JP2003060233A - 半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、及び半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光素子、半導体発光素子の製造方法、及び半導体発光装置

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JP2003060233A JP2001246335A JP2001246335A JP2003060233A JP 2003060233 A JP2003060233 A JP 2003060233A JP 2001246335 A JP2001246335 A JP 2001246335A JP 2001246335 A JP2001246335 A JP 2001246335A JP 2003060233 A JP2003060233 A JP 2003060233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な製造方法により発光波長を多様化さ
せ、特に高精細な画像表示装置に用いて好適な半導体発
光素子とその製造方法、及び半導体発光装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明の半導体発光素子は、所定の光を
放出させる第1の半導体発光層17と、前記第1の半導
体発光層17とは異なる結晶系からなる半導体層から構
成され前記第1の半導体発光層からの光によって励起さ
れて光を放出する第2の半導体発光層11を有し、前記
第1の半導体発光層17を有する半導体構造部に前記第
2の半導体発光層11が貼り合わされることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は所定の光を発生させ
る半導体発光ダイオードなどの半導体発光素子とその製
造方法、及びそのような半導体発光素子を複数個備えた
半導体発光装置に関し、特に、簡便な製造方法により発
光波長を多様化させる半導体発光素子とその製造方法、
及び半導体発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置を構成する方法の1つとし
て、半導体発光ダイオードを2次元状に配列して、所定
の画像表示を行うようにしたダイオードアレイ型ディス
プレイが知られている。このようなダイオードアレイ型
ディスプレイに用いられる発光素子は、デバイスとして
の信頼性や生産性などが要求され、特に輝度や波長のば
らつきなどの製造上のばらつきなどを所定の範囲以下に
抑えることが必要となる。
【0003】また、カラー表示を行うためには、画素ご
とに3原色の発光素子を形成する必要がある。最近で
は、青色発光ダイオードとしてはGaN系の発光ダイオ
ードが注目されてきており、また緑色発光ダイオードと
してはGaN系やGaP系の発光ダイオードが利用さ
れ、更に赤色発光ダイオードとしてはAlGaAs系や
AlInGaP系などの材料からなる発光ダイオードの
利用が検討されている。
【0004】ところで、半導体発光素子の中には、電流
が直接注入されて発光するところの第1の発光層に加え
て、その第1の発光層からの光を吸収し波長を変換して
放出する第2の発光層を備えた構造の発光素子が知られ
ており、例えば、特開平11−274558号公報に記
載されるように、GaN系の半導体活性層からなる第1
の発光層からの光を受けてその波長を変換する第2の発
光層を備えた半導体発光素子が知られている。また、G
aN系半導体レーザーを励起光源として使用し、そのレ
ーザー光を蛍光体に入射させて所要の可視域の蛍光発光
をなすように構成したものとして、例えば特開2000
−174346号公報に記載される発光装置が知られて
いる。このような半導体発光素子や発光装置を用いるこ
とで、1次発光した波長に拘わらず、その波長を変換す
る形式での発光が可能であり、単一素子からの多色発光
などが容易に実現される。
【0005】
【発明が解決すべき課題】GaN系の半導体活性層から
なる第1の発光層からの光を受けてその波長を変換する
第2の発光層を備えた半導体発光素子(例えば、特開平
11−274558号公報参照。)においては、第2の
発光層は第1の発光層の上に積層して形成することを前
提としており、特に第2の発光層には直接駆動電流が注
入されることがなく、第2の発光層として不安定な混晶
を用いた場合でも、所定の波長の発光を安定して得るこ
とができる。しかしながら、第1の発光層と第2の発光
層を積層するように構成して同一の素子とすることが記
載されているものの、貼り合わせ構造や多色化について
の具体的な構成例についてはその記載がなく、特に高精
細な画像表示装置を構成するための発光素子については
示唆するところがない。
【0006】また、レーザー光を蛍光体に入射させる構
造の発光装置についても、基本的に白色発光を目的とし
て構成にとどまり、光強度の改善という点では効果があ
るとされているが、やはり高精細な画像表示装置を構成
するための発光素子について、特に多色表示可能な画像
表示装置については示唆するところがない。さらに蛍光
体を使用した場合では、色純度の低下が見られ、輝度の
飽和もし易いことから、高精細な画像表示装置を構成す
る場合に不利である。
【0007】そこで、本発明は、簡便な製造方法により
発光波長を多様化させ、特に高精細な画像表示装置に用
いて好適な半導体発光素子とその製造方法、及び半導体
発光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
は、所定の光を放出させる第1の半導体発光層と、前記
第1の半導体発光層とは異なる結晶系からなる半導体層
から構成され前記第1の半導体発光層からの光によって
励起されて光を放出する第2の半導体発光層を有し、前
記第1の半導体発光層を有する半導体構造部に前記第2
の半導体発光層が貼り合わされることを特徴とする。
【0009】発光波長を多様化させ、或いは発光波長を
所望の波長に変換する場合、同じ結晶系の半導体発光層
を用いずに異なる結晶系の発光層を用いることで、大幅
な波長の変更が可能であると共に、その予定された波長
の光を放出できる結晶構造のもののうち、最適なものを
選ぶことができる。結晶構造が異なる場合、同一素子と
して積層形成していくことが困難であるが、貼り合わせ
技術を用いることで、それぞれの結晶構造を維持したま
まに形成していって、双方の長所を生かした単一の素子
に複合化できる。
【0010】また、本発明の他の半導体発光素子は、樹
脂パッケージ内に形成され所定の光を放出させる第1の
半導体発光層と、前記第1の半導体発光層からの光によ
って励起されて光を放出する第2の半導体発光層を有
し、前記第2の半導体発光層は前記樹脂パッケージに貼
り合わされて構成されることを特徴とする。
【0011】第1の半導体発光層を樹脂パッケージ内に
配設することで、光を樹脂パッケージの樹脂部分を介し
て透過させて外部に出すことができる。また、高精細な
画像表示を行うためには精度良く発光素子を並べること
が必要とされ、素子を樹脂パッケージ毎並べた方が高精
度に発光素子を配列できる。前記第2の半導体発光層に
は、電流の注入が必要ないことから、樹脂パッケージに
貼り付けるようにして素子を構成した場合でも確実に機
能して、多様な波長の光を出力できる。
【0012】本発明の半導体発光素子の製造方法は、所
定の光を放出させる第1の半導体発光層を形成し、前記
第1の半導体発光層とは異なる結晶系からなる半導体層
から構成され前記第1の半導体発光層からの光によって
励起されて光を放出するための第2の半導体発光層を形
成し、前記第2の半導体発光層を前記第1の半導体発光
層を有する半導体構造部に貼り合わせることを特徴とす
る。
【0013】同じ結晶系の半導体発光層を用いずに異な
る結晶系の発光層を用いることで、大幅な波長の変更が
可能であると共に、その予定された波長の光を放出でき
る結晶構造のもののうち、最適なものを選ぶことができ
る。結晶構造が異なる場合、一般に同一素子として積層
形成していくことが困難であるが、第2の半導体発光層
を第1の半導体発光層を有する半導体構造部に貼り合わ
せることで、それぞれの結晶構造を単一の発光素子に複
合化できる。
【0014】また、本発明の他の半導体発光素子の製造
方法は、樹脂パッケージ内に形成され所定の光を放出さ
せる第1の半導体発光層を形成し、前記第1の半導体発
光層からの光によって励起されて光を放出するための第
2の半導体発光層を形成し、前記第2の半導体発光層を
前記樹脂パッケージに貼り合わせることを特徴とする。
【0015】樹脂パッケージ内に配設することで、樹脂
パッケージ毎並べた場合に高精度に発光素子を配列でき
る。第2の半導体発光層には電流の注入が必要ないこと
から、第2の半導体発光層を樹脂パッケージに貼り付け
るようにして素子を構成した場合では、多様な波長の光
を出力でき、特にカラー画像表示に有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1は本実施形態の半導体発光
素子の一部破断して示す側断面図である。
【0017】[半導体発光素子の一例]本実施形態の半
導体発光素子は、下部側にAlGaInP系ダブルへテ
ロ構造を有し、一対のクラッド層10、12の間に第2
の半導体発光層としての第2の活性層11を設けた構造
を有する。詳しくはAlGaInP系ダブルへテロ構造
は、下部クラッド層10、第2の活性層11、上部クラ
ッド層12から構成され、活性層11よりもバンドギャ
ップエネルギーの大きなクラッド層10、12で活性層
11を挟んだ構造とされる。AlGaInP系材料から
なる活性層11の混晶比については、AlGaInP系
材料を(AlGa1−XIn1−YP混晶材料と
した場合に、混晶比yは結晶成長時の格子整合の見地か
ら設定されるが、xは目標とする発光波長に応じて設定
する。例えば、活性層とクラッド層の組み合わせは、A
lGaInPのみから構成するもの、AlGaInP及
びGaInPから構成するもの、AlInP及びAlG
aInPから構成するもの等を用いることができる。
【0018】これらAlGaInP系ダブルへテロ構造
の各層は、例えばGaAs基板上に格子整合させながら
形成する層とされ、それぞれ閃亜鉛鉱型結晶構造を有す
る。この第2の活性層11は直接電流の注入によって発
光するのではなく、次に説明するGaN系のピラミッド
型発光層からの励起光によって発光する。このようなA
lGaInP系ダブルへテロ構造の各層は、GaAs基
板上に結晶成長した後に発光層部分だけがGaAs基板
から剥離されて形成される。特にAlGaInP系ダブ
ルへテロ構造とGaAs基板を分離することから、素子
として利用する部分をAs(砒素)を含まない構成にで
き、環境保護の面からも優れたデバイスとなる。このA
lGaInP系ダブルへテロ構造では、青色などの励起
