JP2003063013A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法

Info

Publication number
JP2003063013A
JP2003063013A JP2002199018A JP2002199018A JP2003063013A JP 2003063013 A JP2003063013 A JP 2003063013A JP 2002199018 A JP2002199018 A JP 2002199018A JP 2002199018 A JP2002199018 A JP 2002199018A JP 2003063013 A JP2003063013 A JP 2003063013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
head
recording
light
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002199018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3605098B2 (ja
Inventor
Jiro Moriyama
次郎 森山
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Sadayuki Sugama
定之 須釜
Masaaki Izumida
昌明 泉田
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002199018A priority Critical patent/JP3605098B2/ja
Publication of JP2003063013A publication Critical patent/JP2003063013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3605098B2 publication Critical patent/JP3605098B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インクの量や状態の検出を、複雑な工程を付
加することなく、確実、容易に検出することを目的とす
る。 【解決手段】 液体噴射ヘッド内のインクが流れるイン
ク流路に対応した位置に、インクの量や状態を検出する
ための光学検出素子を配している。光学検出素子からの
出力を基に、インクの残量検出、ヘッドの温度検出、被
記録媒体の有無検出、被記録媒体幅検出等を行い、制御
する。さらにヘッド用素子基板は吐出エネルギー発生素
子と、該吐出エネルギー発生素子に電気的に接続した配
線電極と、光学素子とを有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を噴射して文
字や画像を記録(プリント)する液体噴射装置に用いら
れる液体噴射ヘッド及び素子基板に関するものである。
特に機能素子を有する液体噴射ヘッド、このヘッドに用
いられる素子基板及びこれを使用した液体噴射装置に関
するものである。ここで、「記録」とは記録される画像
の意味の有無に関係なく、布、糸、紙、シート材、皮革
等の被記録媒体へのインクの付与を含むものである。
【0002】
【背景技術】吐出液体としてインクを用いたインクジェ
ット装置がその使い易さから広く用いられている。
【0003】そのようなインクジェット装置は、インク
液滴を噴射するインクジェットヘッド(図40)と、こ
のインクジェットヘッドに供給するインクを溜めたイン
クタンクITとを有している。そして、インクジェット
ヘッドは、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通し、インクを吐出するための吐出エネルギー発
生素子(発熱素子や圧電素子等)が設けられたインク流
路と、この吐出エネルギー発生素子が設けられた素子基
板とを有している。
【0004】このようなインクジェット装置において
は、記録時に使用できるインクがなくなると当然記録を
行うことができなくなるが、このような場合記録が行わ
れない状態が被記録媒体上に画像として現れるため、従
来のインクジェット装置では、インク不足を検出するこ
とは、コスト等の面から行われていないものがほとんど
であった。
【0005】インク不足を電気的に検出する構成を有す
る装置に採用されている方法は、例えば、インクタンク
内に2個の電極を有し、電極間の電気抵抗でインクの有
無を検出するものである。あるいは、インクタンク近傍
に光学センサを配しインクタンクを通る光の透過率でタ
ンク内の有無を検出するものである。
【0006】一方、インクを吐出して記録を行うインク
ジェット装置を記録を行わないまま長時間放置した場
合、インクの濃度が変化してしまい、インクの安定した
吐出が得られない虞れがある。
【0007】また、上述の図40で示されるようなイン
クジェットヘッドで、インクタンクからノズルにインク
を供給する際にインク流路306やインク溜り305に
気泡が発生、成長する場合がある。その気泡がインクの
リフィルと共に移動してノズル302に到達するとイン
クタンクにインクがあるにもかかわらず、インク落ちと
呼ばれる不吐出、プリントとしてはドット落ちである不
良印字となる。この不吐出による不良印字は画像の低下
を招くと共に再印字を行う場合には、時間のロス、紙の
むだを産む。また、ヘッドにもダメージを与え、印字品
位を劣化してしまう。
【0008】この対策として、印字前に定期的に、ノズ
ルからインクを吸引する自動回復を行うことでインク落
ちを防止している。しかしながら、この場合、定期的に
ノズルからインクを吸引することにより、不吐出に至ら
ない場合でもインクを吸収してしまい、印字に寄与しな
い不要なインク量が増え、印字1枚当たりのランニング
コストが非常に高くなる。また、吸引されたインクは、
プリンター本体にストックされることになるが、この排
インク溜めが、小型、軽量化を妨げている。
【0009】また、上述のインクジェットヘッドを構成
する素子基板の内、吐出エネルギー発生素子として発熱
素子を用いる素子基板として、一列に配列された複数の
発熱素子と、該発熱体と1対1で対応して該発熱体を画
像データに応じてそれぞれ駆動させるドライバーと、直
列に入力される画像データを前記各ドライバーに並列に
出力する前記発熱素子と同一ビット数のシフトレジスタ
と、該レジスタと、該シフトレジスタから出力されるデ
ータを一時記憶するラッチ回路とを同一基板上に設けら
れた素子基板も開発されている。このような同一基板上
に設けられたプリントヘッド素子基板は、シリコン基板
にBi−cmosと呼ばれるバイポーラトランジスタと
c−mosトランジスタの混在するIC上に発熱素子を
形成してプリントヘッド素子基板をなす。
【0010】上記プリントヘッド素子基板を用いたヘッ
ドの内部等価回路図を図41に示す。図41において、
101は一列に配列された発熱素子であり、102はパ
ワートランジスタである。103はラッチ回路であり、
104はシフトレジスタである。105はシフトレジス
タを動かすためのクロックであり、106は画像データ
入力部である。107はパワートランジスタ102のオ
ン時間を外部から制御するためのヒートパルス幅入力部
であり、108はロジック電源。109はGND。11
0は発熱体駆動電源(VH)である。
【0011】このヘッドを有するプリンターでは、画像
データが画像データ入力部106からシフトレジスタ1
04に直列(シリアル)に入力される。その入力データ
は、ラッチ回路103において一時記憶され、その間に
ヒートパルスが107から入力されると、パワートラン
ジスタ102がオン状態となり、発熱体101が駆動さ
れ、駆動された発熱体101のインク流路中のインクが
加熱され、吐出口からインクが吐出しプリントが行われ
る。
【0012】図42に上記プリントヘッド素子基板の断
面図を示す。
【0013】P導電体のSi基板201にAsなどのド
ーパントをイオンプランテーション及び拡散の手段によ
り導入し、N型埋込層202を形成し、上層にN型エピ
タキシャル層203を形成する。さらに、203にB等
の不純物を導入し、P型ウエル領域204を形成する。
その後、フォトリソグラフィと酸化拡散及びイオンプラ
ンテーション等の不純物導入を繰り返してN型エピタキ
シャル領域にp−mos250、P型ウエル領域にn−
mos251が構成される。250及び251は、それ
ぞれ厚さ数百Åのゲート絶縁膜208を介してCVD法
で堆積したポリシリコンによるゲート配線215及びN
型あるいはP型の不純物導入したソース領域205、ド
レイン領域206で構成される。
【0014】以上のmosトランジスタにより103、
104のロジック部が構成される。
【0015】また、発熱素子のドライバー102となる
NPN型パワートランジスタ252は、やはり不純物導
入及び拡散等の工程によりN型エピタキシャル層中に、
コレクタ領域211、ベース領域212、エミッタ領域
213等で構成される。
【0016】また、各素子間は、フィールド酸化によ
り、酸化膜分離領域253を形成し素子分離されてい
る。このフィールド酸化膜は、発熱素子255下におい
ては、一層目蓄熱層214として作用される。
【0017】各素子が形成された後、層間絶縁膜216
がCVD法でPSG、BPSGで堆積され、熱処理によ
り平坦化処理等されてからコンタクトホールを介し、一
層目アルミ電極217で配線がされている。その後、プ
ラズマCVD法によるSiO等の層間絶縁膜218を堆
積し、更にスルーホールを介して、ヒーター層219と
二層目アルミ電極220を形成している。
【0018】保護膜221は、プラズマCVD法による
SiN膜が形成されている。最上層には耐キャビテーシ
ョン膜222が、Ta等で堆積され、パッド部254を
開口して形成している。
【0019】ここでは、パワートランジスタをバイポー
ラトランジスタで構成したが、mosFETで形成され
ている場合もある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
背景技術においては、次のような解決すべき課題があっ
た。
【0021】電極を用いた上述のセンサは、電極とイン
クの化学反応のため、特に長期保存時に電極表面が劣化
してしまい、検出精度が悪くなる虞れがある。また、イ
ンク自体も劣化する場合があり、記録品位が悪くなる虞
れがある。
【0022】また、インクタンクに電極やその他の検出
手段を付加した方法では、記録ヘッドの記録を制御する
制御信号とは別に検出信号を記録装置に送る部分を付加
する構造のため、コストアップを生じる。
【0023】また、インクタンク交換式の記録装置でイ
ンクタンクのインクが終了し、新たなインクタンクと取
り換える場合、インクタンクに付加した検出手段をも取
り除いてしまうことになり、ランニングコストのアップ
が生じてしまう。
【0024】また、インクタンク近傍に位置するように
記録装置側に光学センサを配した方法でも、記録ヘッド
の制御信号とは別に検出信号を記録装置の制御回路に送
る部分を付加する構造のため、コストアップになってし
まう。
【0025】さらには、インクタンクに残量検出用の素
子を設けインクの有無を検出する構成の場合インクタン
クにはインクがあるが、インクタンク部と記録ヘッド部
との結合部や流路部でのリーク等で、記録ヘッドまでイ
ンクが供給されない場合や、前述のように流路中に気泡
が生じた場合には、インクタンク中にインクは充分ある
が吐出はできないということが生じる虞れがある。この
ようにインクタンクよりヘッド側で生じるインク切れを
検出することは、不可能であった。
【0026】また、上述のようにインクが濃度変化を起
こしていると考えて定時に回復処理を行う場合には、イ
ンクの濃度変化が実際に生じていない時にはインクを無
駄にしてしまう。また、前述のような場合以外にインク
の濃度が変化してしまった場合には対処することができ
ない。より高画質、高精細な記録画像を達成するために
はインクの濃度を検出する手段を用いることが望まれて
いた。
【0027】本発明の目的は、液体噴射ヘッドの素子基
板に光学センサを設け、記録ヘッド内のインクの有無を
検出することによって、上述の課題を解決するものであ
る。
【0028】さらに他の目的は、噴射すべきインクの濃
度を検出し、インクの経時変化等による劣化の不具合
や、インクタンク交換式の液体噴射装置でのインクタン
クの誤挿入によるインク種の違いを検出するものであ
る。
【0029】さらに他の目的は、被記録媒体の有無及び
幅の検出を簡単な構成で行うことを目的としている。
【0030】さらに他の目的は、記録ヘッドのホームポ
ジション検出を簡単な構成で行うことを目的としてい
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するためのインクジェットヘッドの主たる要件は;イン
クを吐出する吐出口と、該吐出口に連通し、インクを吐
出するための吐出エネルギー発生素子が設けられたイン
ク流路とを有し、前記インクジェットヘッドのインク流
路に対応した位置に、光学素子が設けられているもので
ある。
【0032】また上述のような目的を達成するためのイ
ンクジェット装置の主たる要件は;上述のインクジェッ
トヘッドと、前記光学素子からの出力を基に、インクの
残量検出、インクの濃度検出、ホームポジション検出、
被記録媒体の有無検出、ヘッドの温度検出、被記録媒体
幅検出の少なくとも一つを行う制御手段とを有するもの
である。
【0033】更に、上述の目的を達成するためのインク
ジェットヘッド用素子基板は以下の構成を有する;イン
クを吐出するための吐出エネルギー発生素子と、該吐出
エネルギー発生素子に電気的に接続した配線電極と、光
学素子とを有するものである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下の実施例で説明するインク有
無とはインクが有る状態と、全く無い状態だけを示すの
ではなく、インクが有る状態と、インクが使用に際し不
十分な程度の量になっている状態をも表している。
【0035】また、受光素子、発熱素子、機能素子等を
設けた「素子基板上」とは、素子基板の上だけでなく、
素子基板の表面近傍内部をも含めて表している。
【0036】(実施例1)図1は、実施例1の記録ヘッ
ドの断面図である。また、図2はSiで構成された素子
基板3とPCB15の上面図である。
【0037】記録ヘッド1は、アルミニウムを主材料と
したアルミ支持体2をベースとして、この支持体上にシ
リコン基板構成され電気回路を含むインク噴射制御基板
部である素子基板3とプリントサーキトボード(PC
B)15と接着剤で固定して形成されている。素子基板
3には、インク噴射時に発熱によりインクを噴射するた
めの吐出エネルギー発生素子としての発熱抵抗素子4
と、光学素子である受光部18があり、発熱素子4と受
光部18は、酸化シリコンからなる保護膜5で被われて
おりインクとは直接接触しない構造となっている。この
ように、受光部18は発熱素子4を含むインク噴射制御
部と同一チップ上にある。これにより、記録ヘッドの生
産工程は、特別に受光部を作るための特別の工程を必要
とせず、従来と同一の製造プロセスで、すなわち、ほと
んどコストアップすることなく容易に生産される。受光
部は、少なくとも1個あればよいが、ここでは、記録ヘ
ッドの複数液流路に対応した共通液室内の両端に1個づ
つ合計2個の受光部18が配置されている。また、受光
部のそれぞれに対応した2個の発光部が記録ヘッド1を
搭載する装置内に予め配置されている。
【0038】記録動作時のインク液滴は、吐出口16か
ら噴射する。噴射したインクは、図1で記録ヘッドの右
側に接続されるインクタンクからインク流入部10とイ
