JP2003053129A - プラズマ式ガス浄化装置及びストリーマ放電回路 - Google Patents

プラズマ式ガス浄化装置及びストリーマ放電回路

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JP2003053129A JP2002121171A JP2002121171A JP2003053129A JP 2003053129 A JP2003053129 A JP 2003053129A JP 2002121171 A JP2002121171 A JP 2002121171A JP 2002121171 A JP2002121171 A JP 2002121171A JP 2003053129 A JP2003053129 A JP 2003053129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストリーマ放電を利用するプラズマ式ガス浄
化装置において、パルス電源を用いることなくストリー
マ放電を発生させることにより、装置のコストダウンを
図る。 【解決手段】 針状の放電電極と面状の対向電極とが略
直交する状態で対向配置されたプラズマ反応器におい
て、放電電極の先端部(21a)に微細な針状突起(31)
を設ける。放電電極と対向電極との間に電圧を印加する
電源として、直流電圧を出力する直流電源を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス中の臭気成分
や有害成分等をプラズマ放電を用いて無臭化又は無害化
等するプラズマ式ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開2000−140562
号公報に開示されているように、放電によって低温プラ
ズマを発生させ、この低温プラズマを用いてガス中の臭
気成分若しくは有害成分の分解又は吸着を促進する装置
が知られている。上記低温プラズマは、空気分子が励起
されることによって生じ、その結果、高速の電子と低速
の正イオンとが生成される。上記高速電子のエネルギー
は非常に高く、この高速電子によって10eVを越える
エネルギーを得ることができる。一方、正イオンは低速
であり、熱力学的温度は殆ど上昇しないという特徴を有
している。
【0003】上記低温プラズマによる臭気成分又は有害
成分の分解は、高速電子の衝突による臭気ガス分子又は
有害ガス分子の分解と、反応性の高い活性種(ヒドロキ
シルラジカル(OH)、オゾン(O3)、励起酸素分子
(O2 *)等)による化学反応とによって行われる。この
ように低温プラズマを用いることにより、燃焼触媒や化
学吸収等を利用したいわゆる分解方式のガス浄化装置に
比べて、装置を安価に構成することが可能となる。
【0004】そのようなプラズマ式のガス浄化装置とし
て、パックドベッド、沿面放電、無声放電、又はストリ
ーマ放電を用いた装置が提案されている。しかし、パッ
クドベッド、沿面放電及び無声放電を用いた装置では、
ガス流通路中に配置する電極を絶縁材で被覆する必要が
ある。そのため、絶縁材の分だけ、ガス流通路の空隙が
少なくなり、ガス流通の圧力損失が大きくなるという課
題があった。また、絶縁材に導電性の汚れが付着する
と、性能劣化を生じやすかった。
【0005】これに対して、ストリーマ放電を用いた装
置では、ガス流通路内に剥き出しの放電電極とこの放電
電極に対向配置された対向電極との2つの電極を設ける
だけでよく、この2つの電極によってガス流通路の内部
空間全体を励起することができる。したがって、ガス流
通の圧力損失が少なく、絶縁劣化による性能低下も起こ
りにくい。このようなストリーマ放電を用いた装置は、
例えば特開平8−323134号公報及び特開平11−
333244号公報に開示されている。
【0006】上記ストリーマ放電は、放電場において微
小なアーク放電が発生したときに、そのアークが進展す
ることによって生じる。そして、このストリーマ放電の
生成は、従来では、上記放電電極及び対向電極間に高圧
のパルス電圧を印加することによって行うようにしてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パルス電圧を
印加するためには、高価なパルス電源が必要となる。そ
のため、パルス電圧を印加する従来の手法では、装置の
大幅なコストダウンを図ることは困難であった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、パルス電源を用いる
ことなくストリーマ放電を生成することにより、装置の
コストダウンを図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、直流電源を用いてストリーマ放電を生成
するようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、針状の
放電電極と、該放電電極に略直交する状態で対向して配
置された面上の対向電極と、正極側が上記放電電極に接
続され且つ負極側が上記対向電極に接続された電源とを
備え、上記放電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流
通空間に配置され、上記電源により該両電極間に電圧を
印加してストリーマ放電を発生させることによって被処
理ガスを浄化するプラズマ式ガス浄化装置を対象とし
て、上記電源は、直流電圧を出力するように構成され、
上記放電電極の先端部には、1又は2以上の微細な針状
突起が設けられているものとする。
【0011】上記の構成により、針状の放電電極の先端
部に、該針状放電電極よりも更に微細な針状電極が設け
られているので、放電電極の先端側において電流密度の
集中が起こりやすくなる。この結果、放電電極及び対向
電極間に印加される電圧が直流電圧であっても、ストリ
ーマ放電を安定して発生させることができ、パルス電源
は不要になる。
【0012】請求項2の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
には、上記放電電極側に突出する突起が設けられている
ものとする。
【0013】このことにより、対向電極に設けられた突
起から電子が放出され(バックチャージ)、放電電極か
ら発生した正イオンと該電子との間で微小アークが発生
する。そして、この微小アークが進展し、ストリーマ放
電が生成される。このようにバックチャージを利用する
ことにより、印加電圧が直流電圧であってもストリーマ
放電を安定して発生させることができる。
【0014】請求項3の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、触媒又は吸着剤を含むととも
に被処理ガスを流通させる小孔が形成された導電性の処
理部材が設けられ、上記処理部材には、上記放電電極側
に突出する突起が設けられているものとする。
【0015】このことで、処理部材に設けられた突起か
ら電子が放出され、ストリーマ放電が安定して形成され
る。特に、本装置では、ストリーマ放電が処理部材に照
射されるので、処理部材に含まれる触媒又は吸着剤の能
力が高められる。したがって、ストリーマ放電による浄
化作用と処理部材の浄化作用との相乗効果により、ガス
浄化の性能向上が図られる。
【0016】請求項4の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、開口部が設けられた絶縁性の
カバー部材が設けられているものとする。
【0017】この発明により、放電電極から発生した正
イオンの一部はカバー部材に溜まり、このカバー部材と
対向電極との間で微小アークが発生する。そして、この
微小アークが進展し、ストリーマ放電が形成される。こ
のように逆電離現象を利用することにより、印加電圧が
直流電圧であっても、ストリーマ放電を安定して発生さ
せることができる。
【0018】請求項5の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、触媒又は吸着剤を含むととも
に被処理ガスを流通させる小孔が形成された導電性の処
理部材が設けられ、上記処理部材の放電電極側の表面に
は、開口部が設けられた絶縁性のカバー部材が設けられ
ているものとする。
【0019】こうすることで、カバー部材に溜まった正
イオンと処理部材との間で微小アークが発生し、ストリ
ーマ放電が安定して形成される。特に、本装置では、ス
トリーマ放電が処理部材に照射されるので、処理部材に
含まれる触媒又は吸着剤の能力が高められる。したがっ
て、ストリーマ放電による浄化作用と処理部材の浄化作
用との相乗効果により、ガス浄化の性能向上が図られ
る。
【0020】請求項6の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記放電電極
の先端には、絶縁性チップが設けられているものとす
る。
【0021】すなわち、放電は針状の放電電極のうち電
界の一番強い先端部から生じる傾向にあるが、この発明
では、放電電極の先端に絶縁性チップが設けられている
ので、放電電極の先端部に電界のギャップが生じ、それ
により微小アークが発生する。したがって、印加電圧が
直流電圧であっても、ストリーマ放電を安定して発生さ
せることができる。
【0022】請求項7の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記電源と上
記対向電極又は上記放電電極との間の接続配線に、放電
ギャップが設けられているものとする。
【0023】このことで、放電ギャップ間において間欠
的にアークが発生することにより、放電電極と対向電極
との間には、パルス電圧が印加された状態となる。した
がって、直流電源を用いても、パルス電源によりパルス
電圧を印加した場合と同様の効果を得ることができ、ス
トリーマ放電を安定して発生させることができる。
【0024】請求項8の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記ストリー
マ放電を検知するストリーマ検知手段と、上記ストリー
マ検知手段の出力を受けて、上記両電極間のストリーマ
放電が減少すると電圧値を上昇させるように上記電源を
制御する制御手段とを備えているものとする。
【0025】また、請求項9の発明では、請求項8の発
明において、ストリーマ検知手段は、電源と対向電極又
は放電電極との間の接続配線を流れる電流を検出する電
流検出器を有していて、該電流の有無に基づいてストリ
ーマ放電を検知するように構成され、制御手段は、上記
電流の発生頻度が少なくなると上記電源の電圧値を上昇
させるように構成されているものとする。
【0026】これら請求項8及び9の発明により、スト
リーマ放電を検知し、該ストリーマ放電が減少するとプ
ラズマ放電を増加させるように印加電圧の電圧値を大き
くするので、両電極間においてストリーマ放電が安定し
て形成される。
【0027】請求項10の発明では、放電電極と、該放
電電極に対向して配置された対向電極と、正極側が上記
放電電極に接続され且つ負極側が上記対向電極に接続さ
れた電源とを備え、上記放電電極と上記対向電極とが被
処理ガスの流通空間に配置され、上記電源により該両電
極間に電圧を印加してストリーマ放電を発生させること
によって被処理ガスを浄化するプラズマ式ガス浄化装置
