JP2003060483A - 弾性表面波装置およびその製造方法、通信装置 - Google Patents

弾性表面波装置およびその製造方法、通信装置

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JP2003060483A
JP2003060483A JP2002017998A JP2002017998A JP2003060483A JP 2003060483 A JP2003060483 A JP 2003060483A JP 2002017998 A JP2002017998 A JP 2002017998A JP 2002017998 A JP2002017998 A JP 2002017998A JP 2003060483 A JP2003060483 A JP 2003060483A
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coil
acoustic wave
surface acoustic
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JP2002017998A
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Takanori Kishimoto
恭徳 岸本
Ryoichi Omote
良一 表
Tatsuro Nagai
達朗 長井
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタ特性に優れ、歩留りが改善された弾
性表面波装置およびその製造方法、通信装置を提供す
る。 【解決手段】 弾性表面波フィルタ5、6を設ける。弾
性表面波フィルタ5、6に接続された共通端子であるア
ンテナ端子13を設ける。アンテナ端子13のインピー
ダンス整合用のコンデンサ7、8、コイル9を設ける。
弾性表面波フィルタ5、6、コンデンサ7、8、コイル
9を覆うカバー材1を設ける。コイル9が外部から変形
可能とするための開口部1aを、カバー材1に対し設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単一のアンテナを
用いて送信および受信を同時に行う際に使用する分波
器、特にその中の弾性表面波分波器である弾性表面波装
置およびその製造方法、通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯電話端末機等の通信装置の小
型・軽量化にともない、通信装置に用いられる種々な電
子部品には、従来の誘電体フィルタより小型化・軽量化
が可能な弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタと
記す)が用いられるようになってきている。また、上記
電子部品では、複数のSAWフィルタやコンデンサ、コ
イルなどの周辺部品をまとめた複合部品化も進められて
いる。
【0003】例えば、アンテナから端末機へ入力される
信号と端末機からアンテナヘ出力される信号を振り分け
る機能を有する、電子部品としての分波器(DPX)に
おいては、送信用と受信用の2つのSAWフィルタにイ
ンピーダンス整合用のコンデンサやコイルを付加した弾
性表面波分波器(以下、SAWDPXと称す)が知られ
ている(特開平9−181567号公報)。
【0004】このSAWDPXでは、送信用および受信
用の各SAWフィルタの間でインピーダンス整合をとる
必要があるが、上記インピーダンス整合のために前述の
コンデンサおよびコイルを用いた整合回路を用いる方法
(特開平9−181567号公報の図6参照)や、遅延
線による遅延回路を用いる方法が用いられている。
【0005】一方、DPXの例ではないものの、インピ
ーダンス整合用のコイルをサブ基板上に形成し、レーザ
ートリミングして上記コイルの特性を調整した後、金属
性の蓋で密封して磁気シールドする、弾性表面波素子モ
ジュールの製造方法も知られている(特開平5−152
881号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来では、得られたSAWDPXの歩留りが劣化して、コ
ストアップという問題を生じている。
【0007】つまり、上記整合回路や遅延回路において
は、その特性は作製された時点で固有であり、作製後に
特性を調整するという機能は有していなかった。そのた
め、従来は、加工バラツキ等に起因する特性バラツキを
有するSAWフィルタに、前記整合回路や遅延回路を付
