JP2003050058A - スターリング機関 - Google Patents

スターリング機関

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JP2003050058A
JP2003050058A JP2001236514A JP2001236514A JP2003050058A JP 2003050058 A JP2003050058 A JP 2003050058A JP 2001236514 A JP2001236514 A JP 2001236514A JP 2001236514 A JP2001236514 A JP 2001236514A JP 2003050058 A JP2003050058 A JP 2003050058A
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piston
valve body
stirling engine
valve
space
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JP2001236514A
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Yoshiaki Ogura
義明 小倉
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Sharp Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計が容易で耐久性に富み、さらには取付け
が容易な逆止弁を備えたスターリング機関を提供する。 【解決手段】 シリンダ1内に嵌装されたピストン3お
よびディスプレーサ2によって区画形成された圧縮空間
4を備え、ピストン3は、シリンダ1内壁との間に間隙
を形成し、この間隙と圧縮空間4とを連通する連通経路
を内部に備え、ディスプレーサ2は、シリンダ1内壁と
の間に間隙を形成し、この間隙と圧縮空間4とを連通す
る連通経路を内部に備え、それぞれの連通経路上に内部
にボール弁21が封入される弁体収納空間19が形成さ
れ、弁体収納空間19は、圧縮空間4に連通する流入口
16を備え、ボール弁21は、少なくとも流入口16を
塞ぐ大きさであり、さらに弁体収納空間19内を少なく
とも連通経路方向に自在に移動できるように配設されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スターリング機関
に関し、より具体的には、スターリング機関のピストン
およびディスプレーサに用いられる高圧維持構造の一部
である逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のスターリング機関の構造
を説明するための概略構造図である。ここでは、スター
リング機関を説明するために、このスターリング機関の
応用例であるフリーピストン型スターリング冷凍機を例
示して説明する。
【0003】フリーピストン型スターリング冷凍機で
は、内部に円筒状の空間を有するシリンダ1内に、ピス
トン3およびディスプレーサ2を同軸上に嵌装すること
で、ピストン3とディスプレーサ2の間に圧縮空間4
を、ディスプレーサ2とシリンダ1の閉塞端との間に膨
張空間5をそれぞれ形成している。この圧縮空間4と膨
張空間5との間には、再生器6が形成されており、これ
ら圧縮空間4、膨張空間5および再生器6によって閉回
路が構成されている。
【0004】この閉回路内には、ヘリウムなどの不活性
ガスが充填されている。上記シリンダ1内に嵌装された
ピストン3は、リニアモータ7などの外部動力手段によ
って駆動され、シリンダ1内を軸方向に往復運動する。
このピストン3の往復運動は、上記圧縮空間4内の作動
ガスに周期的な圧力変化をもたらし、圧縮に伴って上昇
した背圧の脈動により作動ガスを再生器6を介して膨張
空間5へと流入させる。このときの膨張空間5内への作
動ガスの移動により、ディスプレーサ2に周期的な軸方
向の振動が生じる。
【0005】ディスプレーサ2は、ディスプレーサロッ
ド8の一端に固定されており、さらにこのディスプレー
サロッド8の他端は、スプリング9を介してケーシング
14に取付けられている。このディスプレーサロッド8
は、ピストン3に設けられた軸方向の貫通孔を貫くよう
に配置されている。上述した膨張空間5内部への作動ガ
スの流入により生じる振動とスプリング9の弾性力とに