を対象として、上記電源は、直流電圧を出力するように
構成され、上記電源と上記対向電極又は上記放電電極と
の間の接続配線に、該接続配線の遮断と導通とを切り換
えるスイッチング素子が設けられているものとする。
【0028】このことで、スイッチング素子により放電
電極と対向電極との間に印加する電圧を変化させること
ができ、直流電源を用いても、この印加電圧の変化によ
りストリーマ放電を安定して発生させることができると
ともに、放電状態の制御を容易に行うことができる。
【0029】請求項11の発明では、請求項10の発明
において、スイッチング素子は、接続配線の遮断と導通
との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極及び対
向電極間に周期的に変動する電圧を印加するように構成
されているものとする。
【0030】こうすることで、電圧の変動周期を適切に
設定することにより、ストリーマ放電の発生頻度を最適
に調整することができ、最大のエネルギー効率が得られ
るようにすることができる。
【0031】請求項12の発明では、請求項10又は1
1の発明において、スイッチング素子は、半導体素子で
あるものとする。
【0032】このことにより、接続配線の遮断と導通と
の切換えを電気的に行うので、ノイズの発生を抑えるこ
とができるとともに、構成を簡略化することができる。
また、スイッチ部の端子消耗がなく、放電電極及び対向
電極間に印加する電圧を長期に亘って安定させることが
できる。
【0033】請求項13の発明では、請求項10〜12
のいずれか1つの発明において、スイッチング素子は、
電源と対向電極との間の接続配線に設けられているもの
とする。
【0034】このことで、スイッチング素子を電源と放
電電極との間の接続配線に設ける場合に比べて、スイッ
チング素子の耐圧をかなり低く抑えることができ、小型
で安価な素子を用いることができる。
【0035】請求項14の発明は、放電電極と、該放電
電極に対向して配置された対向電極と、正極側が上記放
電電極に接続され且つ負極側が上記対向電極に接続され
た電源とを備え、上記電源により該両電極間に電圧を印
加してストリーマ放電を発生させるようにしたストリー
マ放電回路の発明であり、この発明では、上記電源は、
直流電圧を出力するように構成され、上記電源と上記対
向電極又は上記放電電極との間の接続配線に、該接続配
線の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子が設け
られているものとする。この発明により、請求項10の
発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】請求項15の発明では、請求項14の発明
において、スイッチング素子は、接続配線の遮断と導通
との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極及び対
向電極間に周期的に変動する電圧を印加するように構成
されているものとする。このことで、請求項11の発明
と同様の作用効果が得られる。
【0037】請求項16の発明では、請求項14又は1
5の発明において、スイッチング素子は、半導体素子で
あるものとする。このことにより、請求項12の発明と
同様の作用効果が得られる。
【0038】請求項17の発明では、請求項14〜16
のいずれか1つの発明において、スイッチング素子は、
電源と対向電極との間の接続配線に設けられているもの
とする。こうすることで、請求項13の発明と同様の作
用効果が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0040】<実施形態1>この実施形態に係るプラズ
マ式ガス浄化装置は、被処理空気に含まれる臭気成分又
は有害成分を酸化分解して空気を浄化する空気浄化装置
(1)である。図1は、この空気浄化装置(1)の概略構
成を示している。
【0041】上記空気浄化装置(1)は、集塵フィルタ
(11)、遠心ファン(12)、プラズマ反応器(20)等の
各機能部品がケーシング(10)内に収納された構成を有
している。
【0042】上記ケーシング(10)の一つの側面(図の
右側の側面)には、ケーシング(10)内に空気を吸い込
むための空気吸込口(15)が形成され、上面には浄化空
気を吹き出すための空気吹出口(16)が形成されてい
る。上記空気吸込口(15)には吸込グリル(15a)が設
けられ、空気吹出口(16)には吹出グリル(16a)が設
けられている。また、空気吸込口(15)には、吸込グリ
ル(15a)の内側に上記集塵フィルタ(11)が配置さ
れ、この集塵フィルタ(11)により吸込空気中に含まれ
る塵埃が捕集されるようになっている。
【0043】上記空気吹出口(16)は、ケーシング(1
0)の上面において、空気吸込口(15)とは反対側の縁
部(図1の左側の縁部)に形成されている。そして、こ
の空気吹出口(16)に対応して、上記遠心ファン(12)
がケーシング(10)内に設けられている。この遠心ファ
ン(12)には、ファン用電源(12a)が接続されてい
る。以上の構成において、ケーシング(10)の内部は、
空気吸込口(15)と空気吹出口(16)との間が被処理空
気の流通空間(被処理ガスの流通路)となっている。そ
して、遠心ファン(12)を起動すると、被処理空気が空
気吸込口(15)の吸込グリル(15a)及び集塵フィルタ
(11)を通してケーシング(10)内に吸い込まれる。被
処理空気は、後述するプラズマ反応器(20)での処理後
に、空気吹出口(16)の吹出グリル(16a)からケーシ
ング(10)の外側に吹き出される。
【0044】図2はプラズマ反応器(20)の概略構成を
示す断面図であり、図3は斜視図である。このプラズマ
反応器(20)は、低温プラズマを発生させるための放電
手段としての放電電極(21)と、この放電電極(21)に
対向して配置された対向電極(22)と、これら両電極
(21,22)の間で対向電極(22)に近接して配置された
処理部材(23)とを備えている。つまり、この処理部材
(23)は放電場(D)中に配置されている。
【0045】上記処理部材(23)は、空気の流れ方向に
沿って貫通する多数の小孔(23b)が形成されたハニカ
ム形状の基材(23a)と、この基材(23a)に担持された
触媒及び吸着剤とから構成されている。
【0046】上記基材(23a)に担持される触媒物質と
しては、例えば、Pt,Pd,Ni,Ir,Rh,C
o,Os,Ru,Fe,Re,Tc,Mn,Au,A
g,Cu,W,Mo,Crのうちの少なくとも1種を含
んでいる触媒物質を好適に用いることができる。これら
の触媒物質は、被処理空気を処理する際の化学反応を促
進するものである。
【0047】一方、上記吸着剤は、被処理空気中に含ま
れる臭気物質や有害物質等の被処理成分を吸着するもの
であり、例えば活性炭やゼオライト等を好適に用いるこ
とができる。尚、吸着剤には、多孔質セラミックス、活
性炭繊維、モルデナイト、フェリエライト、シリカライ
ト等を使用してもよく、これらのうちの少なくとも1種
を用いるとよい。このように、基材(23a)は空気中の
臭気成分及び有害成分を分解する機能材料となってい
る。
【0048】上記放電電極(21)は、電極板(21b)
と、この電極板(21b)にほぼ直交するように固定され
た、針状の放電電極としての複数の針電極(21c)とか
ら構成されている。上記電極板(21b)は、メッシュ材
やパンチングメタル等からなり、その面直角方向に空気
が通過する多数の開口部(21d)を有している。また、
対向電極(22)にも、放電電極(21)と同様に、メッシ
ュ材やパンチングメタル等からなりかつ面直角方向に空
気が通過する多数の開口部(22a)を有する電極板が用
いられている。
【0049】上記放電電極(21)は、上記対向電極(2
2)に対し、電極板(21b)がほぼ平行で且つ針電極(21
c)がほぼ直角になるように配置されている。つまり、
対向電極(22)は、針電極(21c)に略直交する状態で
対向して配置されていることになる。上記針電極(21
c)は、対向電極(22)側の先端部(21a)が尖端部とし
て形成され、その尖端角度(θ)が60°(30°〜9
0°の範囲であればよい)に設定されている。また、針
電極(21c)の先端は、アール加工により小さな丸みが
付けられて球面状に形成されている。さらに、図4に示
すように、針電極(21c)の先端部(21a)(この実施形
態では先端)には、該針電極(21c)よりも微細な1つ
の針状突起(31)が設けられている(尚、図1〜図3に
おいては、この針状突起(31)の図示は省略してい
る)。この針状突起(31)は導電性材料からなり、放電
電極(21)の一部を形成している。
【0050】上記両電極(21,22)には、直流電圧を出
力するように構成された直流電源(24)が接続されてお
り、この電源(24)により該両電極(21c,22)間に電圧
を印加してストリーマ放電を発生させるようになってい
る。詳しくは、上記放電電極(21)は直流電源(24)の
正極側に接続され、対向電極(22)は直流電源(24)の
負極側に接続されている。上記ストリーマ放電により、
放電場(D)には低温プラズマが発生する。この低温プ
ラズマには、活性種として、電子、イオン、オゾンや、
その他のラジカル(ヒドロキシラジカル、励起酸素分
子、励起窒素分子、励起水分子等)が含まれる。
【0051】尚、図1に符号(13)で示しているもの
は、放電により発生するオゾンを分解するためのオゾン
分解触媒である。
【0052】−運転動作− 次に、この空気浄化装置(1)の運転動作について説明
する。
【0053】空気浄化装置(1)の運転を開始し、遠心
ファン(12)が起動すると、まず、空気吸込口(15)か
ら被処理空気が吸い込まれて、この空気に含まれる塵埃
が集塵フィルタ(11)によって捕集される。装置(1)
の運転時は、プラズマ反応器(20)の放電電極(21)
(針電極(21c))と対向電極(22)との間に高電圧
(例えば20〜30kV)の直流電圧が印加され、両電
極(21,22)間でストリーマ放電が生じる。そして、集
塵フィルタ(11)で塵埃が除去された空気は、両電極
(21,22)の間の放電場(D)を通過する。
【0054】ここで、ストリーマ放電は、針電極(21
c)の先端の針状突起(31)から微小アークが発生し、
この微小アークが対向電極(22)まで進展することによ
り、発光を伴ったプラズマ柱として形成されるものであ
る。この微小アークは、放電電極(21)と対向電極(2
2)との間において等電位面の間隔が狭いところで連な
って進展しやすい。尚、本実施形態では、放電電極(2
1)の針電極(21c)の尖端角度(θ)を60°(30°
〜90°)に特定するとともに、その尖端に微細な丸み
を付けているので、針状突起(31)で生じた微小アーク
は広範囲に広がりながら進展しやすくなる。このため、
本実施形態のプラズマ反応器(20)においては、ストリ
ーマ放電が従来よりも広範囲で生じることとなる。
【0055】上記被処理空気は、放電場(D)を通過す
ると、ストリーマ放電の作用によりプラズマ化し、低温
プラズマとなる。そして、この放電によって生成される
各種の活性種は、処理部材(23)の触媒と接触すること
によりさらに高度に励起されて活性が高められ、有害物
質や臭気成分と効率よく反応して、これらの物質を分解
除去する。このため、空気中の有害物質や臭気物質は、