ンク供給路14とインク流路を構成する共通液室11を
通して圧力室を有し、インク流路を構成するインク細流
路12に供給される。吐出口16とインク細流路12は
全部で256個づつあり、図では紙面と直交する方向に
360dpiの密度で配置されている。共通液室11の
高さxは約3mmである。
【0039】端子8からの信号はPCB15内の配線と
ボンディングワイヤー7を通してSi基板3の電気回路
に送られる。ここで多数ある吐出口のそれぞれの吐出口
に対応したインク噴射信号に変換される。
【0040】図1で、記録ヘッドの素子基板に対する上
部構成は、比較的光に対し透明度の高い材料であり、比
較的薄い部分を光透過部、即ち光源及び受光素子夫々に
対する対向領域としている。この材料としては対インク
特性の良好な材料が良く、特に本例ではポリサルフォン
からなる天板部9としている。
【0041】ここで、発光部であるLED13は、不図
示の駆動回路によって通電すると発光し、光が記録ヘッ
ドの天板部9と共通液室11内のインクを通過して受光
面積が約1200μm角のフォトダイオードである受光
部18に入射する。センサは入射した光量に依存した光
電流Ishを発生する。受光部18からの信号はボンデ
ィングワイヤー7とPCB15と端子8を通して、記録
装置に送られ、記録装置の検出回路で検出信号に変換さ
れる。
【0042】発光部としてのLEDからの光は、出力光
のピーク波長が約900nmである赤外波長領域の光で
ある。また、受光部も感度特性のピーク波長が約900
nmである素子である。このように発光部と受光部の波
長特性を近くすることによって最も効率よくインクを検
出することが可能である。このように、可視光領域を外
している波長のため、外部からの可視光による外乱光を
受けにくく、結果としてより高精度の判定情報を得るこ
とが可能である。
【0043】しかしながら、発光部13の出力が十分で
あり、または、受光部の感度が十分であれば、特に波長
特性を一致させることはなく、例えば発光部を白熱球等
にしてもよい。この点は、各状況に応じた設計事項であ
る。
【0044】また、受光部に入射する光量が少ない場
合、増幅部をも受光部近傍に設けることによって記録ヘ
ッドからの検出信号を外部からの電気的ノイズに対して
良好な状態にすることが好ましい。尚、この場合受光部
と共に、増幅部をも素子基板に設けることで、ヘッドの
コンパクト化を図ることができる。
【0045】図3は、本発明の記録ヘッドを装着した記
録装置の構成図である。また、図4は、本発明の記録ヘ
ッドを装着した記録装置の駆動ブロック図である。
【0046】CPUは、中央演算装置で、記録装置のプ
ログラムを格納したROMや一時的にデータを記憶する
RAMを備えており、以降の実施例における各検出を行
うための制御手段をも兼ねている。
【0047】キャリッジモータはキャリッジモータ駆動
回路で記録ヘッドを主走査方向に図では左右に移動させ
る。
【0048】ラインフィードモータ31はプラテン22
を駆動し、被記録媒体23を副走査方向に移動させる。
【0049】記録データはインターフェースフェイス部
であるI/Fを通して外部から入力される。記録データ
は、ヘッド駆動回路を通して記録ヘッドを駆動してイン
ク液滴を適時噴射する。
【0050】キャッピング手段は、記録ヘッドがキャッ
ピング手段35にくると記録ヘッドの先端をキャップす
るように移動する。
【0051】インク受けは、必要に応じてインク受け3
4付近を記録ヘッドが通過した時にインクを噴射させ、
そのインクを受け止める。
【0052】発光部32は発光部駆動回路によって駆動
される。また、受光部に入った光は受光部検出回路によ
って電気信号に変換され、CPUに送られる。
【0053】光シールド33は、発光部32からの光に
外乱光がまざり受光部に入射するのを防止する役目をす
る。
【0054】上述のようなインクジェットヘッドと装置
を用いて行うインク残量検出のシーケンスを図5を用い
て説明する。
【0055】通常、記録ヘッドはキャッピング手段の位
置にあり、記録データが入力される(S51)と記録媒
体のある方向に向かう(S52)。途中、インク受けの
前で、全ノズルからインクを数十ないし数百回噴射させ
る(予備吐出動作:S53)。つづいて発光部の前にく
ると(S54)、発光部から記録ヘッドに向けて光を発
する(S55)。この時、記録ヘッドの受光部に入射し
た光を受光部検出回路が検出する(S56)。もしイン
クが共通液室内に無いと判断されれば、記録ヘッドをキ
ャッピング位置に戻し(S58)、表示器群のインクエ
ラーを表示する(S59)。これによりユーザにインク
無しを知らせ、記録動作を停止する。また、もし、イン
クが有ると判断されれば、通常の記録動作をする。
【0056】図5のシーケンスでは、インクが共通液室
内に無いと判断した後、インクエラーを表示したが、図
6で示すように、吸引動作(S68、S69)を行って
もよい。
【0057】ここでは、インク無しの場合、キャッピン
グ動作で停止するとしたが、例えば、吸引手段を有し、
吸引動作してから通常の記録動作に移ってもよい。
【0058】図7は、受光部検出回路である。センサ:
18に光が入るとセンサであるフォトダイオードの光電
流Ishは演算増幅器を含む電圧変換部71によって電
圧変換され、Ish×Rf=−Voutとなる。Vout出力
信号の絶対値である。電圧に変換された出力信号はA/
D変換部でデジタル信号である検出信号に変換され、記
録ヘッドの共通液室内のインクの有無が判断される。A
/D変換部72は通常、コンパレータであり、Voutが
特定レベルVthより大きい信号か否かで、インクの有
無が判断される。
【0059】図8は、電圧変換部の出力であるVoutの
例である。aは、記録ヘッドの共通液室11にインクが
充満している場合で0に近い。bは、共通液室11にイ
ンクがない場合であり、Vthより大きい電圧値とな
る。
【0060】尚、2つのセンサからの出力信号により、
両者がインク有と判断されると、インク有、一方でもイ
ンク無しの場合は、インク無しと判断した方がよい。
【0061】このように、記録ヘッドの共通液室11内
のインクの有無が簡単に判断され、もし、インク無しが
検出されると、記録装置は、インク切れと判断し、警告
を発する。また、次の記録動作をさせない、回復動作を
行う等の処理動作をする。
【0062】インクの量を検出する場合はA/D変換部
のA/Dコンバータからのデジタル出力値によってイン
クが共通液室内に存在する量を測定すればよい。
【0063】図9は、シアンインクの共通液室内のイン
ク存在率(%)に対するセンサの出力電圧Voutの関
係を示す。
【0064】VoutのA/D変換処理により、Vou
tを測定しインクの存在率を知ることが可能である。本
実施例のインクジェットヘッドのように複数のセンサを
有する場合には、それぞれのセンサーの出力の平均値が
平均的なインクの存在率となる。
【0065】ここで、インク切れは、インクタンクのイ
ンクがなくなり供給されない場合、また、インクがある
のに何等かの不具合でインクが記録ヘッドに供給されな
い場合、の2通りのケースがありうる。
【0066】(実施例2)正面投光 実施例1では、光を記録ヘッドの横側である天板側から
照射した場合の例を示した。これに限定されるものでな
く、光を吐出口のある正面側から入力してもよい。
【0067】図10は、光を記録ヘッドの正面である吐
出口面から照射した場合の例である。これは特に、複数
の記録ヘッドを隣接して配置する場合に有効である。光
は、吐出口の中や天板と共通インク室を通してセンサに
達する。
【0068】ここで、白色板17はLEDから記録ヘッ
ドに照射された光が天板部9から記録ヘッドの外部に漏
れないよう反射させ効率よくセンサ14に入射するため
の役割をする。これは特に白い色の板に限定されるもの
ではなく、光学センサの感度がよい波長領域を反射しや
すい材料であればよい。特に、鏡のような反射効率のよ
いものが最もよい。
【0069】光の照射とインクの検出は、非記録動作時
に行う。例えば、主走査と副走査のあるシリアルプリン
タにおいては、1主走査の記録が終了し、次の主走査の
記録が開始するまでの間に行う。
【0070】この場合、天板部の形状は、正面からの光
がセンサに集光しやすくなるような形状とすることが望
ましい。
【0071】(実施例3)オンチップ発光部 実施例1では、発光部であるLEDを記録ヘッドの外部
の記録装置側に配置し、受光部を記録ヘッドの素子基板
上に配置する例を示した。これに限定されることなく、
発光部のみを記録ヘッドの素子基板上に配置してもよ
い。
【0072】図11は、発光部13を素子基板上に設け
た例である。素子基板上には発光部が設けられており、
発光した光は、共通液室11と天板部を通して記録ヘッ
ドの外部に配置された受光部18で受光される。
【0073】素子基板側に受光素子を設ける実施例1で
は受光部に入射する光量が少ない場合に、受光部近傍に
増幅アンプを設けたりする必要があった。そしてその場
合、増幅アンプは記録ヘッドの素子基板上に増幅アンプ
を設けるための面積が必要であった。素子基板の面積の
増加分は、そのままコストアップになる。これに対し、
発光部を素子基板上に設けた本実施例では、発光部を素
子基板上に設けるだけでよく、コストアップをまねくこ
とはない。また、受光部は記録ヘッドの外部に設けた検
出回路で検出でき、この外部の検出回路は、通常の電気
回路部品で作成されるため、コストアップにはならな
い。
【0074】(実施例4)オンチップLED 実施例1では、発光部であるLEDを記録ヘッドの外部
に配置し、受光部を記録ヘッドの内部に配置する例を示
した。これに限定されることなく、発光部をも記録ヘッ
ド内部に配置してもよい。
【0075】図12は、発光部13と受光部18とも素
子基板上に設けた例である。素子基板上には発光部13
と受光部18の両者が配置される。この方法によると、
発光部からの光は天板部で反射して受光部に入射するた
め、天板部に光の透過性の良い部材を用いなくてもよ
い。また、天板部の厚さや材料の不均一性に起因した検
出精度のばらつきは少なくなり、更に検出精度が向上す
る。
【0076】(実施例5)液室分離ヘッド 実施例1では、1つの記録ヘッドで1色のインクを記録
するヘッドの構成の例を示した。これに限定されること
はなく、例えば、1つの記録ヘッドで4色のインクを記
録するヘッドの構成でもよい。
【0077】図13は、1つの記録ヘッドで4色のイン
クを記録できるヘッドにインクセンサを設けた記録ヘッ
ドの上面図である。
【0078】インクは、Y:イエロー、M:マゼンタ、
C:シアン、K:ブラックの4色のインクを使用してい
る。各色の共通液室に1個づつ計4個のセンサが設けら
れている。発光源のLEDは、図10のように吐出口の
先端側に1個ある。
【0079】(実施例6)濃度検出 更には、噴射すべきインクの濃度をも検出し、インクの
経時変化等による劣化の不具合や、インクタンク交換式
の記録装置でのインクタンクの誤挿入を検出するもので
ある。
【0080】例えば、Y:イエロー、M:マゼンタ、
C:シアン、K:ブラックの4色のインクを使用した記
録ヘッドを1個づつ使用したカラー記録装置では、各色
に対し万一異なるインクタンクを挿入してしまった場
合、正常な記録は行われない。これに対し、センサで検
出した信号に基づいて各インクの濃度を判別することに
よって、誤挿入を検出することが可能となる。
【0081】図14は、各色のインクの有無を判断する
ためのVout のレベルを示したものであり、縦軸はセン
サの出力レベルの絶対値を示す。それぞれの色に対応し
た電圧の範囲内であれば正常、そうでなければ異常と判
断する。判断は、例えばA/D変換部をA/Dコンバー
タとして電圧比較することによって行われる。
【0082】Kインクのレベルは、ゼロレベルに近く、
次にCインク、Mインク、Yインクの順となっている。
インク無しではより大きい出力レベルとなる。斜線部は
各インクの存在するレベル範囲を示す。現実には、多少
のインク濃度のバラツキ、天板部の加工精度のバラツキ
等があるため、このような範囲となる。
【0083】一般的には、光の透過性はY、M、C、K
の順に良いため出力レベルの絶対値はK、C、M、Yの
順に大きくなる。
【0084】ここで、使用するインクの色材である染料
または顔料の濃度によっては、K、C、M、Yの各出力
レベルにオーバーラップが生じる場合がある。このよう
な場合には、共通液室の高さや、天板部の厚さや色によ
ってそのオーバーラップがないようにし最適化すること
が望ましい。
【0085】インク濃度の検出は、例えば、長期保存後
の濃度が高くなりすぎたインクを検出することも可能で
ある。万一このような劣化したインクが記録ヘッドに供
給されると検出し、記録装置は異常を表示する。
【0086】図15は、Yインクの染料濃度に対するA
/D出力の例を示す。共通液室:11の高さであるイン
ク厚さは3mmの場合である。出力は8ビットで最大2
55である。染料はダイレクトイエロー86で、Yイン
クの主成分は水である。ここで、例えば、染料濃度を
2.5%±0.2%以内が正常であるとすれば、出力レ
ベルは156〜160の範囲の時が正常であると判断さ
れる。
【0087】(実施例7)複数センサ 実施例1では、記録ヘッドに2個のセンサを有し、共通
液室内のインク切れ或いは異常のための回復の必要性を
検出する構成の記録ヘッドを示した。これに限定される
ものではなく、例えば、2個、3個、或いは図16で示
すごとく吐出口毎に対応する256個のセンサを有して
もよい。特に全吐出口に対応したセンサを有すること
は、各吐出口毎のインク切れを検出可能であり、特定吐
出口だけにゴミがつまってインクが供給されない場合等
のエラーを検出できる。この場合、例えば、つまった吐
出口の両側の吐出口からは通常より大きいインクドロッ
プレットを噴射させるよう制御(駆動パルスの印加時間
の増加または電圧のアップ等)することによって、記録
品位の劣化を最小限にできる。
【0088】(実施例8)レンズ付センサ 実施例1では、発光素子であるLEDからの光は、平板
状の天板部と共通液室:11を通過してセンサ:14に
入射していたが、天板の構造はこの限りではなく、レン
ズの構造を合わせもっていてもよい。この構成はより一
層光学判定の精度を向上することができる。
【0089】図17は、天板部がレンズ構造を持った構
成の記録ヘッドの断面図を示す。レンズ:20は凸レン
ズで、LEDからの光がセンサ付近に集光する焦点距離
となっている。レンズは凸状ではなく平面状のフレネル
レンズでもよい。
【0090】(実施例9)サイドシュータヘッド 実施例1では、記録ヘッドの発熱素子が設けられた素子
基板面の実質的に沿う方向にインクを噴射する構成の記
録ヘッドの例を示したが、これに限定されるものではな
い。
【0091】図18は、記録ヘッドの素子基板面とイン
ク噴射方向とが実質的に直交する方向である構成の記録
ヘッドの例を示す。インク液滴21は吐出口16から図
で上方に噴射する。噴射したインク液滴21はやがてプ
ラテン22に支えられた記録媒体23に付着して記録さ
れる。発光部13は、プラテンの横に配置される。記録
ヘッド1は記録装置のキャリッジに支えられて、記録媒
体23に対し相対移動して記録動作する。
【0092】吐出口16は図18で紙面と直交する方向
に128個並べられている。
【0093】(実施例10)紙幅のセンス、ホームポジ
ション(H.P)のセンス これまでの例では、素子基板上に設けられた発光素子や
受光素子を用いて記録ヘッド内のインクの有無や濃度を
検出する例を示した。以下の実施例は、被記録媒体の有
無、或いは更に、記録ヘッドのホームポジション位置を
検出する構成及びシーケンスを説明する。
【0094】図19は、記録ヘッド内に発光部13と受
光部18を有し、被記録媒体の有無と記録ヘッドを移動