光を基に赤色の高輝度の発光を可能とする。すなわち、
このAlGaInP系ダブルへテロ構造では、一例とし
て青色から赤色への波長変換が行われる。
【0019】このような活性層11を有するAlGaI
nP系ダブルへテロ構造の上部クラッド層12には接着
層13を介して、第1の半導体発光層側の構成が貼り合
わせられる。この第1の半導体発光層側の構成は、例え
ばサファイア基板上に低温バッファ層などを介して形成
されたシリコンドープの下部成長層14が形成され、そ
のシリコンドープの下部成長層14上に選択成長の成長
阻害膜15が形成され、更にその成長阻害膜15の一部
を開口した窓部から選択成長によって六角錐形状の結晶
成長部19が構成される。この六角錐形状の結晶成長部
19は傾斜した結晶面を有し、例えば選択成長の際に、
基板主面をC面とした場合では、S面({1−101}
面)若しくは{11−22}面を傾斜したファセットと
して成長する。傾斜したファセットでは、一部が選択成
長用の成長阻害膜15と平面上重なるため、その部分で
基板からの貫通転位が抑制され、特に傾斜した結晶面で
は発光特性に優れることになる。なお、サファイア基板
はAlGaInP系ダブルへテロ構造の各層と貼りあわ
せられる前に剥離される。
【0020】六角錐形状の結晶成長部19の内側では、
成長阻害膜15の一部を開口した窓部に連続するシリコ
ンドープのGaN層16が形成される。このシリコンド
ープのGaN層16は図示しないn側電極に接続される
と共に、六角錐形状の結晶成長部19の発光領域におけ
る下側のクラッド層として機能する。このシリコンドー
プのGaN層16の外側にはInGaN層などからなる
第1の活性層17が形成される。この第1の活性層17
は、次に説明するマグネシウムドープのGaN層18と
シリコンドープのGaN層16に挟まれたダブルへテロ
構造とされ、図示しないp側電極とn側電極からの電流
注入によって発光する。ここで、第1の活性層17から
の発光波長は、そのバンドギャップから紫外光から青
色、緑色発光色までを概ね設定できるものであり、例え
ば、青色若しくは緑色の発光波長とするように製造上の
設定が可能となる。第1の活性層17で単一の発光波長
であっても前述の第2の半導体発光層で波長変換が可能
であり、第1の活性層17からの発光色を青色とした場
合であっても赤色や緑色を容易に作り出すことができる
ことから、カラー画像を表示する表示デバイスを製造す
る場合にも順応性良く対応できる。第1の活性層17の
外側には、マグネシウムドープのGaN層18が形成さ
れる。このマグネシウムドープのGaN層18は図示し
ないp側電極に接続される。
【0021】このような構造からなる本実施形態の半導
体発光素子は、六角錐形状の結晶成長部19からなる第
1の半導体発光層側の構成がGaN系のウルツ鉱型の半
導体結晶構造を有し、他方、第2の半導体発光層側の構
成はAlGaInP系の閃亜鉛鉱型の結晶構造を有す
る。特にGaN系の半導体結晶構造は、電流注入に対し
高い電流値でも構造部が壊れないという利点があり、長
寿命である。従って、これらの組み合わせから、電流を
流す対象は構造的に比較的強度の高いGaN系ウルツ鉱
型半導体結晶構造側に限られるため、素子の長寿命化を
容易に図ることができる。また、それぞれ成長時の基板
を剥がした後で第1の半導体発光層側の構成と第2の半
導体発光層側の構成を組み合わせた構造を有するため、
成長用基板を繰り返し利用することもでき、また、Ga
As基板などに含まれるAsを全く含まない構成も実現
できる。
【0022】また、本実施形態の半導体発光素子では、
第1の活性層17で励起された光が第2の活性層11で
波長変換して出力されることになり、第2の活性層のか
わりに蛍光体を使用するような発光素子に比べて、色純
度を高くすることができ、同時に輝度飽和が抑制されて
高輝度な表示が可能となる。このような本実施形態の半
導体発光素子を用いてカラー画像表示装置を構成する場
合、青色の第1の活性層17からの励起光を赤色に変換
することができ、同じ構成のGaN系半導体結晶構造
は、そのまま青色又は緑色として活用することもできる
ことから、後述するように少なくとも同じGaN系半導
体結晶構造をアレイ状に配列し、一部に第2の活性層1
1を形成して波長変換を行っても高精細な画像表示装置
を作成できる。なお、第2の半導体発光層としては、A
lGaInP系半導体層、AlGaInAs系半導体
層、GaInNAs系半導体層、GaInAsP系半導
体層から選ばれた半導体層を形成しても良い。
【0023】[半導体発光素子の製造方法の一例]次
に、図2〜図8を参照しながら、本実施形態の半導体発
光素子の製造方法について説明する。本製造方法におい
ては、特にサファイア基板などのウルツ鉱型の化合物半
導体層を形成し得る基板と、GaAs基板などの閃亜鉛
鉱型の結晶構造の半導体層を形成し得る基板とがそれぞ
れ結晶成長に使用されるが、それぞれ成長した半導体層
は基板から剥離され、基板を伴わずに素子を構成するよ
うに製造される。以下、工程順に説明する。
【0024】先ず、半導体発光素子の製造に用いられる
基板20としては、ウルツ鉱型の化合物半導体層を形成
し得るものであれば特に限定されず、種々のものを使用
できる。例示すると、基体として用いることができるの
は、サファイア(Al、A面、R面、C面を含
む。)、SiC(6H、4H、3Cを含む。)、Ga
N、Si、ZnS、ZnO、AlN、LiMgO、Li
GaO、GaAs、MgAl、InAlGaN
などからなる基板などであり、好ましくはこれらの材料
からなる六方晶系基板または立方晶系基板であり、より
好ましくは六方晶系基板である。例えば、サファイア基
板を用いる場合では、窒化ガリウム(GaN)系化合物
半導体の材料を成長させる場合に多く利用されているC
面を主面としたサファイア基板を用いることができる。
この場合の基板主面としてのC面は、5乃至6度の範囲
で傾いた面方位を含むものである。半導体装置の製造に
広く使用されているシリコン基板などを利用することも
可能である。
【0025】選択成長をさせるための基板20上には、
選択時に良好な結晶性を得るためにバッファ層などを形
成しても良い。また、図2に示すように基板20上には
選択成長の下部成長層21が形成される。下部成長層2
1としては、化合物半導体層を選択することができ、後
の工程でファセット構造を形成することからウルツ鉱型
の化合物半導体を選ぶことが好ましい。さらに化合物半
導体層としてはウルツ鉱型の結晶構造を有する窒化物半
導体、BeMgZnCdS系化合物半導体、およびBe
MgZnCdO系化合物半導体などが好ましい。窒化物
半導体からなる結晶層としては、例えばIII族系化合
物半導体を用いることができ、更には窒化ガリウム(G
aN)系化合物半導体、窒化アルミニウム(AlN)系
化合物半導体、窒化インジウム(InN)系化合物半導
体、窒化インジウムガリウム(InGaN)系化合物半
導体、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系化合
物半導体を好ましくは形成することができ、特に窒化ガ
リウム系化合物半導体が好ましい。一例としては、サフ
ァイア基板上にアンドープのGaN層を形成し、その後
でSiドープのGaN層を形成しても良い。なお、本発
明において、InGaN、AlGaN、GaNなどは必
ずしも、3元混晶のみ、2元混晶のみの窒化物半導体を
指すのではなく、例えばInGaNでは、InGaNの
作用を変化させない範囲での微量のAl、その他の不純
物を含んでいても本発明の範囲であることはいうまでも
ない。また、S面に実質的に等価な面とは、S面に対し
て5乃至6度の範囲で傾いた面方位を含むものである。
ここで本明細書中、窒化物とはB、Al、Ga、In、
TaをIII族とし、V族にNを含む化合物を指し、全
体の1%以内若しくは1x1020cm以下の不純物
の混入を含む場合もある。
【0026】この下部成長層21の成長方法としては、
種々の気相成長法を挙げることができ、例えば有機金属
化合物気相成長法(MOCVD(MOVPE)法)や分
子線エピタキシー法(MBE法)などの気相成長法や、
ハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いることが
できる。その中でもMOVPE法によると、迅速に結晶
性の良いものが得られる。MOVPE法では、Gaソー
スとしてTMG(トリメチルガリウム)、TEG(トリ
エチルガリウム)、AlソースとしてはTMA(トリメ
チルアルミニウム)、TEA(トリエチルアルミニウ
ム)、Inソースとしては、TMI(トリメチルインジ
ウム)、TEI(トリエチルインジウム)などのアルキ
ル金属化合物が多く使用され、窒素源としてはアンモニ
ア、ヒドラジンなどのガスが使用される。また、不純物
ソースとしてはSiであればシランガス、Geであれば
ゲルマンガス、MgであればCp2Mg(シクロペンタ
ジエニルマグネシウム)、ZnであればDEZ(ジエチ
ルジンク)などのガスが使用される。MOVPE法で
は、これらのガスを例えば600°C以上に加熱された
基板の表面に供給して、ガスを分解することにより、I
nAlGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ
ることができる。
【0027】結晶成長の下部成長層21の表面には六角
形に開口した開口部23を有する選択マスク22が形成
され、図3に示すように、その六角形状に開口した開口
部23からの選択成長によって半導体層24が形成され
る。選択マスク22は基体主面上に直接若しくは基体上
に形成されたバッファ層その他の層上に形成される成長
阻害膜であり、例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜
などの絶縁膜からなるマスク材料が使用される。このマ
スクの形状は、一例として六角形状とされるが、帯状、
円形状、円弧状、或いは三角形状、五角形状などの多角
形形状であっても良い。
【0028】このような選択成長のマスク22等を形成
したところで、選択的な結晶成長によって半導体層24
を形成する。結晶成長は、前述の化合物半導体層の形成
のための方法と同じ方法で行うことができる。具体的に
は、成長方法としては、種々の気相成長法を挙げること
ができ、例えば有機金属化合物気相成長法(MOCVD
(MOVPE)法)や分子線エピタキシー法(MBE
法)などの気相成長法や、ハイドライド気相成長法(H
VPE法)を用いることができる。
【0029】この半導体発光素子の製造方法において
は、選択成長によって半導体層24が形成されるが、そ
の半導体層24の傾斜した結晶面は、好ましくは{1−
101}面若しくは{11−22}面またはこれらの各
面に実質的に等価な面の中から選ばれる面であることが
望ましく、所要の条件で選択成長することで現れる結晶
面である。これら傾斜した結晶面に囲まれる成長層は六
角錐形状のピラミッド状とされ、断面略三角の尖頭形状
