JP2003058320A - タッチパネルおよび反射型液晶表示装置 - Google Patents

タッチパネルおよび反射型液晶表示装置

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JP2003058320A
JP2003058320A JP2001249273A JP2001249273A JP2003058320A JP 2003058320 A JP2003058320 A JP 2003058320A JP 2001249273 A JP2001249273 A JP 2001249273A JP 2001249273 A JP2001249273 A JP 2001249273A JP 2003058320 A JP2003058320 A JP 2003058320A
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Japan
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film
transparent conductive
liquid crystal
plate
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JP2001249273A
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English (en)
Inventor
Takamitsu Fujii
隆満 藤井
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光域の全体にわたりλ/4を実現し
た一枚のポリマーフイルムを用いて、タッチパネルを通
して表示される画像の品質を改善する。 【解決手段】 少なくとも片面に透明導電膜が設けられ
た2枚の透明導電性基板が、透明導電膜同士が対向する
ように配置され、少なくとも一方の透明導電性基板がλ
/4板であるか、あるいは少なくとも一方の透明導電性
基板の表面にλ/4板が積層されているタッチパネルに
おいて、λ/4板として、波長450nmで測定したレ
ターデーション値(Re450)が60乃至135nm
であり、かつ波長590nmで測定したレターデーショ
ン値(Re590)が100乃至170nmであり、R
e590−Re450≧2nmの関係を満足し、さらに
溶液の紫外線吸収スペクトルの吸収極大を与える波長
(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を含
む一枚のポリマーフイルムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タッチパネルおよ
びそれを用いた反射型液晶表示装置に関する。本発明
は、特にλ/4板を用いたタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネルには、抵抗膜方式、光学
式、静電容量式、超音波式や電磁誘導式のような様々な
方式がある。抵抗膜方式は、比較的低コストで、薄型軽
量化が容易であるという特徴を有している。抵抗膜方式
は、ディスプレイの表面に装着するだけで外部入力が可
能であるため、現在、特に携帯機器を中心にして広く用
いられている。近年では、携帯電話や情報携帯端末のよ
うな携帯機器の成長が著しく、太陽光のもとでの視認性
および薄型軽量が強く求められている。
【0003】抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電層
付き固定基板と透明導電膜付き可動基板が、透明導電膜
同士が向かい合って空間を介して配置されたものであ
る。押圧によって透明導電膜同士が接触した際の、接触
位置または抵抗値を検出することによって、位置を検出
する。通常、タッチパネルは、ディスプレイ表面に装着
される。この場合、空気層が2層となり、各空気界面で
の反射による視認性の低下が著しく、さらに装置自体が
厚くなるという問題点があった。これに対して、特開平
5−127822号公報、および月刊ディスプレイ19
99年1月号69頁に偏光板と液晶セルの間に抵抗膜式
タッチパネルの機能を挿入したインナー型タッチパネル
の提案がされている。この方式によれば、空気層が1層
となり、さらにλ/4板と組み合わせることで、界面反
射が著しく低減され、視認性が向上する。しかし、λ/
4板と称していても、ある特定波長でλ/4を達成して
いるものが大部分であり、その反射防止の効果は充分で
はなかった。特開2000−112663号公報に、広
帯域λ/4板を用いたタッチパネルが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開2000−112
663号公報に記載のタッチパネルは、広帯域λ/4板
を用いているが、視認性の向上は期待される程度ではな
かった。本発明者の研究によれば、広帯域λ/4板と称
していても、短波長側での複屈折の波長分散が、理想的
なλ/4からズレている場合が多い。欧州特許0911
656A2号明細書に記載のように、レターデーション
上昇剤を少量添加したセルロースアセテートフイルムを
延伸すると、上記のズレを調整することができる。ただ
し、目標の光学特性を得るためにはフイルム破断領域近
くまで延伸する必要がある。セルロースアセテートフイ
ルムの延伸倍率を下げると、レターデーション上昇剤の
添加量を増やす必要があるが、そうすると、短波長側の
レターデーションが理想的なλ/4から大きくずれる。
【0005】本発明の目的は、可視光域の全体にわたり
λ/4を実現した一枚のポリマーフイルムを用いて、タ
ッチパネルを通して表示される画像の品質を改善するこ
とである。また本発明の目的は、コントラストや色味の
ような画質が改善されたタッチパネル付き反射型液晶表
示装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(8)のタッチパネル、下記(9)および(1
0)の液晶表示装置により達成された。 (1)少なくとも片面に透明導電膜が設けられた2枚の
透明導電性基板が、透明導電膜同士が対向するように配
置され、少なくとも一方の透明導電性基板がλ/4板で
あるか、あるいは少なくとも一方の透明導電性基板の表
面にλ/4板が積層されているタッチパネルであって、
λ/4板が、波長450nmで測定したレターデーショ
ン値(Re450)が60乃至135nmであり、かつ
波長590nmで測定したレターデーション値(Re5
90)が100乃至170nmであり、Re590−R
e450≧2nmの関係を満足し、さらに溶液の紫外線
吸収スペクトルの吸収極大を与える波長(λmax)が25
0nmより短波長である棒状化合物を含む一枚のポリマ
ーフイルムからなることを特徴とするタッチパネル。
【0007】(2)ポリマーフイルムが、セルロースエ
ステルからなる(1)に記載のタッチパネル。 (3)セルロースエステルが、酢化度が55.0乃至6
2.5%のセルロースアセテートである(2)に記載の
タッチパネル。 (4)ポリマーフイルムが、3乃至100%の延伸倍率
で延伸されている(1)に記載のタッチパネル。 (5)ポリマーフイルムが、面内の遅相軸方向の屈折率
nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚
み方向の屈折率nzが、1≦(nx−nz)/(nx−
ny)≦2の関係を満足する(1)に記載のタッチパネ
ル。
【0008】(6)棒状化合物が、直線的な分子構造を
有する(1)に記載の位相差板。 (7)ポリマーフイルムが100質量部当たり、棒状化
合物を0.01乃至20質量部含む(1)に記載のタッ
チパネル。 (8)透明導電膜の表面抵抗率が、104 Ω/□以下で
ある(1)に記載のタッチパネル。 (9)ポリマーフイルムにさらに偏光膜が積層されてお
り、ポリマーフイルムの面内の遅相軸と偏光膜の偏光軸
との角度が実質的に45゜になるように配置されている
(1)に記載のタッチパネル。
【0009】(10)タッチパネルおよび反射型液晶セ
ルを備えた反射型液晶表示装置であって、タッチパネル
が、(1)乃至(9)のいずれか一つに記載のタッチパ
ネルであることを特徴とする反射型液晶表示装置。。 (11)タッチパネルと反射型液晶セルとが一枚の基板
を共有しており、共有する基板の両面に透明電極層が設
けられている(10)に記載の反射型液晶表示装置。
【0010】
【発明の実施の形態】[レターデーション上昇剤]本発
明では、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収
波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物
をレターデーション上昇剤として用いる。レターデーシ
ョン上昇剤の機能の観点では、棒状化合物は、少なくと
も一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも
二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。棒状化
合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直
線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造におい
て棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味す
る。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または
分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分
子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)
製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最
も小さくなるような分子の構造を求めることができる。
分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求
められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造
の角度が140度以上であることを意味する。
【0011】棒状化合物としては、下記式(I)で表さ
れる化合物が好ましい。 (I)Ar1 −L1 −Ar2 式(I)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独
立に、芳香族基である。本明細書において、芳香族基
は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール
基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基
を含む。アリール基および置換アリール基の方が、芳香
族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好
ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不
飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環また
は7員環であることが好ましく、5員環または6員環で
あることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に
最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原
子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子また
は硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例に
は、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾー
ル環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾ
ール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、
トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン
環、ピリミジン環、ピラジン環、および1,3,5−ト
リアジン環が含まれる。芳香族基の芳香族環としては、
ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オ
キサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリア
ゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環
が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0012】置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ
環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、B
r、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミ
ノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スル
ホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−
メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N
−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキル
スルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N
−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモ
イル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチ
ルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N’
−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチ
ル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘ
キシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニ
ル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニ
ル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、
ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基
(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキ
シ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘ
プチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基
(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボ
ニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカ
ルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシ
カルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、
ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基
(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチル
チオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、
アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホ
ニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プ
ロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホ
ニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、ア
ミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシル
アミド、ラウリルアミド)および非芳香族性複素環基
(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
【0013】置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ
環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボ
キシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ
基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシ
カルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびア
ルキル基が好ましい。アルキルアミノ基、アルコキシカ
ルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアル
キル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していて
もよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例に
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カル
バモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、
アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイ
ド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシル
オキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコ
キシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族
性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基
の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミ
ノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、ア
シルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキ
シ基が好ましい。
【0014】式(I)において、L1 は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO
−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二
価の連結基である。アルキレン基は、環状構造を有して
いてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシ
レンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ま
しい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基
の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。アル
キレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ま
しく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至1
0であることがさらに好ましく、1乃至8であることが
さらにまた好ましく、1乃至6であることが最も好まし
い。
【0015】アルケニレン基およびアルキニレン基は、
環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐
を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさら
に好ましい。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭
素原子数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至
8であることがより好ましく、2乃至6であることがさ
らに好ましく、2乃至4であることがさらにまた好まし
く、2(ビニレンまたはエチニレン)であることが最も
好ましい。
【0016】組み合わせからなる二価の連結基の例を示
す。 L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O− L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO− L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O− L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO− L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O− L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
【0017】式(I)の分子構造において、L1 を挟ん
で、Ar1 とAr2 とが形成する角度は、140度以上
であることが好ましい。棒状化合物としては、下記式
(II)で表される化合物がさらに好ましい。 (II)Ar1 −L2 −X−L3 −Ar2 式(II)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独
立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、式
(I)のAr1 およびAr2 と同様である。
【0018】式(II)において、L2 およびL3 は、そ
れぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−および
それらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結
基である。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を
有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直
鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルキレン基
の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1
乃至8であることがより好ましく、1乃至6であること
がさらに好ましく、1乃至4であることがさらにまた好
ましく、1または2(メチレンまたはエチレン)である
ことが最も好ましい。L2 およびL3 は、−O−CO−
または−CO−O−であることが特に好ましい。
【0019】式(II)において、Xは、1,4−シクロ
へキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。以下
に、式(I)で表される化合物の具体例を示す。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】具体例(1)〜(34)、(41)、(4
2)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉
炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜
(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子
構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何
異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例
(1)のトランス型(1-trans)とシス型(1-cis)と
を、以下に示す。
【0030】
【化10】
【0031】前述したように、棒状化合物は直線的な分
子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型
の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)および
(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の
異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトラ
ンス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体につい
ては、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいず
れでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビ
ニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様
の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
【0032】以下に代表的な棒状化合物について、溶液
の紫外線吸収スペクトルの吸収極大を与える波長(λma
x)を示す。 10-trans:220nm 23-trans:230nm 29-trans:240nm 41-trans:230nm
【0033】溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大
吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化
合物を、二種類以上併用してもよい。棒状化合物は、文
献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mo
l. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979
年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111
ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989
年)、J. Am. Chem. Soc., 113巻、1349ページ(199
1年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92
巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40
巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16
号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
レターデーション上昇剤の添加量は、ポリマーの量の
0.1乃至30質量%であることが好ましく、0.5乃
至20質量%であることがさらに好ましい。
【0034】[λ/4板のレターデーション]λ/4板
は、波長450nmで測定したレターデーション値(R
e450)が60乃至135nmであり、かつ波長59
0nmで測定したレターデーション値(Re590)が
100乃至170nmであり、そして、Re590−R
e450≧2nmの関係を満足する。Re590−Re
450≧5nmであることがさらに好ましく、Re59
0−Re450≧10nmであることが最も好ましい。
波長450nmで測定したレターデーション値(Re4
50)が108乃至120nmであり、波長550nm
で測定したレターデーション値(Re550)が125
乃至142nmであり、波長590nmで測定したレタ
ーデーション値(Re590)が130乃至152nm
であり、そして、Re590−Re550≧2nmの関
係を満足することがさらに好ましい。Re590−Re
550≧5nmであることがさらに好ましく、Re59
0−Re550≧10nmであることが最も好ましい。
また、Re550−Re450≧10nmであることも
好ましい。
【0035】レターデーション値(Re)は、下記式に
従って算出する。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率
(面内の最大屈折率)であり;nyは、位相差板の面内
の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、dは、
位相差板の厚さ(nm)である。本発明に用いられる一
枚のポリマーフイルムは、下記式を満足することが好ま
しい。 1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2 式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の
屈折率であり;そして、nzは、厚み方向の屈折率であ
る。
【0036】[λ/4板として用いるポリマーフイル
ム]λ/4板として、光透過率が80%以上であるポリ
マーフイルムを用いることが好ましい。フイルムを構成
するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セル
ロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボ
ルネン系ポリマーおよびポリメチルメタクリレートが含
まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーで
は、アートン、ゼオネックス)を用いてもよい。セルロ
ースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エス
テルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が
6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロ
ースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)ま
たは4(セルロースブチレート)であることが好まし
い。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロース
アセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチ
レートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。ま
た、従来知られているポリカーボネートやポリスルホン
のような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、添
加剤(例えば、WO00/26705号明細書記載)に
より複屈折の発現を低下させて使用することもできる。
フイルムのポリマーとしては、酢化度が55.0乃至6
2.5%であるセルロースアセテートを使用することが
好ましい。酢化度は、57.0乃至62.0%であるこ
とが好ましい。
【0037】酢化度とは、セルロース単位質量当たりの
結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−81