するキャリッジのホームポジション位置とを検出する記
録装置の例を示す。ここでは、被記録媒体の有無の検知
と、ホームポジションの検知の両方を行う場合について
説明するが、装置の構成としては、どちらか一方の機能
を有するものでもよいことは言うまでもない。
【0095】この記録装置の被記録媒体搬送手段を構成
するプラテンは光を反射しにくい材質または形状であ
り、本実施例では黒色のゴム部材である。被記録媒体は
上述のプラテンに比べ光を反射しやすい白色である。ま
た、ホームポジションマーカーも上述のプラテンに比べ
光を反射しやすい白色である。
【0096】まず、ホームポジションH.Pシーケンス
のフローについて説明する。
【0097】記録ヘッド1は図で左右に移動し記録動作
を行う。ホームポジション位置(図中右側)に移動する
(S201)。この時Aの位置では発光部からの光は天
板部9で反射され、共通液室11を通過して、受光素子
18で検知される。発光部と受光部の位置がAの位置か
らBの位置に移動すると、Bの位置では、白色のホーム
ポジションマーカー24で反射した光も加わるため、受
光部の光量はAより増す。この増加分の有無を判断して
(S202)、ホームポジション位置を検出する。ホー
ムポジション位置では記録動作が終了するとキャッピン
グ手段25により記録ヘッドの吐出口をキャップする
(S203)。
【0098】このようなシーケンスを行うことで、記録
ヘッドのホームポジション検知を行うことができる。
【0099】次に図21を用いて、被記録媒体の有無検
出のシーケンスフローを説明する。
【0100】記録ヘッドがホームポジション領域Bにあ
る時に受光素子によって受光量を測定し、受光量Bとし
て記憶する(S211)。
【0101】その後、記録ヘッドが記領域側に移動を行
う(S212)。受光素子が受光量の減少を検出した場
合(S213)、減少した受光量を受光量Aとして記憶
する(S214)。
【0102】その後、タイマーをスタートし(S21
5)、所定時間T1内に受光素子が受光量の増加を検出
(S216)した場合には、被記録媒体有りと判断する
(S217)。
【0103】一方、所定時間T1内に受光素子が受光量
の増加を検出(S216)しなかった場合には、被記録
媒体無しと判断し(S218)、ホームポジションシー
ケンス(S219)を行う。
【0104】また、次に図22を用いて、被記録媒体の
有無検出と被記録媒体幅検出のシーケンスフローを説明
する。
【0105】図22におけるステップS211までは、
図21のステップS216までと同様であるので、ここ
では説明を省略する。
【0106】ステップS221で所定時間T1内に受光
素子が受光量の増加を検出した場合には、増加した受光
量を受光量Cとして記憶し(S222)、被記録媒体有
りと判断すると共に、時間T2を計測するタイマーをス
タートさせる(S223)。
【0107】次に受光量の減少を検出(S224)がな
されれば(S224)、その時の時間T2を計測し、こ
れから被記録媒体の幅を算出する(S225)。
【0108】一方、ステップ(S221)で受光量の増
加が検出できなかった場合には、被記録媒体無しと判断
し(S226)、ホームポジションシーケンス(S22
7)を行う。
【0109】このようなシーケンスによって、被記録媒
体の有無と被記録媒体幅の検出を行うことができる。
【0110】(実施例11)素子基板温度測定 これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。本実施例は、受光素子をフォト
ダイオードとし、素子基板の温度をも検出することが可
能とするものである。
【0111】図23は、1つのダイオードが光学センサ
の役割だけでなく、温度検出をもする場合の検出回路部
を示す。フィードバック抵抗Rfの値は最適な値が選択
される。
【0112】このタイオード素子は、素子の温度に依存
して、電流電圧特性が変化する特性を有している。ま
た、このダイオード素子が素子に光が当たるか否かで電
流電圧特性をもっている。そこで、この両方の特性を利
用し、両特性を検出可能とした。
【0113】例えば、図1の構成で、発光部13をオ
フ、すなわち、受光部に光が入らない時の検出回路部の
出力が素子基板の温度に対応した出力となる。この出力
と予め分かっている温度との関係から素子基板の温度を
検出することが可能となる。検出された温度のデータに
よって、例えば、高い温度ではインク噴射量が増加して
しまうのを防止するよう記録ヘッドの駆動を制御した
り、また、低い温度では、インク噴射量が減少してしま
うのを防止するよう発熱体や他の温度上昇手段によって
記録ヘッドの温度を上昇させる制御をする。
【0114】インクの有無や濃度の検出は、発光部を発
光させない時の出力と発光部を発光させた時の出力との
差から判断する。
【0115】受光素子をフォトダイオードとしてヘッド
の温度及びヘッド内のインクの有無(及び残量や濃度)
を検出する具体例を以下に示す。
【0116】図24(a)は、フォトダイオードを使用
してヘッド温度を検出する回路を示す。
【0117】図24(b)は、フォトダイオードを使用
してインク有無を検出する回路を示す。また、図25
は、1つのフォトダイオードを使用してヘッド温度検出
とインク有無検出とを切り替えて行う回路構成を示す。
【0118】記録ヘッド内にはフォトダイオードが2個
直列に設けられる。ヘッド温度検出回路は、フォトダイ
オードに約200μAの一定の電流を流し、その端子電
圧V1を測定する。この時、発光素子は発光しない。V
1は25℃では約1.15vで1℃につき約−4.3m
vの温度係数である。V1の測定で記録ヘッドの温度を
検出できる。
【0119】一方、インク有無検出回路は、フォトダイ
オードの起電流を測定する。フォトダイオードで受光さ
れた光量に応じて光電流Ishが発生し、フィードバッ
ク抵抗Rfと演算増幅回路により電圧V2を得る。光量
が多いほどV2の絶対値は大きくなる。具体的には、V
2=−Rf×Ishである。発光部がON時のV2とO
FF時V2の差によりインクの有無、残量、濃度を検出
することが可能となる。フォトダイオードが受光する光
量によりV2の電圧が次段のA/Dコンバータ入力の最
適な電圧になるように抵抗Rfの値が選択される。
【0120】図25の切り替え部1と切り替え部2とは
フォトダイオードの測定が、ヘッド温度検出なのかイン
ク有無検出なのかにより、記録ヘッド内のフォトダイオ
ードからの接続を記録装置の回路部のヘッド温度検出部
かインク有無検出部かに切り替えて接続する。また、次
段のA/Dコンバータに信号を送る。切り替え信号はC
PUから送られる。
【0121】検出された各電圧V1・V2の信号は、A
/DコンバータによりCPUへと伝えられ処理される。
【0122】この例では、ヘッド温度検出部とインク有
無検出部とが独立の回路とした。これは、ヘッド温度検
出時のフォトダイオードに流す電流は、インク有無検出
時に発生する光電流の100倍以上であり、ヘッド温度
検出時の検出回路ではインク有無検出を示す出力電圧の
検出が困難なためである。
【0123】しかし、センサの改良や、検出回路の改良
により、これらの2つの回路は同一にすることは可能で
ある。例えば、次段のA/Dコンバータの精度を向上す
ることも1つの方法である。このようにして同一の回路
で、ヘッド温度検出とインク有無検出とを行っても良
い。
【0124】(実施例12)色間のレジ調整 これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。これに対し、複数の記録ヘッド
を有したマルチヘッド構成の記録装置では、各色間の着
弾位置補正をも可能となる。
【0125】図26は、3個の記録ヘッドを使用した場
合の例を示す。記録ヘッドは、Y、M、Cの3色の記録
用にそれぞれ1個ずつある。3個のヘッドのメカニカル
な位置調整が完全であれば問題ないが、常に完全を保つ
機構は一般に高価である。このため、各ヘッド間の配置
ズレがあり、結果として記録された文字や画像にレジス
トレーションが発生する。
【0126】そこで、3個が一体になった記録ヘッドユ
ニットを一体にしたキャリッジを発光部に対して相対的
に移動させて、その時の各色の受光部の受光量の変化か
ら各ヘッドの相対位置差を検出する、位置検出動作を行
う。この情報をもとに、記録動作時に、インク噴射タイ
ミングを補正して、結果として、着弾位置の正しい、す
なわちレジストレーションのない記録が行われる。
【0127】具体的には、例えば主走査と副走査をして
なる記録方法での、主走査方向に一定速度でキャリッジ
を移動させ、記録ヘッドの位置検出動作が行われる。
【0128】図27は、位置検出動作時のキャリッジ位
置に対する各ヘッドの受光部からの出力信号のレベルを
示す。発光部と各色の記録ヘッドとの相対位置の出力レ
ベルのピーク位置をキャリッジを主走査させながら出力
レベルを検出することによって検出する。検出された相
対位置は、記録装置内の記憶部に記憶され、記録動作時
には、このデータに基づいて、各色の記録ヘッドからの
インク噴射のタイミングを補正する。
【0129】以下に、図28を用いてヘッド間の位置ズ
レを調整しながら記録する1スキャン中のフローを説明
する。なおこのフローは、図26のヘッド、図27の検
出データに基づくものである。
【0130】理想型では、ヘッド間ピッチ pichH
=180画素であり、 Δ×1=pichH Δ×2=pichH である。1画素は70.56μm角である。
【0131】 測定結果が、 Δ×1=pichH−1 画素 Δ×2=pichH+2 画素 であった場合を想定する。
【0132】また、記録ヘッドは、記録動作領域側から
ホームポジション側にかけて、C、M、Yの順に配置さ
れている。
【0133】まず、ステップ(S281)でホームポジ
ション(H.P)側から記録領域(R.P)側に記録ヘ
ッドを移動する。記録開始位置であれば(S282)、
シアン(C)を記録可能とする(S283)、次に通常
より2画素分遅れた位置からマゼンタ(M)を記録可能
(S284)とし、次に通常より1画素分先行した位置
からイエロー(Y)を記録可能とする(S285)。1
スキャン分の記録が終了(S286)すれば記録ヘッド
側に復帰(S287)する。このデータに基づいて、各
色の記録ヘッドからのインク噴射のタイミングを補正す
る。
【0134】(実施例13)フルラインヘッド これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。また、複数の記録ヘッドを有し
たマルチヘッド構成の記録装置では、各色間の着弾位置
補正も可能である例を示した。
【0135】さらには、他色を使用したフルラインヘッ
ドのレジストレーション補正も可能である。
【0136】図29は、記録ヘッドのノズル数が300
0で、ノズルの配列密度が300dpiで1直線状に配
置されたノズルを有した記録ヘッドを4個使用し、記録
媒体のみの搬送でA4サイズを記録するフルライン記録
装置の例である。
【0137】記録媒体は記録媒体搬送ベルトによって搬
送される。このベルトには、一部に発光部があり、発光
部はベルトと同時に移動する。記録動作時にはベルトで
記録媒体を搬送する。
【0138】ヘッド位置検出動作は、各記録ヘッドの位
置関係を検出する。この動作では、記録媒体は搬送しな
い。発光部のみが記録ヘッドの下を予めわかっている速
度で移動する。各記録ヘッドの下部に発光部がきた時、
受光部に光が入射し、その最大値を示した位置が記録ヘ
ッドの位置を示す。このようにして、Y、M、C、Bk
各色の記録ヘッドの位置を正しく測定し、メモリーに位
置情報を記憶する。
【0139】記録動作時には、その位置情報に基づい
て、各色ヘッドの駆動タイミングを合わせる。すなわ
ち、レジストレーションを正しくする。これにより、多
少の記録ヘッド間の位置ズレがあっても、正しく記録さ
れる。
【0140】更には、各ヘッドには、両端に2個の受光
素子を有し、また、対応するベルト位置には2個の発光
部を有する。それぞれの受光素子からの検出信号によ
り、記録ヘッドの記録媒体搬送方向に対する傾き角を検
出し、記録動作時に補正された駆動タイミングで記録す
る。これにより、多少の記録ヘッドの傾きがあっても常
に正しく記録される。
【0141】図30は別の例で、複数の記録ヘッドを有
して1つのヘッドユニットを構成した例である。記録ヘ
ッドには、12個の吐出口と2個の受光部がある。記録
ヘッドは、母材に固定されている。このような記録ヘッ
ドが300個で1つのヘッドユニットになっている。各
記録ヘッドの有効吐出口は10であり、残りの2個は、
母材に対し記録ヘッドの位置がずれた場合に使用する吐
出口である。各記録ヘッドの母材への固定位置精度の検
出は、各記録ヘッドにある受光部で行われる。動作は、
図19の場合と同様である。例えば特定の記録ヘッドが
1吐出口分左にズレた場合には、これを補正するように
使用する吐出口を選択して使用する。
【0142】(実施例14)近年異なるヘッドを単一の
装置に対して交換可能にして、異なるヘッドによる記録
を行うものや、異なるインクを有するヘッドを装置に用
いることで、画質の向上や多値化を行うものが提案され
たり、実施されている。
【0143】このように、異なる特性を有するヘッドに
対して、そのヘッドの装置への装着を判定したり、残量
インクを判定するにあたって、上記実施例のような発光
素子や受光素子のような素子の特性を異なる特性のヘッ
ド毎に異ならせておき、その判定基準を装置側がもつこ
とによって容易に行うこともできる。
【0144】このような装置のブロックを図31を用い
て説明する。
【0145】装置のインクジェット(I/J)ホルダー
には、異なる条件を持つヘッド(I型、II型)が交換
可能に搭載される。
【0146】それぞれのヘッドには、光学用機能素子の
他に、吐出口の数や駆動電圧等のヘッド条件を持つメモ
リー手段が設けられている。
【0147】これらのヘッドが装置のインクジェットホ
ルダに装着された時にID入力手段を兼ねる光学情報入
力手段によって上述の条件が読み取られ、この条件に基
づいて、光学センサによる読み取り条件の判定基準が判
定手段によって設定される。
【0148】(実施例15)上述の実施例においては、
図32で示されるように、受光素子であるフォトセンサ
ーを発熱素子の両端に2ヶ設けているが、より高い感度
を得ようとすると前述のようにその分基板占有面積を大
きくしなければならず、ヘッドのコストアップになるも
のであった。ここで、401はセンサーアノード電極、
402はカソード電極、403はセンサーのディテクタ
ー部である。404は発熱素子、405は発熱素子を1
10VHと102駆動トランジスタとの配線部、406
は外部とのコンタクトパッド、407は103と104
のロジック回路部、408はトランジスタ、409はG
ND配線、410はVH配線、411はアセンブリ位置
合わせマーク、412は温度調整用サブヒーター、41
3は発熱素子への印加パワーを設定するためのランクヒ
ーターである。更に、図32のようなセンサー配置で
は、センサーは発熱素子の両端であるため、共通液室内
の泡の全体をセンシングしていなかった。414は、素
子基板上にインクが存在する範囲、つまり301のノズ
ルと305の液室下と外部との境界である。
【0149】一方、半導体フォトセンサーは、図33の
ように短波長側の感度が高くなく、カラーヘッドの場合
特にイエローインクのセンシングが他の色のインクに比
べて難しい。
【0150】本実施例では、ヘッド基体の半導体部であ
るロジック部とトランジスタ部以外の発熱素子と配線周
辺下の基板をPN接合であるフォトセンサーとすること
で、インク液面化のほぼ全域にディイクター部を形成す
ることができた。更にアルミ配線にピンホールとスリッ
トを入れることで配線抵抗を落とさずディイクター面積
をあげることができた。