である。この傾斜した結晶面としては、例えば基板の主
面をC+面とすることで、S面またはS面に実質的に等
価な面、若しくは{11−22}面または{11−2
2}面に実質的に等価な面を容易に形成することができ
る。すなわち、選択成長を行った場合では、基板主面に
対して傾斜した傾斜面としてS面及び{11−22}面
は、C+面の上に選択成長した際に見られる安定面であ
り、比較的得やすい面である。C面にC+面とC−面が
存在するのと同様に、S面についてはS+面とS−面が
存在するが、本明細書においては、特に断らない場合
は、C+面GaN上にS+面を成長しており、これをS
面として説明している。なお、S面についてはS+面が
安定面である。またC+面の面指数は(0001)であ
る。
【0030】このS面ついては、窒化ガリウム系化合物
半導体を用いて結晶層を構成した場合には、S面上、G
aからNへのボンド数が2または3とC−面の次に多く
なる。ここでC−面はC+面の上には事実上得ることが
できないので、S面でのボンド数は最も多いものとな
る。例えば、C+面を主面に有するサファイア基板に窒
化物を成長した場合、一般にウルツ鉱型の窒化物の表面
はC+面になるが、選択成長を利用することでS面を安
定して形成することができ、C+面に平行な面では脱離
しやすい傾向をもつNのボンドがGaから一本のボンド
で結合しているのに対し、傾いたS面では少なくとも一
本以上のポンドで結合することになる。従って、実効的
にV/III 比が上昇することになり、積層構造の結
晶性の向上に有利である。また、基板と異なる方位に成
長すると基板から上に伸びた転位が曲がることもあり、
欠陥の低減にも有利となる。
【0031】このような半導体層24には、図4に示す
ように、傾斜面上に第1導電型クラッド層25、第1の
活性層26、および第2導電型クラッド層27が積層さ
れる。本発明者らが窒化物半導体について行った実験に
おいて、カソードルミネッセンスを用い、成長したファ
セット構造を観測してみると、傾斜面であるS面の結晶
は良質でありC+面に比較して発光効率が高くなってい
ることが示されている。特にInGaN活性層の成長温
度は例えば700〜800°Cとする。この温度ではア
ンモニアの分解効率が低く、よりN種が必要とされる。
またAFMで表面を見たところステップが揃ってInG
aN取り込みに適した面が観測された。さらにその上、
Mgドープ層の成長表面は一般にAFMレベルでの表面
状態が悪いが、S面の成長によりこのMgドープ層も良
い表面状態で成長し、しかもドーピング条件がかなり異
なることがわかっている。また、顕微フォトルミネッセ
ンスマッピングを行うと、0. 5- 1μm程度の分解能
で測定することができるが、C+ 面の上に成長した通常
の方法では、1μmピッチ程度のむらが存在し、選択成
長でS面を得た試料については均一な結果が得られた。
また、SEMで見た斜面の平坦性もC+ 面より滑らかに
成っている。
【0032】傾斜面上に積層される第1導電型クラッド
層25、第1の活性層26、および第2導電型クラッド
層27において、第1導電型はp型又はn型であり、第
2導電型はその反対の導電型である。例えばS面を構成
する結晶層をシリコンドープの窒化ガリウム系化合物半
導体層によって構成した場合では、n型クラッド層25
をシリコンドープの窒化ガリウム系化合物半導体層によ
って構成し、その上にInGaN層を活性層26として
形成し、さらにその上にp型クラッド層27としてマグ
ネシウムドープの窒化ガリウム系化合物半導体層を形成
してダブルヘテロ構造を形成することができる。
【0033】なお、第1の活性層26である例えばIn
GaN層をAlGaN層で挟む構造や片側だけにAlG
aN層を形成する構造とすることも可能である。また、
第1の活性層26は単一のバルク活性層で構成すること
も可能であるが、単一量子井戸(SQW)構造、二重量
子井戸(DQW)構造、多重量子井戸(MQW)構造な
どの量子井戸構造を形成したものであっても良い。量子
井戸構造には必要に応じて量子井戸の分離のために障壁
層が併用される。活性層26をInGaN層とした場合
には、特に製造工程上も製造し易い構造となり、素子の
発光特性を良くすることができる。さらにこのInGa
N層は、窒素原子の脱離しにくい構造であるS面の上で
の成長では特に結晶化しやすくしかも結晶性も良くな
り、発光効率を上げることが出来る。なお、窒化物半導
体はノンドープでも結晶中にできる窒素空孔のためにn
型となる性質があるが、通常Si、Ge、Seなどのド
ナー不純物を結晶成長中にドープすることで、キャリア
濃度の好ましいn型とすることができる。また、窒化物
半導体をp型とするには、結晶中にMg、Zn、C、B
e、Ca、Baなどのアクセプター不純物をドープする
ことによって得られるが、高キャリア濃度のp層を得る
ためには、アクセプター不純物のドープ後、窒素、アル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気で400℃以上でアニーリ
ングを行うことが好ましく、電子線照射などにより活性
化する方法もあり、マイクロ波照射、光照射などで活性
化する方法もある。
【0034】第1の活性層26を挟む第1導電型クラッ
ド層25及び第2導電型クラッド層27には電極が直接
或いは間接的に接続される。各電極はそれぞれの素子ご
とに形成されるものであるが、p電極またはn電極の一
方は共通化することもできる。接触抵抗を下げるため
に、所要のコンタクト層を形成し、その後で電極をコン
タクト層上に形成しても良い。一般的に各電極は多層の
金属膜を蒸着などによって被着して形成されるが、素子
ごとに区分するためにフォトリソグラフィーを用いてリ
フトオフなどにより微細加工することができる。各電極
は選択結晶成長層や基板の一方の面に形成することもで
き、両側に電極を形成してより高密度で電極を配線する
ようにすることもできる。また、独立して駆動される電
極はそれぞれ同じ材料を微細加工して形成したものであ
っても良いが、領域ごとに異なる材料の電極材料を使用
することも可能である。また、第1導電型クラッド層2
5は下部半導体層21に電気的に接続されるため、この
下部半導体層21に接続させる形でn側電極を形成して
も良い。特に下部半導体層21は貼り合わせ面としても
利用されるため、接着面に電極を配設したり、接着層に
導電性を付与したりして、n側電極の一部として利用で
きる。
【0035】また特に、本発明の半導体発光素子では、
結晶構造の良好な部分にのみ選択的に電極を形成する構
造とすることもできる。例えば、結晶面に結晶のステッ
プが揃っていない領域がある場合、そのステップが揃っ
ていない領域上を外して電極を形成することができる。
このような結晶のステップが揃っていない領域の存在
は、AFMを用いた観察や、経験則などで把握すること
ができ、一例として稜線上の部分や、端部に近い領域な
どを外した構造の電極を形成することができる。
【0036】次に、図5に示すように、基板20の剥離
が行われる。基板20をエッチングや研磨などによって
除去することも可能であるが、基板20を透明なサファ
イア基板とした場合では、基板20の裏面からの紫外線
域のレーザー、例えばエキシマレーザーのビームを照射
することで、基板20とその上の下部半導体層21との
間にレーザーアブレーションが発生する。このレーザー
アブレーションとは、紫外線の範囲のビームを照射し
て、基板20と下部半導体層21の間の界面でビームの
光吸収エネルギーから下部半導体層21の材料であるG
aNのうちの窒素を発生させ、基板20と下部半導体層
21を分離する技術である。基板20をサファイア基板
とした場合では、サファイア基板を透過してエキシマレ
ーザーのビームを照射することができ、基板20と下部
半導体層21を容易に分離できる。基板20の分離によ
り、下部半導体層21の底面28が露呈する。
【0037】このような第1の半導体発光層側の製造工
程と並行或いは前後してGaAs基板30上に第2の半
導体発光層が形成される。具体的にはGaAs基板30
上にAlGaInP系ダブルへテロ構造を設けた構造と
され、一対のクラッド層31、33の間に第2の半導体
発光層としての第2の活性層32を設けた構造を有す
る。活性層32とクラッド層31、33の組み合わせ
は、AlGaInPのみから構成するもの、AlGaI
nP及びGaInPから構成するもの、AlInP及び
AlGaInPから構成するもの等を用いることができ
る。また、これらAlGaInP系ダブルへテロ構造の
各層は、例えばGaAs基板上に格子整合させながら形
成する層とされ、それぞれ閃亜鉛鉱型結晶構造を有す
る。
【0038】GaAs基板30上にAlGaInP系ダ
ブルへテロ構造を設けた後、図6に示すように、全面に
接着層34が形成される。この接着層34は、例えば熱
可塑性、熱硬化性の合成樹脂や、紫外線硬化、電子線硬
化型の樹脂などにより構成される。この接着層34は、
GaAs基板30上のAlGaInP系化合物半導体層
31〜33の上面に塗布されて形成されるが、例えば支
持基板の片面若しくは両面に接着層を塗布した構成でも
良く、その支持基板をそのまま実装基板として使用して
も良い。
【0039】このような接着層34の形成後、図7に示
すように、接着層34の上部に下部半導体層21の底面
を貼り合わせて、第1の半導体発光層側と第2の半導体
発光層側を組み合わせる。この貼り合わせ工程によって
ピラミッド形状のGaN系半導体層の光射出側にAlG
aInP系ダブルへテロ構造が位置することになり、第
1の活性層26からの光が第2の活性層32の発光に利
用される。このような貼り合わせの後、レーザーアブレ
ーションによってGaAs基板30をAlGaInP系
化合物半導体層であるクラッド層31から剥がす。この
GaAs基板30の裏面側から例えばYAGレーザーの
照射によって、GaAs基板30とクラッド層31の界
面にエネルギーを集め、レーザーアブレーションが発生
する。クラッド層31にレーザーアブレーションが発生
しにくい場合には、GaAs基板30とクラッド層31
の界面に犠牲層を設けるようにしても良い。レーザーア
ブレーションの場合、レーザー波長、基板波長、犠牲層
波長の条件としては、犠牲層波長>レーザー波長>基板波
長とすることで、レーザー照射時に犠牲層でのエネルギ
ー吸収が生ずる。
【0040】また、本製造方法では、GaAs基板30
を剥離するために、レーザーアブレーションを用いてい
るが、これに限らず、GaAs基板30をエッチングに
より除去したり、研磨したりすることも可能である。G
aAs基板30をエッチングにより除去する場合、Ga
As基板30自体をエッチングすることも可能である
が、エピタキシャルリフトオフ技術により中間層をエッ
チングして除き、GaAs基板30を除去するようにし
ても良い。
【0041】このようなGaAs基板30の除去によ
り、図8に示すような半導体発光素子が形成される。六
角錐形状の結晶成長部24からなる第1の半導体発光層
側の構成がGaN系のウルツ鉱型の半導体結晶構造を有
