JP2003049807A - 油圧シリンダのクッション装置 - Google Patents

油圧シリンダのクッション装置

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JP2003049807A
JP2003049807A JP2001236089A JP2001236089A JP2003049807A JP 2003049807 A JP2003049807 A JP 2003049807A JP 2001236089 A JP2001236089 A JP 2001236089A JP 2001236089 A JP2001236089 A JP 2001236089A JP 2003049807 A JP2003049807 A JP 2003049807A
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cushion
piston
rod
piston rod
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Tomohiko Yasuoka
友彦 安岡
Akinori Ro
明徳 盧
Mitsuhiro Yoshimoto
光宏 吉本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンロッドの伸長側で作動するクッション
装置であって、ピストン締結部の強度を向上できかつク
ッション性能を安定して高性能に発揮できるようにし信
頼性を高める。 【解決手段】ピストンロッド3の先端部に環状の取付溝
3bが形成され、取付溝3bにリング状の止め輪部材2
9が装着され、この止め輪部材29に隣接してリング状
の停止部材100を装着してその内径段差部100aで
止め輪部材29を内包する構成とする。停止部材100
とピストン端面との間のリング挿入部3aにクッション
リング30が遊嵌され、停止部材100の端面100b
をクッションリング30の先端側端面の軸方向停止面と
する。ピストンロッド3が伸長してクッションリング3
0がクッション孔31内に入り込むとロッド室7a側の
戻り油の流路32が絞られ、クッション作用を発揮す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の油圧ア
クチュエータ等に用いられる油圧シリンダに設けられ、
シリンダ伸び方向のストロークエンド近傍での衝撃を緩
和するクッション装置に係わり、特に調芯作用と一方向
流路機能を有するフローティングタイプのクッションリ
ングを備えた油圧シリンダのクッション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械、例えば油圧ショベルの油圧ア
クチュエータとして用いられる油圧シリンダは、ピスト
ンロッドに連結して設けたピストンをシリンダ本体内で
摺動させるように構成されており、シリンダ本体の内部
はピストンによりロッド側のシリンダ室(以下適宜ロッ
ド室という)とボトム側のシリンダ室(以下適宜ボトム
室という)の2つの室に区分されている。この油圧シリ
ンダは、ピストンロッドの先端部とシリンダ本体のボト
ム側端部とをそれぞれ所定の部材間に枢着して取り付け
られ、ボトム室側に圧油を供給し、ロッド室側をタンク
に連通させると、ピストンロッドは伸長し、逆にロッド
室側に圧油を供給して、ボトム室側をタンクに接続する
と、ピストンロッドが収縮する。油圧シリンダにおける
ピストンロッドとシリンダとの間に大きな荷重が作用し
ている状態で、伸長又は収縮方向に作動させると、その
ストロークエンドで大きな衝撃が加わる。このため、大
きな負荷が作用する油圧シリンダには、そのピストンロ
ッドのストロークエンド近傍での衝撃を緩和するための
クッション装置が設けられている。
【0003】クッション装置は、シリンダにおけるロッ
ド室なりボトム室なりからの作動油の排出流路を絞るこ
とによって、これらの室内に背圧を立たせてクッション
作用を得るのが一般的である。例えば、ピストンロッド
の伸長側で作動するクッション装置は、ピストンロッド
に所定の外径を有するクッションリングを設け、ロッド
室エンド付近にはクッションリングに対する挿入孔(以
下、クッション孔という)を形成し、ストロークエンド
近傍でクッションリングをクッション孔に嵌入させ戻り
油の流路を絞ることによりロッド室内に背圧を発生さ
せ、クッション作用を得る。また、クッション装置に
は、クッションリングをピストンロッドに固定し固定タ
イプと、クッションリングをピストンロッドのリング挿
入部に遊嵌し、調芯作用と一方向流路機能を得るフロー
ティングタイプとがある。
【0004】特開2000−337315号公報の図1
1には、ピストンロッドの伸長側で作動する従来の一般
的なフローティングタイプのクッション装置が示されて
いる。この一般的なクッション装置では、ピストンロッ
ドのロッド本体とピストン締結部の間にロッド本体より
小径でピストン締結部より大径のリング挿入部を設け、
このリング挿入部にクッションリングを遊嵌している。
ピストンロッドの伸長時、クッションリングの先端(ロ
ッド本体側端部)はロッド本体とリング挿入部の境界で
あるロッドの径方向段差面(軸方向停止面)に密着し、
クッションリングとリング挿入部間の隙間をクッション
孔側に対して閉鎖する。これによりクッションリングが
クッション孔に入り込むときロッド側のシリンダ室はク
ッションリングの外周側を介してのみクッション孔側と
連通することとなり、クッション孔が絞られることで、
ロッド側のシリンダ室内に背圧(クッション圧力)が立
ち、クッション作用が得られる。ピストンロッドが逆方
向に移動し、クッションリングがクッション孔から抜け
出るときは、クッション孔側からの供給圧油によりクッ
ションリングが押され、クッションリングの後端(ピス
トン側端部)がピストン端面に接触する。クッションリ
ングの後端には厚み方向の凹溝が形成されており、当該
後端がピストン端面に接触するとき、クッションリング
とリング挿入部間の隙間はその凹溝を介してロッド室に
連通する。その結果、クッション孔側から供給された圧
油はクッションリングの外側と内側の両方の流路を介し