【0151】図34は、一般的なフォトセンサーの断面
図である。601はセンサー検知部であり、602はN
型コレクタ埋込領域であり、603はN型エピタキシャ
ル領域であり、604は高濃度P型領域であり、フォト
センサーのアノードとなる。605はN型コレクタ埋込
領域であり、606は高濃度N型コレクタ埋込領域であ
りフォトセンサーのカソードである。607は、層間絶
縁膜であり、608はカソードのアルミ電極、609は
アノードのアルミ電極である。610と611は素子分
離のためのP型アイソレーション埋込領域、612は素
子分離のための高濃度P型アイソレーション埋込領域で
ある。フォトセンサーの検知部は、604周辺の光が到
達する部分であり、アルミ電極下はディテクターとはな
らない。
【0152】そこで図35に、本実施例のフォトセンサ
ーのヘッド素子基板上でのレイアウトを示す。
【0153】701はフォトセンサーのアノード電極、
702はカソード電極でありアルミ電極は共に一層目ア
ルミで構成している。701と702周辺の下地が、P
N接合のフォトセンサーでありディテクター部703で
ある。発熱素子404と発熱素子に電力を供給する配線
部405は二層目アルミで構成されており、フォトセン
サーのアルミ電極とクロスオーバーしている。
【0154】従って、PN接合部は、発熱素子の下部に
も設けられているため発熱素子404周辺のアルミ配線
の隙間である図36の斜線部801は、全てセンサーの
ディテクターになっている。
【0155】(実施例16)本実施例は実施例14に関
する他の実施例である。
【0156】図37は、本実施例のフォトセンサーの素
子基板上でのレイアウトである。901はフォトセンサ
ーのアノード、902はカソード、903はディテクタ
ーである。実施例2は、左右対称に2組実施例1と同様
に発熱素子の下部までPN接合が設けられ、ノズル中心
部まで、ディテクターになっている。また、左右に2組
同じものがあるので差動検出が容易であり、液室内の泡
の分布を検知できる。
【0157】更に実施例2の場合、PN接合がVH配線
の下まで設けられており、その配線に904のようにピ
ンホールやスリットで穴を開けることで、広範囲に渡っ
てディテクター基体上に構成できる。
【0158】図38に、フォトセンサーの処理回路例を
示す。本処理回路例は、フォトセンサーや発熱素子駆動
トランジスタと同じ製造プロセスで作成できるためヘッ
ド基体内に作り込む事が可能であり、プリンター本体の
コストを下げることができる。
【0159】シリコン半導体フォトセンサーは、図5に
示すように、イエローインクの染料が吸収する300〜
500nmの短波長側の感度が悪い。従って、本方式の
場合イエローヘッドは、他のヘッドのセンサー情報で、
回復操作が実行される必要がある。
【0160】本発明の場合、耐インク保護膜221を多
層とし、その一部をBPSGなどの低温リフローガラス
で構成し、かつ短波長を吸収する着色を施す事により、
インクのある時は、光を感じないが、インク落ちをする
と保護膜を透過する着色より長波長の光を検知するの
で、イエローインクもS/Nよく検知できるようになっ
た。
【0161】(実施例17)図39は、上記実施例にか
かるプリントヘッドを装着して適用することのできるイ
ンクジェットプリンターの一例を示す概略斜視図であ
る。1101は、上記実施例に係るプリントヘッドであ
る。このヘッド1101は、駆動モータ1102の正逆
回転に連動して駆動力伝達ギア1103及び1104を
介して回転するリードスクリュ1105の螺旋溝110
6に対して係合するキャリッジ1107上に搭載されて
おり、上記駆動モータ1102の動力によってキャリッ
ジ1107とともにガイド1108に沿って矢印a及び
b方向に往復移動される。図示しないプリント媒体供給
装置によってプラテン1109上を搬送されるプリント
用紙Pの紙押え板1110は、キャリッジ移動方向にわ
たってプリント用紙Pをプラテン1109に対して押圧
する。
【0162】上記リードスクリュウ1105の一端の近
傍には、フォトカプラ1111及び1112が配設され
ている。これらはキャリッジ1107のレバー1119
のこの域での存在を確認して駆動モータ1102の回転
方向切換等を行うためのホームポジション検知手段であ
る。図において1113は、上述のプリントヘッド11
01の吐出口304のある全面を覆うキャップ部材11
14を支持する支持部材である。また、1115はキャ
ップ部材1114の内部にヘッド1101から、インク
を吸引する手段である。この吸引手段1115によりキ
ャップ内開口部1116を介してヘッド1101の吸引
回復が行われる。1117は、クリーニングブレードで
あり、1118はブレード1117を前後方向(上記キ
ャリッジ1107の移動方向に直交する方向)に移動可
能にする移動部材であり、ブレード1117及び111
8は本体支持板1120に支持されている。上記ヘッド
1101に設けられた発熱体101に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司るプリント制御部
は、プリンター側に設けられており、ここには図示しな
い。
【0163】上述の構成を有するプリンター1100
は、図示しないプリント媒体供給装置によりプラテン1
209上を搬送されるプリント用紙Pに対し、ヘッド1
101が用紙Pの全幅に渡って往復移動しながら記録を
行うものであり、ヘッド1101は、高密度プリントが
可能であるため、高精度で高速のプリントが可能であ
る。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、記録ヘッドのイン
ク噴射制御基板部に光学素子を有したことにより、コス
トアップすることなく、記録ヘッド内のインクの有無を
検出することが可能となった。
【0165】更には、インクタンクにはインクがある
が、インクタンク部と記録ヘッド部との結合や流路部の
リーク等の不具合で、記録ヘッドまでインクが供給され
ない場合のエラー検出も可能となった。
【0166】更には、噴射すべきインクの濃度をも検出
し、インクの経時変化等による劣化の不具合や、インク
タンク交換式の記録装置でのインクタンクの誤挿入を検
出することも可能となった。
【0167】更には、センサは光学センサであり、この
センサに加えて、発光素子をもインク噴射制御基板に有
し、検出精度を向上させることも可能となった。
【0168】更には、同時に記録ヘッドの温度の測定が
可能になった。
【0169】更には、ホームポジションセンサや紙セン
サとも共用できるようになった。
【0170】更には、複数のヘッドを有した記録ヘッド
のレジストレイション補正が可能となった。
【0171】また、実施例14、15においては、従来
360dpiの素子密度で64セグメントのインクジェ
ットプリントヘッド素子基板内には、フォトセンサーの
ディテクター部の面積がせいぜい0.1mm2 程度の面
積しか設けられなかったが、本実施例によりチップサイ
ズを大きくすることなく、広範囲にディテクター部の面
積を1.0mm2 以上にする事が可能となった。ディテ
クター部の面積が10倍以上になったことでセンサーの
S/N比が10倍以上となった。
【0172】結果、定期的なインクの自動回復が不要と
なったため、回復操作で消費されるインクが画期的に少
なくなり、ヘッドのランニングコストが下がった。例え
ば、キヤノン製BC−01という商品名のインクジェッ
トヘッドを毎日5枚ずつ印字すると数日毎に定期回復を
行って約90日450枚印字できたが、本発明方式によ
り約100日500枚印字が可能となり、その印字枚数
アップ分ランニングコストが下がった。
【0173】更に、回復操作で吸引するインク量が少な
くなったのでプリント装置本体のインクタンクを小さく
でき、小型、軽量化できた。
【0174】また、センサーとセンサーの処理回路は、
ヘッド基体形成と同じプロセスで基体内の余裕スペース
に設けられるので、ヘッドのコストを上げることなく、
プリンター本体のセンサー処理回路分コストダウンでき
た。
【0175】更に、従来半導体センサーでイエローイン
クの検知は難しかったが、保護膜のPSG層をイエロー
系に着色し、光源を選ぶ事で、実用可能なイエローイン
ク内の泡検知が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドを説明するため
の図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの平面図。
【図3】本発明のインクジェットヘッドを搭載した記録
装置の構成図。
【図4】本発明のインクジェットヘッドを搭載した記録
装置のブロック図。
【図5】残検シーケンスのフローを示す図。
【図6】残検シーケンスのフローを示す図。
【図7】検出回路を示す図。
【図8】検出回路の出力電圧を示す図。
【図9】インクの定量を行うためのセンサ出力を示す
図。
【図10】吐出口面から光を照射した場合を示す図。
【図11】発光部をSi基板に設けた例を示す図。
【図12】発光部を素子基板上に設けた例を示す図。
【図13】多色一体ヘッドの例を示す図。
【図14】4色のインクに対するVout の検出レベルを
示す図。
【図15】染料濃度に対する出力例を示す図。
【図16】本発明のヘッドの平面図。
【図17】天板部がレンズ構造である記録ヘッドの断面
図。
【図18】サイドシュータタイプヘッドを示す図。
【図19】被記録媒体センサとホームポジションセンサ
を設けた例を示す図。
【図20】ホームポジションセンシングのシーケンスフ
ローを示す図。
【図21】被記録媒体の有無検知のシーケンスフローを
示す図。
【図22】被記録媒体の有無検知と幅検知のシーケンス
フローを示す図。
【図23】検出回路を示す図。
【図24】センサ部と検出部の回路構成を示すための
図。
【図25】センサ部と検出部の回路構成を示すための
図。
【図26】マルチヘッドの構成を示す図。
【図27】複数ヘッドでの各ヘッドの発光部との相対位
置での出力レベルを示す図。
【図28】位置ずれ検出の調整フローを示す図。
【図29】フルライン記録ヘッドを多数個使用した場合
を示す図。
【図30】千鳥配置のフルライン記録ヘッドを示す図。
【図31】ヘッド交換を行う装置における判定ブロック
図。
【図32】センサのレイアウトを示す図。
【図33】シリコン半導体フォトセンサの感度波長依存
性を示す図。
【図34】シリコン半導体フォトセンサの素子基板上レ
イアウトの実施例を示す図。
【図35】光学センサの素子基板内レイアウトの実施例
を示す図。
【図36】発熱素子周辺図。
【図37】光学センサの素子基板内レイアウトの実施例
を示す図。
【図38】光学センサの処理回路例を示す図。
【図39】本発明のプリンタを示す図。
【図40】ヘッドの模式図。
【図41】素子基板の等価回路図。
【図42】素子基板の断面図。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 アルミ基板 3 Si基板 4 発熱体 5 保護膜 6 IC 7 ボンディングワイヤー 8 端子 9 天板部 10 インク流入部 11 共通液室 12 圧力室 13 発光部 14 インク流路 15 PCB 16 吐出口 17 白色板 18 受光部 20 レンズ 21 インク液滴 22 プラテン 23 記録媒体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月7日(2002.8.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクジェット記録装置およびインク
ジェット記録装置の制御方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を噴射して文
字や画像を記録(プリント)する液体噴射装置に用いら
れる液体噴射ヘッド及び素子基板に関するものである。
特に機能素子を有する液体噴射ヘッド、このヘッドに用
いられる素子基板及びこれを使用した液体噴射装置に関
するものである。ここで、「記録」とは記録される画像
の意味の有無に関係なく、布、糸、紙、シート材、皮革
等の被記録媒体へのインクの付与を含むものである。
【0002】
【背景技術】吐出液体としてインクを用いたインクジェ
ット装置がその使い易さから広く用いられている。
【0003】そのようなインクジェット装置は、インク
液滴を噴射するインクジェットヘッド(図40)と、こ
のインクジェットヘッドに供給するインクを溜めたイン
クタンクITとを有している。そして、インクジェット
ヘッドは、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通し、インクを吐出するための吐出エネルギー発
生素子(発熱素子や圧電素子等)が設けられたインク流
路と、この吐出エネルギー発生素子が設けられた素子基
板とを有している。
【0004】このようなインクジェット装置において
は、記録時に使用できるインクがなくなると当然記録を
行うことができなくなるが、このような場合記録が行わ
れない状態が被記録媒体上に画像として現れるため、従
来のインクジェット装置では、インク不足を検出するこ
とは、コスト等の面から行われていないものがほとんど
であった。
【0005】インク不足を電気的に検出する構成を有す
る装置に採用されている方法は、例えば、インクタンク
内に2個の電極を有し、電極間の電気抵抗でインクの有
無を検出するものである。あるいは、インクタンク近傍
に光学センサを配しインクタンクを通る光の透過率でタ
ンク内の有無を検出するものである。
【0006】一方、インクを吐出して記録を行うインク
ジェット装置を記録を行わないまま長時間放置した場
合、インクの濃度が変化してしまい、インクの安定した
吐出が得られない虞れがある。
【0007】また、上述の図40で示されるようなイン
クジェットヘッドで、インクタンクからノズルにインク
を供給する際にインク流路306やインク溜り305に
気泡が発生、成長する場合がある。その気泡がインクの
リフィルと共に移動してノズル302に到達するとイン
クタンクにインクがあるにもかかわらず、インク落ちと
呼ばれる不吐出、プリントとしてはドット落ちである不
良印字となる。この不吐出による不良印字は画像の低下
を招くと共に再印字を行う場合には、時間のロス、紙の
むだを産む。また、ヘッドにもダメージを与え、印字品
位を劣化してしまう。
【0008】この対策として、印字前に定期的に、ノズ
ルからインクを吸引する自動回復を行うことでインク落
ちを防止している。しかしながら、この場合、定期的に
ノズルからインクを吸引することにより、不吐出に至ら
ない場合でもインクを吸収してしまい、印字に寄与しな
い不要なインク量が増え、印字1枚当たりのランニング
コストが非常に高くなる。また、吸引されたインクは、
プリンター本体にストックされることになるが、この排
インク溜めが、小型、軽量化を妨げている。
【0009】また、上述のインクジェットヘッドを構成
する素子基板の内、吐出エネルギー発生素子として発熱
素子を用いる素子基板として、一列に配列された複数の
発熱素子と、該発熱体と1対1で対応して該発熱体を画
像データに応じてそれぞれ駆動させるドライバーと、直
列に入力される画像データを前記各ドライバーに並列に
出力する前記発熱素子と同一ビット数のシフトレジスタ
と、該レジスタと、該シフトレジスタから出力されるデ
ータを一時記憶するラッチ回路とを同一基板上に設けら
れた素子基板も開発されている。このような同一基板上
に設けられたプリントヘッド素子基板は、シリコン基板
にBi−cmosと呼ばれるバイポーラトランジスタと
c−mosトランジスタの混在するIC上に発熱素子を
形成してプリントヘッド素子基板をなす。
【0010】上記プリントヘッド素子基板を用いたヘッ
ドの内部等価回路図を図41に示す。図41において、