加してSAWDPXを構成すると、多くのSAWDPX
は必要特性を得ることができる一方、一部のSAWDP
Xでは必要特性を満足しないものも生じており、SAW
DPXの歩留りが低下して、コストアップという問題を
有している。
【0008】さらに、SAWDPXの低コスト化を実現
するには、必要特性を満足しない一部のSAWDPXを
無くして歩留りを向上させることが必要であるが、従来
法では困難であった。
【0009】これを解決する方法としては前述のレーザ
トリミングという手法もある。しかしながら、SAWD
PXにおいて、特に相手側減衰量が求められる場合にお
いては、金属製の蓋の取り付け前後で特性が変化するた
め、前述の例では正確な調整が困難であった。
【0010】本発明は、上記問題を解決するため、SA
WDPXに完全に組み上げられた状態で調整が可能な構
造とし、かつ、特別な設備を有しない手法により、小型
で安価なSAWDPXとしての弾性表面波装置およびそ
の製造方法、上記弾性表面波装置を用いた通信装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
は、以上の課題を解決するために、複数のSAWフィル
タと、上記各SAWフィルタの少なくとも一方の端子を
共通化した共通端子と、共通端子に接続された、少なく
とも一つのインピーダンス整合用の受動素子と、上記各
SAWフィルタおよび受動素子を覆うカバーとを有する
弾性表面波装置において、カバーに対し、受動素子のイ
ンピーダンスを調整するための開口部が形成されている
ことを特徴としている。
【0012】上記構成によれば、上記各SAWフィルタ
および受動素子を覆うカバーを有するので、各SAWフ
ィルタ等の各構成部材を機械的に、かつ、電磁的に保護
でき、その上、上記カバーにより搬送も容易化できて、
例えば携帯電話等の通信装置のマザーボードへの取り付
けの簡素化できる。
【0013】さらに、上記構成においては、カバーに対
し、受動素子のインピーダンスを調整するための開口部
を形成したから、前記各構成部材およびカバーを全て取
り付けた後においても、開口部を通して、受動素子のイ
ンピーダンスを調整できるので、カバー無しにて調整し
た後、カバーを取り付けることによる特性変化を回避で
きて、得られた構成の特性の改善を確実化できる。よっ
て、上記構成では、特性が改善されると共に、良品率
(歩留り)も向上できる。
【0014】上記弾性表面波装置においては、前記受動
素子は空芯コイルであることが好ましい。上記構成によ
れば、高透磁率のコア(芯)に導線を巻き付けたコア有
りコイルと比べて、空芯コイルは、巻かれた導線を変
形、例えば互いに隣り合う導線間の間隔を広げることが
容易であるので、上記調整を簡便化できる。
【0015】本発明の弾性表面波装置の製造方法は、以
上の課題を解決するために、複数のSAWフィルタと、
上記各SAWフィルタの少なくとも一方の端子を共通化
した共通端子と、共通端子に接続された、少なくとも一
つのインピーダンス整合用の受動素子と、上記各SAW
フィルタおよび受動素子を覆うカバーとを有する弾性表
面波装置の製造方法において、カバーに形成された開口
部を介して、受動素子のインピーダンスをカバー内にて
調整することを特徴としている。
【0016】上記方法によれば、カバーに形成された開
口部を介して、受動素子のインピーダンスをカバー内に
て調整するので、カバー無しにて調整した後、カバーを
取り付けることによる特性変化を回避できて、得られた
構成の特性の改善を確実化できる。よって、上記方法で
は、得られた弾性表面波装置について、特性を改善でき
ると共に、良品率(歩留り)も向上できる。
【0017】上記製造方法では、受動素子としてのコイ
ルのインピーダンスを調整するために上記コイルを変形
させてもよい。上記方法によれば、高透磁率のコア
(芯)に導線を巻き付けたコア有りコイルと比べて、空
芯コイルは、巻かれた導線を変形、例えば互いに隣り合
う導線間の間隔を広げることが容易であるので、上記調
整を簡便化できる。
【0018】本発明の通信装置は、以上の課題を解決す
るために、上記の何れかに記載の弾性表面波装置を有す
ることを特徴としている。上記構成によれば、特性に優
れた、歩留りが向上して低コスト化された弾性表面波装
置を有しているので、特性の改善とコストの低減を図る
ことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0020】本発明に係る弾性表面波装置としてのSA
WDPXの実施の形態を図1に示す。上記SAWDPX
は、図1(a)および図2に示すように、ガラス繊維強
