JP2003056534A - ねじ締付構造、ねじ部材、およびねじ締付工具 - Google Patents

ねじ締付構造、ねじ部材、およびねじ締付工具

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JP2003056534A
JP2003056534A JP2001242094A JP2001242094A JP2003056534A JP 2003056534 A JP2003056534 A JP 2003056534A JP 2001242094 A JP2001242094 A JP 2001242094A JP 2001242094 A JP2001242094 A JP 2001242094A JP 2003056534 A JP2003056534 A JP 2003056534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ部材がアルミニウム合金製の場合でも、
ねじ部材に設けられた嵌合凸部の損傷を抑制して、より
高い締付トルクで締め付けることができるようにする。 【解決手段】 中心線Oと直角な断面において、外周側
へ突き出すトルク伝達部30、40の内側のねじ側領域
B と、その中心線Oまわりにおいてトルク伝達部3
0、40の間に位置する工具側領域ES との面積比EB
/ES が2.8以上となるように、各部の寸法g、b、
Rを設定したため、嵌合凸部16が設けられた雄ねじが
アルミニウム合金製でSCM435(クロムモリブデン
鋼)製のソケットに比較して強度が低い場合でも、その
嵌合凸部16の損傷が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はねじ締付構造に係
り、特に、アルミニウム合金製のねじ部材を使用する場
合でも良好に締め付けることができるねじ締付構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】それぞれ中心線まわりに120°間隔で
外周側へ突き出す3つのトルク伝達部を有する三叉形状
を成していて互いに嵌合される嵌合凸部および嵌合穴か
ら成り、その嵌合凸部がねじ部材に一体に設けられると
ともにその嵌合穴がねじ締付工具に設けられて、互いに
嵌合された状態でそのねじ締付工具が回転させられるこ
とにより前記トルク伝達部を介してそのねじ部材に締付
トルクを伝達するねじ締付構造が知られている。特開2
000−170729号公報に記載のねじ締付構造はそ
の一例で、前記トルク伝達部は、前記中心線からの突出
方向と平行な一対の直線状の側部を有するとともに、隣
接するトルク伝達部の側部は、それぞれ一定の曲率半径
Rの円弧部を介して滑らかに接続されている一方、前記
3つのトルク伝達部の先端の外接円の直径をg、前記3
つの円弧部の内接円の直径をbとした時、次式(1) およ
び(2) を共に満足するように定められており、径寸法が
小さくて締付トルクが得られ難い例えばM2程度以下の
ミニチュアねじに好適に適用される。 0.5g≦b≦0.6g ・・・(1) 0.5b≦R≦0.6b ・・・(2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなねじ締付構造においても、例えばISO14001
に基づくねじ部品の軽薄短小化やリサイクルに適合する
ようにねじ部材のアルミニウム化を図ろうとすると、ア
ルミニウム合金は引張強度が低いため、ねじ部材に一体
に設けられた嵌合凸部が損傷して十分な締付トルクを加
えることができないという問題があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、ねじ部材がアルミニ
ウム合金または同等の強度を有する金属材料にて構成さ
れている場合でも、ねじ部材に設けられた嵌合凸部の損
傷を抑制して、より高い締付トルクで締め付けることが
できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) それぞれ中心線まわりに120
°間隔で外周側へ突き出す3つのトルク伝達部を有する
三叉形状を成していて互いに嵌合される嵌合凸部および
嵌合穴から成り、(b) その嵌合凸部がねじ部材に一体に
設けられるとともにその嵌合穴がねじ締付工具に設けら