7−91(セルロースアセテート等の試験法)における
アセチル化度の測定および計算に従う。セルロースエス
テルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であるこ
とが好ましく、290以上であることがさらに好まし
い。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/M
n(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分
子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの
値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、
1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.
4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0038】セルロースエステルでは、セルロースの2
位、3位、6位の水酸基が全体の置換度の1/3づつに
均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が
小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースの6位水
酸基の置換度が、2位、3位に比べて多いほうが好まし
い。全体の置換度に対して6位の水酸基が30%以上4
0%以下でアシル基で置換されていることが好ましく、
更には31%以上、特に32%以上であることが好まし
い。6位の置換度は、0.88以上であることが好まし
い。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のア
シル基(例、プロピオニル、ブチリル、バレロイル、ベ
ンゾイル、アクリロイル)で置換されていてもよい。各
位置の置換度の測定は、NMRによって求める事ができ
る。6位水酸基の置換度が高いセルロースエステルは、
特開平11−5851号公報の段落番号0043〜00
44に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に
記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に
記載の合成例3の方法を参照して合成することができ
る。
【0039】ポリマーフイルムは、紫外線吸収剤を含む
ことが好ましい。また、特開平7−333433号公報
に記載のようにポリマーフイルム上に接着層(下塗り
層)を設けてもよい。接着層の厚みは、0.1乃至2μ
mであることが好ましく、0.2μm乃至1μmである
ことがさらに好ましい。
【0040】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機
溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造
する。本発明のポリマーフイルムの製造を、セルロース
エステルを例に具体的に説明する。有機溶媒は、炭素原
子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12
のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭
素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる
溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケ
トンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−C
O−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化
合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒
は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有してい
てもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場
合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合
物の規定範囲内であればよい。
【0041】炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素
としては、メチレンクロリドが代表的である。なお、技
術的には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水
素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点
では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まな
いことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶
媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ま
しくは2質量%未満)であることを意味する。また、製
造したセルロースエステルフイルムから、メチレンクロ
リドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないこ
とが好ましい。
【0042】溶媒は二種類以上の有機溶媒を混合して用
いてもよい。特に好ましい有機溶媒は、互いに異なる三
種類以上の混合溶媒であって、第一の溶媒は、炭素原子
数が3〜4のケトン類、炭素原子数が3〜4のエステル
類、またはそれらの混合溶媒であり、第二の溶媒は、炭
素原子数が5〜7のケトン類およびアセト酢酸エステル
から選ばれ、第三の溶媒は、沸点が30〜170℃のア
ルコールおよび沸点が30〜170℃の炭化水素から選
ばれる。第一の溶媒のケトンおよびエステルについて
は、好ましくはアセトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、蟻
酸エチルである。第2の溶媒は、シクロペンタノン、シ
クロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましい。
【0043】第三の溶媒は、沸点が30〜170℃のア
ルコールおよび沸点が30〜170℃の炭化水素から選
ばれる。アルコールは一価であることが好ましい。アル
コールの炭化水素部分は、直鎖であっても、分岐を有し
ていても、環状であってもよい。炭化水素部分は、飽和
脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水
酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アル
コールの例には、メタノール(沸点:64.65℃)、
エタノール(沸点:78.325℃)、1−プロパノー
ル(沸点:97.15℃)、2−プロパノール(沸点:
82.4℃)、1−ブタノール(沸点:117.9
℃)、2−ブタノール(沸点:99.5℃)、t−ブタ
ノール(沸点:82.45℃)、1−ペンタノール(沸
点:137.5℃)、2−メチル−2−ブタノール(沸
点:101.9℃)およびシクロヘキサノール(沸点:
161℃)が含まれる。アルコールについては、二種類
以上を混合して用いることが好ましい。炭化水素は、直
鎖であっても、分岐を有していても、環状であってもよ
い。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いる
ことができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽
和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン
(沸点:80.7℃)、ヘキサン(沸点:69℃)、ベ
ンゼン(沸点:80.1℃)、トルエン(沸点:11
0.6℃)およびキシレン(沸点:138.4〜14
4.4℃)が含まれる。
【0044】三種混合溶媒中には、第一の溶媒が30〜
95質量%含まれることが好ましく、40〜90質量%
含まれることがより好ましく、50〜90質量%含まれ
ることが更に好ましく、50〜質量%含まれることが最
も好ましい。第二の溶媒及び第三の溶媒は、1〜40質
量%含まれることが好ましく、3〜30質量%含まれる
ことがより好ましい。本発明に好ましいこれらの溶媒の
組み合わせの例としては、以下のものを挙げることがで
きる。セルロースエステル/酢酸メチル/シクロヘキサ
ノン/メタノール/エタノール(X/(70−X)/2
0/5/5、質量部)、セルロースエステル/酢酸メチ
ル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタ
ノール(X/(50−X)/20/20/5/5、質量
部)、セルロースエステル/アセトン/アセト酢酸メチ
ル/エタノール(X/(75−X)/20/5、質量
部)、セルロースエステル/酢酸メチル/シクロペンタ
ノン/メタノール/エタノール(X/(80−X)/1
0/5/5、質量部)、セルロースエステル/酢酸メチ
ル/1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(X
/(70−X)/20/5/5、質量部)、セルロース
エステル/酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノ
ール/エタノール(X/(60−X)/20/10/5
/5、質量部)、セルロースエステル/1,3ジオキソ
ラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノ
ール/エタノール(X/(55−X)/20/10/5
/5/5、質量部)が好ましい組み合わせである。ここ
でXはセルロースエステルの質量部を表わし、好ましく
は10〜25であり特には15〜23である。
【0045】ドープには、上記有機溶媒以外に、フルオ
ロアルコールやメチレンクロライドを本発明の全有機溶
媒量の10質量%以下含有させることは、フイルムの透
明性を向上させたり、溶解性を早めたりする上で好まし
い。フルオロアルコールの沸点は、165℃以下が好ま
しく、111℃以下がより好ましく、80℃以下がさら
に好ましい。フルオロアルコールは、炭素原子数が2か
ら10程度、好ましくは2から8程度のものがよい。ま
た、フルオロアルコールはフッ素原子含有脂肪族アルコ
ールで、置換基があってもなくてもよい。置換基として
はフッ素原子含有或いはなしの脂肪族置換基、芳香族置
換基などがよい。
【0046】フルオロアルコールの例には、(以下括弧
内は沸点である)2−フルオロエタノール(103
℃)、2,2,2−トリフルオロエタノール(80
℃)、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノ
ール(109℃)、1,3−ジフルオロ−2−プロパノ
ール(55℃)、1,1,1,3,3,3−ヘキサ−2
−メチル−2−プロパノール(62℃)、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(59
℃)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロ
パノール(80℃)、2,2,3,4,4,4−ヘキサ
フルオロ−1−ブタノール(114℃)、2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール(9
7℃)、パーフルオロ−tert−ブタノール(45℃)、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクトフルオロ−1
−ペンタノール(142℃)、2,2,3,3,4,4
−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール(11
1.5℃)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール
(95℃)、2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オ
クタノール(165℃)、1−(ペンタフルオロフェニ
ル)エタノール(82℃)、2,3,4,5,6−ペン
タフルオロベンジルアルコール(115℃)などが含ま
れる。これらのフルオロアルコールは、一種類又は二種
類以上使用してもよい。
【0047】セルロースエステル溶液を調製する際に、
容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満させてもよ
い。セルロースエステル溶液の製膜直前の粘度は、製膜
の際、流延可能な範囲であればよく、通常10ps・s
〜2000ps・sの範囲に調製されることが好ましい
く、特に30ps・s〜400ps・sが好ましい。
【0048】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0049】一般的な方法でセルロースエステル溶液を
調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温
または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製
は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製
方法および装置を用いて実施することができる。なお、
一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化
水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好まし
い。セルロースエステルの量は、得られる溶液中に10
乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースエ
ステルの量は、10乃至30質量%であることがさらに
好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温(0乃至
40℃)でセルロースエステルと有機溶媒とを攪拌する
ことにより調製することができる。高濃度の溶液は、加
圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セ
ルロースエステルと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉
し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が
沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温
度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至2
00℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃であ
る。
【0050】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0051】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースエステルを溶
解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロ
ースエステルを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法
によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロース
エステルを撹拌しながら徐々に添加する。セルロースエ
ステルの量は、この混合物中に10乃至40質量%含ま
れるように調整することが好ましい。セルロースエステ
ルの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ま
しい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添