てロッド室に流入し、ピストンロッドは迅速にシリンダ
内に引き込まれる。また、クッションリングがクッショ
ン孔から抜け出す際の騒音もなくなる。
【0005】特開2000−337315号公報の図1
等には、リング挿入部をロッド本体と同径とし、クッシ
ョンリングの軸方向停止面として止め輪部材を装着した
フローティングタイプのクッション装置が開示されてい
る。つまり、このクッション装置は、リング挿入部をロ
ッド本体の延長部として形成し、リング挿入部とロッド
本体との間に環状の取付溝を形成し、この取付溝に合口
隙間を備えた止め輪部材を装着したものであり、ピスト
ンロッドの伸長時、クッションリングの先端側の端面は
その止め輪部材の端面に当接する。
【0006】また、特開2000−337315号公報
の図4等には、ピストンのボルト締結構造を持つ油圧シ
リンダに上記クッション装置を設けたものが開示されて
いる。このボルト締結構造は、ピストンロッドの先端の
端面にピストン端面を少なくとも部分的に対面接触さ
せ、ピストンに開けられたボルト貫通穴からピストンロ
ッドに設けられたネジ穴にボルトを差し込んで締め込
み、ピストンをピストンロッドに締結したものである。
複数本のボルトを用いる場合は、ピストンロッドの先端
端面に対し所定の直径のピッチ円上に等間隔にボルト孔
を形成し、このボルト孔にピストンを通してボルトが差
し込まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0008】特開2000−337315号公報の図1
1に示すような一般的なフローティングタイプのクッシ
ョン装置では、ロッド本体とリング挿入部の間にクッシ
ョンリングの軸方向停止面を形成するため、リング挿入
部をロッド本体より小径にしなければならない。このた
めロッド本体を所定長さにわたって小径化する研削加工
が必要となる。
【0009】また、ピストンの先端に設けられたピスト
ン締結部はリング挿入部より更に小径となるため、ピス
トン締結部の強度不足を生じるという問題もある。つま
り、通常のピストン締結構造では、ピストン締結部の外
周には雄ネジが切られており、ピストンをピストン締結
部に挿入しリング挿入部とピストン締結部間の段差面に
押し当てた後、その雄ネジ部にナットを締め込むことで
ピストンは固定されている。このようなピストン締結構
造においては、ピストンロッドの伸長側でクッション作
用を得るとき、ピストン締結部に過大な引張応力が作用
し、この引張応力が繰り返し作用することにより同部が
折損する可能性がある。
【0010】また、ピストン締結構造としてボルト締結
構造を採用した場合は、ピストン締結部が小径になる
と、それに応じてピストンロッドの先端端面の断面積が
小さくなるためボルトの配列ピッチ円の直径が小さくし
なり、大径のボルトを使用できなくなり、やはり強度不
足の問題が生じる。
【0011】特開2000−337315号公報の図1
等に示すフローティングタイプのクッション装置では、
リング挿入部をロッド本体と同径とし、クッションリン
グの軸方向停止面として止め輪部材を装着しているた
め、リング挿入部を小径にする加工は不要であり、製作
が容易である。また、通常のピストン締結構造では、ピ
ストン締結部を従来よりも大径にでき、ピストン締結構
造としてボルト締結構造を採用したものでは、ボルトの
配列ピッチ円の直径を拡大でき、従来よりも大径のボル
トを使用でき、ピストン締結部の強度を向上できる。
【0012】しかし、クッションリングの軸方向停止面
として装着される止め輪部材は、環状の取付溝に装着可
能とするため、例えば円周方向の1箇所に切れ目を入れ
て合口隙間を形成し、スナップリングのようにして環状
の取付溝に装着している。このため、ピストン伸長時に
ストロークエンド付近でクッションリングがクッション
孔内に突入しクッション作用を得るとき、クッションリ
ングの先端が止め輪部材の端面(軸方向停止面)に密着
しても、当該合口隙間を介してクッションリングとリン
グ挿入部間の隙間がクッション孔側と連通してしまう。
このためロッド側のシリンダ室とクッション孔側との間
の絞り面積は、クッションリング外周側の環状隙間と当
該合口隙間の合計となり、設定値以上の絞り面積となる
ため、クッション圧力が低下し緩衝効果(クッション性
能)が低下する。また、止め輪部材に合口隙間がある
と、クッションリングがクッション孔に突入するとき止
め輪部材の内径部にクッション圧力が作用するため、止
め輪部材が外形方向に拡大し、合口隙間の開口面積が増
大し、更にクッション性能を低下させる。
【0013】本発明の目的は、ピストンロッドの伸長側
で作動するクッション装置であって、ピストン締結部の
強度を向上できかつクッション性能を安定して高性能に
発揮できる信頼性の高い油圧シリンダのクッション装置
を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ピストンロッドにピストンを締結
し、このピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入し
てシリンダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側の
シリンダ室の2室に区分した油圧シリンダのクッション
装置において、前記ピストンロッドのロッド本体とピス
トン締結部の間に設けたリング挿入部にクッションリン
グを遊嵌し、前記リング挿入部と前記ピストンロッドの
ロッド本体との間に環状の取付溝を形成し、この取付溝
に合口隙間を備えた止め輪部材を装着し、かつ前記止め
輪部材に隣接して止め輪部材側に内径段差部を形成しか
つ反対側に円周状の端面を形成したリング状の停止部材
を装着し、この停止部材の内径段差部に前記止め輪部材
を内包させ、前記円周状の端面で前記クッションリング
の先端側の端面が当接する軸方向停止面を形成したもの
とする。
【0015】このようにピストンロッドに取付溝を形成
し、この取付溝に止め輪部材を装着し、かつこれに隣接
してリング状の停止部材を装着することでクッションリ
ングの先端側端面の軸方向停止面を形成することによ
り、クッション装置のリング挿入部をピストンロッドの