し、他方、GaAs基板30を除去した第2の半導体発
光層側の構成はAlGaInP系の閃亜鉛鉱型の結晶構
造を有する。これらの組み合わせから、電流を流す対象
は構造的に比較的強度の高いGaN系ウルツ鉱型半導体
結晶構造側に限られるため、素子の長寿命化を容易に図
ることができる。また、それぞれ成長時の基板を剥がし
た後で第1の半導体発光層側の構成と第2の半導体発光
層側の構成を組み合わせた構造を有するため、成長用基
板を繰り返し利用することもでき、また、GaAs基板
30などに含まれるAsを全く含まない構成も実現され
る。さらに第2の半導体発光層側には光励起が発生する
だけで実質的な電流の注入がないことから、仮に第2の
半導体発光層にひび割れや大きな結晶欠陥などがあった
場合でもこれらは直接電流を注入する場合に比べて発光
を妨げる程度は低い。
【0042】また、本実施形態により製造される半導体
発光素子では、第1の活性層26で励起された光が第2
の活性層32で波長変換して出力されることになり、蛍
光体を使用するような発光素子に比べて、色純度を高く
することができ、同時に輝度飽和が抑制されて高輝度な
表示が可能となる。このような本実施形態の半導体発光
素子を用いてカラー画像表示装置を構成する場合、青色
の第1の活性層26からの励起光を赤色に変換すること
ができ、同じ構成のGaN系半導体結晶構造は、そのま
ま青色又は緑色として活用することもできることから、
後述するように少なくとも同じGaN系半導体結晶構造
をアレイ状に配列し、一部に第2の活性層32を形成し
て波長変換を行うことで高精細な画像表示装置を作成で
きる。なお、第2の半導体発光層を成長させる成長基板
としては、上述のGaAs基板に限らず、InP基板、
サファイア基板などエピタキシャシャル成長用基板とし
て用いられる他の基板を適宜使用できる。
【0043】[樹脂パッケージを用いた半導体発光素子
の一例]次に、他の樹脂パッケージ内に発光ダイオード
を配設した構造の半導体発光素子について図9を参照し
ながら説明する。本実施形態の半導体発光素子では、所
定の光を放出させる第1の半導体発光層を備えた発光ダ
イオード50が樹脂パッケージ51内に形成され、その
発光素子から第1の半導体発光層からの光によって励起
されて光を放出する第2の半導体発光層が樹脂パッケー
ジ51に貼り合わされて構成されることを特徴とする。
【0044】図9に示すように、ポリイミド樹脂やエポ
キシ樹脂などの比較的耐熱性が高い樹脂材料からなる樹
脂パッケージ51に囲まれる形で、GaN系の発光ダイ
オード50が配設される。この発光ダイオード50は、
前述の如きシリコンドープのGaN層、InGaN層か
らなる活性層、マグネシウムドープのGaN層を積層し
た六角錐形状の尖頭構造部53を有しており、このうち
InGaN層からなる活性層が所定の光を放出させる第
1の半導体発光層として機能する。この六角錐形状の尖
頭構造部53の下部側には、選択成長時の下部成長層5
2が連続しており、この下部成長層52に電気的に接続
して下部電極パッド55が形成され、六角錐形状の尖頭
構造部53側の図示しないp電極に接続するように上部
電極パッド54が形成されている。これら下部電極パッ
ド55及び上部電極パッド54には、表示装置に装着し
た際には配線層が樹脂パッケージ51を穿孔した部分を
介して接続される。
【0045】このような樹脂パッケージ51の底面側に
は接着層56を介して貼り合わされたAlGaInP系
ダブルへテロ構造層を設けた構造とされ、一対のクラッ
ド層57、59の間に第2の半導体発光層としての第2
の活性層58を設けた構造を有する。活性層とクラッド
層の組み合わせは、AlGaInPのみから構成するも
の、AlGaInP及びGaInPから構成するもの、
AlInP及びAlGaInPから構成するもの等を用
いることができる。これらAlGaInP系ダブルへテ
ロ構造層は赤色発光を行うための波長変換領域であり、
第1の半導体発光層からの光によって励起されて光を放
出する第2の半導体発光層として機能する。
【0046】このように本実施形態の半導体発光素子に
おいては、光を放出する第2の半導体発光層側であるA
lGaInP系ダブルへテロ構造層は、接着層56を介
して接着するのは、素子ではなく直接的には樹脂パッケ
ージ51の底面である。この樹脂パッケージ51及び接
着層56をGaN系の発光ダイオード50からの光は十
分に透過することから、励起光は第2の活性層58に届
き、そこで第1の半導体発光層からの光によって励起さ
れて波長変換を行って赤色発光の光を出力する。
【0047】本実施形態の半導体発光素子においては、
蛍光体を使用するような発光素子に比べて、色純度を高
くすることができ、同時に輝度飽和が抑制されて高輝度
な表示が可能となる。また、電流を流す対象は構造的に
比較的強度の高いGaN系ウルツ鉱型半導体結晶構造側
に限られるため、素子の長寿命化を容易に図ることがで
きる。また、GaAs基板などに含まれるAsを全く含
まない構成も実現される。
【0048】また、このような本実施形態の半導体発光
素子を用いてカラー画像表示装置を構成する場合、青色
の第1の活性層からの励起光を赤色に変換することがで
き、同じ構成のGaN系半導体結晶構造は、そのまま青
色又は緑色として活用することもできることから、後述
するように少なくとも同じGaN系半導体結晶構造をア
レイ状に配列し、一部に第2の活性層58を形成して波
長変換を行うことで高精細な画像表示装置を作成でき
る。
【0049】[二段階拡大転写法]図9に示す樹脂パッケ
ージを用いた半導体発光素子は、特に図10〜図12に
説明するような拡大転写法を用いて画像表示装置を構成
する場合に好適な構成となる。
【0050】本実施形態の半導体発光素子の製造方法で
は、高集積度をもって第一基板上に作成された素子を第
一基板上で素子が配列された状態よりは離間した状態と
なるように一時保持用部材に転写し、次いで一時保持用
部材に保持された前記素子をさらに離間して第二基板上
に転写する二段階の拡大転写を行う。なお、本実施形態
では転写を2段階としているが、素子を離間して配置す
る拡大度に応じて転写を三段階やそれ以上の多段階とす
ることもできる。
【0051】図10と図11はそれぞれ二段階拡大転写
法の基本的な工程を示す図である。まず、図10の(a)
に示す第一基板110上に、例えば発光ダイオードよう
な素子112を密に形成する。素子を密に形成すること
で、各基板当たりに生成される素子の数を多くすること
ができ、製品コストを下げることができる。第一基板1
10は例えば半導体ウエハ、ガラス基板、石英ガラス基
板、サファイア基板、プラスチック基板などの種々素子
形成可能な基板であるが、各素子112は第一基板11
0上に直接形成したものであっても良く、他の基板上で
形成されたものを配列したものであっても良い。
【0052】次に図10の(b)に示すように、第一基板
110から各素子112が図中破線で示す一時保持用部
材111に転写され、この一時保持用部材111の上に
各素子112が保持される。ここで隣接する素子112
は離間され、図示のようにマトリクス状に配される。す
なわち素子112はx方向にもそれぞれ素子の間を広げ
るように転写されるが、x方向に垂直なy方向にもそれ
ぞれ素子の間を広げるように転写される。このとき離間
される距離は、特に限定されず、一例として後続の工程
での樹脂部形成や電極パッドの形成を考慮した距離とす
ることができる。一時保持用部材111上に第一基板1
10から転写した際に第一基板110上の全部の素子が
離間されて転写されるようにすることができる。この場
合には、一時保持用部材111のサイズはマトリクス状
に配された素子112の数(x方向、y方向にそれぞ
れ)に離間した距離を乗じたサイズ以上であれば良い。
また、一時保持用部材111上に第一基板110上の一
部の素子が離間されて転写されるようにすることも可能
である。
【0053】一時保持用部材111への素子112の転
写は、後述するように、所要の吸着用治具やアクチュエ
ーターなどを用いた機械的手段を使用して行うようにす
ることもでき、或いは熱や光によって軟化、硬化、架
橋、劣化などの反応を生ずる樹脂などを塗布した上で熱
や光を局所的に照射して剥離や接着などを生じさせて選
択的に転写を行うようにしても良い。さらには、熱や光
と機械的手段の組み合わせで転写するようにしても良
い。一時保持用部材111と第一基板110の面同士を
対峙させて転写することが一般的ではあるが、一旦、第
一基板110から素子112をチップ毎にばらばらに分
離し、個々の素子112を改めて一時保持用部材111
に並べるようにしても良い。
【0054】このような第一転写工程の後、図10の
(c)に示すように、一時保持用部材111上に存在する
素子112は離間されていることから、各素子112ご
とに素子周りの樹脂の被覆と電極パッドの形成が行われ
る。素子周りの樹脂の被覆は電極パッドを形成し易く
し、次の第二転写工程での取り扱いを容易にするなどの
ために形成される。電極パッドの形成は、後述するよう
に、最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるた
め、その際に配線不良が生じないように比較的大き目の
サイズに形成されるものである。なお、図10の(c)に
は電極パッドは図示していない。各素子112の周りを
樹脂113が覆うことで樹脂形成チップ114が形成さ
れる。素子112は平面上、樹脂形成チップ114の略
中央に位置するが、一方の辺や角側に偏った位置に存在
するものであっても良い。
【0055】次に、図10の(d)に示すように、第二転
写工程が行われる。この第二転写工程では一時保持用部
材111上でマトリクス状に配される素子112が樹脂
形成チップ114ごと更に離間するように第二基板11
5上に転写される。この転写も第一転写工程と同様に、
所要の吸着用治具やアクチュエーターなどを用いた機械
的手段を使用して行うようにすることもでき、或いは熱
や光によって軟化、硬化、架橋、劣化などの反応を生ず
る樹脂などを塗布した上で熱や光を局所的に照射して剥
離や接着などを生じさせて選択的に転写を行うようにし
ても良い。さらには、熱や光と機械的手段の組み合わせ
で転写するようにしても良い。
【0056】第二転写工程においても、隣接する素子1
12は樹脂形成チップ114ごと離間され、図示のよう
にマトリクス状に配される。すなわち素子112はx方
向にもそれぞれ素子の間を広げるように転写されるが、
x方向に垂直なy方向にもそれぞれ素子の間を広げるよ
うに転写される。第二転写工程のよって配置された素子
の位置が画像表示装置などの最終製品の画素に対応する
位置であるとすると、当初の素子112間のピッチの略
整数倍が第二転写工程のよって配置された素子112の
ピッチとなる。ここで第一基板110から一時保持用部
材111での離間したピッチの拡大率をnとし、一時保
持用部材111から第二基板115での離間したピッチ