れて、互いに嵌合された状態でそのねじ締付工具が回転
させられることにより前記トルク伝達部を介してそのね
じ部材に締付トルクを伝達するもので、(c) 前記ねじ部
材はアルミニウム合金製またはそのアルミニウム合金と
同等の強度を有する金属材料にて構成されているねじ締
付構造であって、(d) 前記中心線と直角な断面におい
て、外周側へ突き出す前記トルク伝達部の内側のねじ側
領域EB と、その中心線まわりにおいてそのトルク伝達
部の間に位置する工具側領域ES との面積比EB /E S
が2.8以上であることを特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明のねじ締付構造にお
いて、(a) 前記トルク伝達部は、前記中心線からの突出
方向と平行な一対の直線状の側部を有するとともに、隣
接するトルク伝達部の側部は、それぞれ一定の曲率半径
Rの円弧部を介して滑らかに接続されており、(b) 前記
3つのトルク伝達部の先端の外接円の直径をg、前記3
つの円弧部の内接円の直径をbとした時、次式(3) を満
足するとともに、前記曲率半径Rは次式(4) の±10%
の範囲内であることを特徴とする。 0.7g≦b ・・・(3) R=(g−b)/2 ・・・(4)
【0007】第3発明は、第2発明のねじ締付構造であ
って、前記内接円の直径bは、前記外接円の直径gに対
して次式(5) を満足することを特徴とする。 b≦0.85g ・・・(5)
【0008】第4発明は、アルミニウム合金製またはそ
のアルミニウム合金と同等の強度を有する金属材料にて
構成されているねじ部材であって、第1発明〜第3発明
のねじ締付構造の何れかに記載の嵌合凸部を一体に備え
ていることを特徴とする。
【0009】第5発明は、第4発明のねじ部材におい
て、引張強度が380N/mm2 以上のアルミニウム合
金製であることを特徴とする。
【0010】第6発明は、ねじ締付工具に関するもの
で、第1発明〜第3発明のねじ締付構造の何れかに記載
の嵌合穴を備えていることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】第1発明のねじ締付構造においては、中
心線と直角な断面において、外周側へ突き出す前記トル
ク伝達部の内側のねじ側領域EB と、その中心線まわり
においてそのトルク伝達部の間に位置する工具側領域E
S との面積比EB /ES が2.8以上であるため、嵌合
凸部が設けられたねじ部材がアルミニウム合金または同
等の強度を有する金属材料にて構成されている場合で
も、その嵌合凸部の損傷が抑制されて、より高い締付ト
ルクで締め付けることができるようになる。
【0012】すなわち、ねじ部材をアルミニウム合金に
て構成する場合、JIS−B 1057の「非鉄金属製
ねじ部品の機械的性質」に記載の材質区分でAL4が一
般に使用され、その引張強度は最低で380N/mm2
とされている一方、ねじ締付工具の材質は、例えばJI
S−B 4636の「ソケットレンチ−ソケット」に記
載されているようにJIS−G 4105(クロムモリ
ブデン鋼鋼材)のSCM435が一般的に用いられてお
り、その強度区分は10.9に属して引張強度は104
0N/mm2 であるため、それ等の強度比は1040/
380≒2.74である。したがって、前記面積比EB
/ES が強度比よりも大きい2.8以上になるように設
定すれば、ねじ部材とねじ締付工具との強度差に拘らず
ねじ部材の嵌合凸部の損傷が抑制され、ねじ部材および
ねじ締付工具の強度的な調和を図ることができるのであ
る。
【0013】第2発明は第1発明の一実施態様で、トル
ク伝達部の形状を具体的に限定したものであり、第1発
明と同様の効果が得られる。
【0014】第3発明は、内接円の直径bが外接円の直
径gに対して前記(5) 式を満足するため、ねじ締付工具
側の嵌合穴とねじ部材側の嵌合凸部との間に径方向にお
いて少なくとも0.075g分の掛かり代が得られ、嵌
合凸部の外周コーナー部分や嵌合穴の円弧部などの破損
(圧潰)が抑制される。なお、(5) 式は、ねじ部材のト
ルク伝達部として広く用いられている六角頭の場合のb
/g≒0.866に基づいて、それよりも大きな掛かり
代が得られるように定めたものである。
【0015】第4発明、第5発明のねじ部材、および第