加しておいてもよい。
【0052】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースエステルと有機溶媒の混合物は固
化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好まし
く、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃
/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速い
ほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であ
り、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして10
0℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷
却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却
を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で
割った値である。
【0053】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースエステルが溶解する。昇温は、室温中に
放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加温
速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分
以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であ
ることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましい
が、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000
℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実
用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する
時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してか
ら最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値であ
る。以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、
溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返し
てもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶
液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0054】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースエステル(酢
化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶
解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の
溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃
近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、
この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この
溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度
プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただし、
この疑似相転移温度は、セルロースエステルの酢化度、
粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異
なる。
【0055】調製したセルロースエステル溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースエス
テルフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバン
ド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。
流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるよ
うに濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバン
ドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法につ
いては、米国特許2336310号、同2367603
号、同2492078号、同2492977号、同24
92978号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、お
よび同736892号の各明細書、特公昭45−455
4号、同49−5614号、特開昭60−176834
号、同60−203430号、および同62−1150
35号の各公報に記載がある。
【0056】ドープは、表面温度が10℃以下のドラム
またはバンド上に流延することが好ましい。流延してか
ら2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られ
たフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに
100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥
して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法
は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方
法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮するこ
とが可能である。この方法を実施するためには、流延時
のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル
化することが必要である。
【0057】また、調整したセルロースエステル溶液
(ドープ)を二層以上流延して、ソルベントキャスト法
によりセルロースエステルフイルムを作製してもよい。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発
させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分
量が10〜40%となるように濃度を調整することが好
ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上
げておくことが好ましい。
【0058】複数のセルロースエステル溶液を流延する
場合、支持体の進行方向に間隔をおいて配置した複数の
流延口からセルロースエステルを含む溶液をそれぞれ流
延させて積層させながらフイルムを作製することができ
る。このような流延方法については、例えば、特開昭6
1−158414号、特開平1−122419号、およ
び特開平11−198285号の各公報に記載がある。
また、二つの流延口からセルロースエステル溶液を流延
することによりフイルムを作製することができる。この
ような流延方法については、例えば、特公昭60−27
562号、特開昭61−94724号、特開昭61−9
47245号、特開昭61−104813号、特開昭6
1−158413号、および特開平6−134933号
の各公報に記載がある。また、特開昭56−16261
7号公報に記載の、高粘度セルロースエステル溶液の流
れを低粘度のセルロースエステル溶液で包み込み、その
高、低粘度のセルロースエステル溶液を同時に押出す流
延方法により、セルロースエステルフイルムを作製する
ことができる。また、二個の流延口を用いて、第一の流
延口により支持体に成型したフイルムを剥ぎ取り、支持
体面に接していた側に第二の流延を行なうことでより、
フイルムを作製することもできる。このような流延方法
については、例えば、特公昭44−20235号公報に
記載がある。
【0059】流延する二以上のセルロースエステル溶液
は、互いに同一の溶液でもよいし、互いに異なるセルロ
ースエステル溶液でもよく、特に限定されない。複数の
セルロースエステル層に機能を持たせるために、その機
能に応じたセルロースエステル溶液を、それぞれの流延
口から押出せばよい。さらにセルロースエステル溶液
は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止
層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層な
ど)を同時に流延することもできる。
【0060】従来の、単層液の流延によるフイルムの作
製では、必要なフイルムの厚さを得るためには、高濃度
で高粘度のセルロースエステル溶液を押出すことが必要
であり、セルロースエステル溶液の安定性が悪くて固形
物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となっ
たりして問題となることが多かった。複数のセルロース
エステル溶液を流延することにより、高粘度の溶液を同
時に支持体上に押出すことができ、平面性も良化し優れ
た面状のフイルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセ
ルロースエステル溶液を用いることで乾燥負荷の低減化
が達成でき、フイルムの生産スピードを高めることがで
きる。
【0061】セルロースエステルフイルムには、機械的
物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0062】セルロースエステルフイルムには、劣化防
止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止
剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加しても
よい。劣化防止剤については、特開平3−199201
号、同5−1907073号、同5−194789号、
同5−271471号、同6−107854号の各公報
に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液
(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好まし
く、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ま
しい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止
剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を
越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウ
ト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい
劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン
(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げるこ
とができる。
【0063】セルロースエステルフイルムには、製造時
のハンドリング性向上のために、片面または両面にマッ
ト剤とポリマーを含有するマット層を設けてもよい。マ
ット剤およびポリマーについては、特開平10−443
27号公報に記載されている素材を好適に用いることが
できる。
【0064】セルロースエステルフイルムは、さらに延
伸処理によりレターデーションを調整することができ
る。延伸倍率は、3乃至100%であることが好まし
い。セルロースエステルフイルムの厚さは、10乃至2
00μmが好ましく、20乃至150μmが更に好まし
く、最も好ましくは30乃至140μmである。複屈折
は、550nmの光で、0.00196乃至0.013
75であることが好ましく、0.00168乃至0.0
06875が更に好ましく、最も好ましくは0.002
75乃至0.00458である。
【0065】[ポリマーフイルムの表面処理]ポリマー
フイルムには、表面処理を施してもよい。具体的方法と
しては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、
酸処理、アルカリ処理、紫外線照射処理を施したり、ウ
レタン系、ポリエステル系などのアンカーコーティング
層を設けたり、シリカなどの無機質薄層などのアンダー
層を設けたりすることができる。フイルムの平面性を保
持する観点から、これら処理においてポリマーフイルム
の温度をTg(ガラス転移温度)以下とすることが好ま
しい。偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜
との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理を実
施することが特に好ましい。
【0066】以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に
説明する。アルカリ鹸化処理は、フイルム表面をアルカ
リ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥
するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液
の例としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム
溶液が挙げられる。アルカリ溶液中の水酸化イオンの規
定濃度は、0.1乃至3.0Nであることが好ましく、
0.5乃至2.0Nであることがさらに好ましい。アル
カリ溶液の温度は、室温乃至90℃の範囲にあることが
好ましく、40乃至70℃の範囲にあることがさらに好
ましい。
【0067】[偏光板]偏光板は、偏光膜およびその両
側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護
膜として、上記のポリマーフイルムを用いることができ
る。他方の保護膜は、通常のセルロースエステルフイル
ムを用いてもよい。また、両側とも通常のセルロースエ
ステルフイルムを用いてもよい。偏光膜には、ヨウ素系
偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系
偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、
一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造す
る。ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸の関係
を適用される液晶表示装置の種類により異なるが、本発
明の反射型液晶表示装置の場合は、実質的に45度とな
るように配置することが好ましい。偏光膜のλ/4板と
は反対側の面には、透明保護膜を設けることが好まし
い。透明保護膜の上には、ハードコート層を設けること
が好ましい。最外層には反射防止層を設けることが好ま
しい。
【0068】[タッチパネル]タッチパネルは、表示素
子に近い側の固定基板と、対向する可動基板とからな
る。固定基板と可動基板の対向面に、それぞれ透明電極
を備えている。固定基板及び可動基板は、表示品質を高
めるため、透明な光学材料で形成されていることが好ま
しい。固定基板と可動基板に用いられる材料としては、