の拡大率をmとすると、略整数倍の値EはE=nxmで
あらわされる。拡大率n、mはそれぞれ整数であっても
良く、整数でなくともEが整数となる組み合わせ(例え
ばn=2.4でm=5)であれば良い。
【0057】第二基板115上に樹脂形成チップ114
ごと離間された各素子112には、配線が施される。こ
の時、先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を
極力抑えながらの配線がなされる。この配線は例えば素
子112が発光ダイオードなどの発光素子の場合には、
p電極、n電極への配線を含む。
【0058】次に、図11は図10の二段階拡大転写法
の変形例であり、第一基板110a上から一時保持用部
材111aへの転写方法が異なる実施形態である。図1
1の(a)に示すように第一基板110a上に例えば発
光ダイオードのような素子112が密に形成される。複
数の素子112は第一基板110a上ではマトリクス状
に配列されており、第一基板110a自体は図1の第一
基板10と同様に例えば半導体ウエハ、ガラス基板、石
英ガラス基板、サファイア基板、プラスチック基板など
の種々素子形成可能な基板であるが、各素子112は第
一基板110上に直接形成したものであっても良く、他
の基板上で形成されたものを配列したものであっても良
い。
【0059】このように複数の素子112を第一基板1
10a上にマトリクス状に形成したところで、一時保持
用部材111aへ素子112を離間しながら転写する。
この場合には、第一基板110aと一時保持用部材11
1aが対峙するように保持され、第一基板110a上の
マトリクス状に配列された複数の素子112を間引きす
るように転写する。すなわち、第一基板110a上のあ
る素子112を転写する場合、その隣接した周囲の素子
112は転写しないで、所要距離だけ離間した位置の素
子112が第一基板110aと当該一時保持用部材11
1aが対峙している間に転写される。隣接した周囲の素
子112はこの間引き転写で第一基板110aに残され
るが、別個の一時保持用部材に対して転写することで、
密に形成した素子112を無駄にすることなく有効に活
用される。
【0060】一時保持用部材111aへの素子112の
転写は、後述するように、所要の吸着用治具やアクチュ
エーターなどを用いた機械的手段を使用して行うように
することもでき、或いは熱や光によって軟化、硬化、架
橋、劣化などの反応を生ずる樹脂などを塗布した上で熱
や光を局所的に照射して剥離や接着などを生じさせて選
択的に転写を行うようにしても良い。さらには、熱や光
と機械的手段の組み合わせで転写するようにしても良
い。
【0061】このような第一転写工程の後、図11の
(c)に示すように、一時保持用部材111a上に存在す
る素子112は離間されていることから、各素子112
ごとに素子周りの樹脂113の被覆と電極パッドの形成
が行われ、続いて図11の(d)に示すように、第二転写
工程が行われる。この第二転写工程では一時保持用部材
111a上でマトリクス状に配される素子12が樹脂形
成チップ114ごと更に離間するように第二基板115
上に転写される。これら素子周りの樹脂113の被覆と
電極パッドの形成と第二転写工程は図10を用いて説明
した工程と同様であり、二段階拡大転写の後で所要の配
線が形成される点も同様である。
【0062】これら図10、図11に示した二段階拡大
転写法においては、第一転写後の離間したスペースを利
用して電極パッドや樹脂固めなどを行うことができ、そ
して第二転写後に配線が施されるが、先に形成した電極
パッド等を利用して接続不良を極力抑えながらの配線が
なされる。従って、画像表示装置の歩留まりを向上させ
ることができる。また、本実施形態の二段階拡大転写法
においては、素子間の距離を離間する工程が2工程であ
り、このような素子間の距離を離間する複数工程の拡大
転写を行うことで、実際は転写回数が減ることになる。
すなわち、例えば、ここで第一基板110、110aか
ら一時保持用部材111、111aでの離間したピッチ
の拡大率を2(n=2)とし、一時保持用部材111、
111aから第二基板115での離間したピッチの拡大
率を2(m=2)とすると、仮に一度の転写で拡大した
範囲に転写しようとしたときでは、最終拡大率が2x2
の4倍で、その二乗の16回の転写すなわち第一基板の
アライメントを16回行う必要が生ずるが、本実施形態
の二段階拡大転写法では、アライメントの回数は第一転
写工程での拡大率2の二乗の4回と第二転写工程での拡
大率2の二乗の4回を単純に加えただけの計8回で済む
ことになる。即ち、同じ転写倍率を意図する場合におい
ては、(n+m)=n+2nm+mであることか
ら、必ず2nm回だけ転写回数を減らすことができるこ
とになる。従って、製造工程も回数分だけ時間や経費の
節約となり、特に拡大率の大きい場合に有益となる。
【0063】なお、図10、図11に示した二段階拡大
転写法においては、素子112を例えば発光素子や液晶
制御素子としているが、これに限定されず、他の素子例
えば光電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、
薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微
小磁気素子、微小光学素子から選ばれた素子若しくはそ
の部分、これらの組み合わせなどであっても良い。
【0064】[間引き転写の他の例]
【0065】図12は図11の(a)と(b)で示した
間引き転写の他の一例を示す図である。間引き転写は転
写元の基板と転写先の基板(部材)を対峙させて選択的
に素子を転写することで行われるが、転写先の基板(部
材)を大きなサイズとすることで、転写元の基板上に有
る素子の全部を転写先の基板(部材)に移動させること
が可能である。
【0066】図12は第一転写工程での拡大率3の場合
の例を示しており、第一基板110cを単位とすると一
時保持用部材111cは3の二乗の9倍の面積を有す
る。このため転写元の基板である第一基板110c上に
有る素子12の全部を転写するために、全部で9回の転
写が行われる。第一基板110c上にマトリクス状に配
される素子112を3x3のマトリクス単位毎に分け
て、その中の1つの素子112が一時保持用部材111
cに順次転写されて最終的に全体の素子112が転写さ
れる。
【0067】図12の(a)は第一基板110c上の素
子112の中3x3のマトリクス単位毎で第1番目の素
子112が一時保持用部材111cに転写されるところ
を模式的に示しており、図12の(b)は3x3のマト
リクス単位毎で第2番目の素子112が一時保持用部材
111cに転写されるところを模式的に示している。第
2番目の転写では、第一基板110cの一時保持用部材
111cに対するアライメント位置が図中垂直方向にず
れており、同様の間引き転写を繰り返すことで、素子1
2を離間させて配置することができる。また図3の
(c)は3x3のマトリクス単位毎で第8番目の素子1
12が一時保持用部材111cに転写されるところを模
式的に示しており、図3の(d)は3x3のマトリクス
単位毎で第9番目の素子112が一時保持用部材111
cに転写されるところを模式的に示している。この3x
3のマトリクス単位毎で第9番目の素子112が転写さ
れた時点で、第一基板110cには素子112がなくな
り、一時保持用部材111cにはマトリクス状に複数の
素子112が離間された形式で保持されることになる。
以降、図10、図11の(c)、(d)の工程により、
二段階拡大転写が実行される。
【0068】[樹脂形成チップ]次に、図13および図
14を参照して、一時保持用部材上で形成され、第二基
板に転写される樹脂形成チップについて説明する。樹脂
形成チップ120は、離間して配置されている素子12
1の周りを樹脂122で固めたものであり、このような
樹脂形成チップ120は、一時保持用部材から第二基板
に素子121を転写する場合に使用できるものである。
【0069】素子121は後述するような発光素子の例
であるが、特に発光素子に限らず他の素子であっても良
い。樹脂形成チップ120は略平板上でその主たる面が
略正方形状とされる。この樹脂形成チップ120の形状
は樹脂122を固めて形成された形状であり、具体的に
は未硬化の樹脂を各素子121を含むように全面に塗布
し、これを硬化した後で縁の部分をダイシング等で切断
することで得られる形状である。略平板状の樹脂122
の表面側と裏面側にはそれぞれ電極パッド123、12
4が形成される。これら電極パッド123、124の形
成は全面に電極パッド123、124の材料となる金属
層や多結晶シリコン層などの導電層を形成し、フォトリ
ソグラフィー技術により所要の電極形状にパターンニン
グすることで形成される。これら電極パッド123、1
24は発光素子である素子121のp電極とn電極にそ
れぞれ接続するように形成されており、必要な場合には
樹脂122にビアホールなどが形成される。
【0070】ここで電極パッド123、124は樹脂形
成チップ120の表面側と裏面側にそれぞれ形成されて
いるが、一方の面に両方の電極パッドを形成することも
可能である。電極パッド123、124の位置が平板上
ずれているのは、最終的な配線形成時に上側からコンタ
クトをとっても重ならないようにするためである。電極
パッド123、124の形状も正方形に限定されず他の
形状としても良い。
【0071】このような樹脂形成チップ120を構成す
ることで、素子121の周りが樹脂122で被覆され平
坦化によって精度良く電極パッド123、124を形成
できるとともに素子121に比べて広い領域に電極パッ
ド123、124を延在でき、次の第二転写工程での転
写を吸着治具で進める場合には取り扱いが容易になる。
後述するように、最終的な配線が続く第二転写工程の後
に行われるため、比較的大き目のサイズの電極パッド1
23、124を利用した配線を行うことで、配線不良が
未然に防止される。
【0072】[樹脂形成チップに配設される発光素子]
図15に樹脂形成チップに配設される素子の一例として
の発光素子の構造を示す。図15の(a)が素子断面図
であり、図15の(b)が平面図である。この発光素子
はGaN系の発光ダイオードであり、たとえばサファイ
ア基板上に結晶成長される素子である。このようなGa
N系の発光ダイオードでは、前述のように、基板を透過
するレーザー照射によってレーザーアブレーションが生
じ、GaNの窒素が気化する現象にともなってサファイ
ア基板とGaN系の成長層の間の界面で膜剥がれが生
じ、素子分離を容易なものにできる特徴を有している。
【0073】まず、その構造については、GaN系半導
体層からなる下地成長層131上に選択成長された六角
錐形状のGaN層132が形成されている。なお、下地
成長層131上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐
形状のGaN層132はその絶縁膜を開口した部分にM
OCVD法などによって形成される。このGaN層13