6発明のねじ締付工具は、実質的に上記第1発明〜第3
発明と同様の作用効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】ここで、前記トルク伝達部を有す
る三叉形状の嵌合凸部および嵌合穴は、中心線と略平行
に設けることも可能であるが、付着性や鍛造成形性等の
点で中心線に対して傾斜するように設けることが望まし
い。すなわち、嵌合凸部の場合は、先端側へ向かうに従
って中心線に接近するようにテーパ状に傾斜し、嵌合穴
の場合は開口部に近づくに従って中心線から離間するよ
うにテーパ状に傾斜させるのである。嵌合凸部および嵌
合穴の何れか一方を傾斜させるだけでも良い。
【0017】また、前記第1発明〜第3発明の各要件
は、嵌合凸部および嵌合穴の軸方向の全域において満足
するように設定することもできるが、少なくとも嵌合凸
部と嵌合穴とが係合させられる部分で満足するようにな
っておれば良い。
【0018】ねじ部材の材質としては、JIS−B 1
057の「非鉄金属製ねじ部品の機械的性質」に記載の
アルミニウム合金に関する材質区分「AL4」が好適に
用いられるが、他の材質区分のアルミニウム合金や、同
等の機械的性質(引張強度など)を有する銅合金等の他
の金属材料を採用することもできる。
【0019】ねじ締付工具の材質としては、JIS−G
4105の「クロムモリブデン鋼鋼材」に記載のSC
M435が好適に用いられるが、同等の機械的性質(引
張強度など)を有する他の種類のクロムモリブデン鋼や
その他の金属材料を採用することもできる。
【0020】第1発明の実施に際しては、面積比EB
S が2.8以上であれば良いが、この面積比EB /E
S が大き過ぎると工具側が損傷し易くなるため、面積比
B/ES を4.0以下、更に好適には3.5以下の範
囲で設定することが望ましい。
【0021】第2発明では、トルク伝達部が一対の平行
な直線状の側部を有するとともに、隣接するトルク伝達
部は一定の曲率半径Rの円弧部を介して滑らかに接続さ
れているが、これはあくまでも一実施形態で、第1発明
の実施に際しては、トルク伝達部の側部を中心線に向か
って直線状に設けたり、隣接するトルク伝達部の間をコ
の字形状に接続したりするなど、種々の態様を採用でき
る。
【0022】第2発明の(4) 式は、実質的に円弧部の曲
率中心が直径gの外接円上に位置することを意味するも
ので、径寸法の大小に拘らず適当な大きさの曲率半径R
を設定できるが、加工誤差や作用効果の点で±10%の
許容範囲を設けたものである。
【0023】第3発明は第2発明を具体的に限定したも
のであるが、第1発明の実施に際しても内接円の直径b
が外接円の直径gに対して前記(5) 式を満足するように
設定することができる。
【0024】また、本発明のねじ部材は、一般に雄ねじ
に適用されるが、例えば有底円筒形状の内周面にねじ山
が形成された雌ねじにも適用され得る。
【0025】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明のねじ部材の一実施例
である雄ねじ10の頭部12付近を示す図で、(a) は頭
部12側から見た平面図で、(b) は(a) におけるB−B
断面図である。この雄ねじ10は、外周面にねじ山が設
けられたねじ部14を備えているとともに、頭部12に
は、締付用の嵌合凸部16が一体に設けられており、図
2に示すようにねじ締付工具であるソケット20の先端
に設けられた有底の嵌合穴22と同心に嵌合された状態
で、そのソケット20が中心線Oまわりに回転させられ
ることにより、締付トルクが伝達されて図示しない雌ね
じに螺合され、或いは逆方向のトルクが伝達されること
により緩められる。図2は、嵌合穴22が嵌合凸部16
に嵌合して係合させられた状態を示す中心線Oを含む断
面図で、図3は、両者の係合部分における中心線Oと直
角な断面形状を説明する図である。中心線Oは、嵌合凸
部16や嵌合穴22の中心で、雄ねじ10やソケット2
0の軸心と一致する。
【0026】上記嵌合凸部16は、中心線Oまわりに1
20°間隔で外周側へ突き出す3つのトルク伝達部30
を有する三叉形状を成しており、トルク伝達部30は、
中心線Oからの突出方向と平行な一対の直線状の側部3
2を有するとともに、隣接するトルク伝達部30の側部
32は、それぞれ一定の曲率半径Rの円弧部34を介し