101は一列に配列された発熱素子であり、102はパ
ワートランジスタである。103はラッチ回路であり、
104はシフトレジスタである。105はシフトレジス
タを動かすためのクロックであり、106は画像データ
入力部である。107はパワートランジスタ102のオ
ン時間を外部から制御するためのヒートパルス幅入力部
であり、108はロジック電源。109はGND。11
0は発熱体駆動電源(VH)である。
【0011】このヘッドを有するプリンターでは、画像
データが画像データ入力部106からシフトレジスタ1
04に直列(シリアル)に入力される。その入力データ
は、ラッチ回路103において一時記憶され、その間に
ヒートパルスが107から入力されると、パワートラン
ジスタ102がオン状態となり、発熱体101が駆動さ
れ、駆動された発熱体101のインク流路中のインクが
加熱され、吐出口からインクが吐出しプリントが行われ
る。
【0012】図42に上記プリントヘッド素子基板の断
面図を示す。
【0013】P導電体のSi基板201にAsなどのド
ーパントをイオンプランテーション及び拡散の手段によ
り導入し、N型埋込層202を形成し、上層にN型エピ
タキシャル層203を形成する。さらに、203にB等
の不純物を導入し、P型ウエル領域204を形成する。
その後、フォトリソグラフィと酸化拡散及びイオンプラ
ンテーション等の不純物導入を繰り返してN型エピタキ
シャル領域にp−mos250、P型ウエル領域にn−
mos251が構成される。250及び251は、それ
ぞれ厚さ数百Åのゲート絶縁膜208を介してCVD法
で堆積したポリシリコンによるゲート配線215及びN
型あるいはP型の不純物導入したソース領域205、ド
レイン領域206で構成される。
【0014】以上のmosトランジスタにより103、
104のロジック部が構成される。
【0015】また、発熱素子のドライバー102となる
NPN型パワートランジスタ252は、やはり不純物導
入及び拡散等の工程によりN型エピタキシャル層中に、
コレクタ領域211、ベース領域212、エミッタ領域
213等で構成される。
【0016】また、各素子間は、フィールド酸化によ
り、酸化膜分離領域253を形成し素子分離されてい
る。このフィールド酸化膜は、発熱素子255下におい
ては、一層目蓄熱層214として作用される。
【0017】各素子が形成された後、層間絶縁膜216
がCVD法でPSG、BPSGで堆積され、熱処理によ
り平坦化処理等されてからコンタクトホールを介し、一
層目アルミ電極217で配線がされている。その後、プ
ラズマCVD法によるSiO等の層間絶縁膜218を堆
積し、更にスルーホールを介して、ヒーター層219と
二層目アルミ電極220を形成している。
【0018】保護膜221は、プラズマCVD法による
SiN膜が形成されている。最上層には耐キャビテーシ
ョン膜222が、Ta等で堆積され、パッド部254を
開口して形成している。
【0019】ここでは、パワートランジスタをバイポー
ラトランジスタで構成したが、mosFETで形成され
ている場合もある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
背景技術においては、次のような解決すべき課題があっ
た。
【0021】電極を用いた上述のセンサは、電極とイン
クの化学反応のため、特に長期保存時に電極表面が劣化
してしまい、検出精度が悪くなる虞れがある。また、イ
ンク自体も劣化する場合があり、記録品位が悪くなる虞
れがある。
【0022】また、インクタンクに電極やその他の検出
手段を付加した方法では、記録ヘッドの記録を制御する
制御信号とは別に検出信号を記録装置に送る部分を付加
する構造のため、コストアップを生じる。
【0023】また、インクタンク交換式の記録装置でイ
ンクタンクのインクが終了し、新たなインクタンクと取
り換える場合、インクタンクに付加した検出手段をも取
り除いてしまうことになり、ランニングコストのアップ
が生じてしまう。
【0024】また、インクタンク近傍に位置するように
記録装置側に光学センサを配した方法でも、記録ヘッド
の制御信号とは別に検出信号を記録装置の制御回路に送
る部分を付加する構造のため、コストアップになってし
まう。
【0025】本発明の目的は、被記録媒体の有無及び幅
の検出を簡単な構成で行うことを目的としている。
【0026】さらに他の目的は、記録ヘッドのホームポ
ジション検出を簡単な構成で行うことを目的としてい
る。
【0027】さらに他の目的は、複数ヘッドの相対的な
位置検出を正確に行なうことを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するためのインクジェット記録装置の主たる要件は;イ
ンクを吐出する吐出口と、該吐出口に連通しインクを吐
出するための吐出エネルギー発生素子が設けられたイン
ク流路と、前記インク流路に対応した位置に設けられた
光学素子とを有するインクジェットヘッドと、該ヘッド
を搭載するキャリッジと、キャリッジを走査し前記光学
素子を用いて、ホームポジション位置の検知、若しくは
被記録媒体の有無の検知を行なう制御手段とを有するも
のである。
【0029】他のインクジェット記録装置の主たる要件
は;インクを吐出する吐出口と、該吐出口に連通しイン
クを吐出するための吐出エネルギー発生素子が設けられ
たインク流路と、前記インク流路に対応した位置に設け
られた光学素子とを有する複数のインクジェットヘッド
と、前記複数のヘッドを搭載するキャリッジと、キャリ
ッジを走査し前記夫々のヘッドに設けられた前記光学素
子を用いて、各ヘッドの相対位置を検出する検出手段
と、前記検出手段の検出結果に応じてインクの吐出タイ
ミングを補正する手段とを有するものである。
【0030】更に、上述の目的を達成するためのインク
ジェット記録装置の制御方法の主たる要件はインクを
吐出する吐出口と、該吐出口に連通しインクを吐出する
ための吐出エネルギー発生素子が設けられたインク流路
と、前記インク流路に対応した位置に設けられた光学素
子とを有するインクジェットヘッドを用いて記録を行な
うインクジェット記録装置の制御方法であって、該ヘッ
ドを搭載するキャリッジを走査し、前記光学素子を用い
て、ホームポジション位置の検知、若しくは被記録媒体
の有無の検知を行なうものである。
【0031】更に、上述の目的を達成するためのインク
ジェット記録装置の制御方法の主たる要件は;インクを
吐出する吐出口と、該吐出口に連通しインクを吐出する
ための吐出エネルギー発生素子が設けられたインク流路
と、前記インク流路に対応した位置に設けられた光学素
子とを有する複数のインクジェットヘッドを用いて記録
を行なうインクジェット記録装置の制御方法において、
前記複数のヘッドを搭載するキャリッジを走査し、前記
夫々のヘッドに設けられた前記光学素子を用いて、各ヘ
ッドの相対位置を検出する工程と、前記検出手段の検出
結果に応じてインクの吐出タイミングを補正する工程と
を有するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下の実施例で説明するインク有
無とはインクが有る状態と、全く無い状態だけを示すの
ではなく、インクが有る状態と、インクが使用に際し不
十分な程度の量になっている状態をも表している。
【0033】また、受光素子、発熱素子、機能素子等を
設けた「素子基板上」とは、素子基板の上だけでなく、
素子基板の表面近傍内部をも含めて表している。
【0034】(実施態様1)図1は、後述する本実施例
に適用される実施態様1の記録ヘッドの断面図である。
また、図2はSiで構成された素子基板3とPCB15
の上面図である。
【0035】記録ヘッド1は、アルミニウムを主材料と
したアルミ支持体2をベースとして、この支持体上にシ
リコン基板構成され電気回路を含むインク噴射制御基板
部である素子基板3とプリントサーキトボード(PC
B)15と接着剤で固定して形成されている。素子基板
3には、インク噴射時に発熱によりインクを噴射するた
めの吐出エネルギー発生素子としての発熱抵抗素子4
と、光学素子である受光部18があり、発熱素子4と受
光部18は、酸化シリコンからなる保護膜5で被われて
おりインクとは直接接触しない構造となっている。この
ように、受光部18は発熱素子4を含むインク噴射制御
部と同一チップ上にある。これにより、記録ヘッドの生
産工程は、特別に受光部を作るための特別の工程を必要
とせず、従来と同一の製造プロセスで、すなわち、ほと
んどコストアップすることなく容易に生産される。受光
部は、少なくとも1個あればよいが、ここでは、記録ヘ
ッドの複数液流路に対応した共通液室内の両端に1個づ
つ合計2個の受光部18が配置されている。また、受光
部のそれぞれに対応した2個の発光部が記録ヘッド1を
搭載する装置内に予め配置されている。
【0036】記録動作時のインク液滴は、吐出口16か
ら噴射する。噴射したインクは、図1で記録ヘッドの右
側に接続されるインクタンクからインク流入部10とイ
ンク供給路14とインク流路を構成する共通液室11を
通して圧力室を有し、インク流路を構成するインク細流
路12に供給される。吐出口16とインク細流路12は
全部で256個づつあり、図では紙面と直交する方向に
360dpiの密度で配置されている。共通液室11の
高さxは約3mmである。
【0037】端子8からの信号はPCB15内の配線と
ボンディングワイヤー7を通してSi基板3の電気回路
に送られる。ここで多数ある吐出口のそれぞれの吐出口
に対応したインク噴射信号に変換される。
【0038】図1で、記録ヘッドの素子基板に対する上
部構成は、比較的光に対し透明度の高い材料であり、比
較的薄い部分を光透過部、即ち光源及び受光素子夫々に
対する対向領域としている。この材料としては対インク
特性の良好な材料が良く、特に本例ではポリサルフォン
からなる天板部9としている。
【0039】ここで、発光部であるLED13は、不図
示の駆動回路によって通電すると発光し、光が記録ヘッ
ドの天板部9と共通液室11内のインクを通過して受光
面積が約1200μm角のフォトダイオードである受光
部18に入射する。センサは入射した光量に依存した光
電流Ishを発生する。受光部18からの信号はボンデ
ィングワイヤー7とPCB15と端子8を通して、記録
装置に送られ、記録装置の検出回路で検出信号に変換さ
れる。
【0040】発光部としてのLEDからの光は、出力光
のピーク波長が約900nmである赤外波長領域の光で
ある。また、受光部も感度特性のピーク波長が約900
nmである素子である。このように発光部と受光部の波
長特性を近くすることによって最も効率よくインクを検
出することが可能である。このように、可視光領域を外
している波長のため、外部からの可視光による外乱光を
受けにくく、結果としてより高精度の判定情報を得るこ
とが可能である。
【0041】しかしながら、発光部13の出力が十分で
あり、または、受光部の感度が十分であれば、特に波長
特性を一致させることはなく、例えば発光部を白熱球等
にしてもよい。この点は、各状況に応じた設計事項であ
る。
【0042】また、受光部に入射する光量が少ない場
合、増幅部をも受光部近傍に設けることによって記録ヘ
ッドからの検出信号を外部からの電気的ノイズに対して
良好な状態にすることが好ましい。尚、この場合受光部
と共に、増幅部をも素子基板に設けることで、ヘッドの
コンパクト化を図ることができる。
【0043】図3は、本発明の記録ヘッドを装着した記
録装置の構成図である。また、図4は、本発明の記録ヘ
ッドを装着した記録装置の駆動ブロック図である。
【0044】CPUは、中央演算装置で、記録装置のプ
ログラムを格納したROMや一時的にデータを記憶する
RAMを備えており、以降の実施例における各検出を行
うための制御手段をも兼ねている。
【0045】キャリッジモータはキャリッジモータ駆動
回路で記録ヘッドを主走査方向に図では左右に移動させ
る。
【0046】ラインフィードモータ31はプラテン22
を駆動し、被記録媒体23を副走査方向に移動させる。
【0047】記録データはインターフェースフェイス部
であるI/Fを通して外部から入力される。記録データ
は、ヘッド駆動回路を通して記録ヘッドを駆動してイン
ク液滴を適時噴射する。
【0048】キャッピング手段は、記録ヘッドがキャッ
ピング手段35にくると記録ヘッドの先端をキャップす
るように移動する。
【0049】インク受けは、必要に応じてインク受け3
4付近を記録ヘッドが通過した時にインクを噴射させ、
そのインクを受け止める。
【0050】発光部32は発光部駆動回路によって駆動
される。また、受光部に入った光は受光部検出回路によ
って電気信号に変換され、CPUに送られる。
【0051】光シールド33は、発光部32からの光に
外乱光がまざり受光部に入射するのを防止する役目をす
る。
【0052】上述のようなインクジェットヘッドと装置
を用いて行うインク残量検出のシーケンスを図5を用い
て説明する。
【0053】通常、記録ヘッドはキャッピング手段の位
置にあり、記録データが入力される(S51)と記録媒
体のある方向に向かう(S52)。途中、インク受けの
前で、全ノズルからインクを数十ないし数百回噴射させ
る(予備吐出動作:S53)。つづいて発光部の前にく
ると(S54)、発光部から記録ヘッドに向けて光を発
する(S55)。この時、記録ヘッドの受光部に入射し
た光を受光部検出回路が検出する(S56)。もしイン
クが共通液室内に無いと判断されれば、記録ヘッドをキ
ャッピング位置に戻し(S58)、表示器群のインクエ
ラーを表示する(S59)。これによりユーザにインク
無しを知らせ、記録動作を停止する。また、もし、イン
クが有ると判断されれば、通常の記録動作をする。
【0054】図5のシーケンスでは、インクが共通液室
内に無いと判断した後、インクエラーを表示したが、図
6で示すように、吸引動作(S68、S69)を行って
もよい。
【0055】ここでは、インク無しの場合、キャッピン
グ動作で停止するとしたが、例えば、吸引手段を有し、
吸引動作してから通常の記録動作に移ってもよい。
【0056】図7は、受光部検出回路である。センサ:
18に光が入るとセンサであるフォトダイオードの光電
流Ishは演算増幅器を含む電圧変換部71によって電
圧変換され、Ish×Rf=−Voutとなる。Vout出力
信号の絶対値である。電圧に変換された出力信号はA/
D変換部でデジタル信号である検出信号に変換され、記
録ヘッドの共通液室内のインクの有無が判断される。A
/D変換部72は通常、コンパレータであり、Voutが
特定レベルVthより大きい信号か否かで、インクの有
無が判断される。
【0057】図8は、電圧変換部の出力であるVoutの
例である。aは、記録ヘッドの共通液室11にインクが
充満している場合で0に近い。bは、共通液室11にイ
ンクがない場合であり、Vthより大きい電圧値とな
る。
【0058】尚、2つのセンサからの出力信号により、
両者がインク有と判断されると、インク有、一方でもイ
ンク無しの場合は、インク無しと判断した方がよい。
【0059】このように、記録ヘッドの共通液室11内
のインクの有無が簡単に判断され、もし、インク無しが
検出されると、記録装置は、インク切れと判断し、警告
を発する。また、次の記録動作をさせない、回復動作を
行う等の処理動作をする。
【0060】インクの量を検出する場合はA/D変換部
のA/Dコンバータからのデジタル出力値によってイン
クが共通液室内に存在する量を測定すればよい。
【0061】図9は、シアンインクの共通液室内のイン
ク存在率(%)に対するセンサの出力電圧Voutの関
係を示す。
【0062】VoutのA/D変換処理により、Vou
tを測定しインクの存在率を知ることが可能である。本
実施例のインクジェットヘッドのように複数のセンサを
有する場合には、それぞれのセンサーの出力の平均値が
平均的なインクの存在率となる。