2は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面
とした場合にS面(1−101面)で覆われたピラミッ
ド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域であ
る。このGaN層132の傾斜したS面の部分はダブル
へテロ構造のクラッドとして機能する。GaN層132
の傾斜したS面を覆うように活性層であるInGaN層
133が形成されており、その外側にマグネシウムドー
プのGaN層134が形成される。このマグネシウムド
ープのGaN層134もクラッドとして機能する。
【0074】このような発光ダイオードには、p電極1
35とn電極136が形成されている。p電極135は
マグネシウムドープのGaN層134上に形成されるN
i/Pt/AuまたはNi(Pd)/Pt/Auなどの
金属材料を蒸着して形成される。n電極136は前述の
図示しない絶縁膜を開口した部分でTi/Al/Pt/
Auなどの金属材料を蒸着して形成される。なお、下地
成長層131の裏面側からn電極取り出しを行う場合
は、n電極136の形成は下地成長層131の表面側に
は不要となる。
【0075】このような構造のGaN系の発光ダイオー
ドは、青色発光も可能な素子であって、特にレーザーア
ブレーションよって比較的簡単にサファイア基板から剥
離することができ、レーザービームを選択的に照射する
ことで選択的な剥離が実現される。なお、GaN系の発
光ダイオードとしては、平板上や帯状に活性層が形成さ
れる構造であっても良く、上端部にC面が形成された角
錐構造のものであっても良い。また、他の窒化物系発光
素子や化合物半導体素子などであっても良い。
【0076】[発光素子の配列方法]次に、図16から
図20までを参照しながら、発光素子の配列方法につい
て説明する。発光素子は図15に示したGaN系の発光
ダイオードを用いている。
【0077】先ず、図16に示すように、第一基板14
1の主面上には複数の発光ダイオード142がマトリク
ス状に形成されている。発光ダイオード142の大きさ
は約20μm程度とすることができる。第一基板141
の構成材料としてはサファイア基板などのように光ダイ
オード142に照射するレーザーの波長の透過率の高い
材料が用いられる。発光ダイオード142にはp電極な
どまでは形成されているが最終的な配線は未だなされて
おらず、素子間分離の溝142gが形成されていて、個
々の発光ダイオード142は分離できる状態にある。こ
の溝142gの形成は例えば反応性イオンエッチングで
行う。このような第一基板141を図16に示すように
一時保持用部材143に対峙させて選択的な転写を行
う。
【0078】一時保持用部材143の第一基板141に
対峙する面には剥離層144と接着剤層145が2層に
なって形成されている。ここで一時保持用部材141の
例としては、ガラス基板、石英ガラス基板、プラスチッ
ク基板などを用いることができ、一時保持用部材141
上の剥離層144の例としては、フッ素コート、シリコ
ーン樹脂、水溶性接着剤(例えばPVA)、ポリイミド
などを用いることができる。また一時保持用部材143
の接着剤層145としては紫外線(UV)硬化型接着
剤、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤のいずれかからな
る層を用いることができる。一例としては、一時保持用
部材143として石英ガラス基板を用い、剥離層144
としてポリイミド膜4μmを形成後、接着剤層145と
してのUV硬化型接着剤を約20μm厚で塗布する。
【0079】一時保持用部材143の接着剤層145
は、硬化した領域145sと未硬化領域145yが混在
するように調整され、未硬化領域145yに選択転写に
かかる発光ダイオード142が位置するように位置合わ
せされる。硬化した領域145sと未硬化領域145y
が混在するような調整は、例えばUV硬化型接着剤を露
光機にて選択的に200μmピッチでUV露光し、発光
ダイオード142を転写するところは未硬化でそれ以外
は硬化させてある状態にすれば良い。このようなアライ
メントの後、その位置の発光ダイオード142をレーザ
ーにて第一基板141の裏面から照射して発光ダイオー
ド142を第一基板141からレーザーアブレーション
を利用して剥離する。GaN系の発光ダイオード142
はサファイアとの界面で金属のGaと窒素に分解するこ
とから、比較的簡単に剥離できる。照射するレーザーと
してはエキシマレーザー、高調波YAGレーザーなどが
用いられる。
【0080】このレーザーアブレーションを利用した剥
離によって、選択照射にかかる発光ダイオード142は
GaN層と第一基板141の界面で分離し、反対側の接
着剤層145の未硬化領域145yに発光ダイオード1
42のp電極部分を突き刺すようにして転写される。他
のレーザーが照射されない領域の発光ダイオード142
については、対応する接着剤層145の部分が硬化した
領域145sであり、レーザーも照射されていないため
に 一時保持用部材143側に転写されることはない。
なお、図16では1つの発光ダイオード142だけが選
択的にレーザー照射されているが、nピッチ分だけ離間
した領域においても同様に発光ダイオード142はレー
ザー照射されているものとする。このような選択的な転
写によっては発光ダイオード142第一基板141上に
配列されている時よりも離間して一時保持用部材143
上に配列される。
【0081】次に、選択的な発光ダイオード142の第
一基板141から一時保持用部材143への転写を行っ
たところで、図17に示すように未硬化領域145yの
接着剤層145を硬化させて発光ダイオード142を固
着させる。この硬化は熱や光などのエネルギーを加える
ことで可能である。発光ダイオード142は一時保持用
部材143の接着剤層145に保持された状態で、発光
ダイオード142の裏面がn電極側(カソード電極側)
になっていて、発光ダイオード142の裏面には樹脂
(接着剤)がないように除去、洗浄されているため、電
極パッド146を形成した場合では、電極パッド146
は発光ダイオード142の裏面と電気的に接続される。
【0082】接着剤層145の洗浄の例としては酸素プ
ラズマで接着剤用樹脂をエッチング、UVオゾン照射に
て洗浄する。かつ、レーザーにてGaN系発光ダイオー
ドをサファイア基板からなる第一基板141から剥離し
たときには、その剥離面にGaが析出しているため、そ
のGaをエッチングすることが必要であり、NaOH水
溶液もしくは希硝酸で行うことになる。その後、電極パ
ッド146をパターニングする。このときのカソード側
の電極パッドは約60μm角とすることができる。電極
パッド146としては透明電極(ITO、ZnO系な
ど)もしくはTi/Al/Pt/Auなどの材料を用い
る。透明電極の場合は発光ダイオードの裏面を大きく覆
っても発光をさえぎることがないので、パターニング精
度が粗く、大きな電極形成ができ、パターニングプロセ
スが容易になる。
【0083】図18は一時保持用部材143から発光ダ
イオード142を第二の一時保持用部材147に転写し
て、アノード電極(p電極)側のビアホール150を形
成した後、アノード側電極パッド149を形成し、樹脂
からなる接着剤層145をダイシングした状態を示して
いる。このダイシングの結果、素子分離溝151が形成
され、発光ダイオード142は素子ごとに区分けされた
ものになる。素子分離溝151はマトリクス状の各発光
ダイオード142を分離するため、平面パターンとして
は縦横に延長された複数の平行線からなる。素子分離溝
151の底部では第二の一時保持用部材147の表面が
臨む。第二の一時保持用部材147上には剥離層148
が形成される。この剥離層148は例えばフッ素コー
ト、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えばPVA)、
ポリイミドなどを用いて作成することができる。第二の
一時保持用部材147は、一例としてプラスチック基板
にUV粘着材が塗布してある、いわゆるダイシングシー
トであり、UVが照射されると粘着力が低下するものを
利用できる。一時保持部材147の裏面からエキシマレ
ーザーを照射する。これにより、例えば剥離層144と
してポリイミドを形成した場合では、ポリイミドと石英
基板の界面でポリイミドのアブレーションにより剥離が
発生して、各発光ダイオード142は第二の一時保持用
部材147側に転写される。
【0084】このプロセスの例として、第二の一時保持
用部材147の表面を酸素プラズマで発光ダイオード1
42の表面が露出してくるまでエッチングする。まずビ
アホール150の形成はエキシマレーザー、高調波YA
Gレーザー、炭酸ガスレーザを用いることができる。こ
のとき、ビアホールは約3〜7μmの径を開けることに
なる。アノード側電極パッドはNi/Pt/Auなどで
形成する。ダイシングプロセスは通常のブレードを用い
たダイシング、20μm以下の幅の狭い切り込みが必要
なときには上記レーザーを用いたレーザーによる加工を
行う。その切り込み幅は画像表示装置の画素内の樹脂か
らなる接着剤層145で覆われた発光ダイオード142
の大きさに依存する。一例として、エキシマレーザーに
て幅約40μmの溝加工を行い、チップの形状を形成す
る。
【0085】次に、機械的手段を用いて発光ダイオード
142が第二の一時保持用部材147から剥離される。
図19は、第二の一時保持用部材147上に配列してい
る発光ダイオード142を吸着装置153でピックアッ
プするところを示した図である。このときの吸着孔15
5は画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口し
ていて、発光ダイオード142を多数個、一括で吸着で
きるようになっている。このときの開口径は、例えば約
φ100μmで600μmピッチのマトリクス状に開口
されて、一括で約300個を吸着できる。このときの吸
着孔155の部材は例えば、Ni電鋳により作製したも
の、もしくはSUSなどの金属板152をエッチングで
穴加工したものが使用され、金属板152の吸着孔15
5の奥には、吸着チャンバ154が形成されており、こ
の吸着チャンバ154を負圧に制御することで発光ダイ
オード142の吸着が可能になる。発光ダイオード14
2はこの段階で樹脂からなる接着剤層145で覆われて
おり、その上面は略平坦化されており、このために吸着
装置153による選択的な吸着を容易に進めることがで
きる。
【0086】図20は発光ダイオード142をGaAs
基板165に転写するところを示した図である。GaA
s基板165に装着する際にGaAs基板165にあら
かじめ接着層161が塗布されており、その発光ダイオ
ード142下面の接着剤層161を硬化させ、発光ダイ
オード142をGaAs基板165上に固着して配列さ
せることができる。
【0087】接着層161が塗布されるGaAs基板1
