JP2003064448A - 凝固組織に優れた軌条用鋳片 - Google Patents

凝固組織に優れた軌条用鋳片

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隆 諸星
Akifumi Seze
昌文 瀬々
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軌条用鋳片の凝固組織を均一な等軸晶にして
内部欠陥を防止し、加工性や溶接部の靱性を向上するこ
とができる凝固組織に優れた軌条用鋳片を提供する。 【解決手段】 炭素を0.5質量%以上を含む溶鋼11
に、Mgを添加してMgOとMgSの複合化合物を生成
させた溶鋼11を連続鋳造10して凝固させる。複合酸
化物は10〜1000個/平方mmであることが望まし
く、また、Mg,O,Sの含有量が、(Mg質量%−
1.5×O質量%)×S質量%>4×10−5かつ、
(Mn質量%)×(S質量%−1.33×Mg質量%)
>2×10−4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝固組織を微細に
して鋳片の割れや中心偏析、センターポロシティ等の内
部欠陥を少なくし、内部品質に優れ、しかも、パーライ
ト組織を微細にして溶接部の靱性が低下するのを防止す
ることができる凝固組織に優れた軌条用鋳片に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳片は、溶鋼から造塊法や連続鋳
造法により、スラブ、ブルーム、ビレット、薄鋳片等を
鋳造し、これを所定のサイズに切断して製造されてい
る。また、鋼材は、前記した鋳片を加熱炉等を用いて加
熱した後、粗圧延や仕上げ圧延等を施すことにより、軌
条等の形鋼に加工される。しかし、この鋳片は、凝固す
るまでの過程において、凝固組織が柱状晶等の大きな結
晶組織になるため、内部の凝固収縮に起因するセンター
ポロシティ(ザク)、膨れ(バルジング)や前記凝固収
縮時の負圧に起因する中心偏析、あるいは溶鋼が冷却さ
れて凝固する過程で、凝固シェル(凝固殻)に加わる歪
みに起因する内部割れ等の内部欠陥が生じる。こうし
て、鋳片に発生した内部欠陥は、圧延後も鋼材に残存す
るため、鋼材の品質を低下させ、場合によっては製品と
して使用できなくする(屑化)等の問題が生じる。
【0003】この対策として、鋳片の凝固組織を微細な
等軸晶にし、鋳片と、その鋳片を加工して得られる鋼材
の表面及び内部欠陥を防止する方法が試みられている。
鋳片の凝固組織を等軸晶化する方法としては、1)溶鋼
の温度を低くして低温鋳造する方法、2)凝固過程の溶
鋼を電磁攪拌する方法、3)溶鋼が凝固する際に凝固核
となる金属酸化物を添加する方法、又は、これ等1)〜
3)を組合せて行う方法が知られている。低温鋳造の具
体例としては、例えば特公平7−84617号公報に記
載されているように、溶鋼を連続鋳造する際、過熱温度
(実際の溶鋼温度からこの溶鋼の液相線温度を差し引い
た温度)を40℃以下にし、鋳型内で溶鋼を冷却しなが
ら鋳型から引き抜き、凝固した鋳片の等軸晶の割合を7
0%以上にして、フェライト系ステンレス鋼板に発生す
るしわ状の疵(リジング)を防止する方法が提案されて
いる。更に、溶鋼の電磁攪拌については、特開昭50−
16616号公報に記載されているように、凝固過程の
溶鋼に電磁攪拌を行って、成長する柱状晶を抑制するこ
とで、鋳片の凝固組織の等軸晶を60%以上にしてクロ
ムを含むフェライト系ステンレス鋼に発生するリジング
を防止する方法が提案されている。また、特開昭53−
90129号公報に記載されているように、溶鋼が凝固
する際に凝固核となる金属酸化物の添加と電磁攪拌を組
合わせることで、鋳片の厚み方向の全断面の凝固組織を
殆ど等軸晶にする方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−84617号公報に記載された方法では、過熱温度
が低いため、鋳造途中で溶鋼が凝固し、溶鋼を鋳型に注