プラズマと触媒の相乗効果によって素早く分解される。
【0056】さらに、処理部材(23)には吸着剤も含ま
れているため、被処理空気中の有害物質や臭気物質が吸
着剤に吸着され、低温プラズマの活性種がこれらの成分
に確実に作用して、分解処理を促進する。つまり、触媒
と吸着剤とを一つの処理部材(23)に含ませるようにし
たことによって、より安定した処理が行われる。
【0057】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、針電極(21c)の先端部(21a)
に微細な針状突起(31)を設けることとしたので、放電
電極(21)から微小アークが発生しやすくなり、ストリ
ーマ放電が生成されやすくなる。したがって、従来のよ
うにパルス幅の狭い急峻なパルス高電圧を印加するパル
ス電源を用いる必要はなく、放電電極(21)(針電極
(21c))と対向電極(22)との間に直流電圧を印加す
るだけで、ストリーマ放電を生成することができる。こ
のように、電源として高価なパルス電源を用いる必要が
なく、安価な直流電源(24)で足りるので、装置(1)
のコストダウンを図ることができる。
【0058】−実施形態1の変形例− 上記実施形態1は、針電極(21c)の先端部(21a)に針
状突起(31)を1つ設けたものであったが、図5に示す
ように、針状突起(31)を2つ又は3つ以上設けるよう
にしてもよい。このように針電極(21c)の先端部(21
a)に複数の針状突起(31)を設けることによって、該
先端部(21a)において微小アークが発生しやすくな
り、ストリーマ放電をより一層容易に生成することがで
きる。
【0059】また、実施形態1と同様の構成を参考例と
して記載しておくと、図6に示すように、針電極(21
c)の代わりに複数の平板状の突出電極(21e)を備え、
それら突出電極(21e)の先端面に複数の微小針状突起
(31)を設けるようにすることも可能である。
【0060】<実施形態2>図7は、実施形態2に係る
空気浄化装置(1)のプラズマ反応器(20)の構成を示
す。尚、プラズマ反応器(20)以外の部分については、
実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0061】本実施形態では、処理部材(23)は導電性
の部材によって形成され、対向電極(22)と処理部材
(23)とは互いに接触するように配置されている。した
がって、処理部材(23)は、被処理ガスの処理を行うと
ともに、対向電極(22)の一部としても機能している。
この処理部材(23)の放電電極(21)側(図7の左側)
の面には、複数の針状の突起(32)が設けられている。
この各突起(32)は、導電性材料によって形成されてい
る。
【0062】本実施形態の放電電極(21)の針電極(21
c)は、実施形態1のように針状突起(31)を備えたも
のであってもよく、針状突起(31)が設けられていない
ものであってもよい。
【0063】本実施形態では、放電電極(21)と対向電
極(22)との間に直流電圧が印加されると、処理部材
(23)の突起(32)から電子(34)が放出される。つま
り、負極側から放電が生じる(バックチャージ)。一
方、放電電極(21)の針電極(21c)からは、正イオン
(33)が発生する。そして、正イオン(33)と電子(3
4)との間で微小アーク(35)が発生し、この微小アー
ク(35)が進展してストリーマ放電が生成される。
【0064】このように、本実施形態では、バックチャ
ージを利用して正イオン(33)と電子(34)との間で微
小アーク(35)を発生させることとしたので、直流電圧
を印加するだけでストリーマ放電を容易に生成すること
ができる。したがって、実施形態1と同様に、装置
(1)の低コスト化を図ることができる。
【0065】尚、本実施形態は、処理部材(23)を対向
電極(22)の放電電極(21)側(図7の左側)に設け、
突起(32)を処理部材(23)に設けたものであったが、
処理部材(23)を対向電極(22)の下流側(放電電極
(21)と反対側、つまり図7の右側)に設け、突起(3
2)を対向電極(22)の放電電極(21)側に設けてもよ
い。このような場合であっても、バックチャージを利用
して両電極(21,22)間にストリーマ放電を安定して生
成することができる。
【0066】<実施形態3>図8に、実施形態3に係る
空気浄化装置(1)のプラズマ反応器(20)の構成を示
す。尚、本実施形態においても、プラズマ反応器(20)
以外の部分については実施形態1と同様であるので、そ
の説明は省略する。
【0067】本実施形態においても、処理部材(23)は
導電性の部材によって形成され、対向電極(22)と処理
部材(23)とは互いに接触するように配置されている。
したがって、本実施形態においても、処理部材(23)は
電極としても機能している。そして、処理部材(23)の
放電電極(21)側の表面には、絶縁性の網状のカバー部
材(36)が設けられている。尚、カバー部材(36)は、
対向電極(22)と同様に複数の開口部(36a)が設けら
れたものであればよく、その形状は網形状に限定される
ものではない。例えば、ハニカム形状に形成されていて
もよい。
【0068】上記実施形態2と同様に、放電電極(21)
の針電極(21c)は、針状突起(31)を備えたものであ
ってもよく、針状突起(31)のないものであってもよ
い。
【0069】本実施形態では、放電電極(21)と対向電
極(22)との間に直流電圧が印加されると、放電電極
(21)の針電極(21c)から正イオンが放出され、カバ
ー部材(36)の表面に正電荷(33)が溜まっていく。そ
して、カバー部材(36)と処理部材(23)との間の沿面
上で微小アーク(35)が発生し、この微小アーク(35)
が進展して放電ストリーマが生成される。
【0070】このように、本実施形態では、対向電極
(22)に接触させた導電性の処理部材(23)の表面に絶
縁性のカバー部材(36)を設け、該カバー部材(36)と
処理部材(23)との間で逆電離現象を利用して微小アー
ク(35)を発生させることとしたので、直流電圧を印加
するだけでストリーマ放電を容易に生成することができ
る。したがって、実施形態1と同様に、装置(1)の低
コスト化を図ることができる。
【0071】尚、本実施形態は、処理部材(23)を対向
電極(22)の放電電極(21)側(図8の左側)に設け、
絶縁性のカバー部材(36)を処理部材(23)に設けたも
のであったが、処理部材(23)を対向電極(22)の下流
側(放電電極(21)と反対側、つまり図8の右側)に設
け、カバー部材(36)を対向電極(22)の放電電極(2
1)側に設けてもよい。このような場合であっても、逆
電離現象を利用して両電極(21,22)間にストリーマ放
電を安定して生成することができる。
【0072】<実施形態4>図9に示すように、実施形
態4に係る空気浄化装置(1)は、実施形態1におい
て、放電電極(21)の針電極(21c)の針状突起(31)
を省略し、その代わりに針電極(21c)の先端に絶縁性
チップとしてセラミックチップ(37)を設けたものであ
る。その他の部分は実施形態1と同様であるので、その
説明は省略する。
【0073】放電電極(21)と対向電極(22)との間に
直流電圧が印加されると、放電電極(21)の針電極(21
c)の先端部(21a)に電流密度が集中し、該先端部(21
a)から放電が発生しやすくなる。しかし、本実施形態
では、針電極(21c)の先端部(21a)に絶縁性のセラミ
ックチップ(37)が設けられているため、該セラミック
チップ(37)部分において放電ギャップが生じ、針電極
(21c)の先端部(21a)からセラミックチップ(37)に
かけての沿面上で微小アーク(35)が発生しやすくな
る。そして、この微小アーク(35)が進展していくこと
により、ストリーマ放電が容易に生成されることにな
る。
【0074】このように、本実施形態では、放電電極
(21)の針電極(21c)の先端において微小アーク(3
5)を容易に発生させることができ、直流電圧を印加す
るだけでストリーマ放電を容易に生成することができ
る。したがって、実施形態1と同様に、装置(1)の低
コスト化を図ることができる。
【0075】<実施形態5>図10に示すように、実施
形態5に係る空気浄化装置(1)は、直流電源(24)の
負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続配線(3
9)に、放電ギャップ(38)を設けたものである。
【0076】このように、直流電源(24)と対向電極
(22)との間の接続配線(39)に放電ギャップ(38)を
設けることにより、放電ギャップ(38)間で放電が生じ
たときにだけ放電電極(21)と対向電極(22)との間に
電圧が印加されることになる。そのため、両電極(21,2
2)間には、見かけ上パルス電圧が印加されることにな
る。したがって、直流電源(24)を用いているにも拘わ
らず、擬似的なパルス電圧を印加することができるの
で、ストリーマ放電を容易に生成することができ、実施
形態1と同様に、装置(1)の低コスト化を図ることが
できる。
【0077】尚、上記放電ギャップ(38)を、直流電源
(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続
配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正極側
出力端子と放電電極(21)(針電極(21c))との間の
接続配線(42)に設けるようにしてもよい。
【0078】<実施形態6>実施形態6に係る空気浄化
装置(1)は、ストリーマ放電を検知する手段を備え、
ストリーマ放電の発生頻度が少なくなると印加電圧を上
昇させるように直流電源(24)を制御するものである。
【0079】図11に示すように、直流電源(24)の負
極側出力端子と対向電極(22)との間の接続配線(39)
には、電流を検知する電流検知器(40)が設けられてお
り、放電電極(21)と対向電極(22)との間に放電が生
じると、上記接続配線(39)には所定電流値の電流が流
れる。したがって、上記接続配線(39)を流れる電流を
検知することにより、ストリーマ放電の有無及び状態を
検出することができる。具体的には、図12に示すよう
に、単位時間当たりの電流の検知回数が予め定めた所定
回数以上であるとき(図12のT1参照)には、ストリ
ーマ放電が良好に発生していることが検出される。逆
に、単位時間当たりの電流の検知回数が上記所定回数よ
りも少ないとき(図12のT2参照)、言い換えると電
流の発生がまばらであるときには、ストリーマ放電が減
少していることが検出される。
【0080】本実施形態では、直流電源(24)及び電流
検知器(40)に接続されたコントローラ(41)によっ
て、単位時間当たりの電流の検知回数が上記所定回数よ
りも少なくなると、直流電源(24)の電圧値を所定値だ
け大きくする。その結果、弱まったストリーマ放電は再
び強められて、ストリーマ放電が安定的に維持されるこ
とになる。
【0081】したがって、本実施形態においても、直流
電源(24)を用いることによってストリーマ放電を安定
して発生させることができ、装置(1)の低コスト化を
図ることができる。
【0082】尚、上記電流検知器(40)を、直流電源
(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続