65の表面は、第2の半導体発光層として機能するAl
GaInP系ダブルへテロ構造層が設けられており、一
対のクラッド層162、164の間に第2の半導体発光
層としての第2の活性層163を設けた構造を有する。
活性層とクラッド層の組み合わせは、AlGaInPの
みから構成するもの、AlGaInP及びGaInPか
ら構成するもの、AlInP及びAlGaInPから構
成するもの等を用いることができる。これらAlGaI
nP系ダブルへテロ構造層は赤色発光を行うための波長
変換領域であり、第1の半導体発光層からの光によって
励起されて光を放出する第2の半導体発光層として機能
する。
【0088】この素子の装着時には、吸着装置153の
吸着チャンバ154が圧力の高い状態となり、吸着装置
153と発光ダイオード142との吸着による結合状態
は解放される。接着層161はUV硬化型接着剤、熱硬
化性接着剤、熱可塑性接着剤などによって構成すること
ができる。そのとき接着層161の樹脂を硬化させるエ
ネルギーGaAs基板165の裏面から供給することも
可能である。
【0089】[半導体発光装置の一例]図21は3つの
発光ダイオード202を化合物半導体構造部201に貼
りあわせ、3つの発光ダイオード202を同じ構造しな
がらも赤色、緑色、青色の3原色の発光波長を出力する
装置となっている。
【0090】具体的には、化合物半導体構造部201に
貼り合わされる3つの発光ダイオード206、207、
208は、同じウルツ鉱型結晶構造のGaN系発光ダイ
オードであり、GaN系半導体層からなる下部成長層2
03上に選択成長された六角錐形状のGaN層が形成さ
れている。このGaN層は、S面(1−101面)で覆
われたピラミッド型の成長層であり、GaN層の傾斜し
たS面の部分はダブルへテロ構造のクラッド、活性層で
あるInGaN層、及びクラッドとして機能するマグネ
シウムドープのGaN層が順次形成され、電流を供給し
た場合には一例として青色の発光をする。なお、化合物
半導体構造部201はGaAs基板上に格子整合されて
形成された閃亜鉛鉱型の結晶構造を有するAlGaIn
P系の化合物半導体層であり、レーザーアブレーション
などによってGaAs基板を除去したものである。
【0091】発光ダイオード206の下部の化合物半導
体構造部201には、青色発光の光を励起光として赤色
発光を行うAlGaInP系の第2の活性層205が形
成されている。また、発光ダイオード207の下部の化
合物半導体構造部201には、青色発光の光を励起光と
して緑色発光を行う第2の活性層204が形成されてい
る。発光ダイオード208の下部の化合物半導体構造部
201には、青色発光の光をそのまま出力とするため第
2の活性層が形成されていない。
【0092】このような構造の半導体発光装置では、3
つ若しくは3種類の発光素子が1つのモジュールに形成
された構造を有しており、カラー画像表示を行う場合に
有利である。特に3つの発光素子の組み合わせで半導体
発光装置が構成される場合には、既に3つの発光ダイオ
ード206、207、208の位置合わせは装置内で精
度良く行われていることになり、ダイオードアレイ型の
ディスプレイを構成する場合には、これら半導体発光装
置を精度良く並べるだけで高精彩な画像表示装置を製造
できる。また、化合物半導体構造部201自体は、3つ
の発光ダイオード206、207、208に対応するだ
けではなく、画面全体や所定の領域に展開したものとす
ることができ、第2の活性層205、204のパターン
も複数の発光ダイオードに対応するものとしてストライ
プ状やスポット状などのパターンにすることも可能であ
る。
【0093】当該半導体発光装置では、蛍光体を使用す
るような発光装置に比べて、色純度を高くすることがで
き、同時に輝度飽和が抑制されて高輝度な表示が可能と
なる。また、電流を流す対象は構造的に比較的強度の高
いGaN系ウルツ鉱型半導体結晶構造側に限られるた
め、素子の長寿命化を容易に図ることができる。また、
GaAs基板などに含まれるAsを全く含まない構成も
実現される。
【0094】また、このような本実施形態の半導体発光
装置を用いてカラー画像表示装置を構成する場合、青色
の第1の活性層からの励起光を赤色に変換することがで
き、同じ構成のGaN系半導体結晶構造は、そのまま青
色又は緑色として活用することもできることから、後述
するように少なくとも同じGaN系半導体結晶構造をア
レイ状に配列し、一部に第2の活性層を形成して波長変
換を行うことで高精細な画像表示装置を作成できること
になる。
【0095】図22は半導体発光装置の製造方法を説明
するための工程断面図であり、アレイ状に発光ダイオー
ド210を形成した後、接着層213を介してGaAs
基板220上に格子整合されて積層された閃亜鉛鉱型結
晶構造のAlGaInP系化合物半導体層214、21
5、216の上にこれら発光ダイオード210が接着さ
れる。化合物半導体層215が第1の半導体発光層から
の光によって励起されて光を放出する第2の活性層とし
て機能し、化合物半導体層214、216がクラッド層
として機能する。これらAlGaInP系化合物半導体
層214、215、216とGaAs基板220の間に
はアブレーション層217が形成される。このアブレー
ション層217はアブレーション時の犠牲層であり、ア
ブレーションによりレーザーエネルギーを吸収して破壊
され、GaAs基板220を簡単に剥離させるための層
である。
【0096】アレイ状に配列された発光ダイオード21
0の尖頭部側は樹脂層212を介して支持基板211に
保持される。このように支持基板211によってアレイ
状に配列された発光ダイオード210の全体が保持され
たところで、GaAs基板220の裏面からYAGレー
ザーなどのレーザービーム、紫外線を照射してアブレー
ション層217の犠牲からGaAs基板220を剥離さ
せる。このGaAs基板220の剥離によって、半導体
発光装置をAsを実質的に含まない構成にすることがで
き、環境保護の面からも望ましい画像表示装置を提供で
きることになる。
【0097】このようなレーザーアブレーションを実現
するための条件としては、E(laser)をレーザーのエネ
ルギーとし、Eg(sub)をGaAs基板220のバンド
ギャップと、Eg(ab)をアブレーション層217のバン
ドギャップとすると、レーザービームがGaAs基板2
20を透過する条件はE(laser)がEg(sub)よりも小さ
くされ、アブレーション層217がレーザービームを吸
収する条件としてはEg(ab)がE(laser)よりも小さく
されることが必要とされる。具体的な数値を入れてみる
と、E(laser)はYAGの基本波で1.17eVとな
り、Eg(sub)はGaAs基板の場合1.42eVとな
る。YAGの基本波からの条件から1.17eVを満た
すGaInAs、GaInNAs、AlGaInAs、
GaInAsPなど、GaAs基板220に格子整合す
るようなアブレーション層217を設けることが可能で
ある。
【0098】なお、上述の実施形態においては、発光素
子として主に発光ダイオードの例について説明したが、
発光素子は半導体レーザーであっても良い。また、第1
の半導体発光層側に貼り合わせられる第2の半導体発光
層をAlGaInP系化合物半導体層によって説明した
が、他の波長変換機能を有する化合物半導体層であって
も良い。また、第1の半導体発光層と第2の半導体発光
層の間を接着層を介して接続するものとしたが、両者の
間にはレンズ、鏡、格子、絞り、開口部などの光学部材
や空間が含まれていても良く、光が入出力する関係を維
持できれば第1の半導体発光層と第2の半導体発光層の
間は離間していても良い。また、第1の半導体発光層と
第2の半導体発光層の間の数の関係は、1対1のものに
限らず、1対多、多対1、多対多などの構成であっても
良い。
【0099】
【発明の効果】本発明の半導体発光素子、半導体発光装
置によれば、蛍光体を使用するような発光素子に比べ
て、色純度を高くすることができ、同時に輝度飽和が抑
制されて高輝度な表示が可能となる。特にGaN系の半
導体結晶構造は、電流注入に対し高い電流値でも構造部
が壊れないという利点があり、長寿命であることから、
電流を流す対象を構造的に比較的強度の高いGaN系ウ
ルツ鉱型半導体結晶構造側に限ることで、素子の長寿命
化を容易に図ることができる。また、GaAs基板など
に含まれるAsを全く含まない構成も実現される。
【0100】また、本発明の半導体発光素子、半導体発
光装置を用いてカラー画像表示装置を構成する場合、青
色の第1の活性層からの励起光を赤色に変換することが
でき、同じ構成のGaN系半導体結晶構造は、そのまま
青色又は緑色として活用することもできることから、後
述するように少なくとも同じGaN系半導体結晶構造を
アレイ状に配列し、一部に第2の活性層を形成して波長
変換を行うことで高精細な画像表示装置を作成できる。
【0101】また、製造方法においては、レーザーアブ
レーションを利用して第1の半導体発光層側のサファイ
ア基板や第2の半導体発光層側のGaAs基板を製造工
程の途中で剥がすことができ、工程の簡略化から歩留ま
り向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の一実施形態の素子構
造を一部破断して示す側断面図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、選択
マスクの形成までの工程断面図である。
【図3】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、選択
成長による半導体層の形成までの工程断面図である。
【図4】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、傾斜
面上への第1導電型クラッド層、第1の活性層、および
第2導電型クラッド層の形成までの工程断面図である。
【図5】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、基板
の剥離までの工程断面図である。
【図6】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、第2
の半導体発光層側の接着層の形成までの工程断面図であ
る。
【図7】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、第2
の半導体発光層側の基板の除去までの工程断面図であ
る。
【図8】本発明の半導体発光素子の一実施形態の製造方
法を工程順に説明するための工程断面図であって、素子
完成までの工程断面図である。
【図9】本発明の半導体発光素子の一実施形態の素子構
造を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法の一例を示す模式図である。
【図11】本発明の実施形態の他の半導体発光素子の製