例えば、ガラス、非晶性フイルム、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、セルロースエステルなどのポリマー
フイルムなどが挙げられる。本発明に用いられるセルロ
ースエステルからなるλ/4板は、タッチパネルとは別
に設けても構わないし、固定基板、可動基板のどちら
か、または、両方に用いても構わない。セルロースエス
テルからなるλ/4板は、可動基板として用いることが
特に好ましい。
【0069】二つの透明電極間にはギャップが形成され
る。ギャップ間には通常空気層が存在するが、オプティ
カル・マッチングを取るために透明電極と屈折率の近い
液体を充填させることもできる。また、透明電極膜の基
板側にアンダーコート層、または、基板と反対側にオー
バーコート層を付与し、光反射を低減させることもでき
る。スティッキング性をなくし、打鍵寿命を改善するた
めに、透明電極膜表面は粗面化されていても良い。ギャ
ップ間にはスペーサを設けることができる。スペーサと
しては、ドット状スペーサや、固定基板と可動基板との
周辺部に設けた貼合せ材などが用いられる。
【0070】タッチパネルは、デジタル式、アナログ式
のどちらとしても用いられる。デジタル式では、押圧に
よる透明電極同士の接触と、接触位置に対応してデータ
位置を検出することができる。アナログ式では、例え
ば、固定基板のX軸方向の両端部、および、可動基板の
Y軸方向の両端部に電極を形成し、押圧により透明電極
同士が接触し、接触位置により生じるX方向、Y方向の
抵抗値を検出することによって、データ入力位置を検出
することができる。
【0071】本発明においては、タッチパネルは表示素
子と共に用いられることが好ましい。タッチパネル部が
表示部とは別々になっていても構わないし、両者が一体
となっていても構わない。タッチパネルを偏光板ととも
に用いた場合、偏光板がタッチパネルと表示素子との間
にあっても構わないし、偏光板がタッチパネルの外側
(観察者側)に設けられたインナータイプであっても構
わない。本発明では、外光の反射が低減でき防眩性に優
れるために、インナータイプとして用いる方が好まし
い。
【0072】[透明導電膜]タッチパネルとして用いる
透明導電膜としては、表面抵抗率は、104 Ω/□以下
であることが好ましく、1000Ω/□以下であること
がさらに好ましい。本発明に用いられるセルロースエス
テルからなるλ/4板の少なくとも一方の面に透明導電
膜を設け、インナータイプのタッチパネルとして用いる
ことが特に好ましい。
【0073】透明導電膜の表面抵抗率を上記のような値
にするためには、導電性微粒子分散物、金属アルコキシ
ドなどの塗布によって設けても構わないし、フイルム流
延時に共流延することによって設けても構わない。ま
た、スパッタリング、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、CVD法などの真空成膜法によっても、大気圧で
の気相成長法によって透明導電膜を形成しても構わな
い。フイルムの片面に透明導電膜を設けても構わない
し、両面に設けても構わない。また、これらの方法を併
用することも可能である。
【0074】導電性微粒子分散物を塗布する方法として
は、基本的には少なくとも一種以上の金属および/また
は金属酸化物、金属窒化物からなる微粒子を含有する層
からなる。一種以上の金属からなる微粒子としては、
金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウ
ム、プラチナ等の金属あるいはこれらの合金が挙げられ
る。特に銀が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジ
ウムと銀の合金が好ましい。パラジウムの含有量は、5
乃至30質量%であることが好ましく、パラジウムが少
ないと耐候性が悪く、パラジウムが多くなると導電性が
低下する。金属微粒子の作製方法としては、低真空蒸発
法による微粒子の作製方法や金属塩の水溶液を、鉄(I
I)、ヒドラジン、ボロンハイドライド、ヒドロキシエ
チルアミン等のアミン等の還元剤で還元する金属コロイ
ド作製方法が挙げられる。
【0075】金属酸化物としてはIn2 3 系(Snな
どドープ品含む)、SnO2 系(F、Sbなどドープ品
含む)、ZnO系(Al、Gaなどのドープ品含む)、
TiO2 、Al2 3 、SiO2 、MgO、BaO、M
oO3 、V2 5 、またはこれらの複合品などが挙げら
れる。金属窒化物としてはTiNなどが挙げられる。
【0076】これら導電性微粒子の平均粒径は、1.0
〜700nmであることが好ましく、2.0〜300n
mであることが更に好ましく、5.0〜100nmであ
ることが最も好ましい。粒径が大きすぎると、導電性微
粒子による光の吸収が大きくなり、このために粒子層の
光透過率が低下すると同時にヘイズが大きくなり、ま
た、これら導電性微粒子の平均粒径が1nm未満の場合
には微粒子の分散が困難になること、微粒子層の表面抵
抗が急激に大きくなるため、本発明の目的を達成しうる
程度の低抵抗値を有する被膜を得ることができない。
【0077】導電性微粒子層の形成は、導電性微粒子を
水を主体とする溶液あるいは有機溶剤等に分散した塗料
を塗布して作製することができる。塗布する前に、表面
処理や下塗りを施すことができる。表面処理としては、
例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理
(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処
理などが挙げられる。下塗り層の素材としては塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸
エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテック
ス、ゼラチン等の水溶性ポリマーなどが挙げられるが特
に限定はされない。導電性微粒子の分散安定化のために
は水を主体とする溶液が好ましく、水と混合できる溶剤
としてはエチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチルセ
ルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコールが好まし
い。導電性微粒子の塗布量としては、10乃至1000
mg/m2 が好ましく、20乃至500mg/m2 がさ
らに好ましく、50〜150mg/m2 が最も好まし
い。塗布量が少ないと導電性が取れず、塗布量が多いと
透過性が劣る。
【0078】透明導電層はバインダーを含有していて
も、バインダーを含有せず、実質的に導電性微粒子のみ
から形成されていてもどちらでも構わない。バインダー
を用いる場合、素材は特に限定されないが、親水性バイ
ンダー、疎水性バインダー、あるいは、ラテックスを用
いることができる。親水性バインダーとしては、ゼラチ
ン、ゼラチン誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、
無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。疎
水性バインダーの例としては、セルロースエステル(例
えば、ニトロセルロース、ジアセチルセルロース、トリ
アセチルセルロース、メチルセルロース)、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレートなどを含むビ
ニル系ポリマー、ポリアミド、ポリエステルなどのポリ
マーが挙げられる。
【0079】透明導電性層の導電性や透過性の向上のた
め、熱処理や水処理することができる。熱処理は、ポリ
マーフイルムの耐熱性によるが、150℃以下が好まし
い。100℃から150℃が好ましい。150℃以上で
はポリマーフイルムの熱による変形が起こりやすく、1
00℃以下では熱処理の効果が出難く、長時間の処理時
間が必要になってしまう。
【0080】熱処理の方法は、ウェッブ状態で加熱ゾー
ンを通しながら処理することが均一な処理ができて好ま
しい。加熱ゾーンの長さと搬送速度で滞在時間を調節す
ることができる。またロール状のフイルムを恒温槽中で
加熱することも可能であるが、熱伝導のバラツキを考慮
した時間設定が必要になる。
【0081】また、熱処理に先立ち、透明導電性層を水
洗等の水処理をすることで熱処理をさらに効率良くする
ことができる。水洗等の水処理は、通常の塗布方式によ
る水だけの塗布、具体的にはディップコート塗布、ワイ
ヤーバーによる水の塗布等があり、他にはスプレーやシ
ャワーで水を透明導電性層に掛ける方法がある。透明導
電性層に水をかけた後、過剰の水は必要に応じて、ワイ
ヤーバー、ロッドバーで掻き取ったり、エアーナイフで
掻き取ることができる。
【0082】これらの水処理により、熱処理後の透明導
電性層の表面抵抗をさらに低下させることができ、加え
て透過率の増加、透過スペクトルの平坦化、反射防止層
を積層した後の反射率の低下に対する効果が顕著にな
る。
【0083】真空成膜法にとしては、「透明導電膜の新
展開」シーエムシー、澤田豊監修「月刊ディスプレイ」
1999年9月号に記載の方法を用いることができる。
成膜する金属酸化物としては、In2 3 系(Snなど
ドープ品、ITO含む)、SnO2 系(F、Sbなどド
ープ品含む)、ZnO系(Al、Gaなどのドープ品含
む)またはこれらの複合品In2 3 −ZnO系などが
挙げられる。金属窒化物としてはTiNなどが挙げられ
る。また、銀などと共に成膜しても良い。
【0084】スパッタなどでポリマーフイルム上に成膜
する際にはその表面をフッ素系樹脂、アクリル系樹脂、
シリコン系樹脂、プロピレン系樹脂、ビニル系樹脂など
の高分子や、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2
などの無機物でコートすることが好ましい。コートする
膜厚としては、2nm以上100μm以下が好ましく、
さらに好ましくは2nm以上50μm以下であり、特に
好ましくは2nm以上10μm以下である。スパッタ法
により酸化インジウムを主として含む膜を成膜する方法
としては、インジウムを主成分とする金属ターゲット、
または酸化インジウムを主成分とする焼結体であるター
ゲットを用いた反応性スパッタリングを行うことができ
る。反応の制御上、後者が好ましい。反応性スパッタリ
ング法においてはスパッタリングガスとしては、アルゴ
ンなどの不活性ガスを用い、反応性ガスとしては酸素を
用いる。放電形式としてはDCマグネトロンスパッタ、
RFマグネトロンスパッタなどが利用できる。また、酸
素の流量を制御する方法としてはプラズマエミッション
モニター法で行うことが好ましい。
【0085】透明導電層を付与したポリマーフイルムの
光の透過率は、50%以上であることが好ましく、60
%以上であることがさらに好ましく、70%以上である
ことが特に好ましく、80%以上であることが最も好ま
しい。
【0086】透明導電層の厚みは、ITOを用いた場合
を例にとると、例えば10〜100nm、特に15〜7
0nmとすることが多い。透明導電層は、全面を電極と
したり、全面電極形成後にレジスト形成およびエッチン
グを行なってパターン電極としたりし、透明導電膜が設
けられたフイルム状のシートを得る。
【0087】タッチパネルを作製するときは、典型的な
例として、上記シートと相手方の透明導電性シート(ガ
ラスを含む)とを、それら二枚のシートの透明導電層側
を対向させると共に、両シート間に、例えば、0.02
〜1.0mm程度の厚みのドット・スペーサーを介在さ
せればよい。相手方の透明導電性シートとしては、ポリ
マーフイルムをであってもよく、他の適当な透明導電性
シートであってもよく、導電層付きのガラスであっても
よい。すなわち本発明においては、対向する二枚の透明
導電性シートのうち少なくとも一方の透明導電性シート
として、上記の透明導電性シートを用いる。このように
して得たタッチパネルは、液晶表示素子の入射光側の偏
光板の下に設置され、インナータイプとして使用でき
る。
【0088】[反射型液晶表示装置]本発明のタッチパ
ネルは、様々な表示装置と組合せて用いることができ
る。例えば、カソードレイチューブ(CRT)、プラズ
マディスプレイ(PDP)、フィールド・エミッション
・ディスプレイ(FED)、無機ELデバイス、有機E
Lデバイス、液晶表示装置などである。本発明の位相差
板、円偏光板を用いることで、これらの表示装置の外光
の反射を低減することができる。この表示装置の中で
は、液晶表示装置と組合せて用いるのが好ましく、特に
反射型液晶表示装置に用いるのが好ましい。
【0089】図1は、反射型液晶表示装置の基本的な構
成を示す模式図である。図1に示す反射型液晶表示装置
は、下から順に、下基板(1)、反射電極(2)、下配
向膜(3)、液晶層(4)、上配向膜(5)、透明電極
(6)、上基板(7)、λ/4板(8)、そして偏光膜
(9)からなる。下基板(1)と反射電極(2)が反射
板を構成する。下配向膜(3)〜上配向膜(5)が液晶
セルを構成する。λ/4板(8)は、反射板と偏光板
(9)との間の任意の位置に配置することができる。カ
ラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を設け
る。カラーフィルター層は、反射電極(2)と下配向膜
(3)との間、または上配向膜(5)と透明電極(6)
との間に設けることが好ましい。図1に示す反射電極
(2)の代わりに透明電極を用いて、別に反射板を取り
付けてもよい。透明電極と組み合わせて用いる反射板と
しては、金属板が好ましい。反射板の表面が平滑である
と、正反射成分のみが反射されて視野角が狭くなる場合
がある。そのため、反射板の表面に凹凸構造(特許27
5620号公報記載)を導入することが好ましい。反射
板の表面が平坦である場合は(表面に凹凸構造を導入す
る代わりに)、偏光膜の片側(セル側あるいは外側)に
光拡散フイルムを取り付けてもよい。
【0090】図2は、反射型液晶表示装置の基本的な構
成を示す模式図である。図2に示すインナー型タッチパ
ネルを用いた反射型液晶表示装置は、下から順に、下基
板(1)、反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層
(4)、上配向膜(5)、透明電極(6)、上基板
(7)、透明導電膜(10)、透明導電膜(11)、λ
/4板(8)、そして偏光板(9)からなる。透明導電
膜(10)と透明導電膜(11)の間にはギャップが形
成され、タッチパネルとして機能する。なお、本構成で
は、上基板(7)が透明導電膜が形成されたタッチパネ
ル用の固定基板を兼用している。図3は、反射型液晶表
示装置の別の基本的な構成を示す模式図である。図3に
示すインナー型タッチパネルを用いた反射型液晶表示装
置は、下から順に下基板(1)、反射電極(2)、下配
向膜(3)、液晶層(4)、上配向膜(5)、透明電極
(6)、上基板(7)、固定基板(12)、透明導電膜
(10)、透明導電膜(11)、λ/4板(8)、そし
て偏光板(9)からなる。
【0091】用いられる液晶モードは特に限定されない
が、TN(twisted nematic )型、STN(Supper Twi
sted Nematic)型、HAN(Hybrid Aligned Nematic)
型、または、GH(Guest Host)型であることが好まし
い。TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100゜
であることが好ましく、50乃至90゜であることがさ
らに好ましく、60乃至80゜であることが最も好まし
い。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み
(d)との積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μm
であることが好ましく、0.2乃至0.4μmであるこ
とがさらに好ましい。
【0092】STN型液晶セルのツイスト角は、180
乃至360゜であることが好ましく、220乃至270
゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性
(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値
は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.