ロッド本体と同径にでき、リング挿入部をロッド本体よ
り小径にするための特別な研削加工が不要となり、クッ
ション装置の製作が容易となる。また、リング挿入部が
ロッド本体と同径となるので、ピストン締結部もそれに
応じて太径にでき強度を向上できる。
【0016】更に、クッションリングの先端側端面の軸
方向停止面を切れ目のないリング状の停止部材の端面で
形成したので、軸方向停止面には従来技術のような開口
部分は存在せず、クッションリングの先端面が当該軸方
向停止面(停止部材の端面)に密着したとき、その部分
を100%密封可能となり、このためクッション圧力の
意図しない低下は起こらず、適切な緩衝効果が得られ
る。
【0017】また、止め輪部材の合口隙間はクッション
リング先端との密封機構とは直接関係していないので、
クッション圧力による止め輪部材の径の拡大及びそれに
伴うクッション圧力の低下は起こらず、かつクッション
装置の抜出し起動時にも停止部材の端面に対しクッショ
ンリングは自由に軸方向に移動でき、抜け出し特性もス
ムーズとなり、クッション性能を安定して高性能に発揮
することができる。
【0018】(2)また、上記目的を達成するために、
本発明は、ピストンロッドにピストンを締結し、このピ
ストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリンダ
本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ室
の2室に区分すると共に、前記ピストンロッドの先端の
端面に前記ピストンのロッド側端面を少なくとも部分的
に対面接触させ、ピストンに開けられたボルト貫通穴か
らピストンロッドに設けられたネジ穴にボルトを差し込
んで締め込み、ピストンをピストンロッドに締結した油
圧シリンダのクッション装置において、前記ピストンロ
ッドのロッド本体とピストン締結部の間に設けたリング
挿入部にクッションリングを遊嵌し、前記リング挿入部
と前記ピストンロッドのロッド本体との間に環状の取付
溝を形成し、この取付溝に合口隙間を備えた止め輪部材
を装着し、かつ前記止め輪部材に隣接して止め輪部材側
に内径段差部を形成しかつ反対側に円周状の端面を形成
したリング状の停止部材を装着し、この停止部材の内径
段差部に前記止め輪部材を内包させ、前記円周状の端面
で前記クッションリングの先端側の端面が当接する軸方
向停止面を形成したものとする。
【0019】このように構成した本発明においても、ピ
ストン締結構造としてボルト締結構造を採用した油圧シ
リンダで、上記(1)で述べたようにリング挿入部の特
別な研削加工が不要となり、かつクッション性能を安定
して高性能に発揮することができる。
【0020】また、ピストン締結部を従来より太径にで
きるので、ボルトの配列ピッチ円直径を拡大でき、太径
のボルトを使用できるため、ボルト締結構造の強度を向
上できる。
【0021】(3)上記(1)又は(2)において、好
ましくは、前記クッションリングの先端側の端面に絞り
溝を形成する。
【0022】これによりクッションリング外周側の環状
隙間とクッションリング先端側の端面に形成した絞り溝
との組み合わせでクッション絞り通路が構成されるの
で、絞り溝の幅や深さを調整することで容易にクッショ
ン圧力を微調整することができ、適切な緩衝効果を得る
ことができる。
【0023】(4)上記(1)又は(2)において、前
記停止部材の円周状の端面に絞り溝を形成してもよい。
【0024】これによっても上記(3)で述べたように
容易にクッション圧力を微調整することができ、適切な
緩衝効果を得ることができる。
【0025】(5)また、上記(1)又は(2)におい
て、好ましくは、前記止め輪部材の合口隙間はリング形
状の少なくとも1箇所に設けられている。
【0026】これにより止め輪部材はそれ自身で取付溝
からの脱離を防止し、止め輪部材を確実に装着できる。
【0027】(7)上記(1)又は(2)において、前
記止め輪部材は複数の円弧状セグメントからなり、前記
合口隙間は複数個あってもよい。
【0028】このように止め輪部材を複数の円弧状セグ
メントで構成した場合も、停止部材の内径段差部に止め
輪部材を内包させることにより、取付溝からの脱離を防
止できる。また、複数の円弧状セグメントであるので取
付溝への装着が容易となる。
【0029】(8)また、上記(1)又は(2)におい
て、好ましくは、前記停止部材は、その内周部分で前記
リング挿入部の外周に締まり嵌めで嵌着されている。
【0030】これにより停止部材の内径側とリング挿入
部間の嵌合部にクッション圧力が侵入して隙間ができク
ッション圧力を低下させることを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0032】まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図
4により説明する。
【0033】図1において、1は油圧シリンダであり、
この油圧シリンダ1は、シリンダ本体2、ピストンロッ
ド3、ピストン4を有し、シリンダ本体2は、一端5a
側が閉塞し他端5b側が開口した円筒形のチューブ5
と、このチューブ5の開口端部5bに固着して設けられ
たヘッドカバー6とで構成されている。ピストンロッド
3はヘッドカバー6を貫通してチューブ5の内外に伸び
ており、シリンダ本体2内に位置するピストンロッド3
の先端にはピストン4が締結されている。ピストン4は
チューブ5内を摺動可能でありかつシリンダ本体2の内
部をロッド側のシリンダ室(以下、ロッド室という)7
aとボトム側のシリンダ室(以下、ボトム室という)7
bの2室に区分している。ピストン4の外周にはシール
リング13、ウエアリング14a,14b、コンタミシ
ール15a,15bが設けられている。ヘッドカバー6
にはロッド室7aに対する作動油の給排ポート8が設け
られ、チューブ5の閉塞端部5aにはボトム室7bに対
する作動油の給排ポート9が設けられている。
【0034】給排ポート9よりボトム室7bに圧油を供
給し、ロッド室7aに通じる給排ポート8をタンクに接
続すると、ピストン4が図示左方のヘッドカバー6側に
摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体3から突