より、ディスプレーサ2はピストン3と同じ周期で、あ
る一定の位相差もって往復運動する。以上の構成および
動作により、上述の閉回路内に既知の熱力学的サイクル
である逆スターリングサイクルが構成され、吸熱器13
近傍の外気が極低温に冷やされる。
【0006】以下、逆スターリングサイクルの原理につ
いて詳説する。ピストン3により圧縮された圧縮空間4
内の作動ガスは、再生器6を経由して膨張空間5へ移動
する際に、再生器6が半サイクル前に蓄えていた冷熱に
よって予冷される。このとき、高温側熱交換器10によ
って取り出された圧縮空間4内の熱が、放熱器11によ
って外部へと放出される。作動ガスが膨張空間5に流入
することで、膨張空間5内の圧力上昇によってディスプ
レーサ2が押し動かされ、膨張空間5内の膨張が始ま
る。
【0007】この後、膨張がある程度進んだ時点で、ピ
ストン3の復帰力によりディスプレーサ2は押し戻さ
れ、膨張空間5内の作動ガスは再生器6を介して再び圧
縮空間4へと移動を始める。このとき、吸熱器13を介
して低温側熱交換器12が外部の熱を奪うことで、吸熱
器13近傍の外気が冷却される。大部分の作動ガスが圧
縮空間へ戻った後には、再び圧縮空間4内の作動ガスが
ピストン3による圧縮を受けることで、次のサイクルへ
と移行する。以上のような一連のサイクルが連続的に繰
り返されることで、スターリング冷凍機から極低温が取
り出される。
【0008】シリンダ1内を往復運動するピストン3お
よびディスプレーサ2は、それぞれシリンダ1内壁と接
触しない状態で往復運動可能となるように、気体軸受け
を備えている。この気体軸受けは、ピストン3およびデ
ィスプレーサ2とシリンダ1内壁との隙間に高圧の作動
ガスを噴出することにより、ピストン3およびディスプ
レーサ2がシリンダ1内壁に接触することを防止する機
構である。この気体軸受けは、ピストン3およびディス
プレーサ2の両方にそれぞれ設けられるものであるが、
その機構は同一であるため、以下においてはピストン3
に設けられた気体軸受けについてのみ説明を行なう。
【0009】ピストン3の外壁のうち圧縮空間4に面す
る外壁には、ピストン3の内部空間3aと圧縮空間4と
を連通させるための連通孔15が設けられている。ピス
トン内部空間3aの壁面には、この連通孔15を塞ぐよ
うに逆止弁17が取付けられている。この逆止弁17
は、圧縮空間4からピストン内部空間3aへは作動ガス
を流すが、その反対、つまりピストン内部空間3aから
圧縮空間4へは作動ガスを流さない働きをするものであ
る。また、ピストン3の外壁のうちシリンダ1内壁と対
面する外壁の所定部分には、ピストン内部空間3aとつ
ながる微小連通孔18が設けられている。
【0010】以上の、連通孔15、逆止弁17、ピスト
ン内部空間3a、および微小連通孔18によって気体軸
受けが形成されている。本構成により、圧縮空間4内の
高圧作動ガスがピストン内部空間3aへと連通孔15を
介して流入し、さらに微小連通孔18からピストン3と
シリンダ1内壁との隙間に噴出されることで、ピストン
3とシリンダ1内壁との接触が防止される。
【0011】以下、逆止弁の構造および動作について、
図8を参照して詳説する。逆止弁17は、金属薄板から
なる弁本体17aと、この弁本体17aを押さえるため
の若干厚めの押さえ板17bとから構成されている。こ
の弁本体17aおよび押さえ板17bとは重ね合わせ
て、ピストン内部空間3aの内壁の所定位置に取付けら
れている。この取付けの際には、逆止弁17の一端がピ
ストン内部空間3aの内壁に設けられた連通孔15を塞
ぐように配置され、他端が連通孔15から距離を置いた
位置に、ビスによって固定される。
【0012】本構成とすることで、圧縮空間4内の作動
ガス圧がピストン内部空間3aの作動ガス圧よりも高圧
の状態にあるときには、圧縮空間4内の作動ガスが逆止
弁17を押し上げてピストン内部空間3aへと流入す
る。このとき、逆止弁17の一端は、ピストン内部空間
3aの壁面に固定されているため、逆止弁17はこの取
付け点を基点に湾曲することで作動ガスを通過させる。
逆に圧縮空間4内の作動ガス圧がピストン内部空間3a
の作動ガス圧と同じかそれ以下である場合には、圧縮空
間4内の作動ガスがピストン内部空間3aへ流入するこ
とはない。この場合、逆止弁17がピストン内部空間3
aの内壁に押し当てられることで確実に連通孔15が塞
がれるため、作動ガスが逆流することもない。以上によ