5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。
【0093】HAN型液晶セルは、片方の基板上では液
晶が実質的に垂直に配向しており、他方の基板上のプレ
チルト角が0乃至45゜であることが好ましい。液晶層
の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積
(Δnd)の値は、0.1乃至1.0μmであることが
好ましく、0.3乃至0.8μmであることがさらに好
ましい。液晶を垂直配向させる側の基板は、反射板側の
基板であってもよいし、透明電極側の基板であってもよ
い。
【0094】GH型液晶セルは、液晶層が液晶と二色性
色素との混合物からなる。液晶、二色性色素ともに棒状
の化合物の場合、液晶のディレクタと二色性色素の長軸
方向が平行となる。電圧の印加によって液晶の配向状態
が変化すると、二色性色素も液晶と同様に長軸方向が変
化する。GH型液晶セルには、Heilmeir型や、
コレステリック液晶を用いたWhite−Taylor
型、二層型、λ/4板を用いた方式などが知られている
が、本発明においては、λ/4板を用いた方式を用いる
のが好ましい。λ/4板を備えたゲストホスト反射型液
晶表示素子については、特開平6−222350号、同
8−36174号、同10−268300号、同10−
292175号、同10−293301号、同10−3
11976号、同10−319442号、同10−32
5953号、同10−333138号、同11−384
10号の各公報に記載がある。λ/4板は、液晶層と反
射板との間に設けられる。液晶層は水平配向、垂直配向
のどちらを用いても構わないが、垂直配向を用いるのが
好ましい。液晶の誘電率異方性は負であることが好まし
い。
【0095】偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料
を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ
素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルア
ルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸
は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。反射
型液晶表示装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時
に暗表示であるノーマリーホワイトモードでも、印加電
圧が低い時に暗表示、高い時に明表示であるノーマリー
ブラックモードでも用いることができる。ノーマリーホ
ワイトモードの方が好ましい。
【0096】
【実施例】[実施例1] (λ/4板の作製)室温において、平均酢化度59.5
%のセルロースエステル100質量部、トリフェニルホ
スフェート7.8質量部、ビフェニルジフェニルホスフ
ェート3.9質量部、下記のレターデーション上昇剤
1.32質量部、メチレンクロリド587.69質量
部、およびメタノール50.85質量部を混合して、溶
液(ドープ)を調製した。
【0097】
【化11】
【0098】得られたドープを、製膜バンド上に流延
し、室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。
乾燥後のフイルムの溶剤残留量は、30質量%であっ
た。セルロースエステルフイルムをバンドから剥離し、
120℃で10分間乾燥した後、130℃で流延方向と
は平行な方向に、実倍で1.34倍に延伸した。延伸方
向と垂直な方向は、自由に収縮できるようにした。延伸
後、120℃で30分間乾燥した後、延伸フイルムを取
り出した。延伸後の溶剤残留量は、0.1質量%であっ
た。得られたポリマーフイルムフイルム(PF−1)の
厚さは、113μmであり、エリプソメーター(M−1
50、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、
550nmおよび590nmにおけるレターデーション
値(Re)を測定したところ、それぞれ、125.2n
m、137.8nmおよび141.1nmであった。従
って、このセルロースエステルフイルムは、広い波長領
域でλ/4を達成していた。さらに、アッベ屈折率計に
よる屈折率測定と、レターデーションの角度依存性の測
定から、波長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈
折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよ
び厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(n
x−ny)の値を計算したところ、1.48であった。
【0099】(λ/4板への透明導電膜形成)上記フイ
ルムを巻取り型のスパッタリング装置にセットして、真
空槽を1.2mPaの圧力まで排気した後、Ar+O2
混合ガス(O2 =1.5%)を導入し、圧力を0.25
Paに調整した後、基板温度を25℃、投入電力密度1
W/cm2 にて、DCスパッタリングを行ない、厚み4
2nmのIn2 3 系の透明導電膜を形成した。このよ
うにして得られたフイルムの透明導電膜側の表面抵抗率
を、4端子法にて測定した結果、206Ω/□であり、
光の透過率は88%であった。得られた透明導電膜付き
フイルムについてエリプソメータ(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm、
および590nmにおけるレターデーション値(Re)
を測定したところ、それぞれ、125.2nm、13
7.8nm、141.1nmであった。したがって、こ
のセルロースエステルフイルムは広い波長領域でλ/4
を達成していた。さらに、アッベ屈折率計による屈折率
測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波
長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、
面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向
の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(nx−ny)
の値を計算したところ、1.48であった。
【0100】(タッチパネルの作製)片面の表面抵抗率
が800Ω/□の透明導電膜(ITO)が付いた0.7
mmの厚みのガラス板を用意し、表面に1mmピッチの
ドットスペーサと両端部に銀電極を印刷した。また、得
られた透明導電膜付きλ/4板の両端に銀電極を印刷
し、それぞれ、上記透明導電ガラス板と、透明導電膜同
士が対向するように接着し、同時にフレキシブル電極を
取り付けた。この際、両基板の周囲に100μm厚の絶
縁性貼り合せ剤を挟んだ。このようにして作製したタッ
チパネルのλ/4板の側に、AR処理された偏光板を貼
り付けた。λ/4の延伸方向(遅相軸方向と平行)と偏
光板の透過軸方向とのなす角は45°とした。このよう
にして透明導電膜付きλ/4板を用いたタッチパネルを
作製した。
【0101】(タッチパネル付き反射型液晶表示装置の
作製)TN型液晶セルを使用した、タッチパネル付き反
射型液晶表示装置(パワーザウルスMI−C1、シャー
プ(株)製)に設けられているタッチパネル部を取り外
し、偏光板と位相差板を剥がし、上記で作製したタッチ
パネルを取り付けた。作製した液晶表示装置について、
測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い
て、コントラスト比を測定したところ、正面で10:1
であった。また、上下左右でコントラスト比2:1が得
られる視野角を測定したところ、上下、左右ともに12
0゜以上であった。作製した液晶表示装置は白表示にお
いても黒表示においても色味がなくニュートラルグレー
が表示されていることが確認できた。また、表面反射率
は9.5%であり、外光の映り込みが少ないため視認性
に優れていた。タッチパネルとしての入力性能は良好で
あった。
【0102】[実施例2] (λ/4板の作製)室温において、セルローストリアセ
テート(置換度2.82、粘度平均重合度320、含水
率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の
粘度:305mPa・s、平均粒子径1.5mmであっ
て標準偏差0.5mmである粉体)20質量部、酢酸メ
チル58質量部、アセトン5質量部、メタノール5質量
部、エタノール5質量部、ブタノール5質量部、ジトリ
メチロールプロパンテトラアセテート(可塑剤)1.2
質量部、トリフェニルフォスフェート(可塑剤)1.2
質量部、実施例1で使用したレターデーション上昇剤
(41-trans)1.00質量部、C1225OCH2 CH
2 O−P(=O)−(OK)2 (剥離剤)0.02質量
部、クエン酸(剥離剤)0.02質量部、微粒子(シリ
カ(粒径20nm)、モース硬度:約7)0.05質量
部を混合して溶液を調整した。
【0103】なお、ここで使用したセルローストリアセ
テートは、残存酢酸量が0.01質量%以下であり、C
aが0.05質量%、Mgは0.007質量%であり、
さらにFeは5ppmであった。また6位アセチル基は
0.95であり全アセチル中の32.2%であった。ま
た、アセトン抽出分は11質量%、重量平均分子量と数
平均分子量の比は0.5であり、分布の均一なものであ
った。また、イエローネスインデックスは0.3であ
り、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、T
gは160℃、結晶化発熱量は6.2J/gであった。
【0104】得られたポリマーフイルムフイルム(PF
−1)の厚さは、121.7μmであり、エリプソメー
ター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長
450nm、550nmおよび590nmにおけるレタ
ーデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、
126.2nm、138.8nmおよび142.1nm
であった。従って、このセルロースエステルフイルム
は、広い波長領域でλ/4を達成していた。さらに、ア
ッベ屈折率計による屈折率測定と、レターデーションの
角度依存性の測定から、波長550nmにおける面内の
遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の
屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx
−nz)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.
50であった。
【0105】(λ/4板への透明導電膜形成)実施例1
と同様に、上記λ/4板上にスパッタを行ない、厚み5
0nmのIn 2 3 系の透明導電膜を形成した。このよ
うにして得られたフイルムの透明導電膜側の表面抵抗率
を、4端子法にて測定した結果、226Ω/□であり、
光の透過率は87%であった。得られた透明導電膜付き
フイルムについてエリプソメータ(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm、
および590nmにおけるレターデーション値(Re)
を測定したところ、それぞれ、126.2nm、13
8.8nm、142.1nmであった。したがって、こ
のセルロースエステルフイルムは広い波長領域でλ/4
を達成していた。さらに、アッベ屈折率計による屈折率
測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波
長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、
面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向
の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(nx−ny)
の値を計算したところ、1.50であった。
【0106】(タッチパネルの作製)片面の表面抵抗率
が800Ω/□の透明導電膜(ITO)が付いた0.7
mmの厚みのガラス板を用意し、表面に1mmピッチの
ドットスペーサと両端部に銀電極を印刷した。また、得
られた透明導電膜付きλ/4板の両端に銀電極を印刷
し、それぞれ、上記透明導電ガラス板と、透明導電膜同
士が対向するように接着し、同時にフレキシブル電極を
取り付けた。この際、両基板の周囲に100μm厚の絶
縁性貼り合せ剤を挟んだ。このようにして作製したタッ
チパネルのλ/4板の側に、AR処理された偏光板を貼
り付けた。λ/4板の延伸方向(遅相軸方向と平行)と
偏光板の透過軸方向とのなす角は45°とした。このよ
うにして透明導電膜付きλ/4板を用いたタッチパネル
を作製した。
【0107】(タッチパネル付き反射型液晶表示装置の
作製)TN型液晶セルを使用した、タッチパネル付き反
射型液晶表示装置(パワーザウルスMI−C1、シャー
プ(株)製)に設けられているタッチパネル部を取り外
し、偏光板と位相差板を剥がし、上記で作製したタッチ
パネルを取り付けた。作製した液晶表示装置について、
測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い
て、コントラスト比を測定したところ、正面で10:1
であった。また、上下左右でコントラスト比2:1が得
られる視野角を測定したところ、上下、左右ともに12
0゜以上であった。作製した液晶表示装置は白表示にお
いても黒表示においても色味がなくニュートラルグレー
が表示されていることが確認できた。また、表面反射率
は9.1%であり外光の映り込みが少ないため視認性に
優れていた。タッチパネルとしての入力性能は良好であ
った。
【0108】[実施例3] (λ/4板の作製)実施例1と同様にしてλ/4板を作
製し、以下のようにして透明導電膜を塗設した。
【0109】(透明導電膜の塗設) 1)銀パラジウムコロイド分散液の調整 30%硫酸鉄(II)FeSO4 ・7H2 O、40%のク
エン酸を調整、混合し、20℃に保持、攪拌しながらこ
れに10%の硝酸銀と硝酸パラジウム(モル比9/1に
混合したもの)溶液を200ml/minの速度で添加
混合し、その後生成した遠心分離により水洗を繰り返
し、最終的に3質量%になるように純水を加え、銀パラ
ジウムコロイド分散液を調整した。得られた銀コロイド
粒子の粒径は、TEM観察の結果、粒径は約9〜12n
mであった。ICPによる測定の結果、銀とパラジウム
の比は9/1の仕込み比と同一であった。
【0110】2)銀コロイド塗布液の調整 前記銀コロイド分散液100gにi−プロピルアルコー
ルを加え、超音波分散し孔径1μmのポリプロピレン製
フィルターで濾過して塗布液を調整した。3)オーバー
コート用塗布液L−1の調整ジペンタエリスリトールペ
ンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2g
と光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社
製)80mgおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、
日本化薬(株)製)30mgをメチルイソプロピルケト
ン38g、2−ブタノール38g、メタノール19gの
混合液に加えて溶解した。混合物を30分間撹拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
てオーバーコート用塗布液を調製した
【0111】4)透明導電性積層の形成 λ/4板にコロナ処理を施した後、上記銀コロイド塗布
液をワイヤーバーで塗布量が70mg/m2 になるよう
に塗布し、40℃で乾燥した。この銀コロイド塗布面
に、ポンプで送液した水をスプレーでかけ、エアーナイ
フで過剰の水を除去した後、120℃の加熱ゾーンで搬
送しながら、5分の処理を行った。次いで、オーバーコ
ート用塗布液L−1を膜厚80nmになるように塗布、
乾燥し、120℃で2時間熱処理した後、紫外線を照射
し、塗布膜を硬化させた。
【0112】このようにして得られたフイルムの透明導
電膜側の表面抵抗率を、4端子法にて測定した結果、2
00Ω/□であり、光の透過率は、71%であった。
【0113】(タッチパネルの作製)片面の表面抵抗率
が5Ω/□、もう片面の表面抵抗率が400Ω/□の透
明導電膜(ITO)が付いた0.7mm厚みのガラス板
を用意した。表面抵抗率5Ω/□の面にポリイミド配向
膜(SE−7992、日産化学(株)製)を形成し、ラ
ビング処理を行った。もう一方の面(表面抵抗率400
Ω/□)には、1mmピッチのドットスペーサと両端部
に銀電極を印刷した。得られた透明導電膜付きλ/4板
の両端に銀電極を印刷し、それぞれ、上記透明導電ガラ
ス板と、透明導電膜同士が対向するように接着した。こ
の際、両基板の周囲に100μm厚の絶縁性貼り合せ剤
を挟んだ。このようにして作製したタッチパネルのλ/
4板の側に、AR処理された偏光板を貼り付けた。λ/
4板の延伸方向(遅相軸方向と平行)と偏光板の透過軸
方向とのなす角は45°とした。このようにしてタッチ
パネルを作製した。
【0114】(反射型液晶表示装置の作製)微細な凹凸
が形成されたアルミニウム反射電極を設けたガラス基板
を用意した。このガラス基板の電極側に、ポリイミド配
向膜(SE−7992、日産化学(株)製)を形成し、
ラビング処理を行った。3.4μmのスペーサーを介し
て、上記タッチパネルと、反射電極を設けたガラス基板
を、配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜の
ラビング方向は、110゜の角度で交差するように、基
板の向きを調節した。基板の間隙に、液晶(MLC−6
252、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。こ
のようにして、ツイスト角が70゜、Δndの値が26
9nmのTN型液晶セルを作製した。このようにして、
タッチパネルを用いた反射型液晶表示装置を作製した。
作製した反射型液晶表示装置に1kHzの矩形波電圧を
印加した。白表示1.5V、黒表示4.5Vとして目視
で評価を行ったところ、白表示においても、黒表示にお
いても、反射型液晶表示装置は、色味がなく、ニュート
ラルグレイが表示されていることが確認できた。次に、
測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用
いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面
からのコントラスト比が25であり、コントラスト比2
となる視野角は、上下120゜以上、左右120゜以上
であった。作製したタッチパネルが良好に動作すること
を確認した。また、表面反射率は8.9%であり外光の
映り込みが少ないため視認性に優れていた。
【0115】[比較例1] (λ/4板の作製)室温において、平均酢化度59.7
%のセルロースアセテート120質量部、下記レタ−デ
−ション上昇剤1.2質量部、トリフェニレンホスフェ
ート9.36質量部、ビフェニルジフェニルホスフェー
ト4.68質量部、トリベンジルアミン2.0質量部、
メチレンクロリド538.2質量部、メタノール46.