化のエポキシ樹脂(ガラスエポキシ)からなる、略長方
形板状の基板2上に、送信(Tx)用のSAWフィルタ
5、および、受信(Rx)用のSAWフィルタ6を並設
して有している。
【0021】SAWフィルタ5、6は、LT(タンタル
酸リチウム)やLN(ニオブ酸リチウム)といった圧電
基板上にフォトリソグラフィ技術を用いて櫛型電極対や
電極パッドを形成したSAWフィルタ部を備えている。
よって、SAWフィルタ5、6は、それぞれ、櫛型電極
対の設定により通過帯域とそれ以外の通過帯域外とが設
定されてフィルタ機能を備えている。
【0022】SAWフィルタ5、6は、それぞれ、SA
Wフィルタ部を収納・実装する略正方形板状のアルミナ
等からなるパッケージを有している。上記パッケージに
は、外部との入出力用の外部端子が形成されている。
【0023】各SAWフィルタ5、6は、基板2上にお
いて、各SAWフィルタ5、6の短手方向が基板2の長
手方向に沿うように、かつ、各SAWフィルタ5、6の
長手方向の両端面の少なくとも一方が同一線上となるよ
うに配置されている。
【0024】上記基板2の側面および底面(各SAWフ
ィルタ5、6の載置面とは反対面)の、基板2の短手方
向の各端面の一方の中央部には、アンテナ端子13が、
各SAWフィルタ5、6の各一方の端子(アンテナ(A
NT)端子)と接続されて共通端子となるように設けら
れている。
【0025】上記基板2の側面および底面の、SAWフ
ィルタ5側には、SAWフィルタ5用の入出力端子11
が配置されている。上記基板2の側面および底面の、S
AWフィルタ6側には、SAWフィルタ6用の入出力端
子12が配置されている。
【0026】さらに、基板2上においては、アンテナ端
子13でのインピーダンス整合用の、各コンデンサ(受
動素子)7、8、およびコイル(受動素子)9が、アン
テナ端子13と各SAWフィルタ5、6との間にそれぞ
れ実装されている。
【0027】各コンデンサ7、8、およびコイル9は、
アンテナ端子13とRxとの間における、Rx側のマッ
チングを図るために挿入されている。各コンデンサ7、
8としては、略直方体チップ形状の誘電体セラミックス
内に内部電極が複数互いに入り込んで形成された積層コ
ンデンサが挙げられる。
【0028】また、基板2上には、図示しないが、各S
AWフィルタ5、6等の構成部材間を配線するための、
アルミウム箔または銅箔からなる配線パターンが、好ま
しくは基板2の厚さ方向に多層にて形成されている。
【0029】各コンデンサ7、8は、積層コンデンサに
代えて、上記配線パターンを用い、多層の配線パターン
間に絶縁体(誘電体)を基板2の厚さ方向に挟んで形成
されていてもよい。また、各コンデンサ7、8は、基板
2の配線パターンが単層の場合、銅等の一対の電極を互
いに対面する位置(基板2の表面方向)に所定のギャッ
プを有して設けることにより形成されていてもよい。
【0030】前記コイル9としては、エナメル等の絶縁
体にて被覆された銅線等の導線(導体)を、円筒コイル
状に巻いたものが挙げられる。コイル9は、基板2上に
おいて、そのコイル9の中心軸を基板2の表面と略平行
となるように、かつ、配線パターンに接続されて取り付
けられている。よって、上記コイル9は、コイル9にお
ける互いに隣り合う各導線間の間隔を外部から変更可
能、つまり変形可能に設置されている。
【0031】さらに、基板2上には、図1(a)および
図1(b)に示すように、各SAWフィルタ5、6、各
コンデンサ7、8、およびコイル9を覆うように金属板
製のカバー材1が、外形が略直方体形状にて設けられて
いる。カバー材1の素材としては、電磁気的なシールド
機能を発揮するために、導電性を有していることが好ま
しく、金属板以外に導電性プラスチック板等も使用でき
る。
【0032】また、カバー材1が取り付けられたSAW
DPXを、例えば携帯電話等の通信装置のマザーボード
に実装する場合、SAWDPXの上方(つまりカバー材
1の表面側)からチャッキング(管の先に吸引により吸
い付けて持ち上げる)によりマザーボード上に載置する
方法が一般に用いられる。よって、カバー材1は、チャ
ッキング位置、例えば中央部分が平面状であることが好
ましく、さらに基板2の表面と略平行であることが好ま
しい。
【0033】また、基板2の複数の隅部に、カバー材1
が基板2に接続される部分としての実装部4がSAWD
PXのGNDと接続して設けられている。上記実装部4
により、カバー材1もGNDとなる様に設定されてい
る。このことから、SAWDPXにおいては、カバー材
1により、GNDを強化できると共に、外部や内部から