って、常に微小連通孔18からシリンダ1壁面へと高圧
の作動ガスが噴出され、ピストン3とシリンダ1内壁と
が接触することが防止される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
構造の逆止弁を備えたスターリング機関では、弁体が薄
板で形成されており、湾曲することにより連通孔を開閉
するため、この弁体の形状、材質を決定することが困難
であった。たとえば、形状の面では、弁体が厚すぎると
思うように連通孔の開閉が行なわれず、逆に薄すぎると
圧力差によって破損する可能性があった。また、材質の
面では適度な剛性と弾性が必要であり、さらには弁体の
度重なる開閉により疲労破損しない程度の耐久性も必要
とされていた。このように、従来の構造では、逆止弁の
設計が非常に困難であった。また、従来構造では、逆止
弁を必ずピストンの内部壁面に設ける必要があったた
め、逆止弁の取付け作業は非常に煩雑であり、問題を生
じていた。
【0014】したがって、本発明の目的は、設計が容易
でかつ耐久性に富んだ逆止弁を備えたスターリング機関
を提供することにあり、さらには、取付け作業が容易で
ある逆止弁の構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のスターリング機
関は、作動ガスを充填したシリンダ内に嵌装され、駆動
手段に駆動されて往復運動するピストンと、シリンダ内
に嵌装され、ピストンの往復運動による力を受けてピス
トンと位相差をもって往復運動するディスプレーサと、
ピストンとディスプレーサとの間に区画形成された圧縮
室とを備えたスターリング機関であって、ピストンは、
シリンダ内壁との間に第1の間隙を形成し、この第1の
間隙と圧縮室とを連通する第1の連通経路を内部に備
え、ディスプレーサは、シリンダ内壁との間に第2の間
隙を形成し、この第2の間隙と圧縮室とを連通する第2
の連通経路を内部に備え、第1および第2の連通経路の
うち少なくとも一方の連通経路上には、内部に弁体が収
納される室が形成されており、この室は、圧縮室に連通
する第1の開口と、第1または第2の間隙に連通する第
2の開口とを備え、弁体は、少なくとも第1の開口を塞
ぐ大きさであり、室内を少なくとも連通経路方向に自在
に移動できるように配設されている。
【0016】本構成とすることで、弁体が内部に収納さ
れた室を連通経路上に配置し、この弁体が室内を少なく
とも連通経路方向に自在に移動可能とすることで、弁体
によって第1の開口の開閉が行なわれるようになる。従
来の逆止弁では、弁体自体が撓むことによって第1の開
口が開閉されていたので、度重なる開閉により弁体が疲
労して破損することがあったが、本構成の逆止弁とする
ことで疲労による破損が起こりにくくなり、製品寿命が
延びる。
【0017】さらには、従来の逆止弁では、弁体によっ
て区切られた2つの空間の圧力差の程度によって弁体の
撓み具合が変わることから、弁体の形状、材質などの設
計が非常に困難であったが、本構成とすることで、弁体
の形状、材質などの自由度が増し、設計が容易となる。
【0018】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、圧縮室に面するピストンまたはディスプレーサ若し
くはその両方の外壁面が、弁体を収納するための凹部を
有し、圧縮室側から凹部の一部を残して凹部の上面を塞
ぐように蓋体が取付けられることで、弁体が収納される
室が形成されている。
【0019】本構成のように、ピストンまたはディスプ
レーサの外壁面に凹部を形成し、この凹部を一部残すよ
うに圧縮室側から蓋体によって塞ぐことにより、弁体が
収納される室を形成することで、ピストンまたはディス
プレーサの外側から、逆止弁を組み付けることが可能と
なる。従来は、必ず内側から逆止弁を組み付ける必要が
あったのに対し、本構成のように外側から組み付ける形
状とすることで、製造工程の自由度が増し、さらには製
造作業が容易となる。
【0020】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、弁体が球形状であることが望ましい。
【0021】本構成のように、弁体が球形状をしている
ことで、弁体がどの角度から開口に接触した場合にも確
実に開口を塞ぐことができる。さらには、弁体に角がな
いため、室内を破損することが防止され、逆に弁体が破
損することも防止される。