【0063】ここで、インク切れは、インクタンクのイ
ンクがなくなり供給されない場合、また、インクがある
のに何等かの不具合でインクが記録ヘッドに供給されな
い場合、の2通りのケースがありうる。
【0064】(実施態様2) 正面投光実施態様1 では、光を記録ヘッドの横側である天板側か
ら照射した場合の例を示した。これに限定されるもので
なく、光を吐出口のある正面側から入力してもよい。
【0065】図10は、光を記録ヘッドの正面である吐
出口面から照射した場合の例である。これは特に、複数
の記録ヘッドを隣接して配置する場合に有効である。光
は、吐出口の中や天板と共通インク室を通してセンサに
達する。
【0066】ここで、白色板17はLEDから記録ヘッ
ドに照射された光が天板部9から記録ヘッドの外部に漏
れないよう反射させ効率よくセンサ14に入射するため
の役割をする。これは特に白い色の板に限定されるもの
ではなく、光学センサの感度がよい波長領域を反射しや
すい材料であればよい。特に、鏡のような反射効率のよ
いものが最もよい。
【0067】光の照射とインクの検出は、非記録動作時
に行う。例えば、主走査と副走査のあるシリアルプリン
タにおいては、1主走査の記録が終了し、次の主走査の
記録が開始するまでの間に行う。
【0068】この場合、天板部の形状は、正面からの光
がセンサに集光しやすくなるような形状とすることが望
ましい。
【0069】(実施態様3) オンチップ発光部実施態様 1では、発光部であるLEDを記録ヘッドの外
部の記録装置側に配置し、受光部を記録ヘッドの素子基
板上に配置する例を示した。これに限定されることな
く、発光部のみを記録ヘッドの素子基板上に配置しても
よい。
【0070】図11は、発光部13を素子基板上に設け
た例である。素子基板上には発光部が設けられており、
発光した光は、共通液室11と天板部を通して記録ヘッ
ドの外部に配置された受光部18で受光される。
【0071】素子基板側に受光素子を設ける実施例1で
は受光部に入射する光量が少ない場合に、受光部近傍に
増幅アンプを設けたりする必要があった。そしてその場
合、増幅アンプは記録ヘッドの素子基板上に増幅アンプ
を設けるための面積が必要であった。素子基板の面積の
増加分は、そのままコストアップになる。これに対し、
発光部を素子基板上に設けた本実施例では、発光部を素
子基板上に設けるだけでよく、コストアップをまねくこ
とはない。また、受光部は記録ヘッドの外部に設けた検
出回路で検出でき、この外部の検出回路は、通常の電気
回路部品で作成されるため、コストアップにはならな
い。
【0072】(実施態様4) オンチップLED実施態様 1では、発光部であるLEDを記録ヘッドの外
部に配置し、受光部を記録ヘッドの内部に配置する例を
示した。これに限定されることなく、発光部をも記録ヘ
ッド内部に配置してもよい。
【0073】図12は、発光部13と受光部18とも素
子基板上に設けた例である。素子基板上には発光部13
と受光部18の両者が配置される。この方法によると、
発光部からの光は天板部で反射して受光部に入射するた
め、天板部に光の透過性の良い部材を用いなくてもよ
い。また、天板部の厚さや材料の不均一性に起因した検
出精度のばらつきは少なくなり、更に検出精度が向上す
る。
【0074】(実施態様5) 液室分離ヘッド実施態様 1では、1つの記録ヘッドで1色のインクを記
録するヘッドの構成の例を示した。これに限定されるこ
とはなく、例えば、1つの記録ヘッドで4色のインクを
記録するヘッドの構成でもよい。
【0075】図13は、1つの記録ヘッドで4色のイン
クを記録できるヘッドにインクセンサを設けた記録ヘッ
ドの上面図である。
【0076】インクは、Y:イエロー、M:マゼンタ、
C:シアン、K:ブラックの4色のインクを使用してい
る。各色の共通液室に1個づつ計4個のセンサが設けら
れている。発光源のLEDは、図10のように吐出口の
先端側に1個ある。
【0077】(参考技術1) 濃度検出 噴射すべきインクの濃度をも検出し、インクの経時変化
等による劣化の不具合や、インクタンク交換式の記録装
置でのインクタンクの誤挿入を検出する参考技術であ
る。
【0078】例えば、Y:イエロー、M:マゼンタ、
C:シアン、K:ブラックの4色のインクを使用した記
録ヘッドを1個づつ使用したカラー記録装置では、各色
に対し万一異なるインクタンクを挿入してしまった場
合、正常な記録は行われない。これに対し、センサで検
出した信号に基づいて各インクの濃度を判別することに
よって、誤挿入を検出することが可能となる。
【0079】図14は、各色のインクの有無を判断する
ためのVout のレベルを示したものであり、縦軸はセン
サの出力レベルの絶対値を示す。それぞれの色に対応し
た電圧の範囲内であれば正常、そうでなければ異常と判
断する。判断は、例えばA/D変換部をA/Dコンバー
タとして電圧比較することによって行われる。
【0080】Kインクのレベルは、ゼロレベルに近く、
次にCインク、Mインク、Yインクの順となっている。
インク無しではより大きい出力レベルとなる。斜線部は
各インクの存在するレベル範囲を示す。現実には、多少
のインク濃度のバラツキ、天板部の加工精度のバラツキ
等があるため、このような範囲となる。
【0081】一般的には、光の透過性はY、M、C、K
の順に良いため出力レベルの絶対値はK、C、M、Yの
順に大きくなる。
【0082】ここで、使用するインクの色材である染料
または顔料の濃度によっては、K、C、M、Yの各出力
レベルにオーバーラップが生じる場合がある。このよう
な場合には、共通液室の高さや、天板部の厚さや色によ
ってそのオーバーラップがないようにし最適化すること
が望ましい。
【0083】インク濃度の検出は、例えば、長期保存後
の濃度が高くなりすぎたインクを検出することも可能で
ある。万一このような劣化したインクが記録ヘッドに供
給されると検出し、記録装置は異常を表示する。
【0084】図15は、Yインクの染料濃度に対するA
/D出力の例を示す。共通液室:11の高さであるイン
ク厚さは3mmの場合である。出力は8ビットで最大2
55である。染料はダイレクトイエロー86で、Yイン
クの主成分は水である。ここで、例えば、染料濃度を
2.5%±0.2%以内が正常であるとすれば、出力レ
ベルは156〜160の範囲の時が正常であると判断さ
れる。
【0085】(実施態様6) 複数センサ実施態様1 では、記録ヘッドに2個のセンサを有し、共
通液室内のインク切れ或いは異常のための回復の必要性
を検出する構成の記録ヘッドを示した。これに限定され
るものではなく、例えば、2個、3個、或いは図16で
示すごとく吐出口毎に対応する256個のセンサを有し
てもよい。特に全吐出口に対応したセンサを有すること
は、各吐出口毎のインク切れを検出可能であり、特定吐
出口だけにゴミがつまってインクが供給されない場合等
のエラーを検出できる。この場合、例えば、つまった吐
出口の両側の吐出口からは通常より大きいインクドロッ
プレットを噴射させるよう制御(駆動パルスの印加時間
の増加または電圧のアップ等)することによって、記録
品位の劣化を最小限にできる。
【0086】(実施態様7) レンズ付センサ実施態様1 では、発光素子であるLEDからの光は、平
板状の天板部と共通液室:11を通過してセンサ:14
に入射していたが、天板の構造はこの限りではなく、レ
ンズの構造を合わせもっていてもよい。この構成はより
一層光学判定の精度を向上することができる。
【0087】図17は、天板部がレンズ構造を持った構
成の記録ヘッドの断面図を示す。レンズ:20は凸レン
ズで、LEDからの光がセンサ付近に集光する焦点距離
となっている。レンズは凸状ではなく平面状のフレネル
レンズでもよい。
【0088】(実施態様8) サイドシュータヘッド実施態様1 では、記録ヘッドの発熱素子が設けられた素
子基板面の実質的に沿う方向にインクを噴射する構成の
記録ヘッドの例を示したが、これに限定されるものでは
ない。
【0089】図18は、記録ヘッドの素子基板面とイン
ク噴射方向とが実質的に直交する方向である構成の記録
ヘッドの例を示す。インク液滴21は吐出口16から図
で上方に噴射する。噴射したインク液滴21はやがてプ
ラテン22に支えられた記録媒体23に付着して記録さ
れる。発光部13は、プラテンの横に配置される。記録
ヘッド1は記録装置のキャリッジに支えられて、記録媒
体23に対し相対移動して記録動作する。
【0090】吐出口16は図18で紙面と直交する方向
に128個並べられている。
【0091】(実施例1) 紙幅のセンス、ホームポジション(H.P)のセンス これまでの例では、素子基板上に設けられた発光素子や
受光素子を用いて記録ヘッド内のインクの有無や濃度を
検出する例を示した。以下の実施例は、被記録媒体の有
無、或いは更に、記録ヘッドのホームポジション位置を
検出する構成及びシーケンスを説明する。
【0092】図19は、記録ヘッド内に発光部13と受
光部18を有し、被記録媒体の有無と記録ヘッドを移動
するキャリッジのホームポジション位置とを検出する記
録装置の例を示す。ここでは、被記録媒体の有無の検知
と、ホームポジションの検知の両方を行う場合について
説明するが、装置の構成としては、どちらか一方の機能
を有するものでもよいことは言うまでもない。
【0093】この記録装置の被記録媒体搬送手段を構成
するプラテンは光を反射しにくい材質または形状であ
り、本実施例では黒色のゴム部材である。被記録媒体は
上述のプラテンに比べ光を反射しやすい白色である。ま
た、ホームポジションマーカーも上述のプラテンに比べ
光を反射しやすい白色である。
【0094】まず、ホームポジションH.Pシーケンス
のフローについて説明する。
【0095】記録ヘッド1は図で左右に移動し記録動作
を行う。ホームポジション位置(図中右側)に移動する
(S201)。この時Aの位置では発光部からの光は天
板部9で反射され、共通液室11を通過して、受光素子
18で検知される。発光部と受光部の位置がAの位置か
らBの位置に移動すると、Bの位置では、白色のホーム
ポジションマーカー24で反射した光も加わるため、受
光部の光量はAより増す。この増加分の有無を判断して
(S202)、ホームポジション位置を検出する。ホー
ムポジション位置では記録動作が終了するとキャッピン
グ手段25により記録ヘッドの吐出口をキャップする
(S203)。
【0096】このようなシーケンスを行うことで、記録
ヘッドのホームポジション検知を行うことができる。
【0097】次に図21を用いて、被記録媒体の有無検
出のシーケンスフローを説明する。
【0098】記録ヘッドがホームポジション領域Bにあ
る時に受光素子によって受光量を測定し、受光量Bとし
て記憶する(S211)。
【0099】その後、記録ヘッドが記領域側に移動を行
う(S212)。受光素子が受光量の減少を検出した場
合(S213)、減少した受光量を受光量Aとして記憶
する(S214)。
【0100】その後、タイマーをスタートし(S21
5)、所定時間T1内に受光素子が受光量の増加を検出
(S216)した場合には、被記録媒体有りと判断する
(S217)。
【0101】一方、所定時間T1内に受光素子が受光量
の増加を検出(S216)しなかった場合には、被記録
媒体無しと判断し(S218)、ホームポジションシー
ケンス(S219)を行う。
【0102】また、次に図22を用いて、被記録媒体の
有無検出と被記録媒体幅検出のシーケンスフローを説明
する。
【0103】図22におけるステップS211までは、
図21のステップS216までと同様であるので、ここ
では説明を省略する。
【0104】ステップS221で所定時間T1内に受光
素子が受光量の増加を検出した場合には、増加した受光
量を受光量Cとして記憶し(S222)、被記録媒体有
りと判断すると共に、時間T2を計測するタイマーをス
タートさせる(S223)。
【0105】次に受光量の減少を検出(S224)がな
されれば(S224)、その時の時間T2を計測し、こ
れから被記録媒体の幅を算出する(S225)。
【0106】一方、ステップ(S221)で受光量の増
加が検出できなかった場合には、被記録媒体無しと判断
し(S226)、ホームポジションシーケンス(S22
7)を行う。
【0107】このようなシーケンスによって、被記録媒
体の有無と被記録媒体幅の検出を行うことができる。
【0108】(実施態様9) 素子基板温度測定 これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。本実施例は、受光素子をフォト
ダイオードとし、素子基板の温度をも検出することが可
能とするものである。
【0109】図23は、1つのダイオードが光学センサ
の役割だけでなく、温度検出をもする場合の検出回路部
を示す。フィードバック抵抗Rfの値は最適な値が選択
される。
【0110】このタイオード素子は、素子の温度に依存
して、電流電圧特性が変化する特性を有している。ま
た、このダイオード素子が素子に光が当たるか否かで電
流電圧特性をもっている。そこで、この両方の特性を利
用し、両特性を検出可能とした。
【0111】例えば、図1の構成で、発光部13をオ
フ、すなわち、受光部に光が入らない時の検出回路部の
出力が素子基板の温度に対応した出力となる。この出力
と予め分かっている温度との関係から素子基板の温度を
検出することが可能となる。検出された温度のデータに
よって、例えば、高い温度ではインク噴射量が増加して
しまうのを防止するよう記録ヘッドの駆動を制御した
り、また、低い温度では、インク噴射量が減少してしま
うのを防止するよう発熱体や他の温度上昇手段によって
記録ヘッドの温度を上昇させる制御をする。
【0112】インクの有無や濃度の検出は、発光部を発
光させない時の出力と発光部を発光させた時の出力との
差から判断する。
【0113】受光素子をフォトダイオードとしてヘッド
の温度及びヘッド内のインクの有無(及び残量や濃度)
を検出する具体例を以下に示す。
【0114】図24(a)は、フォトダイオードを使用
してヘッド温度を検出する回路を示す。
【0115】図24(b)は、フォトダイオードを使用
してインク有無を検出する回路を示す。また、図25
は、1つのフォトダイオードを使用してヘッド温度検出
とインク有無検出とを切り替えて行う回路構成を示す。
【0116】記録ヘッド内にはフォトダイオードが2個
直列に設けられる。ヘッド温度検出回路は、フォトダイ
オードに約200μAの一定の電流を流し、その端子電
圧V1を測定する。この時、発光素子は発光しない。V
1は25℃では約1.15vで1℃につき約−4.3m
vの温度係数である。V1の測定で記録ヘッドの温度を
検出できる。
【0117】一方、インク有無検出回路は、フォトダイ
オードの起電流を測定する。フォトダイオードで受光さ
れた光量に応じて光電流Ishが発生し、フィードバッ
ク抵抗Rfと演算増幅回路により電圧V2を得る。光量
が多いほどV2の絶対値は大きくなる。具体的には、V
2=−Rf×Ishである。発光部がON時のV2とO
FF時V2の差によりインクの有無、残量、濃度を検出
することが可能となる。フォトダイオードが受光する光
量によりV2の電圧が次段のA/Dコンバータ入力の最
適な電圧になるように抵抗Rfの値が選択される。
【0118】図25の切り替え部1と切り替え部2とは
フォトダイオードの測定が、ヘッド温度検出なのかイン
ク有無検出なのかにより、記録ヘッド内のフォトダイオ
ードからの接続を記録装置の回路部のヘッド温度検出部
かインク有無検出部かに切り替えて接続する。また、次
段のA/Dコンバータに信号を送る。切り替え信号はC
PUから送られる。
【0119】検出された各電圧V1・V2の信号は、A
/DコンバータによりCPUへと伝えられ処理される。
【0120】この例では、ヘッド温度検出部とインク有
無検出部とが独立の回路とした。これは、ヘッド温度検