の電磁波に対するシールド機能を備えることができる。
【0034】そして、カバー材1では、コイル9の設置
部分に対応した位置、つまりアンテナ端子13の近傍
に、上記コイル9の少なくとも一部を外部から操作して
変形させるための開口部1aが形成されている。
【0035】上記開口部1aは、上記コイル9の少なく
とも一部を外部から操作して変形できる程度の大きさ、
ほぼコイル9の大きさ(中心軸を含む断面の大きさ)に
準じた大きさに形成されており、かつ、カバー材1の周
辺部に形成されている。よって、上記開口部1aをカバ
ー材1に形成しても、カバー材1が有する内部の構成部
材を覆って保護する機能、チャッキング機能、およびシ
ールド機能を損なうことは回避されている。
【0036】このような開口部1aを設けたことによ
り、SAWDPXに対して各SAWフィルタ5、6、各
コンデンサ7、8、およびコイル9の取り付け完了後
に、上記コイル9を、開口部1aを通して外部から、例
えばマイナスドライバー等によって変形させて、上記コ
イル9のインピーダンス特性を微調整することが可能と
なる。
【0037】本実施の形態に記載のコイル9では、コイ
ル9の芯が空間となっている空芯コイルを使用してい
る。空芯コイルからなるコイル9は、コイル9による損
失が少ないため低損失なDPX特性が得られると共に、
高透磁率のコアに導線を巻き付けたコイルと比べて、コ
イル9の捲線の変形が容易であるため微調整がし易いと
いう特徴を有している。
【0038】以上、図1はこれらを模式的に示したもの
であるが、カバー材1を外した時の実際の外観は図2の
様になっている。また、図3(a)はこれら実装部品の
接続を示す等価回路示す。ここで、同一の部位を示す番
号は同一としている。
【0039】次に、上記構成の作用・効果について説明
する。上記構成において、コイル9のインダクタンス:
Lが変化した場合、これに伴いDPX特性は変化する。
Lが異なるコイル9を実装した時、SAWDPXのAN
T→Rxの通過特性が変化する例を図5および図6に示
す。ここで示すSAWDPXは、Tx側の通過帯域が8
24〜849MHzであり、Rx側の通過帯域が869
〜894MHzのものである。
【0040】Lの変化に対しては、DPXのTx→AN
T特性、ANT→Rx特性、アイソレーション特性のい
ずれの特性も微妙に変化するが、ここでは最も変化の大
きいANT→Rx特性の通過特性(帯域内ロス、および
VSWR(Voltage StandingWave Ratio 、電圧定在波
比) )を記載した。ANT→Rx特性の変化が最も大き
いのは、コイル9がSAWDPXのアンテナ端子13
と、各SAWフィルタ5、6の各ANT端子との間に挿
入されているためである。図5および図6から、コイル
9のインダクタンス値を変更することによって、ANT
→Rx特性の通過特性が大きく変化することが分かる。
【0041】一方、コイル9は、銅等の導線を、複数
回、巻いて作られるが、コイル9を例えば図4(a)か
ら図4(b)の様に、互いに隣り合う導線間の間隔を変
化、例えば広げるように機械的に変化させて、コイル9
aに設定する。このとき、変形前後で、形成される磁束
が変化するため、変形後のコイル9aのインダクタンス
値(インピーダンス値)が、変形前のコイル9に対して
変化する。この例のように、互いに隣り合う導線間の間
隔を広げると、インダクタンス値は低下し、上記間隔を
狭くするとインダクタンス値は上昇する。実際、図4
(a)から図4(b)の変形により、1.2nH以上の
インダクタンス値が変化する。したがって、コイル9を
変形させることによってインダクタンス値を変化させ、
この変化によりDPX特性を変化させることが可能であ
る。
【0042】以上の様に、取り付け後のコイル9を、カ
バー材1を装着した状態で変形させることによって、D
PX特性を調節できることが判る。一方、SAWフィル
タは前述の様にフォトリソグラフィ技術を用いることに
より、チップ状にて一度に大量に生産されるが、圧電基
板であるウエハ内分布や加工条件の経時的変化など、様
々な要因により全てのSAWフィルタが互いに同一特性
を発揮できるわけではない。
【0043】同様にSAWDPXを構成するコンデンサ
7、8やコイル9、基板2も個々にバラツキを有してい
る。よって、これらを用いて組み立てたSAWDPXの
中には必要特性を満足しないものも含まれる。
【0044】例えば図7に示したスミスチャートは、コ
イル9の変形前後のANT→RxにおけるANT側の反
射特性を示すものである。ここで、図7は中心を50Ω
としたときのスミスチャートであり、中心に近いほど整