配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正極側
出力端子と放電電極(21)(針電極(21c))との間の
接続配線(42)に設けるようにしてもよい。
【0083】<実施形態7>図13は実施形態7を示
し、直流電源(24)の負極側出力端子と対向電極(22)
との間の接続配線(39)に、上記実施形態5のような放
電ギャップ(38)を設ける代わりに、上記接続配線(3
9)の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子(4
5)を設けるようにしたものである。
【0084】上記スイッチング素子(45)は、本実施形
態では、半導体素子としてのトランジスタからなってい
て、図外のコントローラからこのトランジスタのベース
に切換信号(Lo信号及びHi信号)を入力すること
で、上記接続配線(39)の遮断と導通との切換えを行う
ようになっている。そして、このスイッチング素子(4
5)は、上記接続配線(39)の遮断と導通との切換えを
繰り返し行うことにより、放電電極(21)及び対向電極
(22)間に、図14に示すように、周期的に変動する電
圧(直流電源(24)の出力電圧Vに比べて振幅電圧が小
さい振動電圧)を印加するように構成されている。つま
り、スイッチング素子(45)は、接続配線(39)を導通
状態から遮断状態に切り換えた後において印加電圧が0
になる前に、導通状態に切り換え、その直後に導通状態
から遮断状態に切り換えるようになっている。
【0085】したがって、本実施形態では、スイッチン
グ素子(45)により放電電極(21)と対向電極(22)と
の間に、パルス電圧と同様の変動電圧を印加することが
できるとともに、この印加する変動電圧をスイッチング
素子(45)により制御することができる。この結果、直
流電源(24)を用いても、このスイッチング素子(45)
による電圧制御によりストリーマ放電を安定して発生さ
せることができるとともに、放電状態の制御を容易に行
うことができる。しかも、電圧の変動周期を適切に設定
することにより、ストリーマ放電の発生頻度を最適に調
整することができ、最大のエネルギー効率が得られるよ
うにすることができる。よって、簡単な構成で、ストリ
ーマ放電を生成することができ、装置(1)のコストダ
ウンを図ることができる。
【0086】尚、上記スイッチング素子(45)を、直流
電源(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の
接続配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正
極側出力端子と放電電極(21)との間の接続配線(42)
に設けるようにしてもよい。但し、スイッチング素子
(45)を、直流電源(24)と対向電極(22)との間の接
続配線(39)に設ける方が、直流電源(24)と放電電極
(21)との間の接続配線(42)に設ける場合に比べて、
スイッチング素子(45)の耐圧をかなり低く抑えること
ができ、小型で安価な素子を用いることができる。
【0087】また、本実施形態の放電電極(21)は、必
ずしも針電極(21c)や針状突起(31)を備えたもので
ある必要はない。
【0088】さらに、スイッチング素子(45)は、直流
電源(24)と対向電極(22)との間の接続配線(39)
(又は直流電源(24)と放電電極(21)との間の接続配
線(42))の遮断と導通とを切り換えることが可能なも
のであれば、機械的なものであってもよい。但し、上記
のように半導体素子とすることで、接続配線(39)の遮
断と導通との切換えを電気的に行うので、ノイズの発生
を抑えることができるとともに、構成を簡略化すること
ができる。また、スイッチ部の端子消耗がなく、放電電
極(21)及び対向電極(22)間に印加する電圧を長期に
亘って安定させることができる。
【0089】加えて、上記放電電極(21)、対向電極
(22)、直流電源(24)、接続配線(39,42)及びスイ
ッチング素子(45)で構成されるストリーマ放電回路
は、空気浄化装置(1)以外にも、ストリーマ放電を利
用するものに好適に用いることができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
式ガス浄化装置及びストリーマ放電回路によれば、直流
電源を用いて安定したストリーマ放電を発生させること
ができるので、高価なパルス電源が不要になり、プラズ
マ式ガス浄化装置やストリーマ放電回路のコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気浄化装置の構造図であ
る。
【図2】実施形態1に係るプラズマ反応器の要部の構成
を模式的に示す断面図である。
【図3】実施形態1に係るプラズマ反応器の構成を模式
的に示す斜視図である。
【図4】針電極の部分拡大図である。
【図5】実施形態1の変形例に係る図4相当図である。
【図6】実施形態1と同様の構成の参考例に係る図4相
当図である。
【図7】実施形態2に係るプラズマ反応器の構成図であ
る。
【図8】実施形態3に係るプラズマ反応器の構成図であ
る。
【図9】実施形態4に係る針電極の部分拡大図である。
【図10】実施形態5に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図11】実施形態6に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図12】電流検知器によって検出された電気回路の電
流を表すグラフである。
【図13】実施形態7に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図14】スイッチング素子による接続配線の遮断と導
通との切換えにより、放電電極及び対向電極間に印加さ
れる振動電圧を示す波形図である。
【符号の説明】
(1) 空気浄化装置 (11) 集塵フィルタ (12) 遠心フィルタ (13) オゾン分解触媒 (15) 空気吸込口 (16) 空気吹出口 (20) プラズマ反応器 (21a) 針電極の先端部(針状の放電電極の先端部) (21c) 針電極(針状の放電電極) (22) 対向電極 (23) 処理部材 (24) 直流電源(電源) (31) 針状突起 (32) 突起 (33) 正イオン (34) 電子 (35) 微小アーク (36) カバー部材 (37) セラミックチップ(絶縁性チップ) (38) 放電ギャップ (39) 直流電源と対向電極との間の接続配線 (40) 電流検出器 (41) コントローラ(制御手段) (42) 直流電源と放電電極との間の接続配線 (45) スイッチング素子
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月25日(2002.10.
25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プラズマ式ガス浄化装置及びストリー
マ放電回路
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス中の臭気成分
や有害成分等をプラズマ放電を用いて無臭化又は無害化
等するプラズマ式ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開2000−140562
号公報に開示されているように、放電によって低温プラ
ズマを発生させ、この低温プラズマを用いてガス中の臭
気成分若しくは有害成分の分解又は吸着を促進する装置
が知られている。上記低温プラズマは、空気分子が励起
されることによって生じ、その結果、高速の電子と低速
の正イオンとが生成される。上記高速電子のエネルギー
は非常に高く、この高速電子によって10eVを越える
エネルギーを得ることができる。一方、正イオンは低速
であり、熱力学的温度は殆ど上昇しないという特徴を有
している。
【0003】上記低温プラズマによる臭気成分又は有害
成分の分解は、高速電子の衝突による臭気ガス分子又は
有害ガス分子の分解と、反応性の高い活性種(ヒドロキ
シルラジカル(OH)、オゾン(O3)、励起酸素分子
(O2 *)等)による化学反応とによって行われる。この
ように低温プラズマを用いることにより、燃焼触媒や化
学吸収等を利用したいわゆる分解方式のガス浄化装置に
比べて、装置を安価に構成することが可能となる。
【0004】そのようなプラズマ式のガス浄化装置とし
て、パックドベッド、沿面放電、無声放電、又はストリ
ーマ放電を用いた装置が提案されている。しかし、パッ
クドベッド、沿面放電及び無声放電を用いた装置では、
ガス流通路中に配置する電極を絶縁材で被覆する必要が
ある。そのため、絶縁材の分だけ、ガス流通路の空隙が
少なくなり、ガス流通の圧力損失が大きくなるという課
題があった。また、絶縁材に導電性の汚れが付着する
と、性能劣化を生じやすかった。
【0005】これに対して、ストリーマ放電を用いた装
置では、ガス流通路内に剥き出しの放電電極とこの放電
電極に対向配置された対向電極との2つの電極を設ける
だけでよく、この2つの電極によってガス流通路の内部
空間全体を励起することができる。したがって、ガス流
通の圧力損失が少なく、絶縁劣化による性能低下も起こ
りにくい。このようなストリーマ放電を用いた装置は、
例えば特開平8−323134号公報及び特開平11−
333244号公報に開示されている。
【0006】上記ストリーマ放電は、放電場において微
小なアーク放電が発生したときに、そのアークが進展す
ることによって生じる。そして、このストリーマ放電の
生成は、従来では、上記放電電極及び対向電極間に高圧
のパルス電圧を印加することによって行うようにしてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パルス電圧を
印加するためには、高価なパルス電源が必要となる。そ
のため、パルス電圧を印加する従来の手法では、装置の
大幅なコストダウンを図ることは困難であった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、パルス電源を用いる
ことなくストリーマ放電を生成することにより、装置の
コストダウンを図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、直流電源を用いてストリーマ放電を生成
するようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、針状の
放電電極と、該放電電極に略直交する状態で対向して配
置された面上の対向電極と、正極側が上記放電電極に接
続され且つ負極側が上記対向電極に接続された電源とを
備え、上記放電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流
通空間に配置され、上記電源により該両電極間に電圧を
印加してストリーマ放電を発生させることによって被処
理ガスを浄化するプラズマ式ガス浄化装置を対象とし
て、上記電源は、直流電圧を出力するように構成され、
上記放電電極の先端部には、1又は2以上の微細な針状
突起が設けられているものとする。
【0011】上記の構成により、針状の放電電極の先端
部に、該針状放電電極よりも更に微細な針状電極が設け