出するよう移動し、油圧シリンダ1が伸長する。また、
給排ポート8を介してロッド室7aに圧油を供給し、ボ
トム室7bに通じる給排ポート9をタンクに接続する
と、ピストン4が図示右方のチューブ5の閉塞端部5a
側に摺動変位してピストンロッド3をシリンダ本体2内
に引き込むよう移動し、油圧シリンダ1が収縮する。従
って、シリンダ本体2のチューブ閉塞端部5aに設けた
取付部10とピストンロッド3の外側の先端に設けた取
付部11の一方を固定側部材に枢着し、他方を可動側部
材に枢着することにより当該動側部材を駆動することが
できる。
【0035】次に、本実施の形態に係わるクッション装
置をピストン締結構造と共に説明する。
【0036】ピストンロッド3の先端部にはピストンロ
ッド3のロッド本体と同径のリング挿入部3aが設けら
れ、ピストンロッド3のリング挿入部3aの更に先端側
には径方向段差面3eを介してリング挿入部3aより小
径のピストン挿入部3fが設けられ、ピストン挿入部3
fは基端部分のピストン取付部3f1と先端部分の雄ネ
ジ部3gを形成したナット締結部3f2とを有し、ピス
トン4をピストン挿入部3fのピストン取付部3f1に
挿入し、ピストン4が段差面3eに当接するようナット
12をナット締結部3f2の雄ネジ部3gに締め込むこ
とでピストン4はピストンロッド3に締結される。
【0037】ピストンロッドの伸長方向のストロークエ
ンドでの衝撃を緩和するロッド側のクッション装置とし
て、ピストンロッド3のロッド本体とリング挿入部3a
との間に環状の取付溝3bが形成され、この取付溝3b
にリング状の止め輪部材29が装着され、かつリング挿
入部3aの止め輪部材29に隣接した箇所に止め輪部材
29を内包するようにリング状の停止部材100が装着
され、リング挿入部3aには径方向及び軸方向に移動可
能にロッド側のクッションリング30が遊嵌されてい
る。
【0038】シリンダ本体2の一端のヘッドカバー6の
内端部分6aにはクッションリング30が進入するクッ
ション孔31が形成され、このクッション孔31の内周
面側に給排ポート8に通じる流路32が形成されてお
り、ピストンロッド3が伸長して、クッションリング3
0がクッション孔31内に入り込むとクッションリング
30によりロッド室7a側の戻り油の流路32が絞ら
れ、その結果ロッド室7a内に背圧(クッション圧力)
が生じ、この背圧によってピストンロッド3の伸長方向
におけるクッション作用を発揮する。
【0039】図2にクッション装置部分の拡大図を示
し、図3に止め輪部材29の拡大斜視図、図4に停止部
材100の拡大斜視図を示す。
【0040】止め輪部材29は、図2及び図3に示すよ
うに、断面矩形のリングの周方向の一箇所に切欠き29
aを設けた形状をしており、治具を用いて止め輪部材2
9を広げることでピストン挿入部3f側からリング挿入
部3aに挿入し、取付溝3bに嵌着する。この嵌着状態
において切欠き29aは合口隙間となる。
【0041】停止部材100は、図2及び図4に示すよ
うに、止め輪部材29側に内径段差部100aを形成
し、反対側に円周状の端面100bを形成した断面かぎ
型のリングであり、内径段差部100a内の内端面10
0cを止め輪部材29の端面に密着させ内径段差部10
0aに止め輪部材29を内包するようにリング挿入部3
aに嵌着されている。停止部材の円周状の端面100b
はクッションリング30の先端側の端面が当接する軸方
向停止面を形成する。
【0042】ここで、停止部材100の内径部100d
とリング挿入部3aとの嵌合は、望ましくは締め代を持
たせた嵌合(締まり嵌め)であり、これにより同嵌合部
にクッション圧力が浸入して隙間ができクッション性能
を低下させることを防止できる。また、停止部材100
が軸方向に自由に移動できないようにして、クッション
リング30の抜出し時、クッションリング30の先端を
確実に停止部材100の端面100bから離し、開口部
を安定的に確保できる効果がある。
【0043】止め輪部材29の嵌着は外嵌め方式であ
る。つまり、止め輪部材29の内径を取付溝3bの外径
より大きく、外径を停止部材100の内径段差部100
aの面より大きくし、取付溝3bに嵌着した図示の状態
で止め輪部材29の外径側が停止部材100の内径段差
部100aの面に密着し、内径側に隙間を形成するよう
構成されている。これにより治具を用いて止め輪部材2
9を広げリング挿入部3aに挿入し、取付溝3bに嵌着
する作業が容易となる。また、止め輪部材29と停止部
材100が一体化し、停止部材100が軸方向に自由に
移動できないようにする効果が更に高まる。
【0044】止め輪部材の嵌着は図5に示すように内嵌
め方式であってもよい。この場合、止め輪部材29Aは
内径を取付溝3bの外径より小さく、外径を停止部材1
00の内径段差部100aの面より小さく作られ、取付
溝3bに嵌着した図示の状態で止め輪部材29Aの内径
側が取付溝3bの底面に密着し、外径側に隙間が形成さ
れる構成となる。この場合は、停止部材100の嵌着が
容易となる効果がある。
【0045】クッションリング30は、図2に示すよう
に、両側の端面が停止部材100及びピストン4の端面
(以下、ピストン端面という)4aに向き合うようリン
グ挿入部3aに遊嵌されており、クッションリング30
とリング挿入部3aとの間には環状隙間30cが形成さ
れている。また、クッションリング30の軸線方向の長
さはピストン端面4aと停止部材100の端面100b
間の距離よりも若干短くなっており、クッションリング
30のピストン端面4a側の端面には、クッションリン
グ30の外周面側から内周面側に開口する複数の連通用
の凹溝30aが形成され、クッションリング30の先端
側の端部には、クッションリング30がクッション孔3
1内に進入する際に円滑かつ確実にクッション孔31に
入り込むように呼び込みテーパ部30bが形成されてい
る。
【0046】ここで、クッションリング30がリング挿
入部3aと同心状に位置したときのクッション孔31の
内周面とクッションリング30の外周面の環状隙間30
eの寸法をA、クッションリング30の内周面とピスト
ンロッド3のリング挿入部3aの外周面の環状隙間30
cの寸法をBとすると、A<Bなる寸法関係となってい