湯するノズルの詰まりや鋳型内湯面の皮張りを生じて鋳
造が困難になる。更に、溶鋼の粘性が増加するため、介
在物の浮上が阻害されて介在物に起因した欠陥等が発生
する等から、十分な等軸晶を備えた鋳片を製造できる程
度の低い過熱温度にすることが困難である。また、特開
昭50−16616号公報に記載された方法では、鋳片
の表面層の凝固組織を改善してリジング等の表面欠陥の
発生を抑制できるが、鋳片の表面層から内部にわたって
凝固組織を均一な等軸晶にすることが難しく、内部に割
れや中心偏析、センターポロシティ等が発生したり、軌
条等の高炭素溶鋼では、内部にホワイトバンドが発生
し、このホワイトバンド部分の硬度が低下して品質を阻
害する。更に、特開昭53−90129号公報に記載さ
れた方法では、鋳型内の溶鋼に、Co、B、Mo、V、
Ni等の酸化物を添加している。これ等の酸化物は、低
炭素やフェライト系ステンレス等の溶鋼の場合に凝固組
織の接種核として有効に作用し、電磁攪拌装置を併用し
て溶鋼を攪拌して等軸晶を増加させることも考えられる
が、設備制約から電磁攪拌装置の設置そのものが困難で
あり、例え設置できたとした場合でも多大の設備費用を
伴う等の問題もある。しかも、炭素含有量が多い高炭素
溶鋼を用いて軌条用の鋳片を製造する際に、如何なる種
類の接種核を用いれば良いか、更に、その添加条件をど
のようにすれば微細な凝固組織となる溶鋼を溶製し、微
細な凝固組織を備えた鋳片を低コストで工業的に安定し
て生産し、溶接特性等の品質を向上できるか等が明確で
なかった。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、軌条用鋳片の凝固組織を均一な等軸晶にして内部欠
陥を防止し、加工性や溶接部の靱性を向上することがで
きる凝固組織に優れた軌条用鋳片を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る凝固組織に優れた軌条用鋳片は、炭素を0.5質量
%以上を含む溶鋼に、Mgを添加してMgOとMgSの
複合化合物を生成させた溶鋼を連続鋳造して凝固させ
る。この軌条用鋳片は、溶鋼が凝固を開始する時に、M
gOとMgSの複合化合物であるMg(OS)を接種核
として作用させて鋳片の凝固組織を微細にすることがで
きる。更に、溶鋼が凝固して形成される鋳片を冷却する
過程において、既に生成しているMg(OS)の周囲に
MnSを析出させ、MnS周辺部の共析変態の温度を上
昇させ、MnSを核として共析変態を生じ易くしてパー
ライト変態組織を微細にすることができ、この凝固時と
パーライト変態時の相乗した作用により、鋳片のパーラ
イト変態組織をより微細にすることができる。なお、炭
素が0.5質量%低くなると、溶鋼が凝固した組織がフ
ェライト相になるため、MgOとMgSの複合化合物で
あるMg(OS)が接種核として有効に作用せず、鋳片
の凝固した組織を微細にすることができない。
【0007】ここで、前記MgOとMgSの複合化合物
を10〜1000個/mm2 含むと良い。この鋳片は、
Mg(OS)が所定量含まれた溶鋼を凝固させるため、
鋳片の凝固組織及びパーライト変態組織を安定して微細
することができ、内部欠陥や表面欠陥の発生を防止し、
鋳片の品質を高めることができる。MgOとMgSの複
合化合物が10個/mm2 未満になると、接種核として
作用するMg(OS)が不足するため、鋳片の凝固組織
を微細にすることができない。一方、MgOとMgSの
複合化合物が1000個/mm2 を超えると、凝固組織
を微細化する効果が飽和し、Mgの添加量の増加に伴う
合金コストが高くなる。
【0008】更に、前記溶鋼に添加するMg量は下式を
満たすことが好ましい。 (Mg質量%−1.5×O質量%)×S質量%>4×10-5 ・・・・・(1) かつ、 (Mn質量%)×(S質量%−1.33×Mg質量%)>2×10-4 ・・・・・(2) なお、Mg質量%は溶鋼中に含まれるMg質量%、O質
量%は溶鋼中に含まれるO質量%、S質量%は溶鋼中に
含まれるS質量%、Mn質量%は溶鋼中に含まれるMn
質量%である。これにより、溶鋼中のO(酸素)とS
(硫黄)の濃度を所定の条件にしてMgを添加するた
め、溶鋼中にMg(OS)を安定して生成でき、鋳片の
凝固組織を安定して微細にできる。更に、鋳片の冷却過
程においてMg(OS)上にMnSを析出させることに
より、共析変態の温度を上昇させ、MnSを核として共
析変態を生じ易くするので、パーライト変態組織を安定
して微細にすることができ、最終の鋳片の組織を安定し
て微細にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
凝固組織に優れた軌条用鋳片を製造する連続鋳造装置の
全体図である。図1に示すように、本発明の一実施の形
態に係る凝固組織に優れた軌条用鋳片を製造する連続鋳
造装置10は、Mgワイアを添加してMg濃度を高めた
溶鋼11を貯湯するタンディッシュ12と、タンディッ
シュ12の底部に取付けられた浸漬ノズル13と、浸漬
ノズル13を介して溶鋼11が注湯される鋳型14を有
し、鋳型14の下方には、図示しない冷却水ノズルを設
けた支持セグメント15と、凝固殻16aが形成された
鋳片16を圧下する圧下セグメント17と、鋳片16を
所定の速度で引き抜くための一対のピンチロール18を
備えている。
【0010】次に、本実施の形態に係る凝固組織に優れ
た軌条用鋳片についてその製造方法と共に説明する。炭
素を0.5質量%以上を含む軌条用の溶鋼11に、Mg
ワイアを挿入することにより金属Mgを添加する。この
金属Mgの添加は、予め溶鋼11のサンプリングを行な
い成分分析により溶鋼11中のMn濃度、O濃度、S濃
度を測定し、下式を満たすように、Mgを添加する。 (Mg質量%−1.5×O質量%)×S質量%>4×1
-5 かつ、 (Mn質量%)×(S質量%−1.33×Mg質量%)
>2×10-4 なお、Mg質量%は溶鋼中に含まれるMg質量%、O質
量%は溶鋼中に含まれるO質量%、S質量%は溶鋼中に
含まれるS質量%、Mn質量%は溶鋼中に含まれるMn
質量%である。前記式において、(1.5×O質量%)
は、溶鋼中の酸素がすべてMgOとなった場合の化学量
論的計算から求めた値であり、過剰に添加されたMg質
量%は、(Mg質量%−1.5×O質量%)で表され
る。そして、実験の結果、この過剰に添加されたMg質
量%とS質量%の濃度の積が4×10-5より大きければ
安定してMgOとMgSの複合化合物(以下Mg(O
S)という)を生成することが分かった。更に、Mg
(OS)の生成後にMnSを生成させるには、Mgと結
合する量より過剰のSを添加する必要がある。この過剰
のSは、(S質量%−1.33×Mg質量%)で表さ
れ、この過剰のSとMnの濃度の積、即ち、(Mn質量
%)×(S質量%−1.33×Mg質量%)を2×10
-4以上より大きくすることにより、MnSを安定して生
成させることができる。
【0011】Mgが添加され、タンディッシュ12に貯
湯された軌条用の溶鋼11は、タンディッシュ12の底
部に設けた浸漬ノズル13を介して鋳型14に注湯さ
れ、鋳型14による冷却と、支持セグメント15に布設
された冷却水ノズルからの散水によって冷却されて凝固
殻16aを形成する。この冷却によって順次凝固殻16
aの厚みを増した鋳片16は、支持セグメント15の下
流側に配置された圧下セグメント17により、1〜10
mmの押し込み量で圧下された後、完全に凝固する。こ
の鋳片16の凝固過程において、鋳片16の内部には、
溶鋼11の温度が低下して凝固を開始する前の温度、即
ち、溶鋼11が凝固を開始する温度以上の温度で、Mg
OやMgO・Al23 を生成する。しかし、このMg
OやMgO・Al23 は、軌条用の溶鋼11の場合、
凝固初晶がγ−Feであるため、凝固時の接種核として
作用しない。
【0012】溶鋼11中に、O(酸素)との反応に消費
されるMg量よりも多量のMgを添加することによっ
て、MnSの析出が開始される前に、過剰に添加された
Mgが、溶鋼11中のS(硫黄)と反応して10〜10
00個/mm2 のMg(OS)を生成するようにしてい