られているので、放電電極の先端側において電流密度の
集中が起こりやすくなる。この結果、放電電極及び対向
電極間に印加される電圧が直流電圧であっても、ストリ
ーマ放電を安定して発生させることができ、パルス電源
は不要になる。
【0012】請求項2の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
には、上記放電電極側に突出する突起が設けられている
ものとする。
【0013】このことにより、対向電極に設けられた突
起から電子が放出され(バックチャージ)、放電電極か
ら発生した正イオンと該電子との間で微小アークが発生
する。そして、この微小アークが進展し、ストリーマ放
電が生成される。このようにバックチャージを利用する
ことにより、印加電圧が直流電圧であってもストリーマ
放電を安定して発生させることができる。
【0014】請求項3の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、触媒又は吸着剤を含むととも
に被処理ガスを流通させる小孔が形成された導電性の処
理部材が設けられ、上記処理部材には、上記放電電極側
に突出する突起が設けられているものとする。
【0015】このことで、処理部材に設けられた突起か
ら電子が放出され、ストリーマ放電が安定して形成され
る。特に、本装置では、ストリーマ放電が処理部材に照
射されるので、処理部材に含まれる触媒又は吸着剤の能
力が高められる。したがって、ストリーマ放電による浄
化作用と処理部材の浄化作用との相乗効果により、ガス
浄化の性能向上が図られる。
【0016】請求項4の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、開口部が設けられた絶縁性の
カバー部材が設けられているものとする。
【0017】この発明により、放電電極から発生した正
イオンの一部はカバー部材に溜まり、このカバー部材と
対向電極との間で微小アークが発生する。そして、この
微小アークが進展し、ストリーマ放電が形成される。こ
のように逆電離現象を利用することにより、印加電圧が
直流電圧であっても、ストリーマ放電を安定して発生さ
せることができる。
【0018】請求項5の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記対向電極
の放電電極側の表面には、触媒又は吸着剤を含むととも
に被処理ガスを流通させる小孔が形成された導電性の処
理部材が設けられ、上記処理部材の放電電極側の表面に
は、開口部が設けられた絶縁性のカバー部材が設けられ
ているものとする。
【0019】こうすることで、カバー部材に溜まった正
イオンと処理部材との間で微小アークが発生し、ストリ
ーマ放電が安定して形成される。特に、本装置では、ス
トリーマ放電が処理部材に照射されるので、処理部材に
含まれる触媒又は吸着剤の能力が高められる。したがっ
て、ストリーマ放電による浄化作用と処理部材の浄化作
用との相乗効果により、ガス浄化の性能向上が図られ
る。
【0020】請求項6の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記放電電極
の先端には、絶縁性チップが設けられているものとす
る。
【0021】すなわち、放電は針状の放電電極のうち電
界の一番強い先端部から生じる傾向にあるが、この発明
では、放電電極の先端に絶縁性チップが設けられている
ので、放電電極の先端部に電界のギャップが生じ、それ
により微小アークが発生する。したがって、印加電圧が
直流電圧であっても、ストリーマ放電を安定して発生さ
せることができる。
【0022】請求項7の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記電源と上
記対向電極又は上記放電電極との間の接続配線に、放電
ギャップが設けられているものとする。
【0023】このことで、放電ギャップ間において間欠
的にアークが発生することにより、放電電極と対向電極
との間には、パルス電圧が印加された状態となる。した
がって、直流電源を用いても、パルス電源によりパルス
電圧を印加した場合と同様の効果を得ることができ、ス
トリーマ放電を安定して発生させることができる。
【0024】請求項8の発明では、針状の放電電極と、
該放電電極に略直交する状態で対向して配置された面上
の対向電極と、正極側が上記放電電極に接続され且つ負
極側が上記対向電極に接続された電源とを備え、上記放
電電極と上記対向電極とが被処理ガスの流通空間に配置
され、上記電源により該両電極間に電圧を印加してスト
リーマ放電を発生させることによって被処理ガスを浄化
するプラズマ式ガス浄化装置を対象として、上記電源
は、直流電圧を出力するように構成され、上記ストリー
マ放電を検知するストリーマ検知手段と、上記ストリー
マ検知手段の出力を受けて、上記両電極間のストリーマ
放電が減少すると電圧値を上昇させるように上記電源を
制御する制御手段とを備えているものとする。
【0025】また、請求項9の発明では、請求項8の発
明において、ストリーマ検知手段は、電源と対向電極又
は放電電極との間の接続配線を流れる電流を検出する電
流検出器を有していて、該電流の有無に基づいてストリ
ーマ放電を検知するように構成され、制御手段は、上記
電流の発生頻度が少なくなると上記電源の電圧値を上昇
させるように構成されているものとする。
【0026】これら請求項8及び9の発明により、スト
リーマ放電を検知し、該ストリーマ放電が減少するとプ
ラズマ放電を増加させるように印加電圧の電圧値を大き
くするので、両電極間においてストリーマ放電が安定し
て形成される。
【0027】請求項10の発明では、放電電極と、該放
電電極に対向して配置された対向電極と、正極側が上記
放電電極に接続され且つ負極側が上記対向電極に接続さ
れた電源とを備え、上記放電電極と上記対向電極とが被
処理ガスの流通空間に配置され、上記電源により該両電
極間に電圧を印加してストリーマ放電を発生させること
によって被処理ガスを浄化するプラズマ式ガス浄化装置
を対象として、上記電源は、直流電圧を出力するように
構成され、上記電源と上記対向電極又は上記放電電極と
の間の接続配線に、該接続配線の遮断と導通とを切り換
えるスイッチング素子が設けられているものとする。
【0028】このことで、スイッチング素子により放電
電極と対向電極との間に印加する電圧を変化させること
ができ、直流電源を用いても、この印加電圧の変化によ
りストリーマ放電を安定して発生させることができると
ともに、放電状態の制御を容易に行うことができる。
【0029】請求項11の発明では、請求項10の発明
において、スイッチング素子は、接続配線の遮断と導通
との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極及び対
向電極間に周期的に変動する電圧を印加するように構成
されているものとする。
【0030】こうすることで、電圧の変動周期を適切に
設定することにより、ストリーマ放電の発生頻度を最適
に調整することができ、最大のエネルギー効率が得られ
るようにすることができる。
【0031】請求項12の発明では、請求項10又は1
1の発明において、スイッチング素子は、半導体素子で
あるものとする。
【0032】このことにより、接続配線の遮断と導通と
の切換えを電気的に行うので、ノイズの発生を抑えるこ
とができるとともに、構成を簡略化することができる。
また、スイッチ部の端子消耗がなく、放電電極及び対向
電極間に印加する電圧を長期に亘って安定させることが
できる。
【0033】請求項13の発明では、請求項10〜12
のいずれか1つの発明において、スイッチング素子は、
電源と対向電極との間の接続配線に設けられているもの
とする。
【0034】このことで、スイッチング素子を電源と放
電電極との間の接続配線に設ける場合に比べて、スイッ
チング素子の耐圧をかなり低く抑えることができ、小型
で安価な素子を用いることができる。
【0035】請求項14の発明は、放電電極と、該放電
電極に対向して配置された対向電極と、正極側が上記放
電電極に接続され且つ負極側が上記対向電極に接続され
た電源とを備え、上記電源により該両電極間に電圧を印
加してストリーマ放電を発生させるようにしたストリー
マ放電回路の発明であり、この発明では、上記電源は、
直流電圧を出力するように構成され、上記電源と上記対
向電極又は上記放電電極との間の接続配線に、該接続配
線の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子が設け
られているものとする。この発明により、請求項10の
発明と同様の作用効果が得られる。
【0036】請求項15の発明では、請求項14の発明
において、スイッチング素子は、接続配線の遮断と導通
との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極及び対
向電極間に周期的に変動する電圧を印加するように構成
されているものとする。このことで、請求項11の発明
と同様の作用効果が得られる。
【0037】請求項16の発明では、請求項14又は1
5の発明において、スイッチング素子は、半導体素子で
あるものとする。このことにより、請求項12の発明と
同様の作用効果が得られる。
【0038】請求項17の発明では、請求項14〜16
のいずれか1つの発明において、スイッチング素子は、
電源と対向電極との間の接続配線に設けられているもの
とする。こうすることで、請求項13の発明と同様の作
用効果が得られる。
【0039】請求項18の発明は、複数の平板状の突出
電極からなる放電電極と、該放電電極に略直交する状態
で対向して配置された面上の対向電極と、正極側が上記
放電電極に接続され且つ負極側が上記対向電極に接続さ
れた電源とを備え、上記放電電極と上記対向電極とが被
処理ガスの流通空間に配置され、上記電源により該両電
極間に電圧を印加してストリーマ放電を発生させること
によって被処理ガスを浄化するプラズマ式ガス浄化装置
であって、上記電源は、直流電圧を出力するように構成
され、上記放電電極の先端面には、複数の微小針状突起
が設けられているものである。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0041】<実施形態1>この実施形態に係るプラズ
マ式ガス浄化装置は、被処理空気に含まれる臭気成分又
は有害成分を酸化分解して空気を浄化する空気浄化装置
(1)である。図1は、この空気浄化装置(1)の概略構
成を示している。
【0042】上記空気浄化装置(1)は、集塵フィルタ
(11)、遠心ファン(12)、プラズマ反応器(20)等の
各機能部品がケーシング(10)内に収納された構成を有
している。
【0043】上記ケーシング(10)の一つの側面(図の
右側の側面)には、ケーシング(10)内に空気を吸い込
むための空気吸込口(15)が形成され、上面には浄化空
気を吹き出すための空気吹出口(16)が形成されてい
る。上記空気吸込口(15)には吸込グリル(15a)が設
けられ、空気吹出口(16)には吹出グリル(16a)が設
けられている。また、空気吸込口(15)には、吸込グリ
ル(15a)の内側に上記集塵フィルタ(11)が配置さ
れ、この集塵フィルタ(11)により吸込空気中に含まれ
る塵埃が捕集されるようになっている。
【0044】上記空気吹出口(16)は、ケーシング(1