て滑らかに接続されている。円弧部34は、嵌合凸部1
6の先端側(図1(b)における上方)へ向かうに従って
中心線O側へ接近するように傾斜角αで傾斜させられて
おり、嵌合穴22の先端縁は、その円弧部34の中間部
分に係合させられる。円弧部34は係合用傾斜部として
機能し、傾斜角αは約5°45′である。また、トルク
伝達部30の外周側の先端面(外周面)36は、嵌合凸
部16の先端側(図1(b) における上方)へ向かうに従
って小径となるように、中心線Oに対して傾斜角εでテ
ーパ状に傾斜させられており、傾斜角εは約15°であ
る。更に、頭部12の嵌合凸部16側に位置する上面
は、所定の傾斜角度θ(例えば0°〜5°程度)で外周
側へ向かうに従って嵌合凸部16と反対側へ傾斜させら
れている。
【0027】一方、前記嵌合穴22は、図3に示すよう
に中心線Oに対して直角な断面が嵌合凸部16と同様な
三叉形状を成しており、中心線Oまわりに120°間隔
で外周側へ突き出す3つのトルク伝達部40を備えてい
る。トルク伝達部40は、中心線Oからの突出方向と平
行な一対の直線状の側部42を有するとともに、隣接す
るトルク伝達部40の側部42は、それぞれ前記円弧部
34と略同じ曲率半径Rの円弧部44を介して滑らかに
接続されている。円弧部44は、軸方向の開口側へ向か
うに従って所定の傾斜角で中心線Oから離間するように
傾斜させられているが、その傾斜角は前記傾斜角αより
も小さくて約5°30′であり、これにより開口側の先
端縁が嵌合凸部16の円弧部34の軸方向の中間部分に
係合させられる。また、トルク伝達部40の外周側の先
端面(内周面)46は、開口側へ向かうに従って大径と
なるように、中心線Oに対して所定の傾斜角でテーパ状
に傾斜させられている。この傾斜角は前記傾斜角εと略
同じで約15°である。
【0028】図3において実線で示す三叉形状の内側
は、実質的に嵌合凸部16の断面形状を表しており、そ
の三叉形状の外側は実質的に嵌合穴22が設けられたソ
ケット20の断面形状を表している。かかる図3におい
て、寸法gは、3つのトルク伝達部30、40の先端の
外接円50の直径で、寸法bは、3つの円弧部34、4
4の内接円52の直径で、Pは曲率半径Rの円弧部3
4、44の曲率中心であり、本実施例では、これらの寸
法g、b、Rは前記(3) 式、(4) 式、および(5) 式を総
て満足するように設定されている。すなわち、0.7g
≦b≦0.85gを満足するとともに、R=(g−b)
/2に設定されているのであり、曲率中心Pは外接円5
0上に位置する。なお、円弧部34と44とが係合させ
られるように、嵌合穴22のトルク伝達部40の外周側
への突出寸法は、図2の左側に示すように嵌合凸部16
のトルク伝達部30の外周側への突出寸法より僅かに大
きくされており、厳密には図3に示す外接円50よりも
外周側に位置している。
【0029】ここで、トルク伝達部30、40の内側す
なわち雄ねじ10の嵌合凸部16が存在するねじ側領域
B 、およびトルク伝達部30、40の間すなわちソケ
ット20が存在する工具側領域ES は、それぞれ次式
(6) 、(7) で表され、それ等の面積比EB /ES は次式
(8) で表される。但し、(7) 式は、図3に示すR1 =R
と見做して計算した概算式である。そして、図3は、b
=0.7g、R=(g−b)/2=0.15gの場合
で、その場合の面積比EB /ES は約2.9になる。 EB ={(g/2)2 ・π−(b/2)2 ・π−3ES }/3 ・・・(6) ES =R2 ・π・(60°/360°)+R・R1 ≒{(π/6)+1}・R2 ・・・(7) EB /ES ={2π・(g+b)/(6+π)・(g−b)}−1・・・(8)
【0030】一方、本実施例の雄ねじ10は、JIS−
B 1057の「非鉄金属製ねじ部品の機械的性質」に
記載のアルミニウム合金に関する材質区分「AL4」に
属するアルミニウム合金にて構成されており、その引張
強度は380N/mm2 以上である。また、ソケット2
0は、JIS−G 4105の「クロムモリブデン鋼鋼
材」に記載のSCM435にて構成されており、その強
度区分は10.9に属して引張強度は1040N/mm
2 である。したがって、それ等の強度比は1040/3
80≒2.74であるが、前記面積比EB /ES ≒2.
