶融紡糸するに際し、下記(1)〜(3)を同時に満
足するように紡糸口金から吐出し、冷却・固化後、捲き
取ることが肝要である。 (1)2群の異なった形状の吐出孔から別々のポリマー
流として吐出する。 (2)少なくとも1群の吐出孔の断面積は、吐出側に向
かって連続的に拡大する形状である。 (3)吐出孔の断面積が連続的に拡大する形状の吐出孔
群から吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトが1
0000〜200000であり、かつ他の吐出孔群から
吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトの100〜
1000倍である。なお、本発明で称する紡糸ドラフト
は次のごとく定義する。 紡糸ドラフト=V2/V1 V1:吐出面におけるポリマー平均通過速度(m/mi
n)、V2:紡糸引取り速度(m/min)。
【0014】本発明に用いる吐出孔の断面積が吐出側に
向かって連続的に拡大する形状の吐出孔(以下Aタイプ
吐出孔と称する)とは、例えばその1実施態様を図1の
模式図で示すことができる。この吐出孔の断面積は、ポ
リマー導入部(1)の終末地点(2)から吐出側に向か
って連続的に拡大している形状でなければならない。こ
の吐出孔の断面形状は、ポリマー流動の安定性等の面よ
り、円形が好ましい。さらに具体的には、ポリマー導入
部終末地点(2)における断面積の直径が0.20〜
0.40mmから連続的に拡大し、吐出面(3)におけ
る断面積の直径が2〜10mmの形状の吐出孔を使用す
るのが好ましい。また、拡大の角度(θ)はポリマー導
入部終末地点(2)の垂直面に対し10〜45度の角度
をもって広がる形状のものを使用するのが好ましい。
【0015】このように吐出孔の断面積が吐出側に向か
って連続的に拡大する形状のAタイプ吐出孔を有する紡
糸口金を使用すれば、吐出前のポリマー流動を安定に保
ちつつ、紡糸ドラフトを大幅に高くすることができる。
吐出孔の断面積が吐出側に向かって一様な形状あるいは
吐出側に向かって減少する形状の吐出孔においては、紡
糸ドラフトを上げるために吐出孔の断面積を大きくする
と、吐出孔(4)を流動するポリマー流にかかる背圧が
低下し、ポリマー流動の乱れが発生し吐出不良を起こ
す。
【0016】Aタイプ吐出孔と平行してポリマーを吐出
する他の吐出孔群(以下Bタイプ吐出孔と称する)の孔
形状は、特に限定する必要は無く、繊維断面が円形、多
角、多葉などとなるような形状を適宜選択することがで
きる。なお、Bタイプ吐出孔の吐出断面積は、Aタイプ
吐出孔と同様に吐出側に向かって拡大する形状であって
も、吐出側に向かって減少する形状であっても、あるい
は一様な断面積の形状であってもよい。また、Aタイプ
吐出孔とBタイプ吐出孔は同一の紡糸口金に配置しても
良いし、おのおの別個の紡糸口金に配置しても良い。
【0017】ここで、Aタイプ吐出孔群から吐出される
ポリマー流にかかる紡糸ドラフトが10000未満の場
合、2群の未延伸糸条群間に充分な物性差が生じないた
め、布帛で優れた嵩高性(弾力性に富んだふくらみ感)
を発現する脂肪族ポリエステル繊維は得られない。紡糸
ドラフトが200000を超えると、紡糸引取り時過重
な紡糸張力が発生し、断糸が多発し安定な生産ができな
い。なお、Aタイプ吐出孔群から吐出されるポリマー流
にかかる紡糸ドラフトが20000〜100000の範
囲で紡糸するのがより好ましい。
【0018】また、Aタイプ吐出孔から吐出されるポリ
マー流にかかる紡糸ドラフトがBタイプ吐出孔から吐出
されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトに対し100倍
未満の場合は、2群の未延伸糸条群間に充分な物性差が
生じないため、布帛で優れた嵩高性(弾力性に富んだふ
くらみ感)を発現する脂肪族ポリエステル繊維は得られ
ない。Aタイプ吐出孔から吐出されるポリマー流にかか
る紡糸ドラフトがBタイプ吐出孔から吐出されるポリマ
ー流にかかる紡糸ドラフトに対し1000倍を超える場
合は両糸条群間の紡糸張力のバランスが崩れて走行糸条
がローラーあるいは糸ガイドなどに巻きつき紡糸捲き取
り不能となる。なお、Aタイプ吐出孔から吐出されるポ
リマー流にかかる紡糸ドラフトがBタイプ吐出孔から吐
出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトに対し200
〜500倍の範囲で紡糸するのがより好ましい。
【0019】Aタイプ吐出孔群およびBタイプ吐出孔群
から吐出された各々のポリマー糸条群は冷却・固化さ
れ、油剤が付与され捲取機で同一の未延伸繊維パッケー
ジとして捲き取られる。紡糸捲き取り速度は必ずしも限
定されないが、1000〜3000m/分の範囲が未延
伸脂肪族ポリエステル繊維の構造変化を管理する上で好
ましい。
【0020】このように、吐出側に向かってAタイプ吐
出孔群から吐出されるポリマー流とBタイプ吐出孔群か
ら吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトとに大幅
な格差をつけて紡糸捲き取りされた未延伸脂肪族ポリエ
ステル繊維は、その構成糸条群間に大きな物性差を内在
したものとなっている。
【0021】捲き取られた未延伸脂肪族ポリエステル繊
維は、通常ポリエステル繊維の製造で使用されている設
備を用いて、好ましくは72時間以内に、延伸、あるい
は延伸仮撚処理され、織編物に使用可能な脂肪族ポリエ
ステル繊維となる。なお、紡糸工程と延伸工程を直結し
た紡糸・直延方式で本発明を実施することも可能であ
る。
【0022】かくして本発明によれば、織編物で優れた
嵩高性(弾力性に富んだふくらみ感)を発現する自然分
解性脂肪族ポリエステル繊維を経済的に、安定して製造
することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。実施例、比較例で使用する特性値は下記の方
法で測定した。 (1)融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計を用いて、昇温
速度15℃/分の条件にて測定した。 (2)固有粘度 オルソクロロフェノールを溶媒に用い、ウベローデ粘度
計にて温度25℃にて測定した。 (3)強度(cN/dtex)、伸度(%) 引張試験機にて試料の応力―伸度曲線を測定し、伸度
(%)は最大応力点の伸度および強度(cN/dte
x)は最大応力(cN)を試料の繊度(dtex:デシ
テックス)で除した値とした。 (4)構成糸伸度(%) 脂肪族ポリエステル繊維試料をその構成成分糸に分繊
し、構成成分糸毎に引張試験機にて、応力―伸度曲線を
測定し、最大応力(cN)地点の伸度をもとめた。Aタ
イプ吐出孔に由来する構成糸の伸度をEa(%)、Bタ
イプ吐出孔に由来する構成糸の伸度をEb(%)とし
た。Eb(%)とEa(%)との差が大きいほど、織編
物とした場合より優れた嵩高性(弾力性に富んだふくら
み感)が発現する。 (5)沸水収縮率(%) 無荷重下で、試料を沸騰水中で30分間処理し、風乾
し、処理前後の試料長を測定し下記式で求めた。 沸水収縮率(%)=(L0−L1)/L0×100 L0:処理前の試料長、L1:処理後の試料長。 (6)紡糸断糸回数 24時間紡糸機を運転し、紡糸断糸回数を記録した。 (7)嵩高性(弾力性に富んだふくらみ感) 脂肪族ポリエステル繊維試料に600回/mの撚りを施
し、たて糸・よこ糸使い綾織の布帛とする。次いで、1
00℃で精錬・リラックス処理、150℃・45秒でプ
レセット乾熱処理、分散染料スミカロンネイビーブルー
を用い100℃・30分で染色を行い、自然乾燥した
後、140℃・45秒でファイナルセットを行い、評価
用織物を作成した。5人の検査員により、織物の嵩高感
発現度合いを官能検査し以下の基準で判定した。 (嵩高感判定基準) レベル1:充分な反撥感があり、かつふくらみを感じ
る。 レベル2:適度な反撥感・ふくらみを感じる。 レベル3:反撥感・ふくらみが感じられない。
【0024】[実施例1]融点174℃、重量平均分子
量130000のポリL乳酸のチップを65℃の真空乾
燥機で30時間乾燥した後、240℃にて溶融し、各々
下記寸法のAタイプ吐出孔を12個およびBタイプ吐出
孔を24個穿設した紡糸口金から吐出量15.75g/
分で吐出した。 Aタイプ吐出孔形状:ポリマー導入部(図1の1)の終
末地点(図1の2)における断面形状が直径0.3mm
の円形でありその断面積がポリマー吐出面(図1の3)
に向かって角度(図1のθ)30度で連続的に拡大し、
ポリマー吐出面(図1の3)の丸断面直径が5mmであ
る。 Bタイプ吐出孔:直径0.3mmの円筒型
【0025】吐出されたポリマー糸条流に、吹き出し口
上端が紡糸口金表面から50mmの位置に設置された長
さ1mの冷却風送風部から25℃の冷却風を吹き付け、
冷却固化させ、次いで、紡糸油剤を付与し、1400m
/分の速度で捲き取り、繊度112dtexの未延伸糸
を得た。
【0026】該未延伸糸を予熱ローラー温度60℃、延
伸セット温度(非接触ヒーター)230℃、延伸倍率
1.35、延伸速度500m/分で延伸し、繊度84d
tex、強度1.94cN/dtex、伸度42.0
%、沸水収縮率10.5%の延伸糸を得た。
【0027】本実施例における紡糸ドラフト、嵩高性評
価結果、構成糸伸度および紡糸断糸回数をまとめて表1
に示す。
【0028】[実施例2]Aタイプ吐出孔形状のうちポ
リマー吐出面の丸断面直径を8mmとし、吐出量を1
4.80g/分とする以外は実施例1と同じ条件で紡糸
捲き取りし、繊度105dtexの未延伸糸を得た。
【0029】延伸倍率を1.25とする以外は実施例1
と同じ延伸条件で、該未延伸糸を延伸糸し、繊度84d
tex、強度1.92cN/dtex、伸度45.3
%、沸水収縮率11.2%の延伸糸を得た。
【0030】本実施例における紡糸ドラフト、嵩高性評
価結果、構成糸伸度および紡糸断糸回数をまとめて表1
に示す。
【0031】[実施例3]Aタイプ吐出孔形状のうちポ
リマー吐出面の丸断面直径を2.5mmとし、吐出量を
17.2g/分とする以外は実施例1と同じ条件で紡糸
捲き取りし、繊度122dtexの未延伸糸を得た。
【0032】延伸倍率を1.45とする以外は実施例1
と同じ延伸条件で、該未延伸糸を延伸糸し、繊度84d
tex、強度2.30cN/dtex、伸度37.8
%、沸水収縮率9.8%の延伸糸を得た。
【0033】本実施例における紡糸ドラフト、嵩高性評
価結果、構成糸伸度および紡糸断糸回数をまとめて表1
に示す。
【0034】[比較例1]Aタイプ吐出孔に替えて、吐
出孔の断面積が吐出側に向かって一様な直径5mm円形
吐出孔を12個穿設した以外は、実施例1と同様な条件
で紡糸捲き取りした。このとき直径5mmの吐出孔を有
する紡糸口金からのポリマー糸条にかかるドラフトは7
2200、Bタイプ吐出孔から吐出されるポリマー糸条
にかかる紡糸ドラフトは260であった。しかし、吐出
孔の断面積が吐出側に向かって一様な直径の吐出孔から
吐出されたポリマー糸条では脈動が発生し、走行糸条が
しばしばローラーへ捲きつき、連続して紡糸捲き取りを
実施することができなかった。
【0035】[比較例2]Aタイプ吐出孔形状のうちポ
リマー吐出面の丸断面直径を1.8mmとする以外は実
施例3と同じ条件で紡糸捲き取りし、繊度122dte
xの未延伸糸を得た。
【0036】実施例3と同じ延伸条件で、該未延伸糸を
延伸糸し、繊度84dtex、強度2.10cN/dt
ex、伸度40.5%、沸水収縮率10.8%の延伸糸
を得た。
【0037】本実施例における紡糸ドラフト、嵩高性評
価結果、構成糸伸度および紡糸断糸回数をまとめて表1
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、優れた嵩高
性(弾力性に富んだふくらみ感)を織物に発現する自然
分解性脂肪族ポリエステル繊維を経済的に、安定して提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する紡糸口金のAタイプ吐出孔形
状の1実施態様を例示した模式図。
【符号の説明】
1 :ポリマー導入部 2 :ポリマー導入部の終末地点 3 :ポリマー吐出面 4 :ポリマー吐出孔 θ :ポリマー吐出孔における断面積の拡大角度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルを溶融し、下記(1)〜(3)を同時に満足するよう
    に紡糸口金から吐出し、冷却・固化後、捲き取ることを
    特徴とする脂肪族ポリエステル繊維の製造方法。 (1)2群の異なった形状の吐出孔から別々のポリマー
    流として吐出する。 (2)少なくとも1群の吐出孔の断面積は、吐出側に向
    かって連続的に拡大する形状である。 (3)吐出孔の断面積が連続的に拡大する形状の吐出孔
    群から吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトが1
    0000〜200000であり、かつ他の吐出孔群から
    吐出されるポリマー流にかかる紡糸ドラフトの100〜
    1000倍である。
  2. 【請求項2】 該脂肪族ポリエステルがL−乳酸を主成
    分とするポリエステルである請求項1記載の脂肪族ポリ
    エステル繊維の製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04194007A (ja) * 1990-11-21 1992-07-14 Teijin Ltd 混繊糸の製造方法
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