0)の上面において、空気吸込口(15)とは反対側の縁
部(図1の左側の縁部)に形成されている。そして、こ
の空気吹出口(16)に対応して、上記遠心ファン(12)
がケーシング(10)内に設けられている。この遠心ファ
ン(12)には、ファン用電源(12a)が接続されてい
る。以上の構成において、ケーシング(10)の内部は、
空気吸込口(15)と空気吹出口(16)との間が被処理空
気の流通空間(被処理ガスの流通路)となっている。そ
して、遠心ファン(12)を起動すると、被処理空気が空
気吸込口(15)の吸込グリル(15a)及び集塵フィルタ
(11)を通してケーシング(10)内に吸い込まれる。被
処理空気は、後述するプラズマ反応器(20)での処理後
に、空気吹出口(16)の吹出グリル(16a)からケーシ
ング(10)の外側に吹き出される。
【0045】図2はプラズマ反応器(20)の概略構成を
示す断面図であり、図3は斜視図である。このプラズマ
反応器(20)は、低温プラズマを発生させるための放電
手段としての放電電極(21)と、この放電電極(21)に
対向して配置された対向電極(22)と、これら両電極
(21,22)の間で対向電極(22)に近接して配置された
処理部材(23)とを備えている。つまり、この処理部材
(23)は放電場(D)中に配置されている。
【0046】上記処理部材(23)は、空気の流れ方向に
沿って貫通する多数の小孔(23b)が形成されたハニカ
ム形状の基材(23a)と、この基材(23a)に担持された
触媒及び吸着剤とから構成されている。
【0047】上記基材(23a)に担持される触媒物質と
しては、例えば、Pt,Pd,Ni,Ir,Rh,C
o,Os,Ru,Fe,Re,Tc,Mn,Au,A
g,Cu,W,Mo,Crのうちの少なくとも1種を含
んでいる触媒物質を好適に用いることができる。これら
の触媒物質は、被処理空気を処理する際の化学反応を促
進するものである。
【0048】一方、上記吸着剤は、被処理空気中に含ま
れる臭気物質や有害物質等の被処理成分を吸着するもの
であり、例えば活性炭やゼオライト等を好適に用いるこ
とができる。尚、吸着剤には、多孔質セラミックス、活
性炭繊維、モルデナイト、フェリエライト、シリカライ
ト等を使用してもよく、これらのうちの少なくとも1種
を用いるとよい。このように、基材(23a)は空気中の
臭気成分及び有害成分を分解する機能材料となってい
る。
【0049】上記放電電極(21)は、電極板(21b)
と、この電極板(21b)にほぼ直交するように固定され
た、針状の放電電極としての複数の針電極(21c)とか
ら構成されている。上記電極板(21b)は、メッシュ材
やパンチングメタル等からなり、その面直角方向に空気
が通過する多数の開口部(21d)を有している。また、
対向電極(22)にも、放電電極(21)と同様に、メッシ
ュ材やパンチングメタル等からなりかつ面直角方向に空
気が通過する多数の開口部(22a)を有する電極板が用
いられている。
【0050】上記放電電極(21)は、上記対向電極(2
2)に対し、電極板(21b)がほぼ平行で且つ針電極(21
c)がほぼ直角になるように配置されている。つまり、
対向電極(22)は、針電極(21c)に略直交する状態で
対向して配置されていることになる。上記針電極(21
c)は、対向電極(22)側の先端部(21a)が尖端部とし
て形成され、その尖端角度(θ)が60°(30°〜9
0°の範囲であればよい)に設定されている。また、針
電極(21c)の先端は、アール加工により小さな丸みが
付けられて球面状に形成されている。さらに、図4に示
すように、針電極(21c)の先端部(21a)(この実施形
態では先端)には、該針電極(21c)よりも微細な1つ
の針状突起(31)が設けられている(尚、図1〜図3に
おいては、この針状突起(31)の図示は省略してい
る)。この針状突起(31)は導電性材料からなり、放電
電極(21)の一部を形成している。
【0051】上記両電極(21,22)には、直流電圧を出
力するように構成された直流電源(24)が接続されてお
り、この電源(24)により該両電極(21c,22)間に電圧
を印加してストリーマ放電を発生させるようになってい
る。詳しくは、上記放電電極(21)は直流電源(24)の
正極側に接続され、対向電極(22)は直流電源(24)の
負極側に接続されている。上記ストリーマ放電により、
放電場(D)には低温プラズマが発生する。この低温プ
ラズマには、活性種として、電子、イオン、オゾンや、
その他のラジカル(ヒドロキシラジカル、励起酸素分
子、励起窒素分子、励起水分子等)が含まれる。
【0052】尚、図1に符号(13)で示しているもの
は、放電により発生するオゾンを分解するためのオゾン
分解触媒である。
【0053】−運転動作− 次に、この空気浄化装置(1)の運転動作について説明
する。
【0054】空気浄化装置(1)の運転を開始し、遠心
ファン(12)が起動すると、まず、空気吸込口(15)か
ら被処理空気が吸い込まれて、この空気に含まれる塵埃
が集塵フィルタ(11)によって捕集される。装置(1)
の運転時は、プラズマ反応器(20)の放電電極(21)
(針電極(21c))と対向電極(22)との間に高電圧
(例えば20〜30kV)の直流電圧が印加され、両電
極(21,22)間でストリーマ放電が生じる。そして、集
塵フィルタ(11)で塵埃が除去された空気は、両電極
(21,22)の間の放電場(D)を通過する。
【0055】ここで、ストリーマ放電は、針電極(21
c)の先端の針状突起(31)から微小アークが発生し、
この微小アークが対向電極(22)まで進展することによ
り、発光を伴ったプラズマ柱として形成されるものであ
る。この微小アークは、放電電極(21)と対向電極(2
2)との間において等電位面の間隔が狭いところで連な
って進展しやすい。尚、本実施形態では、放電電極(2
1)の針電極(21c)の尖端角度(θ)を60°(30°
〜90°)に特定するとともに、その尖端に微細な丸み
を付けているので、針状突起(31)で生じた微小アーク
は広範囲に広がりながら進展しやすくなる。このため、
本実施形態のプラズマ反応器(20)においては、ストリ
ーマ放電が従来よりも広範囲で生じることとなる。
【0056】上記被処理空気は、放電場(D)を通過す
ると、ストリーマ放電の作用によりプラズマ化し、低温
プラズマとなる。そして、この放電によって生成される
各種の活性種は、処理部材(23)の触媒と接触すること
によりさらに高度に励起されて活性が高められ、有害物
質や臭気成分と効率よく反応して、これらの物質を分解
除去する。このため、空気中の有害物質や臭気物質は、
プラズマと触媒の相乗効果によって素早く分解される。
【0057】さらに、処理部材(23)には吸着剤も含ま
れているため、被処理空気中の有害物質や臭気物質が吸
着剤に吸着され、低温プラズマの活性種がこれらの成分
に確実に作用して、分解処理を促進する。つまり、触媒
と吸着剤とを一つの処理部材(23)に含ませるようにし
たことによって、より安定した処理が行われる。
【0058】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、針電極(21c)の先端部(21a)
に微細な針状突起(31)を設けることとしたので、放電
電極(21)から微小アークが発生しやすくなり、ストリ
ーマ放電が生成されやすくなる。したがって、従来のよ
うにパルス幅の狭い急峻なパルス高電圧を印加するパル
ス電源を用いる必要はなく、放電電極(21)(針電極
(21c))と対向電極(22)との間に直流電圧を印加す
るだけで、ストリーマ放電を生成することができる。こ
のように、電源として高価なパルス電源を用いる必要が
なく、安価な直流電源(24)で足りるので、装置(1)
のコストダウンを図ることができる。
【0059】−実施形態1の変形例− 上記実施形態1は、針電極(21c)の先端部(21a)に針
状突起(31)を1つ設けたものであったが、図5に示す
ように、針状突起(31)を2つ又は3つ以上設けるよう
にしてもよい。このように針電極(21c)の先端部(21
a)に複数の針状突起(31)を設けることによって、該
先端部(21a)において微小アークが発生しやすくな
り、ストリーマ放電をより一層容易に生成することがで
きる。
【0060】また、図6に示すように、針電極(21c)
の代わりに複数の平板状の突出電極(21e)を備え、そ
れら突出電極(21e)の先端面に複数の微小針状突起(3
1)を設けるようにすることも可能である。
【0061】<実施形態2>図7は、実施形態2に係る
空気浄化装置(1)のプラズマ反応器(20)の構成を示
す。尚、プラズマ反応器(20)以外の部分については、
実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0062】本実施形態では、処理部材(23)は導電性
の部材によって形成され、対向電極(22)と処理部材
(23)とは互いに接触するように配置されている。した
がって、処理部材(23)は、被処理ガスの処理を行うと
ともに、対向電極(22)の一部としても機能している。
この処理部材(23)の放電電極(21)側(図7の左側)
の面には、複数の針状の突起(32)が設けられている。
この各突起(32)は、導電性材料によって形成されてい
る。
【0063】本実施形態の放電電極(21)の針電極(21
c)は、実施形態1のように針状突起(31)を備えたも
のであってもよく、針状突起(31)が設けられていない
ものであってもよい。
【0064】本実施形態では、放電電極(21)と対向電
極(22)との間に直流電圧が印加されると、処理部材
(23)の突起(32)から電子(34)が放出される。つま
り、負極側から放電が生じる(バックチャージ)。一
方、放電電極(21)の針電極(21c)からは、正イオン
(33)が発生する。そして、正イオン(33)と電子(3
4)との間で微小アーク(35)が発生し、この微小アー
ク(35)が進展してストリーマ放電が生成される。
【0065】このように、本実施形態では、バックチャ
ージを利用して正イオン(33)と電子(34)との間で微
小アーク(35)を発生させることとしたので、直流電圧
を印加するだけでストリーマ放電を容易に生成すること
ができる。したがって、実施形態1と同様に、装置
(1)の低コスト化を図ることができる。
【0066】尚、本実施形態は、処理部材(23)を対向
電極(22)の放電電極(21)側(図7の左側)に設け、
突起(32)を処理部材(23)に設けたものであったが、
処理部材(23)を対向電極(22)の下流側(放電電極
(21)と反対側、つまり図7の右側)に設け、突起(3
2)を対向電極(22)の放電電極(21)側に設けてもよ
い。このような場合であっても、バックチャージを利用
して両電極(21,22)間にストリーマ放電を安定して生
成することができる。
【0067】<実施形態3>図8に、実施形態3に係る
空気浄化装置(1)のプラズマ反応器(20)の構成を示
す。尚、本実施形態においても、プラズマ反応器(20)
以外の部分については実施形態1と同様であるので、そ
の説明は省略する。
【0068】本実施形態においても、処理部材(23)は
導電性の部材によって形成され、対向電極(22)と処理
部材(23)とは互いに接触するように配置されている。
したがって、本実施形態においても、処理部材(23)は