る。ここで、クッション作用を行う時の絞り流路の流路
断面積は環状隙間30eの寸法Aにより定まる。従っ
て、より有効にクッション作用を発揮するには、環状隙
間30eの寸法Aをできるだけ小さくすることが好まし
い。
【0047】以上のようにクッション装置を構成するこ
とによって、ピストンロッド3の伸長時のストロークエ
ンド近傍でクッション作用を発揮させることができる。
【0048】まず、ピストンロッド3が収縮状態にある
時、ボトム室7b側の給排ポート9を油圧ポンプ等の油
圧源に接続し、ロッド室7a側の給排ポート8をタンク
に接続すると、ボトム室7bが高圧になり、ロッド室7
aが低圧になるから、ピストンロッド3が伸長する。こ
の時、ピストンロッド3に伸長方向に対向して大きな負
荷が作用していると、その負荷に打ち勝ってピストンロ
ッドを伸長させようとするため、ボトム室7bの圧力は
更に高圧となり、ボトム室7bとロッド室7aとの間の
差圧が極めて大きくなる。
【0049】ピストンロッド3がストロークエンド近傍
に至ると、図2に示すように、クッションリング30が
クッション孔31内に進入してクッション行程に入り、
戻り油の流路32が絞られる。この結果、ロッド室7a
側に背圧が発生するから、ピストン4の両端面に作用す
るボトム室7bの圧力とロッド室7a側の圧力との差が
減少して動きが減速される。この時、ロッド室7a内は
給排ポート8より圧力が高いから、ロッド室7aの圧力
(背圧)の作用でクッションリング30が停止部材10
0の端面100bに圧接されてクッションリング30と
リング挿入部3aとの間の環状隙間30cによる流路が
閉鎖される(一方向流路機能)。その結果、戻り油はク
ッションリング30の外径側の環状隙間30eからしか
流れないので、ロッド室7a側が更に高圧になり、しか
もクッションリング30のクッション孔31内への進入
度合いに応じて環状隙間30eの長さが長くなるから、
ストロークエンドに近づくに従って、ロッド室7a内の
背圧が更に増大して、ストロークエンドで円滑に停止
し、停止時の衝撃が著しく緩和される。
【0050】また、クッションリング30はピストンロ
ッド3のリング挿入部3aに遊嵌されていることから、
このクッションリング30がクッション孔31内に入り
込むと、クッション孔31に対しピストンロッド3全体
又はそのリング挿入部3aに多少軸心のズレがあって
も、クッションリング30はそのテーパ部30bからク
ッション孔31に倣うように移動する(調芯機能)。従
って、クッションリング30の外径寸法とクッション孔
31の穴径との寸法差を極小さなものとし、環状隙間3
0eの流路断面積を極めて小さくしより大きなクッショ
ン作用を発揮するようにしても、クッションリング30
はクッション孔31と金属接触してカジリやフレッティ
ング等が発生するおそれはなく、その間が損傷したり、
また摩耗粉が発生したりするおそれはない。
【0051】一方、ピストンロッド3をそのストローク
エンドから収縮させるためにロッド室7a側の給排ポー
ト8に圧油を供給すると、この給排ポート8から供給さ
れる圧油の圧力の作用でクッションリング30が押動さ
れて停止部材100の端面100bから離間し、ピスト
ン端面4aに当接する。この結果、クッションリング3
0の外径側の環状隙間30eの流路に加えて、クッショ
ンリング30とリング挿入部3aとの間の環状隙間30
c及びクッションリング30とピストン端面4aとの間
の凹溝30aを含む一方向流路が形成されるから、流路
断面積が増大してピストンロッド3は円滑かつ迅速に伸
長し、クッションリング30がクッション流路から抜け
出す際の騒音もなくなる。
【0052】ここで、クッション装置の役割は、ピスト
ンロッドの伸長時にストロークエンド近傍でクッション
リング30がクッション孔31に進入した時、ロッド室
7aにクッション圧力を発生させ、ストロークエンドに
おける衝撃を緩和させることである。最適な緩衝効果を
発揮するためには、適切なクッション圧力を発生させる
必要がある。クッション圧力は、上記のようにクッショ
ンリング30の外周面側の環状隙間30eの絞り面積に
より決定されるから、この値の適正な設定が重要とな
る。この観点から見たとき、特開2000−33731
5号公報の図1等に示される従来技術では、止め輪部材
29の端面が直接クッションリング30先端側の端面が
当接する軸方向停止面となり、クッションリング先端面
と止め輪部材29が直接接触してクッションリング30
の内周側の環状隙間30cの密封面を形成する構成とな
っている。このため止め輪部材29には合口隙間29a
があるので、当該密封面に一部開口部分が存在すること
となり、ロッド室7aと給排ポート8間の絞り面積は、
クッションリング外周側の環状隙間30eと合口隙間2
9aの開口面積の合計となり、設定値以上の絞り面積と
なるため、クッション圧力が低下し緩衝効果(クッショ
ン性能)が低下する結果となる。
【0053】これに対し、本実施の形態では、クッショ
ンリング30に対する軸方向停止面を構成する停止部材
100は切れ目の無いリング状に形成されているため、
軸方向停止面には従来技術のような開口部分は存在せ
ず、100%密封が可能である。このためクッション圧
力の低下は起こらず、適切な緩衝効果が得られる。
【0054】また、特開2000−337315号公報
の図1等に示される従来技術では、止め輪部材に合口隙
間があるため、クッションリングがクッション孔に突入
するとき止め輪部材の内径部にクッション圧力が作用す
ると、その止め輪部材が外形方向に拡大し、合口隙間の
開口面積が増大し、更にクッション性能を低下させる。
【0055】これに対し、本実施の形態では、前述した
ように止め輪部材29の合口隙間29aはクッションリ
ング先端との密封機構とは直接関係していないので、止
め輪部材29の嵌着が外嵌め方式(図2)でも内嵌め方
式(図5)でもそのような問題は起こらず、安定したク
ッション性能が得られる。
【0056】特開2000−337315号公報の図9
には、クッションリングの先端に内径段差部を形成し、
この内径段差部で止め輪部材を内包する構成が示されて
いる。この構成で止め輪部材の外径とクッションリング