9は強度比2.74よりも大きいため、それ等の強度差
に拘らず雄ねじ10の嵌合凸部16の損傷が抑制され
る。
【0031】また、内接円の直径bが大きくなると、工
具の掛かり代が小さくなるため、嵌合凸部16側のトル
ク伝達部30の外周コーナー部分や、嵌合穴22側のト
ルク伝達部40の円弧部44などが破損(圧潰)し易く
なるが、本実施例ではb≦0.85gの範囲で設定され
るため、ソケット20側の嵌合穴22と雄ねじ10側の
嵌合凸部16との間に径方向において少なくとも0.0
75g分の掛かり代が得られ、嵌合凸部16の外周コー
ナー部分や嵌合穴22の円弧部44などの破損(圧潰)
が抑制される。すなわち、ねじ部材のトルク伝達部とし
て広く用いられている六角頭の場合、b/g≒0.86
6であるため、本実施例ではそれよりも大きな掛かり代
が得られることになるのである。因みに、図4は、b=
0.85g、R=(g−b)/2=0.075gの場合
で、この時の面積比EB /ES は約7.5である。
【0032】なお、上記面積比EB /ES が大き過ぎる
と、強度的に工具側が損傷し易くなるため、面積比EB
/ES が4.0以下、更に好適には3.5以下になるよ
うに各部の寸法b、g、Rを設定することが望ましい。
【0033】このような本実施例のねじ締付構造、或い
は雄ねじ10、ソケット20においては、中心線Oと直
角な断面において、外周側へ突き出すトルク伝達部3
0、40の内側のねじ側領域EB と、その中心線Oまわ
りにおいてトルク伝達部30、40の間に位置する工具
側領域ES との面積比EB /ES が2.8以上であるた
め、嵌合凸部16が設けられた雄ねじ10がアルミニウ
ム合金製(AL4)でSCM435製のソケット20に
比較して強度が低い場合でも、その嵌合凸部16の損傷
が抑制されて、より高い締付トルクで締め付けることが
できる。
【0034】また、本実施例ではb≦0.85gである
ため、ソケット20側の嵌合穴22と雄ねじ10側の嵌
合凸部16との間に径方向において少なくとも0.07
5g分の掛かり代が得られ、六角頭の場合(b/g≒
0.866)よりも大きな掛かり代が得られて、嵌合凸
部16の外周コーナー部分や嵌合穴22の円弧部44な
どの破損(圧潰)が抑制される。
【0035】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である雄ねじの頭部付近を示
す図で、(a) は頭部側から見た平面図、(b) は(a) にお
けるB−B断面図である。
【図2】図1の雄ねじの嵌合凸部とソケットの嵌合穴と
の係合状態を示す断面図である。
【図3】b=0.7g、R=0.15gの場合の嵌合凸
部および嵌合穴の中心線Oと直角な断面形状を説明する
図である。
【図4】b=0.85g、R=0.075gの場合の嵌
合凸部および嵌合穴の中心線Oと直角な断面形状を説明
する図で、図3に対応する図である。
【符号の説明】
10:雄ねじ(ねじ部材) 16:嵌合凸部 2
0:ソケット(ねじ締付工具) 22:嵌合穴 3
0、40:トルク伝達部 32、42:側部 34、44:円弧部 O:中心線 EB :ねじ側領
域 ES :工具側領域 g:外接円 b:内接円

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ中心線まわりに120°間隔で
    外周側へ突き出す3つのトルク伝達部を有する三叉形状
    を成していて互いに嵌合される嵌合凸部および嵌合穴か
    ら成り、該嵌合凸部がねじ部材に一体に設けられるとと
    もに該嵌合穴がねじ締付工具に設けられて、互いに嵌合
    された状態で該ねじ締付工具が回転させられることによ
    り前記トルク伝達部を介して該ねじ部材に締付トルクを
    伝達するもので、前記ねじ部材はアルミニウム合金製ま
    たは該アルミニウム合金と同等の強度を有する金属材料
    にて構成されているねじ締付構造であって、 前記中心線と直角な断面において、外周側へ突き出す前
    記トルク伝達部の内側のねじ側領域EB と、該中心線ま
    わりにおいて該トルク伝達部の間に位置する工具側領域
    S との面積比EB /ES が2.8以上であることを特
    徴とするねじ締付構造。
  2. 【請求項2】 前記トルク伝達部は、前記中心線からの
    突出方向と平行な一対の直線状の側部を有するととも
    に、隣接するトルク伝達部の側部は、それぞれ一定の曲
    率半径Rの円弧部を介して滑らかに接続されており、前
    記3つのトルク伝達部の先端の外接円の直径をg、前記
    3つの円弧部の内接円の直径をbとした時、次式(3) を
    満足するとともに、前記曲率半径Rは次式(4) の±10
    %の範囲内である 0.7g≦b ・・・(3) R=(g−b)/2 ・・・(4) ことを特徴とする請求項1に記載のねじ締付構造。
  3. 【請求項3】 前記内接円の直径bは、前記外接円の直
    径gに対して次式(5)を満足する b≦0.85g ・・・(5) ことを特徴とする請求項2に記載のねじ締付構造。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金製または該アルミニウ
    ム合金と同等の強度を有する金属材料にて構成されてい
    るねじ部材であって、請求項1〜3の何れか1項に記載
    の嵌合凸部を一体に備えていることを特徴とするねじ部
    材。
  5. 【請求項5】 引張強度が380N/mm2 以上のアル
    ミニウム合金製であることを特徴とする請求項4に記載
    のねじ部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れか1項に記載の嵌合
    穴を備えていることを特徴とするねじ締付工具。
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DE102010035755B4 (de) * 2010-08-28 2014-10-30 Norma Germany Gmbh Schlauchschelle mit einer Spannschraube, Spannschraube und Werkzeug zum Antreiben der Spannschraube

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