出時のフォトダイオードに流す電流は、インク有無検出
時に発生する光電流の100倍以上であり、ヘッド温度
検出時の検出回路ではインク有無検出を示す出力電圧の
検出が困難なためである。
【0121】しかし、センサの改良や、検出回路の改良
により、これらの2つの回路は同一にすることは可能で
ある。例えば、次段のA/Dコンバータの精度を向上す
ることも1つの方法である。このようにして同一の回路
で、ヘッド温度検出とインク有無検出とを行っても良
い。
【0122】(実施例) 色間のレジ調整 これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。これに対し、複数の記録ヘッド
を有したマルチヘッド構成の記録装置では、各色間の着
弾位置補正をも可能となる。
【0123】図26は、3個の記録ヘッドを使用した場
合の例を示す。記録ヘッドは、Y、M、Cの3色の記録
用にそれぞれ1個ずつある。3個のヘッドのメカニカル
な位置調整が完全であれば問題ないが、常に完全を保つ
機構は一般に高価である。このため、各ヘッド間の配置
ズレがあり、結果として記録された文字や画像にレジス
トレーションが発生する。
【0124】そこで、3個が一体になった記録ヘッドユ
ニットを一体にしたキャリッジを発光部に対して相対的
に移動させて、その時の各色の受光部の受光量の変化か
ら各ヘッドの相対位置差を検出する、位置検出動作を行
う。この情報をもとに、記録動作時に、インク噴射タイ
ミングを補正して、結果として、着弾位置の正しい、す
なわちレジストレーションのない記録が行われる。
【0125】具体的には、例えば主走査と副走査をして
なる記録方法での、主走査方向に一定速度でキャリッジ
を移動させ、記録ヘッドの位置検出動作が行われる。
【0126】図27は、位置検出動作時のキャリッジ位
置に対する各ヘッドの受光部からの出力信号のレベルを
示す。発光部と各色の記録ヘッドとの相対位置の出力レ
ベルのピーク位置をキャリッジを主走査させながら出力
レベルを検出することによって検出する。検出された相
対位置は、記録装置内の記憶部に記憶され、記録動作時
には、このデータに基づいて、各色の記録ヘッドからの
インク噴射のタイミングを補正する。
【0127】以下に、図28を用いてヘッド間の位置ズ
レを調整しながら記録する1スキャン中のフローを説明
する。なおこのフローは、図26のヘッド、図27の検
出データに基づくものである。
【0128】理想型では、ヘッド間ピッチ pichH
=180画素であり、 Δ×1=pichH Δ×2=pichH である。1画素は70.56μm角である。
【0129】 測定結果が、 Δ×1=pichH−1 画素 Δ×2=pichH+2 画素 であった場合を想定する。
【0130】また、記録ヘッドは、記録動作領域側から
ホームポジション側にかけて、C、M、Yの順に配置さ
れている。
【0131】まず、ステップ(S281)でホームポジ
ション(H.P)側から記録領域(R.P)側に記録ヘ
ッドを移動する。記録開始位置であれば(S282)、
シアン(C)を記録可能とする(S283)、次に通常
より2画素分遅れた位置からマゼンタ(M)を記録可能
(S284)とし、次に通常より1画素分先行した位置
からイエロー(Y)を記録可能とする(S285)。1
スキャン分の記録が終了(S286)すれば記録ヘッド
側に復帰(S287)する。このデータに基づいて、各
色の記録ヘッドからのインク噴射のタイミングを補正す
る。
【0132】(参考技術2) フルラインヘッド これまでの例では、記録ヘッド内のインクの有無や濃度
を検出する例を示した。また、複数の記録ヘッドを有し
たマルチヘッド構成の記録装置では、各色間の着弾位置
補正も可能である例を示した。
【0133】さらには、他色を使用したフルラインヘッ
ドのレジストレーション補正も可能である。
【0134】図29は、記録ヘッドのノズル数が300
0で、ノズルの配列密度が300dpiで1直線状に配
置されたノズルを有した記録ヘッドを4個使用し、記録
媒体のみの搬送でA4サイズを記録するフルライン記録
装置の例である。
【0135】記録媒体は記録媒体搬送ベルトによって搬
送される。このベルトには、一部に発光部があり、発光
部はベルトと同時に移動する。記録動作時にはベルトで
記録媒体を搬送する。
【0136】ヘッド位置検出動作は、各記録ヘッドの位
置関係を検出する。この動作では、記録媒体は搬送しな
い。発光部のみが記録ヘッドの下を予めわかっている速
度で移動する。各記録ヘッドの下部に発光部がきた時、
受光部に光が入射し、その最大値を示した位置が記録ヘ
ッドの位置を示す。このようにして、Y、M、C、Bk
各色の記録ヘッドの位置を正しく測定し、メモリーに位
置情報を記憶する。
【0137】記録動作時には、その位置情報に基づい
て、各色ヘッドの駆動タイミングを合わせる。すなわ
ち、レジストレーションを正しくする。これにより、多
少の記録ヘッド間の位置ズレがあっても、正しく記録さ
れる。
【0138】更には、各ヘッドには、両端に2個の受光
素子を有し、また、対応するベルト位置には2個の発光
部を有する。それぞれの受光素子からの検出信号によ
り、記録ヘッドの記録媒体搬送方向に対する傾き角を検
出し、記録動作時に補正された駆動タイミングで記録す
る。これにより、多少の記録ヘッドの傾きがあっても常
に正しく記録される。
【0139】図30は別の例で、複数の記録ヘッドを有
して1つのヘッドユニットを構成した例である。記録ヘ
ッドには、12個の吐出口と2個の受光部がある。記録
ヘッドは、母材に固定されている。このような記録ヘッ
ドが300個で1つのヘッドユニットになっている。各
記録ヘッドの有効吐出口は10であり、残りの2個は、
母材に対し記録ヘッドの位置がずれた場合に使用する吐
出口である。各記録ヘッドの母材への固定位置精度の検
出は、各記録ヘッドにある受光部で行われる。
【0140】動作は、図19の場合と同様である。例え
ば特定の記録ヘッドが1吐出口分左にズレた場合には、
これを補正するように使用する吐出口を選択して使用す
る。
【0141】(実施態様10)近年異なるヘッドを単一
の装置に対して交換可能にして、異なるヘッドによる記
録を行うものや、異なるインクを有するヘッドを装置に
用いることで、画質の向上や多値化を行うものが提案さ
れたり、実施されている。
【0142】このように、異なる特性を有するヘッドに
対して、そのヘッドの装置への装着を判定したり、残量
インクを判定するにあたって、上記実施例のような発光
素子や受光素子のような素子の特性を異なる特性のヘッ
ド毎に異ならせておき、その判定基準を装置側がもつこ
とによって容易に行うこともできる。
【0143】このような装置のブロックを図31を用い
て説明する。
【0144】装置のインクジェット(I/J)ホルダー
には、異なる条件を持つヘッド(I型、II型)が交換
可能に搭載される。
【0145】それぞれのヘッドには、光学用機能素子の
他に、吐出口の数や駆動電圧等のヘッド条件を持つメモ
リー手段が設けられている。
【0146】これらのヘッドが装置のインクジェットホ
ルダに装着された時にID入力手段を兼ねる光学情報入
力手段によって上述の条件が読み取られ、この条件に基
づいて、光学センサによる読み取り条件の判定基準が判
定手段によって設定される。
【0147】(実施態様11)上述の実施例において
は、図32で示されるように、受光素子であるフォトセ
ンサーを発熱素子の両端に2ヶ設けているが、より高い
感度を得ようとすると前述のようにその分基板占有面積
を大きくしなければならず、ヘッドのコストアップにな
るものであった。ここで、401はセンサーアノード電
極、402はカソード電極、403はセンサーのディテ
クター部である。404は発熱素子、405は発熱素子
を110VHと102駆動トランジスタとの配線部、4
06は外部とのコンタクトパッド、407は103と1
04のロジック回路部、408はトランジスタ、409
はGND配線、410はVH配線、411はアセンブリ
位置合わせマーク、412は温度調整用サブヒーター、
413は発熱素子への印加パワーを設定するためのラン
クヒーターである。更に、図32のようなセンサー配置
では、センサーは発熱素子の両端であるため、共通液室
内の泡の全体をセンシングしていなかった。414は、
素子基板上にインクが存在する範囲、つまり301のノ
ズルと305の液室下と外部との境界である。
【0148】一方、半導体フォトセンサーは、図33の
ように短波長側の感度が高くなく、カラーヘッドの場合
特にイエローインクのセンシングが他の色のインクに比
べて難しい。
【0149】本実施態様では、ヘッド基体の半導体部で
あるロジック部とトランジスタ部以外の発熱素子と配線
周辺下の基板をPN接合であるフォトセンサーとするこ
とで、インク液面化のほぼ全域にディイクター部を形成
することができた。更にアルミ配線にピンホールとスリ
ットを入れることで配線抵抗を落とさずディイクター面
積をあげることができた。
【0150】図34は、一般的なフォトセンサーの断面
図である。601はセンサー検知部であり、602はN
型コレクタ埋込領域であり、603はN型エピタキシャ
ル領域であり、604は高濃度P型領域であり、フォト
センサーのアノードとなる。605はN型コレクタ埋込
領域であり、606は高濃度N型コレクタ埋込領域であ
りフォトセンサーのカソードである。607は、層間絶
縁膜であり、608はカソードのアルミ電極、609は
アノードのアルミ電極である。610と611は素子分
離のためのP型アイソレーション埋込領域、612は素
子分離のための高濃度P型アイソレーション埋込領域で
ある。フォトセンサーの検知部は、604周辺の光が到
達する部分であり、アルミ電極下はディテクターとはな
らない。
【0151】そこで図35に、本実施例のフォトセンサ
ーのヘッド素子基板上でのレイアウトを示す。
【0152】701はフォトセンサーのアノード電極、
702はカソード電極でありアルミ電極は共に一層目ア
ルミで構成している。701と702周辺の下地が、P
N接合のフォトセンサーでありディテクター部703で
ある。発熱素子404と発熱素子に電力を供給する配線
部405は二層目アルミで構成されており、フォトセン
サーのアルミ電極とクロスオーバーしている。
【0153】従って、PN接合部は、発熱素子の下部に
も設けられているため発熱素子404周辺のアルミ配線
の隙間である図36の斜線部801は、全てセンサーの
ディテクターになっている。
【0154】(実施態様12本実施態様11に関する
他のである。
【0155】図37は、本実施例のフォトセンサーの素
子基板上でのレイアウトである。901はフォトセンサ
ーのアノード、902はカソード、903はディテクタ
ーである。実施例2は、左右対称に2組実施例1と同様
に発熱素子の下部までPN接合が設けられ、ノズル中心
部まで、ディテクターになっている。また、左右に2組
同じものがあるので差動検出が容易であり、液室内の泡
の分布を検知できる。
【0156】更にPN接合がVH配線の下まで設けら
れており、その配線に904のようにピンホールやスリ
ットで穴を開けることで、広範囲に渡ってディテクター
基体上に構成できる。
【0157】図38に、フォトセンサーの処理回路例を
示す。本処理回路例は、フォトセンサーや発熱素子駆動
トランジスタと同じ製造プロセスで作成できるためヘッ
ド基体内に作り込む事が可能であり、プリンター本体の
コストを下げることができる。
【0158】シリコン半導体フォトセンサーは、図5に
示すように、イエローインクの染料が吸収する300〜
500nmの短波長側の感度が悪い。従って、本方式の
場合イエローヘッドは、他のヘッドのセンサー情報で、
回復操作が実行される必要がある。
【0159】本発明の場合、耐インク保護膜221を多
層とし、その一部をBPSGなどの低温リフローガラス
で構成し、かつ短波長を吸収する着色を施す事により、
インクのある時は、光を感じないが、インク落ちをする
と保護膜を透過する着色より長波長の光を検知するの
で、イエローインクもS/Nよく検知できるようになっ
た。
【0160】(実施例3)図39は、上記実施例にかか
るプリントヘッドを装着して適用することのできるイン
クジェットプリンターの一例を示す概略斜視図である。
1101は、上記実施例に係るプリントヘッドである。
このヘッド1101は、駆動モータ1102の正逆回転
に連動して駆動力伝達ギア1103及び1104を介し
て回転するリードスクリュ1105の螺旋溝1106に
対して係合するキャリッジ1107上に搭載されてお
り、上記駆動モータ1102の動力によってキャリッジ
1107とともにガイド1108に沿って矢印a及びb
方向に往復移動される。図示しないプリント媒体供給装
置によってプラテン1109上を搬送されるプリント用
紙Pの紙押え板1110は、キャリッジ移動方向にわた
ってプリント用紙Pをプラテン1109に対して押圧す
る。
【0161】上記リードスクリュウ1105の一端の近
傍には、フォトカプラ1111及び1112が配設され
ている。これらはキャリッジ1107のレバー1119
のこの域での存在を確認して駆動モータ1102の回転
方向切換等を行うためのホームポジション検知手段であ
る。図において1113は、上述のプリントヘッド11
01の吐出口304のある全面を覆うキャップ部材11
14を支持する支持部材である。また、1115はキャ
ップ部材1114の内部にヘッド1101から、インク
を吸引する手段である。この吸引手段1115によりキ
ャップ内開口部1116を介してヘッド1101の吸引
回復が行われる。1117は、クリーニングブレードで
あり、1118はブレード1117を前後方向(上記キ
ャリッジ1107の移動方向に直交する方向)に移動可
能にする移動部材であり、ブレード1117及び111
8は本体支持板1120に支持されている。上記ヘッド
1101に設けられた発熱体101に信号を付与した
り、前述した各機構の駆動制御を司るプリント制御部
は、プリンター側に設けられており、ここには図示しな
い。
【0162】上述の構成を有するプリンター1100
は、図示しないプリント媒体供給装置によりプラテン1
209上を搬送されるプリント用紙Pに対し、ヘッド1
101が用紙Pの全幅に渡って往復移動しながら記録を
行うものであり、ヘッド1101は、高密度プリントが
可能であるため、高精度で高速のプリントが可能であ
る。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、記録ヘッドに光学
素子を設けることでホームポジションセンサや紙センサ
とも共用できるようになった。
【0164】更には、センサは光学センサであり、この
センサに加えて、発光素子をもインク噴射制御基板に有
し、検出精度を向上させることも可能となった。
【0165】更には、同時に記録ヘッドの温度の測定が
可能になった。
【0166】更には、複数のヘッドを有した記録ヘッド
のレジストレイション補正が可能となった。
【0167】また、実施態様10、11においては、従
来360dpiの素子密度で64セグメントのインクジ
ェットプリントヘッド素子基板内には、フォトセンサー
のディテクター部の面積がせいぜい0.1mm程度の
面積しか設けられなかったが、本実施例によりチップサ
イズを大きくすることなく、広範囲にディテクター部の
面積を1.0mm以上にする事が可能となった。ディ
テクター部の面積が10倍以上になったことでセンサー
のS/N比が10倍以上となった。
【0168】結果、定期的なインクの自動回復が不要と
なったため、回復操作で消費されるインクが画期的に少
なくなり、ヘッドのランニングコストが下がった。例え
ば、キヤノン製BC−01という商品名のインクジェッ
トヘッドを毎日5枚ずつ印字すると数日毎に定期回復を
行って約90日450枚印字できたが、本発明方式によ
り約100日500枚印字が可能となり、その印字枚数