内径段差部間の隙間を微小にすれば、クッションリング
がクッション孔に突入するときのクッション圧力による
止め輪部材の外形方向への拡大を防止でき、クッション
性能の低下を防止できる。
【0057】しかし、クッション装置は抜出し起動時の
特性も重要であり、伸び側のストロークエンドから縮み
方向に起動する時にロッド室7aに圧油の供給が十分に
できないと負圧が生じ、ロッドストロークに不整脈の不
具合現象が生じる。特開2000−337315号公報
の図9に示す構成では、上記のように止め輪部材の外径
とクッションリング内径段差部間を微小にすると、クッ
ションリングが軸方向に自由に移動することができなく
なり、そのような不具合現象を防止できなくなる。
【0058】これに対し、本実施の形態では、止め輪部
材29を内包するのは停止部材100であり、停止部材
10の端面に対しクッションリング30は自由に軸方向
に移動できる構成となっており、このため上記のよう
に、抜出し起動時にクッションリング先端と停止部材1
00との密封面をクッションリング前後の差圧を利用し
て速やかに開口し、クッションリング30の内周側の環
状隙間30cを介してロッド室7aへ圧油の補給を行う
ことができ、そのような不具合現象を防止することがで
きる。
【0059】以上のように構成した本実施の形態によれ
ば、クッション装置のリング挿入部3aはピストンロッ
ド3のロッド本体と同径であるので、リング挿入部をロ
ッド本体より小径にするための研削加工が不要であり、
クッション装置の製作が容易となる。
【0060】また、クッション装置のリング挿入部3a
はピストンロッド3のロッド本体と同径であるので、ピ
ストン挿入部3fもそれに応じて太径にでき、ピストン
締結部の強度を向上できる。
【0061】更に、クッションリング30の先端側端面
の軸方向停止面として切れ目のないリング状の停止部材
100を装着し、この停止部材100の内径段差部で1
00aで止め輪部材29を内包する構造としたので、軸
方向停止面には従来技術のような開口部分は存在せず、
クッションリング30の先端面が当該軸方向停止面(停
止部材100の端面100b)に密着したとき、その部
分を100%密封可能であり、このためクッション圧力
の意図しない低下は起こらず、適切な緩衝効果が得られ
る。
【0062】また、止め輪部材29の合口隙間29aは
クッションリング先端との密封機構とは直接関係してい
ないので、クッション圧力による止め輪部材29の径の
拡大及びそれに伴うクッション圧力の低下は起こらず、
クッション装置の抜出し起動時にも停止部材100の端
面100bに対しクッションリング30は自由に軸方向
に移動でき、抜け出し特性もスムーズとなり、クッショ
ン性能を安定して高性能に発揮することができる。
【0063】更に、クッション圧力による止め輪部材2
9の径の拡大が起こらないので、クッション作用を得る
たびにクッション圧力で止め輪部材が繰り返し拡大する
場合に比べて止め輪部材の耐圧寿命が向上し、高信頼性
で高耐久性のクッション装置とすることができる。
【0064】本発明の第2の実施の形態を図6及び図7
により説明する。図中、図1及び図2に示す部材と同等
のものには同じ符号を付している。本実施の形態は、追
加の絞り通路を設け、クッション圧力の微調整を可能と
したものである。
【0065】図6において、クッションリング30Aの
先端側の端面には切欠溝30fが形成されている。この
切欠溝30fは図7に示すように所定幅を有し、上下2
箇所に設けられ、ピストンロッド伸び側のストロークエ
ンド付近でクッションリング30Aの先端が停止部材1
00の端面100bに密着するとき、クッションリング
外周側の環状隙間30eとその切欠溝30fとの組み合
わせでクッション絞り通路を構成する。
【0066】前述したように、適切な緩衝効果を発揮す
るためには、適切なクッション圧力を発生させる必要が
あり、第1の実施の形態ではクッション圧力はクッショ
ンリング30の外周面側の環状隙間30eの絞り面積に
より決定される。しかし、加工誤差等により環状隙間3
0eの絞り面積を正確に設定することは難しく、もしそ
の絞り面積が設計値より小さいとクッション圧力が過大
となり、油圧シリンダのストロークエンド付近での動作
が緩慢となる。また、クッションリング内周側の環状隙
間30cに入り込んだクッション圧力でクッションリン
グが拡大変形し、外周側の環状隙間30eの絞り面積が
ますます減少し、クッションリングがクッション孔壁面
にかじったり、油圧シリンダのストロークエンド付近で
の動作がますます緩慢となってしまう。
【0067】本実施の形態によれば、クッションリング
外周側の環状隙間30eとクッションリング先端側の端
面に形成した切欠溝30fとの組み合わせでクッション
絞り通路を構成するので、切欠溝30fの深さや幅を調
整することで容易にクッション圧力を微調整することが
でき、適切な緩衝効果を得ることができる。
【0068】また、クッション圧力が過大となることが
防止できるので、クッション圧力を支持するクッション
リングなどの強度部材の耐圧寿命の低下が防止され、高
信頼性で高耐久性のクッション装置が得られる。
【0069】図8及び図9は本発明の第3の実施の形態
として追加絞り通路の変形例を示すものである。図6及
び図7の実施の形態では、切欠溝をクッションリングに
形成したが、図8及び図9に示すように停止部材100
Aの端面100bに切欠溝100fを形成してもよく、
これによっても第2の実施の形態と同様の効果が得られ
る。
【0070】図10は本発明の第4の実施の形態として
止め輪部材の変形例を示すものである。図10におい
て、止め輪部材29Bは、1つのリングを2つに分割し
た2つの半割りリングセグメント29b1,29b2か
らなる分割型のリング構造をしており、停止部材100
の内径段差部100a(図1等参照)に内包されること
で取付溝3bからの脱離が防止される。
【0071】本実施の形態によっても上記実施の形態と
同様の効果が得られる。
【0072】また、本実施の形態によれば、止め輪部材
29Bを分割型のリング構造にしたので、取付溝3bへ
の装着を効率良く行える。
【0073】本発明の第5の実施の形態を図11及び図
12により説明する。図中、図1及び図2に示す部材と