【0022】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、第1の開口が、弁体が収納される室側に向かって徐
々に広がるように形成されていることが望ましい。
【0023】本構成のように、第1の開口の開口端を勾
配形状とすることで、球形状をした弁体が開口に導かれ
易く、確実に第1の開口を塞ぐことが可能となる。さら
に、弁体との接触部分に角がなくなるため、弁体の破損
が防止される。
【0024】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、弁体が平板形状であってもよい。
【0025】本構成のように、弁体を平板形状とするこ
とも可能である。この場合、平板形状の弁体の回転を防
止するために、平板形状である弁体の大きさを収納され
る室の連通経路方向の大きさよりも大きくすることが好
ましい。これにより、弁体がスライドすることで第1の
開口が開閉されるようになる。
【0026】上記本発明のスターリング機関では、たと
えば、弁体が弾性部材により第1の開口に押圧されてい
ることが好ましい。
【0027】本構成とすることで、弾性部材の弾性力に
より弁体が第1の開口に押しつけられた状態となるた
め、弁体で仕切られる2つの空間の圧力差が小さい場合
にも第1の開口が塞がれた状態にすることができる。つ
まり、2つの空間の圧力差によって弁体を動かそうとす
る力が弾性部材の弾性力よりも大きくなった時点で、は
じめて第1の開口が開く。こうすることで、弁体によっ
て第1の開口を開閉するタイミングを制御することが可
能となる。さらには、スターリング機関の停止時におい
ても、確実に第1の開口を閉じておくことが可能とな
る。
【0028】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、弁体が、弾性体によって形成されていることが好ま
しい。
【0029】本構成のように、弁体を弾性体によって形
成することで、弁体が収納される室内や第1の開口が破
損することが防止される。また、第1の開口が塞がれた
状態の時に、弁体が弾性変形することで第1の開口との
密着性が向上し、より確実に第1の開口が塞がれるよう
になる。
【0030】上記本発明のスターリング機関は、たとえ
ば、弁体の表面のうち、少なくとも第1の開口と接触す
る部分が、弾性体で形成されていてもよい。
【0031】本構成のように、弁体の表面のうち、第1
の開口に接する部分のみが弾性体で形成されていてもよ
い。この場合も上記と同様の効果が得られる。また、表
面全体が弾性体であっても良い。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。ここでも、スターリング機
関の応用例として、フリーピストン型スターリング冷凍
機を例示して説明する。なお、本発明における逆止弁
は、以下で説明するピストンにのみに設けられるもので
はなく、ディスプレーサにも設けられるが、その構造は
同一であるのでピストンに設けられた逆止弁についての
み説明を行なう。
【0033】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
おけるスターリング冷凍機の構造を示す概略断面図であ
り、図2は、このスターリング冷凍機のピストンに設け
られた逆止弁の構造を説明するための断面図である。本
実施の形態のスターリング冷凍機の構造は、逆止弁が設
けられている部分を除き上述の従来例と同様であるの
で、構造、動作などについての説明は省略する。
【0034】(逆止弁の構造)図2を参照して、逆止弁
の構造について詳説する。ピストン3の圧縮空間4側の
壁面には凹部が形成されており、この凹部の底面にはピ
ストン内部空間3aへと連通する連通孔15bが形成さ
れている。また、この凹部内には、弁体であるボール弁
21が配置されている。このボール弁21は、ゴムなど
の弾性体から形成されていることが好ましい。さらにこ
の上から、蓋体26が凹部上面を塞ぐように嵌めこま
れ、ビス23によりピストン3壁面に固定されている。
この蓋体26の上面とピストン3の壁面とは面一となっ
ており、さらにはビス23の頭もこれらの面と面一にな
るようになっている。
【0035】この蓋体26の中央部には連通孔15aが
設けられており、蓋体26の下部に第1の開口である流
入口16が形成されている。蓋体26の下には、弁体が
収納される室である弁体収納空間19が形成されてお
り、上述のボール弁21が弁体収納空間19内を自在に