アップ分ランニングコストが下がった。
【0169】更に、回復操作で吸引するインク量が少な
くなったのでプリント装置本体のインクタンクを小さく
でき、小型、軽量化できた。
【0170】また、センサーとセンサーの処理回路は、
ヘッド基体形成と同じプロセスで基体内の余裕スペース
に設けられるので、ヘッドのコストを上げることなく、
プリンター本体のセンサー処理回路分コストダウンでき
た。
【0171】更に、従来半導体センサーでイエローイン
クの検知は難しかったが、保護膜のPSG層をイエロー
系に着色し、光源を選ぶ事で、実用可能なイエローイン
ク内の泡検知が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドを説明するため
の図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの平面図。
【図3】本発明のインクジェットヘッドを搭載した記録
装置の構成図。
【図4】本発明のインクジェットヘッドを搭載した記録
装置のブロック図。
【図5】残検シーケンスのフローを示す図。
【図6】残検シーケンスのフローを示す図。
【図7】検出回路を示す図。
【図8】検出回路の出力電圧を示す図。
【図9】インクの定量を行うためのセンサ出力を示す
図。
【図10】吐出口面から光を照射した場合を示す図。
【図11】発光部をSi基板に設けた例を示す図。
【図12】発光部を素子基板上に設けた例を示す図。
【図13】多色一体ヘッドの例を示す図。
【図14】4色のインクに対するVout の検出レベルを
示す図。
【図15】染料濃度に対する出力例を示す図。
【図16】本発明のヘッドの平面図。
【図17】天板部がレンズ構造である記録ヘッドの断面
図。
【図18】サイドシュータタイプヘッドを示す図。
【図19】被記録媒体センサとホームポジションセンサ
を設けた例を示す図。
【図20】ホームポジションセンシングのシーケンスフ
ローを示す図。
【図21】被記録媒体の有無検知のシーケンスフローを
示す図。
【図22】被記録媒体の有無検知と幅検知のシーケンス
フローを示す図。
【図23】検出回路を示す図。
【図24】センサ部と検出部の回路構成を示すための
図。
【図25】センサ部と検出部の回路構成を示すための
図。
【図26】マルチヘッドの構成を示す図。
【図27】複数ヘッドでの各ヘッドの発光部との相対位
置での出力レベルを示す図。
【図28】位置ずれ検出の調整フローを示す図。
【図29】フルライン記録ヘッドを多数個使用した場合
を示す図。
【図30】千鳥配置のフルライン記録ヘッドを示す図。
【図31】ヘッド交換を行う装置における判定ブロック
図。
【図32】センサのレイアウトを示す図。
【図33】シリコン半導体フォトセンサの感度波長依存
性を示す図。
【図34】シリコン半導体フォトセンサの素子基板上レ
イアウトの実施例を示す図。
【図35】光学センサの素子基板内レイアウトの実施例
を示す図。
【図36】発熱素子周辺図。
【図37】光学センサの素子基板内レイアウトの実施例
を示す図。
【図38】光学センサの処理回路例を示す図。
【図39】本発明のプリンタを示す図。
【図40】ヘッドの模式図。
【図41】素子基板の等価回路図。
【図42】素子基板の断面図。
【符号の説明】 1 記録ヘッド 2 アルミ基板 3 Si基板 4 発熱体 5 保護膜 6 IC 7 ボンディングワイヤー 8 端子 9 天板部 10 インク流入部 11 共通液室 12 圧力室 13 発光部 14 インク流路 15 PCB 16 吐出口 17 白色板 18 受光部 20 レンズ 21 インク液滴 22 プラテン 23 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 須釜 定之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 泉田 昌明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AG81 AG99 AL12 AL14 AL21 AL25 AM15 AM17 AM21 AM22 BA13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する吐出口と、 該吐出口に連通し、インクを吐出するための吐出エネル
    ギー発生素子が設けられたインク流路とを有し、 前記インク流路に対応した位置に、光学素子が設けられ
    ていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記吐出エネルギー発生素子は、前記イ
    ンク流路に対応して素子基板上に配された発熱素子であ
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記光学素子は受光素子である請求項1
    に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記光学素子は発光素子である請求項1
    に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記光学素子は発光素子と受光素子であ
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記光学素子は温度検出素子を兼ねてい
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記光学素子は前記インク流路を構成す
    る共通液室に対応した位置に設けられている請求項1に
    記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記光学素子は前記インク流路を構成す
    るインク細流路に設けられている請求項1に記載のイン
    クジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 ヘッドに関する条件を保持するメモリ手
    段が設けられている請求項1に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のインクジェットヘッ
    ドと、 光学素子からの出力を基に、インクの残量検出、インク
    の濃度検出、ホームポジション検出、被記録媒体の有無
    検出、ヘッドの温度検出、被記録媒体幅検出の少なくと
    も一つを行う制御手段とを有するインクジェット装置。
  11. 【請求項11】 インクジェットヘッドがインクの色に
    対応して複数配されている請求項10に記載のインクジ
    ェット装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のインクジェットヘッ
    ドの前記メモリから、ヘッドに関する条件を入力する入
    力手段と、 該条件に基づいて前記各検出における判定基準を設定す
    る判定手段と、 を有する請求項10に記載のインクジェット装置。
  13. 【請求項13】 インクを吐出するための吐出エネルギ
    ー発生素子と、 該吐出エネルギー発生素子に電気的に接続した配線電極
    と、 光学素子とを有することを特徴とするインクジェットヘ
    ッド用素子基板。
  14. 【請求項14】 前記吐出エネルギー発生素子は発熱素
    子である請求項13に記載のインクジェットヘッド用素
    子基板。
  15. 【請求項15】 前記光学素子は前記配線電極が配され
    た周辺下部に設けられたPN接合によって形成された素
    子である請求項13に記載のインクジェットヘッド用素
    子基板。
JP2002199018A 1993-12-28 2002-07-08 インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 Expired - Fee Related JP3605098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002199018A JP3605098B2 (ja) 1993-12-28 2002-07-08 インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33670493 1993-12-28
JP5-336704 1993-12-28
JP2002199018A JP3605098B2 (ja) 1993-12-28 2002-07-08 インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32440294A Division JP3347502B2 (ja) 1993-12-28 1994-12-27 インクジェットヘッドおよびインクジェット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003063013A true JP2003063013A (ja) 2003-03-05
JP3605098B2 JP3605098B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=26575553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002199018A Expired - Fee Related JP3605098B2 (ja) 1993-12-28 2002-07-08 インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3605098B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001031A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Canon Inc 位置検出方法
JP2011051352A (ja) * 2010-11-08 2011-03-17 Canon Inc 位置検出方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001031A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Canon Inc 位置検出方法
JP4649274B2 (ja) * 2005-06-21 2011-03-09 キヤノン株式会社 位置検出方法
US7905565B2 (en) 2005-06-21 2011-03-15 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus and method for detecting the position of an ink container
JP2011051352A (ja) * 2010-11-08 2011-03-17 Canon Inc 位置検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3605098B2 (ja) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3347502B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット装置
US5581284A (en) Method of extending the life of a printbar of a color ink jet printer
US7364284B2 (en) Head substrate, printhead, head cartridge, and printing apparatus
EP0925949B1 (en) Recording ink jet head with a head position detector
KR20090020728A (ko) 잉크젯 프린트 헤드 및 이를 구비한 잉크 카트리지
US5734391A (en) Printing system
KR20060049459A (ko) 기록헤드용 기판, 기록헤드, 헤드 카트리지 및 기록 장치
JP4188554B2 (ja) 多色カラーインクジェット印刷ヘッドのための整合装置及びビルトイン光学位置検知器を備えた印刷ヘッド
US6773096B2 (en) Substrate for recording head, recording head, recording apparatus, and method of inspecting substrate for recording head
JP3605098B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
JP2675163B2 (ja) インク残量検知装置、該インク残量検知装置を有するインクジェットヘッドカートリッジおよび該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置
US6799819B2 (en) Photosensor activation of an ejection element of a fluid ejection device
US6494563B2 (en) Ink jet element substrate and ink jet head that employs the substrate, and ink jet apparatus on which the head is mounted
KR20080081970A (ko) 기록 헤드 및 상기 기록 헤드를 구비한 기록 장치
EP1369240B1 (en) Fluid ejection and scanning system with photosensor activation of ejection elements
JP2005147895A (ja) 記録装置及び記録ヘッドの温度検出回路
JP3599609B2 (ja) 記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置
JPH07314720A (ja) インク検出装置
EP1369237B1 (en) Fluid ejection system with photosensor activation of ejection element
US7083250B2 (en) Fluid ejection and scanning assembly with photosensor activation of ejection elements
JP2004150897A (ja) 基板の温度検知回路、記録ヘッド素子基板、及び記録装置
JPH08108538A (ja) 記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いた記録装置
JP2006159699A (ja) レジストレーション調整方法、及び記録装置
JPH08332735A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のインク吐出異常の有無の検出方法
JP2002219806A (ja) インクジェット記録ヘッド用基体、該基体を用いたインクジェット記録ヘッド、該記録ヘッドを搭載する記録装置、及び記録ヘッドの駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040930

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071008

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees