JP2003056867A - 水和物スラリを用いた冷熱利用システム - Google Patents

水和物スラリを用いた冷熱利用システム

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JP2003056867A JP2001249447A JP2001249447A JP2003056867A JP 2003056867 A JP2003056867 A JP 2003056867A JP 2001249447 A JP2001249447 A JP 2001249447A JP 2001249447 A JP2001249447 A JP 2001249447A JP 2003056867 A JP2003056867 A JP 2003056867A
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2315/00Sorption refrigeration cycles or details thereof
    • F25B2315/003Hydrates for sorption cycles

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  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水和物スラリ貯槽から水和物スラリを効率よ
く取り出して負荷へ輸送できる冷熱利用システムを提供
する。 【解決手段】 水和物スラリ貯槽(1)と、水和物スラ
リ(2)の冷熱を利用する負荷の空調機(6)と、水和
物スラリ貯槽(1)から水和物スラリ(2)を払い出し
て空調機(6)へ輸送するスラリポンプ(4)と、これ
らを接続する配管とを具備した冷熱利用システムにおい
て、水和物スラリ貯槽(1)の水和物スラリの払い出し
口の配管の内口径が、スラリポンプ(4)の吐出し口の
配管の内口径の1.3倍以上である冷熱利用システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水和物スラリ貯槽
から水和物スラリを効率よく取り出して負荷へ輸送でき
る冷熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲスト化合物(テトラn−ブチルアンモ
ニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テト
ラiso−ブチルホスホニウム塩、トリiso−アミル
スルホニウム塩などの各種塩類)を含む水溶液を冷却す
ると、水和物(液系包接水和物)が生成される。この水
和物は0℃以上の温度で生成でき、しかも潜熱が大きく
冷水に比較して数倍の熱量の冷熱を貯蔵することができ
る。また、この水和物は微細な粒子となって水溶液中に
浮遊して比較的流動性の高い水和物スラリを形成する。
このため、このような水和物スラリは、空調設備などの
蓄冷材または冷熱の搬送媒体として好ましい特性を有し
ている。
【0003】上記のような水和物スラリの冷熱を利用す
る従来の冷熱利用システム、例えば空調システムでは以
下のようにして運転が行われる。水和物スラリ貯槽に例
えばテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド(TBA
B)を含む水溶液を入れてスラリ製造運転を開始する。
水和物スラリ貯槽内の水溶液は水溶液ポンプによりスラ
リ製造用の熱交換器へ送られて冷却され、水和物スラリ
が製造される。この水和物スラリは水和物スラリ貯槽に
貯蔵される。そして、負荷運転時に、水和物スラリ貯槽
内の水和物スラリはスラリポンプにより負荷側の空調機
に送られてその冷熱が利用されて水溶液となり、水溶液
は水和物スラリ貯槽へ戻される。
【0004】従来、水和物スラリ貯槽から水和物スラリ
を払い出すスラリポンプまでの配管としては、スラリポ
ンプの吸い込み内口径に合った内口径を有する配管が用
いられてきた。
【0005】しかし、水和物スラリは粘度が大きく、配
管内での圧力損失が大きくなると水和物スラリ貯槽から
の水和物スラリの取り出しが困難になることがあった。
以下、この点についてより詳細に説明する。
【0006】水和物スラリ貯槽からスラリポンプにより
水和物スラリを払い出す際に、水和物スラリの粘度が大
きいため、水和物スラリ貯槽とスラリポンプとの間の吸
い込み配管内での圧力損失が大きくなり、水和物スラリ
貯槽の払い出し口で水和物スラリを吸い込むのに十分な
吸引圧力を維持できないことがある。このような場合に
は、水和物スラリ中に水溶液の流路(以下、液みちとい
う)が形成され、水和物スラリ貯槽から粘度の大きい水
和物スラリを取り出せず、粘度の小さい水溶液だけを選
択的に取り出すようになる問題が生じる。水和物スラリ
貯槽の払い出し口での水和物スラリの流速が早い場合に
液みちが形成されやすい。
【0007】また、吸い込み配管内の圧力損失が大きく
なると水和物スラリ貯槽から水和物スラリを吸い込むこ
とが困難となるため、スラリポンプの吸い込み口におけ
る圧力を大気圧以下に設定する必要がある。このように
スラリポンプの圧力を大気圧以下にすると、水和物スラ
リ中の溶存空気がスラリポンプ内部あるいは接続する配
管内部で気泡となるキャビテーション現象が発生する。
スラリポンプのローターなどの下流では圧力は大気圧以
上となり気泡は消滅するが、その際、気泡の周囲の水が
ぶつかり合って局所的に著しい高圧を生じ、その機械的
衝撃によってスラリポンプ内面や配管内面が侵食される
問題が生じる。
【0008】このように水和物スラリの粘度が大きいた
め、水和物スラリ貯槽から水和物スラリを取り出す際
に、液みちが形成されたり、キャビテーションが発生す
るなどの問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液み
ちやキャビテーションの生成を抑制して水和物スラリ貯
槽から水和物スラリを効率よく取り出して負荷へ輸送で
きる冷熱利用システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に係
る冷熱利用システムは、水和物スラリ貯槽と、水和物ス
ラリの冷熱を利用する負荷と、水和物スラリ貯槽から水
和物スラリを払い出して負荷へ輸送するスラリポンプ
と、これらを接続する配管とを具備した冷熱利用システ
ムにおいて、前記水和物スラリ貯槽の水和物スラリの払
い出し口の配管の内口径が、前記スラリポンプの吐出し
口の配管の内口径の1.3倍以上であることを特徴とす
る。
【0011】本発明の冷熱利用システムでは、水和物ス
ラリ貯槽の水和物スラリの払い出し口の配管の内口径を
スラリポンプの吐出し口の配管の内口径の1.3倍以上
としたことにより、配管の内断面積が大きくなるので、
配管内の圧力損失を低減して、水和物スラリ貯槽の水和
物スラリの払い出し口における圧力をスラリポンプの吸
い込み下限圧力以上にすることができ、水和物スラリを
安定して負荷へ輸送できる。
【0012】なお、水和物スラリ貯槽の水和物スラリの
払い出し口の配管の内口径が、スラリポンプの吐出し口
の配管の内口径の1.3倍未満の場合には、配管内の圧
力損失を十分に低減させる効果が得られず、負荷への水
和物スラリの安定輸送を実現できない。
【0013】本発明の第2の態様に係る冷熱利用システ
ムは、水和物スラリ貯槽と水和物スラリの冷熱を利用す
る負荷との間を接続する往路配管及び復路配管とからな
る配管系と、往路配管に設置され、水和物スラリ貯槽か
ら水和物スラリを払い出して負荷へ輸送するスラリポン
プと、スラリポンプの吸い込み口側の往路配管と復路配
管とを必要に応じて接続し、復路配管内に存在する水和
物スラリが融解した水溶液を往路配管内に存在する水和
物スラリに注入する水溶液注入枝管とを備え、水和物ス
ラリ貯槽とスラリポンプの間における水和物スラリ貯槽
側の領域の往路配管の内口径がスラリポンプの吐出し口
側の往路配管の内口径よりも大きいことを特徴とする。
【0014】このような構成では、水和物スラリ貯槽か
らスラリポンプにおける水和物スラリ貯槽側の領域の配
管の内口径が大きくなっているので、配管内での圧力損
失を大幅に低減できるととともに、水和物スラリ貯槽の
払い出し口での吸い込み圧力を適正にでき、液みちやキ
ャビテーションの生成を抑制できる。
【0015】また、水溶液注入枝管を設けて水和物スラ
リ貯槽からスラリポンプへ到る往路配管に負荷からの水
和物スラリが融解した水溶液の一部を注入するようにす
ると、水和物スラリの粘度が小さくなり、水溶液が戻さ
れる水溶液注入枝管との接続部分より下流の配管内の圧
力損失を低減できる。
【0016】本発明の第3の態様に係る冷熱利用システ
ムは、水和物スラリが融解した水溶液を冷却して、水和
物スラリを生成する冷凍機と、冷凍機により製造された
水和物スラリを貯蔵する水和物スラリ貯槽と、水和物ス
ラリ貯槽と水和物スラリの冷熱を利用する負荷との間を
接続する往路配管及び復路配管とからなる配管系と、往
路配管に設置され、水和物スラリ貯槽から水和物スラリ
を払い出して負荷へ輸送するスラリポンプと、往路配管
と復路配管とを必要に応じて接続し、復路配管内に存在
する水和物スラリが融解した水溶液を往路配管内に存在
する水和物スラリに注入する水溶液注入枝管と、スラリ
ポンプの吐出し口側の往路配管と復路配管とを必要に応
じて接続するバイパス配管とを備え、水和物スラリ貯槽
とスラリポンプの間における水和物スラリ貯槽側の領域
の往路配管の内口径がスラリポンプの吐出し口側の往路
配管の内口径よりも大きい冷熱利用システムであって、
冷凍機により水和物スラリを製造し、水和物スラリの貯
槽に貯蔵する場合には、水溶液注入枝管を遮断するとと
もにバイパス管を開放し、水和物スラリを負荷に供給す
る場合には、水溶液枝管を開放するとともにバイパス管
を遮断することを特徴とする。
【0017】上記の第2および第3の態様の冷熱利用シ
ステムは、水和物スラリ貯槽とスラリポンプの間におけ
る水和物スラリ貯槽側の領域の往路配管がスラリポンプ
の吐出し口側の往路配管の1.3倍以上の内口径を有
し、スラリポンプの吐出し口側の往路配管内に存在する
水和物の固相率が13〜34%になるように、復路配管
内に存在する水和物スラリが融解した水溶液を前記領域
の往路配管内に存在する水和物スラリに水溶液注入枝管
を通じて注入することが好ましい。ここで固相率とは、
水和物スラリ中の水和物固体粒子の重量比率である。
【0018】さらに、上述したように水溶液注入枝管を
備えた態様の冷熱利用システムにおいては、スラリポン
プの吸込み口側の往路配管と水溶液注入枝管との接続部
に、往路配管の水和物スラリの流れ方向に沿ってL字型
の小口径配管を設け、水和物スラリが融解した水溶液を
注入することが好ましい。
【0019】このように往路配管内の水和物スラリの流
れ方向に沿ってL字型の小口径配管を設けると、配管内
で負荷からの水溶液を水和物スラリの流れ方向に噴出さ
せることができ、エゼクタ効果により水和物スラリ貯槽
内の水和物スラリを往路配管内に引き込むことができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。
【0021】図1は本発明に係る冷熱利用システムを示
す構成図である。図1において、水和物スラリ貯槽1に
は水和物スラリ2が貯蔵されている。水和物スラリ2は
以下のようにして製造される。水和物スラリ貯槽1に例
えばテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド(TBA
B)を含む水溶液を入れてスラリ製造運転を開始する。
水和物スラリ貯槽1内の水溶液は水溶液ポンプ(図示せ
ず)によりスラリ製造用の熱交換器(図示せず)へ送ら
れて冷却され、水和物スラリが製造される。こうして製
造された水和物スラリ2は水和物スラリ貯槽1に貯蔵さ
れる。
【0022】負荷運転時に、水和物スラリ貯槽1内の水
和物スラリ2は吸い込み配管3、スラリポンプ4および
吐出し配管5を通して負荷側の空調機6に送られてその
冷熱が利用されて水溶液となり、水溶液は復路配管7を
通して水和物スラリ貯槽1へ戻される。水和物スラリ貯
槽1からスラリポンプ4に到る吸い込み配管3の内口径
はスラリポンプ4の吐出し配管5の内口径の1.3倍以
上になっている。また図1においては、復路配管7と吸
い込み配管3に電磁弁8を介装した水溶液注入枝管9が
接続されており、必要に応じて、負荷から戻る水溶液が
吸い込み配管3に注入される。
【0023】スラリポンプ4は水和物スラリ貯槽1から
0.5m以上離れて設置される。水和物スラリ貯槽1内
の水和物スラリ2の流動性と水和物スラリ2の液位、お
よび負荷に供給される水和物スラリ2の流量は、スラリ
ポンプ4により輸送可能な範囲になっている。このよう