移動できるように収納されている。また、蓋体26とピ
ストン3壁面との接触面には、シール材32が施される
ことで密閉されている。
【0036】(逆止弁の動作)リニアモータ7により、
ピストン3が圧縮空間4方向に移動を始めると、圧縮空
間4内の作動ガスが圧縮されて高圧状態となる。このと
き、この圧縮空間4内の作動ガス圧とピストン内部空間
3aの作動ガス圧との圧力差により、ボール弁21はピ
ストン内部空間3a側へと押しこまれ、流入口16が開
いた状態となる。これにより、圧縮空間4内の高圧作動
ガスの一部が連通孔15a内に流れ込み弁体収納空間1
9および連通孔15bを介してピストン内部空間3aへ
と流入する。直ちに、ピストン内部空間3aの作動ガス
圧は、圧縮空間4の作動ガス圧と同程度の高圧状態とな
り、シリンダ1内壁と対面するピストン3の側壁に設け
られた微小連通孔18を通してピストン3外部へと噴出
する。噴出した作動ガスがシリンダ1の内壁とピストン
3の側壁との間に気体軸受けを形成することで、ピスト
ン3とシリンダ1の接触が回避される。
【0037】その後、圧縮空間4の作動ガスが膨張空間
へと流れ込み、圧縮空間4内の作動ガス圧が低下し始め
ると、ピストン内部空間3aの作動ガス圧の方が高圧と
なるため、ボール弁21が先程とは逆の圧縮空間4側に
押し込まれ、流入口16を塞いだ状態となる。このと
き、圧縮空間4とピストン内部空間3aの圧力差によっ
てボール弁21は固定されて動かない状態となり、作動
ガスの逆流が防止される。
【0038】以上の動作を繰り返すことで、ボール弁2
1は、スターリング冷凍機の熱サイクルにあわせて流入
口16の開閉を周期的に行ない、これにより気体軸受け
を形成することでピストン側壁とシリンダ内壁との接触
を防止する。
【0039】(作用・効果)本構成の逆止弁を備えたス
ターリング冷凍機とすることで、従来の金属の薄板から
なる逆止弁に比べ、設計の容易な逆止弁構造とすること
が可能となる。また、弁体の材質も金属に限られず、ゴ
ム製の弁体とすることも可能となり、流入口と弁体との
密着性を高めることができる。さらには、弁体を球形状
とすることで弁体の破損が防止される。また、弁体自体
が撓むことがないため、従来の金属の薄板からなる弁体
に比べその製品寿命が大幅に延び、製品の信頼性が向上
する。また、ピストン組立て後に弁体を取付けることが
可能となるため、取付け作業が容易となるとともに製造
工程の自由度も増す。
【0040】(実施の形態2)図3(a)は、実施の形
態2における逆止弁の構造を説明するための断面図であ
り、図3(b)は、この逆止弁構造の一部である蓋体の
構造を説明するための断面図である。本実施の形態で
は、上述の実施の形態1とほぼ同様の構造となっている
が、蓋体下部の流入口の形状が異なっている。
【0041】図を参照して、蓋体26下部に設けられた
圧縮空間4へと連通する流入口16は、その角が面取り
されることで勾配部分16aが設けられている。これに
より、ピストン内部空間3aの作動ガス圧が圧縮空間4
内の作動ガス圧よりも高圧となってボール弁21が流入
口16を塞ぐ際に、ボール弁21が流入口16の勾配部
分16aによって連通孔15aの中心部分に位置するよ
うに導かれ、確実に流入口16が塞がれるようになる。
【0042】(実施の形態3)図4は、実施の形態3に
おける逆止弁の構造を説明するための断面図である。本
実施の形態では、上述の実施の形態2に、さらにスプリ
ングによるボール弁の開閉制御機構を備えたものであ
る。
【0043】図を参照して、ボール弁21が収納された
弁体収納空間19のピストン内部空間3aの側壁面に
は、弾性体であるスプリング29が設けられており、こ
のスプリング29によりボール弁21が流入口16に押
圧されて固定されている。これにより、上記実施の形態
2では、圧縮空間4側の作動ガス圧がピストン内部空間
3aの作動ガス圧より少しでも高くなった場合には、直
ちに圧力差によってボール弁21が流入口16を開く構
成となっていたが、本実施の形態ではこのスプリング2
9により、開閉のタイミングを制御することが可能とな
る。すなわち、スプリング29の弾性力と、圧力差によ
ってボール弁21を動かそうとする力とが互いに逆方向
に働くため、圧力差によってボール弁21を動かそうと
する力がスプリング29の弾性力よりも大きくなった時
点で、流入口16が開かれる。このため、流入口16の
開閉のタイミングを制御することが可能となる。さらに
は、スターリング冷凍機の停止時において、確実に流入