8質量部を混合して溶液(ドープ)を調整した。
【0116】
【化12】
【0117】得られたドープを、ステンレス製バンド上
に流延し、自己支持性を持つまでフイルムを乾燥した後
バンドから剥ぎ取った。その時の残留揮発分は30質量
%であった。その後、フイルムを120℃で15分乾燥
し、残留揮発分を2質量%以下にした後、130℃で流
延方向と平行な方向に延伸した。延伸方向と垂直な方向
は、自由に収縮できるようにした。延伸後、そのままの
状態で120℃で30分間乾燥した後、延伸フイルムを
取り出した。延伸後の溶剤残留量は0.1質量%であっ
た。このようにして得られたフイルムの厚さは112μ
mであった。
【0118】得られたセルロースアセテートフイルム
(λ/4板)について、エリプソメーター(M−15
0、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、5
50nm、および590nmにおけるレターデーション
値(Re)を測定したところ、それぞれ、71.3n
m、78.1nm、80.0nmであった。さらに、アッ
ベ屈折率計による屈折率測定と、レターデーションの角
度依存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅
相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈
折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−
nz)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.5
0であった。
【0119】(λ/4板への透明導電膜形成)実施例1
と同様に、上記λ/4板ム上にスパッタを行ない、厚み
40nmのIn2 3 系の透明導電膜を形成した。この
ようにして得られたフイルムの透明導電膜側の表面抵抗
率を、4端子法にて測定した結果、204Ω/□であ
り、光の透過率は85%であった。
【0120】(タッチパネルの作製)片面の表面抵抗率
が800Ω/□の透明導電膜(ITO)が付いた0.7
mmの厚みのガラス板を用意し、表面に1mmピッチの
ドットスペーサと両端部に銀電極を印刷した。また、得
られた透明導電膜付きλ/4板の両端に銀電極を印刷
し、それぞれ、上記透明導電ガラス板と、透明導電膜同
士が対向するように接着し、同時にフレキシブル電極を
取り付けた。この際、両基板の周囲に100μm厚の絶
縁性貼り合せ剤を挟んだ。このようにして作製したタッ
チパネルのλ/4板の側に、AR処理された偏光板を貼
り付けた。λ/4板の延伸方向(遅相軸方向と平行)と
偏光板の透過軸方向とのなす角は45°とした。このよ
うにして透明導電膜付きλ/4板を用いたタッチパネル
を作製した。
【0121】(タッチパネル付き反射型液晶表示装置の
作製)TN型液晶セルを使用した、タッチパネル付き反
射型液晶表示装置(パワーザウルスMI−C1、シャー
プ(株)製)に設けられているタッチパネル部を取り外
し、偏光板と位相差板を剥がし、上記で作製したタッチ
パネルを取り付けた。作製した液晶表示装置について、
測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い
て、コントラスト比を測定したところ、正面で5:1で
あった。また、上下左右でコントラスト比2:1が得ら
れる視野角を測定したところ、上下、左右ともに60゜
程度であった。白表示は青味があり、黒表示は赤味があ
りニュートラルグレーではなかった。また、タッチパネ
ルとしては良好に動作しているものの、表面反射率が1
9.1%と大きく外光の映り込みがあり視認性は実施例
よりも悪かった。
【0122】以上の実施例から明らかなように、本発明
のタッチパネルは良好に動作することがわかった。ま
た、本発明のタッチパネルを用いることで、反射型液晶
表示装置のコントラストや色味などの表示品位が改善さ
れ、視認性が改善されることがわかった。
【0123】
【発明の効果】可視光域の全体にわたりλ/4を実現し
た一枚のポリマーフイルムを用いて、タッチパネルを通
して表示される画像(例えば、反射型液晶表示装置の表
示画像)の表示品位(例、コントラスト、色味)を改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式
図である。
【図2】タッチパネルを用いた反射型液晶表示装置の基
本的な構成を示す模式図である。
【図3】タッチパネルを用いた反射型液晶表示装置の別
の基本的な構成を示す模式図である
【符号の説明】
1 下基板 2 反射電極 3 下配向膜 4 液晶層 5 上配向膜 6 透明電極 7 上基板 8 λ/4板 9 偏光膜 10 透明導電膜 11 透明導電膜 12 固定基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 HA18 HA24 JA04 PA01 RA05 RA06 RA10 SA04 TA01 TA02 TA06 TA08 TA14 TA15 4F100 AA33C AA33E AB24D AG00E AH02B AJ06B AK01B AR00A AR00C AR00E BA05 BA07 BA10A BA32D DC11D EH66C EH66E EJ37B GB41 HB35D JA20B JG01C JG01D JG01E JG04C JN01E JN10A JN18B JN30 JN30B YY00B YY00C 5B068 AA01 AA22 AA33 BC07 5B087 AA09 AB04 CC14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に透明導電膜が設けられ
    た2枚の透明導電性基板が、透明導電膜同士が対向する
    ように配置され、少なくとも一方の透明導電性基板がλ
    /4板であるか、あるいは少なくとも一方の透明導電性
    基板の表面にλ/4板が積層されているタッチパネルで
    あって、λ/4板が、波長450nmで測定したレター
    デーション値(Re450)が60乃至135nmであ
    り、かつ波長590nmで測定したレターデーション値
    (Re590)が100乃至170nmであり、Re5
    90−Re450≧2nmの関係を満足し、さらに溶液
    の紫外線吸収スペクトルの吸収極大を与える波長(λma
    x)が250nmより短波長である棒状化合物を含む一枚
    のポリマーフイルムからなることを特徴とするタッチパ
    ネル。
  2. 【請求項2】 ポリマーフイルムが、セルロースエステ
    ルからなる請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 【請求項3】 セルロースエステルが、酢化度が55.
    0乃至62.5%のセルロースアセテートである請求項
    2に記載のタッチパネル。
  4. 【請求項4】 ポリマーフイルムが、3乃至100%の
    延伸倍率で延伸されている請求項1に記載のタッチパネ
    ル。
  5. 【請求項5】 ポリマーフイルムが、面内の遅相軸方向
    の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率ny
    および厚み方向の屈折率nzが、1≦(nx−nz)/
    (nx−ny)≦2の関係を満足する請求項1に記載の
    タッチパネル。
  6. 【請求項6】 棒状化合物が、直線的な分子構造を有す
    る請求項1に記載の位相差板。
  7. 【請求項7】 ポリマーフイルムが100質量部当た
    り、棒状化合物を0.01乃至20質量部含む請求項1
    に記載のタッチパネル。
  8. 【請求項8】 透明導電膜の表面抵抗率が、104 Ω/
    □以下である請求項1に記載のタッチパネル。
  9. 【請求項9】 ポリマーフイルムにさらに偏光膜が積層
    されており、ポリマーフイルムの面内の遅相軸と偏光膜
    の偏光軸との角度が実質的に45゜になるように配置さ
    れている請求項1に記載のタッチパネル。
  10. 【請求項10】 タッチパネルおよび反射型液晶セルを
    備えた反射型液晶表示装置であって、タッチパネルが、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載のタッチパネルで
    あることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 タッチパネルと反射型液晶セルとが一
    枚の基板を共有しており、共有する基板の両面に透明電
    極層が設けられている請求項10に記載の反射型液晶表
    示装置。
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