合がよく、VSWRが小さいことを表している。
【0045】上記スミスチャートにおける一点鎖線は、
必要特性を満足していないSAWDPXにおけるANT
→Rx特性のANT側のRx通過域(869MHz〜8
94MHz)の反射特性であり、50Ωからずれている
のが判る。この時のVSWR=2.12であった。
【0046】このDPXのコイル9を変形させて、Lを
調節したコイル9aとすることにより、図7における太
線の様に特性を改善することができた。改善後のVSW
R=1.88であった。
【0047】このように、カバー材1にコイル9の調整
用の開口部1aを設けておけば、取り付け後のコイル9
やカバー材1を取り外さなくとも、上記コイル9を開口
部1aを介して変形させて、コイル9aに調整すること
によりDPX特性を調整することが可能となる。
【0048】なお、上記実施の形態では、コイル9を変
形させた例を挙げたが、図3のコンデンサ7、8の容量
の一部を、ガラスエポキシからなる基板2上の銅電極に
て形成しておき、カバー材1の開口部1aからレーザに
よって上記銅電極をトリミングしても同様の効果が得ら
れる。
【0049】さらに、インピーダンスの整合回路は、図
3(a)に限定されるものではなく、例えば図3(b)
に示すように、コイル9を並列に接続した分波器でも同
様の効果が得られる。また、上記では、SAWDPXに
適用した例を挙げたが、基板上に、コイルやコンデンサ
といった受動素子を露出して有し、かつ、上記受動素子
を覆う、カバー材を備えた電子部品であれば、同様に適
用可能である。
【0050】続いて、図8を参照しながら、本実施の形
態に記載の弾性表面波装置を搭載した通信装置100に
ついて説明する。上記通信装置100は、受信を行うレ
シーバ側(Rx側)として、アンテナ101、アンテナ
共用部/RFTopフィルタ102、アンプ103、R
x段間フィルタ104、ミキサ105、1stIFフィ
ルタ106、ミキサ107、2ndIFフィルタ10
8、1st+2ndローカルシンセサイザ111、TC
XO(temperature compensated crystal oscillator
(温度補償型水晶発振器))112、デバイダ113、
ローカルフィルタ114を備えて構成されている。Rx
段間フィルタ104からミキサ105へは、図8に二本
線で示したように、バランス性を確保するために各平衡
信号にて送信することが好ましい。
【0051】また、上記通信装置100は、送信を行う
トランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ101
および上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ102
を共用するとともに、TxIFフィルタ121、ミキサ
122、Tx段間フィルタ123、アンプ124、カプ
ラ125、アイソレータ126、APC(automaticpow
er control (自動出力制御))127を備えて構成さ
れている。
【0052】そして、上述した本実施の形態に記載の弾
性表面波装置は、上記のRx段間フィルタ104、1s
tIFフィルタ106、TxIFフィルタ121、Tx
段間フィルタ123、アンテナ共用部/RFTopフィ
ルタ102、特にアンテナ共用部/RFTopフィルタ
102に対し好適に利用できる。
【0053】よって、上記通信装置は、用いた弾性表面
波装置が、小型化、特性バラツキの抑制化、かつ、低コ
スト化、特にGHz帯域以上において小型化、高信頼性
化および低コスト化を図れるものとなっている。
【0054】
【発明の効果】本発明の弾性表面波装置およびその製造
方法は、以上のように、カバーに対し、受動素子のイン
ピーダンスを調整するための開口部が形成されている構
成であり、上記受動素子を開口部を通してカバー内にて
調整する方法である。
【0055】それゆえ、上記構成および方法は、構成部
品の特性ばらつきによって必要特性を満たさないDPX
を、受動素子の変形により、満足する特性に調整するこ
とができる。このとき、カバーに開口部を有するため、
組み立てた完成品にて調整できて、確実に調整すること
が可能となる。
【0056】また、その調整もコイル等の受動素子を変
形させるという簡単な方法で可能である。これにより、
弾性表面波装置の良品率向上に寄与し、ひいては弾性表
面波装置の低価格化に寄与するという効果を奏する。
【0057】本発明の通信装置は、以上のように、上記
弾性表面波装置を有する構成である。それゆえ、上記構
成は、調整の確実化による特性バラツキの改善と、良品