る。このMg(OS)は、その生成過程によって、Mg
SとMgOが異なる比率で形成される。そして、γ−F
eの接種核として作用するMg(OS)の内のMgSと
MgOの比率が限定される。接種核として作用させるに
は、γ−FeとMg(OS)の格子歪み(γ−FeとM
g(OS)の格子定数の差/Mg(OS)の格子定数の
値)を5%以下にすることが必要である。即ち、Mg
(OS)中に含まれるMgOを25質量%未満にし、M
gSを75質量%以上を含むMg(OS)にすることに
よって、生成したMg(OS)を凝固初晶がγ−Feで
ある軌条用の溶鋼11の接種核として作用させ、凝固す
る鋳片の凝固組織を微細にすることができる。しかも、
溶鋼11中のMnSの格子歪み(MnSとMg(OS)
の格子定数の差/Mg(OS)の格子定数の値)が小さ
く、即ち、格子整合性が良好であるため、鋳片16が連
続鋳造装置10内で冷却され、その温度が約1000〜
1300℃になる領域で、Mg(OS)の周囲にMnS
が優先的に析出する。また、炭素を0.5質量%以上を
含む軌条用の溶鋼11は、凝固時の初晶がオーステナイ
ト組織であり、凝固後の冷却過程でオーステナイト相か
らフェライト相とセメンタイト相の共析相への変態いわ
ゆるパーライト変態を生じる。この相変態を有する溶鋼
11に、Mgを添加することにより、生成したMg(O
S)は、溶鋼11の凝固時のオーステナイト相の接種核
として作用し、オーステナイト相の凝固組織を微細に
し、更に、オーステナイト相からフェライト相とセメン
タイト相の共析相への移行過程で、MgS比率の低いM
g(OS)やMgO、MgO・Al23 がフェライト
相の接種核として作用して、パーライト変態組織をより
微細化する。
【0013】そして、冷却過程を経た鋳片16では、M
nSがMg(OS)の周囲に優先的に析出するので、析
出したMnSの成長に伴って、周囲のマトリックスから
Mn及びSが欠乏する。特に、Mnが欠乏すると、共析
変態の温度が上昇し、Mnの欠乏したマトリックスで
は、Mg(OS)から離れた領域である通常部に比べて
優先的にγ相からα相への変態が生じる。即ち、MnS
を核としてパーライト変態組織も微細にすることができ
る。この鋳片16は、凝固組織が微細であるので、内部
に発生する内部割れや溶鋼流動に伴う中心偏析、センタ
ーポロシティ等の内部欠陥が無く、鋳片16の手入れや
屑化をなくして良鋳片の歩留り及び品質を向上させるこ
とができる。このようにして鋳造された鋳片16は、ピ
ンチロール18により引き抜かれて、図示しない切断機
により所定のサイズに切断されてから圧延等の後工程に
搬送され、軌条が製造される。
【0014】鋳片16の介在物の種類と量は、鋳片16
の全断面の一部を切り出して、この切り出し片を一般に
用いられている光学顕微鏡で観察することにより、測定
することができる。また、凝固組織は、鋳片16をピク
リン酸でエッチングして、デンドライト組織を検出し、
この組織から等軸晶か、柱状晶かを判別することができ
る。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る凝固組織の微細な軌条用
鋳片の実施例について説明する。主成分が表1に示す組
成の高炭素鋼用の溶鋼350トンを取鍋に入れ、この溶
鋼にMgとしてMgワイアを添加して、溶鋼中に生成す
るMg(OS)の個数を変化させて、内寸で、厚み25
0mm、内幅1200mmの鋳型に鋳湯し、0.8m/
分の速度でピンチロールにより引き抜いて鋳片を鋳造し
た。
【0016】
【表1】
【0017】そして、鋳造した鋳片の凝固組織及びパー
ライト組織、内部品質、溶接部靱性について調査した。
その結果を表2に示す。実施例1〜4は、溶鋼中のMg
(OS)の個数をそれぞれ995、420、50、10
個/mm2 にし、前記(1)、(2)式の関係を満たす
場合であり、いずれも凝固組織を微細にでき、内部品質
も割れや中心偏析、センターポロシティ等の内部欠陥が
無く、この鋳片を加工した軌条の溶接部の靱性について
も良好な結果が得られた。更に、Mnを含む溶鋼に