電極としても機能している。そして、処理部材(23)の
放電電極(21)側の表面には、絶縁性の網状のカバー部
材(36)が設けられている。尚、カバー部材(36)は、
対向電極(22)と同様に複数の開口部(36a)が設けら
れたものであればよく、その形状は網形状に限定される
ものではない。例えば、ハニカム形状に形成されていて
もよい。
【0069】上記実施形態2と同様に、放電電極(21)
の針電極(21c)は、針状突起(31)を備えたものであ
ってもよく、針状突起(31)のないものであってもよ
い。
【0070】本実施形態では、放電電極(21)と対向電
極(22)との間に直流電圧が印加されると、放電電極
(21)の針電極(21c)から正イオンが放出され、カバ
ー部材(36)の表面に正電荷(33)が溜まっていく。そ
して、カバー部材(36)と処理部材(23)との間の沿面
上で微小アーク(35)が発生し、この微小アーク(35)
が進展して放電ストリーマが生成される。
【0071】このように、本実施形態では、対向電極
(22)に接触させた導電性の処理部材(23)の表面に絶
縁性のカバー部材(36)を設け、該カバー部材(36)と
処理部材(23)との間で逆電離現象を利用して微小アー
ク(35)を発生させることとしたので、直流電圧を印加
するだけでストリーマ放電を容易に生成することができ
る。したがって、実施形態1と同様に、装置(1)の低
コスト化を図ることができる。
【0072】尚、本実施形態は、処理部材(23)を対向
電極(22)の放電電極(21)側(図8の左側)に設け、
絶縁性のカバー部材(36)を処理部材(23)に設けたも
のであったが、処理部材(23)を対向電極(22)の下流
側(放電電極(21)と反対側、つまり図8の右側)に設
け、カバー部材(36)を対向電極(22)の放電電極(2
1)側に設けてもよい。このような場合であっても、逆
電離現象を利用して両電極(21,22)間にストリーマ放
電を安定して生成することができる。
【0073】<実施形態4>図9に示すように、実施形
態4に係る空気浄化装置(1)は、実施形態1におい
て、放電電極(21)の針電極(21c)の針状突起(31)
を省略し、その代わりに針電極(21c)の先端に絶縁性
チップとしてセラミックチップ(37)を設けたものであ
る。その他の部分は実施形態1と同様であるので、その
説明は省略する。
【0074】放電電極(21)と対向電極(22)との間に
直流電圧が印加されると、放電電極(21)の針電極(21
c)の先端部(21a)に電流密度が集中し、該先端部(21
a)から放電が発生しやすくなる。しかし、本実施形態
では、針電極(21c)の先端部(21a)に絶縁性のセラミ
ックチップ(37)が設けられているため、該セラミック
チップ(37)部分において放電ギャップが生じ、針電極
(21c)の先端部(21a)からセラミックチップ(37)に
かけての沿面上で微小アーク(35)が発生しやすくな
る。そして、この微小アーク(35)が進展していくこと
により、ストリーマ放電が容易に生成されることにな
る。
【0075】このように、本実施形態では、放電電極
(21)の針電極(21c)の先端において微小アーク(3
5)を容易に発生させることができ、直流電圧を印加す
るだけでストリーマ放電を容易に生成することができ
る。したがって、実施形態1と同様に、装置(1)の低
コスト化を図ることができる。
【0076】<実施形態5>図10に示すように、実施
形態5に係る空気浄化装置(1)は、直流電源(24)の
負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続配線(3
9)に、放電ギャップ(38)を設けたものである。
【0077】このように、直流電源(24)と対向電極
(22)との間の接続配線(39)に放電ギャップ(38)を
設けることにより、放電ギャップ(38)間で放電が生じ
たときにだけ放電電極(21)と対向電極(22)との間に
電圧が印加されることになる。そのため、両電極(21,2
2)間には、見かけ上パルス電圧が印加されることにな
る。したがって、直流電源(24)を用いているにも拘わ
らず、擬似的なパルス電圧を印加することができるの
で、ストリーマ放電を容易に生成することができ、実施
形態1と同様に、装置(1)の低コスト化を図ることが
できる。
【0078】尚、上記放電ギャップ(38)を、直流電源
(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続
配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正極側
出力端子と放電電極(21)(針電極(21c))との間の
接続配線(42)に設けるようにしてもよい。
【0079】<実施形態6>実施形態6に係る空気浄化
装置(1)は、ストリーマ放電を検知する手段を備え、
ストリーマ放電の発生頻度が少なくなると印加電圧を上
昇させるように直流電源(24)を制御するものである。
【0080】図11に示すように、直流電源(24)の負
極側出力端子と対向電極(22)との間の接続配線(39)
には、電流を検知する電流検知器(40)が設けられてお
り、放電電極(21)と対向電極(22)との間に放電が生
じると、上記接続配線(39)には所定電流値の電流が流
れる。したがって、上記接続配線(39)を流れる電流を
検知することにより、ストリーマ放電の有無及び状態を
検出することができる。具体的には、図12に示すよう
に、単位時間当たりの電流の検知回数が予め定めた所定
回数以上であるとき(図12のT1参照)には、ストリ
ーマ放電が良好に発生していることが検出される。逆
に、単位時間当たりの電流の検知回数が上記所定回数よ
りも少ないとき(図12のT2参照)、言い換えると電
流の発生がまばらであるときには、ストリーマ放電が減
少していることが検出される。
【0081】本実施形態では、直流電源(24)及び電流
検知器(40)に接続されたコントローラ(41)によっ
て、単位時間当たりの電流の検知回数が上記所定回数よ
りも少なくなると、直流電源(24)の電圧値を所定値だ
け大きくする。その結果、弱まったストリーマ放電は再
び強められて、ストリーマ放電が安定的に維持されるこ
とになる。
【0082】したがって、本実施形態においても、直流
電源(24)を用いることによってストリーマ放電を安定
して発生させることができ、装置(1)の低コスト化を
図ることができる。
【0083】尚、上記電流検知器(40)を、直流電源
(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の接続
配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正極側
出力端子と放電電極(21)(針電極(21c))との間の
接続配線(42)に設けるようにしてもよい。
【0084】<実施形態7>図13は実施形態7を示
し、直流電源(24)の負極側出力端子と対向電極(22)
との間の接続配線(39)に、上記実施形態5のような放
電ギャップ(38)を設ける代わりに、上記接続配線(3
9)の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子(4
5)を設けるようにしたものである。
【0085】上記スイッチング素子(45)は、本実施形
態では、半導体素子としてのトランジスタからなってい
て、図外のコントローラからこのトランジスタのベース
に切換信号(Lo信号及びHi信号)を入力すること
で、上記接続配線(39)の遮断と導通との切換えを行う
ようになっている。そして、このスイッチング素子(4
5)は、上記接続配線(39)の遮断と導通との切換えを
繰り返し行うことにより、放電電極(21)及び対向電極
(22)間に、図14に示すように、周期的に変動する電
圧(直流電源(24)の出力電圧Vに比べて振幅電圧が小
さい振動電圧)を印加するように構成されている。つま
り、スイッチング素子(45)は、接続配線(39)を導通
状態から遮断状態に切り換えた後において印加電圧が0
になる前に、導通状態に切り換え、その直後に導通状態
から遮断状態に切り換えるようになっている。
【0086】したがって、本実施形態では、スイッチン
グ素子(45)により放電電極(21)と対向電極(22)と
の間に、パルス電圧と同様の変動電圧を印加することが
できるとともに、この印加する変動電圧をスイッチング
素子(45)により制御することができる。この結果、直
流電源(24)を用いても、このスイッチング素子(45)
による電圧制御によりストリーマ放電を安定して発生さ
せることができるとともに、放電状態の制御を容易に行
うことができる。しかも、電圧の変動周期を適切に設定
することにより、ストリーマ放電の発生頻度を最適に調
整することができ、最大のエネルギー効率が得られるよ
うにすることができる。よって、簡単な構成で、ストリ
ーマ放電を生成することができ、装置(1)のコストダ
ウンを図ることができる。
【0087】尚、上記スイッチング素子(45)を、直流
電源(24)の負極側出力端子と対向電極(22)との間の
接続配線(39)に設ける代わりに、直流電源(24)の正
極側出力端子と放電電極(21)との間の接続配線(42)
に設けるようにしてもよい。但し、スイッチング素子
(45)を、直流電源(24)と対向電極(22)との間の接
続配線(39)に設ける方が、直流電源(24)と放電電極
(21)との間の接続配線(42)に設ける場合に比べて、
スイッチング素子(45)の耐圧をかなり低く抑えること
ができ、小型で安価な素子を用いることができる。
【0088】また、本実施形態の放電電極(21)は、必
ずしも針電極(21c)や針状突起(31)を備えたもので
ある必要はない。
【0089】さらに、スイッチング素子(45)は、直流
電源(24)と対向電極(22)との間の接続配線(39)
(又は直流電源(24)と放電電極(21)との間の接続配
線(42))の遮断と導通とを切り換えることが可能なも
のであれば、機械的なものであってもよい。但し、上記
のように半導体素子とすることで、接続配線(39)の遮
断と導通との切換えを電気的に行うので、ノイズの発生
を抑えることができるとともに、構成を簡略化すること
ができる。また、スイッチ部の端子消耗がなく、放電電
極(21)及び対向電極(22)間に印加する電圧を長期に
亘って安定させることができる。
【0090】加えて、上記放電電極(21)、対向電極
(22)、直流電源(24)、接続配線(39,42)及びスイ
ッチング素子(45)で構成されるストリーマ放電回路
は、空気浄化装置(1)以外にも、ストリーマ放電を利
用するものに好適に用いることができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
式ガス浄化装置及びストリーマ放電回路によれば、直流
電源を用いて安定したストリーマ放電を発生させること
ができるので、高価なパルス電源が不要になり、プラズ
マ式ガス浄化装置やストリーマ放電回路のコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気浄化装置の構造図であ
る。
【図2】実施形態1に係るプラズマ反応器の要部の構成
を模式的に示す断面図である。
【図3】実施形態1に係るプラズマ反応器の構成を模式
的に示す斜視図である。
【図4】針電極の部分拡大図である。
【図5】実施形態1の変形例に係る図4相当図である。
【図6】実施形態1と同様の構成の参考例に係る図4相
当図である。
【図7】実施形態2に係るプラズマ反応器の構成図であ
る。
【図8】実施形態3に係るプラズマ反応器の構成図であ
る。
【図9】実施形態4に係る針電極の部分拡大図である。
【図10】実施形態5に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図11】実施形態6に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図12】電流検知器によって検出された電気回路の電
流を表すグラフである。
【図13】実施形態7に係るプラズマ反応器の構成図で
ある。
【図14】スイッチング素子による接続配線の遮断と導
通との切換えにより、放電電極及び対向電極間に印加さ
れる振動電圧を示す波形図である。
【符号の説明】 (1) 空気浄化装置 (11) 集塵フィルタ (12) 遠心フィルタ (13) オゾン分解触媒 (15) 空気吸込口 (16) 空気吹出口 (20) プラズマ反応器 (21a) 針電極の先端部(針状の放電電極の先端部) (21c) 針電極(針状の放電電極) (22) 対向電極 (23) 処理部材 (24) 直流電源(電源) (31) 針状突起 (32) 突起 (33) 正イオン (34) 電子 (35) 微小アーク (36) カバー部材 (37) セラミックチップ(絶縁性チップ) (38) 放電ギャップ (39) 直流電源と対向電極との間の接続配線 (40) 電流検出器 (41) コントローラ(制御手段) (42) 直流電源と放電電極との間の接続配線 (45) スイッチング素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/24 H05H 1/24 (72)発明者 香川 謙吉 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 AA09 BB02 BB05 HH05 JJ03 KK02 KK08 LL10 MM02 MM04 MM05 MM06 MM07 QQ11 QQ17 4G075 AA03 AA37 BA05 CA15 CA54 DA02 EB01 EB42 EC21 EE33 FA01 FA08 FB02 FB04 FC11 FC15

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記放電電極(21c)の先端部(21a)には、1又は2以
    上の微細な針状突起(31)が設けられていることを特徴
    とするプラズマ式ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記対向電極(22)には、上記放電電極(21c)側に突
    出する突起(32)が設けられていることを特徴とするプ
    ラズマ式ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記対向電極(22)の放電電極(21c)側の表面には、
    触媒又は吸着剤を含むとともに被処理ガスを流通させる
    小孔(23b)が形成された導電性の処理部材(23)が設
    けられ、 上記処理部材(23)には、上記放電電極(21c)側に突
    出する突起(32)が設けられていることを特徴とするプ
    ラズマ式ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記対向電極(22)の放電電極(21c)側の表面には、
    開口部(36a)が設けられた絶縁性のカバー部材(36)
    が設けられていることを特徴とするプラズマ式ガス浄化
    装置。
  5. 【請求項5】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記対向電極(22)の放電電極(21c)側の表面には、
    触媒又は吸着剤を含むとともに被処理ガスを流通させる
    小孔(23b)が形成された導電性の処理部材(23)が設
    けられ、 上記処理部材(23)の放電電極(21c)側の表面には、
    開口部(36a)が設けられた絶縁性のカバー部材(36)
    が設けられていることを特徴とするプラズマ式ガス浄化
    装置。
  6. 【請求項6】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記放電電極(21c)の先端には、絶縁性チップ(37)
    が設けられていることを特徴とするプラズマ式ガス浄化
    装置。
  7. 【請求項7】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記電源(24)と上記対向電極(22)又は上記放電電極
    (21c)との間の接続配線(39,42)に、放電ギャップ
    (38)が設けられていることを特徴とするプラズマ式ガ
    ス浄化装置。
  8. 【請求項8】 針状の放電電極(21c)と、該放電電極
    (21c)に略直交する状態で対向して配置された面上の
    対向電極(22)と、正極側が上記放電電極(21c)に接
    続され且つ負極側が上記対向電極(22)に接続された電
    源(24)とを備え、 上記放電電極(21c)と上記対向電極(22)とが被処理
    ガスの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両
    電極(21c,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発
    生させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式
    ガス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記ストリーマ放電を検知するストリーマ検知手段(4
    0)と、 上記ストリーマ検知手段(40)の出力を受けて、上記両
    電極(21c,22)間のストリーマ放電が減少すると電圧値
    を上昇させるように上記電源(24)を制御する制御手段
    (41)とを備えていることを特徴とするプラズマ式ガス
    浄化装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のプラズマ式ガス浄化装置
    において、 ストリーマ検知手段は、電源(24)と対向電極(22)又
    は放電電極(21c)との間の接続配線(39,42)を流れる
    電流を検出する電流検出器(40)を有していて、該電流
    の有無に基づいてストリーマ放電を検知するように構成
    され、 制御手段(41)は、上記電流の発生頻度が少なくなると
    上記電源(24)の電圧値を上昇させるように構成されて
    いることを特徴とするプラズマ式ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】 放電電極(21)と、該放電電極(21)
    に対向して配置された対向電極(22)と、正極側が上記
    放電電極(21)に接続され且つ負極側が上記対向電極
    (22)に接続された電源(24)とを備え、 上記放電電極(21)と上記対向電極(22)とが被処理ガ
    スの流通空間に配置され、上記電源(24)により該両電
    極(21,22)間に電圧を印加してストリーマ放電を発生
    させることによって被処理ガスを浄化するプラズマ式ガ
    ス浄化装置であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記電源(24)と上記対向電極(22)又は上記放電電極
    (21)との間の接続配線(39,42)に、該接続配線(39,
    42)の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子(4
    5)が設けられていることを特徴とするプラズマ式ガス
    浄化装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のプラズマ式ガス浄化
    装置において、 スイッチング素子(45)は、接続配線(39,42)の遮断
    と導通との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極
    (21)及び対向電極(22)間に周期的に変動する電圧を
    印加するように構成されていることを特徴とするプラズ
    マ式ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載のプラズマ式
    ガス浄化装置において、 スイッチング素子(45)は、半導体素子であることを特
    徴とするプラズマ式ガス浄化装置。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか1つに記
    載のプラズマ式ガス浄化装置において、 スイッチング素子(45)は、電源(24)と対向電極(2
    2)との間の接続配線(39)に設けられていることを特
    徴とするプラズマ式ガス浄化装置。
  14. 【請求項14】 放電電極(21)と、該放電電極(21)
    に対向して配置された対向電極(22)と、正極側が上記
    放電電極(21)に接続され且つ負極側が上記対向電極
    (22)に接続された電源(24)とを備え、 上記電源(24)により上記両電極(21,22)間に電圧を
    印加してストリーマ放電を発生させるようにしたストリ
    ーマ放電回路であって、 上記電源(24)は、直流電圧を出力するように構成さ
    れ、 上記電源(24)と上記対向電極(22)又は上記放電電極
    (21)との間の接続配線(39,42)に、該接続配線(39,
    42)の遮断と導通とを切り換えるスイッチング素子(4
    5)が設けられていることを特徴とするストリーマ放電
    回路。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のストリーマ放電回路
    において、 スイッチング素子(45)は、接続配線(39,42)の遮断
    と導通との切換えを繰り返し行うことにより、放電電極
    (21)及び対向電極(22)間に周期的に変動する電圧を
    印加するように構成されていることを特徴とするストリ
    ーマ放電回路。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15記載のストリーマ
    放電回路において、 スイッチング素子(45)は、半導体素子であることを特
    徴とするストリーマ放電回路。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16のいずれか1つに記
    載のストリーマ放電回路において、 スイッチング素子(45)は、電源(24)と対向電極(2
    2)との間の接続配線(39)に設けられていることを特
    徴とするストリーマ放電回路。
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