率向上による低コストとが図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のSAWDPXの説明
図であって、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図であ
る。
【図2】上記SAWDPXにおけるカバー材無しの場合
の平面図である。
【図3】上記SAWDPXにおけるインピーダンス整合
回路の回路図であって、(a)は実施の形態における回
路図、(b)は一変形例の回路図である。
【図4】上記SAWDPXにおけるコイルを変形される
様子を示す説明図であって、(a)は、変形前を示し、
(b)は、変形後を示す。
【図5】上記SAWDPXにおけるコイルの変形に応じ
たインダクタンスの変化に対する帯域内ロスの変化を示
すグラフである。
【図6】上記SAWDPXにおけるコイルの変形に応じ
たインダクタンスの変化に対するVSWRの変化を示す
グラフである。
【図7】上記SAWDPXにおける、コイルの変形前と
変形後のDPX特性の変化を示すスミスチャートであ
る。
【図8】上記SAWDPXを用いた通信装置の要部ブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 カバー材 1a 開口部 5、6 SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ) 7、8 コンデンサ(受動素子) 9 コイル(受動素子) 13 アンテナ端子(共通端子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長井 達朗 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J097 AA12 AA32 AA34 BB15 HB00 JJ01 LL01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の弾性表面波フィルタと、上記各弾性
    表面波フィルタの少なくとも一方の端子を共通化した共
    通端子と、共通端子に接続された、少なくとも一つのイ
    ンピーダンス整合用の受動素子と、上記各弾性表面波フ
    ィルタおよび受動素子を覆うカバーとを有する弾性表面
    波装置において、 カバーに対し、受動素子のインピーダンスを調整するた
    めの開口部が形成されていることを特徴とする弾性表面
    波装置。
  2. 【請求項2】前記受動素子は、空芯コイルであることを
    特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】複数の弾性表面波フィルタと、上記各弾性
    表面波フィルタの少なくとも一方の端子を共通化した共
    通端子と、共通端子に接続された、少なくとも一つのイ
    ンピーダンス整合用の受動素子と、上記各弾性表面波フ
    ィルタおよび受動素子を覆うカバーとを有する弾性表面
    波装置の製造方法において、 カバーに形成された開口部を介して、受動素子のインピ
    ーダンスをカバー内にて調整することを特徴とする弾性
    表面波装置の製造方法。
  4. 【請求項4】受動素子としてのコイルのインピーダンス
    を調整するために上記コイルを変形させることを特徴と
    する請求項3記載の弾性表面波装置の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の弾性表面波装置を
    有することを特徴とする通信装置。
JP2002017998A 2001-06-05 2002-01-28 弾性表面波装置およびその製造方法、通信装置 Pending JP2003060483A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006040923A1 (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. 分波器
JP2009194942A (ja) * 2009-06-05 2009-08-27 Panasonic Corp 弾性波フィルタ
JPWO2017217197A1 (ja) * 2016-06-14 2019-03-22 株式会社村田製作所 マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路および通信装置

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