口16を塞いでおくことが可能となる。
【0044】(実施の形態4)図5は、実施の形態4に
おける逆止弁の構造を説明するための断面図である。本
実施の形態では、上述の実施の形態1のボール弁の代わ
りに、平板状の弁体を使用したものである。
【0045】図を参照して、弁体を収納するための弁体
収納空間19内には、平板状の弁体24が収納されてい
る。この平板状の弁体24は、流入口16を塞ぐだけの
大きさをしていればよく、特に材質も限定されない。た
だし、ゴムなどの弾性部材により平板状の弁体24を形
成することで、流入口16を塞いだ場合の密着性が良好
に得られる。また、平板状の弁体24が流入口16を確
実に塞ぐために、弁体収納空間19の連通経路方向の大
きさを平板状の弁体24の大きさよりも短くすることが
好ましい。これにより、開閉の際に平板状の弁体24が
その厚み方向に回転することが防止され、スライドする
ことで確実に流入口16の開閉が行なわれる。
【0046】(実施の形態5)図6は、実施の形態5に
おける逆止弁の構造を説明するための断面図である。上
述の実施の形態では、いずれもピストンの外側から逆止
弁を取付ける構造のものであったが、本実施の形態は、
従来の逆止弁同様、ピストン内壁に取付ける構造のもの
である。
【0047】図を参照して、ピストン3の圧縮空間4側
の壁面内側には、ボール弁21を収納するための凹部が
形成されており、さらにこの凹部の底面から圧縮空間4
側へと向かって連通孔15aが形成されている。この凹
部内に配設されたボール弁21を囲うように、囲い部材
22がピストン3内側からビス23によって取付けら
れ、弁体収納空間19が形成されている。この囲い部材
22の中央部には、ピストン内部空間3aに連通する連
通孔15bが形成されている。なお、本実施の形態のよ
うにピストン3内側から囲い部材22を取付ける構造で
は、特にピストン3の内壁面を面一にする必要がないた
め、囲い部材22が突出するように取付けられていても
よい。本構成により、囲い部材22上面とピストン3壁
面とを面一にする必要がないため、設計および製造が容
易になる。
【0048】上記各実施の形態では、ピストンに設けら
れた逆止弁の構造のみを説明したが、前述のように、デ
ィスプレーサの逆止弁構造にも当然に本発明を適用する
ことは可能である。
【0049】また、上述の実施の形態では、弁体がすべ
てゴム製であるものを例示して説明を行なったが、特に
制限されるものではなく、閉口時に流入口を塞いで作動
ガスの流入を遮断できるものであれば、金属製のものや
プラスチック製のものなど、どのようなものであっても
よい。さらには、弁体の表面全部または一部のみをゴム
製としたものであってもよい。
【0050】また、上記実施の形態には示さなかった
が、流入口の閉口時に弁体と接触する弁体収納空間を形
成する壁面部分に、予めシリコンゴム等の弾性体層を形
成しておくことで、弁体と流入口の密着性を向上させる
ことも可能である。
【0051】さらには、上記実施の形態では、便宜のた
めスターリング機関の応用例であるフリーピストン型ス
ターリング冷凍機に特化して説明を行なったが、スター
リングサイクルを用いかつ逆止弁構造を有するスターリ
ング機関であればどのようなものにも本発明は適用可能
である。
【0052】したがって、今回開示した上記各実施の形
態はすべての点で例示であって、制限的なものではな
い。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定
され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範
囲内でのすべての変更を含むものである。
【0053】
【発明の効果】本発明により、設計が容易でかつ耐久性
に優れたスターリング機関の逆止弁構造を提供すること
が可能となる。また、従来の構造では不可能であった逆
止弁のピストンまたはディスプレーサの外部からの取付
けが可能となるため、製造作業の容易化が図られ、さら
には製造工程の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるスターリング
冷凍機の構造を示した概略断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1におけるスターリング
冷凍機の逆止弁の構造および逆止弁機構の一部である蓋