造方法の一例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における間引き転写を示す模式図である。
【図13】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における樹脂形成チップを示す概略斜視図である。
【図14】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における樹脂形成チップを示す概略平面図である。
【図15】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法に用いられる発光素子の例を示す図であって、(a)
断面図と(b)平面図である。
【図16】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における第一転写工程の工程断面図である。
【図17】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における電極パッド形成工程の工程断面図である。
【図18】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における他の電極パッド形成工程の工程断面図であ
る。
【図19】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における吸着工程の工程断面図である。
【図20】本発明の実施形態の半導体発光素子の製造方
法における貼り合わせ工程の工程断面図である。
【図21】本発明の実施形態の半導体発光装置の一例の
模式断面図である。
【図22】本発明の実施形態の半導体発光装置の製造方
法におけるレーザーアブレーション工程の工程断面図で
ある。
【符号の説明】
10 クラッド層 11 第2の活性層 12 クラッド層 15 成長阻害膜 16 シリコンドープのGaN層 17 第1の活性層 18 マグネシウムドープのGaN層 19 結晶成長部 20 基板 21 下部成長層 22 選択マスク 24 半導体層 25 第1導電型クラッド層 26 第1の活性層 27 第2導電型クラッド層 30 GaAs基板 31〜33 AlGaInP系化合物半導体層 34 接着層 50 発光ダイオード 51 樹脂パッケージ 52 下部成長層 53 尖頭構造部 54 上部電極パッド 55 下部電極パッド 58 第2の活性層 201 化合物半導体構造部 204,205 第2の活性層 206、207、208 発光ダイオード

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の光を放出させる第1の半導体発光
    層と、前記第1の半導体発光層とは異なる結晶系からな
    る半導体層から構成され前記第1の半導体発光層からの
    光によって励起されて光を放出する第2の半導体発光層
    を有し、前記第1の半導体発光層を有する半導体構造部
    に前記第2の半導体発光層が貼り合わされることを特徴
    とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体発光層はウルツ鉱型結
    晶構造を有し、第2の半導体発光層は閃亜鉛鉱型結晶構
    造を有することを特徴とする請求項1記載の半導体発光
    素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体発光層は窒化ガリウム
    系半導体層からなることを特徴とする請求項1記載の半
    導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記第2の半導体発光層はAlGaIn
    P系半導体層、AlGaInAs系半導体層、GaIn
    NAs系半導体層、GaInAsP系半導体層から選ば
    れた半導体層からなることを特徴とする請求項1記載の
    半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の半導体発光層は選択成長によ
    り形成された尖頭状の成長層からなる前記半導体構造部
    に形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体発
    光素子。
  6. 【請求項6】 前記第1の半導体発光層と前記第2の半
    導体発光層は異なる発光波長を有することを特徴とする
    請求項1記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記第2の半導体発光層は成長基板上で
    形成され、アブレーション若しくはエッチングによって
    該成長基板を剥離してなることを特徴とする請求項1記
    載の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記第2の半導体発光層は、接着層を介
    して前記第1の半導体発光層に貼り付けられることと特
    徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 樹脂パッケージ内に形成され所定の光を
    放出させる第1の半導体発光層と、前記第1の半導体発
    光層からの光によって励起されて光を放出する第2の半
    導体発光層を有し、前記第2の半導体発光層は前記樹脂
    パッケージに貼り合わされて構成されることを特徴とす
    る半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 前記第1の半導体発光層と前記第2の
    半導体発光層は、互いに異なる結晶系からなる半導体層
    から構成されることを特徴とする請求項9記載の半導体
    発光素子。
  11. 【請求項11】 前記第1の半導体発光層はウルツ鉱型
    結晶構造を有し、第2の半導体発光層は閃亜鉛鉱型結晶
    構造を有することを特徴とする請求項9記載の半導体発
    光素子。
  12. 【請求項12】 前記第1の半導体発光層は窒化ガリウ
    ム系半導体層からなることを特徴とする請求項9記載の
    半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 前記第2の半導体発光層はAlGaI
    nP系半導体層、AlGaInAs系半導体層、GaI
    nNAs系半導体層、GaInAsP系半導体層から選
    ばれた半導体層からなることを特徴とする請求項9記載
    の半導体発光素子。
  14. 【請求項14】 前記第1の半導体発光層は選択成長に
    より形成された尖頭状の成長層に形成されることを特徴
    とする請求項9記載の半導体発光素子。
  15. 【請求項15】 前記第1の半導体発光層と前記第2の
    半導体発光層は異なる発光波長を有することを特徴とす
    る請求項9記載の半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 前記第2の半導体発光層は成長基板上
    で形成され、アブレーション若しくはエッチングによっ
    て該成長基板を剥離してなることを特徴とする請求項9
    記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 前記第2の半導体発光層は、接着層を
    介して前記第1の半導体発光層に貼り付けられることを
    特徴とする請求項9記載の半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 所定の光を放出させる第1の半導体発
    光層を形成し、前記第1の半導体発光層とは異なる結晶
    系からなる半導体層から構成され前記第1の半導体発光
    層からの光によって励起されて光を放出するための第2
    の半導体発光層を形成し、前記第2の半導体発光層を前
    記第1の半導体発光層を有する半導体構造部に貼り合わ
    せることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第2の半導体発光層は基板上に積
    層されて形成され、前記半導体構造部に貼り合わせる際
    に前記第2の半導体発光層は前記基板から剥離されるこ
    とを特徴とする請求項18記載の半導体発光素子の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 前記第2の半導体発光層の前記基板か
    らの剥離は、レーザーアブレーションによって行われる
    ことを特徴とする請求項18記載の半導体発光素子の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2の半導体発光層の前記基板か
    らの剥離は、エッチングによって前記基板を除去するこ
    とで行われることを特徴とする請求項18記載の半導体
    発光素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 樹脂パッケージ内に形成され所定の光
    を放出させる第1の半導体発光層を形成し、前記第1の
    半導体発光層からの光によって励起されて光を放出する
    ための第2の半導体発光層を形成し、前記第2の半導体
    発光層を前記樹脂パッケージに貼り合わせることを特徴
    とする半導体発光素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第2の半導体発光層は基板上に積
    層されて形成され、前記半導体構造部に貼り合わせる際
    に前記第2の半導体発光層は前記基板から剥離されるこ
    とを特徴とする請求項22記載の半導体発光素子の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 前記第2の半導体発光層の前記基板か
    らの剥離は、レーザーアブレーションによって行われる
    ことを特徴とする請求項22記載の半導体発光素子の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 前記第2の半導体発光層の前記基板か
    らの剥離は、エッチングによって前記基板を除去するこ
    とで行われることを特徴とする請求項22記載の半導体
    発光素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 所定の光を放出させる第1の半導体発
    光層を有する半導体構造部を複数形成し、その複数個の
    半導体構造部のうちの一部に前記第1の半導体発光層か
    らの光によって励起されて光を放出する第2の半導体発
    光層を貼り合わせてなることを特徴とする半導体発光装
    置。
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