同等のものには同じ符号を付している。本実施形態は、
ピストンをピストンロッドにボルト締結するピストン締
結構造を有する油圧シリンダに本発明を適用したもので
ある。
【0074】図1において、ピストンロッド3Aの先端
部分にはロッド本体と同径のリング挿入部3Aaが設け
られ、リング挿入部3Aaの延長部分であるピストンロ
ッド3Aの先端部分にピストン4Aが挿入される。ピス
トン4Aのピストンロッド3A側の端面20には軸方向
のインローの嵌め合い部として凹所21が形成され、こ
の凹所21にピストンロッド3Aの先端部分がインロー
にて嵌入される。
【0075】また、ピストンロッド3Aの先端部分の端
面23に軸方向のネジ穴24が開けられ、ピストン4A
の端面に軸方向のボルト貫通穴25が開けられ、ピスト
ンロッド先端部分の端面23をピストン4Aの凹所21
の底面26に密着した状態で、ボルト貫通穴25からネ
ジ穴24にボルト22を差し込んでボルト22を締め込
むことで、ピストン4Aはピストンロッド3Aに締結さ
れている。ボルト22の数は適当数でよいが、本実施の
形態では6本である。
【0076】本実施の形態のピストン締結構造では、ボ
ルト22で直接ピストン4Aをピストンロッド3Aに締
結するため、ピストン4Aにかかるロッド室7aの圧力
による力は複数のボルト22で受けることとなる。この
とき、ボルト22には引張応力が作用するが、ボルト2
2は既製の材質で強度は十分であり、ピストンロッド3
Aのネジ穴24のネジ部は雌ネジであるので、通常のロ
ッド材質で強度的に問題とならない。
【0077】また、ピストンロッド3Aのロッド本体と
リング挿入部3Aaとの間に取付溝3bが形成され、当
該取付溝3bに止め輪部材29が装着され、リング挿入
部3Aaには、止め輪部材29に隣接して止め輪部材2
9を内包する内径段差部100aを有する停止部材10
0が嵌着され、かつリング挿入部3Aaに径方向及び軸
方向に移動可能にクッションリング30が遊嵌されてい
る。
【0078】本実施形態においては、第1の実施の形態
と異なり、ピストン端面に作用するクッション圧力はボ
ルト22が受ける構造であるが、止め輪部材29及び停
止部材100を使用することにより径方向段差面を設け
るためにピストンロッド自体を小径にする必要がないの
で、リング挿入部3Aaの径を拡大できる。その結果、
ボルト22がねじ込まれるロッド先端の断面積も拡大す
ることから、複数のボルト22を配置するピッチ円直径
も拡大され、大径のボルトが使用でき強化が図れる。
【0079】図12に実際の設計例による実寸法を示
す。図12(a)は本実施の形態の停止面構造を有する
ものの設計例を示し、図12(b)は特開2000−3
37315号公報の図11に示す一般的なフローティン
グタイプのクッション装置を有する油圧シリンダでピス
トン締結構造として図11に示すようなボルト締結構造
を採用した場合のものである。
【0080】一般的なフローティングタイプのクッショ
ン装置では、リング挿入部はロッド本体より小径である
ため、ボルトの配置面積はこの小径のリング挿入部の断
面積に制限され、使用可能なボルトのサイズもそれに応
じて制限される。このため、図12(b)の設計例で
は、6本のボルトを環状に配置する場合、そのボルトピ
ッチ径は62mmであり、使用可能なボルトサイズはシ
ャフト径が直径20mmのM20であった。
【0081】これに対し、本実施の形態では、上記のよ
うにリング挿入部3Aaの径を拡大でき、ボルト22の
配置面積が拡大するため、図12(a)の設計例では、
6本のボルトを環状に配置する場合、そのボルトピッチ
径は62mmから67mmに拡大でき、ボルトサイズは
M20からシャフト径が直径22mmであるM22へと
一サイズ大きくできる。このため、ピストン締結部分の
更なる強度の確保が図れる。
【0082】以上のように構成した本実施の形態におい
ても、ピストン締結構造としてボルト締結構造を採用し
た油圧シリンダで、第1の実施の形態と同様、リング挿
入部3Aaを小径化するための特別な研削加工が不要で
あり、かつクッション性能を安定して高性能に発揮する
ことができる。
【0083】また、ピストン締結部を従来より太径にで
きるので、ボルトの配列ピッチ円直径を拡大でき、太径
のボルトを使用できるため、ボルト締結構造の強度を向
上できる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンロッドの伸長
側で作動するクッション装置であって、ピストン締結部
の強度を向上できかつクッション性能を安定して高性能
に発揮することができる。また、止め輪部材の耐圧寿命
が向上し、高信頼性で高耐久性のクッション装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるピストンロ
ッド伸び側のクッション装置を備えた油圧シリンダの断
面図である。
【図2】図1に示した油圧シリンダのクッション装置部
分の拡大図である。
【図3】図2に示した止め輪部材の斜視図である。
【図4】図2に示した停止部材の斜視図である。
【図5】止め輪部材を内嵌め方式とした場合の同部及び
停止部材部分の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わるピストンロ
ッド伸び側のクッション装置を備えた油圧シリンダのク
ッション装置部分の拡大図である。
【図7】第2の実施の形態におけるクッションリングの
先端側の端面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係わるピストンロ
ッド伸び側のクッション装置を備えた油圧シリンダのク
ッション装置部分の拡大図である。
【図9】第3の実施の形態における停止部材の端面図で
ある。
【図10】本発明の第4の実施の形態で使用する止め輪
部材の拡大斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係わるピストン
ロッド伸び側のクッション装置を備えた油圧シリンダの
要部断面図である。
【図12】図11に示した実施の形態に係わる実寸法を
従来技術のものと比較して示すもので、図11(a)は
本実施の形態の停止面構造を採用したものの実寸法を示
し、図11(b)は従来技術の実寸法を示す。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 2 シリンダ本体 3,3A ピストンロッド 3a,3Aa リング挿入部 3b 取付溝 3e 径方向段差面 3f ピストン挿入部 3f1 ピストン取付部 3f2 ナット締結部 3g ねじ部 4,4A ピストン 4a ピストン端面(径方向段差面) 5 チューブ 6 ヘッドカバー 6a 内端部分 7a ロッド室 7b ボトム室 8,9 給排ポート 20 ピストン端面 21 凹所 22 ボルト 23 ピストン端面 24 ボルトネジ穴 25 ボルト貫通穴 26 底面 29,29A,29B 止め輪部材 29a 切欠き 29b1,29b2 リングセグメント 30,30A クッションリング 30a 凹溝 30b テーパ部 30c 環状隙間 30e 環状隙間 30f 切欠溝 31 クッション孔 32 流路 100 停止部材 100a 内径段差部 100b 円周状の端面 100c 内端面 100d 内径部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 光宏 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H081 AA01 AA03 BB02 CC15 CC24 FF19 FF34 HH01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンロッドにピストンを締結し、この
    ピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリン
    ダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ
    室の2室に区分した油圧シリンダのクッション装置にお
    いて、 前記ピストンロッドのロッド本体とピストン締結部の間
    に設けたリング挿入部にクッションリングを遊嵌し、 前記リング挿入部と前記ピストンロッドのロッド本体と
    の間に環状の取付溝を形成し、この取付溝に合口隙間を
    備えた止め輪部材を装着し、かつ前記止め輪部材に隣接
    して止め輪部材側に内径段差部を形成しかつ反対側に円
    周状の端面を形成したリング状の停止部材を装着し、こ
    の停止部材の内径段差部に前記止め輪部材を内包させ、
    前記円周状の端面で前記クッションリングの先端側の端
    面が当接する軸方向停止面を形成したことを特徴とする
    油圧シリンダのクッション装置。
  2. 【請求項2】ピストンロッドにピストンを締結し、この
    ピストンをシリンダ本体内に摺動可能に挿入してシリン
    ダ本体内をロッド側のシリンダ室とボトム側のシリンダ
    室の2室に区分すると共に、前記ピストンロッドの先端
    の端面に前記ピストンのロッド側端面を少なくとも部分
    的に対面接触させ、ピストンに開けられたボルト貫通穴
    からピストンロッドに設けられたネジ穴にボルトを差し
    込んで締め込み、ピストンをピストンロッドに締結した
    油圧シリンダのクッション装置において、 前記ピストンロッドのロッド本体とピストン締結部の間
    に設けたリング挿入部にクッションリングを遊嵌し、 前記リング挿入部と前記ピストンロッドのロッド本体と
    の間に環状の取付溝を形成し、この取付溝に合口隙間を
    備えた止め輪部材を装着し、かつ前記止め輪部材に隣接
    して止め輪部材側に内径段差部を形成しかつ反対側に円
    周状の端面を形成したリング状の停止部材を装着し、こ
    の停止部材の内径段差部に前記止め輪部材を内包させ、
    前記円周状の端面で前記クッションリングの先端側の端
    面が当接する軸方向停止面を形成したことを特徴とする
    油圧シリンダのクッション装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の油圧シリンダのクッ
    ション装置において、前記クッションリングの先端側の
    端面に絞り溝を形成したことを特徴とする油圧シリンダ
    のクッション装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の油圧シリンダのクッ
    ション装置において、前記停止部材の円周状の端面に絞
    り溝を形成したことを特徴とする油圧シリンダのクッシ
    ョン装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の油圧シリンダのクッ
    ション装置において、前記止め輪部材の合口隙間はリン
    グ形状の少なくとも1箇所に設けられていることを特徴
    とする油圧シリンダのクッション装置。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の油圧シリンダのクッ
    ション装置において、前記止め輪部材は複数の円弧状セ
    グメントからなり、前記合口隙間は複数個あることを特
    徴とする油圧シリンダのクッション装置。
  7. 【請求項7】請求項1又は2記載の油圧シリンダのクッ
    ション装置において、前記停止部材は、その内周部分で
    前記リング挿入部の外周に締まり嵌めで嵌着されている
    ことを特徴とする油圧シリンダのクッション装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007145142A1 (ja) * 2006-06-13 2007-12-21 Kosmek Ltd. 旋回式クランプ
CN102155460A (zh) * 2010-07-23 2011-08-17 三一重工股份有限公司 一种液压油缸及其相关装置、及液压缓冲***、挖掘机和混凝土泵车
CN112145499A (zh) * 2020-10-10 2020-12-29 龙工(上海)液压有限公司 一种液压缸导向套锁紧机构

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