体の構造を説明するための断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2におけるスターリング
冷凍機の逆止弁の構造を説明するための断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3におけるスターリング
冷凍機の逆止弁の構造を説明するための断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態4におけるスターリング
冷凍機の逆止弁の構造を説明するための断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態5におけるスターリング
冷凍機の逆止弁の構造を説明するための断面図である。
【図7】 従来のスターリング冷凍機の構造を説明する
ための概略断面図である。
【図8】 従来のスターリング冷凍機に使用されていた
逆止弁の構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ、2 ディスプレーサ、2a ディスプレ
ーサ内部空間、3 ピストン、3a ピストン内部空
間、4 圧縮空間、5 膨張空間、6 再生器、7 リ
ニアモータ、8 ディスプレーサロッド、9 スプリン
グ、10 高温側熱交換器、11 放熱器、12 低温
側熱交換器、13 吸熱器、14 ケーシング、15a
圧縮空間側連通孔、15b 内部空間側連通孔、16
流入口、16a 勾配部分、17 逆止弁、17a
弁本体、17b 押さえ部材、18微小連通孔、19
弁体収納空間、21 ボール弁、22 囲い部材、23
ビス、24 平板状の弁体、26 蓋体、29 スプリ
ング、32 シール材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動ガスを充填したシリンダ内に嵌装さ
    れ、駆動手段に駆動されて往復運動するピストンと、前
    記シリンダ内に嵌装され、前記ピストンの往復運動によ
    る力を受けて前記ピストンと位相差をもって往復運動す
    るディスプレーサと、前記ピストンと前記ディスプレー
    サとの間に区画形成された圧縮室とを備えたスターリン
    グ機関であって、 前記ピストンは、前記シリンダ内壁との間に第1の間隙
    を形成し、この第1の間隙と前記圧縮室とを連通する第
    1の連通経路を内部に備え、 前記ディスプレーサは、前記シリンダ内壁との間に第2
    の間隙を形成し、この第2の間隙と前記圧縮室とを連通
    する第2の連通経路を内部に備え、 前記第1および第2の連通経路のうち少なくとも一方の
    連通経路上には、内部に弁体が収納される室が形成され
    ており、 前記室は、前記圧縮室に連通する第1の開口と、前記第
    1または第2の間隙に連通する第2の開口とを備え、 前記弁体は、少なくとも前記第1の開口を塞ぐ大きさで
    あり、前記室内を少なくとも連通経路方向に自在に移動
    できるように配設されている、スターリング機関。
  2. 【請求項2】 前記圧縮室に面する前記ピストンまたは
    前記ディスプレーサ若しくはその両方の外壁面が、前記
    弁体を収納するための凹部を有し、前記圧縮室側から前
    記凹部の一部を残して前記凹部の上面を塞ぐ蓋体が取付
    けられることで、前記室が形成されている、請求項1に
    記載のスターリング機関。
  3. 【請求項3】 前記弁体が球形状である、請求項1また
    は2に記載のスターリング機関。
  4. 【請求項4】 前記第1の開口が、前記室側に向かって
    徐々に広がるように形成された、請求項3に記載のスタ
    ーリング機関。
  5. 【請求項5】 前記弁体が平板形状である、請求項1ま
    たは2に記載のスターリング機関。
  6. 【請求項6】 前記弁体が、弾性部材により前記第1の
    開口に押圧されている、請求項1から5のいずれかに記
    載のスターリング機関。
  7. 【請求項7】 前記弁体が、弾性体によって形成されて
    いる、請求項1から6のいずれかに記載のスターリング
    機関。
  8. 【請求項8】 前記弁体の表面のうち、少なくとも前記
    第1の開口と接触する部分が、弾性体で形成されてい
    る、請求項1から6のいずれかに記載のスターリング機
    関。
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