(1)式の関係を満たすように、Mgを添加した場合に
ついても行ったが、凝固組織を細かくでき、内部品質も
割れや中心偏析、センターポロシティ等の内部欠陥が少
なく、この鋳片を加工した軌条の溶接部の靱性について
も良い結果を得ることができた。
【0018】
【表2】
【0019】これに対し、比較例1は、Mgの添加量が
少なくなり、十分なMg(OS)を生成できなかった場
合、比較例2は、溶鋼にMgを添加しなかった場合であ
り、いずれも凝固組織及びパーライト変態組織が粗大に
なり、内部品質が悪く、この鋳片を加工した軌条の溶接
部の靱性も低下した。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、鋳片は、連続鋳造の他に、造塊法やベルト
キャスター、ロール等の鋳造法により鋳造することがで
きる。更に、Mgとしては、金属MgやSi−Mg、N
i−Mg等のMg合金を薄鋼で覆った線状に加工したワ
イヤーを添加する他に、金属Mg、又はMg合金等を溶
鋼に浸漬ランスを用いて吹き込んで添加することもでき
る。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜3記載の凝固組織に優れた軌
条用鋳片においては、炭素を0.5質量%以上を含む溶
鋼に、Mgを添加してMgOとMgSの複合化合物を生
成させた溶鋼を連続鋳造して凝固させるので、凝固組織
を微細にして内部欠陥を防止し、圧延等の加工性や溶接
部の靱性を向上することができる。
【0022】特に、請求項2記載の凝固組織に優れた軌
条用鋳片においては、MgOとMgSの複合化合物を1
0〜1000個/mm2 含むので、溶鋼が凝固した鋳片
の凝固組織を安定して微細にすることができる。
【0023】請求項3記載の凝固組織に優れた軌条用鋳
片においては、溶鋼に、所定の量のMgを添加するの
で、溶鋼中にMg(OS)を安定して生成し、溶鋼が凝
固する際の接種核として作用し、更に、共析変態の温度
を上昇させて共析変態を起こし易くして鋳片や製品であ
る軌条のパーライト変態組織をより安定して微細にする
ことができ、圧延等の加工性や溶接部の靱性をより向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る凝固組織に優れた
軌条用鋳片の製造に用いる連続鋳造装置の全体図であ
る。
【符号の説明】
10:連続鋳造装置、11:溶鋼、12:タンディッシ
ュ、13:浸漬ノズル、14:鋳型、15:支持セグメ
ント、16:鋳片、16a:凝固殻、17:圧下セグメ
ント、18:ピンチロール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を0.5質量%以上を含む溶鋼に、
    Mgを添加してMgOとMgSの複合化合物を生成させ
    た溶鋼を連続鋳造して凝固させることを特徴とする凝固
    組織に優れた軌条用鋳片。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の凝固組織に優れた軌条用
    鋳片において、前記MgOとMgSの複合化合物を10
    〜1000個/mm2 含むことを特徴とする凝固組織に
    優れた軌条用鋳片。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の凝固組織に優れた
    軌条用鋳片において、前記溶鋼に添加するMg量は下式
    を満たしていることを特徴とする凝固組織に優れた軌条
    用鋳片。 (Mg質量%−1.5×O質量%)×S質量%>4×1
    -5 かつ、 (Mn質量%)×(S質量%−1.33×Mg質量%)
    >2×10-4 なお、Mg質量%は溶鋼中に含まれるMg質量%、O質
    量%は溶鋼中に含まれるO質量%、S質量%は溶鋼中に
    含まれるS質量%、Mn質量%は溶鋼中に含まれるMn
    質量%である。
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