な条件で、吸い込み配管3の内口径がスラリポンプ4の
吐出し配管5の内口径の1.3倍以上になっていると、
吸い込み配管3の内断面積が十分大きいので吸い込み配
管3内での圧力損失を低減してスラリポンプ4の吸い込
み口における圧力をスラリポンプ4の吸い込み下限圧力
以上にすることができる。したがって、水和物スラリ2
を安定して負荷へ輸送できる。
【0024】また、水和物スラリ貯槽1から水和物スラ
リ2を吸い込む際に、十分な吸引圧力を有しているの
で、液みちが形成されることがない。また、スラリポン
プ4の吸い込み口における圧力を大気圧以上に保つこと
ができるので、キャビテーションが発生することがな
い。
【0025】水和物スラリ貯槽の水和物スラリの払い出
し口の配管の内口径(D1)が、スラリポンプの吐出し
口の配管の内口径(D2)の1.3倍以上であることが
好ましい根拠を説明する。
【0026】水和物スラリ貯槽の水和物スラリの液面高
さを2m、配管内の水和物スラリの流速を2m/se
c、水和物スラリ貯槽とスラリポンプ間の配管長さを
0.5mとした場合について、払い出し配管の圧力損失
のポンプ吸込側揚程に対する比と、D1/D2との関係
を実験により求めた結果を図2に示す。
【0027】スラリポンプの吸い込み口における圧力を
スラリポンプの吸い込み下限圧力以上に保つためには、
安全率を1.1〜1.5とすると、払い出し配管の圧力
損失のポンプ吸込側揚程に対する比を0.8程度以下に
することが必要であり、D1/D2を1.3以上とする
ことが好ましい。
【0028】他の液面高さ、流速などの条件でも、D1
/D2を概ね1.3以上にすることが好ましいことが確
認された。
【0029】なお、図1の構成に限らず、スラリポンプ
4の吸い込み配管3取り付け部の内口径をスラリポンプ
3の吐出し配管5の内口径の1.3倍以上にしてもよ
い。この場合、水和物スラリ貯槽1からスラリポンプ3
へ到る全領域にわたって吸い込み配管3の内口径が大き
くなっているので、吸い込み配管3内での圧力損失を大
幅に低減できるととともに、水和物スラリ貯槽1の払い
出し口での水和物スラリ2の流速が遅くなり、液みちの
生成を抑制できる。
【0030】また、水溶液注入枝管9に設けられた電磁
弁8を開くことにより、負荷から戻される水和物スラリ
が融解した水溶液を、復路配管7から吸い込み配管3内
の水和物スラリへ注入すれば、水溶液が戻される水溶液
注入枝管9との接続部分より下流の吸い込み配管3内の
水和物スラリの粘度が小さくなり圧力損失を低減でき
る。
【0031】図3に本発明の他の実施形態における吸い
込み配管3と水溶液注入枝管9との接続部を拡大して示
す。図2においては、吸い込み配管3に水溶液を注入す
るためのボス10が2つ設けられており、これらのボス
10に吸い込み配管3内の水和物スラリ2の流れ方向に
沿うようにL字型の小口径配管11が取り付けられてい
る。
【0032】このような構成では、小口径配管11の先
端から吸い込み配管3内へ、負荷から戻る水溶液を水和
物スラリの流れ方向に噴出させることができるので、エ
ゼクタ効果により水和物スラリ貯槽1内の水和物スラリ
2を吸い込み配管3内に引き込むことができる。
【0033】図4は本発明の他の実施形態における冷熱
利用システムを示す構成図である。水溶液を冷却して、
水和物スラリを生成する冷凍機12と、冷凍機12によ
り製造された水和物スラリを貯蔵する水和物スラリ貯槽
1と、水和物スラリ貯槽1から水和物スラリを払い出し
て負荷側の空調機6へ輸送するスラリポンプ4と、水和
物スラリ貯槽1とスラリポンプ4とを接続する吸い込み
配管3と、スラリポンプ4から空調機6への吐出し配管
5と、空調機6と水和物スラリ貯槽1とを接続する復路
配管7と、復路配管7と吸い込み配管3とを接続し復路
配管7内に存在する水和物スラリが融解した水溶液を吸
い込み配管3内に存在する水和物スラリに注入する水溶
液注入枝管9と、吐き出し配管5と復路配管7とを接続
するバイパス配管13とを備える。吸い込み配管3の内
口径は吐出し配管5の内口径よりも大きくなっている。
【0034】水和物スラリ2は以下のようにして製造さ
れる。水和物スラリ貯槽1には例えばテトラn−ブチル
アンモニウムブロマイド(TBAB)を含む水溶液を入
れてスラリ製造運転を開始する。水溶液注入枝管9を遮
断し、弁15、16を閉じ、空調機6への水和物スラリ
の輸送を遮断するとともに弁14を開いてバイパス配管
13を開放し、水和物スラリ貯槽1、スラリポンプ4、
バイパス配管13、冷凍機12の系統を循環させて水和
物スラリを製造する。バイパス配管13を設けることに
より水和物スラリおよび水溶液が循環する経路を短くで
きるので、効率的に水和物スラリを製造できる。一方、
水和物スラリを負荷側の空調機6に供給する場合には、
水溶液注入枝管9を必要に応じて開放するとともにバイ
パス配管13を遮断する。
【0035】図4の冷熱利用システムでも図1と同様
に、水溶液注入枝管9を設けて水和物スラリ貯槽1から
スラリポンプ4へ到る吸い込み配管3に負荷からの水和
物スラリが融解した水溶液の一部を注入するようにして
いるので、水和物スラリの粘度が小さくなり水溶液が戻
される水溶液注入枝管9との接続部分より下流の配管内
の圧力損失を低減できる。また、水和物スラリ貯槽1か
らスラリポンプ4における水和物スラリ貯槽1側の領域
の配管の内口径が大きくなっているので、配管内での圧
力損失を大幅に低減できるととともに、水和物スラリ貯
槽1の払い出し口での吸い込み圧力を適正にでき、液み
ちやキャビテーションの生成を抑制できる。
【0036】図1および図4の冷熱利用システムでは、
復路配管7内に存在する水和物スラリが融解した水溶液
の固相率はほぼ0%から3%以下となっており、水和物
スラリ貯槽1内に存在する水和物スラリの固相率はほぼ
40%以下である。この冷熱利用システムでは、スラリ
ポンプ4からの吐出し配管5内に存在する水和物スラリ
の固相率が13〜34%になるように、復路配管7内に
存在する水和物スラリが融解した水溶液を吸い込み配管
3内に存在する水和物スラリに水溶液注入枝管を通じて
注入することが好ましい。このような条件で運転するこ
とにより、水和物スラリの粘度を適正な範囲とすること
ができ、配管内の圧力損失を小さくでき、空調機6へ水
和物スラリを輸送するときのスラリポンプの輸送動力を
低減できる。以下、水和物スラリ固相率の適正な範囲の
根拠について説明する。
【0037】図5にスラリポンプからの吐出し配管内に
存在する水和物スラリの固相率とスラリポンプの輸送動
力との関係を示す。この図は、水和物スラリによる冷熱
輸送量と同等の冷熱を冷水により輸送する場合の輸送動
力を基準とした水和物スラリによる輸送動力をスラリポ
ンプ動力比として表し、水和物スラリの固相率との関係
を実験により求めた結果を示している。この図から、水
和物スラリの固相率が13〜34%の範囲ではスラリポ
ンプ動力比が1以下となり、冷水を用いる場合に比べて
輸送動力が低減できる効果があることがわかる。このよ
うに水和物スラリの固相率が13〜34%になるように
することにより、水和物スラリを輸送するスラリポンプ
の輸送動力を低減でき、設備費、運転費を低減できる。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、水
和物スラリ貯槽から水和物スラリを効率よく取り出して
負荷へ輸送できる冷熱利用システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る冷熱利用システムの
構成図。
【図2】払い出し配管口径/吐出し配管口径の比と、吐
出し配管圧損/ポンプ吸込側揚程との関係を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態における吸い込み配管と
水溶液注入枝管との接続部を拡大して示す図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る冷熱利用システム
の構成図。
【図5】水和物スラリの固相率とスラリポンプ動力比と
の関係を示す図。
【符号の説明】
1…水和物スラリ貯槽 2…水和物スラリ 3…吸い込み配管 4…スラリポンプ 5…吐出し配管 6…空調機 7…復路配管 8…電磁弁 9…水溶液注入枝管 10…ボス 11…小口径配管 12…冷凍機 13…バイパス配管 14、15、16…弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25D 9/00 C09K 5/00 F (72)発明者 生越 英雅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3H071 AA13 BB01 CC12 DD35 DD37 DD72 3H075 AA12 CC01 CC06 CC09 CC25 DA11 3L044 AA04 BA09 CA02 DB02 EA04 FA02 FA04 GA02 KA01 KA02 KA04 3L054 BG04 BH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水和物スラリ貯槽と、水和物スラリの冷
    熱を利用する負荷と、水和物スラリ貯槽から水和物スラ
    リを払い出して負荷へ輸送するスラリポンプと、これら
    を接続する配管とを具備した冷熱利用システムにおい
    て、前記水和物スラリ貯槽の水和物スラリの払い出し口
    の配管の内口径が、前記スラリポンプの吐出し口の配管
    の内口径の1.3倍以上であることを特徴とする冷熱利
    用システム。
  2. 【請求項2】 水和物スラリ貯槽と水和物スラリの冷熱
    を利用する負荷との間を接続する往路配管及び復路配管
    とからなる配管系と、往路配管に設置され、水和物スラ
    リ貯槽から水和物スラリを払い出して負荷へ輸送するス
    ラリポンプと、スラリポンプの吸い込み口側の往路配管
    と復路配管とを必要に応じて接続し、復路配管内に存在
    する水和物スラリが融解した水溶液を往路配管内に存在
    する水和物スラリに注入する水溶液注入枝管とを備え、
    水和物スラリ貯槽とスラリポンプの間における水和物ス
    ラリ貯槽側の領域の往路配管の内口径がスラリポンプの
    吐出し口側の往路配管の内口径よりも大きいことを特徴
    とする冷熱利用システム。
  3. 【請求項3】 水和物スラリが融解した水溶液を冷却し
    て、水和物スラリを生成する冷凍機と、冷凍機により製
    造された水和物スラリを貯蔵する水和物スラリ貯槽と、
    水和物スラリ貯槽と水和物スラリの冷熱を利用する負荷
    との間を接続する往路配管及び復路配管とからなる配管
    系と、往路配管に設置され、水和物スラリ貯槽から水和
    物スラリを払い出して負荷へ輸送するスラリポンプと、
    往路配管と復路配管とを必要に応じて接続し、復路配管
    内に存在する水和物スラリが融解した水溶液を往路配管
    内に存在する水和物スラリに注入する水溶液注入枝管
    と、スラリポンプの吐出し口側の往路配管と復路配管と
    を必要に応じて接続するバイパス配管とを備え、水和物
    スラリ貯槽とスラリポンプの間における水和物スラリ貯
    槽側の領域の往路配管の内口径がスラリポンプの吐出し
    口側の往路配管の内口径よりも大きい冷熱利用システム
    であって、冷凍機により水和物スラリを製造し、水和物
    スラリの貯槽に貯蔵する場合には、水溶液注入枝管を遮
    断するとともにバイパス管を開放し、水和物スラリを負
    荷に供給する場合には、バイパス管を遮断することを特
    徴とする冷熱利用システム。
  4. 【請求項4】 水和物スラリ貯槽とスラリポンプの間に
    おける水和物スラリ貯槽側の領域の往路配管がスラリポ
    ンプの吐出し口側の往路配管の1.3倍以上の内口径を
    有し、スラリポンプの吐出し口側の往路配管内に存在す
    る水和物の固相率が13〜34%になるように、復路配
    管内に存在する水和物スラリが融解した水溶液を前記領
    域の往路配管内に存在する水和物スラリに水溶液注入枝
    管を通じて注入することを特徴とする請求項2又は3記
    載の冷熱利用システム。
  5. 【請求項5】 スラリポンプの吸込み口側の往路配管と
    水溶液注入枝管との接続部に、往路配管の水和物スラリ
    の流れ方向に沿ってL字型の小口径配管を設け、水和物
    スラリが融解した水溶液を注入することを特徴とする請
    求項2ないし4のいずれか1項に記載の冷熱利用システ
    ム。
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